ピア・トゥ・ピア・ネットワークにおける受信機ビームフォーミングおよび放棄閾値調節のための技術
複数のピア・ツー・ピア・デバイス間の干渉を緩和するために、送信放棄および/または受信放棄が、ピア・ツー・ピア・ネットワーク内で動作するデバイス間で実行されうる。一般に、送信デバイスは、より高い優先度の受信デバイスに対して許容できない干渉をもたらすのであれば、より高い優先度の高い送信デバイスへの時間スロットにおける通信を放棄する。同様に、受信デバイスは、干渉が許容できないほど高い場合、時間スロットを使用することを放棄する。送信放棄および受信放棄の両方は、受信デバイスにおいてビームフォーミングを使用することによって改善される。送信放棄および/または受信放棄を判定するために、ビームフォーミング情報を利用することによって、良好な干渉緩和が達成される。
【発明の詳細な説明】
【優先権主張】
【0001】
本特許出願は、2007年7月9日に出願され本願の譲受人に譲渡され本願において参照によって明確に組み込まれている"Techniques for Receiver Beamforming and Yielding-Threshold Adjustments in Peer to Peer Networks" と題された米国仮出願60/948,633号の優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
少なくとも1つの態様は、ピア・ツー・ピア(P2P)ネットワークにおける無線通信に関し、特に、受信機ビームフォーミング機能に基づいてモバイル局(ピア)が放棄閾値(yielding thresholds)を選択することができる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
例えばアドホック・ピア・ツー・ピア・ネットワークのように、ネットワーク・インフラストラクチャが存在しない無線ネットワークでは、端末は、他のピア端末との通信リンクを設定するために、ある一定の問題と格闘しなければならない。ピア・ツー・ピア・ネットワークのアド・ホック特性による1つの問題は、異なるピア・ツー・ピア送信間の干渉の緩和または阻止である。さらに詳しくは、ピア・ツー・ピア接続は、周波数スペクトルを共有するので、2つのピア・ツー・ピア送信が、互いに干渉する恐れがある。
【0004】
したがって、ピア・ツー・ピア接続間の干渉を緩和する方法が必要とされる。
【発明の概要】
【0005】
ピア・ツー・ピア接続間の干渉緩和は、送信機および/または受信機の放棄(yielding)が実施されるプロトコルによって達成されうる。そのような送信機および/または受信機の放棄は、受信デバイスにおいて複数の受信アンテナを用いることによってさらに改善されうる。
【0006】
例えば、受信機の放棄を実施するために、複数の受信アンテナを備えた第2のデバイスが構成されうる。この第2のデバイスは、第1のデバイスとの無線ピア・ツー・ピア接続を容易にするように動作しうる。第1のデバイスからの第1のパイロット信号が、共有周波数スペクトルを介して第2のデバイスによって受信される。この第1のパイロット信号は、複数の受信アンテナのおのおのにおいて受信される。複数の受信アンテナのおのおので受信された第1のパイロット信号に応じて、複数の受信ビームフォーミング係数が決定されうる。ここで、複数の受信ビームフォーミング係数のおのおのは、1つの受信アンテナに対応する。その後、第2のデバイスが、決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、複数の受信アンテナから受信した第1のパイロット信号を結合することによって、第1のパイロット信号の信号対干渉比を計算する。レート・レポート信号が第1のデバイスへ送信されうる。レート・レポートは、第1のパイロット信号の信号対干渉比によって決定される制御情報を含む。
【0007】
その後、第2のデバイスが、第1のデバイスからトラフィック信号を受信する。このトラフィック信号は、複数の受信アンテナのおのおので受信される。複数の受信アンテナから受信したトラフィック信号は、複数の受信ビームフォーミング係数を用いて結合される。その後、結合されたトラフィック信号が復号される。複数の受信アンテナから受信した第1のパイロット信号を結合するために、複数の受信ビームフォーミング係数が使用される場合、結合された第1のパイロット信号の信号強度を最大にするために、複数の受信ビームフォーミング係数が決定される。
【0008】
第2のデバイスはまた、第3のデバイスから第2のパイロット信号を受信することもできる。この第2のパイロット信号は、複数の受信アンテナのうちのおのおので受信され、第2のデバイスに対する干渉を表す。第3のデバイスは、第4のデバイスへトラフィックを送信することを意図している。したがって、第2のデバイスへの干渉をもたらしうる。複数の受信ビームフォーミング係数はまた、複数の受信アンテナのおのおので受信された第2のパイロット信号に応じて決定される。
【0009】
複数の受信アンテナから受信した第2のパイロット信号を結合するために、複数の受信ビームフォーミング係数が使用される場合、結合された第2のパイロット信号の干渉電力を最小にするために、複数の受信ビームフォーミング係数が決定される。複数の受信アンテナから受信した第1のパイロット信号と第2のパイロット信号のそれぞれを結合するために複数の受信ビームフォーミング係数が使用される場合、信号電力対干渉電力比を最大にするために、複数の受信ビームフォーミング係数が決定される。ここで、信号電力は、結合された第1のパイロット信号の電力であり、干渉電力は、結合された第2のパイロット信号の電力である。
【0010】
第1のパイロットを受信する前に、第2のデバイスは、第1のデバイスから、共有周波数スペクトルによって、第1の送信要求信号をも受信しうる。ここで、第1の送信要求信号は、第1のデバイスが、トラフィック信号を第2のデバイスへ送信するつもりであることを示す。第2のデバイスはその後、第2の送信要求信号を受信するために、この共有周波数スペクトルをモニタする。この第2の送信要求信号は、第3のデバイスによって送信され、第3のデバイスが、第4のデバイスへトラフィック信号を送信するつもりであることを示す。第1および第2の送信要求信号の受信電力に応じて、要求応答信号を第1のデバイスへ送信するかに関する判定がなされる。この要求応答信号は、第2のデバイスが、第1のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示すことができる。要求応答信号を送信すべきであると判定された場合、第2のデバイスは、要求応答信号を第1のデバイスへ送信する。第1の送信要求信号のインスタンスが、複数の受信アンテナのおのおので受信され、第2の送信要求信号のインスタンスが、複数の受信アンテナのおのおので受信される。複数の受信アンテナのおのおので受信した第1および第2の送信要求信号のインスタンスに応じて、複数の受信ビームフォーミング係数が決定される。これら複数の受信ビームフォーミング係数のおのおのは、1つの受信アンテナに対応している。複数の受信アンテナから受信した第1の送信要求信号のインスタンスは、決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて第2のデバイスによって結合される。同様に、複数の受信アンテナから受信した第2の送信要求信号のインスタンスは、決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて結合される。その後、第2のデバイスは、結合された第1の送信要求信号の電力の、結合された第2の送信要求信号の電力に対する比を計算する。要求応答信号を第1のデバイスへ送信するか否かを決定することは、この電力比に応じてなされる。その後、第2のデバイスは、受信された第1の送信要求信号の電力の、受信された第2の送信要求信号の電力に対する比を計算する。計算された電力比が、受信放棄閾値よりも大きいか、等しい場合、第2のデバイスは、要求応答信号を第1のデバイスへ送信することを決定する。受信放棄閾値は、複数の受信アンテナの数に依存しうる。受信放棄閾値は、受信アンテナの数が増加すると減少する。第2のデバイスはまた、第3のデバイスへ制御メッセージを送信することができる。この制御メッセージは、第2のデバイスが受信ビームフォーミング可能であることを示す制御情報を含み、また、第2のデバイスに備えられた複数の受信アンテナの数をも含む。
【0011】
別の例では、送信放棄が、干渉する第3のデバイスによって実施されうる。第3のデバイスは、第4のデバイスとの無線ピア・ツー・ピア接続を有することができ、他のピア・ツー・ピア・デバイスと周波数スペクトルを共有する。第3のデバイスによって制御メッセージが受信される。ここで制御メッセージは、第2のデバイスが受信ビームフォーミング可能であることを示す制御情報を含む。その後、第3のデバイスは、第1の送信要求信号を第4のデバイスへ送信する。第1の送信要求信号は、第3のデバイスが、第4のデバイスへトラフィック信号を送信するつもりであることを示す。第3のデバイスは、その後、第4のデバイスから第1の要求応答信号を受信するために、周波数スペクトルをモニタする。ここで、第1の要求応答信号は、第4のデバイスが、第3のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す。同様に、第3のデバイスは、第2のデバイスから第2の要求応答信号を受信するために、モニタすることができる。ここで、第2の要求応答信号は、第2のデバイスが、第1のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す。その後、第2のデバイスに対する干渉コストが、第3のデバイスによって計算される。この干渉コストは、第2の要求応答信号の受信電力の関数である。その後、第3デバイスは、計算された干渉コストを、送信放棄閾値と比較することによって、トラフィック信号を第4のデバイスへ送信すべきか否かを判定する。干渉コストが、送信放棄閾値未満である場合、第3のデバイスは、第4のデバイスへトラフィック信号を送信する。制御情報はまた、第2のデバイスに備えられた受信アンテナの数をも含む。送信放棄閾値は、第2のデバイスの受信アンテナの数に依存する。例えば、送信放棄閾値は、第2のデバイスの受信アンテナの数とともに増加する。これは、第2のデバイスの受信アンテナの数が増加すると、第2のデバイスは、第3のデバイスからの干渉を除去するより高い能力を持ち、もって、第3のデバイスは、第2のデバイスに対して頻繁に放棄する必要はなく、トラフィックの送信を進めるための機会をより多く持つであろうことを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
全体を通じて同一符号が対応して特定している図面と連携した場合、以下に示す詳細記述から、さまざまな特徴、特性および利点が明らかになる。
【図1】図1は、例えば広域ネットワークと連携してアド・ホック・ピア・ツー・ピア・ネットワークがどのように実現されるかを例示するブロック図である。
【図2】図2は、近くの他の無線端末への干渉をもたらす複数の無線端末がピア・ツー・ピア通信接続を確立する環境を例示するブロック図である。
【図3】図3は、他のピア・ツー・ピア送信からの干渉を緩和するために、いくつの受信アンテナが無線デバイスによって使用されるかの1つの例を例示する。
【図4】図4は、共有周波数スペクトルによる干渉を緩和するためのピア・ツー・ピア・ネットワークにおけるデバイスの一般的な動作を例示するフロー図である。
【図5A】図5Aは、ピア・ツー・ピア・ネットワークにおいて受信放棄を実行するために、複数の受信アンテナを備える第2のデバイスで動作可能な方法を例示するフロー図である。
【図5B】図5Bは、ピア・ツー・ピア・ネットワークにおいて受信放棄を実行するために、複数の受信アンテナを備える第2のデバイスで動作可能な方法を例示するフロー図である。
【図6】図6は、ピア・ツー・ピア・ネットワークにおいてレート・フィードバックを実行するために、複数の受信アンテナを備える第2のデバイスで動作可能な方法を例示するフロー図である。
【図7】図7は、ピア・ツー・ピア通信ネットワークにおいて、第4のデバイスとの無線ピア・ツー・ピア接続を有する第3のデバイスで動作可能な方法を例示するフロー図である。
【図8】図8は、共有周波数スペクトルによる第2の無線端末とのピア・ツー・ピア通信を容易にするように構成された第1の無線端末のブロック図である。
【図9】図9は、ビームフォーミングおよび受信放棄決定のために複数の受信アンテナを利用するように構成された無線受信デバイスのブロック図である。
【図10】図10は、より高い優先度の受信デバイスからのフィードバックにしたがって、ピア・ツー・ピア・ネットワークにおける送信放棄を実行するように構成された無線送信デバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明では、本構成の完全な理解を提供するために、具体的な詳細が与えられる。しかしながら、これらの構成は、これら具体的な詳細なしで実現されうることが当業者によって理解されよう。例えば、不必要な詳細によって構成を不明確にしないように、回路ブロック図が示されうる。他の事例では、周知の回路、構造および技術が、これら構成を不明確にしないように、詳細に示される。
【0014】
また、これら構成は、フローチャート、フロー図、構造図、またはブロック図として示されるプロセスとして記述されることが注目される。フローチャートは、動作を連続的なプロセスとして示しているが、動作の多くは、並行してあるいは同時に実行されうる。さらに、動作の順序が変更されうる。動作が完了するとプロセスが終了する。プロセスは、方法、機能、手順、サブルーチン、サブプログラム等に相当しうる。プロセスが機能に相当する場合、その終了は、呼出元の機能またはメイン機能への機能のリターンに相当する。
【0015】
1または複数の例および/または構成では、説明された機能が、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組み合わせで実現されうる。ソフトウェアで実現される場合、これら機能はコンピュータ読取可能媒体に格納されうるか、あるいは、コンピュータ読取可能媒体上の1または複数の命令群またはコードとして送信されうる。コンピュータ読取可能媒体は、コンピュータ記憶媒体と通信媒体との両方を含む。これらは、コンピュータ・プログラムのある場所から別の場所への転送を容易にする任意の媒体を含む。記憶媒体は、汎用コンピュータまたは特別用途コンピュータによってアクセスされる利用可能な任意の媒体でありうる。限定ではない一例によって、そのようなコンピュータ読取可能媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたはその他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置またはその他の磁気記憶デバイス、あるいは、所望のプログラム・コード手段を命令群またはデータ構造の形式で搬送または格納するために使用され、しかも、汎用コンピュータや特別用途コンピュータ、あるいは汎用プロセッサまたは特別用途プロセッサによってアクセスされうるその他任意の媒体を備えうる。さらに、いかなる接続も、コンピュータ読取可能媒体と適切に称される。例えば、同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、ツイスト・ペア、デジタル加入者線(DSL)、あるいは、例えば赤外線、無線およびマイクロ波のような無線技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、あるいはその他の遠隔ソースからソフトウェアが送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、ツイスト・ペア、DSL、あるいは、例えば赤外線、無線およびマイクロ波のような無線技術が、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用されるdiskおよびdiscは、コンパクト・ディスク(CD)、レーザ・ディスク、光ディスク、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびブルーレイ・ディスクを含む。通常、diskは、データを磁気的に再生し、discは、レーザを用いて光学的にデータを再生する。上記の組み合わせもまた、コンピュータ読取可能媒体の範囲内に含まれる。
【0016】
さらに、記憶媒体は、データを格納するための1または複数のデバイスを表し、読取専用メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュ・メモリ・デバイス、および/または、情報を格納するためのその他の機械読取可能媒体を含む。
【0017】
さらに、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、あるいはこれらの任意の組み合わせによって構成が実現されうる。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェアあるいはマイクロコードで実現される場合、必要なタスクを実行するためのプログラム・コードまたはコード・セグメントが、例えば記憶媒体またはその他の記憶媒体のようなコンピュータ読取可能媒体に格納されうる。プロセッサは、必要なタスクを実行することができる。コード・セグメントは、手順、機能、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェア・パッケージ、クラス、あるいは、命令群、データ構造、またはプログラム文からなる任意の組み合わせを表すことができる。コード・セグメントは、情報、データ、引数、パラメータ、またはメモリ・コンテンツの引渡しおよび/または受け取り行うことによって、別のコード・セグメントまたはハードウェア回路に接続されうる。情報、引数、パラメータ、データ等は、メモリ共有、メッセージ引渡し、トークン引渡し、ネットワーク送信等を含む任意の適切な手段によって、引渡し、転送、または送信されうる。
【0018】
(概説)
1つの特徴は、既存のチャネル割当によって、別のネットワークのために、アド・ホック・ピア・ツー・ピア・ネットワークを確立する。複数のピア・ツー・ピア・デバイス間の干渉を緩和するために、ピア・ツー・ピア・ネットワークにおけるデバイスは、送信放棄および受信放棄を実施するように構成されうる。一般に、より高い優先度の受信デバイスへ、許容できない干渉をもたらすのであれば、送信デバイスは、より高い優先度の送信デバイスへの時間スロットにおける通信を放棄するだろう。同様に、干渉が、許容できないほど高いのであれば、受信デバイスは、その時間スロットの使用を放棄することができる。送信機と受信機との両方を放棄することは、受信デバイスにおいてビームフォーミングを使用することによって向上される。送信機および/または受信機の放棄を行うためにビームフォーミング情報を利用することによって、より良好な干渉緩和が達成されうる。
【0019】
(アド・ホック通信システム)
中央ネットワーク・コントローラが介在することなく、2またはそれ以上の端末間で、アド・ホック・ピア・ツー・ピア無線ネットワークが確立されうる。いくつかの例において、無線ネットワークは、複数の無線端末間で共有される周波数スペクトル内で動作することができる。
【0020】
図1は、例えば広域ネットワークと連携して、アド・ホック・ピア・ツー・ピア・ネットワークがどのようにして実現されるのかを例示するブロック図である。いくつかの例において、ピア・ツー・ピア・ネットワークおよび広域ネットワークは、同じ周波数スペクトルを共有することができる。他の例では、ピア・ツー・ピア・ネットワークは、例えばピア・ツー・ピア・ネットワーク用途に専用のスペクトルのような異なる周波数スペクトルにおいて動作する。通信システム100は、1または複数の無線端末WT−A102、WT−B106、WT−C112を備えうる。3つの無線端末WT−A102、WT−B106、WT−C112しか示されていないが、通信システム100は、任意の数の無線端末を含みうることが認識されるべきである。無線端末WT−A102、WT−B106、WT−C112は例えば、セルラ電話、スマート・フォン、ラップトップ、ハンドヘルド通信デバイス、ハンドヘルド・コンピュータ・デバイス、衛星ラジオ、全地球測位システム、PDA、および/または、無線通信システム100を介して通信するためのその他任意の適切なデバイスでありうる。
【0021】
一例によれば、通信システム100は、1または複数のアクセス・ノードAN−A104、AN−B110(例えば、基地局、アクセス・ポイント等)、および/または、1または複数のセクタ/セル/領域内の任意の数の別のアクセス・ノード(図示せず)を含みうる広域ネットワーク(WAN)をサポートすることができる。これら他のアクセス・ノードは、無線通信信号を、受信したり、1または複数の無線端末WT−A102、WT−B106、WT−C112と、および/または互いへ送信したり、反復したり等する。アクセス・ノードAN−A104、AN−B110のおのおのは、送信機チェーンおよび受信機チェーンを備える。これらはおのおの、当業者によって認識されるように、信号送信および信号受信に関連する複数の構成要素(例えば、プロセッサ、変調機、マルチプレクサ、復調器、デマルチプレクサ、アンテナ等)を備えうる。オプション機能によれば、WANによって通信する場合、無線端末は、通信システム100によってサポートされている広域インフラ・ストラクチャ・ネットワークを介して通信している場合、信号をアクセス・ノードへ送信したり、および/または、信号をアクセス・ノードから受信したりする。例えば、無線端末WT−A102、WT−B106は、アクセス・ノードAN−A104を介してネットワークと通信することができる一方、無線端末WT−C112は、他のアクセス・ノードAN−B110と通信することができる。
【0022】
無線端末はまた、ローカル・エリア・ピア・ツー・ピア(P2P)ネットワーク(例えばアド・ホック・ネットワーク)によって互いに直接的に通信することができる。ピア・ツー・ピア通信は、無線端末間で信号を直接的に転送することによって有効化されうる。したがって、信号は、(例えば、基地局のような)アクセス・ノードや、中央で管理されたネットワークを横切る必要はない。ピア・ツー・ピア・ネットワークは、(例えば家庭、事務所等のタイプの設定内の)ショート・レンジな高データ・レート通信を提供することができる。例えば、無線端末WT−A102と無線端末WT−B106が、第1のピア・ツー・ピア・ネットワーク108を確立し、無線端末WT−B106と無線端末WT−C112が、第2のピア・ツー・ピア・ネットワーク114を確立する。
【0023】
