説明

ヒンジ式蓋の容器

シガレットのような細長い喫煙物品のための容器として特定用途を見出す新しいヒンジ式蓋の容器を提供する。前壁と、後壁と、それらの間に延びる対向する側壁とを有する喫煙物品のための容器(30)(50)は、箱部分(32)(52)と、ヒンジ線の周りにヒンジ止めされた蓋部分(34)(54)とを含む。容器の各側壁において、蓋部分(34)(54)の側壁(38a)(58a)の前縁とその下縁の間の角度φは、側壁の後縁と、ヒンジ線が側壁と交わる第1のポイント(A)及び箱部分(32)(52)の前壁(36)(56)の上縁が側壁と交わる第2のポイント(B)の間に延びる直線との間に形成される角度θよりも大きい。容器(30)(50)が閉じている時に、蓋部分(34)(54)の自由縁は、ポイントA及びBの間の当接線が第1の直線部分(42)(72)と第2の直線部分(44)(74)を含むように箱部分(32)(52)の自由縁に当接する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シガレットのような細長い喫煙物品のための容器として特定用途を見出す新しいヒンジ式蓋の容器に関する。
【背景技術】
【0002】
細長い喫煙物品及び他の消費財を折り畳んだ積層ブランク材で形成した容器に入れて包装することは公知である。シガレット及びシガーのような細長い喫煙物品は、一般的に、喫煙物品を収容するための箱部分と、容器の後壁にわたって延びるヒンジ線の回りに箱部分に接続された蓋部分とを有するヒンジ式蓋パックに入れて販売される。そのようなパックは、典型的には、単体の積層厚紙ブランク材で構成される。使用中に、蓋部分がヒンジ線の回りにピボット回転して容器を開き、従って、箱部分に保持された喫煙物品へのアクセスが得られる。
【0003】
消費者に対して情報を伝えるために、典型的には、消費財のためのパッケージの外部にグラフィック及びテキストが付加される。しかし、標準的なヒンジ式蓋シガレットパックは、比較的サイズが小さいので、そのような情報を表示するためには限定された可視外部表面積しかない。情報を印刷することができる付加的な表面を設けてヒンジ式蓋シガレットパック上で消費者に伝えられる情報量を増すように製造者が試みることは公知である。例えば、容器内に付加的なパネル又はクーポンを組み込むことによってこれが行われている。そのようなパネル及びクーポンは、容器と一体にするか、又は代替的に容器内に別々に組み込むことができる。
印し及びグラフィックを印刷するための内部表面積を増大した喫煙物品のためのヒンジ式蓋パックを提供することも提案されている。例えば、WO−A−03/078274は、内側フレームの手段により、及び代替的に又は追加的に蓋の前壁の内向きの面の手段により内部表面積を増大した喫煙物品のためのヒンジ式蓋パックを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO−A−03/078274
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
容器の全体サイズを実質的に大きくせず、又はそれを製造するのに必要な材料の量を増加させないで、消費者情報を表示するための通常のヒンジ式蓋シガレットパックよりも大きな内部表面積を有する喫煙物品のためのヒンジ式蓋パックの容器を提供することが望ましいであろう。更に、容器の蓋部分に消費者情報を表示するためにより大きな連続空間を有する喫煙物品のためのヒンジ式蓋パックを提供することが望ましいと考えられる。また、容器の強度又は剛性を損なうことなくそのようなヒンジ式蓋パックを提供することも望ましいであろう。
更に、より大きな内部表面積を有するが、既存の包装機械に対する修正が最小限で又は全くなしで生産することができる新しいヒンジ式蓋の容器を提供することが望ましいと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明により、前壁と、後壁と、その間に延びて対向する側壁とを有する容器を提供し、容器は、箱部分と、容器の後壁にわたって延びるヒンジ線に沿って箱部分にヒンジ止めされた蓋部分とを含み、容器の各側壁において、蓋部分の側壁の前縁とその下縁の間の角度φは、側壁の後縁と、ヒンジ線が側壁と交わる第1のポイント(ポイントA)と箱部分の前壁の上縁が側壁と交わる第2のポイント(ポイントB)の間に延びる直線との間に形成される鋭角θよりも大きい。容器が閉じている時に、蓋部分の自由縁は、第1のポイントAと第2のポイントBの間に延びる当接線が、側壁の前縁と対向する後縁との間に延びる第1の直線部分と、第2のポイントBから第1の直線部分が容器の前壁に交わるポイントまで容器の側壁の前縁に沿って延びる第2の直線部分とを含むように、箱部分の自由縁に当接する。
