説明

パイル糸用糸条の選択送り出し方法及び装置

【課題】多色のパイル柄を形成するためのパイル糸用糸条、特には任意の色を作り出すことが可能なパイル糸用糸条の選択送り出し方法と装置を提供する・
【解決手段】所定の色種の複数本のパイル糸用糸条Yを、それぞれ糸条供給部から引き出し、それぞれの供給経路の末端部分を集合配置してなる集合待機部5に各糸条先端部y1を位置させて送出可能に保持しておき、送出しようとするパイル糸の色彩に応じて組み合わされる所定の色種及び本数の糸条Yを選択して、選択した各糸条Yを前記集合待機部5から糸条送出口6を通して集束状態にして送出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主としてカーペット、各種マット類、壁面材や天井材等の各種内装材、壁掛け等の装飾材その他の各種のパイル構造材の製造に使用できるパイル糸用糸条の選択送り出し方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、表面がパイルよりなるカーペットにおいて、従来のウィルトンカーペットやアキスミンスターカーペットに代えて、例えば、縦横が数10cmの方形をなす所謂タイル型カーペット等において、特許文献1に例示するように、編織布や不織布、ゴム材や合成樹脂材等により形成された板状や厚みのあるシート状の基材の表面に、パイル長に応じて一定長さに切断した多数本のパイル糸を、中央部で折曲して該折曲部を接着して植設することが提案されている。
【0003】
特許文献1の場合は、縦横1方向のパイル列を2列一組として、各列毎のパイル糸をパイル柄に応じた色種の糸を選択して所定の糸保持部材により横一列に引き揃えた状態で保持しておき、これを並列状態のまま引き出して、一定長さに切断し、切断した各パイル糸をその中央部で折曲するとともに、該折曲部を基材の表面に接着することによりパイル糸を植設するものである。
【0004】
この場合、パイル柄に応じた色数のパイル糸を選択して糸保持部材に整列した状態で保持させておくための準備工程が必要であり、ジャカード装置等を使用するにしても、その準備作業に多大な労力を必要とする。しかも使用できる色数にも制限がある。
【0005】
また、ウィルトンカーペットやアキスミンスターカーペットの場合も、基布に植設するための各パイル糸を、パイル柄に応じた色種の糸を選択して所定位置に供給して植設するものである。この場合も、所望の色種のパイル糸を選択するために、ジャカード装置を使用するなど、大掛かりな装置を使用する必要がある上、色数が多くなればなるほど、装置が大掛かりになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−189845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなしたものであり、カーペットやマットその他の内装材や装飾材等に使用するパイル構造材の製造において、多色のパイル柄を形成するためのパイル糸用糸条、特には任意の色を作り出すことが可能なパイル糸用糸条の選択送り出し方法と装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のパイル糸用糸条の選択送り出し方法は、所定の色種の複数本のパイル糸用糸条を、それぞれ糸条供給部から所定の供給経路を経て引き出し、それぞれの供給経路の末端部分を集合配置してなる集合待機部に各糸条先端部を位置させて送出可能に保持しておき、所定の色種及び本数の糸条を選択して、前記集合待機部から送出口を通して送出することを特徴とする。これにより、任意の色のパイル糸を繰り返し送出し供給することができる。
【0009】
前記のパイル糸用糸条の選択送り出し方法において、複数の色種のパイル糸用糸条について、それぞれ複数本の糸条を糸条供給部から引き出して各糸条先端部を集合待機部に保持しておき、送出しようとするパイル糸の色彩に応じて組み合わされる所定の色種及び本数の糸条を選択して、選択した各糸条を前記集合待機部から糸条送出口を通して集束状態にして送出することを特徴とする。この場合、パイル糸用糸条の色種及び本数の組み合わせによって、様々な所望の色のパイル糸を繰り返し作成しながら送出し供給することができる。
【0010】
また、本発明のパイル糸用糸条の選択送り出し装置は、糸条供給部から個々に引き出されて各々の供給経路を経て供給される多数本のパイル糸用糸条を、それぞれ1回の送出長さ分を測長して送出可能に保持する測長手段、及び測長した糸条を送出させる糸条送出手段、並びに1回の糸条送出毎に該糸条の余剰長さ分を引き戻すための戻し手段を有する各糸条毎の測長送出部と、前記各測長送出部を通過した各糸条の先端部を集合状態に保持して個々に選択的に前方に向かって送出可能に保持し待機させておくための集合待機部と、前記集合待機部の前方において集合待機部から選択的に送出される所要本数の糸条を受け入れて前方に向かって送出するための糸条送出口と、前記糸条送出口の前方において送出された糸条を切断する切断手段とを備えてなり、前記各測長送出部における糸条送出手段を選択的に送出作動させるように制御することにより、所定の色種及び本数の糸条を選択して送出できるようにしたことを特徴とする。この装置により、様々な色のパイル糸を作り出しながら送出でき、本発明の方法を良好に実施できる。
