説明

ビデオコンテンツと別個に取得されたファイルの確認及び同期

本発明は、ビデオコンテンツと該ビデオコンテンツから別個に取得されたファイルとの再生のための再生装置に関する。本発明は、映画と共に再生されるべきファイルが、インターネットのような規制されていない供給源から取得されるシステムのためのものである。斯かる供給源からファイルを取得することは、規制の不足による幾つかの問題をもたらす。取得されたファイルが、意図される映画に対応するものでない又は意図した言語に対応したものでないということが起こり得、更には該映画に同期されていないということが起こり得る。本発明は、1)該取得されたファイルが該映画に対応していることを確認すること、2)該取得されたファイルが該映画に対応している場合には、該映画に同期されているかを決定すること、3)該取得されたファイルが該映画と同期されていない場合には、該映画に同期させること、を提案する。対応関係は、言語、該映画に関連するキーフレーズ、又はタイミングに基づいて確認されても良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオコンテンツ及び別個に取得されたファイルの再生に関する。
【背景技術】
【0002】
映画のための字幕ファイルは、今や元のオーディオトラックを伴う映画とは別個に取得され得る。元のオーディオトラックを伴う映画を既に持っているユーザは、該映画に付されたものとは異なる言語での字幕ファイルを検索し取得することができる。同様のことは、オーディオファイルについても期待される。映画についての別個のファイルは、インターネットのような規制されていない供給源からダウンロードされ得る。映画に関連するファイルは、一般のウェブサイトから検索されダウンロードされ得る。斯かる供給源からオーディオファイル又は字幕ファイルを取得することは、規制の不足による幾つかの問題をもたらす。取得されたファイルが、ユーザが鑑賞したい映画に対応するものでないということが起こり得、又は意図した言語に対応したものでないということが起こり得る。また、取得されたファイルが、映画と同期していないということが起こり得る。取得されたファイルと映画との間の対応関係を確認するため、ユーザは映画と共に該取得されたファイルを再生する必要がある。ユーザは、意図されるファイルが見つかるまで、取得されたファイルごとに当該確認を繰り返す必要がある。意図されるファイルが見つかると、ユーザは、該取得されたファイルの映画との同期をチェックし、映画と同期していない場合には、該取得されたファイルを手動で同期させる必要がある。これらは、ユーザにとって面倒で時間を浪費する作業である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の発明者は、ビデオコンテンツと別個に取得されたファイルについては、上述した問題及びことによると他の問題に対する解決方法は、別個に取得されたファイルがビデオコンテンツに対応するか否かを最初に確認し、次いで必要であれば該ファイルを同期させることであることを認識した。
【0004】
従って、本発明は好適に、上述した欠点の1つ以上を単独で又は何らかの組み合わせにより軽減、緩和又は除去することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、ビデオファイル及びオーディオファイルを含むビデオコンテンツと、前記ビデオコンテンツから別個に取得されたファイルと、の再生のための手段と、
前記別個に取得されたファイルが、前記ビデオコンテンツに対して所定の対応関係を持つか否かを決定するための手段と、
前記別個に取得されたファイルが、前記ビデオコンテンツに対して所定の対応関係を持つと決定された場合に、前記別個に取得されたファイルの要素が、前記ビデオコンテンツの前記オーディオファイルの対応する要素と同期されているか否かを決定するための手段と、
対応する前記別個に取得されたファイルの要素が、前記ビデオコンテンツの前記オーディオファイルの対応する要素と同期されていない場合に、前記別個に取得されたファイルの要素を、前記ビデオコンテンツの前記オーディオファイルの対応する要素と同期させるための手段と、
を有する、再生装置を提供することにより、本発明の第1の態様において達成される。
【0006】
本発明は、限定するものではないが、特にDVDフォーマット、DivXフォーマット、Blu-Rayフォーマット及びMKVフォーマットのマルチメディアコンテンツの再生と組み合わせた使用に有利である。MKVフォーマットは、単一のファイル内に無制限の数のビデオ、オーディオ、画像又は字幕のトラックを保持できる、オープンな規格の無料のコンテナフォーマットである、Matroskaマルチメディアコンテナのビデオバージョンである。Matroskaファイルタイプは、ビデオ(字幕及びオーディオを伴う)については.MKVであり、オーディオのみのファイルについては.MKAであり、字幕のみについては.MKSである。
【0007】
