説明

ヒューマン・マシン対話システム

【課題】複数のヒューマン・マシン対話部材を備え、取り付けが容易で、各ヒューマン・マシン対話部材を容易に交換可能なヒューマン・マシン対話システムを提供する。
【解決手段】本発明は、データ処理ユニットと電力供給ユニットとを有する第1の部品1と;ヒューマン・マシン対話インターフェースが各々に設けられている複数のヒューマン・マシン対話部材2と、各ヒューマン・マシン対話部材2を着脱可能かつ交換可能な方式で収容するように配置されている締結支持体と、を有する第2の部品と;前記第1の部品1の前記電源ユニット及び前記処理ユニットを各ヒューマン・マシン対話部材2に連結する通信及び電源バス4であって、前記通信及び電源バス4は、各ヒューマン・マシン対話部材2を接続するよう少なくとも部分的に前記締結支持体内に配置されている、通信及び電源バス4と;を備えるヒューマン・マシン対話システムに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒューマン・マシン対話システム(human-machine dialog system)に関する。具体的には、本発明は、相互接続された第1の部品(first part)と第2の部品(second part)とを備えるヒューマン・マシン対話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ヒューマン・マシン対話システムは、押しボタン型(push-buttom type)又は表示ランプ型(indicator lamp type)の各ヒューマン・マシン対話部材を、電気エンクロージャ(electrical enclosure)のドア又は制御コンソール(control console)に個別に取り付けることで製造される。各ヒューマン・マシン対話部材については、ドリルで孔を開け、このヒューマン・マシン対話部材用の配線を作製する必要がある。ヒューマン・マシン対話部材を交換しなければならない場合には、このヒューマン・マシン対話部材を完全に取り外す必要があり、このヒューマン・マシン対話部材の交換品は配線し直す必要がある。米国特許第5,865,546号公報には、コンピュータシステムにおいて採用されるモジュール型のキーボードが記載されている。
【0003】
米国特許出願公開第2006/050464号公報には、「ワンワイヤ」プロトコルの用途が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,865,546号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/050464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、複数のヒューマン・マシン対話部材を備え、取り付けが容易で、各ヒューマン・マシン対話部材を容易に交換可能なヒューマン・マシン対話システムを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、
− データ処理ユニット(deta processing unit)と電源ユニット(electrical power supply unit)とを有する第1の部品と、
− ヒューマン・マシン対話インターフェースが各々に設けられている複数のヒューマン・マシン対話部材と、各ヒューマン・マシン対話部材を着脱可能(removable)かつ交換可能(interchangeable)な方式で収容するように配置されている締結支持体(fastening support)と、を有する第2の部品と、
− 前記第1の部品の前記電源ユニット及び前記プロセッサユニットを各ヒューマン・マシン対話部材に連結する通信及び電源バスであって、前記通信及び電源バスは、各ヒューマン・マシン対話部材を接続するように前記締結支持体内に配置されている2本の平行な導電レール(conductive rail)を有する、通信及び電源バスと、
を備えるヒューマン・マシン対話システムにより達成される。
【0007】
特有の特徴によれば、前記システムは、前記ヒューマン・マシン対話部材の状態を表すデータを記憶するよう意図されたメモリと、前記メモリの読み出し及び/又は書き込みを行うよう意図された処理手段(processing means)とを備える。
【0008】
別の特有の特徴によれば、前記ヒューマン・マシン対話部材は例えば、制御インターフェースを備え、前記制御インターフェースは、ユーザが作動(actuate)させることが可能であり、前記ヒューマン・マシン対話部材の状態を表すデータを前記メモリに書き込むよう、その処理手段と協働(cooperate)する。
【0009】
別の特有の特徴によれば、前記ヒューマン・マシン対話部材は例えば、シグナリングインターフェースを備え、前記シグナリングインターフェースは、前記電源ユニットにより給電できるように前記通信及び電源バスに接続されており、前記メモリ内に記憶されたデータに対応する状態を表示するよう、そのプロセッサ手段と協働する。
