パイプ構造体
【課題】簡易且つ安価に複数の金属製パイプを組み付けることができるパイプ構造体を提供する。
【解決手段】中空状の金属製パイプを複数組み付けて得られるパイプ構造体において、側面で開口した孔部1aを有した被組付側パイプ1と、断面が孔部1aと略同一形状とされて先端部が当該孔部1aに挿通可能とされた組付側パイプ2と、組付側パイプ2における先端部の側面に形成され、組付側パイプ2の基端側に向かって拡がる方向に折り曲げ形成された爪部3とを具備するとともに、組付側パイプ2の先端部を被組付側パイプ1の孔部1aに挿通させて組み付けることにより、当該組付側パイプ2の先端2a及び爪部3の先端3aが被組付側パイプ1の内周面に当接して成るものである。
【解決手段】中空状の金属製パイプを複数組み付けて得られるパイプ構造体において、側面で開口した孔部1aを有した被組付側パイプ1と、断面が孔部1aと略同一形状とされて先端部が当該孔部1aに挿通可能とされた組付側パイプ2と、組付側パイプ2における先端部の側面に形成され、組付側パイプ2の基端側に向かって拡がる方向に折り曲げ形成された爪部3とを具備するとともに、組付側パイプ2の先端部を被組付側パイプ1の孔部1aに挿通させて組み付けることにより、当該組付側パイプ2の先端2a及び爪部3の先端3aが被組付側パイプ1の内周面に当接して成るものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空状の金属製パイプを複数組み付けて得られる手摺りやフェンスなどのパイプ構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
中空状の金属製パイプを組み付けて、例えば手摺りやフェンス(パイプ構造体)を得ることは広く行われている。かかるパイプ構造体は、従来、複数の金属製パイプをボルトやリベット等の締結手段を用いたり或いは溶接等により接合されて組み付けられていた。例えば、手摺りを組み付けるには、ビームパイプ(手摺り部)を構成する金属製パイプの側面において、支柱を構成する複数の金属パイプをそれぞれ締結手段や溶接等により接合させる必要があった。尚、かかる先行技術は、文献公知発明に係るものでないため、記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来のパイプ構造体においては、複数のパイプを締結手段や溶接等により接合させていたので、以下の如き問題があった。
即ち、締結手段を用いて接合させるパイプ構造体にあっては、パイプの他に複数の締結手段が必要とされることから、部品点数が多くなり、設置場所までの運搬コストや組付け作業性が悪化してしまうという不具合がある。また、溶接にて接合させるパイプ構造体にあっては、作業に時間が掛かり作業場所も限定されてしまうとともに、接合部位をより滑らかに仕上げようとすると、熟練が必要とされるという不具合があった。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、簡易且つ安価に複数の金属製パイプを組み付けることができるパイプ構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、中空状の金属製パイプを複数組み付けて得られるパイプ構造体において、側面で開口した孔部を有した被組付側パイプと、断面が前記孔部と略同一形状とされて先端部が当該孔部に挿通可能とされた組付側パイプと、該組付側パイプにおける先端部の側面に形成され、当該組付側パイプの基端側に向かって拡がる方向に折り曲げ形成された爪部とを具備するとともに、前記組付側パイプの先端部を被組付側パイプの孔部に挿通させて組み付けることにより、当該組付側パイプの先端及び爪部の先端が前記被組付側パイプの内周面に当接して成ることを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のパイプ構造体において、前記組付側パイプの先端又は爪部の先端は、前記被組付側パイプの内周面に倣った形状とされて当接時に略合致することを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載のパイプ構造体において、前記爪部は、前記組付側パイプの先端部において略U字形状に切り込みを形成し、これを外側に向かって折り曲げ形成されて成ることを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のパイプ構造体において、前記切り込みは、レーザー光の照射により形成されることを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか1つに記載のパイプ構造体において、前記被組付側パイプにおける孔部の開口縁部であって、被組付側パイプの内周面に当接した前記爪部を臨ませた位置に取外用孔が形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、組付側パイプの先端部を被組付側パイプの孔部に挿通させて組み付けることにより、当該組付側パイプの先端及び爪部の先端が被組付側パイプの内周面に当接して成るので、簡易且つ安価に複数の金属製パイプを組み付けることができる。
【0011】
請求項2の発明によれば、組付側パイプの先端又は爪部の先端は、被組付側パイプの内周面に倣った形状とされて当接時に略合致するので、被組付側パイプに対する組付側パイプの組付けをより強固に且つ安定させて行わせることができる。
【0012】
請求項3の発明によれば、爪部は、組付側パイプの先端部において略U字形状に切り込みを形成し、これを外側に向かって折り曲げ形成されて成るので、簡易に爪部を形成することができる。
【0013】
