説明

ヒートシンク取付け部を有するノングレアの反射型LED照明器具

少なくとも1つの発光ダイオード(「LED」)と、LEDに後方反射する集光光学部と、LEDから発生する熱の効率的な放散を促進するとともに、光の遮断およびグレアを最小限に抑える改良されたヒートシンク取付け用器具とを使用する照明器具。照明器具は、主筐体と、主筐体内に配設され、前面側および背面側を有する反射体と、主筐体の1つの端部に熱的に結合された上面リムと、反射体の前面側に面するように位置決めされた熱伝導体であって、上面リムに熱的に結合されたヒートパイプを備える、熱伝導体と、熱伝導体に熱的に結合された少なくとも1つの発光ダイオードであって、少なくとも1つの発光ダイオードから放出される光が反射体の前面側に方向付けられるように、反射体の前面側に直接的に面するように位置決めされた少なくとも1つの発光ダイオードとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2008年5月23日に出願された米国特許仮出願第61/055,858号、2008年5月30日に出願された米国特許仮出願第61/057,289号、および2008年11月26日に出願された米国特許仮出願第61/118,202号の35米国特許法第119条(e)の下で優先権を主張するPCT出願であり、それらの全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願全体を通じて、いくつかの特許および参考文献を参照する。それらの全体におけるこれらの特許および参照文献の開示は、参照することによって本願中に本明細書により組み込まれる。
【0003】
本発明は、電気照明装置およびシステムに関し、より詳細には、少なくとも1つの単一チップまたはマルチチップの発光ダイオード(「LED」)と、LEDに後方反射する集光光学部と、LEDから発生する熱の効率的な放散を促進するとともに、光の遮断およびグレアを最小限に抑える改良されたヒートシンク取付け用器具とを使用する照明器具に関する。
【背景技術】
【0004】
多年にわたって、室内照明の課題に対処するために、従来型白熱照明器具または蛍光照明器具が使用されている。しかし、このような照明器具には、いくつかの欠点が存在する。例えば、普及しているAR111ハロゲン器具には、以下の欠点、すなわち電力消費が比較的高いこと、ハロゲン球の視野線内にその金属シールドを配置するために、光分散が効率的でないこと、およびハロゲン球からのグレアを防ぐ際にその効果が限定されることが存在する。
【0005】
近年、いくつかのLED照明器具が、AR111ハロゲン器具、ならびに他の従来型白熱照明または蛍光照明器具に取って代わるように設計されている。一般に、このようなLED照明器具において、LED光源は反射体の中心に配置され、その発光は反射体から外に向かって方向付けられる。加えて、PAR38など、複数のLEDを使用するLED照明器具があり、それらの発光は、1つまたは複数の反射体から外に向かって方向付けられる。これらの構成は、狭ビーム角を達成することが不可能であり、見ている人達は、LED光源から保護されていないので、大きなグレアを招く。さらには、これらの構成は、熱を効率的に分散せず、それによって、これらの構成における高パワーのLEDの使用を事実上、禁止するものである。
【0006】
これらの問題に対処するために、鏡面または反射面を使用して、光をLED光源の方向の後方に反射する代替のLED照明器具が開示されている。例えば、「Light−Emitting Diode Reflector Assembly Having a Heat Pipe」と題されたMcCulloughらに対する米国特許第6,976,769号、「Back−Reflecting LED Light Source」と題されたJacobsonらに対する米国特許第7,246,921号、および「Thermal Management System for Solid State Automotive Lighting」と題されたMagna International Inc.に対するPCT国際公開第2006/033998号を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許仮出願第61/055,858号
【特許文献2】米国特許仮出願第61/057,289号
【特許文献3】米国特許仮出願第61/118,202号
【特許文献4】米国特許第6,976,769号
【特許文献5】米国特許第7,246,921号
