説明

パッケージ

パッケージされた製品は、第一のパッケージ及び物質を含んでもよい。第一のパッケージは、少なくとも約0.046g/m/24h(0.003g/100平方インチ/24h)の透湿度を有する、水不透過性フィルムを含んでもよい。物質は、第一のパッケージの中に配置してもよく、並びに歯を白くするための過酸化物及び水を含んでもよい。第一のパッケージは、第二のパッケージの中に配置されてもよい。第二のパッケージは、水蒸気制御体を含んでもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
一般に、活性物質の濃度を維持するためのパッケージ。具体的には、歯用ホワイトニング製品中の過酸化物濃度を維持するためのパッケージ。
【背景技術】
【0002】
消費者製品には、(過酸化物を含めて)安定性の低い活性物質が、組み入れられていることが多い。例として、歯用ホワイトニング製品中に、過酸化物が含まれることが望ましい。そのような安定性の低い活性物質を組み入れると、製品の貯蔵寿命が大幅に低下する。加えて、多くの活性物質は、安全及び有効であるために、狭い濃度範囲に厳密に維持されなければならない。例えば、歯用ホワイトニング製品中で使用される過酸化物が、過度の濃度にされないことがあるのは、そのような濃度が口内組織を刺激しかねないからである。しかしながら、歯を白くするために、過酸化物は、十分に強くなければならない。歯用ホワイトニング製品中の過酸化物の望ましい濃度は、約1%〜約30%の範囲に有る。
【0003】
歯用ホワイトニング製品中の過酸化物濃度の損失を遅らせるように種々のパッケージ材料が使用されてきたが、安全性及び効き目を確実にして製品の貯蔵寿命を延ばすために、歯用ホワイトニング製品中の過酸化物の安定性の改善及び特定濃度の維持が望まれている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明のパッケージを使用すると、これらの製品の過酸化物濃度を安定化すること、及び貯蔵寿命を延ばすことができる。
【0005】
更に、過酸化物又は他の伝統的に不安定な活性物質の他に、伝統的に安定な活性物質を含む物質でさえも、本発明のパッケージを使用すると、より安定化する可能性がある。したがって、伝統的により長い貯蔵寿命を有するパッケージされた製品の貯蔵寿命も、延びる可能性がある。活性物質及び溶媒を含む多数のパッケージされた製品が、パッケージされた個人用ヘルスケア製品を含めて、改善される見込みがある。本発明のパッケージを使用すると、過酸化物濃度を安定化させ、及びまたこれらの製品の貯蔵寿命を延ばすことができる。
【0006】
加えて、活性物質及び溶媒を含む物質の安定化の他に、本発明のパッケージを使用すると、パッケージの膨張(すなわち、吹き出し)を減少又は無くす可能性がある。溶媒を含むパッケージの中に蓄積されることが多い蒸気は、本発明のパッケージを透過して、膨張を生じさせないようにする可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
パッケージされた製品は、パッケージ及び物質を含んでもよい。パッケージは、32℃(90°F)及び100%RHにおいて、少なくとも約0.046g/m/24h(0.003g/100平方インチ/24h)の透湿度を有する、水不透過性フィルムを含んでもよい。物質は、パッケージの中に配置してもよく、並びに過酸化物及び水を含んでもよい。
【0008】
パッケージシステムは、第一のパッケージ、物質、及び第二のパッケージを含んでもよい。第一のパッケージは、32℃(90°F)及び100%RHにおいて、少なくとも約0.046g/m/24h(0.003g/100平方インチ/24h)の透湿度を有する、水不透過性フィルムを含んでもよい。物質は、第一のパッケージの中に配置してもよく、及び過酸化物を含んでもよい。第二のパッケージは、第一のパッケージを包囲してもよく、及び水蒸気制御体を含んでもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
一般に、歯のホワイトニング(whitening the teeth)のために、(水、エタノール、エチルアセテート、シリコン類、芳香剤などの)溶媒中に過酸化物を含む物質が、使用されてもよい。これらの物質は、第一のパッケージの中に入れられてもよい。第一のパッケージは、予め定められた時間にわたって過酸化物の濃度を安定化するために、溶媒蒸気が流入又は逸出することを許容する1つ以上の層を含んでもよい。第一のパッケージは、金属層を含んでもよい。
