説明

バーナー

【課題】廃食用油などの再生油を効率的に燃焼させることができるバーナーを提供する。
【解決手段】気流を導入する気流導入口4と熱を発する熱流導出口5とを備えた円筒状の燃焼空間3を備えた燃焼ドラム2と、重油を燃焼させた得られた直進気流Jを気流導入口4側に設けられ燃焼ドラム2の軸方向に沿って気流導入口4から熱流導出口5に向かって導入する直進気流導入部6と、燃焼空間3の内壁面11付近において燃焼ドラム2の径方向に沿って気流導入口4から熱流導出口5に向かう螺旋状の旋回気流Kを導入する旋回気流導入部8と、燃焼ドラム2内に再生油を導入する燃料導入孔19Aと、燃焼空間3において難燃物を表面に接触させて燃焼させる燃焼促進部材とを備えたものにおいて、燃焼ドラム2において熱流導出口5の外縁からは、この熱流導出口5の径を狭めるように設けられ、旋回気流Kを反射させる旋回気流反射縁14が設けられているバーナー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーナーに関するものであり、特に再生油燃焼用バーナー、或いは風呂用バーナーであり、用途として各種ボイラー、加温機、乾燥機、消煙装置などに関する。ここでの再生油とは、質量が比較的大きい動植物油や鉱物油、機械油そして含水率が高い油(グリセリンや切削油)など従来のバーナーでは、特定の前処理なしでは利用し難いもの全般を示し、使用が完了した食用油などの廃油も含まれる。当該バーナーは、小型化が容易に行える。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化を防止するための対策として、バイオディーゼル燃料(BDF)に関する研究が盛んとなっている。この研究の一つとして、廃食用油をBDF化しようとする試みがある。しかしながら、食用油については、動物油が混入するとBDF化が困難であり食用油自体の転化率が低い。さらに、副生成物として発生するグリセリンの処理について問題がある。このため、廃食用油については、特別な前処理(添加剤によるエマルジョン化、超音波の利用)を要することなく、直接燃焼させることが合理的かつ経済的である。
ところで、公衆浴場やハウス栽培農家などのように大量の燃料(重油)を使用する産業では、燃料費の高騰によって、厳しい経営状況となっている。
上記問題を一緒に解決するためには、廃油を燃料として完全燃焼させるバーナーを提供することが望まれる。このような廃食用油を燃料として利用できるバーナーとして、特許文献1に挙げるものが開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記技術では、燃料として、微細化したものを使用することとなっている。しかしながら、実際に本願発明に係るバーナーについての使用が見込まれる銭湯や小規模工場の燃焼施設で、木材、紙、石炭等を微粉化して燃焼させることは、原材料の入手や粉細処理工程、貯蔵、供給設備の煩雑を考える時、燃料として利用することは困難であった。また、燃焼ドラムは非常に高温となるため、劣化が激しいことに加え、ブタンガスを燃料として使用することにより廃油を燃焼させているので、燃料費を十分に低下させることができなかった。このように、上記バーナーについては、未だに実用品としての使用には、不十分な点が残されており、なお改良の余地があった。
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、廃食用油などの再生油を効率的に燃焼させることができ、高圧ポンプ(コンプレッサー)が不要でブロアのみで完全燃焼できるバーナーを提供することにある。
【特許文献1】特開2005−24181号公報
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者は、鋭意検討の結果、バーナーの燃焼空間内で燃料としての再生油を完全燃焼させるに際して、燃焼空間の軸方向に沿った直進気流に加えて、燃焼空間の径方向に螺旋状の旋回気流を導入すると共に、熱流の導出口側に旋回気流の導出を規制する旋回気流反射縁を設けることにより、燃料の燃焼効率を飛躍的に向上させられることを見出し、基本的には本発明を完成させるに至った。
