説明

パターン指示層を有するドナーフィルム

基材と、光熱変換層と、パターン指示層とを有する、レーザー誘起サーマルイメージング(LITI)ドナーフィルム、及びそれらを調製する方法。パターン指示層は、自己集合単分子層領域、親水性及び疎水性領域、正若しくは負に帯電した領域、又は一連の隆起した若しくは引っ込んだ形状のパターンを包含することができる。それはまた、電荷パターン及び磁気パターンを生成するために使用され得る。パターン指示層は、それに適用された転写層のパターニングをもたらし、テンプレート転写層(templated transfer layer)を結果として生じる。画像化されるとき、LITIドナーフィルムは、テンプレート転写層(templated transfer layer)の少なくとも一部分を永久的レセプターに転写すると同時に、転写された部分中のパターンを実質的に原型を保って維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン指示層を有するレーザー誘起サーマルイメージング(LITI)ドナーフィルムを製作する及び画像化する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの電子及び光学装置が、互いの上に積み重ねられた異なる材料の層を使用して形成される。これらの層は多くの場合、パターン付けされて装置を製造する。こうした装置の例には、各ピクセルがパターン付き配列に形成されている光学ディスプレイ、電気通信装置用の光導波路構造体、及び半導体ベースの装置用の金属−絶縁体−金属の積み重ね体が挙げられる。
【0003】
これらの装置を作製するための従来の方法は、1つ以上の層をレセプター基材上に形成し、層を同時に又は逐次的にパターニングして装置を作製することを包含する。多くの場合、最終的な装置構造を調製するためには、複数の蓄積及びパターニング工程が必要になる。例えば、光学ディスプレイの調製は、赤、緑、及び青のサブピクセルの別個の形成が必要となる場合がある。幾つかの層は、これらの種類のピクセルの各々について普通に蓄積されてもよいが、少なくとも幾つかの層は別個に形成されなければならず、多くの場合、別個にパターン付けされなければならない。層のパターニング工程は、フォトリソグラフィー技術によって多くの場合実行され、それは、例えば、層をフォトレジストにより被覆する工程と、マスクを使用してフォトレジストをパターニングする工程と、パターンに従い、フォトレジストの一部分を取り除いて下にある層を露光させる工程と、次いで露光層をエッチングする工程と、を包含する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
幾つかの用途では、従来のフォトリソグラフィーのパターニングを使用して装置を製造することは、困難であるか又は実用的でない場合がある。例えば、パターニング工程の数が、装置の実用的な製造において多過ぎる場合がある。加えて、従来のフォトリソグラフィーのパターニングにおける湿式処理工程は、その前に蓄積した層の一体性、界面の特徴、及び電気的特性又は光学的特性に悪影響を及ぼす場合がある。多くの潜在的に有利な装置の構造、設計、配置、及び材料は、従来のフォトリソグラフィーのパターニングに限界があるため、実用的でない可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に従う、パターン付きLITIドナーフィルムを調製する方法は、表面を有する基材と、基材の表面に適用された光熱変換層とを提供する工程と、パターン指示層を光熱変換層に適用する工程と、を包含する。
【0006】
本発明に従う、パターン付きLITIドナーフィルムは、表面を有する基材と、基材の表面に適用された光熱変換層と、光熱変換層に適用されたパターン指示層と、を包含する。LITIドナーフィルムは、光熱変換層と、パターン指示層との間に配置された任意の中間層を有することができる。
【0007】
その方法及びドナーフィルムにおいて、パターン指示層は、それに適用された転写層のパターニングをもたらす。転写層の少なくとも一部分は永久的レセプターに転写すること可能で、転写された部分中の転写層のパターンは、転写後にレセプターの上に実質的に原型を保って残る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
添付図面は本明細書の一部に組み込まれ、その一部を構成するものであり、並びに記述と共に本発明の利点及び原則を説明する。図面中、
【図1】パターン指示層を有するLITIドナーフィルムを例示する側面図。
【図2】パターン付きLITIドナーフィルムを例示する平面図。
【図3A】永久的レセプターへの選択的熱転写の前のパターン指示層を有する、レーザー露光パターン付きLITIドナーフィルムを例示する平面図。
【図3B】図3AのLITIドナーフィルム中の不連続相の選択的熱転写を例示する平面図。
【図3C】図3AのLITIドナーフィルム中の連続相及び不連続相の選択的熱転写を例示する平面図。
【図3D】図3AのLITIドナーフィルム中の連続相の選択的熱転写を例示する平面図。
【図4A】パターン指示層の部分から転写された配列パターンを有する、永久的レセプターを例示する平面図。
【図4B】パターン指示層の部分から転写された配列パターンを有する、永久的レセプターを例示する平面図。
【図4C】パターン指示層の部分から転写された配列パターンを有する、永久的レセプターを例示する平面図。
【図5a】パターン指示層としてSAMを有する、LITIドナーフィルムを例示する図。
【図5b】SAMによりパターン付けされた後の、図5aのドナーフィルムを例示する図。
