説明

パイプ椅子

【課題】位置決めが簡単になって作業効率の良い、かつ使用するネジの数が少なくても横方向の力に対して堅固となるパイプ椅子を提供する。
【解決手段】脚パイプと座支持パイプとで構成される椅子フレーム本体10と、座支持パイプの上に載置される座体20とを備えたパイプ椅子10において、半環状パイプの複数箇所に貫通孔を開け、座体の前記半環状パイプの貫通孔に当接する部位に突起を形成し、その突起を貫通孔に挿入し、かつ座体に膨出部21dを形成し、膨出部21dに立設パイプ貫通穴21eを形成し、立設パイプ貫通穴21eに立設パイプ11を貫通させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイプで形成されたパイプ椅子に関し、特に、椅子フレーム本体への座体の取り付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
金属パイプ製の椅子フレームに座体や背体を固定するしたパイプ椅子が最近多種開発されている。このようなパイプ椅子において、座体を椅子フレームに固定する固定の仕方に特許文献1または2に示すようなものがある。
【特許文献1】特開2007−68902号公報
【特許文献2】特開2004−147897号公報
【0003】
特許文献1記載の発明は、座体を座支持パイプの上に載置し、座体の裏面から座支持パイプを介してネジ止めするものである。
特許文献2記載の発明は、座体を座支持パイプの上に載置し、座体の表面から座支持パイプにリベットで着脱自在に取り付けるものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1および2に示す椅子にあっては、ネジやリベットで座体を座支持パイプに固定するためには、座体の孔と座支持パイプの孔とを正確に位置あわせする必要があり、生産性向上のためのネックとなっていた。
また、特許文献1および2に示す椅子にあっては、座体に対して水平方向の力が加わった場合の座体と座支持パイプのズレを防止するのはネジやリベットのみであるため、堅固な固定のためには多数のネジや多数のリベットを使用しなければならないので、作業が繁雑となり生産性が悪く、しかもコスト高にもなっていた。
【0005】
本発明は、上記欠点を解決するためになされたもので、座体の孔と座支持パイプの孔とを正確に位置あわせする必要のない、したがって生産性のよい、かつ少ない本数のネジだけで座体と座支持パイプの堅固な固定ができるパイプ椅子を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1記載のパイプ椅子の発明は、脚パイプと前記脚パイプに溶接される座支持パイプとで構成される椅子フレーム本体と、前記座支持パイプの上に載置される座体と、を備えたパイプ椅子において、前記座支持パイプの複数箇所に貫通孔を開け、前記座体の前記貫通孔に当接する部位に前記貫通孔に挿入される突起をそれぞれ形成し、前記突起を前記貫通孔に挿入したことを特徴としている。
また、請求項2記載のパイプ椅子の発明は、下部が水平方向に延びる立設パイプ2本と前記2本の立設パイプの下底部どうしを連結する下部連結パイプとから成る脚パイプと、前記2本の立設パイプの中間近傍にそれぞれ溶接される中部連結パイプと前記中部連結パイプを挟んで前方と後方でそれぞれ前記中部連結パイプに溶接される2本の半開パイプとから成る座支持パイプと、で構成される椅子フレーム本体と、前記座支持パイプの上に載置される座体と、を備えたパイプ椅子において、前記半開パイプの複数箇所に貫通孔を開け、前記座体の前記半開パイプの前記貫通孔に当接する部位に前記貫通孔に挿入される突起をそれぞれ形成し、前記突起を前記貫通孔に挿入したことを特徴としている。
