説明

ビデオカメラ

【課題】ハードディスクドライブと光ディスクドライブを同一筐体に内蔵させたビデオカメラにおいて、本体内部で発生する熱によりハードディスクドライブが温度上昇してしまう問題を解決する。
【解決手段】撮像する撮像部と、撮像した画像を表示する表示部6と、撮像した画像を記録するハードディスクドライブ1と、着脱する光ディスクを駆動する光ディスクドライブ9とを備えるビデオカメラであって、表示部6、光ディスクドライブ1、ハードディスク9の順に配置され、光ディスクドライブ9から光ディスクを取り出す際に開く蓋部10にハードディスクドライブ1が配置されたビデオカメラ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野は、ビデオカメラに関し、特にハードディスクドライブと光ディスクドライブの配置構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ビデオカメラはビデオテープ、光ディスク、ハードディスク、メモリカードといった種々の記録媒体にデータを保存するタイプが存在している。複数の記録媒体に映像を記録するための複数の記録手段を併せ持つビデオカメラも存在し、ビデオテープとメモリカードの組み合わせ、光ディスクとメモリカードの組み合わせ、ハードディスクとメモリカードの組み合わせた構成のビデオカメラが存在する。
【0003】
特許文献1には、「ビデオカメラレコーダは、前側のレンズ部と後側のビューファインダと後側から見て右側のグリップ部と後側から見て左側の液晶モニタとを有し、後側から見て右側に配置されたテープカセットの装着部のための蓋部に外部メモリを挿入するためのスロット部を設け、このスロット部の入口は前側に設けられている。」との記載がある(要約参照)。また、公報0011段落には「外部メモリ30には、PCカード、ピクチャーカード、フロッピディスク等の各種のカード型又はディスク型記憶媒体が含まれる。」との記載がある。
【0004】
また、特許文献2には、「デジタルビデオカメラ11は、…撮像データをハードディスク装置に記録する。…記録装置20は側面に設けたコネクタ21で、デジタルビデオカメラ11と直接的な接続を可能にして選択された画像の撮像データを取り込んで光ディスクdに記録する。」との記載がある(要約参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平11−331656号公報
【特許文献2】特開2005−277958号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、データのデジタル化が進み、画質が向上するなか、テープに代わってランダムアクセス可能なディスクや半導体メモリに対する要求が大きい。
【0007】
特に、動画はデータ容量が大きく、近年の高画質化もともなって、長時間の記録を行う為には記録容量の大きな記録媒体が必要になる。
【0008】
光ディスクは、半導体メモリよりは大容量且つ安価であり、交換可能な記録媒体である。複数枚で長時間の記録に対応が可能であり、長期保存にも向くが、1枚の光ディスクでは長時間の連続記録はできない。光ディスクを交換しているの間は記録が途切れてしまう。
【0009】
ハードディスクは、記録容量が大きく長時間の連続記録に適しているが、ハードディスクが交換できない為、残容量が無くなったり少なくなった場合には記録済みの映像データを他の記録媒体にダビングし、ハードディスクの映像データを消去する必要がある。特にビデオカメラで記録した映像データは消去せず残しておきたいので、このハードディスクの映像データを光ディスクへダビングして、ハードディスクの映像データを消去するということを頻繁に行う必要がある。このため、ハードディスクを駆動するハードディスクドライブと光ディスクを駆動する光ディスクドライブを同一筐体に内蔵して、長時間連続して記録した映像データを簡単に光ディスクへダビングができることのメリットは大きい。
【0010】
しかしながら、特許文献1のビデオカメラにおいては、光ディスクとハードディスクとの組み合わせについて配慮されていない。また、撮影者に持ち易い配置についても不十分な点がある。
【0011】
また、ハードディスクドライブと光ディスクドライブを同一筐体に内蔵させたビデオカメラを実現させるには、ビデオカメラ内部で発生する熱の問題を解決する必要がある。ビデオカメラ内部での主な熱源には、基板に搭載されているCPU(Central Processor Unit)やIC等の半導体や、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブがある。特に、ハードディスクドライブは駆動系から発熱するうえ高温環境に弱い為、熱を考えたハードディスクドライブと光ディスクドライブの配置構成が重要である。