さらに、ピア・ツー・ピア・ネットワーク接続108、114はそれぞれ、同じような地理的領域内(例えば、互いの範囲内)における無線端末を含みうる。しかしながら、無線端末は、共通のピア・ツー・ピア・ネットワーク内に含まれるべき同じセクタおよび/またはセルに関連している必要はないことが認識されるべきである。さらに、ピア・ツー・ピア・ネットワークは、オーバラップすることができ、これによって、1つのピア・ツー・ピア・ネットワークが、より大きなピア・ツー・ピア・ネットワークとオーバラップしている領域、あるいはそれに含まれる領域内でも生じうる。また、無線端末は、ピア・ツー・ピア・ネットワークによってサポートされていないかもしれない。無線端末は、(例えば、同時にまたは連続的に)オーバラップする広域ネットワークおよび/またはピア・ツー・ピア・ネットワークを適用することができる。さらに、無線端末は、そのようなネットワークをシームレスに切り換えたり、または、同時に導入することができる。したがって、送信または受信している無線端末は、通信を最適化するために、ネットワークのうちの1または複数を選択的に適用することができる。
【0024】
無線端末間のピア・ツー・ピア通信は、同時に起こりうる。例えば、無線端末WT−A102、WT−B106は、個別の機能のパフォーマンスを同期させるために、共通のクロック基準を利用することができる。無線端末WT−A102、WT−B106は、アクセス・ノードAN−N104からタイミング信号を取得することができる。無線端末WT−A102、WT−B106はまた、例えばGPS衛星やテレビ放送局のようなその他のソースからもタイミング信号を取得することができる。例によれば、時間は、例えば、ピア発見、ページング、およびトラフィックのような機能のために、ピア・ツー・ピア・ネットワーク内で意味を持って分割されうる。さらに、おのおののピア・ツー・ピア・ネットワークが、自己の時間を設定できることも考慮される。
【0025】
ピア・ツー・ピア接続におけるトラフィックの通信がなされる前に、2つのピア無線端末が互いの検出および識別を行う。このようなピア間の相互検出および識別がなされるプロセスは、ピア発見と称されうる。通信システム100は、ピア・ツー・ピア通信の確立を望むピア(端末)が、定期的にショート・メッセージを送信し、他の送信を傍受することによって、ピア発見をサポートすることができる。例えば、無線端末WT−A102(例えば送信無線端末)は、他の無線端末WT−B106(例えば受信無線端末)へと定期的に信号をブロードキャストまたは送信する。これによって、受信無線端末WT−B106は、送信無線端末WT−A102の近傍にある場合、送信無線端末WT−A102を識別できるようになる。識別後、アクティブなピア・ツー・ピア接続108が確立される。
【0026】
ピア発見のための送信は、ピア発見インタバルと称される指定された時間内で定期的に生じうる。このタイミングは、プロトコルによって予め定められ、無線端末WT−A102、WT−B106に知られている。無線端末WT−A102、WT−B106はおのおの、自分自身を識別するために、それぞれの信号を送信することができる。例えば、無線端末WT−A102、WT−B106のおのおのは、ピア発見インタバルの一部の時間内で、信号を送信することができる。さらに、無線端末WT−A102、WT−B106のおのおのは、ピア発見インタバルの残りの時間内で、他の無線端末によって送信された信号をモニタすることができる。一例によれば、この信号は、ビーコン信号でありうる。別の例によれば、ピア発見インタバルは、(例えば直交周波数分割多重化(OFDM)シンボルのような)多くのシンボルを含むことができる。おのおのの無線端末WT−A102は、無線端末WT−A102による送信のために、ピア発見インタバル内の少なくとも1つのシンボルを選択することができる。さらに、おのおのの無線端末WT−A102は、無線端末WT−A102によって選択されたシンボル内の1つのトーンで、対応する信号を送信することができる。
【0027】
ローカル・エリア・ピア・ツー・ピア・ネットワークおよび広域ネットワークは、通信を有効にするために、共通の無線スペクトルを共有することができる。したがって、帯域幅は、異なるタイプのネットワークを介してデータを転送するために共有されうる。例えば、ピア・ツー・ピア・ネットワークおよび広域ネットワークはともに、許可されたスペクトルを介して通信することができる。しかしながら、ピア・ツー・ピア通信は、広域ネットワーク・インフラストラクチャを利用する必要はない。
【0028】
無線端末が互いを発見した後、それらは、接続を確立し始めることができる。いくつかの例において、接続は、2つの無線端末をリンクさせる。例えば、図1においては、接続108が、無線端末WT−Aと端末WT−Bとをリンクさせる。端末WT−A102はその後、接続108を用いて、端末WT−B106にトラフィックを送信することができる。端末WT−B106もまた、接続108を用いて、端末WT−A102にトラフィックを送信することができる。
【0029】
図2は、複数の無線端末が、近くにある他の無線端末へ干渉をもたらすピア・ツー・ピア通信接続を確立する環境を例示するブロック図である。ピア・ツー・ピア・ネットワーク200は、周波数スペクトルを共有する、および/または同時に使用する複数の無線端末を含みうる。共有周波数スペクトルは、1または複数の送信チャネルおよび/または制御チャネルを含みうる。ここで、おのおのの送信(トラフィック)チャネルは、対応するトラフィック制御チャネルを有する。一例において、トラフィック制御チャネルは、通信を求めるトラフィック要求を、対応する送信(トラフィック)チャネルを介して送信するために使用されうる。
【0030】
一例において、第1の無線端末WT A202は、第2の無線端末WT B204への送信310を試みている一方、第3の無線端末WT C206は、同じトラフィック・チャネル帯域幅リソースを用いて、第4の無線端末WT D208への送信214を同時に試みている。第1の無線端末WT A202は、意図された送信機と称され、第2の無線端末WT B204は、意図された受信機と称され、第3の無線端末WT C206は、干渉者であると考えられる。このピア・ツー・ピア・ネットワーク200では、送信チャネルと制御チャネルとのペアが、複数の無線端末WT A、WT B、WT Cによって共有されうる。しかしながら、そのような送信(トラフィック)チャネルおよび/または制御チャネルは、無線端末によって共有(例えば周波数スペクトル共有)されるので、無線端末間の望まれない干渉214’、210’をももたらしうる。例えば、送信210および送信214の両方が実際になされると、第3の無線端末WT C206からの信号214’は、第2の無線端末WT B204受信機に対する干渉とみなされ、第1の無線端末WT A202から所望の信号210を正しく復元する能力を低下させうる。したがって、第3の無線端末WT C206から第2の無線端末WT B204への干渉を管理するために、ある干渉管理プロトコルが必要とされる。この干渉管理プロトコルの1つの目標は、第3の無線端末WT C206が、余分な干渉をもたらすことなく第2の無線端末WT B204へ送信できるようにし、これによって、全体的なスループットを高め、システム・パフォーマンスを向上することである。一方、第1の無線端末WT A202も、第4の無線端末WT D208への干渉210’をもたらし、この干渉を制御するためにも、同様の干渉管理プロトコルが使用されうることに注目されたい。
【0031】
中央トラフィック管理機関が存在しないので、WT A202およびWT C206が、同じチャネルあるいはオーバラップするチャネルで送信し、これによって、互いの干渉をもたらす恐れがある。例えば、偶然にも、WT A202とWT C206との両方が、同じ送信CIDを用いることがある。送信CIDは、受信端末WT B204、208に対して、特定の送信チャネル(例えば周波数または時間スロット)を示すために使用されうる。したがって、同じ送信CIDが2つの端末によって使用される場合、これら端末は、同じチャネルまたはオーバラップするチャネルで同時に送信しうる。送信端末WT A202、WT C206の両方が、受信端末WT B204および/または受信端末WT D208の範囲内にある場合、受信端末WT B204および/または受信端末WT D208は、干渉を認識しうる。
【0032】
特に、複数の無線端末が、意図されたピアからの送信と、意図されていないピアからの送信とを区別することなく、共有周波数スペクトル内でチャネルを選択できるようにする方法が必要とされる。
【0033】
1つの実施によれば、送信機および/または受信機の放棄が、ピア・ツー・ピア・ネットワーク内のデバイスによって実施されうる。これによって、デバイスは、より高い優先度を持つ近くの他のデバイスからの干渉があるか、干渉の恐れがある場合、バックオフできるようになる。したがって、第1のデバイスWT A202と第2のデバイスWT B204との間の第1の接続210が、第2のデバイスWT C206と第4のデバイスWT D208との間の第2の接続214よりも高い優先度を有するのであれば、第3のデバイスWT C206は、送信放棄を実施し、第4のデバイスWT D208は、受信放棄を実施する。放棄する場合、デバイスは、送信電力が、近くの他のデバイスの送信と、許容できないほど干渉するかを判定することができる。そのような放棄はまた、他の送信、あるいはそのような送信に関連するピア・ツー・ピア接続の相対的な優先度をも考慮することができる。例えば、デバイスは、他の接続または送信よりも低い優先度を持つ接続または送信を有している場合にのみ、放棄すると判定することができる。
【0034】
ピア・ツー・ピア・ネットワークでは、トラフィックを送信するために、接続スケジューリング・ステージおよびレート・スケジューリング・ステージが使用されうる。接続スケジューリング・ステージでは、ネットワーク内の送信機と受信機とのペアが、どのピア・ペアが、特定の時間スロットで送信するのかを決定することを試みる。これは、送信デバイスが、送信要求を固定電力で送信し、受信デバイスが、この要求を、両デバイス間のチャネル利得に反比例する電力でエコー・バックすることによってなされうる。送信デバイスは、(ピアではない)他の受信デバイスのうちの1つから、より高い優先度および十分強い信号強度を持つエコーを認識した場合に、特定の時間スロットで、トラフィック送信を生成すると判定する。優先度は、サービス品質(QoS)ベースであるか、あるいは、おのおのの時間スロットでランダムに生成される純粋にランダムなトークンでありうる。
【0035】
さらに正確には、
【数1】
【0036】
である場合、より低い優先度の送信デバイスが、より高い優先度の送信デバイスに権利を譲る。ここでh11は、送信機−受信機ペア間のチャネル利得を表し、h21は、干渉をもたらしている送信デバイスからの干渉を表す。言い換えれば、より低い優先度の送信デバイスWT C206は、より高い優先度の送信機信号強度に対するより高い優先度の受信デバイスWT B204に対する干渉214’が制限されていることを確認する。この部分は、通常、送信放棄部分と称される。送信放棄の1つの例では、送信デバイスは、自身の送信が、共有チャネルを用いている他のデバイスに対して許容できない干渉をもたらすかを判定することができる。そして、もしももたらすのであれば、その共有チャネルでは、データ送信を行わない。
【0037】
一方、おのおのの受信機はまた、自身の信号強度を測定し、より高い優先度の送信機からの干渉を測定し、
【数2】
【0038】
である場合、放棄すると決定する。受信放棄の1つの例では、受信デバイスWT D208は、雑音対信号比が低すぎる場合には、(例えば、送信要求に対する応答として)エコーまたは応答送信を送らず、もって、対応する干渉元の送信デバイスWT C206が、選択されたチャネルで受信デバイスWT D208へトラフィックを送信することを阻止する。他の例では、受信デバイスは、干渉を回避するために、対応する送信デバイスによって低い送信電力が使用されるべきであることを示すことができる。
【0039】
(レート・スケジューリングおよび受信放棄のためのビームフォーミング)
図3は、複数の受信アンテナが、他のピア・ツー・ピア送信からの干渉を緩和するために無線デバイスによってどのように用いられるかの1つの例を例示する。この例では、第1のデバイスWT A302が、ピア・ツー・ピア接続310によって、第2のデバイスWT B304と通信するつもりである。しかしながら、第3のデバイスWT C306から第4のデバイスWT D308への送信314は、第2のデバイスWT B304によって、干渉と見なされうる。
【0040】
第2のデバイスWT B304に、複数の受信アンテナが備えられている場合、より高度な受信放棄および/またはレート・スケジューリングが実現されうる。すなわち、複数の受信アンテナによって、第2のデバイスWT B304は、第1のデバイスWT A302からの意図する信号の方向における受信316に集中できるようになる。これによって、第2のデバイスWT B304は、そうでない場合よりもより高い干渉を許容できるようになる。
【0041】
1つの特徴によれば、第2の受信デバイスWT B304は、ビームフォーミング機能に基づいて、放棄する信号対干渉および雑音比(SINR)閾値を選択することができる。例えば、第2のデバイスWT B304は、より多くの受信アンテナを持つと、干渉元の第3のデバイスWT C306から、より多くの干渉を受けることになる。
【0042】
レート・スケジューリング・ステージでは、スケジューリングされた送信デバイスが、チャネルを測定するためにパイロットを送出し、受信デバイスが、使用するレート・オプションを示すフィードバックを送信する。
【0043】
複数のアンテナを有する受信機のための受信機ビームフォーミングを可能にするために、スケジュールされた受信デバイスが、受信機ビームフォーミングを用いて、送信レートを推定することを試みる。無線デバイスがサポートすることができる実装の複雑さに依存して、受信機ビームフォーミングのための複数の選択がある。一例において、第2のデバイスWT B304は、送信デバイスWT A302からの信号強度を最大にするために、マッチト・フィルタ・タイプのビームフォーミングを実装しうる。他の例において、第2のデバイスWT B304によって見られる干渉を最小にするために、第2のデバイスWT B304によって、干渉ヌルイング(ゼロ強制)スキームが実装されうる。また他の例において、受信信号のSINRを最大にするために、行列変換計算を行うことによって、第2のデバイスWT B304によって、線形最小平均自乗誤差(MMSE)が使用されうる。しかしながら、そのような受信機のみのアプローチは、第1の送信デバイスWT A302と第2の受信デバイスWT B304との間のチャネルについてのみならず、干渉空間相関行列においても、レート・スケジューリング・ステージにおける良好なチャネル推定を取得することに失敗する。パイロットのシグナリング方法に依存して、良好なチャネル推定を達成するための多くの方法が存在する。
【0044】
しかしながら、我々は、受信機ビームフォーミングにおけるシステム容量をさらに向上するために、受信機に対してより多くの知識を加えることができる。その理由は、受信機ビームフォーミング機能を有する受信機の場合、単一アンテナの受信機と比較して、統計的により強い干渉を許容できるからである。したがって、無線端末がサポートするアンテナ数および受信機アルゴリズムに依存して、無線端末は、放棄決定のために、異なる閾値SINRTxおよびSINRRxを選択しうる。一般に、受信デバイスがより多くのアンテナを有する場合、より低い放棄閾値を選択するべきである。異なるビームフォーミング・ストラテジ間で、MMSEビームフォーミング機能を持つ受信機は、単純なマッチト・フィルタ・ビームフォーミングまたはゼロ強制ビームフォーミングと比較してより低い閾値を使用するべきである。そのようなスキームは、異なる数の受信アンテナを持つ無線端末が共存するヘテロジニアスなP2Pネットワークで使用されうることが容易に理解されうる。
【0045】
図4は、共有周波数スペクトルによる干渉を緩和するためのピア・ツー・ピア・ネットワーク内のデバイスの一般的な動作を例示するフロー図である。この例では、第1の送信デバイスWT A402が、ピア・ツー・ピア接続によって、第2の受信デバイスWT B404と通信することを試みている一方、それと同時に、第3の送信デバイスWT C406が、共有周波数スペクトルによって、第4の受信デバイス408と通信することを試みている。一例において、第3のデバイスWT C406からの送信が、第1のデバイスWT A402からの送信よりも低い優先度を持っていることが仮定される(そうでない場合にはそう判定される)。第2のデバイスWT B404は、複数の受信アンテナを有する。
【0046】
接続スケジューリング・ステージ410の間、送信デバイスは、ピア・ツー・ピア接続によって、トラフィックを受信デバイスへ送信するつもりであることを示す。例えば、第1のデバイスWT A402は、第2のデバイスWT B404へ、第1の送信要求412を送る。同様に、第3のデバイスWT C406は、第2の送信要求414を第4のデバイスWT D408へ送信(ブロードキャスト)する。このブロードキャスト信号の特性のために、第2のデバイスWT B404は、第1の送信要求412と第2の送信要求414’との両方を受信する。その後、第2のデバイスWT B404は、第1の送信要求電力と第2の送信要求電力との比に基づいて、送信要求応答を第1のデバイスWT A402へ送信すべきかを判定することができる(416)。この電力比が、受信放棄閾値よりも大きいか、または等しい場合、第2のデバイスWT B404は、送信要求応答418を送信する。第2のデバイスWT B404はまた、第3のデバイスWT C406へ制御メッセージ420を送信し、第2のデバイスが、受信ビームフォーミング可能であること、および、恐らくは、多くのアンテナが第2のデバイスに備えられていることを示す。この制御メッセージ420は、接続スケジューリング・ステージ前に送信されうることに着目されたい。例えば、第2のデバイスの受信ビームフォーミング機能を第3のデバイスが認識できるように、第2のデバイスは、制御メッセージ420を定期的にブロードキャストすることができる。第3のデバイスWT C406は、その後、この情報を用いて、送信放棄判断を行い、第4のデバイスWT D408へのトラフィック送信を続けるべきかを判定する(422)。
【0047】
レート・スケジューリング・ステージ424では、第2のデバイスWT B404が、第1のデバイスWT A402から第1のパイロット信号426を、第3のデバイスWT C406から第2のパイロット信号428を受信する。第2のデバイスWT B404は、その後、1または複数の受信アンテナを用いてビームフォーミングを実行して、第1のパイロット信号の受信を改善する(430)。第1のパイロット信号に基づいて、信号対干渉比が取得される(432)。これは、第1のデバイスWT A402のためのトラフィック送信レートを取得するために使用されうる。第2のデバイスWT B404は、その後、第1のデバイスへ制御レート・レポート434を送り、トラフィック送信レートを示す。第1のデバイスWT A402はその後、送信レート・レポートと等しいか、それよりも低いトラフィック・レートを用いて、第2のデバイスWT B404へトラフィックを送信しうる。
【0048】
(図5Aおよび図5Bを含む)図5は、ピア・ツー・ピア・ネットワークにおいて受信放棄を実行する、複数の受信アンテナを備えた第2のデバイスで動作可能な方法を例示するフロー図である。この例では、第1の送信デバイスが、ピア・ツー・ピア接続を介して第2のデバイスへトラフィックを送信することを試みうる。共有周波数スペクトルによって、第1のデバイスから第1の送信要求信号が受信される(502)。この第1の送信要求信号は、第1のデバイスが第2のデバイスへトラフィックを送信するつもりであることを示す。第2のデバイスは、第2の送信要求信号を受信するために、共有周波数スペクトルをモニタする(504)。この第2の送信要求信号は、第3のデバイスによって送信され、第3のデバイスが第4のデバイスへトラフィック信号を送信するつもりであることを示す。第2のデバイスはその後、第1および第2の送信要求信号の受信電力に応じて、要求応答信号を第1のデバイスへ送信すべきか否かを判定することができる(506)。この要求応答信号は、第2のデバイスが第1のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す。
【0049】
要求応答信号を送信すべきかを第2のデバイスがどのようにして決定するかの一例が本明細書で提供される。第1の送信要求信号および第2の送信要求信号の複数のインスタンスが、第2のデバイスの複数の受信アンテナのおのおので受信されうる。したがって、第2のデバイスは、複数の受信デバイスのおのおのにおいて、第1の送信要求信号および第2の送信要求信号の受信されたインスタンスに応じて、複数の受信ビームフォーミング係数を決定する(508)。複数の受信ビームフォーミング係数のおのおのは、1つの受信アンテナに対応している。複数の受信アンテナから受信した第1の送信要求のインスタンスは、その後、決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて結合される(510)。複数の受信アンテナから受信した第2の送信要求信号はまた、決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて結合される(512)。その後、第2のデバイスは、結合された第1の送信要求信号の電力の、結合された第2の送信要求信号の電力に対する比を計算する(514)。要求応答信号を第1のデバイスへ送信するかに関する決定は、この電力比に応じてなされる。計算された電力比が、受信放棄閾値よりも大きいか、またはそれに等しい場合(516)、第2のデバイスは、第1のデバイスへ要求応答信号を送信する(520)。そうでない場合、要求応答信号は第1のデバイスへ送信されない(522)。受信放棄閾値は、複数の受信アンテナの数に依存することに注目されたい。受信放棄閾値は、第2のデバイスにおける受信アンテナの数が増加すると減少する。
【0050】
第2のデバイスはまた、第3のデバイスへ制御メッセージを送ることができる(524)。この制御メッセージは、第2のデバイスが受信ビームフォーミング可能であることを示す制御情報を含む。この制御情報はまた、第2のデバイスに備えられた複数の受信アンテナの数をも含む。制御メッセージは、ステップ520またはステップ522の後に送信されるものと示されているが、実際、制御メッセージを送信するステップ524は、例えばステップ502の前、またはステップ506の後など、プロトコル内のどの時点においても起こりうる。
【0051】
