説明

パチンコ機

【課題】遊技機と携帯通信端末とが情報通信可能であり、かつ遊技者が情報の取得場所を
認識し易い構成をなし、さらに斬新な態様をなす遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ機1は、所定の携帯通信端末(携帯電話機等)との間で情報通信を
行う情報通信部として赤外線受発光部33,34を有して構成されている。この赤外線受
発光部33,34は、遊技盤に設けられた入賞装置に配置され、この入賞装置の前方近傍
において携帯通信端末にて受信可能となる領域が構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ機内で生成された情報を活用する技術として様々なものが提供されてお
り、特に、近年の通信技術の発達に伴って、パチンコ機と遊技者が携行する携帯電話機の
間で情報通信を行おうとする案が考えられている。例えば、特許文献1に示される例では
、パチンコ機の下部位置に設けられた膳板上に情報通信を行うための装置を設け、その装
置内に携帯電話機を配置することによって、その装置に設けられた情報送信部と携帯電話
機に設けられた受信部との間で送受信を行おうとする技術が提供されている。このような
技術によれば、携帯通信端末とパチンコ機との間において無線通信を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−18098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような技術及び遊技方法は一般には浸透していないため、斬新な遊技
態様の創出が期待できる一方、このようなパチンコ機において遊技を行おうとした場合に
は、遊技者は様々な点で戸惑う可能性がある。特に、上記のような情報通信を行うインタ
ーフェースを設けたものが出回っていないため、いざ情報通信を行おうとしてもそのイン
ターフェースの配置場所を探し出しにくい可能性がある。さらに、パチンコ機においては
、部品配置等の制約から、大型構成とすることが難しい部品が多く、小型化が望まれる傾
向にあり、上記のようなインターフェースの小型化を図ろうとした場合には、その存在が
より目立ちにくくなるため上記のような問題性は一層高まる。
【0005】
また、特許文献1のように、このようなインターフェースをパチンコ機と別体として膳
板に配置するような構成とすると、膳板のスペースが大幅に減ることとなるため、遊技者
が膳板上のスペースを利用しにくい(例えば荷物等を置きにくい等)という懸念もあるの
みならず、利用者がインターフェースを灰皿等と見間違えるなど、インターフェースとパ
チンコ機との関連性を利用者に把握させにくい構成となることは否めない。また、インタ
ーフェースを単に膳板上に設けるという構成だけでは、デザイン性や興趣の向上が難しい
ばかりか、見栄えが悪くなってしまうという懸念もある。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、遊技者が情報の取得場
所を認識し易い構成をとりつつ、かつ斬新な態様ををなすパチンコ機を提供することを目
的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するのに適した各手段につき、必要に応じて作用効果等を付記しつつ
説明する。
【0008】
手段1.遊技が行われる遊技盤に入賞装置が備えられたパチンコ機であって、
所定の携帯通信端末との間で情報通信を行う情報通信部を有し、
前記入賞装置の前方近傍において、前記携帯通信端末にて受信可能となる領域が構成さ
れることを特徴とするパチンコ機。
【0009】
このように、遊技者の利益に関与し、かつ利用者が注目しやすい部位である入賞装置の
前方近傍において情報通信が可能となるように構成すれば、通信を行う位置の目印(即ち
携帯通信を配置する位置の目印)を自然と察知できるため、当該遊技機を初めて利用する
遊技者にとっては通信場所を探す手間がなくスムーズに通信を行うことができるため非常
に有用である。また、既に利用したことのある遊技者にとっても、一目瞭然で通信位置が
把握できるため通信を行う上での目印が明確となり、大変利用しやすい構成となる。
【0010】
なお、ここで言う「入賞装置の前方近傍」とは、具体的には透明板(いわゆるガラス板
等)の前方においてその透明板に近接する位置であり、かつ、入賞装置の前方に該当する
位置から、その透明板の板面方向においてそれほどずれない位置(即ち、入賞装置の前方
位置を基点として上下左右、或いは斜め方向にそれほどずれない位置)である。「板面方
向においてそれほどずれない位置」の好適例としては、透明板の板面と平行する方向に関
し、入賞装置の周縁から十数cm程度の距離範囲内に通信可能な領域が構成されているこ
とが望ましく、さらに言えば、入賞装置の周縁から数cm程度の距離範囲内に通信可能な
領域が構成されていると良い。より望ましくは、透明板の板面方向において入賞装置が位
置する領域内(いいかえれば入賞装置と前後方向に重なる位置)に通信可能な領域が構成
されていると良い。また、透明板に近接する位置の具体例としては、着座した遊技者と透
明板の間であり、望ましくは透明板の表面を基点として前方へ数cmから十数cm程度の
距離範囲に通信可能な領域が構成されていると良い。
【0011】
また、本発明でいう入賞装置は、所定の作動口を通過することが何らかの処理発生の条
件とされるようなものであれば、全て含めることができる。例えば、第1種遊技機等にお
いて始動に用いられるスタートチャッカーや、複数の遊技球が同時に進入可能に構成され
る大入賞口、或いは、いわゆる羽根物とも称される第2種遊技機において、パチンコ機中
央又は略中央付近に配置される第2種遊技機用入賞装置(遊技機用役物)や、いわゆる権
利物とも称される第3種遊技機に用いられる入賞装置などを例示できる。また、その遊技
球の進入に伴って、処理が発生するような装置であれば、全て上記入賞装置の概念に含め
ることができ、上記第1種〜第3種遊技機に含まれないようなもの、例えばアレンジボー
ル風のパチンコ機などであってもよい。
【0012】
なお、本発明でいうパチンコ機の基本構成としては、操作ハンドルを備え、その操作ハ
ンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、遊技球が遊技領域内の所定の位置に
配設された作動口に入賞(又は作動ゲートを通過)することを条件として、表示装置にお
いて動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものなどが挙げられる。
また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(
特定入賞口)が所定の態様で開放されて遊技球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有
価価値(景品球)のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与される
ものが挙げられる。
【0013】
手段2.遊技が行われる遊技盤に入賞装置が備えられたパチンコ機であって、
所定の携帯通信端末との間で情報通信を行う情報通信部を有し、
前記入賞装置に、又は前記入賞装置の近傍に前記情報通信部が設けられたことを特徴と
するパチンコ機。
【0014】
このように入賞装置、又はその近傍に情報通信部を配置することにより、入賞装置と情
報通信部とを位置的に関連付けやすくなり、入賞装置に注目する遊技者の目には自然と情
報通信部が入るため、遊技者の脳裏に情報通信部を効果的に印象付けやすい構成となる。
また、情報通信部を配置するための特別な部品を設けずに入賞装置を構成する部品内部に
組み込むようなことも可能となるため、省スペース及び低コスト化を効果的に図ることが
可能となる。
【0015】
また、手段1又は手段2に記載のパチンコ機の具体的構成としては、例えば、透明板の
前方において、入賞装置の前方位置を最も通信状態のよい位置(例えば、情報伝達媒体の
レベルが最も大きい位置(情報伝達媒体たる赤外線の光量や、電波の強度が最も大きい位
置等))として構成し、透明板の板面方向においてその前方位置からずれるにつれ、通信
状態が悪くなるように構成でき、かつ透明板の板面から前方側に移るにつれ通信状態が悪
くなるように構成することができる。このようにする例としては、例えば、指向性を有す
る情報伝達媒体を出力するように情報通信部を構成し、入賞装置から透明板を介し、この
透明板の板面と直交する方向に前記情報伝達媒体を出力するような構成が挙げられる。
【0016】
手段3.前記入賞装置は、遊技球が所定の作動口に進入可能に構成され、その作動口へ
の進入に伴って所定の処理が発生するように構成される手段1又は手段2に記載のパチン
コ機。
【0017】
このように、遊技球が作動口に進入可能に構成され、その進入に伴って所定の処理(例
えば、進入前とは異なる遊技状態を発生させる処理等)が発生するように構成すると、遊
技者はその処理への期待を持って入賞装置に注目するため、それに伴って情報通信位置を
効果的に印象付けることが可能となる。
【0018】
具体的には、遊技球が所定の作動口に進入することに伴い、遊技者に対して利益(賞球
等)を付与する構成、利益を付与する可能性を生じさせる構成(賞球払い出しのための抽
選を行う構成等)、或いは、特別の演出(図柄変動の開始、ランプ、音等の特別な態様の
発生等)を生じさせる構成や、特別の演出を行う可能性を生じさせる構成(抽選結果に基
づいて特別な演出を行う構成等)等が挙げられる。
【0019】
より具体的には、例えば、遊技球が所定の作動口に入賞することに伴い図柄変動を生じ
させる図柄変動発生入賞装置(スタートチャッカー等)として構成されるもの、遊技球の
入賞に伴い抽選処理が発生する抽選処理発生入賞装置(スタートチャッカー、スルーチャ
ッカー等)として構成されるもの、或いは、入賞に伴い、遊技者に対して遊技球を付与す
るように構成される遊技媒体付与入賞装置(スタートチャッカ、スルーチャッカ−、大入
賞口、遊技機用役物等)として構成されるもの、若しくはこれら複数の機能を持つもの等
、様々なものを挙げることができる。
【0020】
手段4.前記入賞装置は、図柄変動の始動に関与する作動口である図柄変動作動口を有
してなることを特徴とする手段1ないし手段3に記載のパチンコ機。
【0021】
このような図柄変動の始動に関与する入賞装置(第1種始動口を有してなる入賞装置等
)は、遊技球の入賞と遊技状況が密接に関連するため、遊技者は、図柄変動の度合い、入
賞装置への入賞状況などを観察して遊技状況を把握することとなる。例えば、このような
入賞装置の入賞を観察すれば、図柄がよく変動しているか、大当たりとなりそうか否か等
の判断の参考とすることができるため、このような構成のものでは図柄と入賞装置の双方
が極めて注目されることとなる。従って、入賞装置若しくはその近傍に配置される情報通
信部の位置を効果的に知らしめることができ、さらに、情報通信において表示装置を利用
しやすくなる。例えば、表示装置において情報通信に関する何らかの説明情報を表示させ
ようとした場合、上記のような構成であれば、入賞装置と表示装置が密接に関連するため
、遊技者は入賞装置に注目していたとしても表示装置にも目を配るため、表示装置の変化
を即座に察知し、情報通信に関する説明情報等の重要な情報を見落とすようなことがなく
なる。なお、表示装置の近くに上記のような入賞装置が配置される場合には上記効果が一
層高いものとなる。
【0022】
手段5.前記入賞装置は、賞球払い出しに関与するものであることを特徴とする手段1
ないし手段4に記載のパチンコ機。
【0023】
入賞に伴い賞球払い出しを行うか、又は賞球払い出しの条件とするような入賞装置は、
遊技者の具体的な利益(即ち遊技球の付与)に関与するため、遊技者の注目が大きく、情
報通信部の配置を効果的に知らせることができる。具体的には、スタートチャッカー、大
入賞口、役物等の入賞装置として構成できる。
【0024】
手段6.遊技に関する情報を表示する表示装置を備え、
前記入賞装置は、前記表示装置の下方近傍に配置されることを特徴とする手段1ないし
手段5に記載のパチンコ機。
【0025】
このように、表示装置の下方近傍に配置される入賞装置に情報通信部を設けるようにす
ると、表示装置と関連して入賞装置が目立ちやすくなり、かつ情報通信に関し表示装置を
利用しやすくなる。例えば、表示装置にて情報通信と関連する説明情報や演出などを位置
的に行いやすくなる。なお、ここでいう下方近傍とは、表示装置の枠体と入賞装置の距離
がそれほど離れていない位置関係をいい(例えば数cm程度の距離)、より具体的には、
表示装置の中央部の下方において、表示装置枠と入賞装置の間に釘以外の他の部品が介在
しない構成のものが望ましい。
【0026】
手段7.前記入賞装置は、スタートチャッカーとして構成されるものであることを特徴
とする手段1ないし手段6のいずれかに記載のパチンコ機。
【0027】
このようなスタートチャッカーへの入賞は、パチンコ機内において遊技者が最も注目す
る部位の1つであり、このような部位に情報通信部を配置するようにすれば、自然と情報
通信部が目に入り、その位置が容易に判明することとなる。なお、スタートチャッカーと
しては具体的には、第1種遊技機における第1種始動口を有してなるもの、第2種遊技機
において役物の入賞口の開閉の条件となる始動口を有してなるもの、或いは第3種遊技機
やアレンジボールをパチンコに適用したものなどにおける特別遊技状態(大当り等)の抽
選の条件となる入賞口などが挙げられる。
【0028】
手段8.前記入賞装置は、変位可能に構成される変位部と、その変位を制御する変位制
御手段を有し、
所定条件の成立に基づいて入賞し易くなるように前記変位部の変位が制御されることを
特徴とする手段1ないし手段7のいずれかに記載のパチンコ機。
【0029】
このようにすれば、入賞装置の変化を絶えず監視するため、入賞装置への注目度、或い
は入賞装置を見る時間的割合が高くなる。また、変位部の動作と情報通信とを関連付ける
ようなことも可能となり、演出上の自由度が増すこととなる。なお、ここでいう入賞しや
すくなる構成とは、変位部の変位により、進入口の広さが調整されるような構成(例えば
電動チューリップ等)や、進入口が閉塞状態から開放状態となるような構成(例えば、大
入賞口等)が挙げられる。例えば、電動チューリップとして構成される入賞装置に情報通
信部を備えるようにすると、電動チューリップが主要部に位置する場合(例えば、スター
トチャッカーが電動チューリップとして構成される場合等)などにおいて特に効果的とな
る。
【0030】
手段9.前記情報通信部が配置される前記入賞装置は、通常時においては遊技球の進入
が不可能となっており、所定条件の成立に基づいて遊技球の進入が可能となるものである
ことを特徴とする手段8に記載のパチンコ機。
【0031】
このような構成の入賞装置は、開放時と、閉塞時において遊技者への利益付与の度合い
が極めて異なるため、このような構成のものにおいては、遊技者はその開閉を注意深く見
ることとなる。従って、入賞装置の配置が必然的に目に入り、その位置を効果的に知らし
めることが可能となる。また、開閉動作と情報通信を関連付けるといった演出上の付随的
効果も期待できる構成となる。
【0032】
手段10.前記入賞装置は、特別な遊技状態の場合にのみ開放される大入賞口を有して
なることを特徴とする手段9に記載のパチンコ機。
【0033】
このように大入賞口内、又はその近傍に情報通信部を配置するように構成すれば、情報
通信部を入賞装置に組み込みやすく、また、大入賞口と関連した情報通信を行う場合など
においては効果的となる。例えば、大当たり中に、或いは大当たり終了後に情報通信を行
うような構成とした場合、大入賞口の開閉動作によって情報通信が可能な時期なのか否か
がわかる。
【0034】
具体的には、複数の遊技球が同時に進入可能となるように、少なくとも遊技球の径の2
倍以上の幅の進入口を有するように構成できる。さらに具体的には、手段10に記載の入
賞装置において、内部に複数の作動口を備える構成とすることができる。また、このよう
な大入賞口を備えた入賞装置は、遊技盤において中央下方部(具体的には例えば表示装置
