説明

パワーストップベンダ及びパワーストップベンダ工法

【課題】ベンダを使用した配管曲げ作業を熟練を要せず、短時間でかつ確実に一定の角度に曲げることが出来るパワーストップベンダを提供する。
【解決手段】縦断面が略U字形状の略水平な受け溝23と、当該受け溝23から横方向に離れた延長線上に設けられた、下向き湾曲凹溝を有する係止突起24とから成る既存のベンダCの作用部21の、前記受け溝23の、係止突起24とは反対側の延長線上に、上面を有するストッパを設け、当該ストッパは前記ベンダCの作用部21を支える支柱22に一端を固定した腕金部の他端に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電気工事等の作業において、電線等を挿通させる配管やパイプを曲げ加工する際、当該配管やパイプが必要以上に曲がらないようにするストッパを設けたベンダ及び当該ベンダを用いた曲げ工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電気工事等において、電線等を挿通させる配管を手動で「S」曲げや「へ」曲げ等するには、図9、図10及び図11に示す様な既存のベンダと呼ばれる工具を使用している。このベンダCは、作用部21とこれを支える支持部である長尺な円筒から成る支柱22とから構成されている。作用部21は、縦断面が略U字形状の略水平な受け溝23と、この受け溝23から横方向に離れた位置に設けられた係止突起24から成る。前記受け溝23は溝の長手方向の一端が湾曲して下方へやや曲げられている。また、前記係止突起24は前記受け溝23の延長線上にあり、下向きの湾曲凹溝を設けた形状である。この作用部21を前記支柱22の上端部に取り付けて形成されている。
【0003】
このベンダCの使用の仕方は、図6に示す様に、当該ベンダCの作用部21の受け溝23と係止突起24との間から配管Dを作用部21に入れ、配管Dの一個所上面を係止突起24の下向きの湾曲凹溝に引っ掛け、これよりややずれた配管Dの下面を受け溝23の一端に当て、前記作用部21から上方に伸びた配管Dの上部を作業員が手で持って引き下げることにより曲げると言うものである。
【特許文献1】実開平2−108515号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この様なベンダCでの配管Dの曲げは作業員の押し下げ具合によって曲げ角度が異なり、一定の角度に配管Dを曲げるのには熟練を要するものである。従って、「S」字やダブル「S」字に配管Dを一定の角度を保って曲げるのは極めて難しい。
【0005】
この発明は、これらの点に鑑みて為されたもので、前記ベンダを使用した配管の曲げ作業において、必要以上に配管が曲がらないようにしたストッパを取り付け、当該ベンダを使用した配管曲げ作業を熟練を要せず、短時間でかつ確実に一定の角度に曲げることが出来るパワーストップベンダ及びパワーストップベンダ工法を提供して前記課題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、縦断面が略U字形状の略水平な受け溝と、当該受け溝から横方向に離れた延長線上に設けられた、下向き湾曲凹溝を有する係止突起とから成る既存のベンダの作用部の前記受け溝の、係止突起とは反対側の延長線上に、上面を有するストッパを設け、当該ストッパは前記ベンダの作用部を支える支柱に一端を固定した腕金部の他端に設けられたパワーストップベンダとした。
【0007】
請求項2の発明は、前記ストッパは、腕金部の他端に台座を固定し、当該台座の上面にボルトを立設し、当該ボルトの高さを調整可能として、当該ボルトの頭部上面をストッパの上面とした前記請求項1に記載のパワーストップベンダとした。
【0008】
請求項3の発明、前記ストッパは、腕金部の他端に台座を固定し、当該台座の上部に回転、固定自在な円板を設け、当該円板の円周上に沿って高さが異なる複数の小柱体を立設し、当該円板を回転させることによって所望の高さの小柱体の上面をストッパの上面とする構成とした前記請求項1に記載のパワーストップベンダとした。
【0009】
請求項4の発明は、前記各小柱体はボルトから成り、各ボルトは円板上に設けた雌ねじに螺着され、その高さを調整可能とした前記請求項3に記載のパワーストップベンダとした。
【0010】
