説明

パン用焼き型

【課題】上壁体、囲壁体及び底壁体により囲まれた焼き型の内部空間にパン生地を詰めて焼き上げることになり、この際、上記焼き型の内部空間に内筒体を配置してなるから、上壁体、囲壁体及び底壁体並びに内筒体により囲まれた焼き型の内部空間にパン生地を詰めて焼き上げることにより、焼き上がったパンに詰入穴を形成することができ、この詰入穴にサラダ、ジャム類、乳製品などの各種の具材を詰入することができ、パンの全体形態の斬新性、審美感、食の演出性を向上することができる。
【解決手段】上壁体1、囲壁体2及び底壁体3からなり、これら各壁体により囲まれた内部空間Rにパン生地Kを詰めて焼き上げる焼き型Wにおいて、焼き型の内部空間に焼き上がったパンPにサラダ、ジャム類、乳製品などの各種の具材Gを詰入するための詰入穴Mを形成する内筒体4を配置してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、サラダ、ジャム類、乳製品などの各種の具材を詰入する詰入穴をもつパンを焼き上げることのできるパン用焼き型に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のパン用焼き型として、例えば、鉄やアルミニウムなどの金属製にして、上壁体、囲壁体及び底壁体からなり、これら各壁体により囲まれた内部空間にパン生地を詰め、オーブン等により焼き上げ、パンを製造する構造の焼き型が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−343381号公報
【特許文献2】特開平4−156805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これら従来構造の場合、直方体状、円盤状など、種々の外観形状のパンを製造し、これを数枚に切截し、各種の具材を挟んだり、乗せたりして、サンドイッチとして食することはできるものの、いままでからあるありふれた形状となって、パンの全体形態の斬新性、審美感、食の演出性に乏しいとされることがあるという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はこのような不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうちで、請求項1記載の発明は、上壁体、囲壁体及び底壁体からなり、これら各壁体により囲まれた内部空間にパン生地を詰めて焼き上げる焼き型において、上記焼き型の内部空間に焼き上がったパンにサラダ、ジャム類、乳製品などの各種の具材を詰入するための詰入穴を形成する内筒体を配置してなることを特徴とするパン用焼き型にある。
【0006】
又、請求項2記載の発明は、上記焼き型は、円筒状の囲壁体、有底円筒状の上壁体及び有底円筒状の底壁体からなり、上記内筒体は該上壁体及び該底壁体の各内面に突設されて相互に摺動嵌合自在な一対の内筒半体からなることを特徴とするものであり、又、請求項3記載の発明は、上記焼き型の囲壁体は異形円筒状に形成されていることを特徴とするものであり、又、請求項4記載の発明は、上記焼き型の異形円筒状の囲壁体は断面花びら状に形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
又、請求項5記載の発明は、上記焼き型は、四つの四角板状の側面材からなる囲壁体、四角板状の上壁体及び四角板状の底壁体からなり、上記内筒体は上記底壁体上に配置される内面材に突設されていることを特徴とするものである。
【0008】
又、請求項6記載の発明は、上記内筒体は円筒状、四角筒状又は異形円筒状に形成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、上壁体、囲壁体及び底壁体により囲まれた焼き型の内部空間にパン生地を詰めて焼き上げることになり、この際、上記焼き型の内部空間に内筒体を配置してなるから、上壁体、囲壁体及び底壁体並びに内筒体により囲まれた焼き型の内部空間にパン生地を詰めて焼き上げることにより、焼き上がったパンに詰入穴を形成することができ、この詰入穴にサラダ、ジャム類、乳製品などの各種の具材を詰入することができ、パンの全体形態の斬新性、審美感、食の演出性を向上することができる。
【0010】
