パソコン操作用のマウス
【課題】人体の脈派を得るための測定をより手軽にできるパソコン操作用のマウスを提供することである。
【解決手段】マウス本体の前端部付近の上面の部分の左右各々にクリック部2、3を有するパソコン操作用のマウス1であり、両クリック部2、3のいずれか一方をその上に置かれる指先Pから人体の脈波を測定する計測位置部5とし、この計測位置部5となるクリック部2上に置かれる指先P表面に対し同クリック部2を通過させて光を照射する脈派測定用発光部9と、指先P表面で反射し、もしくは指先表面を透過した脈派測定用発光部9からの光を受光する受光部10とを備え、受光部10における受光状態を検知して脈派が測定されるようになしたものであって、計測位置部5となるクリック部2の上方周辺にクリック部2上に置かれる指先Pを覆って脈派測定用発光部9から照射される光が漏出するのを防止するカバー部6を設ける。
【解決手段】マウス本体の前端部付近の上面の部分の左右各々にクリック部2、3を有するパソコン操作用のマウス1であり、両クリック部2、3のいずれか一方をその上に置かれる指先Pから人体の脈波を測定する計測位置部5とし、この計測位置部5となるクリック部2上に置かれる指先P表面に対し同クリック部2を通過させて光を照射する脈派測定用発光部9と、指先P表面で反射し、もしくは指先表面を透過した脈派測定用発光部9からの光を受光する受光部10とを備え、受光部10における受光状態を検知して脈派が測定されるようになしたものであって、計測位置部5となるクリック部2の上方周辺にクリック部2上に置かれる指先Pを覆って脈派測定用発光部9から照射される光が漏出するのを防止するカバー部6を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、パソコン操作用のマウスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、特許文献1に示されるようなパソコン操作用のマウスが知られている。図9と図10とに示されるように、このマウス101には一対のクリックボタン102、103が設けられている。そして、ユーザの指先10Pを挿入可能な挿入用凹部106が、マウス101の後方に形成されている。この挿入用凹部106の奥の部分には、挿入された指先10Pに近赤外光を斜め方向から照射する近赤外光源109が配置されている。挿入用凹部106における近赤外光源109よりも凹部開口側には脈波検出部110が配置されている。脈波検出部110は、受光状態に基づき、指先末梢血管のヘモグロビンの移動を観測して脈波を計測するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−344375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示されるマウス101では、マウス101の後方に挿入用凹部106が設けられているため、測定の際にはユーザは指先Pをマウス101の表側面の後方に動かさなければならず、面倒であるという問題があった。
【0005】
本願発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その課題は、人体の脈派を得るための測定をより手軽にできるパソコン操作用のマウスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願発明のパソコン操作用のマウスは、マウス本体の前端部付近の上面の部分の左右各々にクリック部を有するパソコン操作用のマウスであり、前記両クリック部のいずれか一方をその上に置かれる指先から人体の脈波を測定する計測位置部とし、この計測位置部となるクリック部上に置かれる指先表面に対し同クリック部を通過させて光を照射する発光部と、前記指先表面で反射し、もしくは指先を透過した前記発光部からの光を受光する受光部とを備え、前記受光部における受光状態を検知して前記脈派が測定されるようになしたものであって、前記計測位置部となる前記クリック部の上方周辺に前記クリック部上に置かれる指先を覆って前記発光部から照射される光が漏出するのを防止するカバー部を設けてなるものである。
【0007】
又、前記計測位置部となるクリック部上に置かれる前記指先に圧力を加える押圧部を前記カバー部の内側に設けていることが好ましい。
【0008】
又、前記押圧部を前記カバー部の内側上方に設けて、この押圧部よる圧力が下方に向けて作用するようになしていることが好ましい。
【0009】
又、前記マウス本体の前端部付近の上面部分の左側に配置されるクリック部を前記計測位置部となるクリック部としていることが好ましい。
【0010】
又、前記発光部から照射された光及び前記指先表面で反射した光が透過される透光用窓を前記計測位置部となるクリック部に設けていることが好ましい。
【0011】
又、前記計測位置部となるクリック部を透光性材料で形成して、前記発光部から照射された光及び前記指先表面で反射した光が透過されるようになしていることが好ましい。
【0012】
又、前記発光部から前記計測位置部への光を遮るシャッター部を有していることが好ましい。
【0013】
又、前記計測位置部に指先が存在するか、存在しないかを検知する指先検知部と、前記指先検知部が、指先の存在を検知しているときのみ測定するように制御する第二制御部と、のそれぞれを前記マウス本体の内部に有していることが好ましい。
【0014】
又、前記マウス本体は、光学式マウスを構成するものであり、前記マウス本体の内部に、前記発光部からの光の向きを、前記マウス本体の移動方向及び移動量を計測するために発光する方向である底面方向と、前記計測位置部方向とに相互に切替えることができる切換部を有していることが好ましい。
【0015】
又、前記マウス本体は、光学式マウスを構成するものであり、前記マウス本体の移動方向及び移動量を計測する光と人体の脈派を計測する光とを前記発光部からの光が兼用するように、前記発光部からの光を分割する光分割部を前記マウス本体の内部に有していることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本願発明のパソコン操作用のマウスにおいては、クリック部を計測位置部としているので、測定の際に指先を動かす必要はない。したがって、人体の脈派を得るための測定をより手軽にできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本願発明の第1の実施形態に係るパソコン操作用のマウスの斜視図
【図2】本願発明の第1の実施形態に係るパソコン操作用のマウスの概略断面図
【図3】本願発明の第2の実施形態に係るパソコン操作用のマウスの概略断面図
【図4】本願発明の第3の実施形態に係るパソコン操作用のマウスの概略断面図
