説明

パソコン連携ファクシミリユニット

【課題】パーソナルコンピュータから常時通電状態にする必要がある送受信FAXモデムを独立させ、FAXの送受信と保存だけを役割とするファクシミリユニットをパーソナルコンピュータと連携させたパソコン連携ファクシミリユニットを提供する。
【解決手段】パーソナルコンピュータと別電源を備えることにより常時電話回線を受信する受信手段と、受信手段で受信したデータ信号を保存するデータ信号保存手段とを備えたファクシミリユニットをパーソナルコンピュータに接続し、起動させたパーソナルコンピュータからデータ信号保存手段に保存されたデータ信号を読み出して、パーソナルコンピュータのディスプレイ画面に表示することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単独受信機能を有するパソコン連携ファクシミリユニットに関し、特に、常時通電状態にする必要がある送受信FAXモデムをパーソナルコンピュータから独立させることにより、家庭用パーソナルコンピュータとファクシミリ装置の連携を改善したパソコン連携ファクシミリユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ファクシミリ装置とパーソナルコンピュータの家庭における普及率は目覚ましいものがある。一般のファクシミリ装置は、原稿の画像を読み取る読取部(イメージスキャナー)、画像データを印刷する印刷部(プリンター)、電話回線に接続する送受信モデム、送受信モデムで受信したデータを保存する保存部(メモリー)、システムを動作状態にする電源部から構成される。
【0003】
又、家庭用パーソナルコンピュータは、キーボード、ディスプレー、CPU本体、CPU本体にUSBで接続された外部メモリー、プリンター、スキャナーから構成され、両者とも、受信、保存、印字、読取、送信の機能を全て有している。
【0004】
一方、両者の重複した機能を統一するため、ファクシミリ機能を内蔵したパーソナルコンピュータが登場し、その構成は、図5に示すように、パーソナルコンピュータ70にFAX通信ソフトを組み込み、送受信FAXモデム71をパーソナルコンピュータ70に接続したものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなファクシミリ機能を内蔵したパーソナルコンピュータでFAXを受信する場合、パーソナルコンピュータの電源を常時通電状態にして送受信FAXモデムを待機させておく必要がある。ところが、特に家庭用パーソナルコンピュータの場合は24時間、365日の長時間連続運転をするように設計されてないので、耐久性の問題があった。また、長時間連続運転をすると、消費電力、騒音等の問題が大きかった。
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、パーソナルコンピュータから常時通電状態にする必要がある送受信FAXモデムを独立させ、FAXの送受信と保存だけを役割とするファクシミリユニットを家庭用パーソナルコンピュータと連携させたパソコン連携ファクシミリユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、パーソナルコンピュータと別電源を備えることにより常時電話回線を受信する受信手段と、受信手段で受信したデータ信号を保存するデータ信号保存手段とを備えたファクシミリユニットをパーソナルコンピュータに接続し、起動させたパーソナルコンピュータからデータ信号保存手段に保存されたデータ信号を読み出して、パーソナルコンピュータのディスプレイ画面に表示することを特徴とするパソコン連携ファクシミリユニットである。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1記載のパソコン連携ファクシミリユニットであって、ディスプレイ画面に表示したデータのうち必要なデータのみを取り出し、パーソナルコンピュータに接続されたプリンタで印刷することを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項1記載のパソコン連携ファクシミリユニットであって、データ信号保存手段にデータ信号が保存されたことを知らせるメッセージ確認LEDを備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載のパソコン連携ファクシミリユニットによれば、パーソナルコンピュータと別電源を備えることにより常時電話回線を受信する受信手段と、受信手段で受信したデータ信号を保存するデータ信号保存手段とを備えたファクシミリユニットをパーソナルコンピュータに接続し、起動させたパーソナルコンピュータからデータ信号保存手段に保存されたデータ信号を読み出して、パーソナルコンピュータのディスプレイ画面に表示するので、常時、パーソナルコンピュータの電源を通電状態にする必要はない。
【0011】
また、ディスプレイ画面に表示したデータのうち必要なデータのみを取り出し、パーソナルコンピュータに接続されたプリンタで印刷することができるので、パソコン連携ファクシミリユニットにプリンタ機能をもつ必要はない。
【0012】
さらに、データ信号保存手段にデータ信号が保存されたことを知らせるメッセージ確認LEDを備えたので、データ信号が保存されたことを事前に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のパソコン連携ファクシミリユニットのシステム構成図である。
【図2】同、ファクシミリユニットのブロック図である。
【図3】同、受信動作の説明図である。
【図4】同、送信動作の説明図である。
【図5】従来の送受信FAXモデムを用いたシステム構成図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係るパソコン連携ファクシミリユニットの実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【実施例】
【0015】
