説明

パイプ材の製造方法並びにこの方法によって製造されたパイプ材並びにこのパイプ材を外筒体として適用した排ガス触媒装置

【課題】 金属板材から成るワークの端縁部を溶接することなく強固に接合できるようにした新規なパイプ材の製造手法の開発を課題とする。
【解決手段】 本発明は、金属板材から成るワークWの端縁部11を接合するのに先立ち、一方の端縁部11に嵌め込みツメ12を形成するとともに、他方の端縁部11に、このツメ12を嵌め込む受け入れ溝13が形成され、ツメ12を溝13に嵌め込むことによってワークWの端縁部11の接合を行うものであり、このツメ12と溝13とには、接合完了後のパイプ材1が外側面に沿って広がろうとした場合、この力に抗して互いに引っ掛かり合う掛止部14が形成されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属板材から成るワークの端縁部を接合して形成するパイプ材に関するものであって、特にワークの端縁部を溶接することなく強固に接合できるようにした新規なパイプ材の製造方法とこのパイプ材並びにこれを外筒体に適用した排ガス触媒装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
一般に石油をシリンダ内で爆発燃焼させて機械的な動力を得るエンジンにあっては、排気ガス中にCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、NOX (窒素酸化物)等の有害物質が含まれるため、マフラーやエキゾーストパイプ等、排気ガスの放出経路には、この種の有害物質を低減させる触媒装置(浄化装置)が組み込まれる。
この触媒装置としては、断面が蜂の巣状に形成されたコアピースとしてのハニカム体を外筒体に嵌め込むモノリスタイプがよく知られている(図1参照)。
【0003】
ところで、このような外筒体の多くは、通常、円筒状を成すパイプ材であり、その製造(製作)にあたっては、例えばほぼ一定厚の金属板材を丸めて筒状に形成した後、この継ぎ目部分(シーム)に溶接を施して接合する手法が知られており、このようなパイプ材は溶接鋼管とも呼ばれている(例えば特許文献1参照)。
因みに、パイプ材の他の製造手法としては、継ぎ目がないものもあり、これは金属材料に、まず小さな下孔を開けておき、この下孔を広げながら、肉厚も薄くして行き、所望のパイプ材を得る手法である。もちろん、これは継ぎ目がないため溶接も要しないものであり、「シームレスパイプ」とか「継目無鋼管」等と称されている。
【0004】
なお、上述した溶接鋼管を得るにあたっては、鋼管の長手方向にわたって溶接を施すため、溶接の品質の信頼性が製品の本質的な問題となることが多い。すなわち、溶接は、一見、外観的には良好に行えたように見えても、内部まで確実に溶着されているかは不明瞭なことがあり、完成品(溶接品)の不良率を抑えるには高い技術が要求され、その分、コストとしても上昇する傾向にあった。
このように、従来、金属板材を丸めてパイプ材を得るにあたっては、端縁部の接合には溶接が不可欠と考えられていたが、溶接を要しない手法、とりわけ金属板材をO字状に丸める際のO曲げ加工時に、継ぎ目の接合も併せて行える手法が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−161920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような背景を認識してなされたものであって、金属板材からパイプ材(鋼管)を得ることを前提としながらも、溶接を行わずに端縁部(継ぎ目)の接合が行えるようにしたものであり、より詳細には、金属板材(ワーク)を筒状に丸めるO曲げ加工の際に、端縁部の接合も併せて行えるようにした新規なパイプ材の製造方法とこの方法によって製造されたパイプ材並びにこのパイプ材を外筒体に適用した排ガス触媒装置の開発を試みたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
まず請求項1記載の、パイプ材の製造方法は、
金属板材から成るワークの端縁部を接合してパイプ材を得る方法であって、
このワークには、端縁部の接合に先立ち、一方の端縁部に嵌め込みツメを形成するとともに、他方の端縁部に、このツメを嵌め込む受け入れ溝が形成され、ツメを溝に嵌め込むことによってワークの端縁部の接合を行うものであり、
また、前記ツメと溝とには、接合完了後のパイプ材が外側面に沿って広がろうとした場合、この力に抗して引っ掛かる掛止部が形成されることを特徴として成るものである。
【0008】
また請求項2記載の、パイプ材の製造方法は、前記請求項1記載の要件に加え、
