説明

ヒトおよびラットの細胞表面マーカー遺伝子を結合したDNAアレイとその用途

【課題】哺乳類の細胞表面タンパク質遺伝子群の発現を迅速かつ網羅的に検出する
【解決手段】哺乳類の細胞表面タンパク質遺伝子群に対するプローブを設計する方法であって、以下の基準に従いプローブを設計する方法:
(1)細胞表面タンパク質の膜貫通領域またはGPIアンカー修飾部位を選択する工程;
(2)選択された膜貫通領域もしくはGPIアンカー修飾部位を含む50mer〜70merの塩基配列が40〜60%のGC含有率を有する場合、50mer〜70merのプローブを決定する工程;
(3)細胞表面タンパク質が膜貫通領域を有し、且つ、膜貫通領域を含む50mer〜70merの塩基配列が40〜60%のGC含有率を有し得ない場合、以下の順位3-1〜3-3に従い40〜60%のGC含有率を有するプローブを設計する工程:
3-1. 膜貫通領域をコードする配列を中心に設計する
3-2. 膜貫通領域を含むexonの中であれば許容する
3-3. 隣接するexonにまたがる場合には膜貫通領域を含むexonの一部を必ず含むことを条件に許容する。
(4)細胞表面タンパク質がGPIアンカー修飾部位を有し、且つ、GPIアンカー修飾部位を含む50mer〜70merの塩基配列が40〜60%のGC含有率を有し得ない場合、以下の順位4-1〜4-3に従い40〜60%のGC含有率を有するプローブを設計する工程:
4-1. GPIアンカー修飾部位をコードする配列を中心に設計する。
4-2. C末端の膜貫通領域を含むexonの中であれば許容する。
4-3. GPIアンカー修飾部位あるいは膜貫通領域を含むexonの中であれば許容する。
4-4. 隣接するexonにまたがる場合には GPIアンカー修飾部位あるいはC末端の膜貫通領域を含むexonの一部を含むことを条件に許容する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、哺乳類の細胞表面タンパク質遺伝子群に対するプローブを設計する方法、該プローブを用いた該遺伝子の発現を検出する方法、該プローブが固定化されたオリゴヌクレオチドアレイ並びに細胞表面タンパク質遺伝子群に対するプローブセットに関する。
【背景技術】
【0002】
細胞表面タンパク質は、哺乳類細胞の全タンパク質の約30%にも及ぶ種類があり、レセプター、イオンチャンネル、トランスポーターなどとして、細胞膜を介する情報伝達や物質輸送において重要な機能を担っている。細胞表面タンパク質は、その構造から大きく2種類に分けられる。一つは細胞膜表面に結合した表在性細胞表面タンパク質であり、他方は細胞膜の脂質二重層に埋め込まれた内在性細胞表面タンパク質である。内在性細胞表面タンパク質の構造は、細胞外領域、細胞内領域および膜貫通領域から構成される。膜貫通領域は疎水性アミノ酸に富み、膜内においてはα−ヘリックスを形成すると考えられる。膜貫通領域を複数個有するタンパク質の場合、このドメインは、細胞表面タンパク質が生合成される際、そのC末端側に続く新生ペプチド鎖の膜透過を開始させるシグナル配列、またはその透過を停止させるストップトランスファー配列として機能する。多くの場合、それぞれの機能を持ったドメインが交互に配置されており、このドメインを介して細胞外領域と細胞内領域が交互に並んでいる。
【0003】
ある種の細胞表面タンパク質は癌細胞で特異的に発現しているものがあり、これらは腫瘍抗原として各種診断薬や抗癌剤を開発するうえで有用であると考えられている。そして、様々な病気や疾患の治療に使われる薬剤のターゲットの70%は、細胞表面タンパク質であると言われており、細胞表面タンパク質の発現パターンを解析することで、組織特異的な治療薬の標的を明らかにすることが期待される。
【0004】
細胞表面タンパク質の発現を解析する方法として、特許文献1には、GC含量が40〜60%であるプローブを作成することが開示されている。
【特許文献1】特開2006−217821号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、哺乳類の細胞表面タンパク質遺伝子群の発現を迅速かつ網羅的に検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の哺乳類の細胞表面タンパク質遺伝子群に対するプローブを設計する方法、該プローブを用いた該遺伝子の発現を検出する方法、該プローブが固定化されたオリゴヌクレオチドアレイ並びに細胞表面タンパク質遺伝子群に対するプローブセットを提供するものである。

1. 哺乳類の細胞表面タンパク質遺伝子群に対するプローブを設計する方法であって、以下の基準に従いプローブを設計する方法:
(1)細胞表面タンパク質の膜貫通領域またはGPIアンカー修飾部位を選択する工程;
(2)選択された膜貫通領域もしくはGPIアンカー修飾部位を含む50mer〜70merの塩基配列が40〜60%のGC含有率を有する場合、50mer〜70merのプローブを決定する工程;