【0010】
第一のパッケージが過酸化物含有物質のために第一の安定化環境を創り出す可能性がある時、更に、第二のパッケージが、第二の安定化環境を創り出すように使用されてもよい。第二のパッケージは、長時間にわたってより一定及びより安定した過酸化物濃度を維持するために、溶媒蒸気を第一のパッケージから又はその中へ、くみ上げる又は追いやるのに使用されてもよい。安定化の他に、第二のパッケージは、それを第一のパッケージから取り出した直後に使用するために、過酸化物含有物質が十分に水和された状態を維持する環境を第一のパッケージ内に創り出してもよい。
【0011】
I.定義
次の定義はアルファベット順に列挙されている。
【0012】
本明細書で使用するとき、「空気不透過性」という句は、23℃(73°F)で相対湿度(RH)0%において、酸素の透過が0.002cc/cm/30日(0.01立方センチメートル(cc)/1平方インチ(sq in)/30日)(15.5cc/m/24時間)未満である、バリアを指すことを意図されている。ASTM D−3985の酸素透過度(Oxygen Transmission Rate)を参照のこと。
【0013】
本明細書で使用するとき、用語「過酸化物(及びその誘導体)」は、水性媒体と接触した時に過酸化水素を生成する化合物を指すことを意図されている。過酸化物の例には、過酸化水素、過酸化カルバミド、過炭酸ナトリウム他が挙げられるが、これらに限定されない。
【0014】
本明細書で使用するとき、「過酸化物濃度」という句は、いずれかの過酸化物生成種から作り出された過酸化水素の、重量パーセントで表された等価濃度を指すことを意図されている。
【0015】
本明細書で使用するとき、「過酸化物劣化速度(PDR)」は、製品中の過酸化物濃度が減少する速度を指すことを意図されている。過酸化物分解の一因となる可能性がある要因には:温度増による自動酸化(10℃毎に約2.2倍に増加);pH増(特に約6〜8を超えるpHにて)による自動酸化;汚染(特に銅、マンガン、又は鉄などの遷移金属)増加による自動酸化;及び程度はより少ないが、紫外線への暴露が挙げられる。
【0016】
PDRは、本明細書において、時間にわたる過酸化物濃度の変化として定義され:
PDR=([当初過酸化物濃度]−[試験開始からの時間(t)における過酸化物濃度])/tである。
【0017】
PDRは、温度、湿度、及び製品マトリックス組成、又はこれらの組合せの関数として測定される。典型的な貯蔵条件のガイドラインが、協調に関する国際委員会(International Committee on Harmonization)(ICH)により設定されている。過酸化物濃度は通常、過酸化物感受性試験を用いて測定され、間接的ヨウ素還元滴定、過マンガン酸塩滴定、及び当該技術分野において周知の他の技法が挙げられる。
【0018】
本明細書で使用するとき、「水不透過性」という句は、ASTM F−1249、TAPPI T557、JIS K−7129により測定するとき、25℃で60%RHにおいて、液体水の透過が1.55g/m/月(0.1g/100平方インチ/月)未満である、バリアを指すことを意図されている。
【0019】
本明細書で使用するとき、「水蒸気制御体」という句は、製品内の水蒸気濃度を製品の耐用期間にわたって所望のレベルに制御するシステムを指すことを意図されている。そのシステムは、パッケージデザイン、材料、保湿剤、又は乾燥剤の1つ以上を利用してもよい。
【0020】
本明細書で使用するとき、「水蒸気透過性」という句は、30℃(90°F)及び100%RHにおいて(ASTM F−1249、TAPPI T557、JIS K−7129)、水蒸気の透過が0.0155g/m/日(0.001g/100平方インチ/日)以上である、バリアを指すことを意図されている。
【0021】
II.第一のパッケージ
