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ビニルエーテル系単量体と不飽和カルボン酸の共重合体製造方法
説明

ビニルエーテル系単量体と不飽和カルボン酸の共重合体製造方法

【課題】
ビニルエーテル系PAG付加単量体は、ビニルエーテルが酸性条件で、不飽和カルボン酸との共重合反応でのさらなる重合率の向上が難しいものであった。
重合条件を検討し、本反応系での重合率を向上させることを課題とした。
【解決手段】
特定の単量体(A)、単量体(B)を必須として得られる共重合体を製造するにあたり、30℃以下での重合反応を行う製造方法を提供すること、
好ましくは前記単量体(B)の酸の内、1モル%等量以上が、中和された単量体を使用することで上記課題を解決した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビニルエーテル系単量体および、不飽和カルボン酸の共重合体製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
不飽和カルボン酸とビニルエーテル系単量体の共重合体は、セメント分散剤、洗剤用ビルダーなど種々の分野で利用されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ビニルエーテル系単量体と無水マレイン酸との共重合体をセメント混和剤として用いることが記載されている。また、特許文献2および3にはビニルエーテル系単量体と、不飽和カルボン酸の共重合体の製造方法が開示されているが、副反応を抑制しつつ高純度の共重合体を得るには満足のいく方法ではなかった。
【0004】
【特許文献1】特開平9−309756号公報
【特許文献2】特開2000−351820号公報
【特許文献3】特開2004−307590号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ビニルエーテル系単量体は、ビニルエーテルが酸性条件で、付加反応及び、カチオン重合により、その不飽和結合を分解させてしまうことから、不飽和カルボン酸との共重合反応での重合率の向上が難しいものであった。
【0006】
そこで本発明は、ビニルエーテル系ポリアルキレングリコール(以下、PAGと称す。)付加単量体と不飽和カルボン酸の共重合反応において、ビニル基の不飽和結合分解の原因となる副反応を抑制し、目的とする共重合体の重合率を高める工程、ついで、その生産性を高める工程を通じ、コストパフォーマンスの良い重合体を提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、ビニルエーテル系単量体とカルボン酸とのヘミアセタール化に由来するビニル基の不飽和結合の消失を反応温度の低温化により抑制し、ビニルエーテル系単量体と不飽和カルボン酸の共重合体をより高い重合率で製造できること、カルボン酸の一部を中和することで目的の共重合体をより高い重合率で得る製造できること、及び、重合濃度を向上させることでより高い生産性で目的の共重合体を製造出来ることを見出し本発明に至った。
【0008】
本発明の共重合体の製造方法は、
下記一般式(A);
CH2=CH(OT)n(OR1mOH (A)
式中、Tは同一または異なってもよく、炭素数1〜5のアルキレン基または炭素数6〜9のアリール基を示し、ORは同一または異なってもよく、炭素数2〜18のオキシアルキレン鎖を示し、nは0または1を示し、mはOR1の平均付加モル数を示し、0〜300である。但し、m+nは0ではない。
で表される単量体(A)、及び
下記一般式(B);
CR=CRCOOM (B)
(式中、R、R、Rは水素、炭素数1〜4のアルキル基、−R−COOM(Rは炭素数0〜4のアルキル基)であり、Mは水素、金属(酸化数IまたはII)、炭素数1〜20のアルキルアミンから派生したアンモニウム基、炭素数1〜20のアルカノールアミン、炭素数5〜8のシクロアルキルアミン、炭素数6〜14のアリールアミンである。
で表される単量体(B)を必須として得られる共重合体を製造するにあたり30℃以下で重合することを特徴とする。
【0009】
また、上記工程においては構成単位(B)の酸の内、1モル%等量以上が、中和された単量体を使用することが好ましい。
また、上記製造方法を50重量%以上の溶媒濃度で行うことが好ましい。
【0010】
また、上記製造方法で単量体(A)及び(B)のみからなる事を特徴とする共重合体を重合することが好ましい。
また、請求項1〜4の製造方法で得られる共重合体はゲルパーミションクロマトグラフィー(以下、GPC)―示差屈折検出(以下、RI)チャート上において、検出時間の早い重合体ピークと、検出時間が遅く分子量が単量体相当の非重合体ピークとして検出される該二つのピーク検出面積の比が以下の規定を満たすことを特徴とする重合体が好ましい。
(非重合体ピーク面積)/(重合体ピーク面積) ≦ 35%
分離方法は下記(1)〜(3)に従う、
(1)RIチャート上の縦軸値(検出電圧値;MV)が0となるベースラインを検出ピークの左端から右端に引く。
(2)重合体ピーク、非重合体ピークがベースラインと交わる点で、ピークを分ける。
(3)両ピークが連続して検出される場合、両ピークの間にできる谷部分の最下層でピークを分ける。