【0007】
本発明による容器は、シガレットのような喫煙物品のためのパックとして特定の用途を見出す。
好ましくは、角度φは、角度θよりも少なくとも10度、より好ましくは少なくとも15度大きい。好ましくは、角度φは、45度と90度の間であり、より好ましくは60度と90度の間である。
好ましくは、角度θは、60度よりも小さく、より好ましくは35度と60度の間であり、特に好ましくは35度と45度の間である。
【0008】
用語「前部」、「後部」、「上部」、「下部」、「側部」、及び本発明による容器の構成要素の相対位置を説明する他の用語は、直立した位置にある容器を意味する。直立した位置にある容器が開くと、箱部分に収容された喫煙物品は、容器の上端から取り出すことができる。
用語「ヒンジ線」は、容器を開くために蓋部分がそれに沿ってピボット回転することができる線を意味する。ヒンジ線は、例えば、容器の後壁を形成するパネル内の折り畳み線又は切り込み線とすることができる。代替的に、ヒンジ線は、蓋部分の後壁を箱部分の後壁に接続する一片の材料内の折り畳み線又は切り込み線とすることができる。そのような一片の材料は、例えば、蓋部分の後壁及び箱部分の後壁に恒久的に又は取外し可能に取り付けられるラベルとすることができる。好ましくは、ヒンジ線は、容器の後壁又は側壁に沿ってその上縁の下のレベルに位置決めされる。
用語「直線」は、本明細書では実質的に真っ直ぐな線を説明するのに使用される。
【0009】
典型的には、標準的なヒンジ式蓋シガレットパックでは、ポイントAとポイントBの間に延びる直線は、先に規定したように、蓋部分の側壁の下縁がそれに沿って箱部分の側壁の上縁に当接する容器の側壁内の当接の直線に一致する。従って、当接線はまた、容器の側壁の後縁に対して角度θにある。典型的なヒンジ式蓋シガレットパックでは、角度θは約60度である。
本明細書を通して、用語「当接線」は、それに沿って本発明による容器の蓋部分の壁の自由縁が、容器が閉じている時に箱部分の壁の自由縁に当接する線を説明するのに使用される。
【0010】
典型的なヒンジ式蓋シガレットパックでは、角度θ及び角度φは、実質的に互いに同じであり、両方とも約60度である。対照的に、本発明による容器では、角度φは、角度θよりも大きく、好ましくは少なくとも10度だけ大きい。これらの角度の差は、ポイントAとポイントBの間に第1及び第2の直線部分を有し、第1及び第2の直線部分が互いに別の角度で延びる当接線の提供を通じて達成される。当接線は、以下に説明するように、1つ又はそれよりも多くの付加的な直線部分を含むことができる。例えば、本発明の特定的な実施形態では、当接線は、第1のポイントAから容器の側壁の後縁に沿って延びる第3の直線部分を更に含むことができる。
【0011】
好ましくは、本発明による容器の角度θは、60度よりも小さく、その結果、標準的なヒンジ式蓋パックの角度よりも小さい。本発明による容器の角度θを60度よりも小さくすることにより、ヒンジ式蓋シガレットパックで一般的に提供されるよりも長い前壁を有する蓋部分を含む容器を得ることが可能になる。前壁の「長さ」は、容器が直立して閉じた位置にある時に壁の垂直高さであると見なされる。
【0012】
本発明による容器の外部表面積は、典型的なヒンジ式蓋シガレットパックの外部表面積よりも必ずしも大きくする必要がない場合がある。しかし、本発明による容器の蓋部分の前壁の表面積は、典型的なヒンジ式蓋シガレットパックの場合よりも大きい。従って、蓋部分が開いた時に消費者にはより大きな内部表面積が見えるようになる。この内部表面積は、例えば、内側フレーム(もしあれば)の表面、容器内の喫煙物品のいずれか他の包装の表面、及び蓋部分の内面を含む。消費者のための付加的な情報は、蓋が開いた時に見えるようになるこの付加的な内部表面積上に提供することができる。更に、蓋部分の前面の表面積は、標準のヒンジ式蓋パックの表面積よりも大きい。従って、消費者情報のためのより大きな連続空間が蓋部分上に提供される。