また、請求項3記載のパイプ椅子の発明は、上部がくの字形をして立設し下部が水平方向に延びる立設パイプ2本と前記2本の立設パイプの下底部どうしを連結する下部連結パイプとから成る脚パイプと、前記2本の立設パイプのくの字の屈曲部近傍どうしを連結する中部連結パイプと前記中部連結パイプを挟んで前と後ろでそれぞれ前記2本の立設パイプのくの字の屈曲部近傍どうしを連結する半環状パイプとから成る座支持パイプと、で構成される椅子フレーム本体と、前記座支持パイプの上に載置される座体とを備えたパイプ椅子において、前記半環状パイプの複数箇所に貫通孔を開け、前記座体の前記半環状パイプの前記貫通孔に当接する部位に前記貫通孔に挿入される突起をそれぞれ形成し、前記突起を前記貫通孔に挿入したことを特徴としている。
【0007】
また、請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載のパイプ椅子において、前記貫通孔に挿入された前記突起を前記貫通孔の反対側からネジ止めしたことを特徴としている。
【0008】
また、請求項5記載のパイプ椅子の発明は、脚パイプと前記脚パイプに溶接される座支持パイプとで構成される椅子フレーム本体と、前記座支持パイプの上に載置される座体と、を備えたパイプ椅子において、前記座体の前記脚パイプに近い部位に前記脚パイプを包囲する膨出部を形成し、前記膨出部に前記脚パイプを貫通させる貫通穴をそれぞれ形成し、前記貫通穴に前記脚パイプを貫通させたことを特徴としている。
また、請求項6記載のパイプ椅子の発明は、下部が水平方向に延びる立設パイプ2本と前記2本の立設パイプの下底部どうしを連結する下部連結パイプとから成る脚パイプと、前記2本の立設パイプの中間近傍にそれぞれ溶接される中部連結パイプと前記中部連結パイプを挟んで前方と後方でそれぞれ前記中部連結パイプに溶接される2本の半開パイプとから成る座支持パイプと、で構成される椅子フレーム本体と、前記座支持パイプの上に載置される座体と、を備えたパイプ椅子において、前記座体の前記立設パイプに近い部位に前記立設パイプを包囲する膨出部を形成し、前記膨出部に前記立設パイプを貫通させる立設パイプ貫通穴をそれぞれ形成し、前記立設パイプ貫通穴に前記立設パイプを貫通させたことを特徴としている。
また、請求項7記載のパイプ椅子の発明は、上部がくの字形をして立設し下部が水平方向に延びる立設パイプ2本と前記2本の立設パイプの下底部どうしを連結する下部連結パイプとから成る脚パイプと、前記2本の立設パイプのくの字の屈曲部近傍どうしを連結する中部連結パイプと前記中部連結パイプを挟んで前方と後方でそれぞれ前記中部連結パイプに溶接される2本の半環状パイプとから成る座支持パイプとで構成される椅子フレーム本体と、前記座支持パイプの上に載置される座体と、を備えたパイプ椅子において、前記座体の前記立設パイプに近い部位に前記立設パイプを包囲する膨出部を形成し、前記膨出部に前記立設パイプを貫通させる立設パイプ貫通穴をそれぞれ形成し、前記立設パイプ貫通穴に前記立設パイプを貫通させたことを特徴としている。
【0009】
また、請求項8記載の発明は、請求項7記載のパイプ椅子において、前記半環状パイプの複数箇所に貫通孔を開け、前記座体の前記半環状パイプの前記貫通孔に当接する部位に前記貫通孔に挿入される突起をそれぞれ形成し、前記突起を前記貫通孔に挿入したことを特徴としている。
【0010】
そして、請求項9記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項記載のパイプ椅子において、前記座体の前記座支持パイプに当接する部位を前記座支持パイプを埋める高さの土手を形成し、前記土手間に前記座支持パイプを間挿したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
上記構成により、突起を貫通孔に挿入するだけで、また、貫通穴に立設パイプを貫通させるだけで、座体の孔と座支持パイプの孔との正確な位置あわせができてしまうので、改めて位置合わせする必要のない、したがって生産性のよい椅子が得られる。
