説明

パッシブマトリックスマルチカラー電子発光ディスプレイの駆動方法および装置

本発明は、パッシブマトリックスマルチカラー電子発光ディスプレイを駆動する方法であって、前記ディスプレイは、行と列に配列された複数の画素を含み、各前記画素は、それぞれ異なる第1および第2色を有する第1および第2画素を含み、前記方法は、前記画素のグループを順にディスプレイに駆動してマルチカラー画像フレームを表示する工程を含み、前記画素のグループの駆動は、それぞれ異なる第1および第2色を有する第1および第2画素の駆動を含み、前記駆動はさらに、前記サブグループのサブ画素の最大駆動レベルに応じて画素の前記グループを、継続期間駆動することを含むことを特徴とする方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子発光ディスプレイ、特に、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイの駆動のための装置、方法およびコンピュータープログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
有機金属LEDを含む有機発光ダイオードは、ポリマー、低分子化合物およびデンドリマーを含む材料を使用して、採用される材料に応じた色の範囲で製造することができる。ポリマー系有機LEDの例は、WO90/13148、WO95/06400およびWO99/48160に記載されており、デンドリマー系材料の例は、WO99/21935およびWO02/067343に記載されており、およびいわゆる低分子系装置の例はUS4,539,507に記載されている。典型的なOLED装置は、有機材料の2層を有し、そのうち1層は、発光ポリマー(LEP)、オリゴマーまたは発光低分子量材料のような発光材料であり、他の1層はポリチオフェン誘導体またはポリアニリン誘導体のような正孔輸送材料である。
【0003】
有機LEDは、単色または多色画素ディスプレイを形成するために画素のマトリックッス内の基板上に蒸着される。マルチカラーディスプレイは、赤、緑および青色発光サブ画素のグループを使用して作成される。いわゆるアクティブマトリックスディスプレイは、各画素に連接されるメモリ素子、通常は蓄積容量およびトランジスタを有し、パッシブマトリックスディスプレイはそのようなメモリを有せず、代わりに固定像の印象を与えるために繰り返しスキャンされる。他のパッシブディスプレイは、複数のセグメントが共通電極をシェアするセグメント化されたディスプレイを含み、1つのセグメントはたの電極に対して電圧を印加することによって発光する。単一セグメントディスプレイはスキャンする必要ないが、複数のセグメント領域を含むディスプレイにおいては、電極は複合化され(数を減らす)、次いでスキャンされる。
【0004】
図1は、OLED装置100の一例の垂直断面図を示す。アクティブマトリックスディスプレイにおいては、画素の一部は関連する駆動回路(図1aに示されない)によって占領される。装置の構造は、例示のために簡略化されている。
【0005】
OLED100は、基板102、通常0.7mmまたは1.1mmのガラス、任意に、透明プラスチックまたは他の実質的な透明な材料を有する。アノード層104は基板上に蒸着され、通常、約150nmの厚さのITO(インジウム錫酸化物)、その一部上に供給される金属接続層を含む。通常、接続層は約500nmのアルミニウム、またはクロム層の間に挟まれたアルミニウム層を有し、これはしばしばアノード金属と呼ばれる。ITOで被覆されたガラス基板および接続金属はCorning,USAより入手可能である。ITO上の接続金属は抵抗が減少した通路を提供するのを助け、そこではアノード接続、特に、装置への外部接続は透明である必要はない。接続金属は、必要とされない場所、特に、そうでしなければディスプレイを覆う場所では、フォトグラフィーおよびこれに続くエッチングによってITOから除去される。
【0006】
実質的に透明な正孔輸送層106は、アノード層の上に蒸着され、続いて、電子発光層108およびカソード110が蒸着される。電子発光層108は、例えば、PPV(ポリ(p−フェニレンビニレン)を含むことができ、およびアノード層104と電子発光層108の正孔エネルギーレベルの適合を助ける正孔輸送層106は、導電性透明ポリマー、例えば、AG of Germanyから入手可能なPEDOT:PSS(ポリスチレン−スルホネート−ドープポリエチレン−ジオキシチオフェン)を含むことができる。典型的なポリマー系装置においては、正孔輸送層106は約200nmのPEDOTを含むことができ、発光ポリマー層108は通常約70nmの厚さである。これらの有機層はスピンコート(その後不要な部分はプラズマエッチングまたはレーザー研磨によって除去する)またはインクジェット印刷によって蒸着される。この後者の場合、バンク112は、有機層が中に蒸着されるウェルを規定するために、例えば、フォトレジストを使用して基板上に蒸着される。
【0007】
カソード層110は、通常、厚いアルミニウムのキャップ層で覆われたバリウム(例えば、物理蒸着で蒸着される)のような低仕事関数の金属から構成される。電子エネルギーレベルの適合の改良のために、弗化バリウムのような任意の追加の層が電子発光層に直接隣接して供給される。カソード線の相互の電気的な隔離は、カソード分離器を使用して達成または増強される(図1aに示されない)。
【0008】
同じ基本構造が低分子およびデンドリマー装置に適用される。通常、多くのディスプレイが単一基板上に形成され、製造プロセスの最後には、基板は切断され、分離されたディスプレイには、酸化および湿気の浸入を防ぐためにカプセル缶が付着される。
【0009】
OLEDを照明するために、図1aの電池118で表される電力がアノードとカソードの間に適用される。図1aで示される例においては、光が透明アノード104および基板102を通過し、カソードは一般的に反射性であるこのような装置は「底面発光体」と呼ばれる。カソードを通過して放射する装置(上面発光体)の製造することができ、カソードが実質的に透明になるようにカソード層110の厚さは約50〜100nm未満に維持される。
【0010】