請求項4の発明によれば、切り込みは、レーザー光の照射により形成されるので、簡易且つ精度よく爪部を形成することができる。
【0014】
請求項5の発明によれば、被組付側パイプにおける孔部の開口縁部であって、被組付側パイプの内周面に当接した爪部を臨ませた位置に取外用孔が形成されたので、当該取外用孔に棒状部材を挿通して爪部を内側に撓ませることにより、被組付側パイプから組付側パイプを容易に取り外すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係るパイプ構造体は、中空状の金属製パイプを複数組み付けて得られる手摺りから成り、図1に示すように、ビームパイプとなる被組付側パイプ1と、ビームパイプを支持する支柱となる組付側パイプ2とから主に構成されている。これら被組付側パイプ1及び組付側パイプ2は、中空状の金属製パイプ(例えばステンレス製パイプ等)から成るとともに、単一の被組付側パイプ1に対して複数の組付側パイプ2が組み付けられるよう構成されている。
【0016】
被組付側パイプ1は、図2に示すように、側面で開口した孔部1aを有した金属製パイプから成り、当該孔部1aは正面視で略円形とされている。また、この孔部1aは、被組付側パイプ1における組付側パイプ2が組み付けられるべき位置に複数形成されるとともに、当該組付側パイプ2の外径より僅かに大きな内径に設定され、当該組付側パイプ2の先端部(被組付側パイプ1に対して組み付けられる側)が挿通可能とされている。
【0017】
組付側パイプ2は、断面が被組付側パイプ1の孔部1aと略同一形状(本実施形態においては円形)とされて先端部が当該孔部1aに挿通可能とされたもので、図2、3に示すように、当該先端部には、その側面に形成された爪部3及び孔2bが形成されている。尚、かかる組付側パイプ2は、被組付側パイプ1の外径より小さな外径を有していれば足りる。
【0018】
爪部3は、組付側パイプ2における先端部の側面に形成され、当該組付側パイプ2の基端2c側に向かって拡がる方向に折り曲げ形成されたものである。また、本実施形態においては、組付側パイプ2の先端部の両側面において爪部3が相対するように一対形成されている。より具体的には、爪部3は、組付側パイプ2の先端部において略U字形状に切り込み(スリット)を形成し、これを外側に向かって折り曲げ形成されて成るものであり、例えば当該切り込みは、レーザー光の照射により形成されるべきものである。
【0019】
然るに、切り込みが形成されるべき位置に向かってレーザー光を照射しつつ略U字に移動させることにより、略U字の切片が形成されるので、これを外側に向かって折り曲げる(例えば、組付側パイプ2の肉厚程度外側に折り曲げるのが好ましい)ことにより爪部3が形成されるのである。また、略U字形の切片の根本側(組付側パイプの先端側)には、それぞれ孔2bが形成されており、この孔2bに棒状の工具を挿通して外側に荷重を掛けることにより、切片を外側に向かって折り曲げて爪部3を形成し得るようになっている。
【0020】
上述の如く、孔2bは、切片を外側に折り曲げて爪部3を形成させるのに用いられるとともに、切片の根本に形成されているため、当該根本を折り曲げする際に必要とされる荷重を低減させることができる。尚、孔2bを形成せず、切片を外側に折り曲げて爪部3を形成するようにしてもよい。また、孔2bの形状は、本実施形態の如く円形の開口に限らず、他の形状(例えば、折り曲げのための工具形状に合致させるのが好ましい)としてもよい。
【0021】
而して、組付側パイプ2の先端部を被組付側パイプ1の孔部1aに挿通させて組み付ける過程において、図5に示すように、爪部3が孔部1aの開口縁部に押されて内側に撓むとともに、当該組付側パイプ2の先端2a(突端)が被組付側パイプ1の内周面に当接した状態で爪部3がその弾力により再び外側に向かって折り曲がった状態とされ、当該被組付側パイプ1の内周面と当接するよう構成されている。
【0022】
即ち、組付側パイプ2の先端2a(突端)と爪部3の先端3aとの間の寸法tは、被組付側パイプ1の内径a(図4参照)と略等しく(厳密には寸法tが内径aより若干小さく)設定されており、組付側パイプ2の先端部を被組付側パイプ1の孔部1aに挿通させて組み付けた状態において、図6、7に示すように、当該組付側パイプ2の先端2a及び爪部3の先端3aが被組付側パイプ1の内周面に当接するよう構成されている。
【0023】
従って、組付側パイプ2の先端部を被組付側パイプ1の孔部1aに挿通させるだけで、当該組付側パイプ2の先端2a及び爪部3の先端3aが被組付側パイプ1の内周面に自然と当接し、これにより被組付側パイプ2に対して組付側パイプ1の抜け止めが図られつつ組付けが可能なようになっている。よって、被組付側パイプ1の孔部1aに順次組付側パイプ2を挿通させて組み付けることにより、手摺りが完成することとなる。
【0024】
また、本実施形態においては、組付側パイプ2の先端2a及び爪部3の先端3aは、被組付側パイプ1の内周面に倣った形状とされており、組付け後の内周面との当接時に、組付側パイプ2の先端2a及び爪部3の先端3aが被組付側パイプ1の内周面にそれぞれ略合致するようになっている。これにより、被組付側パイプ1に対する組付側パイプ2の組付けをより強固に且つ安定させて行わせることができる。
【0025】
尚、本実施形態においては、組付側パイプ2の先端2a及び爪部3の先端3aの両方が、被組付側パイプ1の内周面に倣った形状とされているが、組付け時の安定性を考慮しなければ、何れか一方のみ被組付側パイプ1の内周面に倣った形状としたもの、或いは何れも当該形状としないものであってもよい。
【0026】