前記嵌め込みツメは、当初のフラットな状態では、その外形が平面投影状態で受け入れ溝よりも大きなサイズに形成されるものであり、
その後、端縁部の接合に先立ち、ツメは平面投影状態で受け入れ溝よりも小さなサイズに立体的に曲げられ、この状態で溝に嵌め込まれるものであり、次いで、潰しによって平面化され、ツメの外郭が溝に対し全体的に密着するように接合されることを特徴として成るものである。
【0009】
また請求項3記載の、パイプ材の製造方法は、前記請求項1または2記載の要件に加え、
前記ワークとして使用する金属板材は、一枚の単板のみであり、この一枚の単板ワークの両端縁部同士を接合して一本のパイプ材を得るようにしたことを特徴として成るものである。
【0010】
また請求項4記載の、パイプ材の製造方法は、前記請求項1、2または3記載の要件に加え、
前記嵌め込みツメと受け入れ溝とは、当初のフラットな状態で平面視、等脚台形状に形成され、この等脚台形状の脚部を前記掛止部として機能させるようにしたことを特徴として成るものである。
【0011】
また請求項5記載の、パイプ材の製造方法は、前記請求項1、2、3または4記載の要件に加え、
前記ワークは、適宜の板厚を有した金属板材からブランク取りされるものであり、
また、完成品としてのパイプ材の径方向に取付孔が開孔される場合、このワークのブランク取りの際に、前記取付孔も同時に開孔するようにしたことを特徴として成るものである。
【0012】
また請求項6記載の、パイプ材の製造方法は、前記請求項1、2、3、4または5記載の要件に加え、
前記端縁部の接合については、ツメ側の端面及び溝側の端面に生じる双方のバリをパイプ材の内側と外側とに位置させるようにしたことを特徴として成るものである。
【0013】
また請求項7記載の、パイプ材の製造方法は、前記請求項1、2、3、4、5または6記載の要件に加え、
前記パイプ材の内部には、適宜の流体を通過または収容するものであり、この流体が接合部においてパイプ内側からパイプ外側に漏れ出ないように、前記端縁部の接合を行うようにしたことを特徴として成るものである。
【0014】
また請求項8記載のパイプ材は、
金属板材から成るワークの端縁部を接合して製造されるパイプ材であって、この製造にあたっては、請求項1、2、3、4、5、6または7記載の製造方法が適用されることを特徴として成るものである。
【0015】
また請求項9記載の排ガス触媒装置は、
排気ガスが送り込まれてくる外筒体の内部にハニカム体を設けて成り、流路面に付着形成させた触媒によって、排気ガスを浄化する排ガス触媒装置であって、
この外筒体には、請求項8記載のパイプ材が適用されることを特徴として成るものである。
【発明の効果】
【0016】
これら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
まず請求項1、8、9記載の発明によれば、互いに掛止部を有したツメと溝との嵌め込みによってワークの端縁部を接合してパイプ材を形成するため、継ぎ目となる端縁部の接合に溶接を行うことなくパイプ材を得ることができる。因みに、従来、平板状の金属ワークを丸めて得られるパイプ材は、溶接鋼管とも呼ばれ、端縁部の接合には溶接を行うことが当然と考えられていた。
また、溶接を行うことなくワークの端縁部が接合できるため、溶接工程の削減化ひいてはパイプ材の製造工程の簡略化を達成することができる。もちろん、従来、溶接の際に発生することがあった溶接不良(接合不良)も完全に無くすことができる。
更にまた、本発明のようなパイプ材を得るにあたっては、既に市販されているものを購入する、あるいは長尺状のパイプ材を購入し、このものから所望の長さに切断して得ること等も考えられるが、このような場合には、既にパイプ状に形成された既製品が高価であることも多く(特に海外の場合)、そのため金属板材からパイプ材が得られる本発明(しかも端縁部の接合に溶接を要することがない)は、極めて安価にパイプ材を得ることができる点でも多大な効果を奏するものである。
【0017】
また請求項2、8、9記載の発明によれば、当初、平面投影状態で溝よりも大きなサイズに形成していたツメを、平面投影状態で溝よりも小さくなるように縮小曲げした後、溝に収め、その後、ツメを潰して平面化し、溝に密着させるようにするため、ツメを溝内に確実に収めることができる。またツメ及び溝には掛止部が形成されているため、ツメを潰すことに伴い、ツメの肉が掛止部に入り込み(食い込み)、ツメと溝とを確実に密着させることができる(ワークの端縁部を確実に且つ強固に接合することができる)。
