パチンコ遊技機
【課題】遊技者が遊技球Pの挙動を目で追う場合の趣興性を高めること。
【解決手段】遊技球Pが蓋42の上昇位置で左誘導板43に供給された場合には左誘導板43で跳ねることで左ガイド部材58に供給され、遊技球Pが左ガイド部材58に供給された場合には左ガイド部材58に沿って転動することで特別入賞口31の入口32に誘導される。このため、遊技球Pが特別入賞口31の入口32に屈曲した入賞経路で入賞するようになるので、遊技者が遊技球Pの挙動を目で追う場合の趣興性が高まる。
【解決手段】遊技球Pが蓋42の上昇位置で左誘導板43に供給された場合には左誘導板43で跳ねることで左ガイド部材58に供給され、遊技球Pが左ガイド部材58に供給された場合には左ガイド部材58に沿って転動することで特別入賞口31の入口32に誘導される。このため、遊技球Pが特別入賞口31の入口32に屈曲した入賞経路で入賞するようになるので、遊技者が遊技球Pの挙動を目で追う場合の趣興性が高まる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技球が入球不能な閉鎖状態および入球可能な開放状態相互間で切換えられる入球部材を備えたパチンコ遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には遊技盤に入球部材および蓋部材のそれぞれを装着することが開示されている。入球部材は上面が開口する箱状をなすものであり、遊技盤の前面に対して前方へ突出している。蓋部材は遊技盤の前面に対して前方へ突出した閉鎖位置および閉鎖位置に比べて後方へ退避した開放位置相互間で移動操作されるものであり、入球部材の上面は蓋部材の閉鎖位置で遊技球が入球不能に閉鎖され、蓋部材の開放位置で遊技球が入球可能に開放される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−296594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記パチンコ遊技機の場合には蓋部材の開放位置で遊技球が入球部材の真上から垂直に落下することで入球部材の上面に入球する。このため、遊技球が入球部材に入球するときの遊技球の入球経路が単調であり、遊技者が遊技球の挙動を目で追う場合の趣興性に乏しい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1.請求項1記載のパチンコ遊技機の説明
請求項1記載のパチンコ遊技機は次の[1]遊技盤〜[6]傾斜部を備えたところに特徴を有する。
[1]遊技盤は遊技球が発射されるものである。図3の符号18は遊技盤に相当し、図6の符号Pは遊技球に相当する。
[2]入球部材は遊技盤に設けられたものであり、遊技球が入球可能な入口を有するものである。図5の特別入賞口31および図8の特別入賞口71のそれぞれは入球部材に相当し、図5の符号32および図8の符号72のそれぞれは入口に相当する。
[3]蓋部材は下降位置および下降位置に比べて上方の上昇位置相互間で移動可能なものであり、入球部材の入口を下降位置で遊技球が入球不能に閉鎖すると共に上昇位置で遊技球が入球可能に開放する。図5の蓋42は蓋部材に相当する。
[4]駆動源は蓋部材を下降位置および上昇位置相互間で移動操作するものであり、図5の特別入賞口ソレノイド40は駆動源に相当する。
[5]誘導部材は遊技盤に設けられたものである。この誘導部材は遊技球を入球部材の入口に誘導するものであり、遊技者側である前から見て入球部材の左および右のいずれか一方に入球部材に対して離間して配置されていると共に蓋部材の下降位置および上昇位置のそれぞれで蓋部材に対して離間するように配置されている。図5の左ガイド部材58と図5の右ガイド部材62と図10の左ガイド部材83と図10の右ガイド部材85のそれぞれは誘導部材に相当する。
[6]傾斜部は蓋部材に設けられたものである。この傾斜部は遊技者側である前から見て左および右のうち一方とは反対の他方から一方に向けて下降する傾斜状をなすものであり、遊技球を傾斜によって誘導部材に誘導する。図5の左誘導板43と図5の右誘導板44と図10の左誘導路81と図10の右誘導路82のそれぞれは傾斜部に相当する。
2.請求項2記載のパチンコ遊技機の説明
請求項2記載のパチンコ遊技機は遊技盤に球通路を設けたものである。この球通路は上端部に入口を有すると共に下端部に出口を有するものであり、遊技球が入口から出口に向けて通過する。この球通路の出口は蓋部材の上昇位置で遊技球が蓋部材の傾斜部に上から下に向けて垂直に落下するように蓋部材の傾斜部の真上に配置されている。図6の左球通路45および右球通路49のそれぞれは球通路に相当し、図6の符号46および符号50のそれぞれは入口に相当し、図6の符号47および符号51のそれぞれは出口に相当する。
【発明の効果】
【0006】
1.請求項1記載のパチンコ遊技機について
遊技球が蓋部材の上昇位置で傾斜部に与えられた場合には傾斜部の傾斜によって誘導部材に与えられ、遊技球が蓋部材の傾斜部から誘導部材に与えられた場合には入球部材の入口に誘導される。このため、遊技球が入球部材の入口に屈曲した入球経路で入球するようになるので、遊技者が遊技球の挙動を目で追う場合の趣興性が高まる。
2.請求項2記載のパチンコ遊技機について
遊技球が球通路の出口から蓋部材の傾斜部に垂直な一定の経路で落下するので、蓋部材の傾斜部および誘導部材のそれぞれの傾斜角度を設計的に調整することで遊技球が球通路の出口から傾斜部および誘導部材を順に経由した場合の遊技球の入球部材に対する入球確率を目標値に正確に設定できる。しかも、遊技者が遊技球を球通路の入口を狙って発射することで入球部材の入口に入球させることができるので、遊技球の入球部材に対する入球経路が屈曲しているにも拘らず遊技者が入球部材の開放状態での遊技球の発射位置を戸惑うことなく調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施例1を示す図(パチンコ遊技機の全体構成を前方から示す図)
【図2】内枠を斜め前方から示す図
【図3】内枠および遊技盤を前方から示す図
【図4】電気的構成を示す図
【図5】特別入賞口を閉鎖状態で示す図
【図6】特別入賞口を開放状態で示す図
【図7】障害釘のレイアウトを示す図5相当図
【図8】実施例2を示す図5相当図
【図9】図6相当図
【図10】実施例3を示す図5相当図
【図11】図6相当図
【発明を実施するための形態】
【0008】
【実施例1】
【0009】
外枠1は、図1に示すように、複数の木材を前面および後面のそれぞれが開口する四角筒状に接合することから構成されたものであり、外枠1の前方には、図2に示すように、内枠2が上下方向へ指向する軸3を中心に回動可能に装着されている。この内枠2は縦長な四角環状をなすものであり、左板部と右板部と上板部と下板部を有している。この内枠2は外枠1の前端面に前方から接触する閉鎖状態および外枠1の前端面から前方へ離間する開放状態相互間で軸3を中心に回動操作されるものであり、内枠ロック機構を介して閉鎖状態にロックされている。この内枠2の下端部には台板部4が形成されている。この台板部4は垂直な板状をなすものであり、内枠2の下端部を閉鎖している。
【0010】
内枠2には、図1に示すように、内枠2の前方に位置して前枠5が装着されている。この前枠5は内枠2の前端面に前方から接触する閉鎖状態および内枠2の前端面から前方へ離間する開放状態相互間で内枠2と共通の軸3を中心に回動操作されるものであり、前枠ロック機構を介して閉鎖状態にロックされている。この前枠5には円形状の貫通孔6が形成されており、貫通孔6の内周面には透明な窓7が固定されている。この前枠5には前枠5の前方に位置して上皿8が固定されている。この上皿8は上面が開口する容器状をなすものであり、内枠2の台板部4には、図2に示すように、上皿8の後方に位置して払出口9が形成されている。この払出口9は金属性の遊技球P(図6参照)を上皿8内に賞品として払出すものであり、払出口9から上皿8内に払出された遊技球Pは上皿8内に貯留される。
【0011】
内枠2には、図1に示すように、上皿8の下方に位置して下皿板10が固定されており、下皿板10には下皿11が固定されている。この下皿11は上皿8内から溢れた遊技球Pを貯留するものであり、上面が開口する容器状をなしている。この下皿板10には下皿11の右方に位置してハンドル台12が固定されており、ハンドル台12にはハンドル13が装着されている。このハンドル13は遊技者が右の手指で操作するものであり、発射停止位置および発射停止位置に比べて時計回り方向の操作限度位置相互間で前後方向へ指向する軸14を中心に回動可能にされている。
【0012】
内枠2の台板部4には、図3に示すように、発射ソレノイド15が固定されており、発射ソレノイド15の出力軸には打球槌が連結されている。この発射ソレノイド15は電磁ソレノイドおよびリターンスプリングを内蔵するロータリーソレノイドからなるものであり、打球槌は発射ソレノイド15が電気的なオフ状態からオン状態になった場合に電磁力で待機位置から打球位置に往動し、発射ソレノイド15が電気的なオン状態からオフ状態になった場合にリターンスプリングのばね力で打球位置から待機位置に復動する。この発射ソレノイド15は電源回路に接続されている。この電源回路はハンドル13の発射停止位置で発射ソレノイド15に駆動電源を与えないオフ状態になり、ハンドル13が発射停止位置から時計回り方向に操作されている状態で発射ソレノイド15にパルス状の駆動電源を一定周期で与えるオン状態になるものであり、電源回路のオン状態では発射ソレノイド15のオンオフが一定周期で繰返されることで打球槌が待機位置および打球位置相互間で往復動を繰返す。
【0013】
内枠2の台板部4には、図3に示すように、発射レール16が固定されている。この発射レール16は右から左に向けて上昇する傾斜状をなすものであり、発射レール16の右端部には球止め板17が固定されている。この球止め板17には遊技球Pが通過不能な大きさの貫通孔が形成されており、打球槌の打球位置では打球槌の一部が球止め板17の貫通孔を通して発射レール16上に進入し、打球槌の待機位置では打球槌の一部が発射レール16上から退避する。この発射レール16は打球槌が打球位置から待機位置に向けて移動開始することに連動して上皿8内から1個の遊技球Pが移送されるものであり、球止め板17は上皿8内から発射レール16上に移送された遊技球Pが発射レール16の右端部から転落することを防止し、打球槌は待機位置から打球位置に往動することで球止め板17が支える遊技球Pを球止め板17の貫通孔を通して右から左に向けて叩くことで同方向へ転動させる。
【0014】
内枠2には、図3に示すように、台板部4の上方に位置して遊技盤18が固定されている。この遊技盤18は垂直な板状をなすものであり、遊技盤18には内レール19と外レール20と球止めゴム21が固定されている。これら内レール19と外レール20と球止めゴム21のそれぞれは遊技盤18の前面に対して前方へ突出するものであり、内レール19は上面が開口する円弧状の金属板から構成され、外レール20は内レール19の外周部に配置された円弧状の金属板から構成され、球止めゴム21は内レール19の右端部および外レール20の右端部相互間の隙間を塞ぐゴムから構成されている。これら内レール19および外レール20相互間には発射通路22が形成されている。この発射通路22は下端部および上端部のそれぞれが開口する円弧状をなすものであり、打球槌が叩いた遊技球Pは発射レール16に沿って転動した後に発射通路22の下端部を通って発射通路22内に進入し、発射通路22に沿って円弧状の軌跡を描きながら上昇する。
【0015】
遊技盤18には、図3に示すように、発射通路22の右方に位置して遊技領域23が形成されている。この遊技領域23は内レール19と外レール20と球止めゴム21で囲まれた領域のうち発射通路22を除く残りの円形状の領域を称するものであり、打球槌が叩いた遊技球Pは発射通路22の上端部から遊技領域23内に放出される。遊技盤18には、図5に示すように、遊技領域23内に位置して複数の障害釘24が固定されている。これら複数の障害釘24のそれぞれは遊技盤18の前面に対して前方へ突出するものであり、遊技領域23内に放出された遊技球Pは障害釘24に当りながら遊技領域23内を落下する。この遊技領域23は前枠5の閉鎖状態で前枠5の窓7が前方から対向するものであり、前枠5の閉鎖状態で前方から窓7を通して視覚的に認識可能にされている。
【0016】
遊技盤18には、図3に示すように、遊技領域23内に位置して始動口25が固定されている。この始動口25は上面が開口するポケット状をなすものであり、遊技盤18の前面に対して前方へ突出している。この始動口25は遊技球Pが上面を通して入賞可能にされたものであり、始動口25内には始動口センサ26(図4参照)が固定されている。この始動口センサ26は近接スイッチからなるものであり、遊技球Pが始動口25内に入賞した場合には始動口センサ26が遊技球Pを検出することで始動信号を出力する。
【0017】
始動口センサ26は、図4に示すように、メイン制御回路27に電気的に接続されている。このメイン制御回路27はマイクロコンピュータを主体に構成されたものであり、CPUとROMとRAMを有している。このメイン制御回路27は始動口センサ26から始動信号が出力されているか否かを判断するものであり、始動口センサ26から始動信号が出力されていると判断した場合には大当りカウンタの値の更新結果を検出する。この大当りカウンタの値は一定時間(4msec)が経過する毎にメイン制御回路27が一定値(1)だけ更新するものであり、大当りカウンタの値は予め決められた下限値(0)を基準に予め決められた上限値(100)まで加算された後に下限値に戻して循環的に加算される。このメイン制御回路27は大当りカウンタの値を検出した場合に大当りカウンタの値の検出結果を予め決められた大当り値(7)と比較するものであり、大当りカウンタの値の検出結果が大当り値と同一であると判断した場合には大当りであると判定し、大当りカウンタの値の検出結果が大当り値と相違していると判断した場合には外れであると判定する。
