説明

パチンコ遊技機

【課題】図柄生成行程に新たな趣向性を付与することにより、遊技者に新たな期待感を生じさせ、かつ、発射停止行為を抑制させ得るパチンコ遊技機を提案するものである。
【解決手段】遊技制御手段が、未発生の始動記憶によって表示実行される所定遊技形態を予見させる予告演出を行うように制御したものであるから、将来発生する遊技への期待感を誘発できるという新たな趣向性が発揮されると共に、該所定遊技形態の獲得を望む遊技者の感情を刺激できるため、遊技球の発射を促し、遊技球の発射停止行為を抑制させることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、図柄表示装置に確定表示された各選出図柄の組合せが所定の当り図柄態様であることを条件として、所定の賞球形態を発生させる特別遊技作動を実行するようにしたパチンコ遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の選出図柄を変動表示する図柄表示装置と、該図柄表示装置で、選出図柄を変動し、停止して図柄確定する一連の図柄生成行程を実行する図柄制御手段と、図柄始動領域への遊技球通過を契機として始動記憶を発生し、該始動記憶の消化により、該図柄制御手段によって図柄生成行程で表示させる図柄態様を選定すると共に、確定表示させる各選出図柄の組合せを所定の当り図柄態様とする場合には、所定の賞球形態を発生させることとなる特別遊技作動を実行する遊技制御手段とを備えたパチンコ遊技機は良く知られている。これらには、いわゆる第1種パチンコ遊技機及び第3種パチンコ遊技機がある。
【0003】
ここで、第1種パチンコ遊技機は、開閉片により開閉制御される大入賞口を具備する可変入賞装置を備え、選出図柄が所定の当り図柄態様で確定表示された場合に、特別遊技作動として、可変入賞装置の大入賞口の開放と、所定の開放制限時間の経過又は該開放制限時間内での規定個数の入賞満了による大入賞口の閉鎖とを順次生じてなる開閉ラウンドを、大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過することを継続条件として、所定制限回数まで繰り返して実行するものである。
【0004】
また、第3種パチンコ遊技機は、開口を開閉制御してその内部の特別作動領域へ球通過可能な状態と不可能な状態とに変換する普通電動役物と、開閉制御される大入賞口と、遊技球通過に伴って該大入賞口を開放する特定領域への流入制御を行う役物とを備え、選出図柄が所定の当り図柄態様で確定表示された場合に、普通電動役物を開放制御し、その特別作動領域への遊技球通過に伴って特別遊技作動を実行するものである。ここで、特別遊技作動は、役物が駆動して特定領域への球通過が可能となり、かつ該球通過ごとに、大入賞口の開放と、閉鎖とを生じてなる開閉ラウンドを複数回繰り返してなるものである。
【0005】
このようなパチンコ遊技機にあって、図柄始動領域を遊技球が通過することにより発生した始動記憶が、所定限度数を越えて記憶保持された場合には、この上限数を越えた始動記憶の発生が全て無効となるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のパチンコ遊技機にあって、始動記憶数が上限数となると、意図的に遊技球の発射を休止させて始動記憶の消化を待つ行為が、遊技者の間で一般的に行われている。このような遊技球の発射停止行為は、遊技者にとっては無駄球の消費を抑制するという利点があるが、遊技場にとっては稼働率が低下するという不利益を生じることとなっていた。また、特別遊技作動中は、始動記憶が消化されず、始動記憶数は直ぐに上限を越えることとなるため、無効球が多量に発生することとなる。そのため、当り図柄態様の確定表示される可能性が高くなった場合、例えばリーチが発生したり、当りを予告する演出が表出されたりすると、特別遊技作動に備えて図柄確定するまで発射停止行為が行われる傾向にある。而して、このようにパチンコ遊技機の稼働率を低下させる発射停止行為を減少させることが、遊技場にとっては急務となっていた。
【0007】
一方、図柄生成行程は、遊技者の最も望む特別遊技作動を実行するか否かを、当り又はハズレの図柄態様により決定するものであるから、リーチの発生や発生予告、当り予告等の様々な演出表示を行うようにして、当りへの期待感を高めるようにしている場合が多い。ところが、このようなリーチや当りの予告は、当該図柄生成行程の当りを予告するものでしかないため、図柄生成行程の終了とともに、遊技者の当りに対する期待感は急激に減退することともなっていた。
【0008】
本発明は、図柄生成行程に新たな趣向性を付与することにより、遊技者に新たな期待感を生じさせ、かつ、発射停止行為を抑制させ得るパチンコ遊技機を提案するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述のパチンコ遊技機において、遊技制御手段が、無条件又は特定の遊技状態となることを条件として、未発生の始動記憶により表示実行する所定遊技形態を予見させる予告演出を行うようにした制御内容を備えていることを特徴とする(請求項1)。かかる構成にあって、未だ発生していない始動記憶によって所定遊技形態が実行されることを予見させる予告演出を行うことにより、該所定遊技形態の獲得を望む遊技者の感情を刺激できるから、該所定遊技形態を実行することとなる始動記憶を発生させるため、遊技球の発射を促すことが可能である。而して、遊技球の発射を停止して無駄球を減少させようとする発射停止行為を抑制できる。また、未発生の始動記憶による所定遊技形態を予告演出することにより、将来発生する遊技への期待感を誘発することができるから、例え、図柄生成行程が実行されていない状況にあっても、遊技者は期待感を高揚しつつ遊技を楽しむことができ、遊技の興趣性を一層向上させ得る。
【0010】
ここで、所定遊技形態の予告演出は、無条件又は特定の遊技状態となることを条件として行われる。無条件、すなわち、遊技進行中に何の前触れもなく、この予告演出が行われることにより、遊技者は所定遊技形態への期待感を常に持ちながら遊技を進行することとなるから、図柄生成行程が実行されていない場合にあっても遊技の興趣を十分に向上させ得る。また、予告演出を、特定の遊技状態となることを条件として行うことにより、特定の遊技状態における興趣性を一層向上させることができる。
【0011】
このような所定遊技形態が、当り図柄態様を確定表示する図柄生成行程である構成(請求項2)が提案される。かかる構成にあっては、未だ発生していない始動記憶によって実行される図柄生成行程が当り図柄態様を表出するようにしたものであり、予告演出によって遊技者の最も望む特別遊技作動の実行が将来的に確定されることとなる。これにより、所定遊技形態を予見する予告演出が表出された場合には、この始動記憶を早急に、かつ必ず獲得したいという欲求が強く誘発されることとなり、該始動記憶の獲得に向けて遊技球の発射行為を一層促進させることが可能である。
【0012】
また、所定遊技形態が、当り図柄態様を確定表示する可能性を常態に比して高めた図柄生成行程である構成(請求項3)が提案される。かかる構成にあっては、未発生の始動記憶による図柄生成行程が当りとなる可能性を、通常の図柄生成行程に比して高くしたものであるから、この始動記憶による図柄生成行程への遊技者の期待感を強く刺激させることができる。而して、遊技者はこの始動記憶を発生させようとして、遊技球を順次発射させることとなり、該発射行為が促進されることとなり得る。また、この所定遊技形態は、当りとなる可能性を高めた図柄生成行程であるから、予告演出が表出されたからといって必ずしも、当りとなるとは限らない。このため、予告演出により生じた期待感と、当りとなることにより生じた喜悦感、又はハズレとなることにより生じた落胆とを夫々に誘発させる、起伏に富んだ面白い遊技を提供できる。
【0013】