因みに、ツメの縮小曲げを行わない場合には、大きなサイズのツメを無理やり溝に押し込むことになり、場合によっては接合部に隙間が生じてしまうことも考えられる。また押し込み加工そのものは何とか行えても、その加工に過大(余分)な負荷が伴うことも考えられ、更には押し込み力の大きさや、加工速度、あるいはツメと溝の重なり寸法等によっては溝が裂けてしまう等の不具合も考えられるが、本発明ではこのような事態をほぼ完全に解消することができる。
【0018】
また請求項3、8、9記載の発明によれば、一枚の単板のみをワークとして使用し、一本のパイプ材を得るため、一つのパイプ材に形成される接合部(継ぎ目)も長手方向に一箇所(一本)のみとなり、パイプ材としての強度(内側からの圧力に対する強度)の高いものが得られ、またパイプ状に形成する加工も行い易くなる。
なお、複数の金属板材を直列状に接続してワークを形成し、これを当該接続方向に丸めて一本のパイプ材を形成する場合には、小さいサイズの金属板材からでも大きな径のパイプ材を形成することができる点で効果を奏するが、一本のパイプ材について軸方向に形成される接合部(継ぎ目)が複数となり、内圧に対する強度も低くなると考えられる。
【0019】
また請求項4、8、9記載の発明によれば、ツメと溝とは、曲げ加工を受ける前のフラットな状態で平面視、等脚台形状を成し、その脚部を掛止部とするため、溶接を行わなくても高い接合力が得られるツメと溝の具体的形状を現実のものとする。
【0020】
また請求項5、8、9記載の発明によれば、完成品としてのパイプ材に複数の取付孔(孔)が径方向に開孔される場合には、この取付孔は、ワークのブランク取りの際(打ち抜き時)に同時に開孔されるため、極めて能率的にパイプ材が得られるものである。すなわち、パイプ材の状態で、もしくはパイプ材まで形成した段階で初めて当該取付孔を開孔する場合には、例えば開孔箇所毎にパイプ材を回転させながら開孔することが多く、これは極めて手間の掛かる作業であった。この点、本発明ではこのような開孔作業をワークのブランク取りの際に併せて行うため、取付孔が複数であっても、また孔形状が円形(平面視円形)でない異形状であっても(例えば多角形や星型など)、極めて容易に且つ精緻に取付孔を形成(開孔)することができ、能率的にパイプ材が得られるものである。
【0021】
また請求項6、8、9記載の発明によれば、ツメ側の端面と溝側の端面とに生じるバリをパイプ材の内側と外側とに位置させるように端縁部を接合させるため、ツメや溝を形成する際の加工(例えば剪断加工)に伴い生じる傾斜状端面がほぼ合致するようになり、接合部に隙間を生じさせ難い構造、ひいては接合部のシール性を高める構造が採り易いものとなる。
【0022】
また請求項7、8、9記載の発明によれば、パイプ材の内部には適宜の流体を通過または収容し、この流体がパイプ外に漏出しないように端縁部の接合を行うため、特に溶接を施さなくても、接合部において高いシール性が確保できる。また、接合部から流体が漏出しないため種々の用途にパイプ材を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明のパイプ材を、排ガス触媒装置の外筒体として適用した排気消音ユニットを示す断面図(a)、並びにこの排ガス触媒装置を示す斜視図(b)、並びに端縁部の接合状況を示す斜視図(c)である。
【図2】パイプ材を形成するにあたりブランク取りされた金属板材(ワーク)の一例を示す平面図及び端面図(a)、並びにこの金属板材の端縁部に形成される嵌め込みツメと受け入れ溝とを拡大して示す平面図(b)である。
【図3】ブランク取り後に予備曲げ加工によって、嵌め込みツメに縮小曲げ加工を施した様子を示すワークの端面図(a)、並びにこのワークを裏面側から示す斜視図(b)である。
【図4】予備曲げ加工後のワークにU曲げ加工を施す様子を示す説明図(a)・(b)、並びにU曲げ加工後のワークの一例を示す斜視図(c)である。
【図5】U曲げ加工後のワークにO曲げ加工を施す様子を示す説明図(a)、並びに縮小曲げされた嵌め込みツメが、このO曲げ加工によって平面化し、受け入れ溝に強固に密着する様子を拡大して示す平面図(b)、並びに密着状態の接合部を得るのに好適なツメ及び溝の端面の合わせ方を示す断面図(c)であり、本図(b)におけるV−V線断面図である。
【図6】ツメ及び溝を平面視円形状に形成した他の実施例を、嵌め込み前の状態(a)と、嵌め込み後の状態(b)で示す平面図である。
【図7】一本のパイプ材を複数のブランク材から得るようにした他の実施例を示す説明図であり、(a)は複数のブランク材を直列状に接続して一つのワークを形成した状態を示す平面図であり、(b)は当該ワークを上記接続方向に丸めてパイプ材に形成した様子を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明を実施するための形態は、以下の実施例に述べるものをその一つとするとともに、更にその技術思想内において改良し得る種々の手法を含むものである。