【図5】本願発明の第4の実施形態に係るパソコン操作用のマウスの概略断面図
【図6】本願発明の第5の実施形態に係るパソコン操作用のマウスの上面図
【図7】本願発明の第5の実施形態に係るパソコン操作用のマウスの概略断面図
【図8】本願発明の第6の実施形態に係るパソコン操作用のマウスの概略断面図
【図9】特許文献1で示されているパソコン操作用のマウスの概略構成図
【図10】特許文献1で示されているパソコン操作用のマウスの測定位置部及びカバー部近辺の概略構成図
【発明を実施するための形態】
【0018】
1.第1の実施形態
図1と図2とに基づいて、パソコン操作用のマウス1に関する本願発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本願発明の第1の実施形態に係るパソコン操作用のマウス1の斜視図である。図2は、本願発明の第1の実施形態に係るパソコン操作用のマウス1の概略断面図である。
【0019】
本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1は、マウス本体の前端部付近の上面の部分の左右各々にクリック部2、3を有するパソコン操作用のマウス1であり、前記両クリック部2、3のいずれか一方をその上に置かれる指先Pから人体の脈波を測定する計測位置部5とし、この計測位置部5となるクリック部2上に置かれる指先P表面に対し同クリック部2を通過させて光を照射する脈派測定用発光部9と、前記指先P表面で反射し、もしくは指先P表面を透過した前記脈派測定用発光部9からの光を受光する受光部10とを備え、この脈派測定用発光部9からの光が前記指先P表面で反射した光を受光する受光部10と、を前記マウス本体内に備え、前記受光部10における受光状態を検知して前記脈派が測定されるようになしたものであって、前記計測位置部5となる前記クリック部2の上方周辺に前記クリック部2上に置かれる指先Pを覆って前記発光部9から照射される光が漏出するのを防止するカバー部6を設けてなるものである。また、前記マウス本体の前端部付近の上面部分の左側に配置されるクリック部2を前記計測位置部5となるクリック部2としたものである。前記脈派測定用発光部9から照射された光及び前記指先P表面で反射した光が透過される透光用窓51を前記計測位置部5となるクリック部2に設けたものである。ここでマウス本体とは、パソコン操作用のマウス1の筐体のことをいう。
【0020】
[パソコン操作用のマウス1の構成]
本実施形態のパソコン操作用のマウス1の構成を図1と図2とに基づいて説明する。
【0021】
図1に示すように、パソコン操作用のマウス1は、その表側面にクリック部である左クリックボタン2と右クリックボタン3とが設けられており、さらには、左クリックボタン2と右クリックボタン3との間にスクロールする中央クリックボタン4が設けられている。左クリックボタン2には光を通すための透光用窓51が設けられている。この透光用窓51で囲まれる範囲が、計測位置部5となっている。
【0022】
そして、この計測位置部5を覆うように、カバー部6がパソコン操作用のマウス1に設けられている。カバー部6は、前壁部61と左壁部62と天上壁部63とを有しており、後側と右側とが開口されているものである。
【0023】
カバー部6は、光を通さない材質であれば何でもよい。本実施形態においては、汎用プラスチック製のものを用いている。
【0024】
図2に示すように、マウス本体の内部には、移動測定用発光部7と、イメージセンサ8とが設けられている。移動測定用発光部7はLEDである。移動測定用発光部7は、マウス本体の底面に向かって発光するように設けられている。移動測定用発光部7とイメージセンサ8とは、パソコン操作用のマウス1の移動方向と移動量とを測るために用いられるものである。さらに、マウス本体の内部には、脈派測定用発光部9と受光部10とが設けられている。脈派測定用発光部9はLEDである。脈派測定用発光部9は、計測位置部5に向かって発光するように設けられている。より具体的には、カバー部6の挿入側である手前方向から奥方向に向かって発光するように、脈派測定用発光部9は設けられている。このように、カバー部6の奥方向に向かって発光するように脈派測定用発光部9が設けられることで、脈派測定用発光部9からの光がカバー部6の内部からより漏れにくくなる。
【0025】
受光部10は、マウス本体の内部であって、計測位置部5に置かれた指先Pで反射された光を受光する位置に設けられている。受光部10は、フォトダイオードである。なお、本実施形態において、計測位置部5は、左クリックボタン2に設けられているので、指先Pは第二指の指先である。
【0026】
なお、左クリックボタン2の表面全体を透光性材料で形成して、脈派測定用発光部9から発光された光及び指先P表面で反射した光が透過されるようになしてもかまわない。
【0027】
なお、受光部10を、カバー部6の内側であって、脈派測定用発光部9からの光の延長上に設ければ、指先P表面を透過した光を測定することができる。
【0028】
なお、本実施形態におけるマウス本体は光学式マウスではあるが、パソコン操作用のマウス1であれば、何でもよい。
【0029】
[パソコン操作用のマウス1の作用効果]
このように、左クリックボタン2を計測位置部5としているので、人体の脈派の計測の際には、指先Pを左クリックボタン2上から移動する必要がなく、手軽に人体の脈派の計測ができる。
【0030】
2.第2の実施形態
図3に基づいて、パソコン操作用のマウス1に関する本願発明の第2の実施形態について説明する。図3は、本願発明の第2の実施形態に係るパソコン操作用のマウス1の概略断面図である。
【0031】
本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1は、計測位置部5となるクリック部2上に置かれる指先Pに圧力を加える押圧部11をカバー部6の内側に設けたものである。より具体的には、押圧部11をカバー部6の内側上方に設けて、この押圧部11よる圧力が下方に向けて作用するようになしたものである。他の部分は、第一の実施形態におけるパソコン操作用のマウス1と同じである。
【0032】
[パソコン操作用のマウス1の構成]
本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1は、カバー部6の前壁部61にヒンジ12が設けられている。このヒンジ12により、カバー部6の内側に押圧部11が設けられる。さらには、カバー部6の天上壁部63の内側に弾性体であるコイルバネ13が設けられている。コイルバネ13は、カバー部6と押圧部11との間に介在するように設けられている。
【0033】