上記実施形態によれば、組付側パイプ2の先端部を被組付側パイプ1の孔部1aに挿通させて組み付けることにより、当該組付側パイプ2の先端2a及び爪部3の先端3aが被組付側パイプ1の内周面に当接して成るので、簡易且つ安価に複数の金属製パイプを組み付け、手摺り(パイプ構造体)を得ることができる。また、爪部3は、組付側パイプ2の先端部において略U字形状に切り込みを形成し、これを外側に向かって折り曲げ形成されて成るので、簡易に爪部3を形成することができる。
【0027】
更に、切り込みは、レーザー光の照射により形成されるので、簡易且つ精度よく爪部3を形成することができる。また更に、レーザー光の照射により、被組付側パイプ1の孔部1a、組付側パイプ2の先端2a形状及び孔2bを形成するようにするのが好ましい。尚、レーザー光の照射に代えて、汎用的な切削具を用いて爪部3等を形成するようにしてもよい。
【0028】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。尚、上記実施形態と同様の機能を有するものについては同一の名称を付し、その詳細な説明を省略する。
例えば、図8〜図10に示すように、断面が矩形(方形)とされた被組付側パイプ1’に同様の形状の組付側パイプ2’を組み付けて上記手摺りの如きパイプ構造体を構成するものが挙げられる。本実施形態においては、孔部1’aの開口形状が、矩形(方形)とされて組付側パイプ2’の先端部を挿通可能とされており、一対の爪部3’も矩形(方形)とされてその先端3’aが被組付側パイプ1’の内周面(この場合、平坦な面である)に倣って当接可能とされている。
【0029】
而して、組付側パイプ2’の先端部を被組付側パイプ1’の孔部1’aに挿通させて組み付けることにより、図9に示すように、当該組付側パイプ2’の先端2’a及び爪部3’の先端3’aが被組付側パイプ1’の内周面に当接して成るので、被組付側パイプ1’に対する組付側パイプ2’の抜け止めを図ることができ、簡易且つ安価に複数の金属製パイプを組み付け、手摺り(パイプ構造体)を得ることができる。
【0030】
更に、爪部3’の先端3’aと同様、組付側パイプ2’の先端2’aは、図9、10に示すように、被組付側パイプ1’の内周面形状に倣って直線形状とされており、組付け時に当該先端2’aと爪部3’の先端3’aとが被組付側パイプ1’の内周面に合致するようになっている。これにより、被組付側パイプ1’に対する組付側パイプ2’の組付けをより強固に且つ安定させて行わせることができる。
【0031】
ここで、本実施形態においては、被組付側パイプ1’における孔部1’aの開口縁部であって、図10に示すように、被組付側パイプ1の内周面に当接した爪部3’を臨ませた位置に取外用孔4が形成されている。従って、この取外用孔4に棒状部材を挿通して爪部3’を内側に撓ませることにより、被組付側パイプ1’から組付側パイプ2’を容易に取り外すことができる。
【0032】
本実施形態においては、組付側パイプ2’における爪部3’より基端側(図中下方側)であって当該爪部3’を形成する切り込みと連通した位置に連通孔5が形成されている。かかる連通孔5は、既述した実施形態における孔2bと同様、棒状の工具を挿通して外側に荷重を掛けることにより切片を外側に向かって折り曲げ、爪部3’を形成するためのものである。
【0033】
尚、本実施形態における連通孔5は、図10で示すように、被組付側パイプ1’に組付側パイプ2’が組み付けられた状態で、外側に開口する位置に形成されている。従って、被組付側パイプ1’に組付側パイプ2’が組み付けられた状態で連通孔5を介して棒状の工具を挿通することができるので、その挿通した工具を外側に荷重を掛けて切片を外側に向けて折り曲げることにより爪部3’を形成させることができる。
【0034】
更に他の実施形態として、図11、12に示すように、ビームパイプとしての被組付側パイプ1”が水平面に対して所定角度傾斜した状態となるよう組付側パイプ2”が組み付けられる構成としてもよい。この場合であっても、上記実施形態と同様、組付側パイプ2”の先端部を被組付側パイプ1”の孔部1”aに挿通させて組み付けることにより、図12に示すように、当該組付側パイプ2”の先端2”a及び爪部3”の先端3”aが被組付側パイプ1”の内周面に当接して成るので、被組付側パイプ1”に対する組付側パイプ2”の抜け止めを図ることができ、簡易且つ安価に複数の金属製パイプを組み付け、手摺り(パイプ構造体)を得ることができる。
【0035】
また、爪部3”の先端3”a及び組付側パイプ2”の先端2”aは、図13に示すように、被組付側パイプ1”の内周面形状に倣って所定角度傾斜した直線形状とされており、組付け時に当該先端2”aと爪部3”の先端3”aとが被組付側パイプ1”の内周面に合致するようになっている。これにより、本実施形態においても上記実施形態と同様、被組付側パイプ1”に対する組付側パイプ2”の組付けをより強固に且つ安定させて行わせることができる。
【0036】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、例えば爪部を1つ形成したもの、或いは組付側パイプの先端側に3つ以上形成したものであってもよい。また、被組付側パイプ及び組付側パイプは、そのの断面形状が円形や矩形(方形)に限らず、他の形状であってもよく、更にはC型のように一側面が開口したもの(これを便宜上「C型パイプ」と呼ぶ)であってもよい。パイプ構造体は、手摺りに限らず、被組付側パイプと組付側パイプとを組み付けて得られる他のもの(フェンス、或いは船舶や航空機等の荷物等を載置して固定させるパイプ構造体等)としてもよい。
【0037】
