説明

パターンド磁気ディスクの平坦化に適合するサーボパターニングおよび書き込み

【課題】磁気ディスクの平坦化に適合するサーボパターニングを提供する。
【解決手段】ディスクドライブシステムは、磁性ランドおよび非磁性溝でパターン化された磁気ディスク110を含む。磁気ディスクは、直径内側部にブートストラップバンド310を含む。ブートストラップバンドの磁性ランドは様々なサイズを有し、サーボデータを表す。ブートストラップバンドの幅は、スライダの空気軸受面より狭い。スライダはブートストラップバンドからサーボデータを読み取って、データトラックへサーボデータを書き込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はディスクドライブシステムに関し、特に、磁気ディスク上のデータとスライダとの整列を支援するパターンドサーボ領域を有する磁気ディスクに関する。
【背景技術】
【0002】
多くのコンピューティングシステムは、情報の大容量記憶のために磁気ディスクドライブシステムを使用する。磁気ディスクドライブシステムは一般に、読み取りヘッドおよび書き込みヘッドを含む1つ以上のスライダを含む。アクチュエータ/サスペンションアームは、磁気ディスクの上方にスライダを保持する。磁気ディスクが回転すると、磁気ディスクの回転によって生じた空気の流れによって、スライダの空気軸受面(ABS:air bearing surface)は磁気ディスクよりも特定の高さ上方を飛行することとなる。スライダが飛行する高さはABSの形状に依存する。スライダが空気軸受上を飛行するので、ボイスコイルモータ(VCM)はアクチュエータ/サスペンションアームを移動させて、磁気ディスクの選択トラック上に読み取りヘッドおよび書き込みヘッドを位置決めする。
【0003】
磁気ディスクはデータセクタおよびサーボセクタを含む。サーボセクタは、セクタ情報、タイミング情報、位置決め情報などを提供するために使用されるサーボデータを含む。例えばサーボデータは、セクタID、トラックID、およびサーボバーストを含み得る。セクタIDは、セクタを識別する2進コードを含むサーボセクタにおけるフィールドである。サーボセクタは一般的にトラックの周辺に連続的にラベル付けされる(例えば、トラックが250個のサーボセクタを有する場合にはセクタ#1〜セクタ#250)。トラックIDを読み取ることによって、読み取りヘッドは、それがどのトラックの上にあるのか判断することができる。サーボバーストは、読み取りヘッドによって読み取られるときに特定のトラックの中心に対する読み取りヘッドの位置に関する情報を提供する、特別に設計されたパターンを含むサーボセクタにおけるフィールドである。サーボバーストを読み取ることによって、読み取りヘッドがトラックの中心からどの程度離れているかを制御装置が判断できる。これら2つの情報を制御装置が使用して、ディスク上の読み取りヘッドまたはより具体的にはスライダの位置を判断する。セクタIDを読み取ることによって、制御装置は、どの回転部分の上に読み取りヘッドがあるか判断する。
【0004】
サーボパターンは、ディスク上のデータビットのサイズと比較して、ダウントラックおよびクロストラックの双方で磁気ディスクの横方向に比較的大きな空間的広がりを占めるパターン要素を含む。例えば、従来の磁気ディスクでは、2つの磁化極性を使用してサーボパターンを記録する。サーボヘッダは一般的に、一様に磁化された大きな極性領域を有する。各領域は、ディスク上の単一のデータビットと比較して遙かに大きくし得る。
【0005】
パターンドすなわちパターン化された磁気ディスクは、トラックの分離やビットの分離を良好にすることによって記録密度を高めるために最近出現したものである。例えば、磁性材料を除去して磁性材料の「ランド」を残すことによって、磁気ディスクにおいてナノスケールの非磁性溝をパターン化し得る。磁気ディスクに溝をパターニングすることによって、トラックをよりはっきりと区別することができるので、磁気ディスク上のデータの面密度を増やすためにより幅狭にすることができる。パターンド磁気ディスクには2つの形式がある:ディスクリートトラック媒体(DTM:Discrete Track Media)およびビットパターンド媒体(BPM:Bit Patterned Media)である。BPMでは、非磁性材料のクロス溝(例えば、トラック溝、および磁性材料の「アイランド」を残す、クロッシングビット溝)を介して個々のビットがパターン化され得る。これらの各々において、サーボパターンは一般的にディスクパターニングプロセス全体の一部として形成され得る。DTMでは、ディスクリートトラックが磁気ディスクにパターン化される。サーボパターンを形成する共通の1つの手法は、ディスク全体の直流(DC)磁化(すなわち、単極磁化)を使用して、磁性材料のある個所とない個所との間の信号コントラストによって読み取り可能なサーボパターンを形成し得るように、ディスクの磁性材料をビットランドにパターン化することである。
【0006】
このようにして従来のサーボパターン(例えば、サーボバーストパターン、セクタIDパターン、シリンダーIDパターン、同期および自動利得制御パターンなど)が形成される場合、非磁性材料の多くの領域は、異なる形状およびサイズを有する。これにより、信頼性のあるヘッド−ディスク境界面を形成するために重要である磁気ディスクの平坦化に重要な課題をもたらすこととなる。問題は、利用可能な平坦化方法の多くは、サーボパターンの導入によって生じたディスクの比較的大きな窪みを埋める処理が困難であることである。例えば、ある平坦化方法では、パターンド媒体に設計ルールを課している。液体ベースの平坦化では、液体が毛細管力によって溝を平坦化できるようにするために、全ての非磁性溝を特定の幅以下に構成する必要がある。真空蒸着/エッチバック平坦化などの乾式平坦化では、磁性ランド幅対非磁性溝幅の割合はどの箇所においても一定である必要がある。磁性ランド幅および非磁性溝幅がどの箇所においても確実に一定であるようにすることが好都合でもある。しかしながら、従来のサーボパターンでは、形状およびサイズが広範に変化するためこれが可能ではない。