【0012】
しかしながら、特許文献2のビデオカメラにおいては、ハードディスクドライブが内蔵されるビデオカメラ側筐体と光ディスクドライブが内蔵される別筐体に分かれており、ハードディスクドライブと光ディスクドライブを同一筐体に内蔵することには配慮されていない。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題は、例えば特許請求の範囲の発明によって解決される。
【発明の効果】
【0014】
上記手段によれば、例えば撮影者に使い勝手のよいビデオカメラを提供することができる。
【0015】
上記以外の課題、手段、効果は後述する実施例によって明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に好適な実施形態をビデオカメラを例として説明する。なおビデオカメラは、動画だけでなく静止画を撮影できてもよい。また本発明は、動画のデータが大きいことからビデオカメラに好適であるが、他装置、例えばスチルカメラ、オーディオプレーヤ、携帯型PCなどにも用いることができる。
【実施例1】
【0017】
ビデオカメラの外部構成例を図1、図2を用いて説明する。
【0018】
図1はビデオカメラの前方斜視図、図2はビデオカメラの後方斜視図である。
【0019】
ビデオカメラは、被写体の光学像を入射するレンズ部2、音声を集音するマイク部3、外装部であるレンズカバー4、フロント部5等で構成されるフロント側と、撮影・再生時に映像等を表示する表示部6、表示部支点部7、本体ケース8等で構成される表示部側と、蓋部であるディスクカバー9、ハードディスクドライブカバー10及び、Rケース11等で構成されるグリップ側と、撮影・再生時に映像を表示するEVF(Electric View Finder)部13、バッテリー(図示せず)等で構成されるリヤ側とに分かれ構成される。レンズ部2の奥には光学ズームやアイリス(絞り)を調整する機構があり、入射された光学像を撮像して電気信号に変換する撮像素子(CCD(Charge Coupled Devices)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ)がある。表示部6とEVF部13は同じLCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electro Luminescence Display)で構成されていてもよいし他のディスプレイで構成されていてもよい。
【0020】
表示部6は、表示部支点部7により開閉、回転させる事ができ、使用状態に適した角度に調整可能となっている。すなわち表示部6の表示面を図1に示すようにビデオカメラの内部側に向けて外側に露出させないようにしたり、逆に表示面を外側に露出する向きにしたり、撮影者がリヤ側から表示面を見られるようにしたりできる。表示部6が閉じている時に隣接する面には、主に再生時に使用される再生操作ボタン12が配置されている。リヤ側にあるモード切替えノブ14は電源の入切と記録媒体及び撮影モードすなわちハードディスクドライブと光ディスクの動画/静止画の切替えを行う。録画ボタン15は録画の開始、停止ボタンである。グリップ側にはビデオカメラを保持する際に、万が一手を緩めてもカメラが落下しないように、ビデオカメラの底面側から手を通して手の甲又は手首を押さえるグリップベルト16が設けられている。
【0021】
グリップ側のRケース11は光ディスクに動画を記録するための光ディスクドライブを保護しており、ディスクカバー9を開くことにより光ディスクドライブへの光ディスクの装着及び取り出しができるようになっている。光ディスクとしては、DVD−RやDVD+RW等の各種DVDはもちろん、BD(Blu-ray Disc)やHD(High Definition)−DVDであってもよい。大きさは直径8cmの光ディスクを例示するが、これに限られない。
【0022】
また、ディスクカバー9の内面側には動画を記録するためのハードディスクドライブ1が配置され、ハードディスクドライブカバー10によりハードディスクドライブ1を覆うことにより、ハードディスクドライブ1を保護している。尚、ハードディスクドライブ1は熱伝導効率の低い材質で成型されたハードディスクドライブダンパーを介して取り付けている。ハードディスクドライブ1に対して基板(CPU等)からの熱が伝わりにくいよう、間に光ディスクドライブ21を配置している。
【0023】