【0011】
前記のパイル糸用糸条の選択送り出し装置において、前記各測長送出部と前記集合待機部の各糸条の保持部との間に、それぞれ各糸条を個々に案内するガイド通路が介設され、該ガイド通路の入り口側に前記糸条送出手段が設けられ、各糸条送出手段が個々に作動制御可能に設けられてなるものとすることができる。これにより、各糸条を個々にガイド通路を通じて相互に接触させずに集合待機部に引き出し待機させておくことができ、かつ選択した糸条を確実に送出できる。
【0012】
前記のパイル糸用糸条の選択送り出し装置において、前記ガイド通路がチューブ状をなし、該ガイド通路の入り口側に連接された糸条送出手段にはガイド通路に連なる通路部に送り用エアーを導入するためのエアー導入部を有し、該通路部に導入したエアーをガイド通路を通して集合待機部側に流送させることによりガイド通路に通した糸条を送出するように設けられてなるものとすることができる。これにより、ガイド通路に通した糸条をエアーの流通を利用して確実に送出できる。
【0013】
前記のパイル糸用糸条の選択送り出し装置において、前記各糸条の測長送出部が、集合待機部の送入側後方において該集合待機部の軸心を中心とする円上に放射状に並列して配置され、各測長送出部の糸条送出手段が糸条を案内するガイド通路を介して集合待機部に連結されてなるものとすることができる。この場合、比較的狭いスペース内に多数本の糸条の測長送出部を設定でき、しかも各糸条の測長送出部から集合待機部までの距離が殆ど同じになることで、糸条の送出状態が安定化する。
【0014】
前記のパイル糸用糸条の選択送り出し装置において、前記各糸条の測長送出部が、集合待機部の送入側後方において横列状に並列して配置され、各測長送出部の糸条送出手段が糸条を案内するガイド通路を介して集合待機部に連結されてなるものとすることができる。
【0015】
前記のパイル糸用糸条の選択送り出し装置において、各糸条の測長送出部は、糸条の1回の送出長さ分を直線状走行部から側方へ引き出し保留するための引き出しローラを含む測長手段と、前記測長手段と前記糸条送出部手段との間において、1回の糸条送出毎に該糸条の余剰長さ分を引き戻すように該糸条を直線状走行部から側方へ引き出し保留するための戻しローラを含む戻し手段と、該戻し手段と前記測長手段との間で、糸条送出時以外に糸条の送出を規制するように押さえる糸条押さえ手段とを備えてなるものとすることができる。これにより1回のパイル糸用糸条の送出毎に、該糸条の余剰分を引き戻しながら、該糸条の選択、送出を繰り返すことができる。
【0016】
前記のパイル糸用糸条の選択送り出し装置において、前記各糸条毎の測長送出部における糸条送出手段が複数同時に送出作動するように制御され、集合待機部から送出される複数本の糸条を集束状態で前記糸条送出口を通して1本のパイル糸として送出できるように形成されてなるものとすることができる。
【0017】
前記のパイル糸用糸条の選択送り出し装置において、前記糸条送出口には、その後部側に前記集合待機部に向かって拡径して集合待機部から送出される糸条を受け入れて送出口部材に誘導するガイド部材が設けられてなるものとすることができる。これにより、前記集合待機部の保持部から選択されて送出される複数本の糸条を集束状態にして送出することができる。
【発明の効果】
【0018】
上記した本発明のパイ糸用糸条の選択送り出し方法によれば、使用する所定の色種の複数本のパイル糸用糸条の先端部を集合待機部まで引き出して待機させておいて、選択した糸条のみを前記集合待機部から送出して糸条送出口から所定長さを送出することにより、該糸条の色種の組み合わせにより所望の色彩のパイル糸を供給できることになる。
【0019】
また、本発明の選択送り出し装置によれば、各パイル糸用糸条毎の測長送出部の糸条送出手段を適宜制御し、必要な色種及び本数の糸条の糸条送出手段を選択して作動させることにより、選択した糸条のみを前記集合待機部から送出して糸条送出口から所定長さを送出することができ、該糸条の色種の組み合わせにより所望の色彩のパイル糸を供給できることになる。特に、複数の色種及び本数の糸条を同時に選択して送出し集束した状態で送出するようにした場合、選択する糸条の色と本数の組合せにより、多種多様な色彩のパイル糸を作り出すことができ、ひいては従来に例を見ない多色の美麗な柄を表現したパイルカーペットその他のパイル構造材を製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施例の一つの糸条の測長送出部を断面した略示側面図である。
【図2】同上の略示正面図である。
【図3】同上の測長送出部の略示拡大側面図である。
【図4】同上の糸条送出口部分の略示拡大側面図である。