上記の記載は、本発明の応用例の理解を容易にするために、単に、OLEDの1つのタイプの例示に過ぎない。Novaled GmbHにより製造されるようなカソードが底面にある逆さの装置を含めて各種のOLEDがある。さらに、本発明の応用例は、ディスプレイ、OLEDまたはその他に限定されない。
【0011】
有機OLEDは、単色または多色画素ディスプレイを形成するために、画素のマトリックス中の基板に蒸着される。マルチカラーディスプレイは、赤、緑および青色発光画素のグループを使用して形成される。このような装置において、個々の素子は画素を選択するために行(または列)を作動することによってアドレスされ、画素の行(または列)が書き込まれ、表示を生成する。いわゆるアクティブマトリックスディスプレイは、各画素と連結されるメモリ素子、通常は蓄積容量とトランジスタを含み、パッシブマトリックスディスプレイはこのようなメモリ素子を有さず、その代わり、固定画像の印象を与えるために、TV画像にいくぶん似て、繰返しスキャンされる。
【0012】
図1bを参照すると、同じ番号は同じ構成要素を表し、これはパッシブマトリックスOLEDディスプレイ装置150を貫通した簡略断面図を示す。示されるように、正孔輸送106および電子発光108層が、アノード金属およびカソード層110でそれぞれ規定される相互に直角なアノード線およびカソード線の交差部において複数の画素152に再分割される。図において、カソード層110において定義される導電線154は頁を突き抜け、カソード線に対して直角に走る複数のアノード線の1つの断面図が示されている。カソードおよびアノード線の交差部における電子発光画素152は関連する線の間に電圧を印加することによりアドレスされる。アノード金属層104はディスプレイ150に対して外部接続部を提供し、OLEDに対する(アノード金属リード上にカソード層パターンを走らせることによって)アノードおよびカソード接続として使用される。上記のOLED材料、特に、発光ポリマーおよびカソードは、酸化および湿気に対して敏感であり、したがって、装置は金属缶にカプセル化され、UV硬化エポキシ接着剤113によってアノード金属層104に付着され、接着剤中のビーズが金属缶との接触および短絡を防止する。
【0013】
次に、図2を参照すると、これは、概念的に、図1bで示されるタイプのパッシブマトリックスOLEDディスプレイ150の駆動配列を示す。一定の電流生成器200が供給され、それぞれ供給線202および複数のカラム線204の1つに接続されるが、そのうちの1つだけが明確化のために示されている。複数の列線206(そのうち1つだけが示される)もまた供給され、これらはそれぞれ選択的にスイッチ接続210によってグランド線208に接続されている。示されるように正の供給電圧が線102に供給され、列の線204はアノード接続158を有し、行の線206はカソード接続154を有する。ただし、電力供給線202がグランド線に関して負である場合は接続が逆になる。
【0014】
図示されるように、ディスプレイの画素212は適用される電力を有し、したがって照明される。行のための画像接続の生成は、完全な行がアドレスされるまで各列の線がそれぞれ順に作動されて、次いで次の行が選択され、このプロセスが繰り返される。しかしながら、好ましくは、個々の画素をより長く留め、これによって全体の駆動レベルを減らすために、列が選択され、全ての書き込まれた列は並行であり、すなわち、列の各画素を望まれる輝度で照明するために各列の線に同時に電流が駆動される。列の各画素は、次の列が選択される前に順にアドレスされるが、特に、列の容量の効果のため、これは好ましくない。
【0015】
当業者は、パッシブマトリックスOLEDディスプレイにおいて、どの電極を行電極と標識し、どの電極を列電極と標識するかは任意であり、本明細書において、「行」および「列」は相互に取り替えて使用することができる。
【0016】
装置を貫通して流れる電流は生成する光子の数を決め、OLEDの輝度はこれよって決まるので、電圧制御駆動でなく電流制御駆動が提供されることが通常である。電圧制御の設定においては、時間、温度および寿命と共にディスプレイの面積にわたって変わり、任意の電圧によって駆動されるとき画素がどの程度の輝度を生じるかを予測することは困難である。カラーディスプレイにおいては、色表現の正確さも影響を受ける。
【0017】
画素の輝度を変える従来の方法は、Pulse Width Modulation (PWM)を使用して画素をオンタイムで変える方法である。従来のPWMスキームにおいては、画素は完全にオンか完全にオフかどちらかであるが、画素の明瞭な輝度は観察者の目の中の総合なので変化する。他の方法は画素駆動電流を変えることである。
【0018】
図3は、従来技術のパッシブマトリックスOLEDディスプレイのための一般的な駆動回路の概略図300を示す。OLEDディスプレイは、破線302で示されており、列電極接続306を有する対応する列の線304および複数の列電極接続310を有する複数の列の線308を含む。OLEDは各対の列および行の線間に接続され、図示された配列においては、列の線に接続されたアノードを有する。y−ドライバー314は一定に電流で列の線308を駆動し、x−ドライバー316は列の線を選択的にグランドに接続して、列の線304を駆動する。y−ドライバーとx−ドライバーは通常、プロセッサー318のコントロール下にある。電力供給320は電力を回路、特にy−ドライバー314に供給する。
【0019】
OLEDのいくつかの例は、US6,014,119、US6,201,520、US6,332,661、EP1,079,361AおよびEP1,091,339Aに記載されており、MWPを搭載したOLEDディスプレイ駆動包括回路は、Clare,Inc.,Beverly,MA,USAから市販されている。改良されたOLDディスプレイのドライバーのいくつかの例は出願人の共同出願WO03/079322およびWO03/091983に記載されている。特に、本明細書において引用例として組み込まれるWO03/079322は改良されたコンプライアンスを有するデジタル制御プログラム電流生成機について記載している。