例えば、一側面が開口したC型パイプを用いて荷物等を載置して固定させるパイプ構造体が形成されたものとして、図14〜16で示すようなものが挙げられる。かかるパイプ構造体は、柱となる被組付側パイプ6と、桁となる被組付側パイプ7と、梁となる組付側パイプ8とを組み付けて構成されるもので、被組付側パイプ6、7における両端部の底面には、組付側パイプ8の断面形状(本実施形態においては矩形状)と略等しい開口の孔部6a、7aがそれぞれ形成されている。尚、被組付側パイプ6においては、その底面側まで組付側パイプ8を挿通させるための切欠き形状6bが形成されている。
【0038】
また、組付側パイプ8の先端部(本実施形態においては両端部)には、組付側パイプ8の基端側(本実施形態においては他端側)に向かって拡がる方向に折り曲げ形成された爪部9が形成されている。而して、被組付側パイプ7、6を略直交させつつ孔部6a、7aを合致させて連通した状態とし、これら孔部6a、7aを介して組付側パイプ8の先端部を挿通すれば、図16に示すように、爪部9の先端9aが被組付側パイプ7の内周面(底面)と当接するよう構成されている。かかる挿通状態においては、組付側パイプ8の先端8aが、被組付側パイプ7の内周面と当接するよう設定されている。
【0039】
更に、組付側パイプ8の先端部(本実施形態においては両端部)には、組付側パイプ8の先端側に向かって拡がる方向に折り曲げ形成された第2爪部10が形成されている。而して、被組付側パイプ7、6の孔部6a、7aを介して組付側パイプ8の先端部を挿通すれば、爪部9の先端9a及び組付側パイプ8の先端8aが被組付側パイプ7の内周面と当接するとともに、図17に示すように、第2爪部10の先端10aが被組付側パイプ6の内周面(底面)と当接し得るよう設定されている。
【0040】
上記の如く被組付側パイプ6、7に組付側パイプ8を順次組み付ければ、一側面が開口したC型パイプを用いて荷物等を載置して固定させるパイプ構造体を得ることができる。勿論、当該C型パイプを組み付けて、他のパイプ構造体(手摺りやフェンス等)を得るようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
組付側パイプの先端部を被組付側パイプの孔部に挿通させて組み付けることにより、当該組付側パイプの先端及び爪部の先端が被組付側パイプの内周面に当接して成るパイプ構造体であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施形態に係るパイプ構造体(手摺り)を示す全体模式図
【図2】同パイプ構造体における被組付側パイプに組付側パイプを組み付ける前の状態を示す拡大斜視図
【図3】同パイプ構造体における組付側パイプの先端部を示す拡大斜視図
【図4】同パイプ構造体における被組付側パイプに組付側パイプを組み付ける過程(組付け前)を説明するための模式図
【図5】同パイプ構造体における被組付側パイプに組付側パイプを組み付ける過程(組付け途中)を説明するための模式図
【図6】同パイプ構造体における被組付側パイプに組付側パイプを組み付ける過程(組付け後)を説明するための模式図
【図7】同パイプ構造体における被組付側パイプに組付側パイプが組み付けられた状態を示す一部破断図
【図8】本発明の他の実施形態に係るパイプ構造体における被組付側パイプに組付側パイプを組み付ける前の状態を示す拡大斜視図
【図9】同パイプ構造体における被組付側パイプに組付側パイプが組み付けられた状態を示す断面図
【図10】同パイプ構造体における被組付側パイプに組付側パイプが組み付けられた状態を示す一部破断図
【図11】本発明の更に他の実施形態に係るパイプ構造体を示す全体図
【図12】同パイプ構造体における被組付側パイプに組付側パイプが組み付けられた状態を示す一部破断図
【図13】同パイプ構造体における組付側パイプの先端部を示す拡大側面図
【図14】本発明を他の形態のパイプ構造体に適用した場合を示す全体図
【図15】同パイプ構造体における被組付側パイプに組付側パイプを組み付ける前の状態を示す拡大斜視図
【図16】同パイプ構造体における被組付側パイプに組付側パイプを組み付けた状態を示す拡大斜視図
【図17】同パイプ構造体における被組付側パイプに組付側パイプを組み付けた状態を示す拡大斜視図
【符号の説明】
【0043】
1 被組付側パイプ
1a 孔部
2 組付側パイプ
2a 先端
3 爪部
3a 先端
4 取外用孔
5 連通孔
6 被組付側パイプ
7 被組付側パイプ
8 組付側パイプ
9 爪部
10 第2爪部
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空状の金属製パイプを複数組み付けて得られる手摺りやフェンスなどのパイプ構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
中空状の金属製パイプを組み付けて、例えば手摺りやフェンス(パイプ構造体)を得ることは広く行われている。かかるパイプ構造体は、従来、複数の金属製パイプをボルトやリベット等の締結手段を用いたり或いは溶接等により接合されて組み付けられていた。例えば、手摺りを組み付けるには、ビームパイプ(手摺り部)を構成する金属製パイプの側面において、支柱を構成する複数の金属パイプをそれぞれ締結手段や溶接等により接合させる必要があった。尚、かかる先行技術は、文献公知発明に係るものでないため、記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来のパイプ構造体においては、複数のパイプを締結手段や溶接等により接合させていたので、以下の如き問題があった。
