説明

パチンコ機の施錠装置

【課題】解錠時、施錠杆が解錠状態に保持される解錠時自己保持型の施錠装置において、針金などの不正器具による不正解錠を防止することができるパチンコ機の施錠装置を提供する。
【解決手段】中枠施錠杆2及びガラス枠施錠杆3が基枠体の支持板12に沿って配設され、基枠体1のシリンダ錠7の錠軸にカム部材が固定され、中枠施錠杆2及びガラス枠施錠杆3がカム部材に係合可能とされる。中枠解錠保持部材4に、中枠施錠杆2の鉤部21が係止される本体枠側の受け部に当接可能な当接部44が設けられると共に、鉤部21が受け部に係止されたとき、鉤部21との間で受け部を挟む位置にロック部が設けられる。ガラス枠解錠保持部材5には、ガラス枠施錠杆3の鉤部32が係止される本体枠側の受け部に当接可能な当接部54が設けられ、鉤部32が受け部に係止されたとき、鉤部32との間で受け部を挟む位置にロック部53が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機の中枠(前面枠)に取り付けられ、中枠を本体枠に対し施錠し、且つ中枠に対し開閉可能に取り付けられたガラス枠を施錠するパチンコ機の施錠装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機の中枠(前面枠)は、本体枠の前面に、ヒンジを介して開閉可能に装着され、さらに中枠の前面にガラス枠が開閉可能に装着される。このような中枠に取り付けられ、中枠を本体枠に対し施錠し、且つ中枠に対し開閉可能に取り付けられたガラス枠を施錠するパチンコ機の施錠装置として、上部と下部にフック状の係止爪を背面側に突設した中枠用施錠杆と、上部と下部にフック状の係止爪を正面側(シリンダ錠側)に突設してなる長尺のガラス枠用施錠杆とを、縦長の基枠体内に、上下摺動可能に配設した施錠装置が、下記特許文献1により提案されている。
【0003】
この施錠装置は、基枠体に取り付けたシリンダ錠の錠軸に固定したカム板を、中枠用施錠杆とガラス枠用施錠杆に係合可能とし、シリンダ錠を解錠操作したとき、中枠用施錠杆またはガラス枠用施錠杆に係合させてそれを摺動させ、中枠用施錠杆またはガラス枠用施錠杆に設けた係止爪と本体枠側またはガラス枠側の受け金具との係合を解除して解錠を行なう。
【0004】
さらに、この施錠装置のガラス枠用施錠杆は、解錠操作時に摺動端まで移動したとき、基枠体に回動可能に枢支されたロック部材のロック片がガラス枠用施錠杆の一部に設けた切欠に係合してガラス枠用施錠杆をロックし、それにより、ガラス枠用施錠杆を解錠状態に自己保持させる構造となっている。このため、施錠装置を設けた遊技機のガラス枠を閉じると、ガラス枠の一部がロック部材に当接して、ロック部材がロックを解除する方向に回動し、ロックの解除に伴い、ガラス枠用施錠杆がコイルばねの付勢力によって施錠方向に摺動し、その係止爪とガラス枠側の受け金具とが係合し、ガラス枠が施錠状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−296403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、この解錠時自己保持型の施錠装置は、基枠体の一部に回動可能に枢支されたロック部材が、解錠時にそのロック片をガラス枠用施錠杆の切欠に係止させて、ガラス枠用施錠杆を解錠状態に保持するように動作するが、ガラス枠を施錠状態としたとき、そのロック部材は、ガラス枠用施錠杆に対し何の作用もしない。このため、ガラス枠用施錠杆に対し、外部から挿入された不正器具により解錠方向の不正力が加わった場合、ガラス枠用施錠杆が解錠方向に移動し、不正解錠が行なわれる虞があった。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑み、解錠時、施錠杆が解錠状態に保持される解錠時自己保持型のパチンコ機の施錠装置において、針金などの不正器具による不正解錠を防止することができるパチンコ機の施錠装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1のパチンコ機の施錠装置は、
縦長の基枠体の支持板に沿って中枠施錠杆及びガラス枠施錠杆が上下に摺動可能に配設され、該基枠体の正面に該支持板に対し略直角に設けた取付板に、シリンダ錠が取り付けられ、該シリンダ錠の錠軸にカム部材が固定され、該中枠施錠杆及びガラス枠施錠杆が該カム部材に係合可能とされ、該基枠体がパチンコ機の中枠に取り付けられ、該中枠施錠杆の背面側に突設された鉤部が本体枠側の受け部に係止されて該中枠を施錠し、該ガラス枠施錠杆の正面側に突設された鉤部がガラス枠側の受け部に係止されて該ガラス枠を施錠するパチンコ機の施錠装置において、
該中枠施錠杆を該シリンダ錠の解錠操作により解錠位置に摺動させたとき、その係止部を該中枠施錠杆の被係止部に係止させて解錠状態を保持する中枠解錠保持部材が、該基枠体に揺動可能に枢支され、
該中枠解錠保持部材には、該中枠施錠杆の該鉤部が係止される本体枠側の受け部に当接可能な当接部が設けられると共に、該鉤部が該受け部に係止されたとき、該鉤部との間で該受け部を挟む位置にロック部が設けられ、