好ましくは、本発明による容器では、箱部分の前壁の長さに対する蓋部分の前壁の長さの比は、典型的なヒンジ式蓋シガレットパックのこれらの長さの比である35対65を超える。
【0013】
本発明による容器の可視内部表面積を増すために角度θを最大にすることが望ましい場合があるが、角度φをできるだけ高角度にすることも好ましい。これは、角度φが大きければ大きいほど、蓋部分の側壁の下部部分がより強くより長持ちするようになるためである。更に、角度φが大きければ大きいほど、蓋部分の下部区画がより強固になる。
容器の側壁にわたって延びる当接線と容器の箱部分の側壁の後縁との間に形成される角度αも、最大にすることが特に好ましい。角度αを大きくすることにより、角度φに関連して上述した箱部分の側壁の上部部分に対する強度及び耐久性も得られる。ポイントAとポイントB間の当接線の形状に応じて、角度αを角度φと同じにするか又は異なるようにすることができる。
【0014】
本発明は、ポイントAとポイントBの間の当接線の形状が、角度θが比較的低く保たれる一方で角度φ及びαが公知のヒンジ式蓋パックにおける対応する角度と類似か又はそれよりも大きくなるように変動する容器を提供することができる。従って、より大きな内部表面積を得るために本発明による容器の強度及び剛性が損なわれないで済む。
必要に応じて、第1の直線部分が第2の直線部分と交わるコーナは、傾斜付きとするか又は丸形とすることができる。
【0015】
好ましくは、容器の各側壁は、内側壁及び重なっている外側壁で形成される。ポイントAとポイントBの間の内側壁に沿って延びる当接線は、外側壁に沿って延びる当接線と同じにするか又は異なるようにすることができる。好ましくは、ポイントAとポイントBの間で内側壁に沿って延びる当接線は、外側壁に沿って延びる当接線と同じ形状であるが、そこから垂直方向にオフセットしている。垂直方向のオフセットは、有利な態様では、箱部分の後壁及び蓋部分の前壁を強化するために利用することができる。
【0016】
蓋部分の前壁の下縁と箱部分の前壁の上縁の間の当接線は、好ましくは直線であり、実質的には水平線である。箱部分の前壁は、下にある内側包装を露出させるためにその上縁に切り欠きを含むことができる。代替的に又は追加的に、蓋部分の前壁は、その下縁に切り欠きを含むことができる。切り欠きが設けられると、典型的には蓋部分の下縁の当接がなくなり、それによって箱部分の上縁と当接線とが壊れることになる。切り欠きを設けると、消費者が蓋部分を開くのを助けることができる。
【0017】
好ましくは、容器は、箱部分内に設けられた内側フレームを更に含み、内側フレームは、容器の箱部分の少なくとも前壁の上縁の上方に延びている。内側フレームは、従って、蓋部分が開いている時に消費者に見える。内側フレームの前壁には箱部分の前壁に印刷した印しと同じか又は異なる印しを印刷することができる。代替的に又は追加的に、内側フレームの前壁は、例えば、消費財の銘柄を反映するように独特の形状に切断することができる。
好ましくは、内側フレームの前壁にはその上縁に切り欠き部分が設けられる。それによって内側フレームの前壁の表面積を極端に低減することなく容器内の消費財により便利にアクセスすることが可能になる。
【0018】
代替的に又は内側フレームに追加して、容器内の喫煙物品は、容器が開いている時に箱部分の前壁の上縁及び内側フレーム(もしあれば)の前壁の上方に見える印刷した包装紙で包むことができる。
有利な態様においては、蓋部分の異なる長さの前壁を考慮するために少しだけ修正した既存の機械を使用して本発明による容器を生産することができる。標準のヒンジ式蓋パックに対して異なる位置にある必要がある折り目だけが、蓋位置の前面の下縁に沿うものである。
【0019】
本発明による容器は、直角縦方向及び直角横方向縁部を含む実質的に直方体の形状とすることができる。代替的に、本発明による容器の箱部分又は蓋部分又は箱部分及び蓋部分の両方は、1つ又はそれよりも多くの丸形縦方向縁部、丸形横方向縁部、傾斜付き縦方向縁部、又は傾斜付き横方向縁部、又はその組合せを含むことができる。例えば、容器の箱部分及び蓋部分が組み立てられる積層ブランク材に公知の方法で切り込みを入れることにより、本発明によるシガレット又は他の喫煙物品の「丸形コーナ」パックを生産することができる。