そして、突起を貫通孔に挿入するだけで、また、貫通穴に立設パイプを貫通させるだけで、座体に対して水平方向の力が加わっても座体と座支持パイプがズレることが防止できるので、従来のような多数のネジやリベットを使用しなくても済む(本発明では4本のネジのみ)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、詳細に説明する。
図1は本発明に係るパイプ椅子の斜視図である。
図において、1は本発明に係るパイプ椅子、11、12は上部がくの字形をして立設し、下部が水平方向に延びた立設パイプ、13は立設パイプ11、12の下底部どうしを連結するU字形をした下部連結パイプ、20は立設パイプ11、12のくの字部位近傍に固定された座体、30は立設パイプ11、12の上部どうしを連結する背体である。
【0013】
図2は図1のパイプ椅子1を下から椅子フレーム本体10、座体20、背体30の3部品に分解して示した斜視図である。
図において、14は2本の立設パイプ11、12どうしを連結する中部連結パイプで、2本の立設パイプ11、12のくの字の屈曲部近傍にそれぞれ溶接されている。15、16は半環状パイプで、これは中部連結パイプ14を挟んで前方(椅子に腰掛けたときの膝側)と後方(椅子に腰掛けたときの背側)でそれぞれ中部連結パイプ14に溶接されている。半環状パイプ15、162個を対向させて中部連結パイプ14に溶接することで1個の丸い環状を構成し、この環状パイプと環状パイプの直径を構成する中部連結パイプ14とで座体20を支持する。
また、立設パイプ11、12の上部に背差し込みパイプ17が埋め込まれ、ネジ17aで止められている。
背体30の両端下部にあけられ挿入穴を背差し込みパイプ17に挿入することで、背体30が立設パイプ11、12の上部に固定され、図1のようにパイプ椅子1が完成する。なお、18は床をキズつかないように守り、かつ椅子が滑らないように立設パイプ11、12と下部連結パイプ13の床側に取り付けられたプラパートである。
【0014】
図3は図2の脚パイプを構成する3部品を示す図である。(a)は立設パイプ、(b)は下部連結パイプ、(c)繋ぎパイプのそれぞれ三面図で、(イ)は正面図、(ロ)は平面図、(ハ)は側面図である。
図3(a)の(イ)において、立設パイプ11、12は、上部がくの字形をしており、下部は床面と平行に伸びている。図3(a)の(ロ)および(ハ)から判るように、平面図および側面図で見た立設パイプ11、12は真っ直ぐに延びている。
図3(b)の(ロ)において、下部連結パイプ13はU字形をしており、その中心位置と左右対称の3箇所の位置にプラパート18(図2)を嵌め込むためのプラパート嵌め込み穴13aがあけられている。なお、(b)の(イ)および(ハ)から判るように、正面図および側面図で見た下部連結パイプ13は真っ直ぐに延びている。
図3(c)の繋ぎパイプ19は(a)の立設パイプ11、12の下底部と(b)の下部連結パイプ13のU字形の両端部とを連結するためのパイプで、立設パイプ11、12の下底部と下部連結パイプ13のU字形の両端部の両方にそれぞれ半分ずつ嵌挿されることで両者を連結する。繋ぎパイプ19は図(イ)、(ロ)、(ハ)から判るように真っ直ぐに延びている。
【0015】
図4は図2の座体20を支持する座支持部分を構成する2種の部品を示す図である。(a)は中部連結パイプ、(b)は半環状パイプで、(イ)は正面図、(ロ)は平面図、(ハ)は側面図である。
図4(a)の中部連結パイプ14は立設パイプ11、12(図2)の上部のく字形の屈曲部近傍にそれぞれ溶接されることで立設パイプ11、12どうしを連結するものである。図4(a)の正面図(イ)から判るように、中央部が若干床側に湾曲しており、平面図(ロ)では真っ直ぐに延びている。
図4(b)の平面図(ロ)から判るように、半環状パイプ15、16は半環状形をしている。その中心位置から左右対称の位置に、座体21(図5)の突起21a(図5)を挿入するための貫通孔15a、15aがあけられている。
