説明

ビルトイン式チャイルドシートのロック機構

【目的】 シート本体、チャイルドシートのロック機構の一体化により、ロック機構の構成の簡素化および操作性の向上をはかる。
【構成】 ヒンジピン14と平行のサポートピン12が、ベースブラケット28のガイド孔32に挿通されている。そして、アンカー36に係合されるフック38a 、および、サポートピン12に係合可能な延出端38b を有するロックアーム38が、ベースブラケット28に対して回動可能に支持され、チャイルドクッション16の格納に伴う、延出端38b とのサポートピン12の係合のもとで、フック、アンカー間がロック解除可能となっている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アームレストを兼用可能で、シート本体の折りたたみの際におけるヒンジを中心とした回動のもとで、シート本体の格納凹部内に格納可能なビルトイン式チャイルドシートを、少なくとも使用位置で保持するロック機構に関する。
【0002】
【従来の技術】子供の体形、姿勢等に合わせたチャイルドシートクッション(チャイルドクッション)、チャイルドシートバック(チャイルドバック)の組み合わせを有して形成され、走行時等における姿勢崩れ、飛び出し等の防止により、子供の安全性を確保するチャイルドシートが、たとえば、自動車等に広く提供されている。
【0003】このようなチャイルドシートとして、たとえば、チャイルドバックの前倒しのもとでシート本体への着座者のアームレストとしても利用できる兼用型の構成が知られている。このような兼用形のチャイルドシートは、チャイルドバックを伴う、ヒンジピンを中心としたチャイルドクッションの跳ね上げ動作のもとで、シート本体の格納凹部に格納可能な、いわゆるビルトイン式に構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このようなチャイルドシートでは、チャイルド用のシートベルトによって、着座者(幼児)を拘束し保持するため、自動車の急停車等の緊急時においては、前方への過大な荷重が、当該シートベルトを介してチャイルドシートに作用する。通常、シート本体は、専用のロック機構等により自動車のボディ(床面)等に対して連結、固定されるが、チャイルドシートに作用する過大な荷重に対しては、十分な保持力がもはや得られなくなる虞れがある。
【0005】そこで、チャイルドシートを別のロック機構によって、ボディ等に連結、固定する構成が知られている。このような構成では、チャイルドシートのロック機構によって、チャイルドシートがボディ等に対して直接的に連結されるため、チャイルドシートの保持力の増大化により、チャイルドシート、つまりは幼児の飛び出しが確実に防止できる。
【0006】しかしながら、このような構成においては、ロック機構が2つになり、シート本体をタンブルするためには、個別の操作のもとで、ロック解除しなければならないため、シート本体をタンブルする際の操作の複雑化は避けられない。
【0007】そこで、2つのロック機構を連動可能とし、1つのレバー操作等により、双方を同期してロック解除可能とする構成が考えられるが、2つのロック機構を連動可能とする場合においては、リンクやケーブル等によって操作レバー間またはロック機構間を連結しなければならないため、構成が複雑化しやすい。
【0008】この発明は、シート本体、チャイルドシートのロック機構の一体化により、構成の簡素化および操作性の向上をはかるビルトイン式チャイルドシートのロック機構の提供を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために、この発明の一実施例によれば、サポートピンが、ヒンジピンから所定距離だけ離反した位置で、ヒンジピンと平行に突設されるとともに、床面に対して固定されたアンカーに係合可能なフックを一端に有するロックアームが、取り付け対象基部材に対して回動可能に支持されている。
【0010】そして、ロックアームの延出片をサポートピンの移動軌跡上に延出させ、フック、アンカー間のロック方向にロックアームを偏倚するリターンばねの偏倚力に抗した、チャイルドシートの格納に伴うサポートピンでの延出片の押圧により、フック、アンカー間をロック解除可能としている。
【0011】