【特許文献1】米国特許第6,014,119号明細書
【特許文献2】国際公開03/079322号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
OLEDディスプレイの寿命および/または電力消費を改良する一般的な必要性がある。特に、マルチカラーOLEDディスプレイにおいては、一般的にディスプレイのサブ画素に使用される赤、緑および青色発光材料は、異なる効率および異なる速度の寿命を有し、通常、青色サブ画素は赤および緑色サブ画素より早く寿命に達する。したがって,これらの問題を緩和させるためのOLEDを駆動するために改良された技術が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0021】
したがって、本発明の第1の側面によれば、パッシブマトリックスマルチカラー電子発光ディスプレイを駆動する方法が提供され、このディスプレイは、行と列に配列された複数の画素を含み、各前記画素は、それぞれ異なる第1および第2色を有する第1および第2画素を含み、前記方法は、前記画素のグループを順にディスプレイに駆動してマルチカラー画像フレームを駆動し、前記画素のグループの駆動は、それぞれ異なる第1および第2色を有する第1および第2画素の駆動を含み、前記駆動はさらに、前記サブグループのサブ画素の最大駆動レベルに応じて画素の前記グループを継続して駆動することを含む。
【0022】
画素のグループは、従来のライン−スキャンパッシブマトリックスOLEDディスプレイにおけるディスプレイの列または行に対応する画素のラインを含むことができ、その画素のグループは、本明細書に引用例として組み込まれる出願人のUK特許出願、例えば、No.0501211.7(優先日2004年9月30日)およびNo.0428191.1(出願日2004年12月23日)マルチ−ラインまたは「トータルマトリックス」アドレッシング(MLAまたはTLA)スキームに基づいて駆動されるディスプレイにおける可変ディスプレイの継続時間を有する一時のサブフレームを含む。
【0023】
いくつかの好ましい実施態様において、継続時間は単一カラーサブ画素のサブ画素の最大駆動レベル、例えば、画素の各グループの青色サブ画素のサブグループの最大駆動レベルに依存する。したがって、画像フレームを表示するために画素のグループの駆動は、好ましくは、例えば、ラインスキャン間隔の一組またはサブフレームディスプレイ間隔の一組を含むフレーム期間中の駆動を含む。次いで、フレーム期間は、画素の各グループのための選択されたサブ画素(例えば、青グループ)の最大駆動レベルに比例した各ラインまたは一時的なサブフレームのような画素の各グループを駆動する期間に分割される。駆動は、これらフレーム期間の分割に応じて画素のグループを駆動することを含む。
【0024】
このような実施態様は、最も敏感な画素要素、通常、青色サブ画素の消耗速度を減らし、これによってディスプレイ全体の寿命を延ばすのに役立つ。大まかに言えば、任意の画素(ラインまたはサブフレーム)が特定の色、例えば青のための減少したピークの明るさを有する場合、画素のこのグループは相対的に短い時間駆動され、高い明るさピークを有する画素のグループはより長く駆動される。このようにして、人間の観察者にとっては、青色の明るさのレベルは実質的に望まれるものであるが、フレーム期間内において、画素のグループが駆動される期間を調整または平均化することによって、より長い期間にはより低い明るさピークを使用して、これは達成されてきた。
【0025】
上記の技術は、青色サブ画素の寿命を増大させるのに特に有益である。しかしながら、この方法の実施態様は他の目的のために適用されることができ、例えば、赤色サブ画素はより高い明るさで効率が減少する傾向にあり、したがって、同様の技術を適用して(明るさのピークに対応して画素のグループのオンタイムを計る)、ディスプレイの全体の電力消費を減少できる。
【0026】
他の関係する実施態様においては、画素のグループが駆動される継続時間は、複数のサブ画素の最大駆動レベルの重量組み合わせ、例えば、赤色サブ画素のサブグループの最大駆動レベル/または緑色サブ画素のサブ画素の最大駆動レベルおよび/または青色サブ画素のサブグループの最大駆動レベルの重量組み合わせに依存する。したがって、上記と同様の方法において、フレーム期間は重量組合せおよびこれにしたがって駆動される画素にグループに比例して分割される。
【0027】
上記の実施態様において、サブ画素の1または2以上のサブグループの駆動は、サブグループの駆動のための決められた継続時間に応答するように調整される。これは、赤および/または緑および/または青色電流または電圧参照のようなサブ画素の1組に共通の参照電流源のような参照レベルを調整することによって便利に調整される。したがって、例えば、サブ画素のサブグループの参照レベルはサブグループを含む画素のグループの駆動時間の増加(画素の各グループの等しい駆動時間によって定義される基準と比較しての減少/増加)に比例して減少することができる。したがって、好ましくは、3色の各駆動、より特定的には、参照レベルは、画素グループの駆動時間の調整のための補償をするグループ(ラインまたはサブフレーム)ごとに調整される。
【0028】
上記の方法の好ましい実施態様において、マルチカラー電子発光ディスプレイはOLEDディスプレイを含む。
【0029】
本発明は、上記の方法およびディスプレイドライバーを実施するプロセッサーコントロールコードを有するキャリアー媒体を提供する。このコードは、従来のプログラムコード、例えば、Cのような従来のプログラム言語(解釈または従う)またはアセンブリコード、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field Programming Gate Array)の開始または制御のためのコード、またはVerilog(商標)またはVHDL(Very high speed integrated circuit Hardware Description Language)のようなハードウェア記述言語のためのコードを含む。キャリア媒体は、ディスクまたはプログラムメモリー(例えば、Flash RAMまたはROMのようなファームウェア)または、光学または電気信号キャリアのようなデータキャリアを含む。
