説明

ビオチンまたはビオチン誘導体との少なくとも1つの共有結合を含む低分子量ヘパリン、これらの作製方法およびそれらの使用。

本発明は、ビオチンまたはビオチン誘導体との少なくとも1つの共有結合を、還元末端に含む低分子量ヘパリンに関し、これらの調製方法およびそれらの治療的使用、ならびに前記ビオチン化低分子量ヘパリンの中和用にアビジンまたはストレプトアビジンを実行する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビオチンまたはビオチン誘導体との少なくとも1つの共有結合を含む、低分子量ヘパリン、より一般的にはヘパリノイド系多糖類の混合物、に関し、さらにこれらの調製方法、これらを含む医薬組成物およびそれらの治療的使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
ヘパリンは、動物起源の硫酸化ムコ多糖類の混合物であり、分子量およそ15000ダルトン(Da)ほどであり、特に、その抗凝血性および抗血栓性のために使用される。しかし、ヘパリンは、この使用条件が限られているという欠点がある。具体的には、その高い抗凝血活性(特にその高い抗第IIa因子活性)は、出血を引き起こすことがある(Seminars in Thrombosis and Hemostasis、vol.5、sup.3、1999年)。
【0003】
特にヘパリンエステルの塩基性解重合により得られ、現在市販されている、エノキサパリンなどの、例えば、3000から7000Daの間、より特別には3500から5500ダルトンの間の低分子量ヘパリンもまた、高い抗第IIa因子活性を有する。
【0004】
ヘパリン誘導体は、これらの望ましくない出血性副作用で知られている。しかし、上記の製品による血栓治療の分野において、目的は、血液の流動性を回復するまたは維持すると同時に、出血の誘導を避けることである。実際は、何らかの不測の理由で、治療下の患者に出血が誘発され得ることは周知である。抗血栓治療下の患者に外科手術の実施が必要となることがある。さらに、特定の外科手術の過程において、血液の凝固を防ぐために高用量の抗凝血剤が使用されることがあり、手術の終わりにこれらを中和することができることが有用である。したがって、いつでも抗凝血剤活性を停止するための、中和可能な抗血栓剤が必要である。
【0005】
ビオチン化合成多糖類などの中和可能な抗血栓剤が、特許出願WO02/24754およびWO06/030104に記載されている。上記多糖類それ自体にではなく、これらの多糖類の保護された同等物に実施された、特にビオチンまたはビオチン誘導体をグラフトすることを含むそれらの合成は、本発明の化合物には適用できない。この理由は、ヘパリン系多糖類の混合物であり、したがって不均一生成物である最終生成物にビオチン化を実施することが望ましく、上述の特許出願に記載されたビオチンの最終生成物へのグラフトは、グラフト位置の十分な位置選択性を誘導できず、低分子量ヘパリンの官能化可能な多糖類鎖を全てビオチン化することはできないということである。
【0006】
Osmondらのチームは、Analytical Biochemistry、31(2002)199−207頁に、ブタヘパリンのビオチン化に関するいくつかの技術を記載し、このうちの1つは、還元的アミノ化およびこれに続くビオチンとのカップリングを介した、ヘパリンの還元末端におけるビオチンのカップリングを含むと記載されている。しかし、前記文献に記載された操作条件では、ビオチン化ヘパリンを完全および再生可能に得ることはできず、これらの操作条件は、ヘパリンの構造多様性および市販のヘパリンに存在する、多糖類鎖の実際の構造を考慮に入れていない。後者のヘパリンは、還元末端に分解グリコセリン(glycoserine)を含む多糖類鎖の大部分を含み、これはOsmondらにより記載されたプロトコルに従ってビオチンを用いて官能化することはできない。したがって、前記公報に記載された、ブタヘパリンのビオチン化に関する操作条件では、効果的な中和を可能にするために十分なビオチン化度などの、期待された特性を有しつつ、完全にまたは再生可能に得られるようにヘパリンをビオチン化できない。
【0007】
Tsengらのチームは、Biomaterials、27(2006)、2627−2636頁に、ヘパリンを、ビオチンを用いて官能化した後、アビジンとの相互作用によってフィルム上にヘパリンを固定する技術を記載している。ヘパリンのビオチン化は、ヨウ素を用いた酸化、これに続くラクトンの形成、次いでビオチン2−(4−アミノフェニル)エチルアミン誘導体とのカップリングを介して実施される。しかし、Tsengらにより提示された操作条件は、還元末端においてビオチン化されたヘパリンの、完全な作製および再生可能な作製を前提としておらず、特に、酸化ステップが還元末端に関して選択的であり得る、またはヘパリンの生物活性がそのような処理後に保存されることを全く示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第02/24754号パンフレット
【特許文献2】国際公開第06/030104号パンフレット
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Seminars in Thrombosis and Hemostasis、vol.5、sup.3、1999年
【非特許文献2】Osmondら、Analytical Biochemistry、31(2002)199−207頁
【非特許文献3】Tsengら、Biomaterials、27(2006)、2627−2636頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本出願者は、アビジンまたストレプトアビジンにより中和され得、出発低分子量ヘパリンに匹敵する、生物特性、特に、抗第Xa因子活性および抗第IIa因子活性を有する、新規な低分子量ヘパリンを提供することそれ自体を目的として設定した。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、これ以降「ビオチン化低分子量ヘパリン」と称される、新規な修飾された低分子量ヘパリンに関し、これらは3000から7000Daの間の平均分子量を有し、これらの構成多糖類は、これらの還元末端においてビオチンまたはビオチン誘導体と共有結合していることを特徴とする。
【0012】
驚くことに、ビオチンまたはビオチン誘導体の、多糖類鎖の還元末端における導入は、低分子量ヘパリンの薬理学的活性を修飾しない。特に本発明の目的である新規なビオチン化低分子量ヘパリンは、ネイティブな低分子量ヘパリン、すなわちビオチン化される前のヘパリンに匹敵する抗血栓活性を有する。
【0013】
前記新規なビオチン化低分子量ヘパリンは、ネイティブな低分子量ヘパリンを上回るかなりの有利性を有し、緊急の場合、前記新規なビオチン化低分子量ヘパリンは特定の解毒剤を用いて迅速に中和され得る。この特定の解毒剤は、四量体または単量体のアビジンまたはストレプトアビジンであり、それぞれ約66000、16400および60000Daに等しい質量を有する(The Merck Index、第12版、1996年、M.N.920、151−152頁;改訂Pierce Avidin−Biotin Handbook)。
【0014】
前記新規なビオチン化低分子量ヘパリンは、使用される用量が多くなっても、同時に出血の危険性は低減されるという、治療指標において有用な有利性をさらに有し、したがって、前記新規なビオチン化低分子量ヘパリンは動脈治療の分野において有用であり得る。
【0015】
本発明の文脈において、「低分子量ヘパリン」という用語は、ヘパリンの構成多糖類の一般的構造を有する硫酸化多糖類の混合物を意味し、これらは3000から7000Daの平均分子量を有し、ヘパリンの解重合によって得られる。本文においてこれ以降、「低分子量ヘパリン」または「ネイティブな低分子量ヘパリン」という用語はビオチン化される前の多糖類混合物を表し、それに対して「ビオチン化低分子量ヘパリン」という用語は、ビオチンまたはこれの誘導体との共有結合を含む、本発明に従った化合物を表す。
【0016】
「還元末端」という用語は、末端のグルコサミンまたはマンノサミン(グルコサミンの塩基性媒体におけるエピマー化によりもたらされるマンノサミン)が、以下の式(II):
【0017】
【化1】