【0018】
遊技盤18には、図3に示すように、遊技領域23内に位置して装飾枠28が固定されている。この装飾枠28は始動口25に比べて高所に配置されたものであり、装飾枠28には図柄表示器29が固定されている。この図柄表示器29はカラー液晶表示器からなるものであり、図柄表示器29の表示内容は前枠5の閉鎖状態で前方から前枠5の窓7を通して視覚的に認識可能にされている。この図柄表示器29は遊技盤18の前面に対して後方に配置されたものであり、表示制御回路30(図4参照)に電気的に接続されている。この表示制御回路30はマイクロコンピュータを主体に構成されたものであり、メイン制御回路27は大当りであると判定した場合に表示制御回路30に大当りコマンドを送信し、外れであると判定した場合に表示制御回路30に外れコマンドを送信する。この表示制御回路30はメイン制御回路27から大当りコマンドおよび外れコマンドのそれぞれが送信されたか否かを判断するものであり、メイン制御回路27から大当りコマンドが送信されたと判断した場合には装飾図柄を大当りの組合せに設定し、メイン制御回路27から外れコマンドが送信されたと判断した場合には装飾図柄を外れの組合せに設定する。この装飾図柄は左列の図柄要素と中列の図柄要素と右列の図柄要素の組合せからなるものであり、大当りの組合せとは左列の図柄要素〜右列の図柄要素のそれぞれが相互に同一な組合せを称し、外れの組合せとは左列の図柄要素〜右列の図柄要素のそれぞれが相互に同一でない組合せを称する。
【0019】
表示制御回路30は装飾図柄の組合せを設定した場合に図柄遊技の映像を図柄表示器29に表示するものである。この図柄遊技の映像は図柄表示器29に左列の図柄要素と中列の図柄要素と右列の図柄要素のそれぞれを可変状態および可変停止状態で順に表示するものであり、左列の図柄要素〜右列の図柄要素のそれぞれの可変表示は8種類の図柄要素「1」〜「8」を予め決められた順序「1」→「2」→「3」→「4」→「5」→「6」→「7」→「8」→「1」・・・で循環的に変化させることで行われ、左列の図柄要素〜右列の図柄要素のそれぞれの停止表示は図柄要素を「1」〜「8」の8種類のいずれか1つで停止させることで行われる。この図柄遊技の映像は大当りであるか否かの判定結果を遊技者に報知するためのものであり、表示制御回路30は装飾図柄を外れの組合せに設定した場合には装飾図柄が外れの組合せとなるように左列の図柄要素と中列の図柄要素と右列の図柄要素のそれぞれを設定結果で停止表示し、装飾図柄を大当りの組合せに設定した場合には装飾図柄が大当りの組合せとなるように左列の図柄要素と中列の図柄要素と右列の図柄要素のそれぞれを設定結果で停止表示する。
【0020】
遊技盤18には、図5に示すように、特別入賞口31が固定されている。この特別入賞口31は上面が開口する箱状をなすものであり、左板と右板と前板と後板と底板を有している。この特別入賞口31は遊技盤18の前面に対して前方へ突出するものであり、始動口25の真下に配置されている。この特別入賞口31は上面を通して遊技球Pが入賞可能なものであり、特別入賞口31の上面を入口32と称する。この特別入賞口31の底板には左傾斜面33および右傾斜面34が形成されている。左傾斜面33は左から右に向けて下降傾斜するものであり、右傾斜面34は右から左に向けて下降傾斜するものであり、左傾斜面33および右傾斜面34は特別入賞口31の底板の左右方向の中央部で相互に交差している。
【0021】
特別入賞口31の後板には、図5に示すように、貫通孔状の出口35が形成されている。この出口35は左傾斜面33および右傾斜面34相互間の交差部分に位置するものであり、特別入賞口31内に入賞した遊技球Pは左傾斜面33に沿って左から右へ転動または右傾斜面34に沿って右から左へ転動した後に出口35から排出される。この出口35には排出通路の前端部が接続されている。この排出通路の後端部は遊技盤18を厚さ方向に貫通して遊技盤18の後方に突出しており、遊技球Pは出口35から排出通路を通して遊技盤18の後方に排出される。この排出通路は遊技球を左右方向に一列に排出するものであり、排出通路内には特別入賞口センサ36(図4参照)が固定されている。この特別入賞口センサ36は近接スイッチからなるものであり、特別入賞口31内に遊技球Pが入賞した場合には特別入賞口センサ36が排出通路内で遊技球Pを検出して特別入賞信号を出力する。
【0022】
遊技盤18には、図5に示すように、2本のスリット37が形成されている。これら両スリット37のそれぞれは上下方向へ指向する直線状の貫通孔からなるものであり、両スリット37のそれぞれの左右方向の幅寸法は遊技領域23内の遊技球Pがスリット37内に進入しないように遊技球Pの直径寸法に比べて小さく設定されている。これら両スリット37のそれぞれは相互に平行なものであり、両スリット37内のそれぞれには円柱状のピン38が挿入されている。これら両ピン38のそれぞれは前後方向へ指向するものであり、両ピン38のそれぞれの前端部は遊技盤18の前面に対して前方へ突出し、両ピン38のそれぞれの後端部は遊技盤18の後面に対して後方へ突出している。これら両ピン38のそれぞれの後端部には操作プレート39が固定されている。この操作プレート39は遊技盤18の後方に前方から視覚的に認識不能に配置されたものであり、両ピン38相互間は操作プレート39を介して連結されている。
【0023】
遊技盤18の後方には、図5に示すように、特別入賞口ソレノイド40が固定されている。この特別入賞口ソレノイド40はリターンスプリングを内蔵する電磁ソレノイドからなるものであり、上下方向へ指向するプランジャ41を有している。このプランジャ41は下降位置および下降位置に比べて上方の上昇位置相互間で移動可能にされたものであり、特別入賞口ソレノイド40の電気的なオフ状態ではリターンスプリングのばね力で下降位置に静止する。このプランジャ41は特別入賞口ソレノイド40が電気的なオフ状態からオン状態に切換えられた場合に電磁力で下降位置から上昇位置に往動するものであり、特別入賞口ソレノイド40が電気的なオン状態からオフ状態に切換えられた場合にはリターンスプリングのばね力で上昇位置から下降位置に復動する。
【0024】
特別入賞口ソレノイド40のプランジャ41には、図5に示すように、操作プレート39が連結されている。この操作プレート39は両ピン38のそれぞれを特別入賞口ソレノイド40のプランジャ41の動きに応じて移動操作するものであり、両ピン38のそれぞれは特別入賞口ソレノイド40が電気的なオフ状態からオン状態に切換えられた場合にスリット37の内面に沿って下降位置から上昇位置へ移動し、特別入賞口ソレノイド40が電気的なオン状態からオフ状態に切換えられた場合にはスリット37の内面に沿って上昇位置から下降位置へ移動する。
【0025】
両ピン38のそれぞれの前端部には、図5に示すように、蓋42が固定されている。この蓋42は遊技盤18の前面に対して前方へ突出するものであり、特別入賞口ソレノイド40の電気的なオフ状態で下降位置に静止する。この蓋42は下降位置で特別入賞口31の入口32を上方から遊技球Pが入賞不能に閉鎖するものであり(図5参照)、特別入賞口ソレノイド40の電気的なオン状態では蓋42が上昇位置へ移動することで特別入賞口31の入口32を遊技球Pが入賞可能に開放する(図6参照)。即ち、蓋42は下降位置および上昇位置相互間で上下方向へ直線的に移動可能にされたものであり、特別入賞口31の入口32は蓋42が上下方向へ移動することに応じて開放状態および閉鎖状態相互間で切換えられる。
【0026】
蓋42の左端部には、図5に示すように、右から左へ向けて下降傾斜する傾斜状の左誘導板43が固定されている。この左誘導板43は遊技球Pに比べて硬質な金属を材料とするものであり、遊技球Pが左誘導板43に落下した場合には左誘導板43の傾斜に沿って跳ねる。蓋42の右端部には左から右へ向けて下降傾斜する傾斜状の右誘導板44が固定されている。この右誘導板44は遊技球Pに比べて硬質な金属を材料とするものであり、遊技球Pが右誘導板44に落下した場合には右誘導板44の傾斜に沿って跳ねる。
【0027】
遊技盤18には、図7に示すように、左球通路45が形成されている。この左球通路45は複数の障害釘24を左右方向に2列に配列することから構成されたものであり、左球通路45の上端部には入口46が形成されている。この入口46は左右方向の幅寸法が遊技球Pの直径寸法の2倍以上の値に設定されたものであり、遊技球Pは左球通路45内に入口46から進入する。この左球通路45には下端部に位置して出口47が形成され、出口47より上方に位置して連絡口48が形成されており、出口47および連絡口48のそれぞれの幅寸法は1個の遊技球Pが通過可能な大きさに設定されている。この出口47は真下に向けて開口するものであり、連絡口48は右に向けて開口するものであり、左球通路45内に進入した遊技球は出口47および連絡口48のいずれかから脱出する。この出口47は蓋42の左誘導板43の真上に配置されており、遊技球Pが出口47から脱出した場合には蓋42の左誘導板43に落下する。
【0028】
遊技盤18には、図7に示すように、右球通路49が形成されている。この右球通路49は複数の障害釘24を左右方向に2列に配列することから構成されたものであり、右球通路49の上端部には入口50が形成されている。この入口50は左右方向の幅寸法が遊技球Pの直径寸法の2倍以上の値に設定されたものであり、遊技球Pは右球通路49内に入口50から進入する。この右球通路49には下端部に位置して出口51が形成され、出口51より上方に位置して連絡口52が形成されており、出口51および連絡口52のそれぞれの幅寸法は1個の遊技球Pが通過可能な大きさに設定されている。この出口51は真下に向けて開口するものであり、連絡口52は左に向けて開口するものであり、右球通路49内に進入した遊技球は出口51および連絡口52のいずれかから脱出する。この出口51は蓋42の右誘導板44の真上に配置されており、遊技球Pが出口51から脱出した場合には蓋42の右誘導板44に落下する。
【0029】
蓋42には、図5に示すように、遊技球Pに比べて軟質な合成樹脂製の左転動路53および右転動路54が形成されている。これら左転動路53および右転動路54のそれぞれは左誘導板43および右誘導板44相互間に配置されたものであり、左転動路53は右から左に向けて左誘導板43に比べて小さな角度で下降傾斜する傾斜面から構成され、右転動路54は左から右に向けて右誘導板44に比べて小さな角度で下降傾斜する傾斜面から構成されている。これら左転動路53および右転動路54のそれぞれは蓋42の左右方向の中央部で相互に交差するものであり、遊技球Pが左転動路53に落下した場合には左転動路53に沿って右から左へ転動することで左誘導板43に供給され、遊技球Pが右転動路54に落下した場合には右転動路54に沿って左から右へ転動することで右誘導板44に供給される。
【0030】
遊技盤18には、図7に示すように、中央球通路55が形成されている。この中央球通路55は左球通路45および右球通路49相互間の領域内に複数の障害釘24を固定することから構成されたものであり、左球通路45の連絡口48から脱出した遊技球Pおよび右球通路49の連絡口52から脱出した遊技球Pのそれぞれは中央球通路55内に進入する。この中央球通路55の上端部には入口56が形成されている。この入口56は左右方向の幅寸法が遊技球Pの直径寸法の2倍以上の値に設定されたものであり、遊技球Pは中央球通路55内に入口56からも進入する。この中央球通路55の下端部には出口57が形成されている。この出口57は左右方向の幅寸法が遊技球Pの直径寸法の2倍以上の値に設定されたものであり、中央球通路55内に連絡口48から進入した遊技球Pと連絡口52から進入した遊技球Pと入口56から進入した遊技球Pのそれぞれは出口57から脱出する。この出口57は蓋42の左転動路53および右転動路54の双方の真上に配置されており、出口57から脱出した遊技球Pは蓋42の左誘導板43および右誘導板44のいずれにも落下することなく左転動路53または右転動路54に落下し、左転動路53から左誘導板43に供給または右転動路54から右誘導板44に供給される。
【0031】
遊技盤18には、図5に示すように、特別入賞口31の左方に位置して左ガイド部材58が固定されている。この左ガイド部材58は遊技盤18の前面に対して前方へ突出するものであり、左ガイド部材58および特別入賞口31相互間には遊技球Pが詰まることなく落下可能な大きさの隙間が確保され、左ガイド部材58および蓋42相互間にも蓋42の下降位置および上昇位置のそれぞれで遊技球Pが詰まることなく落下可能な大きさの隙間が確保されている。
【0032】