【図6a】パターン指示層として親水性及び疎水性領域を有する、LITIドナーフィルムを例示する図。
【図6b】親水性及び疎水性領域によってパターン付けされた後の、図6aのドナーフィルムを例示する図。
【図7a】パターン指示層として正又は負に帯電された領域を有する、LITIドナーフィルムを例示する図。
【図7b】正又は負に帯電された領域によりパターン付けされた後の、図7aのドナーフィルムを例示する図。
【図8a】パターン指示層として一連の引っ込んだ形状を有する、LITIドナーフィルムを例示する図。
【図8b】一連の引っ込んだ形状によりパターン付けされた後の、図8aのドナーフィルムを例示する図。
【図8c】パターン指示層として一連の隆起した形状を有する、LITIドナーフィルムを例示する図。
【図8d】一連の隆起した形状によりパターン付けされた後の、図8cのドナーフィルムを例示する図。
【図9】パターン指示層から結果として生じる空間的特性のパターンを有する、LITIドナーフィルムを例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態は、次のもの:自己集合単分子層(SAM);親水性及び疎水性領域を含むパターン、正又は負に帯電した領域を含むパターン、一連の隆起した及び又は引っ込んだ形状を含むパターン、並びに空間的に異なる光学的特性(例えば、反射率、吸収、偏光、屈折率)を含むパターン、のようなパターン指示層又は表面を有するLITIドナーフィルムを製作する方法を包含する。パターン指示層のこれらの非限定的な例は、ミクロ接触印刷、リソグラフ印刷、電子写真印刷、磁気記録、及び凹版印刷のプロセスに関連していてもよい。本明細書に記載されるもののようなパターン指示層のいずれにおいても、それらは規則的なパターン、不規則なパターン、ランダムなパターン、又は擬似ランダムなパターンにより配置され得る。パターン指示層は、転写層のような別の層のパターニングをもたらし、並びにパターンは、永久的レセプターへの転写後も、好ましくは実質的に原型を保って維持される。
【0010】
実施形態はまた、下層の集合指示層との相互作用を介して、指示された自己集合により生成された物理的構造体又は相境界などの形状を有する、パターン指示層によってパターン付けされたテンプレート転写層(templated transfer layer)を含むLITIドナーフィルム、及びパターン付きLITIドナーフィルムを使用して調製された光学フィルムまでを包含する。パターン指示層を有するフィルムの用途の例には、エレクトロニクス(独特の有用な量子効果を可能にするナノスケールの形状)、光学素子(フォトニックバンドギャップ構造体、近接場の記憶装置)、超高感度検出システム用の検出面、並びに細胞生物学における有機体の検出及び操作用構造体が挙げられる。
【0011】
本明細書において使用するとき:
用語「装置」は、それ自体で又は他の部品と共に使用されて、より大きいシステムを形成し得る電子又は光学部品を包含する。
【0012】
用語「ミクロ構造体」は、1ミリメートル未満の少なくとも1つの次元(例えば、高さ、長さ、幅、又は直径)を有する表面の形状を指す。
【0013】
用語「ナノ構造体」は、1ミクロン未満の少なくとも1つの次元(例えば、高さ、長さ、幅、又は直径)を有する表面の形状を指す。
【0014】
LITIドナーフィルム及びパターニング
図1は、LITIドナーフィルム10を例示する側面である。図1に示されるように、LITIドナーフィルム10は、典型的には、ドナー基材12、光熱変換(LTHC)層14、及び任意の中間層16、パターン指示層18、及び転写層19を包含する。パターン指示層の例は以下に記載される。図2は、パターン指示層18から結果として生じるパターンを平面図で例示する。パターンは、単に実例を挙げるという目的のために、一群の円として示されるが、パターン指示層は、任意の種類の規則的な又は不規則な配置における、任意の種類の幾何学的図形又は図形類のパターンを包含し得る。用語「パターン指示層」は、別の層をいずれかの種類及び構成のパターンに、パターン付けし得るドナーフィルム中の層を指す。用語「テンプレート層(templated layer)」は、パターン指示層によってパターン付けされた層を指す。パターン指示層は、それ自体は別個の層であってもよく、又はそれは、LTHC若しくは任意の中間層のような別の層と同一の広がりを有していてもよい。
【0015】
図2は、影付きの円によって表されるように、別の層のパターニングをもたらしたパターン指示層を例示する、LITIドナーフィルム10の平面図である。例えば、影付きの円は、パターン指示層によってもたらされた連続相領域を表すことが可能で、円の間の区域は不連続相領域を表すことが可能である。
【0016】
代表的なLITIドナーフィルムの様々な層、並びにそれを画像化する方法は、米国特許第6,866,979号;同第6,586,153号;同第6,468,715号:同第6,284,425号、及び同第5,725,989号に、より詳細に記載されており、それらのすべてが、完全に記述されたかのように、本明細書に参考として組み込まれる。
【0017】
