ヒートシンクを有する超音波プローブ
本発明は放熱のために後面層140に設けられるヒートシンク150を含む超音波プローブを提供する。ヒートシンクは、後面層の後面に結合してヒートシンクと後面層の接触面積を増加させる。ヒートシンクは、一側面に熱伝導突起151が多数形成され、後面層に形成される熱伝導溝に熱伝導突起が挿入される。それぞれの熱伝導溝はそれぞれの熱伝導突起と相応する形状を有する。熱伝導突起は、バー形状からなることが好ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は超音波プローブに関し、具体的には、圧電体の特性低下を抑制して超音波プローブの性能及び耐久性の低下を防止し、音響レンズの発熱を防止することによって、患者との接触面の温度を下げるようにするヒートシンクを有する超音波プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、超音波映像装置は大きく、電気及び超音波信号の変換を担当する超音波プローブ、送・受信される信号を処理する信号処理部、そして超音波プローブと信号処理部から得た信号を用いて映像を表示するディスプレイ部からなる。
【0003】
そのうち、超音波プローブは信号を変換させる役割を果たす部分であって、超音波映像の質を左右する重要な部分である。即ち、超音波プローブは電気エネルギーと音響エネルギーを相互変換させる作用をする。このような超音波プローブが備えなければならない基本条件として、電気-音響変換効率(電気機械結合係数)、超音波パルス(pulse)の特性、及び超音波ビーム(beam)の焦点特性又は集束性が良くなければならない。
【0004】
従来、医療用として用いられる超音波プローブを添付の図面を参照して説明すれば、以下の通りである。
【0005】
図1は、従来技術による医療用超音波プローブを示す断面図である。図に示すように、従来技術による医療用超音波プローブ10は、患者と接触する前面部から音響レンズ(Acoustic lens)11、整合層12、圧電体13及び後面層14が配列される。
【0006】
音響レンズ11は、整合層12の前面に覆われるように形成されて超音波を集束する。
【0007】
整合層12は、圧電体13の超音波の送/受信面の電極上に形成されて超音波の反射率と効率を増加させる。
【0008】
圧電体13は、後面層14の前面に接合され、FPCB(Flexible Printed Circuit Board)15によりメーンPCBに連結され、電気的信号を音響信号である超音波に変換させて空気中に送り出し、空気中から反射されて戻ってくる超音波反射信号を再び電気的信号に変換させて装置に送る。
【0009】
後面層14は、ケース16に位置した状態でシリコン(Silicon)の埋め込みにより固定され、後方へ放出される不要な超音波を吸収する。
【0010】
このような従来の医療用超音波プローブ10は、用途に応じて大きく2種類に分けられるが、1つは映像診断器に用いられるイメージ用プローブであり、もう1つは癌治療、脂肪分解などのHiFU(High Intensity Focused Ultrasound)治療用システムに用いられる治療用プローブである。
【0011】
イメージ用超音波プローブは、近年、解像度の増加のために、更に狭い面積に、より多くの素子を装着するようになるので、その素子のサイズが次第に小さくなりつつあるが、小さなサイズの素子は映像診断器とプローブ素子との間の電気インピーダンスの差を大きくさせることによって、超音波に変換できなかった電気エネルギーは熱エネルギーに変わって損失する。
【0012】
治療用超音波プローブは、イメージ用超音波プローブとは異なり、高い出力が要求されるので、プローブに用いられる素子自体の発熱が増加するようになる。
【0013】
このような医療用超音波プローブにおける発熱現象は2つの理由から、抑制されなければならない。
【0014】
第1に、超音波プローブに用いられる圧電体は熱に弱い特性を有するので、継続的に高い温度に露出する場合、特性の低下が現れる。これは、プローブ自体の性能低下、プローブの耐久性の低下などの原因となる。
【0015】
第2に、超音波プローブは患者と接触して用いられる製品であるので、患者との接触面の温度が制限される。超音波プローブ自体の発熱によって患者との接触面の温度が上昇して制限温度を超えてはならないので、発熱が多い超音波プローブの場合には超音波プローブに印加される電圧を下げて使用しなければならない。これは超音波プローブの出力を低下させるので、これも性能低下の原因となる。
【発明の概要】
【0016】
[発明の開示]
[技術的課題]
前述した通り、従来技術による医療用超音波プローブは、性能及び耐久性の低下を防止するために、熱の発生を抑制させる方法として、誘電率が大きい圧電素子を用いる方法と、超音波プローブの放熱効率を高める方法が挙げられる。
【0017】
誘電率の大きい圧電素子を用いる場合、圧電素子とシステムとの間の電気インピーダンスの差が小さくなり、プローブ自体の発熱を下げることができる。しかし、そのために、積層型圧電素子や高誘電率圧電素子を用いる場合、使用できる圧電素子の制限、積層型圧電素子を作る工程の難しさなどの理由から、その効果に限界があるという問題がある。
【0018】
また、後面層が熱の拡散を増大させるために、熱伝導度が高い材料を用いる場合、後面層が超音波の減衰特性を満たすためには、このような熱伝導度が高い材料を用いることに限界があるという問題がある。特に、超音波プローブの放熱効率を上げようとする場合、患者との接触面への発熱を最大限抑制しながらも、このような放熱構造が超音波プローブの性能に悪影響を及ぼしてはならないという制限が伴う。
【0019】
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、超音波プローブが患者との接触面から放出される熱を抑制するように後面へ放熱されるようにし、このような放熱構造が超音波プローブの性能を低下させないようにすることにある。
【0020】
[課題への解決]
前記目的を達成するために、本発明によるヒートシンクを有する超音波プローブは、超音波プローブにおいて、後面層に放熱のためのヒートシンクが設けられることを特徴とする。
【0021】
[発明の効果]
