説明

バーコード認識による画像監視システム

【課題】バーコードの読取を制御認識することにより、低コストで導入が容易な方式により、高度なトレーサビリティを実現する画像監視システムを提供する。
【解決手段】1001はネットワーク1000に接続したWEBカメラである。1002は、WEBカメラの画像を記録するデータ格納部であり、WEBカメラと協働して撮影・記録手段を構成する。1003は業務を行うワークエリアであり、ワークエリア内にはバーコードリーダー1004が設けられている。webカメラ1001は、ホストコンピュータ1007の管理の下、ワークエリア内に設定された撮影エリア1008内を撮影するように撮影パラメータが調整されており、撮影した画像はネットワーク1000経由でデータ格納部1002に記録されるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影装置を利用して、業務を監視する画像監視システム、特にバーコードの読取の有無により、業務を認識し、撮影・記録を制御する画像監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
記憶媒体や記憶装置の大容量化にともない、ビデオカメラで業務を監視するシステムが様々な業務において事故や犯罪を防止する目的で利用されている。
【0003】
しかしながら、タダ漫然とビデオに業務や業務が行われているワークエリアを撮影しつづけている従来の監視システムでは、業務事故や業務に関わる商品に瑕疵が発見されてその原因や瑕疵の範囲をトレースしようとしても、膨大なビデオデータから瑕疵に関係する画像を探し出すことは時間の掛かる作業であり、敏速な対応を要求する高度なトレーサビリティを実現するには、問題があるシステムであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
漫然と画像記録するのではなく、RFIDタグの読取をトリガーとして業務シークエンスを区切りながら画像記録していくシステムとして、特許文献1に挙げられる本願出願人によるシステムがある。
ここでは、薬局業務に用いる搬器に取り付けたRFIDタグ、撮影エリア内にRFIDタグの検出エリアを設定したRFIDリーダーを構成に含むシステムが提案されており、この搬器が作業台の所定の位置に置かれると前記RFIDタグが検出され、このRFIDタグを検出している間の画像を記録するものとし、高いトレーサビリティを実現している。
【特許文献1】 特許第4276654号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、RFIDタグおよびRFIDリーダーを活用したシステムは、比較的コストが高く、業務毎にRFIDタグを付加した搬器を用意する必要があり、より安価で導入が容易なシステムにより、高度なトレーサビリティを実現する画像監視システムを提供することが求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を達成するため鋭意検討の結果、業務に供する物にバーコードを付加して、このバーコードの読取の有無のパターンを認識し、認識した結果に基づいて撮影・記録手段を制御していくことで高いトレーサビリティを実現するシステムを低コストで実現可能であることを知見し、本発明をなすに至った。
【0007】
請求項1記載の発明は、撮影装置を利用した業務監視システムにおいて、
1)業務を行うワークエリアに撮影範囲を設定し、前記業務を予め設定した間隔で連続して静止画もしくは動画を撮影することによって画像記録する、ネットワークに接続した撮影・記録手段と、
2)バーコードを付加した前記業務に供する物と、
3)前記ワークエリア内にバーコードの読取エリアが設定され、該読取エリア内の前記業務に供する物の有無及び移動に関係なく常時読取と読取情報の送信を繰り返すように動作を制御され、前記ネットワークに接続されたバーコードリーダーと、
4)前記バーコードリーダーからの読取情報を受信して、該読取情報を解析し、該読取情報に前記バーコードの情報が含まれる間を一の業務継続中と判断し、前記撮影・記録手段を制御して業務継続中と判断された間に取得した画像をグループ化して、前記一の業務に係る監視データとして当該業務を識別する情報と関連付けて記録する、前記ネットワークに接続したホストコンピュータと
を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のシステムにおいて、前記バーコードリーダーの動作の制御は、該バーコードリーダーの内部の制御プログラムに前記繰り返しの動作の機能を付加することにより行われるものであることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、撮影装置を利用した業務監視システムにおいて、