の下方部)に配置するようにしてもよく、遊技領域を左右に2分割した場合の右側領域、
或いは左側領域に配置するようにしてもよい。
【0035】
手段11.前記入賞装置は、遊技機用の役物として構成されることを特徴とする手段1
ないし手段10に記載のパチンコ機。
【0036】
このようにすれば、例えば第2種遊技機において最も目立つ部位である役物内に情報通
信部が配置されることとなるため、情報通信部を効果的に目立たせることが可能となり、
さらには、役物の演出と情報通信部とを関連させるといったことも可能となる。
【0037】
具体的には、手段11に記載のものにおいて、開閉可能に構成される第1段階の入賞口
と、その第1段階の入賞口を通過した遊技球のみが進入可能となる第2段階の入賞口を備
えるように前記入賞装置を構成し、前記第2段階の入賞口に入賞した場合に、特別の遊技
状態となるか、又は特別の遊技状態の抽選を行うように構成できる。
【0038】
手段12.前記情報通信部は、前記入賞装置を構成する部品に組み込まれ、前方側へ情
報出力するように、及び/又は、前方側より情報入力されるように構成されることを特徴
とする手段1ないし手段11のいずれかに記載のパチンコ機。
【0039】
このように、情報通信部を入賞装置を構成する部品に組み込むように構成すれば、情報
通信部を設けるために枠体などを用意する必要がなく、部品が共用化でき、スペース削減
、コスト削減を効果的に達成できる。
【0040】
手段13.前記入賞装置の内部、又は入賞装置の近傍にキャラクターを模した形態をな
すキャラクター部が設けられたことを特徴とする手段1ないし手段12のいずれかに記載
のパチンコ機。
【0041】
上記のような構成によれば、遊技機内において極めて目立ちやすい部位であるキャラク
ター部が情報取得の際の目印となるため、遊技者が情報取得場所を容易にかつ確実に見つ
け出すことができ、さらにキャラクター部自体の意匠性、又はその態様(動作態様、発光
態様、その他キャラクター部を変化させる種々の態様等)と情報通信とを関連させ易く、
斬新な遊技態様を創出しやすい構成ともなる。なお、本発明でいうキャラクター部は、各
種分野におけるキャラクターを平面的又は立体的に模した構成とすることができる。具体
的には、小説・漫画・映画・演劇・テレビ・或いはその他の分野において登場する人、動
植物、その他のもの、シンボル、またはそのイメージ等を、平面的又は立体的に模した部
分として構成することができ、特に、遊技機利用者において、周知、ないし著名な、若し
くは架空の人物、動植物、その他のものを模した構成としたり、意匠性に優れた構成とす
ると、装飾性、遊技性を効果的に高めうる構成となる。
【0042】
なお、具体的には、手段13に記載のものにおいて、前記入賞装置を遊技機用役物とし
て構成し、その役物において前記キャラクター部が設けられるように構成できる。この場
合におけるキャラクター部の配置は、役物を構成する部品枠体部分にキャラクター部を配
置するようにしてもよく、部品枠体とは別体として部品内部にキャラクター部を配置する
ようにしてもよい。このようにすれば、第2種遊技機において遊技者が最も注目する部位
である役物の装飾性、演出性を高めることができると共に、その装飾や演出と、情報通信
部とを互いに関連付けることが可能となる。具体的には情報通信部とキャラクター部とを
関連付けて演出を行ったり、互いに関連させて装飾効果を相乗的に高めるようなことが可
能となる。
【0043】
また、手段13に記載のものにおいて、態様が変化するように前記キャラクター部を構
成する一方、前記キャラクター部の態様を変更するように制御するキャラクター部態様変
更手段を備えるようにしてもよい。
【0044】
このように構成すれば、キャラクター部の態様変化に遊技者が注目することとなり、演
出効果を高めることができるとともに、情報通信部への注目度を一層高めることが可能と
なる。なお、本発明でいう態様の変化は、キャラクター部自体が変化する構成のみならず
、キャラクター部に関連する部位(たとえばキャラクター部の近傍等)の態様が変化する
ことによりキャラクター部の態様が相対的に変化するような構成をも概念として含む。例
えば、キャラクター部から所定距離離れた位置においてランプが光ることによりキャラク
ター部が照らされ、明るく見えるようになったり、所定の色あいをもつようになる構成を
も包含する。また、態様の変化としては、キャラクター部自体、若しくはキャラクター部
と関連する部位が変位するような動作による態様変化、或いは、キャラクター部内、若し
くはキャラクター部と関連する所定の部位が発光するような発光による態様変化など、あ
らゆる態様変化が概念として含まれ、キャラクター部の様子が変化する構成であればこれ
ら以外の態様変化手法を適用しても勿論よい。
【0045】
手段14.前記入賞装置は、装飾部品の一部として、又は装飾部品に隣接して設けられ
ることを特徴とする手段1ないし手段13のいずれかに記載のパチンコ機。
【0046】
このように入賞装置を装飾部品の一部として、又は装飾部品と隣接して配置するように
構成すれば、入賞装置が装飾性に優れたものとなって極めて注目されることとなり、情報
通信部の位置を効果的に知らしめることができる。
【0047】
手段15.遊技が行われる遊技領域において装飾部品が備えられたパチンコ機であっ
て、
所定の携帯通信端末との間で情報通信を行う情報通信部を有し、
前記装飾部品に、又は前記装飾部品の近傍に前記情報通信部が設けられたことを特徴と
するパチンコ機。
【0048】
このように、遊技領域に設けられた装飾部品の一部として、又は装飾部品の近傍に情報
通信部を設けるようにすれば、その装飾に注目する遊技者に情報通信部の位置を効果的に
認識させることができ、その装飾性が高いほど認識効果は顕著となり、かつ遊技興趣も高
まる。本発明において、装飾部品とは、遊技領域に配置される部品であって、遊技におけ
る装飾に関与する部品全般を指し、発光手段を備えた装飾部品、一部又は全部が駆動する
装飾部品、或いは、意匠性に優れた形状をなす装飾部品など、様々な装飾部品が挙げられ
る。
【0049】
手段16.前記装飾部品は、遊技領域に配置される表示装置及びその枠体とは別体に構
成される部品であることを特徴とする手段14又は手段15に記載のパチンコ機。
【0050】
このように、表示装置やその枠体とは別体として装飾部品を構成すれば、表示装置の近
傍に情報通信部を配置しにくい場合や、表示装置から離れた場所に装飾部品を配置して相
乗的に装飾性を高めようとした場合等において効果的となる。
【0051】
手段17.前記装飾部品は、遊技領域の周縁部に配置される部品であることを特徴とす
る手段14ないし手段16のいずれかに記載のパチンコ機。
【0052】
このように遊技領域の周縁部に装飾部品を配置し、その周縁部に配置される部品におい
て情報通信部を設けるようにすれば、遊技球があまり流下しない領域を効果的に利用する
ことができる。また、遊技領域の中央近傍に情報通信部を配置しにくい構成のものに適用
しても効果的である。
【0053】
手段18.前記装飾部品は、サイドランプを有してなることを特徴とする手段17に記
載のパチンコ機。
【0054】
このようにサイドランプを有してなる装飾部品の内部又はその近傍に情報通信部を配置
するようにすれば、遊技球の流下があまりない領域を効果的に利用でき、さらには、サイ
ドランプの装飾性に関連させて情報通信部を目立たせることも可能となる。特に、サイド
ランプが遊技機における装飾の主要部をなすような構成のものであればより一層効果的と
なる。具体的には、サイドランプの近傍、又はサイドランプが組み込まれる部品本体に取
付けられるかたちにて情報通信部を設けることができる。
【0055】
また、手段14ないし手段17に記載のものにおいて、前記装飾部品を遊技機用風車と
して構成するようにしてもよい。このように装飾部品を遊技機用風車として構成し、その
風車近傍に情報通信部を配置するようにすれば、斬新な遊技機用風車を構成することがで
きる。
【0056】
手段19.前記装飾部品は、特別な遊技状態の発生を遊技者に報知する報知部品として
構成されるものであることを特徴とする手段14ないし手段18のいずれかに記載のパチ
ンコ機。
【0057】
例えば、大当たりした際に、確率変動を伴う大当たりか否かの報知を装飾部品により行
うように構成すると、その装飾部品は遊技者が極めて注目する部品となる。そして、この
ような部品の内部、又はその近傍に情報通信部を配置するように構成すれば、情報通信部
が極めて目立つ構成となる。
【0058】
手段20.前記情報通信部の前端縁が遊技盤の盤面より前方に位置するように配置され
る一方、前記情報通信部の周囲において、前記情報通信部の全体を取り囲むように、又は
前記情報通信部を部分的に囲むように防護部が構成されることを特徴とする手段1ないし
手段19のいずれかに記載のパチンコ機。
【0059】
このように、遊技盤の盤面より前方側に前端縁が位置するように情報通信部が配置され
るように構成すると、情報通信部の位置がより遊技者に近接し、情報通信が良好に行える
こととなって通信を行う上で有益であるが、このように構成すると、流下する遊技球が情
報通信部、或いはその近傍に衝突するなどして衝撃が生じる可能性がある。これに対し、
情報通信部を囲むように防護部を設けるようにしたため、情報通信部をより遊技者に近接
させる配置であっても効果的に情報通信部が保護されることとなる。特にICなどの半導
体部品により情報通信部を構成した場合には効果的である。
【0060】
手段21.前記情報通信部の前端縁が遊技盤の盤面より後方側に配置されることを特徴
とする手段1ないし手段19のいずれかに記載のパチンコ機。
【0061】
このように構成すれば、流下する遊技球が情報通信部に衝突する恐れがなく、情報通信
部の耐久性を高め得る構成となり、特にICなどの半導体部品により情報通信部を構成し
た場合には効果的である。
【0062】
手段22.前記入賞装置は、当該パチンコ機の左右方向において、発射ハンドルが配置
される側とは反対側に配置されることを特徴とする手段1ないし手段121のいずれかに
記載のパチンコ機。
【0063】
このようにすれば、遊技球を発射する発射ハンドルを持つ側とは反対側に情報通信部が
配置されるようになるため、遊技を続けつつ情報通信を行おうとした場合に、発射ハンド
ルを持ちつつその手とは逆の手にて通信操作が楽な姿勢で行えることとなり、遊技を中断
せずとも通信を行うことができる好適構成となる。さらに述べると、当該パチンコ機を左
右方向において中心部より二分割した場合に(具体的には、遊技機盤面(即ちパチンコ機
の遊技盤面)と直交する縦方向の切断面により左右に二分した場合に)、一方側に発射ハ
ンドルが配置され、他方側に情報通信部が配置されていれば上記手段に係る効果を達成で
きることとなる。具体的には例えば、遊技者から見て右側領域に発射ハンドルを配置し、
左側領域に入賞装置を配置するように構成できる。
【0064】
手段23.前記情報通信部は、当該パチンコ機内にて扱われた情報を、前記携帯通信端
末によって受信可能な信号として送信する情報送信部を有することを特徴とする手段1な
いし手段22に記載のパチンコ機。
【0065】
このようにすれば、利用者はパチンコ機内にて扱われた情報を携帯通信端末にて容易に
取得可能となって、その情報を様々な用途に活用できることとなるため、極めて有用性の
高い構成となる。そして、パチンコ機からの情報を活用しようとする際に、多くの利用者
が通信位置を即座に判断できて手軽に通信が行えるため、このような情報活用を行う斬新
な遊技形態を多数の利用者に広く浸透し得る構成となる。
【0066】
手段24.特定の遊技状態の発生又は進行を検出するための状態検出手段と、
その状態検出手段により検出された前記特定の遊技状態の発生又は進行を表す遊技情報
を作成する情報作成手段とを備え、
この遊技情報を、前記パチンコ機内にて扱われた情報として前記情報送信部より送信す
ることを特徴とする手段23に記載のパチンコ機。
【0067】
このように、パチンコ機内において作成された遊技情報を情報送信部より携帯通信端末
に送信するようにすれば、その遊技情報を様々な用途に利用できる好適構成となる。そし
て、このような遊技情報を携帯通信端末に送信して利用するようにすると、ユーザへの利
益付与、マーケティング等の面において極めて有用な情報を利用できることとなるが、ユ
ーザが情報送信部を探すことを嫌がったり、面倒なものと考えたりすると、折角の有用情
報であっても、有効に利用できなくなってしまう可能性がある。即ち、情報送信部がわか
りやすく、利用しやすい位置にないとその捜索や操作等が面倒となり、利用者離れを引き
起こす可能性があり、特に新規の利用者については、その位置が直感的に判明しないと利
用しにくい可能性もある。これに対し、上記構成によれば、このような携帯通信を用いた
遊技方法が浸透しているような場合は勿論のこと、仮に一般に浸透していないとしても遊
技者が注目する位置に情報通信部が配置されるため、その情報送信部の位置が直感的にわ
かることとなる。従って、遊技がスムーズに進行することとなるため、利用者がストレス
を感じることなく通信を行えて利用者増加を効果的に図ることができ、ひいては、遊技情
報と利用者情報を用いた様々なビジネス形態を創出し得ることとなる。
【0068】
手段25.前記情報通信部は、前記携帯通信端末から送信される情報を受信可能に構成
される情報受信部を備えたことを特徴とする手段1ないし手段24のいずれかに記載のパ
チンコ機。
【0069】
このように、情報受信部を入賞装置、又はその近傍に配置するようにすれば、携帯通信
端末からパチンコ機側に情報を送信する場合に、その携帯通信端末の配置すべき位置を容
易に把握できる好適構成となり、携帯通信端末から遊技機へ情報入力を行うような斬新な
構成のものにおいて、遊技者は戸惑うことなくスムーズに端末操作を行うことができる。
なお、情報送信部及び情報受信部を同一のユニット内に配置(例えば、赤外線発光素子及
び赤外線受光素子を隣接配置する構成や、同一チップに発光素子及び受光素子が組み込ま
れた赤外線受発光チップ等)し、そのユニットを双方向通信可能な情報送受信ユニットと
して構成してもよい。このようにすれば、装置の小型化、設置スペースの削減に寄与する
こととなる。
【0070】
また、手段25に記載のものにおいて、前記情報通信部にて受信した前記携帯通信端末
からの情報に基づいて、当該パチンコ機の状態を変更するパチンコ機状態変更手段を備え
るようにしてもよい。このようにすれば、パチンコ機の状態を遊技者の操作により変更で
きる構成となるため、遊技者の遊技への関与度合いが一層高まり、さらに、そのパチンコ
機状態を変更する際に、携帯通信端末からの情報が送られることとなるため、この情報を
利用して様々なパチンコ機状態を創出することが可能となる。なお、パチンコ機状態の変
更とは、遊技盤上での表示態様、動作態様の変更のみならず、パチンコ機の状態が変更さ
れればどのようなものでもよい。例えば、遊技者に特別な利益を付与するような状態変更
でもよく、遊技状態を変更しないやり方でもよい。例えば、利用者から送られるデータを
、後に利用するため、単にパチンコ機内(RAM、不揮発性メモリ、若しくはその他の記
憶装置等)に記憶するだけでもよい。
【0071】
なお、前記パチンコ機状態変更手段として、パチンコ機内にて発生する遊技状態を変更
する遊技状態変更手段を設けるように構成できる。これにより、携帯通信端末からの情報
により遊技状態が変化することとなり、利用者は自らの操作により遊技状態の変更を行え
る構成となる。遊技状態の変更としては、例えば、キャラクター部の態様や図柄表示装置
の表示態様を変更したり、或いは、通常の遊技状態から遊技者に特別な利益を付与した遊
技状態に変更する等、様々な変更方法を用いることができる。例えば、携帯通信端末から
何らかの情報が入力されることをトリガとして、キャラクター部に駆動信号を送信し(例
えばCPUよりソレノイド部に向けて信号送信し)、その情報入力を受信したことを遊技
者に知らしめるようにしてもよい。
【0072】
手段26.前記情報通信部は、ブルートゥース通信が可能なブルートゥース通信用アン
テナとして構成されるものである手段1ない手段25のいずれかに記載のパチンコ機。
【0073】
このようにすれば、パチンコ機と携帯通信端末との間で無線通信を行う上での好適構成