こうして、上記課題を解決するためのバーナーに係る発明は、気流を導入する気流導入口と熱を発する熱流導出口とを備えた円筒状の燃焼空間で燃料を完全燃焼させる燃焼ドラムと、前記気流導入口側に設けられ前記燃焼ドラムの軸方向に沿って前記気流導入口から熱流導出口に向かう直進気流を導入する直進気流導入部と、重油を燃焼させる前記直進気流を発生させる直進気流用バーナーと、前記燃焼空間の内壁面付近において前記燃焼ドラムの径方向に沿って前記気流導入口から熱流導出口に向かう螺旋状の旋回気流を導入する旋回気流導入部と、前記燃焼ドラム内に再生油を導入する燃料導入孔とを備えたバーナーにおいて、前記燃焼ドラムにおいて前記熱流導出口の外縁からは、この熱流導出口の径を狭めるように設けられ、前記旋回気流を反射させることで前記燃焼ドラム内において燃料を安定して燃焼させて非常な高温となった燃焼核を発生させる旋回気流反射縁が設けられていることを特徴とする。
【0005】
本発明において、前記旋回気流反射縁は、前記熱流導出口の内径に対して15%〜30%の範囲で径方向内側に向かって突設されていることが好ましい。本発明者の検討によれば、旋回気流反射縁を小さくして、熱流導出口が大きくなると、燃料の燃焼効率を十分に向上させることができず、一方、旋回気流反射縁を大きくし過ぎて熱流導出口が小さくした場合にも、良好な燃焼効率が得られないことがわかった。上記数値範囲を採用することにより、最も良好な燃焼効率を得ることができる。
【0006】
また、前記旋回気流導入部は、前記気流導入口から見たときに、前記旋回気流が前記燃焼空間において、右方向に回転するように旋回気流を導入するようにして設けられていることが好ましい。本発明者の検討によれば、理由は不明であるが、旋回気流の導入方向を、気流導入口から見たときに、右方向となるように設定する方が、左方向となるように設定するよりも、良好な燃焼効率が得られることがわかった。
また、前記燃焼空間には、難燃物を表面に接触させて燃焼させる燃焼促進部材を設けることが好ましい。燃焼促進部材は、燃焼空間内の温度に耐える耐熱材で形成されることが好ましい。そのような材質としては、金属(鉄、ステンレスなど)、セラミックスなどを用いることができる。燃焼促進部材の形状としては、特に限定されず、リング状、ネット状、線状、板状などが例示される。ドラムの口径によるがこれらのうち、難燃物を接触させる表面を多く取るためには、ネット状とすることが好ましい。また、燃焼促進部材の大きさとしては、特に限定されないが、例えばドラム内径の1/3〜1/2の大きさとすることができる。
【0007】
バーナーとは、燃料を気体中に拡散させることにより、燃料と気体とを出来る限り均一に高密度で混合した状態で、長時間燃焼させる装置を意味している。本発明のバーナーは、着火装置を備えて独立したバーナーとして提供することができる他に、従来のバーナーの熱流導出口に設けることもできる。すなわち、従来のバーナーでは、燃焼効率が十分に高くないなどの理由により、熱流に不完全燃焼物としての煙が出る、さらに、後段の壁面に不完全燃焼物が付着する。これを解消するために、従来のバーナーの熱流導出口に本発明のバーナーを設けることで、燃料の燃焼効率を向上させられる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、再生油を効率的に完全燃焼させることができるバーナーを提供できる。また、安定して完全燃焼をさせることができることから重油のみを使用する場合でもこれまでの使用量を三割程度減らすことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に、本発明の実施形態について、図表を参照しつつ詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は、下記の実施形態によって限定されるものではなく、その要旨を変更することなく、様々に改変して実施することができる。また、本発明の技術的範囲は、均等の範囲にまで及ぶものである。
【0010】
<第1実施形態>
図1〜図4には、本実施形態のバーナー1を示した。このバーナー1は、例えば全体をステンレスにより製造することができる。従来の技術では、バーナーの燃焼ドラムは、非常な高温となるため耐火材(セラミックス、耐熱鋼など)を用いていた。しかし、本実施形態の燃焼装置により、1750℃以上の高温燃焼テストを行ったところ、ドラム外側の温度は450℃以下であり、ステンレスで製造することが可能であった。バーナー1には、円筒状の燃焼ドラム2が設けられている。燃焼ドラム2の内部には、燃料を完全燃焼させる円筒状の燃焼空間3が設けられている。燃焼空間3の一方側には、底板部7が設けられており、この底板部7の中央には、気流導入口4(図3を併せて参照)が開放されている。また、燃焼空間3の他方側は、熱及び炎を発する熱流導出口5として開放されている。
