説明

バーナ

【課題】小型化が図れ、又製作が容易で、経時的な機械誤差、旋回流の変化の生じないバーナを提供する。
【解決手段】炉壁1に設けたバーナスロート2に対向してウインドボックス22を設け、バーナスロート2の中心軸心上に円筒状のノズル本体30を、ノズル本体30の先端部に2次空気調整装置32を設けたバーナ21において、2次空気調整装置32を、ノズル本体30の周囲にバーナスロート2との間で空気取込み口を形成する円形の仕切板33と、ノズル本体30の軸心方向に移動可能に設けられた可動ベーン保持体35と、可動ベーン保持体に、仕切板33の周囲に所定間隔で配置されて通過する2次空気に旋回流を与える可動ベーン36とで構成し、2次空気調整装置32を前後に移動させて可動ベーン36が空気取込み口を覆う状態を変化させて、バーナスロート2に流入する空気の旋回流を調整可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイラ火炉の壁面に設けられ、微粉炭等の燃料を燃焼させるバーナに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ボイラ火炉の壁面には所要の配置でバーナが設けられ、該バーナには微粉炭或は重油等の燃料が燃焼用空気と共に供給され、炉内に噴出されることで燃焼する。
【0003】
図4に於いて、従来の微粉炭バーナの概略を説明する。
【0004】
炉壁1にバーナスロート2が設けられ、前記炉壁1の外側には、隔壁3によって入側通路4と出側通路5に区画されたウインドボックス6が取付けられ、該ウインドボックス6には空気ダンパ7を備えた空気供給口8が設けられ、前記出側通路5にはアウタ空気ベーン9が設けられ、且つ、該アウタ空気ベーン9の出側がフローデバイダ11によってインナ空気通路12とアウタ空気通路13に分割されて、前記インナ空気通路12の入側にインナ空気ベーン14が取付けられている。
【0005】
前記アウタ空気ベーン9は全周所要等分した位置に配設され、リンク機構で連結され、全ての前記アウタ空気ベーン9が同期して開度角を調整される様になっている。前記インナ空気ベーン14も、前記アウタ空気ベーン9と同様な構造であり、全周所要等分した位置に配設され、リンク機構で連結され、全ての前記インナ空気ベーン14が同期して開度角を調整される様になっている。
【0006】
前記アウタ空気ベーン9、前記インナ空気ベーン14の開度角を調整することで、アウタ空気、インナ空気の旋回の強さを調整可能となっている。
【0007】
前記ウインドボックス6の軸心位置には火炉内へ向けて微粉炭等の燃料15を1次空気と共に噴射する為の燃料噴射ノズル16が前記炉壁1を貫通する様に前記バーナスロート2と同心に配置されている。尚、図中11aはインナ空気、11bはアウタ空気である。
【0008】
空気ファン(図示せず)が駆動され、空気が前記空気供給口8を介して前記ウインドボックス6に供給され、前記入側通路4から前記出側通路5へと流れて前記アウタ空気ベーン9で旋回力を与えられ、空気の一部が前記インナ空気ベーン14により流入量及び旋回力を同時に調整されて前記インナ空気通路12へ入り、残りが前記アウタ空気通路13へ入り、それぞれ前記インナ空気通路12及び前記アウタ空気通路13から前記インナ空気11a、前記アウタ空気11bとして火炉内へ噴射され、前記燃料噴射ノズル16から火炉内へ噴射された前記燃料15と混合して燃焼される。
【0009】
上記した従来の微粉炭バーナでは、前記燃料噴射ノズル16の周囲に、前記インナ空気ベーン14、更にその外周囲に前記アウタ空気ベーン9が設けられ、更に該アウタ空気ベーン9の周囲には該アウタ空気ベーン9に前記アウタ空気11bを流入させる為の前記出側通路5が形成される構成であるので、微粉炭バーナの径が大きくなり、該微粉炭バーナを複数設ける場合に該微粉炭バーナ間の間隔が大きくなり、ボイラが大型化する。
【0010】
又、前記アウタ空気ベーン9、前記インナ空気ベーン14はそれぞれリンク機構で連結されているので、ガタツキなく、精度よく組立てるには部品の高い加工精度、更に熟練工による微妙な組立て調整が必要である。
【0011】