(3)細胞表面タンパク質が膜貫通領域を有し、且つ、膜貫通領域を含む50mer〜70merの塩基配列が40〜60%のGC含有率を有し得ない場合、以下の順位3-1〜3-3に従い40〜60%のGC含有率を有するプローブを設計する工程:
3-1. 膜貫通領域をコードする配列を中心に設計する
3-2. 膜貫通領域を含むexonの中であれば許容する
3-3. 隣接するexonにまたがる場合には膜貫通領域を含むexonの一部を必ず含むことを条件に許容する。
(4)細胞表面タンパク質がGPIアンカー修飾部位を有し、且つ、GPIアンカー修飾部位を含む50mer〜70merの塩基配列が40〜60%のGC含有率を有し得ない場合、以下の順位4-1〜4-3に従い40〜60%のGC含有率を有するプローブを設計する工程:
4-1. GPIアンカー修飾部位をコードする配列を中心に設計する。
4-2. C末端の膜貫通領域を含むexonの中であれば許容する。
4-3. GPIアンカー修飾部位あるいは膜貫通領域を含むexonの中であれば許容する。
4-4. 隣接するexonにまたがる場合には GPIアンカー修飾部位あるいはC末端の膜貫通領域を含むexonの一部を含むことを条件に許容する。
2. プローブが、60merの塩基配列を有する、項1に記載の方法。
3. 項1または2に記載のプローブを基体上に固定化してなるオリゴヌクレオチドアレイ。
4. ヒト又はラットの全細胞表面タンパク質遺伝子群に対するプローブを固定化してなる、項3に記載のオリゴヌクレオチドアレイ。
5. 項3又は4に記載のオリゴヌクレオチドアレイに哺乳類細胞由来のmRNAもしくはcDNAを含むサンプルを適用することを特徴とする、該サンプル中に含まれる細胞表面タンパク質遺伝子群の発現を検出する方法。
6. ヒト又はラットの細胞表面タンパク質遺伝子群に対するプローブセット。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、哺乳類の細胞表面タンパク質遺伝子群の発現を迅速且つ網羅的に検出することができ、種々の疾患(例えば癌、アレルギーなどの免疫系の疾患、或いは神経伝達物質やホルモンなど)に関係する細胞表面タンパク質遺伝子の発現を検出することで、疾患の診断や各種疾患に有効な薬物のスクリーニングなどを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
細胞表面タンパク質は、膜貫通型とGPIアンカー型の2種類に大別される。これらのタンパク質を模式的に図1に示す。
膜貫通型の細胞表面タンパク質に対するプローブの設計
膜貫通領域に対するプローブは、以下の1〜3の順位に従って設計する。即ち、「1.」の要件を満たす場合には、「1.」に従って設計する。「1.」ではGC含量が40%未満又は60%超になる場合には、「2.」に従って設計し、「2.」ではGC含量が40%未満又は60%超になる場合には、「3.」に従って設計する。
1.膜貫通領域をコードする配列を中心に設計する
2.膜貫通領域を含むexonの中であれば許容する
3.隣接するexonにまたがる場合には膜貫通領域を含むexonの一部を必ず含むことを条件に許容する。
【0009】
膜貫通型のタンパク質は、通常1〜7個の膜貫通領域を有する。本発明のプローブは、これら膜貫通領域をコードする配列を中心に選択し、選択した配列又はその相補性の配列を有するのが原則である。膜貫通領域を中心とし、50〜70ヌクレオチドを有する配列のGC含量が40〜60%であれば、この配列又は相補性配列をプローブとして選択することができる。本発明のプローブは膜貫通領域が長く50ヌクレオチド以上、特に70ヌクレオチド以上であってGC含量が40〜60%の場合、プローブは膜貫通領域をコードする配列又はその相補性配列からなるか、或いはこの相補性配列が大部分を占める。
【0010】
すべての膜貫通領域とその近傍の配列のGC或いはAT含量が高く、膜貫通領域を中心としてGC含量が40〜60%のプローブが作製できない場合、上記「2.」に従って、膜貫通領域を含むexonの中からGC含量が40〜60%のプローブを設計する。このプローブは膜貫通領域に近いのが望ましいが、膜貫通領域を含むexon内から選択した配列であれば、プローブとして許容される。
【0011】
すべての膜貫通領域を含むexon内のGC或いはAT含量が高く、膜貫通領域を含む1つのexonを利用してGC含量が40〜60%のプローブが作製できない場合、上記「3.」に従って、膜貫通領域を含むexonと、隣接するexonにまたがるプローブを作製する。この場合得られたプローブは、膜貫通領域を含むexonの一部を必ず含み、かつ、GC含量が40〜60%である。
【0012】

GPIアンカー型の細胞表面タンパク質に対するプローブの設計