本発明によれば、圧電体から発生する熱が後面層を介してヒートシンクに速やかに放出されるようにすることによって、圧電体の特性低下を抑制して超音波プローブの性能及び耐久性の低下を防止し、音響レンズの発熱を防止することで、患者との接触面の温度を下げるようにし、後面層が吸収した超音波が前面へ再反射されないようにして超音波プローブの性能を維持させるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来技術による医療用超音波プローブを示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブを示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブを示す側断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブのヒートシンクを示す斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブを示す斜視図である。
【図6】本発明の第2実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブを示す側断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブのヒートシンクを示す斜視図である。
【図8】本発明の第3実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブを示す側断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブのヒートシンクを示す斜視図である。
【図10】本発明の第4実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブを示す側断面図である。
【図11】本発明の第4実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブのヒートシンクを示す斜視図である。
【図12】本発明の第5実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブを示す側断面図である。
【図13】本発明の第5実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブのヒートシンクを示す斜視図である。
【0023】
[発明の実施形態]
以下、本発明の好適な実施形態を添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明を説明するにおいて、関連する公知となった構成又は機能に関する具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にすると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。
【0024】
図2は、本発明の第1実施形態によるヒートシンク(Heat sink)150を有する超音波プローブ100を示す斜視図であり、図3は、本発明の第1実施形態によるヒートシンク150を有する超音波プローブ100を示す側断面図である。図に示すように、本発明の第1実施形態によるヒートシンク150を有する超音波プローブ100は、患者と接触する前面部から音響レンズ110、整合層120、圧電体130及び後面層140が配列され、後面層140にヒートシンク150が設けられる。
【0025】
音響レンズ110は、整合層120の前面に覆われるように形成されて超音波を集束する。
【0026】
整合層120は、圧電体130の超音波の送/受信面の電極上に形成されて超音波の反射率と効率を増加させる。
【0027】
圧電体130は、後面層140の前面に接合され、FPCB160によりメーンPCB(図示せず)に連結される1次電極と2次電極が両側面にそれぞれ設けられ、電気的信号を音響信号である超音波に変換させて空気中に送り出し、空気中から反射されて戻ってくる超音波反射信号を再び電気的信号に変換させて装置に送る役割を果たす。
【0028】
後面層140は、放熱のためのヒートシンク150と結合され、後方へ放出される不要な超音波を吸収するが、ヒートシンク150との結合のために、ヒートシンク150にモールディングにより成形製作されることができる。
【0029】
ヒートシンク150は、熱伝導度が高い材質、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)などの金属で製作され、後面層140の後面141、即ち、後面層140で圧電体130が接合される側の反対面に固定され、ケース170に位置した状態でシリコンの埋め込みにより固定される。
【0030】
ヒートシンク150は、後面層140からの熱伝導性を高めるために、後面層140の後面に結合してヒートシンク150と後面層140との接触領域を増加させることが好ましく、そのために、本体151の一側面に後面層140から熱が伝導されるための熱伝導突起152が多数形成されることによって、熱伝導突起152と相応する形状を有するように後面層140に形成される熱伝導溝142に熱伝導突起152がそれぞれ挿入される。従って、後面層140は、熱伝導溝142が熱伝導突起152と相応する形状を有することによって、熱伝導溝142と熱伝導突起152の密着度を高め、それにより、後面層140とヒートシンク150との間の熱伝導効率を上げる。
【0031】
熱伝導突起152は、図4に示すように、バー(Bar)形状からなり、熱伝導溝142を通じて接続される後面層140との接触面積を最大化させる。
【0032】
このような構成を有する本発明の第1実施形態によるヒートシンク150を有する超音波プローブ100は、圧電体130から発生した熱が後面層140を介してヒートシンク150に伝導されて放出されることによって、後面層140への熱拡散速度を高めるようになる。特に、後面層140の熱伝導溝142のそれぞれにヒートシンク150の熱伝導突起152が結合される構造を有することによって、後面層140とヒートシンク150との間の接触面積が拡大することで、後面層140からヒートシンク150への熱伝導効率を向上させる。
【0033】
