説明

パーソナルケア組成物の使用

【課題】頭皮掻痒症を治療するためのパーソナルケア組成物の使用を提供すること。
【解決手段】頭皮掻痒を治療する組成物を製造するための、10から14のアルキル鎖長を有するアルキルモノエタノールアミドの使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭皮掻痒症を治療するためのパーソナルケア組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
頭皮掻痒症は、一般にふけと関連する。ふけ取り剤を、陰イオン界面活性剤ベースのシャンプーに組み込むことは公知である。ふけ取り剤は、ふけに関連した薄片化および掻痒症状を軽減する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(発明の要旨)
本発明は、頭皮掻痒症の治療用組成物を製造するための、10から14のアルキル鎖長を有するアルキルモノエタノールアミドの使用に関する。
【0004】
本発明は、痒みを緩和するための、10から14のアルキル鎖長を有するアルキルモノエタノールアミドの使用にも関する。
【0005】
アルキルモノエタノールアミドの炭素鎖は、飽和させることができまたは不飽和にすることができる。好ましくは、アルキルモノエタノールアミドは、ココモノエタノールアミド、ラウリルモノエタノールアミドまたはラウロモノエタノールアミドである。
【0006】
ココモノエタノールアミドが、特に好ましい。
【0007】
アルキルモノエタノールアミドの2種以上の混合物を、本発明で用いることができる。
【0008】
本発明の組成物中のアルキルモノエタノールアミドの量は、好ましくは、全組成物の少なくとも0.01重量%からしばしば10重量%以下の範囲で、より好ましくは0.05%から5重量%の範囲で選択される。多くの実用的な配合物において、アルキルモノエタノールアミド活性化剤の濃度は5%以下であり、特に0.25から2重量%である。
【0009】
好ましくは、この組成物は、メントールをさらに含む。メントールは、好ましくは全組成物中に0.001から5重量%のレベルで存在し、より好ましくは0.01から2重量%のレベルで存在する。
【0010】
有利なその他の成分は、有機酸である。好ましい有機酸は、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシ酸(特に、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸)、脂肪酸、アミノ酸、ヒドロキシオクタン酸、アジピン酸、安息香酸である。
【0011】
特に好ましい有機酸は、サリチル酸、安息香酸およびこれらの混合物からなるリストから選択される。
【0012】
上述の有機酸の代替例として、共融混合物は、カテコールおよび/またはクリシンを含んでいてもよい。
【0013】
本発明の組成物は、典型的にはパーソナルケア組成物であり、毛髪および/または頭皮への局所使用のための組成物である場合が好ましい。これらの組成物は、透明なまたは不透明なエマルジョン、ローション、クリーム、ペーストまたはゲルとして配合してもよい。
【0014】
本発明の毛髪および/または頭皮ケア組成物は、リンスオフ製品またはリーブオン製品でよい。リーブオン製品は、使用直後(即ち、この組成物を付着させてから少なくとも最初の2時間以内、好ましくは少なくとも4時間以内)に使用者の毛髪および/または頭皮から洗い流さないようにするものである。リーブオン製品には、例えば、毛髪および/または頭皮への局所使用が意図されるローション、クリームおよびヘアオイルが含まれる。リンスオン製品は、使用後に水で、使用者の毛髪および/または頭皮から実質的に洗い流すことが意図される。リンスオフ組成物には、シャンプーおよびヘアコンディショナー、ならびに洗い流す前に最長で半時間、好ましくは5分間にわたって毛髪および/または頭皮に残すことが意図される毛髪および/または頭皮トリートメント製品が含まれる。
【0015】
好ましい製品形態は、シャンプーおよびコンディショナーである。
【0016】
リンスオフ組成物、特にシャンプーが好ましい。
【0017】
本発明によるシャンプー組成物は、典型的には、化粧品として許容され毛髪への局所施用に適切な1種または複数の陰イオンクレンジング界面活性剤を含む。
【0018】
陰イオンクレンジング界面活性剤