一実施形態において、第一のパッケージ10は、1つ以上のプラスチック層、1つ以上の金属層、1つ以上のガラス層、及び/又は1つ以上のシリコン酸化物層が含まれるがこれらに限定されない複数の層からなる、水不透過性フィルム又はシートで構成されてもよい。層は、バリアとして作用してもよく、及び/又はそのフィルム又はシートを形成するために他の層を共に繋ぐ作用をしてもよい。例えば、1つ以上の層は、接着剤層を含むことができる。第一のパッケージ10のフィルム又はシートは、約25.4μ(1ミル)〜約76.2μ(3ミル)、約27.94μ(1.1ミル)〜約63.5μ(2.5ミル)、約35.56μ(1.4ミル)〜約55.88μ(2.2ミル)、又は約40.64μ(1.6ミル)〜約45.72μ(1.8ミル)の厚さを有してもよい。
【0022】
第一のパッケージは、図1に示されるように、4層からなってもよい。第一のパッケージ層12は、封止可能なプラスチックを含んでもよい。より具体的には、第一のパッケージ層12は、ポリプロピレン、ポリエチレン、セロファン、配向性ポリプロピレン、デュポン(DuPont)により製造されるサーリン(Surlyn)(登録商標)、ポリエチレンテレフタレート、及びガラスの1つ又は組合せを含んでもよい。この層が、歯用ホワイトニング製品に接触してもよい。この層は透明であってもよい。
【0023】
第二のパッケージ層14は、金属を含んでもよい。より具体的には、第二のパッケージ層は、アルミニウム、金、銀、白金、スズ、ニッケル、及び銅の1つ又は組合せを含んでもよい。第二の層14の金属は、約50オングストローム(Å)〜約360Å、約70Å〜約340Å、約100Å〜約320Å、又は約120Å〜約320Åの厚さを有してもよい。
【0024】
第三のパッケージ層16は、接着剤を含んでもよい。より具体的には、第三のパッケージ層16は、ポリエチレン、エチルビニルアセテート、エチレン酸コポリマー、エチルビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリウレタン、アクリル、ビニル、及びエチレンアクリル酸(EAA)他の1つ又は組合せを含んでもよい。
【0025】
第四のパッケージ層18は、プラスチックを含んでもよい。より具体的には、第四のパッケージ層18は、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、又はナイロンの1つ又は組合せを含んでもよい。この層は、いずれかの側に印刷されたインクを有してもよい。
【0026】
第三のパッケージ層16は必要でないことがある。例えば、ポリプロピレン又はポリエチレンを含む第四のパッケージ層18が、第二のパッケージ層14に直接固着されてもよい(第二のパッケージ層が上で説明された繋ぎ層として作用する)。
【0027】
第一のパッケージ層12が、それに付着された第二のパッケージ層14を有してもよい(例として、真空蒸着、スパッタリング、真空蒸発、又は電気メッキによる付着があり;例えば、包装技術の基礎(Fundamentals of Packing Technology)、ソロカ(Soroka)、ウォルター(Walter)、包装専門家協会(Institute of Packing Professionals)1999年、及びウィリーの包装技術百科事典(The Wiley Encyclopedia of Packaging Technology)、バッカー(Bakker)、マリリン(Marilyn)、1986年を参照されたい)。第三のパッケージ層16は、第四のパッケージ層18を第二のパッケージ層14に繋ぐ又は付着させるのに使用されてもよい。例えば、ポリプロピレン層が、その上に真空蒸着されたアルミニウム層を有してもよい。エチルビニルアセテート(EVA)などの第三のパッケージ層16が、ポリエチレン層をアルミニウムに付着させるのに使用されてもよい。第一のパッケージがどのように形成されるかというより具体的な実施例については、セクションVI(下記)を参照してもよい。
【0028】
第一のパッケージ10及び/又は第一のパッケージ10の水不透過性フィルムは、32℃(90°F)及び100%RHにおいて測定(ASTM F1249)するとき、約0.0465g/m/24h(0.003g/100平方インチ/24h)〜約1.085g/m/24h(0.07g/100平方インチ/24h)、約0.0465g/m/24h(0.003g/100平方インチ/24h)〜約0.0465g/m/24h(0.03g/100平方インチ/24h)、又は約0.0465g/m/24h(0.003g/100平方インチ/24h)〜約0.31g/m/24h(0.02g/100平方インチ/24h)の透湿度を有してもよい。透湿度は、金属層により影響を受けることがある。金属層は、第一のパッケージ10の水蒸気に対する主なバリアとして使用できる。この層の変化が、第一のパッケージ10の透湿度に大きく影響を及ぼすことがある。
