説明

パラベンフリー化粧料類及び洗剤類及び洗髪剤類及び頭髪剤

【課題】従来の化粧水は保管及び使用中における防腐目的で防腐剤としてパラベンが使用されている。パラベンは薬事法でアレルギー等の皮膚障害を起こす恐れのある物質として表示が義務付けられているものであり、皮膚に付着すると肌荒れやかぶれ等を発生する恐れがあった。
【解決手段】そこで負電荷酸素原子を発生する12CaO・7Al結晶を使用し、負電荷酸素原子が混入した水を化粧水にすることによってパラベンフリー(パラベン不使用)で防腐するようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
従来、種々の化粧料類及び洗剤類及び洗髪剤類及び頭髪剤(育毛剤類、整髪剤類)が提案されている。このような化粧料類及び洗剤類及び洗髪剤類及び頭髪剤(育毛剤類、整髪剤類)は、保管・使用中における防腐目的で防腐剤が使用されている。
防腐剤としては実績等の観点からパラベンが使用されていることが多い。但しパラベンは薬事法でアレルギー等の皮膚障害を起こす恐れのある物質として表示が義務付けられているものであり、皮膚に付着すると肌荒れやかぶれ等の肌トラブルをもたらす恐れがあるため、特に化粧水及び化粧料類及び洗剤類及び洗髪剤類及び頭髪剤(育毛剤類、整髪剤類)などの製品ではパラベンフリー(パラベン不使用)で防腐を図ることが望まれている。
【0002】
本発明で記述している負電荷酸素原子は、Oイオンラジカルとも称され、例えば気体中での酸化反応、半導体製造工程におけるシリコン酸化膜の作製、いちご等の果実の防かび、まぐろなどの魚介類の鮮度保持、医療機器や床、エアコンの殺菌・滅菌等の各種の分野において使用可能な極めて有用なものである。
都会においては空気中の陰イオンと陽イオンの比率は通常同程度といわれているが、陰イオンが陽イオンの数十倍から数百倍存する、陰イオンの濃度が高い環境下に身を置くことによって疲労回復効果、精神安定効果、血液の浄化効果、抵抗力の増進効果、自律神経調整効果等の医療効果を得られることが広く知られている。
【背景技術】
【0003】
そのため、人為的に負電荷酸素原子の濃度を高める種々の方法が従来発明されており、大きく分けてこれらは、紫外線を用いるもの、高圧コロナ放電を用いるもの、放射性ベータ粒子を用いるもの、ミストを利用するもの等に分類される。
上記の内の紫外線を用いるもの及び高圧コロナ放電を用いるものの方法は同時に人体に対する影響が未知数な量のオゾンも生成してしまうおそれがあることから、又、放射性ベータ粒子を用いるものの方法は放射能漏れの対策を万全に行わなければならないことから、必ずしも適切な方法とはいえないと思料される。
さて、上記ミストを利用するものの方法は、より詳細には水が砕けて微細な水滴(ミストもしくは霧)に分裂する時に、空気中のイオンの濃度が高まる現象を利用するものである。この現象は、古代より滝の周辺や、海辺の波打ち際等、自然現象により水が砕けてミストが発生する場所は体に良いという経験的事実として知られている。
本発明では水中に負電荷酸素原子を発生する12CaO・7Al結晶によって作られた焼成体を所定期間前記水中に投入して前記負電荷酸素原子よって前記水中の混入物である細菌を殺菌するように精製した負電荷酸素原子を含んだ水を利用することによってパラベンフリー(パラベン不使用)で防腐を図るようにしようとするものである。
【0004】
従来の負電荷酸素原子は、放電などによって発生した酸素原子に低エネルギー電子を付着させることにより製造する方法が知られている。しかしながら、かかる方法には、放電を生じさせるために高真空を必要とするとともに、エネルギー面で問題点があった。
本発明は、高真空や放電エネルギーを必要とせずに、効率的に負電荷酸素原子を製造する、国際公開第WO2003/050037号記載の12CaO・7Al結晶(以下、C12A7と称す)(特許文献1)を使用する。