なお、(b)の(イ)および(ハ)から判るように、正面図および側面図で見た半環状パイプ15、16は真っ直ぐに延びている。
【0016】
〈特徴1:突起21aの形成〉
図5は図2の座体20の斜視図である。図2の座体20はプラスチック成型される座体シェル21と座体シェル21の上にほぼ全面に張り付けられる布製または皮製のパッド22から構成されている。図5ではパッド22を除いた座体シェル21のみを示している。(a)は座体シェル21の表(おもて)面と、(b)は裏面である。(a)の座体シェル21の表面は平らな面となっているが、後述する図6(b)から判るように中心部に向けて若干窪んでいる。
一方、座体シェル21の裏面は、(b)から判るように、全周に亘って周壁21bが形成されている。周壁21bは実際は高さが他の土手と比べてもう少し高い(図6(b)参照)が他部の構成を見易くするため、ここでは横断で低く描いている。
さらに、 座体シェル21の中部連結パイプ14(図2)および環状パイプの各半環状パイプ15、16(図2)がそれぞれ当接する部位全体に沿って低い土手21c’、21cが形成されている。土手21c’は中部連結パイプ14が真っ直ぐ延びるその両側に、21cは半環状パイプ15、16の収まる部位の内側にそれぞれ形成されている。そして、座体シェル21には、半環状パイプ15、16にあけられた貫通孔15a、16aに対向する部位にその貫通孔15a、16aに挿入される突起21aが4箇所に形成されている。
【0017】
〈特徴2:膨出部21dの形成〉
また、図5(a)および(b)から判るように、座体シェル21の形状は正確な円形ではなくて、円周上の1箇所とその直径方向の反対箇所にそれぞれ膨出部21d、21dが形成されている。そして、この膨出部21d、21dの大きさは、座体シェル21に半環状パイプ15、16が当接する円形範囲の外側にまで延びて、そこに立設パイプ11、12の貫通できる貫通穴21eが形成されるまで充分に膨出されている。
【0018】
図6は図5の座体シェル21を説明する図で、(a)はその三面図であり、(イ)は正面図、(ロ)は平面図、(ハ)は底面図である。(b)は(a)の(ハ)におけるB−B矢視図、(c)は同じく(ハ)におけるC−C矢視図、(d)は(ハ)におけるD−D矢視図である。
(a)の平面図(ロ)から判るように、座体シェル21には直径方向の両端にそれぞれ膨出部21d、21dが形成され、かつこの膨出部21d、21dに立設パイプ11、12の貫通する貫通穴21eが形成されている。21fはパッド22(図2)の取り付け孔である。
また、(a)の(ハ)および(b)から判るように、座体シェル21の縁部全周に亘って下方(床方向)に延びる周壁21bが形成され、かつ環状パイプの各半環状パイプ15、16(図2)がそれぞれ当接する部位全体に沿って半円状の土手21cが形成され、さらに中部連結パイプ14(図2)が当接する部位の両側に沿ってまっすぐな土手21c’が形成され、土手21cと土手21c’はそれぞれ連結形成されている。また、周壁21bと土手21cとの間には突起21aが4箇所に形成されている。
【0019】
図6(b)は座体シェル21の中心を通る縦断面で、周壁21bと土手21c、21c’の断面形状と高さが判る。周壁21bの高さは土手21c、21c’の高さよりも約3倍高く、また、座シェル21の座体は中央が若干窪んでいるのが判る。
(c)は周壁21bと膨出部21dと立設パイプ貫通穴21eとを拡大断面で示している。立設パイプ貫通穴21eは周壁21bに接近して形成されているのが判る。
(d)は突起21aと周壁21bと土手21とを拡大断面で示している。
突起21aの内側にはネジの挿入される孔21gが形成されている。周壁21bの高さは、突起21aが半環状パイプ15、16(図2)の中に挿入され、反対側からネジ止めされた状態(図9参照)で半環状パイプ15、16が周壁21bで隠れて横から見えないような高さになっている。