なお、説明にあたっては、本発明のパイプ材1を外筒体S1として適用し得る排ガス触媒装置Sの概略についてまず説明し、その後、本発明のパイプ材1の製造方法について説明する。
【実施例】
【0025】
排ガス触媒装置Sは、一例として図1に示すように、排気消音ユニットUに組み込まれ、燃焼後エンジンから吐き出された排気ガスGを、大気中に放出する前に浄化するものであり、このため排ガス触媒装置Sの流路壁面には、有害物質を低減させる触媒(キャタライザ物質)が付着形成されており、排気ガスGは排ガス触媒装置Sの内部を通過する間に、このキャタライザ物質と接触し、浄化される。
【0026】
このような排ガス触媒装置Sは、前後に開口された外筒体S1と、この内部に設けられるハニカム体S2とを具えて成るものである。なお、ハニカム体S2は、排気ガスGとの接触面積を極力大きく確保すべく、断面(流路断面)が蜂の巣状に形成されるものである。
因みに、このようなハニカム体S2を形成するには、通常、まず一枚の金属板材(平板)からコルゲート加工(波型加工)により波板(流路断面波形を有する波板)を形成し、この波板を別の平板と重ね合わせながら巻回してハニカム体S2を形成するのが一般的である。ここで、平板にコルゲート加工を施すのは、セルとしての排ガス流路を形成するためである。
【0027】
本発明のパイプ材1は、上述した排ガス触媒装置Sの外筒体S1として適用され得るものであり、以下、このようなパイプ材1の製造方法について説明する。
ここで、以下述べるパイプ材1としては、例えば両方の開口部の大きさ(径寸法)がほぼ同じストレート状のものとし(いわゆるストレートパイプ)、またワークWとしては一枚の単板(金属板材)のみを適用するものとし、このワークWを丸めて両端縁部11同士を接合して一本のパイプ材1を得るものとする。このため以下述べる基本的な実施例では、パイプ材1の断面形状も円形となるものである。なお、図1(b)に示す符号10は、例えばパイプ材1を設置等するために開孔された孔であり、本明細書では、これを便宜上、取付孔とする(図2(a)・図3(b)も同様)。また、このような取付孔10は、パイプ材1の径方向に複数、等配されることが多い。もちろん、このような取付孔10は、パイプ材1を他部材に固定設置するためだけのものではなく、例えば図1(b)の仮想線で示すように、他の小径管路(分岐管)10A等を接続する孔として利用(適用)することも可能であり、その意味で上記説明でも「便宜上(取付孔10とする)」と記載したものである。
因みに、従来、金属板材を丸めてパイプ材1を得るにあたっては、端縁部11同士(継ぎ目)の接合は、溶接によって行うのが一般的であり、そのために従来のパイプ材1は溶接鋼管とも呼ばれていたが、本発明では端縁部11に、互いに掛止し合うツメ12と溝13とを形成し、このツメ12を溝13に嵌め込むことにによって溶接を要することなく端縁部11を接合するようにしたものである。もちろん、パイプ材としては、継ぎ目のない(非溶接タイプの)シームレスパイプも知られているが、これはパイプ材を形成するためのワークが金属板材から成るものではないため、本発明とは根本的に技術思想が異なるものである(本発明とは関連しないものである)。
【0028】
以下、本発明のパイプ材の製造方法について説明する。パイプ材1の製造にあたっては、基本的に、ブランク取り、予備曲げ加工(ツメ縮小曲げ加工)、U曲げ加工、O曲げ加工(丸曲げ加工)の順序で行われるものであり、以下各加工について説明する。ここで、各加工に対応した各々の工程に符号を付すものであり、具体的にはブランク取り工程にP1、予備曲げ工程にP2、U曲げ工程にP3、O曲げ工程にP4の符号を付すものである。また、本明細書では、パイプ材1の出発素材となる金属板材(本実施例ではブランク材)や、これを曲げて端縁を接合するまでの中間加工品を全てワークWと称するものである。
【0029】
(1)ブランク取り(ブランク取り工程P1)
ブランク取り工程P1では、例えば図2(a)に示すように、目的とするパイプ材1の径寸法(開口部サイズ)と長さ寸法(軸方向寸法)とを、ブランク材の縦及び横方向寸法として有する平面視略矩形状にワークWを打ち抜くことはもちろん、本実施例では、ワークWの端縁部11(丸めた際に継ぎ目となる突き合わせ部分)に、互いに引っ掛かり合う嵌め込みツメ12と受け入れ溝13とを有するようにワークWを打ち抜くものである。
【0030】
ここで、嵌め込みツメ12及び受け入れ溝13は、ワークWの端縁部11を接合するためのものであり、本発明ではこれによりワークWの端縁部11を接合するのに要していた溶接を廃止するようにしたものである。以下、本明細書では、嵌め込みツメ(12)及び受け入れ溝(13)を、簡略的にツメ(12)及び溝(13)と称することがある。