GPIアンカー修飾部位に対するプローブは、以下の1〜4の順位に従って設計する。即ち、「1.」の要件を満たす場合には、「1.」に従って設計する。「1.」ではGC含量が40%未満又は60%超になる場合には、「2.」に従って設計し、「2.」ではGC含量が40%未満又は60%超になる場合には、「3.」に従って設計し、「3.」ではGC含量が40%未満又は60%超になる場合には、「4.」に従って設計する。
1. GPIアンカー修飾部位をコードする配列を中心に設計する。
2. C末端の膜貫通領域を含むexonの中であれば許容する。
3. GPIアンカー修飾部位あるいは膜貫通領域を含むexonの中であれば許容する。
4.隣接するexonにまたがる場合には GPIアンカー修飾部位あるいはC末端の膜貫通領域を含むexonの一部を含むことを条件に許容する。
【0013】
なお、GPIアンカー型の細胞表面タンパク質は、GPIアンカー修飾部位と膜貫通領域(C末端側)の両方を含むタンパク質である。
【0014】
本発明のプローブは、GPIアンカー修飾部位をコードする配列を中心に選択し、選択した配列又はその相補性の配列を有するのが原則である。GPIアンカー修飾部位を中心とし、50〜70ヌクレオチドを有する配列のGC含量が40〜60%であれば、この配列又は相補性配列をプローブとして選択することができる。本発明のプローブはGPIアンカー修飾部位を有していれば、その部位は5’側、3’側、或いは中心付近のいずれの位置であってもよい。
【0015】
GPIアンカー修飾部位とその近傍の配列のGC或いはAT含量が高く、GPIアンカー修飾部位を利用してGC含量が40〜60%のプローブが作製できない場合、上記「2.」に従って、膜貫通領域を中心とし、50〜70ヌクレオチドを有する配列のGC含量が40〜60%であるプローブを設計する。
【0016】
C末端側の膜貫通領域を中心とした配列のGC或いはAT含量が高く、膜貫通領域を中心としてGC含量が40〜60%のプローブが作製できない場合、上記「3.」に従って、GPIアンカー修飾部位あるいは膜貫通領域を含むexonの中からGC含量が40〜60%のプローブを設計する。このプローブはGPIアンカー修飾部位あるいは膜貫通領域に近いのが望ましいが、GPIアンカー修飾部位あるいは膜貫通領域を含むexon内から選択した配列であれば、プローブとして許容される。
【0017】
すべてのGPIアンカー修飾部位および膜貫通領域を含むexon内のGC或いはAT含量が高く、GPIアンカー修飾部位および膜貫通領域を含むいずれのexonを利用してもGC含量が40〜60%のプローブが作製できない場合、上記「4.」に従って、GPIアンカー修飾部位あるいは膜貫通領域を含むexonと、隣接するexonにまたがるプローブを作製する。この場合得られたプローブは、GPIアンカー修飾部位あるいは膜貫通領域を含むexonの一部を必ず含み、かつ、GC含量が40〜60%である。
【0018】
上記のようにプローブを設計することで、オルタナティブスプライシングによっても、細胞表面タンパク質のみを特異的に検出することができる。
【0019】
本発明のプローブは、50〜70ヌクレオチド(50mer〜70mer)を有する。このプローブには、基体に結合させるための官能基(アミノ基、チオール基、カルボキシル基など)、基体から一定の距離を離すためのスペーサーなどを導入することができる。プローブが有する細胞表面タンパク質に関連するヌクレオチドの数は、50〜70であれば細胞表面タンパク質のmRNA、cDNAなどのハイブリダイズの効率がよく、アレイの作成のための基体への固定化も効率よく行なえるので好ましい。ヌクレオチドの数は55〜65がより好ましい。
【0020】
本発明のプローブは、細胞表面タンパク質のmRNA、cDNAなどとハイブリダイズさせ、ハイブリダイズしたmRNA、cDNAなどの量を検出することにより、細胞における細胞表面タンパク質群の発現パターンの検出(プロファイリング)を行なうことができる。検出は、プローブ又はmRNA、cDNAに蛍光標識などの標識を導入して行なってもよく、表面プラズモン共鳴法(SPR)、楕円偏光法等の光学的検出法を用いて行なってもよい。
【0021】
プローブあるいはサンプル中のmRNA、cDNAなどに導入される蛍光標識は、例えばTAMRA、FAM、HEX、JOE、ROX、TET、Cascade Blue、Alexa-350、AMCA、Pacific Blue、Marine Blue、Cy2、BODIPY 505/515、FITC、Alexa-488、OG-488、OG-514、Alexa-430、Cas Y、Alexa-532、Alexa-555、Cy3、Alexa-546、PE-R、RITC/TMR、Rhordamine B、Cy3.5、Alexa-568、BODIPY 580/605、Alexa-594、Texas Red、Alexa-633、APC、Alexa-647、Cy5、Alexa-660、Alexa-680、Cy5.5等を用いることができる。これら以外にも本発明のプローブと細胞表面タンパク質のmRNA或いはcDNAとのハイブリダイズを阻害しない限り、任意の標識を導入することができる。蛍光標識以外の標識としては、ビオチンないしアビジン(ストレプトアビジン)、放射性標識(α−32P、γ−32P、35Sなど)、酵素、抗体などが挙げられる。
