説明

ピアノのシャンクローラ

【課題】 ジャックによる突き上げの開始時から終了時にわたって、押鍵力をハンマーに効率良く伝えることができるピアノのシャンクローラを提供する。
【解決手段】 鍵1の押鍵に伴い、ジャック6の上下方向に延びる突き上げ部6aで突き上げられることによって、ハンマー2を回動させるピアノ10のシャンクローラ13であって、支持部27を有し、ハンマーシャンク11の下面11aに支持部27を介して支持、固定されるとともに、下方に突出する芯板23と、芯板23の前面23aおよび背面23bを覆うように設けられたクッション材24、25とを備え、芯板23の支持部27は、ジャック6による突き上げの開始時から終了時にわたって突き上げ部6aの延長線F1が支持部27を通るような前後方向の幅を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンマーに設けられたピアノのシャンクローラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のシャンクローラとして、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。図7および図8に示すように、このシャンクローラ50は、前後方向に延び、後端部を中心として回動自在のハンマー51のハンマーシャンク52に設けられており、ハンマーシャンク52に固定された芯板53と、この芯板53に巻かれた柱状のクッション材54とで構成されている。この芯板53は、一定の厚さと、ハンマーシャンク52と同じ左右方向の幅を有し、ハンマーシャンク52の下面から直角に突出している。
【0003】
ハンマーシャンク52の下方には、前後方向に延びるレペティションレバー55が設けられている。このレペティションレバー55には、上下方向に貫通するジャック案内孔55aが形成されている。ハンマー51は、離鍵状態において、シャンクローラ50を介してレペティションレバー55に載置されている。また、ジャック案内孔55aには、ジャック56の突き上げ部57の上端部が挿入されており、その上端はシャンクローラ50に対向している。
【0004】
離鍵状態では、図7に示すように、ジャック56の突き上げ部57とシャンクローラ50の芯板53は一直線上に整列している。この離鍵状態から鍵が押鍵されると、シャンクローラ50がジャック56で突き上げられることによって、ハンマーシャンク52を含むハンマー51が回動するのに対し、その間、ジャック56はほとんど回動しない。このため、ハンマー51の回動に伴い、ジャック56の突き上げ部57とシャンクローラ50の芯板53との上述した整列関係が崩れ、両者のなす角度Aは、次第に大きくなり、ジャック56がシャンクローラ50から抜ける(レットオフ)突き上げの終了時には、図8に示すように非常に大きくなる(例えば20度)。このため、ジャック56の突き上げ力Fは、芯板53の長さ方向に作用し、芯板53を押圧する押圧力FLと、芯板53の長さ方向と直角な方向に作用し、芯板53を曲げようとする曲げ力FBとに分散される。その結果、エネルギーの伝達ロスが生じ、押鍵力がハンマー51に効率良く伝わらないため、十分な音量を得ることができないなどの不具合が生じる。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、ジャックによる突き上げの開始時から終了時にわたって、押鍵力をハンマーに効率良く伝えることができるピアノのシャンクローラを提供することを目的とする。
【0006】
【特許文献1】特開2003−15630号公報
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、本願の請求項1に係る発明は、回動自在のハンマーで弦の打弦を行うピアノにおいて、ハンマーの前後方向に延びるハンマーシャンクに設けられ、離鍵状態においてレペティションレバーに載置されるとともに、鍵の押鍵に伴い、ジャックの上下方向に延びる突き上げ部で突き上げられることによって、ハンマーを回動させるピアノのシャンクローラであって、支持部を有し、ハンマーシャンクの下面に支持部を介して支持、固定されるとともに、下方に突出する芯板と、芯板の前面および背面を覆うように設けられたクッション材とを備え、芯板の支持部は、ジャックによる突き上げの開始時から終了時にわたって突き上げ部の延長線が支持部を通るような前後方向の幅を有していることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、離鍵状態において、回動自在のハンマーは、シャンクローラを介してレペティションレバーに載置されている。シャンクローラの芯板は、その支持部を介して、ハンマーのハンマーシャンクの下面に支持、固定されている。芯板の支持部は、ジャックによる突き上げの開始時から終了時にわたってジャックの突き上げ部の延長線が通るような前後方向の幅を有している。離鍵状態から鍵が押鍵されると、ハンマーは、シャンクローラがジャックで突き上げられることによって回動し、弦を打弦する。このハンマーによる打弦によって、ピアノ音が発生する。