即ち、締結手段を用いて接合させるパイプ構造体にあっては、パイプの他に複数の締結手段が必要とされることから、部品点数が多くなり、設置場所までの運搬コストや組付け作業性が悪化してしまうという不具合がある。また、溶接にて接合させるパイプ構造体にあっては、作業に時間が掛かり作業場所も限定されてしまうとともに、接合部位をより滑らかに仕上げようとすると、熟練が必要とされるという不具合があった。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、簡易且つ安価に複数の金属製パイプを組み付けることができるパイプ構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、中空状の金属製パイプを複数組み付けて得られるパイプ構造体において、側面で開口した孔部を有した被組付側パイプと、断面が前記孔部と略同一形状とされて先端部が当該孔部に挿通可能とされた組付側パイプと、該組付側パイプにおける先端部の側面に形成され、当該組付側パイプの基端側に向かって拡がる方向に折り曲げ形成された爪部とを具備するとともに、前記組付側パイプの先端部を被組付側パイプの孔部に挿通させて組み付けることにより、当該組付側パイプの先端及び爪部の先端が前記被組付側パイプの内周面に当接して成ることを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のパイプ構造体において、前記組付側パイプの先端又は爪部の先端は、前記被組付側パイプの内周面に倣った形状とされて当接時に略合致することを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載のパイプ構造体において、前記爪部は、前記組付側パイプの先端部において略U字形状に切り込みを形成し、これを外側に向かって折り曲げ形成されて成ることを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のパイプ構造体において、前記切り込みは、レーザー光の照射により形成されることを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか1つに記載のパイプ構造体において、前記被組付側パイプにおける孔部の開口縁部であって、被組付側パイプの内周面に当接した前記爪部を臨ませた位置に取外用孔が形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、組付側パイプの先端部を被組付側パイプの孔部に挿通させて組み付けることにより、当該組付側パイプの先端及び爪部の先端が被組付側パイプの内周面に当接して成るので、簡易且つ安価に複数の金属製パイプを組み付けることができる。
【0011】
請求項2の発明によれば、組付側パイプの先端又は爪部の先端は、被組付側パイプの内周面に倣った形状とされて当接時に略合致するので、被組付側パイプに対する組付側パイプの組付けをより強固に且つ安定させて行わせることができる。
【0012】
請求項3の発明によれば、爪部は、組付側パイプの先端部において略U字形状に切り込みを形成し、これを外側に向かって折り曲げ形成されて成るので、簡易に爪部を形成することができる。
【0013】
請求項4の発明によれば、切り込みは、レーザー光の照射により形成されるので、簡易且つ精度よく爪部を形成することができる。
【0014】
請求項5の発明によれば、被組付側パイプにおける孔部の開口縁部であって、被組付側パイプの内周面に当接した爪部を臨ませた位置に取外用孔が形成されたので、当該取外用孔に棒状部材を挿通して爪部を内側に撓ませることにより、被組付側パイプから組付側パイプを容易に取り外すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係るパイプ構造体は、中空状の金属製パイプを複数組み付けて得られる手摺りから成り、図1に示すように、ビームパイプとなる被組付側パイプ1と、ビームパイプを支持する支柱となる組付側パイプ2とから主に構成されている。これら被組付側パイプ1及び組付側パイプ2は、中空状の金属製パイプ(例えばステンレス製パイプ等)から成るとともに、単一の被組付側パイプ1に対して複数の組付側パイプ2が組み付けられるよう構成されている。
【0016】
被組付側パイプ1は、図2に示すように、側面で開口した孔部1aを有した金属製パイプから成り、当該孔部1aは正面視で略円形とされている。また、この孔部1aは、被組付側パイプ1における組付側パイプ2が組み付けられるべき位置に複数形成されるとともに、当該組付側パイプ2の外径より僅かに大きな内径に設定され、当該組付側パイプ2の先端部(被組付側パイプ1に対して組み付けられる側)が挿通可能とされている。
【0017】
組付側パイプ2は、断面が被組付側パイプ1の孔部1aと略同一形状(本実施形態においては円形)とされて先端部が当該孔部1aに挿通可能とされたもので、図2、3に示すように、当該先端部には、その側面に形成された爪部3及び孔2bが形成されている。尚、かかる組付側パイプ2は、被組付側パイプ1の外径より小さな外径を有していれば足りる。
【0018】
爪部3は、組付側パイプ2における先端部の側面に形成され、当該組付側パイプ2の基端2c側に向かって拡がる方向に折り曲げ形成されたものである。また、本実施形態においては、組付側パイプ2の先端部の両側面において爪部3が相対するように一対形成されている。より具体的には、爪部3は、組付側パイプ2の先端部において略U字形状に切り込み(スリット)を形成し、これを外側に向かって折り曲げ形成されて成るものであり、例えば当該切り込みは、レーザー光の照射により形成されるべきものである。
【0019】