図1に示したパソコン連携ファクシミリユニットのシステム構成図において、1は常時通電状態にする必要がある送受信FAXモデムをパーソナルコンピュータから独立させたファクシミリユニット(以下、PC−FAX)、2は家庭用パーソナルコンピュータであり、両者はUSBケーブルで接続されている。家庭用パーソナルコンピュータ2はCPU制御部、主メモリを搭載した主装置21、ディスプレイ22、キーボード23を備え、外部記憶装置(メモリー)3、プリンター4、スキャナー5がUSBケーブルで接続されている。
【0016】
PC−FAX1は、図2に示したように、FAX信号、データ信号を相互に変換して送受信するFAXモデム部(送信手段11、受信手段12)と、FAX信号から変換されたデータ信号を保存するデータ信号保存手段(メモリ)13と、データ信号保存手段13にデータ信号が保存されたことを知らせるメッセージ確認LED14と、PC−FAX1を常時通電状態にする電源部15とを備えている。FAXモデム部(送信手段11、受信手段12)は外線(FAX回線)FXに接続され、電源部15は商用電源ACに接続されている。
【0017】
次に、FAX信号を受信する動作を、図3を用いて説明する。PC−FAX1は電源部15が商用電源ACに接続され常時通電状態となっている。一方、パーソナルコンピュータ2は必要に応じて電源が投入される。FAX回線FXから着信があると、FAXモデム部受信手段12でFAX信号を受信しデータ信号に変換される。変換されたデータ信号は、受信日、受信時間、相手方電話番号とともにデータ信号保存手段(メモリ)13に順次記憶され、メッセージ確認LED14が点灯する。
【0018】
一方、パーソナルコンピュータ2の電源を投入するとファクシミリ連携ソフトが立ち上がり、自動的にPC−FAX1のデータ信号保存手段(メモリ)13にアクセスし、保存メモリ13に記憶されたデータを閲覧し、パーソナルコンピュータ2のディスプレイで表示する。ディスプレイに表示されたFAX内容を確認し、必要なものはプリンター4で印刷する。必要なければその場で削除することもできる。
【0019】
なお、メッセージ確認LED14が点灯しているか、または、点灯していないかで保存メモリ13にデータ信号が保存されているかを事前に知ることができるので、点灯していることを確認してパーソナルコンピュータ2の電源を投入できるので更に便宜となる。
【0020】
次に、FAX信号を送信する動作を、図4を用いて説明する。送信する原稿が文字データだけの場合は、パーソナルコンピュータ2の文書作成ソフトを使って、送信する原稿を作成し、パーソナルコンピュータ2の外部記憶装置(メモリー)3に保存する。送信する原稿が文字データだけでなく、絵や図面を含む場合は、スキャナー5を使って、送信する原稿をパーソナルコンピュータ2に取り込み外部記憶装置(メモリー)3に保存する。
【0021】
手動で送信操作をする場合、送信する原稿を選択し、相手方電話番号を付してPC−FAX1を経由してFAX回線FXに送る。また、自動で送信操作をする場合、送信する原稿を選択し、相手方電話番号、送信時間を指定する。指定時間になると相手方電話番号を参照して送信する原稿をFAX回線FXに送る。
【0022】
なお、PC−FAX1とパーソナルコンピュータ2の接続はUSBケーブルで接続されていると説明したが、無線で接続することも可能であり、その場合は、PC−FAX1とパーソナルコンピュータ2の距離が離れていても問題はない。また、パーソナルコンピュータ2と外部記憶装置(メモリー)3、プリンター4、スキャナー5の接続もUSBケーブルに限定されることはなく、従来のパラレル接続、或いは、接続スピードを速くできる高速ケーブル等を用いて接続することもできる。
【0023】
以上の説明から明らかなように、本発明のパソコン連携ファクシミリユニットは、パーソナルコンピュータと連携させたので、印刷、原稿読取は、パーソナルコンピュータのプリンタ、スキャナーを利用することができ、従来のファクシミリ装置に比べ、機器自体の大きさを小さくすることができるとともにコストも大幅に削減することができる。
【0024】
更に、パーソナルコンピュータと別電源を備えることにより常時電話回線を受信できるので、パーソナルコンピュータの電源を常時通電状態にする必要はなく、家庭用パーソナルコンピュータであっても、耐久性、消費電力、騒音等の問題がなくなる。
【符号の説明】
【0025】
1 ファクシミリユニット(PC−FAX)
11 送信手段(FAXモデム部)
12 受信手段(FAXモデム部)
13 データ信号保存手段(メモリ)
14 メッセージ確認LED
15 電源部
2 パーソナルコンピュータ
3 外部記憶装置(メモリー)
4 プリンター
5 スキャナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーソナルコンピュータと別電源を備えることにより常時電話回線を受信する受信手段と、受信手段で受信したデータ信号を保存するデータ信号保存手段とを備えたファクシミリユニットをパーソナルコンピュータに接続し、起動させたパーソナルコンピュータから前記データ信号保存手段に保存されたデータ信号を読み出して、パーソナルコンピュータのディスプレイ画面に表示することを特徴とするパソコン連携ファクシミリユニット。
【請求項2】
前記ディスプレイ画面に表示したデータのうち必要なデータのみを取り出し、パーソナルコンピュータに接続されたプリンタで印刷することを特徴とする請求項1記載のパソコン連携ファクシミリユニット。
【請求項3】
前記データ信号保存手段にデータ信号が保存されたことを知らせるメッセージ確認LEDを備えたことを特徴とする請求項1記載のパソコン連携ファクシミリユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−229034(P2011−229034A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98343(P2010−98343)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(599148938)
【Fターム(参考)】