本発明の利点は、別個に取得されたファイルを取り扱う有効な方法が、該別個に取得されたファイルがビデオコンテンツに対する所定の対応関係を持っているか否かを更なる処理の前に最初に決定することによって提供され、そのためユーザが対応関係を決定するために別個に取得されたファイルを無駄に再生する必要がない点である。次に、ビデオコンテンツのオーディオファイルを伴う別個に取得されたファイルの要素が、同期していない要素を決定し斯かる要素を同期させるために解析され、それによりユーザは、該別個に取得されたファイルをビデオコンテンツと同期させるために別のファイルを検索したり又は該別個に取得されたファイルを手動で編集したりする必要がない。
【0008】
第2の態様において、第1の態様によるビデオコンテンツとは別個に取得されたファイルの確認及び同期のための方法が提供される。該第2の態様の方法は、第3の態様において、第1の態様による再生装置を動作させるための集積回路(IC)において実装され得る。
【0009】
第4の態様において、本発明は、関連するデータ記憶手段を持つ少なくとも1つのコンテンツを有するコンピュータシステムが、第1の態様による再生装置を制御することを可能とするように構成された、コンピュータプログラムに関する。
【0010】
本発明の当該態様は、限定するものではないが、特に、コンピュータシステムが本発明の第2の態様の動作を実行することを可能とするコンピュータプログラムによって本発明が実装され得る点において、有利である。斯くして、再生装置は、該再生装置を制御するコンピュータシステムにコンピュータプログラムをインストールすることにより、本発明によって動作するように変更され得ると予期される。斯かるコンピュータプログラムは、例えば磁気若しくは光ベースの媒体のようないずれかの種類のコンピュータ読み取り可能な媒体において、又は例えばインターネットのようなコンピュータベースのネットワークを通じて、提供されても良い。
【0011】
本発明の種々の態様は、それぞれ他の態様のいずれかと組み合わせられても良い。本発明のこれらの及び他の態様は、以下に説明される実施例を参照しながら説明され明らかとなるであろう。
【0012】
本発明は、添付図面を参照しながら、単に例として、以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による再生装置の好適な実装の模式的な図である。
【図2】ビデオコンテンツ及び別個に取得されたファイルの再生のための再生装置を操作するための好適な実装のフロー図である。
【図3】別個に取得されたファイルのビデオコンテンツとの所定の対応関係を、言語解析によって決定するためのフロー図である。
【図4】別個に取得されたファイルのビデオコンテンツとの所定の対応関係を、取得されたキーフレーズに基づいて決定するためのフロー図である。
【図5】別個に取得されたファイルのビデオコンテンツとの所定の対応関係を、タイミングに基づいて決定するためのフロー図である。
【図6(A)】別個に取得されたファイルが、ビデオコンテンツのオーディオファイルの対応する要素と同期しているか否かを決定するためのフロー図である。
【図6(B)】別個に取得されたファイルの同期していない要素のタイムコードの変更に基づく、同期のための好適な実装のフロー図である。
【図6(C)】タイムコードの属性に基づく、同期のための好適な実装のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1を参照すると、全体として参照番号100により示される再生装置が示されている。再生装置100は、ビデオコンテンツ101及び別個に取得されるファイル102を受信する。該ビデオコンテンツは、ビデオファイル、1つ以上のオーディオファイル(例えば元のオーディオファイルと別の言語のオーディオファイル)、及びことによると字幕ファイルのような1つ以上のクローズドキャプションを含む。これらファイルは、タイムコードによってマークを付された要素を含み、該要素は例えば、字幕ファイルについてはテキスト要素であり、又はオーディオファイルについては音声要素である。例えば字幕ファイルの要素は、含まれるオーディオファイルにおける対応する要素に個別に同期される。ユーザは、元のオーディオファイルと、元のオーディオファイルにおける言語(例えば英語)とは異なる言語(例えばフランス語)の字幕ファイルと、と共にビデオコンテンツを再生することを選択し得る。ユーザはまた、元のオーディオファイルにおける言語(例えば英語)とは異なる言語(例えばフランス語)のオーディオファイルと共に、ビデオコンテンツを再生することを選択し得る。
【0015】
ユーザは、ユーザが保有するビデオコンテンツに含まれないファイルを検索することを決定し得る。例えばユーザは、該ビデオコンテンツに含まれない言語(例えばイタリア語)の字幕又はオーディオファイルと共に、該ビデオコンテンツを観たいと欲し得る。このときユーザは、視聴されるべきビデオコンテンツについての所望の言語(例えばイタリア語)の字幕ファイル又はオーディオファイルを、検索し別個に取得し得る。
【0016】