【0007】
パターンド媒体では、サーボパターンの全てが、ドライブの寿命にわたって有効なサーボ信号を提供するために、好ましくはディスクの製造中DC磁化に依存する。そのようにすることは、追加的なサーボ書き込みを必要としない効果を有し、それにより、ディスク製造プロセス中の時間および費用を節約する。しかしながら、平坦化の一部の方法(例えば、真空蒸着および液体ポリマー充填)は、構造的特徴部(topographic features)の密度および幅に対して感度が高い。例えば、プロセスを、DTMディスクのデータ記録領域におけるパターンドトラック間の非磁性溝を埋めるために最適にする場合、同プロセスは、サーボパターンの密度および幅が実質的にDTMデータトラックの密度および幅から変化し得るため、パターンドサーボデータには不満足な結果をもたらし得る。コストおよび単純さの観点からは浸漬被覆/液体スピンオン工程が特に魅力的である;しかしながら、この方法はサーボパターンの特徴部を埋めることができないことが多い。そのような制限を回避するのに使用し得る1つの平坦化プロセスは、化学機械研磨(CMP)である;しかしながら、CMPは比較的高価かつ実施が困難であり、製造される磁気ディスクの全コストを増大させる。従って、平坦化方法に適合したままパターン化された磁気ディスクのパターニングを利用するサーボパターンを作製するニーズがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願明細書で説明する実施形態は、信頼性のあるヘッド−ディスク境界面を提供するための様々な平坦化方法に適合するサーボデータを提供する。ここで提示するサーボパターンは、作製プロセス中にサーボパターンの特徴部の一部分を設けることによって上述の設計ルールに適合する。それゆえ、単純化されたサーボ書き込み動作を使用して、完全なサーボパターンを形成する。一実施形態では、ブートストラップバンドは、単一の磁化極性にDC磁化される従来のサーボパターンをパターニングすることによって設計ルールを回避しさえもする。このブートストラップバンドが十分に狭い限り、スライダは、非磁性溝があまり平坦にされていなくても非磁性溝上を飛行する。
【0009】
一実施形態では、非磁性溝の大部分は、液体ベースの平坦化プロセス(例えば、浸漬被覆/液体スピンオン)によって平坦にされる。磁気ディスクのデータトラックへの後に続くサーボデータ書き込みを可能にする1つ以上の比較的幅狭バンドにおいて、磁気ディスクをブートストラップデータによってパターン化し得る。次いで、液体ベースの平坦化は毛細管力を利用して(leverage)、データ領域内(すなわち、ブートストラップバンドの外側)にある均一の狭い特徴部を平坦化する。ブートストラップバンドでは、トラックID、セクタID、およびサーボバーストのフィールドが、様々な幅の凹部領域(すなわち、磁気層がエッチングによって除去されている個所)を含む。典型的なエッチの深さは約10〜40nmであり、ビットパターンの幅は遥かに大きくし得る。それゆえ、エッチングされた窪みの一部は、比較的小さな高さ対幅のアスペクト比を有する。
【0010】
上述のように、そのような窪みは一般的に平坦化の点からは問題がある。平坦化は、非磁性溝をポリマー材料で埋める本潤滑剤浸漬プロセスと同様の比較的簡単な浸漬プロセスによって成し遂げられ得る。例えば、深さ46nm以下および幅30nm未満の溝は、浸漬後に磁気面の3nm内に平坦化される。次いで、浸漬後に紫外線硬化を使用して材料を適所に固定して、蒸発したり、空気圧および/または他の要因に屈したりしないようにする。上述のように、そのような平坦化は、非磁性溝の形状およびサイズが大きく異なるために、一般的にパターンドブートストラップサーボデータでは上手く機能しない。しかし、このデータを、スライダのABSが磁気ディスクの周囲のデータトラックに重なるのに十分な狭さであるバンドに構成し得る。
【0011】
一実施形態では、ディスクドライブシステムは、制御装置と、磁性ランドおよび非磁性溝でパターン化された磁気ディスクと、パターンド磁気ディスクからデータを読み取り、かつそこにデータを書き込むように動作可能なスライダとを含む。磁気ディスクは、磁気ディスクの直径内側部に構成されたブートストラップバンドを含む。ブートストラップバンドの磁性ランドは様々なサイズを有し、均一な磁化極性を有するサーボデータとしてパターン化されている。バンドの幅は、バンド外側の磁気ディスクの部分でスライダの空気軸受面を支持するのに十分に狭い。磁気ディスクはまた、ブートストラップバンドに近接して周囲に構成された複数のデータトラックを含む。スライダは、パターンドサーボデータを読み取ってサーボ信号を生成するように動作可能である。サーボ信号を制御装置によって処理して、データトラックへの追加的なサーボデータの書き込みを容易にする。
【0012】
磁気ディスクを、液体ベースの平坦化方法、例えば、非磁性溝を埋めることにより磁気ディスクの少なくとも一部分を平坦化するように動作可能な磁気ディスクに堆積された潤滑剤によって平坦化し得る。ブートストラップバンド外側の非磁性溝は、トラック溝、ビット溝、またはそれらの組み合わせを含み得る。ブートストラップバンド外側の非磁性溝の幅は実質的に均一とし得る。ブートストラップバンドの非磁性溝はトラック溝およびビット溝を含み得る。制御装置は、均一な磁化極性を確立するために、スライダにブートストラップバンドをDC磁化させるように動作可能とし得る。あるいは、磁気ディスクを強力なDC磁界に入れて、ディスクの磁性ランドを単極の状態で磁化する。制御装置は、パターンドサーボデータに基づいて磁気ディスクの偏心を決定し、かつ追加的なサーボデータをデータトラックに制御可能に書き込むために偏心を補償するように動作可能とし得る。制御装置は、パターンドサーボデータを処理して、追加的なサーボデータを書き込むためのデータトラックを識別するように動作可能とし得る。