請求項5の発明は、略長尺な支柱及び当該支柱の上に設けた作用部から成るベンダを使用した配管曲げ作業において、前記請求項1、2、3又は4の何れかのパワーストップベンダを用いて、当該ベンダの作用部の受け溝と係止突起の間から配管を挿通し、前記係止突起の下面で配管を引っ掛け、また、当該個所からややずれた配管の下面を受け溝の一端に載せて、前記作用部から上方に伸びた配管の一部を前記ストッパの上面に当接するまで押し下げて、配管を一定角度に折り曲げるパワーストップベンダ工法とした。
【0011】
請求項6の発明は、前記作用部から上方に伸びた配管の一部を前記ストッパの上面に当接するまで下方に押し下げた後、当該配管の位置を一定長づつずらして押し下げる作業を繰り返し、当該配管の曲げ角度が一定となる様にすることを特徴とする前記請求項5に記載のパワーストップベンダ工法。
【0012】
請求項7の発明は、前記配管の上面の曲げ個所には、予め印を設け、前記パワーストップベンダの作用部の上面に基準点を設け、前記配管の印と前記パワーストップベンダの基準点を合わせて、配管の押し下げ作業を行う前記請求項5に記載のパワーストップベンダ工法とした。
【0013】
請求項8の発明は、前記配管の上面の曲げ個所には、予め一定間隔の目盛を設け、前記パワーストップベンダの作用部の上面に基準点を設け、前記配管の目盛と前記パワーストップベンダの基準点を合わせて、配管をずらして押し下げ作業を行う前記請求項6に記載のパワーストップベンダ工法とした。
【発明の効果】
【0014】
請求項1及び5の各発明によれば、ストッパをベンダの作用部の延長線上に取り付けたので、このパワーストップベンダを使って、手動で配管を曲げた場合、この配管が必要以上に曲げられようとしても、ストッパの上面に当接してそれ以上曲がらないようになっているので、所望の一定の曲げ角度の配管が得られる。その結果、S字、山型等の曲げを一定の角度にそろえて曲げる配管の作業が短時間でかつ確実に出来る。これにより、例え、作業員が熟練者でなくても、配管の折り曲げ作業を確実に行える。
【0015】
また、このパワーストップベンダは既存のベンダにストッパを取り付けるだけで形成されるので汎用性も高く、また、安価に製造出来、使い勝手の良いものである。
【0016】
請求項2の発明によれば、ストッパは、腕金部の他端に台座を固定し、当該台座の上面にボルトを立設し、当該ボルトの高さを調整可能として、当該ボルトの頭部上面をストッパの上面としたので、各種の配管の所望の角度の折り曲げ作業に対応することが出来、さらに、使い勝手が良く便利である。
【0017】
請求項3の発明によれば、ストッパは、腕金部の他端に台座を固定し、当該台座の上部に回転、固定自在な円板を設け、当該円板の円周上に沿って高さが異なる複数の小柱体を立設し、当該円板を回転させることによって所望の高さの小柱体の上面をストッパの上面とする構成としたので、各種の配管の所望の角度の曲げ作業に迅速に対応することが出来、さらに、使い勝手が良く便利である。
【0018】
請求項4の発明によれば、各小柱体はボルトから成り、各ボルトは円板上に設けた雌ねじに螺着され、その高さを調整可能としたので、各種の配管の所望の角度の曲げ作業に迅速に対応することが出来、さらに、使い勝手が良く便利である。
【0019】
請求項6の発明によれば、作用部から上方に伸びた配管の一部を前記ストッパの上面に当接するまで下方に押し下げた後、当該配管の位置を一定長づつずらして押し下げる作業を繰り返し、当該配管の曲げ角度が一定となる様にするので、配管を大きく曲げる場合であっても、短時間に、均一な曲率でより正確に曲げ作業を行うことが出来る。
【0020】
請求項7又は8の発明によれば、前記配管の上面の曲げ個所には、予め印又は一定間隔の目盛を設け、前記パワーストップベンダの作用部の上面に基準点を設け、前記配管の印又は目盛と前記パワーストップベンダの基準点を合わせて、配管の押し下げ作業を行うこととしたので、又は目盛に合わせてずらしながら配管の曲げ作業がより正確かつ確実に出来、信頼性の高い作業を行うことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
縦断面が略U字形状の略水平な受け溝と、当該受け溝から横方向に離れた延長線上に設けられた、下向き湾曲凹溝を有する係止突起とから成る既存のベンダの作用部の前記受け溝の、係止突起とは反対側の延長線上に、上面を有するストッパを設け、当該ストッパは前記ベンダの作用部を支える支柱に一端を固定した腕金部の他端に設けられた。