該中枠を該本体枠に対し閉じたとき、該当接部が該受け部に当接して該中枠解錠保持部材が揺動し、該係止部の係止を解除して解錠状態を外し、ばね力により該中枠施錠杆を摺動させて施錠状態とするように構成され、
該ガラス枠施錠杆を該シリンダ錠の解錠操作により解錠位置に摺動させたとき、その係止部を該ガラス枠施錠杆の被係止部に係止させてその解錠状態を保持するガラス枠解錠保持部材が、該基枠体に揺動可能に枢支され、
該ガラス枠解錠保持部材には、該ガラス枠施錠杆の該鉤部が係止される本体枠側の受け部に当接可能な当接部が設けられると共に、該鉤部が該受け部に係止されたとき、該鉤部との間で該受け部を挟む位置にロック部が設けられ、
該ガラス枠を該中枠に対し閉じたとき、該当接部が該受け部に当接して該ガラス枠解錠保持部材が揺動し、該係止部の係止を解除して解錠状態を外し、ばね力により該ガラス枠施錠杆を摺動させて施錠状態とするように構成され、
該カム部材の近傍の該中枠施錠杆またはガラス枠施錠杆に、ロック係止部を有したロック部材が揺動可能に枢支され、該ロック係止部が係合可能なロック凹部が該中枠施錠杆及び該ガラス枠施錠杆に設けられ、
該ロック部材は、該中枠施錠杆及び該ガラス枠施錠杆が施錠状態のとき、該ロック係止部を該ロック凹部に係止させて該中枠施錠杆及び該ガラス枠施錠杆の摺動をロックし、該シリンダ錠による解錠操作時、該カム部材の回動により該ロック部材が揺動してロックを解除することを特徴とする。
【0009】
この発明の施錠装置によれば、施錠状態において、ロック部材がそのロック係止部を、中枠施錠杆及びガラス枠施錠杆のロック凹部に係止させて中枠施錠杆及びガラス枠施錠杆の摺動をロックするので、シリンダ錠を使用せずに不正に中枠施錠杆またはガラス枠施錠杆を解錠側に摺動させようとしても、不可能となり、不正解錠を防止することができる。
【0010】
また、中枠解錠保持部材には、中枠施錠杆の鉤部が受け部に係止されたとき、その鉤部との間で受け部を挟む位置にロック部が設けられるので、中枠施錠杆または基枠体がその鉤部を受け部から外す側に不正に力を受けた場合でも、中枠施錠杆または基枠体は、受け部がロック部と鉤部により挟まれて解錠側に移動できず、中枠の不正解錠を防止することができる。
【0011】
同様に、ガラス枠解錠保持部材には、ガラス枠施錠杆の鉤部が受け部に係止されたとき、その鉤部との間で受け部を挟む位置にロック部が設けられるので、ガラス枠施錠杆または基枠体がその鉤部を受け部から外す側に不正に力を受けた場合でも、ガラス枠施錠杆または基枠体は受け部がロック部と鉤部により挟まれて移動できず、ガラス枠の不正解錠を防止することができる。
【0012】
さらに、シリンダ錠による解錠時、カム部材が回動してロック部材を揺動させ、そのロック係止部のロック凹部への係止を解除するので、中枠施錠杆またはガラス枠施錠杆が摺動可能となって解錠位置まで摺動し、それにより中枠施錠杆の鉤部が受け部から外れ、或いはガラス枠施錠杆の鉤部が受け部から外れて、解錠され、さらに、中枠施錠杆が解錠側の端部まで移動したとき、中枠解錠保持部材の係止部を中枠施錠杆の係止凹部に係止させて解錠状態を保持し、同様に、ガラス枠施錠杆が解錠側の端部まで移動したとき、ガラス枠解錠保持部材の係止部をガラス枠施錠杆の係止凹部に係止させて解錠状態を保持する。
【0013】
そのような解錠状態で、中枠を閉じると、中枠解錠保持部材の当接部が受け部に当接して中枠解錠保持部材が揺動し、その係止部の係止を解除して解錠状態を外し、ばね力により中枠施錠杆を施錠位置に摺動させるので、中枠を閉じたとき、少ない摩擦抵抗により軽く施錠することができる。また、ガラス枠を閉じると、ガラス枠解錠保持部材の当接部が受け部に当接してガラス枠解錠保持部材が揺動し、その係止部の係止を解除して解錠状態を外し、ばね力によりガラス枠施錠杆を施錠位置に摺動させるので、ガラス枠を閉じたとき、少ない摩擦抵抗により軽く施錠することができる。
【0014】
本発明の請求項2の施錠装置は、上記請求項1のパチンコ機の施錠装置において、上記シリンダ錠を取り付けた取付板の幅広部近傍における前記支持板と背面板に、開口部が形成され、該開口部の内側にカム室が形成され、該シリンダ錠の錠軸のカム部材が該カム室内で、前記中枠施錠杆、ガラス枠施錠杆及びロック部材に係合可能とされ、該カム室の側面から背面を覆うようにカバーが取り付けられたことを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、シリンダ錠の操作による解錠時、円滑に中枠施錠杆、ガラス枠施錠杆及びロック部材を摺動(揺動)させて解錠操作が可能となると共に、カム室の側面から背面をカバーにより覆って、不正器具による不正解錠をさらに効果的に防止することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のパチンコ機の施錠装置によれば、施錠状態において、中枠施錠杆とガラス枠施錠杆の両方が、ロック部材によって確実にロックされ、且つ受け部がロック部と鉤部により挟まれて保持され、解錠側への移動を阻止するので、針金などの不正器具により中枠施錠杆またはガラス枠施錠杆を不正に移動させて行われる不正解錠を効果的に防止することができる。