【0013】
他の例示的な実施形態を以下説明し得る。
【0014】
本発明の一部の実施形態を以下、例としてのみ、添付の図面を参照して説明する。全図において、同じ参照符号は同じ要素または同じタイプの要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】例示的な実施形態におけるディスクドライブシステムを示す。
【図2】例示的な実施形態における磁気ディスクを示す。
【図3】例示的な実施形態における磁気ディスクのサーボパターンを示す。
【図4】例示的な実施形態における磁気ディスクのサーボパターンを示す。
【図5】例示的な実施形態における磁気ディスクのサーボパターンを示す。
【図6】例示的な実施形態における磁気ディスクのサーボパターンを示す。
【図7】例示的な実施形態における磁気ディスクのサーボパターンを示す。
【図8】例示的な実施形態におけるブートストラップサーボバンド内の読み取りヘッドおよび書き込みヘッドの整列および修正を示す。
【図9】例示的な実施形態におけるブートストラップサーボバンド内の読み取りヘッドおよび書き込みヘッドの整列および修正を示す。
【図10】例示的な実施形態における、サーボデータを磁気ディスクに書き込むための方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面および以下の説明は、本発明の特定の例示的な実施形態を説明する。それゆえ、ここでは明白に説明も図示もしないが、本発明の原理を具現化し、かつ本発明の範囲内に含まれる種々の構成を当業者が考案できることを理解されたい。さらに、ここで説明するいずれの例も本発明の原理の理解を助けるためのものであり、かつ、限定されることなく、そのような明確に説明した例および条件を構成するものである。その結果、本発明は、以下説明する特定の実施形態または例ではなく、特許請求の範囲およびその等価物によって限定される。
【0017】
図1に、ここで例示的に説明するような磁気ディスク110を含むのに好適である、典型的なディスクドライブシステム100の上から見た概略図を示す。ディスクドライブシステム100では、電動式スピンドル120の上に磁気ディスク110が回転可能に装着されている。読み取りヘッド130および書き込みヘッド140が上に作製されたスライダ122が、アクチュエータ150に装着されて、回転磁気ディスク110の表面上を「飛行する」。この点で、ディスクドライブシステム100はまた、ボイスコイルモータ(VCM)108に電流を印加するように動作可能な制御装置170を含んでアクチュエータ150の位置を制御する。ディスクドライブシステム100はまた、直径内側部のクラッシュ・ストップ160を含んで、磁気ディスク110の中心に対して固定半径に読み取りヘッド130および書き込みヘッド140を静止させて保持し得る。例えば、アクチュエータ150は、クラッシュ・ストップ160まで枢軸点175の周りで枢動して、読み取りヘッド130および書き込みヘッド140が磁気ディスク110の直径内側部における一定の点を越えて移動しないようにする。ディスクドライブシステム100は、簡潔にするために図示していない他の構成部品を含んでもよい。加えて、ディスクドライブシステム100内の一部の構成部品はハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または種々のこれらの組み合わせとして実装され得る。
【0018】
従来のサーボ書き込みでは、ディスクドライブシステム100のアクチュエータ150をクラッシュ・ストップ160に対して押圧し、次いで単一のトラックパターン、または半径を増大させながら一群の同心トラックパターンを書き込むことによって、円形のトラックパターンが形成される。同心トラックを十分に書き込んだら、読み取りヘッド130が、前に書き込まれたサーボデータを感知して、磁気ディスク110の表面全体に新しいサーボトラック(例えば、サーボバーストおよび完全なセクタ情報の双方)を伝搬できるようにする。すなわち、読み取りヘッド130をトラックのサーボパターン上に位置決めする一方で、書き込みヘッド140を、まだサーボが書き込まれていないトラック上に位置決めする。
【0019】
パターンド媒体の出現で、サーボ書き込みに新しい課題が生じている。例えば、トラックとスピンドル120とを同心円状に整列させることは実質的に不可能であるため、トラックの軌跡は一般的にスピンドル120の回転の中心と同心ではない。従って、サーボ書き込みプロセス中に実際のトラックの軌跡を感知して複製する。そうするために、ブートストラップサーボデータを、図2に例示的に示すように1つ以上の比較的幅狭なバンド310(例えば、10〜20μm幅)にパターン化して、パターンド磁気ディスクに付随する利点を利用し得る。例えば、ブートストラップバンド310を、ユーザデータが書き込まれていない磁気ディスク110のクラッシュ・ストップ圧縮領域内においてサーボデータによってパターン化し得る。サーボデータが磁性材料の様々なサイズのランドおよび非磁性材料の様々なサイズの溝として出現するように、各バンド310を構成し得る。磁性ランドをDC磁界に入れて、単極状態に磁性ランドを磁化し、磁性ランドと非磁性溝との間に磁気コントラストを確立して、磁気ディスク110のサーボセクタ320のデータトラックでのサーボデータ書き込みを容易にし得る。