【特許文献6】国際公開第2006/033998号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】http://en.wikipedia.org/wiki /Image:Heat_Pipe_Mechanism.png
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述を踏まえると、当技術分野をさらに改良する必要性が存在する。具体的には、グレアを除去するか、または抑え、(高パワーLEDなどの)LEDから発生する熱の効率的な放散を促進するとともに、光路の遮断、およびこのようなアセンブリに必要な構成要素の数を最小限に抑える改良された小型の熱伝導性アセンブリを有するLED照明器具の必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の態様により、照明器具が、主筐体と、主筐体内に配設され、前面側および背面側を有する反射体と、主筐体の1つの端部に熱的に結合された上面リムと、反射体の前面側に面するように位置決めされた熱伝導体であって、上面リムに熱的に結合されたヒートパイプを備える、熱伝導体と、熱伝導体に熱的に結合された少なくとも1つの発光ダイオードであって、少なくとも1つの発光ダイオードから放出される光が反射体の前面側に方向付けられるように、反射体の前面側に直接的に面するように位置決めされた少なくとも1つの発光ダイオードとを備える。少なくとも1つのLEDから放出される光は、反射体の前面側に実質的に、または全体的に方向付けられ、反射体の前面側から、少なくとも1つのLEDおよび熱伝導体を越えて実質的に、または全体的に反射される。
【0011】
本発明の別の態様によれば、熱伝導体は、実質的にS字形状であり、棒形状の中間部分と、中間部分から延び、それぞれが上面リムに結合されている湾曲した翼状部分とを備える。熱伝導体の中間部分は、実質的に棒形状であってもよい。
【0012】
本発明の別の態様によれば、熱伝導体は、少なくとも1つの発光ダイオードから上面リムに向かって流れる熱に経路をもたらす。
【0013】
本発明の別の態様によれば、反射体は、中心光学軸を有し、照明器具は、熱伝導体に結合され、反射体の中心光学軸に隣接して、または中心光学軸に位置決めされ、少なくとも1つの発光ダイオードに熱的に結合された取付け用プラットフォームをさらに備える。取付け用プラットフォームは、銅、アルミニウム、または任意の他の高熱伝導性材料などの熱伝導性材料から作製される。
【0014】
本発明の別の態様によれば、熱伝導体は、棒形状であり、熱伝導体の少なくとも1つの端部は、上面リムに熱的に結合されている。
【0015】
本発明の別の態様によれば、反射体は、中心光学軸を有し、熱伝導体の1つの端部は、反射体の中心光学軸に隣接して、または中心光学軸に位置決めされ、少なくとも1つの発光ダイオードに熱的に結合されている。
【0016】
本発明のさらなる態様によれば、照明器具は、熱伝導体の少なくとも実質的な部分に結合された金属クラッドをさらに備える。金属クラッドは、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、または任意の他の高熱伝導性材料などの熱伝導性材料から作製される。
【0017】
本発明の別の態様によれば、反射体は、双曲線、楕円、または放物線の形状にある。
【0018】
本発明の別の態様によれば、上面リムは、円形であり、アルミニウム、銅、亜鉛、または他の高熱伝導性材料など、熱伝導性材料から作製される。
【0019】
本発明の別の態様によれば、主筐体は実質的に、形状が円錐台形であり、(アルミニウム、銅、亜鉛、または任意の他の高熱伝導性材料などの)熱伝導性材料から作製される。主筐体は、1つまたは複数の熱放散フィンを含んでよい。主筐体はまた、形状が円筒形であっても、または立方体形であってもよい。
【0020】
本発明のさらなる態様によれば、照明器具は、主筐体に結合されたプラスチック筐体と、プラスチック筐体に結合されたランプベースとをさらに備える。
【0021】
本発明の別の態様によれば、ランプベースは、E26ランプベース、GU10ランプベース、E27ランプベース、またはGU24ランプベースである。
【0022】
本発明のさらなる態様によれば、照明器具は、少なくとも1つの発光ダイオードに熱的に結合された取付け用プレートと、取付け用プレートおよび熱伝導体に熱的に結合された取付け用プラットフォームとをさらに備える。取付け用プレートは、銅、または任意の他の高熱伝導性材料など、熱伝導性材料から作製される。
【0023】
本発明のさらなる態様によれば、照明器具は、上面リムに結合されたガラスカバーをさらに備え、ガラスカバーは、外部環境から、反射体と、熱伝導体と、少なくとも1つの発光ダイオードとを少なくともカバーする。
