説明

ヒンジ付きドアまた窓を有するテント

ヒンジ付きドア(26)がテント(20)に備えられる。一実施形態のヒンジ付きテントドア(26)は、ドアの外周縁を支持するためのフレーム(46)を有する。ヒンジ付きテントドア(26)は、着脱自在なフレーム(46)を有し、収納時にテントと共にコンパクトに畳むことができる。たとえば、フレーム(46)は、ドアに対して着脱自在に取り付けられる一つ以上のポール(48、50)を有する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2005年11月3日出願の米国特許仮出願番号第60/733303号に基づく優先権を主張するものであり、当該出願は参照することにより本明細書中に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、テント、特にテントの構造に関する。
【背景技術】
【0003】
テントは、軽量で、かつ、多くの場合、防水性で、布地により作製された、携帯可能な構造を有している。一般的に、テントは、ポリエステル、その他の材料製の折畳み可能なシェルタからなり、該シェルタが、一つ以上のポールなどからなるフレームを覆うとともに、このフレームにより支持されるようになっている。テントは、野外でのキャンプ、または一時的な構造物として使用される。テントには、ドームテント、キャビン式テントなど、種々の形状がある。
【発明の開示】
【発明の概要】
【0004】
以下、本発明の基礎的な理解を図るため、本発明の実施形態の概略を示す。この概略は、本発明の全体を概観するものではない。本発明に必須の要素を特定したり、本発明の範囲を定めたりする意図を有するものではない。その唯一の目的は、後述するより詳細な説明への導入として、本発明の実施形態を簡潔に示すことである。
【0005】
一実施形態においては、ヒンジ付きドアがテントに備えられる。一実施形態に係るヒンジ付きテントドアは、ドアの外縁を支持するフレームを有する。これにより、ドアは構造体として支持され、テントに対してヒンジにより取り付けられるので、家の戸口と同様となる。
【0006】
一実施形態においては、ヒンジ付きテントドアは、着脱自在のフレームを備えるため、テントと共に折畳み、保管や移動のためにコンパクトな構成とすることができる。たとえば、フレームは、ドアに対して着脱自在に取り付けられる一つ以上のポールからなる。
【0007】
代替的に、フレームをエアフレームとしてもよい。この場合、保管のためにフレームを取り外すのではなく、収縮させる。さらに他の実施形態では、テントと共に折畳むのに十分柔軟であるが、使用時にドアを支持するために十分な構造強度を有するフレームが採用される。
【0008】
テントとドアに取り付けられ、ドアをテントの外側に開くようにする、機械的ヒンジ構造とすることができる。代替的に、テントの布地がヒンジとして機能するようにしてもよい。代替的に、リビングヒンジとして機能する、プラスチックのヒンジを使用してもよい。他の実施形態として、ヒンジを使用せず、たとえば、ドアに設けたポールをテントのスリーブ内に保持することで、テントに対して相対的に回転するドアを取り付けてもよい。逆に、テントに取り付けられたポールに対して、相対回転するドアを取り付けてもよい。
【0009】
一実施形態において、ドアが覆う開口、たとえば出入口は、フレームにより支持されてもよい。この出入口フレームは、ヒンジ付きドアと、テントの出入口の両方のアタッチメントを支持することができる。出入口に取り付けられたドアを支持するために、ポール、ヒンジ、その他の構造を設けてもよい。
【0010】
一実施形態において、ドアは、フレームを有するスクリーンドアからなる。スクリーンを覆うために、スクリーン外側にフラップを取り付けてもよい。フラップは、たとえばジッパにより取り付けることができる。
【0011】
本発明のその他の特徴については、図面とともに、以下に記す詳細な説明により明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の種々の実施形態について説明する。説明のために、特定の構成および細部について記述し、実施形態の完全な理解を図る。しかしながら、かかる細部の説明がなくても、当業者が本発明を実施できることは明らかである。また、実施形態の記載を不明瞭にしないために、周知の特徴については省略または簡略化する場合がある。
【0013】