底板部7は、燃焼ドラム2よりも大きな外径を備えており、その外縁付近には、等間隔で取付孔7Aが開放されている。この取付孔7Aは、バーナー1を固定するために使用される。また、底板部7の気流導入口4には、燃焼空間3と同芯かつ小さな内径を備えた円筒状の直進気流導入部6が設けられている。直進気流導入部6の開放端側には、径方向外側に向かって、取付縁部15が突設されており、ここには取付孔15Aが設けられている。この取付縁部15には、既存の直進気流用バーナー50(図5にのみ示す)が取付けられ、ここからは燃焼ドラム2の軸方向に沿った直進気流が導入される。
【0011】
底板部7には、直進気流導入部6に加えて、旋回気流導入部8と、燃料導入パイプ19、及び予備加熱用パイプ9,10が設けられている。各部材8,9,10,19は、それぞれパイプ状のものであり、底板部7を厚さ方向に貫通して、その端部は燃焼空間3に開放している。具体的には、旋回気流導入部8は、図3及び図4に示すように、ブロア装置51(図5にのみ示す)からの所定の気流(ブロー)を燃焼空間3の内壁面11付近において、燃焼ドラム2の径方向に沿って、壁方向に向かって吹き込み可能とされている。旋回気流導入部8からの旋回気流は、気流導入口4から見たときに、燃焼空間3において、右方向に回転するように導入するようになっている(なお、図4では、熱流導出口5側から見ているため、旋回気流Kは、左方向に回転するようになっている)。旋回気流導入部8の先端は、テーパー状として、開放口を狭めることにより(例えば、1/2〜1/5)、旋回気流Kの速度を高めることが好ましい。また、旋回気流導入部8からの旋回気流の導入方向としては、図4に示すように、内壁面11とのなす角θが、40度〜60度とした。
【0012】
燃料導入パイプ19は、再生油を導入するためのものであり、他端側には図5に示すように、燃料缶12とポンプ13とが設けられている。燃料導入パイプ19の先端である燃料導入孔19Aは、図3に示すように、ノズル状に燃焼空間3の内部中央の燃焼核Nの方向に向かって開放されている。バーナー1においては、燃焼状態が安定すれば、再生油のみの供給により、燃焼を続けることができる。
また、予備加熱用パイプ9,10は、燃焼ドラム2の内部において、底板部7の裏面側に接触するようにループを描いており、パイプ9から導入した燃料がパイプ10を通って戻るようになっている。予備加熱用パイプ9,10は、ポンプ13に接続されており、燃料導入パイプ19から燃料を供給する前に、燃料を加熱することができる。予め燃料を加熱し、再生油の粘性を下げることにより、燃料の燃焼性を向上させることができる。なお、燃料の性質・燃焼状態によっては、予備加熱用パイプ9,10を用いることなく、燃料を燃料導入パイプ19の燃料導入孔19Aから燃焼空間3に噴霧させて燃焼させることもできる。
燃焼ドラム2において、熱流導出口5の外縁からは、熱流導出口5の径を狭めるようにして、旋回気流反射縁14が設けられている。旋回気流反射縁14は、燃焼ドラム2の中心から同心円状に形成されており、熱流導出口5の内径に対して15%〜30%の範囲で突設されている。また、燃焼空間3には、格子状に構成された燃焼ネット16(燃焼促進部材)が設けられている。燃焼ネット16は、耐熱ステンレス・耐熱特殊鋼・セラミックスなどの耐熱材で形成されており、燃焼空間3で完全に燃焼しない難燃物、或いは不完全燃焼物がある場合には、これを表面に接触させて燃焼させる。本実施形態のバーナー1には、複数枚の燃焼ネット16が設けられているが、耐熱材の種類に応じて、1枚の燃焼ネットでも十分に難燃物を完全に燃焼させられる。
【0013】
燃焼ドラム2の側壁には、軸方向に沿って、溝穴17が設けられている。この溝穴17には、燃焼ネット16を固定する操作部18が突設されている。操作部18は、溝穴17に沿ってスライド可能とされると共に、所定の位置に固定できるようになっている。操作部18の位置を変更させることにより、燃料の燃焼状態を良好にすることができる。
次に、このバーナー1を使用する際の構成について、図5及び図6を参照しつつ説明する。バーナー1の直進気流導入部6には、既存のバーナー50が取り付けられ、このバーナー50からの熱流が直進気流Jとして導入される。また、旋回気流導入部8の他端側には、ブロア装置51が設けられ、ここから旋回気流Kが吹き込まれる。燃料導入パイプ10には、ポンプ13を介して、燃料缶12からの燃料である再生油が送り込まれる。
【0014】