ここで、遊技制御手段が、選出図柄態様の当りハズレを所定確率で決定する通常確率決定過程と、該通常確率決定過程に比して当りとなる確率を向上させた高確率決定過程とを備え、無条件又は特定の遊技状態となることを条件として、未発生の始動記憶により実行される図柄生成行程に、該高確率決定過程を適用するか否かを予め決める予定確率決定過程を実行するようにした制御内容を備えた構成(請求項4)が提案される。かかる構成にあっては、予定確率決定過程により、高確率決定過程を図柄生成行程に適用するか否かを決定し、適用することとなった場合には、当りとなる確率の高い高確率決定過程により当りハズレを決定するように制御したものである。このように、所定の確率を設定した予定確率決定過程と高確率決定過程とによって、当りとなる可能性を高めた未発生の始動記憶による図柄生成行程と、その予告演出とを常に公正かつ適正に処理決定することができる。而して、本発明のパチンコ遊技機の健全性が適切に保たれることとなる。
【0014】
また、上述した所定遊技形態が、リーチを発生する図柄生成行程である構成(請求項5)が提案される。ここで、リーチの発生は、当りの発生を予感させる演出であるから、遊技者の当りへの期待感を一層高揚させることが可能である。このようなリーチを発生させる図柄生成行程を、未発生の始動記憶により実行するようにしたことにより、該図柄生成行程を当りとなる可能性が高くなったものとして遊技者に暗示させ得るから、当該図柄生成行程への期待感を強く誘発させることが可能である。
【0015】
上述したような特定の遊技状態が、始動記憶を消化して図柄生成行程を実行する場合である構成(請求項6)が提案される。かかる構成にあっては、図柄生成行程が当りハズレを決定することに加え、将来発生する始動記憶による所定遊技形態の予告演出をするものとなる。これにより、当りハズレを確定する興趣性と、所定遊技形態への期待感を遊技者に生じさせるという興趣性とを一回の図柄生成行程によって発揮できる、多様な趣向性を有する面白い図柄生成行程を提供できる。
【0016】
また、特定の遊技状態が、所定時間継続して遊技球を発射停止している場合である構成(請求項7)が提案される。かかる構成にあっては、遊技者が発射停止行為を行っている遊技状態で、未発生の始動記憶による所定遊技形態の予告演出を行うことにより、遊技者の所定遊技形態への期待感を誘発させることができるから、遊技球の発射を促すことが可能である。而して、例え発射停止行程が行われた場合でも、この発射停止している時間を短縮することができ、該発射停止行為によるパチンコ遊技機の稼働率低下を抑制することができる。
【0017】
一方、遊技制御手段が、所定遊技形態を、特定の遊技状態以降の特定回数後に実行される図柄生成行程とするように制御した構成(請求項8)が提案される。かかる構成により、この予告演出以降に、所定遊技形態である図柄生成行程が実行される始動記憶となるまで、何個の始動記憶を発生させる必要があるかを遊技者に明確に認識させ得る。而して、当該図柄生成行程への期待感を徐々に高揚させ得る興趣溢れる遊技を提供することができる。
【0018】
また、遊技制御手段が、所定遊技形態を、特定の遊技状態以降の特定の時間帯で実行される図柄生成行程とするように制御した構成(請求項9)が提案される。このように所定遊技形態である図柄生成行程の実行される時間帯を設定することにより、該時間帯に図柄生成行程が実行されるように、始動記憶を発生される必要が生じる。従って、この時間帯まで始動記憶を絶えることなく存在させるように、遊技者は遊技球の発射を行うこととなり得る。而して、特定の時間帯が近づくにつれ、遊技者は始動記憶の存在に気を配りながら遊技を進行することとなるため、不安感と期待感とが入り交じった起伏に富んだ遊技を楽しませることができる。
【0019】
一方、上述した所定遊技形態を予見させる予告演出が、該所定遊技形態の表示実行と、その表示実行する未発生の始動記憶とを報知する予告図柄態様を表示するものである構成(請求項10)が提案される。かかる構成にあって、遊技者の最も注視する図柄表示装置で、所定遊技形態が表示実行されることとなったこと、及び、該所定遊技形態が表示実行される未だ発生していない始動記憶を、予告図柄態様によって表示することにより、遊技者は所定遊技形態を将来的に獲得できることを明確に知ることができる。而して、所定遊技形態に向けた遊技者の期待感と緊張感を適切に誘発させ得る。ここで、予告図柄態様としては、キャラクタ図柄により構成されるもの、又はメッセージを表示したメッセージ図柄により構成されるもの等様々に設定することが可能である。
【0020】
上述した遊技制御手段が、所定遊技形態を予見する予告演出を、所定遊技形態の発生までカウントダウン報知するようにした制御内容を備えている構成(請求項11)が提案される。かかる構成により、所定遊技形態の表示実行への期待感を、徐々に高揚させることができるから、該所定遊技形態の予告演出を行う趣向性を一層向上させ得る。
【0021】
【発明の実施の形態】
いわゆる第1種パチンコ遊技機に本発明を適用した一実施形態例を説明する。図1はパチンコ遊技機の遊技盤1の正面図である。また図2は、遊技盤1の内側レール内の中央に配設されたセンターケース4の正面図である。ここでセンターケース4内には液晶表示器、CRT表示器、ドットマトリックスまたは7セグメント指示器等からなる図柄表示装置6が設けられる。この図柄表示装置6の図柄表示領域Fには三つの特別図柄A,B,Cと二つの普通図柄X,Yとが表示される。ここで、本実施形態例における第1種パチンコ遊技機にあっては、特別図柄A,B,Cを選出図柄としている。この特別図柄A,B,Cは、「0」〜「9」の10個の数字図柄によって構成され、いずれかの数字図柄が表示される。また、普通図柄X、Yは、「7」及び「−」のいずれかを表示するものであり、普通図柄X=Y=「7」の普通図柄当り態様を表示した場合には、普通電動役物15を開放する。さらに、この図柄表示領域Fには、後述する本発明の要部にかかる予告演出図柄j、カウントダウン予告図柄g、高確率報知図柄hが表示される。
【0022】
図柄表示装置6の直上右位置には四個のパイロットランプからなる特別図柄始動記憶数表示装置8が設けられる。この特別図柄始動記憶数表示装置8は、後述する主制御基板60(図3参照)の記憶装置RAMの一部領域に記憶された始動記憶数を表示する。
【0023】
また、図柄表示装置6の直上左位置には、四個のパイロットランプからなる普通図柄始動記憶数表示装置12が設けられ、後述の普通図柄始動スイッチS2(図3参照)からの遊技球検出信号が、所定数を上限として主制御基板60(図3参照)の記憶装置RAMの一部領域に記憶された場合に、その記憶数を表示する。
【0024】
一方、センターケース4の左右両側には、普通図柄作動ゲート(普通図柄始動領域)13,13が設けられ、遊技球の通過により該普通図柄作動ゲート13,13に内蔵された普通始動スイッチS2から遊技球検出信号が発生すると、図柄表示装置6の普通図柄X、Yが変動する。
【0025】
また、図柄表示装置6の直下位置には、内部を特別図柄始動領域14として、開閉翼片により始動領域(入賞口兼用)の開口度を変化させるようにした普通電動役物15が配設されている。そして、普通図柄X、Yが上述の普通図柄当り態様を表示した場合には、開閉翼片が約0.5秒拡開して、特別図柄始動領域14の開口度を拡開させ、遊技球が入り易い状態となる。普通電動役物15内には、光電スイッチ、リミットスイッチ等の特別図柄始動スイッチS1(図3参照)が備えられ、該特別図柄始動スイッチS1による遊技球通過検知に起因して、図柄表示装置6の特別図柄A,B,Cを変動表示し、所定の特別図柄表示態様で停止表示することとなる。
【0026】
普通電動役物15のさらに下方には、内部に特定領域と一般領域とを有する大入賞口23が配設され、開閉片24を大入賞口開放ソレノイド(図3参照)により開閉制御することにより大入賞口23を開放状態と閉鎖状態のいずれかに変換する可変入賞装置22が配設されている。そして、図柄表示装置6の特別図柄A,B,Cの組み合わせが当り図柄態様となると、開閉片24が開いて、その開放状態で開閉片24の上面が案内作用を生じ、大入賞口23へ遊技球を案内すると共に、特定領域に遊技球が入ると、次の開閉ラウンドへ移行可能となり、連続開放作動を生じて、遊技者に所定の利得が供される。この可変入賞装置22は、後述する特別遊技作動を実行するものであって、その内部には、図3で示すように、特定領域に入った遊技球を検知する特定領域スイッチS3と、当り中の入賞個数を計数するカウントスイッチS4とが設けられている。ここで特定領域スイッチS3にも、特定領域に入った遊技球を計数するカウントスイッチとしての機能が備えられている。