容器は、以下に限定されるものではないが、厚紙、板紙、プラスチック、金属、又はその組合せを含むあらゆる適切な材料で形成することができる。容器は、好ましくは単一の折り畳んだ積層ブランク材、より好ましくは折り畳んだ積層厚紙ブランク材で形成される。好ましくは、厚紙は、平方メートルあたり約100グラムと平方メートルあたり約350グラムの間の重量を有する。
【0020】
本発明による容器は、例えば、シガレット、シガー、又はシガリロのような細長い喫煙物品のためのパックとしての特定用途を見出す。寸法の適切な選択により、異なる数の従来サイズ、キングサイズ、スーパーキングサイズ、スリム、又はスーパースリムのシガレットのために本発明による容器を設計することができることは認められるであろう。
寸法の適切な選択により、本発明による容器はまた、異なる総数の喫煙物品、又は異なる配列の喫煙物品を保持するように設計することができる。例えば、寸法の適切な選択により、本発明による容器はまた、全部で10、15、16、17、18、19、20、21、又は25の喫煙物品を保持するように設計することができる。これらは、喫煙物品の総数に応じて異なる丁合で配列することができる。例えば、喫煙物品は、6、7、8、9、又は10の1列に、5、6、7、8、9、又は10の2列に、5−6、6−7、7−8の2列に、5−5−5、5−6−5、6−5−6、5−6−7、6−7−6、7−5−7、7−6−7、7−7−7、8−9−8の3列に、4、5、又は6の4列に配列することができる。
【0021】
本発明による容器の長さ、幅、及び深さは、閉じた位置で得られる容器の全体寸法が20シガレットの典型的な使い捨てヒンジ式蓋パックの寸法とほぼ同じになるようにすることができる。
本発明による容器の外面は、製造業者名又は銘柄ロゴ、商標、スローガン、及び他の消費者情報及び印しで印刷、エンボス、デボス、又はその他の方法で装飾することができる。
本発明による容器の箱部分が、シガレット又は他の細長い喫煙物品の束を収容する場合、喫煙物品は、好ましくは、例えば、金属泊又は金属化紙の内側ライナに包まれる。
【0022】
充填された状態で、本発明による容器は、例えば、従来の方法でポリエチレン又はポリプロピレンのような透明なポリマーフィルムを用いて収縮包装又はその他の方法で上包装することができる。本発明による容器が上包装される場合には、上包装は、開封テープを含むことができる。開封テープは、好ましくは、開封テープが取り除かれた状態で蓋部分がヒンジ線に沿って自由に回転するように、蓋部分の前壁の下縁の下の容器の周りに位置決めされる。代替的に、開封テープは、容器の周りに長さ方向に設けることができる。
図面を参照して本発明を単に一例として以下に更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施形態による開いたヒンジ式蓋の容器の正面斜視図である。
【図1a】AとBの間の当接線を太線で示し、縮尺に従っていない、角度θ、φ、及びαを示す図1の容器の概略部分側部図である。
【図2】本発明の第2の実施形態による開いたヒンジ式蓋の容器の正面斜視図である。
【図2a】AとBの間の当接線を太線で示し、縮尺に従っていない、角度θ、φ、及びαを示す図2の容器の概略部分側部図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1に示すヒンジ式蓋の容器30は、直方体であり、下部箱部分32と、容器の後壁に沿って実質的に水平に延びるヒンジ線に沿って下部箱部分32にヒンジ止めされた上部蓋部分34とを含む。ヒンジ線のレベルは、ポイント「A」で図2に表示されている。
箱部分32は、前壁36、左側壁38、右側壁、後壁、及び底壁を有する。箱部分の側壁は、側壁の上部自由縁が前壁の上部自由縁からオフセットされるように前壁の上方に延びている。
【0025】
蓋部分は、前壁36a、左側壁38a、右側壁、後壁、及び上壁を有する。蓋部分34の前壁36aは、前壁36aの下縁が側壁38aの下縁からオフセットされるように側壁38aを超えて延びている。オフセットは、前壁36の上部自由縁と箱部分32の側壁38の間のオフセットに対応する。
容器30が閉じている時に、蓋部分34の壁の自由縁が当接線に沿って箱部分32の対応する壁の自由縁と当接する。閉じた位置では、蓋部分34の壁は、その結果、箱部分32の対応する壁の延長部を形成して容器30の壁を形成する。