[式中、
−Xは、HまたはSONaを表し、
−Yは、COCHまたはSONaを表し、
−波線は、これが結合しているピラノース環平面の下または上のいずれかに位置する結合を表す(下:グルコサミン、上:マンノサミン)。]
に対応する、環状ヘミアセタール官能基を有する多糖類鎖の末端を表す。
【0018】
本発明に使用できる低分子量ヘパリンの中で、これらのいくつかは、これらの多糖類鎖の少なくとも75%が、これらの還元末端にヘミアセタール型のグルコサミンを含むようであり得、それらは混合物の官能化可能な多糖類である。混合物中に存在する特定の多糖類鎖は、25%以下の含有量までは、1,6−無水型であってもよく、このような多糖類はビオチンまたはビオチン誘導体により官能化できない。
【0019】
混合物の「官能化可能な構成多糖類」という用語は、式(II)で定義されるヘミアセタール型のグルコサミンを、還元末端に含む多糖類を意味する。
【0020】
「ヘパリンの構成多糖類」という用語は、ウロン酸残基(D−グルコロン酸またはL−イズロン酸)およびD−グルコサミン残基を含む二糖類単位の反復を特徴とする多糖類を意味し、D−グルコサミンはN−硫酸化またはN−アセチル化されていてもよい。また、二糖類単位は、D−グルコサミンのC6および/またはC3位において、ならびにウロン酸のC2位において、O−硫酸化されていてもよい(Heparin−binding proteins、H.Edward Conrad、1998年、1頁)。
【0021】
本発明に従ったビオチン化低分子量ヘパリンは、これらの構成多糖類が、式(I):
【0022】
【化2】

[式中、
−iは0または1に等しく、
−R1は、式(a)または(b):
【0023】
【化3】

{式中、jおよびkは、同一でありまたは異なってよく、1から10の任意の値をとり得る整数である。}の連鎖を表し、
−Biotは、ビオチン基またはビオチン誘導体を表し、
−PEは、ヘパリンの構成多糖類の一般式を有する多糖類鎖を表し、
−XはHまたはSONaを表し、
−YはSONaまたはCOCHを表し、
−波線は、これが結合しているピラノース環平面の下または上のいずれかに位置する結合を表す。]
およびこれらの薬学的に許容される塩、
に対応することを有利に特徴とする。
【0024】
上述のビオチン(Biot)基は、ヘキサヒドロ−2−オキソ−1H−チエノ[3,4−d]イミダゾール−4−ペンタン酸に由来する基である。有利なことに、本発明に従った一般式(I)のBiot基は、式(c):
【0025】
【化4】

に対応する。
【0026】
ビオチン誘導体は、市販されており、(「Pierce」ビオチン−アビジン製品カタログ、2005年、7−11頁)または当業者に公知の標準的方法を使用して調製できる。特に、特許出願WO02/24754に述べられたビオチン誘導体を挙げることができる。
【0027】
本発明に従ったビオチン化低分子量ヘパリンにおいて、添字iは、0に等しくてもよく、この場合ビオチンまたはビオチン誘導体との結合は、多糖類鎖の還元末端の単糖類単位により担持されるアミン官能基に直接行われる。
【0028】
または、iは1に等しくてもよく、ビオチン基またはビオチン誘導体との結合は、例えば、上記の式(a)の連鎖からなっていてもよく、式中、jは5に等しい、または、上記の式(b)の連鎖からなっていてもよく、式中、jおよびkは同一であり、5に等しい。したがって、上記の式(I)において、R1は、例えば、式−CO−(CH−NHまたは−CO−(CH−NH−CO−(CH−NH−の連鎖を表し得る。
【0029】
本発明に従ったビオチン化低分子量ヘパリンは、これらの構成多糖類の少なくとも60%、有利には少なくとも80%、さらにより有利には少なくとも90%が、還元末端に、ビオチンまたはビオチン誘導体との共有結合を有するものである。
【0030】
本発明に使用される低分子量ヘパリンは、例えば、エノキサパリン、アルデパリン、ベミパリン、パルナパリンおよびチンザパリンから選択され得る。
【0031】
特許US5389618およびUS RE38743に定義されているように、本発明に使用される低分子量ヘパリンは、特に:
−これらの構成多糖類の9%から20%は、2000Da未満の平均分子量を有し、
−これらの構成多糖類の5%から20%は、8000Daを超える平均分子量を有し、
−これらの構成多糖類の60%から86%は、2000から8000Daの間の平均分子量を有し、
−質量平均分子量と数平均分子量の間の比は、1.3から1.6の間であり、
−前記低分子量ヘパリンは、ヘパリンより優れた生物学的利用能および抗血栓活性を有し、約3500から5500Daの間の平均分子量を有する、
ものであり得る。
【0032】
本発明は、ビオチン化低分子量ヘパリンであって、これらの薬学的に許容される塩のいかなるものの形態のものも目的とする。
【0033】
本発明の目的は、さらに、
a)アミン塩および還元剤の存在下で、温度20から80℃の間で、上記に定義された低分子量ヘパリンに還元的アミノ化を実施すること、
b)その後、活性化基−(R1)−Biot−(式中、R1、iおよびBiotは上記の式(I)に関して定義された通りである)を用いて、水性媒体または有機媒体中に塩基が存在する状態でアシル化を実施すること、
を特徴とする、上述のビオチン化低分子量ヘパリンの調製方法である。
【0034】
上記の調製方法のステップは、分析的なHPLCモニタリング、特にSAX型によって、例えば、特許出願WO2004/027087に記載された方法を使用して、または場合によってLC−MSを介して、例えば、Robert J.LinhardtによりJ.Biol.Chem.、2004、279(4)、2608−2615頁に記載された方法を使用して検査され得る。
【0035】
ビオチン化低分子量ヘパリンは、Pierce社から販売されている、支持された単量体アビジンに対するアフィニティークロマトグラフィーにより、供給業者により記載された分析条件に従って分析および特徴づけされ得る。
【0036】
還元的アミノ化のステップa)の後で、前記低分子量ヘパリンの構成的多糖類の少なくとも90%が、これらの還元末端に−NH官能基を担持することが、特に確認される(アミノ還元多糖類)。
【0037】
アシル化のステップb)の後で、前記アミノ還元多糖類の少なくとも90%がビオチン化されることが、特に確認されている。
【0038】
本発明に従ったビオチン化低分子量ヘパリンの調製方法の全収率は、したがって少なくとも80%、有利には少なくとも90%である。
【0039】
本発明に従った化合物の調製方法は、出発低分子量ヘパリン(「ネイティブな」低分子量ヘパリン)として、以前に文献に報告された通りに調製された低分子量ヘパリンを使用する。特に、エノキサパリンに関しては特許US RE38743、アルデパリンに関してはUS4757057、ベミパリンに関してはEP0293539、パルナパリンに関してはUS4791195およびチンザパリンに関してはUS5106734を参照されたい。
【0040】
上記の調製方法の還元的アミノ化のステップa)において、アミン塩は、四量体アミン塩であってよく、式NHZ(式中、Zは塩素、フッ素、臭素またはヨウ素原子などのハロゲン原子を表す)に対応するハロゲン化アンモニウム塩であることが有利である。
【0041】
上記の調製方法の還元的アミノ化のステップa)において、還元剤は、水素化ホウ素塩、例えばシアノ水素化ホウ素塩であってよい。
【0042】
上記の調製方法の還元的アミノ化のステップa)において、温度は50から80℃の間が有利である。
【0043】
上記の調製方法のアシル化のステップb)において、塩基は、炭酸塩または炭酸水素塩、特にナトリウム塩またはカリウム塩の形態であってよく、または当業者に公知の任意の水溶性または有機物可溶性の有機塩基であってよい。
【0044】
上記の調製方法のアシル化のステップb)において、「有機媒体」という用語は、例えば、ジクロロメタンまたはジメチルホルムアミドを意味する。
【0045】
本発明に従ったビオチン化低分子量ヘパリンの調製方法は、以下のステップ:
a)ハロゲン化アンモニウム塩および水素化ホウ素塩の存在下で、温度50から80℃の間で、低分子量ヘパリンに還元的アミノ化を実施するステップ、
b)その後、上で定義された−(R1)−Biot基の活性化エステル型を用いて、水性媒体中に塩基が存在する状態で、アシル化を実施するステップ、
を有利に含む。
【0046】
上記で定義されたビオチン化誘導体−(R1)−Biotは、活性化エステルの形態でアシル化反応に直接使用でき、インサイツで、当業者に公知の標準的カップリング条件を使用して、実施または生成できる。N−ヒドロキシスクシンイミド誘導体または3−スルホ−N−ヒドロキシスクシンイミド誘導体の形態の活性化エルテルが、特に使用できる。
【0047】
本発明に従った調製方法をスキーム1に例示する。
【0048】
【化5】