【0027】
図3は、本実施形態例にかかるパチンコ遊技機の遊技作動を制御する制御回路を示すものである。
主制御基板60には、パチンコ遊技機の遊技作動等を制御するための基板回路が設けられており、この基板回路上には主制御用中央制御装置CPUが配設されている。この主制御用中央制御装置CPUは、遊技に関する統括的な制御を処理実行するものであって、該主制御用中央制御装置CPUには、演算処理に用いる動作プログラムを格納する記憶装置ROMと、必要なデータを随時読み書き可能な記憶装置RAMとが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示せず)と、データのやり取りを行なうデータバス(図示せず)を介して接続され、該主制御基板60の基板回路を構成している。この記憶装置ROMには、動作プログラム、乱数テーブル等の固定データが記憶されている。この乱数テーブルにあっては、当り特別乱数テーブルk、当り図柄乱数テーブルl、ハズレ図柄乱数テーブルm、リーチ乱数テーブルn、リーチ図柄乱数テーブルp、リーチ態様乱数テーブルq、普通当り乱数テーブルu、普通当り図柄乱数テーブルv等が格納されている。そして、所定の要件が充足されると主制御用中央制御装置CPUにて各乱数値の抽選が行われ、当り特別乱数値K、当り図柄乱数値L、ハズレ図柄乱数値Ma,Mb ,Mc 、リーチ乱数値N、リーチ図柄乱数値P、リーチ態様乱数値Q、普通当り乱数値U、普通当り図柄乱数値V等が抽出される。そして、これら抽出された各乱数値を用い、所定の動作プログラムを実行することにより、遊技が進行態様を決定する。また、記憶装置RAMには、特別図柄始動スイッチS1 、普通図柄始動スイッチS2 のON作動による記憶数等が一時的に記憶される記憶エリア、ソフトタイマを構成するレジスタ領域及びワークエリア等が設けられている。
【0028】
この主制御基板60の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示せず)が設けられ、主制御用中央制御装置CPUに接続されている。そして主制御用中央制御装置CPUは一定間隔のクロックパルスによって、時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマーTMも接続されている。
【0029】
また、この主制御基板60の基板回路には、主制御用中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示せず)及び出力ポート(図示せず)が設けられており、該出力ポートを介して主制御基板60からの制御指令が、図柄表示制御基板62、音源制御基板63、光源制御基板64、及び払出制御基板65の各入力ポートに向け、一方向に発信されるように接続されている。また、主制御基板60の入力ポートには、上述した特別図柄始動スイッチS1が直に接続されている。さらに、盤面中継基板61を介して普通図柄始動スイッチS2 、特定領域スイッチS3、カウントスイッチS4が接続されている。そして、主制御基板60は、2ms毎に各スイッチS1〜4の遊技球検出状態を調べ、遊技球検出があるとその信号が波形整形回路により波形整形されて主制御用中央制御装置CPUに入力され、その情報を記憶装置RAMに記憶する。また、主制御基板60の出力ポートには、盤面中継基板61を介して普通電動役物15のソレノイドや、大入賞口23のソレノイド等が接続され、主制御用中央制御装置CPUが所定の条件を選出した場合に作動される。
【0030】
ここで主制御用中央制御装置CPU及び後述する各制御基板に設置されている各中央制御装置CPUは、所定の制御プログラムの制御処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。なお、該演算ユニットの連成数によって、中央制御装置CPUの演算処理能力が決まる。そして、この主制御用中央制御装置CPUは、所定の形式で生成した制御指令信号を各制御基板に夫々送信し、各制御基板の中央制御装置CPUが該制御指令信号に従って所定の制御を処理実行することとなる。
【0031】
上記の図柄表示制御基板62には、図柄表示装置6の図柄表示領域F上で表出される図柄表示態様を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、図柄表示態様を制御処理する図柄制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きできる記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この記憶装置ROMには、動作プログラム、図柄表示領域Fで表示する特別図柄A,B,C及び普通図柄X、Yの可変パターン及びその表示パターン、当り遊技パターン、リーチ演出パターン、祝祭表示パターン、及び本発明にかかる予告演出パターン等の表示態様を行う固定データも記憶されている。
【0032】
また、図柄表示制御基板62は、主制御基板60から入力ポートを介して受信した制御指令信号を図柄制御用中央制御装置CPUにおいて、所定の動作プログラムに従って演算処理し、所定の図柄表示態様を演出する図柄データを、出力ポートを介して表示用ドライバに送信する。そして、該表示用ドライバは該図柄データに従って、図柄表示装置6の図柄表示領域Fに所定の図柄を表出させる。この図柄表示装置6としては、CRT表示器やLCD(液晶)表示器等が好ましく用い得る。
【0033】
上記の音源制御基板63には、スピーカから発生する効果音等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、音響を制御する音源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや音響発生パターン、及び祝祭パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この音源制御基板63は、上記の主制御基板60より入力ポートを介して受信した制御指令信号を音源制御用中央制御装置CPUで所定の動作プログラムに従って演算処理し、所定の音データを出力ポートを介してサウンドジェネレータに発信して、該音データを受けてスピーカ66に出力させる。
【0034】
上記の光源制御基板64には、パチンコ遊技機に備えられた発光ダイオードLEDや装飾ランプといった電飾装置を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、電飾装置の点灯、点滅等を制御する光源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや、発光ダイオードLED,装飾ランプ等を電飾するための電飾パターン、及び祝祭パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この光源制御基板64は、光源制御用中央制御装置CPUで、上記の主制御基板60から入力ポートを介して受信した制御指令信号を所定の動作プログラムに従って演算処理し、所定の光データを出力ポートを介して、発光ダイオードLEDや装飾ランプ等を発光作動するドライバを配した光源作動基板に送信し、所定の発光ダイオードLEDや装飾ランプ等を点灯、点滅させる。
【0035】