【0024】
本発明の別の態様によれば、照明器具は、全体的に円錐台形状の主筐体と、主筐体内に配設され、前面側、背面側、および中心光学軸を有する円錐形状の反射体と、主筐体に結合された円形上面リムと、円錐形状の反射体の前面側に面するように位置決めされた実質的にS字形状のヒートパイプであって、円錐形状の反射体の中心光学軸に、または中心光学軸に隣接して配置された取付け用プラットフォームを備える中間部分、および中間部分のそれぞれの端部にそれぞれ結合され、上面リム内に結合された2つの湾曲した翼状部分を含む、実質的にS字形状のヒートパイプと、取付け用プラットフォームに熱的に結合された少なくとも1つの発光ダイオードであって、少なくとも1つの発光ダイオードから放出される光が円錐形状の反射体の前面側に方向付けられるように、円錐形状の反射体の前面側に直接的に面するように位置決めされる少なくとも1つの発光ダイオードとを備える。
【0025】
本発明のさらなる態様によれば、照明器具は、少なくとも1つの発光ダイオードと、取付け用プラットフォームとに結合された金属コアPCBをさらに備える。
【0026】
本発明を示すために、図面は、現在、好ましい形態を反映しており、しかし、本発明は、図面が示す精密な形態に限定されるものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の態様による照明器具の上面側からの斜視図である。
【図2】図1に示す照明器具の底面側からの斜視図である。
【図3】図1に示す照明器具の底面側からの「X線」図である。
【図4】図1に示す照明器具の上面側からの断面斜視図である。
【図5】図1に示す照明器具の底面側からの断面斜視図である。
【図6】図1に示す照明器具の断面図である。
【図7】(http://en.wikipedia.org/wiki /Image:Heat_Pipe_Mechanism.pngから)知られているヒートパイプの断面図である。
【図8】本発明の別の態様による照明器具の斜視図である。
【図9】図8に示す照明器具の底面側からの斜視図である。
【図10】図8に示す照明器具の断面斜視図である。
【図11】図8に示す照明器具の別の断面斜視図である。
【図12】図8に示す照明器具の分解斜視図である。
【図13】図8に示す照明器具の分解断面図である。
【図14】本発明の態様による、LEDがその上に直接、結合されている熱伝導体(クラッドされたヒートパイプ)の斜視図である。
【図15】本発明の別の態様による、LEDがその上に直接、結合されている熱伝導体(クラッドされていないヒートパイプ)の斜視図である。
【図16】本発明の別の態様による(S字形状の熱伝導体を含む)照明器具の斜視図である。
【図17】図16に示す照明器具の側面図である。
【図18】図16に示す照明器具の断面斜視図である。
【図19】図16に示す照明器具の上面リムと、(金属クラッド、S字形状の熱伝導体、取付け用プラットフォーム、取付け用プレート、およびLEDを含む)ヒートシンク取付け用器具の分解斜視図である。
【図20】図16に示す照明器具の(ガラスカバーがない)上面側からの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1〜図6に示すように、かつ本発明の態様により、照明器具1が、上面リム3に結合されている反射体4を有し、上面リム3は、熱伝導体2に結合されている。熱伝導体2は、クラッド9によってクラッドされているヒートパイプ8と、反射体4の前面側に対向している熱伝導体2の1つの側面に配置された取付け用プラットフォーム5とを含む。図3に示すように、LED6は、金属コアのプリント回路基板(「PCB」)7に結合され、それは次いで、取付け用プラットフォーム5に結合される。取付け用プラットフォーム5は、既存の照明器具に対して、LEDからのノングレア保護の向上をもたらすような形に形作られる(本発明の本態様においては、円形である)。
【0029】
本発明の本態様においては、LED6は、反射体4の中心光学軸300に、または中心光学軸に隣接して上方で配置され、LED6から放出される光が反射体4の前面側に実質的に、または全体的に方向付けられるように位置決めされ、それによって、図6に示すように、反射体4がLED6から放出される光を集光し、コリメートし、コリメートされた光を反射体4から離れて、かつLED6および熱伝導体2を越えて反射することを可能にする。熱伝導体2は、その平らな狭い構成のため、反射体4から出る反射され、コリメートされた光をほとんど遮断しない。図3に示すように、熱伝導体2の平らな狭い構成は、反射体4から出る反射され、コリメートされた光に小断面10をもたらす。
