説明

パワーシートのギヤボックス取り付け構造

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、モータの駆動を駆動機構のリードスクリューに伝達するギヤボックスを、パワースライドのレール体に対して取り付けるパワーシートのギヤボックス取り付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、モータの駆動のもとでシートポジション、着座姿勢等を適宜調整可能な、いわゆるパワーシートが、乗用車のフロントシート等として、広く提供されている。
【0003】パワーシートは、たとえば、シートスライド装置、リクライニング装置等の着座姿勢制御装置を備えて形成され、モータの駆動に伴う各装置の作動のもとで、シートの前後ポジション、シートバックの傾斜角度(リクライニング角度)等を個別に調整可能に構成されている。
【0004】ここで、着座姿勢制御装置は、たとえば、モータに連動可能な駆動機構を備えている。駆動機構は、ギヤボックスを介してモータに連動可能に連結されたリードスクリューと、このリードスクリューの螺合する受け部材との組み合わせを有して形成され、モータに連動したリードスクリューの回転のもとでの、受け部材に対するリードスクリューの移動、または、リードスクリューに対する受け部材の移動により、対象となる着座姿勢制御装置を作動可能に構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここで、パワーシートに装着されるシートスライド装置、いわゆるパワースライドとして、たとえば、アッパーレール、ロアレールからなるレール体に駆動機構を内蔵した構成が知られている。
【0006】このような構成においては、通常、リードスクリューの延出されたギヤボックスがアッパーレールに固定されるとともに、リードスクリューの螺合可能なナットブロックとして形成された受け部材が、ロアレールに固定されている。そして、ナットブロック(受け部材)に対する、軸線方向へのリードスクリューの移動のもとで、アッパーレールがロアレールに対してスライドされる。
【0007】この種のパワースライドにおいては、通常、ギヤボックスが、アッパーレールの前方の突出した位置に、ブラケット等を介して取り付けられている。しかしながら、このようなギヤボックスの取り付けにおいては、ブラケット等をアッパーレールの前方に、片持ちのもとで延出させなければならないため、ブラケット等が大型化しやすい。
【0008】また、アッパーレールへのブラケット等の固定、および、ブラケット等へのギヤボックスの固定は、通常、複数個の取り付けねじ等によってそれぞれ行われている。
【0009】つまり、公知の構成においては、部品点数が多く、構成的に複雑化するため、作業性の低下およびコストの上昇を招きやすい。
【0010】更に、公知の構成においては、いわゆる片持ちのブラケット等によってギヤボックスを支持しているため、ギヤボックスに過大な負荷が作用すると、その負荷のもとで、ギヤボックスがナットブロックに対して上下方向にブレる可能性が考えられる。このような、ギヤボックスのブレは、ナットブロックに対するリードスクリューの傾斜を招くため、ナットブロックに対するリードスクリューの円滑な回転の妨げとなる虞れがある。
【0011】そして、リードスクリューに作用する負荷は、ギヤボックスに対して直接的に伝達されるため、ギヤボックス自体に高い剛性が要求される。そのため、ギヤボックスの形状が複雑化しやすく、この点からも作業性の低下およびコストの上昇を招きやすい。
【0012】また、パワーシートにおいては、パワースライドの駆動機構に限らず、リクライニング装置の駆動機構をパワースライドのレール体に装着する構成も知られている。しかしながら、公知の構成において、リクライニング装置の駆動機構は、レール体の側方等にブラケット等を介して装着しているため、上記と同様に、部品点数の増加、構成の複雑化、および、ギヤボックスへの過大な負荷の集中等が避けられない。
【0013】そして、公知の構成においては、駆動機構が、レール体の側方に突設されるため、パワーシートの全体的な配置構成の複雑化を招きやすい。
【0014】この発明は、構成の複雑化を伴うことなく、ブレのない安定した保持を可能とするパワーシートのギヤボックス取り付け構造の提供を目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために、この発明によれば、ギヤボックスが、ギヤボックスから延出されたリードスクリューの軸線に沿った縦割りによって右半部、左半部に2分割され、リードスクリューの軸線方向に離反した少なくとも2ヶ所での連結部材による右半部、左半部の連結のもとで組み立てられている。
【0016】また、この発明の実施の一形態によれば、ギヤボックスが、略H 形状のアッパーレールの一対の縦壁間に挿入、介在可能な横幅に形成されるとともに、アッパーレールの水平壁の端末に係合可能な段部が、ギヤボックスの上面、下面の少なくともいずれかに設けられている。そして、アッパーレールの一対の縦壁間への挿入、介在後における、1ヶ所の係止部材での係止、および、アッパーレールの水平壁端末への段部の係合によって、ギヤボックスをアッパーレールに対して固定している。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0018】図1、図2に示すように、この発明に係るパワーシートのギヤボックス取り付け構造10において、ギヤボックス12は、モータ(図示しない)の駆動をリードスクリュー14の回転に変換、伝達可能に構成されて、パワーシートの着座姿勢制御装置の1つであるパワースライドのレール体16に取り付け、固定されている。
【0019】図3を見るとわかるように、ギヤボックス12は、たとえば、モータの出力軸(図示しない)の連結されるウォーム18と、リードスクリュー14に一体に設けられたウォームホイール20との組み合わせにより、モータの駆動のもとでリードスクリューを回転可能に形成されている。なお、図1ないし図3に示すように、リードスクリュー14は、ギヤボックス12から一方向、たとえば、パワーシートの後方に相当する方向(図中右方)に延出して設けられている。