図6は、ピア・ツー・ピア・ネットワークにおいてレート・フィードバックを実行するために複数の受信アンテナを持つ第2のデバイスで実行可能な方法を例示するフロー図である。この例では、第1の送信デバイスが、ピア・ツー・ピア接続によって第2のデバイスへトラフィックを送信することを要求した。第1のデバイスからの第1のパイロット信号が、共有周波数スペクトルを介して第2のデバイスによって受信される(602)。この第1のパイロット信号は、複数の受信アンテナのおのおので受信される。第2のデバイスは、その後、複数の受信アンテナのおのおので受信された第1のパイロット信号に応じて、複数の受信ビームフォーミグ係数を決定する(604)。複数の受信ビームフォーミング係数のおのおのは、1つの受信アンテナに対応する。例えば、第1のパイロット信号の複数のインスタンスが、おのおのの受信アンテナについて1つ受信される。
【0052】
第1のパイロット信号の信号対干渉比が、決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、複数の受信アンテナから受信した第1のパイロット信号を結合することによって、第2のデバイスによって計算される(606)。その後、レート・レポート信号が、第1のデバイスへ送信される(608)。レート・レポートは、第1のパイロット信号の信号対干渉比によって決定される制御情報を含んでいる。
【0053】
トラフィック信号が、第1のデバイスから受信される(610)。このトラフィック信号は、複数の受信アンテナのおのおので受信される。第2のデバイスは、複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、複数の受信アンテナから受信したトラフィック信号を結合する(612)。すなわち、複数の受信アンテナを介して受信されたトラフィク信号のおのおののインスタンスは、受信アンテナのおのおののビームフォーミング係数にしたがって結合される。そのようなビームフォーミング係数は、他の干渉信号を最小にしながら、第1のデバイスからの意図された信号を最大化する。その後、第2のデバイスは、結合されたトラフィック信号を復号する(614)。一例において、複数の受信アンテナから受信した第1のパイロット信号を結合するために、複数の受信ビームフォーミング係数が使用される場合、結合された第1のパイロット信号の信号電力を最大にするために、複数の受信ビームフォーミング係数が、選択または決定されうる。
【0054】
第2のデバイスは、第3のデバイスから第2のパイロット信号を受信する。第2のパイロット信号は、複数の受信アンテナのおのおので受信され、第2のデバイスへの干渉を表す。第3のデバイスは、第4のデバイスへトラフィック信号を送るつもりである。したがって、第2のパイロットは、第3のデバイスがトラフィック信号を送信する場合に引き起こすであろう第2のデバイスへの干渉を表す。その後、複数の受信ビームフォーミング係数はさらに、複数の受信アンテナのおのおので受信された第2のパイロット信号に応じて決定される。その後、複数の受信アンテナから受信した第2のパイロット信号を結合するために複数の受信ビームフォーミング係数が使用される場合、複数の受信ビームフォーミング係数は、結合された第2のパイロット信号の干渉電力を最小にするように決定される。複数の受信ビームフォーミング係数は、例えばMMSE設計基準を用いて、干渉電力に対する信号電力の比を最大にするように決定されうる。信号電力は、結合された第1のパイロット信号の電力であり、干渉電力は、複数の受信ビームフォーミング係数が、複数の受信アンテナから受信した第1のパイロット信号と第2のパイロット信号をそれぞれ結合するために使用される場合、結合された第2のパイロット信号の電力である。
【0055】
図7は、ピア・ツー・ピア通信ネットワークにおける第3のデバイスで動作可能な方法を例示するフロー図である。第3のデバイスは、第4のデバイスとの無線ピア・ツー・ピア接続を有している。この例において、第3のデバイスと第4の受信デバイスとの間のピア・ツー・ピア接続は、第1の送信デバイスと第2の受信デバイスとの間のピア・ツー・ピア接続よりも低い優先度を有する。さらに、4つすべてのデバイスは、共有周波数スペクトル上で動作する。したがって、第3のデバイスからの同時送信は、第1のデバイスからの送信と干渉すると考えられる。第3のデバイスは、制御メッセージを受信する(702)。この制御メッセージは、第2のデバイスが受信ビームフォーミング可能であることを示す。第1の送信要求信号が、第3のデバイスによって第4のデバイスへ送信される(704)。第1の送信要求信号は、第3のデバイスが、トラフィック信号を第4のデバイスへ送信するつもりであることを示す。その後、第3のデバイスは、第4のデバイスからの第1の要求応答信号を受信するために、共有周波数スペクトルをモニタする(706)。第1の要求応答信号は、第4のデバイスが、第3のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す。同様に、第3のデバイスはまた、第2のデバイスからの第2の要求応答信号を受信するために、共有周波数スペクトルをモニタする(708)。第2の要求応答信号は、第2のデバイスが、第1のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す。第2のデバイスへの干渉コストが、第3のデバイスによって計算される(710)。この干渉コストは、第2の要求応答信号の受信電力の関数でありうる。その後、第3のデバイスは、送信放棄を実行するかを判断する。特に、第3のデバイスは、計算された干渉コストを、送信放棄閾値と比較することによって、トラフィック信号を第4のデバイスへ送信するかを判定する。計算された干渉コストが、送信放棄閾値よりも小さい場合(712)、第3のデバイスは、第4のデバイスへトラフィック信号を送信する(714)。そうでない場合、第3のデバイスは、第4のデバイスへトラフィックを送信しない(少なくとも、現在の時間スロット中ではない)(716)。
【0056】
第3のデバイスによって第2のデバイスから受信された制御情報はまた、第2のデバイスに備えられた受信アンテナの数をも含む。送信放棄閾値は、第2のデバイスの受信アンテナの数に依存し、送信放棄閾値は、第2のデバイスの受信アンテナの数が増加すると増加する。
【0057】
図8は、共有周波数スペクトルを介した第2の無線端末とのピア・ツー・ピア通信を容易にするように構成された第1の無線端末のブロック図である。この無線端末802は、処理回路(例えば、1または複数の回路またはプロセッサ)804、ピア・ツー・ピア通信コントローラ812、広域ネットワーク(WAN)コントローラ810、および、複数のアンテナ806、808に接続されたトランシーバ814を含みうる。トランシーバ814は、(無線)送信機および(無線)受信機を含みうる。一例において、複数のアンテナが、受信アンテナおよび/または送信アンテナでありうる。無線端末802は、WAN通信コントローラ810を用いて、管理されたネットワーク・インフラストラクチャを介して通信する。および/または、ピア・ツー・ピア通信コントローラ812を用いて、ピア・ツー・ピア・ネットワークを介して通信する。ピア・ツー・ピア通信を実行する場合、第1の無線端末802は、図1乃至図7に例示する機能のうちの1または複数を実行するように構成されうる。これは、他の無線デバイスのためのビームフォーミング情報に基づく送信放棄や、複数の受信アンテナに基づく受信放棄を含む。
【0058】
図9は、ビームフォーミングおよび受信放棄判断のために、複数の受信アンテナを利用するように構成された無線受信デバイスのブロック図である。無線受信デバイス900は、複数の受信アンテナ914に接続された受信機902を含みうる。この受信機902は、第1のデバイスから、共有周波数スペクトルを介して第1の送信要求信号を受信する。この第1の送信要求信号は、第1のデバイスが、無線受信デバイス900へトラフィック信号を送信するつもりであることを示す。受信機902は、第2の送信要求信号を受信するために、共有周波数スペクトルをモニタする。この第2の送信要求信号は、第3のデバイスによって送信され、第3のデバイスが第4のデバイスへトラフィック信号を送信するつもりであることを示す。
【0059】
無線受信デバイス900は、要求応答信号を第1のデバイスへ送信すべきかを判定する。この要求応答信号は、第1および第2の送信要求信号からの受信電力に応じて、第2のデバイスが、第1のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す。そのような判定をする場合、ビームフォーミング係数計算機904が、複数の受信アンテナのおのおので受信された第1および第2の送信要求信号のインスタンスに応じて、複数の受信ビームフォーミング係数を決定することができる。複数の受信ビームフォーミング係数のおのおのは、1つの受信アンテナ914に対応する。信号結合器912は、決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、複数の受信アンテナから受信した第1の送信要求信号のインスタンスを結合する。同様に、信号結合器912は、決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、複数の受信アンテナから受信した第2の送信要求信号のインスタンスを結合する。
【0060】
電力比計算機916は、結合された第2の送信要求信号の電力に対する、結合された第1の送信要求信号の電力の比を計算するように構成される。送信要求応答モジュール918は、この電力比に応じて、要求応答信号を第1のデバイスへ送信すべきかを判定する。無線デバイス900が、要求応答信号を送信すると判定した場合、送信機920によって第1のデバイスへ要求応答信号が送信される。
【0061】
受信機902はまた、共有周波数スペクトルを介して第1のデバイスから第1のパイロット信号を受信する。第1のパイロット信号は、複数の受信アンテナのおのおので受信される。ビームフォーミング係数計算機904は、複数の受信アンテナ914のおのおので受信した第1のパイロット信号に応じて、複数の受信ビームフォーミング係数を決定する。複数の受信ビームフォーミング係数のおのおのは、1つの受信アンテナに対応する。信号対干渉計算機906は、決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、複数の受信アンテナ914から受信した第1のパイロット信号を結合することによって、第1のパイロット信号の信号対干渉比を計算する。トラフィック・レート計算機908は、第1のデバイスのトラフィック・レート・レポートを生成する。このレート・レポートは、第1のパイロット信号の信号対干渉比によって決定される制御情報を含む。このレート・レポートは、送信機920によって送信される。
【0062】
受信機902は、第1のデバイスからトラフィック信号を受信する。このトラフィック信号は、複数の受信アンテナのおのおので受信される。信号結合器912は、複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、複数の受信アンテナ914から受信したトラフィック信号を結合する。その後、信号復号器910が、結合されたトラフィック信号を復号する。
【0063】
図10は、より高い優先度の第2の受信デバイスからのフィードバックにしたがって、ピア・ツー・ピア・ネットワーク内での送信放棄を実行するように構成された第3の無線送信デバイスのブロック図である。この無線送信デバイス1000は、制御メッセージを受信する受信機1002を含む。この制御メッセージは、より高い優先度を持つ第2の受信デバイスが受信ビームフォーミング可能であることを示す制御情報を含む。この第3のデバイス1000は、第4のデバイスへ第1の送信要求信号を送信する送信機1010を用いる。この第1の送信要求信号は、第3のデバイスが、第4のデバイスへトラフィック信号を送信するつもりであることを示す。信号モニタ1004は、第4のデバイスから第1の要求応答信号を受信するために使用される。第1の要求応答信号は、第4のデバイスが、第3のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す。信号モニタ1004はまた、第2のデバイスからの第2の要求応答信号をも受信する。この第2の要求応答信号は、第2のデバイスが、第1のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す。干渉コスト計算機1006は、第2のデバイスに対する干渉コストを計算する。この干渉コストは、第2の要求応答信号の受信電力の関数である。第3のデバイス1000は、計算された干渉コストを、送信放棄閾値と比較することにより、第4のデバイスにトラフィック信号を送信するかを判定する。計算された干渉コストが、送信放棄閾値未満である場合、第3のデバイス1000はトラフィック信号を送信する。制御情報はまた、第2のデバイスに備えられた受信アンテナの数をも含む。送信放棄閾値は、第2のデバイスの受信アンテナの数に依存する。例えば、送信放棄閾値は、第2のデバイスの受信アンテナの数が増加すると増加する。
【0064】
OFDM TDDシステムの文脈で説明されているが、さまざまな実施形態の方法および装置は、多くの非OFDMシステム、多くの非TDDシステム、および/または、多くの非セルラシステムを含む広範な通信システムに適応可能である。
【0065】
さまざまな実施形態では、本明細書で説明されたノードは、例えば、ビーコン信号を生成することと、ビーコン信号を送信することと、ビーコン信号を受信することと、ビーコン信号を求めてモニタリングすることと、受信されたビーコン信号から情報を復元することと、タイミング調節値を決定することと、タイミング調節を実行することと、運転モードを変更することと、通信セッションを開始すること等のような1または複数の方法に対応するステップを実行するために、1または複数のモジュールを用いて実現される。いくつかの実施形態では、さまざまな機能が、モジュールを用いて実現される。そのようなモジュールは、ソフトウェア、ハードウェア、あるいはソフトウェアとハードウェアとの組み合わせを用いて実現されうる。上述した方法または方法ステップの多くは、例えば1または複数のノードのような上述した方法のうちの全てまたは一部を実現するために、例えばRAMやフロッピー(登録商標)ディスク等のメモリ・デバイスのような機械読取可能媒体に含まれる、ソフトウェアのような機械実行可能命令を用いて実現され、更なるハードウェアを備えたあるいは備えていない汎用コンピュータのような機械が制御される。さらに、さまざまな実施形態が、例えばプロセッサや関連するハードウェアのような機械に対して、上述した方法のステップのうちの1または複数を実行させるための機械実行可能な命令群を含む機械読取可能媒体に向けられる。
【0066】
当業者は、上記説明を考慮して、上述した方法および装置に関するさらに多くの変形が明らかとなろう。そのような変形は、権利範囲内であると考慮されるべきである。さまざまな実施形態の方法および装置、およびさまざまな実施形態における方法および装置は、CDMA、直交周波数分割多重化(OFDM)、および/または、アクセス・ノードとモバイル・ノードとの間の無線通信リンクを提供するために使用されるその他のさまざまなタイプの通信技術とともに使用される。いくつかの実施形態では、アクセス・ノードは、OFDMおよび/またはCDMAを用いて、モバイル・ノードとの通信リンクを確立する基地局として実現される。さまざまな実施形態では、モバイル・ノードは、ノードブック・コンピュータ、情報携帯端末(PDA)、あるいは、さまざまな実施形態の方法を実現するための受信/送信回路およびロジックおよび/またはルーチンを含むその他のポータブル・デバイスとして実現される。
【0067】
他の構成によれば、図1乃至図10に記載された動作および/または機能を実行するように適応された1または複数の回路が、モバイル・デバイス内に存在しうる。回路または回路部分の何れも、単独で、あるいは、1または複数のプロセッサと組み合わされた集積回路の一部として実現されうる。これら回路のうちの1または複数は、集積回路、アドバンスRISCマシン(ARM)プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、汎用プロセッサ等に実装されうる。
【0068】
図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8、図9、および/または図10に例示される構成要素、ステップ、および/または、機能のうちの1または複数は、単一の構成要素、ステップ、あるいは機能に再構成および/または統合されるか、あるいは、幾つかの構成要素、ステップ、または機能に組み込まれる。さらなる要素、構成要素、ステップ、および/または機能も追加されうる。図1、図2、図3、図8、図9、および/または図10に例示される装置、デバイス、および/または構成要素は、図4、図5、図6、および/または図7に規定される方法、機能、またはステップのうちの1または複数の実行するように構成または適応されうる。本明細書に記載されたアルゴリズムは、ソフトウェアおよび/または埋込式ハードウェアによって効率的に実現されうる。
【0069】
当業者であればさらに、本明細書で開示された構成に関連して記載された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズム・ステップが、電子工学ハードウェア、コンピュータ・ソフトウェア、あるいはこれらの組み合わせとして実現されることを理解するであろう。ハードウェアとソフトウェアとの相互置換性を明確に説明するために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、それらの機能の観点から一般的に記述された。それら機能がハードウェアとしてまたはソフトウェアとして実現されるかは、特定のアプリケーションおよびシステム全体に課せられている設計制約に依存する。
【0070】
本明細書に記載されたさまざまな機能は、他のシステムにおいても実現されうる。例えば、2次マイクロフォン・カバー検出器が、単一の回路またはモジュール内、別の回路またはモジュール上に実装され、1または複数のプロセッサによって実行され、機械読取可能媒体またはコンピュータ読取可能媒体に組み込まれたコンピュータ読取可能命令群によって実行され、および/または、ハンドヘルド・デバイス、モバイル・コンピュータ、および/またはモバイル電話内に組み込まれうる。
【0071】
前述した構成は単なる例にすぎず、特許請求の範囲を限定するとは解釈されないことが注目されるべきである。これら構成の説明は、特許請求の範囲を限定することではなく、例示的であると意図されている。それゆえ、本発明による教示は、当業者に容易になるであろうその他のタイプの装置、多くの代替品、修正、および、変形にも容易に適用されうる。
【優先権主張】
【0001】
本特許出願は、2007年7月9日に出願され本願の譲受人に譲渡され本願において参照によって明確に組み込まれている"Techniques for Receiver Beamforming and Yielding-Threshold Adjustments in Peer to Peer Networks" と題された米国仮出願60/948,633号の優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
少なくとも1つの態様は、ピア・ツー・ピア(P2P)ネットワークにおける無線通信に関し、特に、受信機ビームフォーミング機能に基づいてモバイル局(ピア)が放棄閾値(yielding thresholds)を選択することができる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
例えばアドホック・ピア・ツー・ピア・ネットワークのように、ネットワーク・インフラストラクチャが存在しない無線ネットワークでは、端末は、他のピア端末との通信リンクを設定するために、ある一定の問題と格闘しなければならない。ピア・ツー・ピア・ネットワークのアド・ホック特性による1つの問題は、異なるピア・ツー・ピア送信間の干渉の緩和または阻止である。さらに詳しくは、ピア・ツー・ピア接続は、周波数スペクトルを共有するので、2つのピア・ツー・ピア送信が、互いに干渉する恐れがある。
【0004】
したがって、ピア・ツー・ピア接続間の干渉を緩和する方法が必要とされる。
【発明の概要】
【0005】
ピア・ツー・ピア接続間の干渉緩和は、送信機および/または受信機の放棄(yielding)が実施されるプロトコルによって達成されうる。そのような送信機および/または受信機の放棄は、受信デバイスにおいて複数の受信アンテナを用いることによってさらに改善されうる。
【0006】
例えば、受信機の放棄を実施するために、複数の受信アンテナを備えた第2のデバイスが構成されうる。この第2のデバイスは、第1のデバイスとの無線ピア・ツー・ピア接続を容易にするように動作しうる。第1のデバイスからの第1のパイロット信号が、共有周波数スペクトルを介して第2のデバイスによって受信される。この第1のパイロット信号は、複数の受信アンテナのおのおのにおいて受信される。複数の受信アンテナのおのおので受信された第1のパイロット信号に応じて、複数の受信ビームフォーミング係数が決定されうる。ここで、複数の受信ビームフォーミング係数のおのおのは、1つの受信アンテナに対応する。その後、第2のデバイスが、決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、複数の受信アンテナから受信した第1のパイロット信号を結合することによって、第1のパイロット信号の信号対干渉比を計算する。レート・レポート信号が第1のデバイスへ送信されうる。レート・レポートは、第1のパイロット信号の信号対干渉比によって決定される制御情報を含む。
【0007】
その後、第2のデバイスが、第1のデバイスからトラフィック信号を受信する。このトラフィック信号は、複数の受信アンテナのおのおので受信される。複数の受信アンテナから受信したトラフィック信号は、複数の受信ビームフォーミング係数を用いて結合される。その後、結合されたトラフィック信号が復号される。複数の受信アンテナから受信した第1のパイロット信号を結合するために、複数の受信ビームフォーミング係数が使用される場合、結合された第1のパイロット信号の信号強度を最大にするために、複数の受信ビームフォーミング係数が決定される。
【0008】
第2のデバイスはまた、第3のデバイスから第2のパイロット信号を受信することもできる。この第2のパイロット信号は、複数の受信アンテナのうちのおのおので受信され、第2のデバイスに対する干渉を表す。第3のデバイスは、第4のデバイスへトラフィックを送信することを意図している。したがって、第2のデバイスへの干渉をもたらしうる。複数の受信ビームフォーミング係数はまた、複数の受信アンテナのおのおので受信された第2のパイロット信号に応じて決定される。
【0009】