【作用】この発明によれば、チャイルドシートの格納に連動して、シート本体サイドのロックアーム、固定のアンカー間のロックが解除されるため、シート本体のタンブル時における操作の複雑化が確実に防止される。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照しながらこの発明の実施例について詳細に説明する。
【0013】図1、図2に示すように、この発明に係るビルトイン式チャイルドシートのロック機構10においては、サポートピン12が、ヒンジピン14から所定距離だけ離反した位置でヒンジピンと平行に突出されている。
【0014】(ビルトイン式)チャイルドシート16は、たとえば、チャイルドシートクッション(チャイルドクッション)18とチャイルドシートバック(チャイルドバック)20との組み合わせを有して形成され、チャイルドバックが、チャイルドクッションに対し、ヒンジとなる支持ロッド30を介して、揺動可能に連結、支持されている。
【0015】そして、このようなチャイルドシート16においては、たとえば、図1に示す使用位置からのヒンジピン14を中心とした跳ね上げ動作のもとで、チャイルドクッション18が、図3に示すように、シート本体、たとえば、リヤシート22のシートバック24に形成された格納凹部24a に、チャイルドバック20を伴って格納可能となっている。
【0016】なお、このようなチャイルドシート16は、たとえば、図1に示す使用位置でのチャイルドバック20の前倒しのもとで、リヤシート(シート本体)22への着座者のアームレストとして兼用可能に構成されている(図1の二点鎖線参照)。
【0017】図1、図2に示すように、チャイルドクッション18の骨格をなすクッションフレーム18a は、たとえば、ヒンジピン14の突設されたブラケット26を後端部の左右サイドにそれぞれ有して形成され、シートバック24に対して固定された一対のベースブラケット28でのヒンジピンの軸支によって、チャイルドクッションが、シートバックに対して揺動可能に取り付けられている。
【0018】そして、たとえば、チャイルドバック20のバックフレーム20a の左右サイド間に架設、固定された支持ロッド30の各端末が、バックフレームから延出され、ブラケット26による延出端の軸支によって、チャイルドバックが、チャイルドクッション18に対して揺動可能に連結、支持されている。通常、支持ロッド30は、ヒンジピン14から特定の距離だけ離反した位置で軸支される。
【0019】ここで、図2を見るとよくわかるように、この発明では、支持ロッド30がヒンジピン14より所定距離だけ離反して配設されているのに着目し、支持ロッドの各端末を更に延長して形成することで、その延長端をサポートピン12として形成している。
【0020】また、図1、図2に示すように、ベースブラケット28は、サポートピン12の遊挿可能な幅のガイド孔32を有して形成されている。ガイド孔32は、ヒンジピン14を中心とし、ヒンジピン、サポートピン12間の距離を半径とする円弧状で、使用位置、格納位置間におけるチャイルドクッション18の揺動を保障する範囲にわたって形成されている。
【0021】そして、図1ないし図3を見るとわかるように、この発明のビルトイン式チャイルドシートのロック機構10においては、自動車のボディ、つまりは床面34等に固定されたアンカー36に係合(ロック)可能なフック38a を有するロックアーム38が、たとえば、ベースブラケット28に対し支持ピン40を介して回動自在に取り付けられている。
【0022】ここで、この発明においては、サポートピン12の移動軌跡上、つまりはガイド孔32と重なるように延出、配置された延出片38b が、ロックアーム38と一体的に形成されている。図1を見るとよくわかるように、延出片38b は、フック38a 、アンカー36間のロック(係合)時においてサポートピン12の移動軌跡上に位置する方向に延出されている。
【0023】そして、図1、図2に示すように、ベースブラケット28に突設された係止ピン42への延出片38b の係合のもとで、ロックアーム38が、ロック位置に保持されている。
【0024】図1、図2に示すように、このようなロックアーム38は、通常、リターンばね44によって、アンカー36へのフック38a のロック方向に偏倚されている。リターンばね44として、たとえば、ロックアーム38をロック方向に偏倚可能に、ロックアームとベースブラケット28の下端間に張設された引張コイルばねが利用できる。