【0017】
また、キーによる解錠操作時には、共通のロック部材を揺動させてロックを外し、少ない部材により中枠施錠杆またはガラス枠施錠杆を解錠方向に動かして、円滑に解錠することができる。また、解錠時、中枠施錠杆は中枠解錠保持部材により、ガラス枠施錠杆はガラス枠解錠保持部材によって、解錠状態に保持され、中枠またはガラス枠を閉じると、各々の解錠保持部材が受け部に当接して揺動し、自動的に解錠の自己保持状態が解除されて施錠状態となるので、中枠またはガラス枠を閉じたとき、少ない摩擦抵抗で、軽く施錠することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態を示す施錠装置の正面図である。
【図2】その右側面図である。
【図3】その背面図である。
【図4】その斜視図である。
【図5】その分解斜視図である。
【図6】そのシリンダ錠近傍の拡大部分斜視図である。
【図7】カバーを外した状態のカム部材近傍の拡大部分斜視図(a)とその拡大部分右側面図(b)である。
【図8】使用状態を示す施錠時の左側面図である。
【図9】中枠を解錠したときの左側面図である。
【図10】ガラス枠を解錠したときの左側面図である。
【図11】中枠を解錠したときの、カバーを外したカム部材近傍の拡大部分斜視図(a)とその拡大部分右側面図(b)である。
【図12】ガラス枠を解錠したときの、カバーを外したカム部材近傍の拡大部分斜視図(a)とその拡大部分右側面図(b)である。
【図13】中枠を解錠したときのシリンダ錠近傍の拡大部分斜視図(a)、ガラス枠を解錠したときのシリンダ錠近傍の拡大部分斜視図(b)である。
【図14】施錠時の上部拡大斜視図(a)、ガラス枠解錠時の上部拡大斜視図(b)、中枠解錠時の拡大部分斜視図(c)である。
【図15】施錠時のガラス枠解錠保持部材近傍の拡大斜視図(a)、ガラス枠解錠時のガラス枠解錠保持部材近傍の斜視図(b)である。
【図16】中枠施錠時の中枠解錠保持部材近傍の動きを示す説明図である。
【図17】ガラス枠施錠時のガラス枠解錠保持部材の動きを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機用の施錠装置の正面図を、図2はその右側面図を、図3はその背面図を、図4はその斜視図を示し、これらの図に示す如く、この施錠装置は、概略的には、縦長の基枠体1の支持板12に沿って中枠施錠杆2及びガラス枠施錠杆3が上下に摺動可能に配設され、基枠体1の正面に、支持板12に対し略直角に設けた取付板11に、シリンダ錠7が取り付けられ、シリンダ錠7の錠軸7aにカム部材8が固定され、中枠施錠杆2及びガラス枠施錠杆3がカム部材8に係合可能とされ、基枠体1がパチンコ機の中枠91に取り付けられ、中枠施錠杆2の背面側に突設された2個の鉤部21,22が本体枠90側の受け部93,94に各々係止されて中枠91を施錠し、ガラス枠施錠杆3の正面側に突設された3個の鉤部31,32,33がガラス枠92側の受け部95、96、97に各々係止されてガラス枠92を施錠するように構成される。
【0020】
施錠装置の本体フレームを構成する基枠体1は、図5に示すように、正面側の断面コ字状部と背面側の断面L字状部を一体にして縦長のチャンネル材状に形成されている。また、断面コ字状部の正面側の板が取付板11として形成され、取付板11に対し支持板12が取付板11の左端から直角に背面側に向けて形成され、支持板12は断面コ字状部と背面側の断面L字状部とを繋ぐ部分に取付板11と直角に形成されている。また、断面L字状部の背面側には背面板13が、支持板12と直角に、且つ取付板11と平行で取付板11とは反対側(支持板12の左側)に設けられている。
【0021】
取付板11の下部寄りに設けた幅広部には、シリンダ錠7がその錠軸7aを支持板12の内側に挿入するように取り付けられ、支持板12の左側(正面視左側)に、中枠施錠杆2及びガラス枠施錠杆3が上下摺動可能に取り付けられ、中枠解錠保持部材4、ガラス枠解錠保持部材5、及びロック部材6が前後(上下)に揺動可能に枢支されている。
【0022】
基枠体1の断面L字状部の背面側に設けた背面板13には、図3、4に示すように、その上部と下部に開口部が設けられ、その開口部から背面側に中枠施錠杆2の鉤部21,22が突出する。施錠装置をパチンコ機の中枠91に取り付ける際、取付板11と背面板13が取付部となり、そこに穿設された取付孔とビスにより、施錠装置の基枠体1が中枠91の右側自由端側の内側に縦に取り付けられる。
【0023】
このように、基枠体1は、横断面をコ字状とした断面コ字状部と横断面をL字状とした断面L字状部を一体に形成され、基枠体1の幅方向にそれら3個の角部が形成されるため、長手方向に対し充分な曲げ強度を持たせることができる。このような基枠体1は、金属板をプレス加工により折曲・裁断・打抜き加工するのみで製作することが可能である。
【0024】