【0020】ここで、図1、図3に示すように、この発明においては、ギヤボックス12が、リードスクリュー14の軸線に沿った縦割りによって右半部12R 、左半部12L に2分割されている。そして、ウォーム18およびリードスクリュー14の配設、収納後における、リードスクリューの軸線方向に離反した2ヶ所での、連結部材22(22-122-2) による右半部12R 、左半部12L の相互間の連結により、ギヤボックス12は組み立てられている。
【0021】リードスクリュー14の延出サイドとなる後部の連結部材22-1として、たとえば、スプリングピンが利用でき、対応する挿通孔24へのスプリングピンの連続した嵌入により、ギヤボックスの右半部12R 、左半部12L の後部間が相互に連結される。
【0022】また、他方、つまりは前方の連結部材22-2として、たとえば、パイプ状に形成された、いわゆるパイプ状連結部材が利用できる。図3に加えて図4を見るとわかるように、パイプ状連結部材22-2は、ギヤボックスの右半部12R 、左半部12Lの対応する挿通孔26に連続して貫通され、各端末のカシメにより、右半部、左半部の前部間が離脱不能に相互に連結される。
【0023】なお、この場合、ギヤボックスの右半部12R 、左半部12L の外面に連続して、パイプ状連結部材22-2の端末のカシメ部分を収納可能な収納部26a を設けることが好ましい。
【0024】図2を見るとわかるように、このようなギヤボックス12から延出されたリードスクリュー14は、リードスクリューの螺合する受け部材28との組み合わせのもとで、モータの駆動に連動して作動可能な駆動機構30として形成され、このような駆動機構は、たとえば、着座姿勢制御装置の1つとしてパワーシートに装着されるパワースライドのレール体16に内蔵されている。
【0025】図1に加えて図5を見るとわかるように、パワースライドのレール体16は、たとえば、外方に突出した突出片31を下端に有する略H 形状のアッパーレール32と、突出片を摺動可能に抱持するガイド溝35の設けられたロアレール36との組み合わせを備えて、アッパーレールがロアレールに対してスライド自在に組み込まれている。そして、図2に示すように、リードスクリュー14、受け部材28からなる駆動機構30が、アッパーレールの水平壁32a とロアレールの底壁36a との間への配置によって、レール体16に内蔵されている。
【0026】なお、この発明の実施の形態においては、駆動機構30が、パワースライドの作動を対象として形成されている。図2に示すように、この種の駆動機構30においては、受け部材28がリードスクリュー14の螺合可能なナットブロックとして形成され、このナットブロックは、ロアレールの底壁36a に、たとえば、ボルト38によって固定されている。
【0027】このような構成では、ロアレール36に固定されたナットブロック(受け部材)28が、可動のアッパーレール32に対する固定部材となるため、モータの駆動に伴うリードスクリュー14の回転のもとで、リードスクリューが、ナットブロックに対して軸線方向に螺進、螺退する。そのため、モータの駆動のもとでのリードスクリュー14の回転によって、アッパーレール32がロアレール36に対して対応方向にスライドされる。
【0028】ここで、この発明においては、ギヤボックス12が、アッパーレール32の一対の縦壁32b 間に挿入、介在可能に形成されている。つまり、図5に示すように、ギヤボックス12の横幅L1が、アッパーレールの一対の縦壁32b 間の内幅L2より狭く形成されている。
【0029】そして、図1、図2に示すように、この発明によれば、アッパーレールの水平壁32a の端末に係合可能な段部40が、たとえば、ギヤボックス12の上面に設けられている。なお、この実施の形態においては、リードスクリュー14の延出サイドとなるギヤボックス12の後部の高さを、適当な範囲L3で対応分だけ低くすることによって、段部40が、ギヤボックス上面に形成されている。
【0030】また、たとえば、ギヤボックスの右半部12R 、左半部12L の連結によって略円柱状に組み合わされる突起42が、ギヤボックス12の段部40より後方の範囲L3で、段部との同一面、つまりはギヤボックス12の上面に設けられている。そして、ギヤボックスの突起42の嵌入可能な嵌合孔44が、アッパーレールの水平壁32a の対応箇所に穿設されている。
【0031】このようなギヤボックス12は、パワースライドのアッパーレール32に対して、以下のように取り付けられる。
【0032】図1、図2に示すように、ギヤボックス12は、まず、アッパーレールの一対の縦壁32b 間に、水平壁32a の端末に対する段部40の係合位置まで、リードスクリュー14の延出サイドから挿入される。なお、このとき、水平壁32a の端末への段部40の係合に伴って、ギヤボックスの突起42が、水平壁の嵌合孔44に嵌入される。
【0033】ここで、図1、図2に加えて図4を見るとわかるように、この発明においては、アッパーレールの水平壁32a の端末への段部40の係合位置でギヤボックスのパイプ状連結部材22-2の中空部22-2a に整列可能な挿通孔46が、アッパーレールの一対の縦壁32b にそれぞれ穿設されている。そして、挿通孔46、パイプ状連結部材の中空部22-2a への係止部材48の連続した貫通によって、ギヤボックス12がアッパーレール32に固定されている。
【0034】なお、係止部材48として、たとえば、アッパーレールの挿通孔46、パイプ状連結部材の中空部22-2a に連続して嵌着可能なスプリングピンが利用できる。
【0035】ここで、この発明においては、ギヤボックス12の後部が、水平壁32b の端末への段部40の係合、および、嵌合孔44への突起42の嵌入のもとでアッパーレール32に対して連結されているにすぎない。しかし、ギヤボックス12の前部が、係止ピン(係止部材)48によるアッパーレールの縦壁32b への係止によって固定されているため、いわゆる2点支持により、アッパーレール32に対するギヤボックス12の動きは確実に封じられる。