左ガイド部材58は遊技球Pに比べて軟質な合成樹脂からなるものであり、図6に示すように、左球受け部59と左球誘導部60と左球遮蔽部61を有している。左球受け部59は左球通路45の出口47から左誘導板43に落下することで跳ねた遊技球Pを蓋42の下降位置で受け止めることなく上昇位置で受け止めるものであり、垂直な板状をなしている。左球誘導部60は左球受け部59が受け止めた遊技球Pが落下するものであり、左から右へ向けて下降傾斜する傾斜面を有している。この左球誘導部60の傾斜面は特別入賞口31の入口32に向けて延びるものであり、蓋42の上昇位置で左球通路45の出口47から蓋42の左誘導板43に落下した遊技球Pは左ガイド部材58の左球受け部59から左球誘導部60の傾斜面に落下し、左球誘導部60の傾斜面に沿って左から右へ転動することで特別入賞口31の入口32に予め決められた確率XL(>0)で入賞する。これに対して蓋42の上昇位置で中央球通路55の出口57から蓋42の左転動路53に落下した遊技球Pは左転動路53から左誘導板43に供給され、左誘導板43に沿って右から左へ転動した後に蓋42および左ガイド部材58相互間の隙間を通って落下することで特別入賞口31の入口32に入賞しない。左球遮蔽部61は遊技球Pが左誘導板43から左球受け部59に供給される以外の経路で左球誘導部60に供給されることを防止するものであり、左球誘導部60に上方から対向する庇状をなしている。
【0033】
遊技盤18には、図5に示すように、特別入賞口31の右方に位置して右ガイド部材62が固定されている。この右ガイド部材62は遊技盤18の前面に対して前方へ突出するものであり、右ガイド部材62および特別入賞口31相互間には遊技球Pが詰まることなく落下可能な大きさの隙間が確保され、右ガイド部材62および蓋42相互間にも蓋42の下降位置および上昇位置のそれぞれで遊技球Pが詰まることなく落下可能な大きさの隙間が確保されている。
【0034】
右ガイド部材62は遊技球Pに比べて軟質な合成樹脂からなるものであり、図6に示すように、右球受け部63と右球誘導部64と右球遮蔽部65を有している。右球受け部63は右球通路49の出口51から右誘導板44に落下することで跳ねた遊技球Pを蓋42の下降位置で受け止めることなく上昇位置で受け止めるものであり、垂直な板状をなしている。右球誘導部64は右球受け部63が受け止めた遊技球Pが落下するものであり、右から左へ向けて下降傾斜する傾斜面を有している。この右球誘導部64の傾斜面は特別入賞口31の入口32に向けて延びるものであり、蓋42の上昇位置で右球通路49の出口51から蓋42の右誘導板44に落下した遊技球Pは右ガイド部材62の右球受け部63から右球誘導部64の傾斜面に落下し、右球誘導部64の傾斜面に沿って右から左へ転動することで特別入賞口31の入口32に予め決められた確率XR(>0)で入賞する。これに対して蓋42の上昇位置で中央球通路55の出口57から蓋42の右転動路54に落下した遊技球Pは右転動路54から右誘導板44に供給され、右誘導板44に沿って左から右へ転動した後に蓋42および右ガイド部材62相互間の隙間を通って落下することで特別入賞口31の入口32に入賞しない。右球遮蔽部65は遊技球Pが右誘導板44から右球受け部63に供給される以外の経路で右球誘導部64に供給されることを防止するものであり、右球誘導部64に上方から対向する庇状をなしている。
【0035】
特別入賞口ソレノイド40は、図4に示すように、メイン制御回路27に電気的に接続されており、メイン制御回路27は遊技球が始動口25に入賞することで大当りであると判定した場合に大当り遊技を行う。この大当り遊技は複数回の大当りラウンドからなるものであり、初回の大当りラウンドは図柄表示器29に装飾図柄が大当りの組合せで停止表示された場合に開始される。これら複数回の大当りラウンドのそれぞれは特別入賞口ソレノイド40を電気的なオフ状態からオン状態に切換えることで特別入賞口31の入口32を開放状態にするものであり、特別入賞口31の開放時間が予め決められた限度時間に到達または特別入賞口31内に予め決められた限度個数の遊技球Pが入賞した場合に終了する。このメイン制御回路27には特別入賞口センサ36が電気的に接続されており、メイン制御回路27は複数回の大当りラウンドのそれぞれで特別入賞口センサ36からの特別入賞信号を計数することで特別入賞口31内に限度個数の遊技球Pが入賞したか否かを判断する。
【0036】
内枠2には、図2に示すように、賞球タンク65および賞球ケース66が固定されている。賞球タンク65は遊技球を貯留するものであり、上面が開口する容器状をなしている。賞球ケース66は上下方向へ指向する通路状をなすものであり、賞球ケース66の上端部は賞球タンク65内に接続されている。この賞球ケース66は賞球タンク65から遊技球Pが上端部を通して供給されるものであり、賞球ケース66内には賞球払出装置が固定されている。この賞球払出装置は払出モータ67(図4参照)を駆動源として賞球ケース66内の遊技球を賞球ケース66の下端部から落下させるものである。この賞球ケース66の下端部は内枠2の払出口9に接続されており、賞球ケース66の下端部から落下した遊技球は払出口9を通って上皿8内に賞品として払出される。
【0037】
図4の払出制御回路68はマイクロコンピュータを主体に構成されたものであり、メイン制御回路27は始動口センサ26からの始動信号を検出した場合および特別入賞口センサ36からの特別入賞信号を検出した場合のそれぞれに賞球コマンドを払出制御回路68に送信する。この払出制御回路68はメイン制御回路27から賞球コマンドが送信されたか否かを判断するものであり、メイン制御回路27から賞球コマンドが送信されたと判断した場合には賞球払出装置の払出モータ67を駆動することで上皿8内に遊技球を賞品として払出す。
【0038】
上記実施例1によれば次の効果を奏する。
遊技球Pが蓋42の上昇位置で左球通路45の出口47から左誘導板43に落下した場合には左誘導板43から左ガイド部材58に与えられ、遊技球Pが左ガイド部材58に与えられた場合には左ガイド部材58から特別入賞口31の入口32に誘導される。このため、遊技球Pが特別入賞口31の入口32に屈曲した入賞経路で入賞するようになるので、遊技者が遊技球Pの挙動を目で追う場合の趣興性が高まる。この効果は右誘導板44についても同一である。
【0039】
遊技球Pが蓋42の下降位置で左誘導板43に与えられた場合には左誘導板43から左ガイド部材58に与えられない。このため、遊技球Pが大当り遊技の停止状態で左誘導板43から左ガイド部材58を通して特別入賞口31の入口32に誘導されることがなくなるので、遊技球Pが特別入賞口31に頻繁に衝突することで特別入賞口31が変形または破損することが防止される。この効果は右誘導板44についても同一である。
【0040】
遊技球Pが左球通路45の出口47から左誘導板43に与えられた場合には特別入賞口31の入口32に入賞し、遊技球Pが左球通路45の連絡口48および中央球通路55の出口57を順に通って左転動路53から左誘導板43に与えられた場合には特別入賞口31の入口32に入賞しないので、遊技球Pが左球通路45の出口47および連絡口48のいずれから脱出するかを遊技者が目で追う趣興性ができる。この効果は右球通路49についても同一である。
【0041】
遊技球Pが左球通路45の出口47から蓋42の左誘導板43に垂直な一定の経路で落下する。このため、左誘導板43の傾斜角度および左球誘導路60の傾斜角度のそれぞれを設計的に調整することで遊技球Pが左球通路45の出口47から蓋42の左誘導板43および左ガイド部材58のそれぞれを順に経由した場合の遊技球Pの特別入賞口31に対する入賞確率を目標値に正確に設定できる。しかも、遊技者が遊技球Pを左球通路45の入口46を狙って発射することで特別入賞口31の入口32に入賞させることができるので、遊技球Pの特別入賞口31に対する入賞経路が屈曲しているにも拘らず遊技者が大当り遊技中に遊技球Pを発射する場合の発射位置を戸惑うことなく調整できる。この効果は右球通路49についても同一である。
【実施例2】
【0042】
遊技盤18には、図8および図9に示すように、特別入賞口31に換えて特別入賞口71が固定されている。この特別入賞口71は前面が開口する横長な箱状をなすものであり、左板と右板と底板と天板と後板を有している。この特別入賞口71は前面が遊技盤18の前面と同一の平面上に位置するように遊技盤18の貫通孔内に固定されたものであり、特別入賞口71の前面を入口72と称する。
【0043】
遊技盤18には、図8および図9に示すように、誘導板73が固定されている。この誘導板73は特別入賞口71の入口72の下面に沿って左右方向へ指向するものであり、遊技盤18の前面に対して前方へ突出している。この誘導板73には蓋42の上昇位置で左球通路45の出口47から蓋42の左誘導板43と左ガイド部材58の左球受け部59と左球誘導部60を順に通って遊技球Pが供給され、右球通路49の出口51から蓋42の右誘導板44と右ガイド部材62の右球受け部63と右球誘導部64を順に通って遊技球Pが供給されるものであり、蓋42の上昇位置であっても中央球通路55の出口57から蓋42の左転動路53および左誘導板43を順に通って遊技球Pが供給されず、中央球通路55の出口57から蓋42の右転動路54および右誘導板44を順に通って遊技球Pが供給されない。
【0044】
誘導板73は、図8および図9に示すように、前から後に向けて下降する平板状をなすものであり、遊技球Pが誘導板73に供給された場合には誘導板73に沿って前から後 に転動することで特別入賞口71の入口72に進入する。この特別入賞口71の前面(=遊技盤18の前面)および窓7の後面相互間には前枠5の閉鎖状態で遊技球Pの直径寸法に比べて小さな隙間しか形成されない。即ち、前枠5の閉鎖状態で蓋42が下降位置に静止している場合には遊技球Pが特別入賞口71の入口72に前方から入賞することはできず、前枠5の閉鎖状態では蓋42の上昇位置でのみ遊技球Pが特別入賞口71の入口72に入口72の左方および右方のそれぞれから入賞可能になる。
【0045】
特別入賞口71の底板には、図8および図9に示すように、左傾斜面74および右傾斜面75が形成されている。左傾斜面74は左から右に向けて下降傾斜するものであり、右傾斜面75は右から左に向けて下降傾斜するものであり、左傾斜面74および右傾斜面75は特別入賞口71の底板の左右方向の中央部で相互に交差している。この特別入賞口71の後板には貫通孔状の出口76が形成されており、特別入賞口71内に入賞した遊技球Pは左傾斜面74に沿って左から右へ転動または右傾斜面75に沿って右から左へ転動した後に出口76から排出される。この出口76には排出通路の前端部が接続されている。この排出通路の後端部は遊技盤18を厚さ方向に貫通して遊技盤18の後方に突出しており、遊技球Pは出口76から排出通路を通して遊技盤18の後方に排出される。この排出通路内には特別入賞口センサ36が固定されており、特別入賞口71内に遊技球Pが入賞した場合には特別入賞口センサ36が排出通路内で遊技球Pを検出して特別入賞信号を出力する。
【0046】
上記実施例1〜2のそれぞれにおいては、左ガイド部材58および右ガイド部材62のそれぞれを複数の障害釘24から構成しても良い。
上記実施例1〜2のそれぞれにおいては、左ガイド部材58として蓋42の上昇位置で左誘導板43から供給された遊技球Pを特別入賞口31の入口32に向けて跳ねさせることで特別入賞口31の入口32に入賞させるものを用いても良い。
【0047】
上記実施例1〜2のそれぞれにおいては、右ガイド部材62として蓋42の上昇位置で右誘導板44から供給された遊技球Pを特別入賞口31の入口32に向けて跳ねさせることで特別入賞口31の入口32に入賞させるものを用いても良い。
【0048】
上記実施例1および2のそれぞれにおいては、左ガイド部材58および右ガイド部材62のそれぞれを遊技盤18に前後方向へ指向する軸を中心に第1の角度および第2の角度の範囲内で回転可能に装着しても良い。左ガイド部材58の左球受け部59は第1の角度および第2の角度のそれぞれで蓋42の左誘導板43で跳ねた遊技球Pを受けるものであり、左ガイド部材58の左球誘導部60は第1の角度で遊技球Pを特別入賞口31の入口32の左端部に誘導し、第2の角度で遊技球Pを特別入賞口31の入口32の左右方向の中央部に誘導する。右ガイド部材62の右球受け部63は第1の角度および第2の角度のそれぞれで蓋42の右誘導板44で跳ねた遊技球Pを受けるものであり、右ガイド部材62の右球誘導部64は第1の角度で遊技球Pを特別入賞口31の入口32の右端部に誘導し、第2の角度で遊技球Pを特別入賞口31の入口32の左右方向の中央部に誘導する。即ち、左ガイド部材58および右ガイド部材62のそれぞれの第2の角度では遊技球Pが第1の角度に比べて特別入賞口31の入口32に高い確率で入賞するように誘導される。この構成の場合には次の1)〜3)のいずれかで左ガイド部材58および右ガイド部材62のそれぞれの角度を調整すると良い。
1)左ガイド部材58の軸および右ガイド部材62の軸のそれぞれの後端部に遊技盤18の後面に対して後方に突出する摘みを連結し、パチンコホール側が遊技盤18の後方から左ガイド部材58の摘みを操作することで左ガイド部材58の角度を第1の角度および第2の角度の範囲内で調整し、遊技盤18の後方から右ガイド部材62の摘みを操作することで右ガイド部材62の角度を第1の角度および第2の角度の範囲内で調する。
2)左ガイド部材58の軸を遊技盤18の後方で左モータの回転軸に連結し、右ガイド部材62の軸を遊技盤18の後方で右モータの回転軸に連結し、大当りカウンタの値が第1の大当り値と同一である場合にメイン制御回路27が第1の大当りであると判定して左モータおよび右モータのそれぞれを駆動制御することで左ガイド部材58および右ガイド部材62のそれぞれを大当り遊技中に第1の角度に静止させ、大当りカウンタの値が第2の大当り値と同一である場合にメイン制御回路27が第2の大当りであると判定して左モータおよび右モータのそれぞれを駆動制御することで左ガイド部材58および右ガイド部材62のそれぞれを大当り遊技中に第2の角度に静止させる。