複数の受信アンテナから受信した第2のパイロット信号を結合するために、複数の受信ビームフォーミング係数が使用される場合、結合された第2のパイロット信号の干渉電力を最小にするために、複数の受信ビームフォーミング係数が決定される。複数の受信アンテナから受信した第1のパイロット信号と第2のパイロット信号のそれぞれを結合するために複数の受信ビームフォーミング係数が使用される場合、信号電力対干渉電力比を最大にするために、複数の受信ビームフォーミング係数が決定される。ここで、信号電力は、結合された第1のパイロット信号の電力であり、干渉電力は、結合された第2のパイロット信号の電力である。
【0010】
第1のパイロットを受信する前に、第2のデバイスは、第1のデバイスから、共有周波数スペクトルによって、第1の送信要求信号をも受信しうる。ここで、第1の送信要求信号は、第1のデバイスが、トラフィック信号を第2のデバイスへ送信するつもりであることを示す。第2のデバイスはその後、第2の送信要求信号を受信するために、この共有周波数スペクトルをモニタする。この第2の送信要求信号は、第3のデバイスによって送信され、第3のデバイスが、第4のデバイスへトラフィック信号を送信するつもりであることを示す。第1および第2の送信要求信号の受信電力に応じて、要求応答信号を第1のデバイスへ送信するかに関する判定がなされる。この要求応答信号は、第2のデバイスが、第1のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示すことができる。要求応答信号を送信すべきであると判定された場合、第2のデバイスは、要求応答信号を第1のデバイスへ送信する。第1の送信要求信号のインスタンスが、複数の受信アンテナのおのおので受信され、第2の送信要求信号のインスタンスが、複数の受信アンテナのおのおので受信される。複数の受信アンテナのおのおので受信した第1および第2の送信要求信号のインスタンスに応じて、複数の受信ビームフォーミング係数が決定される。これら複数の受信ビームフォーミング係数のおのおのは、1つの受信アンテナに対応している。複数の受信アンテナから受信した第1の送信要求信号のインスタンスは、決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて第2のデバイスによって結合される。同様に、複数の受信アンテナから受信した第2の送信要求信号のインスタンスは、決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて結合される。その後、第2のデバイスは、結合された第1の送信要求信号の電力の、結合された第2の送信要求信号の電力に対する比を計算する。要求応答信号を第1のデバイスへ送信するか否かを決定することは、この電力比に応じてなされる。その後、第2のデバイスは、受信された第1の送信要求信号の電力の、受信された第2の送信要求信号の電力に対する比を計算する。計算された電力比が、受信放棄閾値よりも大きいか、等しい場合、第2のデバイスは、要求応答信号を第1のデバイスへ送信することを決定する。受信放棄閾値は、複数の受信アンテナの数に依存しうる。受信放棄閾値は、受信アンテナの数が増加すると減少する。第2のデバイスはまた、第3のデバイスへ制御メッセージを送信することができる。この制御メッセージは、第2のデバイスが受信ビームフォーミング可能であることを示す制御情報を含み、また、第2のデバイスに備えられた複数の受信アンテナの数をも含む。
【0011】
別の例では、送信放棄が、干渉する第3のデバイスによって実施されうる。第3のデバイスは、第4のデバイスとの無線ピア・ツー・ピア接続を有することができ、他のピア・ツー・ピア・デバイスと周波数スペクトルを共有する。第3のデバイスによって制御メッセージが受信される。ここで制御メッセージは、第2のデバイスが受信ビームフォーミング可能であることを示す制御情報を含む。その後、第3のデバイスは、第1の送信要求信号を第4のデバイスへ送信する。第1の送信要求信号は、第3のデバイスが、第4のデバイスへトラフィック信号を送信するつもりであることを示す。第3のデバイスは、その後、第4のデバイスから第1の要求応答信号を受信するために、周波数スペクトルをモニタする。ここで、第1の要求応答信号は、第4のデバイスが、第3のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す。同様に、第3のデバイスは、第2のデバイスから第2の要求応答信号を受信するために、モニタすることができる。ここで、第2の要求応答信号は、第2のデバイスが、第1のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す。その後、第2のデバイスに対する干渉コストが、第3のデバイスによって計算される。この干渉コストは、第2の要求応答信号の受信電力の関数である。その後、第3デバイスは、計算された干渉コストを、送信放棄閾値と比較することによって、トラフィック信号を第4のデバイスへ送信すべきか否かを判定する。干渉コストが、送信放棄閾値未満である場合、第3のデバイスは、第4のデバイスへトラフィック信号を送信する。制御情報はまた、第2のデバイスに備えられた受信アンテナの数をも含む。送信放棄閾値は、第2のデバイスの受信アンテナの数に依存する。例えば、送信放棄閾値は、第2のデバイスの受信アンテナの数とともに増加する。これは、第2のデバイスの受信アンテナの数が増加すると、第2のデバイスは、第3のデバイスからの干渉を除去するより高い能力を持ち、もって、第3のデバイスは、第2のデバイスに対して頻繁に放棄する必要はなく、トラフィックの送信を進めるための機会をより多く持つであろうことを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
全体を通じて同一符号が対応して特定している図面と連携した場合、以下に示す詳細記述から、さまざまな特徴、特性および利点が明らかになる。
【図1】図1は、例えば広域ネットワークと連携してアド・ホック・ピア・ツー・ピア・ネットワークがどのように実現されるかを例示するブロック図である。
【図2】図2は、近くの他の無線端末への干渉をもたらす複数の無線端末がピア・ツー・ピア通信接続を確立する環境を例示するブロック図である。
【図3】図3は、他のピア・ツー・ピア送信からの干渉を緩和するために、いくつの受信アンテナが無線デバイスによって使用されるかの1つの例を例示する。
【図4】図4は、共有周波数スペクトルによる干渉を緩和するためのピア・ツー・ピア・ネットワークにおけるデバイスの一般的な動作を例示するフロー図である。
【図5A】図5Aは、ピア・ツー・ピア・ネットワークにおいて受信放棄を実行するために、複数の受信アンテナを備える第2のデバイスで動作可能な方法を例示するフロー図である。
【図5B】図5Bは、ピア・ツー・ピア・ネットワークにおいて受信放棄を実行するために、複数の受信アンテナを備える第2のデバイスで動作可能な方法を例示するフロー図である。
【図6】図6は、ピア・ツー・ピア・ネットワークにおいてレート・フィードバックを実行するために、複数の受信アンテナを備える第2のデバイスで動作可能な方法を例示するフロー図である。
【図7】図7は、ピア・ツー・ピア通信ネットワークにおいて、第4のデバイスとの無線ピア・ツー・ピア接続を有する第3のデバイスで動作可能な方法を例示するフロー図である。
【図8】図8は、共有周波数スペクトルによる第2の無線端末とのピア・ツー・ピア通信を容易にするように構成された第1の無線端末のブロック図である。
【図9】図9は、ビームフォーミングおよび受信放棄決定のために複数の受信アンテナを利用するように構成された無線受信デバイスのブロック図である。
【図10】図10は、より高い優先度の受信デバイスからのフィードバックにしたがって、ピア・ツー・ピア・ネットワークにおける送信放棄を実行するように構成された無線送信デバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明では、本構成の完全な理解を提供するために、具体的な詳細が与えられる。しかしながら、これらの構成は、これら具体的な詳細なしで実現されうることが当業者によって理解されよう。例えば、不必要な詳細によって構成を不明確にしないように、回路ブロック図が示されうる。他の事例では、周知の回路、構造および技術が、これら構成を不明確にしないように、詳細に示される。
【0014】
また、これら構成は、フローチャート、フロー図、構造図、またはブロック図として示されるプロセスとして記述されることが注目される。フローチャートは、動作を連続的なプロセスとして示しているが、動作の多くは、並行してあるいは同時に実行されうる。さらに、動作の順序が変更されうる。動作が完了するとプロセスが終了する。プロセスは、方法、機能、手順、サブルーチン、サブプログラム等に相当しうる。プロセスが機能に相当する場合、その終了は、呼出元の機能またはメイン機能への機能のリターンに相当する。
【0015】
1または複数の例および/または構成では、説明された機能が、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組み合わせで実現されうる。ソフトウェアで実現される場合、これら機能はコンピュータ読取可能媒体に格納されうるか、あるいは、コンピュータ読取可能媒体上の1または複数の命令群またはコードとして送信されうる。コンピュータ読取可能媒体は、コンピュータ記憶媒体と通信媒体との両方を含む。これらは、コンピュータ・プログラムのある場所から別の場所への転送を容易にする任意の媒体を含む。記憶媒体は、汎用コンピュータまたは特別用途コンピュータによってアクセスされる利用可能な任意の媒体でありうる。限定ではない一例によって、そのようなコンピュータ読取可能媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたはその他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置またはその他の磁気記憶デバイス、あるいは、所望のプログラム・コード手段を命令群またはデータ構造の形式で搬送または格納するために使用され、しかも、汎用コンピュータや特別用途コンピュータ、あるいは汎用プロセッサまたは特別用途プロセッサによってアクセスされうるその他任意の媒体を備えうる。さらに、いかなる接続も、コンピュータ読取可能媒体と適切に称される。例えば、同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、ツイスト・ペア、デジタル加入者線(DSL)、あるいは、例えば赤外線、無線およびマイクロ波のような無線技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、あるいはその他の遠隔ソースからソフトウェアが送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、ツイスト・ペア、DSL、あるいは、例えば赤外線、無線およびマイクロ波のような無線技術が、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用されるdiskおよびdiscは、コンパクト・ディスク(CD)、レーザ・ディスク、光ディスク、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびブルーレイ・ディスクを含む。通常、diskは、データを磁気的に再生し、discは、レーザを用いて光学的にデータを再生する。上記の組み合わせもまた、コンピュータ読取可能媒体の範囲内に含まれる。
【0016】
さらに、記憶媒体は、データを格納するための1または複数のデバイスを表し、読取専用メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュ・メモリ・デバイス、および/または、情報を格納するためのその他の機械読取可能媒体を含む。
【0017】
さらに、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、あるいはこれらの任意の組み合わせによって構成が実現されうる。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェアあるいはマイクロコードで実現される場合、必要なタスクを実行するためのプログラム・コードまたはコード・セグメントが、例えば記憶媒体またはその他の記憶媒体のようなコンピュータ読取可能媒体に格納されうる。プロセッサは、必要なタスクを実行することができる。コード・セグメントは、手順、機能、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェア・パッケージ、クラス、あるいは、命令群、データ構造、またはプログラム文からなる任意の組み合わせを表すことができる。コード・セグメントは、情報、データ、引数、パラメータ、またはメモリ・コンテンツの引渡しおよび/または受け取り行うことによって、別のコード・セグメントまたはハードウェア回路に接続されうる。情報、引数、パラメータ、データ等は、メモリ共有、メッセージ引渡し、トークン引渡し、ネットワーク送信等を含む任意の適切な手段によって、引渡し、転送、または送信されうる。
【0018】
(概説)
1つの特徴は、既存のチャネル割当によって、別のネットワークのために、アド・ホック・ピア・ツー・ピア・ネットワークを確立する。複数のピア・ツー・ピア・デバイス間の干渉を緩和するために、ピア・ツー・ピア・ネットワークにおけるデバイスは、送信放棄および受信放棄を実施するように構成されうる。一般に、より高い優先度の受信デバイスへ、許容できない干渉をもたらすのであれば、送信デバイスは、より高い優先度の送信デバイスへの時間スロットにおける通信を放棄するだろう。同様に、干渉が、許容できないほど高いのであれば、受信デバイスは、その時間スロットの使用を放棄することができる。送信機と受信機との両方を放棄することは、受信デバイスにおいてビームフォーミングを使用することによって向上される。送信機および/または受信機の放棄を行うためにビームフォーミング情報を利用することによって、より良好な干渉緩和が達成されうる。
【0019】
(アド・ホック通信システム)
中央ネットワーク・コントローラが介在することなく、2またはそれ以上の端末間で、アド・ホック・ピア・ツー・ピア無線ネットワークが確立されうる。いくつかの例において、無線ネットワークは、複数の無線端末間で共有される周波数スペクトル内で動作することができる。
【0020】
図1は、例えば広域ネットワークと連携して、アド・ホック・ピア・ツー・ピア・ネットワークがどのようにして実現されるのかを例示するブロック図である。いくつかの例において、ピア・ツー・ピア・ネットワークおよび広域ネットワークは、同じ周波数スペクトルを共有することができる。他の例では、ピア・ツー・ピア・ネットワークは、例えばピア・ツー・ピア・ネットワーク用途に専用のスペクトルのような異なる周波数スペクトルにおいて動作する。通信システム100は、1または複数の無線端末WT−A102、WT−B106、WT−C112を備えうる。3つの無線端末WT−A102、WT−B106、WT−C112しか示されていないが、通信システム100は、任意の数の無線端末を含みうることが認識されるべきである。無線端末WT−A102、WT−B106、WT−C112は例えば、セルラ電話、スマート・フォン、ラップトップ、ハンドヘルド通信デバイス、ハンドヘルド・コンピュータ・デバイス、衛星ラジオ、全地球測位システム、PDA、および/または、無線通信システム100を介して通信するためのその他任意の適切なデバイスでありうる。
【0021】
一例によれば、通信システム100は、1または複数のアクセス・ノードAN−A104、AN−B110(例えば、基地局、アクセス・ポイント等)、および/または、1または複数のセクタ/セル/領域内の任意の数の別のアクセス・ノード(図示せず)を含みうる広域ネットワーク(WAN)をサポートすることができる。これら他のアクセス・ノードは、無線通信信号を、受信したり、1または複数の無線端末WT−A102、WT−B106、WT−C112と、および/または互いへ送信したり、反復したり等する。アクセス・ノードAN−A104、AN−B110のおのおのは、送信機チェーンおよび受信機チェーンを備える。これらはおのおの、当業者によって認識されるように、信号送信および信号受信に関連する複数の構成要素(例えば、プロセッサ、変調機、マルチプレクサ、復調器、デマルチプレクサ、アンテナ等)を備えうる。オプション機能によれば、WANによって通信する場合、無線端末は、通信システム100によってサポートされている広域インフラ・ストラクチャ・ネットワークを介して通信している場合、信号をアクセス・ノードへ送信したり、および/または、信号をアクセス・ノードから受信したりする。例えば、無線端末WT−A102、WT−B106は、アクセス・ノードAN−A104を介してネットワークと通信することができる一方、無線端末WT−C112は、他のアクセス・ノードAN−B110と通信することができる。
【0022】
無線端末はまた、ローカル・エリア・ピア・ツー・ピア(P2P)ネットワーク(例えばアド・ホック・ネットワーク)によって互いに直接的に通信することができる。ピア・ツー・ピア通信は、無線端末間で信号を直接的に転送することによって有効化されうる。したがって、信号は、(例えば、基地局のような)アクセス・ノードや、中央で管理されたネットワークを横切る必要はない。ピア・ツー・ピア・ネットワークは、(例えば家庭、事務所等のタイプの設定内の)ショート・レンジな高データ・レート通信を提供することができる。例えば、無線端末WT−A102と無線端末WT−B106が、第1のピア・ツー・ピア・ネットワーク108を確立し、無線端末WT−B106と無線端末WT−C112が、第2のピア・ツー・ピア・ネットワーク114を確立する。
【0023】
さらに、ピア・ツー・ピア・ネットワーク接続108、114はそれぞれ、同じような地理的領域内(例えば、互いの範囲内)における無線端末を含みうる。しかしながら、無線端末は、共通のピア・ツー・ピア・ネットワーク内に含まれるべき同じセクタおよび/またはセルに関連している必要はないことが認識されるべきである。さらに、ピア・ツー・ピア・ネットワークは、オーバラップすることができ、これによって、1つのピア・ツー・ピア・ネットワークが、より大きなピア・ツー・ピア・ネットワークとオーバラップしている領域、あるいはそれに含まれる領域内でも生じうる。また、無線端末は、ピア・ツー・ピア・ネットワークによってサポートされていないかもしれない。無線端末は、(例えば、同時にまたは連続的に)オーバラップする広域ネットワークおよび/またはピア・ツー・ピア・ネットワークを適用することができる。さらに、無線端末は、そのようなネットワークをシームレスに切り換えたり、または、同時に導入することができる。したがって、送信または受信している無線端末は、通信を最適化するために、ネットワークのうちの1または複数を選択的に適用することができる。
【0024】
無線端末間のピア・ツー・ピア通信は、同時に起こりうる。例えば、無線端末WT−A102、WT−B106は、個別の機能のパフォーマンスを同期させるために、共通のクロック基準を利用することができる。無線端末WT−A102、WT−B106は、アクセス・ノードAN−N104からタイミング信号を取得することができる。無線端末WT−A102、WT−B106はまた、例えばGPS衛星やテレビ放送局のようなその他のソースからもタイミング信号を取得することができる。例によれば、時間は、例えば、ピア発見、ページング、およびトラフィックのような機能のために、ピア・ツー・ピア・ネットワーク内で意味を持って分割されうる。さらに、おのおののピア・ツー・ピア・ネットワークが、自己の時間を設定できることも考慮される。
【0025】
ピア・ツー・ピア接続におけるトラフィックの通信がなされる前に、2つのピア無線端末が互いの検出および識別を行う。このようなピア間の相互検出および識別がなされるプロセスは、ピア発見と称されうる。通信システム100は、ピア・ツー・ピア通信の確立を望むピア(端末)が、定期的にショート・メッセージを送信し、他の送信を傍受することによって、ピア発見をサポートすることができる。例えば、無線端末WT−A102(例えば送信無線端末)は、他の無線端末WT−B106(例えば受信無線端末)へと定期的に信号をブロードキャストまたは送信する。これによって、受信無線端末WT−B106は、送信無線端末WT−A102の近傍にある場合、送信無線端末WT−A102を識別できるようになる。識別後、アクティブなピア・ツー・ピア接続108が確立される。
【0026】
ピア発見のための送信は、ピア発見インタバルと称される指定された時間内で定期的に生じうる。このタイミングは、プロトコルによって予め定められ、無線端末WT−A102、WT−B106に知られている。無線端末WT−A102、WT−B106はおのおの、自分自身を識別するために、それぞれの信号を送信することができる。例えば、無線端末WT−A102、WT−B106のおのおのは、ピア発見インタバルの一部の時間内で、信号を送信することができる。さらに、無線端末WT−A102、WT−B106のおのおのは、ピア発見インタバルの残りの時間内で、他の無線端末によって送信された信号をモニタすることができる。一例によれば、この信号は、ビーコン信号でありうる。別の例によれば、ピア発見インタバルは、(例えば直交周波数分割多重化(OFDM)シンボルのような)多くのシンボルを含むことができる。おのおのの無線端末WT−A102は、無線端末WT−A102による送信のために、ピア発見インタバル内の少なくとも1つのシンボルを選択することができる。さらに、おのおのの無線端末WT−A102は、無線端末WT−A102によって選択されたシンボル内の1つのトーンで、対応する信号を送信することができる。
【0027】
ローカル・エリア・ピア・ツー・ピア・ネットワークおよび広域ネットワークは、通信を有効にするために、共通の無線スペクトルを共有することができる。したがって、帯域幅は、異なるタイプのネットワークを介してデータを転送するために共有されうる。例えば、ピア・ツー・ピア・ネットワークおよび広域ネットワークはともに、許可されたスペクトルを介して通信することができる。しかしながら、ピア・ツー・ピア通信は、広域ネットワーク・インフラストラクチャを利用する必要はない。
【0028】
無線端末が互いを発見した後、それらは、接続を確立し始めることができる。いくつかの例において、接続は、2つの無線端末をリンクさせる。例えば、図1においては、接続108が、無線端末WT−Aと端末WT−Bとをリンクさせる。端末WT−A102はその後、接続108を用いて、端末WT−B106にトラフィックを送信することができる。端末WT−B106もまた、接続108を用いて、端末WT−A102にトラフィックを送信することができる。
【0029】