【0030】
本発明は、さらに上記のディスプレイ駆動方法の実施態様を実施するために方法を含む。
【0031】
したがって、関連の側面において、本発明はパッシブマトリックスマルチカラー電子発光ディスプレイのためのドライバーを提供し、このディスプレイは行および列に配列された複数の画素を含み、各画素はそれぞれ異なる第1および第2色を有する第1および第2画素を含み、前記ドライバーは、前記画素のグループを順番にマルチカラー画像フレームを表示するように駆動させるための手段、それぞれ前記第1および第2カラーのサブ画素の第1および第2グループの駆動を含む画素のグループの駆動、および前記サブグループのサブ画素の最大駆動レベルに応じた継続時間画素の前記グループを駆動するための手段を含む。
【0032】
さらに関連した側面において、本発明は、パッシブマトリックスマルチカラー電子発光ディスプレイのドライバーを提供し、このディスプレイは行と列に配列された複数の画素を含み、各前記画素はそれぞれ異なる第1および第2色を有する少なくとも第1および第2サブ画素を含み、前記ドライバーは、ディスプレイの画像データを受け取るためのデータ入力、前記データ入力に結合されて前記ディスプレイを駆動するためのディスプレイ駆動出力を有するディスプレイ駆動システムであって、マルチカラー画像フレームを表示するために前記画素のグループを順に駆動するためのディスプレイ駆動信号を出力するように設計されており、画素のグループの前記駆動はそれぞれ前記第1および第2色の第1および第2サブ画素の駆動を含むディスプレイ駆動システム、および前記ディスプレイ駆動システムに結合された駆動時間消費システムであって、前記サブグループのサブ画素の最大駆動レベルに応じた継続時間に画素の前記グループを駆動する前記ディスプレイ駆動システムを制御するように設計された駆動時間消費システムを含む。
【0033】
他の側面において、本発明は列と行に配列された複数の画素を有する電子発光ディスプレイの駆動方法を提供し、前記方法は、表示画像を生成する行および列信号の連続した組によるディスプレイの駆動を含み、信号のそれぞれの組は、ディスプレイの複数の列および行の画素が同時に駆動される表示された画素のサブフレームを規定し、前記サブフレームは前記表示された画像を生成するために結合し、前記方法は、前記サブフレームの画素の最大駆動レベルに応じた継続時間でサブフレームのための前記一組の信号による前記ディスプレイを駆動することをさらに含む。
【0034】
実施態様において、1つのサブフレームはマルチカラーOLEDディスプレイの色ごとに導入される。
【0035】
関連する側面において、本発明は、列および行に配列された複数の画素を有する電子発光ディスプレイを駆動するためのドライバーを提供する。このドライバーは、ディスプレイの画像データを受信するデータ入力、前記データ入力に結合され前記ディスプレイを駆動するためのディスプレイ駆動出力を有するディスプレイ駆動システムであって、表示された画像フレームを形成するために列および行の信号の連続的な組によってディスプレイを駆動するディスプレイ駆動信号を出力するように設計されており、信号のそれぞれの組は、ディスプレイの複数の列および行の画素が同時に駆動される表示された画素のサブフレームを規定し、前記サブフレームは前記表示された画像を生成するために結合し、および前記ディスプレイ駆動システムに結合される駆動時間消費システムであって、前記サブフレームに画素の最大駆動レベルに応じた継続時間でサブフレームのために前記一組の信号で前記ディスプレイ駆動システムを制御して前記ディスプレイを駆動する駆動時間消費システムを含む。
【0036】
本発明のこれらおよび他の側面は、図面を参照して例示の目的としてさらに説明される。
【0037】
マルチラインアドレス(MLA)法
マルチラインアドレス(MLA)法の概要を説明することは本発明の理解に役立つ。
【0038】
大まかに言って、MLA法は、列の電極が駆動されるに応じて2または3以上の列電極を同時に駆動する、またはより一般的には、単一ラインのスキャン期間ではなく複数のラインのキャン期間において必要とされる各行(ライン)の発光プロフィールが形成されるように行および列を同時に駆動するものである。したがって、各ラインのスキャン期間の間の画素駆動は減少し、これによってディスプレイの寿命を延ばし、および/または駆動電圧の減少および容量損失の減少により電力消費を減らす。これは、OLEDの寿命は画素駆動(発光)を通常電力1および2まで減らすが,観察者に同じ明るさを提供するのに画素が駆動されなければならない時間の長さは画素駆動の減少に伴い実質的に直線的に増加するためである。MLAによって提供される利点の程度は、共に駆動されるラインのグループ間の相互関係に部分的に依存する。出願人は、総マトリックス法として全ての列が共に駆動される方法に言及する。
【0039】
図4aは、1つの時点で1つの列が駆動される従来の駆動スキームのG行、F列および画像Xマトリックスを示す。図4bは、マルチラインアドレススキームの行、列および画像マトリックスを示す。図4cおよび4dは、表示された画像の典型的な画素、前記画素の輝度、またはフレーム期間中等しい前記画素の駆動において、マルチアドレスによって達成される画素駆動のピークの減少を示している。
【0040】
一般的に、列および行の駆動信号は、対応する電極によって駆動されるOLED画素(またはサブ画素)の望まれる輝度は駆動信号によって決められる輝度の実質的な直線的総計によって得られる、我々は、決められた列駆動信号に基づく2またはそれ以上の行間の列電流駆動信号を分割する制御可能な電流分割機について以前記載した(2004年9月30日出願の英国特許出願第0421711.3号)。
【0041】
ディスプレイの信号映像データを決めることはマトリックスとして考えられ、1つは行駆動信号を決め、他は列駆動信号を決める2つの要因のマトリックスの結果にファクトライズされる。ディスプレイはこれらのマトリックスによって決められる連続的な行と列の信号の組によって駆動されて、表示された画像を形成し、信号の組はそれぞれ最初のファクトライズマトリックスと同じ大きさの表示された画像のサブフレームを規定する。ラインスキャン期間(サブフレーム)の総数は、多数のサブフレーム中の輝度を平均化するだけで利点が得られるので、従来のライン・バイ・ラインスキャンに比較して必ずしも減らす必要はない。