図4,5に示すように、基枠体1の下部には、合成樹脂製の滑動支持部材19が背面側に突出するように固定されている。滑動支持部材19はその突出部が先細り形状に形成され、且つ突出部下面を傾斜面として形成され、中枠91を本体枠90に対し閉じる際、本体枠90内の下部(または滑り板)に乗り上げるように作用して、中枠91の重量による下方へのずれを修正するものである。また、この滑動支持部材19は、基枠体1の断面L字状部つまり支持板12と背面板13の下部に嵌着され、支持板12と背面板13を直角状態に保持して、断面L字状部の断面形状の変形を防止し、堅固にその形状を保持するようにしている。
【0025】
取付板11の下部寄りの幅広部は、断面コ字状部の正面左側つまり取付板11の左側に膨出して形成され、そこには、シリンダ錠7を挿入するための開口孔が設けられる。図7のように、シリンダ錠7は、取付板11の幅広部の背面側からその外筒部を前方に突き出すように挿入され、そのフランジ7bを幅広部の背面側に当てて固定される。図5,7などの如く、取付板11の幅広部近傍における支持板12と背面板13の部位に、開口部が形成され、開口部の内側空間にはカム室14が形成されている。
【0026】
図7,11に示すように、シリンダ錠7の錠軸7aにカム部材8が固定され、カム部材8はカム室14内で回動可能となっている。カム部材8には第1係合凸部8aと第2係合凸部8bが突設され、カム部材8の第1係合凸部8a、第2係合凸部8bは、後述のように、ロック部材6及び中枠施錠杆2またはガラス枠施錠杆3に対し係合可能となっている。また、図3に示すように、カム室14の側面から背面を覆うようにカバー18が取り付けられ、カム室14はカバー18により覆われ、不正に挿入された不正器具がカム部材8に到達しないようにしている。
【0027】
シリンダ錠7とその錠軸7aに固定されたカム部材8は、キーをシリンダ錠7に差し込み、右に回したとき、図9,図12、図13aに示すように、カム部材8が同方向に回動し、その第1係合凸部8aがロック部材6と共に中枠施錠杆2の係合部23(図5)に係合し、それを上方に摺動させるようになっている。一方、キーをシリンダ錠7に差し込み、左に回したときには、図10,図11,図13bに示すように、カム部材8が同方向に回動し、その第2係合凸部8bがロック部材6と共にガラス枠施錠杆3の係合部34に係合し、それを下方に摺動させるようになっている。
【0028】
図1,9,10などに示すように、支持板12の左側に、中枠施錠杆2、ガラス枠施錠杆3、中枠解錠保持部材4、ガラス枠解錠保持部材5、及びロック部材6が配置される。中枠施錠杆2の鉤部21,22は、上記のように、断面L字状部の背面側の背面板13に設けた開口部から背面側に突出するように取り付けられる。中枠施錠杆2、ガラス枠施錠杆3及びロック部材6は、6本のガイドピン71〜76とガイド孔を介して上下摺動可能に支持板12の左側に装着されている。
【0029】
図5に示すように、中枠施錠杆2及びガラス枠施錠杆3には、長手方向に沿ってガイド孔が形成され、それらのガイド孔にガイドピン71〜76が各々挿入され、各ガイドピン71〜76の先端が支持板12に固定され、中枠施錠杆2及びガラス枠施錠杆3は所定の範囲で上下に摺動可能に取り付けられている。
【0030】
つまり、中枠施錠杆2には、その上部、中間部、下部にガイド孔72a、73a、74a、75aが形成され、それらのガイド孔72a、73a、74a、75aに、ガイドピン72,73,74,75が挿通され、中枠施錠杆2が、ガイド孔72a、73a、74a、75aによって制限される施錠位置と解錠位置の範囲内で、上下摺動するようにガイドされる。また、中枠施錠杆2の曲折した下部には、上記のように、ロック部材6が枢軸61により揺動可能に軸支されている。一方、ガラス枠施錠杆3には、その上部、中間部、下部にガイド孔71a、73b、74b、76aが形成され、それらのガイド孔71a、73b、74b、76aに、ガイドピン71,73,74,76が挿通され、ガラス枠施錠杆3が、ガイド孔71a、73b、74b、76aによって制限される施錠位置と解錠位置の範囲内で、上下摺動するようにガイドされる。
【0031】
中枠施錠杆2は、図5に示すように、帯板の上部と下部にフック状の鉤部21,22を背面側に突出して形成される。中枠施錠杆2の下寄り(シリンダ錠7のカム部材8に対向した位置)に、係合部23が長孔の縁部として設けられ、上記のように、カム部材8の第1係合凸部8aが係合可能である。また、中枠施錠杆2と支持板12間にガラス枠施錠杆3が上下摺動可能に配設される。
【0032】
図5に示すように、ガラス枠施錠杆3には3本の鉤部31,32,33が正面側に向けて突設される。ガラス枠施錠杆3の下寄り(シリンダ錠7のカム部材8に対向した位置)に、係合部34が長孔の縁部として設けられ、上記のように、カム部材8の第2係合凸部8bがその係合部34に係合可能である。
【0033】