図2は、複数の無線端末が、近くにある他の無線端末へ干渉をもたらすピア・ツー・ピア通信接続を確立する環境を例示するブロック図である。ピア・ツー・ピア・ネットワーク200は、周波数スペクトルを共有する、および/または同時に使用する複数の無線端末を含みうる。共有周波数スペクトルは、1または複数の送信チャネルおよび/または制御チャネルを含みうる。ここで、おのおのの送信(トラフィック)チャネルは、対応するトラフィック制御チャネルを有する。一例において、トラフィック制御チャネルは、通信を求めるトラフィック要求を、対応する送信(トラフィック)チャネルを介して送信するために使用されうる。
【0030】
一例において、第1の無線端末WT A202は、第2の無線端末WT B204への送信310を試みている一方、第3の無線端末WT C206は、同じトラフィック・チャネル帯域幅リソースを用いて、第4の無線端末WT D208への送信214を同時に試みている。第1の無線端末WT A202は、意図された送信機と称され、第2の無線端末WT B204は、意図された受信機と称され、第3の無線端末WT C206は、干渉者であると考えられる。このピア・ツー・ピア・ネットワーク200では、送信チャネルと制御チャネルとのペアが、複数の無線端末WT A、WT B、WT Cによって共有されうる。しかしながら、そのような送信(トラフィック)チャネルおよび/または制御チャネルは、無線端末によって共有(例えば周波数スペクトル共有)されるので、無線端末間の望まれない干渉214’、210’をももたらしうる。例えば、送信210および送信214の両方が実際になされると、第3の無線端末WT C206からの信号214’は、第2の無線端末WT B204受信機に対する干渉とみなされ、第1の無線端末WT A202から所望の信号210を正しく復元する能力を低下させうる。したがって、第3の無線端末WT C206から第2の無線端末WT B204への干渉を管理するために、ある干渉管理プロトコルが必要とされる。この干渉管理プロトコルの1つの目標は、第3の無線端末WT C206が、余分な干渉をもたらすことなく第2の無線端末WT B204へ送信できるようにし、これによって、全体的なスループットを高め、システム・パフォーマンスを向上することである。一方、第1の無線端末WT A202も、第4の無線端末WT D208への干渉210’をもたらし、この干渉を制御するためにも、同様の干渉管理プロトコルが使用されうることに注目されたい。
【0031】
中央トラフィック管理機関が存在しないので、WT A202およびWT C206が、同じチャネルあるいはオーバラップするチャネルで送信し、これによって、互いの干渉をもたらす恐れがある。例えば、偶然にも、WT A202とWT C206との両方が、同じ送信CIDを用いることがある。送信CIDは、受信端末WT B204、208に対して、特定の送信チャネル(例えば周波数または時間スロット)を示すために使用されうる。したがって、同じ送信CIDが2つの端末によって使用される場合、これら端末は、同じチャネルまたはオーバラップするチャネルで同時に送信しうる。送信端末WT A202、WT C206の両方が、受信端末WT B204および/または受信端末WT D208の範囲内にある場合、受信端末WT B204および/または受信端末WT D208は、干渉を認識しうる。
【0032】
特に、複数の無線端末が、意図されたピアからの送信と、意図されていないピアからの送信とを区別することなく、共有周波数スペクトル内でチャネルを選択できるようにする方法が必要とされる。
【0033】
1つの実施によれば、送信機および/または受信機の放棄が、ピア・ツー・ピア・ネットワーク内のデバイスによって実施されうる。これによって、デバイスは、より高い優先度を持つ近くの他のデバイスからの干渉があるか、干渉の恐れがある場合、バックオフできるようになる。したがって、第1のデバイスWT A202と第2のデバイスWT B204との間の第1の接続210が、第2のデバイスWT C206と第4のデバイスWT D208との間の第2の接続214よりも高い優先度を有するのであれば、第3のデバイスWT C206は、送信放棄を実施し、第4のデバイスWT D208は、受信放棄を実施する。放棄する場合、デバイスは、送信電力が、近くの他のデバイスの送信と、許容できないほど干渉するかを判定することができる。そのような放棄はまた、他の送信、あるいはそのような送信に関連するピア・ツー・ピア接続の相対的な優先度をも考慮することができる。例えば、デバイスは、他の接続または送信よりも低い優先度を持つ接続または送信を有している場合にのみ、放棄すると判定することができる。
【0034】
ピア・ツー・ピア・ネットワークでは、トラフィックを送信するために、接続スケジューリング・ステージおよびレート・スケジューリング・ステージが使用されうる。接続スケジューリング・ステージでは、ネットワーク内の送信機と受信機とのペアが、どのピア・ペアが、特定の時間スロットで送信するのかを決定することを試みる。これは、送信デバイスが、送信要求を固定電力で送信し、受信デバイスが、この要求を、両デバイス間のチャネル利得に反比例する電力でエコー・バックすることによってなされうる。送信デバイスは、(ピアではない)他の受信デバイスのうちの1つから、より高い優先度および十分強い信号強度を持つエコーを認識した場合に、特定の時間スロットで、トラフィック送信を生成すると判定する。優先度は、サービス品質(QoS)ベースであるか、あるいは、おのおのの時間スロットでランダムに生成される純粋にランダムなトークンでありうる。
【0035】
さらに正確には、
【数1】
【0036】
である場合、より低い優先度の送信デバイスが、より高い優先度の送信デバイスに権利を譲る。ここでh11は、送信機−受信機ペア間のチャネル利得を表し、h21は、干渉をもたらしている送信デバイスからの干渉を表す。言い換えれば、より低い優先度の送信デバイスWT C206は、より高い優先度の送信機信号強度に対するより高い優先度の受信デバイスWT B204に対する干渉214’が制限されていることを確認する。この部分は、通常、送信放棄部分と称される。送信放棄の1つの例では、送信デバイスは、自身の送信が、共有チャネルを用いている他のデバイスに対して許容できない干渉をもたらすかを判定することができる。そして、もしももたらすのであれば、その共有チャネルでは、データ送信を行わない。
【0037】
一方、おのおのの受信機はまた、自身の信号強度を測定し、より高い優先度の送信機からの干渉を測定し、
【数2】
【0038】
である場合、放棄すると決定する。受信放棄の1つの例では、受信デバイスWT D208は、雑音対信号比が低すぎる場合には、(例えば、送信要求に対する応答として)エコーまたは応答送信を送らず、もって、対応する干渉元の送信デバイスWT C206が、選択されたチャネルで受信デバイスWT D208へトラフィックを送信することを阻止する。他の例では、受信デバイスは、干渉を回避するために、対応する送信デバイスによって低い送信電力が使用されるべきであることを示すことができる。
【0039】
(レート・スケジューリングおよび受信放棄のためのビームフォーミング)
図3は、複数の受信アンテナが、他のピア・ツー・ピア送信からの干渉を緩和するために無線デバイスによってどのように用いられるかの1つの例を例示する。この例では、第1のデバイスWT A302が、ピア・ツー・ピア接続310によって、第2のデバイスWT B304と通信するつもりである。しかしながら、第3のデバイスWT C306から第4のデバイスWT D308への送信314は、第2のデバイスWT B304によって、干渉と見なされうる。
【0040】
第2のデバイスWT B304に、複数の受信アンテナが備えられている場合、より高度な受信放棄および/またはレート・スケジューリングが実現されうる。すなわち、複数の受信アンテナによって、第2のデバイスWT B304は、第1のデバイスWT A302からの意図する信号の方向における受信316に集中できるようになる。これによって、第2のデバイスWT B304は、そうでない場合よりもより高い干渉を許容できるようになる。
【0041】
1つの特徴によれば、第2の受信デバイスWT B304は、ビームフォーミング機能に基づいて、放棄する信号対干渉および雑音比(SINR)閾値を選択することができる。例えば、第2のデバイスWT B304は、より多くの受信アンテナを持つと、干渉元の第3のデバイスWT C306から、より多くの干渉を受けることになる。
【0042】
レート・スケジューリング・ステージでは、スケジューリングされた送信デバイスが、チャネルを測定するためにパイロットを送出し、受信デバイスが、使用するレート・オプションを示すフィードバックを送信する。
【0043】
複数のアンテナを有する受信機のための受信機ビームフォーミングを可能にするために、スケジュールされた受信デバイスが、受信機ビームフォーミングを用いて、送信レートを推定することを試みる。無線デバイスがサポートすることができる実装の複雑さに依存して、受信機ビームフォーミングのための複数の選択がある。一例において、第2のデバイスWT B304は、送信デバイスWT A302からの信号強度を最大にするために、マッチト・フィルタ・タイプのビームフォーミングを実装しうる。他の例において、第2のデバイスWT B304によって見られる干渉を最小にするために、第2のデバイスWT B304によって、干渉ヌルイング(ゼロ強制)スキームが実装されうる。また他の例において、受信信号のSINRを最大にするために、行列変換計算を行うことによって、第2のデバイスWT B304によって、線形最小平均自乗誤差(MMSE)が使用されうる。しかしながら、そのような受信機のみのアプローチは、第1の送信デバイスWT A302と第2の受信デバイスWT B304との間のチャネルについてのみならず、干渉空間相関行列においても、レート・スケジューリング・ステージにおける良好なチャネル推定を取得することに失敗する。パイロットのシグナリング方法に依存して、良好なチャネル推定を達成するための多くの方法が存在する。
【0044】
しかしながら、我々は、受信機ビームフォーミングにおけるシステム容量をさらに向上するために、受信機に対してより多くの知識を加えることができる。その理由は、受信機ビームフォーミング機能を有する受信機の場合、単一アンテナの受信機と比較して、統計的により強い干渉を許容できるからである。したがって、無線端末がサポートするアンテナ数および受信機アルゴリズムに依存して、無線端末は、放棄決定のために、異なる閾値SINRTxおよびSINRRxを選択しうる。一般に、受信デバイスがより多くのアンテナを有する場合、より低い放棄閾値を選択するべきである。異なるビームフォーミング・ストラテジ間で、MMSEビームフォーミング機能を持つ受信機は、単純なマッチト・フィルタ・ビームフォーミングまたはゼロ強制ビームフォーミングと比較してより低い閾値を使用するべきである。そのようなスキームは、異なる数の受信アンテナを持つ無線端末が共存するヘテロジニアスなP2Pネットワークで使用されうることが容易に理解されうる。
【0045】
図4は、共有周波数スペクトルによる干渉を緩和するためのピア・ツー・ピア・ネットワーク内のデバイスの一般的な動作を例示するフロー図である。この例では、第1の送信デバイスWT A402が、ピア・ツー・ピア接続によって、第2の受信デバイスWT B404と通信することを試みている一方、それと同時に、第3の送信デバイスWT C406が、共有周波数スペクトルによって、第4の受信デバイス408と通信することを試みている。一例において、第3のデバイスWT C406からの送信が、第1のデバイスWT A402からの送信よりも低い優先度を持っていることが仮定される(そうでない場合にはそう判定される)。第2のデバイスWT B404は、複数の受信アンテナを有する。
【0046】
接続スケジューリング・ステージ410の間、送信デバイスは、ピア・ツー・ピア接続によって、トラフィックを受信デバイスへ送信するつもりであることを示す。例えば、第1のデバイスWT A402は、第2のデバイスWT B404へ、第1の送信要求412を送る。同様に、第3のデバイスWT C406は、第2の送信要求414を第4のデバイスWT D408へ送信(ブロードキャスト)する。このブロードキャスト信号の特性のために、第2のデバイスWT B404は、第1の送信要求412と第2の送信要求414’との両方を受信する。その後、第2のデバイスWT B404は、第1の送信要求電力と第2の送信要求電力との比に基づいて、送信要求応答を第1のデバイスWT A402へ送信すべきかを判定することができる(416)。この電力比が、受信放棄閾値よりも大きいか、または等しい場合、第2のデバイスWT B404は、送信要求応答418を送信する。第2のデバイスWT B404はまた、第3のデバイスWT C406へ制御メッセージ420を送信し、第2のデバイスが、受信ビームフォーミング可能であること、および、恐らくは、多くのアンテナが第2のデバイスに備えられていることを示す。この制御メッセージ420は、接続スケジューリング・ステージ前に送信されうることに着目されたい。例えば、第2のデバイスの受信ビームフォーミング機能を第3のデバイスが認識できるように、第2のデバイスは、制御メッセージ420を定期的にブロードキャストすることができる。第3のデバイスWT C406は、その後、この情報を用いて、送信放棄判断を行い、第4のデバイスWT D408へのトラフィック送信を続けるべきかを判定する(422)。
【0047】
レート・スケジューリング・ステージ424では、第2のデバイスWT B404が、第1のデバイスWT A402から第1のパイロット信号426を、第3のデバイスWT C406から第2のパイロット信号428を受信する。第2のデバイスWT B404は、その後、1または複数の受信アンテナを用いてビームフォーミングを実行して、第1のパイロット信号の受信を改善する(430)。第1のパイロット信号に基づいて、信号対干渉比が取得される(432)。これは、第1のデバイスWT A402のためのトラフィック送信レートを取得するために使用されうる。第2のデバイスWT B404は、その後、第1のデバイスへ制御レート・レポート434を送り、トラフィック送信レートを示す。第1のデバイスWT A402はその後、送信レート・レポートと等しいか、それよりも低いトラフィック・レートを用いて、第2のデバイスWT B404へトラフィックを送信しうる。
【0048】
(図5Aおよび図5Bを含む)図5は、ピア・ツー・ピア・ネットワークにおいて受信放棄を実行する、複数の受信アンテナを備えた第2のデバイスで動作可能な方法を例示するフロー図である。この例では、第1の送信デバイスが、ピア・ツー・ピア接続を介して第2のデバイスへトラフィックを送信することを試みうる。共有周波数スペクトルによって、第1のデバイスから第1の送信要求信号が受信される(502)。この第1の送信要求信号は、第1のデバイスが第2のデバイスへトラフィックを送信するつもりであることを示す。第2のデバイスは、第2の送信要求信号を受信するために、共有周波数スペクトルをモニタする(504)。この第2の送信要求信号は、第3のデバイスによって送信され、第3のデバイスが第4のデバイスへトラフィック信号を送信するつもりであることを示す。第2のデバイスはその後、第1および第2の送信要求信号の受信電力に応じて、要求応答信号を第1のデバイスへ送信すべきか否かを判定することができる(506)。この要求応答信号は、第2のデバイスが第1のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す。
【0049】
要求応答信号を送信すべきかを第2のデバイスがどのようにして決定するかの一例が本明細書で提供される。第1の送信要求信号および第2の送信要求信号の複数のインスタンスが、第2のデバイスの複数の受信アンテナのおのおので受信されうる。したがって、第2のデバイスは、複数の受信デバイスのおのおのにおいて、第1の送信要求信号および第2の送信要求信号の受信されたインスタンスに応じて、複数の受信ビームフォーミング係数を決定する(508)。複数の受信ビームフォーミング係数のおのおのは、1つの受信アンテナに対応している。複数の受信アンテナから受信した第1の送信要求のインスタンスは、その後、決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて結合される(510)。複数の受信アンテナから受信した第2の送信要求信号はまた、決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて結合される(512)。その後、第2のデバイスは、結合された第1の送信要求信号の電力の、結合された第2の送信要求信号の電力に対する比を計算する(514)。要求応答信号を第1のデバイスへ送信するかに関する決定は、この電力比に応じてなされる。計算された電力比が、受信放棄閾値よりも大きいか、またはそれに等しい場合(516)、第2のデバイスは、第1のデバイスへ要求応答信号を送信する(520)。そうでない場合、要求応答信号は第1のデバイスへ送信されない(522)。受信放棄閾値は、複数の受信アンテナの数に依存することに注目されたい。受信放棄閾値は、第2のデバイスにおける受信アンテナの数が増加すると減少する。
【0050】
第2のデバイスはまた、第3のデバイスへ制御メッセージを送ることができる(524)。この制御メッセージは、第2のデバイスが受信ビームフォーミング可能であることを示す制御情報を含む。この制御情報はまた、第2のデバイスに備えられた複数の受信アンテナの数をも含む。制御メッセージは、ステップ520またはステップ522の後に送信されるものと示されているが、実際、制御メッセージを送信するステップ524は、例えばステップ502の前、またはステップ506の後など、プロトコル内のどの時点においても起こりうる。
【0051】
図6は、ピア・ツー・ピア・ネットワークにおいてレート・フィードバックを実行するために複数の受信アンテナを持つ第2のデバイスで実行可能な方法を例示するフロー図である。この例では、第1の送信デバイスが、ピア・ツー・ピア接続によって第2のデバイスへトラフィックを送信することを要求した。第1のデバイスからの第1のパイロット信号が、共有周波数スペクトルを介して第2のデバイスによって受信される(602)。この第1のパイロット信号は、複数の受信アンテナのおのおので受信される。第2のデバイスは、その後、複数の受信アンテナのおのおので受信された第1のパイロット信号に応じて、複数の受信ビームフォーミグ係数を決定する(604)。複数の受信ビームフォーミング係数のおのおのは、1つの受信アンテナに対応する。例えば、第1のパイロット信号の複数のインスタンスが、おのおのの受信アンテナについて1つ受信される。
【0052】
第1のパイロット信号の信号対干渉比が、決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、複数の受信アンテナから受信した第1のパイロット信号を結合することによって、第2のデバイスによって計算される(606)。その後、レート・レポート信号が、第1のデバイスへ送信される(608)。レート・レポートは、第1のパイロット信号の信号対干渉比によって決定される制御情報を含んでいる。
【0053】
トラフィック信号が、第1のデバイスから受信される(610)。このトラフィック信号は、複数の受信アンテナのおのおので受信される。第2のデバイスは、複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、複数の受信アンテナから受信したトラフィック信号を結合する(612)。すなわち、複数の受信アンテナを介して受信されたトラフィク信号のおのおののインスタンスは、受信アンテナのおのおののビームフォーミング係数にしたがって結合される。そのようなビームフォーミング係数は、他の干渉信号を最小にしながら、第1のデバイスからの意図された信号を最大化する。その後、第2のデバイスは、結合されたトラフィック信号を復号する(614)。一例において、複数の受信アンテナから受信した第1のパイロット信号を結合するために、複数の受信ビームフォーミング係数が使用される場合、結合された第1のパイロット信号の信号電力を最大にするために、複数の受信ビームフォーミング係数が、選択または決定されうる。
【0054】
第2のデバイスは、第3のデバイスから第2のパイロット信号を受信する。第2のパイロット信号は、複数の受信アンテナのおのおので受信され、第2のデバイスへの干渉を表す。第3のデバイスは、第4のデバイスへトラフィック信号を送るつもりである。したがって、第2のパイロットは、第3のデバイスがトラフィック信号を送信する場合に引き起こすであろう第2のデバイスへの干渉を表す。その後、複数の受信ビームフォーミング係数はさらに、複数の受信アンテナのおのおので受信された第2のパイロット信号に応じて決定される。その後、複数の受信アンテナから受信した第2のパイロット信号を結合するために複数の受信ビームフォーミング係数が使用される場合、複数の受信ビームフォーミング係数は、結合された第2のパイロット信号の干渉電力を最小にするように決定される。複数の受信ビームフォーミング係数は、例えばMMSE設計基準を用いて、干渉電力に対する信号電力の比を最大にするように決定されうる。信号電力は、結合された第1のパイロット信号の電力であり、干渉電力は、複数の受信ビームフォーミング係数が、複数の受信アンテナから受信した第1のパイロット信号と第2のパイロット信号をそれぞれ結合するために使用される場合、結合された第2のパイロット信号の電力である。
【0055】
図7は、ピア・ツー・ピア通信ネットワークにおける第3のデバイスで動作可能な方法を例示するフロー図である。第3のデバイスは、第4のデバイスとの無線ピア・ツー・ピア接続を有している。この例において、第3のデバイスと第4の受信デバイスとの間のピア・ツー・ピア接続は、第1の送信デバイスと第2の受信デバイスとの間のピア・ツー・ピア接続よりも低い優先度を有する。さらに、4つすべてのデバイスは、共有周波数スペクトル上で動作する。したがって、第3のデバイスからの同時送信は、第1のデバイスからの送信と干渉すると考えられる。第3のデバイスは、制御メッセージを受信する(702)。この制御メッセージは、第2のデバイスが受信ビームフォーミング可能であることを示す。第1の送信要求信号が、第3のデバイスによって第4のデバイスへ送信される(704)。第1の送信要求信号は、第3のデバイスが、トラフィック信号を第4のデバイスへ送信するつもりであることを示す。その後、第3のデバイスは、第4のデバイスからの第1の要求応答信号を受信するために、共有周波数スペクトルをモニタする(706)。第1の要求応答信号は、第4のデバイスが、第3のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す。同様に、第3のデバイスはまた、第2のデバイスからの第2の要求応答信号を受信するために、共有周波数スペクトルをモニタする(708)。第2の要求応答信号は、第2のデバイスが、第1のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す。第2のデバイスへの干渉コストが、第3のデバイスによって計算される(710)。この干渉コストは、第2の要求応答信号の受信電力の関数でありうる。その後、第3のデバイスは、送信放棄を実行するかを判断する。特に、第3のデバイスは、計算された干渉コストを、送信放棄閾値と比較することによって、トラフィック信号を第4のデバイスへ送信するかを判定する。計算された干渉コストが、送信放棄閾値よりも小さい場合(712)、第3のデバイスは、第4のデバイスへトラフィック信号を送信する(714)。そうでない場合、第3のデバイスは、第4のデバイスへトラフィックを送信しない(少なくとも、現在の時間スロット中ではない)(716)。