となり、スムーズに情報送信又は情報受信を行えることとなる。そして、ブルートゥース
通信により、パチンコ機と携帯通信端末との間で有用な情報のやり取りを手軽に行えるこ
ととなる。このブルートゥース通信用アンテナとしては、例えば、チップアンテナを好適
に使用できる。なお、上記いずれの手段に記載のパチンコ機においても、携帯通信端末と
パチンコ機の通信仕様としてブルートゥースによるものを用いることができる。
【0074】
また、上記1ないし手段26に記載のパチンコ機において、前記情報通信部の近傍に、
前記携帯通信端末が接近したことを検出する接近検出手段が設けるようにしてもよい。こ
のようにすれば、携帯通信端末が通信可能な位置にあるか否かが接近検出手段により判断
でき、接近状態にある場合にのみ通信を行うようにすれば、パチンコ機側は不必要な送受
信処理を行うことがなくなる。
【0075】
さらには、前記接近検出手段により前記携帯通信端末の接近検出がなされることを条件
として前記パチンコ機から前記遊技情報の送信を開始する送信開始手段を設けるようにし
てもよい。このようにすれば、接近を検出して自動的に情報送信を開始するような構成と
することができると共に、遊技者による複雑な操作を省略でき、極めて使い易い構成とな
る。
【発明の効果】
【0076】
本発明によれば、遊技者が情報の取得場所を認識し易い構成をとりつつ、かつ斬新な態
様ををなすパチンコ機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の第1実施形態に係る遊技機について示す斜視図
【図2】遊技機における遊技盤の概略構成図
【図3】遊技機と携帯通信端末との間で通信を行っている状態を示す概念図
【図4】通信ユニットのハードウェア構成を示すブロック図
【図5】携帯電話機を例示する正面図
【図6】携帯電話器のハードウェア構成を例示するブロック図
【図7】特別電動役物制御ルーチンを例示するフローチャート
【図8】特別電動役物制御ルーチンの図7の続き部分を説明するフローチャート
【図9】図柄変動開始処理ルーチンを説明するフローチャート
【図10】確率変動処理ルーチンを説明するフローチャート
【図11】遊技状態記憶処理ルーチンを説明するフローチャート
【図12】確変中信号、大当たり信号及び確変大当り信号の検出例を示すチャート
【図13】遊技状態記憶領域における遊技状態データの記憶例を示す図
【図14】遊技情報送信メインルーチンを説明するフローチャート
【図15】遊技情報作成・送信処理ルーチンを説明するフローチャート
【図16】送信バッファのフォーマット(遊技情報のデータ構造)及び送信バッファの格納例を示す説明図
【図17】メッセージ表示例を示す説明図
【図18】携帯電話におけるメッセージ表示例を示す説明図
【図19】携帯電話機によって受信された遊技情報の記憶例を示す図
【図20】変形例において、遊技状態記憶領域に遊技状態データ及び時点データが記憶された例を示す図
【図21】変形例において、携帯電話機によって受信された遊技情報の記憶例を示す図
【図22】第1実施形態の入賞装置の内部構成を説明する説明図
【図23】第2実施形態に係るパチンコ機の遊技盤の概略構成図
【図24】第2実施形態の入賞装置を示す斜視図
【図25】第3実施形態に係るパチンコ機の遊技盤の概略構成図
【図26】図25のパチンコ機におけるキャラクター部及びその近傍を拡大して示す拡大図
【図27】図25のキャラクター部の動作及び正面からの内部構造について説明する説明図
【図28】図25のキャラクター部の動作及び斜め後方からの内部構造について説明する説明図
【図29】第3実施形態における遊技情報送信メインルーチンを説明するフローチャート
【図30】第4実施形態における遊技情報送信メインルーチンを説明するフローチャート
【図31】第7実施形態における遊技盤の構成を概略的に示す概略図
【図32】図31とは異なる例を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0078】
<第1実施形態>
以下、本発明のパチンコ機を具体化した一実施の形態につき図面を参照しつつ説明する

【0079】
本実施の形態のパチンコ機1は、遊技ホールに設置されたパチンコ島台のカウンタ台の
上部にて複数横方向に並べられて設けられる。パチンコ機1は、図1に示すように、前部
には前枠2が設けられ、さらにその前枠2にガラス扉枠3が取付けられている。ガラス扉
枠3は、図示しない軸状のヒンジにより前枠2に開閉可能に支持され、かつガラスが嵌め
込まれた金属製の枠と、その枠に嵌め込まれる合成樹脂製の枠(以下「樹脂枠」という)
とを備えている。ガラス扉枠3の後方には、図2に示す遊技盤7が配置されている。遊技
盤7は略円形の遊技領域を有し、その遊技領域には第1種始動口4、特別表示装置(以下
、単に「表示装置」という)5及び大入賞口6が設けられている。第1種始動口4におい
ては、遊技球Bの通路が備えられると共に、その通路入口に羽根4aが開閉可能に支持さ
れている。この第1種始動口4を備えた入賞装置100は図柄変動を開始させるためのス
タートチャッカーとして構成されている。また、表示装置5は、例えば図柄を動的に表示
する図柄表示装置として構成できる。なお、この入賞装置100の具体的構成については
後述する。
【0080】
ガラス扉枠3の下部には、賞球が払い出される上受け皿3aが装着されている。また、
前枠2の窓孔より下方には下受け皿2aが装着されている。下受け皿2aは、前記上受け
皿3aに入りきらない賞球や、上受け皿3aから球抜きした抜き球や、或いはファウル球
等の余剰球を、余剰球出口から排出させて貯留させるものである。前枠2における下受け
皿2aの右側方には遊技球Bを発射するための発射ハンドル17が回動操作可能に装着さ
れている。発射ハンドル17に対応する前枠2の裏側には駆動手段としてのモータ(図示
せず)が装着されており、発射ハンドル17の回動操作によってモータか回動され、これ
により打球杆(図示せず)が間欠動作されるとともに、前記発射ハンドル17の回動角度
に応じた弾発力に調節される。従って、前記モータ及び打球杆等によって球発射装置が構
成されている。
【0081】
表示装置5は第1種始動口4の上方に設けられており、液晶ディスプレイ(LCD)か
らなる画面5aを備えている。画面5aには多種類の画像が表示されるが、その1つとし
て、左図柄列8、中図柄列9及び右図柄列10が表示される。図柄列の数は前述したもの
(3列)に限られず、1列、2列、4列以上であってもよい。各図柄列8乃至10は、数
字、記号等からなる複数の図柄によって構成されている。
【0082】
表示装置5では、図柄列8乃至10での図柄変動が、遊技球Bの入賞装置100への入
賞により(具体的には、第1種始動口4より遊技球Bが進入し、入賞装置100内部に設
けられた検出手段によりその遊技球Bが検出されることにより)開始される。図柄変動は
左図柄列8、右図柄列10、中図柄列9の順に停止されるが、これは一例にすぎず、別の
順序で停止されてもよい。全ての図柄列8乃至10での図柄変動が停止したとき、表示さ
れている図柄(以下「停止図柄」という)の組合せが、予め定められた組合せ(特定表示
結果、以下「大当りの組合せ」という)、すなわち、同一種類の図柄が大当りラインに沿
って並んでいるときの同図柄の組合せ(例えば、777)、となる場合がある。この停止
図柄の組合せを、以下「大当り図柄」という。本実施形態では、大当りラインとして、水
平方向へ延びるもの(上・中・下の3種類)と、斜め方向へ延びるもの(右下がり・左下
がりの2種類)の合計5種類存在するが、これに限られない。例えば、大当りラインの数
が1つであり、通常、「1ライン」と呼ばれているものであってもよい。そして、大当り
の組合せが成立すると特別電動役物が作動し、遊技者にとって有利な特別遊技状態として
の大当り遊技状態が到来し、より多くの賞球を獲得することが可能となる。
【0083】
さらに、パチンコ機1は大当り遊技状態の発生に先立ちリーチ遊技状態となる。ここで
、リーチ遊技状態とは大当り遊技状態の直前の状態をいい、倒えば、右図柄列10での図
柄変動が、大当りライン上において左図柄列8での停止図柄と同一種類の図柄で停止し、
かつ、その後に中図柄列9での図柄変動が左右両図柄列8,10での停止図柄と同一種類
の図柄で停止されれば最終的に大当りの組合せとなる状態を含む。また、図柄変動が停止
すると、大当り遊技状態となる組合せで変動し、その図柄で停止されれば最終的に大当り
遊技状態となる場合において、その変動中の状態もリーチ遊技状態に含まれる。これは、
通常、全回転(全図柄)リーチと呼ばれているものである。
【0084】
大入賞口6は第1種始動口4の下方に設けられており、1つのVゾーン11、2つの通
路12,13及びシャッタ14を備えている。シャッタ14は大入賞口用ソレノイド15
(以下、単に「ソレノイド15」ともいう)により作動させられ、Vゾーン11及び通路
12,13の各入口を開閉する。
【0085】
図2に示すように、遊技盤3には、始動口用スイッチ18、Vゾーン用スイッチ19及
びカウントスイッチ20が取付けられている。始動口用スイッチ18は、遊技球Bの第1
種始動口4への入賞を検出する。Vゾーン用スイッチ19は遊技球BのVゾーン11への
入賞を検出し、カウントスイッチ20は遊技球Bの大入賞口6への入賞を検出する。また
、各スイッチ18乃至20の検出結果に基づきソレノイド15及び表示装置5をそれぞれ
駆動制御するために、制御装置21が設けられている。制御装置21は読出し專用メモリ
(ROM)、中央処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)等を備えてい
る。ROMは所定の制御プログラムや初期データを予め記憶しており、CPUはROMの
制御プログラム等に従って各種演算処理を実行する。RAMはCPUによる演算結果を一
時的に記憶する。尚、より詳細には、制御装置21は、パチンコ機1の主制御を行うメイ
ン基板と、メイン基板からの信号によって各部を制御するための表示制御基板、音量調整
基板、LED基板、払出し制御基板等の各種のサブ基板とから構成されている。
【0086】
CPUによる制御の1つとして、大当り遊技状態の発生確率を条件に応じて変動させる
、いわゆる確率変動がある。具体的には、1/300程度の低確率で大当り遊技状態を発
生させる低確率モードと、その約5倍である1/60程度の高確率で大当り遊技状態を発
生させる高確率モードとが用意されており、大当り図柄の種類に応じて確率モードが切替
えられる。すなわち、大当り図柄が、予め定められた特別図柄(例えば奇数図柄)である
と高確率モードに設定され、予め定められた通常図柄(例えば偶数図柄)であると低確率
モードに設定される。なお、低確率モードでの発生確率に対する高確率モードでの発生確
率の倍数は、前述した値(約5)以外の値であってもよい。
【0087】
また、CPUの出力ポートには、外部接続端子板16が接続されている。また、外部接
続端子板16は、ホールコンピュータに接続されるホールコンピュータ用の出力端子16
A〜Dと、通信ユニット30に接統される通信ユニット用の出力端子16a〜dとを備え
ている。
【0088】
ここで、出力端子16A及び16aは、上述した高確率モード中であることを示す「確
変中信号」を出力する。また、出力端子16B及び16bは、大当りの発生中であること
を示す「大当り信号」を出力する。また、出力端子16C及び16cは、予め定められた
特別図柄(例えば奇数図柄)による大当りの発生中であることを示す「確変大当り信号」
を出力する。また、出力端子16D及び16cは、球発射装置によって遊技球Bの発射が
行われているか否かを示す「発射スイッチ信号」を出力する。
【0089】
また、この赤外線発光部33、受光部34の近傍には、報知手段としての報知ランプ3
1が設けられている。より詳細には、図4に示すように、これら報知ランプ31、赤外線
発光部33及び赤外線受光部34に加え、インタフェース回路(I/F)35と、CPU
36と、ROM37と、RAM38とを備えて通信ユニット30が構成され、この通信ユ
ニット30が機能することにより携帯通信端末との情報通信が可能となる。以下、通信ユ
ニット30における各要素についてそれぞれ説明する。
【0090】
報知ランプ31は、通信に関する状態を遊技者に視覚的に報知するランプとして構成さ
れるものであり、その点灯、消灯の切り替えタイミングは様々なパターンに設定できる。
本実施形態では、赤外線発光部33から遊技情報の送信が可能な状態となったことを遊技
者に視覚的に報知するものとして構成され、送信可能な遊技情報が有る場合に点灯し、無
い場合には消灯させており、さらに、赤外線発光部33から遊技情報の送信が行われてい
る問は報知ランプ31が点滅し、送信が終了すると消灯するように構成されている。
【0091】
情報送信部としての赤外線発光部33は、表示装置5の近傍に配置されて携帯電話機2
00に対して遊技情報等を赤外線信号として送信するための発光デバイスとして構成され
る。この赤外線発光部33から照出される赤外線信号は指向性を有し、この赤外線信号が
、例えば表示装置5の近傍において遊技盤7の盤面とほぼ直交する方向に出力されるよう
に構成されている。ここでは、赤外線発光部33から前方(遊技者側)に向かって赤外線
信号が出力されるため、隣接配置されるパチンコ機同士で赤外線信号が干渉することはな
い。なお、入賞装置100の近傍で受信可能な構成であれば出力方向はこれに限定されな
い。
【0092】
情報受信部としての赤外線受光部34は、情報送信部と同様に表示装置5の近傍に配置
され、携帯電話機200から送信される赤外線信号を受信するための受光デバイスとして
構成される。尚、赤外線信号は上述したように指向性を有しているため、携帯電話機20
0の赤外線受光部208及び赤外線発光部209を、通信ユニット30の赤外線発光部3
3及び赤外線受光部34に対向させることによって、パチンコ機1と携帯電話機200と
が互いに通信相手として特定される。
【0093】
アクチュエータ駆動手段55は、CPU36からの信号を受けて、駆動アクチュエータ
たるソレノイド部を駆動するものであり、図示しない駆動回路とソレノイド部とを備えた
構成をなしている。この駆動回路は、例えば、CPU36からの駆動信号を受けてコイル
部を通電し、駆動OFF信号を受けてその通電を解除する回路として構成できる。駆動す
るソレノイド部は1つでも複数でもよく、複数設けた場合には各ソレノイド部を独立して
制御できるように並列に構成できる。また、ソレノイド部としては、図2に示すようなス
タートチャッカー100の羽根4aを駆動する部分として構成してもよく、後述するキャ
ラクター部60(図25参照:後述)の変位部60Aを駆動するソレノイド部70や、変
位部69(後述)として構成してもよい。なお、ここでは通信ユニット30内部にアクチ
ュエータ駆動手段を設ける構成を示しているが、他の基板にこのような手段を設け、メイ
ン基板からの信号、或いは通信ユニットからの信号に基づいてアクチュエータを駆動する
ように構成してもよい。
【0094】
インタフェース部35は、通信線を介して外部接続端子板16の通信ユニット用の出力
端子16a〜dと接続され、各端子よりそれぞれ出力される「確変中信号」、「大当り信
号」、「確変大当り信号」及び「発射スイッチ信号」をCPU36に入力する電子回路で
ある。
【0095】
CPU36は、通信ユニット30各部を制御するための制御装置であり、ROM37か
ら制御プログラムを読み出して実行する。
ROM37は、通信ユニット30各部を制御するための制御プログラムやその他のプロ
グラム、若しくは各種のデータ等を記憶する読み出し専用の記憶媒体である。
RAM38は、CPU36によって使用されるワーク領域、遊技状態記憶領域38a及
び遊技情報送信用の送信バッファ38bを有する書き換え可能な記憶媒体である。
【0096】
不揮発性メモリ39は、後述する遊技情報カウンタ39aを不揮発的に記憶するための
書き込み可能な不揮発性の記憶媒体である。不揮発性メモリ39に記憶される遊技情報カ
ウンタ39aの値は、パチンコ機1の電源遮断後も記憶保持される。
【0097】
次に入賞装置の具体的構成について説明する。
本実施形態において、入賞装置100は、スタートチャッカーとして構成されており、