ここで、ハードディスクドライブカバー10はハードディスクドライブ1の収納される部分が膨らむ構造となっており、また、グリップベルト16がハードディスクドライブ1よりも下部(底面側)に配置されているため、グリップベルト16に撮影者の手を通して本ビデオカメラを保持したときにハードディスクドライブカバー10の膨らんだ部分が手のひらに当たり、また、膨らんだ手の甲(手のひら)がグリップベルト16によって押さえつけられずグリップベルト16は手首もしくは手の甲の手首に近い位置に当たるようになっているので、持ち易くなっている。後述する図5を参照するとグリップベルト16の両端を留めるベルトホルダ32a及び32bの上部を結んだ線がハードディスクドライブ1の下部よりも底面側(下側)にあることが分かる。また、ハードディスクドライブ1をグリップ側の蓋部に配置したので、ハードディスクドライブ1の重み分重心が手のひら側に移動し扱いやすくなっている。また、ハードディスクドライブ1は、低温(零下等)に起動しない。本実施例の構成では、手の体温で温められるので、例えばスキー場等でカメラが冷えてしまった場合にしばらくは低温に比較的強い光ディスクで記録しておき、その間に手でハードディスクが温まって撮影が可能となる。
【0024】
なお、本実施例では、ビデオカメラを底面側から手で支える構成を例示したためグリップベルト16が底面と完全に水平ではないものも沿った方向に配置されているが、ビデオカメラをリヤ側から保持する構造であってもよい。この場合、グリップベルト16は底面と沿った方向というよりは底面方向に対しては鉛直方向に近く、リヤ側に沿った方向に配置される。この場合には、ハードディスク1よりもグリップホルダがリヤ側、すなわち撮影者が手を通す側に配置されることが好ましい。
【0025】
ビデオカメラの内部構成例について、図3から図7を用いてさらに説明する。
【0026】
図3は、ビデオカメラの全体の分解図である。
【0027】
ビデオカメラ中心部に画像信号処理や各種制御等本ビデオカメラのメインシステムに関する電気部品を搭載している第一本体基板17が配置されており、金属製のメカフレーム19に固定されている。第一本体基板17には各種制御用のマイコンや画像信号処理用のIC等の半導体各種電気部品が搭載されており、この電気部品による消費電力が大きく発熱している。第一本体基板17の表示部6側には、静止画データを記録する為の、熱に強く駆動部のない記録手段であるメモリカードスロット18が設けられている。またメカフレーム19から見て第一本体基板17の反対側(グリップ側)には、光ディスクドライブ21を制御・駆動させる電気部品と電源回路用の電気部品を搭載する第二本体基板20及び、光ディスク22を装着及び記録/再生するための光ディスクドライブ21が配置されている。尚、第二本体基板20は搭載されている電気部品から発熱している。光ディスクドライブ21のグリップ側には、ディスクカバー9を閉じた状態に保持するためのロック機構(図示せず)を設けてある外装部であるRケース11、ディスクカバー9を開閉するための開閉機構のヒンジ部24とディスクカバー9が配置されている。
【0028】
ディスクカバー9に配置されたヒンジ部24には光ディスク22のキズ防止、及び騒音低減用にクッション23が貼り付けられている。そのクッション23とRケース11の間に光ディスク22が配置されるようになっている。光ディスク22は光ディスクドライブ21によって固定される。また、ディスクカバー9に設けられた引掛け部9bがRケース11に設けられたロック機構によって保持されるとディスクカバー9は閉状態となり、ロック機構から引掛け部9bが外れるとヒンジ部24によりディスクカバー9が開状態となり、光ディスク22の交換が可能となる。ヒンジ部24のうち、回動する軸をヒンジ軸24bとも呼ぶ。
【0029】
ディスクカバー9とハードディスクドライブ1の間には、光ディスクドライブ21に設けられた光ピックアップからの磁力を低減する為の略L字型の磁気シールド板25を配置している。ハードディスクドライブ1には記録情報を第一本体基板17に転送する為のFPC(Flexible Painted Circuit)27がコネクタ1aを介して接続されている。さらに、落下衝撃時にハードディスクドライブ1を保護するために、ハードディスクドライブ1は落下衝撃吸収材のハードディスクドライブダンパー26で外周を覆ってディスクカバー9のくぼみ9aに収納されており、さらに外部からの接触を保護するために外装部であるハードディスクドライブカバー10で覆っている。
【0030】
図4は、ビデオカメラをリヤ側から見た断面図である。
【0031】
メカフレーム19の液晶表示側には第一本体基板17、グリップ側には第二本体基板20が取り付けられており、第二本体基板20側に光ディスクドライブ21、外装部であるRケース11が配置されている。Rケース11の下部にはディスクカバー9を取り付けたヒンジ部24が取り付けられており、上部にはディスクカバー9の引掛け部9bがロック機構で保持されるようになっており、上部からA方向に開閉する構成となっている。ユーザは光ディスク22を取り出す場合、イジェクトボタン等を操作し、ディスクカバー9を開いて光ディスクドライブ21に装着されている光ディスク22を取り出す。なお、本実施例では開閉する箇所を上側としたが、例えばフロント側であってもよい。