このように、圧電体130から発生した熱がヒートシンク150を通じて速やかに放出されることによって、圧電体130を熱から保護して特性の低下を防止すると共に、後面層140が超音波の減衰特性をそのまま維持するようにし、それにより、超音波プローブ100自体の性能及び耐久性の低下を防止し、音響レンズ110への熱伝導を減少させることで、患者との接触面の温度を低下させる。
【0034】
図5は、本発明の第2実施形態によるヒートシンク250を有する超音波プローブ200を示す斜視図であり、図6は、本発明の第2実施形態によるヒートシンク250を有する超音波プローブ200を示す側断面図である。図に示すように、本発明の第2実施形態によるヒートシンク250を有する超音波プローブ200は、患者と接触する前面部から音響レンズ210、整合層220、圧電体230及び後面層240が配列され、後面層240にヒートシンク250が設けられる。本実施形態において、ヒートシンク250を除いた構成は第1実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブ100と同一であるので、その説明を省略する。
【0035】
ヒートシンク250は、後面層240との接触面積を広くするために、本体251の一側面に熱伝導突起252が多数垂直に形成されることによって、後面層240の熱伝導溝242にそれぞれ挿入されて結合されるが、図7に示すように、熱伝導突起252はバー形状からなり、端部が鋭角を形成するように傾斜面252aを有する。
【0036】
一方、後面層240は、熱伝導溝242が熱伝導突起252と相応する形状を有することによって、熱伝導突起252の表面全体と接続される構造を有する。
【0037】
このような構成を有する本発明の第2実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブ200は、圧電体230から発生した熱が後面層240を介してヒートシンク250に速やかに伝導されて放出されることによって、圧電体230の特性低下を防止して超音波プローブ200自体の性能及び耐久性の低下を防止し、音響レンズ210の温度の減少による患者との接触面の温度を下げるようになる。
【0038】
また、図6に示すように、後面層240が吸収した超音波がヒートシンク250の熱伝導突起252に形成される傾斜面252aにより側方向の後面層240に反射されることによって、前面へ再反射されるのを抑制させて後面層240内に吸収されて消滅するようにする。従って、超音波の後面反射音の吸収という後面層240の本来の目的を達成するようにして超音波プローブ200の性能低下を防止する。
【0039】
図8は、本発明の第3実施形態によるヒートシンク350を有する超音波プローブ300を示す側断面図であり、図9は、本発明の第3実施形態による超音波プローブ300のヒートシンクを示す斜視図である。図に示すように、本発明の第3実施形態によるヒートシンク350を有する超音波プローブ300は、患者と接触する前面部から音響レンズ310、整合層320、圧電体330及び後面層340が配列され、後面層340にヒートシンク350が設けられる。本実施形態において、ヒートシンク350を除いた構成は第1実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブ100と同一であるので、その説明を省略する。
【0040】
ヒートシンク350は、後面層340との接触面積を広くするために、本体351の一側面に熱伝導突起352が多数垂直に形成されることによって、後面層340の熱伝導溝342にそれぞれ挿入されて結合されるが、熱伝導突起352はバー形状からなり、端部から内側まで延びる挿入溝352aが形成される。
【0041】
挿入溝352aは、後面層340が吸収した超音波がヒートシンク350により前面へ再反射されるのを防止するために円錐形状からなる。
【0042】
一方、後面層340は、熱伝導溝342が熱伝導突起352と相応する形状を有することによって、熱伝導突起352の表面全体と接続される構造を有する。即ち、熱伝導溝342は、熱伝導突起352が挿入される形状を有すると共に、挿入溝352aに挿入されるための挿入突起342aが内側に形成される。
【0043】
このような構成を有する本発明の第3実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブ300は、圧電体330から発生した熱が後面層340を介してヒートシンク350に速やかに伝導されて放出されることによって、圧電体330の特性低下を防止して超音波プローブ300自体の性能及び耐久性の低下を防止し、音響レンズ310の温度の減少による患者との接触面の温度を下げるようになる。
【0044】
また、後面層340が吸収した超音波がヒートシンク350の挿入溝352a内で反射を繰り返して相殺することにより消滅し、前面へ再反射されるのを減少させ、これにより、超音波プローブ300の性能低下を防止する。
【0045】
図10は、本発明の第4実施形態によるヒートシンク450を有する超音波プローブ400を示す側断面図であり、図11は、本発明の第4実施形態による超音波プローブ400のヒートシンク450を示す斜視図である。図に示すように、本発明の第4実施形態によるヒートシンク450を有する超音波プローブ400は、患者と接触する前面部から音響レンズ410、整合層420、圧電体430及び後面層440が配列され、後面層440にヒートシンク450が設けられる。本実施形態において、ヒートシンク450を除いた構成は第1実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブ100と同一であるので、その説明を省略する。
【0046】
ヒートシンク450は、後面層440との接触面積を広くするために、本体451の一側面に熱伝導突起452が多数垂直に形成されることによって、後面層440に熱伝導突起452と相応する形状を有する熱伝導溝442にそれぞれ挿入されて結合されるが、熱伝導突起452は後面層440が吸収した超音波を前面へ再反射するのを抑制するために円錐形状からなる。
【0047】
一方、後面層440は、熱伝導溝442が熱伝導突起452と相応する形状、即ち、円錐形状を有することによって、熱伝導突起452の表面全体と接続される構造を有する。
【0048】