【図5】同上の集合待機部の拡大正面図である。
【図6】測長送出部の配置形態の他の例を示す略示正面図である。
【図7】測長送出部と集合待機部の配置関係の他の例を示す略示側面図である。
【図8】本発明の第2の実施例の略示側面図である。
【図9】同上の略示平面図である。
【図10】同上の集合待機部の拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【0022】
図1〜図5は、所定の色種の複数本のパイル糸用糸条を、それぞれ糸条供給部から所定の供給経路を経て引き出し、それぞれの供給経路の末端部分を集合配置してなる集合待機部に、各糸条先端部を位置させて送出可能に保持しておき、所定の色種の1本又は複数本の糸条を選択して、前記集合待機部から糸条送出口を通して送出する方法を実施するための第1の実施例の装置概略を示している。
【0023】
この第1の実施例において、クリールスタンド等の糸条供給部(図示せず)から、製造するカーペット等のパイル構造材(図示せず)のパイル柄に使用するパイル糸に応じて、該パイル糸の構成に使用される複数(通常4〜12色)の色種の各複数本(例えば色種毎に10本)の多数本のパイル糸用糸条Yを、各々所定の供給経路を経て引き出して所定の選択送り出し装置に供給するように構成される。
【0024】
第1の実施例のパイル糸用糸条Yの選択送り出し装置は、基本的な構成として、前記糸条供給部から個々に引き出されて各々の供給経路を経て供給される多数本のパイル糸用糸条Yを、それぞれ1回の送出長さ分を測長して送出可能に保持する測長手段2、及び測長した糸条を送出させる糸条送出手段3、並びに1回の糸条送出毎に該糸条の余剰長さ分を引き戻すための戻し手段4を有する各糸条毎の測長送出部1と、供給経路の末端部分を集合配置させて、前記各測長送出部1を通過した各糸条Yの先端部y1を集合状態に保持して個々に選択的に前方に向かって送出可能に保持し待機させておくための集合待機部5と、前記集合待機部5の前方において集合待機部5から送出される1本もしくは複数本(通常は複数本)の糸条Yを受け入れて前方に向かって送出するための糸条送出口6と、前記糸条送出口6の前方において送出された糸条Yを所定長に切断する切断手段7とを備えており、前記各測長送出部1における糸条送出手段3を選択的に送出作動させるように制御することにより、所望の色及び本数の糸条を選択して送出できるように構成されている。通常、前記測長送出部1には、前記パイル糸用糸条Yの測長、選択的な送出を具合よく行えるように、糸条送出時以外の糸条送出を規制する押さえ手段8も併せて設けられる。
【0025】
前記各糸条毎の測長送出部1において、前記測長手段2は、それぞれ個別にパイル糸用糸条Yの送出長さ分を直線状走行部10aから側方へ引き出して保留しておくための引き出しローラ11を備える測長保留部12が設けられている。前記引き出しローラ11は、1方向に押圧付勢する押しバネ等のバネ手段13を備えるエアーシリンダー14に連接されて進退自在に支持されており、パイル糸用糸条Yを送出しない通常時(非送出時)には、エアーシリンダー14の作動により前記バネ手段13に抗した引張作用でパイル糸用糸条Yを直線状走行部10aから側方の保留用走行部10bに引き出した状態に保持し、また糸条Yの送出の際には、前記エアーシリンダー14の作動を解除して前記バネ手段13の付勢力によって糸条Yに作用しない位置になるように設けられている。これにより前記糸条Yが直線条走行部10aの位置まで戻り、前記保留用走行部10bの引き出し分の長さのパイル糸用糸条Yを送出できるようになっている。
【0026】
したがって、前記引き出しローラ11によるパイル糸用糸条Yの引き出しによる保留長さを適宜調整することにより、前記戻し手段4による戻し量との関係で、糸条Yの送出長さを調整し設定できることになる。
【0027】
前記測長送出部1における前記糸条送出手段3は、該測長送出部1の送出側の端部において、内部にパイル糸用糸条Yの通路部16を有する口部材17を備え、該口部材17に送り用エアーを導入するためのエアー導入部18を有しており、前記通路部16に糸条Yを挿通した状態でエアーを導入し送出方向、すなわち集合待機部5の方向に流送することにより、該糸条Yを送出できるように設けられている。
【0028】
また、前記戻し手段4は、前記測長手段2から前記糸条送出手段3に到るまでの間に設けられている。この戻し手段4は、それぞれパイル糸用糸条Yの所定の長さ分を直線状走行部10aから側方へ引き出して保留し保持しておくための引き出しローラ21を備えている。この引き出しローラ21は、1方向に押圧付勢する押しバネ等のバネ手段22を備えるエアーシリンダー23に連接されて進退自在に支持されており、1回の糸条送出後の非送出状態において、後述する押さえ手段8の押さえ作用状態において、エアーシリンダー23の作動により前記バネ手段22に抗した引張作用でパイル糸用糸条Yを直線状走行部10aから側方の第2の保留用走行部10cに引き出した状態に保持し、また、糸条Yの送出の際には、前記エアーシリンダー23の作動を解除して前記バネ手段22の付勢力によって糸条Yには作用しない位置になるように設けられている。これにより前記パイル糸用糸条Yが直線状走行部10aの位置まで戻ることで、前記保留用走行部10cの引き出し長さ分も同時に送出されるようになっている。