上記の払出制御基板65には、遊技球の貸球や賞球等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動して、所定の貸球や賞球の供給を制御する払出制御用中央制御装置CPUに、動作プログラム、賞球や貸球の球数パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、球数カウントデータ等の必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この払出制御基板65は、主制御基板60から受信した制御指令信号に従い、払出制御用中央制御装置CPUで所定の動作プログラムに従って演算処理し、所定のデータを出力ポートを介して払出中継基板に送信し、該データにより貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動し、所定の貸球や賞球の払い出しを実行する。また、払出制御基板65は、遊技球の貸球を記憶したプリペイドカードの読み込み書き込みを行うプリペイドカードユニットと、該プリペイドカードのデータ処理を中継するCR接続基板を介して接続され、遊技球の残球等のデータをやりとりする。
【0036】
このように、上述の各中央制御装置CPU、記憶装置ROM、記憶装置RAM、動作プログラム等によって、パチンコ遊技機の遊技進行を制御実行するマイクロコンピュータシステムが構成されている。このマイクロコンピュータには、所定の動作プログラムに従って、遊技の進行態様を決定する遊技制御手段と、該遊技制御手段による制御指示信号に従って、図柄態様の表示、変動等を制御実行する図柄制御手段とが構成されている。
【0037】
次に本実施形態例の制御態様をパチンコ遊技機の作動に従って説明する。
遊技球が発射装置より遊技盤1に発射され、該遊技球が特別図柄始動領域14を通過し、特別図柄始動スイッチS1がON作動すると、該信号を主制御基板60が認識する。かかる信号により、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、記憶装置ROMに記憶されている各乱数テーブルから、当り特別乱数値K、当り図柄乱数値L、ハズレ図柄乱数値Ma,Mb ,Mc 、リーチ乱数値N、リーチ図柄乱数値P、リーチ態様乱数値Q等を夫々に抽出し、各乱数値を記憶装置RAMに一旦、始動記憶として記憶保持する。さらには、特別図柄始動スイッチS1のON信号に基づき、主制御用中央制御装置CPUで演算処理して賞球指令信号を払出制御基板65に発信すると共に、賞球作動に連動する賞球音の発生指令信号を音源制御基板63に、賞球ランプ等の発生指令信号を光源制御基板64に夫々発信する。
【0038】
主制御基板60から賞球指令信号を受信した払出制御基板65は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて払出制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行い、その結果に従って賞球ユニットのソレノイドを作動させて所定数量の賞球を払い出す。これと同期して、賞球音の発生指令信号を受けた音源制御基板63は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて音源制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行い、その結果に従ってスピーカより所定の賞球音を上記賞球の払出時に合わせて出力する。同時に光源制御基板64でも、受信した賞球ランプの発生指令信号に従って光源制御用中央制御装置CPUが記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて演算処理を行い、その結果に従って所定の発光ダイオードLEDや装飾ランプ等を点灯、点滅させる。
【0039】
また、記憶装置RAMに始動記憶が存在する場合にあって、主制御基板60は2ms毎に、図柄表示制御基板62に特別図柄A,B,Cが変動しているか否かを確認するための信号を発信する。そして、特別図柄A,B,Cが変動表示していないと、主制御基板60の記憶装置RAMに記憶されている始動記憶の消化に伴って、記憶装置RAMに記憶保持した各乱数値により所定の動作プログラムを演算処理し、図柄生成行程の図柄態様を決定する。この図柄態様を表出するための図柄制御指令信号を図柄表示制御基板62に送信する。そして、この図柄制御指令信号に従って、図柄表示制御基板62の図柄制御用中央制御装置CPUは、記憶装置ROMに記憶されている所定の表示プログラムを用いて、図柄表示装置6で表示する図柄生成行程の一連の表示態様を決定する。そして、該図柄態様に従って、特別図柄A,B,Cの変動を開始し、順次停止して所定の図柄表示態様を確定表示する図柄生成行程が実行される。
【0040】
その他、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、音響作動と発光作動を該図柄表示態様に連動させるため、音響制御指令信号を音源制御基板63に発信すると共に、電飾制御指令信号を光源制御基板64に発信する。音響制御指令を受けた音源制御基板63は、記憶装置ROMに記憶されている動作プログラム等を用いて音源制御用中央制御装置CPUで演算処理を行い、得られた音データをサウンドジェネレータを介してスピーカ66より出力する。また上記光源制御基板64では、電飾制御指令信号に従って、記憶装置ROMに記憶されている動作プログラム等を用いて光源制御用中央制御装置CPUで演算処理を行い、得られた光データを、光源作動基板を介して、所定の発光ダイオードLEDもしくは装飾ランプを点灯、点滅させる。
【0041】
また、遊技球が特別図柄始動領域14に連続的に通過した場合には、特別図柄始動スイッチS1による遊技球検出が主制御基板60の記憶装置RAMに記憶され、その記憶に従って上述したように特別図柄始動記憶数表示装置8の発光ダイオードLEDが順次点灯し、最高四回まで保留される。この発光ダイオードLEDは図柄が変動する都度、消灯されて、記憶数が減少する。なお、始動記憶数が満杯(四個)となっている場合には、特別図柄始動領域14を遊技球が通過しても始動記憶は無効となる。
【0042】
ここで、上述の当り特別乱数値Kが当りを選出した場合、主制御基板60は、図柄表示制御基板62に所定の当り図柄態様を表出するための制御指令信号を伝達する。そして、図柄表示制御基板62はこの制御指令信号に従って特別図柄A=Bで停止してリーチ状態とし、所定のリーチ作動を実行した後、特別図柄Cを停止して、特別図柄A=B=Cを所定の当り図柄態様により確定表示する。同時に光源制御基板64及び音源制御基板63が所定の電飾装置と効果音を発生させる。
【0043】
そして、主制御基板60は、盤面中継基板61を介して大入賞口ソレノイドを駆動して、大入賞口23を開放する。そして、大入賞口23に遊技球が流入され、該大入賞口23内の特定領域スイッチS3やカウントスイッチS4がON作動されると、その信号を盤面中継基板61を介して主制御基板60が確認し、必要に応じて、図柄表示制御基板62や払出制御基板65に制御指令を発信し、而して、一連の特別遊技作動が実行される。
【0044】
すなわち、サウンドジェネレータがファンファーレを発すると共に、大入賞口ソレノイドが駆動し、開閉片24が前方に傾動して可変入賞口23が開放され、開閉ラウンドが実行される。この開閉ラウンドは、所定制限時間(30秒)が経過するか、該所定制限時間内で、特定領域スイッチS3とカウントスイッチS4とにより合計10個の遊技球の入賞検知がなされるまで継続される。また上述したように、大入賞口23の特定領域に遊技球が流入し、特定領域スイッチS3がON作動した時は、次の開閉ラウンドへの移行条件が充足され、一旦開閉片24が閉鎖駆動して、一ラウンドが終了する。そして、その動作終了後に再び大入賞口23が開放して、次の開閉ラウンドへ移行する。このように開閉ラウンドが最大15回繰り返されて、大入賞口23の連続開放作動を生じ、遊技者に所定の利得が供される。
【0045】
一方、当り特別乱数値Kが当りを選出しない場合には、図柄表示制御基板62に、所定のハズレ図柄態様を表出させるための制御指令信号を発信する。図柄表示制御基板62は該制御指令に従って、特別図柄A,B,Cをハズレ表示する。ここで、リーチ作動が実行される場合には、特別図柄A=Bのリーチ図柄を一旦表出し、所定のリーチ態様を実行した後、特別図柄Cをハズレ図柄となるように停止し、確定表示する。