あるいは、書き込みヘッド140を、磁性ランドをDC磁化するように構成し得る。いずれの場合も、バンド310内のブートストラップサーボデータは、磁気ディスク110の偏心を補償しかつ後に続くサーボデータをトラックベースによってトラックに書き込むことができるようにすることにより、サーボセクタ320内において後に続くサーボデータ(例えば、トラックID、セクタID、シリンダーID、自動利得制御または「AGC」など)の書き込みを容易にし得る。トラックIDは、トラック(シリンダーと称すこともある)を識別する2進コードを含むサーボセクタにおけるフィールドである。上述のように、セクタIDは、セクタを識別する2進コードを含むサーボセクタ320におけるフィールドである。サーボセクタは一般的にトラックの周辺に連続的にラベル付けされる(例えば、トラックが250個のサーボセクタを有する場合にはセクタ#1〜セクタ#250)。トラックIDを読み取ることによって、読み取りヘッド130は、それがどのトラックの上にあるのか判断することができる。上述のように、サーボバーストは、読み取りヘッド130によって読み取られるときに、特定のトラックの中心に対する読み取りヘッド130の位置に関する情報を提供する、特別に設計されたパターンを含むサーボセクタ320におけるフィールドである。それゆえ、サーボバーストを読み取ることによって、読み取りヘッド130がトラックの中心からどの程度離れているかを制御装置170が判断できる。これら2つの情報を制御装置170が使用して、ディスク110上の読み取りヘッド130またはより具体的にはスライダ122の位置を判断する。セクタIDを読み取ることによって、制御装置170は、どの回転部分の上にヘッド130があるか判断する。
【0020】
磁気ディスク110のブートストラップバンド310の非磁性溝は、液体浸漬/スピンコート後に完全に平坦化されないかもしれないが、ブートストラップバンド310の外側のエリアにおいてスライダ122が十分なABSを有することを保証するように、各バンド310は十分に幅狭になる。換言すれば、スライダ122の幅は、ブートストラップサーボデータのバンド310よりも幅広である。それゆえ、スライダ122は、サーボデータのバンド310外側の磁気ディスク110のエリア上方のスライダ122の部分間の空気軸受で支持される。そのようにすることで、磁気ディスク110の、スライダの飛行高さを安定させる他の部分があるため、スライダ122が磁気ディスク110に衝突することを回避する(または飛行高さ修正/不安定な飛行を少なくとも制御する)。それゆえ、バンド310内の非磁性溝のサイズは、スライダ122の飛行高さにほとんど影響を及ぼさない。一般的に、スライダ上の読み取りヘッド130の位置は書き込みヘッド140の位置からオフセットしており、このオフセットは、ディスク上のトラックに対して垂直な成分を含んで、読み取りヘッド130をブートストラップバンド310上に位置決めする一方で、書き込みヘッド140をトラック(すなわち、ブートストラップバンド310の外側)に位置決めして、ブートストラップバンド310から外側への後に続くサーボ書き込みを容易にするようにする。
【0021】
スライダ122上の読み取りヘッドおよび書き込みヘッド130/140の相対位置が分かっており、「読み取りヘッド/書き込みオフセット」を測定する手順も分かっている。しかし、書き込みヘッド140の位置を直接測定することはできない(すなわち、センサではないため)。それゆえ、読み取りヘッド/書き込みオフセットおよび読み取りヘッドおよび書き込みヘッド130/140の相対位置、ならびにアクチュエータ150の公知の角度に関する情報を使用して、1つまたは複数の書き込みヘッド140をサーボ書き込みのための特定の位置に位置決めするために、読み取りヘッド130を配置する必要がある箇所を決定し得る。
【0022】
パターンドブートストラップサーボデータの(すなわち読み取りヘッド130を介した)読み取りから生じた信号を使用して、サーボ書き込みプロセスを開始する。ブートストラップパターンを、サーボセクタ320において使用されるのと同じタイプのサーボパターンの延長部として構成し得る一方、ブートストラップバンド310においては、異なるタイプのパターンを使用することが望ましいこともある。例えば、バンド310がパターン化されている磁気ディスク110のエリアはデータに使用されないため、面効率の点でサーボパターンのサイズを最小にする必要はない。そこで、ブートストラップバンド310を完全にサーボパターンで構成して、サーボ信号対雑音比(SNR)およびサーボバンド幅を増大させ得る。SNRの増大により、読み取りヘッド130からの必要な振幅を有利に小さくする。残りのデータセクタ240にあるトラック間の非磁性溝を埋めて、磁気ディスク110を平坦化させ、かつスライダ122の空気軸受面を支持する。バンド310の非磁性溝はデータセクタ240ほど平坦化され得ない。しかしながら、バンド310の幅が十分に幅狭であり、そのためバンド310の外側のデータトラックがスライダ122に必要な支持を与えるため、これは重要ではない。種々のサーボパターンの例を以下図3〜図7において詳細に説明する。
【0023】
図3に、様々なサイズの磁性ランド403および非磁性溝402のパターンとして構成し得る1つの例示的なブートストラップバンド310を示す。この実施形態では、ブートストラップバンド310を、データおよび後に書き込まれるサーボデータを記憶し得る複数のデータトラック401に近接する磁気ディスク110の直径内側部内に形成する。ブートストラップサーボデータは、磁性ランド403の形状がブートストラップサーボデータのデータビットを規定する単一の磁化極性から形成される。例えば、パターン405は、パターン405内の磁性ランド403における単一の磁化極性に基づく1010101のデータ流を表し得る。すなわち、磁性ランドの形状は、均一に分極されているため、データを表す。この点で、磁気ディスク110は、ブートストラップサーボデータがブートストラップバンド310内の磁性ランド403および非磁性溝402の構造パターニングから構成されるため、均一に磁化され得る。読み取りヘッド130がブートストラップバンド310上を横切って磁性ランド403および非磁性溝402のブートストラップパターンを読み取るように、スライダ122を位置決めし得る。