【0030】
本発明の本態様においては、LED6から発生する熱は、照明器具を通って、以下の熱経路を移動する:金属コアPCB7、取付け用プラットフォーム5、クラッド9、ヒートパイプ8、クラッド9、次いで、上面リム3および反射体4。LED6から発生する熱はまた、金属コアPCB7、取付け用プラットフォーム5、クラッド9、ヒートパイプ8、次いで、上面リム3および反射体4を通って移動することも可能である。上面リム3および反射体4は、ヒートシンクとして働く。
【0031】
本発明の別の態様を図8〜図13に示す。具体的には、照明器具50は、上面リム52に結合されている反射体53を含み、上面リム52は熱伝導体51に結合されている。熱伝導体51は、クラッド59によってクラッドされているヒートパイプ56と、反射体53に対向している熱伝導体51の1つの側面に配置された取付け用プラットフォーム54とを含む。LED55は、図11に示すように、金属コアPCB60に結合され、それは次いで、取付け用プラットフォーム54に結合される。
【0032】
本発明の本態様は、表面積を最大化するための1つまたは複数の熱放散フィン58を有する主筐体57を含み、それによって、その熱放散容量が高まる。上面リム52と、反射体53と、主筐体57とは、ヒートシンクとして働き、主筐体57は、一次ヒートシンクとして働く。
【0033】
図10および図11に示すように、主筐体57は、反射体縁部63に結合されている。図10および図11に示すように、反射体53および主筐体57の間に空隙62がある。空隙62の大きさは、反射体53の大きさに応じて変わってよい。LED55から発生する熱は、金属コアPCB60、取付け用プラットフォーム54、クラッド59、ヒートパイプ56、クラッド59、次いで、上面リム52、反射体53、および主筐体57を通る移動を含む熱経路を移動する。熱はまた、金属コアPCB60、取付け用プラットフォーム54、クラッド59、ヒートパイプ56、その後、上面リム52、反射体53、および主筐体57を通って移動することも可能である。
【0034】
本発明の別の態様を図18〜図20に示す。この場合、照明器具500は、主筐体501と、前面側および背面側を有する反射体502と、主筐体501に結合された上面リム503と、反射体502の前面側に位置決めされ、上面リム503に結合されている熱伝導体1000と、LED504から放出される光が反射体502の前面側に実質的に、または全体的に方向付けられるように、反射体502の前面側に直接的に面して位置決めされているLED504とを含む。
【0035】
図19に示すように、熱伝導体1000は、実質的にS字形状であり、棒形状か、または実質的に棒形状の中間部分1001と、中間部分1001のそれぞれの端部から延びる湾曲した翼状部分1002および1003とを含む。図20に示すように、湾曲した翼状部分1002および1003は、上面リム503に結合され、上面リム503は、スロット520、521を有し、それらのスロットは、湾曲した翼状部分1002および1003が、スロット520、521内にそれぞれ嵌合することを可能にし、それによって、熱伝導体1000と、上面リム503との結合を可能にする。熱伝導体1000と、上面リム503とは、はんだ付けによって結合されても、熱エポキシによって結合されても、または熱伝導体1000と、上面リム503とを結合するために使用される当技術分野で知られている任意の他の技術によって結合されてもよい。
【0036】
熱伝導体1000は、反射体502の中心光学軸に隣接して、または中心光学軸に位置決めされる取付け用プラットフォーム530と、取付け用プラットフォーム530およびLED504の間に結合された取付け用プレート531とを含む。熱伝導体1000はまた、中間部分1001および/または湾曲した翼状部分1002と1003とのうちの一方または両方に配置されたヒートパイプも含む。
【0037】
金属クラッド550が、熱伝導体1000に結合可能である。例えば、図19に示すように、熱伝導体1000の中間部分1001の実質的な部分が、金属クラッド550に結合されている。金属クラッド550は、上面リム503から延びる電気ケーブルまたはワイヤを固定し、熱伝導体1000の中間部分1001に沿ってLED504に方向付けるために使用可能であり、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、または任意の他の高熱伝導性材料など、熱伝導性材料から作製される。
【0038】