然るに、切り込みが形成されるべき位置に向かってレーザー光を照射しつつ略U字に移動させることにより、略U字の切片が形成されるので、これを外側に向かって折り曲げる(例えば、組付側パイプ2の肉厚程度外側に折り曲げるのが好ましい)ことにより爪部3が形成されるのである。また、略U字形の切片の根本側(組付側パイプの先端側)には、それぞれ孔2bが形成されており、この孔2bに棒状の工具を挿通して外側に荷重を掛けることにより、切片を外側に向かって折り曲げて爪部3を形成し得るようになっている。
【0020】
上述の如く、孔2bは、切片を外側に折り曲げて爪部3を形成させるのに用いられるとともに、切片の根本に形成されているため、当該根本を折り曲げする際に必要とされる荷重を低減させることができる。尚、孔2bを形成せず、切片を外側に折り曲げて爪部3を形成するようにしてもよい。また、孔2bの形状は、本実施形態の如く円形の開口に限らず、他の形状(例えば、折り曲げのための工具形状に合致させるのが好ましい)としてもよい。
【0021】
而して、組付側パイプ2の先端部を被組付側パイプ1の孔部1aに挿通させて組み付ける過程において、図5に示すように、爪部3が孔部1aの開口縁部に押されて内側に撓むとともに、当該組付側パイプ2の先端2a(突端)が被組付側パイプ1の内周面に当接した状態で爪部3がその弾力により再び外側に向かって折り曲がった状態とされ、当該被組付側パイプ1の内周面と当接するよう構成されている。
【0022】
即ち、組付側パイプ2の先端2a(突端)と爪部3の先端3aとの間の寸法tは、被組付側パイプ1の内径a(図4参照)と略等しく(厳密には寸法tが内径aより若干小さく)設定されており、組付側パイプ2の先端部を被組付側パイプ1の孔部1aに挿通させて組み付けた状態において、図6、7に示すように、当該組付側パイプ2の先端2a及び爪部3の先端3aが被組付側パイプ1の内周面に当接するよう構成されている。
【0023】
従って、組付側パイプ2の先端部を被組付側パイプ1の孔部1aに挿通させるだけで、当該組付側パイプ2の先端2a及び爪部3の先端3aが被組付側パイプ1の内周面に自然と当接し、これにより被組付側パイプ2に対して組付側パイプ1の抜け止めが図られつつ組付けが可能なようになっている。よって、被組付側パイプ1の孔部1aに順次組付側パイプ2を挿通させて組み付けることにより、手摺りが完成することとなる。
【0024】
また、本実施形態においては、組付側パイプ2の先端2a及び爪部3の先端3aは、被組付側パイプ1の内周面に倣った形状とされており、組付け後の内周面との当接時に、組付側パイプ2の先端2a及び爪部3の先端3aが被組付側パイプ1の内周面にそれぞれ略合致するようになっている。これにより、被組付側パイプ1に対する組付側パイプ2の組付けをより強固に且つ安定させて行わせることができる。
【0025】
尚、本実施形態においては、組付側パイプ2の先端2a及び爪部3の先端3aの両方が、被組付側パイプ1の内周面に倣った形状とされているが、組付け時の安定性を考慮しなければ、何れか一方のみ被組付側パイプ1の内周面に倣った形状としたもの、或いは何れも当該形状としないものであってもよい。
【0026】
上記実施形態によれば、組付側パイプ2の先端部を被組付側パイプ1の孔部1aに挿通させて組み付けることにより、当該組付側パイプ2の先端2a及び爪部3の先端3aが被組付側パイプ1の内周面に当接して成るので、簡易且つ安価に複数の金属製パイプを組み付け、手摺り(パイプ構造体)を得ることができる。また、爪部3は、組付側パイプ2の先端部において略U字形状に切り込みを形成し、これを外側に向かって折り曲げ形成されて成るので、簡易に爪部3を形成することができる。
【0027】
更に、切り込みは、レーザー光の照射により形成されるので、簡易且つ精度よく爪部3を形成することができる。また更に、レーザー光の照射により、被組付側パイプ1の孔部1a、組付側パイプ2の先端2a形状及び孔2bを形成するようにするのが好ましい。尚、レーザー光の照射に代えて、汎用的な切削具を用いて爪部3等を形成するようにしてもよい。
【0028】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。尚、上記実施形態と同様の機能を有するものについては同一の名称を付し、その詳細な説明を省略する。
例えば、図8〜図10に示すように、断面が矩形(方形)とされた被組付側パイプ1’に同様の形状の組付側パイプ2’を組み付けて上記手摺りの如きパイプ構造体を構成するものが挙げられる。本実施形態においては、孔部1’aの開口形状が、矩形(方形)とされて組付側パイプ2’の先端部を挿通可能とされており、一対の爪部3’も矩形(方形)とされてその先端3’aが被組付側パイプ1’の内周面(この場合、平坦な面である)に倣って当接可能とされている。
【0029】
而して、組付側パイプ2’の先端部を被組付側パイプ1’の孔部1’aに挿通させて組み付けることにより、図9に示すように、当該組付側パイプ2’の先端2’a及び爪部3’の先端3’aが被組付側パイプ1’の内周面に当接して成るので、被組付側パイプ1’に対する組付側パイプ2’の抜け止めを図ることができ、簡易且つ安価に複数の金属製パイプを組み付け、手摺り(パイプ構造体)を得ることができる。
【0030】
更に、爪部3’の先端3’aと同様、組付側パイプ2’の先端2’aは、図9、10に示すように、被組付側パイプ1’の内周面形状に倣って直線形状とされており、組付け時に当該先端2’aと爪部3’の先端3’aとが被組付側パイプ1’の内周面に合致するようになっている。これにより、被組付側パイプ1’に対する組付側パイプ2’の組付けをより強固に且つ安定させて行わせることができる。
【0031】
ここで、本実施形態においては、被組付側パイプ1’における孔部1’aの開口縁部であって、図10に示すように、被組付側パイプ1の内周面に当接した爪部3’を臨ませた位置に取外用孔4が形成されている。従って、この取外用孔4に棒状部材を挿通して爪部3’を内側に撓ませることにより、被組付側パイプ1’から組付側パイプ2’を容易に取り外すことができる。