3)左ガイド部材58の軸を遊技盤18の後方で左モータの回転軸に連結し、右ガイド部材62の軸を遊技盤18の後方で右モータの回転軸に連結し、左モータおよび右モータのそれぞれを電源が投入されてから遮断されるまで一定のパターンで継続的に運転することで左ガイド部材58および右ガイド部材62のそれぞれを第1の角度および第2の角度相互間で往復する一定パターンで回転操作する。
【0049】
上記実施例1および2のそれぞれにおいては、左ガイド部材58に左球受け部59に換えて板ばね等の弾性部材を設け、右ガイド部材62に右球受け部63に換えて板ばね等の弾性部材を設けても良い。左ガイド部材58の弾性部材は蓋42の左誘導板43で跳ねた遊技球Pを受けて左球誘導部60に与えるものであり、遊技球Pを受けたときの衝撃力で弾性変形する。右ガイド部材62の弾性部材は蓋42の右誘導板44で跳ねた遊技球Pを受けて右球誘導部64に与えるものであり、遊技球Pを受けたときの衝撃力で弾性変形する。この構成の場合には両弾性部材のそれぞれに遊技者が視覚的に認識可能な装飾部材を固定し、両装飾部材のそれぞれを弾性部材が弾性変形することに応じて揺らすことから視覚的な趣向性を高めることが好ましい。
【0050】
上記実施例1および2のそれぞれにおいては、左ガイド部材58に左球誘導部60に換えて板ばね等の弾性部材を設け、右ガイド部材62に右球誘導部64に換えて板ばね等の弾性部材を設けても良い。左ガイド部材58の弾性部材は左球受け部59から落下した遊技球Pを受けて特別入賞口31の入口32に誘導するものであり、遊技球Pを受けたときの衝撃力で弾性変形する。右ガイド部材62の弾性部材は右球受け部63から落下した遊技球Pを受けて特別入賞口31の入口32に誘導するものであり、遊技球Pを受けたときの衝撃力で弾性変形する。この構成の場合には両弾性部材のそれぞれに遊技者が視覚的に認識可能な装飾部材を固定し、両装飾部材のそれぞれを弾性部材が弾性変形することに応じて揺らすことから視覚的な趣向性を高めることが好ましい。
【実施例3】
【0051】
蓋42には、図10に示すように、左誘導板43に換えて左誘導路81が形成されている。この左誘導路81は遊技球Pに比べて軟質な合成樹脂からなるものであり、右から左へ向けて下降傾斜する傾斜面から構成されている。この左誘導路81は左球通路45の出口47から落下した遊技球Pが直接的に供給され、中央球通路55の出口57から落下した遊技球Pが左転動路53を右から左へ転動することで間接的に供給されるものであり、左誘導路81に前者の直接経路で供給された遊技球Pは左誘導路81に沿って右から左へ強い勢いで転動することで左誘導路81から蓋42の左方に落下し、左誘導路81に後者の間接経路で供給された遊技球Pは左誘導路81に沿って右から左へ弱い勢いで転動することで左誘導路81から蓋42の左方に落下する。
【0052】
蓋42には、図10に示すように、右誘導板44に換えて右誘導路82が形成されている。この右誘導路82は遊技球Pに比べて軟質な合成樹脂からなるものであり、左から右へ向けて下降傾斜する傾斜面から構成されている。この右誘導路82は右球通路49の出口51から落下した遊技球Pが直接的に供給され、中央球通路55の出口57から落下した遊技球Pが右転動路54を左から右へ転動することで間接的に供給されるものであり、右誘導路82に前者の直接経路で供給された遊技球Pは右誘導路82に沿って左から右へ強い勢いで転動することで右誘導路82から蓋42の右方に落下し、右誘導路82に後者の間接経路で供給された遊技球Pは右誘導路82に沿って左から右へ弱い勢いで転動することで右誘導路82から蓋42の右方に落下。
【0053】
遊技盤18には、図10に示すように、左ガイド部材58に換えて左ガイド部材83が固定されている。この左ガイド部材83は遊技盤18の前面に対して前方へ突出するものであり、左ガイド部材83および特別入賞口31相互間には遊技球Pが詰まることなく落下可能な大きさの隙間が確保され、左ガイド部材83および蓋42相互間にも蓋42の下降位置および上昇位置のそれぞれで遊技球Pが詰まることなく落下可能な大きさの隙間が確保されている。この左ガイド部材83には、図11に示すように、左入賞路84が形成されている。この左入賞路84は左誘導路81に直接経路で供給された遊技球Pおよび間接経路で供給された遊技球Pのそれぞれが蓋42の下降位置で落下することなく上昇位置で落下するものであり、左から右へ向けて下降傾斜する傾斜面から構成されている。この左入賞路84は特別入賞口31の入口32に向けて延びるものであり、蓋42の上昇位置では左誘導路81に直接経路で供給された遊技球Pが左入賞路84に沿って右から左へ強い勢いで転動することで特別入賞口31の入口32に予め決められた高確率XL1で入賞し、左誘導路81に間接経路で供給された遊技球Pが左入賞路84に沿って右から左へ弱い勢いで転動することで特別入賞口31の入口32に予め決められた低確率XL2(<XL1)で入賞する。
【0054】
遊技盤18には、図10に示すように、右ガイド部材62に換えて右ガイド部材85が固定されている。この右ガイド部材85は遊技盤18の前面に対して前方へ突出するものであり、右ガイド部材85および特別入賞口31相互間には遊技球Pが詰まることなく落下可能な大きさの隙間が確保され、右ガイド部材85および蓋42相互間にも蓋42の下降位置および上昇位置のそれぞれで遊技球Pが詰まることなく落下可能な大きさの隙間が確保されている。この右ガイド部材85には、図11に示すように、右入賞路86が形成されている。この右入賞路86は右誘導路82に直接経路で供給された遊技球Pおよび間接経路で供給された遊技球Pのそれぞれが蓋42の下降位置で落下することなく上昇位置で落下するものであり、右から左へ向けて下降傾斜する傾斜面から構成されている。この右入賞路86は特別入賞口31の入口32に向けて延びるものであり、蓋42の上昇位置では右誘導路82に直接経路で供給された遊技球Pが右入賞路86に沿って左から右へ強い勢いで転動することで特別入賞口31の入口32に予め決められた高確率XR1で入賞し、右誘導路82に間接経路で供給された遊技球Pが右入賞路86に沿って左から右へ弱い勢いで転動することで特別入賞口31の入口32に予め決められた低確率XR2(<XR1)で入賞する。
【0055】
遊技盤18には、図11に示すように、左球遮蔽板87および右遮蔽板88が固定されている。これら左球遮蔽板87および右遮蔽板88のそれぞれは遊技盤18の前面に対して前方へ突出するものであり、左球遮蔽板87は左ガイド部材83の左入賞路84に上方から対向配置され、右球遮蔽板88は右ガイド部材85の右入賞路86に上方から対向配置されている。この左球遮蔽板87は遊技球Pが蓋42の左誘導路81以外の経路で左ガイド部材83の左入賞路84に供給されることを防止するものであり、右球遮蔽板88は遊技球Pが蓋42の右誘導路82以外の経路で右ガイド部材85の右入賞路86に供給されることを防止するものであり、蓋42の上昇位置では左誘導路81を経由した遊技球Pおよび右誘導路82を経由した遊技球Pの双方のみが特別入賞口31の入口32に入賞可能になる。
【0056】
上記実施例3においては、特別入賞口31に換えて特別入賞口71を用いても良い。
上記実施例3においては、左ガイド部材83および右ガイド部材85のそれぞれを複数の障害釘24から構成しても良い。
【0057】
上記実施例3においては、左ガイド部材83として蓋42の上昇位置で左誘導路81から供給された遊技球Pを特別入賞口31の入口32に向けて跳ねさせることで特別入賞口31の入口32に入賞させるものを用いても良い。
【0058】
上記実施例3においては、右ガイド部材85として蓋42の上昇位置で右誘導路82から供給された遊技球Pを特別入賞口31の入口32に向けて跳ねさせることで特別入賞口31の入口32に入賞させるものを用いても良い。
【0059】
上記実施例3においては、左ガイド部材83および右ガイド部材85のそれぞれを遊技盤18に前後方向へ指向する軸を中心に第1の角度および第2の角度の範囲内で回転可能に装着しても良い。左ガイド部材83の左入賞路84は第1の角度および第2の角度のそれぞれで蓋42の左誘導路81から落下する遊技球Pを受けるものであり、第1の角度で遊技球Pを特別入賞口31の入口32の左端部に誘導し、第2の角度で遊技球Pを特別入賞口31の入口32の左右方向の中央部に誘導する。右ガイド部材85の右入賞路86は第1の角度および第2の角度のそれぞれで蓋42の右誘導路82から落下する遊技球Pを受けるものであり、第1の角度で遊技球Pを特別入賞口31の入口32の右端部に誘導し、第2の角度で遊技球Pを特別入賞口31の入口32の左右方向の中央部に誘導する。即ち、左ガイド部材83および右ガイド部材85のそれぞれの第2の角度では遊技球Pが第1の角度に比べて特別入賞口31の入口32に高い確率で入賞するように誘導される。この構成の場合には次の1)〜3)のいずれかで左ガイド部材83および右ガイド部材85のそれぞれの角度を調整すると良い。
1)左ガイド部材83の軸および右ガイド部材85の軸のそれぞれの後端部に遊技盤18の後面に対して後方に突出する摘みを連結し、パチンコホール側が遊技盤18の後方から左ガイド部材83の摘みを操作することで左ガイド部材83の角度を第1の角度および第2の角度の範囲内で調整し、遊技盤18の後方から右ガイド部材85の摘みを操作することで右ガイド部材85の角度を第1の角度および第2の角度の範囲内で調整する。
2)左ガイド部材83の軸を遊技盤18の後方で左モータの回転軸に連結し、右ガイド部材85の軸を遊技盤18の後方で右モータの回転軸に連結し、メイン制御回路27が第1の大当りであると判定した場合に左モータおよび右モータのそれぞれを駆動制御することで左ガイド部材83および右ガイド部材85のそれぞれを大当り遊技中に第1の角度に静止させ、メイン制御回路27が第2の大当りであると判定した場合に左モータおよび右モータのそれぞれを駆動制御することで左ガイド部材83および右ガイド部材85のそれぞれを大当り遊技中に第2の角度に静止させる。
3)左ガイド部材83の軸を遊技盤18の後方で左モータの回転軸に連結し、右ガイド部材85の軸を遊技盤18の後方で右モータの回転軸に連結し、左モータおよび右モータのそれぞれを電源が投入されてから遮断されるまで一定のパターンで継続的に運転することで左ガイド部材83および右ガイド部材85のそれぞれを第1の角度および第2の角度相互間で往復する一定パターンで回転操作する。
【0060】
上記実施例3においては、左ガイド部材83に左入賞路84に換えて板ばね等の弾性部材を設け、右ガイド部材85に右入賞路86に換えて板ばね等の弾性部材を設けても良い。左ガイド部材83の弾性部材は蓋42の左誘導路81から落下した遊技球Pを受けて特別入賞口31の入口32に誘導するものであり、蓋42の左誘導路81から遊技球Pが落下したときの衝撃力で弾性変形する。右ガイド部材85の弾性部材は蓋42の右誘導路82から落下した遊技球Pを受けて特別入賞口31の入口32に誘導するものであり、蓋42の右誘導路82から遊技球Pが落下したときの衝撃力で弾性変形する。この構成の場合には両弾性部材のそれぞれに遊技者が視覚的に認識可能な装飾部材を固定し、両装飾部材のそれぞれを弾性部材が弾性変形することに応じて揺らすことから視覚的な趣向性を高めることが好ましい。
【0061】
上記実施例1〜3のそれぞれにおいては、蓋42を下降位置および上昇位置相互間で移動操作する駆動源としてモータを用いても良い。
上記実施例1〜3のそれぞれにおいては、本発明を始動口25等の入賞口に適用しても良い。
【符号の説明】
【0062】
Pは遊技球、18は遊技盤、31は特別入賞口(入球部材)、32は入口、40は特別入賞口ソレノイド(駆動源)、42は蓋(蓋部材)、43は左誘導板(傾斜部)、44は右誘導板(傾斜部)、45は左球通路(球通路)、46は入口、47は出口、49は右球通路(球通路)、50は入口、51は出口、58は左ガイド部材(誘導部材)、62は右ガイド部材(誘導部材)、71は特別入賞口(入球部材)、72は入口、81は左誘導路(傾斜部)、82は右誘導路(傾斜部)、83は左ガイド部材(誘導部材)、85は右ガイド部材(誘導部材)である。
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技球が入球不能な閉鎖状態および入球可能な開放状態相互間で切換えられる入球部材を備えたパチンコ遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には遊技盤に入球部材および蓋部材のそれぞれを装着することが開示されている。入球部材は上面が開口する箱状をなすものであり、遊技盤の前面に対して前方へ突出している。蓋部材は遊技盤の前面に対して前方へ突出した閉鎖位置および閉鎖位置に比べて後方へ退避した開放位置相互間で移動操作されるものであり、入球部材の上面は蓋部材の閉鎖位置で遊技球が入球不能に閉鎖され、蓋部材の開放位置で遊技球が入球可能に開放される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−296594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記パチンコ遊技機の場合には蓋部材の開放位置で遊技球が入球部材の真上から垂直に落下することで入球部材の上面に入球する。このため、遊技球が入球部材に入球するときの遊技球の入球経路が単調であり、遊技者が遊技球の挙動を目で追う場合の趣興性に乏しい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1.請求項1記載のパチンコ遊技機の説明