【0046】
次に図柄表示装置6の図柄制御につき再度、詳細に説明する。
上述の主制御基板60の記憶装置ROMには、0〜599の600コマからなる当り特別乱数テーブルkが格納されている。ここで、当り図柄態様を確定表示した特別図柄A,B,Cの表示内容により、当該特別遊技作動以降の図柄生成行程を、当り図柄態様の表出確率が向上する確変遊技状態とする場合と、当り図柄態様の表出確率が変化しない通常遊技状態とする場合とのいずれかとする。通常遊技状態では、当り特別乱数値KがK=7,277であると当りとする通常確率判定基準を適用する。すなわち、この通常確率判定基準の当り確率は2/600=1/300である。また、確変遊技状態ではK=7,89,137,197,241,307,389,437,497,541の場合に当りとする高確率判定基準を適用する。すなわち、この高確率判定基準の当り確率は10/600=1/60である。そしてそれ以外はハズレとなる。また、上述したように記憶装置ROMには、当り図柄乱数テーブルlが格納されており、該当り図柄乱数値Lに従って、1,3,5,7,9の奇数図柄(確変図柄)により当り図柄態様を表示することとなった場合には、当該特別遊技作動以降の図柄生成行程を当り図柄態様が表出するまで、前記した確変遊技状態とする。一方、当り図柄乱数値Lに従って当り図柄態様が0,2,4,6,8の偶数図柄(通常図柄)を表示することとなった場合には、当該特別遊技作動以降の図柄生成行程を通常遊技状態とする。
【0047】
ここで、主制御基板60の記憶装置RAMには、上記した確変遊技状態とすることを示す確変フラグGが設けられている。この確変フラグGは、特別図柄A,B,Cを確変当り図柄態様により確定表示させることとなると、G=1となり、次回以降に始動記憶の消化に伴って、当り特別乱数Kを上記した高確率判定基準により判定するものである。また、通常当り図柄態様となると、確変フラグG=0となり、当り特別乱数Kは通常確率判定基準で判定されることとなる。
【0048】
また、記憶装置RAMには、上述したように、リーチ乱数テーブルn、リーチ図柄乱数テーブルp、リーチ態様乱数テーブルqも格納されている。当り特別乱数値Kが当りを抽出していた場合、又は、該Kがハズレであって、リーチ乱数値Nがリーチ作動を行うことを抽出していた場合に、リーチ図柄乱数値Pとリーチ態様乱数Qとを有効とし、このPに従って所定のリーチ図柄態様を表出し、Qに従って所定のリーチ作動が実行される。ここで、リーチ乱数値Nはハズレの場合にリーチ作動の実行有無を決めるものであり、リーチ図柄乱数値Pはリーチ図柄態様を決めるものであり、リーチ態様乱数値Qはリーチ作動で実行される、非リーチ状態のときと異なるリーチ変動態様の種類を選定する。ここで、リーチ変動態様としては、例えば、ロングリーチ、低速スクロール、低速走行からの加速的停止等、種々の変動形態がある。
【0049】
そして、特別図柄A,B,Cが変動開始し、所定時間以上経過すると、順に図柄変動を停止して、所定の図柄表示態様が確定表示される。
【0050】
一方、主制御基板60の記憶装置RAMに記憶されている特別図柄始動記憶の記憶消化に伴って、特別図柄列a,b,cを変動表示させる場合にあって、記憶装置RAMの始動記憶数には上述のように限度(通常四個)があり、この個数を越えると、特別図柄始動スイッチS1からの遊技球検知信号があっても、無効となる。このため、このような記憶満杯に伴う無効球の発生を少なくするためには、始動記憶数が迅速に消化されることが望まれる。そこで、特別遊技作動が終了した直後には、通常の図柄変動時間よりも、短い図柄変動時間を選択して、図柄生成行程を時短変動状態(時短)とするようにしている。すなわち特別図柄を停止表示するための図柄生成行程に要する平均変動時間(図柄変動の開始から停止するまでに要する時間)が通常10秒であるものが5秒に短縮される。また、本実施形態例にあっては、このような時短遊技状態を、上述した確変遊技状態と同時に実行させている。
【0051】
次に普通図柄作動につき説明する。
遊技球が普通図柄始動ゲート13を通過すると、該遊技球は普通図柄始動スイッチS2で検出される。この普通図柄始動スイッチS2で遊技球検出されると、図柄表示装置6の図柄表示領域Fで、普通図柄X、Yが変動する。この普通図柄X,Yは、それぞれ「7」、「−」の2種の図柄で構成されている。この普通図柄X,Yが変動中、又は普通電動役物15が開放中のときに、普通図柄始動スイッチS2で遊技球検出されると、主制御基板60の記憶装置RAMにその遊技球検出が記憶される。そして、この普通始動記憶に伴って普通図柄始動記憶数表示装置12の発光ダイオードLEDが点灯し、普通図柄X,Yが変動開始になる都度消灯されて、記憶個数が表示される。尚、普通図柄始動記憶数表示装置12の最大記憶数は四個であり、それ以上は無効とされる。
【0052】
この普通図柄X、Yの確定表示後、約0.5秒以上経過すると、普通始動記憶の消化に伴って、普通図柄X,Yは再び変動開始する。普通図柄X,Yが変動開始後、約30秒以上経過すると変動が停止し、普通図柄X=Y=「7」で確定表示すると当りとなり、普通電動役物15が約0.5秒間開放される。
【0053】
一方、前述の図柄表示装置6の時短変動作動中においては、普通図柄表示装置10の変動時間も、常態の約30秒から短縮され、約5秒経過すると変動が停止する。さらに、普通電動役物15の開放時間が約0.5秒間から約2秒間に延長される。
【0054】
ここで、普通図柄表示装置10が変動を停止したときに表示する図柄態様は、主制御基板60の記憶装置ROMに格納されている、0〜94の95コマからなる普通当り乱数テーブルuから抽出された普通当り乱数値Uにより決定される。遊技球通過により、普通図柄始動スイッチS2がON作動すると、主制御基板60は記憶装置ROMに格納されている普通当り乱数テーブルu、普通当り図柄乱数テーブルvから普通当り乱数値U、及び普通当り図柄乱数値Vを夫々に選出し、その内容を一旦記憶装置RAMに記憶する。そして、普通始動記憶の消化に伴って、普通当り乱数値Uを用いて所定の動作プログラムにより当りハズレを決定する。ここで、Uが当りの場合には、普通図柄X=Y=「7」を確定表示させる。また、Uがハズレの場合は、普通当り図柄乱数値Vに従って、普通図柄X、Yの少なくとも一方を「−」で確定表示させるハズレ図柄態様を決定する。
【0055】
次に、本発明の要部について説明する。
本実施形態例にあっては、未発生の始動記憶による図柄生成行程で、当りの発生する可能性を、通常の図柄生成行程に比して高くすると共に、この当り発生する可能性を高めた図柄生成行程を予見させる予告演出を行うように制御するものである。ここで、当りの発生する可能性を高めた図柄生成行程を実行するか否かは、予定確率決定過程によって決定する。そして、予定確率決定過程によって、当り発生の可能性の高い図柄生成行程を実行することとなった場合には、通常時に行う通常確率決定過程に比して、当り発生確率を高確率とした高確率決定過程を図柄生成行程に適用する。
【0056】
このような予定確率決定過程と高確率決定過程の制御内容として、主制御基板60の記憶装置ROMには、上述した各乱数テーブルの他に、予告決定乱数テーブルwと予告実行乱数テーブルrとを備えている。そして、特別図柄始動スイッチS1の検知に従って、他の各乱数値と同様に予告決定乱数値Wと予告実行乱数値Rとを抽出し、記憶装置RAMに一旦記憶保持する。ここで、予告決定乱数値Wは、未発生の始動記憶によって実行される図柄生成行程に、上述した高確率決定過程を適用するか否かを決定するものである。この予定決定乱数テーブルwは、0〜59の60コマで構成されており、1,13,29,37,43,53のいずれかの予告決定乱数値Wを抽出していた場合に、高確率決定過程を適用することが決定される。ここで、高確率決定過程としては、図柄生成行程の当りハズレを決める当り特別乱数値Kの判定基準を、上述した高確率判定基準とする制御である。また、予告実行乱数値Rは、予告決定乱数値Wにより決定された高確率決定過程を適用する図柄生成行程の、未発生の始動記憶を決めるものである。この予告実行乱数テーブルrは、0〜59の60コマから構成され、抽出された乱数値Rに従って、現状で記憶保持されている始動記憶数Iに加算する加算記憶数Tを+1,+2,+3、+5のいずれかに選定する。これにより、この未発生の始動記憶が実行されるまでに消化すべき始動記憶数を決定する。この未発生の始動記憶に至るまでに要する始動記憶数が、記憶装置RAMに始動記憶消化係数Hとして記憶される。そして、この始動記憶消化係数Hは、始動記憶が消化される毎に1ずつ減算されて、H=1となると、高確率判定基準となる高確率決定過程が適用される。