更に、前記リンク機構では経時的にガタツキが大きくなることが避けられず、設定当初と旋回強度が大きく異ってしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平7−233914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は斯かる実情に鑑み、バーナの小型化が図れ、又製作が容易で、経時的に機械誤差の生じないバーナを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、炉壁に設けられるバーナスロートに対向してウインドボックスが設けられ、該ウインドボックスに収納されると共に前記バーナスロートの中心軸心上に円筒状のノズル本体が設けられ、該ノズル本体の先端部に2次空気調整装置が設けられたバーナであって、前記2次空気調整装置は可動ベーン機構を有し、該可動ベーン機構は前記バーナスロートから所定距離離れた位置に設けられ、前記ノズル本体の周囲に前記バーナスロートとの間で空気取込み口を形成する円形の仕切板と、前記ノズル本体に該ノズル本体の軸心方向に移動可能に設けられた可動ベーン保持体と、該可動ベーン保持体に設けられると共に前記仕切板の周囲に所定間隔で配置され、通過する2次空気に旋回流を与える可動ベーンとを有し、前記可動ベーン保持体を介して前記可動ベーンを移動させ、該可動ベーンが空気取込み口を覆う状態を変化させ、前記前記バーナスロートに流入する空気に与える旋回流を調整可能としたバーナに係るものである。
【0015】
又本発明は、前記可動ベーン保持体には軸心と平行に延出するスライドロッドが設けられ、該スライドロッドはウインドボックスの後端板を貫通して突出し、前記スライドロッドを介して前記可動ベーンを移動させ、旋回流の調整を行うバーナに係るものである。
【0016】
又本発明は、前記後端板の前記スライドロッドが貫通する部位には、該スライドロッドが摺動自在に嵌合するガイド部材が設けられ、該ガイド部材は該ガイド部材の前端が前記可動ベーン保持体の後側終端位置で当接するストッパとなっているバーナに係るものである。
【0017】
又本発明は、前記2次空気調整装置は固定ベーン機構を更に具備し、該固定ベーン機構は前記仕切板と前記バーナスロートの内面との間に設けられ、前記固定ベーンは前記可動ベーンと同数であり、前記固定ベーン間に前記可動ベーンの先端部が進入可能であるバーナに係るものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、炉壁に設けられるバーナスロートに対向してウインドボックスが設けられ、該ウインドボックスに収納されると共に前記バーナスロートの中心軸心上に円筒状のノズル本体が設けられ、該ノズル本体の先端部に2次空気調整装置が設けられたバーナであって、前記2次空気調整装置は可動ベーン機構を有し、該可動ベーン機構は前記バーナスロートから所定距離離れた位置に設けられ、前記ノズル本体の周囲に前記バーナスロートとの間で空気取込み口を形成する円形の仕切板と、前記ノズル本体に該ノズル本体の軸心方向に移動可能に設けられた可動ベーン保持体と、該可動ベーン保持体に設けられると共に前記仕切板の周囲に所定間隔で配置され、通過する2次空気に旋回流を与える可動ベーンとを有し、前記可動ベーン保持体を介して前記可動ベーンを移動させ、該可動ベーンが空気取込み口を覆う状態を変化させ、前記バーナスロートに流入する空気に与える旋回流を調整可能としたので、バーナの小型化が図れ、又構造が単純で製作が容易であり、経時的に機械誤差の生じることがなく、更に経時的変化が旋回流に与える影響は極めて小さい。
【0019】
又本発明によれば、前記可動ベーン保持体には軸心と平行に延出するスライドロッドが設けられ、該スライドロッドはウインドボックスの後端板を貫通して突出し、前記スライドロッドを介して前記可動ベーンを移動させ、旋回流の調整を行うので、前記可動ベーンを動かす為の機構は極めて簡単であり、低コストで製作でき、更に可動部は摺動だけであり、機械的な摩耗を生じても可動ベーンの傾斜等には影響がなく、経時的変化が旋回流に与える影響は極めて小さい。
【0020】
又本発明によれば、前記後端板の前記スライドロッドが貫通する部位には、該スライドロッドが摺動自在に嵌合するガイド部材が設けられ、該ガイド部材は該ガイド部材の前端が前記可動ベーン保持体の後側終端位置で当接するストッパとなっているので、簡単な機構で可動ベーンの可動範囲を規制できる。
【0021】
又本発明によれば、前記2次空気調整装置は固定ベーン機構を更に具備し、該固定ベーン機構は前記仕切板と前記バーナスロートの内面との間に設けられ、前記固定ベーンは前記可動ベーンと同数であり、前記固定ベーン間に前記可動ベーンの先端部が進入可能であるので、可動ベーンに加えて固定ベーンにより2次空気に効果的に旋回流を与えることができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例に係る微粉炭バーナの断面図である。
【図2】図1のA矢視図である。