図面を参照して説明するが、各図を通して、同様の構成については同一の符号を用いる。図1に、一実施形態に係るテント20を示す。図示のテント20は、ドーム型テントであるが、本発明の特徴は、ドーム型、その他の自立型テント、キャビン型、その他の形態に関わらず、種々の異なる形態のテントに対して適用される。すなわち、本明細書中においてテント20およびその他のタイプのテントに関して説明しているが、本発明は、多くの異なるテント構造に対しても適用される。さらに、本発明は、シェルタなど、テント以外の布製構造物に対しても適用される。しかしながら、特に、本発明は自立型テントに関連する。ここで「自立型」とは、支持ロープや杭なしで組み立てることができ、自らを支えるものをいう。一例はドームテントである。繰返すと、自立型テントに特に関連するものであるが、本発明の態様は他の形式のテントに使用できる。
【0014】
テント20は、ウォール22と、ウォールとテントを公知の手段により支持するポール24とを有する。実施形態における「ウォール」とは、一般的にテント上部を覆うテントの一部を含む。一実施形態においては、テント20、たとえばテントのウォール22の一つに、ヒンジにより取り付けられた新規なドア26が備えられる。ヒンジ付きドア26は、家のドアと同じように開いて使用することができる。図1の実施形態では、ヒンジ付きドア26を備えるが、本発明は、ヒンジ付き窓にも適用される。
【0015】
図1の実施形態では、ヒンジ付きドア26の出入口周囲に構造物が設けられている。この構造物は、出入口を支持し、出入口を比較的に剛構造として潰れないようにしている。これにより、ドアを出入口にぴったりと嵌めることができる。しかしながら、出入口に対して補強構造は必須ではない。ここで、「出入口」とは、ドアにより閉じられまたは覆われる開口であり、本明細書中の実施形態は、ドアのみならず窓に対しても適用されるため、「出入口」には、窓の開口も含まれる。
【0016】
一実施形態において、出入口の構造物には、C字形ポール34が含まれる。C字形ポール34は、フレーム上部スリーブ28と、フレーム下部スリーブ30と、および出入口の側縁に沿って延在するフレーム着脱スリーブ32に収容される。フレーム着脱スリーブ32は、たとえばC字形ポール34に対して、フックループファスナ、ジッパ、その他の着脱自在のコネクタにより取り付け可能となっている。C字形ポール34として、たとえば分割ポール、特に、ショックコード付きポールがあげられるが、単一のポールをC字形に曲げたものであってもよい。
【0017】
図1および図2に示す実施形態では、ドア26の支持にも、同様の構造が設けられている。図示の実施形態では、ドア上部スリーブ40、ドア下部スリーブ42、およびドア着脱スリーブ44が、ドア26の外周縁に沿って配置される。これらスリーブ40、42、44は、もう一つのC字形ポール46を収容する。図2に示すように、このC字形ポール46は、たとえば一対の直角ベンド48とこれらベンド間に延在するショックコード付きポール50を備える。
【0018】
図示の実施形態では、ドア26は、上部にスクリーン付き窓52を有する。スクリーン付き窓52は、スクリーン付き窓52を覆って風雨からテント20の内部を守るフラップ54を有する。使用者がスクリーン付き窓52を開けたいときには、フラップ54を下に巻き取って、紐で結ぶ、その他の公知の手段により固定する。代替的に、ドア26の長手方向全体がスクリーンとして機能するように、スクリーン付き窓52およびフラップ54が入口全体にわたるようにしてもよい。
【0019】
図1および図2に示す実施形態では、ドア26は、ノブ56を有する。このノブ56に、このノブを回したときにドア開口の外側部位に設けられた任意の構造に対して係合する、適当なラッチを備えてもよい。また、ドア26の外周縁で、スリーブ28、30、32のすぐ内側に、ジッパ58が取り付けられている。必要に応じて、たとえば、フックループファスナ、ループトグルファスナ、ロープ、磁石、クリップ、留め金、その他の適切な着脱可能なコネクタなどの、ドアを出入り口に対して保持できる構造を備えてもよい。
【0020】
テントには、テント20のウォール22が底部から頂部にかけて内傾しているものがある。一実施形態では、このような傾いたウォールがテント20に備えられている。この場合、ドア26はそれ自体が閉位置に向かうようになる。よって、ドア26を所定位置に保持するためにファスナは必須ではないが、風のある環境下においてドアを閉めておくためには便利である。
【0021】
図3にドア26のヒンジ60を示す。このようなヒンジを二つ、ドア26の上下に一つずつ使用する。図示のヒンジ60は、互いに相対的に回転する二つのポスト62、64を含んでいる。たとえば、ポスト62、64のうち一方がシリンダ66に取り付けられ、他方のポスト64がシリンダ66に回転自在に取り付けられる。ポール46および34の端部が、ポスト62、64に対して、たとえばポストの上に嵌められることにより取り付けられる。