【0032】
ディスクカバー9は開閉機構のヒンジ部24とのC部とロック機構とのB部で、本体側のRケース11と繋がっている為、本体側の第一本体基板17や第二本体基板20等からハードディスクドライブ1側への熱伝導経路が少なく、本体側で発熱した熱をハードディスクドライブ1側に伝えにくい構成となっている。
【0033】
ディスクカバー9のくぼみ9aにはハードディスクドライブダンパー26で外周を覆ったハードディスクドライブ1が収納され、さらに外部との接触から保護するためにハードディスクドライブカバー10でハードディスクドライブ1を覆っている。ここで、ハードディスクドライブダンパー26を圧縮状態で固定することで、ハードディスクドライブ1をフローティング状態にし、保持時に発生する振動や落下時衝撃を吸収させる構成となっている。
【0034】
また、ハードディスクドライブ1と第一本体基板17とはFPC27で接続されている。ハードディスクドライブ1のコネクタ1aから光ディスク22及び光ディスクドライブウ21の下部を通って第一本体基板17のコネクタ17aに接続されている。
【0035】
ところで、ユーザがビデオカメラをグリップ側から落下した場合、グリップ側に配置されたグリップベルト16により落下衝撃は吸収されることも期待できる。そこで、本実施例では表示部側からの衝撃を減少させるべく、ハードディスクドライブダンパー26のディスクカバー9側方向の厚みはハードディスクドライブダンパーより厚くしている。例えば、ハードディスクドライブカバー10側の厚みは1.7mm、ディスクカバー9側の厚みは1.8mmとしている。
【0036】
また、ディスクカバー9でハードディスクドライブ1の占有する空間を、第一本体基板17や第二本体基板20等が収納されている本体側の内部空間と別にする構成としている。この構成により発熱の大きな本体側からの熱を、発熱の小さなハードディスクドライブ1側に伝えにくくし、ハードディスクドライブ1側の空間温度の上昇を本体側の内部空間より低く抑える効果がある。すなわち、第一本体基板17や第二本体基板20は発熱し、また隣接する表示部6も発熱することから、ハードディスクドライブ1を第一本体基板17や第二本体基板20近傍に配置することは、ハードディスクドライブ1の動作や寿命に影響を与えることが考えられるため、このようにハードディスクドライブ1を本体側から離れたところ、さらには間に隔壁となるものを配置して別空間にすることが望ましい。またハードディスクドライブダンパー26は熱伝導効率の低いものを使用することで、本体側からディスクカバー9に伝わった熱のハードディスクドライブ1への熱伝導を抑えることができる。
【0037】
また、光ディスク22は本体側の基板等の発熱部からの熱で片面が温度上昇するが、反対面側も発熱するハードディスクドライブ1の熱により温度上昇するので、光ディスク22の両面の温度差を小さくでき、光ディスクの表裏の温度差によって光ディスク22が反ってしまうという問題を解決することもできる。
【0038】
また、ハードディスクドライブ1をグリップ側に配置することで、表示部6側に掛かっていたカメラの重心が、グリップ側に寄ることで、ユーザはビデオカメラの保持がしやすく、扱いやすくなる効果がある。さらに、ハードディスクドライブ1をグリップ側に配置することで、ハードディスクカバー10に膨らみ形状ができ、ユーザの手にフィットすることで、保持がしやすく、録画時の手ぶれ補正の効果もある。
【0039】
以上のことから、ディスクカバー9の外面側にハードディスクドライブ1を配置することで、本体内部の主に本体基板で発生する熱のハードディスクドライブ1への伝導率を抑えることで、ハードディスクドライブ1の温度上昇を低減する効果がある。また低温下においてもディスクカバー9及びハードディスクドライブカバー10はビデオカメラ撮影時保持部となっている為、手で保持することで、体温によりディスクカバー9及びハードディスクドライブカバー10を通して加温し、書き込みエラー発生を低減できる。
【0040】
また、図4に示すように、ハードディスクドライブ1のコネクタ1aに接続されたFPC27の一方はディスクカバー9に設けられた穴9cを通り、ディスクカバー9とヒンジ部24の間を通り、ヒンジ部24とアンダーピース28の間を通り、またメカフレーム19の下を通り、第一本体基板17に設けてあるコネクタ17aに接続される構成となる。
【0041】
図5は、ビデオカメラをグリップ側から見た透視図である。尚、図5ではハードディスクドライブカバー10とグリップベルト16を外した状態を示している。
【0042】