適切な陰イオンクレンジング界面活性剤の例は、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルカリールスルホネート、アルカノイルイセチオネート、アルキルスクシネート、アルキルスルホスクシネート、N−アルキルサルコシネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、アルキルエーテルカルボキシレートおよびα−オレフィンスルホネートであり、特にこれらのナトリウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、およびモノ、ジおよびトリエタノールアミン塩である。アルキルおよびアシル基は、一般に8から18個の炭素原子を含有し、不飽和であってもよい。アルキルエーテルスルフェート、アルキルエーテルホスフェートおよびアルキルエーテルカルボキシレートは、分子当たり1から10個のエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド単位を含有してもよい。
【0019】
本発明のシャンプー組成物で使用される典型的な陰イオンクレンジング界面活性剤には、オレイルコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸アンモニウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンセンスルホン酸トリエタノールアミン、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウリルイセチオン酸ナトリウムおよびN−ラウリルサルコシン酸ナトリウムが含まれる。最も好ましい陰イオン界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸(n)EOナトリウム(式中、nは1から3の範囲である。)、ラウリル硫酸アンモニウムおよびラウリルエーテル硫酸(n)EOアンモニウム(式中、nは1から3の範囲である。)である。
【0020】
前述の陰イオンクレンジング界面活性剤のいずれかの混合物も、適したものになり得る。
【0021】
本発明のシャンプー組成物中の陰イオンクレンジング界面活性剤の総量は、一般に組成物の5から30重量%、好ましくは6から20重量%、より好ましくは8から16重量%である。
【0022】
共界面活性剤
本発明によるシャンプー組成物は、この組成物に審美的、物理的またはクレンジング特性を与えるのを助けるため、共界面活性剤を場合によって含むことができる。
【0023】
好ましい例は、0から約8重量%、好ましくは1から4重量%の範囲の量で含めることができる、両性のまたは双性イオン性の界面活性剤である。
【0024】
両性のおよび双性イオン性の界面活性剤の例には、アルキルアミンオキシド、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン(スルテイン)、アルキルグリシネート、アルキルカルボキシグリシネート、アルキルアンフォプロピオネート、アルキルアンフォグリシネート、アルキルアミドプロピルヒドロキシスルテイン、アシルタウレートおよびアシルグルタメートが含まれ、ただしアルキル基およびアシル基は、8から19個の炭素原子を有している。本発明のシャンプーに使用される典型的な両性のおよび双性イオン性の界面活性剤には、ラウリルアミンオキシド、ココジメチルスルホプロピルベタイン、および好ましくはラウリルベタイン、コカミドプロピルベタインおよびコカンホプロピオン酸ナトリウムが含まれる。
【0025】
別の好ましい例は、組成物の0から8重量%、好ましくは2から5重量%の範囲の量で含めることができる、非イオン性界面活性剤である。
【0026】
例えば、本発明のシャンプー組成物に含めることができる代表的な非イオン性界面活性剤は、脂肪族(C−C18)第1級または第2級直鎖または分岐鎖アルコールまたはフェノールと、アルキレンオキシド、通常はエチレンオキシドとの縮合生成物であって、6から30個のエチレンオキシド基を有する縮合生成物を含む。
【0027】
その他の代表的な非イオン性界面活性剤は、モノまたはジアルキルアルカノールアミドを含む。その例には、ココモノまたはジモノエタノールアミドおよびココモノイソプロパノールアミドが含まれる。
【0028】
本発明のシャンプー組成物に含めることができる、別の非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグリコシド(APG)である。典型的には、APGは、1個または複数のグリコシル基のブロックに(場合によって架橋基を介して)結合されたアルキル基を含んでいるものである。好ましいAPGは、下記の式:
RO−(G)
(式中、Rは、飽和していても飽和していなくてもよい分枝または直鎖のアルキル基であり、Gは、糖基である。)
によって定義される。
【0029】
Rは、約Cから約C20の平均アルキル鎖長を表すことができる。好ましくは、Rは、約Cから約C12の平均アルキル鎖長を表す。最も好ましくは、Rの値は、約9.5から約10.5の間にある。Gは、CまたはC単糖残基から選択することができ、好ましくはグルコシドである。Gは、グルコース、キシロース、ラクトース、フルクトース、マンノース、およびこれらの誘導体を含む群から選択してよい。好ましくは、Gはグルコースである。
【0030】
重合度nは、約1から約10またはそれ以上の値を有してよい。好ましくは、nの値は、約1.1から約2の範囲内にある。最も好ましくは、nの値は、約1.3から約1.5の範囲内にある。
【0031】
本発明で使用するのに適切なアルキルポリグリコシドは市販されており、例えば、Seppic製Oramix NS10、Henkel製Plantaren 1200およびPlantaren 2000として識別されるような材料が含まれる。
【0032】
本発明のシャンプー組成物中に含めることができる、その他の糖由来非イオン性界面活性剤には、例えば国際公開第9206154号および米国特許第5194639号に記載されているようなC12−C18N−メチルグルカミドなどのC10−C18N−アルキル(C−C)ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、およびC10−C18N−(3−メトキシプロピル)グルカミドなどのN−アルコキシポリヒドロキシ脂肪酸アミドが含まれる。
【0033】
クレンジング界面活性剤の好ましいブレンドは、アンモニウムラウリルエーテルスルフェート、アンモニウムラウリルスルフェート、PEG5コカミドおよびコカミドMEA(CTFA名)の組合せである。
【0034】
シャンプー組成物は、この組成物の0.01から10重量%、より好ましくは0.05から5重量%、最も好ましくは0.05から2重量%の範囲の量で含まれる1種または複数の陽イオン性共界面活性剤を、場合によって含むこともできる。有用な陽イオン界面活性剤について、本明細書では以下に、コンディショナー組成物に関連して記述する。
【0035】
シャンプー組成物中の界面活性剤(任意の共界面活性剤および/または任意の乳化剤を含む。)の総量は、一般に、組成物の5から50重量%、好ましくは5から30重量%、より好ましくは10から25重量%である。
【0036】
陽イオンポリマー
陽イオンポリマーは、シャンプーのコンディショニング性能を高めるための、本発明によるシャンプー組成物中の好ましい成分である。
【0037】
陽イオンポリマーは、ホモポリマーであってもよく、または2種以上のタイプのモノマーから形成されてもよい。ポリマーの分子量は、一般に5000から10000000の間であり、典型的には少なくとも10000であり、好ましくは100000から約2000000の範囲内である。ポリマーは、第4級アンモニウムなどの陽イオン窒素含有基、もしくはプロトン化アミノ基、またはこれらの混合物を有する。陽イオン窒素含有基は、一般に、陽イオンポリマーの全モノマー単位の一部に、置換基として存在する。このようにポリマーがホモポリマーではない場合、このポリマーは、スペーサである非陽イオンモノマー単位を含有することができる。そのようなポリマーは、CTFA Cosmetic Ingredient Directory、第3版に記載されている。陽イオンモノマー単位と非陽イオンモノマー単位との比は、必要とされる範囲の陽イオン電荷密度を有するポリマーが得られるように、選択される。
【0038】
適切な陽イオンコンディショニングポリマーには、例えば、陽イオンアミンまたは第4級アンモニウム官能基を有するビニルモノマーと、(メタ)アクリルアミド、アルキルおよびジアルキル(メタ)アクリルアミド、アルキル(メタ)アクリレート、ビニルカプロラクトン、およびビニルピロリドンなどの水溶性スペーサモノマーとのコポリマーが含まれる。アルキルおよびジアルキル置換モノマーは、好ましくはC1−C7アルキル基を有し、より好ましくはC1−3アルキル基を有する。その他の適切なスペーサには、ビニルエステル、ビニルアルコール、無水マレイン酸、プロピレングリコールおよびエチレングリコールが含まれる。
【0039】