また、嵌め込みツメ12と受け入れ溝13とは、上述したようにツメ12を溝13に嵌め込んだ状態で互いに引っ掛かり合うように形成されるものであり、ここを掛止部14とする。すなわち掛止部14とは、ツメ12を溝13に嵌め込み、端縁部11同士が接合されたパイプ材1に、周方向(外側面)に沿って広がろうとする力が作用しても(接合部が周方向に分離しようとしても)、この力に抗して互いに引っ掛かり合い、接合部が分離しないように意図されたものと言える。
【0031】
更に、本実施例における嵌め込みツメ12及び受け入れ溝13は、一例として図2(b)の平面図に示すように、ツメ12と溝13の個々の形状が、概ね等脚台形状を成すように形成されるものであり、この等脚台形における傾斜状の脚部が上記掛止部14となるものである。
また、ツメ12及び溝13を等脚台形として見た場合、図2(b)に併せ示すように、上底をa・Aとし、下底をb・Bとし、高さをh・Hとすると(いずれも小文字がツメ12側の寸法であり、大文字が溝13側の寸法とする)、上底と下底とはツメ12の方が溝13よりも大きな寸法となるように設定し(例えば0.2〜0.3mm程度大きくする)、高さはツメ12と溝13でほぼ同じ長さ寸法に設定する。つまり、このような寸法設定は、以下のような式で示される。
a>A
b>B
h≒H
【0032】
ここでツメ12側の上底aと下底bとを、溝13側の上底Aと下底Bよりも大きくしたのは、ツメ12の外郭(外側)を溝13に強固に密着させ、端縁部11の接合力を高めるためである(ツメ12の嵌め方については後述する)。
また、ツメ12及び溝13を等脚台形とした場合の高さ寸法h・Hを、ツメ12と溝13とでほぼ同じ寸法としたのは、ワークWの継ぎ目(接合部)に隙間を生じさせ難くするためである。すなわち、ツメ12及び溝13を等脚台形として見た場合、ツメ12の高さ寸法hが、パイプ材1では周方向に当たり、ツメ12の高さ寸法hを溝13の高さ寸法Hよりも大きくしてしまうと、ツメ12と溝13の継ぎ目に隙間が形成され易いと考えられるためである。逆に言えば、かりにツメ12側の高さ寸法hを溝13側の高さ寸法Hよりも大きくした場合には、もともとツメ12と溝13との継ぎ目に隙間が形成され易くなり、端縁部11同士が離開し易い状況になると考えられるものである。
【0033】
このような構成、つまりツメ12と溝13とに互いに引っ掛かり合う掛止部14を形成すること、また平面投影状態で溝13よりも一回り大きく形成したツメ12を、溝13に強固に密着させるようにしたこと等により、従来は当然と考えられていた溶接を施すことなく、ワークWの両端縁部11を強く接合することができるものである。
またパイプ材1を排気ガス消音ユニットUの外筒体S1として適用した場合には、パイプ材1の内部に排気ガスGが流れるものであり、この排気ガスGが接合部(継ぎ目)から外部に漏れ出ないものである。つまり上記構成は、溶接を要しない程度にまでワークWの端縁部11を接合できるということだけでなく、パイプ材1の接合部の気密性(シール性)を高いレベルで確保できるという効果も奏するものである。もちろん、パイプ材1の内外が連通しても構わない場合(パイプ材1の内部を流れる流体が接合部から外側に漏れても構わない場合)には、上記ツメ12の高さ寸法hを、溝13の高さ寸法Hより大きくすることも可能である。
【0034】
因みに、本実施例では、基本的に一定の厚さに圧延された金属板材からワークWをブランク取りするように説明しており、このブランク取りの際に、上記取付孔10を併せて開孔することが好ましいものである。すなわち、パイプ材1の状態で(パイプ材1まで形成した段階で)初めて当該取付孔10を開孔する場合には、例えば開孔箇所毎にパイプ材1を回転させながら開孔作業を行うのが一般的であり(例えば三等配であれば120度ずつパイプ材1を回転させながら3回の開孔作業を要する)、これは極めて手間の掛かる作業であるが、本実施例では複数箇所の取付孔10の形成を、ワークWのブランク取りの際に同時に行うことができるため、極めて能率的にパイプ材1を形成し得るものである。また、ブランク取りの際に取付孔10を同時に形成する上記手法では、複雑な孔形状でもブランク材(ワークW)の打ち抜き時に目的とする孔形状の抜き型を設定することにより、容易に且つ精緻に取付孔10を形成することができる。すなわち、ブランク材の段階で取付孔10を予め打ち抜くのであれば、ブランク材がパイプ材1として円管状に立体化することを見込んだ上で、楕円形状、多角形状、星型等、種々の形状の取付孔10に自由に開孔できるものである。因みに、パイプ材1の状態、もしくはパイプ材1まで形成した段階で初めて当該取付孔10を開孔する場合、例えばドリリングによる開孔手法では、多角形状や星型等の開孔は行えないものである。これに対し、例えば金型を用いてパイプ材に開孔する場合には、多角形状や星型等の開孔はできるかもしれないが、型構造が極めて複雑になり、実用性は極めて低いものである。