このようにして構成された装置を駆動させると、燃焼空間3には、燃料導入パイプ19からの燃料に加えて、直進気流用バーナー50から直進気流Jと、旋回気流導入部8から旋回気流Kとが導入される。旋回気流Kは、内壁面11付近を径方向に沿って、気流導入口4から熱流導出口5に向かう螺旋状となって燃焼空間3の内部を回る。このとき、旋回気流導入部8からの流速は、旋回気流Kが燃焼空間3を回転したときに旋回気流反射縁14に至り、燃焼空間3の内側に向かって反射されて反射流Mができるように設定されている。このため、燃焼空間3では、十分に燃料が燃焼するため燃焼効率が向上し、燃焼核Nと称するものが発生する。この燃焼核Nは、燃料が安定して完全燃焼し、非常な高温となった状態である。燃焼核Nができると、不燃物が殆ど出ない状態となる。一方、このとき燃焼ドラム2の温度は、旋回気流Kの存在によって、それほどは上昇しない。例えば、燃焼核Nの温度は約1000℃〜1800℃にも達するが、燃焼ドラム2の温度は、せいぜい300℃〜500℃程度である。よって、燃焼ドラムには特別な耐熱性の高い材料を必要としない。こうして、燃焼空間3で燃焼された燃料は、熱流Lとなって熱流導出口5から導出される。このように、不純物(但し、ポンプ(特にシール部分)に影響を与えるもののみについては予めフィルターを通過させる必要がある。そのようなフィルターは、従来周知の構成であるため記載を削除する)を多く含む再生油であっても、非常に良好な効率で燃焼させることができる。本発明者の検討によれば、熱流導出口5からの熱流には、全く不燃物は含まれていなかった。
【0015】
特許文献1に記載された構成では、空気導入パイプが燃焼ドラム基盤側に91〜100°で固定され、内側に向かって送風されているが、本実施形態では燃焼ドラム2の底板部7から挿入された旋回気流導入部8が燃焼ドラム2の内壁面11に向かって送風し旋回気流を作るため、燃焼核Nが1800℃を越える高温となっても燃焼ドラム2自体の高温化を防ぐことができた。
また、特許文献1に記載された構成では、点火バーナーに燃料ガス(ブタンガス)を用いて廃油等を燃焼させているが、本実施形態では耐熱材の燃焼ネット16を重油・灯油バーナー等の炎で加熱し、高温化させた燃焼ネット16に廃油を噴霧して完全燃焼させているので、燃焼効率が良好となり不完全燃焼を回避できた。
また、本実施形態では、燃焼ガスの代わりに重油を使用しているので、従来の構成に代えて、本実施形態のバーナーを用いることにより、燃焼効率を上昇させることができる。
また、特許文献1を含む従来のバーナーの構成に比べると、本実施形態の旋回気流導入部8及び燃料導入孔19Aの構成は比較的容易な構成であるため、製造作業も容易となる。
このように本実施形態によれば、燃焼空間3の軸方向に対する直進気流Jに加えて、燃焼空間3の径方向に螺旋状の旋回気流Kを導入すると共に、熱流Lの導出口側に旋回気流Kの導出を規制する旋回気流反射縁14を設けることにより、反射流M及び燃焼核Nを発生することに成功し、燃料の燃焼効率を飛躍的に向上させることができた。
【0016】
<第1実施形態の応用例>
上記バーナー1を銭湯について、使用したところ、次のような結果を得た。
大阪府の銭湯において、バーナー1を既存のバーナー50に連結したものを使用した。バーナー1の燃料として、食用油・機械油の再生油を使用した。
1年間の重油使用量を比較したところ、バーナー1を使用しない場合には、約30000キロリットルを必要としたが、バーナー1を併用したところ、約18000キロリットルの使用で十分な熱量が得られた。こうして、燃料の使用量を60%程度に減少させることができた。具体的には、テスト期間中に廃食用油、エンジン油、トランス油、作動油、焼入れ油、切削廃液(油30%、水分70%見当)等、様々な廃油を燃料として使用したが、すべて完全燃焼した。お湯の沸き上がり時間は、詳細な理由は不明であるが、平均して10%〜20%短縮された。また、この間、市環境部職員が頻繁に現場視察を行ったが、完全燃焼により排煙・煤煙は一切発生しておらず、廃材燃焼時に発生していた煤煙による近隣からの苦情も皆無となった。加えて、熱流動出口5の後にある熱交換部分にも全くスス等未燃物の付着が認められなかった。
このように、公衆浴場などのように大量の燃料(重油)を使用する産業においても、バーナー1を用いることで、燃料費を減少させることができた。
【0017】
<第2実施形態>
図7には、第2実施形態のバーナー20を示した。なお、第1実施形態と第2実施形態とにおいて、同一の作用を奏する構成については、同一の符号を付し説明を省略する。
バーナー20の燃焼ドラム21では、熱流の導出口側は、同心のテーパー状に先細状とされており、このテーパー部22が旋回気流反射縁として作用するようになっている。テーパー部22の先端には、前後に同径の導出部24が設けられている。テーパー部22と導出部24とは、内部空間が連結されており、導出部24の先端から熱流が導出される。また、テーパー部22と導出部24との連結位置には、径方向外側に接続縁23が突設されている。