電動チューリップの形態をなすものである。この入賞装置100は、遊技球が第1種始動
口4(作動口)に進入すると、部品本体部100a内部に形成された通路100cを進み
、後方側に流れるようになっている。そして、その後方側には、遊技球を検出する始動口
用スイッチ18(図22では図示略:図2参照)が設けられ、この始動口用スイッチ18
による検出に基づいて所定の処理が実行されるようになっている。
【0098】
そして、入賞装置100の内部に情報通信部としての赤外線受発光部33,34が配置
されている。具体的には、部品本体部100aの下方位置において(具体的には入賞装置
100の前方において平面状に設けられた前飾部100bの下方位置においてて開口する
構成にて)孔45及び孔48が設けられており、その孔45の内部には上述した報知ラン
プ31を構成する発光素子31aが設けられており、他方、孔48の内部には赤外線受発
光部33,34を構成する受発光チップが設けられている。ここでは、これら電子部品が
基板46上に配置された状態で、基板後方側に設けられたコネクタ部47を介して電線部
49と電気的に接続されている。そして、この電線部49を介して図4に示すCPU36
と電気的に接続される形態をなしている。
【0099】
また、赤外線受発光部33,34は、その前端縁43が遊技盤の盤面7aより後方に位
置するように配置されており、この赤外線受発光部33,34の周囲において、赤外線受
発光部33,34の全体を取り囲むように、入賞装置100の部品本体部100bの一部
により防護部44が構成されている。この防護部44は、孔48の内部に配置された受発
光チップを取り囲む壁状に構成されており、受発光チップに対する衝撃を防護している。
なお、この防護壁の周囲にさらに釘等を配置して、強度を高めても良い。また、図22の
例では、赤外線受発光部33,34の前端縁43が盤面7aより後方に位置するように配
置しているが、このように防護壁により周囲を囲んだ状態で、前端縁が盤面7aより前方
に位置するように配置してもよい。
【0100】
また、図1の例では、前枠2における下受皿2aの右側方には、パチンコ機1と携帯電
話機200との間の情報送信に関する操作を行うための操作部が設けられる。具体的には
、この操作部はパチンコ機1に対して情報送信を要求する送信要求ボタン32として構成
されており、この送信要求ボタン32が押下されることがトリガとなり、パチンコ機1か
ら携帯電話機200に対して情報送信が開始される構成となっている。この送信要求ボタ
ン32は、通信ユニット30に対して遊技情報の送信開始を要求するための押しボタンと
して構成されており、ここではパチンコ機1からの送信準備が整った状態(例えば報知ラ
ンプ31が送信準備完了時の発光態様をなす状態等)でのみ押下が受け付けられ、他の状
態で送信要求ボタン32を押下しても送信は開始されないようになっている。
【0101】
本実施形態では、報知ランプ31点灯中に送信要求ボタン32を押下すると、報知ラン
プ31が点滅を開始すると共に、赤外線発光部33より赤外線信号による遊技情報の送信
が開始されるようになっている。なお、ここでは操作部をボタン構成としているが、操作
レバー、タッチパネル等、遊技者が外部より操作可能な構成であればよい。また、ここで
は、情報送信のトリガ入力を行うために操作部を設けているが、情報送信に関連するため
の情報入力操作であれば他の用途にも適用できる。例えば、表示画面において、複数の項
目を選択可能に表示し、その中から、上記操作部を操作させることによりいずれかを選ば
せるように構成してもよい。その一例としては、例えば、パチンコ機からの情報送信を要
求するのか、或いは情報通信に関する説明情報(例えば操作説明等)を要求するのかを遊
技者に選ばせるようにし、選択操作に対応する処理を実行するようにしてもよい。
【0102】
次に、パチンコ機1の通信ユニット30との間で赤外線通信が行われる携帯電話機20
0の構成について、図5及び図6を参照しつつ説明する。携帯電話機200は、図5の正
面図に示すように、ケース202、キー操作部204、液晶パネル(表示部)206、赤
外線受光部208、及び赤外線発光部209から構成されている。キー操作部204は、
ケース202の正面ケース部203に配設されたもので、十字キー、電源キー、ファンク
ションキー、オンフックキー(開始キー)、クリアキー、及び文字・数字キー(テンキー
)等から構成されている。液晶パネル206は、ケース202に形成された開口部202
aの内側に配置されている。赤外線受光部208は、赤外線発光部209とともに、ケー
ス202の上部202bに配置されている。
【0103】
次に、携帯電話機200の電気回路構成につき図6のブロック図を参照して説明する。
携帯電話機200は、液晶パネル206、赤外線受光部208、及び赤外線発光部209
に加えて、無線部210、音声回路212、レシーバー214、マイク216、送受信ア
ンテナ218、不揮発性メモリ220、制御部(マイクロコンピュータ)222及び二次
電池224を有する。無線部210は、制御部222により制御されて、送受信アンテナ
218を通して電波を媒体として基地局に対して送受信する。音声回路212は、無線部
210から制御部222を通して出力された受信信号をレシーバー214に出力するとと
もに、マイク216から出力された音声信号を送信信号として制御部222を通して無線
部210に出力する。
【0104】
レシーバー214は、音声回路212から出力された受信信号を受信音声に変換して出
力し、マイク216は、操作者から発せられた送信音声を音声信号に変換して音声回路2
12に出力する。不揮発性メモリ220は、各種データや、各種のプログラムを不揮発的
に記憶する。尚、通信ユニット30から遊技情報の受信を行うための遊技情報受信用プロ
グラムは、例えば、遊技機メーカ等によって運営されるインターネット・ホームページ等
からダウンロードして、不揮発性メモリ220に記憶される。二次電池224は、各回路
に電力を供給する。制御部222は、CPU,ROM及びRAMを含むマイクロコンピュ
ータ等から構成されたもので、電話の発着信処理、電子メールの作成送受信処理、インタ
ーネット処理を行う。
【0105】
次に、前記のように構成されたパチンコ機1の作用及び効果について説明する。図7乃
至図10のフローチャートは、制御装置21によって実行される各種ルーチンを示してい
る。これらのルーチンの各処理は、カウンタ群及びフラグFに基づいて実行される。
【0106】
カウンタ群は、ラウンドカウンタR、入賞カウンタP及び確変カウンタCを含む。ラウ
ンドカウンタRはラウンド回数をカウントするためのものであり、入賞カウンタPはカウ
ントスイッチ20の検出結果に基づき大入賞口6への遊技球Bの入賞個数をカウントする
ためのものである。確変カウンタCは高確率モードの終了を判断するためのものであり、
「2」,「1」,「0」の値を採る。なお、カウンタR,P,Cの初期値はいずれも「0
」である。
【0107】
そのほかにもカウンタ群は、大当り遊技状態発生を決定するための内部乱数カウンタと
、外れリーチ等を決定するための外れリーチ乱数カウンタと、停止図柄等を決定するため
のそれぞれの図柄カウンタと、リーチ動作の種類を決定するためのリーチ種別カウンタと
を含む。ここで、外れリーチ乱数カウンタによる外れリーチとは、前述したリーチ遊技状
態の後に最終的に大当りの組合せとならない状態をいう。フラグFは、Vゾーン11への
遊技球Bの入賞の有無を判定するためのものであり、Vゾーン用スイッチ19によって入
賞が検出されない場合に「0」に設定され、入賞が検出されると「1」に設定される。な
お、確率モードには低確率モードと高確率モードの2種類類あることは既に説明したが、
初期値には低確率モードが設定されている。
【0108】
さて、遊技者による遊技が開始されると、制御装置21は、まず図7の特別電動役物制
御ルーチンのステップS10において、始動口用スイッチ18の検出結果に基づき、遊技
球Bの第1種始動口4への入賞があったか否かを判定する。この判定条件が満たされてい
ないと特別電動役物制御ルーチンを終了し、満たされているとステップS20において、
内部乱数カウンタ、外れリーチ乱数カウンタの各値を取得するとともに、各図柄カウンタ
の値に基づき図柄列8乃至10毎に外れ図柄を取得する。ここでの取得とは、各カウンタ
の値を読取り、その値をメモリに記憶する処理を指す。
【0109】
次に、ステップS30で図柄変動開始処理を実行する。詳しくは、図9のステップS3
1において、図柄列8乃至10の各図柄をそれぞれ表示装置5で変動表示させる。この表
示により、遊技者には左・中・右の3つのリールがあたかも回転しているように見える。
ステップS32において、内部乱数カウンタの値が大当り値と同一であるか否かを判定す
る。大当り値としては、2種類の値(低確率用大当り値、高確率用大当り値)が用意され
ている。前者は大当り遊技状態を前述した低確率で発生させるための値であり、後者は高
確率で発生させるための値である。例えば、内部乱数カウンタが、「0」乃至「299」
の範囲で所定時間毎に値を更新するものである場合、そのうちの「7」を低確率用大当り
値とし、「7」,「17」,「27」,「37」,「47」を高確率用大当り値とする。
すると、大当り遊技状態が発生する確率は、低確率用大当り値を大当り値として用いた場
合には1/300となり、高確率用大当り値を大当り値として用いた場合には1/60と
なる。そして、前回の制御周期で低確率モードが設定されている場合には、低確率用大当
り値が大当り値として選択される。高確率モードが設定されている場合には、高確率用大
当り値が大当り値として選択される。
【0110】
ステップS32の判定条件が満たされていると、ステップS33において、大当り値に
対応する大当り図柄を停止図柄としてメモリに記憶する。一方、ステップS32の判定条
件が満たされていないと、ステップS34において、外れリーチ乱数カウンタの値が予め
定められた外れリーチ値と同一である否かを判定する。この判定条件が満たされていると
、ステップS35において、外れリーチ値に対応する図柄(以下「外れリーチ図柄」とい
う)を停止図柄としてメモリに記憶する。なお、ステップS34の判定条件が満たされて
いないと、ステップS36において、前記ステップS20での外れ図柄を停止図柄として
メモリに記憶する。そして、上記ステップS33,S35,S36で停止図柄を記憶した
後、図柄変動開始処理ルーチンを終了する。
【0111】
前記のようにステップS30の処理(図柄変動開始処理)を実行した後、図7のステッ
プS40において左右両図柄列8,10における図柄を、前記ステップS33,S35,
S36のいずれかの処理で記憶した停止図柄に差替える。差替え後の図柄によって左右両
図柄列8,10での図柄変動を停止させる。
【0112】
ステップS50では、中図柄列9での図柄変動を停止させる。続いて、ステップS60
において、図柄の組合せが大当りの組合せであるか否かを判定する。この判定条件が満た
されていないと特別電動役物制御ルーチンを終了し、満たされていると、ステップS70
において、大当り信号ONを出力端子16B及び16bに出力する。さらに、ステップS
80において、大当り図柄が特別図柄(この場合、奇数図柄)であるか否かを判定し、特
別図柄である場合は(ステップS80:Yes)、ステップS90において確変大当り信
号ONを出力端子16C及び16cに出力する。続いて、ステップS100において、ラ
ウンドカウンタRをリセットする。そして、ステップS110において入賞カウンタPを
リセットするとともに、フラグFを「0」に設定する。
【0113】
続いて、図8のステップS120においてソレノイド15を励磁する。すると、シャッ
タ14が倒れ、大入賞口6の通路入口が開放される。この開放により、遊技球BのVゾー
ン11及び通路12,13への入賞が可能となる。ステップS130でラウンドカウンタ
Rを「1」インクリメントする。
【0114】
次に、ステップS140において、入賞カウンタPの値が所定値Pmax以下であるか否
かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップS150において、大入賞口
6の閉鎖予定時期がまだか否かを判定する。この判定条件が満たされていると(ステップ
S150:Yes)、ステップS140へ戻る。その結果、大入賞口6の開放開始後にP
max個よりも多くの遊技球Bが入賞するか、閉鎖予定時期が到来するかしない限りは、大
入賞口6が開放され続ける。これに対し、ステップS140,S150の判定条件のいず
れか一方が満たされていないと、ステップS160においてソレノイド15を消磁する。
すると、シャッタ14が起こされ、大入賞口6の通路入口が閉鎖される。
【0115】
そして、ステップS170において、ラウンドカウンタRの値が所定値がRmax以下で
あるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップS180においてフ
ラグFが「1」であるか否かを判定する。ステップS180の判定条件が満たされている
と(ステップS180:Yes)、図7のステップS110へ戻る。従って、一旦大当り
遊技状態が発生すると、遊技球BがVゾーン11に最大Rmax回入賞するまでは、大入賞
口6が開閉のサイクルを繰返す。例えば、所定値Pmaxが「10」に設定され、大入賞口
6の開放時間が「約29.5」秒に設定され、所定値Rmaxが「16」に設定されている
場合には、大入賞口6の開放後、(1)遊技球Bが大入賞口6へ10個入賞すること、(
2)約29.5秒が経過すること、のいずれか一方の条件が満たされた時点で大入賞口6
が閉鎖される。この大入賞口6の開放・閉鎖のサイクルが、遊技球BのVゾーン11への
入賞を条件に最大で16回繰返されることとなる。ステップS170,S180の判定条
件のいずれか一方が満たされていないと、ステップS190で「大当り信号OFF」を出
力端子16B及び16bに出力する。さらに、ステップS200において、大当り図柄が
特別図柄(この場合、奇数図柄)であるか否かを判定し、特別図柄である場合は(ステッ
プS200:Yes)、ステップS210において確変大当り信号OFFを出力端子16
C及び16cに出力する。続いて、ステップS220で確率変動処理を実行し、その後、
特別電動役物制御ルーチンを終了する。
【0116】
図10の確率変動処理ルーチンでは、ステップS221において、大当り図柄が通常図
柄(この場合偶数図柄)であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと(
ステップS221:No)、すなわち、大当り図柄が特別図柄(奇数図柄)であると、ス
テップS227において確変カウンタCが「0」であるか否か(高確率モード中であるか
否か)が判定され、確変カウンタCが「0」である(高確率モード中である)場合は(S
227:Yes)、ステップS228において、確変中信号ONを出力端子16A及び1
6aに出力する。続いて、ステップS229において高確率モードを設定し、確変カウン
タCに「2」を設定する。ステップS229の処理を実行した後、確率変動処理ルーチン
を終了する。このように、高確率中に特別図柄(奇数図柄)で大当り遊技状態が連続して
発生した場合には、高確率モードが継続することとなる。
【0117】
一方、前記ステップS221の判定条件が満たされていると、すなわち、大当り図柄が
通常図柄(偶数図柄)であると、ステップS222において確変カウンタCが「0」でな
いか否かを判定する。この判定条件が満たされていない(C=0)と確率変動処理ルーチ
ンを終了し、満たされている(C=2,1)とステップS223において確変カウンタC
を「1」デクリメントする。ステップS224において確変カウンタCが「0」であるか
否かを判定する。この判定条件が満たされていない(C=1)と確率変動処理ルーチンを
終了し、満たされている(C=0)とステップS225において、確変中信号OFFを出
力端子16A及び16aに出力し、ステップS226において、低確率モードを設定する
。このように一旦高確率モードが設定されると、確変カウンタCが「0」となるまで、す
なわち、高確率モード設定後、連続して偶数図柄で2回大当り遊技状態が発生するまでは
高確率モードが継続する。そして、偶数図柄での大当り遊技状態が2回連続すると、高確