【0022】
ヒンジ60により、ドア26とフレームポール34とが接続され、これによりドア26が支持される。補助的な支持を設けてもよい。たとえば、ヒンジを直接テント20に取り付けてもよい。
【0023】
図4に、他の実施形態に係るテント100を示す。テント100も同様に自立型テントであり、ヒンジ付きドア102を有する。図4に示す実施形態では、ドア102とドア102のための出入口の両方が支持されている。出入口に対しては、ドアが取り付けられる側部を除くその周囲にフレームスリーブ104が延在する。フレームスリーブ104には、フレームポール106(図5にその端部を示す)が嵌め入れられている。フレームポール106は、たとえば、フレームスリーブ104内に恒久的に配置されるポール、または、フレームスリーブ104の中に曲げて嵌め入れられる、単一の柔軟なポールからなる。柔軟なポールの場合、使用者は、フレームポール106をスリーブの一端に挿入し、ポールの一端がスリーブの他端に到達するまでスリーブ内をくぐらせて通す。代替的に、ポール106は、分割ポール、またはショックコード付きポールとしてもよく、スリーブをそのようなショックコード付きポールを着脱自在に収容できるように設計してもよい。
【0024】
ドア102は、同様のドアスリーブ108とドアポール110を有する。ドアポール110は、フレームポール106について説明したものと同様の手段、または異なる技術または構造を用いてドアスリーブ108内に保持される。
【0025】
図5に、ドア102のヒンジ112を示す。一実施形態では、ヒンジ112は、ドア102の上部と下部にそれぞれ配置される。ヒンジ112は、テント100のポケット114、116に取り付けられる。図3のヒンジ60と同様に、ヒンジ112は、フレームポール106とドアポール110の一端をそれぞれ受け入れる、回転自在な一対のポスト118、120を有する。これら回転自在のポスト118、120は、シリンダ122に取り付けられ、その上で回転できる。または、一方のポスト120がシリンダ122の周りを回転するようにして、他方のポスト118をシリンダにこていするようにしてもよい。図示の実施形態では、シリンダ122の両端が、それぞれポケット114、116に嵌り、ヒンジ112を所定の位置に保持する。これにより、ドア102がヒンジ112によって支持される。
【0026】
図6に、図4のドア102と同様のドア202を有するテント200の代替例を示す。ドア202は、ドア用のポール210と、ポールを受け入れるスリーブ208とを有する。同様のポールとスリーブが、ドア202の開口周囲に設けられている。しかしながら、図6の実施形態では、ヒンジ212(図7)は、出入口の支持構造(すなわちポール)に対してではなく、テントの布地に取り付けられている。このヒンジ212は、図5に示すポケット114、116と同様のポケット214、216中に取り付けられる。一方のポスト218が、シリンダ222に取り付けられている。ポスト218は、ドアポール110に取り付けられ、ドアポール110およびドア202は、ヒンジによって支持されている間、ヒンジ212の周囲を自在に回転することができる。
【0027】
図8に、ドア302を有するテント300の他の実施形態を示す。図8に示す実施形態では、ドア302は、テントの縁に対して配置され、テントのコーナー縁に沿って伸長してテントを支持するポール304の一つによって支持される。ドア302の出入口は、ポールカバー308に差し込まれているフレームポール306により支持される。このポール306には、ショックコード付きポールのような柔軟なポールを用いて、上記のように曲げることによりポールカバー308内を伸長する。フレームポール306の両端を受けるため、ポケット310がポールカバー308の両端に設けられる。同様のポールカバー312およびポール314が、ドア302に設けられる。ドア302を閉じるためには、ジッパ316が使用される。ドアを開口に一時的に固定するために、フックループファスナ318、その他の適切なアタッチメント構造を使用する。図示の実施形態では、ドアを閉じる際にドアがテント300内に入り込むことを防止するストップ320として、ドア302の開口周縁の内側に、ナイロン、その他の適切な布地が用いられる。このドアストップ320により、ドア302の防水性能が向上される。
【0028】
図9に、代替の実施形態として、図8のドア302と幾つかの点で類似するドア402を有するテント400を示す。ドア402およびドアの出入口は、同様に、ドアポール414とフレームポール406により支持されている。しかしながら、ドア402は、テントの中央寄りに位置し、ドアサポートポール405がテントポール404から下方に延在してドアの自重を支えている。ドアサポートポール405は、ドア402とドア用の開口との接合位置にて、ポールカバー407内を伸長する。