好ましくは、上記製造方法で得られる共重合体のGPC−RIチャート上において、検出時間の早い重合体ピークは分子量が重量平均分子量(Mw)で、5,000〜300,000が好ましく、単量体相当の非重合体ピークは分子量が3000以下が好ましく、単量体A相当の分子量がより好ましい。
さらに、上記製造方法に限定されなくとも、上記単量体(A)及び(B)由来の構成単位を含む共重合体において上記規定を満たすことを特徴とする共重合体も好ましい形態である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の、ビニルエーテル系単量体と不飽和カルボン酸の共重合体製造方法
によれば、従来よりも高重合率で目的とする共重合体を得ることができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(1)本発明のビニルエーテル系単量体と不飽和カルボン酸の共重合体製造方法
本発明のビニルエーテル系単量体と不飽和カルボン酸の共重合体製造方法は少なくとも
下記一般式(A);
CH2=CH(OT)n(OR1mOH (A)
(表される単量体(A)、及び
一般式(B);
CR=CRCOOM (B)
で表される単量体(B)の利用を必須とする。
上記一般式(A)で表される単量体(A)のTは同一または異なってもよく、炭素数1〜5のアルキレン基または炭素数6〜9のアリール基を示し、ORは同一または異なってもよく、炭素数2〜18のオキシアルキレン鎖を示し、nは0または1を示し、mはOR1の平均付加モル数を示し、0〜300である。
上記単量体(A)の具体例としては、ビニルエーテル‐ポリエチレングリコール付加物、ビニルエーテル‐ポリプロピレングリコール付加物、ビニルエーテル‐ポリエチレングリコール‐ポリプロピレングリコール‐ランダム及びブロック付加物、ヒドロキシプロピルビニルエーテル‐ポリエチレングリコール付加物、ヒドロキシプロピルビニルエーテル‐ポリプロピレングリコール付加物、ヒドロキシプロピルビニルエーテル‐ポリエチレングリコール‐ポリプロピレングリコール‐ランダム及びブロック付加物等のビニルエーテル系アルキレングリコール付加物などが挙げられる。
上記一般式(B)で表される単量体(B)のR、Rは水素、炭素数1〜4のアルキル基、−R4−COOM(R4は炭素数0〜4のアルキル基)であり、Mは水素、金属(酸化数IまたはII)、炭素数1〜20のアルキルアミンから派生したアンモニウム基、炭素数1〜20のアルカノールアミン、炭素数5〜8のシクロアルキルアミン、炭素数6〜14のアリールアミンである。
【0013】
上記単量体(B)のMにおける金属原子としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属原子などの一価金属原子;カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属原子などの二価金属原子などが挙げられる。
【0014】
また、有機アミン基としては、エタノールアミン基、ジエタノールアミン基、トリエタノールアミン基などのアルカノールアミン基;トリエチルアミンなどのアルキルアミン;更にアンモニウム基などが挙げられる。
上記単量体(B)の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸類およびこれらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸などの不飽和ジカルボン酸類およびこれらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩類等が挙げられる。
上記、単量体(A)、(B)はそれらで共重合体としてもよいし、所望する共重合体の種類によって、それらと下記する不飽和化合物との共重合体としてよい。
【0015】
具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸t-ブチルなどの直鎖状または分枝状の不飽和カルボン酸エステル;スチレン、α‐メチルスチレン、ビニルトルエン、p‐メチルスチレンなどのビニル芳香族類;ブタジエン、イソプレン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエンなどのジエン類;(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアルキルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドなどの不飽和アミド類;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリルなどの不飽和シアン類;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジブチルアミノエチル、ビニルピリジンなどの不飽和アミン類;ジビニルベンゼンなどのジビニル芳香族類;トリアリルシアヌレートなどのシアヌレート類;(メタ)アリルアルコール、グリシジル(メタ)アリルエーテルなどのアリル類;ポリジメチルシロキサンプロピルアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサンアミノプロピレンアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサン−ビス−(プロピルアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(ジプロピレンアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン−(1−プロピル−3−アクリレート)、ポリジメチルシロキサン−(1−プロピル−3−メタクリレート)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(1−プロピル−3−アクリレート)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(1−プロピル−3−メタクリレート)などのシロキサン誘導体なども挙げられる。さらには、N−ビニルコハクイミド、N−ビニルカルバゾール、1−ビニルイミダゾール、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−メチル−N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミドなどのN−ビニル化合物なども挙げられる。
上記、単量体(A)、(B)を必須とする重合反応は、特に限定されるものではなく、溶液重合や塊状重合などの公知の方法を採用することができる。特に反応の制御や、重合物の取り扱い易さの点を考慮すると、溶液重合が好ましい。なお、所望の共重合体が得られる製法であれば、本発明で開示の製法に限定されず、本発明の共重合体は、上記単量体由来の構成単位を含むものであればよい。例えば上記単量体由来の構成単位とは、重合反応によって、各単量体の重合性2重結合が開いた構造(2重結合(C=C)が、単結合(−C−C−)となった構造)に相当する。
【0016】
溶液重合を行う場合、溶媒としては、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、2−プロパノールなどの低級アルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサンなどの芳香族あるいは脂肪族炭化水素;酢酸エチルなどのエステル化合物;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン化合物;等の1種または2種以上を用いることができる。中でも水、メチルアルコール、エチルアルコール、2プロパノールなどが特に好ましい。
【0017】
上記、単量体(A)、(B)を必須とする重合反応において、単量体(A)いわゆるビニル系単量体成分の不飽和結合は、酸性条件下において、ヘミアセタール化、単独重合反応などにより分解され、目的とする単量体(B)との共重合反応を阻害する要因となる。
【0018】
よって、単量体(A)の不飽和結合の分解を抑制するには、反応温度を下げることが好ましい。反応温度は、0〜30℃が好ましく、より好ましくは10℃〜30℃である。
【0019】
重合反応に利用される開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩;過酸化水素;アゾビス−2メチルプロピオンアミジン塩酸塩、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物;ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシドなどのパーオキシドが使用できるが、反応温度が30℃以下である本製造方法においては、低温での開始剤効率が高い、過酸化水素、上記パーオキシドを使用したレドックス系が好ましい。
【0020】
レドックス系において開始剤と併用される還元剤としてはモール塩に代表される鉄(II)、スズ(II)、チタン(III)、クロム(II)、V(II)、Cu(II)等の低原子価状態にある金属の塩類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ヒドロキシルアミン、塩酸ヒドロキシルアミン,ヒドラジンなどのアミン化合物もしくはその塩;亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ二亜硫酸ナトリウム、亜ニ酸チオン酸ナトリウムなどの低級酸化物もしくはその塩;ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラート、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム二水和物などの−SH基、−SO2H基、−NHNH2基、−COCH(OH)−基等の基を有する有機系化合物もしくはその塩;D−フルクトース、D−グルコース等の転化糖;チオウレア、二酸化チオウレアなどのチオウレア化合物;L−アスコルビン酸、Lアスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸エステル、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸エステルがある。
【0021】