【0057】
さらに、上記の予告決定乱数値Wと予告実行乱数値Rとにより、高確率決定過程を適用する未発生の始動記憶による図柄生成行程が決定されると、該図柄生成行程の実行を予見させる予告演出図柄jを選定し、当該WとRを選定した図柄生成行程にあって、図柄表示領域Fで該予告演出図柄jを表示する。また、これ以降の、高確率決定過程が適用される図柄生成行程までの図柄生成行程にあっては、始動記憶消化係数Hに従ってカウントダウン予告図柄gを選定し、図柄表示領域Fに表出する。さらに、高確率決定過程を適用する図柄生成行程となると、高確率報知図柄hを選定し、図柄表示領域Fに表出する。このように、予告演出図柄j、カウントダウン予告図柄g、高確率報知図柄hを順次表出する演出を行うことにより、当りの発生する可能性の高い図柄生成行程が実行されるまで、臨場感を盛り上げ、遊技者の期待感を段階的に高揚させるようにしている。
【0058】
尚、本実施形態例にあっては、予告決定乱数値Wと予告実行乱数値Rにより決定された、高確率決定過程が適用される図柄生成行程が実行される前に、確変当り図柄態様を表出し、確変遊技状態となると、該確変遊技状態が終了するまで、該図柄生成行程の実行を保留するようにしている。
【0059】
次に、図柄生成行程の一連の表示態様を決定する特別図柄処理行程を、図4のフロー図に従って説明する。
上述したように、特別図柄始動領域14の遊技球通過により特別図柄始動スイッチS1が検知されると、当り特別乱数値K、当り図柄乱数値L、ハズレ図柄乱数値Ma,Mb ,Mc、リーチ乱数値N、リーチ図柄乱数値P、リーチ態様乱数値Q、及び予定確率乱数値W、予定実行乱数値Rを各乱数テーブルから抽出し、記憶装置RAMに一旦記憶保持する。このように始動記憶が記憶されると、始動記憶数Iに1を加算して始動記憶数Iが記憶される。この始動記憶数Iは、始動記憶の記憶数を記憶するものであって、該Iの値に従って、上述した特別図柄始動記憶表示装置8が点灯又は消灯して、始動記憶数Iを遊技者に報知する。そして、始動記憶数I>0かつ、特別遊技作動が行われていない場合には、主制御基板60は、2ms毎に図4の特別図柄処理行程を実行する。この特別図柄処理行程にあっては、特別図柄A,B,Cが変動中か否かを調べ、変動中であれば終了する。一方、特別図柄A,B,Cが変動していない場合には、始動記憶を消化して、記憶装置RAMに記憶保持された各乱数値を確認すると共に、始動記憶数Iから1減算する。そして、確変フラグGを調べ、G=1(確変遊技状態)であれば、高確率判定基準を適用する。
【0060】
ここで、G=0(通常遊技状態)であれば、始動記憶消化係数Hを確認し、該H=0の場合、すなわち、高確率判定基準の適用が決まっていない場合には、上述した通常確率判定基準を設定する通常確率決定過程が適用される。また、始動記憶消化係数H>0であり、かつ、H=1である場合には、高確率決定過程を適用する図柄生成行程が到来したと判断し、高確率判定基準を設定する高確率決定過程が適用される。この高確率決定過程では、上記した高確率報知図柄hを表出することを決定すると共に、H=0とする。さらには、リーチ乱数値Nをリーチ作動を実行する乱数値に更改し、当該図柄生成行程がハズレとなる場合にあっても、リーチが必ず発生するように制御する。一方、H>1の場合には、該Hから1を減算すると共に、該Hに従ってカウントダウン予告図柄gの表出を決定する。そして、通常確率判定基準を設定する。
【0061】
このようにして設定された通常確率判定基準又は高確率判定基準のいずれかに従って、当り特別乱数値Kを判定する。そして、この判定によりKが当りであると、当り図柄乱数値L及びリーチ態様乱数値Qを有効とし、該Lに従って特別図柄A,B,Cにより確定表示する当り図柄態様を決定する。さらに、Qに従って、リーチとなった場合に実行するリーチ作動を決定する。このようにして、図柄表示装置6で表示実行される図柄生成行程の一連の表示態様を決定する。尚、当該当り図柄態様が確変当り図柄態様であった場合には、確変フラグG=1とすると共に、カウントダウン予行図柄hを表出することとなっている場合には、該hの表出を無効とする。
【0062】
一方、Kの判定結果がハズレであると、確変フラグG=1であるか否かを調べ、G=1の確変遊技状態である場合に、上記したカウントダウン予行図柄hを表出することとなっていると、該hの表出を無効とする。また、G=0であると、始動記憶消化係数Hを確認し、該H=0の場合には予定確率決定過程を実行する。この予定確率決定過程にあっては、予定確率乱数値Wを有効し、該Wに従って、未発生の始動記憶による図柄生成行程に高確率決定過程を適用するか否かを決定する。ここで、高確率決定過程の適用が決定されると、予定実行乱数値Rを有効とし、該Rに従って選定された加算記憶数Tを、現状の始動記憶数Iに加算して始動記憶消化係数Hとする。さらに、未発生の始動記憶により実行される図柄生成行程が、当りの発生する可能性が高くなったことを報知する、予告演出図柄jの表出を決定する。
【0063】
その後、リーチ乱数値Nを判定し、リーチとするか否かを決める。ここでリーチとしない場合には、ハズレ図柄乱数値Ma,Mb,Mcを有効とし、該Ma,Mb,Mcに従って特別図柄A,B,Cが確定表示するハズレ図柄態様を決定する。一方、リーチとする場合には、ハズレ図柄乱数値Mc、リーチ図柄乱数値P、リーチ態様乱数値Qを有効とする。そして、該Pに従って、特別図柄A=Bとするリーチ図柄態様を決定し、該Qに従ってリーチとなった場合に実行するリーチ作動を選定する。また、ハズレ図柄乱数Mcに従って特別図柄Cが確定表示する図柄を選定し、ハズレ図柄態様A=B≠Cを決定する。このようにして、図柄表示装置6で表示実行される図柄生成行程の一連の表示態様を決定する。
【0064】
このような特別図柄処理行程で決定された、図柄生成行程の一連の表示態様に従って、図柄表示装置6の図柄表示領域Fで図柄生成行程が開始される。この図柄生成行程を図5及び図6に従って説明する。
特別図柄始動記憶数表示装置8に2個の始動記憶数が点灯表示されている場合にあって、該始動記憶数が1個消灯することにより、特別図柄A,B,Cが変動開始する。ここで、上述した特別図柄処理行程により、3回後の図柄生成行程に高確率判定基準を適用することが決定されている場合には、図5(イ)のように、図柄表示領域Fに、予告演出図柄jとして3羽の鳥図柄を表示させる。この3羽の鳥図柄により、現状で存在する始動記憶数1個と、今後発生させる2個の始動記憶とによって実行される3回後の図柄生成行程が、当りを発生する可能性の高いものであることを予告する。その後、図5(ロ)から図5(ニ)のように、特別図柄A,B,Cが順に停止して、所定のハズレ図柄態様を確定表示して、当該図柄生成行程が終了する。そして、遊技者は、未発生の始動記憶を獲得するため、特別図柄始動領域14に遊技球を通過させようと遊技球を次々に発射することとなりえ、遊技球の発射行為を促進することができる。
【0065】