該別個に取得されるファイルは、字幕ファイル、クローズドキャプションファイル、又はオーディオファイルであり得る。再生装置100は、ビデオ及びオーディオ信号103を、表示ユニット104のような視聴手段に出力する、出力ユニット106を有する。表示ユニット104は、図示されるように再生装置100とは別個に配置されても良いし、又は再生装置100と一体化されていても良い。該再生装置は、該装置の構成要素を制御し、再生装置100における又は該装置からリモートに位置するハードウェア又はソフトウェアに含まれる命令を実行するための、プロセッサ105を持つ。該再生装置は、ファイルを保存するための、ハードディスクドライブのような記憶ユニット110を持つ。保存されたファイルは、インターネットのような種々の供給源を通してビデオコンテンツ101とは別個に取得された複数のファイル111を有する。記憶ユニット110は、該記憶ユニットに対して所与のファイルを保存又は削除するよう命令する保存/削除エージェント112の制御下にある。保存/削除エージェント112はプロセッサ105の制御下にあり、該プロセッサと一体化されても良い。典型的な再生装置のための典型的な機能に加え、該プロセッサの追加された機能は、本発明に関連して以下に詳細に説明される。
【0017】
図2を参照すると、別個に取得されたファイルの確認及び同期のための主機能を示すフロー図が示されている。ステップ201において、ビデオコンテンツとは別個にファイルが取得される。ステップ202において、プロセッサ105は、該別個に取得されたファイルを記憶ユニット110に保存する。ユーザが、該再生装置に、該別個に取得されたファイルを保存するように命令しても良い。ステップ203において、プロセッサ105は、該別個に取得されたファイルが、該ビデオコンテンツに対して所定の対応関係を持つか否かを決定する。所定の対応関係の決定のための種々の方法は、以下に詳細に説明される。該別個に取得されたファイルが該ビデオコンテンツに対して所定の対応関係を持たないと決定された場合、プロセッサ105はステップ203からステップ204への経路に沿って進み、該別個に取得されたファイルが記憶ユニット110から削除され、別のファイルが別個に取得される(ステップ201)。複数のファイルがビデオコンテンツとは別個に取得されている場合には、該複数の別個に取得されたファイルが記憶ユニット110に保存され、プロセッサ105は、該ビデオコンテンツとの再生のために保存された次の別個に取得されたファイルへと進む。
【0018】
該別個に取得されたファイルが該ビデオコンテンツに対して所定の対応関係を持つと決定された場合には、プロセッサ105はステップ203からステップ205への経路に沿って進む。ステップ205において、プロセッサ105は、該別個に取得されたファイルの要素が、該ビデオコンテンツのオーディオファイルの対応する要素と同期されているか否かを決定する。該別個に取得されたファイルの要素と、該ビデオコンテンツのオーディオファイルの対応する要素との間の同期を決定するための好適な方法は、後に説明される。該別個に取得されたファイルが、該ビデオコンテンツのオーディオファイルの対応する要素と同期していない要素を含まないと決定された場合には、プロセッサ105はステップ205から終了への経路に沿って進む。
【0019】
該別個に取得されたファイルが、該ビデオコンテンツのオーディオファイルの対応する要素と同期しない該別個に取得されたファイルの要素を含むと決定された場合、プロセッサ105は、ステップ205からステップ206への経路に沿って進む。ステップ206において、プロセッサ105は、該別個に取得されたファイルの同期していない要素を、該ビデオコンテンツのオーディオファイルにおける対応する要素と同期させる。同期は、双方のファイルにおける要素の時間調整に関連する。要素の同期を決定及び実行する際には、許容範囲の閾値が考慮される。該別個に取得されたファイルの同期していない要素を同期させる方法は、後に説明される。
【0020】
図3を参照すると、意図される言語に基づいて、別個に取得されたファイルの所定の対応関係を決定するための機能の好適な実装を示すフロー図が示されている。ステップ301において、プロセッサ105は、記憶ユニット110に保存された、別個に取得されたファイルを選択する。ステップ302において、ユーザが、該別個に取得されたファイルが確認されるべき意図される言語を選択する。ステップ303において、プロセッサ105は、該別個に取得されたファイルの要素の言語設定を解析してステップ304に進み、ステップ304において、該別個に取得されたファイルに存在する優位な言語を検出する。ステップ305において、該プロセッサは、該検出された優位な言語が、意図された言語と同じであるか否かを決定する。該検出された優位な言語が、意図された言語と同じではないと決定された場合、プロセッサ105はステップ305からステップ306への経路に沿って進み、ステップ306において、該別個に取得されたファイルが、該ビデオコンテンツに対して所定の対応関係を持たないものとしてマークを付される。該検出された優位な言語が、意図された言語と同じであると決定された場合には、プロセッサ105はステップ305からステップ307への経路に沿って進み、ステップ307において、該別個に取得されたファイルが、該ビデオコンテンツに対して所定の対応関係を持つものとしてマークを付される。
【0021】