【0009】
本発明によれば、シャンクローラの芯板の支持部が上述したような前後方向の幅を有するので、ジャックによる突き上げの開始時から終了時にわたって、ジャックの突き上げ部の延長線は、芯板の支持部を通り、この支持部から外れない。したがって、ジャックの突き上げ力は、芯板に曲げ力としてはほとんど作用せず、その大部分が芯板に押圧力として作用する。その結果、ジャックによる突き上げの開始時から終了時にわたり、突き上げの際のエネルギーの伝達ロスがほとんど生じることなく、鍵の押鍵力をハンマーに効率良く伝えることができ、それにより、十分な音量などを得ることができる。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のピアノのシャンクローラにおいて、芯板は、前面がハンマーシャンクの下面に対して直角に延び、ジャックによる突き上げの開始時に突き上げ部と平行になり、背面がハンマーシャンクの下面に対し、下方に向かって前面に近づくように傾斜し、ジャックによる突き上げの終了時に突き上げ部と平行になるように、前記支持部を底辺とする台形状に形成されていることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、芯板は、その前面がハンマーシャンクの下面に対して直角に延び、背面がハンマーシャンクの下面に対し、下方に向かって前面に近づくように傾斜しており、全体として、支持部を底辺とする台形状に形成されている。そして、ジャックによる突き上げの開始時には、芯板の前面がジャックの突き上げ部と平行になり、突き上げの終了時には、芯板の背面がジャックの突き上げ部と平行になる。このように、ジャックによる突き上げの開始時から終了時にわたって、ジャックの突き上げ部の延長線が芯板の支持部を通るので、上述した請求項1の作用を得ることができる。
【0012】
また、芯板が台形状に形成されていることで、厚さが一定の通常の芯板に対して最小限の断面増加によって、上記の作用が得られ、それにより、次のような利点を得ることができる。すなわち、通常、芯板の比重はクッション材よりも大きいので、芯板の断面増加が最小限であることにより、シャンクローラの重量増加を最小限に抑制でき、それにより、ハンマーの動きの軽快さを維持することができる。同じ理由から、通常のクッション材に若干の変更を加えるだけで、これを芯板に巻くことができるので、シャンクローラを容易に製造することができる。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載のピアノのシャンクローラにおいて、芯板の側面には、離鍵状態においてジャックの背面の延長線に重なるように、ジャックの角度を調整する際の目安にするための線分が表示されていることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、芯板の側面に上述したような線分が表示されているので、離鍵状態において、ジャックの背面の延長線がこの芯板の線分に重なるようにすることによって、ジャックの角度を所望の角度に調整することができ、その調整作業を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1および図2は、本発明の実施形態によるグランドピアノ10(以下、単に「ピアノ」という)の鍵盤装置を、それぞれ離鍵状態および押鍵状態において示している。これらの図に示すように、このピアノ10は、複数の鍵1(1つのみ図示)と、鍵1ごとに設けられ、弦Sを打弦するハンマー2と、鍵1の後部の上側に設けられたアクション3などを備えている。
【0016】
このピアノ10は、ハンマー2による弦Sの打弦により、アコースティックな演奏音を発生させるように構成されている。以下、ピアノ10を演奏者から見た場合の手前側(同図の右側)を「前」、奥側(同図の左側)を「後」として説明を行うものとする。