図18に示すように、本発明は、上面リム503およびキャップリム509に結合されているガラスカバー800を含むことが可能である。ガラスカバー800は、水および塵など、環境危険から、反射体502と、熱伝導体1000と、取付け用プラットフォーム530と、取付け用プレート531と、LED504とを少なくとも保護する。ガラスカバーはまた、図1〜図6および図8〜図13に説明した本発明の態様と関連して使用可能である。
【0039】
本発明はまた、主筐体501の底端部に結合されているプラスチック筐体700と、プラスチック筐体700に結合されているランプベース701(例えばE26ランプベース、GU10ランプベース、E27ランプベース)とを含むことが可能である。
【0040】
[熱伝導体]
図4および図11に示すように、熱伝導体2、51は、クラッド9、59によってクラッドされているヒートパイプ8、56と、反射体4、53に対向している熱伝導体2、51の1つの側面に配置された取付け用プラットフォーム5、54とを含む。クラッド9、59は、アルミニウム、銅、グラファイトまたは亜鉛などの熱伝導性材料から作製可能であり、取付け用プラットフォーム5、54を含むことが可能である。クラッド9、59は、ヒートパイプ8、56の構造的強度を高め、LED6、55からヒートパイプへの熱の伝達および伝播に役立ち、ヒートパイプ8、56から、上面リム3、52、反射体4、53、および主筐体57など、ヒートシンクへの熱の伝達および伝播に役立つために使用可能である。
【0041】
前述したように、かつ図19に示すように、熱伝導体1000は、金属クラッド550に結合可能である。金属クラッド550は、熱伝導体1000の中間部分1001の実質的な部分をカバーし、美観のため、熱伝導体1000および金属クラッド550の間の電気ケーブルもしくはワイヤを固定し、かつ/またはこのような電気ケーブルもしくはワイヤをLED504に方向付けるために使用される。金属クラッド550は、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、または任意の他の高熱伝導性材料など、熱伝導性材料から作製可能である。
【0042】
あるいは、図14に示すように、LED91は、(クラッド93の取付け用プラットフォーム92を介して)熱伝導体90上に直接、固定されてもよい。
【0043】
本発明の別の態様においては、ヒートパイプは、クラッドされない。例えば、図15は、熱伝導体100を示しており、LED103が取付け用プラットフォーム102上に結合され、そのプラットフォームは続いて、ヒートパイプ101に直接、結合されている。取付け用プラットフォーム102は、円筒形状であってよく、ヒートパイプ101の少なくとも中心部を部分的に包み込んでも、または完全に包み込んでもよい。
【0044】
(ヒートパイプ8、56、101などの)ヒートパイプは、純水で満たされた多数の空洞部を組み込んだ多孔質銅から作製可能である。図7に示すように、ヒートパイプ内の水は、熱源からの熱的エネルギーを吸収するにつれて、水蒸気に蒸発する。図7の400を参照のこと。蒸発した水は次いで、蒸気空洞部に沿ってヒートパイプのより冷温な部分に移動する。図7の401を参照のこと。水蒸気はそこで、急速に冷却し、液体へと戻って液化し、その液体は、ウィックによって吸収され、熱的エネルギーを解放する。図7の402を参照のこと。液体は次いで、内側空洞部に沿って加温部分に戻り(図7の403を参照のこと)、前述のヒートパイプ熱的サイクルを繰り返す。ヒートパイプは、上述の機構を使用して、熱的エネルギーをLEDから上面リム3、52、反射体4、53、および主筐体57、501など、ヒートシンクに伝達する。
【0045】
ヒートパイプは、光吸収を最小限に抑えるために、薄いストリップに(断面方向に)平板化可能である。
【0046】
本発明の別の態様は、1つまたは複数のヒートパイプを有する熱伝導体を含む。複数のヒートパイプの場合、それぞれのヒートパイプは、反射体の中心光学軸に隣接して、または中心光学軸に位置決めされた(車輪に対するスポークのように)中心ハブに接続される。中心ハブは、1つまたは複数のLEDに対する取付け用プラットフォームとして働き、アルミニウム、銅、または任意の他の高熱伝導性材料などの熱伝導性材料から作製される。
【0047】