本実施形態において、押圧部11として、クッション性のあるものを用いる。なお、カバー部6の内面に押圧部11を直接配置してもかまわない。また、ヒンジ部12を用いず弾性体13だけでもよいし、弾性体13を用いずヒンジ部12だけでもよい。
【0034】
[パソコン操作用のマウス1の作用効果]
本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1では、カバー部6の内面に押圧部11が配置されているので、人体の脈派を得るための指先Pを適度に押圧でき、その結果、より精度が良い測定結果を得ることができる。さらに、押圧部11が、カバー部6の内面にコイルバネ13を介して設けられているので、より適度に押圧できる。さらに、押圧部11が、カバー部6の内面にヒンジ12を介して設けられているので、より適度に押圧できる。
【0035】
3.第3の実施形態
図4に基づいて、パソコン操作用のマウス1に関する本願発明の第3の実施形態について説明する。図4は、本願発明の第3の実施形態に係るパソコン操作用のマウス1の概略断面図である。
【0036】
本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1は、脈派測定用発光部9から計測位置部5への光を遮るシャッター部14を有するものである。他の部分は、第一の実施形態におけるパソコン操作用のマウス1と同じである。
【0037】
[パソコン操作用のマウス1の構成]
本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1は、測定位置部5の上に脈派測定用発光部9から計測位置部5への光を遮るシャッター部14を有している。シャッター部14が閉じられているときには、マウス本体1とシャッター部14とが略面一になるように、マウス本体内にシャッター部14が設けられている。シャッター部14の開閉は、突起部15をつまみ、突起部15を開閉方向に手動で移動させることによって行われるようになしている。より詳細に説明すると、突起部15が開方向に移動されるとシャッター部14が折りたたまれるようになしている。なお、シャッター部14の開閉を行う手段は特に限定されない。
【0038】
[パソコン操作用のマウス1の作用効果]
本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1では、脈派測定用発光部9からの光がマウス本体の内部から外部に出ないように、シャッター部15が脈派測定用発光部9からの光を遮るので、眩しさをより低減することができる。
4.第4の実施形態
図5に基づいて、パソコン操作用のマウス1に関する本願発明の第4実施形態について説明する。図5は、本願発明の第4の実施形態に係るパソコン操作用のマウス1の概略断面図である。
【0039】
本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1は、計測位置部5に指先である指先Pが存在するか、存在しないかを検知する指先検知部16と、指先検知部16が指先Pの存在を検知しているときのみ測定するように制御する第二制御部17と、のそれぞれをマウス本体の内部に有する。他の部分は、第一の実施形態におけるパソコン操作用のマウス1と同じである。
【0040】
[パソコン操作用のマウス1の構成]
本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1は、マウス本体の内部側で測定位置部5と略密接するように指先検知部16が設けられている。そして、第二制御部17と指先検知部16とが電気的に接続されている。さらには、第二制御部17と脈派測定用発光部9とも電気的に接続されている。第二制御部17は、指先検知部16が指先Pを検知しているときのみ、脈派測定用発光部9が発光するように制御するものである。つまり、指先検知部16が指先Pを検知していないときには、脈派測定用発光部9が発光しないように制御するものである。
【0041】
本実施形態において、指先検知部16は指先Pの温度を検知するものである。なお、指先Pの温度を検知するものに限らず、指先の存在を検知することができるものであれば、指先検知部16は何でもよい。
【0042】
[パソコン操作用のマウス1の作用効果]
本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1では、指先検知部16が指先Pの存在を検知しているときのみ脈派測定用発光部9が発光するので、指先検知部16が指先Pの存在を検知しているときのみ人体の脈派を測定することができる。したがって、脈派測定用発光部9が無用に発光することはないので、省電力化につながる。
5.第5の実施形態
図6と図7とに基づいて、パソコン操作用のマウス1に関する本願発明の第5実施形態について説明する。図6は、本願発明の第5の実施形態に係るパソコン操作用のマウス1の上面図である。図7は、本願発明の第5の実施形態に係るパソコン操作用のマウス1の概略断面図である。
【0043】
本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1は、マウス本体は光学式マウスを構成するものであり、マウス本体の内部に、脈派測定用発光部9からの光の向きを、マウス本体の移動方向及び移動量を計測するために発光する方向である底面方向と、計測位置部5方向とに相互に切替えることができる切換部18を有する。本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1では、移動測定用発光部7は設けられていない。脈派測定用発光部9が、移動測定用発光部7の役割も果たすからである。他の部分は、第一の実施形態におけるパソコン操作用のマウス1と同じである。
【0044】
[パソコン操作用のマウス1の構成]
本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1は、切換部18を構成する内部回転盤181と外部回転盤182と連結軸183とを有する。内部回転盤181はマウス本体の内部に設けられている。また、外部回転盤182はマウス本体の外部の右側端部に設けられている。そして、内部回転盤181と外部回転盤182とは、回転可能な連結軸183を介して連結されている。そして、この連結軸183には、脈派測定用発光部9が取り付けられている。したがって、外部回転盤182を回すことで連結軸183が回転し、連結軸183の回転により脈派測定用発光部9の照射方向を切替えることができる。さらには、脈派測定用発光部9の発光方向を制限するための上側ストッパ19と下側ストッパ20とが、マウス本体内部に設けられている。
【0045】