【0025】このような構成のビルトイン式チャイルドシートのロック機構10において、たとえば、図1に示すように少なくともチャイルドクッション18の引き出された使用位置を、チャイルドシート16の初期位置と仮定する。この初期位置においては、サポートピン12がガイド孔32の上方端に位置するとともに、リターンばね(引張コイルばね)44の偏倚力のもとで、ロックアームのフック38a が、ボディ34のアンカー36に対してロックされている。
【0026】このような状態においては、シート本体サイドのロックアーム38と、ボディサイドのアンカー36との連結のもとで、シートクッション46に対するシートバック24の前倒しが規制される。
【0027】そして、フック38a 、アンカー36間のロックされたチャイルドシート16の初期位置では、急停車等の緊急時における前方への過大な負荷がチャイルドシートに作用しても、その負荷はロックアーム38、アンカーを介して自動車のボディ34等に直接的に逃がされるため、リヤシート22、つまりはシート本体に悪影響を与えない。つまり、シート本体22は、フック38a 、アンカー36間のロックのもとで、十分に高い保持力のもとで、通常の使用位置に保持される。
【0028】このような初期位置、つまりはチャイルドシート16の使用位置から、少なくともチャイルドクッション18を跳ね上げると、サポートピン12が、ヒンジピン14を中心として、ガイド孔32の内部を、図1の実線矢印で示す下方端方向に移動する。
【0029】ここで、ロックアームの延出片38b は、サポートピン12の移動軌跡上に位置するため、ガイド孔32に沿った下方端方向へのサポートピンの移動のもとで、サポートピンが、まず延出片に係合する。そして、この状態から、チャイルドクッション18を格納方向に更に揺動させると、サポートピン12は、延出片38b を自己の進行方向に押圧しながら移動するため、リターンばね44の偏倚力に抗した反時計方向へのロックアーム38の回動により、フック38a 、アンカー36間のロックが解除される(図3参照)。
【0030】このようなフック38a 、アンカー36間のロック解除状態においては、シートバック24が自動車のボディ34に対してフリーとなるため、シートクッションに対するヒンジ(図示しない)を中心としたシートバックの前倒しが可能となる。なお、この状態においては、チャイルドシート16が格納凹部24a に既に格納されているため、シートバック24の前倒しをチャイルドシートが妨害することもない。
【0031】そして、シートバック24の前倒し状態から、前端のヒンジ(図示しない)を中心に、シートクッション46を跳ね上げれば、チャイルドシート16の装着されたシート22、つまりはシート本体の折りたたみ(タンブル)が可能となる。
【0032】つまり、この発明のビルトイン式チャイルドシートのロック機構10においては、チャイルドシート16の格納動作に連動して、シート22のタンブルが可能となる。
【0033】また、図3に示すように、シート22を通常の着座状態に戻し、この状態で、チャイルドシート16を引き出すと、ヒンジピン14を中心としたサポートピン12の移動により、サポートピンでの延出片38b の押圧が解除される。すると、図1に示すように、リターンばね44の偏倚力のもとで、ロックアームのフック38a 、アンカー36間が再度ロックされて、シートバック24、つまりはシート22が使用位置に設定、保持される。
【0034】なお、ここでは詳細に説明しないが、このような格納式のチャイルドシート16は、通常、専用のロック機構(図示しない)を有して形成され、使用位置、格納位置でのロックにより、チャイルドシートを各位置に設定、保持するように構成されている。
【0035】上記のように、この発明のビルトイン式チャイルドシートのロック機構10においては、チャイルドシート16の格納に連動して、ロックアームのフック38b 、ボディのアンカー36間のロック、つまりはボディ34に対するシート22のロックが自動的に解除される。つまり、チャイルドシート16の格納動作とは別の、シート22のためのロック解除操作を行うことなく、チャイルドシート16の格納動作のみのもとで、シートがタンブル化できるため、タンブル時における操作性が確実に改善される。