【0022】
本発明のプローブは、標識に基づき検出する場合には、上記のように標識を結合させるが、表面プラズモン共鳴法(SPR )、楕円偏光法等の光学的検出法を用いてもよい。
【0023】
本発明のオリゴヌクレオチドアレイを用いた、哺乳類細胞における細胞表面タンパク質をコードする遺伝子発現の解析の流れを模式的に図2に示す。
【0024】
本発明において、細胞表面タンパク質とは、当技術分野において通常用いられる意味を有し、すなわち、細胞膜を構成しているタンパク質を意味する。例えば、受容体、輸送体、膜結合性酵素、サイトカイン受容体ファミリー、イオンチャネル、細胞外マトリックスタンパク質、細胞接着因子、膜結合性細胞増殖因子、より具体的には、チロシンキナーゼ型増殖因子受容体、扁平上皮細胞癌抗原(SCCA1)、CD34、EGFファミリー、EGF受容体ファミリー、I型及びII型TGFβ受容体ファミリー、インターロイキン受容体ファミリー、TNF受容体ファミリー、Notchファミリー、EGF−CFCファミリーなどが挙げられる。
【0025】
本発明におけるヒト由来の細胞表面タンパク質が表1に記載され、ラット由来の細胞表面タンパク質が表2に記載されている。
【0026】
細胞表面タンパク質における膜貫通領域およびGPIアンカー修飾部位は、既に公開されている情報から特定することができ、あるいは公知の情報が得られない場合は、公知の予測プログラム等を用いて検索することができる。
【0027】
プローブオリゴヌクレオチドの基体への固定化は、当該技術分野で公知の方法によって行うことができる。固定化するプローブやそのPCR増幅産物を溶媒に溶解または分散して、スポッティング溶液を調製する。このスポッティング溶液を、基体上にスポッティングした後インキュベートすることにより、プローブを基体上に固定化することができる。プローブを溶解または分散する溶媒としては、例えば、蒸留水、SSC(saline-sodium citrate)、PBS(phosphate buffered saline)、重曹(NaHCO3)など、極性有機溶媒、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、トリフルオロ酢酸、トリエチルアミン、1−メチル−2−ピロリドン、ジオキサン、酢酸エチルなどから選ばれる1以上の溶媒を使用できる。本発明においては、PBSを使用するのが好ましい。
【0028】
オリゴヌクレオチドプローブの固定化には、アレイ作成装置に備えられたスポッター装置を用いて、ポリ陽イオン(ポリリシン、ポリエチレンイミン等)で表面処理した基体表面にスポッティングして、DNAの荷電を利用して基体上に静電結合させる方法が一般的に利用される。また、基体表面への固定化方法として、アミノ基、アルデヒド基、エポキシ基等を有するシランカップリング剤を用いる方法も利用される。この場合には、アミノ基、アルデヒド基等は、共有結合により基体表面に導入される。
【0029】
反応性基を導入したプローブを合成し、表面処理した基体表面に該プローブをスポッティグし、共有結合させることもできる。例えば、アミノ基を導入したスライドガラスに、PDC(p−フェニレンジイソチオシアネート)存在下、アミノ基導入DNAを反応させる方法、および該スライドガラスに、アルデヒド基導入DNAを反応させる方法などがある。
【0030】
スポッティングは、プローブを含むスポッティング溶液を、96穴または384穴等のプラスチックプレートに分注し、分注した溶液をスポット装置等を用いて基体上に滴下することによって行う。スポット装置としては通常は、ピンに試料溶液を保持させ、そのピンを基体表面に接触させ、そして溶液を基体表面に移行させてスポットを形成するピン方式による装置が用いられる。ピンの先端の形状には、ソリッドピンタイプ(特に、溝が切られていないもの)、クイルピンタイプ(万年筆のように溝が切られているもの)など様々なタイプがあり、いずれであっても使用することができる。好ましくは、クイルピンタイプである。また、ピン方式以外にも、インクジェットプリンタの原理を利用したインクジェット方式や、毛細管によるキャピラリ方式などを利用したスポット装置も用いることができる。
【0031】