率モードが終了し低確率モードに切替えられる。
【0118】
なお、本実施形態での処理手順は一例であり、適宜変更可能である。例えば、図柄変動
処理(ステップS31)を停止図柄の記憶処理(ステップS33,S35,S36)の後
に行うようにしてもよい。
【0119】
上述したように、本実施形態では、遊技球Bが第1種始動口4へ入賞したことが検出さ
れると、各カウンタの値が取得されるとともに図柄列8乃至10が変動表示される。各カ
ウンタの値に基づき停止図柄が記憶され、その停止図柄によって図柄変動が停止される。
停止されたときに表示されている図柄の組合せが大当りの組合せであると、遊技者に有利
な大当り遊技状態が発生し、遊技球BがVゾーン11に最大Rmax回入賞するまで、大入
賞口6の開閉のサイクルが繰返される。
【0120】
一方、大当り図柄が特別図柄(奇数図柄)であると高確率モードが設定され、次回と、
その次の回の2回にわたり大当り遊技状態の発生確率が高められる。すなわち、一旦高確
率モードが設定されると、次回以降2回の大当り遊技状態の発生確率が高められるが、そ
の期間中に再び奇数図柄で大当り遊技状態が発生すれば高確率モードが設定される。これ
に対し、前記期間経過後に通常図柄(偶数図柄)で大当り遊技状態が発生すれば高確率モ
ードが終了する(低確率モードに切替えられる)。
【0121】
次に、通信ユニット30における遊技状態記憶処理ルーチンについて、図11のフロー
チャートを参照しつつ説明する。尚、本ルーチンは、通信ユニット30により、所定周期
(例えば、1〜2msec毎)で繰り返し呼び出されて実行されるものである。また、電
源投入時の初期化処理において、RAM38内の遊技状態記憶領域38の先頭アドレスが
ポインタAPに設定されると共に、確変連続回数カウンタLに初期値として「0」が設定
される。
【0122】
最初に、ステップS300において、I/F回路35より、「確変中信号」、「大当り
信号」及び「確変大当り信号」の各信号状態をそれぞれ読み込む。続いて、ステップS3
10において、「大当り信号」がOFFからONに変化したか否かを判定する。「大当り
信号」がOFFからONに変化したと判定された場合は(ステップS310:Yes)、
ステップS320において、「確変大当り信号」がOFFからONに変化したか否かを判
定する。「確変大当り信号」がOFFからONに変化したと判定された場合は(S320
:Yes)、ステップS330において、確変大当りの発生を表す遊技状態コード"B0
0"を、遊技状態記憶領域38aのポインタAPが示すアドレスヘ記憶する。続いて、ス
テップS340において、確変連続回数カウンタLをインクリメントし、さらに、ステッ
プS400において、ポインタAPを更新し、本ルーチンの処理を終了してリターンする

【0123】
ステップS320において、「確変大当り信号」がOFFからONに変化しなかったと
判定された場合(S320:No)、ステップS350において、通常大当りの発生を表
す遊技状態コード"A00"を、遊技状態記憶領域38aのポインタAPが示すアドレスヘ
記憶する、。続いて、ステップS360において、「確変中信号」がON状態であるか否
かを判定する。「確変中信号」がON状態である場合は(S360:Yes)、ステップ
S340において、確変連続回数カウンタLをインクリメントする。そして、ステップS
400において、ポインタAPを更新し、本ルーチンの処理を終了してリターンする。
【0124】
ステップS310において、「大当り信号」がOFFからONに変化しなかったと判定
された場合は(S310:No)、ステップS370において、「確変中信号」がONか
らOFFへ変化したか否かを判定する。「確変中信号」がONからOFFに変化したと判
定された場合(S370:Yes)、ステップS380において、確率変動遊技の連続回
数(以下、確変連続回数)を表す遊技状態コード"C00"に確変連続回数カウンタLの値
を加算した結果を、遊技状態記憶領域38aのポインタAPが示すアドレスヘ記憶する。
そして、ステップS390において、確変連続回数カウンタLに初期値「0」を設定し、
ステップS400において、ポインタAPを更新し、本ルーチンの処理を終了してリター
ンする。一方、ステップS370において、「確変中信号」がONからOFFに変化しな
かったと判定された場合は(S370:No)、本ルーチンの処理を終了してリターンす
る。
【0125】
尚、出力端子16a〜d、ステップS300,S310,S320及びS370が、本
発明の状態検出手段として機能するものである。また、「通常大当りの発生」、「確変大
当りの発生」、及び「確率変動遊技の連続」が、本発明における「特定の遊技状態の発生
」に相当するものである。
ここで、「確変中信号」、「大当り信号」及び「確変大当り信号」の具体的な出力例に
基づいて、遊技状態記憶領域38aへどのように遊技状態データが記憶されるかについて
図12及び図13を参照しつつ説明する。尚、図12は、「確変中信号」、「大当り信号
」及び「確変大当り信号」の一出力例を時系列的に示すチャートであって、確変大当りの
発生によって確率変動モードに入り、続いて、通常大当り、確変大当り、通常大当りが順
に発生し、さらに通常大当りが発生することによって確率変動モードが終了する例を示し
ている。この場合、確変連続回数は5回となる。また、図13は、遊技状態記憶領域38
aのおける記憶例を模式的に示す図である。尚、これらの途中で遊技情報の送信は行われ
ていないものとする。
【0126】
まず、大当り信号[1]がONになった時、確変大当り信号[1]もONになっている
ので、「確変大当り発生」を表す遊技状態コード"B00"を、ポインタAPが示す遊技状
態記憶領域38aの1番目の記憶領域へ記憶し(ステップS330)、確変連続回数カウ
ンタLがインクリメントされて1となる(S340)(図13(a)参照)。
【0127】
次に、大当り信号[2]がONになった時、確変大当り信号はONになっていないので
、「通常大当り発生」を表す遊技状態コード"A00"を、ポインタAPが示す遊技状態記
憶領域38aの2番目の記憶領域へ記憶する(ステップS350)。この時、「確変中信
号[1]」がON状態であるので(ステップS360:Yes)、確変連続回数カウンタ
Lがインクリメントされて2となる(ステップS340)(図13(b)参照)。
【0128】
次に、大当り信号[3]がONになった時、確変大当り信号[2]もONになっている
ので、「確変大当り発生」を表す遊技状態コード"B00"を、ポインタAPが示す遊技状
態記憶領域38aの3番目の記憶領域へ記憶し(ステップS330)、確変連続回数カウ
ンタLがインクリメントされて2となる(S340)(図13(c)参照)。
【0129】
次に、大当り信号[4]がONになった時、確変大当り信号はONになっていないので
、「通常大当り発生」を表す遊技状態コード"A00"を、ポインタAPが示す遊技状態記
憶領域の4番目の記憶領域へ記憶する(ステップS350)。この時、「確変中信号[1
]」がON状態であるので(ステップS360:Yes)、確変連続回数カウンタLがイ
ンクリメントされて4となる(ステップS340)(図13(d)参照)。
【0130】
次に、大当り信号[5]がONになった時、確変大当り信号はONになっていないので
、「通常大当り発生」を表す遊技状態コード"A00"を、ポインタAPが示す遊技状態記
憶領域の5番目の記憶領域へ記憶する(ステップS350)。この時、「確変中信号[1
]」がON状態であるので(ステップS360:Yes)、確変連続回数カウンタLがイ
ンクリメントされて5となる(S340)(図13(e)参照)。
【0131】
次に、「確変中信号[1]」がOFFになると、「確変連続回数」を表す遊技状態コー
ド"C00"に確変連続回数カウンタLの値「5」を加算した結果"C05"を、ポインタA
Pが示す遊技状態記憶領域の6番目の記憶領域へ記憶する(ステップS380)。また、
確変連続回数カウンタLには初期値「0」が設定される(ステップS390)(図13(
f)参照)。
【0132】
次に、通信ユニット30から携帯電話機200への遊技情報送信処理について、図14
に示す遊技情報送信メインルーチンのフローチャート及び図15の遊技情報作成・送信処
理ルーチンのフローチャートを参照しつつ説明する。尚、遊技情報送信メインルーチン及
び遊技情報作成・送信処理ルーチンは、ROM37に記憶されており、CPU36がRO
M37よりこれらのルーチンを読み出して実行する。
【0133】
最初に、ステップS410において、遊技状態記憶領域38aに遊技状態データが記憶
されているか否かを判定する。遊技状態データが記憶されていない(すなわち、送信すべ
き情報がない)と判定された場合(ステップS410:No)、本ルーチンの処理を終了
してリターンする。遊技状態データが記憶されていると判定された場合は(ステップS4
10:Yes)、ステップS420において、報知ランプ31を点灯する。なお、このス
テップS410及びCPU36が送信準備判断手段、記憶状態判断手段として機能するこ
ととなる。
【0134】
一方、遊技者は、報知ランプ31の点灯によりパチンコ機1に送信可能な遊技情報が蓄
積されていることを知ると、携帯電話機200を取り出し、ボタン204を操作すること
により遊技情報受信用プログラムを起動する。すると、携帯電話機200の液晶パネル2
06には、図18(a)に示すように、「情報の受信準備が整いました。送信要求ボタン
を押してください。」とのメッセージが表示される。そして、遊技者は、携帯電話機20
0の赤外線受光部208及び赤外線発光部209を、通信ユニット30の赤外線発光部3
3及び赤外線受光部34に対向させ且つ接近させる。
【0135】
続いて、ステップS430において、送信要求ボタン32が押下されたか否かが判定さ
れる。送信要求ボタン32が押下された場合は(ステップS430:Yes)、ステップ
S440において、コネクト信号を送信し、S450において、リターン信号を受信する
。これにより、通信ユニット30と携帯電話機200との間で、赤外線通信が可能な状態
となる。続いて、S460において、報知ランプ32の点滅を開始する。そして、ステッ
プS470において、図15に示す遊技情報作成・送信処理ルーチンを呼び出す。
【0136】
遊技情報作成・送信処理ルーチンでは、ステップS471において、ポインタBPに遊
技状態記憶領域38aの先頭アドレスを設定する。続いて、ステップS472において、
当該パチンコ機1を他と識別する遊技機識別情報としての遊技機IDが、RAM38上の
送信バッファ38bの1番目の格納領域に格納される。ここで、図16(a)は、遊技情
報送信用の送信バッファ38bのフォーマットを、同図(b)は遊技情報の格納例をそれ
ぞれ示している。続いて、ステップS473において、不揮発性メモリ39より遊技情報
カウンタ39aの値を読み出して送信バッファの2番目の領域に格納する。更に、ステッ
プS474において、遊技状態記憶領域38aにおけるポインタBPが示すアドレスより
、状態識別情報としての遊技状態データを読み出して、送信バッファ38bの3番目の領
域に格納する。つまり、遊技情報は、"遊技機ID+遊技情報カウンタ値+遊技状態デー
タ"というデータ構造を有する。そして、ステップS475において、送信バッファ38
bに格納された遊技情報を赤外線発光部33より赤外線信号として送信する。続いて、ス
テップS476において、赤外線受光部34にて携帯電話機200より確認信号を受信し
、ステップS477において、不揮発性メモリ39の遊技情報カウンタの値をカウントア
ップするとともに、ステップS478において、ポインタBPの値を更新する。次に、ス
テップS479において、遊技状態記憶領域38aに記憶されたすべての遊技状態データ
について遊技情報の送信が終了したか否かを判定し、終了していない場合は(ステップS
479:No)、ステップS472へ戻り、終了した場合は(ステップS479:Yes
)、ステップS480において送信終了信号を送信し、本ルーチンの処理を終了してメイ
ンルーチンヘリターンする。
【0137】
一方、通信ユニット30から遊技情報が送信されている間、携帯電話機200の液晶パ
ネル206には、図18(b)に示すように、「情報を受信しています」とのメッセージ
が表示される。尚、上記説明より明らかなように、遊技状態記憶領域38aに複数の遊技
状態データが記憶蓄積されている場合は、複数の遊技情報が連続して送信されるため、一
回の受信操作で複数の遊技情報を一括して受信することができる。また、通信ユニット3
0からの遊技情報の送信が終了して送信終了信号を受信すると(ステップS480)、携
帯電話機200の液晶パネル206には、図18(c)に示すように、「情報の受信が完
了しました」とのメッセージが表示され、遊技情報受信プログラムの実行を終了する。
【0138】
尚、ステップS472〜S474が、本発明の情報作成手段として機能するものであり
、遊技情報カウンタ39aの値が「特定の遊技状態の発生毎に設定される固有情報」に相
当するものである。また、赤外線信号が、本発明の「携帯通信端末によって受信可能な信
号」に相当するものである。
【0139】
遊技情報送信メインルーチン(図14)にリターンすると、ステップS480において
、報知ランプ31を消灯し、ステップS490において、遊技状態記憶領域38a及び送
信バッファの記憶内容を消去して、本ルーチンの処理を終する。
【0140】
一方、ステップS430において、送信要求ボタン32が押下されなかったと判定され
た場合(ステップS430:No)、ステップS500において、大当り遊技状態の終了
か否かが判定される。尚、大当り遊技状態の終了とは、大当りの発生に伴って大入賞口6
の開閉が繰り返される一連のサイクルが終了した直後であることを意味する。大当り遊技
状態の終了と判定された場合(ステップS500:Yes)、遊技者に遊技情報の読み取
り操作を行わせるためのメッセージを表示装置5の画面5aに表示させる。図17(a)
は、この場合における画面5aのメッセージ表示例を示している。つまり、未受信の遊技
情報が、大当り遊技状態終了直後においても残存している場合には、画面5aのメッセー
ジ表示によって遊技者に遊技情報の受信操作を促し、未受信のまま放置されて他の遊技者
によって遊技情報が不正に受信されることを防止するのである。また、このメッセージに
おいては、「スタートチャッカーに携帯電話を近づけて!」といった、操作上の説明情報
をも併せて表示しており、それ以外にも有益な操作説明情報(例えば、「携帯電話機の○
○ボタンを押してください」等)を表示するようにできる。なお、このメッセージは記憶
手段(例えば表示制御基板内のROMや通信ユニット30のROM37)内に画像情報と
して記憶しておくことができる。この場合、ROMが操作説明情報記憶手段として機能し
、表示制御基板内のCPU又は通信ユニット30のCPU36が表示制御手段として機能
する。
【0141】
大当り遊技状態の終了直後でないと判定された場合は(ステップS500:No)、ス
テップS510におけるメッセージ表示は行わない。次に、ステップS520において、
発射スイッチ信号がオフであるか否かが判定される。ここで、発射スイッチ信号は、出力
端子16dより出力される。発射スイッチ信号がオンである場合(ステップS520:N
o)、ステップS430へ戻る。
【0142】
発射スイッチ信号がオフである場合(ステップS520:Yes)、ステップS530
において、通信ユニット30に蓄積された情報が消去される旨の警告メッセージを表示装
置5の画面5aに表示させる。図17(b)は、この場合における画面5aのメッセージ
表示例を示している。つまり、発射スイッチ信号がオフされた場合は、遊技者が当該パチ
ンコ機1における遊技を中止した場合であるが、この時点においても未受信の遊技情報が
残存している場合には、蓄積された情報がまもなく消去される旨を警告すると共に、遊技
情報を受信するための最終的な機会を遊技者に提供するものである。なお、この場合にお
いても操作説明情報を併せて表示するようにしている。ステップS540において、送信
要求ボタン32が押下されたか否かが判定され、押下された場合(ステップS540:Y
es)、ステップS440以降を実行する。一方、送信要求ボタン32が押下されなかっ