【0036】そして、チャイルドシート16の格納動作のもとで、ロックアーム38をロック解除方向に直接的に回動させるため、リンク、ケーブル等の別部材からなる連結部材を必要としない。従って、部品点数の増加、および、それに起因する構成の複雑化が確実に防止できる。
【0037】更に、チャイルドシート、アームレストとしての使用時においては、フック38a 、アンカー36間のロック解除が生じないため、シート22への着座者やチャイルドシート16に着座した幼児の安全性、快適性が十分に確保できる。
【0038】そして、ヒンジピン14と平行のサポートピン12をブラケット26から突出させるとともに、サポートピンの移動軌跡上にロックアームの延出片38b を配置すれば足りるため、構成が複雑化しない。
【0039】なお、フック38a 、アンカー36間のロックにより、リヤシート22、つまりはシート本体を使用位置に保持すれば、急停車等の緊急時において作用する前方への過大な荷重がロックアーム38、アンカーを介して自動車のボディ34等に直接的に逃がされるため、シート本体のための保持力が十分に高く確保できる。そのため、この発明によれば、チャイルドシート16、リート本体22のロック機構を一体化しても、チャイルドシート、シート本体のそれぞれに対する保持力は低下しない。
【0040】また、この発明では、ロックアーム38をシート本体のベースブラケット28に、アンカー36を床面(ボディ)34にそれぞれ設けているため、シート22をタンブルした際に床面から突出される部材は、アンカーのみになる。つまり、シート本体22のタンブル時における床面34の有効利用が容易にはかられる。
【0041】ここで、実施例においては、リターンばね44として引張コイルばねを例示しているが、フック38a によるアンカー36のロック方向に、ロックアーム38を偏倚すれば足りるため、引張コイルばねに限定されず、たとえば、圧縮コイルばね、ねじりばね等の他の各種ばね部材を、リターンばねに使用してもよい。
【0042】リターンばね44を引張コイルばねとすれば、取り付け、配置にさほど広いスペースを要しないとともに、ロックアーム38とベースブラケット28とに対して、各端末を直接的に係止すれば足りるため、構成の複雑化、作業の煩雑化が、確実に防止できる。
【0043】ここで、リターンばね44としてねじりばねを利用する構成においては、図4に示すように、ロックアーム38の枢支ピン40への巻装により、ねじりばねが配置される。そして、ねじりばね(リターンばね)44の各端末が、ロックアーム38とロックアームの取り付け対象基部材となるベースブラケット28にそれぞれ係止されて、ロックアームにロック方向の偏倚力が付与されている。
【0044】このように、リターンばね44をねじりばねとすれば、作業の簡単化に加えて、ロックアーム38の外方への突出が十分に抑制できるため、リターンばねの配置の際の省スペース化が一層はかられる。
【0045】なお、引張コイルばねからなるリターンばね44は、フック38a 、アンカー36間のロック方向に、ロックアーム38を偏倚すれば足りるため、その張設位置は、図示の位置に限定されない。
【0046】更に、実施例においては、チャイルドバック20の支持ロッド30の端末をサポートピン12として利用しているが、ヒンジピン14から離反した位置で、ヒンジピンと平行して突出していれば足りるため、これに限定されず、たとえば、図5に示すように、支持ロッドとは別体のサポートピンを、ブラケット26に突設させる構成としてもよい。
【0047】しかしながら、サポートピン12として、支持ロッド30の端末(延出端)を利用すれば、部品点数が削減できるため、部品点数の増加、および、これに起因する構成の複雑化が確実に防止される。
【0048】更に、使用位置、格納位置間でのチャイルドシート16の揺動範囲に対応するガイド孔32への遊挿のもとで、サポートピン12を配設しているが、これに限定されず、たとえば、ガイド孔を省略する構成としてもよい。
【0049】しかしながら、ガイド孔32にサポートピン12を遊挿する構成では、使用位置、格納位置からのチャイルドシート16の過剰な揺動が、ガイド孔の各端縁とサポートピンとの係合のもとで規制されるため、ストッパ等の別部材を設けることなく、チャイルドシートの揺動規制が行える。従って、この点においても、部品点数の増加が防止でき、チャイルドシートのロック機構10の構成が、十分に簡素化できる。