図5に示すように、ハードディスクドライブ1のコネクタ1aに接続されたFPC27をグリップ側から見て、光ディスク22(点線)の中心部よりリヤ側に配置して、光ディスク22の下の底面側内部を通り第一本体基板17に接続させる構成としている。FPC27を可動部である光ディスク22の下を通す場合、お互いが振動、衝撃等によりぶつからないようにお互いの距離を所定の寸法以上(例えば0.5mm以上)離して配置することが求められる。そのため、FPC27を光ディスク22の中心部の下ではなく、中心を外れた位置にすると、お互いの距離を離すことができる。このように光ディスクの中心から外れた位置でFPCを通す構成にすることで、本ビデオカメラの高さを低く出来る効果がある。
【0043】
次に、ハードディスクドライブの取付け例について、図6を用いて説明する。
【0044】
図6は、ビデオカメラの蓋部の構成図である。
【0045】
落下衝撃時にハードディスクドライブ1を保護するために、ハードディスクドライブ1はハードディスクドライブダンパー26で外周を覆っており、さらに外部との接触から保護するためにハードディスクドライブカバー10でハードディスクドライブ1を覆っている。ハードディスクドライブダンパー26を圧縮状態で、固定することで、ハードディスクドライブ1をフローティング状態にすることで、保持時に発生する振動や落下時衝撃を吸収させる構成となっている。ハードディスクドライブカバー10は爪10aでディスクカバー9に仮固定される。またディスクカバー9の表示部側に設けてあるヒンジ24aに貼り付けられているクッション23から、ハードディスクドライブカバー10に設けられたネジボス10b(2箇所)とをネジ30によりネジ止めすることにより固定し、さらに外側からハードディスクドライブカバー10のネジ止め穴10cとディスクカバー9をネジ31によりネジ止めする構成となっている。このことから、ハードディスクドライブ1の不具合時での交換及びメンテナンスを容易に行える構成となっている。またハードディスクドライブカバー10の表面処理を替えることで、デザインの自由度を広げられる効果もある。
【0046】
ビデオカメラの磁気シールド板25の構成を、図7を用いて説明する。
【0047】
図7は、ビデオカメラを上面からから見た断面図である。尚、図7では光ディスクドライブ21に配置される電磁力で対物レンズを駆動するピックアップ部29の位置が、光ディスク22の最内周にきているときの図である。
【0048】
このように、光ディスクドライブ21の回転面とハードディスクドライブ1の回転面とは略並行して配置されており、それらの回転面が一部被っている(接触しているわけではない)が、それぞれの回転軸がずれていて交差しない。また、光ディスクドライブ21のピックアップ部29とハードディスクドライブ1の記録面とがずれていて交差しない。
【0049】
光ディスクドライブメカ21に配置されるピックアップ部29は、光ディスク22の中心部からフロント側(矢印B方向)に移動する構成となっている。光ディスクドライブ21のピックアップ部29とハードディスクドライブ1との間のディスクカバー9のくぼみ9aに略L字型の磁気シールド板25が配置されている。ピックアップ部29とハードディスクドライブ1の距離が近いほどハードディスクドライブ1に書き込みエラーといった悪影響を及ぼす。ピックアップ部29が光ディスク22の最内周にいる時が最もハードディスクドライブ1との距離が近くなり、最外周側に移動するにつれて、磁気の影響は減少する。そのため、ハードディスクドライブ1をピックアップ部29より遠くなる、ディスクカバー9のリヤ側に配置するようにくぼみ9aを設けることで、ピックアップ部29の磁気部からハードディスクドライブ1を遠ざけている。さらに、光ディスクドライブメカ21のピックアップ部29とハードディスクドライブ1との間のディスクカバー9のくぼみ9aに略L字型の磁気シールド板25が配置して、ピックアップ部29からの影響を低減している。また、ピックアップ部29は光ディスク22の中心部よりリヤ側には移動しないので、光ディスク22の中心部よりリヤ側には磁気シールド板25は必要ないことから、光ディスク22の中心部よりリヤ側には磁気シールド板を設けていない。これにより、磁気シールド板25の大きさをできるだけ小さくできる効果がある。
【0050】
本実施例では、光ディスクドライブと駆動用の回路基板が別の場合で説明したが、光ディスクドライブに駆動用の回路基板を含めたものでも構わない。
【0051】
本実施例では、光ディスクを取り出すための開閉する蓋部にハードディスクドライブを設けた場合で説明したが、光ディスクを取り出すためにトレイを出し入れするいわゆるフロントローディングタイプのビデオカメラの場合でも、光ディスクドライブの光ディスク装着側に前記ハードディスクドライブを配置する適用可能である。
【0052】