このような構成を有する本発明の第4実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブ400は、以前の実施形態と同様に、圧電体430から発生した熱が後面層440を介してヒートシンク450に速やかに伝導されて放出されるようにすることによって、圧電体430の特性低下を防止して超音波プローブ400自体の性能及び耐久性の低下を防止し、音響レンズ410の温度の減少による患者との接触面の温度を下げるようになる。
【0049】
また、後面層440が吸収した超音波がヒートシンク450の円錐状の熱伝導突起452に反射されることによって、前面へ再反射されず、熱伝導突起452の側方向に位置する後面層440に再吸収されることで、相殺により消滅し、それにより、超音波プローブ400の性能低下を防止する。
【0050】
図12は、本発明の第5実施形態によるヒートシンク550を有する超音波プローブ500を示す側断面図であり、図13は、本発明の第5実施形態による超音波プローブのヒートシンク550を示す斜視図である。図に示すように、本発明の第5実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブ500は、患者と接触する前面部から音響レンズ510、整合層520、圧電体530及び後面層540が配列され、後面層540にヒートシンク550が設けられる。本実施形態において、後面層540とヒートシンク550を除いた構成は第1実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブ100と同一であるので、その説明を省略する。
【0051】
ヒートシンク550は、後面層540との結合のために後面層540の後面541に挿入されて固定されるための挿入部552が本体551の一側面に形成される。
【0052】
挿入部552は、後面層540から熱伝導率を高めるようにコイル状からなるワイヤ552aであることが好ましい。
【0053】
挿入部552は多数のコイル状のワイヤ552aを含み、多数のコイル状のワイヤ552aは一例としてヒートシンク550の本体551に並列に配列されるが、それぞれの両端が本体551と一体になるように形成されるか、本体551に強制嵌合されることによって、一体をなすようになる。また、コイル状のワイヤ552aは、ヒートシンク550の本体551上に後面層540がモールディングにより成形製作されることによって、後面層540の内側に固定され、これにより、ヒートシンク550の本体551と後面層540が互いに結合されるようにし、後面層540が吸収した超音波との干渉を最小化して後面層540の前面へ超音波が再反射するのを抑制する。
【0054】
このような構成を有する本発明の第5実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブ500は、以前の実施形態と同様に、圧電体530から発生した熱が後面層540を介してヒートシンク550に速やかに伝導されて放出されるようにすることによって、圧電体530の特性低下を防止して超音波プローブ500自体の性能及び耐久性の低下を防止し、音響レンズ510の温度を減少させる。特に、後面層540に挿入されたコイル状のワイヤ552aが後面層540からヒートシンク550への熱伝導通路を拡大させる役割を果たすことによって、熱伝導効率を高める。
【0055】
また、後面層540が吸収した超音波がコイル状のワイヤ552aの間を通過するようになることによって、超音波が後面層540の前面へ再反射されるのを抑制して超音波プローブ500の性能低下を防止する。
【0056】
以上のように、本発明の好適な実施形態によれば、圧電体から発生する熱が後面層を介してヒートシンクに速やかに放出されるようにすることによって、圧電体の特性低下を抑制して超音波プローブの性能及び耐久性の低下を防止し、音響レンズの発熱を防止することによって、患者との接触面の温度を下げるようにする。
【0057】
また、後面層が吸収した超音波が前面へ再反射されないようにして超音波プローブの性能を維持させるようにし、熱伝導突起が吸収した超音波を前面へ再反射しない形状を有することによって、前面への再反射の可能性により圧電体の近くに装着できない短所を克服して後面層への熱伝導を最大化できる。
【0058】
上述した通り、本発明の詳細な説明で具体的な実施形態について説明したが、本発明の技術が当業者によって容易に変形実施される可能性は自明であり、斯かる変形された実施形態は、本発明の特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれると言える。
【技術分野】
【0001】
本発明は超音波プローブに関し、具体的には、圧電体の特性低下を抑制して超音波プローブの性能及び耐久性の低下を防止し、音響レンズの発熱を防止することによって、患者との接触面の温度を下げるようにするヒートシンクを有する超音波プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、超音波映像装置は大きく、電気及び超音波信号の変換を担当する超音波プローブ、送・受信される信号を処理する信号処理部、そして超音波プローブと信号処理部から得た信号を用いて映像を表示するディスプレイ部からなる。
【0003】
そのうち、超音波プローブは信号を変換させる役割を果たす部分であって、超音波映像の質を左右する重要な部分である。即ち、超音波プローブは電気エネルギーと音響エネルギーを相互変換させる作用をする。このような超音波プローブが備えなければならない基本条件として、電気-音響変換効率(電気機械結合係数)、超音波パルス(pulse)の特性、及び超音波ビーム(beam)の焦点特性又は集束性が良くなければならない。
【0004】
従来、医療用として用いられる超音波プローブを添付の図面を参照して説明すれば、以下の通りである。
【0005】
図1は、従来技術による医療用超音波プローブを示す断面図である。図に示すように、従来技術による医療用超音波プローブ10は、患者と接触する前面部から音響レンズ(Acoustic lens)11、整合層12、圧電体13及び後面層14が配列される。
【0006】
音響レンズ11は、整合層12の前面に覆われるように形成されて超音波を集束する。
【0007】
整合層12は、圧電体13の超音波の送/受信面の電極上に形成されて超音波の反射率と効率を増加させる。