【0049】
スキーム1によれば、低分子量ヘパリンは還元的アミノ化に供され、還元末端に遊離のアミノ官能基を含む誘導体Aが、アミン塩および水素化ホウ素塩などの還元剤の存在下で、生成される。
【0050】
この誘導体は、その後、上で定義された活性化ビオチン誘導体、−(R1)−Biotとの反応を介して、塩基の存在下でアシル化され、ビオチン化誘導体Bが提供され得る。この反応は、例えば、R1が−CO−(CH−NH−CO−(CH−NHの連鎖を表す場合、エステルである3−スルホスクシンイミジル6−ビオチンアミドヘキサノイルヘキサノエートのナトリウム塩を用いて、R1が−CO−(CH−NH−の連鎖を表す場合、エステルである3−スルホスクシンイミジル6−ビオチンアミドヘキサノエートのナトリウム塩を用いて、またはR1が存在しない場合(i=0)、ビオチノイル−3−スルホスクシンイミジルエステルのナトリウム塩を用いて、実施され得る。
【0051】
スキーム1において、誘導体AおよびBは、実際には多糖類鎖の混合物の低分子量ヘパリンであるので、理論表示であることを理解されたい。
【0052】
本文においてこれ以降、本発明に従ったビオチン化低分子量ヘパリンの合成例およびこれらを得るために有用である様々な中間体の合成例を、例示として詳述する。
【0053】
以下の略語が使用される:
HPLC:高速液体クロマトグラフィー、
SAX:強陰イオン交換クロマトグラフィー、
LC−MS:液体クロマトグラフィー−質量分析法、
qs:十分量、
LC:長鎖、6−アミノヘキサノイルの連鎖に対応する
LC−LC:2つのLCの連鎖を表し、アミドヘキサノイル−6−アミノヘキサノイルの連鎖に対応する、
スルホ−NHS:3−スルホスクシンイミジルエステルのナトリウム塩、
ヘパリナーゼ1:フラボバクテリウム・ヘパリナム(Flavobacterium heparinum)由来のヘパリン・リアーゼI酵素(EC4.2.2.7)
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】実施例1に従った、エノキサパリンの変換の、HPLC SAXによる反応モニタリングを例示した図である。
【図2】アビジン単量体を支持したカラムに、実施例1に従って得られた生成物を通した後に得られたビオチン化分画および非ビオチン化分画の、HPLC SAXによる分析を例示した図である。
【図3】アビジン単量体を支持したカラムに、実施例2に従って得られた生成物を通した後に得られたビオチン化分画および非ビオチン化分画の、HPLC SAXによる分析を例示した図である。
【図4】アビジン単量体を支持したカラムに、実施例3に従って得られた生成物を通した後に得られたビオチン化分画および非ビオチン化分画の、HPLC SAXによる分析を例示した図である。
【実施例1】
【0055】
NH LCビオチノイルエノキサパリン
エノキサパリンは、特許US RE38743に記載された方法に従って得られた低分子量ヘパリンである。これは、スキーム2の反応順序に従って、ビオチン化誘導体に変換される。つまり、エノキサパリンは、還元的アミノ化反応を介して、還元末端にアミノ官能基を有する化合物1に変換され、この誘導体は、その後、3−スルホスクシンイミジル6−ビオチンアミドヘキサノエートのナトリウム塩との反応を介して、ビオチン化化合物2に変換される。
【0056】
【化6】