得られる重合体の分子量調整には、チオール系連鎖移動剤が併用でき、所望する分子量を、移動剤添加量で適宜、作り分けることができる。
【0022】
この際に用いられるチオール系連鎖移動剤は
一般式(C)
HS−R−E (C)
で表される。
式中Rは炭素原子数1〜2のアルキル基を表し、Eは−OH、−COOM、COORまたは−SO基を表し、M2は水素、一価金属、二価金属、アンモニウム基、または有機アミン基を表し、R6は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、lは1〜2の整数を表す。
具体的には、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
【0023】
先に示したように、単量体(A)すなわちビニル系単量体を使用する場合、系中が酸性であると、単量体(B)との共重合反応が副反応により阻害される。
本反応系において、系中を酸性としてしまう主な原因は単量体(B)の一般式中のMが水素の場合、例えば単量体(B)が(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などの場合である。
【0024】
この場合、酸性モノマーの濃度が、副反応の反応速度に大きく影響することから、酸性モノマーの一部を中和し、副反応を抑制し、目的とする、単量体(A)および(B)の共重合反応を促進することが望ましい。
【0025】
酸性モノマーの中和率は、1〜70mol%が好ましく、より好ましくは5〜60mol%、特に好ましくは10〜50mol%である。
【0026】
70mol%以上の中和は、単量体(B)の反応性を落とすこと、単量体(B)を入れておく容器壁面に多くの不飽和カルボン酸塩が析出してしまうことから好ましくない。
【0027】
単量体(B)の部分中和には、例えば、一価金属または二価金属の水酸化物、炭素塩などの無機物;アンモニア;有機アミンなどを用いることができ、中でも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の一価金属水酸化物のアルカリ水溶液が好ましい。
【0028】
重合濃度は、ポリマーの粘度、濃度に依存する単量体の重合挙動などにより定められるが、製造時のコストとポリマーの重合率の観点から、重合終了時の濃度は、50〜90重量%であることが好ましい。
【0029】
重合濃度が90重量%を越えると、共重合反応そのものが進行しなくなる、もしくは極端にその重合率が下がることとなるため好ましくない。
【0030】
上記、製造方法において、単量体(A)および(B)を必須とする共重合体の重合率を向上させるには、単量体(A)および(B)のみからなる共重合体を重合することが好ましい。これは、重合性の低い不飽和化合物を単量体として加えることで、重合反応が阻害されることに起因する。
【0031】
本発明により、重合された共重合体は、セメント分散剤、顔料分散剤、染料分散剤、塗料分散剤として好適に使用することができる。
【0032】
単量体の配合比は特に限定されないが、セメント分散剤としての性能を考慮した場合、単量体(A)に含まれるポリオキシアルキレンがある程度存在していることが好ましい。具体的には、一般式(A)で示される単量体は単量体の全モル数に対して、好ましくは5〜70モル%、より好ましくは10〜60モル%含まれる。一般式(B)で表される単量体は単量体の全モル数に対し、好ましくは、30〜95モル%、より好ましくは40〜90モル%含まれる。
【0033】
単量体(A)および(B)からなる共重合体の分子量は特に限定されないが、セメント分散剤としての性能を考慮した場合、GPCによる、ポリエチレングリコール換算の値で、重量平均分子量(Mw)で、5,000〜300,000が好ましく、より好ましくは5,000〜200,000、特に好ましくは7、000〜150,000である。
GPC測定条件
使用カラム:東ソー社製TSKguardcolumn SWXL+TSKgel G4000SWXL+G3000SWXL+G2000SWXL
溶離液:水10999g、アセトニトリル6001gの混合溶媒に酢酸ナトリウム三水和物115.6gを溶かし、更に30%水酸化ナトリウムでpH6.0に調整したものを用いる。
打ち込み量:0.5%溶離液溶液100μL
溶離液流速:0.8mL/min
カラム温度:40℃
標準物質:ポリエチレングリコール、重量平均分子量(Mw)272500、219300、85000、46000、24000、12600、4250、
7100、1470
検量線次数:三次式
検出器:日本Waters社製 410 示差屈折検出器
解析ソフト:日本Waters社製 MILLENNIUM Ver.3.21
セメント分散剤は、セメントに対し少量滴下することで、より高い分散性をセメントに付与できるかどうかが、性能の一つの指標となる。本発明で重合した共重合体をセメント分散剤に供した場合、ある重合率で大きく分散性能が変化することを見出した。
【0034】
重合率は、以下の指標を利用し示すこととする。
GPCのRIのチャートを利用し、上記測定条件により検出されるピークのうち、分子量の高いピークを重合体ピーク、分子量の低いピーク(使用した単量体(A)に近いMwを示すピーク)を非重合体ピークとする(図1参照)。
次にピークの分け方を以下に示す(図2参照)。