【0056】
第3のデバイスによって第2のデバイスから受信された制御情報はまた、第2のデバイスに備えられた受信アンテナの数をも含む。送信放棄閾値は、第2のデバイスの受信アンテナの数に依存し、送信放棄閾値は、第2のデバイスの受信アンテナの数が増加すると増加する。
【0057】
図8は、共有周波数スペクトルを介した第2の無線端末とのピア・ツー・ピア通信を容易にするように構成された第1の無線端末のブロック図である。この無線端末802は、処理回路(例えば、1または複数の回路またはプロセッサ)804、ピア・ツー・ピア通信コントローラ812、広域ネットワーク(WAN)コントローラ810、および、複数のアンテナ806、808に接続されたトランシーバ814を含みうる。トランシーバ814は、(無線)送信機および(無線)受信機を含みうる。一例において、複数のアンテナが、受信アンテナおよび/または送信アンテナでありうる。無線端末802は、WAN通信コントローラ810を用いて、管理されたネットワーク・インフラストラクチャを介して通信する。および/または、ピア・ツー・ピア通信コントローラ812を用いて、ピア・ツー・ピア・ネットワークを介して通信する。ピア・ツー・ピア通信を実行する場合、第1の無線端末802は、図1乃至図7に例示する機能のうちの1または複数を実行するように構成されうる。これは、他の無線デバイスのためのビームフォーミング情報に基づく送信放棄や、複数の受信アンテナに基づく受信放棄を含む。
【0058】
図9は、ビームフォーミングおよび受信放棄判断のために、複数の受信アンテナを利用するように構成された無線受信デバイスのブロック図である。無線受信デバイス900は、複数の受信アンテナ914に接続された受信機902を含みうる。この受信機902は、第1のデバイスから、共有周波数スペクトルを介して第1の送信要求信号を受信する。この第1の送信要求信号は、第1のデバイスが、無線受信デバイス900へトラフィック信号を送信するつもりであることを示す。受信機902は、第2の送信要求信号を受信するために、共有周波数スペクトルをモニタする。この第2の送信要求信号は、第3のデバイスによって送信され、第3のデバイスが第4のデバイスへトラフィック信号を送信するつもりであることを示す。
【0059】
無線受信デバイス900は、要求応答信号を第1のデバイスへ送信すべきかを判定する。この要求応答信号は、第1および第2の送信要求信号からの受信電力に応じて、第2のデバイスが、第1のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す。そのような判定をする場合、ビームフォーミング係数計算機904が、複数の受信アンテナのおのおので受信された第1および第2の送信要求信号のインスタンスに応じて、複数の受信ビームフォーミング係数を決定することができる。複数の受信ビームフォーミング係数のおのおのは、1つの受信アンテナ914に対応する。信号結合器912は、決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、複数の受信アンテナから受信した第1の送信要求信号のインスタンスを結合する。同様に、信号結合器912は、決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、複数の受信アンテナから受信した第2の送信要求信号のインスタンスを結合する。
【0060】
電力比計算機916は、結合された第2の送信要求信号の電力に対する、結合された第1の送信要求信号の電力の比を計算するように構成される。送信要求応答モジュール918は、この電力比に応じて、要求応答信号を第1のデバイスへ送信すべきかを判定する。無線デバイス900が、要求応答信号を送信すると判定した場合、送信機920によって第1のデバイスへ要求応答信号が送信される。
【0061】
受信機902はまた、共有周波数スペクトルを介して第1のデバイスから第1のパイロット信号を受信する。第1のパイロット信号は、複数の受信アンテナのおのおので受信される。ビームフォーミング係数計算機904は、複数の受信アンテナ914のおのおので受信した第1のパイロット信号に応じて、複数の受信ビームフォーミング係数を決定する。複数の受信ビームフォーミング係数のおのおのは、1つの受信アンテナに対応する。信号対干渉計算機906は、決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、複数の受信アンテナ914から受信した第1のパイロット信号を結合することによって、第1のパイロット信号の信号対干渉比を計算する。トラフィック・レート計算機908は、第1のデバイスのトラフィック・レート・レポートを生成する。このレート・レポートは、第1のパイロット信号の信号対干渉比によって決定される制御情報を含む。このレート・レポートは、送信機920によって送信される。
【0062】
受信機902は、第1のデバイスからトラフィック信号を受信する。このトラフィック信号は、複数の受信アンテナのおのおので受信される。信号結合器912は、複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、複数の受信アンテナ914から受信したトラフィック信号を結合する。その後、信号復号器910が、結合されたトラフィック信号を復号する。
【0063】
図10は、より高い優先度の第2の受信デバイスからのフィードバックにしたがって、ピア・ツー・ピア・ネットワーク内での送信放棄を実行するように構成された第3の無線送信デバイスのブロック図である。この無線送信デバイス1000は、制御メッセージを受信する受信機1002を含む。この制御メッセージは、より高い優先度を持つ第2の受信デバイスが受信ビームフォーミング可能であることを示す制御情報を含む。この第3のデバイス1000は、第4のデバイスへ第1の送信要求信号を送信する送信機1010を用いる。この第1の送信要求信号は、第3のデバイスが、第4のデバイスへトラフィック信号を送信するつもりであることを示す。信号モニタ1004は、第4のデバイスから第1の要求応答信号を受信するために使用される。第1の要求応答信号は、第4のデバイスが、第3のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す。信号モニタ1004はまた、第2のデバイスからの第2の要求応答信号をも受信する。この第2の要求応答信号は、第2のデバイスが、第1のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す。干渉コスト計算機1006は、第2のデバイスに対する干渉コストを計算する。この干渉コストは、第2の要求応答信号の受信電力の関数である。第3のデバイス1000は、計算された干渉コストを、送信放棄閾値と比較することにより、第4のデバイスにトラフィック信号を送信するかを判定する。計算された干渉コストが、送信放棄閾値未満である場合、第3のデバイス1000はトラフィック信号を送信する。制御情報はまた、第2のデバイスに備えられた受信アンテナの数をも含む。送信放棄閾値は、第2のデバイスの受信アンテナの数に依存する。例えば、送信放棄閾値は、第2のデバイスの受信アンテナの数が増加すると増加する。
【0064】
OFDM TDDシステムの文脈で説明されているが、さまざまな実施形態の方法および装置は、多くの非OFDMシステム、多くの非TDDシステム、および/または、多くの非セルラシステムを含む広範な通信システムに適応可能である。
【0065】
さまざまな実施形態では、本明細書で説明されたノードは、例えば、ビーコン信号を生成することと、ビーコン信号を送信することと、ビーコン信号を受信することと、ビーコン信号を求めてモニタリングすることと、受信されたビーコン信号から情報を復元することと、タイミング調節値を決定することと、タイミング調節を実行することと、運転モードを変更することと、通信セッションを開始すること等のような1または複数の方法に対応するステップを実行するために、1または複数のモジュールを用いて実現される。いくつかの実施形態では、さまざまな機能が、モジュールを用いて実現される。そのようなモジュールは、ソフトウェア、ハードウェア、あるいはソフトウェアとハードウェアとの組み合わせを用いて実現されうる。上述した方法または方法ステップの多くは、例えば1または複数のノードのような上述した方法のうちの全てまたは一部を実現するために、例えばRAMやフロッピー(登録商標)ディスク等のメモリ・デバイスのような機械読取可能媒体に含まれる、ソフトウェアのような機械実行可能命令を用いて実現され、更なるハードウェアを備えたあるいは備えていない汎用コンピュータのような機械が制御される。さらに、さまざまな実施形態が、例えばプロセッサや関連するハードウェアのような機械に対して、上述した方法のステップのうちの1または複数を実行させるための機械実行可能な命令群を含む機械読取可能媒体に向けられる。
【0066】
当業者は、上記説明を考慮して、上述した方法および装置に関するさらに多くの変形が明らかとなろう。そのような変形は、権利範囲内であると考慮されるべきである。さまざまな実施形態の方法および装置、およびさまざまな実施形態における方法および装置は、CDMA、直交周波数分割多重化(OFDM)、および/または、アクセス・ノードとモバイル・ノードとの間の無線通信リンクを提供するために使用されるその他のさまざまなタイプの通信技術とともに使用される。いくつかの実施形態では、アクセス・ノードは、OFDMおよび/またはCDMAを用いて、モバイル・ノードとの通信リンクを確立する基地局として実現される。さまざまな実施形態では、モバイル・ノードは、ノードブック・コンピュータ、情報携帯端末(PDA)、あるいは、さまざまな実施形態の方法を実現するための受信/送信回路およびロジックおよび/またはルーチンを含むその他のポータブル・デバイスとして実現される。
【0067】
他の構成によれば、図1乃至図10に記載された動作および/または機能を実行するように適応された1または複数の回路が、モバイル・デバイス内に存在しうる。回路または回路部分の何れも、単独で、あるいは、1または複数のプロセッサと組み合わされた集積回路の一部として実現されうる。これら回路のうちの1または複数は、集積回路、アドバンスRISCマシン(ARM)プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、汎用プロセッサ等に実装されうる。
【0068】
図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8、図9、および/または図10に例示される構成要素、ステップ、および/または、機能のうちの1または複数は、単一の構成要素、ステップ、あるいは機能に再構成および/または統合されるか、あるいは、幾つかの構成要素、ステップ、または機能に組み込まれる。さらなる要素、構成要素、ステップ、および/または機能も追加されうる。図1、図2、図3、図8、図9、および/または図10に例示される装置、デバイス、および/または構成要素は、図4、図5、図6、および/または図7に規定される方法、機能、またはステップのうちの1または複数の実行するように構成または適応されうる。本明細書に記載されたアルゴリズムは、ソフトウェアおよび/または埋込式ハードウェアによって効率的に実現されうる。
【0069】
当業者であればさらに、本明細書で開示された構成に関連して記載された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズム・ステップが、電子工学ハードウェア、コンピュータ・ソフトウェア、あるいはこれらの組み合わせとして実現されることを理解するであろう。ハードウェアとソフトウェアとの相互置換性を明確に説明するために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、それらの機能の観点から一般的に記述された。それら機能がハードウェアとしてまたはソフトウェアとして実現されるかは、特定のアプリケーションおよびシステム全体に課せられている設計制約に依存する。
【0070】
本明細書に記載されたさまざまな機能は、他のシステムにおいても実現されうる。例えば、2次マイクロフォン・カバー検出器が、単一の回路またはモジュール内、別の回路またはモジュール上に実装され、1または複数のプロセッサによって実行され、機械読取可能媒体またはコンピュータ読取可能媒体に組み込まれたコンピュータ読取可能命令群によって実行され、および/または、ハンドヘルド・デバイス、モバイル・コンピュータ、および/またはモバイル電話内に組み込まれうる。
【0071】
前述した構成は単なる例にすぎず、特許請求の範囲を限定するとは解釈されないことが注目されるべきである。これら構成の説明は、特許請求の範囲を限定することではなく、例示的であると意図されている。それゆえ、本発明による教示は、当業者に容易になるであろうその他のタイプの装置、多くの代替品、修正、および、変形にも容易に適用されうる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のデバイスとの無線ピア・ツー・ピア接続を容易にするために複数の受信アンテナを備えた第2のデバイスを動作させる方法であって、
前記複数の受信アンテナのおのおので受信される第1のパイロット信号を、共有周波数スペクトルを介して、前記第1のデバイスから受信することと、
前記複数の受信アンテナのおのおので受信された第1のパイロット信号に応じて、おのおの1つの受信アンテナに対応する複数の受信ビームフォーミング係数を決定することと、
前記決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、前記複数の受信アンテナから受信した第1のパイロット信号を結合することによって、前記第1のパイロット信号の信号対干渉比を計算することと、
前記第1のパイロット信号の信号対干渉比によって決定される制御情報を含むレート・レポート信号を前記第1のデバイスへ送信することと
を備える方法。
【請求項2】
前記複数の受信アンテナのおのおので受信されるトラフィック信号を、前記第1のデバイスから受信することと、
前記複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、前記複数の受信アンテナから受信したトラフィック信号を結合することと、
前記結合されたトラフィック信号を復号することと
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の受信アンテナから受信した第1のパイロット信号を結合するために、前記複数の受信ビームフォーミング係数が使用される場合、前記複数の受信ビームフォーミング係数は、前記結合された第1のパイロット信号の信号電力を最大にするように決定される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第3のデバイスから第2のパイロット信号を受信することをさらに備え、
前記第2のパイロット信号は、前記複数の受信アンテナのおのおので受信され、前記第2のデバイスへ干渉を表し、前記複数の受信ビームフォーミング係数は、前記複数の受信アンテナのおのおので受信された第2のパイロット信号に応じても決定される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のアンテナから受信した第2のパイロット信号を結合するために、前記複数の受信ビームフォーミング係数が使用される場合、前記複数の受信ビームフォーミング係数は、前記結合された第2のパイロット信号の干渉電力を最小にするように決定される請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の受信ビームフォーミング係数は、干渉電力に対する信号電力の比を最大にするように決定され、
前記複数の受信アンテナから受信した第1のパイロット信号および第2のパイロット信号をそれぞれ結合するために、前記複数の受信ビームフォーミング係数が使用される場合、前記信号電力は、前記結合された第1のパイロット信号の電力であり、前記干渉電力は、前記結合された第2のパイロット信号の電力である請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のパイロット信号を受信する前に、前記第1のデバイスが前記第2のデバイスへトラフィック信号を送信するつもりであることを示す第1の送信要求信号を、前記共有周波数スペクトルを介して、前記第1のデバイスから受信することと、
第3のデバイスによって送信され、前記第3のデバイスが第4のデバイスへトラフィック信号を送信するつもりであることを示す第2の送信要求信号を受信するために、前記共有周波数スペクトルをモニタすることと、
前記第1の送信要求信号および前記第2の送信要求信号の受信電力に応じて、前記第2のデバイスが前記第1のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す要求応答信号を、前記第1のデバイスへ送信すべきかを判定することと、
前記要求応答信号を送信するように判定された場合には、前記要求応答信号を前記第1のデバイスへ送信することと
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の送信要求信号のインスタンスが、前記複数の受信アンテナのおのおので受信され、前記第2の送信要求信号のインスタンスが、前記複数の受信アンテナのおのおので受信され、前記方法はさらに、
前記複数の受信アンテナのおのおので受信された前記第1の送信要求信号および前記第2の送信要求信号のインスタンスに応じて、おのおのが1つの受信アンテナに対応する複数の受信ビームフォーミング係数を決定することと、
前記決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、前記複数の受信アンテナから受信された第1の送信要求信号のインスタンスを結合することと、
前記決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、前記複数の受信アンテナから受信された第2の送信要求信号のインスタンスを結合することと、
前記結合された第2の送信要求信号の電力に対する、前記結合された第1の送信要求信号の電力の比を計算することとを備え、
前記第1のデバイスへ要求応答信号を送信すべきかが、前記比に応じて決定される請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の送信要求信号の受信電力に対する、前記第1の送信要求信号の受信電力の比を計算することをさらに備え、
前記計算された比が、受信放棄閾値よりも大きいか等しい場合、前記第1のデバイスへ要求応答信号を送信するように判定される請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記受信放棄閾値は、前記複数の受信アンテナの数に依存し、前記受信放棄閾値は、前記受信アンテナの数が増加すると減少する請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第3のデバイスへ制御メッセージを送信することをさらに備え、
前記制御メッセージは、前記第2のデバイスが受信ビームフォーミング可能であることを示す制御情報を含み、前記制御情報は、前記第2のデバイスに備えられた複数の受信アンテナの数を含む請求項7に記載の方法。
【請求項12】
無線ピア・ツー・ピア通信ネットワーク内の第1のデバイスと通信するように構成された第2のデバイスであって、
前記第1のデバイスとの無線ピア・ツー・ピア通信接続を確立する送信機および受信機と、
前記受信機に接続された複数の受信アンテナと、
前記送信機および受信機に接続された処理回路とを備え、
前記処理回路は、
前記複数の受信アンテナのおのおので受信される第1のパイロット信号を、共有周波数スペクトルを介して、前記第1のデバイスから受信し、
前記複数の受信アンテナのおのおので受信された第1のパイロット信号に応じて、おのおの1つの受信アンテナに対応する複数の受信ビームフォーミング係数を決定し、
前記決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、前記複数の受信アンテナから受信した第1のパイロット信号を結合することによって、前記第1のパイロット信号の信号対干渉比を計算し、
前記第1のパイロット信号の信号対干渉比によって決定される制御情報を含むレート・レポート信号を前記第1のデバイスへ送信するように構成された、第2のデバイス。
【請求項13】
前記処理回路はさらに、
前記複数の受信アンテナのおのおので受信されるトラフィック信号を、前記第1のデバイスから受信し、
前記複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、前記複数の受信アンテナから受信したトラフィック信号を結合し、
前記結合されたトラフィック信号を復号するように構成された、請求項12に記載の第2のデバイス。
【請求項14】
前記複数の受信アンテナから受信した第1のパイロット信号を結合するために、前記複数の受信ビームフォーミング係数が使用される場合、前記複数の受信ビームフォーミング係数は、前記結合された第1のパイロット信号の信号電力を最大にするように決定される請求項12に記載の第2のデバイス。
【請求項15】
前記処理回路はさらに、第3のデバイスから第2のパイロット信号を受信するように構成され、前記第2のパイロット信号は、前記複数の受信アンテナのおのおので受信され、前記第2のデバイスへ干渉を表し、前記複数の受信ビームフォーミング係数は、前記複数の受信アンテナのおのおので受信された第2のパイロット信号に応じても決定される請求項12に記載の第2のデバイス。
【請求項16】
前記複数のアンテナから受信した第2のパイロット信号を結合するために、前記複数の受信ビームフォーミング係数が使用される場合、前記複数の受信ビームフォーミング係数は、前記結合された第2のパイロット信号の干渉電力を最小にするように決定される請求項15に記載の第2のデバイス。
【請求項17】