更に、ワークWのブランク取りの際には、取付孔10だけでなく、ツメ12及び溝13を有するようにワークWを打ち抜けば、より一層、能率的にパイプ材1を得ることができるものである。
もちろん、予め適宜の板厚で矩形状に形成された金属板材があれば、これを出発素材(ワークW)として適用することもでき、その場合には、このワークWに、打ち抜き加工を施して取付孔10を形成し、且つ削り出し加工や切り落とし加工等を施してツメ12及び溝13を形成すること(必要な部位を後加工すること)も可能である。
【0035】
(2)予備曲げ加工(予備曲げ工程P2)
次に、予備曲げ加工(予備曲げ工程P2)について説明する。予備曲げ工程P2は、平面投影状態で溝13よりも大きく打ち抜かれたツメ12を、縮小状態に(細身に)形成する曲げ加工(工程)であり、本実施例では例えば図3に示すように、ツメ12の下底b(等脚台形として見た場合の幅広状の下底b)をパイプ材1の内側となるように立ち上げ状態に曲げるものである。
また、その寸法b′(平面投影状態の縮小幅寸法b′)は、図3(a)に示すように、溝13の上底A(等脚台形として見た場合の幅狭状の上底A)よりも小さくなるように曲げるものであり(b′<A)、これにより平面投影状態で溝13よりも大きく打ち抜かれたツメ12を、確実に溝13内に収容することができるものである。ここで、縮小曲げ加工されたツメに符号「12a」を付し、縮小曲げ加工以前のツメ12と明確に区別したい場合に用いるものとする。
【0036】
なお、予備曲げ加工の方向(ツメ12の平面投影サイズを小さくするための曲げ方向)は、パイプ材1の内側方向に限定されるものではなく、パイプ材1の外側に立ち上げるように曲げても構わない。
また、本実施例では、一例として図3(b)に示すように、縮小曲げ加工後のツメ12aの溝13への嵌め込みや潰しが行い易いように、この予備曲げ加工段階でツメ12と溝13とを有したワークWの端縁部11を全体的にパイプ材1の内側に曲げる加工も併せて行っているが、これは必ずしも必須のものではない。つまり、予備曲げ加工の実質は、ツメ12の縮小曲げ加工と言え、本発明において重要な工程と言える。
【0037】
(3)U曲げ加工(U曲げ工程P3)
次に、U曲げ加工(U曲げ工程P3)について説明する。U曲げ工程P3は、一例として図4(a)・(b)に示すように、全体的にほぼフラット状を成す予備曲げ加工(細身曲げ加工)後のワークWを、断面U字状に曲げる加工(工程)であり、これによりその後に接合を受ける両端縁部11が相対するように立ち上げられる。
なお、本実施例では、上述したように予備曲げ加工時に縮小曲げされた方(立ち上げられた方)をパイプ材1の内側とするようにワークWがU曲げされる。ここで図中符号21・22が、各々、上記U曲げ加工に適用されるメス型・オス型であり、本実施例では半円柱状にくり抜かれたメス型21の上にワークWをセットし(位置決めし)、その上方から円柱状のオス型22で押圧してワークWを断面U字状に曲げるものである。
【0038】
(4)O曲げ加工(O曲げ工程P4)
次に、O曲げ加工(O曲げ工程P4)について説明する。O曲げ工程P4は、一例として図5(a)に示すように、U曲げ加工後のワークWの内側(U字状断面の内側ほぼ中央)に、芯金25を収めた状態で、対向状態に立ち上げられた端縁部11同士を突き合わせるように曲げ込む加工であり、この加工によりワークWは断面O字状のパイプ状(筒状)に形成される。もちろん、ここでは、このO曲げ加工の際に、例えば図5(b)に示すように、縮小曲げ加工後のツメ12aを平面状(詳細には芯金25の側周面に沿った曲面状)に潰して、ツメ12aの外郭(外側)を溝13に密着させるものであり、この点が一般的なO曲げ加工と大きく異なる点である。すなわち、本発明では、このようなO曲げ加工(プレス加工)によってワークWの両端縁部11を強固に接合するものであり、これにより当該部位への溶接(接合のために従来施していた溶接)を無くすものである。
ここで図中符号26・27が、各々、上記O曲げ加工に適用される受け型・押圧型であり、本実施例では半円柱状にくり抜かれた受け型26に芯金25をかませたワークWを収め、その上方から半円柱状にくり抜かれた押圧型27で押圧してワークWを断面O字状に曲げるとともに端縁部11を強固に接合するものである。
【0039】