さらに、中枠施錠杆2と支持板12の間に、中枠解錠保持部材4が枢軸41を軸に前後(上下)に揺動可能に、支持板12に対し枢支される。この中枠解錠保持部材4は、図16に示すように、キーによるシリンダ錠7の解錠操作時に、中枠施錠杆2が解錠位置まで上昇したとき、中枠解錠保持部材4の係止部42を中枠施錠杆2の係止凹部24に係止させ、中枠施錠杆2を解錠位置に保持するようになっている。また、中枠解錠保持部材4には、中枠91を閉鎖したとき、本体枠90側の受け部93に当接可能な当接部44が設けられ、その当接部44が受け部93に当接することにより、中枠解錠保持部材4が揺動して、係止部42が係止凹部24から外れ、コイルばね16のばね力により中枠施錠杆2が施錠位置まで下降して、中枠91を施錠するようになっている。
【0034】
さらに、この中枠解錠保持部材4には、図16に示すように、中枠91の施錠時に、鉤部21との間で受け部93を挟みこむようにロックするロック部43が、当接部44の反鉤部側に、つまり鉤部21と対向する位置に突設されている。この中枠解錠保持部材4のロック部43は、図16のように、中枠91を本体枠90に対し閉じたとき、当接部44が受け部93に当接して中枠解錠保持部材4が図16の時計方向に僅かに回動し、そのとき、係止部42が係止凹部24から外れ、コイルばね16のばね力により中枠施錠杆2が下降して、鉤部21が受け部93に係止されたとき、受け部93を鉤部21とロック部43間で挟むようにしてロックし、中枠施錠杆2の解錠方向(上方向)への移動を阻止する構造となっている。
【0035】
さらに、ガラス枠施錠杆3と支持板12間の中間部に、ガラス枠解錠保持部材5が枢軸51を軸に前後(上下)に揺動可能に、支持板12に対し枢支される。このガラス枠解錠保持部材5は、図17に示すように、キーによるガラス枠の解錠操作時に、ガラス枠施錠杆3が解錠位置まで下降したとき、ガラス枠解錠保持部材5の係止部52をガラス枠施錠杆3の係止凹部35に係止させ、ガラス枠施錠杆3を解錠位置に保持するようになっている。また、ガラス枠解錠保持部材5には、ガラス枠92を閉鎖したとき、ガラス枠92側の受け部96に当接可能な当接部54が設けられ、その当接部54が受け部96に当接することにより、係止部52が係止凹部35から外れ、コイルばね15のばね力によりガラス枠施錠杆3を施錠位置まで上昇させて施錠するようになっている。
【0036】
さらに、このガラス枠解錠保持部材5には、図17に示すように、ガラス枠92の施錠時に、鉤部32との間で受け部96を挟みこむようにロックするロック部53が、当接部54の反鉤部側に、つまり鉤部32と対向する位置に突設されている。このガラス枠解錠保持部材5のロック部53は、図17のように、ガラス枠92を中枠91に対し閉じたとき、当接部54が受け部96に当接してガラス枠解錠保持部材5が図17の時計方向に僅かに回動し、そのとき、係止部52が係止凹部35から外れ、コイルばね15のばね力によりガラス枠施錠杆3が上昇して、鉤部32が受け部96に係止されたとき、受け部96を鉤部32とロック部53間で挟むようにしてロックし、ガラス枠施錠杆3の解錠方向(下方向)への移動を阻止するように構造となっている。
【0037】
さらに、図5、図7に示すように、施錠状態における中枠施錠杆2とガラス枠施錠杆3をロックするロック部材6が、カム室14内の中枠施錠杆2の内側に、枢軸61を介して僅かな角度範囲で揺動可能に取り付けられている。図5に示すように、ロック部材6には、ロック係止部62が中枠施錠杆2とガラス枠施錠杆3側に曲折して設けられ、ロック係止部62は、施錠時に、中枠施錠杆2に設けたロック凹部25とガラス枠施錠杆3に設けたロック凹部36(図5,図6)に嵌入し、中枠施錠杆2及びガラス枠施錠杆3の解錠方向への移動を阻止するようになっている。ロック部材6は、中枠施錠杆2の内側に枢支されるが、コイルばね17がロック部材6と中枠施錠杆2間に掛けられ、ロック部材6はコイルばね17により、そのロック係止部62を係止させる方向に付勢される。
【0038】
さらに、ロック部材6には、図5、図7に示すように、2個の傾斜部63,64が設けられ、解錠時にカム部材8が回動したとき、カム部材8の第1係合凸部8aが傾斜部63に接触し、または第2係合凸部8bが傾斜部64に接触して、ロック部材6が枢軸61を軸に回動し、そのロック係止部62の係止を外すようになっている。
【0039】
図5、7に示すように、シリンダ錠7の錠軸7aに取り付けられたカム部材8には、第1係合凸部8aと第2係合凸部8bが突設され、図13aのように、シリンダ錠7に挿入したキーを右に(時計方向に)回したとき、第1係合凸部8aが中枠施錠杆2の係合部23(図5,6)に係合して、これを上昇させ、解錠動作するが、この直前に、図12に示す如く、カム部材8の第1係合凸部8aがロック部材6の傾斜部63に接触し、ロック部材6を回動させ、そのロック係止部62をロック凹部25,36から外す構造となっている。また、図13bのように、シリンダ錠7に挿入したキーを左に(反時計方向に)回したとき、第2係合凸部8bがガラス枠施錠杆3の係合部34(図5,図13b)に係合して、これを下降させ、解錠動作するが、この直前に、図11に示すように、カム部材8の第2係合凸部8bがロック部材6の傾斜部64に接触し、ロック部材6を回動させ、そのロック係止部62をロック凹部25,36から外す構造となっている。