【0036】また、アッパーレールの一対の縦壁32b 間への挿入、介在により、ギヤボックス12は、一対の縦壁によって側方から挟持されるため、側方への動きも、アッパーレールの縦壁によって確実に封じられる。
【0037】上記にように、この発明のパワーシートのギヤボックス取り付け構造10においては、水平壁32a の端末への段部40の係合、および、係止ピン(係止部材)48での前部の係止によって、ギヤボックス12がパワースライドのアッパーレール32に直接的に取り付けられるため、公知のような、前方に延出される片持ちのブラケット等は不要となる。そして、アッパーレール32へのギヤボックス12の取り付けの際に使用される別部材は、前部の係止のためのスプリングピン(係止部材)48のみであるため、部品点数が確実に削減できる。
【0038】つまり、この発明によれば、水平壁32a の端末に段部40を係合させるとともに、係止ピン48によって前部の1ヶ所を係止すれば足りるため、部品点数の削減に伴う構成の簡単化が容易に得られる。
【0039】そして、ギヤボックス12をアッパーレール32に直接的に取り付けるため、簡単な構成にも拘らず、アッパーレールに対するギヤボックスのブレのない安定した保持が容易に確保できる。従って、ギヤボックス12がナットブロック28の軸線に対してブレることもなく、ナットブロックに対するリードスクリューの円滑な回転が十分に確保できる。
【0040】また、この構成では、リードスクリュー14等からギヤボックス12に作用する負荷が、アッパーレール32に対する2ヶ所の係止部分からアッパーレールに逃がされるため、その負荷は1ヶ所に集中しない。従って、アッパーレール32に対するギヤボックス12の強固な係止、保持が容易に確保でき、ギヤボックスの保持の確実性が向上される。
【0041】更に、この発明においては、ギヤボックス12が、リードスクリュー14の軸線方向に離反した2ヶ所の連結部材22(22-122-2) による右半部12R 、左半部12L の連結によって組み立てられる。そのため、ギヤボックス12の組み立てが簡単、容易に行える。
【0042】そして、ギヤボックス12は、その組み立て後、アッパーレールの一対の縦壁32b 間に挿入、介在される。つまり、アッパーレールの縦壁32b がギヤボックス12の補強材として機能するため、右半部12R 、左半部12L の分解が確実に阻止される。従って、この発明によれば、簡単な構成、連結にも拘らず、ギヤボックス12に高い剛性が十分に維持でき、この点からも、ギヤボックスの保持の確実性が向上される。
【0043】ここで、この発明の上記の実施の形態においては、ギヤボックス12の後部に突起42を設け、アッパーレールの水平壁32a の対応する嵌合孔44に嵌入させている。しかし、水平壁32a の端末への段部40の係合のもとで、アッパーレール32にギヤボックス12の後部を係止すれば足りるため、これに限定されず、たとえば、突起、嵌合孔を省略してもよい。
【0044】しかしながら、突起42、係合孔44を設ければ、係合孔への突起の嵌入のもとで、アッパーレール32に対する前方へのギヤボックス12の動きも確実に封じられるため、構成の複雑化を招くことなく、ギヤボックスの保持の安定化が一層はかられる。
【0045】また、この実施の形態においては、ギヤボックス12の後部の高さを範囲L3で低くすることで、ギヤボックスの上面に段部40を形成している。しかし、アッパーレールの水平壁32a の端末に係合可能な段部40をギヤボックス12の上面に設ければ足りるため、これに限定されず、範囲L3の高さを低くすることなく、たとえば、水平壁の端末に係合可能な突起をギヤボックスの上面に設ける構成としてもよい。
【0046】なお、ここでは、駆動機構30をアッパーレールの水平壁32a とロアレールの底壁36a との間に配置する構成としてこのギヤボックス取り付け構造10を例示しているため、アッパーレールの水平壁32a の端末に係合可能な段部40をギヤボックス12の上面に設けているが、これに限定されず、たとえば、駆動機構を水平壁の上面に配置する構成においては、段部をギヤボックスの下面に設ければ、上記と同様の効果が確保できることはいうまでもない。
【0047】また、この実施の形態においては、2ヶ所の連結部材22(22-122-2) によって、ギヤボックスの右半部112R、左半部112L間を連結しているが、連結箇所は複数箇所であれば足りるため、2ヶ所に限定されず、3ヶ所以上としてもよい。しかし、この発明においては、ギヤボックス12をアッパーレールの一対の縦壁32b 間に介在させるため、リードスクリュー14の軸線方向に離反した2ヶ所であれば右半部12R 、左半部12L の相互間に十分な連結力が得られる。従って、2ヶ所での連結とすることで、この点からも、部品点数が削減できる。
【0048】ところで、上記発明の実施の一形態においては、ギヤボックス12の上面の段部40をアッパーレールの水平壁32a の端末に係合させる構成を例示しているが、これに限定されず、たとえば、図6、図7に示す、この発明の実施の別の形態におけるパワーシートのギヤボックス取り付け構造110 のように、段部140 をギヤボックス112 の左右の側面に設け、略H 形状のアッパーレール132 の一対の縦壁132bの端末に、この段部を係合させる構成としてもよい。
【0049】図6に加えて図8を見るとわかるように、このギヤボックス取り付け構造110においても、ギヤボックス112 が、リードスクリュー14の軸線に沿った縦割りによって右半部112R、左半部112Lに2分割されている。そして、ウォーム18、および、ウォームホイール20を一体に有するリードスクリュー14の配設、収納後における、リードスクリューの軸線方向に離反した2ヶ所での、連結部材52(52-152-2) による右半部112R、左半部112Lの相互間の連結により、ギヤボックス112 は組み立てられている。