国際公開第WO2003/050037号(特許文献1)には「平均粒径が1μmの炭酸カルシウムと酸化アルミニウムをとを両者のモル比(CaCO:Al)が12:7となるように混合し、乾燥空気中で1350℃で6時間焼成し、焼成粉末を得た。得られた焼成粉末を成形器で9.81MPaにて直径15mm、厚さ1mmの円盤状のペレットを作製した。次にこのペレットを乾燥空気中で1350℃で6時間加熱し、ペレット状の焼成体を得た。」のように製作した焼成体を「焼成体上に取り付けたヒーターによって焼成体の温度を700℃に昇温させ、陽極と陰極との間に500Vの電圧を印加した。その結果、両電極間には、電流計12によって1μA電流が観測された。次に、電圧を印加しながら、二次電子倍増管からの負電荷酸素原子を四重極質量分析計で分析し、その質量分析を行った。その結果を第7図に示す。質量数16にピークが見られ、負電荷酸素原子の発生を確認することができた。」のように加熱することによって負電荷酸素原子が発生すると記載している。
【0005】
更に具体的には国際公開第WO2005/115913号(特許文献2)に記載されている装置等によって作られる酸化物焼成体(以下焼成体と称す)を利用するものである。この焼成体は酸化セリウムと酸化アルミニウムを一定の混合比で焼結したものである。このような焼成体を加熱することによって負電荷酸素原子を発生する。
この焼成体も国際公開第WO2003/050037号(特許文献1)と同様に「酸化セリウム(IV)(試薬特級)の平均粒径1μmのものを、直径10mm、厚さ1mmに成形した後に、乾燥大気中において、1350℃で6時間焼成して酸化セリウム(IV)焼成体を作製した。」の記載のように製作した後、「得られた酸化セリウム(IV)焼成体を飛行時間型質量分析計の測定原理を利用した検出装置に取り付けて負電荷酸素原子を検出した。」と記載しており、量産が可能なことを示唆している。
【0006】
次に前記焼成体をヒーター等によって加熱することで負電荷酸素原子を発生させる方法は国際公開第WO2005/056470号(特許文献3)に記載されている。本文献に記載されている実験結果によれば「今回の結果から、少なくとも、Oの照射により120℃耐熱菌バチルスの殺菌は可能であることが確認できた。なお、バチルス菌は加熱すると芽胞化し、細菌の中では最も強力なものである。従って、120℃耐熱菌バチルスの殺菌ができれば、他の細菌は問題なく死滅する。」のように記載されており、本発明に係る焼成体から発生する負荷酸素原子に殺菌作用があることが示唆されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第WO2003/050037号
【特許文献2】国際公開第WO2005/115913号
【特許文献3】国際公開第WO2005/056470号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、パラベンフリー自体はパラベンを使用しないことでできることであるが、パラベンと同程度の防腐効果とを維持することは困難であり、しかも化粧料類等においては肌への悪影響を皆無にすることが望ましい。
【0009】
更には肌に悪影響を発生させないだけでなく、肌への優しさが向上するような防腐効果溶剤であることが望ましい。
【0010】
そして肌に直接触れる化粧水や化粧料類だけでなく洗剤類及び洗髪剤類及び頭髪剤(育毛剤類、整髪剤類)にも使用できて保管・使用中における防腐と人への優しさが向上するような防腐効果溶剤であることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そこで水中に負電荷酸素原子を発生する12CaO・7Al結晶によって作られた焼成体を所定期間前記水中に投入して前記負電荷酸素原子よって前記水中の混入物である細菌を殺菌するように精製した負電荷酸素原子を含んだ水を利用することを特徴とする化粧水及び化粧料類及び洗剤類及び洗髪剤類及び頭髪剤(育毛剤類、整髪剤類)を提案するものである。
【発明の効果】
【0012】
従来使用されているパラベンの変わりに、水中に負電荷酸素原子を発生する12CaO・7Al結晶によって作られた焼成体を所定期間前記水中に投入放置して前記負電荷酸素原子よって前記水中の混入物である細菌を殺菌するように精製した溶剤を使用することにより、皮膚に付着して肌荒れやかぶれ等の肌トラブルをもたらす恐れが無い。つまり悪影響が無く防腐性がある。
【0013】