上側ストッパ19は、脈派測定用発光部9が測定位置部5を照射する範囲まで脈派測定用発光部9が回転できるように設けられている。一方、下側ストッパ20は、マウス本体の底面方向まで脈派測定用発光部9が回転できるように設けられている。なお、上側ストッパ19と下側ストッパ20とは、それぞれ設けなくても構わない。
【0046】
[パソコン操作用のマウス1の作用効果]
本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1では、外部回転盤182を回転させることで脈派測定用発光部9の発光方向を、マウス本体の底面方向と計測位置部5方向とに相互に切替えることができる。したがって、マウス本体の移動方向及び移動量を計測するために必要な発光機能と、指先Pの脈派の計測をするために必要な発光機能とを、脈派測定用発光部9で兼用することができる。そのため、移動測定用発光部7を設ける必要が無く、部品点数が減る。
【0047】
さらには、上側ストッパ19と下側ストッパ20とを設けたことで、脈派測定用発光部9の発光方向を制限することができ、脈派測定用発光部9の発光方向を容易に調整できる。
6.第6の実施形態
図8に基づいて、パソコン操作用のマウス1に関する本願発明の第6実施形態について説明する。図8は、本願発明の第6の実施形態に係るパソコン操作用のマウス1の概略断面図である。
【0048】
本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1は、マウス本体は光学式マウスを構成するものであり、マウス本体の移動方向及び移動量を計測する光と人体の脈派を計測する光とを脈派測定用発光部9からの光で兼用するように、脈派測定用発光部9からの光を分割する光分割部21を有する。本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1では、移動測定用発光部7は設けられていない。脈派測定用発光部9が、移動測定用発光部7の役割も果たすからである。他の部分は、第一の実施形態におけるパソコン操作用のマウス1と同じである。
【0049】
[パソコン操作用のマウス1の構成]
本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1は、マウス本体の内部であって、脈派測定用発光部9からの発光方向に光分割部21を有する。本実施形態において、光分割部21はハーフミラー(semitransparent mirror)である。光分割部21において反射された光はマウス本体の底面方向を発光するように、光分割部21は配置されている。さらに、反射板22がマウス本体の内部に設けられている。この反射板22によって光分割部21を透過した脈派測定用発光部9からの光は反射される。そして、この反射された光が計測位置部5方向を発光するように、反射板22は設けられている。
【0050】
[パソコン操作用のマウス1の作用効果]
本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1では、光分割部21が脈派測定用発光部9からの光を分割することで、マウス本体の底面方向と計測位置部5方向とを発光することができる。したがって、マウス本体の移動方向及び移動量を計測するために必要な発光機能と、指先Pの脈派の計測をするために必要な発光機能とを、脈派測定用発光部9で兼用することができる。そのため、移動測定用発光部7を設ける必要が無く、部品点数が減る。さらには、マウス本体の底面方向と計測位置部5方向とを同時に発光することができるので、パソコン用のマウス1として使用しながら、指先Pの脈派の測定を行うこともできる。
【符号の説明】
【0051】
1 パソコン操作用のマウス
2 左クリックボタン
5 計測位置部
6 カバー部
9 脈派測定用発光部
10 受光部
11 押圧部
14 制御部
15 シャッター部
16 指先検知部
17 第二制御部
18 切換部
21 光分割部
【技術分野】
【0001】
本願発明は、パソコン操作用のマウスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、特許文献1に示されるようなパソコン操作用のマウスが知られている。図9と図10とに示されるように、このマウス101には一対のクリックボタン102、103が設けられている。そして、ユーザの指先10Pを挿入可能な挿入用凹部106が、マウス101の後方に形成されている。この挿入用凹部106の奥の部分には、挿入された指先10Pに近赤外光を斜め方向から照射する近赤外光源109が配置されている。挿入用凹部106における近赤外光源109よりも凹部開口側には脈波検出部110が配置されている。脈波検出部110は、受光状態に基づき、指先末梢血管のヘモグロビンの移動を観測して脈波を計測するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−344375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示されるマウス101では、マウス101の後方に挿入用凹部106が設けられているため、測定の際にはユーザは指先Pをマウス101の表側面の後方に動かさなければならず、面倒であるという問題があった。
【0005】
本願発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その課題は、人体の脈派を得るための測定をより手軽にできるパソコン操作用のマウスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願発明のパソコン操作用のマウスは、マウス本体の前端部付近の上面の部分の左右各々にクリック部を有するパソコン操作用のマウスであり、前記両クリック部のいずれか一方をその上に置かれる指先から人体の脈波を測定する計測位置部とし、この計測位置部となるクリック部上に置かれる指先表面に対し同クリック部を通過させて光を照射する発光部と、前記指先表面で反射し、もしくは指先を透過した前記発光部からの光を受光する受光部とを備え、前記受光部における受光状態を検知して前記脈派が測定されるようになしたものであって、前記計測位置部となる前記クリック部の上方周辺に前記クリック部上に置かれる指先を覆って前記発光部から照射される光が漏出するのを防止するカバー部を設けてなるものである。
【0007】
又、前記計測位置部となるクリック部上に置かれる前記指先に圧力を加える押圧部を前記カバー部の内側に設けていることが好ましい。
【0008】
又、前記押圧部を前記カバー部の内側上方に設けて、この押圧部よる圧力が下方に向けて作用するようになしていることが好ましい。
【0009】
又、前記マウス本体の前端部付近の上面部分の左側に配置されるクリック部を前記計測位置部となるクリック部としていることが好ましい。
【0010】