陽イオンアミンは、特定の化学種および組成物のpHに応じて、第1級、第2級または第3級アミンにすることができる。一般に、第2級および第3級アミン、特に第3級アミンが好ましい。
【0040】
アミン置換ビニルモノマーおよびアミンは、アミン形態で重合することができ、次いで4級化によってアンモニウムに変換することができる。
【0041】
陽イオンコンディショニングポリマーは、アミンおよび/または第4級アンモニウム置換モノマー、および/または適合性あるスペーサモノマーから得られた、モノマー単位の混合物を含むことができる。
【0042】
適切な陽イオンコンディショニングポリマーには、例えば下記のポリマーが含まれる:
−トイレ化粧品香料工業協会(CTFA)による業界ではポリクオタニウム−16と呼ばれる、1−ビニル−2−ピロリジンおよび1−ビニル−3−メチル−イミダゾリウム塩(例えば、塩化物塩)のコポリマー。この材料は、LUVIQUATの商標名(例えば、LUVIQUAT FC 370)でBASF Wyandotte Corp.(Parsippany、NJ、米国)から市販されている;
−業界(CTFA)ではポリクオタニウム−11と呼ばれる、1−ビニル−2−ピロリジンおよびジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー。この材料は、GAFQUATの商標名(例えば、GAFQUAT 755N)でGaf Corporation(Wayne、NJ、米国)から市販されている;
−例えば、業界(CTFA)ではそれぞれポリクオタニウム6およびポリクオタニウム7と呼ばれる、ジメチルジアリルアンモニルム塩化物ホモポリマーと、アクリルアミドおよびジメチルジアリルアンモニウム塩化物のコポリマーを含む、陽イオンジアリル第4級アンモニウム含有ポリマー;
−3から5個の炭素原子を有する不飽和カルボン酸のホモおよびコポリマーの、アミノ−アルキルエステルの鉱酸塩(米国特許第4,009,256号に記載されている。);
−陽イオンポリアクリルアミド(国際公開第95/22311号)。
【0043】
使用することができる、その他の陽イオンコンディショニングポリマーには、陽イオンセルロース誘導体、陽イオンデンプン誘導体および陽イオングアールガム誘導体などの陽イオン多糖ポリマーが含まれる。そのような陽イオン多糖ポリマーは、0.1から4meq/gの範囲の電荷密度を有することが適切である。
【0044】
本発明の組成物で使用するのに適した陽イオン多糖ポリマーには、下式のものが含まれる。
A−O−[R−N(R)(R)(R)X
上式で、Aは、デンプンまたはセルロースアンヒドログルコース残基などのアンヒドログルコース残基である。Rは、アルキレン、オキシアルキレン、ポリオキシアルキレンもしくはヒドロキシアルキレン基、またはこれらの組合せである。R、RおよびRは、独立して、アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアルキルまたはアルコキシアリール基を表し、各基は約18個までの炭素原子を含有するものである。各陽イオン部分に関する炭素原子の総数(即ち、R、RおよびRにおける炭素原子の合計)は、好ましくは約20以下であり、Xは、陰イオン性対イオンである。
【0045】
陽イオンセルロースは、Amerchol Corp.(Edison、NJ、米国)から、それらのポリマーの、ポリマーJR(商標)およびLR(商標)シリーズで、業界(CTFA)ではポリクオタニウム10と呼ばれるトリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの塩として入手可能である。別のタイプの陽イオンセルロースには、業界(CTFA)でポリクオタニウム24と呼ばれる、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースのポリマー第4級アンモニウム塩が含まれる。これらの材料は、ポリマーLM−200という商標名でAmerchol Corp.(Edison、NJ、米国)から入手可能である。
【0046】
その他の適切な陽イオン多糖ポリマーには、第4級窒素含有セルロースエーテル(例えば、米国特許第3,962,418号に記載されている。)と、エーテル化セルロースおよびデンプンのコポリマー(例えば、米国特許第3,958,581号に記載されている。)が含まれる。
【0047】
使用することができる、特に適切なタイプの陽イオン多糖ポリマーは、グアールヒドロキシプロピルトリモニウム塩化物などの陽イオングアールガム誘導体である(Rhone−Poulencから、それらのJAGURAという商標シリーズで市販されている。)。