【0050】そして、実施例のように、ヒンジピン14の軸支されるベースブラケット26にガイド孔32、ロックアーム38をそれぞれ設ければ、これらのための専用のブラケットを別部材として配設する必要がないため、この点からも、構成の簡素化がはかられる。
【0051】また、実施例においては、アンカー36を床面34に直接的に固定しているが、アンカーが床面に対して固定されれば足りるため、直接的な固定に限定されず、たとえば、他部材等を介した間接的な固定により、アンカーを床面に対して取り付ける構成としてもよい。
【0052】上述した実施例は、この発明を説明するためのものであり、この発明を何等限定するものでなく、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも全てこの発明に包含されることはいうまでもない。
【0053】
【発明の効果】上記のように、この発明に係るビルトイン式チャイルドシートのロック機構によれば、チャイルドシートの格納に連動して、ロックアームのフック、床面のアンカー間のロックが自動的に解除されるため、シート本体のためのロック解除操作を行うことなく、シート本体のタンブル化が可能となる。従って、シート本体のタンブル時における操作性が確実に改善される。
【0054】そして、チャイルドシートの格納動作のもとで、ロックアームをロック解除方向に直接的に回動させるため、リンク、ケーブル等の別部材からなる連結部材を必要としない。従って、部品点数の増加、および、それに起因する構成の複雑化が確実に防止できる。
【0055】また、サポートピンをヒンジピンと平行に突出させるとともに、サポートピンの移動軌跡上にロックアームの延出片を延出、配置すれば足りるため、構成が複雑化しない。
【0056】そして、ガイド孔にサポートピンを遊挿する構成では、使用位置、格納位置からのチャイルドシートの過剰な揺動が、ガイド孔の各端縁とサポートピンとの係合のもとで規制されるため、ストッパ等の別部材を設けることなく、チャイルドシートの揺動規制が行える。従って、この点においても、部品点数の増加が防止でき、チャイルドシートのロック機構の構成が、十分に簡素化できる。
【0057】更に、ヒンジピンの軸支されるベースブラケットをロックアームの取り付け対象基部材とするとともに、ガイド孔をベースブラケットに設ければ、これらのための専用のブラケットを別部材として配設する必要がないため、この点からも、構成の簡素化がはかられる。
【0058】また、サポートピンとして、支持ロッドの延出端を利用すれば、部品点数が削減できるため、部品点数の増加、および、これに起因する構成の複雑化が確実に防止される。
【0059】更に、リターンばねを引張コイルばねとすれば、取り付け、配置にさほど広いスペースを要しないとともに、ロックアームとロックアームの取り付け対象基部材とに対して、各端末を直接的に係止すれば足りるため、構成の複雑化、作業の煩雑化が、確実に防止できる。
【0060】また、リターンばねとしてねじりばねを利用すれば、作業の簡単化に加えて、ロックアームの外方への突出が十分に抑制できるため、リターンばねの配置の際の省スペース化が一層はかられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】チャイルドシートの使用位置、および、アームレストとしての使用位置における、この発明に係るビルトイン式チャイルドシートのロック機構の概略正面図である。
【図2】ビルトイン式チャイルドシートのロック機構の分解斜視図である。
【図3】チャイルドシートの使用位置における、この発明に係るビルトイン式チャイルドシートのロック機構の概略正面図である。
【図4】この発明の変形例における、ビルトイン式チャイルドシートのロック機構の概略正面図である。
【図5】この発明の別の変形例における、ビルトイン式チャイルドシートのロック機構の分解斜視図である。
【符号の説明】
10 ビルトイン式チャイルドシートのロック機構
12 サポートピン
14 ヒンジピン
16 チャイルドシート
22 リヤシート(シート本体)
24a 格納凹部
28 ベースブラケット(取り付け対象基部材)
30 支持ロッド
32 ガイド孔
36 アンカー
38 ロックアーム
38a フック
38b 延出片