1)業務を行うワークエリアに撮影範囲を設定し、前記業務を予め設定した間隔で連続して静止画もしくは動画を撮影することによって画像記録する、ネットワークに接続した撮影・記録手段と、
2)バーコードを付加した前記業務に供する物と、
3)前記ワークエリア内に前記バーコードの読取エリアを設定し、前記ネットワークに接続されたバーコードリーダーと、
4)前記バーコードリーダーに対して常時読取依頼コマンドを繰り返し送信して、該バーコードリーダーの読取情報を受信して、該読取情報を解析し、該読取情報に前記バーコードの情報が含まれる間を一の業務継続中と判断し、前記撮影・記録手段を制御して業務継続中と判断された間に取得した画像をグループ化して、前記一の業務に係る監視データとして当該業務を識別する情報と関連付けて記録する、前記ネットワークに接続したホストコンピュータと
を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3記載の発明における前記業務に供する物は、前記業務に係る書類を運ぶための書類ホルダーであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、撮影・記録手段を適切に制御し、撮影の対象とする業務を漏れなく撮影し、かつ瑕疵や事故があった場合などに関連する画像を敏速に検索できるように業務毎にグループ化された監視データを生成し、高度なトレーサビリティを実現する画像監視システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1の概略構成図
【図2】バーコードリーダーと書類ホルダーの構成図
【図3】バーコードリーダーの動作を示したフローチャート
【図4】ホストコンピュータの内部構成図
【図5】実施例1の原理を示したタイムチャート
【図6】実施例2の概略構成図
【図7】実施例2に採用するバーコードリーダーと書類ホルダーの構成図
【図8】ホストコンピュータの内部構成図
【図9】バーコードリーダーの制御動作を示したフローチャート
【図10】実施例2の原理を示したタイムチャート
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の具体例につき図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明の実施例1のシステムの概略構成図である。
1001はネットワーク1000に接続したWEBカメラである。1002は、WEBカメラの画像を記録するデータ格納部であり、WEBカメラと協働して撮影・記録手段を構成する。
1003は業務を行うワークエリアであり、ワークエリア内にはバーコードリーダー1004が設けられている。業務を行う作業者1005は、バーコードが付加された書類ホルダー1006を持って、ワークエリアに入室するように業務手順を定めて運用する。書類ホルダーは、業務進行のための作業指示書を保持する作業に必須のツールであり、必ず業務に供する物である。
ここでバーコードを書類ホルダーに付加するものとしているが、本発明の業務に供する物はこれに限定されるものではなく、業務のために商品等を運搬するトレイ等の搬器や作業指示書などの書類に付加するなど本システムを導入する事業所の事情に応じて適宜採用可能である。
1007は、システム全体を管理・制御するホストコンピュータである。
【0015】
webカメラ1001は、ホストコンピュータ1007の管理の下、ワークエリア内に設定された撮影エリア1008内を撮影するように撮影パラメータが調整されており、撮影した画像はネットワーク1000経由でデータ格納部1002に記録されるように構成されている。
ここで撮影装置としてWEBカメラを採用したが、本発明の撮影装置はWEBカメラに限られるものではなく、ネットワークに接続できる動画、静止画撮影装置であれば、いかなる画像撮影装置でも採用することが可能である。
【0016】
ワークエリア1003には、撮影エリアに加えてバーコードリーダー1004の読取エリア1009が設定されており、作業者1005は書類ホルダーを所定の向きに読取エリアに置くように業務手順を定めておくものとし、バーコードリーダーは書類ホルダーのバーコードを業務中いつでも読み取ることができるように位置と向きを決めておくものである。
【0017】
図2は、実施例1に採用するバーコードリーダー1004と書類ホルダー1006の構成図である。