本実施例では、光ディスクドライブの外側(光ディスクドライブに対して表示部6や基板17及び20の反対側)にハードディスクドライブを配置したが、光ディスクの内側(基板20との間、又は、表示部6と基板17との間など)にハードディスクドライブを配置してもよい。ただし、この場合にはLCD、基板、光ディスクからの熱がハードディスクドライブに影響を与えることも懸念されるため、上述の利点を有する光ディスクの外側に設けるほうが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】ビデオカメラの前方斜視図例
【図2】ビデオカメラの後方斜視図例
【図3】ビデオカメラの全体の分解図例
【図5】ビデオカメラをグリップ側から見た図例
【図4】ビデオカメラをリヤ側から見た断面図例
【図6】ビデオカメラの蓋部の構成図例
【図7】ビデオカメラを上面からから見た断面図例
【符号の説明】
【0054】
1…ハードディスクドライブ、1a…コネクタ、2…レンズ部、3…マイク部、4…レンズカバー、5…フロント部、6…表示部、7…表示部支点部、8…本体ケース、9…ディスクカバー、9a…くぼみ、9b…引掛け部、9c…穴、10…ハードディスクドライブカバー、10a…爪、10b…ネジボス、10c…ネジ止め穴、11…Rケース、12…再生操作ボタン、13…EVF部、14…モード切替ノブ、15…録画ボタン、16…グリップベルト、17…第一本体基板、17a…コネクタ、18…メモリカードスロット、19…メカフレーム、20…第二本体基板、21…光ディスクドライブ、22…光ディスク、22a…光ディスクの外形、23…クッション、24…ヒンジ部、25…磁気シールド板、26…ハードディスクドライブダンパー、27…FPC、28…アンダーピース、29…ピックアップ部、30、31…ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像する撮像部と、
撮像した画像を記録するハードディスクドライブと、
着脱する光ディスクを駆動する光ディスクドライブと、
前記撮像部に撮像させ、撮像した画像を処理して前記ハードディスクドライブ又は前記光ディスクドライブで記録させる制御部とを備えるビデオカメラであって、
前記制御部を載せた基板、前記光ディスクドライブ、前記ハードディスクが前記光ディスクとハードディスクの回転軸の方向に順に配置されたビデオカメラ。
【請求項2】
請求項1のビデオカメラであって、
前記光ディスクドライブから光ディスクを取り出す際に開く蓋部に前記ハードディスクドライブが配置されたビデオカメラ。
【請求項3】
請求項2のビデオカメラであって、
前記表示部と前記光ディスクとの間に制御基盤を配置し、
前記蓋部が開閉するヒンジ部に前記ハードディスクドライブと前記基盤とを接続する回線が配置されたビデオカメラ。
【請求項4】
請求項3のビデオカメラであって、
前記回線は、前記光ディスクドライブに装着された光ディスクと前記ヒンジ部のヒンジ軸との交点からずれた位置に配置されたビデオカメラ。
【請求項5】
請求項1のビデオカメラであって、
前記光ディスクドライブの回転中心と前記ハードディスクの回転中心とがずれているビデオカメラ。
【請求項6】
請求項5のビデオカメラであって、
前記光ディスクドライブの光ピックアップの光軸と前記ハードディスクドライブの磁気ディスクとが交差しない位置に配置されたビデオカメラ。
【請求項7】
請求項5又は6のビデオカメラであって、
前記光ディスクの光ピックアップと前記ハードディスクドライブとの最短距離の間に磁気シールドが配置されたビデオカメラ。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかのビデオカメラであって、
前記撮像部で撮像した画像を表示する表示部を前記制御部に対して前記ディスクドライブと反対側に有し、
前記表示部の表示面は、前記光ディスク及び前記ハードディスク側と当該ビデオカメラ側とに回転可能であるビデオカメラ。
【請求項9】
撮像する撮像部と、
撮像した画像を表示する表示部と、
撮像した画像を記録するハードディスクドライブと、
着脱する光ディスクを駆動する光ディスクドライブとを備えるビデオカメラであって、
前記光ディスクドライブから光ディスクを取り出すときに開く蓋部に前記ハードディスクドライブが配置されたビデオカメラ。
【請求項10】
請求項9のビデオカメラであって、
撮影者の手を通すグリップベルトが、前記蓋部内の前記ハードディスクよりも撮影者の手を通す側に配置されたビデオカメラ。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−334944(P2007−334944A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−162964(P2006−162964)
【出願日】平成18年6月13日(2006.6.13)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】