【0042】
好ましくは、非−ネガティブマトリックスファクトリゼーション(NMF)が導入され、画像マトリックスX(非−ネガティブ)は、XがFおよびGの結果にほぼ等しくなり、FおよびGはその要素が全て0以上になるようにFおよびGのマトリックスの対にファクトライズされる。典型的なNMFアルゴリズムは、反復的にFおよびGをアップデートして、XおよびFG間の四角Euclidean距離のようなコスト関数を最小化することを意図して概算を改良する。非−ネガティブマトリックスファクトリゼーションは、このようなディスプレイは「ネガティブ」発光を生成するように駆動されることはできないので、電子発光ディスプレイの駆動には有利である。
【0043】
NMFファクトリゼーション手法は、図4eに図式的に示されている。マトリックスFおよびGは画像データの直線的概算のための基礎を規定するものとして見なされ、画像は一般的に純粋にランダムなデータよりいくつかの固有の相互関連性のある構造を含むので、多くの場合、相対的に少ない数のべクトルによって良好な表現が達成される。カラーディスプレイのカラーサブ画素は3つの分離された画像プレーンまたは単一プレーンとしての集合として扱われる。表示された画像の輝度領域が単一方向に、ディスプレイの上から下に一般的に照明されるように要因マトリックス中のデータを分類することによってフリッカーを減らすことができる。
【0044】
図4fは、NMFを使用して画像を表示するための例示の手法のフローチャートを示す、この手法は、最初にフレーム画像マトリックスXを読み取り(工程S400)、次いで
NMFを使用してこの画像マトリックスを要因マトリックスFおよびGにファクトライズする(工程S402)。次いで、この手法は、工程404においてAサブフレームでディスプレイを駆動する。工程406はサブ−フレーム駆動手法を示す。
【0045】
サブ−フレーム手法はG−列aを設定する。→Rは行ベクトルRを形成する。これは、図5bの列駆動配線によって、自動的に単一にノーマライズされ、したがって、スケール要因x,R←xRは要素の合計が単一になるようにRのノーマライズによって導かれる。同様に、Fにおいて、行a→Cは列ベクトルCを形成する。これは最大要素値が1となるように決められ、スケール要因y,C←yCを与える。フレームスケール要因F=A/Iが決められ、参照電流は、Iref=I・f/xyによって設定される。この式で、Iは、従来の1時点スキャンラインシステムにおける最大輝度に必要とされる電流であり、xおよびy要因は、駆動配線(省略される他の駆動配線と共に)よって導入されるスケール効果を補償する。
【0046】
これに続いて、工程S408において、図5bに示されるディスプレイドライバは総フレーム期間の1/Aの間ディスプレイのC列およびディスプレイのR行を駆動する。これは各サブフレーム期間繰り返され、次いで、次のフレームのためのサブフレームが出力される。
【0047】
図4gを参照すると、例のNMF手法はGおよびFのプロダクトがXの平均値に等しくなるようにFおよびGを初期化することによって開始する(工程S410)。Xaverageは次のとおりである。
【数1】

【0048】
関連した画像の連続性のために、FおよびGの既知の値が使用される。小さく書かれた字は行および列の数をそれぞれ示す。低いケースの字は単一に選択された行または列(例えば、A列の1つ)を示す。1は、単一マトリックスである。
【0049】
好ましくは、工程S410の前のプレ−プロセス工程(図示しない)として、空白の行および列がフィルター化される。
【0050】
この手法の全体的な目的は、FおよびGの値を次のように決めることである。
【数2】

【0051】
我々が記載する手法は、一時点におけるGの単一列(a)およびFの単一行(a)を駆動し、全ての列−行対、a=1からa=Aまで(S412)を通して工程する。したがって、この手法、Gの列およびFの行において、選択された列−行対のために最初に余剰のRIUを計算する。この余剰は、目標値XIUと選択された列/行を除いたGおよびFの全ての他の行および列の結合した貢献の総計の差を有する。
【数3】

【0052】
GおよびFの選択された列−行対aのそれぞれにおいて、4hにおいてダイアグラムとして図示したように、この目的は選択された列−行の対の貢献を余剰のRIUに等しくすることである。数式で示すと、この目的は次のとおりである。
【数4】

【0053】
上記式において、RIUは,muxレートAを有するIxU画像サブフレームを定義する(Aサブフレームは完全なIxU表示画像に貢献する)。
【0054】
等式(4)はGの選択された列aのI要素Giaのそれぞれ、およびFの選択された行aのU要素FaUのそれぞれのために解かれる(工程S416)。解はコスト関数に依存する。例えば、式(4)において最小二乗法(Euclideanコスト関数)を行うと、左辺にFaUaU(これは、両辺をこれによって割る場合にマトリックス変換を必要としないスカラー値である。)を乗じ、右辺にFaUを乗じ、Gjaが直接計算される。
【0055】
Euclideanコスト関数の解は次のとおりである。
【数5】

【0056】
非−ネガティブ制限を提供するために、工程S418において、0未満であるGiaおよびFaUは0(または小さい値)に設定される(要素RIUは負であってよい)。
【0057】
好ましくは(しかし、必須ではない)、0(または無限大)で割ることを防ぐため、GiaおよびFaUの値は上限および/または下限が、例えば、0.01または0.001および10または100に制限され、これらは目的に応じて変化される(工程S420)。
【0058】
任意に、しかし好ましくは、次いでこの手法は、例えば、既定の繰返し数、繰り返される(工程S422)。
【0059】
さらに詳細には、2004年12月23日に出願されたUK特許出願第0428191.1を参照されたい。
【0060】