【0029】
この戻し手段4の前記引き出しローラ21によるパイル糸用糸条Yの引き出しによる保留長さは、後述するように糸条送出口6から送出されて切断手段7により切断された後の糸条先端部y1を集合待機部5の位置まで戻すことができるように設定される。
【0030】
さらに、前記測長手段2と前記戻し手段4との間に、糸条送出時以外のパイル糸用糸条Yの送出を規制する前記押さえ手段8が設けられている。この糸条押さえ手段8は、パイル糸用糸条Yをフレーム等に固定される取付支持板9に対して押さえる押さえ部材25が、1方向に引張付勢する引きバネ等のバネ手段26を備えるエアシリンダー27に連結されて進退自在に設けられており、糸条送出手段3による糸条の送出時以外は前記エアーシリンダー27の作動でバネ手段26に抗して押さえ作用をするようになっている。
【0031】
前記集合待機部5は、各パイル糸用糸条Yの先端部y1を保持する保持部51が、図のように、集合状態に保持されており、測長送出部1から供給される多数本の糸条Yの先端部y1を待機状態に保持させておき、各測長送出部1の糸条送出手段3が複数同時に送出するように制御されることにより、該集合待機部5から送出される複数本の糸条Yを前記糸条送出口6を通して1本のパイル糸Pとして送出できるように形成されている。
【0032】
前記各測長送出部1と前記集合待機部5の各糸条Yの保持部51との間には、それぞれ各糸条Yを個々に案内するガイド通路29が介設されており、該ガイド通路29の入り口側は前記糸条送出手段6の口部材17に連接されている。前記ガイド通路29は、チューブ状をなしており、該ガイド通路29の入り口側に連接された糸条送出手段6の口部材17に有する通路部16と連なり、該口部材17に有する前記エアー導入部18から該通路部16に送り用エアーが導入され、該通路部16に導入したエアーをガイド通路29を通して集合待機部5側に流送させることによりガイド通路29に通した糸条Yを送出するように設けられている。
【0033】
前記の糸条送出口6には、その後部側に前記集合待機部5に向かってテーパ状あるいはラッパ状に拡径して集合待機部5から送出される糸条Yを受け入れて口端部61に誘導するガイド部材62が設けられており、前記集合待機部5のいずれの各保持部51から送出される糸条Yであっても、前記糸条送出口6の口端部61に誘導できるように設けられている。図の場合、前記糸条送出口6には、送り用エアーを導入するためのエアー導入口63が設けられており、前記測長送出部1の糸条送出手段3によるエアー導入により送出する糸条Yを、該糸条送出口6において追加的なエアー導入によりさらに確実に送出できるように設けられている。
【0034】
前記糸条送出口6の口端部61の口径は、前記集合待機部5から選択されて送出される糸条の太さと本数等に応じて設定され、例えば、複数本(例えば5本)の糸条を選択して集束した状態で送出するときは、複数本(例えば5本)の糸条を集束してエアー導入による流送手段で送出できる口径、1本の糸条Yを選択して送出するときは、1本の糸条Yを送出できる口径とされる。すなわち、供給される糸条の太さと選択する本数によってエアー導入により送出できるように任意に設定される。必要に応じて、前記糸条送出口6は取り換え可能に構成される。
【0035】
前記測長手段2のエアシリンダー14、戻し手段4のエアーシリンダー23及び押さえ手段8のエアシリンダー27は、それぞれ図のように前記取付支持板9の一部に取設されている。また、前記集合待機部5及び糸条送出口6は、それぞれフレーム等に固定されている支持板90上に設けられる。図中の92は前記パイル糸用糸条を挿通するリング状ガイドである。
【0036】
図中の30は、前記各測長送出部1における糸条送出手段3の通路部16へのエアー導入を制御するバルブ、前記測長手段2のエアーシリンダー14と、戻し手段4のエアーシリンダー23と、押さえ手段8のエアーシリンダー27へのエアー供給を制御するバルブを備えるバルブユニットであり、これらのバルブは主としてソレノイドバルブからなり、それぞれパイル糸としての送出作用に応じて制御部からの信号により選択的に制御されるようになっている。
【0037】
前記各測長送出部1における測長手段2のエアーシリンダー14へのエアー供給と、押さえ手段8のエアーシリンダー27へのエアー供給と、前記戻し手段4のエアーシリンダー23へのエアー供給と、糸条送出手段3の通路部16へのエアー供給とは、前記バルブユニット30のバルブ制御により適宜制御される。
【0038】