図4を参照すると、ビデオコンテンツに関する取得されたキーフレーズに基づいて、別個に取得されたファイルの所定の対応関係を決定するための機能の、好適な実装を示すフロー図が示されている。ステップ401において、プロセッサ105は、記憶ユニット110に保存された別個に取得されたファイルを選択する。ステップ402において、プロセッサ105は、ビデオコンテンツに関連するキーフレーズを取得する。キーフレーズは、インターネット上のウェブサイトのような別個の情報源から取得されても良いし、又はビデオコンテンツに含まれるいずれかのファイル(例えばオーディオファイル、字幕ファイル、付加的特徴)から取得されても良い。ステップ403において、プロセッサ105は、該別個に取得されたファイルにおいて、該取得されたキーフレーズを検索する。ステップ404において、該プロセッサは、該取得されたキーフレーズが、該別個に取得されたファイル中に存在するか否かを決定する。該取得されたキーフレーズが該別個に取得されたファイル中に存在しないと決定された場合には、プロセッサ105は、ステップ404からステップ405への経路に沿って進み、ステップ405において、該別個に取得されたファイルが、該ビデオコンテンツに対する所定の対応関係を持たないものとしてマークを付される。該取得されたキーフレーズが該別個に取得されたファイル中に存在すると決定された場合には、プロセッサ105は、ステップ404からステップ406への経路に沿って進み、ステップ406において、該別個に取得されたファイルが、該ビデオコンテンツに対する所定の対応関係を持つものとしてマークを付される。
【0022】
図5を参照すると、タイミングに基づいて、別個に取得されたファイルの所定の対応関係を決定するための機能の、好適な実装を示すフロー図が示されている。ステップ501において、プロセッサ105は、記憶ユニット110に保存された別個に取得されたファイルを選択する。ステップ502において、プロセッサ105は、該別個に取得されたファイルの要素のタイミングを抽出する。ステップ503において、プロセッサ105は、該抽出されたタイミングを、該ビデオコンテンツのオーディオファイルの対応する要素のタイミングと比較する。ステップ504において、プロセッサ105は、該比較の結果が、該別個に取得されたファイルと該ビデオコンテンツとの間に対応関係を確立するか否かを決定する。例えば、該比較結果が、所定の制限内であるタイミングの差を示す場合には、双方のファイル間の対応関係が確立され、そうでない場合には斯かる対応関係は確立されない。該比較の結果が該別個に取得されたファイルと該ビデオコンテンツとの間に対応関係を確立しないと決定された場合には、プロセッサ105は、ステップ504からステップ505への経路に沿って進み、ステップ505において、該別個に取得されたファイルが、該ビデオコンテンツに対する所定の対応関係を持たないものとしてマークを付される。該比較の結果が該別個に取得されたファイルと該ビデオコンテンツとの間に対応関係を確立すると決定された場合には、プロセッサ105は、ステップ504からステップ506への経路に沿って進み、ステップ505において、該別個に取得されたファイルが、該ビデオコンテンツに対する所定の対応関係を持つものとしてマークを付される。
【0023】
図6Aを参照すると、別個に取得されたファイルの要素が、ビデオコンテンツのオーディオファイルの対応する要素と同期されているか否かを決定するための機能の、好適な実装を示すフロー図が示されている。ステップ601において、プロセッサ105は、検査されるべき別個に取得されたファイルの、インデクスXobtained_fileにより示された要素にアクセスする。ステップ602において、プロセッサ105は、該別個に取得されたファイルの該要素のタイムコードTCX_obtained_fileを抽出する。ステップ603において、プロセッサ105は、ビデオコンテンツのオーディオファイルの対応する要素Xaudio_fileのタイムコードTCX_audio_fileを抽出する。ステップ604において、プロセッサ105は、該別個に取得されたファイルの該要素のタイムコードと、該ビデオコンテンツのオーディオファイルの対応する要素のタイムコードとの間の時間差Tdiffを算出する:
diff=TCX_obtained_file−TCX_audio_file
【0024】
ステップ605において、プロセッサ105は、算出された時間差Tdiffの絶対値が所定の閾値より小さいか否かを決定する。該算出された時間差の絶対値が所定の閾値より小さいと決定された場合には、プロセッサ105は、ステップ605からステップ606への経路に沿って進み、ステップ606において、該別個に取得されたファイルの要素Xobtained_fileが、該ビデオコンテンツのオーディオファイルの対応する要素Xaudio_fileと同期されているものとしてマークされる。該算出された時間差の絶対値が所定の閾値より小さくないと決定された場合には、プロセッサ105は、ステップ605からルーチン620への経路に沿って進む。ルーチン620は、同期されていない要素を同期させるために好適な2つの代替可能な手法を示す図6B及び6Cに示されている。