【0024】
ブートストラップバンド310のブートストラップサーボデータを読み取ると、ディスクドライブシステム100は、データトラック401内へのサーボデータの書き込みを開始し得る。例えば、図3では、読み取りヘッド130は、ブートストラップバンド310のパターンドサーボデータを読み取り得る。次いで、パターンドサーボデータは、ディスクドライブシステム100がサーボセクタ320においてデータトラック401に標準サーボデータを書き込むようにさせる。その際、ディスクドライブシステム100は個々のデータトラック401にサーボデータを磁気的に書き込み得る。すなわち、ディスクドライブシステム100は、図4に示すように、1つの磁化極性501または反対の1つの磁化極性502のいずれかとして各データトラック401にサーボデータの個々のビットを書き込み得る。加えて図3および図4には、1/2トラック分だけシフトされて、従来の4つのバーストサーボパターンの形成を支援するビットの領域420を示す。領域410の右側では、トラックはそれらの通常位置に戻る(すなわち、もはや1/2トラック分のシフトはされていない)。
【0025】
初めのブートストラップサーボパターンの場合、許容差を考慮することが、一般的にレイアウトの選択に影響を及ぼす。アクチュエータ150がクラッシュ・ストップ160に接触するときの読み取り/書き込みヘッド130/140の位置の許容差は一般的に大きい(例えば、数百μm)。これは、クラッシュ・ストップ160が、アクチュエータ150の衝撃を和らげるエラストマー材料で構成されているためである。クラッシュ・ストップ160における読み取り/書き込みヘッド130/140の位置を正確に決定できた場合、ヘッド半径に集中しているブートストラップパターンの単一バンドは、予期される最大限のトラックの振れ(例えば、磁気ディスク偏心などによる)を覆うのにちょうど十分な幅の半径幅で形成できた。一般的には位置を正確に決定できないため、全許容差範囲プラス偏心(例えば、数百μm幅)を受け入れるのに十分な幅を有するパターンドサーボデータを構成することが1つのオプションである。しかしながら、ブートストラップバンド310を幅広にしすぎると、スライダ122の空気軸受面(ABS)はもはや、ブートストラップバンド310の外側の適切な幅の領域によって支持されず、不安定な飛行やヘッドの衝突の危険性が生じる。
【0026】
クラッシュ・ストップ160は圧縮可能であるため、クラッシュ・ストップ160に対してアクチュエータ150を制御して圧縮することが可能である。幅狭ブートストラップバンド310(例えば、「クラッシュ・ストップ許容差ゾーン」)の間隔は比較的小さく、アクチュエータ150はブートストラップバンド310の少なくとも1つに達するように十分に遠くに移動可能とし得る。換言すれば、ブートストラップバンド310の各々の間の間隔は、一般的に、クラッシュ・ストップ160を制御して圧縮することによって読み取り/書き込みヘッド130/140を移動させ得る半径方向距離を超えない。これにより、ディスクドライブシステム100がブートストラップバンド310を見つけて、そこからサーボ書き込みプロセスを開始できるようにする。セルフサーボ書き込みを開始するバンドの外側に追加的なブートストラップバンド310がある場合、ディスクドライブシステム100は、追加的なブートストラップバンド310にわたる連続的なサーボ書き込みによって、制御した状態で追加的なブートストラップバンド310に到達し得る。複数のブートストラップバンド310が存在することによって、衝突のリスクを回避する。これは、ブートストラップバンド310間の間隔と比較して、特定のブートストラップバンド310の幅が比較的小さいためである。
【0027】
ブートストラップサーボパターンの1つの磁化極性について図示し説明したが、本発明はそれに限定されるものではない。むしろ、他の方法でサーボデータを構成/パターン化し得る。例えば、図5〜図7は、ブートストラップバンド310の外側の磁気ディスク110のデータ領域(すなわち、サーボセクタ320)に構成し得る種々のサーボパターンを示す。図5に、BPM磁気ディスクにサーボデータを書き込み得る/パターン化し得る方法を示す。例えば、磁気ディスク110が、均一な幅の非磁性溝602によって分離された磁性ランドの同じサイズのセル601/603からなるように、磁気ディスク110をBPM式にパターン化し得る。1つの磁化極性が論理1(例えば、セル601)および反対の磁化極性が論理0(例えば、セル603)を表すように、サーボデータを、セル601/603を用いて構成し得る。図6では、磁気ディスク110にサーボデータを書き込み得る/パターン化し得る別の例示的な方法を示す。この実施形態では、2つの磁化極性702および703を動作可能に分離するように、サーボデータを非磁性溝701によって磁気ディスク110にパターン化する。図5〜図7のサーボデータパターンは、潤滑剤による平坦化後にスライダ122がスライダ122と磁気ディスク110との間の空気軸受を保証する効果を有し得る。例えば、非磁性溝602および701の幅が均一であることによって、非磁性溝を潤滑剤で埋めて、スライダ122が磁気ディスク110の上方を実質的に均一な高さで確実に飛行できるようにする。