スポット当たりのスポッティング溶液のスポッティング量は、当業者であれば適宜決定することができるが、通常、1pL〜1μLの範囲にあり、好ましくは100pL〜100nLの範囲にある。スポットの大きさは、通常、直径が50〜300μmの範囲にある。そして、スポット間の距離は、通常、0〜1.5mmの範囲にあり、好ましくは100〜700μmの範囲にある。スポッティング後、通常、室温〜100℃、好ましくは70〜80℃にて、通常、3時間以下、好ましくは0.5〜1.5時間インキュベートとすることが好ましい。
【0032】
プローブを基体に固定化した後、固定化されていないプローブ等を除去するため、基体を洗浄する。洗浄液としては、当技術分野で通常用いられているものを使用することができ、例えば、2×SSC、0.2%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)を含む水溶液を使用することができる。このようにして、数百〜数万個のスポットを有する基体を得ることができる。
【0033】
本発明のプローブ固定化基体は、通常少なくとも10種、好ましくは少なくとも50種、より好ましくは少なくとも100種、さらに好ましくは少なくとも500種、特に好ましくは少なくとも1000種、最も好ましくはすべてのプローブが固定化されている。また、本発明のプローブ固定化基体は、通常、少なくとも10スポット以上、好ましくは50〜1000スポット、より好ましくは1000〜2000スポットのプローブが固定化されている。1種類のプローブについて、通常1〜10スポット、好ましくは3〜5スポットをスポッティングする。
【0034】
プローブを固定化する基体としては、当技術分野で通常用いられるものを使用できる。例えば、白金、白金黒、金、パラジウム、ロジウム、銀、水銀、タングステンおよびそれらの化合物などの貴金属、およびグラファイト、カ−ボンファイバ−に代表される炭素などの導電体材料;単結晶シリコン、アモルファスシリコン、炭化ケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素などに代表される半導体材料、SOI(シリコン・オン・インシュレータ)などに代表されるこれら半導体材料の複合素材;ガラス、石英ガラス、アルミナ、サファイア、セラミクス、フォルステライト、感光性ガラスなどの無機材料;ポリエチレン、エチレン、ポリプロビレン、ポリイソブチレン、ポリエチレンテレフタレート、不飽和ポリエステル、含フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、アセタール樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、スチレン・アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル・ブタジエンスチレン共重合体、ポリフェニレンオキサイドおよびポリスルホンなどの有機材料等が挙げられる。基体として金薄膜を有する基体を用いた場合、SH基が導入されたオリゴヌクレオチドプローブを反応させることで、プローブを固定化し、SPRに好ましく用いることができる。
【0035】
本発明においては、プローブを固定化する基体として、基体上に核酸と共有結合し得る官能基、ならびにダイヤモンド、軟ダイヤモンド、炭素系物質および炭化物から選ばれる少なくとも1種の表面層を有する固体支持体を用いるのが好ましい。
【0036】
上記固体支持体に用いられる基体の材料としては、例えば、シリコーン、ガラス、繊維、木材、紙、セラミックス、プラスチック(例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂(AcrylonitrileButadiene Styrene 樹脂)、ナイロン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、メチルペンテン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂)、合成ダイヤモンド、高圧合成ダイヤモンド、天然ダイヤモンド、軟ダイヤモンド(例えば、ダイヤモンドライクカーボン)、アモルファスカーボン;金、銀、銅、アルミニウム、タングステン、モリブデン等の金属;前記金属粉末、セラミック粉末等に、前記樹脂をバインダーとして混合、結合形成したもの;前記金属粉末やセラミックス粉末等の原料をプレス成形機で圧粉したものを高温で焼結したものが挙げられる。
【0037】
表面処理を施した基体の一例としては、スライドガラスに軟ダイヤモンドを製膜した基体が挙げられる。このような基体は、ダイヤモンドライクカーボンが、水素ガス0〜99体積%、残りメタンガス100〜1体積%を含んだ混合ガス中で、イオン化蒸着法により作成したものであることが好ましい。表面処理によって形成される表面層の厚みは、1nm〜100μmであることが好ましい。
【0038】