【0029】
別の実施形態では、図2に示すように、第一のパッケージ20が、6層からなってもよい。第一のパッケージ層22は、封止可能なプラスチックを含んでもよい。より具体的には、第一のパッケージ層22は、ポリプロピレン、ポリエチレン、セロファン、配向性ポリプロピレン、デュポン(DuPont)により製造されるサーリン(Surlyn)(登録商標)、ポリエチレンテレフタレート、及びガラスの1つ又は組合せを含んでもよい。この層が、歯用ホワイトニング製品に接触してもよい。
【0030】
第二のパッケージ層24は、接着剤を含んでもよい。より具体的には、第二のパッケージ層24は、ポリエチレン、エチルビニルアセテート、エチレン酸コポリマー、エチルビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリウレタン、アクリル、ビニル、及びエチレンアクリル酸(EAA)他の1つ又は組合せを含んでもよい。
【0031】
第三のパッケージ層26は、プラスチックを含んでもよい。より具体的には、第三のパッケージ層26は、ポリプロピレン、ポリエチレン、セロファン、配向性ポリプロピレン、デュポン(DuPont)により製造されるサーリン(Surlyn)(登録商標)、ポリエチレンテレフタレート、及びガラスの1つ又は組合せを含んでもよい。
【0032】
第四のパッケージ層27は、金属を含んでもよい。より具体的には、第四のパッケージ層は、アルミニウム、金、銀、白金、スズ、ニッケル、及び銅の1つ又は組合せを含んでもよい。第四の層27の金属は、約50オングストローム(Å)〜約360Å、約70Å〜約340Å、約100Å〜約320Å、又は約120Å〜約320Åの厚さを有してもよい。
【0033】
第五のパッケージ層28は、接着剤を含んでもよい。より具体的には、第五のパッケージ層28は、ポリエチレン、エチルビニルアセテート、エチレン酸コポリマー、エチルビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリウレタン、アクリル、ビニル、及びエチレンアクリル酸(EAA)他の1つ又は組合せを含んでもよい。
【0034】
第六のパッケージ層29は、プラスチックを含んでもよい。より具体的には、第六のパッケージ層29は、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、又はナイロンの1つ又は組合せを含んでもよい。この層は、いずれかの側上にインクによる印刷を有してもよい。
【0035】
第五のパッケージ層28は必要でないことがある。例えば、ポリプロピレン又はポリエチレンを含む第五のパッケージ層28が、第四のパッケージ層27に直接固着されてもよい(第四のパッケージ層が上で説明された繋ぎ層として作用する)。
【0036】
III.物質
物質30は、プラスチック層及び/又はゲル層が含まれるがこれらに限定されない多重層を含んでもよい。一実施形態では、図3に示すように、物質30は、3層からなってもよい。第一の物質層32は、プラスチックを含んでもよい。具体的には、第一の物質層32は、ポリプロピレン又はポリエチレンの1つ又は組合せを含んでもよい。
【0037】
第二の物質層34は、ゲルを含んでもよい。より具体的には、第二の物質層34は、ポリアクリル酸、メチルセルロース、ポロキサマー、ポリエチレンオキシド、又はポリビニルアルコールなどのヒドロゲル類の1つ又は組合せを含んでもよい。第二の物質層は、追加的に、過酸化物、フッ化物、又は抗菌剤などの活性物質の1つ又は組合せを含んでもよい。第二の物質層34は更に、溶媒を含んでもよい。溶媒は、水、エタノール、エチルアセテート、シリコン類、芳香剤他の1つ又は組合せであってもよい。過酸化物濃度は、約0.1%〜約30%、約1%〜約7%、約5%〜約11%、又は約6%〜約16%であってもよい。第二の物質のゲルは、「過酸化物基質」と呼ばれてもよい。第三の物質層36は、プラスチックを含んでもよい。より具体的には、第三の物質層は、ポリプロピレン、ポリエチレン、又はポリエチレンテレフタレートの1つ又は組合せを含んでもよい。