【0057】
1.1:1−アミノエノキサパリン
1gのエノキサパリンを、40mlの5Mの塩化アンモニウム水溶液に溶解する。1gのシアノ水素化ホウ素ナトリウムを、得られた溶液に加える。混合物を、60℃で24時間維持する。溶液を、約20℃の温度に冷却し、水で希釈する(qs 100ml)。得られたろ液を、Sephadex G10カラムで脱塩し、その後凍結乾燥する。824mgの白い凍結乾燥物が得られる。実際の収率は82%である。生成物は、HPLC SAX(図1を参照されたい。)により検査され、さらなる精製をせずにビオチン化ステップに使用される。
【0058】
1.2:NH LC ビオチノイルエノキサパリン
200mgの1−アミノエノキサパリンを、5mlの0.5M炭酸水素ナトリウム溶液に、約20℃の温度で溶解する。136mgのスルホ−NHS−LC−ビオチンを、得られた溶液に加える。溶液を、約20℃の温度で1時間攪拌する。得られた懸濁液を、10mlの0.5M炭酸水素ナトリウム溶液で希釈する。136mgのスルホ−NHS−LC−ビオチンを加え、得られた混合物を、18時間攪拌する。さらに136mgのスルホ−NHS−LC−ビオチンを加え、反応混合物を1時間攪拌する。さらに70mgのスルホ−NHS−LC−ビオチンを加え、反応混合物を3時間攪拌する。得られた反応媒体を、水(qs 200ml)で希釈し、0.45μmのメンブランでろ過し、その後Sephadex G10カラムで脱塩する。得られた分画を、Q−Sepharoseカラムに注入する。生成物を水およびその後過塩素酸ナトリウムで勾配をかけて溶出する。回収された分画を、Sephadex G10カラムで脱塩する。得られた生成物をQ−Sepharoseカラムを通すことによって、再度精製し、Sephadex G10で脱塩する。回収された最終分画を凍結乾燥する。190mgの白い凍結乾燥物が得られる。実際の収率は87%である。
O(25℃,δ(ppm))中でのオリゴ糖混合物のH NMRスペクトル:1.3−1.8(12H,m)、2.05(CHCO,s)、2.25(2CHCOビオチン,m)、2.80(1H,d,12Hz)、3.03(1H,dd,12および5Hz)、3.15−5.65(多糖類プロトン)、5.99(1H,d,4Hz)。
【0059】
得られた生成物はHPLC SAXによって検査される。図1(図面1/4)は、還元的アミノ化反応を介して、エノキサパリンが、還元末端にアミノ官能基を有する誘導体1へ変換されたことのHPLC SAXによる反応モニタリングを例示する(スキーム2を参照されたい。)。その後、この誘導体は、3−スルホスクシンイミジル6−ビオチンアミドヘキサノエートのナトリウム塩との反応を介して、ビオチン化誘導体2に変換される。使用された分析方法は、特許出願国際公開第2004/027087号パンフレットに記載されている。図1は、官能化可能なグルコサミンを含む種が、90%を超える変換度で、還元末端にアミノ官能基を含む誘導体に変換され、1−アミノエノキサパリンが得られたことを示す。図1はまた、還元末端にアミノ官能基を含む種が、3−スルホスクシンイミジル6−ビオチンアミドヘキサノエートのナトリウム塩との反応を介して、90%を超える変換度で、ビオチン化誘導体に変換され、NH LCビオチノイルエノキサパリンが得られたことも示す。
【0060】
例として、図1は、実施例1に従って得られたオリゴ糖混合物中に存在する、主要化合物に対応するピークを示し、その構造を以下に表す(使用された命名法は、特許出願国際公開第2004/027087号パンフレットの命名法と同じである)。
【0061】
LC−MS分析により、これらの化合物の構造を、酸性型の生成物に対応する質量分析を介して確認することができる:Δlslsld m/z=1154;Δlslsldlsld m/z=1731;Δlslsldlsldlsld m/z=2308;Δlslsld1,6−anhydro m/z=1056;Δlslsldlsld1,6−anhydro m/z=1633;Δlslsldlsldlsld1,6−anhydro m/z=2210;Δlslsld NH m/z=1155;Δlslsldlsld NH m/z=1732;Δlslsldlsldlsld NH m/z=2309;Δ lslsld NH LC Biot m/z=1494;Δlslsldlsld NH LC Biot m/z=2071;Δ lslsldlsldlsld NH LC Biot m/z=2648。
【0062】
【化7】

【0063】
さらに、実施例1に従って得られた生成物は、アビジン単量体を支持したカラムに注入され得る。供給業者のPierceにより記載された条件に従って、溶出を実施する。このようにして得られた、ビオチン化分画(アビジンに対する親和性を有する)および非ビオチン化分画(アビジンに対する親和性はない。)は、その後、HPLC SAXに注入される(図2、図面2/4を参照されたい。)。図2は、アビジン単量体を支持したカラムに通した後に得られた、ビオチン化分画および非ビオチン化分画の、HPLC SAXによる分析を例示している。図2は、官能化可能なグルコサミンを含む種が、90%を超える変換度で、対応するビオチン化種に変換されていることを示す。親和性のない分画は、主に1,6−無水誘導体で構成され、これらの1,6−無水誘導体は性質上、ビオチン化誘導体には変換され得ない。主要なピークのいくつかの構造は、得られた生成物を特徴づける例として示す(上に例示された構造を参照されたい。)。
【実施例2】
【0064】
NHビオチノイルエノキサパリン
米国再発行特許第38743号明細書に記載された方法に従って得られた低分子量ヘパリンである、エノキサパリンは、スキーム3に記載された反応順序に従ってビオチン化誘導体に変換される。つまり、エノキサパリンは、還元的アミノ化反応を介して、その還元末端にアミノ官能基を含む化合物1に変換され、その後、この誘導体は、ビオチノイル−3−スルホスクシンイミジルエステルのナトリウム塩との反応を介して、ビオチン化化合物3に変換される。
【0065】
【化8】

【0066】
200mgの1−アミノエノキサパリンを、5mlの0.5M炭酸水素ナトリウム溶液に、約20℃の温度で溶解する。107mgのスルホ−NHS−ビオチンを、得られた溶液に加える。溶液を、約20℃の温度で1時間30分攪拌する。得られた懸濁液を、10mlの0.5M炭酸水素ナトリウム溶液で希釈する。107mgのスルホ−NHS−ビオチンを加え、得られた混合物を、3時間攪拌する。得られた反応媒体を、水(qs 150ml)で希釈し、0.45μmのメンブランでろ過し、その後、Q−Sepharoseカラムに注入する。生成物を水および次いで過塩素酸ナトリウムで勾配をかけて溶出する。回収された分画を、Sephadex G10カラムで脱塩する。回収された分画を凍結乾燥する。190mgの白い凍結乾燥物が得られる。実際の収率は90%である。
【0067】
得られた生成物はHPLC SAXによって検査され(図3、図面3/4「包括的」グラフを参照されたい。)、還元末端にアミノ官能基を含む種が、ビオチノイル−3−スルホスクシンイミジルエステルのナトリウム塩との反応を介して、90%を超える変換度で、ビオチン化誘導体に変換されていることが確認されている。
O(25℃,δ(ppm))中でのオリゴ糖混合物のH NMRスペクトル:1.4−1.8(6H,m)、2.05(CHCO,s)、2.3(CHCOビオチン,m)、2.80(1H,dd,12および7Hz)、3.03(1H,m)、3.20−5.65(多糖類プロトン)、5.98(1H,d,4Hz)。
【0068】
実施例2に従って得られた生成物は、アビジン単量体を支持したカラムに注入される。供給業者のPierceにより記載された条件に従って、溶出を実施する。得られたビオチン化分画(アビジンに対する親和性を有する)および非ビオチン化分画(アビジンに対する親和性はない。)は、その後、HPLC SAXに注入される(図3、図面3/4を参照されたい。)。親和性のない分画は、主に1,6−無水誘導体で構成され、これらの1,6−無水誘導体は性質上、ビオチン化誘導体には変換され得ない。
【0069】
例として、図3に、オリゴ糖混合物の特定の主要化合物の構造を記載する。参照される構造を以下に表す。
【0070】
LC−MS分析により、それらの化合物の構造を、酸性型の生成物に対応する質量分析を介して確認することができる:Δlslsld1,6−anhydro m/z=1056;Δlslsldlsldl,6−anhydro m/z=1633;Δlslsldlsldlsldl,6−anhydro m/z=2210;Δlslsld NH Biot m/z=1381;Δlslsldlsld NH Biot m/z=1958;Δlslsldlsldlsld NH Biot m/z=2535。
【0071】
【化9】