又、前記発光部から照射された光及び前記指先表面で反射した光が透過される透光用窓を前記計測位置部となるクリック部に設けていることが好ましい。
【0011】
又、前記計測位置部となるクリック部を透光性材料で形成して、前記発光部から照射された光及び前記指先表面で反射した光が透過されるようになしていることが好ましい。
【0012】
又、前記発光部から前記計測位置部への光を遮るシャッター部を有していることが好ましい。
【0013】
又、前記計測位置部に指先が存在するか、存在しないかを検知する指先検知部と、前記指先検知部が、指先の存在を検知しているときのみ測定するように制御する第二制御部と、のそれぞれを前記マウス本体の内部に有していることが好ましい。
【0014】
又、前記マウス本体は、光学式マウスを構成するものであり、前記マウス本体の内部に、前記発光部からの光の向きを、前記マウス本体の移動方向及び移動量を計測するために発光する方向である底面方向と、前記計測位置部方向とに相互に切替えることができる切換部を有していることが好ましい。
【0015】
又、前記マウス本体は、光学式マウスを構成するものであり、前記マウス本体の移動方向及び移動量を計測する光と人体の脈派を計測する光とを前記発光部からの光が兼用するように、前記発光部からの光を分割する光分割部を前記マウス本体の内部に有していることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本願発明のパソコン操作用のマウスにおいては、クリック部を計測位置部としているので、測定の際に指先を動かす必要はない。したがって、人体の脈派を得るための測定をより手軽にできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本願発明の第1の実施形態に係るパソコン操作用のマウスの斜視図
【図2】本願発明の第1の実施形態に係るパソコン操作用のマウスの概略断面図
【図3】本願発明の第2の実施形態に係るパソコン操作用のマウスの概略断面図
【図4】本願発明の第3の実施形態に係るパソコン操作用のマウスの概略断面図
【図5】本願発明の第4の実施形態に係るパソコン操作用のマウスの概略断面図
【図6】本願発明の第5の実施形態に係るパソコン操作用のマウスの上面図
【図7】本願発明の第5の実施形態に係るパソコン操作用のマウスの概略断面図
【図8】本願発明の第6の実施形態に係るパソコン操作用のマウスの概略断面図
【図9】特許文献1で示されているパソコン操作用のマウスの概略構成図
【図10】特許文献1で示されているパソコン操作用のマウスの測定位置部及びカバー部近辺の概略構成図
【発明を実施するための形態】
【0018】
1.第1の実施形態
図1と図2とに基づいて、パソコン操作用のマウス1に関する本願発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本願発明の第1の実施形態に係るパソコン操作用のマウス1の斜視図である。図2は、本願発明の第1の実施形態に係るパソコン操作用のマウス1の概略断面図である。
【0019】
本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1は、マウス本体の前端部付近の上面の部分の左右各々にクリック部2、3を有するパソコン操作用のマウス1であり、前記両クリック部2、3のいずれか一方をその上に置かれる指先Pから人体の脈波を測定する計測位置部5とし、この計測位置部5となるクリック部2上に置かれる指先P表面に対し同クリック部2を通過させて光を照射する脈派測定用発光部9と、前記指先P表面で反射し、もしくは指先P表面を透過した前記脈派測定用発光部9からの光を受光する受光部10とを備え、この脈派測定用発光部9からの光が前記指先P表面で反射した光を受光する受光部10と、を前記マウス本体内に備え、前記受光部10における受光状態を検知して前記脈派が測定されるようになしたものであって、前記計測位置部5となる前記クリック部2の上方周辺に前記クリック部2上に置かれる指先Pを覆って前記発光部9から照射される光が漏出するのを防止するカバー部6を設けてなるものである。また、前記マウス本体の前端部付近の上面部分の左側に配置されるクリック部2を前記計測位置部5となるクリック部2としたものである。前記脈派測定用発光部9から照射された光及び前記指先P表面で反射した光が透過される透光用窓51を前記計測位置部5となるクリック部2に設けたものである。ここでマウス本体とは、パソコン操作用のマウス1の筐体のことをいう。
【0020】
[パソコン操作用のマウス1の構成]
本実施形態のパソコン操作用のマウス1の構成を図1と図2とに基づいて説明する。
【0021】
図1に示すように、パソコン操作用のマウス1は、その表側面にクリック部である左クリックボタン2と右クリックボタン3とが設けられており、さらには、左クリックボタン2と右クリックボタン3との間にスクロールする中央クリックボタン4が設けられている。左クリックボタン2には光を通すための透光用窓51が設けられている。この透光用窓51で囲まれる範囲が、計測位置部5となっている。
【0022】
そして、この計測位置部5を覆うように、カバー部6がパソコン操作用のマウス1に設けられている。カバー部6は、前壁部61と左壁部62と天上壁部63とを有しており、後側と右側とが開口されているものである。
【0023】
カバー部6は、光を通さない材質であれば何でもよい。本実施形態においては、汎用プラスチック製のものを用いている。
【0024】
図2に示すように、マウス本体の内部には、移動測定用発光部7と、イメージセンサ8とが設けられている。移動測定用発光部7はLEDである。移動測定用発光部7は、マウス本体の底面に向かって発光するように設けられている。移動測定用発光部7とイメージセンサ8とは、パソコン操作用のマウス1の移動方向と移動量とを測るために用いられるものである。さらに、マウス本体の内部には、脈派測定用発光部9と受光部10とが設けられている。脈派測定用発光部9はLEDである。脈派測定用発光部9は、計測位置部5に向かって発光するように設けられている。より具体的には、カバー部6の挿入側である手前方向から奥方向に向かって発光するように、脈派測定用発光部9は設けられている。このように、カバー部6の奥方向に向かって発光するように脈派測定用発光部9が設けられることで、脈派測定用発光部9からの光がカバー部6の内部からより漏れにくくなる。
【0025】
受光部10は、マウス本体の内部であって、計測位置部5に置かれた指先Pで反射された光を受光する位置に設けられている。受光部10は、フォトダイオードである。なお、本実施形態において、計測位置部5は、左クリックボタン2に設けられているので、指先Pは第二指の指先である。
【0026】