色寿命がバランスされた変化し得るスキャン時間駆動
1つの変化し得るスキャン時間駆動手法においては、ラインまたはサブ−フレームスキャン時間は色に関係なくサブ画素の発光ピークに比例する。これは最悪の場合の駆動レベルのピークを減らし、これによってディスプレイの寿命を延ばす。しかしながら、この手法の発展において、ラインまたはサブ−フレームスキャン時間は最も(劣化)敏感な色画素要素の発光によって決められるか比例し、この目的は、最悪の場合のサブ−画素の劣化を最小にすることである。実施態様において、ラインまたはサブ−フレームスキャン時間が次の式で決められるように、各サブ−画素のために異なる色の重要性因子が導入される。
【数6】

それぞれのサブ画素駆動レベルR、G、Bの重要性因子x、y、zは、サブ−画素の色および/またはサブ画素の色の効率によって経験される寿命(劣化)によって決められる。
【0061】
あるいは、他の重要性結合である次式が導入され得る。
【数7】

【0062】
実施態様において、もし全ての色が等しく敏感であるならば、色重要性因子は同じであり、互いに効果的に相殺する。しかしながら、非常に敏感な青色については、例えば、青色サブ画素の重要性因子が支配し、ラインまたはサブ−フレーム時間は青色サブ画素発光によって大きく影響する。青、赤および緑色材料の特別な組合せについては、最適な増加要因(これは、例えば、通常の実験によって決められる)は劣化を最小化する目的で駆動コントローラーに事前にプログラムされる。各色の参照電流は、ラインまたはサブ−フレームの駆動電流のピークが全てのラインまたはサブーフレーム(任意の色において)で同じになるように駆動を決めるためにラインごとまたはサブフレームごとに変えられる。したがって、この手法の好ましい実施例は、独立した電流駆動参照値が赤、緑および青色サブ画素に提供されるシステムで実施される。
【0063】
1つの実施態様において、ラインまたはサブフレーム時間は、次のように、1つのラインまたはサブ−フレームの間に存在する青色発光のピークに比例して決められる。
【数8】

あるいは、この等式は、発光ピークに画素の色に依存する重要性因子を乗じた値に比例してラインまたはサブ−フレーム時間を決めるように変形することができる。
【0064】
下記の表1は、一連の仮想のフレームの各色(赤、緑、青)の発光ピークを表す数字の例を示している。
【表1】

【0065】
等しい時間において各サブ−フレームのスキャニングは総(フレーム)時間の1/3に割り当てられ、青色の寿命(劣化)は下式に比例する。
【数9】

【0066】
しかしながら、色重視スキャニングにおいては、例えば、高い重要性のために青色発光が支配する場合、3つのサブ−フレームのサブ−フレーム時間は下記の表2に示される。
【表2】

【0067】
この場合、青色寿命(劣化)は下式に比例する。
【数10】

【0068】
したがって、この例において、青色サブ画素の寿命(劣化)は約7%減少する。
【0069】
図5aは、本発明の実施例を実行するために適切なパッシブマトリックスOLEDドライバー500の実施例の概略図を示す。
【0070】
図5aにおいて、図3を参照した例に似たパッシブマトリックスOLEDディスプレイ行ドライバー回路512によって駆動される列電極306および列ドライバー510によって駆動される列電極310を有する。行および列ドライバーの詳細は図5bに示されている。列ドライバー510は、電流駆動を1または2以上の電極に設定し、赤/緑/青参照電流を制御するための列データ入力509を有する。同様に、行ドライバー512は電流駆動を列に設定するため、MLA実施例においては、電流駆動比を2または3以上の行に設定する行データ入力511を有する。好ましくは、入力509および511はインターフェースの容易化のためデジタル入力であり、好ましくは、列データ入力509はディスプレイ302の全てのU列の電流駆動を設定する。
【0071】
ディスプレイのデータは直列または並列のデータおよびコントロールバス502に提供される。バス502はディスプレイの各画素のための発光データ、またはカラーディスプレイにおいては各サブ画素のための発光情報(これは、分離されたRGB色信号としてまたは発光およびクロミナンス信号または他の方法において)を蓄積するフレーム蓄積メモリ503に入力を供給する。フレームメモリ503に蓄積されたデータはディスプレイの各画素(またはサブ画素)の望まれる輝度を決定し、この情報はディスプレイ駆動プロセサー506によって第2に読み取りバス502の手段により読みとられる。
【0072】
ディスプレイ駆動プロセサー506は、ハードウェア中に、または、例えば、デジタル信号プロセッシングコアまたは使用してソフトウェア中に、または、例えば、マトリックスの操作を速めるための専用のハードウェアを導入したソフトとハードの組合せ中に完全に提供される。しかしながら、一般的に、ディスプレイ駆動プロセサー506は、クロック508のコントロール下およびワーキングメモリ504と結合して作動しながら、蓄積されたプログラムコードまたはプログラムメモリ507に蓄積されたミクロコードの手段によって少なくとも部分的に実行される。例えば、ディスプレイ駆動プロセサーは、従来のプログラム言語で書き込まれた標準のデジタル信号プロセサーおよびコードを使用して実行される。プログラムメモリ507のコードはディスプレイのラインごとのレーザースキャニングまたはマルチラインアドレス法によって、どちらの場合も上述したように調整可能なラインまたはサブフレーム期間実行するように設計されており、データキャリアまたはリムーバブル蓄積507a供給される。
【0073】
図5bは、例えば、赤/緑/青色参照電流が、ラインまたはサブ−フレーム「スキャン」時間に比例して変化する変動参照電流を有する駆動ディスプレイ302に適した列および行ドライバーを示す。例示されたドライバーも、MLAスキームの因数化画像マトリックスを有数するディスプレイ302の駆動に適している。
【0074】
列ドライバ510は、共に集合されており、それぞれの列電極に電流を流すための可変参照電流Lrefが供給される一組の実質的に一定の電流源1002を有する。この参照電流は、図4eのマトリックスFの行aのような因子マトリックスの行から導かれる各列のための異なる値によって調整されるパルス幅である。