ドナー基材12は、熱転写ドナーの層(フィルム10)のための支持を提供する。ポリマーフィルムの1つの好適な種類は、ポリエステルフィルム、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムである。しかしながら、十分な光学的特性を有する他のフィルムも、光が加熱及び転写のために使用される場合には、使用することができる。ドナー基材は、少なくとも幾つかの場合には、均一なコーティングが形成され得るように平らである。ドナー基材はまた、典型的には、熱転写ドナー中の任意の層(例えば、LTHC層)の加熱にも関わらず安定した状態を維持する材料から選択される。ドナー基材のための好適な厚さは、例えば、0.025ミリメートル(mm)〜0.15mm、好ましくは0.05mm〜0.1mmの範囲であるが、より厚い又はより薄いドナー基材が使用される場合もある。
【0018】
LTHC層14は、典型的には、放射吸収体を包含し、放射吸収体は入射放射線(例えば、レーザー光線)を吸収して、入射放射線の少なくとも一部分を熱に変換し、熱転写ドナーから永久的レセプターへのパターン指示転写層の転写を可能にする。あるいは、放射吸収体は、LTHC層に加えて、又はその代わりに、ドナーフィルムの1つ以上の他の層の中に包含され得る。典型的には、LTHC層(又は他の層)中の放射吸収体は、電磁スペクトルの赤外、可視、及び/又は紫外領域の光を吸収する。放射吸収体は、典型的には、選択された画像化放射線について高度に吸収性であり、画像化放射線の波長において0.2〜3、好ましくは0.5〜2の範囲の光学密度を提供する。こうした放射吸収材料には、例えば、染料(例えば、可視染料、紫外染料、赤外染料、蛍光染料、及び放射偏光染料(radiation-polarizing dyes))、顔料、金属、金属化合物、金属フィルム、及び他の好適な吸収材料を挙げることができる。他の好適な放射吸収体の例には、カーボンブラック、金属酸化物、及び金属硫化物を挙げることができる。
【0019】
任意の中間層16は、パターン指示転写層の転写された部分の損傷及び汚染を最小にするために、熱転写ドナー中に使用されてもよく、転写要素の転写された部分中の変形を低減する場合もある。中間層はまた熱転写ドナーの残りへの転写要素の接着に影響する場合がある。典型的には、中間層は高い耐熱性を有する。好ましくは、中間層は画像化条件において変形したり又は化学的に分解したりせず、特に転写された画像を機能しなくさせる程度まで変形したり又は化学的に分解したりしない。中間層は、典型的には、転写プロセスの間、LTHC層と接触したまま保たれ、転写要素(例えば、ナノ構造化層、及び任意に剥離層)と共に実質的に転写されない。好適な中間層には、例えば、ポリマーフィルム、金属層(例えば、蒸着金属層)、無機層(例えば、ゾル−ゲル堆積層、及び無機酸化物(例えば、シリカ、チタニア、及び他の金属酸化物)の蒸着層)、及び有機/無機複合層が挙げられる。中間層材料として好適な有機材料には、熱硬化性材料と熱可塑性材料の両方が挙げられる。好適な熱硬化性材料には、熱、放射線、又は化学処理によって架橋されてもよい樹脂が挙げられ、架橋された又は架橋可能なポリアクリレート類、ポリメタクリレート類、ポリエステル類、エポキシ類、及びポリウレタン類が挙げられるが、これらに限定されない。熱硬化性材料は、例えば、熱可塑性前駆体としてLTHC層上にコーティングされ、その後架橋され、架橋された中間層を形成してもよい。中間層は、例えば、光開始剤、界面活性剤、顔料、可塑剤、及びコーティング補助剤が挙げられる、添加剤を含有してもよい。
【0020】
転写層19は、典型的には、レセプターへの転写のために1つ以上の層を包含する。好ましくは、パターン指示層18によって決定されるような転写層19内のパターンは、転写後に実質的に原型を保って維持される。これらの1つ以上の層は、有機、無機、有機金属、及び他の材料を使用して形成されてもよい。有機材料には、例えば、小分子材料、ポリマー、オリゴマー、デンドリマー、及び高分岐材料が挙げられる。熱転写要素は、例えば、ディスプレイ装置の発光要素、電子回路、レジスタ、コンデンサ、ダイオード、整流器、エレクトロルミネセントランプ、記憶素子、電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタ、ユニジャンクショントランジスタ、金属酸化物半導体(MOS)トランジスタ、金属−絶縁体−半導体トランジスタ、電荷結合素子、絶縁体−金属−絶縁体積み重ね体、有機伝導体−金属−有機伝導体積み重ね体、集積回路、光検出器、レーザー、レンズ、導波管、回折格子、ホログラフィック素子、信号処理用フィルタ(例えば、アドドロップフィルタ、利得平坦化フィルタ、遮断フィルタなど)、光学フィルタ、鏡、スプリッタ、カップラー、コンバイナ、モジュレータ、センサ(例えば、エバネセントセンサ、位相変調センサ、干渉センサなど)、光学キャビティ、圧電素子、強誘電体装置、薄膜電池、又はこれらの組み合わせ、例えば、光ディスプレイ用アクティブマトリックス配列としての電界効果トランジスタ及び有機エレクトロルミネセントランプの組み合わせを形成するために使用され得る転写層を包含し得る。その他の品は、多成分転写集合又は単一層を転写することによって形成されてもよい。
【0021】
転写層19を受け取るための永久的レセプターは、特定用途に好適ないずれかの品であってもよく、透明フィルム、ディスプレイのブラックマトリックス、アクティブマトリックス及びパッシブマトリックスのフラットパネルディスプレイのバックプレーン、金属、半導体、ガラス、様々な紙、並びにプラスチックが挙げられるが、これらに限定されない。レセプター基材の例には、陽極酸化アルミ及び他の金属、プラスチックフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン)、酸化インジウムスズをコーティングしたプラスチックフィルム、ガラス、酸化インジウムスズをコーティングしたガラス、フレキシブル回路、回路基板、シリコン又は他の半導体、並びに多様な異なる種類の紙(例えば、充填若しくは非充填、カレンダー仕上げ、又はコーティングした)が挙げられる。