書類ホルダー1006に付加されたバーコード2001をCCD(Charge Coupled Device Image Sensor)で読み取る構成を採用している。ここで読取のためのセンサーは、ここで採用するCCDタイプに限られるものではなく、レーザータイプなど他のタイプのセンサーを適宜採用可能である。バーコードの付加は、書類ホルダーの裏面にバーコードを印刷したシール等の印刷物を張り付けること、または直接に書類ホルダー面に印刷することにより実現される。
【0018】
バーコードリーダー本体2000は、バーコード読取部2002、制御部2003、走査指令部2004、そして読取情報送信部2005という構成である。
【0019】
バーコード読取部2002は、バーコード2001を走査し、集光された光を受光し、電気信号に変換する検知部(受光センサ)と、検知部の出力からバーコードを復調するバーコード復調部とを有する。
【0020】
制御部2003は、CPU(プロセッサ)を含み、トリガー信号を受けると、バーコード読取部2002の光走査部の走査を開始させ、バーコード読取部から復調データを受けると、出力部2005の復調データ出力動作を開始させるものである。
従来のバーコードリーダーでは、一定時間中に同一の読取情報が読み取られると2重読み防止のため、操作を停止せしめるものもあるが、本発明ではトリガー信号がある限り読取動作が停止させない構成を採用する。
【0021】
走査指令部2004は、従来のバーコードリーダー構成要素にはないものである。制御部2003に対して常時繰り返し走査開始のトリガー信号を出力する機能ブロックである。制御部の制御プログラム内に予め設定した間隔でトリガー信号を出力するプログラムと間隔制御用タイマーを組み込むことにより実装する。
ここで本発明に係る機能ブロックは上記に限られるものではなく、例えば、繰り返しの動作パターンを格納したテーブルとテーブルに格納された動作パターンを参照してトリガー信号を内部的に発信する機能ブロックを制御プログラムの光走査開始トリガー受信部位とつなげることなどにより実装する方式などを適宜採用可能である。
従来のバーコードリーダーの制御部では、トリガー信号は別途設けた物品検知部からの物品進入検知信号をトリガー信号として光走査を開始するものや、ハンディタイプのものに見られる手動のスイッチを設けて、作業者の判断で適宜光走査を開始させるものが一般的である。
このように制御プログラムの付加する形で、バーコードリーダーのいわば内部に走査開始のトリガー信号を発生させる機能を設け、常時読取の制御を行わせる方式に対応するバーコードリーダーは現在のところ知られていない。
【0022】
(バーコードリーダーの動作)
図3は、バーコードリーダーの動作を示したフローチャートである。
走査指示ステップ3001において、予め設定されたシステム始動手順又はシステム運営者の手動入力によって走査指令部2004が走査か停止かの指示情報を制御部に送出される。特に図示しない所定のメモリ領域に指示の内容が格納され、指示内容参照ステップ3002において指示内容の判別が行われる。指示内容が「走査」であれば、読取ステップ3003において制御部2003に対してトリガー信号が出力され、光走査が開始される。
このとき特に図示しない間隔制御用タイマーがカウントスタートする。カウントステップ3004において間隔制御用タイマーを監視し、予め設定した間隔がカウントアップされた後、3002の指示内容参照ステップの繰り返しを実行する。
ここで指示内容が走査のままであれば、指示内容が停止に変更されるまで常時読取動作が繰り返される。
【0023】
(ホストコンピュータの構成)
図4は、ホストコンピュータ1007の内部構成図である。
バーコードリーダーと通信して、読取情報や読取情報の受信パターンを認識する認識部4001と認識部の認識結果に応じて撮影・記録手段を制御する制御部4002を含むものである。
これらの構成部の動作は、ホストコンピュータのために予め用意されたプログラムを特に図示しないCPUにおいて実行し、各種デバイスを制御することにより実現される。また、これらのプログラムは、たとえばハードディスク、USBメモリ、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、ホストコンピュータによって記録媒体から読み出され、システムの運営者が操作することによって実行される。
【0024】
(実施例1の動作原理)
図5は、実施例1の原理を示したタイムチャートである。
業務の進行5000に従って、書類ホルダー1006は読取エリア1009の中に置かれる5001で示す時点までバーコードリーダー1004は5002で示す上向きの実線矢で図示する光走査を行い、5003破線矢で示す読取情報の非検知が繰り返されている。 5001の時点以後、5004で示す時点までの間5005で示す下向き実線矢で図示する読取情報の検知が繰り返される。