【実施例3】
【0072】
NH−LC−LC ビオチノイルエノキサパリン
米国再発行特許第38743号明細書に記載された方法に従って得られた低分子量ヘパリンである、エノキサパリンは、スキーム4に記載された反応順序に従ってビオチン化誘導体に変換される。つまり、エノキサパリンは、還元的アミノ化反応を介して、還元末端にアミノ官能基を含む化合物1に変換され、その後、この誘導体は、エステルの3−スルホスクシンイミジル6−ビオチンアミドヘキサノイルヘキサノエートのナトリウム塩との反応により、ビオチン化化合物4に変換される。
【0073】
【化10】

【0074】
200mgの1−アミノエノキサパリンを、5mlの0.5M炭酸水素ナトリウム溶液に、約20℃の温度で溶解する。164mgのスルホ−NHS−LC−LC−ビオチンを、得られた溶液に加える。溶液を、約20℃の温度で2時間攪拌する。懸濁液を、10mlの0.5M炭酸水素ナトリウム溶液で希釈する。164mgのスルホ−NHS−LC−LC−ビオチンを加え、得られた混合物を、5時間攪拌する。得られた反応媒体を、水(qs 150ml)で希釈し、0.45μmのメンブランでろ過し、その後Q−Sepharoseカラムに注入する。生成物を水および次いで過塩素酸ナトリウムで勾配をかけて溶出する。回収された分画を、Sephadex G10カラムで脱塩する。回収された分画を凍結乾燥する。210mgの白い凍結乾燥物が得られる。実際の収率は92%である。
【0075】
得られた生成物はHPLC SAXによって検査され(図4、図面4/4「包括的」グラフを参照されたい。)、還元末端にアミノ官能基を含む種が、3−スルホスクシンイミジル6−ビオチンアミドヘキサノイルヘキサノエートのナトリウム塩との反応を介して、90%を超える変換度で、ビオチン化誘導体に変換されていることが確認されている。
O(25℃,δ(ppm))中でのオリゴ糖混合物のH NMRスペクトル:1.3−1.8(16H,m)、2.05(CHCO,s)、2.25(6H,m)、2.80(1H,dd,12および7Hz)、3.03(1H,m)、3.20−5.65(多糖類プロトン)、5.98(1H,d,4Hz)。
【0076】
実施例3に従って得られた生成物は、アビジン単量体を支持したカラムに注入される。供給業者のPierceにより記載された条件に従って、溶出を実施する。得られたビオチン化分画(アビジンに対する親和性を有する)および非ビオチン化分画(アビジンに対する親和性はない。)は、その後、HPLC SAXに注入される(図4を参照されたい。)。親和性のない分画は、主に1,6−無水誘導体で構成され、これらの1,6−無水誘導体は性質上、ビオチン化誘導体には変換され得ない。
【0077】
主要化合物の構造は、LC−MSカップリングにより確認される。
【0078】
例として、図4に、オリゴ糖混合物の特定の主要化合物の構造を記載する。参照される構造を以下に表す。
【0079】
LC−MS分析により、上記の化合物の構造を、酸性型の生成物に対応する質量分析を介して確認することができる:Δlslsld1,6−anhydro m/z=1056;Δlslsldlsld1,6−anhydro m/z=1633;Δlslsldlsldlsld1,6−anhydro m/z=2210;
Δlslsld NH LC LC Biot m/z=1607;Δlslsldlsld NH LC LC Biot m/z=2184;Δlslsldlsldlsld NH LC LC Biot m/z=2761。
【0080】
【化11】

【実施例4】
【0081】
NH−LC ビオチノイルチンザパリン
ヘパリナーゼ1を用いた処理により得られる、約6000ダルトンの低分子量ヘパリンである、チンザパリンもまた、スキーム5に記載された反応順序に従ってビオチン化誘導体に変換され得る。つまり、チンザパリンは、還元的アミノ化反応を介して、還元末端にアミノ官能基を含む化合物5に変換され、その後、この誘導体は、3−スルホスクシンイミジル6−ビオチンアミドヘキサノエートのナトリウム塩との反応を介して、ビオチン化化合物6に変換される。
【0082】
【化12】

【0083】
4.1:1−アミノチンザパリン
250mgのチンザパリンを、10mlの5Mの塩化アンモニウム水溶液に溶解する。250mgのシアノ水素化ホウ素ナトリウムを、得られた溶液に加える。混合物を、70℃で20時間維持する。溶液を約20℃の温度に冷却し、水で希釈する(qs 20ml)。得られたろ液を、Sephadex G10カラムで脱塩し、その後凍結乾燥する。215mgの白い凍結乾燥物が得られる。実際の収率は86%である。
O(25℃,δ(ppm))中でのオリゴ糖混合物のH NMRスペクトル:2.05(CHCO,s)、3.10および3.40(各1H,m,CHNH)、3.20−5.65(多糖類プロトン)、5.98(1H,d,4Hz)。
【0084】
化合物は、実施例1において先に概説された方法を使用して、HPLC SAX(図1を参照されたい。)により検査できる。
【0085】
生成物は、さらなる精製をせずにビオチン化ステップに使用される。
【0086】
4.2:NH LCビオチノイルチンザパリン
100mgの1−アミノチンザパリンを、2.5mlの0.5M炭酸水素ナトリウム溶液に、約20℃の温度で溶解する。47mgのスルホ−NHS−LC−ビオチンを、得られた溶液に加える。溶液を、約20℃の温度で1時間45分攪拌する。得られた懸濁液を、5mlの0.5M炭酸水素ナトリウム溶液で希釈する。47mgのスルホ−NHS−LC−ビオチンを加え、得られた混合物を、6時間攪拌する。さらに47mgのスルホ−NHS−LC−ビオチンを加え、反応混合物を20時間攪拌する。懸濁液を、1mlの0.5M炭酸水素ナトリウム溶液で再度希釈し、さらに47mgのスルホ−NHS−LC−ビオチンを加える。反応混合物を20時間攪拌する。懸濁液を6.5mlの0.5M炭酸水素ナトリウム溶液で再度希釈し、さらに47mgのスルホ−NHS−LC−ビオチンを加える。反応混合物を22時間攪拌し、その後、水(qs 100ml)で希釈し、0.45μmのメンブランでろ過し、Q−Sepharoseカラムに注入する。生成物を水および次いで過塩素酸ナトリウムで勾配をかけて溶出する。回収された分画を、Sephadex G10カラムで脱塩する。回収された最終分画を凍結乾燥する。110mgの白い凍結乾燥物が得られる。実際の収率は定量的である。
O(25℃,δ(ppm))中でのオリゴ糖混合物のH NMRスペクトル:1.3−1.8(12H,m)、2.05(CHCO,s)、2.25(4H,m)、2.80(1H,dd,12および7Hz)、3.03(1H,m)、3.20−5.65(多糖類プロトン)、5.98(1H,d,4Hz)。
【0087】
化合物1−アミノチンザパリンおよび得られたNH LCビオチノイルチンザパリンもまた、実施例1において先に使用したHPLC SAX法を介して特徴づけることができる。このHPLC検査により、官能化可能なグルコサミンを含む種が、90%を超える変換度で、還元末端にアミノ官能基を含む誘導体に変換され、1−アミノチンザパリンが得られることが示されている。さらに、このHPLC検査により、還元末端にアミノ官能基を含む種が、3−スルホスクシンイミジル6−ビオチンアミドヘキサノエートのナトリウム塩との反応を介して、90%を超える変換度で、ビオチン化誘導体に変換され、NH LCビオチノイルチンザパリンが得られることも示されている。
【0088】
実施例1と同じ手法で、LC−MS分析により、主要化合物の構造を、確認することができる。
【0089】
得られた生成物は、さらにアビジン単量体を支持したカラムに注入され得る。供給業者のPierceにより記載された条件に従って、溶出を実施する。得られた、ビオチン化分画(アビジンに対する親和性を有する)および非ビオチン化分画(アビジンに対する親和性はない。)は、HPLC SAXにより検査できる。
【実施例5】
【0090】
NH LCビオチノイルベミパリン
アルカリ解重合を介して得られる、約3500ダルトンの低分子量ヘパリンである、ベミパリンもまた、以下のスキーム6に記載された反応順序に従ってビオチン化誘導体に変換され得る。つまり、ベミパリンは、還元的アミノ化反応を介して、還元末端にアミノ官能基を含む化合物7に変換され、その後、この誘導体は、3−スルホスクシンイミジル6−ビオチンアミドヘキサノエートのナトリウム塩との反応を介して、ビオチン化化合物8に変換される。
【0091】
【化13】