別の実施形態では、サーボデータは、図7に示すように、DTM形式で書き込まれる。例えば、逆方向の磁化の個々のビット802/803は、非磁性溝によって分離されない;むしろ、トラック801が分離される。書き込みヘッド140は、磁気ディスク110のパターンドトラック801において反対の磁化極性のビットとしてサーボデータを書き込み得る(例えば、ビット802は論理0を表しおよびビット803は論理1を表す)。他の実施形態のように、磁気ディスク110を平坦にするために、非磁性溝805を、潤滑剤で埋められ得る均一な幅で構成して、この方式を支援する。図7のパターンの利点としては、逆方向の磁化領域間のダウントラック境界が挙げられる。これは、より正確な境界を可能とし、それゆえ、従来のサーボ書き込み単独で達成されるよりも正確な/雑音のない位置誤差信号(PES:position error signal)を可能にする。
【0028】
上述のように、図5〜図7に示すパターンは、ブートストラップバンド310の外側では全ての溝幅が均一であるため、液体平坦化に好適である。加えて、図5および図7に示すパターンは、一般的に均一なランド対溝比ならびに好ましくは均一なランド幅および溝幅を必要とする乾式平坦化用の設計ルールにも適合する。しかしながら、図6に示すパターンは、ランドの幅が様々であるため一般的に乾式平坦化には好適ではない。
【0029】
磁気ディスク110のトラックの偏心は、図8に示すように出現し得る。この偏心を、ブートストラップバンド310に対するスライダ122の正弦曲線軌跡として例示的に示す。各サーボセクタにおいてこの軌跡を決定するために、前送り手段によって補償を行って、読み取り/書き込みヘッド130/140が非同心経路を辿るようにする。一般的に、最もひどい偏心を受け入れるのに十分な広さの幅のブートストラップバンド310を有する必要はない。むしろ、ブートストラップバンド310が、ブートストラップバンド310を通るスライダ122の軌跡の一部分を捕えるのに十分な広さの幅である限り、偏心を計算しかつ補償できる。例えば、図9では、読み取り/書き込みヘッド130/140の軌跡がブートストラップバンド310からスライダ122をはみ出させるため、利用可能な情報が少ない。しかしながら、偏心を粗く補償するのには十分な情報が利用可能である。そのような粗い補償を行うことは、読み取り/書き込みヘッド130/140の軌跡を完全にブートストラップバンド310にもたらすのに十分であるので、偏心のより正確な決定をなすことができ、サーボ書き込みプロセスを開始可能にするために、十分に正確な補償を行うことができる。
【0030】
図10は、例示的な実施形態において磁気ディスク110にサーボ情報を書き込むための方法を示すフロー図1100である。この実施形態では、磁気ディスク110は、工程要素1110において非磁性溝および磁性ランドによってパターン化される。ブートストラップバンド310では、ブートストラップサーボデータは、様々なサイズの非磁性溝および磁性ランドによってパターン化される。工程要素1120において、磁気ディスク110はDC磁化されて、均一な磁化極性を確立する。工程要素1130において、ディスクドライブシステム100は磁気ディスク110を回転させて、スライダ122と磁気ディスク110との間に空気軸受を形成する。工程要素1140では、ディスクドライブシステム100は、クラッシュ・ストップ160に対してアクチュエータ150を位置決めして、スライダ122を磁気ディスク110のブートストラップバンド310上(例えば、圧縮可能なクラッシュ・ストップ領域)に位置決めし得るようにする。上述のように、パターンドサーボデータを使用して、磁気ディスク110のデータトラックにおける追加的なサーボデータの書き込みを容易にする。サーボデータのこのブートストラップバンド310はスライダ122の幅全体よりも実質的に狭いので、スライダ122は、磁気ディスク110の一部の平坦化された部分にある。すなわち、ブートストラップバンド310の溝のいくつかは完全に平坦化されないかもしれない。そのようなことにより、一般にヘッドの飛行高さの問題が生じる。しかしながら、磁気ディスク110が回転すると、スライダ122と、スライダ122を支持するブートストラップバンド310の外側の磁気ディスク110の部分との間に空気軸受が形成される。そこから、工程要素1150において、ディスクドライブシステム100は読み取りヘッド130を介してブートストラップバンド310からパターンドサーボデータを読み取り、磁気ディスク110のデータトラックへのサーボ書き込みを開始する。そうすることで、工程要素1150において、制御装置170は、ブートストラップバンド310における偏心トラックに対する読み取り/書き込みヘッド130/140の軌跡を決定する。工程要素1160では、制御装置170は補償を行って、読み取り/書き込みヘッド130/140がブートストラップバンド310の個々の偏心トラックを辿るようにし得る。工程要素1170において、制御装置170は、書き込みヘッド140がブートストラップバンド310外側の第1のトラックになるまでアクチュエータ150が外側に進むようにする。制御装置170はサーボセクタ320のそのトラックにサーボデータを書き込む。それゆえ、ブートストラップバンド310内でパターン化されたブートストラップサーボデータは制御装置170によって使用されて、磁気ディスク110のデータトラック内に追加的なサーボデータの書き込みを促すようにし得る。工程要素1190において制御装置170はアクチュエータ150をトラック1つ分、またはその何分の1か外側に進めて、サーボセクタ320へのサーボデータの書き込みを継続する。
【0031】