又、請求項2記載の発明にあっては、上記焼き型は、円筒状の囲壁体、有底円筒状の上壁体及び有底円筒状の底壁体からなり、内筒体は上壁体及び底壁体の各内面に突設されて相互に摺動嵌合自在な一対の内筒半体からなるので、パン生地の詰入及び焼き上がったパンの取り出しを容易に行うことができ、又、請求項3記載の発明にあっては、上記焼き型の囲壁体は異形円筒状に形成されているから、パンの全体形態の斬新性を高めることができ、又、請求項4記載の発明にあっては、上記焼き型の異形円筒状の囲壁体は断面花びら状に形成されているから、これを数枚に切截したとき、花びら状のパンとなり、一層、食の演出性を向上することができる。
【0011】
又、請求項5記載の発明にあっては、上記焼き型は、四つの四角板状の側面材からなる囲壁体、四角板状の上壁体及び四角板状の底壁体からなり、上記内筒体は上記底壁体上に配置される内面材に突設されているから、詰入穴が形成された四角ブロック状のパンを作ることができ、パンの全体形態の斬新性、審美感、食の演出性を向上することができる。
【0012】
又、請求項6記載の発明にあっては、上記内筒体は円筒状、四角筒状又は異形円筒状に形成されているから、種々形状の詰入穴を得ることができ、パンの全体形態の斬新性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の第一形態例の分解斜視図である。
【図2】本発明の実施の第一形態例の斜視図である。
【図3】本発明の実施の第一形態例の断面図である。
【図4】本発明の実施の第一形態例の断面図である。
【図5】本発明の実施の第一形態例の上壁体を外した状態の平面図である。
【図6】本発明の実施の第一形態例のパンの斜視図である。
【図7】本発明の実施の第二形態例の分解斜視図である。
【図8】本発明の実施の第二形態例の上壁体を外した状態の平面図である。
【図9】本発明の実施の第二形態例のパンの斜視図である。
【図10】本発明の実施の第三形態例の分解斜視図である。
【図11】本発明の実施の第三形態例の斜視図である。
【図12】本発明の実施の第三形態例の断面図である。
【図13】本発明の実施の第三形態例の上壁体を外した状態の平面図である。
【図14】本発明の実施の第三形態例の側面図である。
【図15】本発明の実施の第三形態例のパンの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1乃至図15は本発明の実施の形態例を示し、図1乃至図6は第一形態例、図7乃至図9は第二形態例、図10乃至図15は第三形態例である。
【0015】
図1乃至図6の第一形態例において、Wは焼き型であって、上壁体1、囲壁体2及び底壁体3からなり、これら各壁体1・2・3は、それぞれ金属製にして、囲壁体2の上面に上壁体1が嵌脱自在に設けられ、囲壁体2の下面に底壁体3が嵌脱自在に設けられ、各壁体1・2・3により囲まれた内部空間Rにパン生地Kを詰めて焼き上げることになる。
【0016】
4は内筒体であって、金属製にして、上記焼き型Wの内部空間Rに配置され、上記焼き上がったパンPにサラダ、ジャム類、乳製品などの各種の具材Gを詰入するための詰入穴Mを形成することになる。
【0017】
この場合、上記焼き型Wは、円筒状の囲壁体2、有底円筒状の上壁体1及び有底円筒状の底壁体3からなり、上記内筒体4は上壁体1及び底壁体3の各内面に突設されて相互に摺動嵌合自在な一対の内筒半体4a・4aからなる。
【0018】
又、この場合、上記内筒体4は円筒状に形成されている。なお、四角筒状又は異形円筒状に形成することもでき、これにより、種々形状の詰入穴Mを得ることができる。
【0019】
この実施の第一形態例は上記構成であるから、上壁体1、囲壁体2及び底壁体3により囲まれた焼き型Wの内部空間Rにパン生地Kを詰めて焼き上げることになり、この際、上記焼き型Wの内部空間Rに内筒体4を配置してなるから、図5の如く、上壁体1、囲壁体2及び底壁体3並びに内筒体4により囲まれた焼き型Wの内部空間Rにパン生地Kを詰めて焼き上げることにより、図6に示す如く、焼き上がったパンPに詰入穴Mを形成することができ、この詰入穴Mにサラダ、ジャム類、乳製品などの各種の具材Gを詰入することができ、パンPの形態の斬新性、審美感、食の演出性を向上することができる。
【0020】