【0048】
その例は、陽イオン基の置換度が低く粘度が高い、JAGUAR C13Sである。中程度の置換度および低い粘度を有するJAGUAR C15、JAGUAR C17(高置換度、高粘度)、低レベルの置換基ならびに陽イオン第4級アンモニウム基を含有するヒドロキシプロピル化陽イオングアールガム誘導体であるJAGUAR C16、置換度が低い、透明度が高く粘度が中程度のグアールであるJAGUAR 162である。
【0049】
好ましくは、陽イオンコンディショニングポリマーは、陽イオンセルロースおよび陽イオングアール誘導体から選択される。特に好ましい陽イオンポリマーは、JAGUAR C13S、JAGUAR C15、JAGUAR C17、およびJAGUAR C16およびJAGUAR C162である。
【0050】
陽イオンコンディショニングポリマーは、一般に、本発明の組成物中に、この組成物の0.01から5重量%のレベルで、好ましくは0.05から1重量%、より好ましくは0.08から0.5重量%のレベルで存在する。
【0051】
陽イオンコンディショニングポリマーが、本発明によるシャンプー組成物中に存在する場合、コポリマーは、平均直径(Malvern粒度測定器を使用して光散乱により測定したときのD3,2)が2マイクロメートル以下のエマルジョン粒子として存在することが好ましい。
【0052】
本発明による組成物は、毛髪の処理(典型的にはシャンプーした後)およびその後の濯ぎに用いられるコンディショナーとして配合してもよい。
【0053】
本発明によるヘアコンディショナー組成物は、化粧品として許容され毛髪への局所施用に適切な、陽イオンコンディショニング界面活性剤を含むことが適切である。
【0054】
陽イオンコンディショニング界面活性剤
適切な陽イオンコンディショニング界面活性剤の例は、一般式:
[N(R)(R)(R)(R)](X)
に該当するものであり、
上式で、R、R、RおよびRは、独立して、(a)1から22個の炭素原子の脂肪族基または(b)22個までの炭素原子を有する芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリールまたはアルキルアリール基から選択され;Xは、ハロゲン(例えば、塩化物、臭化物)、アセテート、シトレート、ラクテート、グリコレート、ホスフェートナイトレート、スルフェートおよびアルキルスルフェート基から選択されたものなどの塩形成陰イオンである。
【0055】
脂肪族基は、炭素および水素原子に加え、エーテル結合およびアミノ基などのその他の基を含有することができる。より長い鎖の脂肪族基、例えば約12個以上の炭素のものは、飽和していても飽和していなくてもよい。
【0056】
好ましい陽イオンコンディショニング界面活性剤は、アルキル鎖長がC16からC22のモノアルキル第4級アンモニウム化合物である。
【0057】
その他の好ましい陽イオンコンディショニング界面活性剤は、R1およびR2が独立してC16からC22のアルキル鎖長を有しており、R3およびR4は2個以下の炭素原子を有している、いわゆるジアルキル第4級アンモニウム化合物である。
【0058】
適切な陽イオン界面活性剤の例には、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化オクチルトリメチルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化オクチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化デシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ジドデシルジメチルアンモニウム、塩化ジオクタデシルジメチルアンモニウム、塩化獣脂トリメチルアンモニウム、塩化ココトリメチルアンモニウム、塩化PEG−2オレイルアンモニウムおよびこれらの塩であって、塩化物が、ハロゲン(例えば、臭化物)、アセテート、シトレート、ラクテート、グリコレート、ホスフェート、ナイトレート、スルフェートまたはアルキルスルフェートに置き換えられたものが含まれる。他の適切な陽イオン界面活性剤には、CTFA名でクオタニウム−5、クオタニウム−31およびクオタニウム−18を有するような材料が含まれる。前述の材料のいずれかの混合物も適切となり得る。特に有用な陽イオンコンディショニング界面活性剤は、例えばHoechst CelaneseからGENAMIN CTACとして市販されている、塩化セチルトリメチルアンモニウムである。