【0029】
図8のテント300とは異なり、図9に示すように、ドアポール414およびフレームポール406の端部は、ドアサポートポール405に回転自在に設置された2つのヒンジ内まで伸長する。この回転自在な取付け機構については、前述したヒンジと同様である。
【0030】
図10に、さらに他の実施形態のテント500を示す。テント500は、下端から外側に向けて開いて、図11に示すように日よけとして固定可能なドア502を有する。図10に示す実施形態では、ドア502は、ドア用の出入口の上部に対して布製のヒンジ504により接続されている。ドアポール506が、スリーブ508、510、512の中に、たとえば図1の実施形態と同様の手段により延在している。たとえば、下部スリーブ512を着脱自在としている。
【0031】
ドア502は、下部にグロメット514を有し、このグロメット514はドア502が開位置にある場合に、ストラップ516に取り付けられる。これにより、ドアは日よけ状の状態で外側に支持される。
【0032】
図10および図11に示す実施形態では、ドア502の入口用フレームは、上記と同様の手段によりポール518により支持される。ポール518は、たとえば3個のスリーブ520、522、524により開口に取り付けられている。
【0033】
図12に、一実施形態に係るテントのドアまたは窓に使用可能なヒンジ600を示す。ヒンジ600は、ポール602により取り付けられている。ポールは、たとえば窓または出入口の縁に沿って延在する。各ヒンジ600は、ポスト部603と回転部604とを備える。回転部604は、たとえばポール602上で回転するように配設される。ポール605が、回転部604から外方に延在する。
【0034】
ポスト部603は、各々L字ブラケットを有する。したがって、二つのポスト部603およびポール602が接続されると、ポスト606が、各ポスト部から外側に向けて延在する構造が形成される。これらポスト606は、たとえばテントの側面のポケットに挿入される。好ましくは、ポケットは、テントのテンションがかかる領域に配置されることにより、出入口用のフレームの一方側に対する構造体となる。
【0035】
ヒンジ600により支持されるドアは、フレームを有する。図示の実施形態では、フレームは、ドアの外側周縁を支持するポール605からなる。ポールは、ドアの周縁が支持されるように、単一のU字形ポール、または、一つ以上の他のポールに接続されるようになっているポールからなる。
【0036】
ヒンジ600により、テントに素早く取り付けることができる構造が提供され、テント用のヒンジ付きドアまたは窓が提供される。ポスト606を取り外し可能とすれば、ドアを外してテントを小さく折畳むことができる。
【0037】
図13に、一実施形態のヒンジ付きドアまたは窓に適用可能な他のヒンジ700を示す。ヒンジ700は、基部702および回転部704を有する。基部702および回転部704は、各々ポール710、714の端部を受けるソケット706、708をそれぞれ有する。基部702および回転部704は、リビングヒンジ部716により接続されている。ヒンジ全体を柔軟なプラスチック、たとえばウレタンにより形成してもよい。リビングヒンジ部716は、基部702および回転部704よりも薄く形成されることで、リビングヒンジとして機能する。必要に応じて、基部702は、テントの出入口または窓の開口の外側に縫い付けられる。同様に、回転部704は、テントのドアまたは窓に縫い付けられる。出入口およびドアフレーム用のポールを着脱自在に受けるためのポールポケットを備えてもよい。
【0038】
同様のヒンジ700が、ドアの下端に設けられる。これにより、二つのヒンジ700により出入口が支持され、ドアフレームに対してヒンジにより開閉可能なドアが設けられる。代替的に、ヒンジ700は、回転部704の一つのソケットのみに適用して、基部702を、テントに対して縫合、その他の方法により直接取り付けてもよい。
【0039】
図14に、さらに他の実施形態として、ヒンジ付きドアに適用可能なヒンジ800を示す。ヒンジ800は、互いに直角に位置決めされてポール806、808を受け入れるソケット802、804を有する。
【0040】
ヒンジ800は、可撓性を持たずヒンジ機能も持たないが、その代わりにポール806、808が互いに直角となるように保持する。そして、ポール808がスリーブ中に回転自在に受け入れられ、ヒンジ800を両側に取り付けることにより、該スリーブ中に固定される。ポール806により、ドアの構造が提供されてもよい。これにより、ヒンジ800により支持されたドアは、ポール808を中心に回転可能となり、ポール806により支持される。