例えば、パイル糸用糸条Yの先端部y1を集合待機部5に位置された待機状態に保持した非送出状態においては、糸条送出手段3への送り用エアーの供給を行わないことに加え、前記押さえ手段8のエアシリンダー27へはエアー供給を遮断して、バネ手段26によりパイル糸用糸条Yを押さえた状態に保持し、また、測長手段2の引き出しローラ11は、エアーシリンダー14へのエアー供給によりバネ手段13に抗して直線状走行部10aから保留走行部10bに引張り、糸条Yの所定長さ分を保留走行部10bに引き出した状態に保持し、また、戻し手段4の引き出しローラ21も、エアーシリンダー23へのエアー供給によりバネ手段22に抗して直線状走行部10aから糸条Yの所定長さ分を保留走行部10cに引き出した状態に保持する。
【0039】
そして、パイル糸用糸条Yの送出の際は、前記とは逆に、糸条送出手段3へのエアー供給を行い、口部材17の通路部16に送り用エアーを導入するとともに、前記押さえ手段8のエアシリンダー27へのエアーを供給により、バネ手段26に抗して押さえ部材25をパイル糸用糸条Yから離して押さえ作用を解除し、同時に前記測長手段2のエアーシリンダー14へのエアー供給を遮断して、バネ手段13の付勢力で前記引き出しローラ11を糸条Yに作用しない位置に移動させる。同時に、戻し手段4のエアーシリンダー23へのエアー供給を遮断して引き出しローラ21をバネ手段22の付勢力で糸条Yに作用しない位置に移動させる。これにより、測長手段2の保留走行部10b及び戻し手段4の保留走行部10cに引き出された糸条Yの長さ分を前記口部材17からガイド通路29及び集合待機部5を経て送出するように構成される。
【0040】
前記戻し手段4は、前記引き出しローラ21が、前記糸条Yの一定長さ分を送出して、送出された糸条Yの所定長さ分を切断し次工程に供給した後、押さえ手段8が押さえ作用するのと同時に、戻し手段4の引き出しローラ21も、エアーシリンダー23へのエアー供給によりバネ手段22に抗して直線状走行部10aから糸条Yの所定長さ分を保留走行部10bに引き出した状態に保持し、余剰長さ分を引き戻し、糸条Yの先端部y1を集合待機部5に再度待機させるように保持する。また、測長手段2の引き出しローラ11は、エアーシリンダー14へのエアー供給によりバネ手段13に抗して直線状走行部10aから保留走行部10bに引張り、糸条Yの所定長さ分を保留走行部10bに引き出した状態に保持し、前記同様に所定長さ分を保留状態に保持する。
【0041】
したがって、前記バルブユニット30では、前記の動作を所要の僅かな時間差をもって行うように各バルブの開閉が制御される。
【0042】
前記各糸条毎の測長送出部1は、集合待機部5に糸条を供給できるものであれば、どのような配置であってもよいが、第1の実施例の装置においては、前記各糸条毎の測長送出部1は、集合待機部5の送入側後方において該集合待機部5の軸心を中心とする円上において放射状に並列、例えば図1のように半円形に配置、あるいは図6のように円形に配置し、各測長送出部1の糸条送出手段12を糸条Yを案内するガイド通路29を介して集合待機部5に連結しておくのが、各糸条Yを送出距離、角度を均一化でき好ましい。特に、多数本の比較的細い糸条Yを供給するようにして、同時に複数本の糸条Yを選択し送出する場合に特に好適に実施できる。前記測長送出部1の円状の配置を径方向に内外の2列にすることもできる。もちろん、比較的太いパイル糸用糸条を1もしくは複数本ずつ選択し送出する場合にも利用できる。
【0043】
このほか、図7に示すように、測長送出部1からの送出方向を集合待機部の軸心に対し交差する角度、例えば直角に交差する角度にして円上に配置しておくこともできる。
【0044】
前記測長保留部12のエアシリンダー14及び押さえ手段25のエアシリンダー27は前記取付板部材24の一部に取設されており、前記導糸孔部21ととも移動するように設けられている。
【0045】
図8〜図10は、本発明を実施するための装置の第2の実施例を示している。この第2の実施例では、前記各糸条Yの測長送出部1が、集合待機部5の送入側後方において横列状に並列して配置されており、各測長送出部1の糸条送出手段3が糸条Yを案内するガイド通路29を介して集合待機部5に連結されている。この実施例において、各測長送出部1の測長手段2、糸条送出手段3、戻し手段4及び押さえ手段8の各構成については、基本的に上記した第1の実施例の場合と同様であるので、同構成部分、同構成部材に同符号を付して、ここでの詳しい説明を省略する。
【0046】
この第2の実施例の場合、前記測長送出部1を横列に並列させるため、並列幅が大きくなると、両端部の測長送出部1及び中央部位置の測長送出部1から中央に配置される1つの集合待機部5までの距離が大きく異なり、エアーによる糸条送出に差が生じる虞があるので、並列数は10数個以内に設定するのがよい。測長送出部1の並列状態は、図のように1列に並列配置しておく場合のほか、上下に複数段、好ましくは2〜3段にして各段毎に並列させておくこともできる。図の場合は9つの測長送出部1を1列に並列配置した場合を示している。
【0047】