基体への表面層の形成は、公知の方法、例えば、マイクロ波プラズマCVD(Chemical Vapor Deposit)法、ECRCVD(Electric Cyclotron Resonance Chemical Vapor Deposit)法、ICP(Inductive Coupled Plasma)法、直流スパッタリング法、ECR(Electric Cyclotron Resonance)スパッタリング法、イオンプレーティング法、アークイオンプレーティング法、EB(Electron Beam)蒸着法、抵抗加熱蒸着法、イオン化蒸着法、アーク蒸着法、レーザ蒸着法などにより行うことができる。
【0039】
基体の形状およびサイズは特に限定されないが、形状としては、平板状、糸状、球状、多角形状、粉末状などが挙げられ、サイズは、平板状のものを用いる場合、通常は、幅0.1〜100mm、長さ0.1〜100mm、厚み0.01〜10mm程度である。
【0040】
また、基体の表面または裏面に、反射層としてTi、Au、Pt、Nb、Cr、TiC、TiN等の単層またはこれらの複合膜を製膜してもよい。反射層の厚みは、全体に均一であることが必要なため、好ましくは10nm以上、更に好ましくは100nm以上である。
【0041】
基体としてガラスを用いる場合、その表面は、Ra(JIS B 0601)で1nm〜1000nmの範囲で意図的に粗面化されていることも好ましい。このような粗面化表面は基体の表面積が増えて、多量のプローブを高密度で固定化できる点で好都合である。
【0042】
本発明の固体支持体には、核酸を静電的に引き寄せるために静電層が設けられていてもよい。
【0043】
静電層としては、核酸を静電的に引き寄せ、核酸の固定化量を向上させるものであれば、特に制限はないが、例えば、アミノ基含有化合物など正荷電を有する化合物を用いて形成することができる。
【0044】
前記アミノ基含有化合物としては、非置換のアミノ基(−NH2)、または炭素数1〜6のアルキル基等で一置換されたアミノ基(−NHR;Rは置換基)を有する化合物、例えばエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、n−プロピルアミン、モノメチルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、アリルアミン、アミノアゾベンゼン、アミノアルコール(例えば、エタノールアミン)、アクリノール、アミノ安息香酸、アミノアントラキノン、アミノ酸(グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン、プロリン、シスチン、グルタミン酸、アスパラギン酸、グルタミン、アスパラギン、リシン、アルギニン、ヒスチジン)、アニリン、またはこれらの重合体(例えば、ポリアリルアミン、ポリリシン)や共重合体;4,4’,4”−トリアミノトリフェニルメタン、トリアムテレン、スペルミジン、スペルミン、プトレシンなどのポリアミン(多価アミン)が挙げられる。
【0045】
本発明における固体支持体は、核酸と共有結合しうる官能基を有する。該官能基は、基体表面に化学修飾を施すことにより形成することができる。
【0046】
前記官能基としては、例えばカルボキシル基、活性エステル基、ハロホルミル基、水酸基、硫酸基、シアノ基、ニトロ基、チオール基、アミノ基が挙げられる。
【0047】
官能基としてカルボキシル基を導入するために用いられる化合物としては、例えば、式:X−R1−COOH(式中、Xはハロゲン原子、R1は炭素数1〜12の2価の炭化水素基を表す。)で示されるハロカルボン酸、例えばクロロ酢酸、フルオロ酢酸、ブロモ酢酸、ヨード酢酸、2−クロロプロピオン酸、3−クロロプロピオン酸、3−クロロアクリル酸、4−クロロ安息香酸;式:HOOC−R2−COOH(式中、R2は単結合または炭素数1〜12の2価の炭化水素基を表す。)で示されるジカルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸;ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、トリメリット酸、ブタンテトラカルボン酸などの多価カルボン酸;式:R3−CO−R4−COOH(式中、R3は水素原子または炭素数1〜12の2価の炭化水素基、R4は炭素数1〜12の2価の炭化水素基を表す。)で示されるケト酸またはアルデヒド酸;式:X−OC−R5−COOH(式中、Xはハロゲン原子、R5は単結合または炭素数1〜12の2価の炭化水素基を表す。)で示されるジカルボン酸のモノハライド、例えばコハク酸モノクロリド、マロン酸モノクロリド;無水フタル酸、無水コハク酸、無水シュウ酸、無水マレイン酸、無水ブタンテトラカルボン酸などの酸無水物が挙げられる。
【0048】
前記のようにして導入されたカルボキシル基は、シアナミドやカルボジイミド(例えば、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド)などの脱水縮合剤とN−ヒドロキシスクシンイミドなどの化合物で活性エステル化することができる。