なお、左クリックボタン2の表面全体を透光性材料で形成して、脈派測定用発光部9から発光された光及び指先P表面で反射した光が透過されるようになしてもかまわない。
【0027】
なお、受光部10を、カバー部6の内側であって、脈派測定用発光部9からの光の延長上に設ければ、指先P表面を透過した光を測定することができる。
【0028】
なお、本実施形態におけるマウス本体は光学式マウスではあるが、パソコン操作用のマウス1であれば、何でもよい。
【0029】
[パソコン操作用のマウス1の作用効果]
このように、左クリックボタン2を計測位置部5としているので、人体の脈派の計測の際には、指先Pを左クリックボタン2上から移動する必要がなく、手軽に人体の脈派の計測ができる。
【0030】
2.第2の実施形態
図3に基づいて、パソコン操作用のマウス1に関する本願発明の第2の実施形態について説明する。図3は、本願発明の第2の実施形態に係るパソコン操作用のマウス1の概略断面図である。
【0031】
本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1は、計測位置部5となるクリック部2上に置かれる指先Pに圧力を加える押圧部11をカバー部6の内側に設けたものである。より具体的には、押圧部11をカバー部6の内側上方に設けて、この押圧部11よる圧力が下方に向けて作用するようになしたものである。他の部分は、第一の実施形態におけるパソコン操作用のマウス1と同じである。
【0032】
[パソコン操作用のマウス1の構成]
本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1は、カバー部6の前壁部61にヒンジ12が設けられている。このヒンジ12により、カバー部6の内側に押圧部11が設けられる。さらには、カバー部6の天上壁部63の内側に弾性体であるコイルバネ13が設けられている。コイルバネ13は、カバー部6と押圧部11との間に介在するように設けられている。
【0033】
本実施形態において、押圧部11として、クッション性のあるものを用いる。なお、カバー部6の内面に押圧部11を直接配置してもかまわない。また、ヒンジ部12を用いず弾性体13だけでもよいし、弾性体13を用いずヒンジ部12だけでもよい。
【0034】
[パソコン操作用のマウス1の作用効果]
本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1では、カバー部6の内面に押圧部11が配置されているので、人体の脈派を得るための指先Pを適度に押圧でき、その結果、より精度が良い測定結果を得ることができる。さらに、押圧部11が、カバー部6の内面にコイルバネ13を介して設けられているので、より適度に押圧できる。さらに、押圧部11が、カバー部6の内面にヒンジ12を介して設けられているので、より適度に押圧できる。
【0035】
3.第3の実施形態
図4に基づいて、パソコン操作用のマウス1に関する本願発明の第3の実施形態について説明する。図4は、本願発明の第3の実施形態に係るパソコン操作用のマウス1の概略断面図である。
【0036】
本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1は、脈派測定用発光部9から計測位置部5への光を遮るシャッター部14を有するものである。他の部分は、第一の実施形態におけるパソコン操作用のマウス1と同じである。
【0037】
[パソコン操作用のマウス1の構成]
本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1は、測定位置部5の上に脈派測定用発光部9から計測位置部5への光を遮るシャッター部14を有している。シャッター部14が閉じられているときには、マウス本体1とシャッター部14とが略面一になるように、マウス本体内にシャッター部14が設けられている。シャッター部14の開閉は、突起部15をつまみ、突起部15を開閉方向に手動で移動させることによって行われるようになしている。より詳細に説明すると、突起部15が開方向に移動されるとシャッター部14が折りたたまれるようになしている。なお、シャッター部14の開閉を行う手段は特に限定されない。
【0038】
[パソコン操作用のマウス1の作用効果]
本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1では、脈派測定用発光部9からの光がマウス本体の内部から外部に出ないように、シャッター部15が脈派測定用発光部9からの光を遮るので、眩しさをより低減することができる。
4.第4の実施形態
図5に基づいて、パソコン操作用のマウス1に関する本願発明の第4実施形態について説明する。図5は、本願発明の第4の実施形態に係るパソコン操作用のマウス1の概略断面図である。
【0039】
本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1は、計測位置部5に指先である指先Pが存在するか、存在しないかを検知する指先検知部16と、指先検知部16が指先Pの存在を検知しているときのみ測定するように制御する第二制御部17と、のそれぞれをマウス本体の内部に有する。他の部分は、第一の実施形態におけるパソコン操作用のマウス1と同じである。
【0040】
[パソコン操作用のマウス1の構成]
本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1は、マウス本体の内部側で測定位置部5と略密接するように指先検知部16が設けられている。そして、第二制御部17と指先検知部16とが電気的に接続されている。さらには、第二制御部17と脈派測定用発光部9とも電気的に接続されている。第二制御部17は、指先検知部16が指先Pを検知しているときのみ、脈派測定用発光部9が発光するように制御するものである。つまり、指先検知部16が指先Pを検知していないときには、脈派測定用発光部9が発光しないように制御するものである。
【0041】
本実施形態において、指先検知部16は指先Pの温度を検知するものである。なお、指先Pの温度を検知するものに限らず、指先の存在を検知することができるものであれば、指先検知部16は何でもよい。
【0042】
[パソコン操作用のマウス1の作用効果]
本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1では、指先検知部16が指先Pの存在を検知しているときのみ脈派測定用発光部9が発光するので、指先検知部16が指先Pの存在を検知しているときのみ人体の脈派を測定することができる。したがって、脈派測定用発光部9が無用に発光することはないので、省電力化につながる。
5.第5の実施形態