【0092】
5.1:1−アミノベミパリン:
250mgのベミパリンを、10mlの5M塩化アンモニウム水溶液に溶解する。250mgのシアノ水素化ホウ素ナトリウムを、得られた溶液に加える。混合物を、70℃で20時間維持する。溶液を約20℃の温度に冷却し、水で希釈する(qs 20ml)。得られた溶液を、Sephadex G10カラムで脱塩し、その後凍結乾燥する。227mgの白い凍結乾燥物が得られる。実際の収率は91%である。
O(25℃,δ(ppm))中でのオリゴ糖混合物のH NMRスペクトル:2.05(CHCO,s)、3.10および3.40(各1H,m,CHNH)、3.20−5.80(多糖類プロトン)、5.98(1H,d,4Hz)。
【0093】
化合物は、実施例1において先に概説された方法を使用して、HPLC SAXにより検査できる。
【0094】
得られた生成物は、さらなる精製をせずにビオチン化ステップに使用される。
【0095】
5.2:NH LCビオチノイルベミパリン:
100mgの1−アミノベミパリンを、5mlの0.5M炭酸水素ナトリウム溶液に、約20℃の温度で溶解する。80mgのスルホ−NHS−LC−ビオチンを、得られた溶液に加える。溶液を、約20℃の温度で2時間攪拌する。得られた懸濁液を、10mlの0.5M炭酸水素ナトリウム溶液で希釈する。80mgのスルホ−NHS−LC−ビオチンを加え、得られた混合物を、2時間攪拌する。さらに40mgのスルホ−NHS−LC−ビオチンを加え、反応混合物を20時間攪拌する。得られた反応媒体を水(qs 50ml)で希釈し、その後、Sephadex G10カラムで脱塩する。得られた分画を、Q−Sepharoseカラムに注入する。生成物を水および次いで過塩素酸ナトリウムで勾配をかけて溶出する。回収された分画を、Sephadex G10カラムで脱塩する。得られた生成物を、Q−Sepharoseカラムを通して再度精製し、Sephadex G10カラムで脱塩する。回収された最終分画を凍結乾燥する。101mgの白い凍結乾燥物が得られる。実際の収率は92%である。
O(25℃,δ(ppm))中でのオリゴ糖混合物のH NMRスペクトル:1.3−1.8(12H,m)、2.05(CHCO,s)、2.25(4H,m)、2.80(1H,dd,12および7Hz)、3.03(1H,m)、3.20−5.65(多糖類プロトン)、5.98(1H,d,4Hz)。
【0096】
化合物1−アミノベミパリンおよび得られたNH LCビオチノイルベミパリンもまた、実施例1において先に使用したHPLC SAX法を介して特徴づけることができる。このHPLC検査により、官能化可能なグルコサミンを含む種が、90%を超える変換度で、それらの還元末端にアミノ官能基を含む誘導体に変換され、1−アミノベミパリンが得られることが示される。さらに、このHPLC検査により、還元末端にアミノ官能基を含む種が、3−スルホスクシンイミジル6−ビオチンアミドヘキサノエートのナトリウム塩との反応を介して、90%を超える変換度で、ビオチン化誘導体に変換され、NH LCビオチノイルベミパリンが得られることも示される。
【0097】
実施例1と同じ手法で、LC−MS分析により、主要化合物の構造を、確認することができる。
【0098】
得られた生成物は、さらにアビジン単量体を支持したカラムに注入され得る。供給業者のPierceにより記載された条件に従って、溶出を実施する。得られた、ビオチン化分画(アビジンに対する親和性を有する)および非ビオチン化分画(アビジンに対する親和性はない。)は、HPLC SAXにより検査できる。
【0099】
本発明に従った化合物は、生化学的研究および薬理学的研究に供された。
【0100】
1.抗第IIa因子活性および抗第Xa因子活性の測定
ヒト血漿またはバッファー系における、抗第IIa因子(抗FIIa)活性および抗第Xa因子(抗FXa)活性を、発色法を介して分析する。つまり、抗第IIa因子活性を、発色基質S−2238、α−トロンビンおよびヒトATIII(抗トロンビンIII)を含む、Actichrome heparin anti−factor IIa kit (American diagnostica)を用いて検査する。抗FXa活性は、自動凝固装置ACL7000(Instrumentation Laboratory)を用いて、ATIII、第Xa因子および発色基質S−2765を含む、Heparin kit(Instrumentation Laboratory)を使用して測定する。2種の分析は、製造業者の指示書に従って、実施する。
【0101】
以下の標準品を、ヒト血漿およびバッファー系におけるビオチン化低分子量ヘパリンの分画のインビトロ活性の測定のための、標準較正曲線を定めるために使用する:
−低分子量ヘパリンのための第1標準品(National Institute for Biological Standards and Control、London、UK、1987年承認、コード番号85/600)
−低分子量ヘパリンのための第2標準品 (National Institute for Biological Standards and Control、London、UK、1987年承認、コード番号01/608、2006年6月から使用)
−エノキサパリン(Clexane(登録商標)、sanofi−aventis、France)を、内部標準として使用。
【0102】
抗FIIa活性の測定のために、10μlの試料または国際低分子量ヘパリン標準品を、ヒト血漿または0.05M Tris HCl、0.154M NaClを含む、pH7.4のバッファー系の抗トロンビンを用いて1:16に希釈する。10μlのこの溶液を、96ウェルのマイクロ滴定プレートに加える。測定は3回(3つのウェルに関して)繰り返す。このマイクロ滴定プレートを、300rpmで攪拌しながら37℃に維持する。40μlのトロンビンを、各ウェルに加え、正確に2分間インキュベートする。40μlのスペクトロザイム(Spectrozyme)を加える。90秒後、反応を、40μlの酢酸を加えることによって停止させる。吸収を、405nmにおいて、SpectraMax340(Molecular Devices)を使用して測定する。
【0103】
抗FXa活性の測定のために、試料または国際低分子量ヘパリン標準品を、ヒト血漿または0.05M Tris HCl、0.154M NaClを含む、pH7.4のバッファー系において希釈する。血漿またはバッファー中にヘパリノイドを含む試料を、ATIIIを含むワーキングバッファーで1:20に再度希釈し、プローブローターの中に2重に配置する。第Xa因子試薬および発色基質を、自動凝固装置ACL7000の示された容器に注ぐ。
【0104】
抗FXa活性の測定を、ACL7000のソフトウェアに統合された「ヘパリン」プロトコルを用いて実施する。分析中、(ワーキングバッファーで希釈された)50μlの試料を、50μlの第Xa因子試薬と混合する。37℃において60秒インキュベートした後で、濃度1.1mMの、50μlの発色基質を加え、時間の関数としての吸収の変化を、波長405nmにおいて測定する。
【0105】
得られた結果を、特に表1に記載する。
【0106】
【表1】