前記複数の受信ビームフォーミング係数は、干渉電力に対する信号電力の比を最大にするように決定され、前記複数の受信アンテナから受信した第1のパイロット信号および第2のパイロット信号をそれぞれ結合するために、前記複数の受信ビームフォーミング係数が使用される場合、前記信号電力は、前記結合された第1のパイロット信号の電力であり、前記干渉電力は、前記結合された第2のパイロット信号の電力である請求項15に記載の第2のデバイス。
【請求項18】
前記処理回路はさらに、
前記第1のパイロット信号を受信する前に、前記第1のデバイスが前記第2のデバイスへトラフィック信号を送信するつもりであることを示す第1の送信要求信号を、前記共有周波数スペクトルを介して、前記第1のデバイスから受信し、
第3のデバイスによって送信され、前記第3のデバイスが第4のデバイスへトラフィック信号を送信するつもりであることを示す第2の送信要求信号を受信するために、前記共有周波数スペクトルをモニタし、
前記第1の送信要求信号および前記第2の送信要求信号の受信電力に応じて、前記第2のデバイスが前記第1のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す要求応答信号を、前記第1のデバイスへ送信すべきかを判定し、
前記要求応答信号を送信するように判定された場合には、前記要求応答信号を前記第1のデバイスへ送信するように構成された、請求項12に記載の第2のデバイス。
【請求項19】
前記第1の送信要求信号のインスタンスが、前記複数の受信アンテナのおのおので受信され、前記第2の送信要求信号のインスタンスが、前記複数の受信アンテナのおのおので受信され、
前記処理回路はさらに、
前記複数の受信アンテナのおのおので受信された前記第1の送信要求信号および前記第2の送信要求信号のインスタンスに応じて、おのおのが1つの受信アンテナに対応する複数の受信ビームフォーミング係数を決定し、
前記決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、前記複数の受信アンテナから受信された第1の送信要求信号のインスタンスを結合し、
前記決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、前記複数の受信アンテナから受信された第2の送信要求信号のインスタンスを結合し、
前記結合された第2の送信要求信号の電力に対する、前記結合された第1の送信要求信号の電力の比を計算するように構成され、
前記第1のデバイスへ要求応答信号を送信すべきかが、前記比に応じて決定される、請求項18に記載の第2のデバイス。
【請求項20】
前記処理回路はさらに、前記第2の送信要求信号の受信電力に対する、前記第1の送信要求信号の受信電力の比を計算するように構成され、前記計算された比が、受信放棄閾値よりも大きいか等しい場合、前記第1のデバイスへ要求応答信号を送信するように判定される請求項18に記載の第2のデバイス。
【請求項21】
前記受信放棄閾値は、前記複数の受信アンテナの数に依存し、前記受信放棄閾値は、前記受信アンテナの数が増加すると減少する請求項20に記載の第2のデバイス。
【請求項22】
前記処理回路はさらに、前記第3のデバイスへ制御メッセージを送信するように構成され、前記制御メッセージは、前記第2のデバイスが受信ビームフォーミング可能であることを示す制御情報を含み、前記制御情報は、前記第2のデバイスに備えられた複数の受信アンテナの数を含む請求項18に記載の第2のデバイス。
【請求項23】
第1のデバイスとの無線ピア・ツー・ピア接続を容易にするために複数の受信アンテナを備えた第2のデバイスであって、
前記複数の受信アンテナのおのおので受信される第1のパイロット信号を、共有周波数スペクトルを介して、前記第1のデバイスから受信する手段と、
前記複数の受信アンテナのおのおので受信された第1のパイロット信号に応じて、おのおの1つの受信アンテナに対応する複数の受信ビームフォーミング係数を決定する手段と、
前記決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、前記複数の受信アンテナから受信した第1のパイロット信号を結合することによって、前記第1のパイロット信号の信号対干渉比を計算する手段と、
前記第1のパイロット信号の信号対干渉比によって決定される制御情報を含むレート・レポート信号を前記第1のデバイスへ送信する手段と
を備える第2のデバイス。
【請求項24】
前記複数の受信アンテナのおのおので受信されるトラフィック信号を、前記第1のデバイスから受信する手段と、
前記複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、前記複数の受信アンテナから受信したトラフィック信号を結合する手段と、
前記結合されたトラフィック信号を復号する手段と
をさらに備える請求項23に記載の第2のデバイス。
【請求項25】
前記複数の受信アンテナから受信した第1のパイロット信号を結合するために、前記複数の受信ビームフォーミング係数が使用される場合、前記複数の受信ビームフォーミング係数は、前記結合された第1のパイロット信号の信号電力を最大にするように決定される請求項23に記載の第2のデバイス。
【請求項26】
前記第1のパイロット信号を受信する前に、前記第1のデバイスが前記第2のデバイスへトラフィック信号を送信するつもりであることを示す第1の送信要求信号を、前記共有周波数スペクトルを介して、前記第1のデバイスから受信する手段と、
第3のデバイスによって送信され、前記第3のデバイスが第4のデバイスへトラフィック信号を送信するつもりであることを示す第2の送信要求信号を受信するために、前記共有周波数スペクトルをモニタする手段と、
前記第1の送信要求信号および前記第2の送信要求信号の受信電力に応じて、前記第2のデバイスが前記第1のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す要求応答信号を、前記第1のデバイスへ送信すべきかを判定する手段と、
前記要求応答信号を送信するように判定された場合には、前記要求応答信号を前記第1のデバイスへ送信する手段と
をさらに備える請求項23に記載の第2のデバイス。
【請求項27】
前記第1の送信要求信号のインスタンスが、前記複数の受信アンテナのおのおので受信され、前記第2の送信要求信号のインスタンスが、前記複数の受信アンテナのおのおので受信され、
前記第2のデバイスはさらに、
前記複数の受信アンテナのおのおので受信された前記第1の送信要求信号および前記第2の送信要求信号のインスタンスに応じて、おのおのが1つの受信アンテナに対応する複数の受信ビームフォーミング係数を決定する手段と、
前記決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、前記複数の受信アンテナから受信された第1の送信要求信号のインスタンスを結合する手段と、
前記決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、前記複数の受信アンテナから受信された第2の送信要求信号のインスタンスを結合する手段と、
前記結合された第2の送信要求信号の電力に対する、前記結合された第1の送信要求信号の電力の比を計算する手段とを備え、
前記第1のデバイスへ要求応答信号を送信すべきかが、前記比に応じて決定される請求項26に記載の第2のデバイス。
【請求項28】
ピア・ツー・ピア・ネットワークにおける干渉緩和のための回路であって、前記回路は、第1のデバイスとの無線ピア・ツー・ピア接続を容易にするために複数の受信アンテナを有する第2のデバイスにおいて動作し、前記回路は、
前記複数の受信アンテナのおのおので受信される第1のパイロット信号を、共有周波数スペクトルを介して、前記第1のデバイスから受信し、
前記複数の受信アンテナのおのおので受信された第1のパイロット信号に応じて、おのおの1つの受信アンテナに対応する複数の受信ビームフォーミング係数を決定し、
前記決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、前記複数の受信アンテナから受信した第1のパイロット信号を結合することによって、前記第1のパイロット信号の信号対干渉比を計算し、
前記第1のパイロット信号の信号対干渉比によって決定される制御情報を含むレート・レポート信号を前記第1のデバイスへ送信する
ように適応された回路。
【請求項29】
第1のデバイスとの無線ピア・ツー・ピア接続を容易にするために複数の受信アンテナを有する第2のデバイスのための命令群を備えた機械読取可能媒体であって、
プロセッサによって実行された場合、前記プロセッサに対して、
前記複数の受信アンテナのおのおので受信される第1のパイロット信号を、共有周波数スペクトルを介して、前記第1のデバイスから受信することと、
前記複数の受信アンテナのおのおので受信された第1のパイロット信号に応じて、おのおの1つの受信アンテナに対応する複数の受信ビームフォーミング係数を決定することと、
前記決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、前記複数の受信アンテナから受信した第1のパイロット信号を結合することによって、前記第1のパイロット信号の信号対干渉比を計算することと、
前記第1のパイロット信号の信号対干渉比によって決定される制御情報を含むレート・レポート信号を前記第1のデバイスへ送信することと
をさせる機械読取可能媒体。
【請求項30】
ピア・ツー・ピア通信ネットワーク内の第3のデバイスにおいて動作可能な方法であって、前記第3のデバイスは、第4のデバイスとの無線ピア・ツー・ピア接続を有し、前記方法は、
第2のデバイスが受信ビームフォーミング可能であることを示す制御情報を含む制御メッセージを受信することと、
前記第3のデバイスが前記第4のデバイスへトラフィック信号を送信するつもりであることを示す第1の送信要求信号を、前記第4のデバイスへ送信することと、
前記第4のデバイスが前記第3のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す第1の要求応答信号を、前記第4のデバイスから受信するためにモニタすることと、
前記第2のデバイスが前記第1のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す第2の要求応答信号を、前記第2のデバイスから受信するためにモニタすることと、
前記第2の要求応答信号の受信電力の関数である、前記第2のデバイスに対する干渉コストを計算することと、
前記計算された干渉コストを、送信放棄閾値と比較することによって、前記第4のデバイスへトラフィック信号を送信すべきかを判定することと、
トラフィック信号を送信すべきと判定された場合には、前記第4のデバイスへトラフィック信号を送信することと
を備える方法。
【請求項31】
前記制御情報はまた、前記第2のデバイスに備えられた受信アンテナの数をも含む請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記送信放棄閾値は、前記第2のデバイスの受信アンテナの数に依存し、前記送信放棄閾値は、前記第2のデバイスの受信アンテナの数が増加すると増加する請求項31に記載の方法。
【請求項33】
第4のデバイスとの無線ピア・ツー・ピア通信接続を有する第3のデバイスであって、
前記第4のデバイスとの無線ピア・ツー・ピア接続を確立する送信機および受信機と、
ピア・ツー・ピア・ネットワーク内での送信放棄を実行するように適応された処理回路とを備え、
前記処理回路は、
第2のデバイスが受信ビームフォーミング可能であることを示す制御情報を含む制御メッセージを受信し、
前記第3のデバイスが前記第4のデバイスへトラフィック信号を送信するつもりであることを示す第1の送信要求信号を、前記第4のデバイスへ送信し、
前記第4のデバイスが前記第3のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す第1の要求応答信号を、前記第4のデバイスから受信するためにモニタし、
前記第2のデバイスが前記第1のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す第2の要求応答信号を、前記第2のデバイスから受信するためにモニタし、
前記第2の要求応答信号の受信電力の関数である、前記第2のデバイスに対する干渉コストを計算し、
前記計算された干渉コストを、送信放棄閾値と比較することによって、前記第4のデバイスへトラフィック信号を送信すべきかを判定し、
トラフィック信号を送信すべきと判定された場合には、前記第4のデバイスへトラフィック信号を送信するように構成された、第3のデバイス。
【請求項34】
前記制御情報はまた、前記第2のデバイスに備えられた受信アンテナの数をも含み、前記送信放棄閾値は、前記第2のデバイスの受信アンテナの数に依存し、前記送信放棄閾値は、前記第2のデバイスの受信アンテナの数が増加すると増加する請求項33に記載の第3のデバイス。
【請求項35】
第4のデバイスとの無線ピア・ツー・ピア接続を有する第3のデバイスであって、
第2のデバイスが受信ビームフォーミング可能であることを示す制御情報を含む制御メッセージを受信する手段と、
前記第3のデバイスが前記第4のデバイスへトラフィック信号を送信するつもりであることを示す第1の送信要求信号を、前記第4のデバイスへ送信する手段と、
前記第4のデバイスが前記第3のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す第1の要求応答信号を、前記第4のデバイスから受信するためにモニタする手段と、
前記第2のデバイスが前記第1のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す第2の要求応答信号を、前記第2のデバイスから受信するためにモニタする手段と、
前記第2の要求応答信号の受信電力の関数である、前記第2のデバイスに対する干渉コストを計算する手段と、
前記計算された干渉コストを、送信放棄閾値と比較することによって、前記第4のデバイスへトラフィック信号を送信すべきかを判定する手段と、
トラフィック信号を送信すべきと判定された場合には、前記第4のデバイスへトラフィック信号を送信する手段と
を備える第3のデバイス。
【請求項36】
前記制御情報はまた、前記第2のデバイスに備えられた受信アンテナの数をも含み、前記送信放棄閾値は、前記第2のデバイスの受信アンテナの数に依存し、前記送信放棄閾値は、前記第2のデバイスの受信アンテナの数が増加すると増加する請求項35に記載の第3のデバイス。
【請求項37】
ピア・ツー・ピア・ネットワークのおける干渉緩和のための回路であって、前記回路は、第4のデバイスとの無線ピア・ツー・ピア接続を有する第3のデバイスにおいて動作し、前記回路は、
第2のデバイスが受信ビームフォーミング可能であることを示す制御情報を含む制御メッセージを受信し、
前記第3のデバイスが前記第4のデバイスへトラフィック信号を送信するつもりであることを示す第1の送信要求信号を、前記第4のデバイスへ送信し、
前記第4のデバイスが前記第3のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す第1の要求応答信号を、前記第4のデバイスから受信するためにモニタし、
前記第2のデバイスが前記第1のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す第2の要求応答信号を、前記第2のデバイスから受信するためにモニタし、
前記第2の要求応答信号の受信電力の関数である、前記第2のデバイスに対する干渉コストを計算し、
前記計算された干渉コストを、送信放棄閾値と比較することによって、前記第4のデバイスへトラフィック信号を送信すべきかを判定し、
トラフィック信号を送信すべきと判定された場合には、前記第4のデバイスへトラフィック信号を送信する
ように適応された回路。
【請求項38】
前記制御情報はまた、前記第2のデバイスに備えられた受信アンテナの数をも含み、前記送信放棄閾値は、前記第2のデバイスの受信アンテナの数に依存し、前記送信放棄閾値は、前記第2のデバイスの受信アンテナの数が増加すると増加する請求項37に記載の回路。
【請求項39】
第3のデバイスが、送信放棄を実行しながら、無線ピア・ツー・ピア通信ネットワーク内の第4のデバイスと通信するための命令群を備えた機械読取可能媒体であって、プロセッサによって実行された場合、前記プロセッサに対して、
第2のデバイスが受信ビームフォーミング可能であることを示す制御情報を含む制御メッセージを受信することと、
前記第3のデバイスが前記第4のデバイスへトラフィック信号を送信するつもりであることを示す第1の送信要求信号を、前記第4のデバイスへ送信することと、
前記第4のデバイスが前記第3のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す第1の要求応答信号を、前記第4のデバイスから受信するためにモニタすることと、
前記第2のデバイスが前記第1のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す第2の要求応答信号を、前記第2のデバイスから受信するためにモニタすることと、
前記第2の要求応答信号の受信電力の関数である、前記第2のデバイスに対する干渉コストを計算することと、
前記計算された干渉コストを、送信放棄閾値と比較することによって、前記第4のデバイスへトラフィック信号を送信すべきかを判定することと、
トラフィック信号を送信すべきと判定された場合には、前記第4のデバイスへトラフィック信号を送信することと
をさせる機械読取可能媒体。
【請求項40】
前記制御情報はまた、前記第2のデバイスに備えられた受信アンテナの数をも含み、前記送信放棄閾値は、前記第2のデバイスの受信アンテナの数に依存し、前記送信放棄閾値は、前記第2のデバイスの受信アンテナの数が増加すると増加する請求項39に記載の機械読取可能媒体。
【請求項1】
第1のデバイスとの無線ピア・ツー・ピア接続を容易にするために複数の受信アンテナを備えた第2のデバイスを動作させる方法であって、
前記複数の受信アンテナのおのおので受信される第1のパイロット信号を、共有周波数スペクトルを介して、前記第1のデバイスから受信することと、
前記複数の受信アンテナのおのおので受信された第1のパイロット信号に応じて、おのおの1つの受信アンテナに対応する複数の受信ビームフォーミング係数を決定することと、
前記決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、前記複数の受信アンテナから受信した第1のパイロット信号を結合することによって、前記第1のパイロット信号の信号対干渉比を計算することと、
前記第1のパイロット信号の信号対干渉比によって決定される制御情報を含むレート・レポート信号を前記第1のデバイスへ送信することと
を備える方法。
【請求項2】
前記複数の受信アンテナのおのおので受信されるトラフィック信号を、前記第1のデバイスから受信することと、
前記複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、前記複数の受信アンテナから受信したトラフィック信号を結合することと、
前記結合されたトラフィック信号を復号することと
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の受信アンテナから受信した第1のパイロット信号を結合するために、前記複数の受信ビームフォーミング係数が使用される場合、前記複数の受信ビームフォーミング係数は、前記結合された第1のパイロット信号の信号電力を最大にするように決定される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第3のデバイスから第2のパイロット信号を受信することをさらに備え、
前記第2のパイロット信号は、前記複数の受信アンテナのおのおので受信され、前記第2のデバイスへ干渉を表し、前記複数の受信ビームフォーミング係数は、前記複数の受信アンテナのおのおので受信された第2のパイロット信号に応じても決定される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のアンテナから受信した第2のパイロット信号を結合するために、前記複数の受信ビームフォーミング係数が使用される場合、前記複数の受信ビームフォーミング係数は、前記結合された第2のパイロット信号の干渉電力を最小にするように決定される請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の受信ビームフォーミング係数は、干渉電力に対する信号電力の比を最大にするように決定され、
前記複数の受信アンテナから受信した第1のパイロット信号および第2のパイロット信号をそれぞれ結合するために、前記複数の受信ビームフォーミング係数が使用される場合、前記信号電力は、前記結合された第1のパイロット信号の電力であり、前記干渉電力は、前記結合された第2のパイロット信号の電力である請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のパイロット信号を受信する前に、前記第1のデバイスが前記第2のデバイスへトラフィック信号を送信するつもりであることを示す第1の送信要求信号を、前記共有周波数スペクトルを介して、前記第1のデバイスから受信することと、
第3のデバイスによって送信され、前記第3のデバイスが第4のデバイスへトラフィック信号を送信するつもりであることを示す第2の送信要求信号を受信するために、前記共有周波数スペクトルをモニタすることと、
前記第1の送信要求信号および前記第2の送信要求信号の受信電力に応じて、前記第2のデバイスが前記第1のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す要求応答信号を、前記第1のデバイスへ送信すべきかを判定することと、
前記要求応答信号を送信するように判定された場合には、前記要求応答信号を前記第1のデバイスへ送信することと
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の送信要求信号のインスタンスが、前記複数の受信アンテナのおのおので受信され、前記第2の送信要求信号のインスタンスが、前記複数の受信アンテナのおのおので受信され、前記方法はさらに、
前記複数の受信アンテナのおのおので受信された前記第1の送信要求信号および前記第2の送信要求信号のインスタンスに応じて、おのおのが1つの受信アンテナに対応する複数の受信ビームフォーミング係数を決定することと、
前記決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、前記複数の受信アンテナから受信された第1の送信要求信号のインスタンスを結合することと、