図6と図7とに基づいて、パソコン操作用のマウス1に関する本願発明の第5実施形態について説明する。図6は、本願発明の第5の実施形態に係るパソコン操作用のマウス1の上面図である。図7は、本願発明の第5の実施形態に係るパソコン操作用のマウス1の概略断面図である。
【0043】
本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1は、マウス本体は光学式マウスを構成するものであり、マウス本体の内部に、脈派測定用発光部9からの光の向きを、マウス本体の移動方向及び移動量を計測するために発光する方向である底面方向と、計測位置部5方向とに相互に切替えることができる切換部18を有する。本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1では、移動測定用発光部7は設けられていない。脈派測定用発光部9が、移動測定用発光部7の役割も果たすからである。他の部分は、第一の実施形態におけるパソコン操作用のマウス1と同じである。
【0044】
[パソコン操作用のマウス1の構成]
本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1は、切換部18を構成する内部回転盤181と外部回転盤182と連結軸183とを有する。内部回転盤181はマウス本体の内部に設けられている。また、外部回転盤182はマウス本体の外部の右側端部に設けられている。そして、内部回転盤181と外部回転盤182とは、回転可能な連結軸183を介して連結されている。そして、この連結軸183には、脈派測定用発光部9が取り付けられている。したがって、外部回転盤182を回すことで連結軸183が回転し、連結軸183の回転により脈派測定用発光部9の照射方向を切替えることができる。さらには、脈派測定用発光部9の発光方向を制限するための上側ストッパ19と下側ストッパ20とが、マウス本体内部に設けられている。
【0045】
上側ストッパ19は、脈派測定用発光部9が測定位置部5を照射する範囲まで脈派測定用発光部9が回転できるように設けられている。一方、下側ストッパ20は、マウス本体の底面方向まで脈派測定用発光部9が回転できるように設けられている。なお、上側ストッパ19と下側ストッパ20とは、それぞれ設けなくても構わない。
【0046】
[パソコン操作用のマウス1の作用効果]
本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1では、外部回転盤182を回転させることで脈派測定用発光部9の発光方向を、マウス本体の底面方向と計測位置部5方向とに相互に切替えることができる。したがって、マウス本体の移動方向及び移動量を計測するために必要な発光機能と、指先Pの脈派の計測をするために必要な発光機能とを、脈派測定用発光部9で兼用することができる。そのため、移動測定用発光部7を設ける必要が無く、部品点数が減る。
【0047】
さらには、上側ストッパ19と下側ストッパ20とを設けたことで、脈派測定用発光部9の発光方向を制限することができ、脈派測定用発光部9の発光方向を容易に調整できる。
6.第6の実施形態
図8に基づいて、パソコン操作用のマウス1に関する本願発明の第6実施形態について説明する。図8は、本願発明の第6の実施形態に係るパソコン操作用のマウス1の概略断面図である。
【0048】
本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1は、マウス本体は光学式マウスを構成するものであり、マウス本体の移動方向及び移動量を計測する光と人体の脈派を計測する光とを脈派測定用発光部9からの光で兼用するように、脈派測定用発光部9からの光を分割する光分割部21を有する。本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1では、移動測定用発光部7は設けられていない。脈派測定用発光部9が、移動測定用発光部7の役割も果たすからである。他の部分は、第一の実施形態におけるパソコン操作用のマウス1と同じである。
【0049】
[パソコン操作用のマウス1の構成]
本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1は、マウス本体の内部であって、脈派測定用発光部9からの発光方向に光分割部21を有する。本実施形態において、光分割部21はハーフミラー(semitransparent mirror)である。光分割部21において反射された光はマウス本体の底面方向を発光するように、光分割部21は配置されている。さらに、反射板22がマウス本体の内部に設けられている。この反射板22によって光分割部21を透過した脈派測定用発光部9からの光は反射される。そして、この反射された光が計測位置部5方向を発光するように、反射板22は設けられている。
【0050】
[パソコン操作用のマウス1の作用効果]
本実施形態におけるパソコン操作用のマウス1では、光分割部21が脈派測定用発光部9からの光を分割することで、マウス本体の底面方向と計測位置部5方向とを発光することができる。したがって、マウス本体の移動方向及び移動量を計測するために必要な発光機能と、指先Pの脈派の計測をするために必要な発光機能とを、脈派測定用発光部9で兼用することができる。そのため、移動測定用発光部7を設ける必要が無く、部品点数が減る。さらには、マウス本体の底面方向と計測位置部5方向とを同時に発光することができるので、パソコン用のマウス1として使用しながら、指先Pの脈派の測定を行うこともできる。
【符号の説明】
【0051】
1 パソコン操作用のマウス
2 左クリックボタン
5 計測位置部
6 カバー部
9 脈派測定用発光部
10 受光部
11 押圧部
14 制御部
15 シャッター部
16 指先検知部
17 第二制御部
18 切換部
21 光分割部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マウス本体の前端部付近の上面の部分の左右各々にクリック部を有するパソコン操作用のマウスであり、
前記両クリック部のいずれか一方をその上に置かれる指先から人体の脈波を測定する計測位置部とし、この計測位置部となるクリック部上に置かれる指先表面に対し同クリック部を通過させて光を照射する発光部と、前記指先表面で反射し、もしくは指先表面を透過した前記発光部からの光を受光する受光部とを備え、前記受光部における受光状態を検知して前記脈派が測定されるようになしたものであって、
前記計測位置部となる前記クリック部の上方周辺に前記クリック部上に置かれる指先を覆って前記発光部から照射される光が漏出するのを防止するカバー部を設けてなる
ことを特徴とするパソコン操作用のマウス。
【請求項2】
前記計測位置部となるクリック部上に置かれる前記指先に圧力を加える押圧部を前記カバー部の内側に設けた