【0038】
IV.パッケージされた物質
物質30は、第一のパッケージ10、20の中に収容されてもよい(前記組合せは、本明細書において「パッケージされた物質」37)。物質30が過酸化物を含むパッケージされた物質37は、(40℃及び75%RHにおいて測定して)4ヶ月で約0.3%〜約8%の、4ヶ月で約0.6%〜約7%の、又は4ヶ月で約1%〜約6%のPDRを有してもよい。したがって、過酸化物を含むパッケージされた物質37は、約6ヶ月〜4年の間、約9ヶ月〜3年の間、約1年〜2年の間、(25℃及び60%RHにおいて測定して)約0.1%〜約30%、約1%〜約7%、約5%〜約11%、又は約6%〜約16%の過酸化物濃度を維持してもよい。約1〜約200の個々のパッケージされた物質を第二のパッケージの中に収容することができる。別の実施形態では、約10〜約90の個々のパッケージされた物質が第二のパッケージの中に置かれる。さらに別の実施形態では、約20〜約50の個々のパッケージされた物質が第二のパッケージの中に置かれる。さらに別の実施形態では、約70〜約90の個々のパッケージされた物質が第二のパッケージの中に置かれ、及びさらに別の実施形態では、約1〜約10の個々のパッケージされた物質が第二のパッケージの中に置かれる。
【0039】
V.パッケージのシステム
パッケージされた物質37は、図4に示されるように、第二のパッケージ40の中に収容されてもよい(前記組合せは、本明細書において「パッケージシステム」38)。第二のパッケージ40は、環境と物質30の間に追加的な(すなわち、第一のパッケージ10、20の他の)第二のバリアを形成してもよい。具体的には、第一のパッケージ10、20が、物質30に対して第一の環境を作り出し、第二のパッケージ40が、物質30に対して第二の環境を作り出す。第二のパッケージ40の環境は、第一のパッケージ10、20の環境のRHに影響を与えるように使用されてもよい。パッケージシステム38は、極端に乾燥した又は湿った地域において理想的なことがある。
【0040】
図4に示すように、パッケージシステム38は、水蒸気制御体44により制御された内部空間42を含んでもよい。水蒸気制御体44は、加湿体、乾燥剤、又は両方の組合せであってもよい。加湿体は、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、水、その他の、水溶液の1つ又は組合せであってもよい。乾燥剤は、シリカ、硫酸マグネシウム、炭酸カリウム他の1つ又は組合せであってもよい。別の方法としては、水蒸気制御体44は、条件次第で保湿剤及び乾燥剤の両方として作用する物質であってもよい(例えば、その物質及びシステムが、米国特許第5,936,178号(1997年6月10日出願)及び第6,244,432号(1999年8月9日出願)にて開示されている)。物質が水以外のエタノール、エチルアセテート、シリコン類、及び芳香剤が挙げられるがこれらに限定されない溶媒を含む場合、異なる溶媒蒸気制御体が使用されてもよく、活性炭、ゼオライト類、シクロデキストリン類、及びモレキュラーシーブ類が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、第一のパッケージ10、20内の相対湿度は、第一のパッケージ10、20を第二のパッケージ40の中に置いて第二のパッケージ40を閉止状態に封止することによって、水蒸気制御体を使用せずに維持されてもよい。第一のパッケージ10、20を取り囲む第二のパッケージ40の中の空間42は、第一のパッケージ10、20を通って第二のパッケージ40の空間42の中へ浸透してくる水蒸気が、満たすことができる。2つのパッケージは、平衡状態に達することができ、したがって、第一のパッケージから浸透可能な水蒸気量を制御することができる。
【0041】
パッケージシステム38は、(25℃において測定して)約60%の制御された内部RHを有することができる。パッケージシステムは、第二のパッケージの外部条件には関係無く、60%RHをパッケージされた物質内に維持する。
【0042】
パッケージシステムは、(25℃において測定して)約40%〜約75%のRHを有することができる。別の実施形態では、パッケージシステムのRHは、(25℃において測定して)約45%〜約55%とすることができ、さらに別の実施形態ではでは、約50%〜約60%とすることができる。このRHの維持により、パッケージされた物質からの水分損失量が安定化でき、ひいてはパッケージの環境が安定化できる。