【0010】
別の特有の特徴によれば、前記ヒューマン・マシン対話部材は例えば、識別又は検出インターフェースを備え、前記識別又は検出インターフェースは、前記ヒューマン・マシン対話部材の状態を表すデータをメモリに書き込むよう前記処理手段と協働する。
【0011】
別の特有の特徴によれば、前記ヒューマン・マシン対話部材は例えば、データ受信インターフェースを備え、前記データ受信インターフェースは、ワイヤレス技術により動作し、前記ヒューマン・マシン対話部材の状態を表すデータを前記メモリに書き込むよう、その処理手段と協働する。
【0012】
別の特有の特徴によれば、前記ヒューマン・マシン対話部材は例えば、データ送信インターフェースを備え、前記データ送信インターフェースは、ワイヤレス技術により動作し、前記メモリ内に記憶されたデータに対応するメッセージを送信するよう、その処理手段と協働する。
【0013】
本発明によれば、前記ヒューマン・マシン対話システムは、異なるヒューマン・マシン対話インターフェースが各々に設けられている2つのヒューマン・マシン対話部材を備え、前記2つのヒューマン・マシン対話部材は共に、同じ四角形状の筐体(identical square-shaped housing)を有している。
【0014】
別の特有の特徴によれば、前記通信及び電源バスは、非ゼロ電位(non-zero electrical potential)を有する第1の導電レールと、中性電位(neutral electrical potential)を有する第2の導電レールとを備え、前記第1及び第2の導電レールは共に、前記締結支持体に沿って配置されている。
【0015】
別の特有の特徴によれば、前記締結支持体は、細長い(elongate)ベースを備え、前記細長いベースは、滑り(sliding)により複数のヒューマン・マシン対話部材を受容(receive)するように配置されている。
【0016】
本発明によれば、前記第1の部品と前記第2の部品は、例えば、エンクロージャのドア又は制御コンソールのデッキを構成している壁のいずれかの側に設置されている。
【0017】
その他の特徴及び利点は、一例として与えられ且つ添付図面により表された実施形態を参照することにより以下の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のヒューマン・マシン対話システムを表す分解図である。
【図2】本発明のヒューマン・マシン対話システムを表す図である。
【図3】本発明のヒューマン・マシン対話システムのアセンブリの原理を示す図である。
【図4】本発明のヒューマン・マシン対話システムの第2の部品用の締結支持体を表す分解図である。
【図5】本発明のヒューマン・マシン対話システムの第2の部品用の締結支持体を表す組立図である。
【図6】本発明のヒューマン・マシン対話システムに適した押しボタン型制御インターフェースが設けられたヒューマン・マシン対話部材を表す図である。
【図7】本発明のヒューマン・マシン対話システムに適した押しボタン型制御インターフェースが設けられたヒューマン・マシン対話部材を表す分解図である。
【図8】押しボタン型制御インターフェースが設けられたヒューマン・マシン対話部材の動作アーキテクチャを概略的に表す図である。
【図9】信号ライト型シグナリングインターフェースが設けられたヒューマン・マシン対話部材の動作アーキテクチャを概略的に表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は特に、データの読み出し/書き込みを行うステーション10を有する第1の部品1と、ヒューマン・マシン対話インターフェース20、処理手段230、及び、例えばメモリ231が各々に設けられている複数のヒューマン・マシン対話部材2を有する第2の部品と、を備えるヒューマン・マシン対話システムに関する。
【0020】
本発明によれば、第1の部品1は、マイクロプロセッサ及びメモリを有する処理ユニットと、第2の部品のヒューマン・マシン対話部材2に給電するための電源ユニット11とが設けられ、データの読み出し/書き込みを行うステーション10を備える。読み出し/書き込みステーション10と電源ユニット11は、例えば、用途の種類に適した締結手段を備える全く同一の筐体の内側に配置されている。第1の部品1は、図1に1回だけ示されるが、第1の部品1は、他の添付図面にも同じ構成で存在することが考慮されるべきである。本発明によれば、処理ユニットのメモリは、ヒューマン・マシン対話部材の状態、又は、ヒューマン・マシン対話部材に割り当てられた他の情報を記憶するため、すべてのヒューマン・マシン対話部材により共有することができる。上述されているように、区別できるメモリ231を各ヒューマン・マシン対話部材に割り当てることが同様に可能である。以下、説明中で、各ヒューマン・マシン対話部材2は、このヒューマン・マシン対話部材2の固有のメモリ231を有すると仮定することになる。しかし、システムの全体構成は、用いられるメモリがすべてのヒューマン・マシン対話部材に共通であり、例えば、読み出し/書き込みステーションのメモリ、又は、ヒューマン・マシン対話システムの第1の部品又は第2の部品に位置する1つ以上の他のメモリに対応することを想像することができるようにされている。