【図3】図1のB矢視図である。
【図4】従来の微粉炭バーナを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
【0024】
図1〜図3は、本発明を微粉炭バーナに適用した場合の実施例を示している。又、図1〜図3中、図4中で示したものと同等のものには同符号を付してある。
【0025】
炉壁1にはバーナスロート2を形成するスロート部19が設けられ、前記炉壁1の外面には前記バーナスロート2と対応した位置にバーナ支持部20が設けられている。該バーナ支持部20に微粉炭バーナ21が支持されている。
【0026】
前記バーナ支持部20に円筒形状のウインドボックス22が支持され、該ウインドボックス22は前記バーナスロート2と同心に配置されている。
【0027】
前記ウインドボックス22の後端(図1中左端、以下炉心側を前、炉心から離反する側を後とする)に後端板23が取付けられ、該後端板23に前記ウインドボックス22と同心にバーナノズル保持筒24が設けられる。尚、前記ウインドボックス22は円筒形状でなく、箱状であってもよい。
【0028】
前記バーナノズル保持筒24に外筒ノズル25が挿通され、前記バーナノズル保持筒24に前記外筒ノズル25が固定される。該外筒ノズル25の内側に該外筒ノズル25と同心に内筒ノズル26、該内筒ノズル26の中心線上にオイルバーナ27が配設されている。前記外筒ノズル25、前記内筒ノズル26、前記オイルバーナ27によってノズル本体30が構成される。
【0029】
前記外筒ノズル25、前記内筒ノズル26、前記オイルバーナ27の前端は、前記バーナスロート2の最小径部に位置し、前記外筒ノズル25の後端部は前記後端板23より後方に突出し、前記内筒ノズル26は前記外筒ノズル25の後端より後方に突出し、前記オイルバーナ27は前記内筒ノズル26の後端を後方に貫通している。
【0030】
前記ウインドボックス22には2次空気導入管28が連通され、前記外筒ノズル25の後端部には1次空気導入管29が連通され、前記内筒ノズル26の後端部には3次空気導入管31が連通されている。
【0031】
前記2次空気導入管28は押込み通風機(図示せず)に接続され、前記ウインドボックス22に2次空気を導入し、前記3次空気導入管31は前記2次空気の一部を取込み、前記内筒ノズル26内部に導入する。前記1次空気導入管29は微粉炭機(図示せず)を介して前記押込み通風機(図示せず)に接続され、前記1次空気導入管29より微粉炭を含む1次空気が前記外筒ノズル25に導入される様になっている。
【0032】
該外筒ノズル25の先端部外周には、2次空気調整装置32が同心に設けられる。
【0033】
以下、2次空気調整装置32について説明する。
【0034】
該2次空気調整装置32は可動ベーン機構43と固定ベーン機構44とを具備している。先ず、可動ベーン機構43について説明する。
【0035】
前記スロート部19の後端から所要距離離れた位置に円板状の仕切板33が配置されている。該仕切板33は前記外筒ノズル25の外周に設けられ、該仕切板33の後面には該仕切板33と同外径のガイド筒34が取付けられている。該ガイド筒34の後側には円板状の可動ベーン保持体35が前記外筒ノズル25に対して摺動可能に設けられ、該外筒ノズル25には、前方に向って延出する可動ベーン36が所要数固着されている。該可動ベーン36の内端が形成する円筒は前記ガイド筒34に外嵌し、摺動可能となっている。
【0036】
該可動ベーン36は図2に示される様に、同一円周上に所定角ピッチで配置され、更に前記ガイド筒34の外径円の接線方向と合致する様に傾斜して設けられている。尚、前記可動ベーン36の傾斜角の設定は、該可動ベーン36の中心を通る半径に対して所定の角度、例えば45゜に設定してもよい。
【0037】
前記可動ベーン36単体は、短冊状の平板を基本の形状とし、前端の中心側が尖端となる様に前端部が斜めに切除された形状となっており、切除された部分の傾斜は、前記スロート部19の後端部内面の傾斜角度と同等となっている。
【0038】
前記可動ベーン保持体35には少なくとも2本のスライドロッド37が取付けられ、該スライドロッド37は前記外筒ノズル25の軸心と平行で、後方に向って延出し、前記後端板23を貫通して突出する。前記スライドロッド37の貫通部分には、円筒のガイド部材38,39が設けられており、該ガイド部材38,39に前記スライドロッド37,37が摺動自在に嵌合し、前記ガイド部材38,39は前記スライドロッド37,37の支持部材及びスライド軸受部として機能する。
【0039】