【0032】
本実施形態においては、組付側パイプ2’における爪部3’より基端側(図中下方側)であって当該爪部3’を形成する切り込みと連通した位置に連通孔5が形成されている。かかる連通孔5は、既述した実施形態における孔2bと同様、棒状の工具を挿通して外側に荷重を掛けることにより切片を外側に向かって折り曲げ、爪部3’を形成するためのものである。
【0033】
尚、本実施形態における連通孔5は、図10で示すように、被組付側パイプ1’に組付側パイプ2’が組み付けられた状態で、外側に開口する位置に形成されている。従って、被組付側パイプ1’に組付側パイプ2’が組み付けられた状態で連通孔5を介して棒状の工具を挿通することができるので、その挿通した工具を外側に荷重を掛けて切片を外側に向けて折り曲げることにより爪部3’を形成させることができる。
【0034】
更に他の実施形態として、図11、12に示すように、ビームパイプとしての被組付側パイプ1”が水平面に対して所定角度傾斜した状態となるよう組付側パイプ2”が組み付けられる構成としてもよい。この場合であっても、上記実施形態と同様、組付側パイプ2”の先端部を被組付側パイプ1”の孔部1”aに挿通させて組み付けることにより、図12に示すように、当該組付側パイプ2”の先端2”a及び爪部3”の先端3”aが被組付側パイプ1”の内周面に当接して成るので、被組付側パイプ1”に対する組付側パイプ2”の抜け止めを図ることができ、簡易且つ安価に複数の金属製パイプを組み付け、手摺り(パイプ構造体)を得ることができる。
【0035】
また、爪部3”の先端3”a及び組付側パイプ2”の先端2”aは、図13に示すように、被組付側パイプ1”の内周面形状に倣って所定角度傾斜した直線形状とされており、組付け時に当該先端2”aと爪部3”の先端3”aとが被組付側パイプ1”の内周面に合致するようになっている。これにより、本実施形態においても上記実施形態と同様、被組付側パイプ1”に対する組付側パイプ2”の組付けをより強固に且つ安定させて行わせることができる。
【0036】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、例えば爪部を1つ形成したもの、或いは組付側パイプの先端側に3つ以上形成したものであってもよい。また、被組付側パイプ及び組付側パイプは、そのの断面形状が円形や矩形(方形)に限らず、他の形状であってもよく、更にはC型のように一側面が開口したもの(これを便宜上「C型パイプ」と呼ぶ)であってもよい。パイプ構造体は、手摺りに限らず、被組付側パイプと組付側パイプとを組み付けて得られる他のもの(フェンス、或いは船舶や航空機等の荷物等を載置して固定させるパイプ構造体等)としてもよい。
【0037】
例えば、一側面が開口したC型パイプを用いて荷物等を載置して固定させるパイプ構造体が形成されたものとして、図14〜16で示すようなものが挙げられる。かかるパイプ構造体は、柱となる被組付側パイプ6と、桁となる被組付側パイプ7と、梁となる組付側パイプ8とを組み付けて構成されるもので、被組付側パイプ6、7における両端部の底面には、組付側パイプ8の断面形状(本実施形態においては矩形状)と略等しい開口の孔部6a、7aがそれぞれ形成されている。尚、被組付側パイプ6においては、その底面側まで組付側パイプ8を挿通させるための切欠き形状6bが形成されている。
【0038】
また、組付側パイプ8の先端部(本実施形態においては両端部)には、組付側パイプ8の基端側(本実施形態においては他端側)に向かって拡がる方向に折り曲げ形成された爪部9が形成されている。而して、被組付側パイプ7、6を略直交させつつ孔部6a、7aを合致させて連通した状態とし、これら孔部6a、7aを介して組付側パイプ8の先端部を挿通すれば、図16に示すように、爪部9の先端9aが被組付側パイプ7の内周面(底面)と当接するよう構成されている。かかる挿通状態においては、組付側パイプ8の先端8aが、被組付側パイプ7の内周面と当接するよう設定されている。
【0039】
更に、組付側パイプ8の先端部(本実施形態においては両端部)には、組付側パイプ8の先端側に向かって拡がる方向に折り曲げ形成された第2爪部10が形成されている。而して、被組付側パイプ7、6の孔部6a、7aを介して組付側パイプ8の先端部を挿通すれば、爪部9の先端9a及び組付側パイプ8の先端8aが被組付側パイプ7の内周面と当接するとともに、図17に示すように、第2爪部10の先端10aが被組付側パイプ6の内周面(底面)と当接し得るよう設定されている。
【0040】
上記の如く被組付側パイプ6、7に組付側パイプ8を順次組み付ければ、一側面が開口したC型パイプを用いて荷物等を載置して固定させるパイプ構造体を得ることができる。勿論、当該C型パイプを組み付けて、他のパイプ構造体(手摺りやフェンス等)を得るようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
組付側パイプの先端部を被組付側パイプの孔部に挿通させて組み付けることにより、当該組付側パイプの先端及び爪部の先端が被組付側パイプの内周面に当接して成るパイプ構造体であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施形態に係るパイプ構造体(手摺り)を示す全体模式図
【図2】同パイプ構造体における被組付側パイプに組付側パイプを組み付ける前の状態を示す拡大斜視図
【図3】同パイプ構造体における組付側パイプの先端部を示す拡大斜視図
【図4】同パイプ構造体における被組付側パイプに組付側パイプを組み付ける過程(組付け前)を説明するための模式図