請求項1記載のパチンコ遊技機は次の[1]遊技盤〜[6]傾斜部を備えたところに特徴を有する。
[1]遊技盤は遊技球が発射されるものである。図3の符号18は遊技盤に相当し、図6の符号Pは遊技球に相当する。
[2]入球部材は遊技盤に設けられたものであり、遊技球が入球可能な入口を有するものである。図5の特別入賞口31および図8の特別入賞口71のそれぞれは入球部材に相当し、図5の符号32および図8の符号72のそれぞれは入口に相当する。
[3]蓋部材は下降位置および下降位置に比べて上方の上昇位置相互間で移動可能なものであり、入球部材の入口を下降位置で遊技球が入球不能に閉鎖すると共に上昇位置で遊技球が入球可能に開放する。図5の蓋42は蓋部材に相当する。
[4]駆動源は蓋部材を下降位置および上昇位置相互間で移動操作するものであり、図5の特別入賞口ソレノイド40は駆動源に相当する。
[5]誘導部材は遊技盤に設けられたものである。この誘導部材は遊技球を入球部材の入口に誘導するものであり、遊技者側である前から見て入球部材の左および右のいずれか一方に入球部材に対して離間して配置されていると共に蓋部材の下降位置および上昇位置のそれぞれで蓋部材に対して離間するように配置されている。図5の左ガイド部材58と図5の右ガイド部材62と図10の左ガイド部材83と図10の右ガイド部材85のそれぞれは誘導部材に相当する。
[6]傾斜部は蓋部材に設けられたものである。この傾斜部は遊技者側である前から見て左および右のうち一方とは反対の他方から一方に向けて下降する傾斜状をなすものであり、遊技球を傾斜によって誘導部材に誘導する。図5の左誘導板43と図5の右誘導板44と図10の左誘導路81と図10の右誘導路82のそれぞれは傾斜部に相当する。
2.請求項2記載のパチンコ遊技機の説明
請求項2記載のパチンコ遊技機は遊技盤に球通路を設けたものである。この球通路は上端部に入口を有すると共に下端部に出口を有するものであり、遊技球が入口から出口に向けて通過する。この球通路の出口は蓋部材の上昇位置で遊技球が蓋部材の傾斜部に上から下に向けて垂直に落下するように蓋部材の傾斜部の真上に配置されている。図6の左球通路45および右球通路49のそれぞれは球通路に相当し、図6の符号46および符号50のそれぞれは入口に相当し、図6の符号47および符号51のそれぞれは出口に相当する。
【発明の効果】
【0006】
1.請求項1記載のパチンコ遊技機について
遊技球が蓋部材の上昇位置で傾斜部に与えられた場合には傾斜部の傾斜によって誘導部材に与えられ、遊技球が蓋部材の傾斜部から誘導部材に与えられた場合には入球部材の入口に誘導される。このため、遊技球が入球部材の入口に屈曲した入球経路で入球するようになるので、遊技者が遊技球の挙動を目で追う場合の趣興性が高まる。
2.請求項2記載のパチンコ遊技機について
遊技球が球通路の出口から蓋部材の傾斜部に垂直な一定の経路で落下するので、蓋部材の傾斜部および誘導部材のそれぞれの傾斜角度を設計的に調整することで遊技球が球通路の出口から傾斜部および誘導部材を順に経由した場合の遊技球の入球部材に対する入球確率を目標値に正確に設定できる。しかも、遊技者が遊技球を球通路の入口を狙って発射することで入球部材の入口に入球させることができるので、遊技球の入球部材に対する入球経路が屈曲しているにも拘らず遊技者が入球部材の開放状態での遊技球の発射位置を戸惑うことなく調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施例1を示す図(パチンコ遊技機の全体構成を前方から示す図)
【図2】内枠を斜め前方から示す図
【図3】内枠および遊技盤を前方から示す図
【図4】電気的構成を示す図
【図5】特別入賞口を閉鎖状態で示す図
【図6】特別入賞口を開放状態で示す図
【図7】障害釘のレイアウトを示す図5相当図
【図8】実施例2を示す図5相当図
【図9】図6相当図
【図10】実施例3を示す図5相当図
【図11】図6相当図
【発明を実施するための形態】
【0008】
【実施例1】
【0009】
外枠1は、図1に示すように、複数の木材を前面および後面のそれぞれが開口する四角筒状に接合することから構成されたものであり、外枠1の前方には、図2に示すように、内枠2が上下方向へ指向する軸3を中心に回動可能に装着されている。この内枠2は縦長な四角環状をなすものであり、左板部と右板部と上板部と下板部を有している。この内枠2は外枠1の前端面に前方から接触する閉鎖状態および外枠1の前端面から前方へ離間する開放状態相互間で軸3を中心に回動操作されるものであり、内枠ロック機構を介して閉鎖状態にロックされている。この内枠2の下端部には台板部4が形成されている。この台板部4は垂直な板状をなすものであり、内枠2の下端部を閉鎖している。
【0010】
内枠2には、図1に示すように、内枠2の前方に位置して前枠5が装着されている。この前枠5は内枠2の前端面に前方から接触する閉鎖状態および内枠2の前端面から前方へ離間する開放状態相互間で内枠2と共通の軸3を中心に回動操作されるものであり、前枠ロック機構を介して閉鎖状態にロックされている。この前枠5には円形状の貫通孔6が形成されており、貫通孔6の内周面には透明な窓7が固定されている。この前枠5には前枠5の前方に位置して上皿8が固定されている。この上皿8は上面が開口する容器状をなすものであり、内枠2の台板部4には、図2に示すように、上皿8の後方に位置して払出口9が形成されている。この払出口9は金属性の遊技球P(図6参照)を上皿8内に賞品として払出すものであり、払出口9から上皿8内に払出された遊技球Pは上皿8内に貯留される。
【0011】
内枠2には、図1に示すように、上皿8の下方に位置して下皿板10が固定されており、下皿板10には下皿11が固定されている。この下皿11は上皿8内から溢れた遊技球Pを貯留するものであり、上面が開口する容器状をなしている。この下皿板10には下皿11の右方に位置してハンドル台12が固定されており、ハンドル台12にはハンドル13が装着されている。このハンドル13は遊技者が右の手指で操作するものであり、発射停止位置および発射停止位置に比べて時計回り方向の操作限度位置相互間で前後方向へ指向する軸14を中心に回動可能にされている。
【0012】
内枠2の台板部4には、図3に示すように、発射ソレノイド15が固定されており、発射ソレノイド15の出力軸には打球槌が連結されている。この発射ソレノイド15は電磁ソレノイドおよびリターンスプリングを内蔵するロータリーソレノイドからなるものであり、打球槌は発射ソレノイド15が電気的なオフ状態からオン状態になった場合に電磁力で待機位置から打球位置に往動し、発射ソレノイド15が電気的なオン状態からオフ状態になった場合にリターンスプリングのばね力で打球位置から待機位置に復動する。この発射ソレノイド15は電源回路に接続されている。この電源回路はハンドル13の発射停止位置で発射ソレノイド15に駆動電源を与えないオフ状態になり、ハンドル13が発射停止位置から時計回り方向に操作されている状態で発射ソレノイド15にパルス状の駆動電源を一定周期で与えるオン状態になるものであり、電源回路のオン状態では発射ソレノイド15のオンオフが一定周期で繰返されることで打球槌が待機位置および打球位置相互間で往復動を繰返す。
【0013】
内枠2の台板部4には、図3に示すように、発射レール16が固定されている。この発射レール16は右から左に向けて上昇する傾斜状をなすものであり、発射レール16の右端部には球止め板17が固定されている。この球止め板17には遊技球Pが通過不能な大きさの貫通孔が形成されており、打球槌の打球位置では打球槌の一部が球止め板17の貫通孔を通して発射レール16上に進入し、打球槌の待機位置では打球槌の一部が発射レール16上から退避する。この発射レール16は打球槌が打球位置から待機位置に向けて移動開始することに連動して上皿8内から1個の遊技球Pが移送されるものであり、球止め板17は上皿8内から発射レール16上に移送された遊技球Pが発射レール16の右端部から転落することを防止し、打球槌は待機位置から打球位置に往動することで球止め板17が支える遊技球Pを球止め板17の貫通孔を通して右から左に向けて叩くことで同方向へ転動させる。
【0014】
内枠2には、図3に示すように、台板部4の上方に位置して遊技盤18が固定されている。この遊技盤18は垂直な板状をなすものであり、遊技盤18には内レール19と外レール20と球止めゴム21が固定されている。これら内レール19と外レール20と球止めゴム21のそれぞれは遊技盤18の前面に対して前方へ突出するものであり、内レール19は上面が開口する円弧状の金属板から構成され、外レール20は内レール19の外周部に配置された円弧状の金属板から構成され、球止めゴム21は内レール19の右端部および外レール20の右端部相互間の隙間を塞ぐゴムから構成されている。これら内レール19および外レール20相互間には発射通路22が形成されている。この発射通路22は下端部および上端部のそれぞれが開口する円弧状をなすものであり、打球槌が叩いた遊技球Pは発射レール16に沿って転動した後に発射通路22の下端部を通って発射通路22内に進入し、発射通路22に沿って円弧状の軌跡を描きながら上昇する。
【0015】
遊技盤18には、図3に示すように、発射通路22の右方に位置して遊技領域23が形成されている。この遊技領域23は内レール19と外レール20と球止めゴム21で囲まれた領域のうち発射通路22を除く残りの円形状の領域を称するものであり、打球槌が叩いた遊技球Pは発射通路22の上端部から遊技領域23内に放出される。遊技盤18には、図5に示すように、遊技領域23内に位置して複数の障害釘24が固定されている。これら複数の障害釘24のそれぞれは遊技盤18の前面に対して前方へ突出するものであり、遊技領域23内に放出された遊技球Pは障害釘24に当りながら遊技領域23内を落下する。この遊技領域23は前枠5の閉鎖状態で前枠5の窓7が前方から対向するものであり、前枠5の閉鎖状態で前方から窓7を通して視覚的に認識可能にされている。
【0016】
遊技盤18には、図3に示すように、遊技領域23内に位置して始動口25が固定されている。この始動口25は上面が開口するポケット状をなすものであり、遊技盤18の前面に対して前方へ突出している。この始動口25は遊技球Pが上面を通して入賞可能にされたものであり、始動口25内には始動口センサ26(図4参照)が固定されている。この始動口センサ26は近接スイッチからなるものであり、遊技球Pが始動口25内に入賞した場合には始動口センサ26が遊技球Pを検出することで始動信号を出力する。
【0017】
始動口センサ26は、図4に示すように、メイン制御回路27に電気的に接続されている。このメイン制御回路27はマイクロコンピュータを主体に構成されたものであり、CPUとROMとRAMを有している。このメイン制御回路27は始動口センサ26から始動信号が出力されているか否かを判断するものであり、始動口センサ26から始動信号が出力されていると判断した場合には大当りカウンタの値の更新結果を検出する。この大当りカウンタの値は一定時間(4msec)が経過する毎にメイン制御回路27が一定値(1)だけ更新するものであり、大当りカウンタの値は予め決められた下限値(0)を基準に予め決められた上限値(100)まで加算された後に下限値に戻して循環的に加算される。このメイン制御回路27は大当りカウンタの値を検出した場合に大当りカウンタの値の検出結果を予め決められた大当り値(7)と比較するものであり、大当りカウンタの値の検出結果が大当り値と同一であると判断した場合には大当りであると判定し、大当りカウンタの値の検出結果が大当り値と相違していると判断した場合には外れであると判定する。
【0018】
遊技盤18には、図3に示すように、遊技領域23内に位置して装飾枠28が固定されている。この装飾枠28は始動口25に比べて高所に配置されたものであり、装飾枠28には図柄表示器29が固定されている。この図柄表示器29はカラー液晶表示器からなるものであり、図柄表示器29の表示内容は前枠5の閉鎖状態で前方から前枠5の窓7を通して視覚的に認識可能にされている。この図柄表示器29は遊技盤18の前面に対して後方に配置されたものであり、表示制御回路30(図4参照)に電気的に接続されている。この表示制御回路30はマイクロコンピュータを主体に構成されたものであり、メイン制御回路27は大当りであると判定した場合に表示制御回路30に大当りコマンドを送信し、外れであると判定した場合に表示制御回路30に外れコマンドを送信する。この表示制御回路30はメイン制御回路27から大当りコマンドおよび外れコマンドのそれぞれが送信されたか否かを判断するものであり、メイン制御回路27から大当りコマンドが送信されたと判断した場合には装飾図柄を大当りの組合せに設定し、メイン制御回路27から外れコマンドが送信されたと判断した場合には装飾図柄を外れの組合せに設定する。この装飾図柄は左列の図柄要素と中列の図柄要素と右列の図柄要素の組合せからなるものであり、大当りの組合せとは左列の図柄要素〜右列の図柄要素のそれぞれが相互に同一な組合せを称し、外れの組合せとは左列の図柄要素〜右列の図柄要素のそれぞれが相互に同一でない組合せを称する。
【0019】