44 リターンばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】 前倒しの可能なチャイルドシートバックを有するチャイルドシートクッションが、ヒンジを介してシート本体の格納凹部に格納可能に連結、支持され、チャイルドシートクッションの使用位置でのチャイルドシートバックの前倒しのもとで、シート本体への着座者のアームレストとしても使用可能なアームレスト兼用型のビルトイン式チャイルドシートにおいて、サポートピンが、ヒンジピンから所定距離だけ離反した位置で、ヒンジピンと平行に突設されるとともに、床面に対して固定されたアンカーに係合可能なフックを一端に有するロックアームが、取り付け対象基部材に対して回動可能に支持され、ロックアームの延出片をサポートピンの移動軌跡上に延出させ、フック、アンカー間のロック方向にロックアームを偏倚するリターンばねの偏倚力に抗した、チャイルドシートの格納に伴うサポートピンでの延出片の押圧により、フック、アンカー間をロック解除可能としたビルトイン式チャイルドシートのロック機構。
【請求項2】 前倒しの可能なチャイルドシートバックを有するチャイルドシートクッションが、ヒンジを介してシート本体の格納凹部に格納可能に連結、支持され、チャイルドシートクッションの使用位置でのチャイルドシートバックの前倒しのもとで、シート本体への着座者のアームレストとしても使用可能なアームレスト兼用型のビルトイン式チャイルドシートにおいて、サポートピンが、ヒンジピンから所定距離だけ離反した位置で、ヒンジピンと平行に突設され、ヒンジピンの回りでヒンジピン、サポートピン間の距離を半径とする円弧状でサポートピンの遊挿可能な幅のガイド孔が、ヒンジの軸支される固定のベースブラケットに形成されるとともに、固定のアンカーに係合可能なフックを一端に有するロックアームが、ベースブラケットによって回動可能に支持され、ロックアームの延出片をサポートピンの移動軌跡上に延出させ、フック、アンカー間のロック方向にロックアームを偏倚するリターンばねの偏倚力に抗した、チャイルドシートの格納に伴うサポートピンでの延出片の押圧により、フック、アンカー間をロック解除可能としたビルトイン式チャイルドシートのロック機構。
【請求項3】 チャイルドシートバックをチャイルドシートクッションに対して前倒し可能に支持する支持ロッドの端末が、所定長の延長によってサポートピンとして形成された請求項1または2記載のビルトイン式チャイルドシートのロック機構。
【請求項4】 前倒しの可能なチャイルドシートバックを有するチャイルドシートクッションが、ヒンジを介してシート本体の格納凹部に格納可能に連結、支持され、チャイルドシートクッションの使用位置でのチャイルドシートバックの前倒しのもとで、シート本体への着座者のアームレストとしても使用可能なアームレスト兼用型のビルトイン式チャイルドシートにおいて、チャイルドシートバックをチャイルドシートクッションに対して前倒し可能に支持する支持ロッドの端末が、所定長だけ延出されてサポートピンとして形成され、ヒンジピンの回りでヒンジピン、サポートピン間の距離を半径とする円弧状でサポートピンの遊挿可能な幅のガイド孔が、ヒンジの軸支される固定のベースブラケットに形成されるとともに、床面に対して固定されたアンカーに係合可能なフックを一端に有するロックアームが、ベースブラケットによって回動可能に支持され、ロックアームの延出端をサポートピンの移動軌跡上に延出させ、フック、アンカー間のロック方向にロックアームを偏倚するリターンばねの偏倚力に抗した、チャイルドシートの格納に伴うサポートピンでの延出端の押圧により、フック、アンカー間をロック解除可能としたビルトイン式チャイルドシートのロック機構。
【請求項5】 リターンばねが、ロック方向へのロックアームの偏倚を可能に、ロックアームとロックアームの取り付け対象基部材との間で張設された引張コイルばねである請求項1ないし4のいずれか記載のビルトイン式チャイルドシートのロック機構。
【請求項6】 リターンばねが、ロック方向へのロックアームの偏倚を可能に、各端末をロックアームとロックアームの対象基部材とにそれぞれ係止させてロックアームの支持ピンに巻装させたねじりばねである請求項1ないし4のいずれか記載のビルトイン式チャイルドシートのロック機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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