この場合、上記焼き型Wは、円筒状の囲壁体2、有底円筒状の上壁体1及び有底円筒状の底壁体3からなり、上記内筒体4は上壁体1及び底壁体3の各内面に突設されて相互に摺動嵌合自在な一対の内筒半体4a・4aからなるので、パン生地Kの詰入及び焼き上がったパンPの取り出しを容易に行うことができる。
【0021】
図7乃至図9の第二形態例は別例構造を示し、この場合、上記焼き型Wの囲壁体2は異形円筒状に形成され、この場合、この囲壁体2は断面花びら状に形成されている。
【0022】
この実施の第二形態例においても、上記第一形態例と同様な作用効果を得ることができると共に、上記焼き型Wの囲壁体2は異形円筒状に形成されているから、パンPの外観形態の斬新性を高めることができ、又、この場合、上記焼き型Wの異形円筒状の囲壁体2は断面花びら状に形成されているので、これを数枚に切截したとき、花びら状のパンPとなり、一層、食の演出性を向上することができる。
【0023】
図10乃至図15の第三形態例は別例構造を示し、この場合、図10、図12及び図14の如く、上記焼き型Wは、四つの四角板状の側面材2a・2b・2c・2dからなる囲壁体2、四角板状の上壁体1及び囲壁体2と一体に形成された四角板状の底壁体3からなり、これら各壁体1・2・3は、それぞれ金属製であって、囲壁体2の四辺縁に巻込部N・Nを形成し、上壁体1の対向辺縁に巻込嵌合部F・Fを形成すると共に他の対向辺縁に取手部T及びストッパ部Sを形成し、囲壁体2の上面に上壁体1が摺動嵌脱自在に設けられている。
【0024】
この場合、上記焼き型Wの内部空間Rに配置されて上記焼き上がったパンPにサラダ、ジャム類、乳製品などの各種の具材Gを詰入するための詰入穴Mを形成する内筒体4は上記底壁体3上に配置される内面材5に突設されている。
【0025】
この実施の第三形態例においても、上記第一形態例と同様な作用効果を得ることができると共に、図15に示す如く、詰入穴Mが形成された四角ブロック状、この場合、立方体状のパンPを作ることができ、パンPの全体形態の斬新性、審美感、食の演出性を向上することができる。
【0026】
尚、上記内筒体4を円筒状、四角筒状又は異形円筒状に形成することにより種々形状の詰入穴Mを得ることができ、パンPの全体形態の斬新性を高めることができる。
【0027】
尚、本発明は上記の形態例に限られるものではなく、焼き型Wの形態や構造、内筒体4の形態や構造等は適宜変更して設計されるものである。
【0028】
以上の如く、所期の目的を充分達成することができる。
【符号の説明】
【0029】
W 焼き型
R 内部空間
K パン生地
G 具材
M 詰入穴
P パン
1 上壁体
2 囲壁体
2a 側面材
2b 側面材
2c 側面材
2d 側面材
3 底壁体
4 内筒体
4a 内筒半体
5 内面材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上壁体、囲壁体及び底壁体からなり、これら各壁体により囲まれた内部空間にパン生地を詰めて焼き上げる焼き型において、上記焼き型の内部空間に焼き上がったパンにサラダ、ジャム類、乳製品などの各種の具材を詰入するための詰入穴を形成する内筒体を配置してなることを特徴とするパン用焼き型。
【請求項2】
上記焼き型は、円筒状の囲壁体、有底円筒状の上壁体及び有底円筒状の底壁体からなり、上記内筒体は該上壁体及び該底壁体の各内面に突設されて相互に摺動嵌合自在な一対の内筒半体からなることを特徴とする請求項1記載のパン用焼き型。
【請求項3】
上記焼き型の囲壁体は異形円筒状に形成されていることを特徴とする請求項2記載のパン用焼き型。
【請求項4】
上記焼き型の異形円筒状の囲壁体は断面花びら状に形成されていることを特徴とする請求項3記載のパン用焼き型。
【請求項5】
上記焼き型は、四つの四角板状の側面材からなる囲壁体、四角板状の上壁体及び四角板状の底壁体からなり、上記内筒体は上記底壁体上に配置される内面材に突設されていることを特徴とする請求項1記載のパン用焼き型。
【請求項6】
上記内筒体は円筒状、四角筒状又は異形円筒状に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のパン用焼き型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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