【0040】
このように、1本のロック部材6を使用して、中枠施錠杆2とガラス枠施錠杆3の両方を、施錠状態でロックするようになっており、少ない部品点数で、施錠状態における中枠施錠杆2とガラス枠施錠杆3の両方をロックすることができる。また、シリンダ錠7を使用する解錠時には、カム部材8の回動に応じてロック部材6を円滑に揺動させてロックを外し、円滑に解錠操作を行なうことができる。
【0041】
図5に示すように、中枠施錠杆2とガラス枠解錠保持部材5間には、コイルばね16が掛け渡され、このコイルばね16により、中枠施錠杆2は下方の施錠側に付勢され、ガラス枠解錠保持部材5はその係止部52をガラス枠施錠杆3に係止させる側に付勢される。また、ガラス枠施錠杆3と中枠解錠保持部材4間には、コイルばね15が掛け渡され、このコイルばね15によりガラス枠施錠杆3は上方(施錠側)に付勢され、中枠解錠保持部材4はその係止部42をガラス枠施錠杆3に係止させる側に付勢される。したがって、解錠時には、カム部材8の回動により、コイルばね16によるばね力に抗して中枠施錠杆2が上方に摺動し、同様にコイルばね15によるばね力に抗してガラス枠施錠杆3が下方に摺動することとなる。
【0042】
このように構成された施錠装置は、図8に示すように、基枠体1が、パチンコ機における中枠91の自由端側の右端に縦に、且つ鉤部21,22を本体枠90側に向けた状態で装着される。一方、本体枠90の右側壁部の内側における上記鉤部21,22に対応した上下位置に、受け部93、94が固定され、この受け部93、94に鉤部21,22が係止されて、中枠91が施錠される。なお、受け部93は、図16に示すように、中枠91を閉じた際、中枠解錠保持部材4の当接部44が当接可能に形成される。
【0043】
一方、中枠91の前面にガラス枠(遊技盤を覆う透明板を装着した前扉)92が開閉可能に取り付けられる。そのガラス枠92の右端自由端側の内側に、ガラス枠施錠杆3の鉤部31、32、33が係止される受け部95,96,97が、各々対応した箇所に設けられる。なお、中間位置の受け部96は、図17に示すように、ガラス枠92を閉じた際、ガラス枠解錠保持部材5の当接部54が当接可能に形成される。また、ガラス枠92の受け部95,96,97は、図8では別個に形成されているが、縦長の受け金具内に一体に形成することもできる。
【0044】
上記構成の施錠装置は、上記の如く、パチンコ機の中枠91の右端自由端側に縦に固定されて使用されるが、施錠機構の主要部となる中枠施錠杆2、ガラス枠施錠杆3は基枠体1の支持板12の左側面(反自由端側)に装着され、中枠91の自由端側に生じやすい隙間に対して支持板12が壁となる。また、支持板12及び背面板13に設けたカム室14は支持板12の右側面からカバー18で覆われている。このため、施錠した状態で、本体枠90と中枠91の右端自由端側の隙間、或いは中枠91とガラス枠92の右端自由端側の隙間などから、不正解錠を狙って針金などの不正器具を差し込まれたとしても、基枠体1の支持板12、カバー18などが壁となって、不正器具が中枠施錠杆2、ガラス枠施錠杆3、ロック部材6などへの到達は難しく、不正解錠を防止することができる。
【0045】
パチンコ機の中枠91が解錠された状態において、中枠91を本体枠90に対し閉じると、図16に示すように、中枠解錠保持部材4の当接部44が本体枠90側の受け部93に当接し、このとき、中枠解錠保持部材4はコイルばね15の付勢力に抗して図16の時計方向に僅かに回動する。この中枠解錠保持部材4の回動により、係止部42が中枠施錠杆2の係止凹部24から外れ、これにより、中枠施錠杆2がコイルばね16の付勢力により下降し、中枠施錠杆2の鉤部21,22が図16のように下降し、鉤部21,22が受け部93、94に係止され施錠状態となる。なお、中枠91の解錠時、図13に示すように、ロック部材6のロック係止部62はロック凹部36から外れているので、中枠施錠杆2は摺動可能である。
【0046】
このような中枠91の施錠時、図16に示すように、コイルばね16のばね力により中枠施錠杆2が下降して、鉤部21が受け部93に係止されたとき、受け部93が鉤部21とロック部43間で挟むようにしてロックされた状態となるので、仮に、中枠施錠杆2や基枠体1が解錠方向(上方向)に不正に持ち上げられたとしても、中枠施錠杆2や基枠体1は移動できず、不正解錠を阻止することができる。
【0047】
一方、パチンコ機のガラス枠92が開放された状態において、ガラス枠92を中枠91に対し閉じると、図17に示すように、ガラス枠解錠保持部材5の当接部54が中枠91側の受け部96に当接し、これにより、ガラス枠解錠保持部材5が図17の時計方向に僅かに回動する。このとき、ガラス枠解錠保持部材5の係止部52がガラス枠施錠杆3の係止凹部35から外れ、ガラス枠施錠杆3がコイルばね15の付勢力により上昇する。これにより、ガラス枠施錠杆3の鉤部31,32,33がガラス枠92側の受け部95,96,97に係止され、ガラス枠92は図8に示すように施錠状態となる。