【0021】
第1の部品1と第2の部品は、通信及び電源バス4を介して相互接続されており、通信及び電源バス4は、読み出し/書き込みステーション10と各ヒューマン・マシン対話部材2との間で通信を可能にさせ、かつ、電源ユニット11とヒューマン・マシン対話部材2との間での給電を可能にさせる。この通信及び電源バス4は、例えば、2本の別個の導電ライン上に実装され、第1の導電ライン40は、非ゼロ電位に接続され、ヒューマン・マシン対話部材2のための電源電流と、読み出し/書き込みステーション10とヒューマン・マシン対話部材2との間で交換される通信フレームとの両方の通過を可能にさせ、第2の導電ライン41は、中性電位をもつ。
【0022】
読み出し/書き込みステーション10と様々なヒューマン・マシン対話部材2は、簡単な通信プロトコルを用いることにより通信及び電源バス4を介してデータを交換する。この通信プロトコルは、例えば、ヒューマン・マシン対話部材のための電源と、各ヒューマン・マシン対話部材2と読み出し/書き込みステーション10との間で交換される通信フレームとの両方の通過を許容するツーワイヤ・プロトコルである。既に知られているこの種のプロトコルは、「ワンワイヤ」と呼ばれるプロトコルであり(DALLASプロトコルとも呼ばれる)、以下のウェブアドレス
http://daniel.menesplier.free.fr/Doc/BUS%201%20WIRE.pdf
に記載されている。
【0023】
本発明によれば、ヒューマン・マシン対話部材2は、これらの機能とは無関係に、すべてが同一形状の筐体を有し、ヒューマン・マシン対話部材2を交換できるようにする。
【0024】
本発明によれば、本発明のシステムで用いられるようなヒューマン・マシン対話部材2は、例えば、プラスチック材料製の四角形状の筐体21と、筐体21の外側に作られた少なくとも2個の電気接点22a、22bと、筐体の内側に搭載されたプリント回路23と、筐体を密閉し、例えば、押しボタン型の制御インターフェース20(図6及び図7)のようなヒューマン・マシン対話インターフェースを収容するフロントパネル24とにより構成される。2個の電気接点22a、22bは、筐体の少なくとも2個の対向する側面(side)に同様に作られる。優先的に、2個の他の電気接点22c、22dが筐体の他の2個の対向する側面に同様に作られる。このようにして、各ヒューマン・マシン対話部材2は、このヒューマン・マシン対話部材が相互に90°単位でオフセットした2つの別個の配向をとることができるようにする2個の別個の接続インターフェースを有する。その上、フロントパネル24は、ラベルを受容することが意図されたプレースメント240を含む。
【0025】
ヒューマン・マシン対話部材2は、マイクロプロセッサのような処理手段230と、ヒューマン・マシン対話部材の状態を表すデータ、及び、ヒューマン・マシン対話部材2により受信又は送信されるべきメッセージを表すデータを記憶するためのメモリ231とを備える。処理手段230とメモリ231は、プリント回路23に組み立てられ、筐体21に作られた電気接点22a−22dに接続され、両方ともに通信及び電源バス4を介して電源ユニット11により給電されることが意図されている。
【0026】
ヒューマン・マシン対話部材2のメモリ231は、例示としては、RAM、EEPROM又はFERAM技術のメモリであり、特に、読み出し/書き込みステーション10とヒューマン・マシン対話部材との間に作られた通信ネットワーク上でヒューマン・マシン対話部材を識別する固有識別子と、このメモリが関連付けられているヒューマン・マシン対話部材2の状態を表すデータとを記憶する。メモリ231は、ヒューマン・マシン対話インターフェース20の型に関連するデータをさらに記憶することがある。
【0027】
本発明によれば、「ヒューマン・マシン対話インターフェース20」という表現は、手動又は外部要素により作動することが可能であり、かつ、有線又は無線リンクにより直接的又は遠隔的に作動することができる何らかの制御インターフェースを意味することが理解されるべきである。したがって、このヒューマン・マシン対話インターフェースは、例えば、押しボタンのような様々な種類のボタン、少なくとも2個の位置を位置センサと共にもつ回転ノブ、タッチスクリーンのような他の種類の制御インターフェース、又は、ワイヤレス制御装置により遠隔的に制御されるワイヤレス技術(無線、赤外線など)に基づくデータ受信インターフェースを含む。