【0022】
放射線(例えば、光)を使用する熱転写用には、多様な放射線の発生源が、LITIドナーフィルムと共に使用され得る。アナログ技術(例えば、マスクを通しての露光)用には、強力光源(例えば、キセノン閃光電球及びレーザー)が有用である。デジタル画像化技術用には、赤外線、可視光線、及び紫外線レーザーが特に有用である。好適なレーザーには、例えば、強力(例えば、≧100mW)単一モードの半導体レーザー、ファイバー連結半導体レーザー、及びダイオード励起の固体レーザー(例えば、Nd:YAG及びNd:YLF)が挙げられる。レーザー露光のドウェル時間は、例えば、約0.1マイクロ秒〜100マイクロ秒の範囲であり得、レーザーフルエンスは、例えば約0.01J/cm〜約1J/cmの範囲であり得る。画像化の間、熱転写要素は典型的には、パターン指示転写層の少なくとも一部分を受容するように適合された永久的レセプターと、密接に接触させられる。少なくとも幾つかの場合には、熱転写要素とレセプターの密接な接触を保持するために、圧力又は真空が使用されてもよい。放射線源は次に、像様方式で(例えば、デジタルにより、又はマスクを通したアナログ露光により)、放射吸収体を含有するLTHC層又は他の層を加熱して、パターンに従って熱転写要素からレセプターに、転写層の像様転写を実行するために使用されてもよい。
【0023】
図3A〜3Dは、永久的レセプターに転写する前及び後のSAMから得られる相分離転写層を有する、レーザー露光パターン付きLITIドナーフィルムの選択的熱転写を例示する、平面図である。図3Aは、画像化された区域22を有する熱転写要素20を例示する平面図である。図3B〜3Dは、画像化区域22中のレーザースキャンラインを有する、画像化後のドナーフィルムの転写部分、それぞれ24〜26を例示する図である。特に、部分24は、転写された不連続相のみを包含し(図3B)、部分25は転写された不連続及び連続相を包含し(図3C)、部分26は、転写された連続相のみを包含する(図3D)。
【0024】
熱転写要素をレーザー露光するとき、1つ以上の配列パターンを組み合わせることにより、複合配列パターンが作り出されてもよい。図4A〜4Cは、パターン指示層により製造されたナノ構造体又はミクロ構造体の矩形配列を形成する、パターン付き熱転写要素をレーザー露光することにより製造された、代表的な転写された複合配列パターンを有する永久的レセプターを例示する平面図である。特に、図4A〜4Cは、それぞれ、複合多角形配列、複合曲線状配列、及び複合矩形配列を例示する。いずれかの不定パターンを包含する他のパターンも可能である。
【0025】
パターン指示層
図5aは、基材32、LTHC層34、転写層38、及びSAM領域36のパターンから構成されるパターン指示層を有するLITIドナーフィルム30を例示する図である。図5aに例示されるように、パターニング前の転写層38は、不連続相を有する。図5bは、SAM領域36によりパターン付けされたテンプレート転写層(templated transfer layer)を有し、及び連続相領域37を有するLITIドナーフィルム30を例示する図である。フィルム30では、基材32及びLTHC層34は、上記のような基材12及びLTHC層14に対応してもよく、並びにフィルム30は、LTHC層とパターン指示層との間に中間層16のような中間層を任意に包含し得る。また、フィルム30は、上記の代表的な方法を使用して構築され得る、及び画像化され得る。上記の代表的な画像化方法を使用するフィルム30の永久的レセプターへの画像化の際に、SAM領域の少なくとも幾つかの部分は、レセプターに転写され、転写された部分中のSAM領域のパターンは、転写後にレセプターの上に好ましくは実質的に原型を保って残る。フィルム30のパターン指示層は、SAM領域のいずれかの2次元のパターンを包含することができる。
【0026】
LITI画像化プロセスは、例えば、転写層のフィルム強度により決定されるような、連続相又は不連続相のいずれかの選択的転写を提供することができる。SAMによりパターン付けされる区域は、円筒形ポストの形状での区域の配列又は他のパターンを形成してもよい。画像化されるとき、例えば、転写層のフィルム強度に依存してポストのみが転写され得る。例えば、金属のような相対的に強いフィルム強度を有する材料に関しては、転写層は、SAMによって作り出された連続相の区域、この場合ポスト形状の構造体に沿って転写できる。一方、転写層中の相対的に弱いフィルム強度に関しては、転写は、画像化のために使用されるレーザースキャンラインに沿って起こることができ、レーザースキャンライン内のポスト形状の構造体及び不連続相の部分の両方を包含する。
【0027】
特定の実施形態について有用なSAMは、有機又は無機表面上に形成され得る。SAMを支持するために有用な無機表面には、例えば、金属表面又は金属酸化物表面が挙げられる。有用な金属の例には、金、パラジウム、白金、銀、及び銅が挙げられる。有用な金属酸化物の例には、二酸化ケイ素及び酸化アルミニウムが挙げられる。SAMを支持するために有用な有機表面は、SAMの適用前に、例えば、酸素プラズマへの暴露により有利に酸化される。特定の実施形態によると、有用なSAM形成分子の例には、アルキルチオール、オルガノクロロシラン、オルガノアルコキシシラン、及びアルキルホスホン酸が挙げられる。有用なSAM形成分子には、炭化水素、フッ化炭素、及び部分的にフッ素化された化合物が挙げられる。フッ化炭素又は部分的にフッ素化された分子に基づくSAMは、炭化水素分子より熱的に安定であり、そのため熱転写後にSAM層が原型を保って残ることが望ましい場合には、より有用である。