【0041】
図15に、代替の実施形態に係るテントドアに使用可能なヒンジ850を示す。ヒンジ構造850は、テントのウォールに縫合され、または他の手段により取り付けられた、剛体または準剛体のリング852を有する。図示の実施形態では、リング852は、テントのウォールの布地に対して、破線854で示すように縫われている。
【0042】
垂直ポール856が、二つのリング852の間に延在している。垂直ポール856は、石突き858を両端に備え、さらにフック860が石突き858に取り付けられている。フック860はリング852の周囲に係合し、垂直ポール856が二つのリング852に連結されることで、ヒンジ構造850が垂直に隔てられると共に、ヒンジ構造850が支持される。
【0043】
ドアの外周を支持するために、C字状ポール870が設けられている。このC字状ポール870は石突き872を両端に備え、さらにフック874がこの石突き872に取り付けられている。フック874は、リング852に係合している。フック874に連結する部分のリング852断面が円形であるため、フック、そしてC字状ポール870が、ヒンジ構造850が取り付けられたテントの入口に対して相対的に回転する。
【0044】
図16に、テントドアまたは窓を支持するために使用可能なヒンジ構造900の他の実施形態を示す。ヒンジ構造900は、出入口の上部および下部にウェビング902を有する。各ウェビングは、グロメット904を有する。垂直ポール906は、グロメット中に伸長するピン908を有する。このピン908により、垂直ポール906が所定位置に固定されるため、この垂直ポール906によって出入口構造が提供される。
【0045】
図示の実施形態では、ドアの外周縁を支持するためのC字状ドアポール910が設けられている。石突き912がC字状ドアポール910の両端に接続されている。柔軟性のあるC字状クリップ914が石突き912に接続している。これらC字状クリップ914は、垂直ポール906にクリップ止めされ、ポールの周囲を自在に回転する。これにより、ヒンジ構造900に接続されたドアは、ヒンジにより開閉可能となる。代替実施形態として、C字状クリップ914を垂直ポール906に固定し、ドアがC字状ドアポール910とともに回転するようにしてもよい。
【0046】
図17に、さらに他の実施形態のテント950を示す。テント950は、出入口954を備えたドア952を有する。本実施形態においては、ドア952は、その外周縁にエアフレーム956を有する。エアフレーム956は、エアフレームを膨らますための弁958を有する。エアフレーム956は、たとえば圧縮空気を受け入れるように構成された空気袋からなる。膨張した状態で、エアフレームはデバイス(本実施形態ではドア952のフレーム)の構造として機能する。図示の実施形態では、エアフレーム956は、上述した実施形態のポールに置換されるものである。
【0047】
同様に、それぞれバルブ970、972を持つ一対のエアフレーム960、962が出入口954を支持するために設けられる。図示の実施形態では、ドア952が出入口954を覆って閉じられると、ドアのエアフレーム956が、出入口954の二つのエアフレーム960、962の間に嵌め込まれる。図17には、出入口954を支持するために二個のエアフレーム960、962を有しているが、一個あるいは複数のエアフレームを使用してもよい。同様に、ドア952は複数のエアフレームにより支持されていてもよい。
【0048】
必要に応じて、他のドア、窓、その他の開口を構造的に支持するためにエアフレームを用いてもよい。図で示す周縁支持に加え、ドアに沿って中央部分でドアを支持してもよい。
【0049】
他の実施形態において、ドアまたは窓のフレームを折畳み可能としてもよい。このような実施形態の場合、フレームをテントに恒久的に縫合し、フレームはテントとともに折畳むのに十分に柔軟である。この種のフレームは、折畳み可能な布製洗濯籠、折畳み布製帽子、および折畳み布製日よけなどによく使用されている。
【0050】
その他の変形も可能である。たとえば、本明細書中で説明したポールおよび他の構造を窓に使用してもよい。これにより、窓をヒンジにより開いたり日よけとして使用したりすることができる。さらに、図10に示すドア502と同様の、非常に大きいドアをテントの背面や側面に設けてもよい。この大きいドアはパティオまたは車両用カバーとして使用できる。これにより車両を風雨から保護したり、および/または車両からテントへ容易に荷下ろししたりすることができる。
【0051】
ドア502は、ストラップ516以外の方法により支持されていてもよい。たとえば、ポールまたは他の構造を用いて支持してもよい。