又、一方のガイド部材39の前側は前方に延出し、該ガイド部材39の前端に前記可動ベーン保持体35が当接する様になっており、前記ガイド部材39は前記可動ベーン保持体35のストッパとなっている。
【0040】
而して、前記スライドロッド37に軸心方向の変位を与えることで、前記可動ベーン保持体35を介して前記可動ベーン36が軸心方向に移動する様になっている。尚、前記スライドロッド37に変位を与える手段としては、該スライドロッド37にシリンダ等のアクチュエータを連結して該アクチュエータの駆動により前記スライドロッド37を変位させてもよく、或は簡便に、該スライドロッド37の後端に取手41を取付け、前記ウインドボックス22の外部から人手により前記スライドロッド37を押引きしてもよい。
【0041】
次に、前記固定ベーン機構44について、図3を参照して説明する。
【0042】
該固定ベーン機構44は、主に前記仕切板33と、該仕切板33と前記スロート部19間に掛渡り、円周方向に所要角度ピッチで所要数配設された固定ベーン45により構成される。該固定ベーン45は、該固定ベーン45の中心を通る半径に対して所要角度θ傾斜して設けられる。
【0043】
該固定ベーン45は平板を片矢尻状に形成したものであり、直角3角形状の前端部45aから細幅の後端部45bが後方に向って延出した形状を有し、該後端部45bの後端が前記仕切板33に固着され、前記前端部45aの斜線部が前記スロート部19の内面に当接する様になっている。
【0044】
又、前記後端部45bの外縁を包絡する円筒は、前記仕切板33及び前記ガイド筒34の外径と同径となっており、前記可動ベーン36は前記ガイド筒34と前記後端部45bとに掛渡って移動可能となっている。
【0045】
而して、前記固定ベーン45が掛渡る空間、即ち前記仕切板33と前記スロート部19との間で形成される空間が、前記バーナスロート2への空気取込み口となっており、前記可動ベーン36の移動によって、該可動ベーン36が前記空気取込み口を覆う割合が変化する。
【0046】
尚、前記可動ベーン36及び前記固定ベーン45の枚数は同一であり、又前記可動ベーン36が前記固定ベーン45の間に、干渉することなく進入可能となる様、傾斜角度、円周方向の位置が設定されている。
【0047】
以下、作動について説明する。
【0048】
図1は、前記可動ベーン36が、移動範囲の中間に位置する状態を示しており、2次空気に与える旋回流は中程度の強さとなっている。
【0049】
前記可動ベーン36が、前記バーナスロート2への空気取込み口を半分程度覆うことから、前記2次空気導入管28より前記ウインドボックス22に流入した2次空気は、一部が前記可動ベーン36を通過し、一部が該可動ベーン36と前記スロート部19との間から前記バーナスロート2に流出する。前記可動ベーン36を通過する2次空気には強く旋回が与えられ、該可動ベーン36を外れて前記バーナスロート2に流入する2次空気には前記可動ベーン36からは旋回流は与えられない。尚、前記可動ベーン36を外れて流れる2次空気の一部は、前記固定ベーン45によって旋回流が与えられる。全体としては中間程度の旋回流となる。
【0050】
2次空気に旋回流を、最も強く与える場合は、前記スライドロッド37を前方に押込み、前記可動ベーン36を前側終端位置に移動させる。この状態では、前記可動ベーン保持体35が前記ガイド筒34の後端に当接し、前記可動ベーン36は前端部が前記固定ベーン45の前記後端部45bの間に進入する。
【0051】
前記可動ベーン36は前記バーナスロート2への空気取込み口の全域を覆い、2次空気の全ては、前記可動ベーン36を通過して前記バーナスロート2に流出する。
【0052】
2次空気は殆どが前記可動ベーン36によって旋回流を与えられ、一部は前記可動ベーン36と前記固定ベーン45によって旋回流が与えられる。従って、2次空気には強い旋回流が与えられる。
【0053】
2次空気に旋回流を与えたくない場合は、前記スライドロッド37を後方に引出し、前記可動ベーン36を後側終端位置に移動させる。該可動ベーン36の後側終端位置は、前記可動ベーン保持体35が前記ガイド部材39の前端に当接することで、決定される。
【0054】
前記可動ベーン36が後側終端位置にある状態では、該可動ベーン36は前記空気取込み口から完全に、或は略完全に外れており、2次空気は、前記可動ベーン36を通過しないで、前記バーナスロート2に流入する。前記空気取込み口を前記後端部45bが横断しているが、狭幅であるので、旋回には影響しない。又、前記固定ベーン45の前記前端部45aが前記空気取込み口の一部を覆うが、2次空気は抵抗の少ない部分を流れるので、やはり、前記固定ベーン45による旋回への影響は少ない。従って、2次空気は殆ど旋回流を与えられることなく、前記バーナスロート2へ流入する。