【0022】
これにより、手動で配管を曲げた場合、この配管が必要以上に折り曲げられようとしても、ストッパの上面に当接してそれ以上曲がらないようになっているので、所望の一定な曲げ角度の配管が得られる。その結果、S字、山型の曲げをそろえて曲げる配管の作業が短時間でかつ確実に出来る。
【実施例1】
【0023】
以下、この発明の実施例1のパワーストップベンダを図に基づいて説明する。図1は、この発明の実施例1のパワーストップベンダを用いて配管を曲げている状態を示す説明図である。図2は、この発明の実施例1のパワーストップベンダのストッパの正面図である。図3は、同平面図である。図4は、同側面図である。
【0024】
このパワーストップベンダAは、既存のベンダCにストッパBを取り付けたものから成る。最初にストッパBについて説明する。このストッパBは、腕金部によってベンダCに取り付けられている。この腕金部は、図2、3及び4に示す様に、横長で、内側に、後述する支柱の形状と相応する形状に湾曲凹部1aが設けられた2枚の板体1を相対向させて立設し、これらの2枚の板体1の右側の間に1枚の板体2の左側の一端側を差し入れ挟持したものから形成される。前記2枚の板体1には予め左右の両側に縦方向に2つずつ貫通孔1bを夫々設けており、また、前記1枚の板体2にも左側に縦方向に2つ貫通孔2aを設けている。
【0025】
これらの各板体1、2の貫通孔1b、2aに、一側からボルト3を挿通し、他方から突出した当該ボルト3の脚部にナット4を螺着して各板体1、2を固定している。また、前記板体2の上面に台座5を溶接して設けている。この台座5は円板状の基板6の上に短尺な円柱状の胴部7を設け、この胴部7の上面に回転自在な円板8を設けている。
【0026】
また、この円板8上には、当該円板8の円周縁に沿って貫通した貫通孔8aを平面視90度間隔で4つ設けており、これらの貫通孔8aの上に略同心円状にナット8dを固定し、このナット8dにボルト8bを螺着して立設し、この各ボルト8bの下端を各貫通孔8aに通している。従って、各ボルト8bの高さは夫々調整自在である。また、この円板8の各貫通孔8dを設けた脇の外周面には浅い凹部8cを設けている。さらに、前記胴部7の一側から鉤型の腕部7aを突出させ、この腕部7aの直立部の先端付近には貫通したネジ孔を穿っており、このネジ孔には外側から、先端が尖ったボルト7bを螺着している。そして、このボルト7bは前記円板8の外周面の各凹部8cに嵌合させた際、円板8を固定するものである。
【0027】
続いて、このストッパBを取り付けるベンダCを説明する。このベンダCは既存のものであって人力で配管を曲げるものである。このベンダCは、前述した図8〜図10に示したものである。
【0028】
図5は、この発明の実施例1の既存のベンダCにストッパBを取り付けた状態、すなわちパワーストップベンダAを形成した状態を示す一部正面図である。前記ベンダCの作用部21の下方の支柱22に、この図5に示す様に、2枚の板体1で支柱22を挟み、ボルト3とナット4を締め付けることにより前記ストッパBを取り付ける。これにより、パワーストップベンダAは形成される。
【0029】
次に、このパワーストップベンダAを用いて配管Dの曲げ作業を行う。まず、ストッパBの台座5の調整を行う。このストッパBには4つの高さ調整自在なボルト8bがあるが、ここでは、1つのボルト8bを前記腕部7aのボルト7bの尖った先端部が位置する個所に回して、ボルト7bを締め付けて円板8の外周面の凹部8cに先端部を入れて円板8を固定する。そして、反対側に位置するボルト8bを回して、その高さを調整する。その際、このボルト8bと反対側のボルト8bはこれより高さを低くしておく。
【0030】
そして、図6に示す様に、このパワーストップベンダAの作用部21の係止突起24下の溝部から配管Dを挿通し、図1に示す様に、前記係止突起24の個所で配管Dを作業者の左手Eで固定する。その後、前記作用部21から上方に伸びた配管Dの一部を作業者の右手で下方に押して(図示省略)当該配管Dを曲げる。この時、必要以上に配管Dが曲がろうとするとストッパBの台座5の作用部21の延長線上のボルト8bの頭部に当接してそれ以上曲がらないようになっている。従って、その結果として配管Dは一定の角度で曲げられることとなる。
【0031】