【0059】
第1級、第2級および第3級脂肪酸アミンの塩も、適切な陽イオンコンディショング界面活性剤である。そのようなアミンのアルキル基は、好ましくは約12から約22個の炭素原子を有し、置換されていても置換されていなくてもよい。
【0060】
アミド置換された第3級脂肪アミンが、特に有用である。本発明で有用な、そのようなアミンには、ステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジエチルアミン、パルミタミドエチルジエチルアミン、パルミタミドエチルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキドアミドプロピルジメチルアミン、アラキドアミドプロピルジエチルアミン、アラキドアミドエチルジエチルアミン、アラキドアミドエチルジメチルアミン、ジエチルアミノエチルステアラミドが含まれる。ジメチルステアラミン、ジメチルソイアミン、ソイアミン、ミリスチルアミン、トリデシルアミン、エチルステアリールアミン、N−獣脂プロパンジアミン、エトキシル化(エチレンオキシド5モルで)ステアリルアミン、ジヒドロキシエチルステアリルアミンおよびアラキジルベヘニルアミンも有用である。これらのアミンは、陽イオン種が得られるように、典型的には酸と組み合わせて使用される。本発明で有用な好ましい酸には、L−グルタミン酸、乳酸、塩酸、リンゴ酸、コハク酸、酢酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、L−グルタミン塩酸塩およびこれらの混合物が含まれ、より好ましくは、L−グルタミン酸、乳酸、クエン酸である。本発明で有用なものの中に含まれる陽イオンアミン界面活性剤は、1981年6月23日発行の、Nachtigalらの米国特許第4,275,055号に開示されている。
【0061】
プロトン化可能なアミンと酸のHとのモル比は、好ましくは約1:0.3から1:1.2であり、より好ましくは約1:0.5から約1:1.1である。
【0062】
本発明のコンディショナーにおいて、陽イオンコンディショニング界面活性剤のレベルは、組成物の0.01から10重量%が適切であり、好ましくは0.05から5重量%、より好ましくは0.1から2重量%である。
【0063】
脂肪物質
本発明によるヘアコンディショナー組成物は、脂肪物質をさらに含むことが好ましい。
【0064】
「脂肪物質」とは、脂肪アルコール、アルコキシル化脂肪アルコール、脂肪酸またはこれらの混合物を意味する。
【0065】
好ましくは、脂肪材料のアルキル鎖は完全に飽和している。
【0066】
代表的な脂肪物質は、8から22個の炭素原子を含み、より好ましくは16から22個の炭素原子を含む。好ましい脂肪物質には、セチルアルコール、ステアリルアルコールおよびこれらの混合物が含まれる。
【0067】
アルキル鎖に約12から約18個の炭素原子を有するアルコキシル化(例えば、エトキシル化またはプロポキシル化)脂肪アルコールは、脂肪アルコール自体の代わりに、または脂肪アルコール自体に加えて使用することができる。適切な例には、エチレングリコールセチルエーテル、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(4)セチルエーテルおよびこれらの混合物が含まれる。
【0068】
本発明のコンディショナー中の脂肪物質のレベルは、組成物の0.01から15重量%が適切であり、好ましくは0.1から10重量%、より好ましくは0.1から5重量%である。陽イオン界面活性剤と脂肪物質との重量比は、10:1から1:10が適切であり、好ましくは4:1から1:8、最適には1:1から1:7、例えば1:3である。
【0069】
本発明のヘアコンディショナー組成物は、陽イオンポリマーも含有することができる。適切な陽イオンポリマーは、シャンプー組成物に関して本明細書で上述されている。
【0070】
ヘアオイルも、本発明による適切な製品形態である。ヘアオイルは、主に、水不溶性の油状コンディショニング材料を含む。ローションは、水不溶性の油状コンディショニング材料を含む水性エマルジョンである。適切な界面活性剤もローションに含めて、相分離に対するその安定性を改善することもできる。
【0071】
本発明の組成物は、通常はヘアトリートメント配合物で使用される任意のその他の成分を、含有してよい。
【0072】
懸濁剤