【0008】
圧電体13は、後面層14の前面に接合され、FPCB(Flexible Printed Circuit Board)15によりメーンPCBに連結され、電気的信号を音響信号である超音波に変換させて空気中に送り出し、空気中から反射されて戻ってくる超音波反射信号を再び電気的信号に変換させて装置に送る。
【0009】
後面層14は、ケース16に位置した状態でシリコン(Silicon)の埋め込みにより固定され、後方へ放出される不要な超音波を吸収する。
【0010】
このような従来の医療用超音波プローブ10は、用途に応じて大きく2種類に分けられるが、1つは映像診断器に用いられるイメージ用プローブであり、もう1つは癌治療、脂肪分解などのHiFU(High Intensity Focused Ultrasound)治療用システムに用いられる治療用プローブである。
【0011】
イメージ用超音波プローブは、近年、解像度の増加のために、更に狭い面積に、より多くの素子を装着するようになるので、その素子のサイズが次第に小さくなりつつあるが、小さなサイズの素子は映像診断器とプローブ素子との間の電気インピーダンスの差を大きくさせることによって、超音波に変換できなかった電気エネルギーは熱エネルギーに変わって損失する。
【0012】
治療用超音波プローブは、イメージ用超音波プローブとは異なり、高い出力が要求されるので、プローブに用いられる素子自体の発熱が増加するようになる。
【0013】
このような医療用超音波プローブにおける発熱現象は2つの理由から、抑制されなければならない。
【0014】
第1に、超音波プローブに用いられる圧電体は熱に弱い特性を有するので、継続的に高い温度に露出する場合、特性の低下が現れる。これは、プローブ自体の性能低下、プローブの耐久性の低下などの原因となる。
【0015】
第2に、超音波プローブは患者と接触して用いられる製品であるので、患者との接触面の温度が制限される。超音波プローブ自体の発熱によって患者との接触面の温度が上昇して制限温度を超えてはならないので、発熱が多い超音波プローブの場合には超音波プローブに印加される電圧を下げて使用しなければならない。これは超音波プローブの出力を低下させるので、これも性能低下の原因となる。
【発明の概要】
【0016】
[発明の開示]
[技術的課題]
前述した通り、従来技術による医療用超音波プローブは、性能及び耐久性の低下を防止するために、熱の発生を抑制させる方法として、誘電率が大きい圧電素子を用いる方法と、超音波プローブの放熱効率を高める方法が挙げられる。
【0017】
誘電率の大きい圧電素子を用いる場合、圧電素子とシステムとの間の電気インピーダンスの差が小さくなり、プローブ自体の発熱を下げることができる。しかし、そのために、積層型圧電素子や高誘電率圧電素子を用いる場合、使用できる圧電素子の制限、積層型圧電素子を作る工程の難しさなどの理由から、その効果に限界があるという問題がある。
【0018】
また、後面層が熱の拡散を増大させるために、熱伝導度が高い材料を用いる場合、後面層が超音波の減衰特性を満たすためには、このような熱伝導度が高い材料を用いることに限界があるという問題がある。特に、超音波プローブの放熱効率を上げようとする場合、患者との接触面への発熱を最大限抑制しながらも、このような放熱構造が超音波プローブの性能に悪影響を及ぼしてはならないという制限が伴う。
【0019】
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、超音波プローブが患者との接触面から放出される熱を抑制するように後面へ放熱されるようにし、このような放熱構造が超音波プローブの性能を低下させないようにすることにある。
【0020】
[課題への解決]
前記目的を達成するために、本発明によるヒートシンクを有する超音波プローブは、超音波プローブにおいて、後面層に放熱のためのヒートシンクが設けられることを特徴とする。
【0021】
[発明の効果]
本発明によれば、圧電体から発生する熱が後面層を介してヒートシンクに速やかに放出されるようにすることによって、圧電体の特性低下を抑制して超音波プローブの性能及び耐久性の低下を防止し、音響レンズの発熱を防止することで、患者との接触面の温度を下げるようにし、後面層が吸収した超音波が前面へ再反射されないようにして超音波プローブの性能を維持させるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来技術による医療用超音波プローブを示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブを示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブを示す側断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブのヒートシンクを示す斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブを示す斜視図である。
【図6】本発明の第2実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブを示す側断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブのヒートシンクを示す斜視図である。
【図8】本発明の第3実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブを示す側断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブのヒートシンクを示す斜視図である。
【図10】本発明の第4実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブを示す側断面図である。
【図11】本発明の第4実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブのヒートシンクを示す斜視図である。
【図12】本発明の第5実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブを示す側断面図である。