また、予め、円板8の各ボルト8bの高さを所望の高さに調整しておき、このパワーストップベンダAを用いて配管Dを曲げる際、配管Dの曲げ角度によって円板8のボルト7bを緩めて円板8を回して前記受け溝23の端部近くに所望の高さのボルト8bを位置させて、円板8の凹部8cにボルト7bを入れて締め付け、円板8を固定して配管Dの曲げ作業を行える。また、円板8を固定したまま、前記受け溝23の端部近くのボルト8bの高さを調整することにより、所望の曲げ角度の配管を得ることが出来る。
【0032】
図7の(A)は、この実施例1のパワーストップベンダAを用いて配管Dを「S」曲げした状態の正面図である。同(B)は、この実施例1のパワーストップベンダAを用いて配管Dをダブル「S」曲げした状態の正面図である。この図7の(A)に示す様に、配管Dを「S」曲げするには、図7(A)における2つの白矢印部分(1)(2)を相互に反対側から同じ角度で曲げないと平行にならないが、このパワーストップベンダAを用いると、(1)の曲げを行った後、配管Dの位置をずらし、回転して(2)の位置において、ストッパである同じボルト8bに当接するまで配管Dを曲げれば、配管Dを確実に同じ角度に曲げることが出来、「S」曲げ作業が短時間でかつ確実に行える。
【0033】
また、図7の(B)に示す様に、配管Dをダブル「S」曲げ(山型曲げ)するには、この配管Dの4箇所(白矢印)を全て同じ角度で曲げなければならないが、図7の(A)のように(1)(2)の位置において曲げた後、配管Dの位置をずらして、(3)(4)の位置において、ストッパの同じボルト8bに当接するまで曲げるだけで、同じ角度で曲げることができる。このように、このパワーストップベンダAを用いると、これらの配管Dの全ての曲げ部分を確実に同じ角度に曲げることが出来、ダブル「S」曲げ作業が短時間でかつ確実に行える。さらに、配管Dを90度曲げ、例えば、4.5度ずつ20回に渡って、このパワーストップベンダAを用いるとこの曲げ作業が短時間でかつ確実に行える。また、この様にして折り曲げた配管Dを実際の配電盤に使用している状態を図8に示す。(イ)個所は、「S」曲げ、(ロ)個所は、ダブル「S」曲げ、(ハ)個所は、「へ」曲げを施したものである。
【0034】
また、折り曲げる配管Dの上面に、予め1つの印を入れ(図示省略)、パワーストップベンダAの作用部21の受け溝23の外側面に基準点23aを入れておくと、配管の折り曲げの際、前記印と基準点の位置を合わせることにより所望の位置で、正確に配管の折り曲げ作業を行うことが出来る。また、図1に示す様に、一定角度づつ多数回に渡って曲げる場合、予め配管Dに複数の目盛を入れておき、曲げる毎にベンダCの作用部21からの長さを一定目盛31毎にずらして曲げていけば、各曲げ作業が同じ角度の曲げとなり、配管Dを均一な曲げ角度で所望の角度にまで曲げることが出来、さらに、短時間でかつ確実に配管Dを所望の角度に曲げることが出来る。
【0035】
前記実施例1では、板体2の一側に2つだけ貫通孔2aを設けているが、さらに、複数列2つの貫通孔を設けて、この板体2が2枚の板体1に入り込む長さを複数段に変えられるようにすることも出来る。この様にすることにより、配管Dを受けるボルト8bの作用部21からの長さを調整出来るようになり、より使い勝手の良いものとなる。
【0036】
また、この実施例1では、作用部21のボルト8bを平面視90度間隔で設けており、最も低いボルト8bを使用する場合、対向する位置にある高いボルト8bが邪魔になるが、この時、最も高いボルト8bの固定を解除し、当該ボルト8bをねじ込んで低くしておくと邪魔にならず、さらには、取り外しても良い。また、ボルト8bを設ける角度を各ボルトが対向する角度(例えば90度毎)からは対向しない角度、例えば、180度毎(三角形)や72度毎(五角形)などにしても良い。また、前記実施例ではストッパとしてボルトを用いているが、ボルトに限らず、配管Dを上面で当接出来る小柱体であるならば、他のものでももちろん良い。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】この発明の実施例1のパワーストップベンダを用いて配管を曲げている状態を示す説明側面図である。
【図2】この発明の実施例1のパワーストップベンダのストッパの正面図である。
【図3】この発明の実施例1のパワーストップベンダのストッパの平面図である。
【図4】この発明の実施例1のパワーストップベンダのストッパの側面図である。
【図5】この発明の実施例1の既存のベンダにストッパを取り付けた状態、すなわちパワーストップベンダを形成した状態を示す一部正面図である。