【0026】
図2及び2aに示すように、ポイントAとポイントBの間の当接線は、2つの接続された直線部分で構成されている。上に定めたように、ポイントAは、ヒンジ線が容器の側壁と交わる位置にあり、ポイントBは、箱部分32の前壁36の上縁が側壁と交わる位置にある。第1の部分42は、側壁の後縁に対して約60度の角度でポイントAから容器の側壁に沿って前縁まで延びている。この角度は、角度αに対応する。第2の部分44は、第1の部分42の縁部から下向きに容器の側壁の前縁に沿ってポイントBまで延びている。容器10内の角度θが約45度である一方、角度φは、約60度である。従って、角度φは、角度αと実質的に同じである。ポイントAとポイントBの間の当接線は、図2aに太線で示している。
箱部分32の前壁36の長さに対する蓋部分34の前壁36aの長さの比率は、ほぼ40:60である。蓋部分34の前壁36aは、容器30の全長に対して、典型的なヒンジ式蓋シガレットパックの蓋部分の前壁よりも長い。
【0027】
箱部分32及び蓋部分34は、単一の厚紙ブランク材で一緒に形成される。箱部分32及び蓋部分34の対向する側壁の各々は、内側パネル及び内側パネルに付加された外側パネルで形成される。各側壁の内側パネルは、対応する外側パネルとサイズ及び形状が実質的に同じである。図1に見ることができるように、パネルは、互いに直接重なり、それらの自由縁は、内側壁がかろうじて見えるように実質的に整列している。
【0028】
内側厚紙フレーム20が、箱部分32にその内側壁に対して装着される。内側フレームは、別々の厚紙ブランク材から箱部分32と蓋部分34に形成され、前壁、左側壁、及び右側壁を有する。前壁は、箱内の物品がより簡単に取り出せるように上縁に切り欠きを含む。内側フレーム20の壁は、箱部分の前壁36及び側壁38の上縁の上方へ容器30が閉じている時に蓋部分34によって覆われた空間内に延びている。内側フレーム20と蓋部分34の内側壁との間の摩擦係合は、蓋部分34をヒンジ線の回りにピボット回転させることによって容器を開くために正の力が加えられるまで蓋部分34が閉じた位置のままに留まることを保証する。摩擦係合は、蓋部分34の内側壁に係合する保持手段を内側フレーム20に提供することによって補強することができる。
【0029】
図2に示すヒンジ式蓋の容器50は、図1に示して上述したものと同じ構成のものである。しかし、図1に示す容器30とは異なり、ポイントAとポイントBの間に延びる当接線は、以下に説明するように、Z字形状の3つの直線部分を含む。更に、蓋部分54及び箱部分52の両方の側壁の内側及び外側パネルは、互いに長さが異なっている。
図2aに示すように、ポイントAとポイントBの間の当接線は、3つの接続された直線部分から成る。第1の部分72は、ポイントAの僅かな距離だけ下のポイントから容器の側壁に沿ってその前縁まで側壁の後縁に対して約60度の角度で延びている。この角度は、角度αに対応する。第2の部分74は、第1の部分72の縁部から容器の側壁の前縁に沿って下向きにポイントBまで延びている。第3の部分76は、第1の部分72の対向する縁部から容器の側壁の後縁に沿って上向きにポイントAまで延びている。3つの直線部分は、それによってZ字形状の当接線を形成する。容器30内の角度θが45度よりも小さいのに対して、角度φは、約60度である。角度φは、従って、実質的に角度αと同じである。ポイントAとポイントBの間の当接線は、図2aに太線で示されている。
【0030】
図2に見ることができるように、箱部分52の側壁58の内側パネル60は、内側パネル60及び外側パネル62の上部自由縁が互いにオフセットされるようにその外側パネル62の上方に延びている。内側パネル60の上部自由縁は、外側パネル62の上部自由縁と平行であり、容器の側壁の後縁でヒンジ線と交わる。外側パネル62の上方に延びる内側パネル60の部分は、外側パネル62の上部自由縁とヒンジ線との間で箱部分の後壁の部分を強化する。
【0031】
反対に、蓋部分54の側壁58aの外側パネルは、内側パネル及び外側パネルの下部自由縁が互いからオフセットされるようにその内側パネルの下方に延びている。内側パネルの下部自由縁は、図2に点線によって表示されている。蓋部分54のオフセットは、箱部分52のオフセットに対応し、従って、容器が閉じている時に、蓋部分の各側壁58aのパネルの下縁は、箱部分52の側壁58の対応するパネル60、62の上縁に当接する。