シャンプーなどの、本発明によるヘアトリートメント組成物は、懸濁剤を0.1から5重量%含むことが適切である。適切な懸濁剤は、ポリアクリル酸、アクリル酸の架橋ポリマー、アクリル酸および疎水性モノマーのコポリマー、カルボン酸含有モノマーおよびアクリルエステルのコポリマー、アクリル酸およびアクリル酸エステルの架橋コポリマー、ヘテロ多糖ガムおよび結晶性長鎖アシル誘導体から選択される。長鎖アシル誘導体は、エチレングリコールステアレート、16から22個の炭素原子を有する脂肪酸のアルカノールアミドおよびこれらの混合物から選択されることが望ましい。エチレングリコールステアレートおよびポリエチレングリコール3ジステアレートは、好ましい長鎖アシル誘導体である。ポリアクリル酸は、Carbopol 420、Carbopol 488またはCarbopol 493として市販されている。多官能性物質と架橋したアクリル酸のポリマーを使用してもよく、それらは、Carbopol 910、Carbopol 934、Carbopol 940、Carbopol 941およびCarbopol 980として市販されている。モノマーを含有するカルボン酸およびアクリル酸エステルの適切なコポリマーの例は、Carbopol 1342である。全てのCarbopol(商標)材料は、Goodrichから入手可能である。
【0073】
アクリル酸およびアクリル酸エステルの適切な架橋ポリマーは、Pemulen TR1またはPemulen TR2である。適切なヘテロ多糖ガムは、キサンタンガムである。
【0074】
他のコンディショニング剤
シャンプーやコンディショナーなどの、本発明によるヘアコンディショニング組成物は、シリコーンコンディショニング剤および非シリコーン油状コンディショニング剤など、他のコンディショニング剤を適切に含有する。
【0075】
適切なシリコーンコンディショニング剤には、ポリジオルガノシロキサンが含まれ、特に、CTFA名ジメチコンを有するポリジメチルシロキサンが含まれる。CTFA名ジメチコノルを有する、ヒドロキシル末端基を有するポリジメチルシロキサンも、本発明の組成物(特に、シャンプーおよびコンディショナー)で使用するのに適している。例えば国際公開第96/31188号に記載されているような、架橋度が僅かなシリコーンガムも、本発明の組成物で使用するのに適している。これらの材料は、毛髪に、こし、ボリュームおよびスタイリング性を与えることができると共に、良好な湿潤および乾燥コンディショニングももたらすことができる。官能化シリコーン、特にアミノ官能化シリコーンも適している。
【0076】
適切な非シリコーン油状コンディショニング剤は、炭化水素油、脂肪エステルおよびこれらの混合物から選択される。
【0077】
その他のコンディショニング剤は、シャンプーまたはコンディショナー組成物中に、この組成物全重量に対してその他のコンディショニング剤を0.05から10重量%のレベルで存在することが適切であり、好ましくは0.2から5重量%、より好ましくは約0.5から3重量%である。
【0078】
組成物は、ふけ取り剤をさらに含んでよい。適切なふけ取り剤には、クリンバゾール、ケタコナゾール、および亜鉛塩が含まれる。好ましいふけ取り剤は、亜鉛ピリチオン(ZnPTO)である。
【0079】
本発明のヘアトリートメント組成物は、性能および/または消費者受容性を高めるために、香料、染料および顔料、pH調節剤、真珠光沢剤または乳白剤、粘度改質剤、保存剤と、植物性薬品、果実エキス、糖誘導体およびアミノ酸などの天然の髪の栄養分など、その他の場合による成分を含有してよい。
【0080】
本発明の組成物は、塩基水溶液を有することが好ましい。
【0081】
本発明について、以下の非限定的な実施例に関してさらに例示するが、その中の全てのパーセンテージは、他に指示しない限り、全重量に対する重量によるものである。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】CB1受容体に関する置換曲線を示す図である。CMEAに関するIC50は5.08μg/mlであり、Kは2.85μg/mlであった。
【図2】CB2受容体に関する置換曲線を示す図である。CMEAに関するIC50は8.19μg/mlであり、Kは6.44μg/mlであった。
【発明を実施するための形態】
【0083】
CB1受容体阻害結合アッセイプロトコル