(1)RIチャート上の縦軸値(検出電圧値;MV)が0となるベースラインを検出ピークの左端から右端に引く。
(2)重合体ピーク、非重合体ピークがベースラインと交わる点で、ピークを分ける(図2の破線1)。
(3)両ピークは連続して検出されることがあるが、その場合、両ピークの間にできる谷部分の最下層でピークを分ける(図2の破線2)。
【0035】
この時検出される各ピークの面積を以下の式に代入し、重合率の指標とする。
(式A):(非重合体ピーク面積/重合体ピーク面積) %
セメント分散剤として、高い分散剤を示すには上記(式A)から導かれる値が35%以下であることが好ましい、より好ましくは32%以下、特に好ましくは30%以下である。
【実施例】
【0036】
〈製造例1〉CHEMIWAY 丸善石油化学株式会社製のジエチレングリコールモノビニルエーテル(DEGV)から公知の方法により、ビニルエーテルのエチレンオキシド20モル付加化合物(以下VE−20と称す)をごうせいした。
〈比較例1〉VE−20とアクリル酸の共重合(40℃から反応)
温調、攪拌翼、窒素導入口を備えた容器にVA−20の65重量%水溶液を163.4g仕込み、溶液濃度を38℃とした。容器内に100ml/分の窒素を流し、4モル/モノマーの過酸化水素水溶液21.2g、β−メルカプトプロピオン酸1.5モル%/モノマーとL−アスコルビン酸1モル%の溶解した水溶液44.9gを1.75時間、70重量%のアクリル酸水溶液20.3gを1.5時間かけて滴下した。開始1.75時間後に30分の熟成を行った。反応中、溶液温度は38〜49℃の間でコントロールされた。
【0037】
得られた重合体(A1)の固形分は50%であり、GPC溶離液を加えサンプル濃度を0.5%とし、GPCでの分子量測定をおこなった。GPCピークは大きく2つ現れ、ピークトップ分子量(以下Mpと称す)31,800のピーク(重合体ピーク)とMp1,170のピーク(非重合体ピーク)を両ピークの間にできる谷部分の最下層で分け、Mp1,180のピークはマイナスピークを含まないようにした。この時、(非重合体ピーク面積/重合体ピーク面積)は40.5%であった。
〈実施例1〉VE−20とアクリル酸の共重合(30℃以下で反応)
温調、攪拌翼、窒素導入口を備えた容器にVA−20の65重量%水溶液を163.4g仕込み、溶液濃度を29℃とした。容器内に100ml/分の窒素を流し、4モル/モノマーの過酸化水素水溶液21.2g、β−メルカプトプロピオン酸1.5モル%/モノマーとL−アスコルビン酸1モル%の溶解した水溶液44.9gを1.75時間、70重量%のアクリル酸水溶液20.3gを1.5時間かけて滴下した。開始1.75時間後に30分の熟成を行った。反応中、溶液温度は27〜30℃の間でコントロールされた。
【0038】
得られた重合体(A2)の固形分は50%であり、GPC溶離液を加えサンプル濃度を0.5%とし、GPCでの分子量測定をおこなった。GPCピークは大きく2つ現れ、Mp34、560のピーク(重合体ピーク)とMp1,180のピーク(非重合体ピーク)を両ピークの間にできる谷部分の最下層で分け、Mp1,180のピークはマイナスピークを含まないようにした。この時、(非重合体ピーク面積/重合体ピーク面積)は23.4%であった。
〈実施例2〉VE−20とアクリル酸の共重合(10℃付近で反応)
温調、攪拌翼、窒素導入口を備えた容器にVA−20の65重量%水溶液を163.4g仕込み、溶液濃度を7.2℃とした。容器内に100ml/分の窒素を流し、4モル/モノマーの過酸化水素水溶液21.2g、β−メルカプトプロピオン酸1.5モル%/モノマーとL−アスコルビン酸1モル%の溶解した水溶液44.9gを1.75時間、70重量%のアクリル酸水溶液20.3gを1.5時間かけて滴下した。開始1.75時間後に30分の熟成を行った。反応中、溶液温度は4〜11℃の間でコントロールされた。
【0039】
得られた重合体(A3)の固形分は50%であり、GPC溶離液を加えサンプル濃度を0.5%とし、GPCでの分子量測定をおこなった。GPCピークは大きく2つ現れ、Mp31,250のピーク(重合体ピーク)とMp1,180のピーク(非重合体ピーク)を両ピークの間にできる谷部分の最下層で分け、Mp1,180のピークはマイナスピークを含まないようにした。この時、(非重合体ピーク面積/重合体ピーク面積)は25.5%であった。
〈実施例3〉VE−20とアクリル酸の共重合(10%中和、30度以下で反応)
温調、攪拌翼、窒素導入口を備えた容器にVA−20の65重量%水溶液を163.4g仕込み、溶液濃度を28℃とした。容器内に100ml/分の窒素を流し、4モル/モノマーの過酸化水素水溶液21.2g、β−メルカプトプロピオン酸1.5モル%/モノマーとL−アスコルビン酸1モル%の溶解した水溶液44.9gを1.75時間、30%NaOHで10モル%の部分中和を行った70重量%のアクリル酸水溶液22.9gを1.5時間かけて滴下した。開始1.75時間後に30分の熟成を行った。
【0040】
得られた重合体(A4)の固形分は50%であり、GPC溶離液を加えサンプル濃度を0.5%とし、GPCでの分子量測定をおこなった。GPCピークは大きく2つ現れ、Mp30,200のピーク(重合体ピーク)とMp1,030のピーク(非重合体ピーク)を両ピークの間にできる谷部分の最下層で分け、Mp1,030のピークはマイナスピークを含まないようにした。この時、(非重合体ピーク面積/重合体ピーク面積)は11.1%であった。