炭化水素分子に基づくSAMの特性に比べて、フッ化炭素又は部分的にフッ素化された分子に基づくSAMは、特定のポリマーブレンドについてSAMパターンの構造指示特性を調整するために(即ち、SAMパターンがポリマーブレンドの相分離を指示するとき、又はポリマーブレンドがSAMパターン上への上塗りとして適用されるとき)より有用である。SAMがその上に形成される表面に化学的に結合する先端基(例えば、チオール先端基又はトリクロロシラン先端基)を、近傍の分子とのその配置について責任を持つ尾部(例えば、3〜20の炭素原子を包含する直鎖アルカン鎖)と共に有する有用なSAM形成分子は、反応性の末端官能基を尾部上に更に包含してもよい。反応性の末端官能基は、SAMを上層に化学的に結合するために有用である場合がある。
【0028】
SAMは、LITIドナーフィルム上に、多様な方法を使用して作り出されてもよい。例えば、SAMは、追加の薄い、およそ50ナノメートルの、SiOの層をコーティングし、その後、標準的なミクロ接触印刷技術によって、カップリング剤の7−オクテニルトリクロロシランをドナーフィルムのSiO表面に、選択的に付着し及び化学的に結合することによって作り出すことができる。結果は、ミクロ接触スタンプ又は印刷版によって印刷された、親水性(SiO)及び疎水性(7−オクテニルトリクロロシロキシ)領域を有するナノ又はミクロパターン付き表面を有するドナーフィルムである。
【0029】
SAMを作り出すための別の方法は、金表面へのチオールの親和性を利用することである。最初に、金の薄いコーティングが、LITIドナーフィルムの上に付着される。現段階では、アルキル、アリール、又はアルケニルチオールが、SAMを作り出すために使用される。ミクロ接触印刷又は別の好適な方法が、チオールを適用するために使用され得る。ミクロ接触印刷は、例えば次の参照文献:A.クマー(A.Kumar)及びG.ホワイトサイズ(G.Whitesides);応用物理レター(Appl.Phys.Lett.)63、2002(1993)に記載されている。あるいは、金の表面は、チオールの付着の前に、いずれかの方式により(例えば従来のフォトリソグラフィー及びエッチングプロセスを使用して)エッチングされ得るか又は選択的に付着され得る。チオールは、ドナーフィルム表面の金がコーティングされた領域に選択的に結合される。他の方法は、最初のオルガノシランSAMの付着、その後のSi−C結合を開裂してSi−OH基を表面に残すためのその層のパターン様の(patternwise)光析出、次いでSi−OH末端領域にのみ結合するように第2のSAMを付着することを伴う。
【0030】
上記の技術を使用して、転写層のないLITIドナーフィルムが、SAMパターンと共に調製され得、その結果ポリマーブレンドのコーティングは、下にあるSAMパターンに対応する秩序あるパターンを有する相分離した転写層に自己組織化することになる。SAMは、有機発光ダイオード(OLED)装置表面上に使用されて、発光ポリマーブレンドの相分離を指示してもよい。SAMは、OLED装置のホール注入材料の表面上に、ミクロ接触印刷により直接作り出される。ポリマーブレンド層は、例えば自己組織化を実現するために、4ミクロンの周期性を有する2次元のパターンの上にスピンコートされる。パターンは、ミクロ接触印刷により導入された交互に並ぶ疎水性及び親水性表面を包含する。ポリマーブレンドは、SAM上にコーティングされた後、溶媒を取り除くために乾燥され、次いで相分離プロセスを助けるためにアニールされる。この特別なSAMは、フィチェット(Fichet)らの「ポリマー発光ダイオードにおける自己組織化されたフォトニック構造体(Self-Organized Photonic Structures in Polymer Light-Emitting Diodes)、」先端材料(Adv. Mater)、16巻、21号(ワイリー−VCH出版社(Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA)、ワインハイム(Weinheim)2004)に記載されており、これは本明細書に参考として組み込まれる。
【0031】
LITIドナーフィルム上のSAMは、溶液コーティングされた層の濡れを制御するために使用され得る。SAMを作り出すためのプロセスは、上記のものに類似していてもよいし、又は更には、それは伝統的な印刷版技術、例えばパターン様の(patternwise)光酸発生及びその後のポリマーの酸触媒反応を伴うこともできる。純然たる疎水性又は親水性のコーティングが次に適用される。コーティングは、類似した表面エネルギーを有する領域のみを濡らす。結果は、空間、溝、チャネル、又は孔の望ましい分布を有する、ナノ構造体又はミクロ構造体のパターンを有する層である。
【0032】