た場合(ステップS540:No)、ステップS550において、所定時間(例えば、3
分間)経過したか否かが判定される。所定時間経過していない場合は(ステップS550
)、ステップS540に戻って再び送信要求ボタン32の押下を判定し、所定時間経過し
た場合は(ステップS550:Yes)、報知ランプ31の消灯(ステップS480)及
び遊技状態記憶領域38aの記憶内容の消去等を行い(ステップS490)、本ルーチン
の処理を終了する。つまり、遊技球の発射を停止してから所定時間(例えば、3分間)経
過した後は、遊技状態記憶領域38aの記憶内容(すなわち、蓄積された遊技状態データ
)が消去されるため、遊技情報として送信することが不可能となる。従って、当該パチン
コ機1の遊技者が遊技を終了して席を離れた場合等に、当該遊技者以外の者によって不正
に遊技情報の受信が行われる危険性を低減することができる。
【0143】
上述した遊技情報送信メインルーチンにおいて送信された遊技情報は、携帯電話機20
0によって受信されると、遊技機ID、遊技情報カウンタ値及び遊技状態データからなる
遊技情報が、携帯電話機200に内蔵されたメモリ220に順次、記憶蓄積される。尚、
図19は、携帯電話機200のメモリ220における遊技情報の記憶例を示すものである

【0144】
ここで、携帯電話機200に記憶された遊技情報は、個々の遊技状態の発生を識別可能
に表している。すなわち、遊技機IDによって、全国の遊技店に設置された多数の遊技機
の中で、どの遊技機における遊技情報であるかが識別される。さらに、遊技情報カウンタ
値によって、当該パチンコ機1において何回目に出力された遊技情報であるかが識別され
る。上述したように、カウンタ値は遊技情報の送信毎にカウントアップされるので、同一
の値が存在することはない。従って、"遊技機ID+遊技情報カウンタ値"のデータの並び
はそれぞれ固有のものであって、同じデータが2つ存在することがないため、各パチンコ
機における個々の遊技状態の発生を確実に識別することができる。さらに、遊技情報は、
発生した遊技状態を識別するための遊技状態データを含んでいるので、どのような種類の
遊技状態が発生したかを識別することが可能である。
【0145】
そして、遊技者は、自己が所持する携帯電話機200を用いて、パチンコ機1から遊技
情報を受信することにより、当該パチンコ機1における遊技結果に関する情報を簡単に取
得することができる。また、パチンコ機1から送信される遊技情報は、特定の遊技状態の
発生を個々に識別可能に表している。すなわち、遊技情報がパチンコ機を識別するための
遊技機識別情報としての遊技機IDを含んでいるので、各地の遊技ホールに設置されたど
のパチンコ機における遊技情報であるかを確実に識別することができる。さらに、遊技情
報が特定の遊技状態の発生毎に設定される固有情報としての遊技情報カウン夕値を含んで
いるので、別の日或いは時間帯に同一或いは異なる遊技者が受信した遊技情報と確実に識
別することができる。
【0146】
そして、携帯電話機200にて受信した特定の遊技状態の発生を個々に識別可能に表す
遊技情報を利用して、遊技者に対して多様なサービスの提供が実現可能となる。
【0147】
例えば、通常大当り回数、確変大当り回数、又は確変連続回数等の遊技成績に関して、
全国レベルでのランキングを実施することが考えられる。すなわち、遊技機メーカに、遊
技情報集計用コンピュータを設置する。遊技者は、遊技ホールに設置されたパチンコ機の
通信ユニットより自分が所持する携帯通信端末に遊技情報を取り込む。その後、遊技者は
、携帯通信端末よりパチンコ機メーカへ遊技情報及び遊技者の識別情報(遊技者名や会員
番号等)を電子メールとして送信する。パチンコ機メーカの遊技情報集計用コンピュータ
は、遊技情報受信履歴を参照し、過去に受信済みの遊技情報と同一情報が重複して送信さ
れたものであるか否かをチェックする。このとき、遊技情報は、上述したとおり遊技情報
毎にそれぞれ固有であるため、上記チェックを確実に行うことができる。
【0148】
そして、受信した遊技情報が新規な遊技情報である場合、遊技情報集計用コンピュータ
は、受信した遊技情報を集計して、通常大当り回数、確変大当り回数及び確変連続回数の
それぞれについてランキングを作成し、例えば、上位10番目までの遊技者名や遊技店情
報と共に自社のインターネットホームページ等ヘランキング結果を掲載する。
【0149】
これにより、遊技者は、ホームページに自分の成績や名前が掲載されることを励みにし
て、パチンコ機における遊技をより一層楽しむことができる。また、遊技ホールで遊技を
楽しもうと考えている一般の人々は、ホームページに掲載されたランキング結果を参照し
て遊技店を選ぶ際の参考にすることができる。さらに、遊技機メーカは、大規模で高価な
ネットワーク設備を新たに構築することなく、遊技者が所持する携帯通信端末を利用して
全国から遊技情報を収集し、マーケティング活動を展開する際の重要な情報源とすること
が可能となる。
【0150】
また、遊技成績に応じて、サービスポイントを付与するサービスを実施することが考え
られる。遊技ホールがサービスポイントの付与を実施する場合には、例えば、遊技ホール
のフロントに赤外線通信装置が接続されたコンピュータを設置する。遊技者は、遊技ホー
ルに設置されたパチンコ機の通信ユニットより自分が所持する携帯通信端末に遊技情報を
取り込む。その後、遊技者は、携帯通信端末の赤外線発光部よりフロントの赤外線通信装
置へ遊技情報を送信する。フロントのコンピュータは、赤外線通信装置において受信した
遊技情報に基づいて、通常大当り回数、確変大当り回数、又は確変連続回数を求め、それ
ぞれの成績に応じて遊技者のサービスポイントを算出する。そして、遊技者は、サービス
ポイントの点数に応じて、遊技ホールより景品等を受け取ることができる。従って、遊技
者は、従来の賞球数に応じた景品交換とは別の機会において景品等の獲得が可能となり、
遊技に対する意欲をより一層向上させることができる。
【0151】
或いは、遊技機メーカがサービスポイントの付与を実施する場合には、例えば、遊技機
メーカに、遊技者(会員)毎のサービスポイントを記憶管理するサービスポイント管理用
コンピュータを設置する。遊技者は、遊技ホールに設置されたパチンコ機の通信ユニット
より自分が所持する携帯通信端末に遊技情報を取り込む。その後、遊技者は、携椿通信端
末より遊技機メーカヘ遊技情報及び遊技者の識別情報(遊技者名や会員番号等)を電子メ
ールとして送信する。サービスポイント管理用コンピュータは、受信した遊技情報に基づ
いて、通常大当り回数、確変大当り回数、又は確変連続回数を求め、それぞれの成績に応
じて算出したサービスポイントを、当該遊技一者が過去に蓄積したサービスポイントに加
算する。サービスポイントがー定の点数に到達した場合には、遊技機メーカから、当該遊
技者に対して景品等が贈られる。従って、遊技者は、従来の遊技ホールにおける賞球数に
応じた景品交換とは別の機会において、遊技機メーカーからも景品等の獲得が可能となり
、遊技に対する意欲をより一層向上させることができる。
【0152】
<第2実施形態>
第2実施形態では、第1実施形態と異なる入賞装置110を対象として情報通信部を設
けた例について説明する。
【0153】
図23及び図24に示すように、第2実施形態に示す入賞装置110は、変位可能に構
成される変位部と、その変位を制御する変位制御手段を有し、所定条件の成立に基づいて
入賞し易くなるように変位部の変位が制御されるものである。具体的には、この入賞装置
110は、いわゆるアタッカーとして構成されており、通常時においては遊技球の進入が
不可能となっており、所定条件の成立(具体的には大当たり遊技の発生)に基づいてシャ
ッター14(変位部)が開放され、大入賞口6より遊技球の進入が可能となるものである
。なお、シャッター14の開閉機構については公知のものを利用でき、詳細な説明は省略
するが、図示しないソレノイド部の駆動に基づいて開閉動作がなされ、このソレノイド部
及びCPUが変位制御手段として機能する。そして、図24に示すように、入賞装置11
0において板状に形成される平板部111より前方に突出して設けられた突出部112の
内部において、情報通信部たる赤外線受発光部33,34が配置されており、その近傍に
報知ランプ31が配置されている。なお、これら赤外線受発光部33,34及び報知ラン
プ31の機能については第1実施形態と同様であり、その配置構成のみが第1実施形態と
異なっている。また、図24の構成ではシャッター14の右側部分に配置した例を示して
いるが、逆位置、即ちシャッター14の左側部分にこれらを配置するように構成してもよ
い。
【0154】
<第3実施形態>
図25では、役物とも称される入賞装置120に情報通信部を設けた構成について説明
する。
【0155】
図25に示すパチンコ機1は、いわゆる羽根物とも称される第2種遊技機として構成さ
れるものであり、このパチンコ機1の中央に設けられた入賞装置120では、左右に設け
られた開閉部69(変位部)が開閉可能に構成されており、この開閉部69は、所定の条
件の成立(ここでは左右下方に設けられた入賞装置68(スタートチャッカー)への入賞
、或いは中央下方に設けられた入賞装置67(スタートチャッカー)への入賞に基づいて
所定時間開放するように構成されている。また、入賞装置120の内部には、図示しない
作動口(Vゾーン等)が設けられており、開閉部69の開放中に入賞装置120の内部に
進入した遊技球がこの作動口に入賞することにより特別の遊技状態(大当たり状態等)が
発生するように構成されている。なお、この作動口に入賞すると、一律に所定の大当たり
状態が発生するように構成してもよく、作動口への入賞に際し抽選を行い、抽選結果に基
づいた遊技状態を発生させるようにしてもよい。抽選結果に基づいた遊技状態としては、
例えば大当たり遊技のラウンド回数を複数段階に設定し、抽選結果に応じたラウンド回数
に設定するように構成できる。
【0156】
そして、図25に示すように、遊技盤7の中央に設けられた役物(入賞装置120)の
上部に、人物、動物等のキャラクター(ここでは犬のキャラクター)を立体的に形成した
キャラクター部60が設けられており、そのキャラクター部60の内部、又はその近傍に
おいて情報通信部としての赤外線受発光部33,34が設けられている。このキャラクタ
ー部60は、例えば遊技者の興味をひくようなデザインにて構成され、遊技状態に応じて
その態様が変化する構成をなしている。このキャラクター部60は、図25及び図26に
示すように役物(入賞装置120)の枠体140に取付けられる構成をなすとともに、内
部に情報通信部(即ち赤外線発光部33、赤外線受光部34)が共に配置され、かつ上述
した報知ランプ31と同様の機能をなす報知ランプ61がその内部に配置される。そして
、このキャラクター部60は、枠体140に固定されて、枠体140に対して相対変位し
ない固定部60Bと、その固定部60Bに対して相対変位可能に取付けられる変位部60
Aとをそれぞれ備えており、この変位部60Aは、図26(a)に示すような第1変位状
態と図26(b)に示すような第2変位状態との、少なくとも2つの変位状態をとるよう
に構成されている。
【0157】
また、キャラクター部60は、変位部60Aの変位により、情報通信部(赤外線受発光
部33,34)が視認可能な態様(図26(b))と、視認不可能な態様(図26(a)
)との少なくとも2つの態様をとるようになっている。なお、ここでは、通常態様、即ち
通信を行わない態様の場合には図26(a)のように赤外線発光部33及び赤外線受光部
34が共に前方より視認不可能となり、通信を行う態様の場合には、図26(b)のよう
に赤外線発光部33及び赤外線受光部34が前方より視認可能となるように構成されてい
る。
【0158】
さらに、図27及び図28を参照して内部構成と説明すると、キャラクター部60にお
いて、変位部60Aは駆動アクチュエータ(ソレノイド部70)に設けられた駆動部72
からの作用を受けて変位するように構成されている。そして、図27に示すように、駆動
部72は、中空状に形成されたコイル部71に一部を挿入する形態にて軸状に設けられて
おり、例えば鉄等の金属部材にて構成され、通電によりコイル部71が励磁されることに
よりそのコイル部71に引き込まれる構成をなしている。駆動部72の端部には駆動部7
2と変位部60Aと結合する結合部61が形成されており、さらにフランジ部72Cが直
棒部72Aから側方に突出する形態にて形成されている。このフランジ部72Cとコイル
部71における枠部71Bの間において、コイルばね73が設けられており、駆動部72
をコイル部71から離間する方向に付勢している。そして、コイル部71の非通電時には
フランジ部72Cがコイル部71より離間し、通電時にはコイルばね73の付勢に抗して
駆動部72がコイル部71に引き込まれ、それと連動して変位部60Aが変位し、図26
(b)にて示す位置に変位するようになっている。なお、ここに示す構成はあくまで一例
であり、ソレノイド部70の駆動に応じて変位部60Aが固定部60Bに対して相対変位
するものであれば他の構成を用いてもよい。
【0159】
更に構成を具体的に述べると、図28に示すように、板状に構成される固定部60Bと
枠体140の間には、変位部60Aの変位を許容する程度の隙間が形成されており、その
隙間内を変位部60Aが上下動するようになっている。なお、変位方向を定めるために、
変位部60Aの前後方向の動きを拘束し、上下方向に誘導するガイド部材を設けるように
してもよい。また、図26にて示されるように、報知ランプ(ランプ61)がキャラクタ
ー部60の一部をなすように構成されており、キャラクター部60を部分的に光らせるよ
うな発光態様をなす。なお、このランプ61についても、キャラクター部の態様に応じて
発光態様が変化するように制御することができる。具体的構成としては、図28に示すよ
うに、固定部60Bと一体的に、又はこれに組付ける形態にて所定形状のランプ61を設
け、発光時にその光が前方に照射されるように構成することができる。
【0160】
また、図28に示すように、変位部60Aの後方において、枠体140に固定される形
態にて赤外線発光部33及び赤外線受光部34が設けられており、通信中態様においては
、ソレノイド部70において、駆動部72がコイル部71内にひきこまれることにより、
それと連動して図26の実線部のように、赤外線発光部63及び赤外線受光部64が前方
より視認できるように変位部60Aが下方へ変位し、その変位により、変位部60Aの端
縁66と固定部60Bの端縁65との間に隙間が生じ、その隙間を通して赤外線発光部3
3より前方に赤外光を照射可能となり、かつ前方からの赤外光を赤外線受光部34にて受
光可能となる。
【0161】
なお、ここでは、犬の形態をなすキャラクター部が、その犬の口が開くように態様が変
化する構成をなし、口の中から情報通信部が現れるようになっている。このような構成を
なすことにより、通常状態から通信状態に態様が変化する際には、それまで現れていなか
った情報通信部が突然現れることとなるため、非常に変化に富む構成となる。特に、上記
のような赤外光を照出するような発光部においては、その出現により赤色の光が遊技者側
へ照射されることとなるため、極めて斬新な態様を創出しうることとなる。
【0162】
なお、ここに示すような、キャラクター部60の一部を変位させるための構成はあくま
で一例であり、ソレノイド部70の駆動に応じて変位部60Aが固定部60Bに対して相
対変位するものであれば他の構成を用いてもよい。また、ここではキャラクター部60の
一部をなす単一部品が遊技盤7に対して変位するように構成されているが、複数の部品が
変位するように構成してもよく、キャラクター部全体が遊技盤7に対して変位するように
構成してもよい。また、キャラクター部としては、アニメの主人公等の架空のキャラクタ
ー部、芸能人等の実在する著名人物、或いは、後述する犬等の動物や植物、乗物等、様々
なものに類似させて構成できる。
【0163】
次に、この第3実施形態における情報通信部(赤外線受発光部33,34)から携帯電
話機200への遊技情報送信処理について、図29に示す遊技情報送信メインルーチンの
フローチャートを参照しつつ説明する。遊技情報送信メインルーチンは、図14に示す第
1実施形態のものとほぼ同様の流れをとっているが、S630にアクチュエータ駆動処理