【0050】なお、図8に加えて図9を見るとわかるように、リードスクリュー14の延出サイドとなる後部の連結部材52-1として、たとえば、前記の実施の形態と同様に、ギヤボックスの右半部112R、左半部112Lの挿通孔54に対して連続して嵌着可能なスプリングピンが利用できる。また、図8に加えて図10を見るとわかるように、この実施の形態においては、前部の連結部材52-2として、たとえば、ギヤボックスの右半部112Rの挿通孔56を介して左半部112Lのねじ孔58に螺着可能なねじが利用されている。
【0051】図6、図9に示すように、パワースライドのレール体116 は、前記の実施の形態と同様に、突出片131 を下端に有する略H 形状のアッパーレール132 と、突出片を摺動自在に抱持するガイド溝135 を有する対応する形状のロアレール136 との組み合わせにより形成されている。そして、図11に示すように、この実施の形態においても、リードスクリュー14と受け部材28との組み合わせからなる駆動機構30は、前記の実施の形態と同様に、パワースライドの作動を目的として、アッパーレールの水平壁132aとロアレールの底壁136aとの間に配置される。
【0052】なお、受け部材28は、ナットブロックとして形成され、ロアレールの底壁136aに、ボルト38等によって固定される。
【0053】図7に示すように、このギヤボックス取り付け構造110 においては、ギヤボックス112 の少なくともリードスクリュー14の延出サイドが、アッパーレール132の一対の縦壁132b間に部分的に挿入、介在可能に形成され、縦壁の端末に係合可能な段部140 が、ギヤボックスの左右の側面にそれぞれ設けられている。
【0054】図7、図10に示すように、この実施の形態においては、ギヤボックス112 の横幅L4がアッパーレールの一対の縦壁132bの内幅L2より幅広に形成されている。そして、図7、図9に示すように、ギヤボックス112 の後部の所定範囲L5の横幅L6が、アッパーレールの一対の縦壁132b間の内幅L2より狭く形成されている。
【0055】つまり、この実施の形態においては、アッパーレールの一対の縦壁132b間の内幅L2、ギヤボックス112 の横幅L4、および、ギヤボックス後部の横幅L6の関係がL4>L2>L6となるようにそれぞれ形成され、ギヤボックス側面の段部140 を境に、横幅L4、横幅L6がそれぞれ規定されている。
【0056】なお、ここでは、ギヤボックス112 の全体的な横幅L4と後部の部分的な横幅L6とに差異を設けることでギヤボックスの左右側面の段部140 としているが、これに限定されず、たとえば、ギヤボックスの全体的な横幅をアッパーレールの縦壁132b間の内幅L2より狭い後部の横幅L6とし、アッパーレールの一対の縦壁132bの端末に係合可能な横幅L4程度の突起を、ギヤボックスの右半部112R、左半部112Lにそれぞれ設ける構成としてもよい。
【0057】このギヤボックス取り付け構造110 においては、ギヤボックス112 が、パワースライドのアッパーレール132 に対して、以下のように取り付けられる。
【0058】図6、図11に示すように、ギヤボックス112 は、まず、アッパーレールの一対の縦壁132b間に、リードスクリュー14の延出サイド、つまりは後部から、縦壁の端末への段部140 の係合位置まで挿入される。そして、図6に加えて図9を見るとわかるように、アッパーレールの縦壁132bの端末への段部140 の係合位置でギヤボックス後部の挿通孔60に整列する挿通孔62が、一対の縦壁にそれぞれ穿設され、各挿通孔への係止部材64の連続した貫通によって、ギヤボックス112 がアッパーレール132 に固定されている。
【0059】なお、係止部材64として、たとえば、ギヤボックス、アッパーレールの挿通孔6062 に連続して嵌着可能な係止ピンが利用できる。
【0060】このような構成では、係止ピン(係止部材)64による係止、および、一対の縦壁132bの端末、段部140 間の係合による、いわゆる2点支持によって、ギヤボックス112 がアッパーレール132 に対して取り付けられるため、前記の実施の形態と同様に、アッパーレールに対するギヤボックスの動きが確実に封じられる。
【0061】また、アッパーレールの一対の縦壁132b間への後部の部分的な挿入、介在により、ギヤボックス112 は、一対の縦壁によって側方から挟持されるため、側方への動きも、アッパーレールの縦壁によって確実に封じられる。
【0062】上記にように、このパワーシートのギヤボックス取り付け構造110 においても一対の縦壁132bの端末に段部140 を係合させるとともに、係止ピン64によってギヤボックス112 の後部の1ヶ所をアッパーレール132 に対して係止すれば足りるため、前記の実施の形態と同様に、部品点数の削減に伴う構成の簡単化が容易に得られる。
【0063】そして、ギヤボックス取り付け構造110 においても、ギヤボックス112 がアッパーレール132 に直接的に取り付けられるため、簡単な構成にも拘らず、アッパーレールに対するギヤボックスのブレのない安定した保持が容易に確保できる。従って、ギヤボックス112 がナットブロック28の軸線に対してブレることもなく、ナットブロックに対するリードスクリュー14の円滑な回転が十分に確保できる。
【0064】また、この実施の形態においても、ギヤボックス112 が、リードスクリュー14の軸線方向に離反した2ヶ所の連結部材52(52-152-2) による右半部112R、左半部112Lの連結によって組み立てられるため、ギヤボックスの組み立てが簡単、容易に行える。そして、ギヤボックス112 の後部をアッパーレールの一対の縦壁132b間に挿入、介在するため、ギヤボックスに高い剛性が十分に維持でき、この点からも、ギヤボックスの保持の確実性が向上される。
【0065】ここで、この構成のギヤボックス取り付け構造110 においては、図6、図7および図10に示すように、ロアレールのガイド溝135 に遊挿可能な突出片66を左右の側面にそれぞれ突設することが好ましい。突出片66は、たとえば、ロアレールのガイド溝135 に沿って延ばされ、アッパーレールの突出片131 に整列されている。