ヒト組換えCB1受容体(Bmax=2.5pmol/mgタンパク質)をトランスフェクトしたHEK−293細胞を、高親和性リガンド[3H]−[(−)−シス−3−[2−ヒドロキシ−4−(1,1−ジメチルヘプチル)フェニル]−トランス−4−(3−ヒドロキシプロピル)−シクロヘキサノール](0.14nM[H]−CP−55940;K=0.18nM)と共にインキュベートし、非特異的結合(K=9.2nM)に向けて10μM WIN 55212−2で置換した。
【0084】
置換曲線は、CMEAを0.14nM[H]−CP−55940と共に,30℃で90分間インキュベートすることによって作成した。K値は、試験化合物の濃度を増加させることによる、結合した放射性リガンドの置換に関するIC50値(GraphPadによって得られる)に、Cheng−Prusoffの方程式を当てはめることによって計算した。
【0085】
CB2受容体阻害結合アッセイプロトコル
ヒト組換えCB2受容体(Bmax=4.7pmol/mgタンパク質)をトランスフェクトしたHEK−293細胞を、高親和性リガンド[3H]−[(−)−シス−3−[2−ヒドロキシ−4−(1,1−ジメチルヘプチル)フェニル]−トランス−4−(3−ヒドロキシプロピル)−シクロヘキサノール](0.084nM[H]−CP−55940;K=0.31nM)と共にインキュベートし、非特異的結合(K=2.1nM)に向けて10μM WIN 55212−2で置換した。
【0086】
置換曲線は、CMEAを0.084nM[H]−CP−55940と共に,30℃で90分間インキュベートすることによって作成した。K値は、試験化合物の濃度を増加させることによる結合した放射性リガンドの置換に関してのIC50値(GraphPadによって得られる)に、Cheng−Prusoffの方程式を当てはめることによって計算した。
【0087】
まとめると、これらのデータは、CMEAがCB1RおよびCBR2Rの両方に対して結合親和性を有し、その親和性はCB2Rに対するよりもCB1Rに対するほうが高いことを示す。
【0088】
ココモノエタノールアミド(CMEA)がヒスタミン誘発性の頭皮掻痒に及ぼす影響の臨床的評価
掻痒に対するココモノエタノールアミド(CMEA)の効力を、ヒスタミンイオン泳動を使用して評価した。CMEA(1.5%v/v)を、100%エタノール中で構成した、同じ濃度のエタノールを、媒体対照として使用した。合計で31名の被験者について、無作為化二重盲検ハーフヘッド臨床研究を行った。研究を開始する前に、まずボランティアを、イオン泳動装置および試験プロトコルに慣れさせた。頭部両側の、耳の最上部から頭頂部までのほぼ真ん中に、2つの部位を選択した。2cmの面積について、頭皮近くまで慎重に刈った。CMEA試験溶液およびエタノール対照(それぞれ30μl)の両方を濾紙にアプライし、12mmのFinnチャンバに置き、これを接着テープで頭皮に付着させた。ボランティアは、このパッチを所定位置に24時間にわたって保持した。次いでチャンバを頭皮から除去し、各付着部位に、イオン泳動を介してヒスタミンチャレンジを行った。被験者は、実時間で掻痒強度を示すために、視覚アナログスコア(VAS;0(なし)から100%(極めて強い)まで徐々に変化するように目盛り較正される。)で指標を上下に滑らせることにより、手順全体を通して知覚された掻痒を記録した。データを、曲線下の平均面積±S.E.(平均の標準誤差)として表す。
【0089】
表1に示されるように、CMEAは、知覚された頭皮掻痒を16.6%、著しく低下させた(P<0.02)。
【0090】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭皮掻痒を治療する組成物を製造するための、10から14のアルキル鎖長を有するアルキルモノエタノールアミドの使用。
【請求項2】
アルキルモノエタノールアミドがココモノエタノールアミドである、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
アルキルモノエタノールアミドのレベルが全組成物の0.05から5重量%である、請求項1または2のいずれかに記載の使用。
【請求項4】
組成物がシャンプーである、請求項1から3のいずれかに記載の使用。
【請求項5】
組成物が、全組成物の少なくとも2重量%の界面活性剤をさらに含む、請求項1から4のいずれかに記載の使用。
【請求項6】
掻痒を緩和するための、10から14のアルキル鎖長を有するアルキルモノエタノールアミドの使用。

【図1】
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【図2】
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