本発明の別の態様においては、熱伝導体は、反射体の中心軸に、または中心軸に隣接して上方へ延び、(図1では接続点900もしくは901、または図8では接続点910もしくは911などの)1つの接続点のみで上面リムに結合されている。結果として、熱伝導体は、図1および図8の上面リムに対する弦、または上面リムの直径を形成しない。反射体の中心軸に、または中心軸に隣接して、熱伝導体は、取付け用プラットフォームを含み、LEDがそれに直接的に結合されるか、またはLEDが金属コアPCBもしくは取付け用プレートに結合され、それは次いで、取付け用プラットフォームに結合される。本発明のこの代替の態様は、熱伝導体によってもたらされる光妨害を抑え、レンズ効率を向上させるとともに、熱放散およびアンチグレアを促進する。
【0048】
取付け用プラットフォーム5、54、102、530は、アルミニウム、銅、または任意の他の高熱伝導性材料などの熱伝導性材料から作製される。また、前述したように、取付け用プラットフォームは、既存の照明器具に対して、LEDからのノングレア保護の向上をもたらす。本発明においては、(1)LEDは、取付け用プラットフォーム上に結合され、LEDから放出される光が反射体に実質的に、または全体的に方向付けられるように、反射体に直接的に面して位置決めされ、(2)取付け用プラットフォームは、いずれの視野角においても、LEDが直接見えないようにする形に形作られるので(例えば、円形)、LEDからの直接グレアの可能性は除去される(または少なくとも軽減される)。
【0049】
[反射体]
反射体4、53、502は、アルミニウムなどの熱伝導性材料から作製され、ヒートシンクとして働く。あるいは、反射体4、53、502は、プラスチックなどの熱的に伝導性でない材料から作製されてもよい。
【0050】
図6に示すように、LED6から放出される光は、反射体4に向かって実質的に、または全体的に方向付けられ、反射体4は、LED6から放出される光を光ビームにコリメートし、その光ビームを特定のビーム角で反射する。ビーム角は、半値全幅(「FWHM」)が2度から60度までの幅にわたってよい。グレアを除去するため、または抑えるために、本発明の反射体4は、LED6から放出される光を実質的に、または全体的に集光し、直接グレアのゾーン(すなわち、垂直線に対して約45度から85度)内の本発明の輝度を除去する(または少なくとも軽減する)やり方で光を方向付けし直すように設計される。
【0051】
反射体4、53、502は、様々な光ビームパターンを達成するために、様々な形状をとることが可能である。それは、単独でもしくは様々な組み合わせで使用される、2次元または3次元の形状の任意の円錐部分(例えば双曲線、楕円、または放物線)に形作られてよい。
【0052】
[LED]
LEDは、1つまたは複数のチップを有するLEDモジュールであってよい。LEDは、高パワーのLEDであってよい。1つまたは複数のLEDが、本発明に使用可能である。
【0053】
LED6、55、504は、金属コアPCB7、60、または取付け用プレート531に結合される。代替としては、LED91、103は、取付け用プラットフォーム92および102に結合される。LEDは、金属コアPCB、取付け用プレート、または取付け用プラットフォーム上に、はんだ付け可能である。熱ペースト、熱グリース、はんだ付け、リフローはんだ付け、または当技術分野で知られている任意の他のはんだ付け材料もしくは技術は、金属コアPCB、取付け用プレート、または取付け用プラットフォーム上にLEDを結合するために使用可能である。
【0054】
[金属コアPCBまたは取付け用プレート]
本発明は、金属コアPCBを含む(図3に示す金属コアPCB7、図12に示す金属コアPCB60を参照のこと)。金属コアPCBは、LED回路を含み、熱輸送用媒体として働く。例えば、金属コアPCBは、ベース金属プレート(銅またはアルミニウム、約0.8mmから3mm厚)、誘電層(ベース金属プレートの上面にラミネート加工済み、約0.1mm厚)、および銅回路トラック(誘電層の上面にプリント加工済み、約0.05mmから0.2mm厚)を備える。
【0055】
あるいは、図15および図16に示すように、金属コアPCBは、熱的抵抗をさらに抑え、それによって、LED接合部温度を抑え、最大LEDパワーを高めるために、本発明には含まれていない。
【0056】
あるいは、図19に示すように、取付け用プレート531が使用され、取付け用プレート531は、LED504に、および取付け用プラットフォーム530に結合されている。取付け用プレートは、銅、または任意の他の高熱伝導性材料などの、かつ約0.8mmから3mm厚の熱伝導性材料から作製される。当技術分野で知られている(ねじなどの)機械技術は、取付け用プレートを取付け用プラットフォームに結合するために使用され、高い熱伝導性を有する熱グリースまたは熱ペーストは、取付け用プレートおよび取付け用プラットフォームの間に使用可能である。
【0057】
[上面リムおよびキャップリム]