【0066】このような構成では、ガイド溝135 に対するギヤボックスの突出片66の係合のもとで、アッパーレール132 に対する上下方向へのギヤボックス112 の動きが封じられるため、この点からも、アッパーレールに対するギヤボックスの安定した保持が確保できる。
【0067】そして、アッパーレール132 の前方にギヤボックス112 が取り付けられるため、ギヤボックスの突出片66が、アッパーレールの突出片131 の延長部分として機能する。つまり、ギヤボックスの突出片66に相当する長さだけ、アッパーレール132 を短く形成しても、ロアレール136 に対するアッパーレールの安定度は変わることなく維持される。従って、アッパーレール132 がロアレール136 に対してギヤボックスの突出片66に相当する長さだけ短くでき、この点においても、コストの低減化がはかられる。
【0068】ところで、上記2つの実施の形態においては、作動対象となる着座姿勢制御装置がパワースライドとして具体化され、駆動機構30がパワースライドを作動可能に、リードスクリュー14、ナットブロック28の組み合わせから形成されている。しかし、これに限定されず、たとえば、図12に示すように、シートバックの傾斜角度(リクライニング角度)を調整するリクライニング装置のための駆動機構68のギヤボックス212 を、パワースライドのアッパーレール232 に取り付ける構成としてもよい。
【0069】図12に加えて図13を見るとわかるように、このギヤボックス取り付け構造210 においても、ギヤボックス212 がリードスクリュー70の軸線に沿った縦割りによって右半部212R、左半部212Lに2分割されている。そして、リードスクリュー70の軸線方向に離反した箇所、たとえば、3ヶ所での、連結部材72(72-172-272-3)による右半部212R、左半部212Lの相互間の連結により、ギヤボックス212は組み立てられている。
【0070】なお、図12に示すように、このギヤボックス212 においては、リードスクリュー70の延出サイドとなる後部が、上下に離反した2ヶ所で連結されている。そして、この実施の形態においては、その上方の連結部材72-1としてねじを、下方の連結部材72-2としてスプリングピンをそれぞれ利用している。
【0071】また、図14に示すように、前部の連結部材72-3として、たとえば、前述した実施の形態におけるギヤボックス12と同様に、パイプ状連結部材が利用でき、ギヤボックスの対応する挿通孔73を介したパイプ状連結部材の貫通および各端末のカシメによって、ギヤボックスの右半部212R、左半部212L間が連結される。
【0072】図12、図13に示すように、パワースライドのレール体216 は、前記の実施の形態と同様に、突出片231 を下端に有する略H 形状のアッパーレール232 と、突出片を摺動自在に抱持するガイド溝235 を有する対応する形状のロアレール236 との組み合わせにより形成されている。そして、この実施の形態においては、リードスクリュー70と受け部材74との組み合わせからなる駆動機構68が、アッパーレールの水平壁232aの上方で、一対の縦壁232b間に介在されている。
【0073】なお、リクライニング装置を作動対象とする駆動機構68においては、受け部材74が、リードスクリュー70に螺合するシリンダ状ナットとして形成され、このシリンダ状ナットは、シートバックに一端の固定された支持アーム76の他端に、枢支ピン78により回動自在に連結されている。
【0074】図12に加えて図15を見るとわかるように、左右一対のブラケット8081 が、アッパーレールの一対の縦壁232bに、リベット84等によって固着され、ブラケットでの挟持および枢支ピン86による枢着によって、支持プレート76が、アッパーレール232 に対し、ブラケットを介して前後方向に揺動自在に支持されている。
【0075】なお、図12、図13に示すように、駆動機構68は、通常、パワースライドのための駆動機構30と共に、パワースライドのレール体216 に配置される。駆動機構30のギヤボックス12の取り付けは、前述したギヤボックス取り付け構造10における構成が何等変更を加えることなく利用できるため、ここでは詳細に説明しない。
【0076】図13、図14を見るとわかるように、このギヤボックス取り付け構造210 においては、アッパーレールの一対の縦壁232b間に所定の傾斜角度のもとで挿入、介在可能に、ギヤボックス212 の対応する部分の横幅L7が、縦壁の内幅L8より狭く形成されている。そして、ギヤボックス212 は、水平壁232aの上方で一対の縦壁232b間に介在され、縦壁の挿通孔88およびパイプ状連結部材72-3の中空部72-3a への係止部材90の連続した貫通によって、ギヤボックス12がアッパーレール32に固定されている。
【0077】なお、係止部材90として、たとえば、一対の縦壁の挿通孔88に嵌着可能なスプリングピンが利用できる。
【0078】ところで、モータの駆動のもとでリードスクリュー70が回転し、リードスクリューの回転に伴ってシリンダ状ナット74がリードスクリューの軸線に沿って螺進、螺退すると、支持アーム76が、シリンダ状ナットの進退位置に追従して、枢支ピン86の回りを回動しようとするが、この場合、支持アーム、ナット状シリンダの連結点となる枢支ピン78の上下位置に変動が生じる。
【0079】そこで、図14に示すように、この発明においては、スプリングピン(係止部材)90をパイプ状連結部材72-3に対して遊挿することによって、ギヤボック212を、アッパーレール232 に対し、スプリングピンの回りで上下方向に揺動可能としている。このような構成では、支持アーム76の回動によって枢支ピン78の上下位置が変動しても、ギヤボックス212 がスプリングピン90の回りで揺動されるため、スプリングピンと枢支ピンとの上下位置のずれが確実に保障される(図12参照)。
【0080】従って、駆動機構68の作動のもとでの支持アーム76の円滑な回動、つまりはシートバックの円滑な揺動が容易に確保できる。