【0048】
このようなガラス枠92の施錠時、図17に示すように、コイルばね15のばね力によりガラス枠施錠杆3が上昇して、鉤部32が受け部96に係止されたとき、受け部96が鉤部32とロック部53間で挟むようにしてロックされた状態となるので、仮に、ガラス枠施錠杆3や基枠体1が解錠方向(上方向)に不正に持ち上げられたとしても、ガラス枠施錠杆3や基枠体1は移動できず、不正解錠を阻止することができる。
【0049】
このように、中枠91、ガラス枠92を施錠した状態では、中枠解錠保持部材4のロック部43と鉤部21間で受け部93を挟むようにロックし、ガラス枠解錠保持部材5のロック部53と鉤部32間で受け部96を挟むようにロックするので、施錠状態を強固に維持することができる。
【0050】
中枠91を解錠する場合、シリンダ錠7に挿入したキーを右に回す。このとき、カム部材8が図12の矢印方向(反時計方向)に回動すると、カム部材8の第1係合凸部8aが、まずロック部材6の傾斜部63に係合して、図12のように、ロック部材6を揺動させる。これにより、図12(b)、図13(a)に示すように、ロック部材6のロック係止部62が中枠施錠杆2のロック凹部25から外れ、ロック部材6による中枠施錠杆2のロックを解除し、中枠施錠杆2は上昇可能となる。
【0051】
この後、カム部材8の第1係合凸部8aが上記と同方向にさらに回動すると、第1係合凸部8aが中枠施錠杆2の係合部23に係合して、中枠施錠杆2が第1係合凸部8aにより押し上げられる。このとき、図9に示すように、中枠施錠杆2はコイルばね16の付勢力に抗して上方に摺動し、その鉤部21,22が上昇して、本体枠90側の受け部93、94から離れ、中枠91が解錠される。このような、中枠91の解錠時、中枠施錠杆2が解錠位置まで上昇すると、その中枠施錠杆2の一部に設けた係止凹部24が中枠解錠保持部材4の係止部42の位置に達し、このとき、コイルばね15の付勢力により中枠解錠保持部材4が枢軸41を軸に回動し、その係止部42が係止凹部24に嵌入するので、中枠施錠杆2は、図9、図14(c)に示すように、解錠位置に自己保持される。
【0052】
一方、ガラス枠92を解錠する場合は、キーをシリンダ錠7に差し込み、左に回すと、カム部材8が図11の矢印方向(時計方向)に回動し、カム部材8の第2係合凸部8bは、先ず、ロック部材6の傾斜部64に係合して、図11(a)のように、ロック部材6を揺動させる。これにより、図11(b)に示すように、ロック部材6のロック係止部62がロック凹部25、36から外れ、ロック部材6によるガラス枠施錠杆3のロックを解除し、ガラス枠施錠杆3は上昇可能となる。
【0053】
この後、カム部材8の第2係合凸部8bが上記と同方向にさらに回動すると、第2係合凸部8bがガラス枠施錠杆3の係合部34に係合して、ガラス枠施錠杆3が第2係合凸部8bにより押し下げられる。このとき、図10に示すように、ガラス枠施錠杆3はコイルばね15の付勢力に抗して下方に摺動し、その鉤部31,32,33が下降して、ガラス枠92側の受け部95、96,97から離れ、ガラス枠92が解錠される。このような、ガラス枠92の解錠時、ガラス枠施錠杆3が解錠位置まで下降すると、そのガラス枠施錠杆3の一部に設けた係止凹部35がガラス枠解錠保持部材5の係止部52の位置に達し、このとき、コイルばね16の付勢力によりガラス枠解錠保持部材5が枢軸51を軸に回動し、その係止部52が係止凹部35に嵌入するので、ガラス枠施錠杆3は、図10、図14(b)に示すように、解錠位置に自己保持される。
【0054】
このように、施錠状態において、ロック部材6がそのロック係止部62を、中枠施錠杆2及びガラス枠施錠杆3のロック凹部36に係止させて中枠施錠杆2及びガラス枠施錠杆3の摺動をロックするので、シリンダ錠7を使用せずに不正に中枠施錠杆2またはガラス枠施錠杆3を解錠側に摺動させようとしても、不可能となり、不正解錠を防止することができる。
【0055】
また、中枠解錠保持部材4には、中枠施錠杆2の鉤部21が受け部93に係止されたとき、その鉤部21との間で受け部93を挟む位置にロック部43が設けられるので、中枠施錠杆2または基枠体1がその鉤部21を受け部93から外す側に不正に力を受けた場合でも、中枠施錠杆2または基枠体1は、受け部93がロック部43と鉤部21により挟まれて解錠側に移動できず、中枠91の不正解錠を防止することができる。
【0056】
また、ガラス枠解錠保持部材5には、ガラス枠施錠杆3の鉤部32が受け部96に係止されたとき、その鉤部32との間で受け部96を挟む位置にロック部53が設けられるので、ガラス枠施錠杆3または基枠体1がその鉤部32を受け部96から外す側に不正に力を受けた場合でも、ガラス枠施錠杆3または基枠体1は受け部96がロック部53と鉤部32により挟まれて移動できず、ガラス枠92の不正解錠を防止することができる。
【0057】