【実施例】
【0043】
VI.実施例
A.第一のパッケージ
一実施形態では、第一のパッケージ10は、15.24μm(60ゲージ(ga))の配向性ポリプロピレン(OPP)の上に析出された300オングストローム(Å)のアルミニウム被膜を使用して作られる金属化膜フィルム又はシートを使用し、12.19μm(48ga)のポリエチレンテレフタレート(PET)外側プラスチックに、3.6kg(8 lb)の低密度ポリエチレン(LDPE)で積層して形成される。
【0044】
第一のパッケージ10のフィルム又はシートは、2つの区分に、上区分及び下区分に使用される。物質30が、第一のパッケージ10の下区分の上に位置合わせされる。第一のパッケージ10の上区分が、物質30及び第一のパッケージ30の下区分に当てられ、位置合わせされて全側辺を熱封着される。次に、この構造にスリットが入れられてから横切断されて、個々のパウチ閉じ込めシステムとなる。
【0045】
金属化フィルム又はシートの追加実施例を下表に開示する。
【表1】

【0046】
B.第一のパッケージ
別の実施形態では、第一のパッケージ20が、13.97μm(55ゲージ(ga))の配向性ポリプロピレン(OPP)の上に析出された300オングストローム(Å)のアルミニウム被膜を使用して作られる金属化膜フィルム又はシートに接着された17.78μm(70ゲージ)の配向性ポリプロピレン(OPP)の層を使用し、23.37μm(92ga)のポリエチレンテレフタレート(PET)外側プラスチックに、3.6kg(8 lb)の低密度ポリエチレン(LDPE)で積層して形成される。
【0047】
第一のパッケージ20のフィルム又はシートは、3つの区分に、上区分、中間区分、及び下区分に使用される。物質30が、第一のパッケージ20の下区分の上に位置合わせされる。第一のパッケージ20の上区分が、物質30及び第一のパッケージ30の下区分に当てられ、位置合わせされて全側辺を熱封着される。次に、この構造にスリットが入れられてから横切断されて、個々のパウチ閉じ込めシステムとなる。
【0048】
金属化フィルム又はシートの追加実施例を下表に開示する。
【表2】

【0049】
B.物質
物質30の例が、米国特許第6,136,297号(1998年3月17日出願)、第6,096,328号(1998年11月19日出願)、第6,045,811号(1997年6月6日出願)、第5,989,569号(1997年6月6日出願)、第5,894,017号(1997年6月6日出願)、第5,891,453号(1998年3月17日出願)、第5,879,691号(1997年6月6日出願)、第6,277,458号(1999年3月15日出願)、第6,461,158号(2000年8月14日出願)、及び第6,551,579号(2001年5月29日出願)、並びに米国特許出願公告2003/0211056(2003年4月9日出願)、及び2004/0120903(2003年9月10日出願)に記載されている。これらの同じ参考文献が、水蒸気透過層を含まない第一のパッケージ20の例も包含する。
【0050】
物質30及び第一のパッケージ10、20の追加例が、米国特許第5,376,006号(1992年9月24日出願)、第5,409,631号(1991年11月22日出願)、第5,746,598号(1996年9月27日出願)、第5,770,105号(1996年9月30日出願)、第6,730,316号(2002年11月5日出願)、第6,500,408号(2001年1月27日出願)、第6,503,486号(2002年2月22日出願)、第6,514,483号(2002年2月22日出願)、第6,419,906号(2001年3月12日出願)、第6,669,930号(2003年1月15日出願)、第6,770,266号(2002年5月24日出願)、第5,851,551号(1994年6月21日出願)、第6,689,344号(2002年9月13日出願)、第6,682,721号(2001年2月13日PCT出願)、第5,922,307号(1996年9月25日出願)、第6,331,292号(1998年11月16日出願)、第6,488,914号(2001年10月31日出願)、第6,517,350号(2001年3月5日出願)、第5,700