【図13】本発明の第5実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブのヒートシンクを示す斜視図である。
【0023】
[発明の実施形態]
以下、本発明の好適な実施形態を添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明を説明するにおいて、関連する公知となった構成又は機能に関する具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にすると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。
【0024】
図2は、本発明の第1実施形態によるヒートシンク(Heat sink)150を有する超音波プローブ100を示す斜視図であり、図3は、本発明の第1実施形態によるヒートシンク150を有する超音波プローブ100を示す側断面図である。図に示すように、本発明の第1実施形態によるヒートシンク150を有する超音波プローブ100は、患者と接触する前面部から音響レンズ110、整合層120、圧電体130及び後面層140が配列され、後面層140にヒートシンク150が設けられる。
【0025】
音響レンズ110は、整合層120の前面に覆われるように形成されて超音波を集束する。
【0026】
整合層120は、圧電体130の超音波の送/受信面の電極上に形成されて超音波の反射率と効率を増加させる。
【0027】
圧電体130は、後面層140の前面に接合され、FPCB160によりメーンPCB(図示せず)に連結される1次電極と2次電極が両側面にそれぞれ設けられ、電気的信号を音響信号である超音波に変換させて空気中に送り出し、空気中から反射されて戻ってくる超音波反射信号を再び電気的信号に変換させて装置に送る役割を果たす。
【0028】
後面層140は、放熱のためのヒートシンク150と結合され、後方へ放出される不要な超音波を吸収するが、ヒートシンク150との結合のために、ヒートシンク150にモールディングにより成形製作されることができる。
【0029】
ヒートシンク150は、熱伝導度が高い材質、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)などの金属で製作され、後面層140の後面141、即ち、後面層140で圧電体130が接合される側の反対面に固定され、ケース170に位置した状態でシリコンの埋め込みにより固定される。
【0030】
ヒートシンク150は、後面層140からの熱伝導性を高めるために、後面層140の後面に結合してヒートシンク150と後面層140との接触領域を増加させることが好ましく、そのために、本体151の一側面に後面層140から熱が伝導されるための熱伝導突起152が多数形成されることによって、熱伝導突起152と相応する形状を有するように後面層140に形成される熱伝導溝142に熱伝導突起152がそれぞれ挿入される。従って、後面層140は、熱伝導溝142が熱伝導突起152と相応する形状を有することによって、熱伝導溝142と熱伝導突起152の密着度を高め、それにより、後面層140とヒートシンク150との間の熱伝導効率を上げる。
【0031】
熱伝導突起152は、図4に示すように、バー(Bar)形状からなり、熱伝導溝142を通じて接続される後面層140との接触面積を最大化させる。
【0032】
このような構成を有する本発明の第1実施形態によるヒートシンク150を有する超音波プローブ100は、圧電体130から発生した熱が後面層140を介してヒートシンク150に伝導されて放出されることによって、後面層140への熱拡散速度を高めるようになる。特に、後面層140の熱伝導溝142のそれぞれにヒートシンク150の熱伝導突起152が結合される構造を有することによって、後面層140とヒートシンク150との間の接触面積が拡大することで、後面層140からヒートシンク150への熱伝導効率を向上させる。
【0033】
このように、圧電体130から発生した熱がヒートシンク150を通じて速やかに放出されることによって、圧電体130を熱から保護して特性の低下を防止すると共に、後面層140が超音波の減衰特性をそのまま維持するようにし、それにより、超音波プローブ100自体の性能及び耐久性の低下を防止し、音響レンズ110への熱伝導を減少させることで、患者との接触面の温度を低下させる。
【0034】
図5は、本発明の第2実施形態によるヒートシンク250を有する超音波プローブ200を示す斜視図であり、図6は、本発明の第2実施形態によるヒートシンク250を有する超音波プローブ200を示す側断面図である。図に示すように、本発明の第2実施形態によるヒートシンク250を有する超音波プローブ200は、患者と接触する前面部から音響レンズ210、整合層220、圧電体230及び後面層240が配列され、後面層240にヒートシンク250が設けられる。本実施形態において、ヒートシンク250を除いた構成は第1実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブ100と同一であるので、その説明を省略する。
【0035】
ヒートシンク250は、後面層240との接触面積を広くするために、本体251の一側面に熱伝導突起252が多数垂直に形成されることによって、後面層240の熱伝導溝242にそれぞれ挿入されて結合されるが、図7に示すように、熱伝導突起252はバー形状からなり、端部が鋭角を形成するように傾斜面252aを有する。
【0036】
一方、後面層240は、熱伝導溝242が熱伝導突起252と相応する形状を有することによって、熱伝導突起252の表面全体と接続される構造を有する。
【0037】
このような構成を有する本発明の第2実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブ200は、圧電体230から発生した熱が後面層240を介してヒートシンク250に速やかに伝導されて放出されることによって、圧電体230の特性低下を防止して超音波プローブ200自体の性能及び耐久性の低下を防止し、音響レンズ210の温度の減少による患者との接触面の温度を下げるようになる。
【0038】