〈実施例4〉VE−20とアクリル酸の共重合(20%中和、30度以下で反応)
温調、攪拌翼、窒素導入口を備えた容器にVA−20の65重量%水溶液を163.4g仕込み、溶液濃度を28℃とした。容器内に100ml/分の窒素を流し、4モル/モノマーの過酸化水素水溶液21.2g、β−メルカプトプロピオン酸1.5モル%/モノマーとL−アスコルビン酸1モル%の溶解した水溶液44.9gを1.75時間、30%NaOHで10モル%の部分中和を行った70重量%のアクリル酸水溶液22.9gを1.5時間かけて滴下した。開始1.75時間後に30分の熟成を行った。
【0041】
得られた重合体(A5)の固形分は50%であり、GPC溶離液を加えサンプル濃度を0.5%とし、GPCでの分子量測定をおこなった。GPCピークは大きく2つ現れ、Mp33,370のピーク(重合体ピーク)とMp1,060のピーク(非重合体ピーク)を両ピークの間にできる谷部分の最下層で分け、Mp1,060のピークはマイナスピークを含まないようにした。この時、(非重合体ピーク面積/重合体ピーク面積)は11.4%であった。
なお、Mpは、GPCによる、ポリエチレングリコール換算の値である。
〈モルタル試験〉
普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)900g、ISO基準砂1350g、イオン交換水(共重合体と消泡剤を含む)270g、及び本発明の共重合体(A1〜5)、消泡剤(NMB社製の商品名;MA404を使用)を共重合体の10重量%用いてモルタルを調整し、そのフロー値を測定した。モルタル調整方法、及び、フロー値測定方法はJIS R5201に示される強さ試験での練り混ぜ方法、及び、フロー試験に準じて行った。
【0042】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】GPCのRIチャート上での検出されるピーク例
【図2】GPCのRIチャート上での検出されるピークの分け方例
【符号の説明】
【0044】
(1)…RIチャート上のベースライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(A);
CH2=CH(OT)n(OR1mOH (A)
(式中、Tは同一または異なってもよく、炭素数1〜5のアルキレン基または炭素数6〜9のアリール基を示し、ORは同一または異なってもよく、炭素数2〜18のオキシアルキレン鎖を示し、nは0または1を示し、mはOR1の平均付加モル数を示し、0〜300である。但し、m+nは0ではない。)
で表される単量体(A)、及び
一般式(B);
CR=CRCOOM (B)
式中、R、R、Rは水素、炭素数1〜4のアルキル基、−R−COOM(Rは炭素数0〜4のアルキル基)であり、Mは水素、金属(酸化数IまたはII)、炭素数1〜20のアルキルアミンから派生したアンモニウム基、炭素数1〜20のアルカノールアミン、炭素数5〜8のシクロアルキルアミン、炭素数6〜14のアリールアミンである。
で表される単量体(B)を必須として得られる共重合体を製造するにあたり30℃以下で重合することを特徴とする製造方法。
【請求項2】
前記単量体(B)の酸の内、1モル%等量以上が、中和された単量体を使用することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
重合反応を50重量%以上の溶媒濃度で反応させることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3の製造方法において単量体(A)及び(B)のみからなることを特徴とする共重合体の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4の製造方法で得られる共重合体はゲルパーミションクロマトグラフィー(以下、GPC)―示差屈折検出(以下、RI)チャート上において、検出時間の早い重合体ピークと、検出時間が遅く分子量が単量体相当の非重合体ピークとして検出される該二つのピーク検出面積の比が以下の規定を満たすことを特徴とする重合体。
(非重合体ピーク面積)/(重合体ピーク面積) ≦ 35%
分離方法は下記(1)〜(3)に従う、
(1)RIチャート上の縦軸値(検出電圧値;MV)が0となるベースラインを検出ピークの左端から右端に引く。
(2)重合体ピーク、非重合体ピークがベースラインと交わる点で、ピークを分ける。
(3)両ピークが連続して検出される場合、両ピークの間にできる谷部分の最下層でピークを分ける。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−273928(P2006−273928A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−91889(P2005−91889)
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【出願人】(000004628)株式会社日本触媒 (2,292)
【Fターム(参考)】