この第2の実施例において、前記各測長送出部1の測長手段2のエアーシリンダー14へのエアー供給、押さえ手段8のエアーシリンダー27へのエアー供給、戻し手段4のエアーシリンダー23へのエアー供給と、糸条送出手段3の通路部16へのエアー供給を、各測長送出部1からパイル糸用糸条Yの選択的な送出動作に応じてバルブユニット30のバルブの開閉により制御する点は、上記した第1の実施例と同様に構成される。
【0048】
また、この第2の実施例の集合待機部5は、前記測長送出部1の並列数と同数の保持部51が集合した状態に設けられる。例えば図の場合、中央の1つの保持部51の周りに8つの保持部51が配置されてなり、これらの各保持部51に前記測長送出部1から送出された糸条Yの先端部y1を待機状態に保持し、各測長送出部1の糸条送出手段3の1つ又は複数が同時に送出するように制御することにより、該集合待機部5から1本又は複数本の糸条Yを、前記糸条送出口6を通して1本のパイル糸として送出できるように形成されている。この第2の実施例2おいても、測長送出部1から供給される比較的細い多数本の糸条Yの先端部y1を待機状態に保持させておいて、これらのうちの所要本数の糸条Yを同時に選択して集合状態で送出するようにして実施することもできる。
【0049】
なお、糸条送出口6については、口端部61の口径が、前記集合待機部5から選択されて送出される糸条Yの太さと選択する本数等によって設定されるのは、第1の実施例の場合と同じであり、例えば、1本の糸条Yを選択して送出する場合は1本の糸条Yを、複数本の糸条Yを選択して集束状態で送出する場合は複数本の糸条を集束状態でエアー流送により送出できる口径とされる。
【0050】
上記のパイル糸用糸条の選択送り出し装置を使用して、パイル糸用糸条Yを色種や本数を選択して送り出す方法について、装置の動作状態と共に説明する。
【0051】
準備作業として、所要の色種及び本数のパイル糸用糸条Yを図示していない糸条供給部から引き出して本発明の選択送り出し装置に引き出し可能に供給する。例えば、第1の実施例の選択送り出し装置の場合は、円上に並列配置されている各糸条毎の測長送出部1において、供給される各パイル糸用糸条Yを、測長手段2、押さえ手段8、戻し手段4を順次通し、さらに糸条送出手段3の口部材17の通路部16からガイド通路29を通して、集合待機部5の各糸条毎の保持部51に先端部y1を待機状態に保持させておく。また、第2の実施例の選択送り出し装置の場合も、横列に並列配置されている各糸条毎の測長送出部1において、前記同様に、各パイル糸用糸条Yを、測長手段2、押さえ手段8、戻し手段4を順次通し、さらに糸条送出手段3からガイド通路29を通して、集合待機部5の各糸条毎の保持部51に先端部y1を待機状態に保持させておく。
【0052】
そして、各パイル糸用糸条Yを待機状態に保持した状態においては、糸条送出手段3への送り用エアーの供給を遮断するとともに、押さえ手段8のエアシリンダー27へのエアー供給を遮断して、バネ手段26により押さえ部材25でパイル糸用糸条Yを押さえた状態に保持し、また、測長手段2のエアーシリンダー14にはエアー供給を行い、バネ手段13に抗して引き出しローラ11により前記糸条Yを直線状走行部10aから引張り、該糸条Yの所定長さ分を保留走行部10bに引き出した状態に保持し、また、戻し手段4の引き出しローラ21も、エアーシリンダー23へのエアー供給によりバネ手段22に抗して直線状走行部10aから糸条Yの所定長さ分を保留走行部10cに引き出した状態に保持する。
【0053】
そして、例えばパイルカーペット等のパイル構造材の製造において、要求される色彩のパイル糸の色彩に応じて組み合わされる所定の色種及び本数の糸条Yを選択し、前記集合待機部5から糸条送出口6を通して1本ずつ、あるいは複数本を集束状態にしてパイル糸Pとして送出する。
【0054】
すなわち、図示していない制御部からの指令により、バルブユニット30の各バルブ、つまり各測長送出部1の測長手段2のエアーシリンダー14、押さえ手段8のエアーシリンダー27、戻し手段4のエアーシリンダー23へのそれぞれのエアー供給用のバルブ、並びに糸条送出手段3の通路部16へのエアー供給用のバルブの開閉を選択的に適宜制御し、選択した1本又は複数本(通常は複数本)の糸条Yの一定長さを送出する。
【0055】
例えば、選択した複数本の糸条Yを送出するときは、前記の待機状態とは逆に、該糸条Yのそれぞれの測長送出部1における糸条送出手段3の口部材17内の通路部16へのエアー供給用のバルブを開にし、前記通路部16に送り用エアーを導入するとともに、前記押さえ手段8のエアシリンダー27へのエアー供給用のバルブを開にして、押さえ手段8の押さえ部材25をバネ手段26に抗して該糸条Yから離し押さえ作用を解除する。同時に、該糸条Yの測長保留部12のエアシリンダー14と戻し手段4のエアーシリンダー23へのエアー供給用のバルブを閉にすることにより、測長手段2のエアーシリンダー14へのエアー供給を遮断して、引き出しローラ11をバネ手段13の付勢力で該糸条Yに作用しない位置、つまり直線状走行部10aに移動させ、また、戻し手段4のエアーシリンダー23へのエアー供給を遮断して、引き出しローラ21をバネ手段22の付勢力で該糸条Yに作用しない位置(直線状走行部10aの位置)に移動させる。これにより、先端部y1が集合待機部5に保持されている各糸条Yは、前記糸条送出手段3の通路部16に導入される送り用のエアーにより流送され、前記測長手段2の保留走行部10bと、戻し手段4の保留走行部10cに引き出された長さ分が、前記口部材17からガイド通路29及び集合待機部5を経て糸条送出口6のガイド部材62を通り、口端部61より集束状態で送出される。糸条送出口6に追加的な送り用のエアーが導入されていると、前記糸条Yの送出が確実になされる。