【0052】
本明細書で説明したドアの実施形態は、その使用時において、その周囲を、たとえばポールにより、完全に支持される。しかしながら、多くのドアの支持構造は除去可能であり、テントと共に畳んで小さく収納することができる。さらに、効率的な収納と運搬のため、ポール、その他のドア用支持構造を分解できるようにしてもよい。しかしながら、ドアの周囲を支持することにより、ドアの形が形成され、テントから外側へヒンジにより開けることが可能となる。
【0053】
本発明のドアは、窓およびドア以外の閉鎖可能な開口、たとえばペット用ドア、ペットフラップ、テントまたはシェルタ用換気窓、天窓に適用することもできる。
【0054】
その他の実施形態についても本発明の範囲内にある。すなわち、本発明は種々の修正および構造の変更が可能であるが、特定の実施形態についてのみ図示して、上記にその細部について記述してある。しかしながら、本発明を開示する形態には限定されるものではなく、特許請求の範囲で定義される本発明の範囲に包含されるすべての修正、構造の変更、および、均等の構成に本発明の範囲は及ぶものである。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】一実施形態に係るテントの一部を示す斜視図である。
【図2】図1のテントのドアを分解して示す斜視図である。
【図3】図2のドア用のヒンジを示す斜視図である。
【図4】他の実施形態に係るテントの一部を示す斜視図である。
【図5】図4に示すテントのドア用ヒンジを示す斜視図である。
【図6】さらに他の実施形態に係るテントの一部を示す斜視図である。
【図7】図6に示すテントのドア用ヒンジを示す斜視図である。
【図8】さらに他の実施形態に係るテントを示す斜視図である。
【図9】さらに他の実施形態に係るテントを示す斜視図である。
【図10】さらに他の実施形態に係るテントを示す斜視図である。
【図11】図10に示すテントについて、テントのドアが上げられて日除け位置にある状態を示す部分斜視図である。
【図12】一実施形態に係るテントドアまたは窓に使用可能なヒンジを示す図である。
【図13】他の実施形態に係るテントドアまたは窓に使用可能なヒンジを示す図である。
【図14】さらに他の一実施形態に係るテントドアまたは窓に使用可能なヒンジを示す図である。
【図15】さらに他の一実施形態に係るテントドアまたは窓に使用可能なヒンジを示す図である。
【図16】さらに他の一実施形態に係るテントドアまたは窓に使用可能なヒンジを示す図である。
【図17】さらに他の一実施形態に係るテントの一部を示す斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テントまたはシェルタを自立させるためのテントフレームと、
該テントフレームに支持された少なくとも一つのウォールと、
該少なくとも一つのウォールに設けられた、ドア用または窓用の開口と、
該開口を閉じるためのパネルと、
該パネルの周縁を支持するためのパネルフレームと、
前記パネルが前記フレームに支持された状態で前記パネルを前記開口から離間接近する方向に回転させることを可能とするヒンジ構造と、
を備える、テントまたはシェルタ。
【請求項2】
前記パネルフレームはエアフレームからなる、請求項1に記載のテントまたはシェルタ。
【請求項3】
前記パネルは、その周縁に沿って延在するスリーブを備え、前記パネルフレームは、前記スリーブに着脱可能に挿入されたポールを備える、請求項1に記載のテントまたはシェルタ。
【請求項4】
前記ポールは、ショックコード付きポール、分割ポール、および単一ポールのうち、少なくともいずれか一つからなる、請求項3に記載のテントまたはシェルタ。
【請求項5】
前記開口は、ドア開口と窓開口のうち少なくとも一つである、請求項1に記載のテントまたはシェルタ。
【請求項6】
前記パネルは、前記開口の一側部でヒンジにより取り付けられている、請求項5に記載のテントまたはシェルタ。
【請求項7】
前記一側部は、構造上の支持を備える、請求項6に記載のテントまたはシェルタ。
【請求項8】
前記構造上の支持は、前記一側部に沿って延在するポールからなる、請求項7に記載のテントまたはシェルタ。
【請求項9】
前記ヒンジ構造は、前記ポールに回転自在に取り付けられた部品を少なくとも一つ備える、請求項8に記載のテントまたはシェルタ。
【請求項10】
前記パネルフレームは、前記パネルの周囲に延在するフレームを備えるとともに前記ポールを有し、前記ポールは、前記一側部に位置するスリーブ中に保持され、さらに、前記ヒンジ構造は、前記ポールが前記スリーブ中で回転することからなる、請求項8に記載のテントまたはシェルタ。