【0028】
「ヒューマン・マシン対話インターフェース20」という表現は、制御インターフェースに連結されるか、又は、連結されない何らかの視覚的又は聴覚的シグナリングインターフェースを意味することがさらに理解されるべきである。したがって、このヒューマン・マシン対話インターフェース20は、例えば、信号ライト、発光ラベル、又は、表示スクリーンと、すべてのサウンド警告装置とを含む。シグナリングインターフェースは、メッセージが遠隔受信器へ送信されることを可能にするワイヤレス技術に基づくデータ送信インターフェースで構成されることもある。
【0029】
「ヒューマン・マシン対話インターフェース20」という表現は、上に定義されているように、シグナリングインターフェース、又は、制御インターフェースに連結されるか、又は、連結されない何らかの検出又は識別インターフェースを意味することがさらに理解されるべきである。したがって、このヒューマン・マシン対話インターフェース20は、例えば、容量型、誘導型、又は、抵抗型の何らかの存在検知センサと、人物を識別するため使用することができるバイオメトリック型の何らかのセンサとを含む。
【0030】
以下の説明では、ヒューマン・マシン対話部材2は、それ自体で、上述のように複数の様々なヒューマン・マシン対話インターフェース20を備えることがあることが理解されるべきである。よって、全く同一のヒューマン・マシン対話部材2は、例えば、押しボタンのような制御インターフェースと、例えば、信号ライトのようなシグナリングインターフェースとの両方を備えることがある。
【0031】
用いられるヒューマン・マシン対話インターフェース20の型により、ヒューマン・マシン対話部材2の構成は、変化することがある。実際には、図8を参照すると、押しボタン型のヒューマン・マシン対話インターフェース20は、例えば、接点200を備え、この接点の状態は、ヒューマン・マシン対話部材の処理手段230により永続的(permanently)に監視される。この接点200が状態を変えるとき、処理手段230は、この状態を表すデータを内部メモリ231へ書き込む。規則的な間隔でメモリ231を走査する読み出し/書き込みステーション10は、その結果、ヒューマン・マシン対話インターフェース20の状態の変化が通知される可能性がある。
【0032】
図9を参照すると、信号ライト型のヒューマン・マシン対話インターフェース20は、例えば、電源ユニット11により給電することができる発光ダイオード201を備える。ステーション10がライトの照明を命令するとき、ステーション10は、信号ライトを与えることを求める状態を表すデータ、例えば、ライトの「オン」状態を表すデータをヒューマン・マシン対話部材2の内部メモリ231に書き込む。メモリ231を読み出すヒューマン・マシン対話部材の処理手段230は、状態の変化を検出し、通信及び電源バス4を介してダイオード201を電源ユニット11へ接続するため接点の作動を制御する。
【0033】
本発明によれば、各ヒューマン・マシン対話部材の中に含まれるメモリ231は、選択可能なため、記憶されるべき情報は、例えば、すべてのヒューマン・マシン対話部材に共通した別のメモリに記憶でき、そして、ヒューマン・マシン対話システムの第1の部品又は第2の部品に位置していることが理解されるべきである。
【0034】
本発明によれば、システムの第2の部品は、着脱可能かつ交換可能な方式で、上述の型の1個以上のヒューマン・マシン対話部材2を収容可能な締結支持体3を備える。締結支持体3は、導電ライン40、41の延長部において2本の平行な導電レール400、410を備え、この導電レールにヒューマン・マシン対話部材の電気接点22a−22dを介して各ヒューマン・マシン対話部材2を接続することができる。通信及び電源バス4は、したがって、第1の部品1と第2の部品との間に延在する2本の導電ライン40、41と、締結支持体3の2本の導電レール400、410とで構成される。
【0035】
図4及び図5を参照すると、この締結支持体3は、ベース30に固定され、縦方向に延在する導電レール400、410に各々に接続されている2個の電気端子300、301を有する第1の端部を備えるベース30又は細長い形のプレートと、ベース30に締結され、ベース30の第2の開口端部を介して、滑りにより、次々にヒューマン・マシン対話部材2をねじ込むことができる2つの平行な滑り路(slideway)を形成する保護要素31とをさらに備える。添付図面に表されているような締結支持体3は、例えば、5個のヒューマン・マシン対話部材2を収容することができる。締結支持体3は、ベース30に重ねられ、ベース30の第2の端部を密閉することによりヒューマン・マシン対話部材2を締結支持体3に締結するため使用される(図5には図示されないが、図3で見ることができる)保護プレート32をさらに備える。この保護プレート32は、導電レールを覆うためベース30に配置され、これにより、導電部品とのいかなる接触も阻止する。