また、図6に示すように、後面層240が吸収した超音波がヒートシンク250の熱伝導突起252に形成される傾斜面252aにより側方向の後面層240に反射されることによって、前面へ再反射されるのを抑制させて後面層240内に吸収されて消滅するようにする。従って、超音波の後面反射音の吸収という後面層240の本来の目的を達成するようにして超音波プローブ200の性能低下を防止する。
【0039】
図8は、本発明の第3実施形態によるヒートシンク350を有する超音波プローブ300を示す側断面図であり、図9は、本発明の第3実施形態による超音波プローブ300のヒートシンクを示す斜視図である。図に示すように、本発明の第3実施形態によるヒートシンク350を有する超音波プローブ300は、患者と接触する前面部から音響レンズ310、整合層320、圧電体330及び後面層340が配列され、後面層340にヒートシンク350が設けられる。本実施形態において、ヒートシンク350を除いた構成は第1実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブ100と同一であるので、その説明を省略する。
【0040】
ヒートシンク350は、後面層340との接触面積を広くするために、本体351の一側面に熱伝導突起352が多数垂直に形成されることによって、後面層340の熱伝導溝342にそれぞれ挿入されて結合されるが、熱伝導突起352はバー形状からなり、端部から内側まで延びる挿入溝352aが形成される。
【0041】
挿入溝352aは、後面層340が吸収した超音波がヒートシンク350により前面へ再反射されるのを防止するために円錐形状からなる。
【0042】
一方、後面層340は、熱伝導溝342が熱伝導突起352と相応する形状を有することによって、熱伝導突起352の表面全体と接続される構造を有する。即ち、熱伝導溝342は、熱伝導突起352が挿入される形状を有すると共に、挿入溝352aに挿入されるための挿入突起342aが内側に形成される。
【0043】
このような構成を有する本発明の第3実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブ300は、圧電体330から発生した熱が後面層340を介してヒートシンク350に速やかに伝導されて放出されることによって、圧電体330の特性低下を防止して超音波プローブ300自体の性能及び耐久性の低下を防止し、音響レンズ310の温度の減少による患者との接触面の温度を下げるようになる。
【0044】
また、後面層340が吸収した超音波がヒートシンク350の挿入溝352a内で反射を繰り返して相殺することにより消滅し、前面へ再反射されるのを減少させ、これにより、超音波プローブ300の性能低下を防止する。
【0045】
図10は、本発明の第4実施形態によるヒートシンク450を有する超音波プローブ400を示す側断面図であり、図11は、本発明の第4実施形態による超音波プローブ400のヒートシンク450を示す斜視図である。図に示すように、本発明の第4実施形態によるヒートシンク450を有する超音波プローブ400は、患者と接触する前面部から音響レンズ410、整合層420、圧電体430及び後面層440が配列され、後面層440にヒートシンク450が設けられる。本実施形態において、ヒートシンク450を除いた構成は第1実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブ100と同一であるので、その説明を省略する。
【0046】
ヒートシンク450は、後面層440との接触面積を広くするために、本体451の一側面に熱伝導突起452が多数垂直に形成されることによって、後面層440に熱伝導突起452と相応する形状を有する熱伝導溝442にそれぞれ挿入されて結合されるが、熱伝導突起452は後面層440が吸収した超音波を前面へ再反射するのを抑制するために円錐形状からなる。
【0047】
一方、後面層440は、熱伝導溝442が熱伝導突起452と相応する形状、即ち、円錐形状を有することによって、熱伝導突起452の表面全体と接続される構造を有する。
【0048】
このような構成を有する本発明の第4実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブ400は、以前の実施形態と同様に、圧電体430から発生した熱が後面層440を介してヒートシンク450に速やかに伝導されて放出されるようにすることによって、圧電体430の特性低下を防止して超音波プローブ400自体の性能及び耐久性の低下を防止し、音響レンズ410の温度の減少による患者との接触面の温度を下げるようになる。
【0049】
また、後面層440が吸収した超音波がヒートシンク450の円錐状の熱伝導突起452に反射されることによって、前面へ再反射されず、熱伝導突起452の側方向に位置する後面層440に再吸収されることで、相殺により消滅し、それにより、超音波プローブ400の性能低下を防止する。
【0050】
図12は、本発明の第5実施形態によるヒートシンク550を有する超音波プローブ500を示す側断面図であり、図13は、本発明の第5実施形態による超音波プローブのヒートシンク550を示す斜視図である。図に示すように、本発明の第5実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブ500は、患者と接触する前面部から音響レンズ510、整合層520、圧電体530及び後面層540が配列され、後面層540にヒートシンク550が設けられる。本実施形態において、後面層540とヒートシンク550を除いた構成は第1実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブ100と同一であるので、その説明を省略する。
【0051】
ヒートシンク550は、後面層540との結合のために後面層540の後面541に挿入されて固定されるための挿入部552が本体551の一側面に形成される。
【0052】
挿入部552は、後面層540から熱伝導率を高めるようにコイル状からなるワイヤ552aであることが好ましい。
【0053】
挿入部552は多数のコイル状のワイヤ552aを含み、多数のコイル状のワイヤ552aは一例としてヒートシンク550の本体551に並列に配列されるが、それぞれの両端が本体551と一体になるように形成されるか、本体551に強制嵌合されることによって、一体をなすようになる。また、コイル状のワイヤ552aは、ヒートシンク550の本体551上に後面層540がモールディングにより成形製作されることによって、後面層540の内側に固定され、これにより、ヒートシンク550の本体551と後面層540が互いに結合されるようにし、後面層540が吸収した超音波との干渉を最小化して後面層540の前面へ超音波が再反射するのを抑制する。