【0056】
前記のように、集合待機部5に先端部y1が保持されている各糸条Yのうちの選択された糸条Yが、糸条送出口6の口端部61から集束状態で1本のパイル糸として一定長さ分が送出されると、該糸条Yの測長送出部1における押さえ手段8のエアシリンダー27へのエアー供給を遮断しバネ手段26により押さえ部材25を元の押さえ状態に戻して糸条Yを押さえ、該糸条Yの送出を規制する。この状態において、該糸条送出口6の前方に配置された切断手段7を作動させて送出した糸条Yを一定長さに切断する。切断された糸条Yは、パイル糸Pとして次の工程、例えばカーペット製造工程においてはパイル糸Pの植設工程に供給され、カーペット用基布上に接着手段により接着され植設される。
【0057】
前記の糸条Yの送出及び切断が完了すると、これとほぼ同時に、前記測長送出部1における押さえ手段8による押さえ状態において、戻し手段4のエアーシリンダー23へのエアー供給によりバネ手段22に抗して引き出しローラ21を直線状走行部10aから保留走行部10bに引き出すことにより、前記糸条送出口6より送出し切断した後の余剰長さ分を引き戻し、糸条Yの先端部y1を集合待機部5に再度待機させるように保持する。また、測長手段2の引き出しローラ11を、前記押さえ手段8による押さえ状態において、エアーシリンダー14へのエアー供給によりバネ手段13に抗して直線状走行部10aから保留走行部10bに引き出すことにより、糸条Yの所定長さ分を保留走行部10bに引き出した状態に保持し、前記同様に所定長さ分を保留状態に保持する。
【0058】
このようにして、パイルカーペット等のパイル構造材の製造において要求されるパイル糸の色彩に応じて組み合わされる所定の色種及び本数の糸条Yを選択して、前記集合待機部5から糸条送出口6を通して1本ずつ、あるいは選択された複数本を集束状態にして1本のパイル糸Pとして送出することを繰り返して、所望の色種のパイル糸を作成しながら送出し供給することができる。
【0059】
特に、上記の色種や本数を異にするパイル糸用糸条の選択、組み合わせにより、様々な任意の色彩のパイル糸を作り出すことが可能になる。
【0060】
例えば、使用するパイル糸用糸条の色種を、ドット印刷等に使用される色の三原色(赤、黄、青等)を基準にして、黒色や白色、及びその他の1もしくは複数の色を含めた5〜10色として、各色の異色の糸条を使用することとし、必要な色種の糸条について必要本数を選択して組み合わせて集束状態にすることにより、その組み合わせによって得られる所望の色(濃淡を含む)のパイル糸を作り出すことができる。
【0061】
したがって、前記のように集合待機部に保持されている各色のパイル糸用糸条を、予め設定された色の組み合わせに基づいて、制御部からの指令により色種、本数を選択して集束状態で送出することにより、所望の任意の色のパイル糸を送出し、次の工程に供給することができる。
【0062】
このため、例えばカーペットの製造において、パイル糸を基材に対して植設する場合において、予めパイル柄に応じた色のパイル糸を糸保持部材に整列して保持させておくための準備工程は必要ではなくなり、またジャカード装置等の大掛かりな装置を使用する必要もなく、基準となる複数の色種のパイル糸用糸条を使用するだけで、様々な色のパイル糸を供給でき、ひいてはパイル表面に従来にはない多色の多様な柄を表現できる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、カーペット、壁面材や天井材等の内装材、壁掛け等の装飾材等に使用される各種のパイル構造材の製造のためのパイル糸を供給する場合に利用できる。
【符号の説明】
【0064】
P…パイル糸、Y…パイル糸用糸条、y1…先端部、1…測長送出部、2…測長手段、3…糸条送出手段、4…戻し手段、5…集合待機部、6…糸条送出口、7…切断手段、8…押さえ手段、9…取付支持板、10a…直線状走行部、10b…保留用走行部、10c…保留用走行部、11…引き出しローラ、12…測長保留部、13…バネ手段、14…エアーシリンダー、16…通路部、17…口部材、18…エアー導入部、21…引き出しローラ、22…バネ手段、23…エアーシリンダー、24…取付板部材、25…押さえ部材、26…バネ手段、27…エアーシリンダー、29…ガイド通路、30…バルブユニット、51…保持部、61…口端部、62…ガイド部材、63…エアー導入口、90…支持板、92…リング状ガイド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイル糸用糸条の選択送り出し方法であって、