前記決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、前記複数の受信アンテナから受信された第2の送信要求信号のインスタンスを結合することと、
前記結合された第2の送信要求信号の電力に対する、前記結合された第1の送信要求信号の電力の比を計算することとを備え、
前記第1のデバイスへ要求応答信号を送信すべきかが、前記比に応じて決定される請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の送信要求信号の受信電力に対する、前記第1の送信要求信号の受信電力の比を計算することをさらに備え、
前記計算された比が、受信放棄閾値よりも大きいか等しい場合、前記第1のデバイスへ要求応答信号を送信するように判定される請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記受信放棄閾値は、前記複数の受信アンテナの数に依存し、前記受信放棄閾値は、前記受信アンテナの数が増加すると減少する請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第3のデバイスへ制御メッセージを送信することをさらに備え、
前記制御メッセージは、前記第2のデバイスが受信ビームフォーミング可能であることを示す制御情報を含み、前記制御情報は、前記第2のデバイスに備えられた複数の受信アンテナの数を含む請求項7に記載の方法。
【請求項12】
無線ピア・ツー・ピア通信ネットワーク内の第1のデバイスと通信するように構成された第2のデバイスであって、
前記第1のデバイスとの無線ピア・ツー・ピア通信接続を確立する送信機および受信機と、
前記受信機に接続された複数の受信アンテナと、
前記送信機および受信機に接続された処理回路とを備え、
前記処理回路は、
前記複数の受信アンテナのおのおので受信される第1のパイロット信号を、共有周波数スペクトルを介して、前記第1のデバイスから受信し、
前記複数の受信アンテナのおのおので受信された第1のパイロット信号に応じて、おのおの1つの受信アンテナに対応する複数の受信ビームフォーミング係数を決定し、
前記決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、前記複数の受信アンテナから受信した第1のパイロット信号を結合することによって、前記第1のパイロット信号の信号対干渉比を計算し、
前記第1のパイロット信号の信号対干渉比によって決定される制御情報を含むレート・レポート信号を前記第1のデバイスへ送信するように構成された、第2のデバイス。
【請求項13】
前記処理回路はさらに、
前記複数の受信アンテナのおのおので受信されるトラフィック信号を、前記第1のデバイスから受信し、
前記複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、前記複数の受信アンテナから受信したトラフィック信号を結合し、
前記結合されたトラフィック信号を復号するように構成された、請求項12に記載の第2のデバイス。
【請求項14】
前記複数の受信アンテナから受信した第1のパイロット信号を結合するために、前記複数の受信ビームフォーミング係数が使用される場合、前記複数の受信ビームフォーミング係数は、前記結合された第1のパイロット信号の信号電力を最大にするように決定される請求項12に記載の第2のデバイス。
【請求項15】
前記処理回路はさらに、第3のデバイスから第2のパイロット信号を受信するように構成され、前記第2のパイロット信号は、前記複数の受信アンテナのおのおので受信され、前記第2のデバイスへ干渉を表し、前記複数の受信ビームフォーミング係数は、前記複数の受信アンテナのおのおので受信された第2のパイロット信号に応じても決定される請求項12に記載の第2のデバイス。
【請求項16】
前記複数のアンテナから受信した第2のパイロット信号を結合するために、前記複数の受信ビームフォーミング係数が使用される場合、前記複数の受信ビームフォーミング係数は、前記結合された第2のパイロット信号の干渉電力を最小にするように決定される請求項15に記載の第2のデバイス。
【請求項17】
前記複数の受信ビームフォーミング係数は、干渉電力に対する信号電力の比を最大にするように決定され、前記複数の受信アンテナから受信した第1のパイロット信号および第2のパイロット信号をそれぞれ結合するために、前記複数の受信ビームフォーミング係数が使用される場合、前記信号電力は、前記結合された第1のパイロット信号の電力であり、前記干渉電力は、前記結合された第2のパイロット信号の電力である請求項15に記載の第2のデバイス。
【請求項18】
前記処理回路はさらに、
前記第1のパイロット信号を受信する前に、前記第1のデバイスが前記第2のデバイスへトラフィック信号を送信するつもりであることを示す第1の送信要求信号を、前記共有周波数スペクトルを介して、前記第1のデバイスから受信し、
第3のデバイスによって送信され、前記第3のデバイスが第4のデバイスへトラフィック信号を送信するつもりであることを示す第2の送信要求信号を受信するために、前記共有周波数スペクトルをモニタし、
前記第1の送信要求信号および前記第2の送信要求信号の受信電力に応じて、前記第2のデバイスが前記第1のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す要求応答信号を、前記第1のデバイスへ送信すべきかを判定し、
前記要求応答信号を送信するように判定された場合には、前記要求応答信号を前記第1のデバイスへ送信するように構成された、請求項12に記載の第2のデバイス。
【請求項19】
前記第1の送信要求信号のインスタンスが、前記複数の受信アンテナのおのおので受信され、前記第2の送信要求信号のインスタンスが、前記複数の受信アンテナのおのおので受信され、
前記処理回路はさらに、
前記複数の受信アンテナのおのおので受信された前記第1の送信要求信号および前記第2の送信要求信号のインスタンスに応じて、おのおのが1つの受信アンテナに対応する複数の受信ビームフォーミング係数を決定し、
前記決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、前記複数の受信アンテナから受信された第1の送信要求信号のインスタンスを結合し、
前記決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、前記複数の受信アンテナから受信された第2の送信要求信号のインスタンスを結合し、
前記結合された第2の送信要求信号の電力に対する、前記結合された第1の送信要求信号の電力の比を計算するように構成され、
前記第1のデバイスへ要求応答信号を送信すべきかが、前記比に応じて決定される、請求項18に記載の第2のデバイス。
【請求項20】
前記処理回路はさらに、前記第2の送信要求信号の受信電力に対する、前記第1の送信要求信号の受信電力の比を計算するように構成され、前記計算された比が、受信放棄閾値よりも大きいか等しい場合、前記第1のデバイスへ要求応答信号を送信するように判定される請求項18に記載の第2のデバイス。
【請求項21】
前記受信放棄閾値は、前記複数の受信アンテナの数に依存し、前記受信放棄閾値は、前記受信アンテナの数が増加すると減少する請求項20に記載の第2のデバイス。
【請求項22】
前記処理回路はさらに、前記第3のデバイスへ制御メッセージを送信するように構成され、前記制御メッセージは、前記第2のデバイスが受信ビームフォーミング可能であることを示す制御情報を含み、前記制御情報は、前記第2のデバイスに備えられた複数の受信アンテナの数を含む請求項18に記載の第2のデバイス。
【請求項23】
第1のデバイスとの無線ピア・ツー・ピア接続を容易にするために複数の受信アンテナを備えた第2のデバイスであって、
前記複数の受信アンテナのおのおので受信される第1のパイロット信号を、共有周波数スペクトルを介して、前記第1のデバイスから受信する手段と、
前記複数の受信アンテナのおのおので受信された第1のパイロット信号に応じて、おのおの1つの受信アンテナに対応する複数の受信ビームフォーミング係数を決定する手段と、
前記決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、前記複数の受信アンテナから受信した第1のパイロット信号を結合することによって、前記第1のパイロット信号の信号対干渉比を計算する手段と、
前記第1のパイロット信号の信号対干渉比によって決定される制御情報を含むレート・レポート信号を前記第1のデバイスへ送信する手段と
を備える第2のデバイス。
【請求項24】
前記複数の受信アンテナのおのおので受信されるトラフィック信号を、前記第1のデバイスから受信する手段と、
前記複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、前記複数の受信アンテナから受信したトラフィック信号を結合する手段と、
前記結合されたトラフィック信号を復号する手段と
をさらに備える請求項23に記載の第2のデバイス。
【請求項25】
前記複数の受信アンテナから受信した第1のパイロット信号を結合するために、前記複数の受信ビームフォーミング係数が使用される場合、前記複数の受信ビームフォーミング係数は、前記結合された第1のパイロット信号の信号電力を最大にするように決定される請求項23に記載の第2のデバイス。
【請求項26】
前記第1のパイロット信号を受信する前に、前記第1のデバイスが前記第2のデバイスへトラフィック信号を送信するつもりであることを示す第1の送信要求信号を、前記共有周波数スペクトルを介して、前記第1のデバイスから受信する手段と、
第3のデバイスによって送信され、前記第3のデバイスが第4のデバイスへトラフィック信号を送信するつもりであることを示す第2の送信要求信号を受信するために、前記共有周波数スペクトルをモニタする手段と、
前記第1の送信要求信号および前記第2の送信要求信号の受信電力に応じて、前記第2のデバイスが前記第1のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す要求応答信号を、前記第1のデバイスへ送信すべきかを判定する手段と、
前記要求応答信号を送信するように判定された場合には、前記要求応答信号を前記第1のデバイスへ送信する手段と
をさらに備える請求項23に記載の第2のデバイス。
【請求項27】
前記第1の送信要求信号のインスタンスが、前記複数の受信アンテナのおのおので受信され、前記第2の送信要求信号のインスタンスが、前記複数の受信アンテナのおのおので受信され、
前記第2のデバイスはさらに、
前記複数の受信アンテナのおのおので受信された前記第1の送信要求信号および前記第2の送信要求信号のインスタンスに応じて、おのおのが1つの受信アンテナに対応する複数の受信ビームフォーミング係数を決定する手段と、
前記決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、前記複数の受信アンテナから受信された第1の送信要求信号のインスタンスを結合する手段と、
前記決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、前記複数の受信アンテナから受信された第2の送信要求信号のインスタンスを結合する手段と、
前記結合された第2の送信要求信号の電力に対する、前記結合された第1の送信要求信号の電力の比を計算する手段とを備え、
前記第1のデバイスへ要求応答信号を送信すべきかが、前記比に応じて決定される請求項26に記載の第2のデバイス。
【請求項28】
ピア・ツー・ピア・ネットワークにおける干渉緩和のための回路であって、前記回路は、第1のデバイスとの無線ピア・ツー・ピア接続を容易にするために複数の受信アンテナを有する第2のデバイスにおいて動作し、前記回路は、
前記複数の受信アンテナのおのおので受信される第1のパイロット信号を、共有周波数スペクトルを介して、前記第1のデバイスから受信し、
前記複数の受信アンテナのおのおので受信された第1のパイロット信号に応じて、おのおの1つの受信アンテナに対応する複数の受信ビームフォーミング係数を決定し、
前記決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、前記複数の受信アンテナから受信した第1のパイロット信号を結合することによって、前記第1のパイロット信号の信号対干渉比を計算し、
前記第1のパイロット信号の信号対干渉比によって決定される制御情報を含むレート・レポート信号を前記第1のデバイスへ送信する
ように適応された回路。
【請求項29】
第1のデバイスとの無線ピア・ツー・ピア接続を容易にするために複数の受信アンテナを有する第2のデバイスのための命令群を備えた機械読取可能媒体であって、
プロセッサによって実行された場合、前記プロセッサに対して、
前記複数の受信アンテナのおのおので受信される第1のパイロット信号を、共有周波数スペクトルを介して、前記第1のデバイスから受信することと、
前記複数の受信アンテナのおのおので受信された第1のパイロット信号に応じて、おのおの1つの受信アンテナに対応する複数の受信ビームフォーミング係数を決定することと、
前記決定された複数の受信ビームフォーミング係数を用いて、前記複数の受信アンテナから受信した第1のパイロット信号を結合することによって、前記第1のパイロット信号の信号対干渉比を計算することと、
前記第1のパイロット信号の信号対干渉比によって決定される制御情報を含むレート・レポート信号を前記第1のデバイスへ送信することと
をさせる機械読取可能媒体。
【請求項30】
ピア・ツー・ピア通信ネットワーク内の第3のデバイスにおいて動作可能な方法であって、前記第3のデバイスは、第4のデバイスとの無線ピア・ツー・ピア接続を有し、前記方法は、
第2のデバイスが受信ビームフォーミング可能であることを示す制御情報を含む制御メッセージを受信することと、
前記第3のデバイスが前記第4のデバイスへトラフィック信号を送信するつもりであることを示す第1の送信要求信号を、前記第4のデバイスへ送信することと、
前記第4のデバイスが前記第3のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す第1の要求応答信号を、前記第4のデバイスから受信するためにモニタすることと、
前記第2のデバイスが前記第1のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す第2の要求応答信号を、前記第2のデバイスから受信するためにモニタすることと、
前記第2の要求応答信号の受信電力の関数である、前記第2のデバイスに対する干渉コストを計算することと、
前記計算された干渉コストを、送信放棄閾値と比較することによって、前記第4のデバイスへトラフィック信号を送信すべきかを判定することと、
トラフィック信号を送信すべきと判定された場合には、前記第4のデバイスへトラフィック信号を送信することと
を備える方法。
【請求項31】
前記制御情報はまた、前記第2のデバイスに備えられた受信アンテナの数をも含む請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記送信放棄閾値は、前記第2のデバイスの受信アンテナの数に依存し、前記送信放棄閾値は、前記第2のデバイスの受信アンテナの数が増加すると増加する請求項31に記載の方法。
【請求項33】
第4のデバイスとの無線ピア・ツー・ピア通信接続を有する第3のデバイスであって、
前記第4のデバイスとの無線ピア・ツー・ピア接続を確立する送信機および受信機と、
ピア・ツー・ピア・ネットワーク内での送信放棄を実行するように適応された処理回路とを備え、
前記処理回路は、
第2のデバイスが受信ビームフォーミング可能であることを示す制御情報を含む制御メッセージを受信し、
前記第3のデバイスが前記第4のデバイスへトラフィック信号を送信するつもりであることを示す第1の送信要求信号を、前記第4のデバイスへ送信し、
前記第4のデバイスが前記第3のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す第1の要求応答信号を、前記第4のデバイスから受信するためにモニタし、
前記第2のデバイスが前記第1のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す第2の要求応答信号を、前記第2のデバイスから受信するためにモニタし、
前記第2の要求応答信号の受信電力の関数である、前記第2のデバイスに対する干渉コストを計算し、
前記計算された干渉コストを、送信放棄閾値と比較することによって、前記第4のデバイスへトラフィック信号を送信すべきかを判定し、
トラフィック信号を送信すべきと判定された場合には、前記第4のデバイスへトラフィック信号を送信するように構成された、第3のデバイス。
【請求項34】
前記制御情報はまた、前記第2のデバイスに備えられた受信アンテナの数をも含み、前記送信放棄閾値は、前記第2のデバイスの受信アンテナの数に依存し、前記送信放棄閾値は、前記第2のデバイスの受信アンテナの数が増加すると増加する請求項33に記載の第3のデバイス。
【請求項35】
第4のデバイスとの無線ピア・ツー・ピア接続を有する第3のデバイスであって、
第2のデバイスが受信ビームフォーミング可能であることを示す制御情報を含む制御メッセージを受信する手段と、
前記第3のデバイスが前記第4のデバイスへトラフィック信号を送信するつもりであることを示す第1の送信要求信号を、前記第4のデバイスへ送信する手段と、
前記第4のデバイスが前記第3のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す第1の要求応答信号を、前記第4のデバイスから受信するためにモニタする手段と、
前記第2のデバイスが前記第1のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す第2の要求応答信号を、前記第2のデバイスから受信するためにモニタする手段と、
前記第2の要求応答信号の受信電力の関数である、前記第2のデバイスに対する干渉コストを計算する手段と、
前記計算された干渉コストを、送信放棄閾値と比較することによって、前記第4のデバイスへトラフィック信号を送信すべきかを判定する手段と、
トラフィック信号を送信すべきと判定された場合には、前記第4のデバイスへトラフィック信号を送信する手段と
を備える第3のデバイス。
【請求項36】
前記制御情報はまた、前記第2のデバイスに備えられた受信アンテナの数をも含み、前記送信放棄閾値は、前記第2のデバイスの受信アンテナの数に依存し、前記送信放棄閾値は、前記第2のデバイスの受信アンテナの数が増加すると増加する請求項35に記載の第3のデバイス。
【請求項37】
ピア・ツー・ピア・ネットワークのおける干渉緩和のための回路であって、前記回路は、第4のデバイスとの無線ピア・ツー・ピア接続を有する第3のデバイスにおいて動作し、前記回路は、
第2のデバイスが受信ビームフォーミング可能であることを示す制御情報を含む制御メッセージを受信し、
前記第3のデバイスが前記第4のデバイスへトラフィック信号を送信するつもりであることを示す第1の送信要求信号を、前記第4のデバイスへ送信し、
前記第4のデバイスが前記第3のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す第1の要求応答信号を、前記第4のデバイスから受信するためにモニタし、
前記第2のデバイスが前記第1のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す第2の要求応答信号を、前記第2のデバイスから受信するためにモニタし、
前記第2の要求応答信号の受信電力の関数である、前記第2のデバイスに対する干渉コストを計算し、
前記計算された干渉コストを、送信放棄閾値と比較することによって、前記第4のデバイスへトラフィック信号を送信すべきかを判定し、
トラフィック信号を送信すべきと判定された場合には、前記第4のデバイスへトラフィック信号を送信する
ように適応された回路。
【請求項38】
前記制御情報はまた、前記第2のデバイスに備えられた受信アンテナの数をも含み、前記送信放棄閾値は、前記第2のデバイスの受信アンテナの数に依存し、前記送信放棄閾値は、前記第2のデバイスの受信アンテナの数が増加すると増加する請求項37に記載の回路。
【請求項39】
第3のデバイスが、送信放棄を実行しながら、無線ピア・ツー・ピア通信ネットワーク内の第4のデバイスと通信するための命令群を備えた機械読取可能媒体であって、プロセッサによって実行された場合、前記プロセッサに対して、
第2のデバイスが受信ビームフォーミング可能であることを示す制御情報を含む制御メッセージを受信することと、
前記第3のデバイスが前記第4のデバイスへトラフィック信号を送信するつもりであることを示す第1の送信要求信号を、前記第4のデバイスへ送信することと、
前記第4のデバイスが前記第3のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す第1の要求応答信号を、前記第4のデバイスから受信するためにモニタすることと、
前記第2のデバイスが前記第1のデバイスからのトラフィック信号を受信する準備ができていることを示す第2の要求応答信号を、前記第2のデバイスから受信するためにモニタすることと、
前記第2の要求応答信号の受信電力の関数である、前記第2のデバイスに対する干渉コストを計算することと、
前記計算された干渉コストを、送信放棄閾値と比較することによって、前記第4のデバイスへトラフィック信号を送信すべきかを判定することと、
トラフィック信号を送信すべきと判定された場合には、前記第4のデバイスへトラフィック信号を送信することと
をさせる機械読取可能媒体。
【請求項40】
前記制御情報はまた、前記第2のデバイスに備えられた受信アンテナの数をも含み、前記送信放棄閾値は、前記第2のデバイスの受信アンテナの数に依存し、前記送信放棄閾値は、前記第2のデバイスの受信アンテナの数が増加すると増加する請求項39に記載の機械読取可能媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2010−533453(P2010−533453A)
【公表日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−516200(P2010−516200)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【国際出願番号】PCT/US2008/069439
【国際公開番号】WO2009/009538
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【国際出願番号】PCT/US2008/069439
【国際公開番号】WO2009/009538
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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