特定の実施形態をここで説明したが、本発明の範囲はそれら特定の実施形態に限定されない。本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲およびその任意の等価物によって規定される。
【符号の説明】
【0032】
100 ディスクドライブシステム
108 ボイスコイルモータ
110 磁気ディスク
120 スピンドル
122 スライダ
130 読み取りヘッド
140 書き込みヘッド
150 アクチュエータ
160 クラッシュ・ストップ
170 制御装置
175 枢軸点
240 データセクタ
310 ブートストラップバンド
320 サーボセクタ
401 データトラック
402 非磁性溝
403 磁性ランド
405 パターン
410 領域
420 ビットの領域
501 1つの磁化極性
502 反対の磁化極性
601、603 セル
602 非磁性溝
701 非磁性溝
702、703 極性
801 パターンドトラック
802、803 ビット
805 非磁性溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置と、
磁性ランドおよび非磁性溝によってパターン化された磁気ディスクと、
前記パターン化された磁気ディスクからデータを読み取り、かつそこにデータを書き込むように動作可能なスライダと、
を含むディスクドライブシステムにおいて、
前記磁気ディスクは、少なくとも、
ブートストラップバンドであって、前記ブートストラップバンドの前記磁性ランドが様々なサイズを有し、かつ同一の極性に磁化されてサーボデータを表すようにパターン化されており、前記ブートストラップバンドの幅が前記スライダの幅より狭い、ブートストラップバンドと、
前記ブートストラップバンドに近接して周囲に構成された複数のデータトラックであって、前記ブートストラップバンドから読み取られたサーボデータに基づいて位置決めされた前記スライダによってサーボデータが書き込まれる、複数のデータトラックと、
を含むディスクドライブシステム。
【請求項2】
前記磁気ディスクが、液体ベースの平坦化方法によって平坦にされている、請求項1に記載のディスクドライブシステム。
【請求項3】
さらに、前記液体ベースの平坦化方法によって前記磁気ディスクに堆積された潤滑剤を含み、前記潤滑剤が、前記非磁性溝を埋めることによって前記磁気ディスクの少なくとも一部分を平坦化する、請求項2に記載のディスクドライブシステム。
【請求項4】
前記ブートストラップバンドの外側の領域に形成された前記非磁性溝がトラック溝、ビット溝、またはそれらの組み合わせである、請求項1に記載のディスクドライブシステム。
【請求項5】
前記ブートストラップバンドの外側の領域に形成された前記非磁性溝の幅が実質的に均一である、請求項1に記載のディスクドライブシステム。
【請求項6】
前記ブートストラップバンドの外側の領域に形成された前記非磁性溝の幅が約50nm未満である、請求項1に記載のディスクドライブシステム。
【請求項7】
前記制御装置が、前記スライダに前記ブートストラップバンドを直流磁化させるように動作可能である、請求項1に記載のディスクドライブシステム。
【請求項8】
前記制御装置が、前記ブートストラップバンドから読み取られたサーボデータに基づいて前記磁気ディスクの偏心を決定し、かつ前記偏心を補償して、前記データトラックにサーボデータを書き込むように動作可能である、請求項1に記載のディスクドライブシステム。
【請求項9】
前記ブートストラップバンドが前記磁気ディスクの径方向の内側部に構成される、請求項1に記載のディスクドライブシステム。
【請求項10】
前記ブートストラップバンドの外側の領域において、前記磁性ランド対前記非磁性溝の比が一定である、請求項1に記載のディスクドライブシステム。
【請求項11】
前記ブートストラップバンドの外側の領域に形成された前記磁性ランドが第1の実質的に均一な幅を有し、および前記ブートストラップバンドの外側の領域に形成された前記非磁性溝が第2の実質的に均一な幅を有する、請求項1に記載のディスクドライブシステム。
【請求項12】
前記第1の実質的に均一な幅および前記第2の実質的に均一な幅が異なる、請求項1に記載のディスクドライブシステム。
【請求項13】
前記磁気ディスクが乾式平坦化方法によって平坦にされ、前記非磁性溝が、凝固する材料で埋められている、請求項1に記載のディスクドライブシステム。
【請求項14】
さらに、前記データトラックに構成された複数のサーボセクタを含み、前記サーボセクタが、他の非磁性溝に対してデータトラックの一部分だけ半径方向にオフセットされた非磁性溝でパターン化されたサーボデータの領域を含む、請求項1に記載のディスクドライブシステム。
【請求項15】
磁気ディスクにサーボデータを書き込む方法において、
前記磁気ディスクは、アクチュエータおよびスライダを有するディスクドライブシステム内に構成され、
前記スライダは、読み取りヘッドおよび書き込みヘッドを含み、
前記磁気ディスクは、1つ以上のブートストラップバンドを含み、
前記ブートストラップバンドは、磁性ランドおよび非磁性溝でパターン化され、
前記アクチュエータがクラッシュ・ストップの位置に近接したときに前記スライダが位置する前記磁気ディスクの径方向の内側部にサーボデータが形成され、
前記方法が、
前記磁気ディスクを回転させて前記スライダと前記磁気ディスクとの間に空気軸受を形成するステップと、
前記アクチュエータを前記クラッシュ・ストップの位置に移動させて、前記サーボデータ上に前記読み取りヘッドを位置決めするステップと、
前記読み取りヘッドを介して前記サーボデータを読み取って、前記磁気ディスクに対してサーボ書き込みを開始するステップと、
前記サーボデータに基づいて前記アクチュエータを移動させて、前記磁気ディスクのデータトラック上に前記書き込みヘッドを位置決めするステップと、
前記書き込みヘッドを介して前記データトラックにサーボデータを書き込むステップと、