負電荷酸素原子が含まれた水(マイナスイオン水)は保湿効果が高く肌の乾燥を防ぐことができる。また、肌のつやを出し化粧効果を上げることができる。従って化粧料類に使用することによって肌への浸透効果を図り、化粧料の効果を向上させることができる。
【0014】
また、ヘアードライヤーにマイナスイオン発生装置を取り付けた製品があるように、整髪剤にマイナスイオン水が使用されているとマイナスイオンによって整髪剤の髪へのよりよい浸透を図ることができ、髪の損傷の防止効果や整髪の持続効果、また整髪の行い易さを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】粉末状の焼成体を袋に封入する図である。
【図2】ペレット状の焼成体を袋に封入する図である。
【図3】焼成体を封入した袋を水タンクに入れ水中に負電荷酸素原子を混入させている図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は12CaO・7Al結晶を水中に浸し、負電荷酸素原子を水中に出し、負電荷酸素原子を含んだ水を化粧水及び化粧料類及び洗剤類及び洗髪剤類及び頭髪剤(育毛剤類、整髪剤類)の水分として混入し防腐を図るとともに負電荷酸素原子を含んだ水(マイナスイオン水)としての相乗効果を図るものである。
【実施例】
【0017】
本発明に使用される特許文献1(国際公開第WO2003/050037号)に記載されている12CaO・7Al結晶は、特許文献2(国際公開第WO2005/115913号)ないし特許文献3(国際公開第WO2005/056470号)に記載されている結晶を使用する。
【0018】
本発明では12CaO・7Al結晶を粉末状焼成体20にして図1のように袋10に封入して図3のように容器11の水中に投入して負電荷酸素原子を含んだ水15を精製する。
【0019】
袋10については、水は浸透するが粉末状焼成体20は通過しない材質で製作されており、負電荷酸素原子は水中に染み出すが粉末状焼成体20は袋10を通過することは無く、容器11内に堆積することは無い様になっている。
【0020】
12CaO・7Al結晶は図2のようにペレット状焼成体21のように焼結体として高温で焼き固めて任意の形状に成形しても良い。
【0021】
ペレット状焼成体21の形状であれば袋10への詰め込み作業が容易であり、ペレット状であることで運搬管理の利便性が向上する。
【0022】
更にペレット状焼成体21の形状であれば袋10に封入して水中に浸したとき、ペレット形状が割れたり欠けたりしても破片が容器11内部に溜まったり、化粧料類及び洗剤類及び洗髪剤類及び頭髪剤(育毛剤類、整髪剤類)に混入する際に混入器具の水流を妨害したりすることが無く不具合の発生を防止することが出来る。
【0023】
なお、上記のように水路を妨げるような不具合が生じないのであればペレット状結晶体21の状態のまま、袋10に入れずに容器11の水中に投入して負電荷酸素原子を含んだ水を精製するようにしても良い。
【0024】
12CaO・7Al結晶を粉末状焼成体20ないしペレット状焼成体21にして、水中に所定期間投入放置する際の所定期間は数分から数時間で負電荷酸素原子を含んだ水(マイナスイオン水)の用途に応じて変更する。
本発明に係る負電荷酸素原子を含んだ水(マイナスイオン水)は、特許文献3によって示唆されているような殺菌作用があることが実験によって示されている。
更に陰イオンの濃度が高い環境下に身を置くことによって疲労回復効果、精神安定効果、血液の浄化効果、抵抗力の増進効果、自律神経調整効果等の医療効果を得られることが広く知られていることで示唆されているように皮膚を保湿し、整え、滑らかにすることができる。そして髪へのよりよい浸透を図ることができ、髪の表面を覆うキューティクルを守り髪の損傷の防止効果や整髪の持続効果、また整髪の行い易さ、櫛通りのよさを向上させることができる。
【0025】
また、本実施例では焼成体20.21が通過しない材質で製作されており、負電荷酸素原子は水中に染み出すように構成されているが、水中に焼成体20.21を直接投入して所定時間経過した後、ろ過装置等を使用してろ過して、負電荷酸素原子を含んだ水(マイナスイオン水)を精製するようにしても良い。