なお、ツメ12及び溝13には、互いに引っ掛かり合う掛止部14が形成されているため、同図5(b)に併せ示すように、潰し(平面化)加工によってツメ12aの肉が溝13(掛止部14)内に入り込んで行く(食い込んで行く)のに従い、ワークWの両端縁部11が互いに接近するように引っ張られ、より強固に接合されるものである。また、このことは例えばパイプ材1の内部に排気ガスGを流した場合、接合部分から排気ガスGが漏れ出ないことにも寄与するものである(シール性向上)。もちろん、このような掛止部14は、完成後のパイプ材1(接合部)を周方向に分離させない作用も担うものである。
【0040】
また、ツメ12と溝13との端面の合わせについては、例えば図5(c)の(i) に示すように、ツメ12及び溝13を形成する際、例えば本実施例では金属板材に施す打ち抜き加工時(剪断加工時)に、不可避的に生じるバリ(かえり)buがパイプ材1の内側と外側とに位置するように、端面合わせ(ツメ12aの溝13への嵌め込み)を行うことが好ましく、例えば本実施例においては、当初のブランク取りを行う際に、上記のようにバリbuの形成状況を考慮してブランク取りすることが望ましい。これにより、ツメ12や溝13を形成する際に生じる傾斜状の端面を、ほぼ合致させるように合わせることができ、接合部に隙間が生じ難い構造、ひいては接合部のシール性を高める構造が採り易いものとなる。
ここでバリ(かえり)buとは、ワークWの剪断面(剪断終了部)において発生する突起状部分である。一方、ワークWの剪断面(剪断開始部)において発生する丸み(パンチの押し込みによって生じる丸み)がダレroであり、通常、このダレroは、一つの剪断面においてバリbuと対向する位置に発生し、このため上記ツメ12と溝13との端面合わせについて言及したバリbuは、ダレroと言い換えても同じである。
因みに、剪断加工時に生じるバリbuやダレroをパイプ材1の同じ側に位置させてツメ12と溝13の端面同士を合わせた場合には、例えば図5(c)の(ii)に示すように、傾斜状の端面が合致しないため、この傾斜面によるV字状の溝が発生してしまい、接合部に隙間が生じ易くなるものである(シール性が低いと考えられる)。
【0041】
〔他の実施例〕
本発明は以上述べた実施例を一つの基本的な技術思想とするものであるが、更に次のような改変が考えられる。
まず、上述した基本の実施例では、ツメ12及び溝13の個々の形状は、概ね等脚台形状のものを示したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば図6に示すように、円形状(半円よりも大きな円形)であっても構わず、要はツメ12と溝13とに互いに引っ掛かり合う掛止部14が形成されれば種々の形状が採り得るものである。因みに、図6に示す実施例の場合には、半円よりも大きい部位が、掛止部14となるものである。
【0042】
また、先に述べた基本の実施例では、基本的にワークWとして使用する金属板材は、一枚の単板のみであり、この一枚の単板ワークWの両端縁部11同士を接合して一本のパイプ材1を得るものであった。しかしながら、ワークWとしては必ずしも一枚の単板のみである必要はなく、複数枚の金属板材(ブランク材)を使用して一本のパイプ材1を得ることも可能である。この場合、例えば図7(a)に示すように、まず複数枚(ここでは2枚)の金属板材を直列状に接合してから、つまり展開状態で必要な大きさのワークWをまず形成してから、予備曲げ加工(ツメ12の縮小曲げ加工)、U曲げ加工、O曲げ加工を順次行って、例えば図7(b)に示すような所望のパイプ材1を得ることが可能である。
なお、本図7に示すように、複数の金属板材を直列状に接続して一つのワークWとし、これを当該接続方向に丸めて一本のパイプ材1を得る場合には、小さいサイズの金属板材からでも大きな径のパイプ材1を得ることができる点で効果を奏するが、一本のパイプ材1について軸方向に形成される接合部(継ぎ目)が複数となり、内圧に対する強度も幾らか低下することが考えられる。
【0043】
また、先に述べた基本の実施例では、両開口部の大きさ(径寸法)がほぼ等しいストレート状のパイプ材1を例に挙げたが、開口部の大きさが左右で異なるテーパ管でも構わない。
また上記基本の実施例では、パイプ材1の断面は、ほぼ円形であったが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば矩形状断面(いわゆる角パイプ材)でも構わない。ただし、角パイプ材の場合には、接合部に無理な負荷を極力掛けないため、接合部(継ぎ目)を平面部分に位置させること(辺や角部分に位置させないこと)が好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明のパイプ材は、種々の内燃機関から排出される燃焼ガスを浄化する排ガス触媒装置の外筒体として利用することができる他、マフラー等の消音室を接続する連通管等にも適用することできる。