【0075】
行ドライバー512は、プログラム可能な電流ミラー1012、好ましくはディスプレイの各行、または同時に駆動される行のブロックの各行のための1つの出力を有する。行駆動信号は、図4eのマトリックスGの列aのような因子マトリックスの列から導かれる。さらに詳細な適切なドライバーは、出願人の共同出願UK特許出願No.0421711.3(2004年9月30日出願)に見出すことができる。他の配列において、OLED画素、特にPWMに対する駆動を変える手段は追加的にまたは代替的に導入される。
【0076】
多くの効果的な代替があり得ることは当業者に疑いない。例えば、ディスプレイ駆動ロジック506は、専用のロッジックにおいてよりソフトウェアの制御のもとにマイクロプロセサーを使用して実行されるか、またはプロセサーと専用ロジックの組合せが導入される。マイクロプロセサーが導入される場合、フレームメモリ504は、他の装置に対するディスプレイに単純にインターフェースするように2重ポートであることが好ましいが、バス502および505は共有されるアドレス/データ/制御バスに結合される。
【0077】
本発明は記載される実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の精神および範囲内にある当業者に明らかな改良も包含するものと理解される。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1a】OLED装置の断面図を示す。
【図1b】パッシブマトリックスOLED装置の簡略断面図を示す。
【図2】パッシブマトリックスOLEDディスプレイの駆動配列を概念的に示す。
【図3】公知のパッシブマトリックスOLEDディスプレイドライバーのブロック図を示す。
【図4a】従来の駆動装置における行、列およびマトリックスを示す。
【図4b】マルチアドレス駆動スキームにおける行、列およびマトリックスを示す。
【図4c】従来の駆動装置における対応する輝度曲線を示す。
【図4d】マルチアドレス駆動スキームにおける輝度曲線を示す。
【図4e】画素マトリックスのNMF因子化の概略図を示す。
【図4f】画素マトリックス因子化を使用したディスプレイの駆動方法のフローチャートを示す。
【図4g】NMF手法のフローチャートを示す。
【図4h】図4eのGおよびFマトリックスの選択された行および列の掛け算を示す。
【図5a】本発明の1つの側面を実施するディスプレイドライバーを示す。
【図5b】図4eのマトリックスを使用するディススプレイを駆動するための行および列駆動の配置例を示す。
【符号の説明】
【0079】
100 OLED装置
102 基板
104 アノード
106 正孔輸送層
108 電子発光層
110 カソード
111 金属缶
112 バンク
113 接着剤
118 電池
150 OLEDディスプレイ
152 電子発光画素
154 カソード接続
158 アノード線
200 電流生成器
202 供給線
204 列線
206 行線
208 グランド線
210 スイッチ接続
302 OLEDディスプレイ
304 行の線
306 行電極
308 列の線
310 列電極接続
314 y−ドライバー
316 x−ドライバー
318 プロセッサー
320 電力源
502 コントロールバス
503 フレームメモリ
504 ワーキングメモリ
506 ディスプレイ駆動プロセッサー
507 プログラムメモリ
508 クロック
509 列データ入力
510 列ドライバー
512 行ドライバー
1002 電流源
1012 電流ミラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッシブマトリックスマルチカラー電子発光ディスプレイを駆動する方法であって、前記ディスプレイは、行と列に配列された複数の画素を含み、各前記画素は、それぞれ異なる第1および第2色を有する第1および第2画素を含み、前記方法は、前記画素のグループを順にディスプレイに駆動してマルチカラー画像フレームを表示する工程を含み、前記画素のグループの駆動は、それぞれ異なる第1および第2色を有する第1および第2画素の駆動を含み、前記駆動はさらに、前記サブグループのサブ画素の最大駆動レベルに応じて画素の前記グループを、継続期間駆動することを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記画素のグループを駆動して画素フレームを表示する工程は、1フレーム期間の駆動を含み、前記フレーム期間は、画素の各グループのための前記サブ画素の最大駆動レベルに比例して前記画素の各グループを駆動する期間に分割され、前記駆動は、前記フレーム期間の分割に応じて前記画素のグループを駆動することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記色は青を含み、前記継続期間は、画素のグループの青色サブ画素のサブグループの最大駆動レベルに依存する請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記色は赤を含み、前記継続期間は、画素のグループの赤色サブ画素のサブグループの最大駆動レベルに依存する請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記継続時間は、前記第1サブグループの第1サブ画素の最大駆動レベルと前記第2サブグループの第2サブ画素の最大駆動レベルの重み結合に依存する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記画素のグループを駆動して画素フレームを表示する工程は1フレーム期間にわたる駆動を含み、前記フレーム期間は、前記画素の各グループのための前記重み結合に比例して前記画素の各グループを駆動する期間に分割され、前記駆動は、前記フレーム期間の分割に応じて前記画素のグループを駆動することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記駆動は、前記サブグループを駆動する前記継続時間に対応した前記サブ画素のサブグループに駆動を適合させることを含む請求項1ないし6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