【0026】
負電荷酸素原子を含んだ水を利用した化粧水によって、皮膚を保湿し、整え、滑らかにすることができる。また、負電荷酸素原子を含んだ水を利用した化粧料であれば化粧品全般に採用することができ、肌に悪影響を及ぼすことなく防腐効果を発揮するとともに、化粧効果を向上させることができることが期待できる。
負電荷酸素原子を含んだ水を利用することによって疲労回復効果、精神安定効果、血液の浄化効果、抵抗力の増進効果、自律神経調整効果等の医療効果を得られることが期待できる。
【0027】
洗剤類に負電荷酸素原子を含んだ水を使用することによって防腐効果を発揮するとともに、食器や食品洗浄中に防腐剤が皮膚から浸透するために生じる肌荒れなどの悪影響を防止する効果が期待される。
更には洗髪剤に負電荷酸素原子を含んだ水を使用することによって、防腐効果を発揮するとともに髪の表面を覆うキューティクルを守り、肌に与える刺激を抑え、整髪の持続効果更には整髪の行いやすさを向上させることができる。
【0028】
同様に頭髪剤(育毛剤類、整髪剤類)に使用することによって、防腐効果を発揮するとともに、肌への浸透に悪影響を及ぼすことなく育毛を促進したり、整髪の持続効果、更には整髪の行いやすさを向上させることができる。
【0029】
以上のように従来使用されているパラベンの代わりに、水中に負電荷酸素原子を発生する12CaO・7Al結晶によって作られた焼成体を所定期間前記水中に投入放置して前記負電荷酸素原子よって前記水中の混入物である細菌を殺菌するように精製した溶剤を使用することにより、皮膚に付着して肌荒れやかぶれ等の肌トラブルをもたらす可能性を軽減できかつ防腐効果を発揮することができる。
つまり悪影響が無く防腐性が高い化粧水及び化粧料類及び洗剤類及び洗髪剤類及び頭髪剤(育毛剤類、整髪剤類)を提供することができる。
【0030】
発明の効果で記載したように、負電荷酸素原子が含まれた水(マイナスイオン水)は保湿効果が高く肌の乾燥を防ぐことができる。また、肌のつやを出し化粧効果を上げることができる。従って化粧料類に使用することによって肌への浸透効果を図り、化粧料の効果を向上させることができる。
【0031】
また、ヘアードライヤーにマイナスイオン発生装置を取り付けた製品があるように、整髪剤にマイナスイオン水が使用されているとマイナスイオンによって整髪剤の髪へのよりよい浸透を図ることができ、髪の損傷の防止効果や整髪の持続効果、また整髪の行い易さ、櫛通りのよさを向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
負電荷酸素原子が含まれた水(マイナスイオン水)は人だけでなくペットに使用することもできる。マイナスイオンには消臭効果があるとされている。そこで本発明の負電荷酸素原子が含まれた水(マイナスイオン水)を噴霧器などに使用してトイレやごみ等のにおいの発生する場所の脱臭・滅菌などの装置に使用することができる。
【符号の説明】
【0033】
10 袋
101 焼成体の入った袋
11 容器
15 負電荷酸素原子を含んだ水(マイナスイオン水)
20 粉末状焼成体
21 ペレット状焼成体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中に負電荷酸素原子を発生する12CaO・7Al結晶によって作られた焼成体を所定期間前記水中に投入して前記負電荷酸素原子よって前記水中の混入物である細菌を殺菌するように精製した負電荷酸素原子を含んだ水を利用することを特徴とする化粧水及び化粧料類及び洗剤類及び洗髪剤類及び頭髪剤(育毛剤類、整髪剤類)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−102283(P2011−102283A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−272602(P2009−272602)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【出願人】(506030055)株式会社コスモ・アソシエ (8)
【Fターム(参考)】