表示制御回路30は装飾図柄の組合せを設定した場合に図柄遊技の映像を図柄表示器29に表示するものである。この図柄遊技の映像は図柄表示器29に左列の図柄要素と中列の図柄要素と右列の図柄要素のそれぞれを可変状態および可変停止状態で順に表示するものであり、左列の図柄要素〜右列の図柄要素のそれぞれの可変表示は8種類の図柄要素「1」〜「8」を予め決められた順序「1」→「2」→「3」→「4」→「5」→「6」→「7」→「8」→「1」・・・で循環的に変化させることで行われ、左列の図柄要素〜右列の図柄要素のそれぞれの停止表示は図柄要素を「1」〜「8」の8種類のいずれか1つで停止させることで行われる。この図柄遊技の映像は大当りであるか否かの判定結果を遊技者に報知するためのものであり、表示制御回路30は装飾図柄を外れの組合せに設定した場合には装飾図柄が外れの組合せとなるように左列の図柄要素と中列の図柄要素と右列の図柄要素のそれぞれを設定結果で停止表示し、装飾図柄を大当りの組合せに設定した場合には装飾図柄が大当りの組合せとなるように左列の図柄要素と中列の図柄要素と右列の図柄要素のそれぞれを設定結果で停止表示する。
【0020】
遊技盤18には、図5に示すように、特別入賞口31が固定されている。この特別入賞口31は上面が開口する箱状をなすものであり、左板と右板と前板と後板と底板を有している。この特別入賞口31は遊技盤18の前面に対して前方へ突出するものであり、始動口25の真下に配置されている。この特別入賞口31は上面を通して遊技球Pが入賞可能なものであり、特別入賞口31の上面を入口32と称する。この特別入賞口31の底板には左傾斜面33および右傾斜面34が形成されている。左傾斜面33は左から右に向けて下降傾斜するものであり、右傾斜面34は右から左に向けて下降傾斜するものであり、左傾斜面33および右傾斜面34は特別入賞口31の底板の左右方向の中央部で相互に交差している。
【0021】
特別入賞口31の後板には、図5に示すように、貫通孔状の出口35が形成されている。この出口35は左傾斜面33および右傾斜面34相互間の交差部分に位置するものであり、特別入賞口31内に入賞した遊技球Pは左傾斜面33に沿って左から右へ転動または右傾斜面34に沿って右から左へ転動した後に出口35から排出される。この出口35には排出通路の前端部が接続されている。この排出通路の後端部は遊技盤18を厚さ方向に貫通して遊技盤18の後方に突出しており、遊技球Pは出口35から排出通路を通して遊技盤18の後方に排出される。この排出通路は遊技球を左右方向に一列に排出するものであり、排出通路内には特別入賞口センサ36(図4参照)が固定されている。この特別入賞口センサ36は近接スイッチからなるものであり、特別入賞口31内に遊技球Pが入賞した場合には特別入賞口センサ36が排出通路内で遊技球Pを検出して特別入賞信号を出力する。
【0022】
遊技盤18には、図5に示すように、2本のスリット37が形成されている。これら両スリット37のそれぞれは上下方向へ指向する直線状の貫通孔からなるものであり、両スリット37のそれぞれの左右方向の幅寸法は遊技領域23内の遊技球Pがスリット37内に進入しないように遊技球Pの直径寸法に比べて小さく設定されている。これら両スリット37のそれぞれは相互に平行なものであり、両スリット37内のそれぞれには円柱状のピン38が挿入されている。これら両ピン38のそれぞれは前後方向へ指向するものであり、両ピン38のそれぞれの前端部は遊技盤18の前面に対して前方へ突出し、両ピン38のそれぞれの後端部は遊技盤18の後面に対して後方へ突出している。これら両ピン38のそれぞれの後端部には操作プレート39が固定されている。この操作プレート39は遊技盤18の後方に前方から視覚的に認識不能に配置されたものであり、両ピン38相互間は操作プレート39を介して連結されている。
【0023】
遊技盤18の後方には、図5に示すように、特別入賞口ソレノイド40が固定されている。この特別入賞口ソレノイド40はリターンスプリングを内蔵する電磁ソレノイドからなるものであり、上下方向へ指向するプランジャ41を有している。このプランジャ41は下降位置および下降位置に比べて上方の上昇位置相互間で移動可能にされたものであり、特別入賞口ソレノイド40の電気的なオフ状態ではリターンスプリングのばね力で下降位置に静止する。このプランジャ41は特別入賞口ソレノイド40が電気的なオフ状態からオン状態に切換えられた場合に電磁力で下降位置から上昇位置に往動するものであり、特別入賞口ソレノイド40が電気的なオン状態からオフ状態に切換えられた場合にはリターンスプリングのばね力で上昇位置から下降位置に復動する。
【0024】
特別入賞口ソレノイド40のプランジャ41には、図5に示すように、操作プレート39が連結されている。この操作プレート39は両ピン38のそれぞれを特別入賞口ソレノイド40のプランジャ41の動きに応じて移動操作するものであり、両ピン38のそれぞれは特別入賞口ソレノイド40が電気的なオフ状態からオン状態に切換えられた場合にスリット37の内面に沿って下降位置から上昇位置へ移動し、特別入賞口ソレノイド40が電気的なオン状態からオフ状態に切換えられた場合にはスリット37の内面に沿って上昇位置から下降位置へ移動する。
【0025】
両ピン38のそれぞれの前端部には、図5に示すように、蓋42が固定されている。この蓋42は遊技盤18の前面に対して前方へ突出するものであり、特別入賞口ソレノイド40の電気的なオフ状態で下降位置に静止する。この蓋42は下降位置で特別入賞口31の入口32を上方から遊技球Pが入賞不能に閉鎖するものであり(図5参照)、特別入賞口ソレノイド40の電気的なオン状態では蓋42が上昇位置へ移動することで特別入賞口31の入口32を遊技球Pが入賞可能に開放する(図6参照)。即ち、蓋42は下降位置および上昇位置相互間で上下方向へ直線的に移動可能にされたものであり、特別入賞口31の入口32は蓋42が上下方向へ移動することに応じて開放状態および閉鎖状態相互間で切換えられる。
【0026】
蓋42の左端部には、図5に示すように、右から左へ向けて下降傾斜する傾斜状の左誘導板43が固定されている。この左誘導板43は遊技球Pに比べて硬質な金属を材料とするものであり、遊技球Pが左誘導板43に落下した場合には左誘導板43の傾斜に沿って跳ねる。蓋42の右端部には左から右へ向けて下降傾斜する傾斜状の右誘導板44が固定されている。この右誘導板44は遊技球Pに比べて硬質な金属を材料とするものであり、遊技球Pが右誘導板44に落下した場合には右誘導板44の傾斜に沿って跳ねる。
【0027】
遊技盤18には、図7に示すように、左球通路45が形成されている。この左球通路45は複数の障害釘24を左右方向に2列に配列することから構成されたものであり、左球通路45の上端部には入口46が形成されている。この入口46は左右方向の幅寸法が遊技球Pの直径寸法の2倍以上の値に設定されたものであり、遊技球Pは左球通路45内に入口46から進入する。この左球通路45には下端部に位置して出口47が形成され、出口47より上方に位置して連絡口48が形成されており、出口47および連絡口48のそれぞれの幅寸法は1個の遊技球Pが通過可能な大きさに設定されている。この出口47は真下に向けて開口するものであり、連絡口48は右に向けて開口するものであり、左球通路45内に進入した遊技球は出口47および連絡口48のいずれかから脱出する。この出口47は蓋42の左誘導板43の真上に配置されており、遊技球Pが出口47から脱出した場合には蓋42の左誘導板43に落下する。
【0028】
遊技盤18には、図7に示すように、右球通路49が形成されている。この右球通路49は複数の障害釘24を左右方向に2列に配列することから構成されたものであり、右球通路49の上端部には入口50が形成されている。この入口50は左右方向の幅寸法が遊技球Pの直径寸法の2倍以上の値に設定されたものであり、遊技球Pは右球通路49内に入口50から進入する。この右球通路49には下端部に位置して出口51が形成され、出口51より上方に位置して連絡口52が形成されており、出口51および連絡口52のそれぞれの幅寸法は1個の遊技球Pが通過可能な大きさに設定されている。この出口51は真下に向けて開口するものであり、連絡口52は左に向けて開口するものであり、右球通路49内に進入した遊技球は出口51および連絡口52のいずれかから脱出する。この出口51は蓋42の右誘導板44の真上に配置されており、遊技球Pが出口51から脱出した場合には蓋42の右誘導板44に落下する。
【0029】
蓋42には、図5に示すように、遊技球Pに比べて軟質な合成樹脂製の左転動路53および右転動路54が形成されている。これら左転動路53および右転動路54のそれぞれは左誘導板43および右誘導板44相互間に配置されたものであり、左転動路53は右から左に向けて左誘導板43に比べて小さな角度で下降傾斜する傾斜面から構成され、右転動路54は左から右に向けて右誘導板44に比べて小さな角度で下降傾斜する傾斜面から構成されている。これら左転動路53および右転動路54のそれぞれは蓋42の左右方向の中央部で相互に交差するものであり、遊技球Pが左転動路53に落下した場合には左転動路53に沿って右から左へ転動することで左誘導板43に供給され、遊技球Pが右転動路54に落下した場合には右転動路54に沿って左から右へ転動することで右誘導板44に供給される。
【0030】
遊技盤18には、図7に示すように、中央球通路55が形成されている。この中央球通路55は左球通路45および右球通路49相互間の領域内に複数の障害釘24を固定することから構成されたものであり、左球通路45の連絡口48から脱出した遊技球Pおよび右球通路49の連絡口52から脱出した遊技球Pのそれぞれは中央球通路55内に進入する。この中央球通路55の上端部には入口56が形成されている。この入口56は左右方向の幅寸法が遊技球Pの直径寸法の2倍以上の値に設定されたものであり、遊技球Pは中央球通路55内に入口56からも進入する。この中央球通路55の下端部には出口57が形成されている。この出口57は左右方向の幅寸法が遊技球Pの直径寸法の2倍以上の値に設定されたものであり、中央球通路55内に連絡口48から進入した遊技球Pと連絡口52から進入した遊技球Pと入口56から進入した遊技球Pのそれぞれは出口57から脱出する。この出口57は蓋42の左転動路53および右転動路54の双方の真上に配置されており、出口57から脱出した遊技球Pは蓋42の左誘導板43および右誘導板44のいずれにも落下することなく左転動路53または右転動路54に落下し、左転動路53から左誘導板43に供給または右転動路54から右誘導板44に供給される。
【0031】
遊技盤18には、図5に示すように、特別入賞口31の左方に位置して左ガイド部材58が固定されている。この左ガイド部材58は遊技盤18の前面に対して前方へ突出するものであり、左ガイド部材58および特別入賞口31相互間には遊技球Pが詰まることなく落下可能な大きさの隙間が確保され、左ガイド部材58および蓋42相互間にも蓋42の下降位置および上昇位置のそれぞれで遊技球Pが詰まることなく落下可能な大きさの隙間が確保されている。
【0032】
左ガイド部材58は遊技球Pに比べて軟質な合成樹脂からなるものであり、図6に示すように、左球受け部59と左球誘導部60と左球遮蔽部61を有している。左球受け部59は左球通路45の出口47から左誘導板43に落下することで跳ねた遊技球Pを蓋42の下降位置で受け止めることなく上昇位置で受け止めるものであり、垂直な板状をなしている。左球誘導部60は左球受け部59が受け止めた遊技球Pが落下するものであり、左から右へ向けて下降傾斜する傾斜面を有している。この左球誘導部60の傾斜面は特別入賞口31の入口32に向けて延びるものであり、蓋42の上昇位置で左球通路45の出口47から蓋42の左誘導板43に落下した遊技球Pは左ガイド部材58の左球受け部59から左球誘導部60の傾斜面に落下し、左球誘導部60の傾斜面に沿って左から右へ転動することで特別入賞口31の入口32に予め決められた確率XL(>0)で入賞する。これに対して蓋42の上昇位置で中央球通路55の出口57から蓋42の左転動路53に落下した遊技球Pは左転動路53から左誘導板43に供給され、左誘導板43に沿って右から左へ転動した後に蓋42および左ガイド部材58相互間の隙間を通って落下することで特別入賞口31の入口32に入賞しない。左球遮蔽部61は遊技球Pが左誘導板43から左球受け部59に供給される以外の経路で左球誘導部60に供給されることを防止するものであり、左球誘導部60に上方から対向する庇状をなしている。
【0033】
遊技盤18には、図5に示すように、特別入賞口31の右方に位置して右ガイド部材62が固定されている。この右ガイド部材62は遊技盤18の前面に対して前方へ突出するものであり、右ガイド部材62および特別入賞口31相互間には遊技球Pが詰まることなく落下可能な大きさの隙間が確保され、右ガイド部材62および蓋42相互間にも蓋42の下降位置および上昇位置のそれぞれで遊技球Pが詰まることなく落下可能な大きさの隙間が確保されている。
【0034】
右ガイド部材62は遊技球Pに比べて軟質な合成樹脂からなるものであり、図6に示すように、右球受け部63と右球誘導部64と右球遮蔽部65を有している。右球受け部63は右球通路49の出口51から右誘導板44に落下することで跳ねた遊技球Pを蓋42の下降位置で受け止めることなく上昇位置で受け止めるものであり、垂直な板状をなしている。右球誘導部64は右球受け部63が受け止めた遊技球Pが落下するものであり、右から左へ向けて下降傾斜する傾斜面を有している。この右球誘導部64の傾斜面は特別入賞口31の入口32に向けて延びるものであり、蓋42の上昇位置で右球通路49の出口51から蓋42の右誘導板44に落下した遊技球Pは右ガイド部材62の右球受け部63から右球誘導部64の傾斜面に落下し、右球誘導部64の傾斜面に沿って右から左へ転動することで特別入賞口31の入口32に予め決められた確率XR(>0)で入賞する。これに対して蓋42の上昇位置で中央球通路55の出口57から蓋42の右転動路54に落下した遊技球Pは右転動路54から右誘導板44に供給され、右誘導板44に沿って左から右へ転動した後に蓋42および右ガイド部材62相互間の隙間を通って落下することで特別入賞口31の入口32に入賞しない。右球遮蔽部65は遊技球Pが右誘導板44から右球受け部63に供給される以外の経路で右球誘導部64に供給されることを防止するものであり、右球誘導部64に上方から対向する庇状をなしている。