その後、特別図柄始動記憶数表示装置8に点灯表示する1個の始動記憶数が消灯することにより、特別図柄A,B,Cが変動開始して図柄生成行程が実行される。ここで、図5(ホ)のように、図柄表示領域Fに、カウントダウン予告図柄gとして2羽の鳥図柄が表示され、当りの発生する可能性の高い図柄生成行程まであと2回であることを報知する。さらに、遊技球が特別図柄始動領域14を通過すると、前記図柄生成行程の終了後、特別図柄A,B,Cが変動開始して次の図柄生成行程が実行される。ここで、図5(ヘ)のように、図柄表示領域Fに、カウントダウン予告図柄gとして1羽の鳥図柄が表示され、次回の図柄生成行程では、当りの発生する可能性が高くなることを予告する。このように、予告演出図柄jの表示後、これ以降の図柄生成行程が実行される毎に、カウントダウン図柄gを表示することにより、当りの発生する可能性が高い図柄生成行程の実行に向けて、遊技者の期待感を段階的に高揚させることができる。
【0066】
そして、遊技球の特別図柄始動領域14の通過によって、特別図柄A,B,Cが変動開始し新たな図柄生成行程が実行されると、図6(イ)から図6(ロ)のように、図柄表示領域Fに、高確率報知図柄hとして鳥群図柄を表出する。この鳥群図柄の表出によって、当該図柄生成行程では当りの発生する可能性が高いことを遊技者に報知して、遊技者の期待感と緊張感とを強く刺激する。その後、図6(ハ)のように、特別図柄A=Bのリーチ図柄態様を表示して、所定のリーチ作動を実行する。そして、上述の特別図柄処理行程によって、当りとなることが決定されている場合には、図6(ニ)のように、特別図柄Cを停止してA=B=Cの当り図柄態様を確定表示する。一方、ハズレの場合には、A=B≠Cのハズレ図柄態様を確定表示することとなる。尚、本実施形態例にあっては、上述したように、未発生の始動記憶による図柄生成行程に高確率決定過程を適用することとなった場合には、当該図柄生成行程がハズレ図柄態様を表示することとなっても、リーチとするようにしている。これにより、図柄生成行程により当りハズレが確定するまで、遊技者の期待感を助長させることができる。
【0067】
上述した実施形態例にあっては、未発生の始動記憶による図柄生成行程を、当り発生する可能性を高くする場合に、該図柄生成行程の実行回数を示す数の鳥(キャラクタ)図柄を予告演出図柄jとして表示するようにした構成であるが、その他の構成として、図7のように、メッセージにより遊技者に知らせる構成とすることができる。このようにメッセージ図柄を表示することにより、パチンコ遊技の経験の浅い遊技者にも、その内容を明確に認識させることが可能である。同様に、カウントダウン予告図柄gや高確率報知図柄hをメッセージ図柄とすることもできる。一方、このような予告演出図柄j、カウントダウン予告図柄g、高確率報知図柄hを図柄生成行程が実行されていない場合に、図柄表示領域Fで表示する構成としても良い(図8参照)。かかる構成にあっては、図8(イ)のようにキャラクタ図柄によって表出することや、図8(ロ)のようにメッセージ図柄により表出することができる。これにより、遊技球が特別図柄始動領域14に入賞しない状況にあって、遊技者の図柄生成行程への挑戦意欲を掻き立てることができるから、遊技球の発射行為を適切に促進させ得る。
【0068】
また、このような予告演出を、所定の音声や照光等によって行ったり、上記の図柄と音声や照光を組み合わせて行うようにしても良い。このように音声や照光により予告演出を行うことにより、遊技者が該予告演出を見逃すことを防止できるという優れた利点が生ずる。
【0069】
このように本実施形態例にあっては、始動記憶の消化によって、未発生の始動記憶による図柄生成行程に高確率決定過程を適用することとなっている場合に、確変遊技状態となると、高確率決定過程を適用する図柄生成行程を保留するようにしているが、その他、保留せずに、確変遊技状態での高確率判定基準を一層高確率なものとして、当りハズレを判定するようにしても良い。又は、確変遊技状態となると、高確率決定過程を適用する図柄生成行程をキャンセルするようにしても良い。
【0070】
上述した実施形態例にあっては、始動記憶の消化によって、未発生の始動記憶による図柄生成行程に高確率決定過程を適用するか否かを、予定確率決定過程により一定の確率で決定するようにした構成であるが、その他の構成として、図柄生成行程の所定実行回数毎に適用するもの、前回の当りから所定回数の図柄生成行程が実行された場合に適用するもの、始動記憶数が所定個数記憶保持された場合に適用するもの等、様々に設定することも可能である。このように、当りの発生する可能性が高くなる図柄生成行程を予め設定しておくことにより、遊技者は該図柄生成行程を常に意識しながら遊技を進行することとなり、発射停止行為を適切に抑制できる。また、予定確率決定過程が高確率決定過程を適用する時間帯を決め、該時間帯に実行される図柄生成行程に高確率決定過程を適用する構成とすることもできる。これにより、この時間帯が近づくにつれ、遊技者の期待感を徐々に高めることが可能である。
【0071】
一方、この予定確率決定過程による高確率決定過程を適用するか否かの決定を、始動記憶の消化と関係なく行うようにする構成とすることもできる。例えば、遊技球の発射停止が所定時間継続した場合に予定確率決定過程を実行する構成とし、発射停止行為を行っている遊技者に、新たな図柄生成行程の獲得に向けた挑戦意欲を付与し、遊技球の発射を促すこともできる。
【0072】
また、上述した実施形態例にあっては、未発生の始動記憶による図柄生成行程に、高確率決定過程を適用するか否かの決定を行うようにした構成であるが、その他の構成として、未発生の始動記憶による図柄生成行程により当りが発生する構成としても良い。これにより、遊技者の該図柄生成行程に対する期待感を一層強く刺激することができるから、遊技球の発射行為が一層促進されることとなる。
【0073】
さらにまた、上述の実施形態例にあっては、高確率決定過程を適用することとなる図柄生成行程は、該図柄生成行程が終了するまで、単一でしか発生しないように制御しているが、重複して発生できるように制御しても良い。これにより、当りの発生する可能性の高い図柄生成行程が複数存在する場合も生じるから、遊技者に遊技球の発射を強く促すことができる。尚、高確率決定過程を適用する図柄生成行程が同時に複数存在する場合には、この図柄生成行程毎による特別図柄A,B,Cを夫々に異なる色彩や色調等によって表現させるようにしても良い。
【0074】
一方、本実施形態例にあっては、未発生の始動記憶による図柄生成行程に高確率決定過程を適用する場合に、その図柄生成行程を予見する予告演出を行うようにした構成であるが、このような高確率決定過程の適用を無効とする手段を設けることもできる。例えば、遊技球の発射装置を操作する発射ハンドルに、タッチセンサを設け、該タッチセンサが所定時間継続して検知信号を発信しない場合には、高確率決定過程の適用を無効とする制御内容を備えるようにしても良い。また、遊技者が入れ替わる場合を想定し、遊技球を保留する上受皿や下受皿にもセンサを設け、これら上受皿や下受皿のセンサが所定時間継続して遊技球を検知しない場合には、高確率決定過程の適用を無効とする制御内容を備えるようにしても良い。
【0075】
【発明の効果】
本発明は、上述したように、無条件又は特定の遊技状態となることを条件として、遊技制御手段が、未だ発生していない始動記憶によって実行される所定遊技を予見させる予告演出を行うように制御するもの(請求項1)であるから、該所定遊技形態の獲得を望む遊技者の感情を刺激できるため、遊技球の発射を促し、遊技球の発射停止行為を抑制させることができる。また、未発生の始動記憶による所定遊技形態を予告演出することにより、将来発生する遊技への期待感を誘発することができ、例え、図柄生成行程が実行されていない状況でも、遊技者は期待感を高揚しつつ遊技を楽しむことができる。
【0076】
このような所定遊技形態が、当り図柄態様を確定表示する図柄生成行程であるとした構成(請求項2)にあっては、特別遊技作動が実行されることとなる始動記憶を早急に、かつ必ず獲得したいという欲求が強く誘発されることとなり、該始動記憶の獲得に向けて遊技球の発射行為を一層促進させることができる。
【0077】