【0055】
従って、前記可動ベーン36の位置によって、2次空気の旋回流の強さを調整でき、負荷状態によって前記可動ベーン36の位置を選択することで、負荷状態に最適な2次空気の旋回流の強さを選択でき、最適な燃焼状態が得られる。
【0056】
前記スライドロッド37をアクチュエータで駆動する様にし、負荷状態に対応させ、前記可動ベーン36が負荷状態に最適な位置となる様に自動調整してもよい。
【0057】
尚、該可動ベーン36によって充分な旋回流が得られる場合は、前記固定ベーン機構44は省略してもよい。又、前記可動ベーン36、前記固定ベーン45は平板としたが、半径方向又は/及び軸心方向に湾曲した板としてもよい。更に、前記ウインドボックス22は前記外筒ノズル25、前記2次空気調整装置32を収納する空間を形成すればよく、円筒状でなくともよい。
【0058】
更に、前記固定ベーン45を前端部45a部分のみとし、該前端部45aを前記スロート部19の内面に直接固定し、該スロート部19に固定ベーン45を支持させる様にしてもよい。
【0059】
又本発明を微粉炭バーナ21について説明したが、本発明は燃料を重油等微粉炭以外としたバーナに於いても、実施可能であることは言う迄もない。
【0060】
本発明では前記可動ベーン36と前記固定ベーン45の傾斜角はそれぞれ固定であり、経時的に傾斜角にバラツキが生じることはない。又、機構上、可動部が摩耗したとしても、前記可動ベーン36の位置には影響を与えるものではなく、経時的変化が旋回流に与える影響は極めて小さい。
【符号の説明】
【0061】
1 炉壁
2 バーナスロート
19 スロート部
21 微粉炭バーナ
24 バーナノズル保持筒
25 外筒ノズル
26 内筒ノズル
27 オイルバーナ
32 2次空気調整装置
33 仕切板
34 ガイド筒
35 可動ベーン保持体
36 可動ベーン
37 スライドロッド
38 ガイド部材
39 ガイド部材
41 取手
43 可動ベーン機構
44 固定ベーン機構
45 固定ベーン
45a 前端部
45b 後端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炉壁に設けられるバーナスロートに対向してウインドボックスが設けられ、該ウインドボックスに収納されると共に前記バーナスロートの中心軸心上に円筒状のノズル本体が設けられ、該ノズル本体の先端部に2次空気調整装置が設けられたバーナであって、前記2次空気調整装置は可動ベーン機構を有し、該可動ベーン機構は前記バーナスロートから所定距離離れた位置に設けられ、前記ノズル本体の周囲に前記バーナスロートとの間で空気取込み口を形成する円形の仕切板と、前記ノズル本体に該ノズル本体の軸心方向に移動可能に設けられた可動ベーン保持体と、該可動ベーン保持体に設けられると共に前記仕切板の周囲に所定間隔で配置され、通過する2次空気に旋回流を与える可動ベーンとを有し、前記可動ベーン保持体を介して前記可動ベーンを移動させ、該可動ベーンが空気取込み口を覆う状態を変化させ、前記バーナスロートに流入する空気に与える旋回流を調整可能としたことを特徴とするバーナ。
【請求項2】
前記可動ベーン保持体には軸心と平行に延出するスライドロッドが設けられ、該スライドロッドはウインドボックスの後端板を貫通して突出し、前記スライドロッドを介して前記可動ベーンを移動させ、旋回流の調整を行う請求項1のバーナ。
【請求項3】
前記後端板の前記スライドロッドが貫通する部位には、該スライドロッドが摺動自在に嵌合するガイド部材が設けられ、該ガイド部材は該ガイド部材の前端が前記可動ベーン保持体の後側終端位置で当接するストッパとなっている請求項2のバーナ。
【請求項4】
前記2次空気調整装置は固定ベーン機構を更に具備し、該固定ベーン機構は前記仕切板と前記バーナスロートの内面との間に設けられ、前記固定ベーンは前記可動ベーンと同数であり、前記固定ベーン間に前記可動ベーンの先端部が進入可能である請求項1のバーナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−249362(P2010−249362A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−97332(P2009−97332)
【出願日】平成21年4月13日(2009.4.13)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】