【0035】
特別入賞口ソレノイド40は、図4に示すように、メイン制御回路27に電気的に接続されており、メイン制御回路27は遊技球が始動口25に入賞することで大当りであると判定した場合に大当り遊技を行う。この大当り遊技は複数回の大当りラウンドからなるものであり、初回の大当りラウンドは図柄表示器29に装飾図柄が大当りの組合せで停止表示された場合に開始される。これら複数回の大当りラウンドのそれぞれは特別入賞口ソレノイド40を電気的なオフ状態からオン状態に切換えることで特別入賞口31の入口32を開放状態にするものであり、特別入賞口31の開放時間が予め決められた限度時間に到達または特別入賞口31内に予め決められた限度個数の遊技球Pが入賞した場合に終了する。このメイン制御回路27には特別入賞口センサ36が電気的に接続されており、メイン制御回路27は複数回の大当りラウンドのそれぞれで特別入賞口センサ36からの特別入賞信号を計数することで特別入賞口31内に限度個数の遊技球Pが入賞したか否かを判断する。
【0036】
内枠2には、図2に示すように、賞球タンク65および賞球ケース66が固定されている。賞球タンク65は遊技球を貯留するものであり、上面が開口する容器状をなしている。賞球ケース66は上下方向へ指向する通路状をなすものであり、賞球ケース66の上端部は賞球タンク65内に接続されている。この賞球ケース66は賞球タンク65から遊技球Pが上端部を通して供給されるものであり、賞球ケース66内には賞球払出装置が固定されている。この賞球払出装置は払出モータ67(図4参照)を駆動源として賞球ケース66内の遊技球を賞球ケース66の下端部から落下させるものである。この賞球ケース66の下端部は内枠2の払出口9に接続されており、賞球ケース66の下端部から落下した遊技球は払出口9を通って上皿8内に賞品として払出される。
【0037】
図4の払出制御回路68はマイクロコンピュータを主体に構成されたものであり、メイン制御回路27は始動口センサ26からの始動信号を検出した場合および特別入賞口センサ36からの特別入賞信号を検出した場合のそれぞれに賞球コマンドを払出制御回路68に送信する。この払出制御回路68はメイン制御回路27から賞球コマンドが送信されたか否かを判断するものであり、メイン制御回路27から賞球コマンドが送信されたと判断した場合には賞球払出装置の払出モータ67を駆動することで上皿8内に遊技球を賞品として払出す。
【0038】
上記実施例1によれば次の効果を奏する。
遊技球Pが蓋42の上昇位置で左球通路45の出口47から左誘導板43に落下した場合には左誘導板43から左ガイド部材58に与えられ、遊技球Pが左ガイド部材58に与えられた場合には左ガイド部材58から特別入賞口31の入口32に誘導される。このため、遊技球Pが特別入賞口31の入口32に屈曲した入賞経路で入賞するようになるので、遊技者が遊技球Pの挙動を目で追う場合の趣興性が高まる。この効果は右誘導板44についても同一である。
【0039】
遊技球Pが蓋42の下降位置で左誘導板43に与えられた場合には左誘導板43から左ガイド部材58に与えられない。このため、遊技球Pが大当り遊技の停止状態で左誘導板43から左ガイド部材58を通して特別入賞口31の入口32に誘導されることがなくなるので、遊技球Pが特別入賞口31に頻繁に衝突することで特別入賞口31が変形または破損することが防止される。この効果は右誘導板44についても同一である。
【0040】
遊技球Pが左球通路45の出口47から左誘導板43に与えられた場合には特別入賞口31の入口32に入賞し、遊技球Pが左球通路45の連絡口48および中央球通路55の出口57を順に通って左転動路53から左誘導板43に与えられた場合には特別入賞口31の入口32に入賞しないので、遊技球Pが左球通路45の出口47および連絡口48のいずれから脱出するかを遊技者が目で追う趣興性ができる。この効果は右球通路49についても同一である。
【0041】
遊技球Pが左球通路45の出口47から蓋42の左誘導板43に垂直な一定の経路で落下する。このため、左誘導板43の傾斜角度および左球誘導路60の傾斜角度のそれぞれを設計的に調整することで遊技球Pが左球通路45の出口47から蓋42の左誘導板43および左ガイド部材58のそれぞれを順に経由した場合の遊技球Pの特別入賞口31に対する入賞確率を目標値に正確に設定できる。しかも、遊技者が遊技球Pを左球通路45の入口46を狙って発射することで特別入賞口31の入口32に入賞させることができるので、遊技球Pの特別入賞口31に対する入賞経路が屈曲しているにも拘らず遊技者が大当り遊技中に遊技球Pを発射する場合の発射位置を戸惑うことなく調整できる。この効果は右球通路49についても同一である。
【実施例2】
【0042】
遊技盤18には、図8および図9に示すように、特別入賞口31に換えて特別入賞口71が固定されている。この特別入賞口71は前面が開口する横長な箱状をなすものであり、左板と右板と底板と天板と後板を有している。この特別入賞口71は前面が遊技盤18の前面と同一の平面上に位置するように遊技盤18の貫通孔内に固定されたものであり、特別入賞口71の前面を入口72と称する。
【0043】
遊技盤18には、図8および図9に示すように、誘導板73が固定されている。この誘導板73は特別入賞口71の入口72の下面に沿って左右方向へ指向するものであり、遊技盤18の前面に対して前方へ突出している。この誘導板73には蓋42の上昇位置で左球通路45の出口47から蓋42の左誘導板43と左ガイド部材58の左球受け部59と左球誘導部60を順に通って遊技球Pが供給され、右球通路49の出口51から蓋42の右誘導板44と右ガイド部材62の右球受け部63と右球誘導部64を順に通って遊技球Pが供給されるものであり、蓋42の上昇位置であっても中央球通路55の出口57から蓋42の左転動路53および左誘導板43を順に通って遊技球Pが供給されず、中央球通路55の出口57から蓋42の右転動路54および右誘導板44を順に通って遊技球Pが供給されない。
【0044】
誘導板73は、図8および図9に示すように、前から後に向けて下降する平板状をなすものであり、遊技球Pが誘導板73に供給された場合には誘導板73に沿って前から後 に転動することで特別入賞口71の入口72に進入する。この特別入賞口71の前面(=遊技盤18の前面)および窓7の後面相互間には前枠5の閉鎖状態で遊技球Pの直径寸法に比べて小さな隙間しか形成されない。即ち、前枠5の閉鎖状態で蓋42が下降位置に静止している場合には遊技球Pが特別入賞口71の入口72に前方から入賞することはできず、前枠5の閉鎖状態では蓋42の上昇位置でのみ遊技球Pが特別入賞口71の入口72に入口72の左方および右方のそれぞれから入賞可能になる。
【0045】
特別入賞口71の底板には、図8および図9に示すように、左傾斜面74および右傾斜面75が形成されている。左傾斜面74は左から右に向けて下降傾斜するものであり、右傾斜面75は右から左に向けて下降傾斜するものであり、左傾斜面74および右傾斜面75は特別入賞口71の底板の左右方向の中央部で相互に交差している。この特別入賞口71の後板には貫通孔状の出口76が形成されており、特別入賞口71内に入賞した遊技球Pは左傾斜面74に沿って左から右へ転動または右傾斜面75に沿って右から左へ転動した後に出口76から排出される。この出口76には排出通路の前端部が接続されている。この排出通路の後端部は遊技盤18を厚さ方向に貫通して遊技盤18の後方に突出しており、遊技球Pは出口76から排出通路を通して遊技盤18の後方に排出される。この排出通路内には特別入賞口センサ36が固定されており、特別入賞口71内に遊技球Pが入賞した場合には特別入賞口センサ36が排出通路内で遊技球Pを検出して特別入賞信号を出力する。
【0046】
上記実施例1〜2のそれぞれにおいては、左ガイド部材58および右ガイド部材62のそれぞれを複数の障害釘24から構成しても良い。
上記実施例1〜2のそれぞれにおいては、左ガイド部材58として蓋42の上昇位置で左誘導板43から供給された遊技球Pを特別入賞口31の入口32に向けて跳ねさせることで特別入賞口31の入口32に入賞させるものを用いても良い。
【0047】
上記実施例1〜2のそれぞれにおいては、右ガイド部材62として蓋42の上昇位置で右誘導板44から供給された遊技球Pを特別入賞口31の入口32に向けて跳ねさせることで特別入賞口31の入口32に入賞させるものを用いても良い。
【0048】
上記実施例1および2のそれぞれにおいては、左ガイド部材58および右ガイド部材62のそれぞれを遊技盤18に前後方向へ指向する軸を中心に第1の角度および第2の角度の範囲内で回転可能に装着しても良い。左ガイド部材58の左球受け部59は第1の角度および第2の角度のそれぞれで蓋42の左誘導板43で跳ねた遊技球Pを受けるものであり、左ガイド部材58の左球誘導部60は第1の角度で遊技球Pを特別入賞口31の入口32の左端部に誘導し、第2の角度で遊技球Pを特別入賞口31の入口32の左右方向の中央部に誘導する。右ガイド部材62の右球受け部63は第1の角度および第2の角度のそれぞれで蓋42の右誘導板44で跳ねた遊技球Pを受けるものであり、右ガイド部材62の右球誘導部64は第1の角度で遊技球Pを特別入賞口31の入口32の右端部に誘導し、第2の角度で遊技球Pを特別入賞口31の入口32の左右方向の中央部に誘導する。即ち、左ガイド部材58および右ガイド部材62のそれぞれの第2の角度では遊技球Pが第1の角度に比べて特別入賞口31の入口32に高い確率で入賞するように誘導される。この構成の場合には次の1)〜3)のいずれかで左ガイド部材58および右ガイド部材62のそれぞれの角度を調整すると良い。
1)左ガイド部材58の軸および右ガイド部材62の軸のそれぞれの後端部に遊技盤18の後面に対して後方に突出する摘みを連結し、パチンコホール側が遊技盤18の後方から左ガイド部材58の摘みを操作することで左ガイド部材58の角度を第1の角度および第2の角度の範囲内で調整し、遊技盤18の後方から右ガイド部材62の摘みを操作することで右ガイド部材62の角度を第1の角度および第2の角度の範囲内で調する。
2)左ガイド部材58の軸を遊技盤18の後方で左モータの回転軸に連結し、右ガイド部材62の軸を遊技盤18の後方で右モータの回転軸に連結し、大当りカウンタの値が第1の大当り値と同一である場合にメイン制御回路27が第1の大当りであると判定して左モータおよび右モータのそれぞれを駆動制御することで左ガイド部材58および右ガイド部材62のそれぞれを大当り遊技中に第1の角度に静止させ、大当りカウンタの値が第2の大当り値と同一である場合にメイン制御回路27が第2の大当りであると判定して左モータおよび右モータのそれぞれを駆動制御することで左ガイド部材58および右ガイド部材62のそれぞれを大当り遊技中に第2の角度に静止させる。
3)左ガイド部材58の軸を遊技盤18の後方で左モータの回転軸に連結し、右ガイド部材62の軸を遊技盤18の後方で右モータの回転軸に連結し、左モータおよび右モータのそれぞれを電源が投入されてから遮断されるまで一定のパターンで継続的に運転することで左ガイド部材58および右ガイド部材62のそれぞれを第1の角度および第2の角度相互間で往復する一定パターンで回転操作する。
【0049】
上記実施例1および2のそれぞれにおいては、左ガイド部材58に左球受け部59に換えて板ばね等の弾性部材を設け、右ガイド部材62に右球受け部63に換えて板ばね等の弾性部材を設けても良い。左ガイド部材58の弾性部材は蓋42の左誘導板43で跳ねた遊技球Pを受けて左球誘導部60に与えるものであり、遊技球Pを受けたときの衝撃力で弾性変形する。右ガイド部材62の弾性部材は蓋42の右誘導板44で跳ねた遊技球Pを受けて右球誘導部64に与えるものであり、遊技球Pを受けたときの衝撃力で弾性変形する。この構成の場合には両弾性部材のそれぞれに遊技者が視覚的に認識可能な装飾部材を固定し、両装飾部材のそれぞれを弾性部材が弾性変形することに応じて揺らすことから視覚的な趣向性を高めることが好ましい。
【0050】
上記実施例1および2のそれぞれにおいては、左ガイド部材58に左球誘導部60に換えて板ばね等の弾性部材を設け、右ガイド部材62に右球誘導部64に換えて板ばね等の弾性部材を設けても良い。左ガイド部材58の弾性部材は左球受け部59から落下した遊技球Pを受けて特別入賞口31の入口32に誘導するものであり、遊技球Pを受けたときの衝撃力で弾性変形する。右ガイド部材62の弾性部材は右球受け部63から落下した遊技球Pを受けて特別入賞口31の入口32に誘導するものであり、遊技球Pを受けたときの衝撃力で弾性変形する。この構成の場合には両弾性部材のそれぞれに遊技者が視覚的に認識可能な装飾部材を固定し、両装飾部材のそれぞれを弾性部材が弾性変形することに応じて揺らすことから視覚的な趣向性を高めることが好ましい。
【実施例3】
【0051】