【0049】
官能基としてハロホルミル基を導入するために用いられる化合物としては、例えば、式:X−OC−R6−CO−X(式中、Xはハロゲン原子、R6は単結合または炭素数1〜12の2価の炭化水素基を表す。)で示されるジカルボン酸のジハライド、例えばコハク酸クロリド、マロン酸クロリドが挙げられる。
【0050】
官能基として水酸基を導入するために用いられる化合物としては、例えば、式:HO−R7−COOH(式中、R7は炭素数1〜12の2価の炭化水素基を表す。)で示されるヒドロキシ酸またはフェノール酸が挙げられる。
【0051】
官能基としてアミノ基を導入するために用いられる化合物としては、例えばアミノ酸が挙げられる。
【0052】
前記の化合物のうち、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、トリメリット酸、ブタンテトラカルボン酸などの多価カルボン酸は親水性を向上させるために使用することもできる。
【0053】
基体として上記のような固体支持体を用いることにより、プローブを強固に固定化することができるため、検出感度と信頼性の高い診断が可能になる。
【0054】
試料cDNAは、当技術分野で公知の方法によって調製できる。例えば、試料から単離された全RNAをRTプライマーおよび適当なバッファーを含む反応混合物中に添加する。プライマーアニーリングのためのインキュベート後、RTバッファー、dNTP、DTT、アミノアリルdUTP、RNaseインヒビターおよび逆転写酵素をさらに添加する。RNAの逆転写が完了するようにインキュベーション後、RT産物を反応性標識試薬と反応させる。別法では、プライマーを標識せずに、標識化dNTPをPCR反応混合物中でインキュベートしてもよい。PCR増幅は、従来の技術に従って、DNAサーマルサイクラー中で行うことができる。
【0055】
試料溶液は、溶液中の核酸濃度が通常0.01〜100μg、好ましくは1〜50μgとなるようにバッファーに溶解することによって調製する。この溶液を、上記で調製したプローブが固定化された基体上に滴下し、インキュベーションを行うことによりハイブリダイズさせる。ハイブリダイゼーションは、公知の方法またはそれに準じる方法、例えば、Molecular Cloning 2nd(J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従って行うことができる。
【0056】
本発明の検出方法において、インキュベーションは、通常50〜70℃、好ましくは
55〜65℃で、通常1〜20時間、好ましくは5〜16時間で行う。最後に、基体を洗浄し、乾燥後、ハイブリダイズした核酸に由来する標識を読みとることによりハイブリダイゼーションを検出することができる。
【0057】
本発明のプローブ固定化基体は、試料由来の核酸とハイブリダイズさせた後、基体を洗浄することにより、一度ハイブリダイズした核酸を解離させることができ、さらに、再度核酸をハイブリダイズさせることができる。基体上にDNAと共有結合しうる官能基、ならびにダイヤモンド、軟ダイヤモンド、炭素系物質および炭化物から選ばれる少なくとも1種の表面層を有する固体支持体を基体として用いることにより、核酸の解離およびハイブリダイゼーション反応の再現性を向上させることができる。
【0058】
ハイブリダイズした核酸の解離は、通常、室温〜100℃、好ましくは90〜100℃、より好ましくは95〜100℃のナトリウム濃度が1〜15mMの溶液で、通常10〜60分、好ましくは10〜40分、より好ましくは30〜35分洗浄することにより実施できる。洗浄のための水性溶液としては、超純水、炭酸水素ナトリウム溶液、SSC溶液、PBS溶液等を使用することができる。本発明においては95〜100℃の超純水を用いて、10〜30分洗浄を実施するのが好ましい。
【実施例】
【0059】
以下、本発明を実施例に基づきより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)プローブ固定化基体の作成
3mm角のシリコン基体にダイヤモンドライクカーボン層をコーティングし、アンモニアプラズマ処理によりアミノ基を導入し、カルボキシル基で修飾後、N−ヒドロキシスクシンイミドで活性エステル化し、プローブ固定化用の基体を作成した。この基体に、マイクロアレイ用スポッターSPBIO2000(日立ソフト)を使用して、5pmol/μLに調整した1055種(ラット)もしくは1797種(ヒト)の5’末端をアミノ化した60merのDNAをプローブとしてスポットした。最終濃度20%PEG(ポリエチレングリコール)溶液にDNA断片を5μMの濃度で溶解し、スポッティング溶液とした。
基体上に固定化した1797種(ヒト) もしくは1055種(ラット)のプローブについて、以下の表1(ヒト)、表2(ラット)に示す。
実施例2