【図6】この実施例1のパワーストップベンダの作用部に配管を係止した状態の正面図である。
【図7】(A)この実施例1のパワーストップベンダを用いて配管を「S」曲げした状態の正面図である。(B)この実施例1のパワーストップベンダを用いて配管をダブル「S」曲げした状態の正面図である。
【図8】この実施例1のパワーストップベンダを用いて曲げた配管を実際の配電盤に使用した状態を示す説明図である。
【図9】従来のベンダの正面図である。
【図10】従来のベンダの上部拡大正面図である。
【図11】従来のベンダの作用部の受け溝の端面図である
【符号の説明】
【0038】
A パワーストップベンダ B ストッパ
C ベンダ D 配管
E 左手
1 板体 2 板体 3 ボルト
4 ナット 5 台座 6 基板
7 胴部 7a 腕部 8 円板
8b ボルト 21 作用部 22 支柱
23 受け溝 23a 基準点 24 係止突起
31 目盛

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦断面が略U字形状の略水平な受け溝と、当該受け溝から横方向に離れた延長線上に設けられた、下向き湾曲凹溝を有する係止突起とから成る既存のベンダの作用部の前記受け溝の、係止突起とは反対側の延長線上に、上面を有するストッパを設け、当該ストッパは前記ベンダの作用部を支える支柱に一端を固定した腕金部の他端に設けられたことを特徴とする、パワーストップベンダ。
【請求項2】
前記ストッパは、腕金部の他端に台座を固定し、当該台座の上面にボルトを立設し、当該ボルトの高さを調整可能として、当該ボルトの頭部上面をストッパの上面としたことを特徴とする、前記請求項1に記載のパワーストップベンダ。
【請求項3】
前記ストッパは、腕金部の他端に台座を固定し、当該台座の上部に回転、固定自在な円板を設け、当該円板の円周上に沿って高さが異なる複数の小柱体を立設し、当該円板を回転させることによって所望の高さの小柱体の上面をストッパの上面とする構成としたことを特徴とする、前記請求項1に記載のパワーストップベンダ。
【請求項4】
前記各小柱体はボルトから成り、各ボルトは円板上に設けた雌ねじに螺着され、その高さを調整可能としたことを特徴とする、前記請求項3に記載のパワーストップベンダ。
【請求項5】
略長尺な支柱及び当該支柱の上に設けた作用部から成るベンダを使用した配管曲げ作業において、
前記請求項1、2、3又は4の何れかのパワーストップベンダを用いて、当該ベンダの作用部の受け溝と係止突起の間から配管を挿通し、前記係止突起の下面で配管を引っ掛け、また、当該個所からややずれた配管の下面を受け溝の一端に載せて、前記作用部から上方に伸びた配管の一部を前記ストッパの上面に当接するまで押し下げて、配管を一定角度に折り曲げることを特徴とする、パワーストップベンダ工法。
【請求項6】
前記作用部から上方に伸びた配管の一部を前記ストッパの上面に当接するまで下方に押し下げた後、当該配管の位置を一定長づつずらして押し下げる作業を繰り返し、当該配管の曲げ角度が一定となる様にすることを特徴とする前記請求項5に記載のパワーストップベンダ工法。
【請求項7】
前記配管の上面の曲げ個所には、予め印を設け、前記パワーストップベンダの作用部の上面に基準点を設け、前記配管の印と前記パワーストップベンダの基準点を合わせて、配管の押し下げ作業を行うことを特徴とする前記請求項5に記載のパワーストップベンダ工法。
【請求項8】
前記配管の上面の曲げ個所には、予め一定間隔の目盛を設け、前記パワーストップベンダの作用部の上面に基準点を設け、前記配管の目盛と前記パワーストップベンダの基準点を合わせて、配管をずらして押し下げ作業を行うことを特徴とする前記請求項6に記載のパワーストップベンダ工法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−86263(P2012−86263A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−237368(P2010−237368)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(000141060)株式会社関電工 (115)
【出願人】(591032747)株式会社三和クリーン (2)
【Fターム(参考)】