【請求項11】
前記ポールは、前記一側部の両端に位置する二つのポケットに対して、着脱自在に接続されている、請求項8に記載のテントまたはシェルタ。
【請求項12】
前記ヒンジ構造は、前記ポールの両端部に位置する二つのヒンジを備え、該各ヒンジは、前記ポケット中に着座するためのポスト部と、前記ポールに対して相対的に回転するとともに前記パネルフレームに接続するための回転部とを備える、請求項11に記載のテントまたはシェルタ。
【請求項13】
前記ヒンジ構造は、前記ポールの両端部に位置する二つのヒンジを備え、該各ヒンジは、前記ポールに接続するための第1のコネクタと、前記パネルフレームに接続する第2のコネクタと、前記第1および第2のコネクタ間に位置するリビングヒンジとを備える、請求項8に記載のテントまたはシェルタ。
【請求項14】
前記ヒンジ構造は、前記ポールの両端部に位置する二つのヒンジを備え、該各ヒンジは、前記ウォールに取り付けられたリングを備え、前記フレームは、前記二つのヒンジの一方のリングに取り付けるための、第1のフックと、前記二つのヒンジの他方のリングに取り付けるための第2のフックとを備え、前記各フックは、前記リングの周りを回転することができるように構成されている、請求項8に記載のテントまたはシェルタ。
【請求項15】
前記ポールは、各端部にピンを有し、該ピンは、前記ウォールに取り付けられたウェビングのグロメット中に延在する、請求項8に記載のテントまたはシェルタ。
【請求項16】
前記パネルフレームは、前記ポールに対してクリップにより接続されている、請求項15に記載のテントまたはシェルタ。
【請求項17】
前記一側部は開口の上部に沿って位置している、請求項6に記載のテントまたはシェルタ。
【請求項18】
前記パネルを、垂直方向よりも水平方向に近い姿勢に支持する構造をさらに備える、請求項17に記載のテントまたはシェルタ。
【請求項19】
前記構造は、ストラップを備える、請求項18に記載のテントまたはシェルタ。
【請求項20】
前記ヒンジ構造は、前記パネルフレームの各側部に位置する二つのヒンジを備え、該各ヒンジは、前記パネルフレームに接続するためのコネクタと、ポケット内部に収められる部分とを有し、該部分は、前記パネルが回転する際に前記ポケット中で回転するようになっている、請求項1に記載のテントまたはシェルタ。
【請求項21】
前記開口を支持する出入り口フレームをさらに備える、請求項1に記載のテントまたはシェルタ。
【請求項22】
前記出入り口フレームはエアフレームからなる、請求項21に記載のテントまたはシェルタ。
【請求項23】
前記開口は、その周縁に沿って延在するスリーブを備え、前記出入り口フレームは、前記スリーブに着脱自在に挿入されたポールを備える、請求項22に記載のテントまたはシェルタ。
【請求項24】
前記ポールは、ショックコード付きポール、分割ポール、および一本のポールのうち、少なくともいずれか一つからなる、請求項23に記載のテントまたはシェルタ。
【請求項25】
前記ヒンジ構造は、前記パネルフレームの両側部に設けられた二つのヒンジを備え、各ヒンジは、前記パネルフレームに接続するための第1のコネクタと、前記出入り口フレームに接続するための第2のコネクタとを備える、請求項21に記載のテントまたはシェルタ。
【請求項26】
前記各ヒンジの前記第1のコネクタは、同前記第2のコネクタに対して回転自在に接続されている、請求項25に記載のテントまたはシェルタ。
【請求項27】
前記ウォールに取り付けられたポケット中に着座するための部分を各ヒンジに備え、該部分は、前記パネルが回転する際に、前記ポケット中で回転するようになっている、請求項26に記載のテントまたはシェルタ。
【請求項28】
前記ヒンジ構造は、前記テントフレームに直接接続されている、請求項1に記載のテントまたはシェルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2009−515068(P2009−515068A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−538898(P2008−538898)
【出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【国際出願番号】PCT/US2006/039815
【国際公開番号】WO2007/055858
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(593107454)ザ・コールマン・カンパニー・インコーポレイテッド (44)
【氏名又は名称原語表記】THE COLEMAN COMPANY, INC.
【Fターム(参考)】