所定の色種の複数本のパイル糸用糸条を、それぞれ糸条供給部から所定の供給経路を経て引き出し、それぞれの供給経路の末端部分を集合配置してなる集合待機部に各糸条先端部を位置させて送出可能に保持しておき、所定の色種及び本数の糸条を選択して、前記集合待機部から糸条送出口を通して送出することを特徴とするパイル糸用糸条の選択送り出し方法。
【請求項2】
複数の色種のパイル糸用糸条について、それぞれ複数本の糸条を糸条供給部から引き出して各糸条先端部を集合待機部に保持しておき、送出しようとするパイル糸の色彩に応じて組み合わされる所定の色種及び本数の糸条を選択して、選択した各糸条を前記集合待機部から糸条送出口を通して集束状態にして送出することを特徴とする請求項1に記載のパイル糸用糸条の選択送り出し方法。
【請求項3】
糸条供給部から個々に引き出されて各々の供給経路を経て供給される多数本のパイル糸用糸条を、それぞれ1回の送出長さ分を測長して送出可能に保持する測長手段、及び測長した糸条を送出させる糸条送出手段、並びに1回の糸条送出毎に該糸条の余剰長さ分を引き戻すための戻し手段を有する各糸条毎の測長送出部と、
前記各測長送出部を通過した各糸条の先端部を集合状態に保持して個々に選択的に前方に向かって送出可能に保持し待機させておくための集合待機部と、
前記集合待機部の前方において集合待機部から送出される所要本数の糸条を受け入れて前方に向かって送出するための糸条送出口と、
前記糸条送出口の前方において送出される糸条を所定長に切断する切断手段とを備えてなり、
前記各測長送出部における糸条送出手段を選択的に送出作動させるように制御することにより、所定の色種及び本数の糸条を選択して送出できるようにしたことを特徴とするパイル糸用糸条の選択送り出し装置。
【請求項4】
前記各測長送出部と前記集合待機部における各糸条の保持部との間に、それぞれ各糸条を個々に案内するガイド通路が介設され、該ガイド通路の入り口側に前記糸条送出手段が設けられ、各糸条送出手段が個々に作動制御可能に設けられてなる請求項3に記載のパイル糸用糸条の選択送り出し装置。
【請求項5】
前記ガイド通路がチューブ状をなし、該ガイド通路の入り口側に連接された糸条送出手段にはガイド通路に連なる通路部に送り用エアーを導入するためのエアー導入部を有し、該通路部に導入したエアーをガイド通路を通して集合待機部側に流送させることによりガイド通路に通した糸条を送出するように設けられてなる請求項4に記載のパイル糸用糸条の選択送り出し装置。
【請求項6】
前記各糸条の測長送出部が、集合待機部の送入側後方において該集合待機部の軸心を中心とする円上に放射状に並列して配置され、各測長送出部の糸条送出手段が糸条を案内するガイド通路を介して集合待機部に連結されてなる請求項3〜5のいずれか1項に記載のパイル糸用糸条の選択送り出し装置。
【請求項7】
前記各糸条の測長送出部が、集合待機部の送入側後方において横列状に並列して配置され、各測長送出部の糸条送出手段が糸条を案内するガイド通路を介して集合待機部に連結されてなる請求項3〜5のいずれか1項に記載のパイ糸用糸条の選択送り出し装置。
【請求項8】
各糸条の測長送出部は、糸条の1回の送出長さ分を直線状走行部から側方へ引き出し保留するための引き出しローラを含む測長手段と、前記測長手段と前記糸条送出部手段との間において、1回の糸条送出毎に該糸条の余剰長さ分を引き戻すように該糸条を直線状走行部から側方へ引き出し保留するための戻しローラを含む戻し手段と、該戻し手段と前記測長手段との間で、糸条送出時以外に糸条の送出を規制するように押さえる糸条押さえ手段とを備えてなる請求項3〜7のいずれか1項に記載のパイル糸用糸条の選択送り出し装置。
【請求項9】
前記各糸条毎の測長送出部における糸条送出手段が複数同時に送出作動するように制御され、集合待機部から送出される複数本の糸条を集束状態で前記糸条送出口を通して1本のパイル糸として送出できるように形成されてなる請求項3〜8のいずれか1項に記載のパイル糸用糸条の選択送り出し装置。
【請求項10】
前記糸条送出口には、その後部側に前記集合待機部に向かって拡径して集合待機部から送出される糸条を受け入れて送出口部材に誘導するガイド部材が設けられてなる請求項3〜9のいずれか1項に記載のパイル糸用糸条の選択送り出し装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−188173(P2012−188173A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50464(P2011−50464)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(504153244)
【Fターム(参考)】