,478号(1994年8月19日PCT出願)、第6,210,699号(1999年4月1日出願)、第5,948,430号(1997年8月1日出願)、第6,709,671号(2002年5月14日出願)、第6,284,264号(2000年8月2日出願)、第6,177,096号(1999年4月6日出願)、及び第5,948,430号(1997年8月1日出願)、並びに米国特許出願2003/0152528(2003年2月5日出願)、2003/0170308(2002年5月1日出願)、2004/0105834(2003年9月12日出願)、及び2004/0062724(2003年5月23日出願)に記載されている可能性がある。
【0051】
C.第二のパッケージ
水蒸気制御体44(例えば、ヒューミディパック社(Humidipak, Inc.)からのヒューミディパック(Humidipak)(登録商標))が、(厚紙又はOPPプラスチックで作製された)第二のパッケージ40の内側部分に固定され、約1〜約200の個々のパッケージされた物質37が、第二のパッケージ40の中に置かれる。第二のパッケージ40は、輸送及び消費者による使用までのために、収縮包装を用いて閉止及び封止される。
【0052】
VII.試験手順
A.過酸化物分析
物質中の過酸化水素濃度は、3層を有する物質について間接的なヨウ素還元滴定分析を用いて決定される。第一の層は基部プラスチック層であり、第二の層は過酸化水素を含むゲル層であり、第三の層は第二の層を覆うプラスチック層である。第三の層を第一の層から剥がして、第二のゲル層のかなりの部分がその上に存在するようにしてもよい。
【0053】
第二の層を含む第三の層を第一の層から剥がして、重量測定した250mlビーカーに入れる。全サンプルの重量を0.0001gの単位で記録する。電磁攪拌棒及び0.04N硫酸を100ml加えて、パラフィルム(parafilm)で覆う。最低限10分間、又は第二の層が第三の層から分離して見かけ上分散するまで、攪拌する。ヨウ化カリウム10%溶液を25ml及びモリブデン酸アンモニウム10%溶液を3滴追加して覆い、更に3分間攪拌する。50mlビュレットに標準的な0.03Nチオ硫酸ナトリウムを満たして、定常攪拌しながら、徐々にしかし一定に滴定する。淡い麦わら黄色になるまで滴定する。デンプン指示薬溶液を約1ml添加し、溶液が無色になるまで、攪拌しながら、1滴ごと滴定を続ける。終端点に到達するまでに使用された滴定液のmlを記録する。滴定の後、第三の層を滴定ビーカーから取り出して水ですすぎ、試験室拭き布で吸い取って乾燥させる。内容物を0.0001gの単位重量測定して記録する。第二と第三の層を合わせた試験前重量から第三層重量を引き算することにより、サンプル重量が決定される。過酸化水素パーセント(%H)が、次の式を使って計算される:
【数1】

【0054】
B.透湿度
ドライチャンバが、試験されるバリア材料により、既知の温度及び湿度のウェットチャンバから分離されている。ドライチャンバとウェットチャンバが、第一のパッケージが封入される拡散セルを構成する。第一のパッケージのサンプルを通して拡散する水蒸気が、ドライチャンバ内の気体と混合され、圧力調節された赤外線センサーへ送られる。このセンサーは、水蒸気により吸収された赤外線エネルギーの部分を測定して電気信号を作り出すものであり、信号の大きさが水蒸気濃度に比例する。次に、試験フィルムにより作り出された電気信号の大きさが、既知の水蒸気透過度の較正フィルムの測定により作り出された信号と比較される。この情報は、次に、試験された第一のパッケージのサンプルを通って水分が透過した速度を計算するのに使用される。ASTM F1249−01、被変調赤外線センサーの使用によるプラスチックフィルム及び金属裏張りを通る水蒸気透過度(Water Vapor Transmission Rate Through Plastic Film and Sheeting Using a Modulated Infrared Sensor)を参照のこと。
【0055】