以上が、パイプ椅子を構成する各部品の説明である。
【0020】
次に、パイプ椅子の組み立てについて図2にて説明する。
図2の背差し込みパイプ17、17を、座体20の座体シェル21に形成された膨出部21d(図5、図6)の貫通穴21e(図5、図6)に通し、座体20を下に下げていくと、座体20は中部連結パイプ14および半環状パイプ15、16(図2)に当接し、さらに、座体シェル21の裏側に4箇所形成されている各突起21a(図5、図6)が半環状パイプ15、16の各貫通孔15a、16a(図4)に挿入されて、停止する。図7はこの状態を示す斜視図である。図7のように、座体20はその膨出部21dの貫通穴21に立設パイプ11、12が貫通して組み込んだ状態であるので、座体20に横方向から強い衝撃が加わっても(特許文献1、2のネジ止め、リベット止めと違って)、座体20が脚部から外れることは生じない。
図7のように脚部に座体20が組み込まれた後は、図2に示す背体30の両端が立設パイプ11、12の上部の背差し込みパイプ17に挿入されることで、図1のパイプ椅子が完成する。
【0021】
図8は組み立て完成した図1のパイプ椅子を示す図で、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は正面図、(d)は側面図、(e)は(d)のA−A矢視図である。(d)から判るように、背体30を背差し込みパイプ17(図2)に差し込んだ状態で、背差し込みパイプ17は背体30で見えなくなり、また、背体30が立設パイプ12と接触する領域は立設パイプ12の厚みと同じ厚みと薄く形成されているので、立設パイプ12に背体30が差し込まれた状態で立設パイプ12とは段差のないツライチとなっている。
(e)において、中部連結パイプ14および半環状パイプ15、16がそれぞれ座体シェル21にネジ15b、16bで固定され、半環状パイプ15、16の形成する円形の外側に立設パイプ11、12が座体シェル21を貫通しているのが判る。したがって、立設パイプ11、12が座体シェル21円形の外側にあることで、このパイプ椅子を多数脚上下に積み重ねることが可能となる。
【0022】
図9は図8(e)のB−B矢視図で、半環状パイプの貫通孔に座体の突起を挿入して、ネジ止めした状態を示す断面図である。図において、座体シェル21の裏側(パッド22のない側)に4箇所(図では1個のみ表示)で形成された突起21aは、半環状パイプ15にあけられた貫通孔15aに挿入された後、貫通孔15aの反対側からネジ15bを突起21aの孔21gにネジ込むことで、座体シェル21と半環状パイプ15と固定し、これによって座体20(図2)と椅子フレーム本体10(図2)とが堅固に固定される。
なお、上記実施例では、立設パイプ11、12の上部形状がくの字形であるとして説明したが、本発明によれば必ずしもくの字形に限定されるものではなく、真っ直ぐで直立した形状でも、傾斜した形状でも立設していれば形状は何でもかまわない。
また、2本の立設パイプ11、12と下部連結パイプからなる脚の実施例で説明したが、本発明によればもちろん3本足、4本足、それ以上であってもかまわない。
また、座支持パイプについても、2本の半環状パイプ15、16で円形の座支持パイプを構成するものとしたが、本発明によれば必ずしも円形に限定されるものではなく、四角形の座支持パイプでも、多角形の座支持パイプでも、楕円形の座支持パイプでも、中部連結パイプ14に溶接される形状のものであれば、形状は何でもかまわない。
また、座支持パイプを中部連結パイプとこの中部連結パイプを挟んで前方と後方の2本の半開(半環状)パイプとから成るものと説明したが、本発明によればこれに限定されるものではなく、2個の半環状パイプのうちの1個の両端に外向けのまっすぐなパイプを一体に形成させて、このパイプ部分を立設パイプ(脚)パイプに溶接させて、他の半環状パイプをこのパイプ部分に溶接して、中部連結パイプを省略することも可能である。