また、所定遊技形態が、当り図柄態様を確定表示する可能性を常態に比して高めた図柄生成行程であるとした構成(請求項3)にあっては、当りとなる可能性の高い図柄生成行程への遊技者の期待感を強く刺激でき、この始動記憶の獲得に向けて遊技球の発射を促すことができる。また、予告演出した図柄生成行程が必ず当りとなるとは限らないことから、予告演出により生じた期待感と、当りとなることにより生じる喜悦感、又はハズレとなることにより生じる落胆とを夫々に誘発させる、起伏に富んだ面白い遊技を提供できる。
【0078】
ここで、遊技制御手段が、予定確率決定過程により、高確率決定過程を図柄生成行程に適用するか否かを決定し、適用することとなった場合には、当りとなる確率の高い高確率決定過程により当りハズレを決定するように制御した構成(請求項4)にあっては、所定の確率を設定した予定確率決定過程と高確率決定過程とによって、当りとなる可能性を高めた図柄生成行程と、その予告演出とを常に公正かつ適正に処理決定することができ、パチンコ遊技機の健全性を適切に保つことができる。
【0079】
上述した所定遊技形態が、リーチを発生する図柄生成行程であるとした構成(請求項5)にあっては、未発生の始動記憶により実行される図柄生成行程を、当りとなる可能性が高くなったものとして遊技者に暗示させえ、当該図柄生成行程への期待感を強く誘発させることができる。
【0080】
上述した特定の遊技状態が、始動記憶を消化して図柄生成行程を実行する場合であるとした構成(請求項6)にあっては、当りハズレを確定する興趣性と、所定遊技形態への期待感を遊技者に生じさせるという興趣性とを一回の図柄生成行程によって発揮できる、多様な趣向性を有する面白い図柄生成行程を提供できる。
【0081】
また、特定の遊技状態が、所定時間継続して遊技球を発射停止している場合であるとした構成(請求項7)にあっては、遊技者が発射停止行為を行っている場合に、所定遊技形態への期待感を誘発させ得るため、遊技球の発射を促すことができる。
【0082】
一方、遊技制御手段が、所定遊技形態を、特定の遊技状態以降の特定回数後に実行される図柄生成行程とするように制御した構成(請求項8)にあっては、所定遊技形態である図柄生成行程の始動記憶まで、何個の始動記憶を発生させる必要があるかを明確に認識させることができ、該図柄生成行程への期待感を徐々に高め得る興趣溢れる遊技を提供できる。
【0083】
また、遊技制御手段が、所定遊技形態を、特定の遊技状態以降の特定の時間帯で実行される図柄生成行程とするように制御した構成(請求項9)にあっては、特定の時間帯が近づくにつれ、遊技者は始動記憶の存在に気を配りながら遊技を進行することとなるため、不安感と期待感とが入り交じった起伏に富んだ遊技を楽しませることができる。
【0084】
一方、上述した所定遊技形態を予見させる予告演出が、該所定遊技形態の表示実行と、その表示実行する未発生の始動記憶とを報知する予告図柄態様を表示するものであるとした構成(請求項10)にあっては、遊技者の最も注視する図柄表示装置で表示される予告図柄態様によって、遊技者は所定遊技形態を将来的に獲得できることを明確に知ることができ、該所定遊技形態への期待感と緊張感を適切に誘発させ得る。
【0085】
上述した遊技制御手段が、所定遊技形態を予見する予告演出を、所定遊技形態の発生までカウントダウン報知するようにした制御内容を備える構成(請求項11)にあっては、所定遊技形態の表示実行への期待感を徐々に高揚させることができ、該所定遊技形態の予告演出を行う趣向性を一層向上させ得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】遊技盤1の正面図である。
【図2】センターケース4の拡大正面図である。
【図3】遊技を制御する制御回路を示すブロック回路図である。
【図4】図柄生成行程で表出する一連の表示態様を決定する特別図柄処理行程を表すフロー図である。
【図5】当りの発生する可能性の高い図柄生成行程を予告演出する図柄態様の一例を表す説明図である。
【図6】当りの発生する可能性の高い図柄生成行程の図柄態様を表す説明図である。
【図7】当りの発生する可能性の高い図柄生成行程を予告演出する図柄態様の他例を表す説明図である。
【図8】図柄生成行程が実行されていない状態で、予告演出する図柄態様を表す説明図である。
【符号の説明】
1 遊技盤
4 センターケース
6 図柄表示装置
14 特別図柄始動領域
A,B,C 特別図柄
F 図柄表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の選出図柄を変動表示する図柄表示装置と、
該図柄表示装置で、選出図柄を変動し、停止して図柄確定する一連の図柄生成行程を実行する図柄制御手段と、
図柄始動領域への遊技球通過を契機として始動記憶を発生し、該始動記憶の消化により、該図柄制御手段によって図柄生成行程で表示させる図柄態様を選定すると共に、確定表示させる各選出図柄の組合せを所定の当り図柄態様とする場合には、所定の賞球形態を発生させることとなる特別遊技作動を実行する遊技制御手段とを備えたパチンコ遊技機において、
遊技制御手段が、無条件又は特定の遊技状態となることを条件として、未発生の始動記憶により表示実行する所定遊技形態を予見させる予告演出を行うようにした制御内容を備えていることを特徴とするパチンコ遊技機。
【請求項2】
所定遊技形態が、当り図柄態様を確定表示する図柄生成行程であることを特徴とする請求項1記載のパチンコ遊技機。
【請求項3】
所定遊技形態が、当り図柄態様を確定表示する可能性を常態に比して高めた図柄生成行程であることを特徴とする請求項1記載のパチンコ遊技機。
【請求項4】
遊技制御手段が、選出図柄態様の当りハズレを所定確率で決定する通常確率決定過程と、該通常確率決定過程に比して当りとなる確率を向上させた高確率決定過程とを備え、無条件又は特定の遊技状態となることを条件として、未発生の始動記憶により実行される図柄生成行程に、該高確率決定過程を適用するか否かを予め決める予定確率決定過程を実行するようにした制御内容を備えていることを特徴とする請求項3に記載のパチンコ遊技機。
【請求項5】
所定遊技形態が、リーチを発生する図柄生成行程であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか記載のパチンコ遊技機。
【請求項6】
特定の遊技状態が、始動記憶を消化して図柄生成行程を実行する場合であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか記載のパチンコ遊技機。
【請求項7】
特定の遊技状態が、所定時間継続して遊技球を発射停止している場合であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか記載のパチンコ遊技機。
【請求項8】
遊技制御手段が、所定遊技形態を、特定の遊技状態以降の特定回数後に実行される図柄生成行程とするように制御したことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか記載のパチンコ遊技機。
【請求項9】
遊技制御手段が、所定遊技形態を、特定の遊技状態以降の特定の時間帯で実行される図柄生成行程とするように制御したことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか記載のパチンコ遊技機。
【請求項10】
所定遊技形態を予見させる予告演出が、該所定遊技形態の表示実行と、その表示実行する未発生の始動記憶とを報知する予告図柄態様を表示するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか記載のパチンコ遊技機。
【請求項11】
遊技制御手段が、所定遊技形態を予見する予告演出を、所定遊技形態の発生までカウントダウン報知するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか記載のパチンコ遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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