【0054】
このような構成を有する本発明の第5実施形態によるヒートシンクを有する超音波プローブ500は、以前の実施形態と同様に、圧電体530から発生した熱が後面層540を介してヒートシンク550に速やかに伝導されて放出されるようにすることによって、圧電体530の特性低下を防止して超音波プローブ500自体の性能及び耐久性の低下を防止し、音響レンズ510の温度を減少させる。特に、後面層540に挿入されたコイル状のワイヤ552aが後面層540からヒートシンク550への熱伝導通路を拡大させる役割を果たすことによって、熱伝導効率を高める。
【0055】
また、後面層540が吸収した超音波がコイル状のワイヤ552aの間を通過するようになることによって、超音波が後面層540の前面へ再反射されるのを抑制して超音波プローブ500の性能低下を防止する。
【0056】
以上のように、本発明の好適な実施形態によれば、圧電体から発生する熱が後面層を介してヒートシンクに速やかに放出されるようにすることによって、圧電体の特性低下を抑制して超音波プローブの性能及び耐久性の低下を防止し、音響レンズの発熱を防止することによって、患者との接触面の温度を下げるようにする。
【0057】
また、後面層が吸収した超音波が前面へ再反射されないようにして超音波プローブの性能を維持させるようにし、熱伝導突起が吸収した超音波を前面へ再反射しない形状を有することによって、前面への再反射の可能性により圧電体の近くに装着できない短所を克服して後面層への熱伝導を最大化できる。
【0058】
上述した通り、本発明の詳細な説明で具体的な実施形態について説明したが、本発明の技術が当業者によって容易に変形実施される可能性は自明であり、斯かる変形された実施形態は、本発明の特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれると言える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
後面層と、
放熱のために前記後面層に設けられるヒートシンクと、
を含む超音波プローブ。
【請求項2】
前記ヒートシンクは、
前記後面層の後面に結合して前記ヒートシンクと前記後面層の接触面積を増加させる請求項1に記載の超音波プローブ。
【請求項3】
前記ヒートシンクは、
一側面に熱伝導突起が多数形成され、前記熱伝導突起と相応する形状を有するように前記後面層に形成される熱伝導溝に前記熱伝導突起がそれぞれ挿入される請求項2に記載の超音波プローブ。
【請求項4】
前記熱伝導突起は、
バー形状からなる請求項3に記載の超音波プローブ。
【請求項5】
前記熱伝導突起は、
端部が鋭角を形成するように傾斜面が形成される請求項4に記載の超音波プローブ。
【請求項6】
前記熱伝導突起は、
端部から内側まで延びる挿入溝が形成される請求項4に記載の超音波プローブ。
【請求項7】
前記挿入溝は、
円錐形状からなる請求項6に記載の超音波プローブ。
【請求項8】
前記熱伝導突起は、
円錐形状からなる請求項3に記載の超音波プローブ。
【請求項9】
前記ヒートシンクは、
前記後面層の後面に挿入されて固定されるための挿入部が形成される請求項2に記載の超音波プローブ。
【請求項10】
前記挿入部は、
コイル形状からなるワイヤである請求項9に記載の超音波プローブ。
【請求項1】
後面層と、
放熱のために前記後面層に設けられるヒートシンクと、
を含む超音波プローブ。
【請求項2】
前記ヒートシンクは、
前記後面層の後面に結合して前記ヒートシンクと前記後面層の接触面積を増加させる請求項1に記載の超音波プローブ。
【請求項3】
前記ヒートシンクは、
一側面に熱伝導突起が多数形成され、前記熱伝導突起と相応する形状を有するように前記後面層に形成される熱伝導溝に前記熱伝導突起がそれぞれ挿入される請求項2に記載の超音波プローブ。
【請求項4】
前記熱伝導突起は、
バー形状からなる請求項3に記載の超音波プローブ。
【請求項5】
前記熱伝導突起は、
端部が鋭角を形成するように傾斜面が形成される請求項4に記載の超音波プローブ。
【請求項6】
前記熱伝導突起は、
端部から内側まで延びる挿入溝が形成される請求項4に記載の超音波プローブ。
【請求項7】
前記挿入溝は、
円錐形状からなる請求項6に記載の超音波プローブ。
【請求項8】
前記熱伝導突起は、
円錐形状からなる請求項3に記載の超音波プローブ。
【請求項9】
前記ヒートシンクは、
前記後面層の後面に挿入されて固定されるための挿入部が形成される請求項2に記載の超音波プローブ。
【請求項10】
前記挿入部は、
コイル形状からなるワイヤである請求項9に記載の超音波プローブ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2011−528929(P2011−528929A)
【公表日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−519975(P2011−519975)
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【国際出願番号】PCT/KR2009/003677
【国際公開番号】WO2010/011034
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(507282819)ヒューマンスキャン・カンパニー・リミテッド (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【国際出願番号】PCT/KR2009/003677
【国際公開番号】WO2010/011034
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(507282819)ヒューマンスキャン・カンパニー・リミテッド (3)
【Fターム(参考)】
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