また、他にも本発明のパイプ材は、コンクリート支柱(いわゆる独立基礎)を造るためのパイプ材等、あらゆる用途のパイプ材に適用することができる。
【符号の説明】
【0045】
1 パイプ材
10 取付孔(孔)
10A 小径管路(分岐管)
11 端縁部
12 ツメ(嵌め込みツメ)
12a ツメ(縮小曲げ後の嵌め込みツメ)
13 溝(受け入れ溝)
14 掛止部

21 メス型(U曲げ)
22 オス型(U曲げ)
25 芯金(O曲げ)
26 受け型(O曲げ)
27 押圧型(O曲げ)

P1 ブランク取り工程
P2 予備曲げ工程(ツメ縮小曲げ工程)
P3 U曲げ工程
P4 O曲げ工程

U 排気消音ユニット
S 排ガス触媒装置
S1 外筒体
S2 ハニカム体(コアピース)
G 排気ガス
W ワーク
bu バリ(かえり)
ro ダレ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板材から成るワークの端縁部を接合してパイプ材を得る方法であって、
このワークには、端縁部の接合に先立ち、一方の端縁部に嵌め込みツメを形成するとともに、他方の端縁部に、このツメを嵌め込む受け入れ溝が形成され、ツメを溝に嵌め込むことによってワークの端縁部の接合を行うものであり、
また、前記ツメと溝とには、接合完了後のパイプ材が外側面に沿って広がろうとした場合、この力に抗して引っ掛かる掛止部が形成されることを特徴とする、パイプ材の製造方法。
【請求項2】
前記嵌め込みツメは、当初のフラットな状態では、その外形が平面投影状態で受け入れ溝よりも大きなサイズに形成されるものであり、
その後、端縁部の接合に先立ち、ツメは平面投影状態で受け入れ溝よりも小さなサイズに立体的に曲げられ、この状態で溝に嵌め込まれるものであり、次いで、潰しによって平面化され、ツメの外郭が溝に対し全体的に密着するように接合されることを特徴とする請求項1記載の、パイプ材の製造方法。
【請求項3】
前記ワークとして使用する金属板材は、一枚の単板のみであり、この一枚の単板ワークの両端縁部同士を接合して一本のパイプ材を得るようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の、パイプ材の製造方法。
【請求項4】
前記嵌め込みツメと受け入れ溝とは、当初のフラットな状態で平面視、等脚台形状に形成され、この等脚台形状の脚部を前記掛止部として機能させるようにしたことを特徴とする請求項1、2または3記載の、パイプ材の製造方法。
【請求項5】
前記ワークは、適宜の板厚を有した金属板材からブランク取りされるものであり、
また、完成品としてのパイプ材の径方向に取付孔が開孔される場合、このワークのブランク取りの際に、前記取付孔も同時に開孔するようにしたことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の、パイプ材の製造方法。
【請求項6】
前記端縁部の接合については、ツメ側の端面及び溝側の端面に生じる双方のバリをパイプ材の内側と外側とに位置させるようにしたことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の、パイプ材の製造方法。
【請求項7】
前記パイプ材の内部には、適宜の流体を通過または収容するものであり、この流体が接合部においてパイプ内側からパイプ外側に漏れ出ないように、前記端縁部の接合を行うようにしたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の、パイプ材の製造方法。
【請求項8】
金属板材から成るワークの端縁部を接合して製造されるパイプ材であって、この製造にあたっては、請求項1、2、3、4、5、6または7記載の製造方法が適用されることを特徴とするパイプ材。
【請求項9】
排気ガスが送り込まれてくる外筒体の内部にハニカム体を設けて成り、流路面に付着形成させた触媒によって、排気ガスを浄化する排ガス触媒装置であって、
この外筒体には、請求項8記載のパイプ材が適用されることを特徴とする排ガス触媒装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−86159(P2013−86159A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231224(P2011−231224)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(500573761)サクラ工業株式会社 (12)
【Fターム(参考)】