そして、業務が終了して、書類ホルダーが読取エリアから退出する5004で示す時点以後は、バーコードリーダー1004では上向きの実線矢で図示する光走査に対して破線矢で示す読取情報の非検知が繰り返される。
【0025】
上記業務の進行5000においてホストコンピュータ1007は、バーコードリーダー1004から読取情報を5006で示す下向き実線矢で図示されるように5001の時点以降5004で示す時点まで繰り返し受信する。
ホストコンピュータの認識部4001は、最初の読取情報検知を業務開始と認識し、繰り返し受信する読取情報の同一性を照合し、5001の時点から5004の時点までを一の業務に係る受信と判別し、この開始から終了までを一のグループとして認識し、バーコードの読取情報を参照して認識情報を生成する。
また、ホストコンピュータの制御部4002は、上記認識を参照して、撮影・記録手段5007に対して5008に示す撮影・記録開始コマンドを送り、5001の時点から撮影・記録を開始し、5004の時点で撮影・記録終了コマンド5009を送る。
【0026】
撮影・記録手段5007は、ホストコンピュータからの上記コマンドおよび認識情報に応じて、撮影・記録動作を行い、5010で示す下向き実線矢で示す撮影エリア1008の画像を一のグループの監視データと認識し、所定の業務グループIDを付加して記録する。このグループIDは、上記認識情報もしくは認識情報と関連付けたものを採用可能であり、監視データのデータ項目として適宜採用可能である。
ここで撮影・記録手段5007は、図1におけるwebカメラ1001とデータ格納手段1002を一体として機能する機能ブロックを示しているものである。
【0027】
このように生成された監視データは、後で業務事故が発見された時、その事故に関連する画像のみを抽出し、事故原因等を追跡することが出来る効果がある。
【実施例2】
【0028】
図6は、本発明の実施例2のシステムの概略構成図である。
6001はネットワーク6000に接続したWEBカメラである。6002は、WEBカメラの画像を記録するデータ格納部であり、WEBカメラと協働して撮影・記録手段を構成する。
6003は業務を行うワークエリアであり、ワークエリア内にはバーコードリーダー6004が設けられている。業務を行う作業者6005は、バーコードが付加された書類ホルダー6006を持って、ワークエリアに入室するように業務手順を定めて運用する。
6007は、システム全体を管理・制御するホストコンピュータである。
ここでバーコードを書類ホルダーに付加するものとしているが、本発明の業務に供する物はこれに限定されるものではなく、業務のために商品等を運搬するトレイ等の搬器や作業指示書などの書類に付加するなど本システムを導入する事業所の事情に応じて適宜採用可能である。
【0029】
webカメラ6001は、ホストコンピュータ6007の管理の下、ワークエリア内に設定された撮影エリア6008内を撮影するように撮影パラメータが調整されており、撮影した画像はネットワーク6000経由でデータ格納部6002に記録されるように構成されている。
ここで撮影装置としてWEBカメラを採用したが、本発明の撮影装置はWEBカメラに限られるものではなく、ネットワークに接続できる動画、静止画撮影装置であれば、いかなる画像撮影装置でも採用することが可能である。
【0030】
ワークエリア6003には、撮影エリアに加えてバーコードリーダー6004の読取エリア6009が設定されており、作業者6005は書類ホルダーを所定の向きに読取エリアに置くように業務手順を定めておくものとし、バーコードリーダーは書類ホルダーのバーコードを業務中いつでも読み取ることができるように位置と向きを決めておくものである。
【0031】
図7は、実施例2に採用するバーコードリーダー6004と書類ホルダー6006の構成図である。
書類ホルダー1006に付加されたバーコード2001をCCD(Charge Coupled Device Image Sensor)で読み取る構成を採用している。ここで読取のためのセンサーは、ここで採用するCCDタイプに限られるものではなく、レーザータイプなど他のタイプのセンサーを適宜採用可能である。バーコードの付加は、書類ホルダーの裏面にバーコードを印刷したシール等の印刷物を張り付けること、または直接に書類ホルダー面に印刷することにより実現される。
バーコードリーダー本体7000は、バーコード読取部7002、制御部7003、走査指令受信部7004、そして読取情報送信部7005という構成である。
【0032】