【0081】上記のように、この実施の形態のパワーシートのギヤボックス取り付け構造210 によれば、ギヤボックス212 が上下方向に揺動可能であるため、複数の可動部材の移動軌跡のずれの保障の要求されるリクライニング装置等の駆動機構のギヤボックスの取り付けに十分に対応できる。
【0082】そして、スプリングピン90による1ヶ所の係止のもとで、ギヤボックス212 がアッパーレールに対して取り付けられるため、取り付け作業が容易となり、作業性が向上される。
【0083】また、右半部212R、左半部212Lの連結により組み立てられたギヤボックス212をアッパーレールの一対の縦壁232b間に挿入、介在しているため、ギヤボックスが縦壁によって確実に補強される。そのため、剛性の高いギヤボックス212 が容易に確保でき、リードスクリュー70からの負荷に対する安全性が確実に向上される。
【0084】そして、パワースライドのレール体の側方に駆動機構を配置する公知の構成と異なり、この発明によれば、リクライニング装置のための駆動機構68が、パワースライドの駆動機構30と共に、パワースライドのレール体216 に内蔵されるため、レール体周辺の大型化が防止されるとともに、対応する周辺部分の構成の簡素化がはかられる。
【0085】ここで、図15を見るとわかるように、この発明においては、駆動機構のシリンダ状ナット74の上下および左右が、固定部材である一対のブラケット8081 およびアッパーレール水平壁232aによって包囲されている。つまり、支持アーム76等からの過大な負荷等によって、シリンダ状ナット74が上下および左右のいずれかの方向に強制的に移動されても、一対のブラケット8081 およびアッパーレール水平壁232aへの当接のもとで、シリンダ状ナットの過剰な移動が阻止されるため、負荷の作用に起因するリードスクリュー70の座屈が、さほど大きくなる前に防止できる。
【0086】従って、リードスクリュー70の座屈の抑制により、過大な負荷の作用時におけるシートバックの安定化がはかられる。
【0087】なお、この発明の実施の形態においては、ギヤボックス12との組み合わせを例示しているが、これに限定されず、ギヤボックス112 との組み合わせにおいても上記と同様の効果が得られることはいうまでもない。
【0088】また、上述した実施の形態においては、ギヤボックス取り付け構造が、パワースライド、リクライニング装置を作動対象する駆動機構のギヤボックスをアッパーレールに取り付ける構成としてそれぞれ具体化されているが、パワースライドに駆動機構を装着可能とする着座姿勢制御装置であれば足りるため、これに限定されず、たとえば、シートリフター等のための駆動機構のギヤボックスの取り付けの際に、この発明を応用してもよい。
【0089】そして、実施の形態においては、乗用車等のパワーシートにおけるギヤボックス取り付け構造として具体化されているが、パワーシートであれば足りるため、これに限定されず、たとえば、電車、飛行機、船舶等のシートやあんま、理髪等のためのシートに、この発明を応用してもよい。
【0090】上述した発明の実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明を何等限定するものでなく、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも全てこの発明に包含されることはいうまでもない。
【0091】
【発明の効果】上記のように、この発明に係るパワーシートのギヤボックス取り付け構造によれば、係止手段による1ヶ所の係止のもとで、ギヤボックスがアッパーレールに対して直接的に取り付けられるため、部品点数の削減に伴う構成の簡単化が容易に得られる。
【0092】そして、ギヤボックスをアッパーレールに直接的に取り付けるため、簡単な構成にも拘らず、アッパーレールに対するギヤボックスのブレのない安定した保持が容易に確保できる。従って、ギヤボックスが受け部材の軸線に対してブレることもなく、受け部材に対するリードスクリューの円滑な回転が十分に確保できる。
【0093】また、1ヶ所の係止部材による係止と、アッパーレールの対応する端末への段部の係合とによる、いわゆる2点支持によってギヤボックスがアッパーレールに取り付けられるため、リードスクリュー等からギヤボックスに作用する負荷が、アッパーレールに対する2ヶ所の係止部分からアッパーレールに逃がされる。従って、負荷が1ヶ所に集中することもなく、アッパーレールに対するギヤボックスの強固な係止、保持の確保により、ギヤボックスの保持の確実性が向上される。
【0094】更に、この発明においては、ギヤボックスが、リードスクリューの軸線に沿った縦割りによって2分割され、リードスクリューの軸線方向に離反した2ヶ所の連結部材による右半部、左半部の連結によって組み立てられる。そのため、ギヤボックスの組み立てが簡単、容易に行える。
【0095】そして、ギヤボックスは、その組み立て後、アッパーレールの一対の縦壁間に挿入、介在され、この縦壁がギヤボックスの補強材として機能するため、右半部、左半部の分解が確実に阻止される。従って、この発明によれば、簡単な構成、連結にも拘らず、ギヤボックスに高い剛性が十分に維持でき、この点からも、ギヤボックスの保持の確実性が向上される。
【0096】また、ギヤボックスの上下いずれかの面に段部を設ける構成において、段部との同一面に突起を設けるとともに、この突起の嵌入可能な嵌合孔をアッパーレールの水平壁に穿設すれば、アッパーレールに対する前方へのギヤボックスの動きが、係合孔への突起の嵌入のもとで、係止部材による係止および段部、端末間の係合による他方への動きと共に確実に封じられる。従って、構成の複雑化を招くことなく、ギヤボックスの保持の安定化が一層はかられる。
【0097】更に、ギヤボックスの2ヶ所の連結部材のうちの1ヶ所の連結部材をパイプ状連結部材とすれば、このパイプ状連結部材の中空部が、アッパーレールに対して係止する際の係止部材の挿通孔として利用できるため、ギヤボックスに個別の挿通孔を設ける必要がない。従って、挿通孔の穿設スペースが省略でき、ギヤボックスの小型化、および、構成の簡素化が容易にはかられる。