【0107】
この表において、MMは、平均モル質量(ダルトンで)を表し、「補正」活性は、測定において、容積希釈効果を補正できる。補正活性は、以下のように計算される:
補正活性=(測定活性×調製された化合物のMM)/出発物質のMM、
式中、
調製された化合物のMM:調製された化合物の理論的平均モル質量、
出発物質のMM:出発低分子量ヘパリンの平均モル質量。
【0108】
これらの結果により、本発明に従ったビオチン化低分子量ヘパリンが、ネイティブな低分子量ヘパリンに匹敵する、抗第X因子活性および抗第IIa因子活性を保存していることが示される。したがって、これらの生物特性が保存されることにより、本発明に従ったビオチン化低分子量ヘパリンは治療的に使用可能になる。
【0109】
2.アビジンによる中和の後の、抗FXa活性の測定
溶液中における、ビオチン化生成物の効果のアビジンによる中和
生成物依存性の抗FXaまたはFIIaの抗トロンビン活性を、この活性に、生成物のビオチンにアビジンが結合することが及ぼす影響を測定するために、漸増濃度のアビジンの存在下で測定する。
【0110】
試験生成物を0.9%のNaClを含む水に、1mg/mlで溶解する。その後、生成物を、第Xa因子(Factor Xa、Chromogenix Milan、Italy)の活性または第IIa因子(Factor IIa, laboratoire du sang[Blood Laboratory]、Strasbourg)の活性の50%を、抗トロンビン(ヒト抗トロンビン、Milan、Italy)の存在下で阻害できる生成物濃度を得るように希釈する。その後、この阻害を、漸減濃度のアビジン(Sigma、卵白由来のアビジン、Ref. A−9275、NaCl中で希釈):300、30、3、0.3、0.03、0.003、0μg/mlの存在下で測定する。第Xa因子(または第IIa因子)の残存活性の分析を、第Xa因子に関しては特異的発色基質S2222(Chromogenix、Milan、Italy)および第IIa因子に関しては基質S2238(Chromogenix、Milan、Italy)を加えることによって実施する。
【0111】
吸光度を、405nmにおいて読み取る。
【0112】
バッファー中でビーズに結合されたアビジンに、ビオチン化生成物が結合することの実証
生成物のアビジン結合能を評価するために、生成物を、ビーズに結合されたアビジンと接触して配置する。混合物を遠心分離にかけた後で、抗FXa活性または抗FIIa活性を、上清中で測定する。この活性は、媒体に残存する濃度を決定でき、したがって、混合物を遠心分離にかけた後のペレットに捕捉された生成物の割合を決定できる。
【0113】
試験生成物を、0.9%NaCl溶液中に、1mg/mlで溶解する。生成物を、試験物中に存在する、抗FXa活性または抗FIIa活性の80%を阻害できるように希釈する。ビーズ溶液を、20mMトリスマレイン酸、150mM NaCl、pH7.35の洗浄バッファーで希釈することによって1mg/mlにする。溶液をかき混ぜ、100μlの、ビーズを含む溶液(1mg/ml)を、エッペンドルフチューブに入れる。500μlのバッファーを加える。チューブを、12000rpmで5分間遠心分離機にかける。上清を取り除いた後で、ペレットを500μmのバッファーに溶解する。攪拌後、2回目の遠心分離を行い、上清を再度捨てる。次に、生成物の溶液を、生成物のμg/アビジン(SigmaのアビジンRef.A−9275、回分にもよるが、約3mg/mlの溶液)1μgで表される、生成物/ビーズの比を、1、0.1、0.01および0.001で有するようなビーズを含む様々な溶液と接触して置く。次に、混合物をかき混ぜて、12000rpmで5分間遠心分離機にかける前に、立てて1時間放置する。次に、上清を取り出し、上清中に残存する生成物の濃度を決定するために、抗FXa活性を分析する。抗FXa活性または抗FIIa活性は、Teien A.N and Lie M.、Thrombosis Research、1977、10、399−410頁により記載された方法を修正した方法に従って分析する。得られた結果を特に、表2に記載する。
【0114】
【表2】

【0115】
したがって、低分子量ヘパリンが、80%を超えるビオチン化度で、ビオチンにより実際に官能化されており、アビジンにより実際に中和され得ることがわかる。
【0116】
本発明に従ったビオチン化低分子量ヘパリンは、薬剤の調製に使用できる。特に、抗血栓剤として使用できる。したがって、本発明の別の態様によれば、本発明の目的は、上で定義されたビオチン化低分子量ヘパリンを含む薬剤である。これらの薬剤は、治療における使用、特に、静脈血栓症、動脈血栓障害(特に心筋梗塞または不安定狭心症の場合)、下肢の動脈疾患などの末梢動脈血栓症、大脳動脈血栓症および脳卒中の治療および予防における使用が見出される。それらの薬剤はまた、平滑筋細胞増殖、血管新生の予防および治療において、ならびにアテローム性動脈硬化および動脈硬化症のための神経保護剤としても有用である。
【0117】
本発明の別の態様によれば、本発明はまた、上述の病態の治療方法にも関し、この方法は本発明に従った化合物またはこれらの薬学的に許容される塩の有効量を、患者に投与することを含む。したがって、上記で定義されたビオチン化低分子量ヘパリンの、上述の病態の治療および予防のための使用は、本発明の一部を形成し、前記ビオチン化低分子量ヘパリンの、これらの病態の治療または予防用薬剤の製造のための使用も本発明の一部を形成する。
【0118】
本発明の別の態様によれば、本発明の目的は、有効成分として本発明に従ったビオチン化低分子量ヘパリンまたはこれらの薬学的に許容される塩およびさらに少なくとも1種の薬学的に許容される不活性な賦形剤を含む医薬組成物である。前記賦形剤は、所望の剤形および投与方法、例えば、経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、経皮、経粘膜的、局所または直腸経路に従って選択される。
【0119】
各投与単位において、有効成分は、所望の予防効果または治療効果を得るために、想定される1日量に適した量で存在する。各投与単位は、20から150mg、有利には40から100mgの有効成分を含み得る。抗凝血化合物のこれらの投与量は、静脈注射、ボーラスまたは点滴として、0.2gから2gまでのアビジンまたはストレプトアビジンの用量により中和できる。
【0120】
より多いまたは少ない投与量が適切である特別な場合もあり、このような投与量は、本発明の文脈外である。通常のプラクティスによれば、各患者に適した投与量は、投与方法ならびに前記患者の体重および反応に従って、医師によって決定される。
【0121】
本発明に従った化合物はまた、抗血栓剤、抗凝固剤または抗血小板凝集剤などの、所望の治療に有用である、1種または複数種の他の有効成分と組み合わせて使用することもできる。
【0122】
本発明の目的はまた、本発明に従ったビオチン化低分子量ヘパリンの中和を可能にすることを特徴とするアビジンまたはストレプトアビジンを使用する方法でもある。したがって、アビジンまたはストレプトアビジンは、本発明に従ったビオチン化低分子量ヘパリンの中和用薬剤の調製のために使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3000から7000Daの間の平均分子量を有し、構成多糖類がこれらの還元末端においてビオチンまたはビオチン誘導体と共有結合していることを特徴とする、低分子量ヘパリン。
【請求項2】
構成多糖類が、一般式(I):
【化14】