バーコード読取部7002は、バーコード7001を走査して、集光された光を受光し、電気信号に変換する検知部(受光センサ)と、検知部の出力からバーコードを復調するバーコード復調部とを有する。
【0033】
制御部7003は、CPU(プロセッサ)を含み、所定のコマンドを受けると、バーコード読取部7002の光走査部の走査を開始させ、バーコード読取部から復調データを受けると、出力部7005の復調データ出力動作を開始させるものである。
【0034】
走査指令受信部7004は、ホストコンピュータ1007からのコマンドを受信して、制御部7003に対して走査開始コマンドを出力する。
従来のバーコードリーダーの制御部では、トリガー信号は別途設けた物品検知部からの物品進入検知信号をトリガー信号として光走査を開始するものや、ハンディタイプのものに見られる手動のスイッチを設けて、作業者の判断で適宜光走査を開始させるものが一般的である。
このようにホストコンピュータからのコマンドによって、バーコードリーダーの走査開始を制御する構成は本出願人の調査範囲にはないものである。
【0035】
(ホストコンピュータの構成)
図8は、ホストコンピュータ6007の内部構成図である。
バーコードリーダーに対して走査開始コマンドを所定のパターンで送信するリーダー制御部8001、バーコードリーダーから受信した読取情報や読取情報の受信パターンを認識する認識部8002と認識部の認識結果に応じて撮影・記録手段を制御するカメラ制御部8003を含むものである。
上記リーダー制御部は、バーコードリーダーに対して常時繰り返し走査開始コマンドを含む信号を送信する機能ブロックである。予め設定した間隔で走査開始コマンドを含む信号を送信する出力するプログラムを実行することにより実現されるものであり、間隔制御用タイマーを設け、参照することにより上記設定した間隔で信号を送出する構成となっている。
これらの構成部の動作は、ホストコンピュータのために予め用意されたプログラムを特に図示しないCPUにおいて実行し、各種デバイスを制御することにより実現される。また、プログラムは、たとえばハードディスク、USBメモリ、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、ホストコンピュータによって記録媒体から読み出され、システムの運営者が操作することによって実行される。
【0036】
(バーコードリーダーの制御動作)
図9は、バーコードリーダーの制御動作を示したフローチャートである。
光走査指示ステップ9001において、ホストコンピュータのリーダー制御部8001が走査開始のコマンドを含む信号をバーコードリーダーに送出する。このとき特に図示しない間隔制御用タイマーがカウントスタートする。信号受信ステップ9002において、バーコードリーダーの走査指令受信部7004は受信した信号から走査開始コマンドを抽出し、制御部7003に出力する。
読取ステップ9003において、バーコードリーダーの光走査が開始され、バーコードが存在すれば、読み取られ、読取情報がホストコンピュータに送出される。
カウントステップ9004において、リーダー制御部8001は、間隔制御用タイマーを監視し、予め設定した間隔がカウントアップされた後、9001の走査指示ステップの繰り返しを実行する。
このようにして、本発明のシステムの動作が停止されるまで常時読取動作が繰り返される。
【0037】
(実施例2の動作原理)
図10は、実施例2の原理を示したタイムチャートである。
業務の進行10000に従って、10001で示す時点で書類ホルダー6006は読取エリア6009の中に置かれ、業務が終了して、10004で示す時点で書類ホルダーが読取エリアから退出する。
ホストコンピュータ6007は、10002で示す上向きの実線矢で図示する走査開始コマンドを含む信号をバーコードリーダーに対して常時繰り返し送信している。
バーコードリーダーは、信号に含まれる走査開始コマンドに従って、10003上向き実線矢に示す光走査を常時繰り返している。しかしながら、10001の時点までは、10004下向き破線矢で示すように光走査に対して読取情報の非検知が繰り返されている。
10001の時点以後、10004で示す時点までの間10005下向き実線矢で示すように読取情報の検知が繰り返され、読取情報は10006下向き実線矢で示す様にホストコンピュータへ送信される。そして、10004で示す時点以後は、上向きの実線矢で図示する光走査に対して破線矢で示す読取情報の非検知が繰り返される。
【0038】
ホストコンピュータの認識部8002は、最初の読取情報検知を業務開始と認識し、繰り返し受信する読取情報の同一性を照合し、10001の時点から10004の時点までを一の業務に係る受信と判別し、この開始から終了までを一のグループとして認識し、バーコードの読取情報を参照して認識情報を生成する。