【0023】
以上のように、本発明によれば、(1)半環状パイプに貫通孔を開け、かつ座体に突起を形成し、この突起を貫通孔に挿入して、両者をネジで固定することにより、位置決めが簡単になり、かつ使用するネジの数が少なくても(本発明の実施例ではわずか4本)突起と貫通孔の係合により横方向の力に対して堅固となり、また、(2)座体に膨出部を形成してここに貫通穴を形成し、立設パイプをこの貫通穴に貫通させることにより、位置決めが簡単になり、かつ使用するネジの数が少なく(本発明の実施例では4本)ても貫通穴と立設パイプとの係合により横方向の力に対して堅固となり、壊れることがない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係るパイプ椅子の斜視図である。
【図2】図1のパイプ椅子を構成する3部品に分解した斜視図である。
【図3】図2の脚パイプを構成する(a)立設パイプと、(b)下部連結パイプと、(c)繋ぎパイプの各三面図(イの正面図、ロの平面図、ハの側面図)である。
【図4】図2の座支持パイプを構成する(a)中部連結パイプと、(b)半環状パイプの各三面図(イの正面図、ロの平面図、ハの側面図)である。
【図5】図2の座体の斜視図(ただし、パッドなし)で、(a)座体の表(おもて)面の図と、(b)座体の裏面の図である。
【図6】図5の座体の(a)三面図(イの正面図、ロの平面図、ハの底面図)と、(b)ハの側面図におけるB−B矢視図、(c)ハの側面図におけるC−C矢視図、(d)ハの側面図におけるD−D矢視図である。
【図7】図2の脚パイプに図2の座体を組み込んだ状態を示す斜視図である。
【図8】図1のパイプ椅子の(a)平面図、(b)底面図、(c)正面図、(d)側面図、(e)図dのA−A矢視図である。
【図9】図8eのB−B矢視図で、半環状パイプの貫通孔に座体の突起を挿入して、ネジ止めした状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0025】
11、12 立設パイプ
13 下部連結パイプ
13a プラパート嵌め込み穴
14 中部連結パイプ
15、16 半環状パイプ
15a、16a 貫通孔
15b、16b ネジ
17 背差し込みパイプ
17a ネジ
18 プラパート
20 座体
21 座体シェル
21a 突起
21b 周壁
21c、21c’ 土手
21d 膨出部
21e 立設パイプ貫通穴
21f パッド取付孔
21g ネジ孔
22 パッド
30 背体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脚パイプと前記脚パイプに溶接される座支持パイプとで構成される椅子フレーム本体と、前記座支持パイプの上に載置される座体と、を備えたパイプ椅子において、前記座支持パイプの複数箇所に貫通孔を開け、前記座体の前記貫通孔に当接する部位に前記貫通孔に挿入される突起をそれぞれ形成し、前記突起を前記貫通孔に挿入したことを特徴とするパイプ椅子。
【請求項2】
下部が水平方向に延びる立設パイプ2本と前記2本の立設パイプの下底部どうしを連結する下部連結パイプとから成る脚パイプと、前記2本の立設パイプの中間近傍にそれぞれ溶接される中部連結パイプと前記中部連結パイプを挟んで前方と後方でそれぞれ前記中部連結パイプに溶接される2本の半開パイプとから成る座支持パイプと、で構成される椅子フレーム本体と、
前記座支持パイプの上に載置される座体と、を備えたパイプ椅子において、
前記半開パイプの複数箇所に貫通孔を開け、
前記座体の前記半開パイプの前記貫通孔に当接する部位に前記貫通孔に挿入される突起をそれぞれ形成し、
前記突起を前記貫通孔に挿入したことを特徴とするパイプ椅子。
【請求項3】
上部がくの字形をして立設し下部が水平方向に延びる立設パイプ2本と前記2本の立設パイプの下底部どうしを連結する下部連結パイプとから成る脚パイプと、