【図5】同パイプ構造体における被組付側パイプに組付側パイプを組み付ける過程(組付け途中)を説明するための模式図
【図6】同パイプ構造体における被組付側パイプに組付側パイプを組み付ける過程(組付け後)を説明するための模式図
【図7】同パイプ構造体における被組付側パイプに組付側パイプが組み付けられた状態を示す一部破断図
【図8】本発明の他の実施形態に係るパイプ構造体における被組付側パイプに組付側パイプを組み付ける前の状態を示す拡大斜視図
【図9】同パイプ構造体における被組付側パイプに組付側パイプが組み付けられた状態を示す断面図
【図10】同パイプ構造体における被組付側パイプに組付側パイプが組み付けられた状態を示す一部破断図
【図11】本発明の更に他の実施形態に係るパイプ構造体を示す全体図
【図12】同パイプ構造体における被組付側パイプに組付側パイプが組み付けられた状態を示す一部破断図
【図13】同パイプ構造体における組付側パイプの先端部を示す拡大側面図
【図14】本発明を他の形態のパイプ構造体に適用した場合を示す全体図
【図15】同パイプ構造体における被組付側パイプに組付側パイプを組み付ける前の状態を示す拡大斜視図
【図16】同パイプ構造体における被組付側パイプに組付側パイプを組み付けた状態を示す拡大斜視図
【図17】同パイプ構造体における被組付側パイプに組付側パイプを組み付けた状態を示す拡大斜視図
【符号の説明】
【0043】
1 被組付側パイプ
1a 孔部
2 組付側パイプ
2a 先端
3 爪部
3a 先端
4 取外用孔
5 連通孔
6 被組付側パイプ
7 被組付側パイプ
8 組付側パイプ
9 爪部
10 第2爪部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空状の金属製パイプを複数組み付けて得られるパイプ構造体において、
側面で開口した孔部を有した被組付側パイプと、
断面が前記孔部と略同一形状とされて先端部が当該孔部に挿通可能とされた組付側パイプと、
該組付側パイプにおける先端部の側面に形成され、当該組付側パイプの基端側に向かって拡がる方向に折り曲げ形成された爪部と、
を具備するとともに、前記組付側パイプの先端部を被組付側パイプの孔部に挿通させて組み付けることにより、当該組付側パイプの先端及び爪部の先端が前記被組付側パイプの内周面に当接して成ることを特徴とするパイプ構造体。
【請求項2】
前記組付側パイプの先端又は爪部の先端は、前記被組付側パイプの内周面に倣った形状とされて当接時に略合致することを特徴とする請求項1記載のパイプ構造体。
【請求項3】
前記爪部は、前記組付側パイプの先端部において略U字形状に切り込みを形成し、これを外側に向かって折り曲げ形成されて成ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のパイプ構造体。
【請求項4】
前記切り込みは、レーザー光の照射により形成されることを特徴とする請求項3記載のパイプ構造体。
【請求項5】
前記被組付側パイプにおける孔部の開口縁部であって、被組付側パイプの内周面に当接した前記爪部を臨ませた位置に取外用孔が形成されたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載のパイプ構造体。
【請求項1】
中空状の金属製パイプを複数組み付けて得られるパイプ構造体において、
側面で開口した孔部を有した被組付側パイプと、
断面が前記孔部と略同一形状とされて先端部が当該孔部に挿通可能とされた組付側パイプと、
該組付側パイプにおける先端部の側面に形成され、当該組付側パイプの基端側に向かって拡がる方向に折り曲げ形成された爪部と、
を具備するとともに、前記組付側パイプの先端部を被組付側パイプの孔部に挿通させて組み付けることにより、当該組付側パイプの先端及び爪部の先端が前記被組付側パイプの内周面に当接して成ることを特徴とするパイプ構造体。
【請求項2】
前記組付側パイプの先端又は爪部の先端は、前記被組付側パイプの内周面に倣った形状とされて当接時に略合致することを特徴とする請求項1記載のパイプ構造体。
【請求項3】
前記爪部は、前記組付側パイプの先端部において略U字形状に切り込みを形成し、これを外側に向かって折り曲げ形成されて成ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のパイプ構造体。
【請求項4】
前記切り込みは、レーザー光の照射により形成されることを特徴とする請求項3記載のパイプ構造体。
【請求項5】
前記被組付側パイプにおける孔部の開口縁部であって、被組付側パイプの内周面に当接した前記爪部を臨ませた位置に取外用孔が形成されたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載のパイプ構造体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2009−209988(P2009−209988A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−52125(P2008−52125)
【出願日】平成20年3月3日(2008.3.3)
【出願人】(302070235)株式会社オノックスエムティーティー (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月3日(2008.3.3)
【出願人】(302070235)株式会社オノックスエムティーティー (4)
【Fターム(参考)】
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