フィルムにおける相分離の例、及び他のパターニング又は印刷技術の例は、次の文書に記載されており、それらのすべてが、完全に記述されたかのように、本明細書に参考として組み込まれる:A.カリム(A. Karim)ら、「薄いポリマーブレンドフィルム中の相分離誘起表面パターン(Phase-Separation-Induced Surface Patterns in Thin Polymer Blend Films)、」巨大分子(Macromolecules)1998、31巻、857〜62ページ(米国化学会(American Chemical Society)1998);A.カリム(A. Karim)ら、「パターン付き基材上の極薄ポリマーブレンドフィルムの相分離(Phase Separation of Ultrathin Polymer Blend Films on Patterned Substrates)、」フィジカル・レビューE(Physical Review E)、57巻、6号(米国物理学協会(The American Physical Society)1998);チェン(Cheng)ら、「ブロックコポリマーのテンプレート自己集合(Templated Self-Assembly of Block Copolymers):トップダウンはボトムアップを助ける(Top-Down Helps Bottom-Up)、」先端材料(Adv. Mater)、18巻、2505〜2521ページ(ワイリー−VCH出版社(Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KgaA)、ワインハイム(Weinheim)2006);ウー(Wu)ら、「薄いポリマーフィルムの電気流体力学パターニングの大規模整列に関して(Toward Large-Scale Alignment of Electrohydrodynamic Patterning of Thin Polymer Films)、」先端機能材料(Adv. Funct. Mater)、16巻、1992〜1999ページ(ワイリー−VCH出版社(Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA)、ワインハイム(Weinheim)2006);及びシュプリンガーのナノテクノロジー便覧(Springer Handbook of Nanotechnology)、ISBN 3−540−01218−4、185〜200ページ(シュプリンガー出版(Springer-Verlag)ベルリン(Berlin)ハイデルベルク(Heidelberg)2004)。
【0033】
図6aは、基材42、LTHC層44、転写層45、並びに親水性領域46及び疎水性領域48のパターンから構成されるパターン指示層43を有するLITIドナーフィルム40を例示する図である。この場合(図6a)、転写層45の材料は極性材料であり、これは親水性領域46のみに結合することになる。図6bは、基材42、LTHC層44、転写層45、並びに親水性領域46及び疎水性領域48のパターンから構成されるパターン指示層43を有するLITIドナーフィルム40を例示する図である。この場合(図6b)、転写層45の材料は非極性材料であり、これは疎水性領域48のみに結合することになる。フィルム40では、基材42及びLTHC層44は、上記のような基材12及びLTHC層14に対応してもよく、並びにフィルム40は、LTHC層とパターン指示層との間に中間層16のような中間層を任意に包含し得る。また、フィルム40は、上記の代表的な方法を使用して構築され得るし及び画像化され得る。更に代表的な方法は、印刷媒体便覧、技術及び製造方法(Handbook of Print Media, Technologies and Production Methods)、ISBN 3−540−67326−1(シュプリンガー出版(Springer-Verlag)ベルリン(Berlin)ハイデルベルク(Heidelberg)2001)中の4.3.9節、題名「デジタル画像のための印刷版(Printing Plates for Digital Imaging)」に見出される場合がある。上記の代表的な画像化方法を使用するフィルム40の永久的レセプターへの画像化の際に、パターニングの後に残っている疎水性領域の少なくとも一部分は、レセプターに転写され、及び転写された部分中の疎水性領域のパターンは、転写後にレセプターの上に好ましくは実質的に原型を保って残る。フィルム40のパターン指示層は、親水性及び疎水性領域のいずれかの2次元のパターンを包含することができる。これらの領域は、例えば上記のようにSAMを使用してパターン付けされ得る。
【0034】
図7aは、基材52、LTHC層54、転写層56、及び正又は負に帯電された領域58のパターンから構成されるパターン指示層57を有するLITIドナーフィルム50を例示する図である。図7bは、パターン指示層57によってパターン付けされたテンプレート転写層(templated transfer layer)を有するLITIドナーフィルム50を例示する図であり、ここでは、フィルムの処理を通じて正又は負に帯電された領域58は、転写層56中に静電荷パターンを形成している。パターン指示層57は、例えば、有機光導電体材料により実施され得る。十分な強度及び持続時間の光に露光されるとき、有機光導電体材料は、転写層56中に静電荷パターンを作り出し、及び静電荷パターンは、多様な印刷用途のために使用され得る。フィルム50では、基材52及びLTHC層54は、上記のような基材12及びLTHC層14に対応してもよく、並びにフィルム50は、LTHC層とパターン指示層との間に中間層16のような中間層を任意に包含し得る。また、フィルム50は、上記の代表的な方法を使用して構築され得るし及び画像化され得る。上記の代表的な画像化方法を使用するフィルム50の永久的レセプターへの画像化の際に、正又は負に帯電された領域の少なくとも一部分は、レセプターに転写され、及び転写された部分中の領域の静電荷パターンは、転写後にレセプターの上に好ましくは実質的に原型を保って残る。フィルム50のパターン指示層は、検出可能な正又は負に帯電された領域のいずれかの2次元のパターンを包含することができる。
【0035】