【0036】
上述の様々な要素に基づいて、本発明は、結果として、通信及び電源バス4を用いて第1の部品1を第2の部品に接続することによりヒューマン・マシン対話システムを製造することになる。本発明は、特に、エンクロージャのドア又は制御コンソールに設置されたヒューマン・マシン対話システムに適用される。本発明のシステムは、このように、1つずつがエンクロージャのドア又は制御コンソールに個別に搭載されたボタン又はライトを交換することができる。添付図面では、エンクロージャのドア、又は、制御コンソールは、両方ともに簡単な壁5の形で表されている。
【0037】
本発明によれば、ステーション10と電源ユニット11とにより形成された第1の部品1は、このように、例えば、DINレールに締結されることにより、エンクロージャの内側に、又は、制御コンソールの下側に設置され、締結支持体3とヒューマン・マシン対話部材2とを備える第2の部品は、エンクロージャのドア又は制御コンソールにより形成された壁5の外側に締結されている。
【0038】
図1、図3、及び図4を参照すると、締結支持体3は、例えば、2個の締結部材、例えば、2個のネジ33、34を備える。各ネジ33、34は、壁5の中に形成されたオリフィス50、51を通過することが意図されている。別のオリフィス52は、一方で締結支持体3の2個の端子300、301に接続され、他方で読み出し/書き込みステーション10と電源ユニット11とに接続された通信及び電源バス4の2本の導電ライン40、41の通過を可能にするため、壁5の中にさらに形成することが必要である。本発明によれば、小さい径の3個のオリフィス50、51、52だけで壁5を通して締結支持体3を締結し、締結支持体3を読み出し/書き込みステーション10と電源ユニット11とに接続するため十分であり、支持体3は、それ自体で、複数のヒューマン・マシン対話部材2を収容することができる。本発明のこの構成は、その結果、壁5の中に開けるオリフィスの個数を最小限に抑える利点がある。ヒューマン・マシン対話部材2は、90°単位でオフセットした2個の別個の接続インターフェースを備え、締結支持体3は、壁5へ水平方向又は垂直方向に固定することができる。例えば、締結支持体3の下に形成された粘着部品又は磁化部品を用いて、締結支持体を締結する他の手段を考えることができる。
【0039】
ヒューマン・マシン対話システムが始動されたとき、各ヒューマン・マシン対話部材2の固有識別子が予備学習ステップにおいて読み出し/書き込みステーション10により学習され、読み出し/書き込みステーション10のメモリ内でヒューマン・マシン対話部材2のヒューマン・マシン対話インターフェース20の型と関連付けられる。ステーション10は、次に、取り扱われるべきヒューマン・マシン対話インターフェース20の型に応じてこのステーションの入力−出力を構成する。
【0040】
したがって、本発明のシステムは、いくつかの利点を提供し、これらの利点の一部を以下に列記する。
【0041】
− 壁に開ける孔の個数の削減、
− 支持体を締結した後でもシステムを構成できる可能性、
− ヒューマン・マシン対話部材を除去、追加、又は交換することによりいつでもシステムを修正できる可能性、
− 各ヒューマン・マシン対話部材を個別に配線する必要が全くないことによる配線の限定、
− ステーションをネットワークに直接接続することによりシステムをネットワークに組み込むことができる可能性、
− システムのモジュール性と提供される機能の豊富さ、
− 従来の解決策と比べて、特に奥行きに関するシステムの小型化など。
【0042】
言うまでもなく、本発明の範囲から外れることなく、詳細についての他の変形及び改良を考案することや、さらには均等な手段の使用を思い付くことは可能である。
【符号の説明】
【0043】
1:第1の部品、2:ヒューマン・マシン対話部材、
3:締結支持体、4:通信及び電源バス、
10:読み出し/書き込みステーション、11:電源ユニット、
20:ヒューマン・マシン対話インターフェース、21:筐体、
22a、22b、22c、22d:電気接点、
23:プリント回路、24:フロントパネル、
30:ベース、31:保護要素、32:保護プレート、33、34:ネジ、
40:第1の導電ライン、41:第2の導電ライン、
50、51、52:オリフィス、
200:接点、201:発光ダイオード、
230:処理手段、231:メモリ、240:プレースメント、
300、301:電気端子、400、410:導電レール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ処理ユニットと電源ユニット(11)とを有する第1の部品(1)を備えるヒューマン・マシン対話システムであって、
前記システムは、