第一のパッケージ、物質、第二のパッケージ、パッケージされた物質、及び/又はパッケージシステムに付随する効果が本発明の使用により提供されるであろうことを、言葉及び/又は絵により消費者に伝達する情報が、本発明に追加的に含まれてもよい。この情報は、他の類似製品に対する優位性の主張を包含することがある。したがって、情報と関係付けられたパッケージを使用すると、上で既述されたような特定の及び関連する効果が本発明の使用により提供されるであろうことが、言葉及び又は絵により消費者に伝達される。この情報には、例えば、全ての通常媒体での広告、並びにパッケージ上、又は第一のパッケージ、第二のパッケージ、パッケージされた物質、及び/若しくはパッケージシステムの要素上の、情報を消費者に伝える記述及びアイコンが含まれてもよい。
【0056】
「発明の詳細な説明」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。
【0057】
本発明の特定の実施形態を例示し説明してきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正は、付随する請求項に包含されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】第一のパッケージの分解された側断面図。
【図2】第一のパッケージの分解された側断面図。
【図3】物質の分解された側断面図。
【図4】第二のパッケージの上断面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯のホワイトニングのための、パッケージされた物質において、
少なくとも0.046g/m/24h[0.003g/100平方インチ/24h]の透湿度を有する水不透過性フィルムを含んだパッケージと、
前記パッケージの中に配置された物質であって、過酸化物及び水を含んだ、歯のホワイトニングのための物質と、
を含むことを特徴とする、パッケージされた物質。
【請求項2】
前記水不透過性フィルムが、0.046g/m/24h[0.003g/100平方インチ/24h]〜1.085g/m/24h[0.07g/100平方インチ/24h]の透湿度を有し、前記過酸化物の濃度が、前記物質の少なくとも0.1重量%である、請求項1に記載のパッケージされた物質。
【請求項3】
前記物質が、4ヶ月にわたって、40℃及び相対湿度75%において測定して6%未満からの過酸化物劣化速度を有する、請求項1に記載のパッケージされた物質。
【請求項4】
前記水不透過性フィルムが、金属層、ガラス層、プラスチック層、及びシリコン酸化物層から選択される、請求項1に記載のパッケージされた物質。
【請求項5】
前記金属層が、50Å〜300Åの厚さを有すると共に、アルミニウム、金、銀、白金、スズ、ニッケル、及び銅から選択される、請求項4に記載のパッケージされた物質。
【請求項6】
前記水不透過性フィルムが、第一の層及び第二の層を含み、前記第一の層が、ポリプロピレン、ポリエチレン、テフロン(登録商標)、セロファン、及び配向性ポリプロピレンから成る群から選択され、前記第二の層が、アルミニウム、金、銀、白金、スズ、ニッケル、及び銅から成る群から選択される、請求項1に記載のパッケージされた物質。
【請求項7】
第二のパッケージが前記パッケージされた物質を包囲してパッケージシステムを形成し、前記第二のパッケージは水蒸気制御体を含む、請求項1に記載のパッケージされた物質。
【請求項8】
前記水蒸気制御体が、加湿体、乾燥剤、及びこれらのいずれかの組合せから成る群から選択される、請求項7に記載のパッケージシステム。
【請求項9】
前記パッケージされた物質の前記パッケージは、溶媒蒸気の透過を許容する、請求項7に記載のパッケージシステム。
【請求項10】
前記パッケージされた物質の前記パッケージは、0.046g/m/24h[0.003g/100平方インチ/24h]〜1.085g/m/24h[0.07g/100平方インチ/24h]の速度での溶媒蒸気の透過を許容する、請求項9に記載のパッケージされた物質。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−540046(P2008−540046A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−512465(P2008−512465)
【出願日】平成18年5月17日(2006.5.17)
【国際出願番号】PCT/US2006/019057
【国際公開番号】WO2006/124983
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】