画素の前記グループは、前記ディスプレイの前記行または列を含み、前記駆動は、前記ディスプレイの行ごとまたは列ごとの駆動を含む請求項1ないし7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
画素の前記グループは、前記ディスプレイの複数の行および複数の列における画素を含む前記ディスプレイのサブフレームを含み、前記駆動は連続的に複数の前記サブフレームで前記ディスプレイを駆動する駆動することを含む請求項1ないし7のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記ディスプレイは有機発光ダイオードディスプレイを含む請求項1ないし9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれかに記載の方法を実行するプロセッサー制御コードを有するキャリアー。
【請求項12】
パッシブマトリックスマルチカラー電子発光ディスプレイのためのドライバーであって、前記ディスプレイは行および列に配列された複数の画素を含み、前記各画素はそれぞれ異なる第1および第2色を有する第1および第2画素を含み、前記ドライバーは、前記画素のグループを順番にマルチカラー画像フレームを表示するように駆動させるための手段、それぞれ前記第1および第2カラーのサブ画素の第1および第2グループの駆動を含む画素のグループの駆動、および前記サブグループのサブ画素の最大駆動レベルに応じた継続時間画素の前記グループを駆動するための手段を含むことを特徴とするドライバー。
【請求項13】
パッシブマトリックスマルチカラー電子発光ディスプレイのドライバーであって、前記ディスプレイは行と列に配列された複数の画素を含み、各前記画素はそれぞれ異なる第1および第2色を有する少なくとも第1および第2サブ画素を含み、前記ドライバーは、
ディスプレイの画像データを受け取るためのデータ入力、
前記データ入力に結合されて前記ディスプレイを駆動するためのディスプレイ駆動出力を有するディスプレイ駆動システムであって、マルチカラー画像フレームを表示するために前記画素のグループを順に駆動するためのディスプレイ駆動信号を出力するように設計されており、画素のグループの前記駆動はそれぞれ前記第1および第2色の第1および第2サブ画素の駆動を含むディスプレイ駆動システム、および
前記ディスプレイ駆動システムに結合された駆動時間消費システムであって、前記サブグループのサブ画素の最大駆動レベルに応じた継続時間に画素の前記グループを駆動する前記ディスプレイ駆動システムを制御するように設計された駆動時間消費システムを含むことを特徴とするドライバー。
【請求項14】
列と行に配列された複数の画素を有する電子発光ディスプレイの駆動方法であって、前記方法は、表示画像を生成する行および列信号の連続した組によるディスプレイの駆動を含み、信号のそれぞれの組は、ディスプレイの複数の列および行の画素が同時に駆動される表示された画素のサブフレームを規定し、前記サブフレームは前記表示された画像を生成するために結合し、前記方法は、前記サブフレームの画素の最大駆動レベルに応じた継続時間でサブフレームのための前記一組の信号による前記ディスプレイを駆動することをさらに含むことを特徴とする駆動方法。
【請求項15】
前記請求項14に記載の方法を実行するためのプロセッサー制御コードを有するキャリアー。
【請求項16】
行と列に配列された複数の画素を含む電子発光ディスプレイのドライバーであって、前記ドライバーは、
ディスプレイの画像データを受信するデータ入力、
前記データ入力に結合され前記ディスプレイを駆動するためのディスプレイ駆動出力を有するディスプレイ駆動システムであって、表示された画像フレームを形成するために列および行の信号の連続的な組によってディスプレイを駆動するディスプレイ駆動信号を出力するように設計されており、信号のそれぞれの組は、ディスプレイの複数の列および行の画素が同時に駆動される表示された画素のサブフレームを規定し、前記サブフレームは前記表示された画像を生成するために結合されるディススプレイ駆動システム、および
前記ディスプレイ駆動システムに結合される駆動時間消費システムであって、前記サブフレームに画素の最大駆動レベルに応じた継続時間でサブフレームのために前記一組の信号で前記ディスプレイ駆動システムを制御して前記ディスプレイを駆動する駆動時間消費システムを含むドライバー。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図4e】
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【図4f】
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【図4g】
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【図4h】
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【図5a】
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【図5b】
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【公表番号】特表2009−506354(P2009−506354A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−527497(P2008−527497)
【出願日】平成18年8月9日(2006.8.9)
【国際出願番号】PCT/GB2006/002961
【国際公開番号】WO2007/023251
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(597063048)ケンブリッジ ディスプレイ テクノロジー リミテッド (152)
【Fターム(参考)】