【0025】
ステップ607において、プロセッサ105は、検査されるべき該別個に取得されたファイルの要素が残っているか否かを決定する。該別個に取得されたファイルに要素が残っていると決定された場合には、プロセッサ105は、ステップ607からステップ608への経路に沿って進み、ステップ608において、該別個に取得されたファイルの要素のインデクスXobtained_fileが、該別個に取得されたファイルのシーケンスにおける次の要素のインデクスと等しくなるように、1だけ加算される。
【0026】
図6Bを参照すると、ルーチン620が示されている。ステップ621において、プロセッサ105は、該別個に取得されたファイルの要素のタイムコードTCX_obtained_fileを変更して、TCX_obtained_fileとTCX_audio_fileとの間の時間差が所定の閾値内となるようにする。プロセッサ105は次いで、ステップ606に進む。
【0027】
図6Cを参照すると、代替のルーチン620が示されている。ステップ631において、プロセッサ105は、該別個に取得されたファイルのアクセスされた要素Xobtained_fileに対応する該ビデオコンテンツのオーディオファイルの要素Xaudio_fileのタイムコードTCX_audio_fileを検出する。ステップ632において、プロセッサ105は、該検出されたタイムコードTCX_audio_fileを、該別個に取得されたファイルの対応する要素Xobtained_fileに対応付ける。プロセッサ105は次いで、ステップ606に進む。
【0028】
本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらのいずれかの組み合わせを含む、いずれの適切な形態で実装されても良い。本発明又は本発明の幾つかの特徴は、1以上のデータプロセッサ及び/又はディジタル信号プロセッサ上で動作するコンピュータソフトウェアとして実装されても良い。本発明の実施例の要素は、物理的、機能的及び論理的に、いずれの適切な態様で実装されても良い。機能は単一のユニットで実装されても良いし、複数のユニットで実装されても良いし、又は他の機能ユニットの一部として実装されても良い。本発明は単一のユニットで実装されても良いし、種々のユニット及びプロセッサ間で物理的及び機能的に分散されても良い。
【0029】
本発明は特定の実施例と関連して説明されたが、本発明はここで開示された特定の形態に限定されることを意図したものではない。本発明の範囲は、添付する請求項によってのみ限定される。請求項において、「有する(comprise)」なる語は、他の要素又はステップの存在を除外するものではない。加えて、個々の特徴が異なる請求項に含められ得るが、これら特徴は有利に組み合わせられても良く、異なる請求項に含められていることは、これら特徴の組み合わせが利用可能ではない及び/又は有利ではないことを意味するものではない。加えて、単数形の参照は複数を除外するものではない。従って、「1つの(a、an)」、「第1の(first)」及び「第2の(second)」等への参照は、複数を除外するものではない。更に、請求項における参照記号は、請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオファイル及びオーディオファイルを含むビデオコンテンツと、前記ビデオコンテンツから別個に取得されたファイルと、の再生のための手段と、
前記別個に取得されたファイルが、前記ビデオコンテンツに対して所定の対応関係を持つか否かを決定するための手段と、
前記別個に取得されたファイルが、前記ビデオコンテンツに対して所定の対応関係を持つと決定された場合に、前記別個に取得されたファイルの要素が、前記ビデオコンテンツの前記オーディオファイルの対応する要素と同期されているか否かを決定するための手段と、
対応する前記別個に取得されたファイルの要素が、前記ビデオコンテンツの前記オーディオファイルの対応する要素と同期されていないと決定された場合に、前記別個に取得されたファイルの要素を、前記ビデオコンテンツの前記オーディオファイルの対応する要素と同期させるための手段と、
を有する、再生装置。
【請求項2】
前記ビデオコンテンツから別個に取得されたファイルは、字幕ファイル、クローズドキャプションファイル、又はオーディオファイルである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記別個に取得されたファイルが、前記ビデオコンテンツに対して所定の対応関係を持つか否かを決定するための手段は、
前記別個に取得されたファイルの言語設定を解析するための手段と、
前記別個に取得されたファイルに優位に存在する言語を検出するための手段と、
を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記別個に取得されたファイルに優位に存在する言語を検出するための手段は、意図された言語が、前記別個に取得されたファイルに優位に存在するものとして検出された言語であるか否かを決定するための手段を更に有する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記別個に取得されたファイルが、前記ビデオコンテンツに対して所定の対応関係を持つか否かを決定するための手段は、