【0017】
アクション3は、ウィッペン4と、ウィッペン4に取り付けられたレペティションレバー5およびジャック6を備えている。ウィッペン4は、その後端部において、ウィッペンレール7に固定されたウィッペンフレンジ8に回動自在に支持されており、中央において、鍵1の後部に設けられたキャプスタンスクリュー9に載置されている。
【0018】
ハンマー2は、前後方向に延びるハンマーシャンク11と、ハンマーシャンク11の後端部に取り付けられたハンマーヘッド12と、ハンマーシャンク11の前部の下面に取り付けられたシャンクローラ13などで構成されている。また、ハンマーシャンク11の前端部は、左右方向に延びる水平なセンターピン14を介して、ハンマーシャンクフレンジ15に支持されている。それにより、ハンマー2は、センターピン14を中心として回動自在である。
【0019】
ハンマーシャンクフレンジ15は、左右方向に並んだ状態で、ハンマーシャンクレール16の上面に保持されている。ハンマーシャンクレール16は、筬(図示省略)の上に設けられた複数のブラケット17(1つのみ図示)に取り付けられ、左右方向に延びている。
【0020】
このハンマーシャンクレール16の下面には、レギュレーティングレール18が一体に設けられている。このレギュレーティングレール18には、レギュレーティングボタン19が下方に突出するように設けられている。また、ハンマーシャンクフレンジ15の後端部には、下方に突出するドロップスクリュー20が設けられている。
【0021】
レペティションレバー5は、前後方向に延び、その中央でウィッペン4に回動自在に取り付けられており、レペティションスプリング21によって、図1の反時計方向に付勢されている。また、レペティションレバー5の前部には、上下方向に貫通するジャック案内孔5aが形成されている。
【0022】
ジャック6は、「L」字状に形成されており、上下方向に延びる突き上げ部6aと、その下端部の角部から前方に延びる当接部6bで構成されている。ジャック6は、その角部を介して、ウィッペン4に回動自在に取り付けられている。ジャック6の突き上げ部6aの上端部は、上述したジャック案内孔5aに挿入され、離鍵状態においてシャンクローラ13とわずかな間隔を隔てた状態で対向している。また、ジャック6の当接部6bは、レギュレーティングボタン19と所定間隔を隔てて下方から対向している。
【0023】
ジャック6には、レペティションスプリング21が係合しており、それにより、ジャック6は、図1の反時計方向に付勢されている。ジャック6の突き上げ部6aには、ジャックボタンスクリュー30がねじ込まれ、前後方向に貫通しており、その後端部にジャックボタン31が取り付けられている。また、ウイッペン4にはスプーン22が立設されており、このスプーン22にジャックボタン31が当接している。したがって、ジャックボタンスクリュー30を回転させ、ジャックボタン31を突き上げ部6aに対して前後方向に移動させることによって、離鍵状態におけるジャック6の角度を調整することが可能である。
【0024】
図3および図4に示すように、シャンクローラ13は、全体としてほぼ円柱状に形成されており、ハンマーシャンク11の左右方向の幅と同じ長さを有するとともに、一定の断面を有している。また、シャンクローラ13は、ハンマーシャンク11から下方に突出する芯板23と、芯板23に巻かれた中芯24と、中芯24を覆う表皮25とを有している。
【0025】
芯板23は、堅木で構成されており、その比重は、中芯24や表皮25よりも大きい。また、芯板23は、支持部27を底辺とする台形状の側面形状を有している。具体的には、支持部27は、前後方向に所定の幅を有しており、ハンマーシャンク11の下面11aに左右方向に横断するように形成された溝26に嵌合している。これにより、シャンクローラ13は、ハンマーシャンク11に固定されている。また、芯板23の前面23aは、ハンマーシャンク11の下面11aに対して直角に下方に延び、背面23bは、下面11aに対し、下方に向かって前面23aに近づくように傾斜している。さらに、芯板23の下面23cおよび支持部27の上面は、ハンマーシャンク11に対して平行である。
【0026】
芯板23の側面28には、下面23cの後端から支持部27の上面まで、前面23aと平行に延びる線分29が表示されている。この線分29は、離鍵状態においてジャック6の角度を調整する際の目安にするためのものである。