前記2本の立設パイプのくの字の屈曲部近傍にそれぞれ溶接される中部連結パイプと前記中部連結パイプを挟んで前方と後方でそれぞれ前記中部連結パイプに溶接される2本の半環状パイプとから成る座支持パイプと、で構成される椅子フレーム本体と、
前記座支持パイプの上に載置される座体と、を備えたパイプ椅子において、
前記半環状パイプの複数箇所に貫通孔を開け、
前記座体の前記半環状パイプの前記貫通孔に当接する部位に前記貫通孔に挿入される突起をそれぞれ形成し、
前記突起を前記貫通孔に挿入したことを特徴とするパイプ椅子。
【請求項4】
前記貫通孔に挿入された前記突起を前記貫通孔の反対側からネジ止めしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のパイプ椅子。
【請求項5】
脚パイプと前記脚パイプに溶接される座支持パイプとで構成される椅子フレーム本体と、前記座支持パイプの上に載置される座体と、を備えたパイプ椅子において、前記座体の前記脚パイプに近い部位に前記脚パイプを包囲する膨出部を形成し、前記膨出部に前記脚パイプを貫通させる貫通穴をそれぞれ形成し、
前記貫通穴に前記脚パイプを貫通させたことを特徴とするパイプ椅子。
【請求項6】
下部が水平方向に延びる立設パイプ2本と前記2本の立設パイプの下底部どうしを連結する下部連結パイプとから成る脚パイプと、前記2本の立設パイプの中間近傍にそれぞれ溶接される中部連結パイプと前記中部連結パイプを挟んで前方と後方でそれぞれ前記中部連結パイプに溶接される2本の半開パイプとから成る座支持パイプと、で構成される椅子フレーム本体と、
前記座支持パイプの上に載置される座体と、を備えたパイプ椅子において、
前記座体の前記立設パイプに近い部位に前記立設パイプを包囲する膨出部を形成し、前記膨出部に前記立設パイプを貫通させる立設パイプ貫通穴をそれぞれ形成し、
前記立設パイプ貫通穴に前記立設パイプを貫通させたことを特徴とするパイプ椅子。
【請求項7】
上部がくの字形をして立設し下部が水平方向に延びる立設パイプ2本と前記2本の立設パイプの下底部どうしを連結する下部連結パイプとから成る脚パイプと、
前記2本の立設パイプのくの字の屈曲部近傍どうしを連結する中部連結パイプと前記中部連結パイプを挟んで前方と後方でそれぞれ前記中部連結パイプに溶接される2本の半環状パイプとから成る座支持パイプと、で構成される椅子フレーム本体と、
前記座支持パイプの上に載置される座体と、を備えたパイプ椅子において、
前記座体の前記立設パイプに近い部位に前記立設パイプを包囲する膨出部を形成し、前記膨出部に前記立設パイプを貫通させる立設パイプ貫通穴をそれぞれ形成し、
前記立設パイプ貫通穴に前記立設パイプを貫通させたことを特徴とするパイプ椅子。
【請求項8】
前記半環状パイプの複数箇所に貫通孔を開け、
前記座体の前記半環状パイプの前記貫通孔に当接する部位に前記貫通孔に挿入される突起をそれぞれ形成し、
前記突起を前記貫通孔に挿入したことを特徴とする請求項7記載のパイプ椅子。
【請求項9】
前記座体の前記座支持パイプに当接する部位を前記座支持パイプを埋める高さの土手を形成し、前記土手間に前記座支持パイプを間挿したことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載のパイプ椅子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−100998(P2009−100998A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−276661(P2007−276661)
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【出願人】(000139780)株式会社イトーキ (833)
【Fターム(参考)】