さらに、シリンダ錠7による解錠時、カム部材8が回動してロック部材6を揺動させ、そのロック係止部62のロック凹部25,36への係止を解除するので、中枠施錠杆2またはガラス枠施錠杆3が摺動可能となって解錠位置まで摺動し、それにより中枠施錠杆2の鉤部21,22が受け部93,94から外れ、或いはガラス枠施錠杆3の鉤部31,32,33が受け部95,96,97から外れて、解錠され、さらに、中枠施錠杆2が解錠側の端部まで移動したとき、中枠解錠保持部材4の係止部42を中枠施錠杆2の係止凹部24に係止させて解錠状態を保持し、同様に、ガラス枠施錠杆3が解錠側の端部まで移動したとき、ガラス枠解錠保持部材5の係止部52をガラス枠施錠杆3の係止凹部35に係止させて解錠状態を保持する。
【0058】
そのような解錠状態で、中枠91を閉じると、中枠解錠保持部材4の当接部44が受け部93に当接して中枠解錠保持部材4が揺動し、その係止部42の係止を解除して解錠状態を外し、ばね力により中枠施錠杆2を施錠位置に摺動させるので、中枠91を閉じたとき、少ない摩擦抵抗により軽く施錠することができる。また、ガラス枠92を閉じると、ガラス枠解錠保持部材5の当接部54が受け部96に当接してガラス枠解錠保持部材5が揺動し、その係止部52の係止を解除して解錠状態を外し、ばね力によりガラス枠施錠杆3を施錠位置に摺動させるので、ガラス枠92を閉じたとき、少ない摩擦抵抗により軽く施錠することができる。
【符号の説明】
【0059】
1 基枠体
2 中枠施錠杆
3 ガラス枠施錠杆
4 中枠解錠保持部材
5 ガラス枠解錠保持部材
6 ロック部材
7 シリンダ錠
7a 錠軸
8 カム部材
11 取付板
12 支持板
14 カム室
18 カバー
21 鉤部
23 係合部
24 係止凹部
25 ロック凹部
31 鉤部
32 鉤部
34 係合部
35 係止凹部
36 ロック凹部
41 枢軸
42 係止部
43 ロック部
44 当接部
51 枢軸
52 係止部
53 ロック部
54 当接部
61 枢軸
62 ロック係止部
63 傾斜部
64 傾斜部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦長の基枠体の支持板に沿って中枠施錠杆及びガラス枠施錠杆が上下に摺動可能に配設され、該基枠体の正面に該支持板に対し略直角に設けた取付板に、シリンダ錠が取り付けられ、該シリンダ錠の錠軸にカム部材が固定され、該中枠施錠杆及びガラス枠施錠杆が該カム部材に係合可能とされ、該基枠体がパチンコ機の中枠に取り付けられ、該中枠施錠杆の背面側に突設された鉤部が本体枠側の受け部に係止されて該中枠を施錠し、該ガラス枠施錠杆の正面側に突設された鉤部がガラス枠側の受け部に係止されて該ガラス枠を施錠するパチンコ機の施錠装置において、
該中枠施錠杆を該シリンダ錠の解錠操作により解錠位置に摺動させたとき、係止部を該中枠施錠杆の係止凹部に係止させて解錠状態を保持する中枠解錠保持部材が、該基枠体に揺動可能に枢支され、
該中枠解錠保持部材には、該中枠施錠杆の該鉤部が係止される本体枠側の受け部に当接可能な当接部が設けられると共に、該鉤部が該受け部に係止されたとき、該鉤部との間で該受け部を挟む位置にロック部が設けられ、
該中枠を該本体枠に対し閉じたとき、該当接部が該受け部に当接して該中枠解錠保持部材が揺動し、該係止部の係止を解除して解錠状態を外し、ばね力により該中枠施錠杆を摺動させて施錠状態とするように構成され、
該ガラス枠施錠杆を該シリンダ錠の解錠操作により解錠位置に摺動させたとき、係止部を該ガラス枠施錠杆の係止凹部に係止させてその解錠状態を保持するガラス枠解錠保持部材が、該基枠体に揺動可能に枢支され、
該ガラス枠解錠保持部材には、該ガラス枠施錠杆の該鉤部が係止される本体枠側の受け部に当接可能な当接部が設けられると共に、該鉤部が該受け部に係止されたとき、該鉤部との間で該受け部を挟む位置にロック部が設けられ、
該ガラス枠を該中枠に対し閉じたとき、該当接部が該受け部に当接して該ガラス枠解錠保持部材が揺動し、該係止部の係止を解除して解錠状態を外し、ばね力により該ガラス枠施錠杆を摺動させて施錠状態とするように構成され、
該カム部材の近傍の該中枠施錠杆またはガラス枠施錠杆に、ロック係止部を有したロック部材が揺動可能に枢支され、該ロック係止部が係合可能なロック凹部が該中枠施錠杆及び該ガラス枠施錠杆に設けられ、
該ロック部材は、該中枠施錠杆及び該ガラス枠施錠杆が施錠状態のとき、該ロック係止部を該ロック凹部に係止させて該中枠施錠杆及び該ガラス枠施錠杆の摺動をロックし、該シリンダ錠による解錠操作時、該カム部材の回動により該ロック部材が揺動してロックを解除することを特徴とするパチンコ機の施錠装置。
【請求項2】
前記シリンダ錠を取り付けた取付板の幅広部近傍における前記支持板と背面板に、開口部が形成され、該開口部の内側にカム室が形成され、該シリンダ錠の錠軸のカム部材が該カム室内で、前記中枠施錠杆、前記ガラス枠施錠杆及び前記ロック部材に係合可能とされ、該カム室の側面から背面を覆うようにカバーが取り付けられたことを特徴とする請求項1記載のパチンコ機の施錠装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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