[式中、
−iは0または1に等しく、
−R1は、式(a)または(b):
【化15】

{式中、jおよびkは、同一でありまたは異なってよく、1から10の任意の値をとり得る整数である。}の連鎖を表し、
−Biotは、ビオチン基またはビオチン誘導体を表し、
−PEは、ヘパリンの構成多糖類の一般構造を有する多糖類鎖を表し、
−XはHまたはSONaを表し、
−YはSONaまたはCOCHを表し、
−波線は、これが結合しているピラノース環平面の下または上のいずれかに位置する結合を表す。]、
に対応することを特徴とする、請求項1に記載のビオチン化低分子量ヘパリン
およびさらにこれらの薬学的に許容される塩。
【請求項3】
iが0に等しいことを特徴とする、請求項2に記載のビオチン化低分子量ヘパリン
およびさらにこれらの薬学的に許容される塩。
【請求項4】
iが1に等しく、ならびにR1が、式(a)(式中、jは5に等しい。)の連鎖を表すことを特徴とする、請求項2に記載のビオチン化低分子量ヘパリン
およびさらにこれらの薬学的に許容される塩。
【請求項5】
iが1に等しく、R1が、式(b)(式中、jおよびkは同一であり、5に等しい。)の連鎖を表すことを特徴とする、請求項2に記載のビオチン化低分子量ヘパリン
およびさらにこれらの薬学的に許容される塩。
【請求項6】
Biotが式(c):
【化16】

のビオチン基を表すことを特徴とする、請求項2から5のいずれか一項に記載のビオチン化低分子量ヘパリン
およびさらにこれらの薬学的に許容される塩。
【請求項7】
構成多糖類の少なくとも60%が、これらの還元末端にビオチンまたはビオチン誘導体との共有結合を有することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のビオチン化低分子量ヘパリン
およびさらにこれらの薬学的に許容される塩。
【請求項8】
構成多糖類の少なくとも80%が、これらの還元末端にビオチンまたはビオチン誘導体との共有結合を有することを特徴とする、請求項7に記載のビオチン化低分子量ヘパリン
およびさらにこれらの薬学的に許容される塩。
【請求項9】
構成多糖類の少なくとも90%が、これらの還元末端にビオチンまたはビオチン誘導体との共有結合を有することを特徴とする、請求項7または請求項8に記載のビオチン化低分子量ヘパリン
およびさらにこれらの薬学的に許容される塩。
【請求項10】
前記低分子量ヘパリンが、エノキサパリン、アルデパリン、ベミパリン、パルナパリンおよびチンザパリンから選択されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のビオチン化低分子量ヘパリン
ならびにさらにこれらの薬学的に許容される塩。
【請求項11】
前記低分子量ヘパリンが、
−これらの構成多糖類の9%から20%は、2000Da未満の平均分子量を有し、
−これらの構成多糖類の5%から20%は、8000Daを超える平均分子量を有し、
−これらの構成多糖類の60%から86%は、2000から8000Daの間の平均分子量を有し、
−質量平均分子量と数平均分子量の間の比は、1.3から1.6の間であり、
−前記低分子量ヘパリンは、ヘパリンより優れた生物学的利用能および抗血栓活性を有し、約3500から5500Daの間の平均分子量を有する、
ものであることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のビオチン化低分子量ヘパリン
およびさらにこれらの薬学的に許容される塩。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に定義されたビオチン化低分子量ヘパリンの調製方法であって、以下のステップ:
a)アミン塩および還元剤の存在下で、温度20から80℃の間で、低分子量ヘパリンに還元的アミノ化を実施するステップ、
b)その後、活性化基−(R1)−Biot−(式中、R1、iおよびBiotは請求項2から6のいずれか一項に定義された通りである)を用いて、水性媒体または有機媒体中に塩基が存在する状態でアシル化を実施するステップ、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項13】
以下のステップ:
a)ハロゲン化アンモニウム塩および水素化ホウ素塩の存在下で、50から80℃の間の温度で、低分子量ヘパリンに還元的アミノ化を実施するステップ、
b)その後、−(R1)−Biot基の活性化エステル型を用いて、水性媒体中に塩基が存在する状態で、アシル化を実施するステップ、
を含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項1から11のいずれか一項に記載のビオチン化低分子量ヘパリンまたは前記ビオチン化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩を含むことを特徴とする薬剤。
【請求項15】
有効成分として、請求項1から11のいずれか一項に記載のビオチン化低分子量ヘパリンまたは前記ビオチン化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩およびさらに少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項16】
請求項1から11のいずれか一項に記載のビオチン化低分子量ヘパリンの、抗血栓剤としての使用。
【請求項17】
静脈血栓症、動脈血栓障害(特に心筋梗塞または不安定狭心症の場合)、下肢の動脈疾患などの末梢動脈血栓症、大脳動脈血栓症または脳卒中の治療および予防のため、平滑筋細胞増殖、血管新生の予防および治療のため、ならびにアテローム性動脈硬化および動脈硬化症のための神経保護剤としての、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
請求項1から11のいずれか一項に記載のビオチン化低分子量ヘパリンの中和を可能にすることを特徴とする、アビジンまたはストレプトアビジンを使用する方法。
【請求項19】
請求項1から11のいずれか一項に記載のビオチン化低分子量ヘパリンの中和用薬剤の調製のための、アビジンまたはストレプトアビジンの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−518238(P2010−518238A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549440(P2009−549440)
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【国際出願番号】PCT/FR2008/000173
【国際公開番号】WO2008/113919
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(504456798)サノフイ−アベンテイス (433)
【Fターム(参考)】