【0098】また、ギヤボックスの左右の側面に段部を設ける構成において、ロアレールのガイド溝内を摺動可能な突出片をギヤボックスの左右の側面にそれぞれ設ければ、ガイド溝に対するギヤボックスの突出片の係合のもとで、アッパーレールに対する上下方向へのギヤボックスの動きが封じられるため、この点からも、アッパーレールに対するギヤボックスの安定した保持が確保できる。
【0099】そして、ギヤボックスの突出片がアッパーレールの突出片の延長部分として機能するため、ロアレールに対するアッパーレールの安定度が変わることなく維持される。従って、アッパーレールが、ロアレールに対し、ギヤボックスの突出片に相当する長さだけ短くでき、この点においても、コストの低減化がはかられる。
【0100】更に、ギヤボックスをアッパーレールに対して揺動可能に支持すれば、駆動機構のリードスクリューに対する受け部材と、受け部材の連結される可動部材との間に移動軌跡のずれが生じても、ギヤボックスの揺動のもとでその移動軌跡のずれが保障できるため、可動部材に受け部材の連結される構成において、特に有効に利用できる。
【0101】そして、受け部材をシリンダ状ナットとし、このシリンダ状ナットの少なくとも上下、左右をアッパーレールおよびアッパーレールに対する固定部材によって包囲する構成では、対応する部材への当接のもとでシリンダ状ナットの過剰な移動が阻止されるため、リードスクリューの座屈が十分に抑制できる。従って、リードスクリューの座屈の抑制により、過大な負荷の作用時におけるシートバックの安定化がはかられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態に係るパワーシートのギヤボックス取り付け構造における、ギヤボックス、レール体間の概略分解斜視図である。
【図2】図1に示すパワーシートのギヤボックス取り付け構造における、リードスクリューの軸線に沿った概略縦断面図である。
【図3】図1に示すギヤボックスの概略分解斜視図である。
【図4】図2の線A−Aに沿った、ギヤボックス取り付け構造の端面図である。
【図5】図1に示すパワーシートのギヤボックス取り付け構造の概略正面図である。
【図6】この発明の実施の別の形態に係るパワーシートのギヤボックス取り付け構造における、ギヤボックス、レール体間の概略分解斜視図である。
【図7】図6に示すパワーシートのギヤボックス取り付け構造の概略平面図である。
【図8】図6に示すギヤボックスの概略分解斜視図である。
【図9】図11の線B−Bに沿った、ギヤボックス取り付け構造の端面図である。
【図10】図11の線C−Cに沿った、ギヤボックス取り付け構造の断面図である。
【図11】図6に示すパワーシートのギヤボックス取り付け構造における、リードスクリューの軸線に沿った概略縦断面図である。
【図12】この発明の実施における更に別の形態に係る、パワーシートのギヤボックス取り付け構造での、リードスクリューの軸線に沿った概略縦断面図である。
【図13】図12に示すパワーシートのギヤボックス取り付け構造の概略正面図である。
【図14】図12の線D−Dに沿った端面図である。
【図15】図12の線E−Eに沿った端面図である。
【符号の説明】
10110210 パワーシートのギヤボックス取り付け構造
12112212 ギヤボックス
14 リードスクリュー
16116216 パワースライドのレール体
22(22-122-2) 連結部材
28 ナットブロック(受け部材)
30 駆動機構
32132232 アッパーレール
23a132a232a 水平壁
23b132b232b 一対の縦壁
36136236 ロアレール
40140 段部
42 突起
44 嵌合孔
48 スプリングピン(係止部材)
52(52-152-2) 連結部材
64 係止ピン(係止部材)
66 突出片
68 駆動機構
70 リードスクリュー
72(72-1 〜72-3) 連結部材
74 シリンダ状ナット(受け部材)
8081 ブラケット(固定部材)
90 スプリングピン(係止部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ギヤボックスを介してモータの出力軸に連動可能に連結されたリードスクリューと、このリードスクリューの螺合する受け部材との組み合わせからなる駆動機構が、略H 形状のアッパーレールを対応するロアレールにスライド自在に組み込んだパワースライドのレール体に対して、対象となる着座姿勢制御装置を作動可能に配置されたパワーシートにおいて、ギヤボックスが、ギヤボックスから延出されたリードスクリューの軸線に沿った縦割りによって右半部、左半部に2分割され、リードスクリューの軸線方向に離反した少なくとも2ヶ所での連結部材による右半部、左半部の連結のもとで組み立てられ、ギヤボックスが、略H 形状のアッパーレールの一対の縦壁間に挿入、介在可能な横幅に形成されるとともに、アッパーレールの水平壁の端末に係合可能な段部が、ギヤボックスの上面、下面の少なくともいずれかに設けられ、アッパーレールの一対の縦壁間への挿入、介在後における、1ヶ所の係止部材での係止、および、アッパーレールの水平壁端末への段部の係合により、ギヤボックスをアッパーレールに対して固定したことを特徴とするパワーシートのギヤボックス取り付け構造。
【請求項2】 ギヤボックスが、段部と同一面に突起を有して形成されるとともに、この突起の嵌入可能な嵌合孔が、アッパーレールの水平壁の対応箇所に設けられた請求項1記載のパワーシートのギヤボックス取り付け構造。
【請求項3】 ギヤボックスの2ヶ所の連結部材のうちの1ヶ所の連結部材がパイプ状に形成され、対応する挿通孔へのこのパイプ状連結部材の挿入および端末のカシメによって、ギヤボックスの当該箇所が連結されるとともに、このパイプ状連結部材の中空部に整列可能な挿通孔がアッパーレールの一対の縦壁にそれぞれ設けられ、この挿通孔を介したパイプ状連結部材の中空部への係止部材の嵌着によって、ギヤボックスをアッパーレールに固定可能とした請求項1または2記載のパワーシートのギヤボックス取り付け構造。