ことを特徴とする請求項1記載のパソコン操作用のマウス。
【請求項3】
前記押圧部を前記カバー部の内側上方に設けて、この押圧部よる圧力が下方に向けて作用するようになした
ことを特徴とする請求項2記載のパソコン操作用のマウス。
【請求項4】
前記マウス本体の前端部付近の上面部分の左側に配置されるクリック部を前記計測位置部となるクリック部とした
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のパソコン操作用のマウス。
【請求項5】
前記発光部から照射された光及び前記指先表面で反射した光が透過される透光用窓を前記計測位置部となるクリック部に設けた
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のパソコン操作用のマウス。
【請求項6】
前記計測位置部となるクリック部を透光性材料で形成して、前記発光部から照射された光及び前記指先表面で反射した光が透過されるようになした
ことを特徴する請求項1から4のいずれかに記載のパソコン操作用のマウス。
【請求項7】
前記発光部から前記計測位置部への光を遮るシャッター部を有する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のパソコン操作用のマウス。
【請求項8】
前記計測位置部に指先が存在するか、存在しないかを検知する指先検知部と、
前記指先検知部が、指先の存在を検知しているときのみ測定するように制御する第二制御部と、のそれぞれを前記マウス本体の内部に有する
ことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のパソコン操作用のマウス。
【請求項9】
前記マウス本体は、光学式マウスを構成するものであり、
前記マウス本体の内部に、前記発光部からの光の向きを、前記マウス本体の移動方向及び移動量を計測するために発光する方向である底面方向と前記計測位置部方向とを相互に切替えることができる切換部を、マウス本体内部に有する
ことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のパソコン操作用のマウス。
【請求項10】
前記マウス本体は、光学式マウスを構成するものであり、
前記マウス本体の移動方向及び移動量を計測する光と人体の脈派を計測する光とを前記発光部からの光が兼用するように、前記発光部からの光を分割する光分割部を有する
ことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のパソコン操作用のマウス。
【請求項1】
マウス本体の前端部付近の上面の部分の左右各々にクリック部を有するパソコン操作用のマウスであり、
前記両クリック部のいずれか一方をその上に置かれる指先から人体の脈波を測定する計測位置部とし、この計測位置部となるクリック部上に置かれる指先表面に対し同クリック部を通過させて光を照射する発光部と、前記指先表面で反射し、もしくは指先表面を透過した前記発光部からの光を受光する受光部とを備え、前記受光部における受光状態を検知して前記脈派が測定されるようになしたものであって、
前記計測位置部となる前記クリック部の上方周辺に前記クリック部上に置かれる指先を覆って前記発光部から照射される光が漏出するのを防止するカバー部を設けてなる
ことを特徴とするパソコン操作用のマウス。
【請求項2】
前記計測位置部となるクリック部上に置かれる前記指先に圧力を加える押圧部を前記カバー部の内側に設けた
ことを特徴とする請求項1記載のパソコン操作用のマウス。
【請求項3】
前記押圧部を前記カバー部の内側上方に設けて、この押圧部よる圧力が下方に向けて作用するようになした
ことを特徴とする請求項2記載のパソコン操作用のマウス。
【請求項4】
前記マウス本体の前端部付近の上面部分の左側に配置されるクリック部を前記計測位置部となるクリック部とした
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のパソコン操作用のマウス。
【請求項5】
前記発光部から照射された光及び前記指先表面で反射した光が透過される透光用窓を前記計測位置部となるクリック部に設けた
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のパソコン操作用のマウス。
【請求項6】
前記計測位置部となるクリック部を透光性材料で形成して、前記発光部から照射された光及び前記指先表面で反射した光が透過されるようになした
ことを特徴する請求項1から4のいずれかに記載のパソコン操作用のマウス。
【請求項7】
前記発光部から前記計測位置部への光を遮るシャッター部を有する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のパソコン操作用のマウス。
【請求項8】
前記計測位置部に指先が存在するか、存在しないかを検知する指先検知部と、
前記指先検知部が、指先の存在を検知しているときのみ測定するように制御する第二制御部と、のそれぞれを前記マウス本体の内部に有する
ことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のパソコン操作用のマウス。
【請求項9】
前記マウス本体は、光学式マウスを構成するものであり、
前記マウス本体の内部に、前記発光部からの光の向きを、前記マウス本体の移動方向及び移動量を計測するために発光する方向である底面方向と前記計測位置部方向とを相互に切替えることができる切換部を、マウス本体内部に有する
ことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のパソコン操作用のマウス。
【請求項10】
前記マウス本体は、光学式マウスを構成するものであり、
前記マウス本体の移動方向及び移動量を計測する光と人体の脈派を計測する光とを前記発光部からの光が兼用するように、前記発光部からの光を分割する光分割部を有する
ことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のパソコン操作用のマウス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2013−59372(P2013−59372A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197991(P2011−197991)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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