また、ホストコンピュータのカメラ制御部8003は、上記認識を参照して、撮影・記録手段10007に対して10009に示す撮影・記録開始コマンドを送り、10001の時点から撮影・記録を開始し、10004の時点で撮影・記録終了コマンド10010を送る。
【0039】
撮影・記録手段10007は、ホストコンピュータからの上記コマンドおよび認識情報に応じて、撮影・記録動作を行い、10011で示す下向き実線矢で示す撮影エリア6008の画像を一のグループの監視データと認識し、所定の業務グループIDを付加して記録する。 このグループIDは、上記認識情報もしくは認識情報と関連付けたものを採用可能であり、監視データのデータ項目として適宜採用可能である。
ここで撮影・記録手段10008は、図6におけるwebカメラ6001とデータ格納手段6002を一体として示した機能ブロックを示しているものである。
【0040】
このように生成された監視データは、後で業務事故が発見された時、その事故に関連する画像のみを抽出し、事故原因等を追跡することが出来る効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明のシステムは、注意深い作業が要求される業務において、そのワークエリアでの作業を記録し、事故や過誤が発生した場合でも、その事故や過誤に関連する画像を迅速に検索し、作業を確認することが比較的低コストで可能となり、高度なトレーサビリティが強く求められる業界において利用の可能性を広げる効果がある。
【符号の説明】
【0042】
1000 ネットワークワークエリア
1001 WEBカメラ
1002 データ格納手段
1003 ワークエリア
1004 バーコードリーダー
1005 作業者
1006 書類ホルダー
1007 ホストコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影装置を利用した業務監視システムにおいて、
1)業務を行うワークエリアに撮影範囲を設定し、前記業務を予め設定した間隔で連続して静止画もしくは動画を撮影することによって画像記録する、ネットワークに接続した撮影・記録手段と、
2)バーコードを付加した前記業務に供する物と、
3)前記ワークエリア内にバーコードの読取エリアが設定され、該読取エリア内の前記業務に供する物の有無及び移動に関係なく常時読取と読取情報の送信を繰り返すように動作を制御され、前記ネットワークに接続されたバーコードリーダーと、
4)前記バーコードリーダーからの読取情報を受信して、該読取情報を解析し、該読取情報に前記バーコードの情報が含まれる間を一の業務継続中と判断し、前記撮影・記録手段を制御して業務継続中と判断された間に取得した画像をグループ化して、前記一の業務に係る監視データとして当該業務を識別する情報と関連付けて記録する、前記ネットワークに接続したホストコンピュータと
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記バーコードリーダーの動作の制御は、該バーコードリーダー内部の制御プログラムに前記繰り返しの動作の機能を付加することにより行われるものであることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項3】
撮影装置を利用した業務監視システムにおいて、
1)業務を行うワークエリアに撮影範囲を設定し、前記業務を予め設定した間隔で連続して静止画もしくは動画を撮影することによって画像記録する、ネットワークに接続した撮影・記録手段と、
2)バーコードを付加した前記業務に供する物と、
3)前記ワークエリア内に前記バーコードの読取エリアを設定し、前記ネットワークに接続されたバーコードリーダーと、
4)前記バーコードリーダーに対して常時読取依頼コマンドを繰り返し送信して、該バーコードリーダーの読取情報を受信して、該読取情報を解析し、該読取情報に前記バーコードの情報が含まれる間を一の業務継続中と判断し、前記撮影・記録手段を制御して業務継続中と判断された間に取得した画像をグループ化して、前記一の業務に係る監視データとして当該業務を識別する情報と関連付けて記録する、前記ネットワークに接続したホストコンピュータと
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項4】
前記業務に供する物は、前記業務に係る書類を運ぶための書類ホルダーであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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