【請求項4】 ギヤボックスを介してモータの出力軸に連動可能に連結されたリードスクリューと、このリードスクリューの螺合する受け部材との組み合わせからなる駆動機構が、略H 形状のアッパーレールを対応するロアレールにスライド自在に組み込んだパワースライドのレール体に対して、対象となる着座姿勢制御装置を作動可能に配置されたパワーシートにおいて、ギヤボックスが、ギヤボックスから延出されたリードスクリューの軸線に沿った縦割りによって右半部、左半部に2分割され、リードスクリューの軸線方向に離反した少なくとも2ヶ所での連結部材による右半部、左半部の連結のもとで組み立てられ、ギヤボックスの少なくともリードスクリューの延出サイドが、アッパーレールの一対の縦壁間に部分的に挿入、介在可能な横幅に形成されるとともに、アッパーレールの一対の縦壁の端末に係合可能な段部が、リードスクリューの延出サイドでギヤボックスの左右の側面の双方に設けられ、アッパーレールの一対の縦壁間への対応部分の挿入、介在後における、1ヶ所での係止手段による係止、および、アッパーレールの縦壁端末への段部の係合により、ギヤボックスをアッパーレールに対して固定したことを特徴とするパワーシートのギヤボックス取り付け構造。
【請求項5】 レール本体のアッパーレールが外方に突出した係合片を一体に有して形成され、この係合片を摺動可能に抱持するガイド溝が対応するロアレールに設けられるとともに、ギヤボックスが、ロアレールのガイド溝内を摺動可能な突出片を左右の側面に一体に有して形成された請求項4記載のパワーシートのギヤボックス取り付け構造。
【請求項6】 ギヤボックスの2ヶ所の連結部材のうち、アッパーレールの縦壁間によって覆われる部分の1ヶ所の連結部材をパイプ状連結部材とし、対応する挿通孔へのこのパイプ状連結部材の挿入および端末のカシメによって、ギヤボックスの当該箇所を連結するとともに、このパイプ状連結部材の中空部に整列可能な挿通孔が、アッパーレールの一対の縦壁にそれぞれ設けられ、この挿通孔を介したパイプ状連結部材の中空部への係止部材の嵌着によって、ギヤボックスをアッパーレールに固定可能とした請求項4または5記載のパワーシートのギヤボックス取り付け構造。
【請求項7】 ギヤボックスを介してモータの出力軸に連動可能に連結されたリードスクリューと、このリードスクリューの螺合する受け部材との組み合わせからなる駆動機構が、略H 形状のアッパーレールを対応するロアレールにスライド自在に組み込んだパワースライドのレール体に対して、対象となる着座姿勢制御装置を作動可能に配置されたパワーシートにおいて、ギヤボックスが、ギヤボックスから延出されたリードスクリューの軸線に沿った縦割りによって右半部、左半部に2分割され、リードスクリューの軸線方向に離反した少なくとも2ヶ所での連結部材による右半部、左半部の連結のもとで組み立てられ、ギヤボックスが、略H 形状のアッパーレールの一対の縦壁間に挿入、介在可能な横幅を、少なくとも取り付け角度に応じて部分的に有して形成され、アッパーレールの一対の縦壁間への挿入、介在後における、1ヶ所の係止部材での枢支によって、ギヤボックスをアッパーレールに対して上下方向に揺動自在に取り付けたことを特徴とするパワーシートのギヤボックス取り付け構造。
【請求項8】 ギヤボックスの2ヶ所の連結部材のうちの1ヶ所の連結部材がパイプ状に形成され、対応する挿通孔へのこのパイプ状連結部材の挿入および端末のカシメによって、ギヤボックスの当該箇所が連結されるとともに、このパイプ状連結部材の中空部に整列可能な挿通孔がアッパーレールの一対の縦壁にそれぞれ設けられ、この挿通孔を介したパイプ状連結部材の中空部への係止部材の遊挿によって、ギヤボックスをアッパーレールに枢着可能とした請求項7記載のパワーシートのギヤボックス取り付け構造。
【請求項9】 リードスクリューの螺合される受け部材が、シートバックの支持アームに一端の枢着されたシリンダ状ナットであり、このシリンダ状ナットが、少なくとも上下、左右に位置するアッパーレールおよびアッパーレールに固定された所定の固定部材によって、所定範囲を移動可能に包囲された請求項7または8記載のパワーシートのギヤボックス取り付け構造。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図9】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図10】
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【図13】
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【図8】
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【図11】
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【図14】
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【図15】
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【図12】
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【特許番号】特許第3343004号(P3343004)
【登録日】平成14年8月23日(2002.8.23)
【発行日】平成14年11月11日(2002.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−243839
【出願日】平成7年8月30日(1995.8.30)
【公開番号】特開平9−66761
【公開日】平成9年3月11日(1997.3.11)
【審査請求日】平成12年9月29日(2000.9.29)
【出願人】(000133098)株式会社タチエス (454)
【参考文献】
【文献】特開 平4−293629(JP,A)
【文献】実開 平4−57437(JP,U)
【文献】実開 昭62−78143(JP,U)
【文献】実開 平4−115933(JP,U)
【文献】実開 平6−74469(JP,U)
【文献】実開 平5−37553(JP,U)