このようにして構成された第2実施形態においても、第1実施形態と同様の作用・効果を奏することができる。
【0018】
<他の実施形態>
上記実施形態では、バーナー1,20は、既存のバーナー50に接続する形態として構成されているが、本発明のバーナーにおいては、燃焼空間内に点火部を設けることで、既存のバーナーを用いることなく実施することもできる。そのような点火部としては、既存の構造を用いることができる。また、点火部の設置位置としては、燃焼空間のいずれの位置に設けても良いが、気流導入口側に設けることが好ましい。
本実施形態では、直進気流導入部6は、気流導入口4よりも小径とされて、別構造として設けられているが、本発明によれば、直進気流導入部と気流導入口とを兼用する構成とすることもできる。その場合には、旋回気流導入部と燃料導入パイプとは、燃焼ドラムの側壁に設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1実施形態のバーナーの全体構造を示す図である。
【図2】バーナーの正面図(熱流導出口から見た図)である。
【図3】バーナーの側断面図である。
【図4】バーナーの正断面図である。
【図5】バーナーを使用するときの構成を示す図である。
【図6】バーナーを駆動させているときの気流の流れを示す側断面図である(但し、図示の都合上、燃焼ネットは省略した)。
【図7】第2実施形態のバーナーの全体構造を示す図である。
【0020】
1,20…バーナー
2,21…燃焼ドラム
3…燃焼空間
4…気流導入口
5…熱流導出口
6…直進気流導入部
8…旋回気流導入部
11…内壁面
14…旋回気流反射縁
16…燃焼ネット(燃焼促進部材)
19A…燃料導入孔
J…直進気流
K…旋回気流
L…熱流
M…反射流
N…燃焼核

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気流を導入する気流導入口と熱を発する熱流導出口とを備えた円筒状の燃焼空間で燃料を完全燃焼させる燃焼ドラムと、前記気流導入口側に設けられ前記燃焼ドラムの軸方向に沿って前記気流導入口から熱流導出口に向かう直進気流を導入する直進気流導入部と、重油を燃焼させる前記直進気流を発生させる直進気流用バーナーと、前記燃焼空間の内壁面付近において前記燃焼ドラムの径方向に沿って前記気流導入口から熱流導出口に向かう螺旋状の旋回気流を導入する旋回気流導入部と、前記燃焼ドラム内に再生油を導入する燃料導入孔とを備えたバーナーにおいて、
前記燃焼ドラムにおいて前記熱流導出口の外縁からは、この熱流導出口の径を狭めるように設けられ、前記旋回気流を反射させることで前記燃焼ドラム内において燃料を安定して燃焼させて非常な高温となった燃焼核を発生させる旋回気流反射縁が設けられていることを特徴とするバーナー。
【請求項2】
前記旋回気流反射縁は、前記熱流導出口の内径に対して15%〜30%の範囲で径方向内側に向かって突設されていることを特徴とする請求項1に記載のバーナー。
【請求項3】
前記旋回気流導入部は、前記気流導入口から見たときに、前記旋回気流が前記燃焼空間において、右方向に回転するように旋回気流を導入するようにして設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のバーナー。
【請求項4】
前記燃焼空間には、難燃物を表面に接触させて燃焼させる燃焼促進部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のバーナー。
【請求項5】
前記燃焼促進部材は、前記燃焼空間内において、前記燃焼ドラムの軸方向に移動することで、燃焼空間内の燃焼状態を変化させられるようになっていることを特徴とする請求項4に記載のバーナー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−222316(P2009−222316A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−68310(P2008−68310)
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【出願人】(304027349)国立大学法人豊橋技術科学大学 (391)
【出願人】(508081400)株式会社インターサイエンス (1)
【Fターム(参考)】