【0027】
中芯24は、所定の硬さを有する羊毛のフェルトなどで構成され、芯板23の前面23a、背面23bおよび下面23cを、支持部27を残して覆っている。表皮25は、ポリエチレンおよびポリウレタンの繊維からなる人工皮革などで構成され、中芯24の外周を覆っている。これら中芯24および表皮25は、それぞれ、木工ボンドなどで接着されている。
【0028】
次に上述した構成のピアノ10の動作を説明する。まず、図1に示す離鍵状態において、ジャック6の角度を調整する。この調整は、図5に示すように、芯板23の側面28に表示された線分29に、ジャック6の背面6cの延長線F1が重なるように、ジャックボタンスクリュー30を回すことによって行われる。離鍵状態では、このように調整されたジャック6の突き上げ部6aは、シャンクローラ13の芯板23の前面23aと平行であり、ハンマーシャンク11に対して直交している。
【0029】
また、ハンマー2は、シャンクローラ13を介して、レペティションレバー5に載置されている。具体的には、シャンクローラ13は、レペティションレバー5のジャック案内孔5aをまたいだ状態で、レペティションレバー5のジャック案内孔5aの左右両側の部分に載っている。
【0030】
この離鍵状態から鍵1が押鍵されると、ウィッペン4が、キャプスタンスクリュー9を介して突き上げられることにより、上方に回動するとともに、レペティションレバー5およびジャック6がウィッペン4と一緒に上方に移動する。このジャック6の上方への移動に伴い、その突き上げ部6aがシャンクローラ13を介してハンマー2を突き上げることによって、ハンマー2が上方に回動する。
【0031】
ハンマー2が弦Sを打弦する直前まで回動したときに、ジャック6の当接部6bが、レギュレーティングボタン19に当接することによって、ジャック6は、ウィッペン4に対して、図1の時計方向に回動する。これにより、ジャック6がハンマー2から離脱(レットオフ)し、ジャック6によるハンマー2の突き上げが終了する。その後、ハンマー2は、慣性で回動し、弦Sを打弦する。
【0032】
以下、上述したハンマー2の回動中におけるジャック6とシャンクローラ13の芯板23との位置関係について、図5および図6を参照しながら、詳細に説明する。図5に示すように、離鍵状態では、ジャック6の突き上げ部6aは、後方に向かって傾いており、ハンマーシャンク11に対して直交している。
【0033】
ジャック6による突き上げの間、ジャック6はほとんど回動しないので、その突き上げ部6aの傾きはほとんど変わらない。このため、ジャック6による突き上げの開始時から終了時まで、ジャック6の突き上げ部6aの後端が、シャンクローラ13に接しており、ジャック6の突き上げ力Fは、この後端の作用点6dを通り、背面6cの延長線上に延びる延長線F1に沿って作用する。
【0034】
図5に示すように、離鍵状態、すなわち、ジャック6による突き上げの開始時には、この延長線F1は、芯板23の目安用の線分29に重なり、支持部27の中央付近を通っている。この状態からジャック6による突き上げが進むと、ハンマー2が上方に回動するのに伴い、ハンマーシャンク11の角度が変化する。そして、この突き上げの終了時には、図6に示すように、延長線F1は、芯板23の背面23bに重なり、支持部27を外れない。
【0035】
以上のように、本実施形態によれば、ジャック6による突き上げの開始時から終了時にわたって、ジャック6の突き上げ力Fの作用線である延長線F1は、
芯板23の支持部27を通り、支持部27から外れない。したがって、ジャック6の突き上げ力Fは、芯板23に曲げ力としてはほとんど作用せず、その大部分が芯板23に押圧力として作用する。その結果、ジャック6による突き上げの開始時から終了時にわたり、突き上げの際のエネルギーの伝達ロスがほとんど生じることなく、鍵1の押鍵力をハンマー2に効率良く伝えることができ、それにより、十分な音量などを得ることができる。
【0036】
また、芯板23の側面形状が台形状であることで、厚さが一定の通常の芯板23に対して最小限の断面増加によって、芯板23を形成できる。芯板23の比重は、中芯24や表皮25よりも大きいので、芯板23の断面増加が最小限であることにより、シャンクローラ13の重量増加を最小限に抑制でき、それにより、ハンマー2の動きの軽快さを維持することができる。同じ理由から、通常の中芯24や表皮25に若干の変更を加えるだけで、これらを芯板23に巻くことができるので、シャンクローラ13を容易に製造することができる。