ヒューマン・マシン対話インターフェース(20)が各々に設けられている複数のヒューマン・マシン対話部材(2)と、各ヒューマン・マシン対話部材(2)を着脱可能かつ交換可能な方式で収容するように配置されている締結支持体(3)と、を有する第2の部品と、
前記第1の部品(1)の前記電源ユニット(11)及び前記処理ユニットを各ヒューマン・マシン対話部材(2)に連結する通信及び電源バス(4)であって、前記通信及び電源バス(4)は、各ヒューマン・マシン対話部材(2)を接続するように前記締結支持体(3)内に配置されている2本の平行な導電レール(400、410)を有する、通信及び電源バス(4)と、
を備えることを特徴とするヒューマン・マシン対話システム。
【請求項2】
前記ヒューマン・マシン対話部材(2)の状態を表すデータを記憶するよう意図されたメモリ(231)と、前記メモリ(231)の読み出し及び/又は書き込みを行うよう意図された処理手段(230)と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ヒューマン・マシン対話部材(2)は、制御インターフェースを備え、前記制御インターフェースは、ユーザが作動させることが可能であり、前記ヒューマン・マシン対話部材(2)の状態を表すデータを前記メモリ(231)に書き込むよう前記処理手段(230)と協働する、ことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ヒューマン・マシン対話部材(2)は、シグナリングインターフェースを備え、前記シグナリングインターフェースは、前記電源ユニット(11)により給電できるように前記通信及び電源バス(4)に接続されており、前記メモリ(231)内に記憶されたデータに対応する状態を表示するよう前記処理手段(230)と協働する、ことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記ヒューマン・マシン対話部材(2)は、識別又は検出インターフェースを備え、前記識別又は検出インターフェースは、前記ヒューマン・マシン対話部材(2)の状態を表すデータを前記メモリ(231)に書き込むよう前記処理手段(230)と協働する、ことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記ヒューマン・マシン対話部材(2)は、データ受信インターフェースを備え、前記データ受信インターフェースは、ワイヤレス技術により動作し、前記ヒューマン・マシン対話部材(2)の状態を表すデータを前記メモリ(231)に書き込むよう前記処理手段(230)と協働する、ことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記ヒューマン・マシン対話システム(2)は、データ送信インターフェースを備え、前記データ送信インターフェースは、ワイヤレス技術により動作し、前記メモリ(231)内に記憶されたデータに対応するメッセージを送信するよう前記処理手段(230)と協働する、ことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項8】
異なるヒューマン・マシン対話インターフェースが各々に設けられている2個のヒューマン・マシン対話部材を備え、前記2個のヒューマン・マシン対話部材は共に、同じ四角形状の筐体を有している、ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記通信及び電源バスは、非ゼロ電位を有する第1の導電レール(400)と、中性電位を有する第2の導電レール(410)とを備え、前記第1及び第2の導電レールは共に、前記締結支持体(3)に沿って配置されている、ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記締結支持体(3)は、細長いベース(30)を備え、前記細長いベース(30)は、滑りにより複数のヒューマン・マシン対話部材(2)を受容するように配置されており、前記細長いベース(30)に対し、前記導電レール(400、410)が締結されている、ことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の部品(1)と前記第2の部品は、壁(5)のいずれかの側に設置されている、ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−155721(P2012−155721A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−10917(P2012−10917)
【出願日】平成24年1月23日(2012.1.23)
【出願人】(594083128)シュネーデル、エレクトリック、インダストリーズ、エスアーエス (52)
【氏名又は名称原語表記】SCHNEIDER ELECTRIC INDUSTRIES SAS
【Fターム(参考)】