上面リム3、52、503は、アルミニウム、銅もしくは亜鉛、または任意の他の高熱伝導性材料など、熱伝導性材料から作製される。上面リム3は、一次ヒートシンクとして働き(例えば、図1を参照のこと)、または同様に、上面リム52、503は、二次ヒートシンクとして働く(例えば、図8および図18を参照のこと)。
【0058】
図16および図18に示すように、本発明は、ガラスカバー800を上面リム503に固定するのに役立つキャップリム509を含む。
【0059】
[主筐体、プラスチック筐体、およびランプベース]
主筐体57、501は、アルミニウム、銅、亜鉛、または任意の他の高熱伝導性材料など、熱伝導性材料から作製される。主筐体57、501は、一次ヒートシンクとして働く(例えば、図8および図17を参照のこと)。図8および図17に示すように、主筐体57、501は、1つまたは複数のフィン58もしくは570を有することが可能であり、かつ/またはその熱放散容量を高めるために、その表面積を増大させる円錐形のような形状をとることが可能である。主筐体57、501は実質的に、形状が円錐台形であってよい。主筐体はまた、形状が円筒形であっても、または立方体形であってもよい。
【0060】
本発明の態様においては、主筐体57、501の1つの端部は、プラスチック筐体700と結合され、プラスチック筐体700は、ランプベース701(例えばE26ランプベース、GU10ランプベース、E27ランプベース、GU24ランプベース)に結合されている。プラスチック筐体700は、主回路基板を含み、このような主回路基板を主筐体57、501から電気的に絶縁する。
【0061】
当業者は、主筐体は、図1〜図6に説明した本発明の態様と関連して使用可能であり、プラスチック筐体700およびランプベース701は、図1〜図6および図8〜図13に示した本発明の態様とともに使用可能であることを理解するであろう。
【0062】
具体的な実施形態を本明細書に示し、説明してきたが、当業者は、様々な代替の実装および/または等価な実装が、本発明の範囲から逸脱することなく、示しかつ説明した具体的な実施形態の代わりになり得ることを理解するであろう。本願は、本明細書に論じた具体的な実施形態のいずれの適応または変形をもカバーするように意図される。そのため、本発明が、その特許請求の範囲およびその等価物によってのみ限定されることを意図している。
【符号の説明】
【0063】
1 照明器具
2 熱伝導体
3 上面リム
4 反射体
5 取付け用プラットフォーム
6 LED
7 金属コアPCB
8 ヒートパイプ
9 クラッド
10 小断面
50 照明器具
51 熱伝導体
52 上面リム
53 反射体
54 取付け用プラットフォーム
55 LED
56 ヒートパイプ
57 主筐体
58 熱放散フィン
59 クラッド
60 PCB
62 空隙
63 反射体縁部
90 熱伝導体
91 LED
92 取付け用プラットフォーム
93 クラッド
100 熱伝導体
101 ヒートパイプ
102 取付け用プラットフォーム
103 LED
300 中心光学軸
500 照明器具
501 主筐体
502 反射体
503 上面リム
504 LED
509 キャップリム
520 スロット
521 スロット
530 取付け用プラットフォーム
531 取付け用プレート
550 金属クラッド
570 フィン
700 プラスチック筐体
701 ランプベース
800 ガラスカバー
900 接続点
901 接続点
910 接続点
911 接続点
1000 熱伝導体
1001 中間部分
1002 湾曲した翼状部分
1003 湾曲した翼状部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主筐体と、
前記主筐体内に配設され、前面側および背面側を有する反射体と、
前記主筐体の1つの端部に熱的に結合された上面リムと、
前記反射体の前記前面側に面するように位置決めされた熱伝導体であって、前記上面リムに熱的に結合されたヒートパイプを備える、熱伝導体と、
前記熱伝導体に熱的に結合された少なくとも1つの発光ダイオードであって、前記少なくとも1つの発光ダイオードから放出される光が前記反射体の前記前面側に方向付けられるように、前記反射体の前記前面側に直接的に面するように位置決めされている少なくとも1つの発光ダイオードと
を備える、照明器具。
【請求項2】
前記熱伝導体は、実質的にS字形状であり、棒形状の中間部分と、前記中間部分から延び、それぞれが前記上面リムに結合されている湾曲した翼状部分とを備える、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記熱伝導体は、前記少なくとも1つの発光ダイオードから前記上面リムに向かって流れる熱に経路をもたらす、請求項1に記載の照明器具。