ヒトの腫瘍由来細胞について、実施例1で得たアレイを用いて、細胞表面タンパク質のプロファイリングを行なった。球面SOMによる解析結果を図3に示し、この解析により得られた脳腫瘍関連遺伝子として、以下の7種の遺伝子を特定した(表3)。また、乳癌関連遺伝子として、以下の10種の遺伝子を特定した(表4)。
ヒトの腫瘍由来細胞
ヒトグリオーマ(脳腫瘍)9株:A172、Gli36、U251MG、U373MG、T98G、CCF-STTG1、GI-1、KG-1-C、TM-31
ヒト乳癌由細胞9株:MCF 7、T-47D、SK-Br-3、ZR-75-1、MDA-MB-231、MDA-MB-453、MDA-MB-134、Hs 578T、Hs 574. T
【0060】
【表1】

【0061】

【0062】

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【表2】

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【表3】

【0140】
【表4】

【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】膜貫通型とGPIアンカー型のタンパク質を模式的に示す。
【図2】細胞表面タンパク質をコードする遺伝子発現の解析の流れを模式的に示す。
【図3】球面SOMによる解析結果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳類の細胞表面タンパク質遺伝子群に対するプローブを設計する方法であって、以下の基準に従いプローブを設計する方法:
(1)細胞表面タンパク質の膜貫通領域またはGPIアンカー修飾部位を選択する工程;
(2)選択された膜貫通領域もしくはGPIアンカー修飾部位を含む50mer〜70merの塩基配列が40〜60%のGC含有率を有する場合、50mer〜70merのプローブを決定する工程;
(3)細胞表面タンパク質が膜貫通領域を有し、且つ、膜貫通領域を含む50mer〜70merの塩基配列が40〜60%のGC含有率を有し得ない場合、以下の順位3-1〜3-3に従い40〜60%のGC含有率を有するプローブを設計する工程:
3-1. 膜貫通領域をコードする配列を中心に設計する
3-2. 膜貫通領域を含むexonの中であれば許容する
3-3. 隣接するexonにまたがる場合には膜貫通領域を含むexonの一部を必ず含むことを条件に許容する。
(4)細胞表面タンパク質がGPIアンカー修飾部位を有し、且つ、GPIアンカー修飾部位を含む50mer〜70merの塩基配列が40〜60%のGC含有率を有し得ない場合、以下の順位4-1〜4-3に従い40〜60%のGC含有率を有するプローブを設計する工程:
4-1. GPIアンカー修飾部位をコードする配列を中心に設計する。
4-2. C末端の膜貫通領域を含むexonの中であれば許容する。
4-3. GPIアンカー修飾部位あるいは膜貫通領域を含むexonの中であれば許容する。
4-4. 隣接するexonにまたがる場合には GPIアンカー修飾部位あるいはC末端の膜貫通領域を含むexonの一部を含むことを条件に許容する。
【請求項2】
プローブが、60merの塩基配列を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載のプローブを基体上に固定化してなるオリゴヌクレオチドアレイ。
【請求項4】
ヒト又はラットの全細胞表面タンパク質遺伝子群に対するプローブを固定化してなる、請求項3に記載のオリゴヌクレオチドアレイ。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のオリゴヌクレオチドアレイに哺乳類細胞由来のmRNAもしくはcDNAを含むサンプルを適用することを特徴とする、該サンプル中に含まれる細胞表面タンパク質遺伝子群の発現を検出する方法。
【請求項6】
ヒト又はラットの細胞表面タンパク質遺伝子群に対するプローブセット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−50182(P2009−50182A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−218030(P2007−218030)
【出願日】平成19年8月24日(2007.8.24)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度、経済産業省 地域新生コンソーシアム研究開発事業「脳腫瘍をピンポイントで標的するバイオナノカプセルの開発」に係る委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受けるもの
【出願人】(504147243)国立大学法人 岡山大学 (444)
【Fターム(参考)】