フィルム50では、領域58は、あるいは電荷パターンを画像担体上に直接作り出すことができ、イオノグラフィーと呼ばれるが、これは電荷パターンの生成と画像化を組み合わせている。フィルム50についての別の代替物として、領域58は、画像化のために磁気パターンを作り出すことができ、マグネトグラフィーと呼ばれる。イオノグラフィー及びマグネトグラフィー印刷技術は、次の教科書:印刷媒体便覧、技術及び製造方法(Handbook of Print Media, Technologies and Production Methods)、ISBN 3−540−67326−1、675〜710ページ(シュプリンガー出版(Springer-Verlag)ベルリン(Berlin)ハイデルベルク(Heidelberg)2001)、に記載されており、これは本明細書に参考として組み込まれる。
【0036】
図8aは、基材72、LTHC層74、及び一連の引っ込んだ形状78のパターンから構成されるパターン指示層77を有するLITIドナーフィルム70を例示する図である。図8bは、パターン指示層77によってパターン付けされたテンプレート転写層(templated transfer layer)を有するLITIドナーフィルム70を例示する図であり、ここでは、転写層79は、1つの表面上に適用され及び引っ込んだ形状78に実質的に適合する。図8cは、基材72、LTHC層74、及び一連の隆起した形状76のパターンから構成されるパターン指示層73を有するLITIドナーフィルム71を例示する図である。図8dは、パターン指示層73によってパターン付けされたテンプレート転写層(templated transfer layer)を有するLITIドナーフィルム71を例示する図であり、ここでは、転写層75は、1つの表面上に適用され及び隆起した形状76に実質的に適合する。転写層75及び79はドナーフィルムに、例えば上記の技術を使用して適用され得る。
【0037】
フィルム70及び71では、基材72及びLTHC層74は、上記のような基材12及びLTHC層14に対応してもよく、並びにフィルム70は、LTHC層とパターン指示層との間に中間層16のような中間層を任意に包含し得る。また、フィルム70及び71は、上記の代表的な方法を使用して構築され得るし及び画像化され得る。
【0038】
ミクロ構造化形状又はナノ構造化形状を有するツールは、隆起した形状76又は引っ込んだ形状78を、それぞれパターン指示層73又は77の中に形成するために使用され得る。ツールは典型的には、機械加工された金属材料から形成され、例えば、ワイヤー放電加工、ダイヤモンド旋盤加工、フライカッティング、ミリング、グライディング、彫刻、又はエッチングを使用して作製され得る。ツールは、フィルム70及び71上の層に対して、圧力及び熱を使用して定置されて、対応するミクロ構造化又はナノ構造化形状をフィルムの表面上に形成してもよく、次いでツールはフィルムを画像化する前に取り除かれる。隆起した又は引っ込んだ形状は、他のやり方によっても同様に形成され得る。
【0039】
上記の代表的な画像化方法を使用するフィルム70及び71の永久的レセプターへの画像化の際に、隆起した及び引っ込んだ形状の少なくとも一部分はレセプターに転写され、並びに転写された部分中の隆起した及び引っ込んだ形状のパターンは、転写後にレセプターの上に好ましくは実質的に原型を保って残る。フィルム70及び71のパターン指示層は、ミクロ構造化又はナノ構造化された隆起した形状、引っ込んだ形状、若しくは隆起した及び引っ込んだ形状の組み合わせのいずれかの2次元のパターンを包含することができ、並びにそれらの形状は空間的に異なる物理的特性をフィルム中に生成することができる。
【0040】
構造化表面を有するドナーフィルム及び表面を構造化するための方法の例は、米国特許出願11/551,276、題名「構造化熱転写ドナー(Structured Thermal Transfer Donors)」(2006年10月20日出願)に記載されており、これは本明細書に参考として組み込まれる。
【0041】
図9は、基材82、LTHC層84、及びテンプレート区域(templated areas)88により分離された領域86のように、空間的に異なる特性のパターンから構成される転写層を有するLITIドナーフィルム80を例示する図である。これらの空間的に異なる特性は、例えば上記のパターン指示層の使用の結果として生じ得る。フィルム80では、基材82及びLTHC層84は、上記のような基材12及びLTHC14に対応してもよく、並びにフィルム80は、LTHC層とパターン指示層との間に中間層16のような中間層を任意に包含し得る。また、フィルム80は、上記の代表的な方法を使用して構築され得るし及び画像化され得る。上記の代表的な画像化方法を使用するフィルム80の永久的レセプターへの画像化の際に、特性領域の少なくとも一部分は、レセプターに転写され、及び転写された部分中の特性領域のパターンは、転写後にレセプターの上に好ましくは実質的に原型を保って残る。フィルム80のパターン指示層は、空間的に異なる光学的特性、例えば反射率、吸収、偏光、若しくは屈折率、空間的に異なる機械的特性、例えば、粗さ、及び表面エネルギー、空間的に異なる電気的特性、又は空間的に異なる化学的特性を有する領域のいずれかの2次元のパターンを包含することができる。異なる電気的特性は、例えば上記のように、静電荷パターン又は電荷パターンから結果として生じる場合があり、こうした特性は、転写層の少なくとも一部として、次のもの:電気活性ポリマー、OLED材料、ホール輸送材料、又は電子輸送材料の内の1つ以上を有するドナーフィルム中で有用である場合がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターン付きレーザー誘起サーマルイメージング(LITI)ドナーフィルムを調製する方法であって、