【符号の説明】
【0032】
30 喫煙物品のための容器
32 箱部分
34 蓋部分
36 箱部分の前壁
38a 蓋部分の側壁
A 第1のポイント
B 第2のポイント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前壁、後壁、及びそれらの間に延びる対向する側壁を有する容器(30)(50)であって、
箱部分(32)(52)と、
容器(30)(50)の後壁にわたって延びるヒンジ線に沿って前記箱部分(32)(52)にヒンジ止めされた蓋部分(34)(54)と、
を含み、
容器の各側壁において、前記蓋部分(34)(54)の前記側壁(38a)(58a)の前縁とその下縁の間の角度φが、該側壁の後縁と、前記ヒンジ線が該側壁と交わる第1のポイント(A)及び前記箱部分(32)(52)の前壁(36)(56)の上縁が該側壁と交わるポイント(B)の間に延びる直線との間に形成される角度θよりも大きく、
容器(30)(50)が閉じている時に、前記蓋部分(34)(54)の自由縁は、前記第1のポイントA及び前記第2のポイントBの間に延びる当接線が、前記側壁の前記前縁及び前記対向する後縁の間に延びる第1の直線部分(42)(72)と、前記第2のポイントBから該第1の直線部分(42)(72)が容器(30)(50)の前壁と交わるポイントまで容器(30)(50)の該側壁の該前縁に沿って延びる第2の直線部分(44)(74)とを含むように、前記箱部分(32)(52)の自由縁に当接する、
ことを特徴とする容器(30)(50)。
【請求項2】
前記角度φは、前記角度θよりも少なくとも10度大きいことを特徴とする請求項1に記載の容器(30)(50)。
【請求項3】
前記角度θは、35度と60度の間であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の容器(30)(50)。
【請求項4】
前記当接線は、容器の前記側壁の前記後縁に沿って前記第1のポイントAから前記第1の直線部分(72)が容器(50)の前記後壁に交わるポイントまで延びる第3の直線部分(76)を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の容器(50)。
【請求項5】
前記箱部分(32)(52)の前記前壁(36)(56)の長さに対する前記蓋部分(34)(54)の前記前壁(36a)(56a)の長さの比が、35:65よりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の容器(30)(50)。
【請求項6】
容器の各側壁が、内側壁及び外側壁で形成され、
前記第1のポイントA及び前記第2のポイントBの間で前記内側壁に沿って延びる当接線が、前記外側壁に沿って延びる当接線とは異なっている、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の容器(50)。

【図1】
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【図1a】
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【図2】
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【図2a】
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【公表番号】特表2011−509889(P2011−509889A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−542592(P2010−542592)
【出願日】平成21年1月20日(2009.1.20)
【国際出願番号】PCT/EP2009/000318
【国際公開番号】WO2009/092559
【国際公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(596060424)フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム (222)
【Fターム(参考)】