を設け、S690においてそれをオフする処理を設けている点が異なる。なお、このルー
チンを行うプログラムは、第1実施形態と同様にROM37に記憶されており、CPU3
6がROM37よりこれらのルーチンを読み出して実行する。また、S680における遊
技情報作成・送信処理ルーチンのフローチャートについても第1実施形態と同様のもの、
即ち図15に示すものを用いることができる。
【0164】
最初に、ステップS610において、遊技状態記憶領域38aに遊技状態データが記憶
されているか否かを判定する。遊技状態データが記憶されていない(すなわち、送信すべ
き情報がない)と判定された場合(ステップS610:No)、本ルーチンの処理を終了
してリターンする。遊技状態データが記憶されていると判定された場合は(ステップS6
10:Yes)、ステップS620において、報知ランプ61(図4の報知ランプ31に
相当)を点灯し、ソレノイド部70を駆動する駆動信号を図示しないアクチュエータ駆動
手段に向けて出力する(S630)。
【0165】
アクチュエータ駆動手段は、図4のCPU36からの信号を受けて、駆動アクチュエー
タたるソレノイド部70を駆動するものであり、図示しない駆動回路とソレノイド部70
(図27)とを備えた構成をなしている。この駆動回路は、例えば、CPU36からの駆
動信号を受けてコイル部71を通電し、駆動OFF信号を受けてその通電を解除する回路
として構成できる。そして、所定の駆動条件が成立してCPU36から駆動信号が出力さ
れると、駆動回路により中空状のコイル部71を通電して駆動部72を駆動し、その駆動
部72と連動してキャラクター部60の態様が変化することとなる。なお、ここでは、C
PU36と、駆動回路とソレノイド部70を含んでなるアクチュエータ駆動手段が変位制
御手段、キャラクター態様変更手段として機能している。また、この第3実施形態におい
てはステップS610及びCPU36が、送信準備完了判断手段、記憶状態判断手段とし
て機能することとなる。そして、キャラクター部60はこの駆動信号を受けて、上述した
ように図26(a)に示す第1の動作態様から図26(b)の第2の動作態様に変化する

【0166】
一方、遊技者は、報知ランプ61の点灯及びキャラクター部60の動作によりパチンコ
機1に送信可能な遊技情報が蓄積されていることを知ると、携帯電話機200を取り出し
、ボタン204を操作することにより遊技情報受信用プログラムを起動する。すると、携
帯電話機200の液晶パネル206には、第1実施形態と同様に、図18(a)に示すよ
うに、「情報の受信準備が整いました。送信要求ボタンを押してください。」とのメッセ
ージが表示される。そして、図3のように、遊技者(図3では遊技者400を例示)は、
携帯電話機200の赤外線受光部208及び赤外線発光部209を、通信ユニット30の
赤外線発光部33及び赤外線受光部34に対向させ且つ接近させる。
【0167】
続いて、ステップS640において、送信要求ボタン32が押下されたか否かが判定さ
れる。送信要求ボタン32が押下された場合は(ステップS640:Yes)、ステップ
S650において、コネクト信号を送信し、S660において、リターン信号を受信する
。これにより、通信ユニット30と携帯電話機200との間で、赤外線通信が可能な状態
となる。続いて、S670において、報知ランプ31の点滅を開始する。そして、ステッ
プS680において、図15に示す遊技情報作成・送信処理ルーチンを呼び出す。このル
ーチンが終了すると、S690にてアクチュエータの駆動をOFF(即ち通電を解除)し
て図26(a)に示す第1変位状態に戻す。そして、S700にてランプを消灯した後に
遊戯状態記憶領域の記憶内容を消去することとなる。一方、ステップS440において、
送信要求ボタン32が押下されなかったと判定された場合、図14のS500ないしS5
50と同様の処理をS720ないしS770にて実行することとなる。
【0168】
なお、第1実施形態においては、図14のS510やS530のメッセージ表示を表示
装置5(図2)にて行うようにしているが、この第3実施形態では、遊技盤7の外部に設
けられた表示装置にて同様のメッセージ表示をS730、S750にて行うようにしても
よく、メッセージ表示の変わりに報知ランプ61を特別の発光態様(例えば、短い周期で
の点滅等)とすることにより報知してもよく、報知ランプ61とは異なるランプを点灯さ
せるようにして報知してもよい。また、S720ないしS770の処理を省略し、S64
0において送信要求がない場合には送信要求があるまで待機するようにしてもよく、或い
はS640において所定時間経過後に送信要求がない場合には蓄積された遊技データを消
去するようにして当該処理を終了するようにしてもよい。
【0169】
<第4実施形態>
なお、上記第1実施形態では、遊技者が送信要求ボタンを押下することにより情報送信
するような構成としたが、このようなボタンを設けずに情報送信を行うようにしてもよい
。なお、この第4実施形態の構成は本発明のいずれの実施形態とも組み合わせて適用でき
るものである。上記第1実施形態では、図14のフローチャートのステップS440に示
されるように、送信要求ボタン32が押下されたか否かを判断するようにしており、送信
要求ボタン32が押下された場合は、ステップS450において、コネクト信号を送信す
るようにしていたが、別の条件により送信が開始されるようにしてもよい。
【0170】
例えば、送信要求ボタン32に代えて、携帯電話機200の通信ユニット30への接近
を検知するセンサ手段を設け、そのセンサ手段が携帯電話機200の接近を検出したとき
に、通信ユニット30によって遊技情報の送信が開始されるように構成してもよい。この
場合においても、図14のフローチャートと同様の構成とすることができ、図14におけ
るS440の判断を、送信要求ボタン32(図1等)による押下をトリガとする代わりに
、センサ手段による検知をトリガとすればよい。この場合、センサ手段により検知された
場合には、S440においてYesに進み、コネクト信号を携帯通信端末に向けて送信し
、その送信後、携帯通信端末からのリターン信号を受信して送信が開始されることとなる
。これにより、通信ユニット30と携帯電話機200との間で、赤外線通信が可能な状態
となる。本第2実施形態によれば、遊技者は携帯電話機200を赤外線発光部33に近づ
けるだけで遊技情報を受信することができる。尚、センサ手段としては、種々の方式によ
る公知の接近物検知用センサ(例えば、赤外線センサや磁気センサ等)を採用することが
可能である。
【0171】
なお、センサ手段により検知を確認した場合に、その検知した旨を表示装置5において
表示し、遊技者に報知するようにしてもよい。この場合、図14におけるS440とS4
50の間に、表示を行うステップを設けるようにすればよく、このステップでは、センサ
手段による検知をトリガとして、例えば遊技機内の記憶手段(ROM等)に設けられた説
明情報(具体的には携帯通信端末の接近を検知した旨を説明する説明情報等の画像データ
など)を読出し、表示装置5にて表示するようにすればよい。このようにすれば、利用者
は、携帯通信端末が正しい位置にあるか否かを即座に、かつ理解しやすく、目に付きやす
い方法にて確認できることとなり、利用者に安心感を与え得る構成となる。
【0172】
さらには、上記のようなセンサ手段による検知をトリガとする代わりに、情報受信部に
よる情報受信をトリガとして同様の処理を行うようにしてもよい。図30のフローチャー
トでは、そのような方法による処理の流れについて例示している。この図30のフローチ
ャートは、図29に示す遊技情報送信メインルーチンの別例について示しており、S85
0ないしS910の処理は図29のS650ないし710の処理と同様であり、S920
ないしS970の処理は図29に示すS720ないしS770の処理と同様であるためこ
れら処理の詳細な説明は省略する。
【0173】
図30では第3実施形態の構成を参照して説明することとする。図29の処理と同様に
、ステップS810において、遊技状態記憶領域38aに遊技状態データが記憶されてい
るか否かを判定する。遊技状態データが記憶されていない(すなわち、送信すべき情報が
ない)と判定された場合(ステップS810:No)、本ルーチンの処理を終了してリタ
ーンする。遊技状態データが記憶されていると判定された場合は(ステップS810:Y
es)、ソレノイド部70を駆動する駆動信号をアクチュエータ駆動手段55に向けて出
力する(S820)。なお、ここではステップS810及びCPU36が、送信準備完了
判断手段、記憶状態判断手段として機能することとなる。そして、キャラクター部60は
この駆動信号を受けて、図26(a)に示す第1の動作態様から図26(b)の第2の動
作態様に変化する。
【0174】
一方、遊技者は、キャラクター部60の動作によりパチンコ機1に送信可能な遊技情報
が蓄積されていることを知ると、携帯電話機200を取り出し、ボタン204を操作する
ことにより遊技情報受信用プログラムを起動する。すると、携帯電話機200の液晶パネ
ル206には、例えば、「情報の受信準備が整いました。この電話機の送信ボタンを押し
てください」とのメッセージが表示される。そして、遊技者は、携帯電話機200の赤外
線受光部208及び赤外線発光部209を、図3と同様に、通信ユニット30の赤外線発
光部33及び赤外線受光部34に対向させ且つ接近させ、情報送信用プログラムで定めら
れた所定のボタンを押す。なお、ここに示す例はあくまで一例であり、携帯電話機200
から情報受信部(ここでは赤外光受光部34)に対して何らかの情報を送信可能な方法及
び構成であればよい。
【0175】
続いて、ステップS830において、携帯電話機から200から情報を受信したかを判
断する。なお、この構成においては、ステップS830、赤外線受光部34、及びCPU
36が受信状態判断手段として機能する。そして、受信検出したものと判断された場合に
は、ステップS830においてYesに進み、その情報受信検出用の態様として図26に
示される犬の鼻部に設けられたランプ61を点灯する。そして、図29と同様にS850
において、コネクト信号を送信し、次いでS860においてリターン信号を受信し、ステ
ップS880において、図15に示す遊技情報作成・送信処理ルーチンを呼び出すことと
なる。なお、S830において受信していないと判断された場合には図29におけるS6
40にてNOに進んだ場合と同様の処理をS920ないしS970にて行う。なお、図3
0では、携帯電話機200から情報を受信したことに基づいてランプ点灯という態様を生
じさせるようにしたが、このようなことを条件として所定のアクチュエータ駆動態様を発
生させるようにしてもよい。例えば、CPU36により定期的にソレノイド部70をオン
オフするような信号をアクチュエータ駆動手段55(図4)に送信するようにすれば、図
26(a)と(b)の状態を繰り返して行うような動作となり、犬の口がパクパクと動く
動作状態となる。この構成によれば、携帯電話機からの情報送信によりキャラクター部の
態様を変化させることができるため、通信が楽しく行え、斬新な遊技を体験できることと
なる。また、この場合においても、図29の場合と同様に、遊技盤7の外部に表示装置(
図示略)を設けるようにして、その表示装置にてメッセージ表示をS930、S950に
て行うようにしてもよく、メッセージ表示の変わりに報知ランプ61を特別の発光態様(
例えば、短い周期での点滅等)とすることにより報知してもよく、報知ランプ61とは異
なるランプを点灯させるようにして報知してもよい。また、S920ないしS970の処
理を省略し、S830において情報受信がない場合には情報が受信されるまで待機するよ
うにしてもよく、或いはS830において所定時間経過後に情報受信がない場合には蓄積
された遊技データを消去するようにして当該処理を終了するようにしてもよい。
【0176】
<第5実施形態>
上記実施形態においては、主に赤外光を情報伝達媒体とする例について示したが、電磁
波を媒体として以下のように構成してもよい。なお、この第5実施形態の構成は本発明の
いずれの実施形態とも組み合わせて適用できるものである。
【0177】
例えば、電波を媒体とする近距離通信技術として知られるブルートゥース通信が可能な
携帯通信端末との間でブルートゥースによる無線通信を行う構成としてもよい。
【0178】
より具体的には、上述した実施形態における赤外線発光部33及び赤外線受光部34に
代えて、例えば、遊技機内に、2.47GHz帯の約1mW以下である微弱電波のやり取
りを可能とするブルートゥースモジュールを設けると共に、略垂直方向に指向性を有する
アンテナモジュール(例えば、ブルートゥース通信に好適に用いられるチップアンテナな
ど)を遊技機(パチンコ機1)内、或いは遊技機近傍に設け、入賞装置の前方近傍に電波
が出力されるように構成する。具体的には、アンテナモジュールを入賞装置、或いは入賞
装置の近傍(具体的には、上記のいずれかの実施形態における赤外線発光部33の位置)
に設けることができる。
【0179】
そして、本変形例における動作について説明すると、まず、ブルートゥース通信が可能
な携帯通信端末を所持する遊技者が、椅子に着座してアンテナモジュールの通信圏内に携
帯通信端末が入圏した際には、パチンコ機1若しくはカードユニットは、ブルートゥース
IDの送受等のブルートゥース規格に伴う通常の認証手続きを前記入圏した携帯通信端末
との間において実施するとともに、その携帯通信端末の電話番号をブルートゥースユニッ
トを介して非接触にて受信、入手する。その入手した携帯通信端末の電話番号データは、
通信対象の情報端末として登録されるとともに、管理コンピュータに送信される。この際
、何らかの理由により、近接する複数のパチンコ機1若しくはカードユニットにて同一の
電話番号データが誤って入手された場合には、既に登録済みとなっている電話番号と重複
が生じていないかを確認し、重複が生じている場合は電話番号の再送信を要求して通信対
象の登録をやり直す。このようにして通信対象登録された携帯通信端末に対して、2.4
7GHz帯の微弱電波により遊技情報の送信が行われる。
【0180】
本実施形態によれば、特定の遊技状態の発生を検出する度に遊技情報を送信し、携帯通
信端末において遊技情報を受信するように構成することが可能である。また、アンテナモ
ジュールから上面方向に垂直に電波が放射され、アンテナ上面の所定角度範囲内に電波放
射が集中してなされ、その所定角度範囲外には電波放射が殆どなされないようになってい
るため、隣接するアンテナモジュール同士の電波干渉が生じることが防止される。なお、
ここではブルートゥースモジュールを例示して説明したが、表示装置近傍で情報取得可能
な構成であれば、電磁波を媒体とした他の無線通信方法でもよい。
【0181】
<第6実施形態>
なお、本発明に係るいずれの実施形態においても、以下のような要件を付加することが
できる。即ち、情報送信部と携帯通信端末との間の通信状態に関する情報を生成する通信
状態情報生成手段を有し、その生成される通信状態の情報に基づく通信状態の説明情報を
表示装置にて表示するような構成とすることができる。
【0182】
具体的には、例えば、図14のフローチャートに示す処理において、コネクト信号を送
信してから、所定時間内にリターン信号を受信したか否かを検出し、検出されない場合に
は通信異常である旨を説明情報として(具体的には、例えば携帯通信端末からの情報の受
信状態を説明する受信状態説明情報として)表示することができ、一例を挙げると「情報
が送信できません」、或いは「情報が受信できません」などのコメントを表示装置5に表
示するようにできる。この場合、CPU36は、携帯通信端末からの情報の受信状態を検
出する受信状態情報検出手段とし、さらには通信状態情報生成手段として機能することと
なる。
【0183】
また、図15の処理においても同様に通信異常を確認できる。例えば、S650におい
て送信バッファの内容を送信した後において所定時間経過しても確認信号が受信できない
場合に通信異常である旨を説明情報として表示できる。なお、通信状態の説明情報(例え
ば、上記のような通信異常の際の説明情報)は、予めROM37などに画像データとして
記憶しておくことができ、上記のように通信異常が発生したことを条件としてこれを読み