前記別個に取得されたファイルの要素のタイミングを、前記ビデオコンテンツの前記オーディオファイルにおける対応する要素のタイミングと比較するための手段と、
前記別個に取得されたファイルと前記ビデオコンテンツとの間の対応関係を確立するために前記比較の結果を解析する手段と、
を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記別個に取得されたファイルが、前記ビデオコンテンツに対して所定の対応関係を持つか否かを決定するための手段は、
前記ビデオコンテンツに関連するキーフレーズを取得するための手段と、
前記取得されたキーフレーズが、前記別個に取得されたファイルに存在するか否かを検出するための手段と、
を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記別個に取得されたファイルの要素が、前記ビデオコンテンツの前記オーディオファイルの対応する要素と同期されているか否かを決定するための手段は、
前記別個に取得されたファイルの要素のタイムコードと、前記ビデオコンテンツの前記オーディオファイルの対応する要素のタイムコードとの間の時間差を算出するための手段と、
前記算出された時間差を所定の閾値と比較し、前記算出された時間差の絶対値が前記所定の閾値よりも小さくない場合には、前記別個に取得されたファイルの要素が、前記ビデオコンテンツの前記オーディオファイルの対応する要素と同期されていないものとして決定される手段と、
を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記別個に取得されたファイルの要素を、前記ビデオコンテンツの前記オーディオファイルの対応する要素と同期させるための手段は、
前記別個に取得されたファイルの同期されていない要素のタイムコードと、前記ビデオコンテンツの前記オーディオファイルの対応する要素のタイムコードとの間の時間差を算出するための手段と、
前記時間差が所定の制限内となるように、前記別個に取得されたファイルの同期されていない要素のタイムコードを変更するための手段と、
を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記別個に取得されたファイルの要素を、前記ビデオコンテンツの前記オーディオファイルの対応する要素と同期させるための手段は、
前記ビデオコンテンツの前記オーディオファイルの要素のタイムコードを検出するための手段と、
前記検出された前記ビデオコンテンツの前記オーディオファイルの要素のタイムコードを、前記別個に取得されたファイルの対応する要素に対応付ける手段と、
を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
ビデオファイル及びオーディオファイルを含むビデオコンテンツから別個に取得されたファイルの確認及び同期のための方法であって、
前記別個に取得されたファイルが、前記ビデオコンテンツに対して所定の対応関係を持つか否かを決定するステップと、
前記別個に取得されたファイルが、前記ビデオコンテンツに対して所定の対応関係を持つと決定された場合に、前記別個に取得されたファイルの要素が、前記ビデオコンテンツの前記オーディオファイルの対応する要素と同期されているか否かを決定するステップと、
対応する前記別個に取得されたファイルの要素が、前記ビデオコンテンツの前記オーディオファイルの対応する要素と同期されていないと決定された場合に、前記別個に取得されたファイルの要素を、前記ビデオコンテンツの前記オーディオファイルの対応する要素と同期させるステップと、
を有する方法。
【請求項11】
請求項1に記載の再生装置を動作させるための集積回路。
【請求項12】
請求項1に記載の再生装置を動作させるための、コンピュータ読み取り可能な媒体に具現化されたコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6(A)】
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【図6(B)】
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【図6(C)】
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【公表番号】特表2012−524446(P2012−524446A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505277(P2012−505277)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【国際出願番号】PCT/IB2010/051588
【国際公開番号】WO2010/122447
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】