表面を有する基材と前記基材の表面に適用された光熱変換層とを提供する工程と、
パターン指示層を前記光熱変換層に適用する工程と、を含み、前記パターン指示層が、前記パターン指示層に適用された転写層のパターニングをもたらし、前記転写層の少なくとも一部分が、永久的レセプターに転写することができ、及び前記転写された部分中の転写層のパターンが、前記転写後に、前記レセプター上に実質的に原型を保って残る、方法。
【請求項2】
適用工程が、自己集合単分子層領域のパターンを前記光熱変換層に適用することを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
適用工程が、親水性及び疎水性領域のパターンを前記光熱変換層に適用することを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
適用工程が、正に帯電した又は負に帯電した領域のパターンを前記光熱変換層に適用することを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記適用工程が、電荷パターンを前記光熱変換層に適用することを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記適用工程が、磁気パターンを前記光熱変換層に適用することを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
適用工程が、隆起した又は引っ込んだ形状のパターンを前記光熱変換層に適用することを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記適用工程が、ナノ構造化形状のパターンを適用することを包含する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記適用工程が、ミクロ構造化形状のパターンを適用することを包含する、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記適用工程が、空間的に異なる光学的特性のパターンを生成することを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記適用工程が、空間的に異なる機械的特性のパターンを生成することを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記適用工程が、空間的に異なる化学的特性のパターンを生成することを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記適用工程が、空間的に異なる電気的特性のパターンを生成することを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記光熱変換層と前記パターン指示層との間に中間層を適用することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
パターン付きレーザー誘起サーマルイメージング(LITI)ドナーフィルムであって、
表面を有する基材と、
前記基材の表面に適用された光熱変換層と、
前記光熱変換層に適用されたパターン指示層と、を含み、前記パターン指示層が、前記パターン指示層に適用された転写層のパターニングをもたらし、前記転写層の少なくとも一部分が、永久的レセプターに転写することができ、及び前記転写された部分中の転写層のパターンが、前記転写後に、前記レセプター上に実質的に原型を保って残る、パターン付きレーザー誘起サーマルイメージング(LITI)ドナーフィルム。
【請求項16】
前記パターン指示層が、自己集合単分子層領域のパターンを含む、請求項15に記載のLITIドナーフィルム。
【請求項17】
前記パターン指示層が、親水性及び疎水性領域のパターンを含む、請求項15に記載のLITIドナーフィルム。
【請求項18】
前記パターン指示層が、正に帯電した又は負に帯電した領域のパターンを含む、請求項15に記載のLITIドナーフィルム。
【請求項19】
前記パターン指示層が、隆起した又は引っ込んだ形状のパターンを含む、請求項15に記載のLITIドナーフィルム。
【請求項20】
前記形状が、ナノ構造化形状である、請求項19に記載のLITIドナーフィルム。
【請求項21】
前記形状が、ミクロ構造化形状である、請求項19に記載のLITIドナーフィルム。
【請求項22】
前記パターン指示層が、空間的に異なる光学的特性のパターンを生成する、請求項15に記載のLITIドナーフィルム。
【請求項23】
前記光熱変換層と前記パターン指示層との間に適用された中間層を更に含む、請求項15に記載のLITIドナーフィルム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図8d】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−509756(P2010−509756A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535410(P2009−535410)
【出願日】平成19年10月29日(2007.10.29)
【国際出願番号】PCT/US2007/082805
【国際公開番号】WO2008/057818
【国際公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】