蓋42には、図10に示すように、左誘導板43に換えて左誘導路81が形成されている。この左誘導路81は遊技球Pに比べて軟質な合成樹脂からなるものであり、右から左へ向けて下降傾斜する傾斜面から構成されている。この左誘導路81は左球通路45の出口47から落下した遊技球Pが直接的に供給され、中央球通路55の出口57から落下した遊技球Pが左転動路53を右から左へ転動することで間接的に供給されるものであり、左誘導路81に前者の直接経路で供給された遊技球Pは左誘導路81に沿って右から左へ強い勢いで転動することで左誘導路81から蓋42の左方に落下し、左誘導路81に後者の間接経路で供給された遊技球Pは左誘導路81に沿って右から左へ弱い勢いで転動することで左誘導路81から蓋42の左方に落下する。
【0052】
蓋42には、図10に示すように、右誘導板44に換えて右誘導路82が形成されている。この右誘導路82は遊技球Pに比べて軟質な合成樹脂からなるものであり、左から右へ向けて下降傾斜する傾斜面から構成されている。この右誘導路82は右球通路49の出口51から落下した遊技球Pが直接的に供給され、中央球通路55の出口57から落下した遊技球Pが右転動路54を左から右へ転動することで間接的に供給されるものであり、右誘導路82に前者の直接経路で供給された遊技球Pは右誘導路82に沿って左から右へ強い勢いで転動することで右誘導路82から蓋42の右方に落下し、右誘導路82に後者の間接経路で供給された遊技球Pは右誘導路82に沿って左から右へ弱い勢いで転動することで右誘導路82から蓋42の右方に落下。
【0053】
遊技盤18には、図10に示すように、左ガイド部材58に換えて左ガイド部材83が固定されている。この左ガイド部材83は遊技盤18の前面に対して前方へ突出するものであり、左ガイド部材83および特別入賞口31相互間には遊技球Pが詰まることなく落下可能な大きさの隙間が確保され、左ガイド部材83および蓋42相互間にも蓋42の下降位置および上昇位置のそれぞれで遊技球Pが詰まることなく落下可能な大きさの隙間が確保されている。この左ガイド部材83には、図11に示すように、左入賞路84が形成されている。この左入賞路84は左誘導路81に直接経路で供給された遊技球Pおよび間接経路で供給された遊技球Pのそれぞれが蓋42の下降位置で落下することなく上昇位置で落下するものであり、左から右へ向けて下降傾斜する傾斜面から構成されている。この左入賞路84は特別入賞口31の入口32に向けて延びるものであり、蓋42の上昇位置では左誘導路81に直接経路で供給された遊技球Pが左入賞路84に沿って右から左へ強い勢いで転動することで特別入賞口31の入口32に予め決められた高確率XL1で入賞し、左誘導路81に間接経路で供給された遊技球Pが左入賞路84に沿って右から左へ弱い勢いで転動することで特別入賞口31の入口32に予め決められた低確率XL2(<XL1)で入賞する。
【0054】
遊技盤18には、図10に示すように、右ガイド部材62に換えて右ガイド部材85が固定されている。この右ガイド部材85は遊技盤18の前面に対して前方へ突出するものであり、右ガイド部材85および特別入賞口31相互間には遊技球Pが詰まることなく落下可能な大きさの隙間が確保され、右ガイド部材85および蓋42相互間にも蓋42の下降位置および上昇位置のそれぞれで遊技球Pが詰まることなく落下可能な大きさの隙間が確保されている。この右ガイド部材85には、図11に示すように、右入賞路86が形成されている。この右入賞路86は右誘導路82に直接経路で供給された遊技球Pおよび間接経路で供給された遊技球Pのそれぞれが蓋42の下降位置で落下することなく上昇位置で落下するものであり、右から左へ向けて下降傾斜する傾斜面から構成されている。この右入賞路86は特別入賞口31の入口32に向けて延びるものであり、蓋42の上昇位置では右誘導路82に直接経路で供給された遊技球Pが右入賞路86に沿って左から右へ強い勢いで転動することで特別入賞口31の入口32に予め決められた高確率XR1で入賞し、右誘導路82に間接経路で供給された遊技球Pが右入賞路86に沿って左から右へ弱い勢いで転動することで特別入賞口31の入口32に予め決められた低確率XR2(<XR1)で入賞する。
【0055】
遊技盤18には、図11に示すように、左球遮蔽板87および右遮蔽板88が固定されている。これら左球遮蔽板87および右遮蔽板88のそれぞれは遊技盤18の前面に対して前方へ突出するものであり、左球遮蔽板87は左ガイド部材83の左入賞路84に上方から対向配置され、右球遮蔽板88は右ガイド部材85の右入賞路86に上方から対向配置されている。この左球遮蔽板87は遊技球Pが蓋42の左誘導路81以外の経路で左ガイド部材83の左入賞路84に供給されることを防止するものであり、右球遮蔽板88は遊技球Pが蓋42の右誘導路82以外の経路で右ガイド部材85の右入賞路86に供給されることを防止するものであり、蓋42の上昇位置では左誘導路81を経由した遊技球Pおよび右誘導路82を経由した遊技球Pの双方のみが特別入賞口31の入口32に入賞可能になる。
【0056】
上記実施例3においては、特別入賞口31に換えて特別入賞口71を用いても良い。
上記実施例3においては、左ガイド部材83および右ガイド部材85のそれぞれを複数の障害釘24から構成しても良い。
【0057】
上記実施例3においては、左ガイド部材83として蓋42の上昇位置で左誘導路81から供給された遊技球Pを特別入賞口31の入口32に向けて跳ねさせることで特別入賞口31の入口32に入賞させるものを用いても良い。
【0058】
上記実施例3においては、右ガイド部材85として蓋42の上昇位置で右誘導路82から供給された遊技球Pを特別入賞口31の入口32に向けて跳ねさせることで特別入賞口31の入口32に入賞させるものを用いても良い。
【0059】
上記実施例3においては、左ガイド部材83および右ガイド部材85のそれぞれを遊技盤18に前後方向へ指向する軸を中心に第1の角度および第2の角度の範囲内で回転可能に装着しても良い。左ガイド部材83の左入賞路84は第1の角度および第2の角度のそれぞれで蓋42の左誘導路81から落下する遊技球Pを受けるものであり、第1の角度で遊技球Pを特別入賞口31の入口32の左端部に誘導し、第2の角度で遊技球Pを特別入賞口31の入口32の左右方向の中央部に誘導する。右ガイド部材85の右入賞路86は第1の角度および第2の角度のそれぞれで蓋42の右誘導路82から落下する遊技球Pを受けるものであり、第1の角度で遊技球Pを特別入賞口31の入口32の右端部に誘導し、第2の角度で遊技球Pを特別入賞口31の入口32の左右方向の中央部に誘導する。即ち、左ガイド部材83および右ガイド部材85のそれぞれの第2の角度では遊技球Pが第1の角度に比べて特別入賞口31の入口32に高い確率で入賞するように誘導される。この構成の場合には次の1)〜3)のいずれかで左ガイド部材83および右ガイド部材85のそれぞれの角度を調整すると良い。
1)左ガイド部材83の軸および右ガイド部材85の軸のそれぞれの後端部に遊技盤18の後面に対して後方に突出する摘みを連結し、パチンコホール側が遊技盤18の後方から左ガイド部材83の摘みを操作することで左ガイド部材83の角度を第1の角度および第2の角度の範囲内で調整し、遊技盤18の後方から右ガイド部材85の摘みを操作することで右ガイド部材85の角度を第1の角度および第2の角度の範囲内で調整する。
2)左ガイド部材83の軸を遊技盤18の後方で左モータの回転軸に連結し、右ガイド部材85の軸を遊技盤18の後方で右モータの回転軸に連結し、メイン制御回路27が第1の大当りであると判定した場合に左モータおよび右モータのそれぞれを駆動制御することで左ガイド部材83および右ガイド部材85のそれぞれを大当り遊技中に第1の角度に静止させ、メイン制御回路27が第2の大当りであると判定した場合に左モータおよび右モータのそれぞれを駆動制御することで左ガイド部材83および右ガイド部材85のそれぞれを大当り遊技中に第2の角度に静止させる。
3)左ガイド部材83の軸を遊技盤18の後方で左モータの回転軸に連結し、右ガイド部材85の軸を遊技盤18の後方で右モータの回転軸に連結し、左モータおよび右モータのそれぞれを電源が投入されてから遮断されるまで一定のパターンで継続的に運転することで左ガイド部材83および右ガイド部材85のそれぞれを第1の角度および第2の角度相互間で往復する一定パターンで回転操作する。
【0060】
上記実施例3においては、左ガイド部材83に左入賞路84に換えて板ばね等の弾性部材を設け、右ガイド部材85に右入賞路86に換えて板ばね等の弾性部材を設けても良い。左ガイド部材83の弾性部材は蓋42の左誘導路81から落下した遊技球Pを受けて特別入賞口31の入口32に誘導するものであり、蓋42の左誘導路81から遊技球Pが落下したときの衝撃力で弾性変形する。右ガイド部材85の弾性部材は蓋42の右誘導路82から落下した遊技球Pを受けて特別入賞口31の入口32に誘導するものであり、蓋42の右誘導路82から遊技球Pが落下したときの衝撃力で弾性変形する。この構成の場合には両弾性部材のそれぞれに遊技者が視覚的に認識可能な装飾部材を固定し、両装飾部材のそれぞれを弾性部材が弾性変形することに応じて揺らすことから視覚的な趣向性を高めることが好ましい。
【0061】
上記実施例1〜3のそれぞれにおいては、蓋42を下降位置および上昇位置相互間で移動操作する駆動源としてモータを用いても良い。
上記実施例1〜3のそれぞれにおいては、本発明を始動口25等の入賞口に適用しても良い。
【符号の説明】
【0062】
Pは遊技球、18は遊技盤、31は特別入賞口(入球部材)、32は入口、40は特別入賞口ソレノイド(駆動源)、42は蓋(蓋部材)、43は左誘導板(傾斜部)、44は右誘導板(傾斜部)、45は左球通路(球通路)、46は入口、47は出口、49は右球通路(球通路)、50は入口、51は出口、58は左ガイド部材(誘導部材)、62は右ガイド部材(誘導部材)、71は特別入賞口(入球部材)、72は入口、81は左誘導路(傾斜部)、82は右誘導路(傾斜部)、83は左ガイド部材(誘導部材)、85は右ガイド部材(誘導部材)である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が発射される遊技盤と、
前記遊技盤に設けられ、遊技球が入球可能な入口を有する入球部材と、
下降位置および下降位置に比べて上方の上昇位置相互間で移動可能なものであって、前記入球部材の入口を下降位置で遊技球が入球不能に閉鎖すると共に上昇位置で遊技球が入球可能に開放する蓋部材と、
前記蓋部材を下降位置および上昇位置相互間で移動操作する電気的な駆動源と、
前記遊技盤に設けられ、遊技者側である前から見て前記入球部材の左および右のいずれか一方に前記入球部材に対して離間して配置されていると共に前記蓋部材の下降位置および上昇位置のそれぞれで前記蓋部材に対して離間するように配置されたものであって遊技球を前記入球部材の入口に誘導する誘導部材と、
前記蓋部材に設けられ、遊技者側である前から見て左および右のうち前記一方とは反対の他方から前記一方に向けて下降する傾斜状をなすものであって遊技球を当該傾斜によって前記誘導部材に誘導する傾斜部を備えたことを特徴とするパチンコ遊技機。
【請求項2】
前記遊技盤に設けられ、上端部に入口を有すると共に下端部に出口を有するものであって遊技球が入口から出口に向けて通過する球通路を備え、
前記球通路の出口は、前記蓋部材の上昇位置で遊技球が前記蓋部材の傾斜部に上から下に向けて垂直に落下するように前記蓋部材の傾斜部の真上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ遊技機。
【請求項1】
遊技球が発射される遊技盤と、
前記遊技盤に設けられ、遊技球が入球可能な入口を有する入球部材と、
下降位置および下降位置に比べて上方の上昇位置相互間で移動可能なものであって、前記入球部材の入口を下降位置で遊技球が入球不能に閉鎖すると共に上昇位置で遊技球が入球可能に開放する蓋部材と、
前記蓋部材を下降位置および上昇位置相互間で移動操作する電気的な駆動源と、
前記遊技盤に設けられ、遊技者側である前から見て前記入球部材の左および右のいずれか一方に前記入球部材に対して離間して配置されていると共に前記蓋部材の下降位置および上昇位置のそれぞれで前記蓋部材に対して離間するように配置されたものであって遊技球を前記入球部材の入口に誘導する誘導部材と、
前記蓋部材に設けられ、遊技者側である前から見て左および右のうち前記一方とは反対の他方から前記一方に向けて下降する傾斜状をなすものであって遊技球を当該傾斜によって前記誘導部材に誘導する傾斜部を備えたことを特徴とするパチンコ遊技機。
【請求項2】
前記遊技盤に設けられ、上端部に入口を有すると共に下端部に出口を有するものであって遊技球が入口から出口に向けて通過する球通路を備え、
前記球通路の出口は、前記蓋部材の上昇位置で遊技球が前記蓋部材の傾斜部に上から下に向けて垂直に落下するように前記蓋部材の傾斜部の真上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−245000(P2011−245000A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−120438(P2010−120438)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【出願人】(000121693)奥村遊機株式会社 (978)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【出願人】(000121693)奥村遊機株式会社 (978)
【Fターム(参考)】
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