出して表示装置5上に表示することができる。
【0184】
さらには、情報通信媒体のレベルを検出する媒体レベル検出手段と、その媒体レベル検
出手段にて検出されるレベルに応じた前記通信状態の説明情報を、前記表示装置又は表示
装置以外の手段にて出力するように構成してもよい。具体的には、例えば、赤外光を情報
通信媒体とした場合には、赤外光レベルを検出する検出手段を設けるように構成し、その
赤外光レベル検出手段による検出結果が所定レベル以下の場合にその旨を報知するように
してもよい。この場合には、赤外線受光部を検出手段として構成するか、又は赤外線受光
部とは別構成に受光素子(CCD等)を設け、その受光素子から出力される電圧レベルが
所定レベル以下の場合に、「通信不能」といった説明情報や「携帯電話の位置を変えてく
ださい」といった位置変更を促す情報を表示装置にて表示するようにできる。或いは、第
6実施形態のように、電磁波を情報伝達媒体とした場合には、電磁波の受信レベルを判断
し、所定レベル以下の場合に、赤外光の例と同様の情報を表示するようにしてもよい。
【0185】
<第7実施形態>
第7実施形態について図31及び図32を参照しつつ説明する。
第7実施形態では、遊技領域の周縁部に配置される装飾部品の内部、又はその装飾部品
の近傍に情報通信部が配置された例について説明する。図31の装飾部品150は、サイ
ドランプ157a,157bがそれぞれ組み込まれた部品本体151a,151bの少な
くとも一方において情報通信部が取付けられた例を示しており、より具体的には、第3実
施形態と同様のキャラクター部60が部品本体151bに組み込まれており、そのキャラ
クター部60の内部に情報通信部たる赤外線受発光部が設けられた構成をなしている。な
お、第7実施形態においては、第1実施形態や第3実施形態とは情報通信部の配置位置が
異なるが、それ以外のハード構成やソフト処理は第1実施形態や第3実施形態等と同様の
ものを用いることができる。また、キャラクター部60の詳細構成や動きについても、図
25ないし図28、及び上述した説明と同様である。
【0186】
図31では、遊技盤7上において、遊技領域の周縁部にキャラクター部60が配置され
ており、具体的には、キャラクター部60は、遊技領域における左側領域において、その
内部に図示しない発光部が設けられてなるサイドランプ157bの近傍において、そのサ
イドランプ157bが組み込まれる部品の下方に配置されて表示装置5の左下に位置し、
第3実施形態と同様に変位部60Aが変位するように構成されている。図31では、遊技
盤7上においてキャラクター部60を保持する部品本体151bや、それ以外の部品本体
151aがレール152に隣接して左右に取付けられており、部品本体151aには、キ
ャラクター部60に関連した形状をなす装飾部160が取付けられている。なお、ここに
示すレイアウトやデザインはあくまで一例である。
【0187】
また、サイドランプ157a,157bが取付けられた部品本体151a,151bの
近傍、またはその部品本体と一体的に入賞装置を設けるように構成できる。図31では、
右側の入賞装置159aをサイドランプ157aが設けられた部品本体151aと一体的
に構成しており、他方、左側の入賞装置159bは、サイドランプ157bが設けられた
部品本体151bとは別体に構成され、その部品本体151bの近傍に配置されている。
図31では、このような構成をなす装飾部品や入賞装置において、キャラクター部60の
内部に情報通信部が配置された例について示しているが、このような構成のものにおいて
、入賞装置内部またはその近傍に情報通信部を配置してもよいし(例えば破線部M,Nに
チップ状の情報通信部を配置する等)、部品本体151における別の位置(例えば、サイ
ドランプ157a,157bの上下左右近傍など)に配置してもよい。また、サイドラン
プ157a,157bや部品本体151a,151bの形状やその他の構成についても、
これら例に限定されず、あらゆる構成を採ることができる。例えば、文字、記号、図形、
その他のものを平面的、又は立体的に形成して遊技領域の周縁部に配置することができ、
その内部、又はその近傍に情報通信部を配置することができる。
【0188】
また、図32では、装飾部品が特別な遊技状態の発生を遊技者に報知する報知部品16
3として構成され、その報知部品163内に情報通信部が配置される例について示してい
る。図32の例では、大当りの際において、通常大当りか、又は確変大当りかを報知する
ように報知部品163が構成されており、この報知部品163は、確変大当りの場合には
、「B」と示される確変大当り表示部163aが点灯するようになっており、通常大当り
の場合には「R」と示される通常大当り表示部163bが点灯するように構成されている
。なお、報知装置の構成はこれに限定されないことは言うまでもない。そして、このよう
に構成される報知部品163の中央部に赤外線受発光部33,34が設けられており、情
報通信可能に構成されている。
【0189】
また、情報通信部が配置される装飾部品の例としては上記報知部品やサイドランプ構成
部品などの例に限らず、遊技盤に配置されて装飾機能を有するものであれば様々なものを
適用できる。例えば、遊技機用風車167に取付けるように、又は遊技機用風車167の
近傍に情報通信部を配置するように構成してもよい。または、入賞装置や風車、或いは報
知部品等のような特別な機能を有する部品以外の装飾部品(単に形状のみに装飾性の特徴
のあるものや、単に発光態様のみに特徴があるものなど)に情報通信部を取付けるように
構成してもよい。
【0190】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例え
ば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱
しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0191】
(1)上記の実施形態では、液晶画面を備えた構成をなす表示装置を例に挙げて説明し
たが、情報送信部の近傍に配置される表示装置は、液晶のものに限らず、例えばLEDを
配列してなる表示装置や、プラズマ・ディスプレイ(Plasma Display Panel)や、有機E
L(Erectronic Luminescence)ディスプレイ等のプラズマやELを用いた表示装置など
様々なものを利用できる。
【0192】
(2)上記の実施形態では、入賞装置内部又はその近傍に報知ランプ31を設ける構成
としたが、報知ランプ31を省略して、キャラクター部の態様、或いは表示装置5の画面
5aのメッセージ表示のみにより、送信可能な遊技情報があることを報知する構成として
もよい。
【0193】
(3)前記実施の形態では、通信ユニット30が、外部接続端子板16に設けられた各
出力端子16a〜dを介して大当り信号等の遊技状態を表す信号を取得する構成としたが
、制御装置21との問で別途専用の通信線を設けて大当り信号等を取得する構成としても
よい。尚、本変形例における通信線は、制御装置21を構成するメイン基板からの出力専
用の通信線若しくは、サブ基板との間に設けられる通信線とし、メイン基板へ不正な信号
が入力されることを防止する構造とする。
【0194】
(4)上記実施形態では、情報通信部をパチンコ機1における遊技盤中央付近に配置さ
れる例について説明したが、これらには限られず、パチンコ機1に備わる他の機能に支障
を来さない範囲内で、パチンコ機のいかなる部位の入賞装置に情報通信部を配設してもよ
い。
【0195】
(5)前記実施の形態では、通信ユニット30と携帯電話機200との間で無線通信に
より遊技情報を伝送する構成としたが、これには限られず、有線通信により携帯電話機2
00へ遊技情報を送信するように構成してもよい。例えば、通信ユニット30に接続端子
を備えた携帯電話ホルダを設け、その携帯電話ホルダに携帯電話機200を載置すること
により、携帯電話ホルダの接続端子と携帯電話機200の接続端子とが接続されて有線通
信を行うことが可能となる構成としてもよい。
【0196】
(6)前記実施の形態では、携帯通信端末として携帯電話機200を用いた例を示した
が、携帯電話機以外にPDA(Personal Digital Assistant)、PHS(Personal Handy
phone System)等の各種の携帯通信端末を利用することが可能である。
【0197】
(7)前記実施の形態では、遊技情報をそれぞれ固有の値とするために遊技情報カウン
タ値を用いる構成としたが、これには限られない。要するに、特定の遊技状態の発生を個
々に識別可能に表す遊技情報を作成し、携帯通信端末によって受信可能な信号として送信
する構成とすればよいのである。例えば、通信ユニット30に時計を内蔵させ、個々の遊
技状態の発生時点を表す時点データを、遊技情報の構成要素として用いる構成としてもよ
い。図20は、本変形例において遊技状態記憶領域38aにおける遊技状態データ及び時
点データの記憶例を、図21は携帯電話機200によって受信された遊技情報の記憶例を
示す図である。この変形例によれば、遊技状態の発生時点を表す時点データによって、重
複が生じない固有情報を簡単且つ確実に作成することができる。さらに、時点データを用
いることにより、どのようなタイミングで各特定の遊技状態が発生したかを、受信した遊
技情報に基づいて解析することができる。
【0198】
(8)前記実施の形態では、通信ユニット30から遊技情報のみを携帯電話機200に
対して送信する構成としたが、通信ユニット30内で特定の遊技状態の発生毎に抽選を行
って、当選した場合には付加価値情報を付与して遊技情報と共に送信するように構成して
もよい。
【0199】
(9)前記実施の形態では、遊技状態データのみをRAM38上の遊技状態記憶領域3
8aに記憶蓄積する構成としたが、遊技状態データに遊技機ID及び遊技情報カウント値
が付加された送信時と同一内容の遊技情報をRAM38上に記憶蓄積する構成としてもよ
い。
【0200】
(10)前記実施の形態では、遊技状態記憶領域38aに遊技状態データが記憶蓄積さ
れている場合にはいつでも遊技情報の送信が可能な構成としたが、特定の遊技状態の発生
に伴う所定の動作終了時(大当り遊技状態の終了時等)のみに、遊技情報の送信が可能な
構成としてもよい。また、遊技中止時のみに、遊技情報の送信が可能な構成としてもよい

【0201】
(11)上記実施形態では、遊技を中止してから所定時間経過後に遊技情報の送信を禁
止する構成としたが、これには限られず、特定の遊技状態の発生に伴う所定の動作(例え
ば、大当り遊技状態等)が終了してから所定時間経過後に、遊技状態記憶領域38aに記
憶蓄積された検出結果に基づく遊技情報の送信が禁止されるように構成してもよい。本変
形例によれば、当該遊技機の遊技者以外の者によって不正に遊技情報が受信される危険性
を低減することができる。
【0202】
(12)上記実施形態では、遊技者を特定することなく遊技情報の送信を行う構成であ
ったが、携帯電話機200から会員ID等の遊技者識別情報を送信させ、これを通信ユニ
ット30において受信することにより遊技者が特定されたことを条件に遊技情報を送信す
るように構成してもよい。この場合、例えば、遊技者が特定された場合は、表示装置5の
画面5aにて遊技情報を受信するための操作方法の説明を表示し、遊技者が特定されない
場合には、遊技機メーカのインターネット・ホームページをアクセスして会員になること
を勧誘する広告情報を表示するようにしてもよい。或いは、会員ID等によって遊技者が
特定された場合には、遊技情報に付加価値情報を付与して送信するように構成してもよい

【0203】
(13) また、上記いずれの実施形態においても、管理コンピュータに送信された遊
技者特定データ(例えば電話番号データ等)に基づいて遊技者が特定される(例えば、登
録済みの会員であることが特定される)ことを条件に遊技情報を出力するようにしてもよ
い。また、パチンコ機1若しくはカードユニットが、特定された遊技者の氏名情報を携帯
通信端末から受信して、パチンコ機1の制御装置のサブ基板の一つである表示制御基板へ
入力することにより、表示装置5の画面5aに遊技者の氏名入りのメッセージを、例えば
、「田中様、いらっしゃいませ!」のように表示するように構成してもよい。
【0204】
(14)前記実施の形態では、高確率モード中に通常大当りが2回連続して発生したこ
とに起因して低確率モードヘ遷移する構成としたが、通常大当たりが1回発生したことに
起因して低確率モードヘ遷移する構成としてもよい。
【0205】
(15)さらに、上記実施形態に加え、確実に不正受信を防止するために、赤外線発光
部33及び受光部34の前面より手前(遊技者側)に所定間隔を離隔させて平行に樹脂等
からなる板状部材を突出させる構造を設けてもよい。そして、携帯電話機200を赤外線
発光部33及び受光部34と板状部材との間に挿入して遊技情報の受信を行う構成とする
ことができる。このような構成によれば、赤外線発光部33から発せられる赤外線信号が
板状部材によって遮断されるため、当該遊技者以外の者により不正に遊技情報が受信され
ることが確実に防止される。なお、電磁波を用いた場合でも同様に構成でき、この場合、
電磁波を抑制ないし遮断するように材質や構成を調整し、上記のような板状部材を構成す
れば一層よい。
【0206】
(16)上記実施形態において情報通信部(赤外線受発光部や通信アンテナ)と携帯通
信端末との間で扱う情報についていくつか例を挙げたが、これら例に限定されず、どのよ
うな情報を用いて通信を行ってもよい。
【0207】
(17)上記実施形態では、インターフェース(即ち情報通信部)と関連させて表示装
置にて表示する情報として、操作説明情報や、通信状態説明情報を好適例として例示した
が表示させる情報はこれに限定されず、どのような情報であっても勿論よい。特に、遊技
機と携帯通信端末との情報通信に関連する情報であれば、インターフェースと表示装置が
相乗的に機能し合うこととなる。
【0208】
(18)上記実施形態では、赤外光や電磁波等の情報伝達媒体を遊技盤の盤面に対して
ほぼ直交方向に出力する例を示したが、これに限定されず、入賞装置近傍において受信可
能領域が構成されるものであれば、斜め方向、或いは遊技盤の盤面に平行な方向などに出
力するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0209】
1…パチンコ機
4…第1種始動口(図柄変動作動口)
5…表示装置
6…大入賞口
7…遊技盤
33…赤外線発光部(情報通信部、情報送信部)
34…赤外線受光部(情報通信部、情報受信部)
36…CPU(情報作成手段、遊技機状態変更手段、通信状態判断手段、キャラクター
部態様変更手段)
37…ROM
38…RAM(遊技情報記憶手段)
55…アクチュエータ駆動手段(キャラクター部態様変更手段)
60…キャラクター部
60A…変位部
70…ソレノイド部(駆動アクチュエータ、キャラクター部態様変更手段)
100…入賞装置(スタートチャッカ−)
110…入賞装置
120…入賞装置(役物)
150…装飾部品
157a,157b…サイドランプ
163…報知部品(装飾部品)
200…携帯電話機(携帯通信端末)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技が行われる遊技盤に入賞装置が備えられたパチンコ機であって、
所定の携帯通信端末との間で情報通信を行う前記情報通信部を有し、
前記入賞装置の前方近傍において、前記携帯通信端末にて受信可能となる領域が構成さ
れることを特徴とするパチンコ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2012−196577(P2012−196577A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−166473(P2012−166473)
【出願日】平成24年7月27日(2012.7.27)
【分割の表示】特願2009−174239(P2009−174239)の分割
【原出願日】平成14年12月24日(2002.12.24)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】