【0037】
また、離鍵状態において、芯板23の側面28に表示された線分29にジャック6の背面6cの延長線F1が重なるようにするだけで、ジャック6の角度を所望の角度に調整でき、その調整作業を容易に行うことができる。
【0038】
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施できる。例えば、実施形態では、芯板23の側面形状が台形状であるが、ジャック6による突き上げの開始時から終了時まで、延長線F1が支持部27を通る限り、任意の形状とすることが可能であり、例えば、三角形状や長方形状とすることもできる。その他、本発明の趣旨の範囲内において、細部の構成を変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明のシャンクローラを備えたグランドピアノの鍵盤装置を離鍵状態において示す側断面図である。
【図2】図1の鍵盤装置を押鍵状態において示す側断面図である。
【図3】本発明のシャンクローラを離鍵状態において示す拡大側面図である。
【図4】本発明のシャンクローラを上下逆向きに示した拡大斜視図である。
【図5】ジャックによる突き上げの開始時におけるシャンクローラとジャックとの位置関係を示す拡大側面図である。
【図6】ジャックによる突き上げの終了時におけるシャンクローラとジャックとの位置関係を示す拡大側面図である。
【図7】ジャックによる突き上げの開始時における従来のシャンクローラとジャックとの位置関係を示す拡大側面図である。
【図8】ジャックによる突き上げの終了時における従来のシャンクローラとジャックとの位置関係を示す拡大側面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 鍵
2 ハンマー
5 レペティションレバー
6 ジャック
6a 突き上げ部
10 ピアノ
11 ハンマーシャンク
11a ハンマーシャンクの下面
23 芯板
23a 芯板の前面
23b 芯板の背面
24 中芯(クッション材)
25 表皮(クッション材)
27 支持部
28 側面
29 線分
S 弦
F1 ジャックの突き上げ部の延長線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回動自在のハンマーで弦の打弦を行うピアノにおいて、前記ハンマーの前後方向に延びるハンマーシャンクに設けられ、離鍵状態においてレペティションレバーに載置されるとともに、鍵の押鍵に伴い、ジャックの上下方向に延びる突き上げ部で突き上げられることによって、ハンマーを回動させるピアノのシャンクローラであって、
支持部を有し、前記ハンマーシャンクの下面に前記支持部を介して支持、固定されるとともに、下方に突出する芯板と、
当該芯板の前面および背面を覆うように設けられたクッション材とを備え、
前記芯板の前記支持部は、前記ジャックによる突き上げの開始時から終了時にわたって前記突き上げ部の延長線が前記支持部を通るような前後方向の幅を有していることを特徴とするピアノのシャンクローラ。
【請求項2】
前記芯板は、前記前面が前記ハンマーシャンクの下面に対して直角に延び、前記ジャックによる突き上げの開始時に前記突き上げ部と平行になり、前記背面が前記ハンマーシャンクの下面に対し、下方に向かって前記前面に近づくように傾斜し、前記ジャックによる突き上げの終了時に前記突き上げ部と平行になるように、前記支持部を底辺とする台形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のピアノのシャンクローラ。
【請求項3】
前記芯板の側面には、離鍵状態において前記ジャックの背面の延長線に重なるように、前記ジャックの角度を調整する際の目安にするための線分が表示されていることを特徴とする請求項1または2に記載のピアノのシャンクローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−20216(P2010−20216A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−182509(P2008−182509)
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【出願人】(000001410)株式会社河合楽器製作所 (563)