【請求項4】
前記反射体は、中心光学軸を有し、前記照明器具は、
前記熱伝導体に結合され、且つ前記反射体の前記中心光学軸に隣接して、または前記中心光学軸に位置決めされ、前記少なくとも1つの発光ダイオードに熱的に結合された取付け用プラットフォームをさらに備える、請求項1に記載の照明器具。
【請求項5】
前記取付け用プラットフォームは、銅またはアルミニウムから作製される、請求項4に記載の照明器具。
【請求項6】
前記熱伝導体は、棒形状であり、前記熱伝導体の少なくとも1つの端部は、前記上面リムに熱的に結合されている、請求項1に記載の照明器具。
【請求項7】
前記反射体は、中心光学軸を有し、前記熱伝導体の1つの端部は、前記反射体の前記中心光学軸に隣接して、または前記中心光学軸に位置決めされ、前記少なくとも1つの発光ダイオードに熱的に結合されている、請求項6に記載の照明器具。
【請求項8】
前記熱伝導体の少なくとも実質的な部分に結合された金属クラッドをさらに備える、請求項1に記載の照明器具。
【請求項9】
前記金属クラッドは、ステンレス鋼、アルミニウム、または銅から作製される、請求項8に記載の照明器具。
【請求項10】
前記反射体は、双曲線、楕円、または放物線の形状にある、請求項1に記載の照明器具。
【請求項11】
前記上面リムは、円形であり、熱伝導性材料から作製される、請求項1に記載の照明器具。
【請求項12】
前記主筐体は実質的に、形状が円錐台形、円筒形、または立方体形であり、熱伝導性材料から作製される、請求項1に記載の照明器具。
【請求項13】
前記主筐体は、1つまたは複数の熱放散フィンを備える、請求項1に記載の照明器具。
【請求項14】
前記主筐体に結合されたプラスチック筐体と、
前記プラスチック筐体に結合されたランプベースと
をさらに備える、請求項12に記載の照明器具。
【請求項15】
前記ランプベースは、E26ランプベース、GU10ランプベース、E27ランプベース、またはGU24ランプベースである、請求項14に記載の照明器具。
【請求項16】
前記少なくとも1つの発光ダイオードに熱的に結合された取付け用プレートと、
前記取付け用プレートおよび前記熱伝導体に熱的に結合された取付け用プラットフォームと
をさらに備える、請求項1に記載の照明器具。
【請求項17】
前記取付け用プレートは、銅から作製される、請求項16に記載の照明器具。
【請求項18】
前記上面リムに結合されたガラスカバーをさらに備え、前記ガラスカバーは、外部環境から、前記反射体と、前記熱伝導体と、前記少なくとも1つの発光ダイオードとを少なくともカバーする、請求項1に記載の照明器具。
【請求項19】
全体的に円錐台形状の主筐体と、
前記主筐体内に配設され、前面側、背面側、および中心光学軸を有する円錐形状の反射体と、
前記主筐体に結合された円形上面リムと、
前記円錐形状の反射体の前記前面側に面するように位置決めされた実質的にS字形状のヒートパイプであって、前記円錐形状の反射体の前記中心光学軸に、または前記中心光学軸に隣接して配置された取付け用プラットフォームを備える中間部分、および前記中間部分のそれぞれの端部にそれぞれ結合され、前記上面リム内に結合された2つの湾曲した翼状部分を含む、実質的にS字形状のヒートパイプと、
前記取付け用プラットフォームに熱的に結合された少なくとも1つの発光ダイオードであって、前記少なくとも1つの発光ダイオードから放出される光が前記円錐形状の反射体の前記前面側に方向付けられるように、前記円錐形状の反射体の前記前面側に直接的に面するように位置決めされた少なくとも1つの発光ダイオードと
を備える、照明器具。
【請求項20】
前記少なくとも1つの発光ダイオードと、前記取付け用プラットフォームとに結合された金属コアPCBをさらに備える、請求項19に記載の照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2011−521460(P2011−521460A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509828(P2011−509828)
【出願日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際出願番号】PCT/CA2009/000689
【国際公開番号】WO2009/140761
【国際公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(511020818)ホエジョウ・ライト・エンジン・リミテッド (6)
【Fターム(参考)】