を含む方法。
【請求項16】
さらに、前記ブートストラップバンドを直流磁化するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
さらに
前記ブートストラップバンドから読み取られたサーボデータに基づいて前記磁気ディスクの偏心を決定するステップと、
前記偏心を補償して、前記データトラックにサーボデータを書き込むステップと、
を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記ブートストラップバンドの外側の領域に形成された前記磁性ランドが実質的に均一である、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記ブートストラップバンドの外側の領域に形成された前記非磁性溝が実質的に均一である、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記ブートストラップバンドの外側の領域に形成された前記非磁性溝の幅が約50nm未満である、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記磁気ディスクがさらに、前記データトラックに構成された複数のサーボセクタを含み、前記サーボセクタが、他の非磁性溝に対してデータトラックの一部分だけ半径方向にオフセットされた非磁性溝でパターン化されたサーボデータの領域を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
磁性ランドおよび非磁性溝でパターン化された磁気ディスクであって、
前記磁気ディスクの径方向の内側部に構成された複数のブートストラップバンドであって、前記ブートストラップバンドの前記磁性ランドが様々なサイズを有し、かつ同一の極性に磁化されてサーボデータを表すように構成され、前記複数のブートストラップバンドの幅が、前記スライダの幅より狭い、複数のブートストラップバンドと、
前記ブートストラップバンドに近接して周囲に構成された複数のデータトラックであって、前記ブートストラップバンドから読み取られたサーボデータが、前記複数のデータトラックにサーボデータを書き込む際に利用されるトラック識別情報を含む、複数のデータトラックと、
を含む、磁気ディスク。
【請求項23】
前記磁気ディスクが、液体ベースの平坦化方法で平坦にされる、請求項22に記載の磁気ディスク。
【請求項24】
さらに、前記液体ベースの平坦化方法によって前記磁気ディスクに堆積された潤滑剤を含み、前記潤滑剤が、前記非磁性溝を埋めることによって前記磁気ディスクの少なくとも一部分を平坦化する、請求項23に記載の磁気ディスク。
【請求項25】
前記ブートストラップバンドの外側の領域に形成された前記非磁性溝がトラック溝、ビット溝、またはそれらの組み合わせである、請求項22に記載の磁気ディスク。
【請求項26】
前記ブートストラップバンドの外側の領域に形成された前記非磁性溝の幅が均一である、請求項22に記載の磁気ディスク。
【請求項27】
前記ブートストラップバンドの外側の領域に形成された前記非磁性溝がトラック溝およびビット溝を含む、請求項22に記載の磁気ディスク。
【請求項28】
さらに、前記データトラックに構成された複数のサーボセクタを含み、前記サーボセクタが、他の非磁性溝に対してデータトラックの一部分だけ半径方向にオフセットされた非磁性溝でパターン化されたサーボデータの領域を含む、請求項22に記載の磁気ディスク。
【請求項29】
磁気ディスクに複数の磁性ランドおよび非磁性溝のパターンを形成するステップであって、前記磁気ディスクの径方向の内側部に位置するブートストラップバンドに、様々なサイズの前記磁性ランドおよび非磁性溝を構成するステップと、
前記ブートストラップバンドの前記磁性ランドを同一の極性に磁化し、サーボデータを形成するステップと、
前記磁気ディスクを回転させて、スライダと前記ブートストラップバンドの外側の領域との間に空気軸受を形成するステップと、
クラッシュ・ストップの位置までアクチュエータを移動させて、前記サーボデータ上に読み取りヘッドを位置決めするステップと、
前記ブートストラップバンドから前記サーボデータを読み取って、前記磁気ディスクへのサーボ書き込みを開始するステップと、
前記サーボデータに基づいて前記アクチュエータを移動させて、前記ブートストラップバンドに近接して周囲に構成されたデータトラック上に前記スライダを位置決めするステップと、
前記スライダにより前記データトラックにサーボデータを書き込むステップと、
を含む方法。
【請求項30】
非磁性溝によって分離された複数のデータトラックと、
前記データトラックに含まれる、前記非磁性溝および磁性ランドでパターン化された複数のサーボセクタであって、書き込みヘッドによって一方の磁性に磁化された前記磁性ランドと、他方の磁性に磁化された前記磁性ランドと、を含む、複数のサーボセクタと、
を含む磁気ディスク。
【請求項31】
前記サーボセクタが、他の非磁性溝に対してデータトラックの一部分だけ半径方向にオフセットされた非磁性溝でパターン化されたサーボデータの領域を含む、請求項30に記載の磁気ディスク。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−159379(P2011−159379A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−16301(P2011−16301)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(503116280)ヒタチグローバルストレージテクノロジーズネザーランドビーブイ (1,121)
【Fターム(参考)】