説明

ピストンおよびピストンを用いた内燃エンジン、および当該ピストンの製造方法

本発明に従って構成されたピストンや、当該ピストンを用いた内燃エンジンは、中心軸に沿う上面から垂れ下がる、実質的に円柱形である外部表面を有する上部クラウンを備える、ピストン本体を備える。少なくとも1つの環状のリング溝が、リング溝から上面に延びる頂上のランドを設けるために、外部表面に向けて径方向に延びている。複数の波形が、頂上のランドのほぼ外周部に形成される。各々の波形には、頂上のランドの外部表面に向けて径方向に延びており、上面からリング溝に向けて延びている谷部が存在する。その波形は、上面からリング溝までを横切り、互いに実質的に重ならないように構成されており、燃料スプレーの流れ、ピン穴の軸、ピストンのスラスト軸のうちの少なくとも1つに対応するように、方向が定められている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2007年6月15日に出願された、米国仮出願番号60/944,244の利益を要求し、ここに全てが参照により引用される。
【0002】
発明の背景
1.発明の分野
本発明は一般的に、内燃エンジンに関するものであり、より特定的には、そのためのピストン構成やその内部の配置に関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術
内燃エンジンや、特にディーゼルエンジンは、比較的大量のオイルを消費し、その使用過程で、余分な排出物を産出することが知られている。その上、オイルの消費により炭素が析出され、その炭素がピストンのたとえば環状のリング溝を含む頂上のランド領域のようなピストンの表面上に堆積する。そうして、炭素の堆積により輪の動きが制限される可能性があり、それによってオイルの噴出や、エンジンの動きの低下、エンジンの部品の寿命の短縮、またオイルの消費量や排出量の増加が起こりうる。そこで、炭素がシリンダー穴の内部や、シリンダー穴の中のピストン上へ堆積するという問題点を克服するためにさまざまな改善努力がなされてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明によって製造されたピストンや、それを用いたエンジンは、上述したような炭素の堆積による問題を克服し、または上述したような問題が起こる可能性を非常に低くする。そしてディーゼルエンジンをより高い出力レベルで駆動しながら、オイルの消費量や排出量を減少し、実用寿命を長くする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
本発明に従って製造された内燃エンジン用のピストンは、ピストンの頂上のランド上の炭素の堆積を低減し、リング溝内や、溝を有するピストンリング上への炭素の堆積を低減し、ピストンリングの動きを改善し、オイルの噴出や消費を減少し、炭素の堆積によって典型的に起こる穴の研磨を減じ、廃棄物を減少し、全体としてエンジンの駆動機能を向上する。
【0006】
本発明の一の局面に係る、内燃エンジン用のピストンは、中心軸に沿って上面から垂れ下がる、実質的に円柱形である外部表面を有する上部クラウンを含む、ピストン本体を備える。少なくとも1つの環状のリング溝が、リング溝から上面に延びる頂上のランドを設けるために、外部表面に向けて径方向に延びている。複数の波形が、頂上のランドのほぼ外周部に形成される。各々の波形は、頂上のランドの外部表面に向けて径方向に延びており、上面からリング溝に向けて延びている谷部を有する。その波形は、上面からリング溝までを、中心軸と平行でない関係となるように横切り、その波形は中心軸と平行な方向に関して、互いに実質的に重ならないように構成されている。
【0007】
本発明の他の局面においては、エンジンにはシリンダー穴を有するシリンダーブロックと、シリンダー穴の中へ、注入される燃料スプレーストリームがあらかじめ決められたパターンを描くように設計された燃料注入部とを備えている。当該エンジンはさらにシリンダー穴の中に収納されるピストンを含む。ピストンは、上面と、リング溝から上面に向けて延びる頂上のランドを供給する外部表面に向けて径方向に延びる環状のリング溝を少なくとも1つ含み、中心軸に沿って上面から垂れ下がる周辺外部表面とを備える。頂上のランドは、そこに形成された複数の波形を備える。それぞれの波形には、頂上のランドの外部表面を径方向に内部へ延びる谷部と、谷部から径方向に外側へ延びる山部とを有する。当該谷部や山部は、上面からリング溝にまで延びるものである。当該ピストンはさらに、1対のピン穴を備えており、これらはピン穴軸と、当該ピン穴軸と実質的に垂直の方向に延びるスラスト方向に沿うように配置される。当該山部と谷部とは、燃料スプレーストリームと、ピン穴軸とスラスト方向との少なくとも1つと関連する、あらかじめ決められた方向に形成される。
【0008】
さらに本発明の他の局面は、燃料スプレーストリームを、シリンダー穴の内部へ注入するための燃料注入部を有する内燃エンジンのシリンダー穴の内部における往復運動を行なう設計となったピストンを形成する方法である。当該方法は、上面と、中心軸に沿って上面から垂れ下がる外部表面とを有するピストン本体を供給する工程を含んでいる。そして、径方向に外部表面の方へ延びており、リング溝から上面まで延びる頂上のランドを提供する、環状のリング溝を形成する。さらに、ピン穴軸と、ピン穴軸に対して実質的に垂直な方向に形成されるスラスト軸に沿って、互いに位置を合わせ、横方向に間隔を隔てた1対のピン穴を形成する。さらに、頂上のランドには複数の波形を形成し、当該波形は、頂上のランドの外部表面に向かい径方向に延びる谷部と、谷部から径方向に外側に延びる山部とを有する。さらに、燃料スプレーストリーム、ピン穴軸、スラスト軸の少なくとも1つと関係し、あらかじめ定められた方向に山部と谷部とが形成される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
これらのまたは他の局面の技術に関する特徴や効果は、以下の現在の好ましい形態や最良のモードの詳細な説明や、添付された請求の範囲、そして添付の図面によって、明らかにされるよう解読される。
【図1A】3つの異なるピストンの構成要素がそれぞれ分離した、本発明のエンジンシリンダーブロックの好ましい形態を示す概略側面図である。
【図1B】3つの異なるピストンの構成要素がそれぞれ分離した、本発明のエンジンシリンダーブロックの好ましい形態を示す概略側面図である。
【図1C】3つの異なるピストンの構成要素がそれぞれ分離した、本発明のエンジンシリンダーブロックの好ましい形態を示す概略側面図である。
【図2】図1から図3の、1つの好ましい形態に係る、ピストンの頂上のランドの中に形成される、複数の軸方向に延びる溝を有するピストンの周囲の角度を180度の範囲で分割したものを示す領域の、部分的な概略上面図である。
【図3】図1Aから図1Cのピストンの頂上のランドの周囲の部分における溝の外郭や深さを描写したグラフである。
【図4】他の好ましい形態に係る、ピストンの頂上のランドの中に形成される、複数の軸方向に延びる溝を有するピストンの周囲の角度を180度の範囲で分割したものを示す領域の、部分的な概略上面図である。
【図5】図6のピストンの頂上のランド部の周囲の部分における溝の外郭や深さを描写したグラフである。
【図6】他の好ましい形態における、ピストンの構成を示す側面図である。
【図7】追加の好ましい形態における、頂上のランドの周囲の部分における90度以上の角度でのピストンの相対的な溝の深さを示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明の最良の形態の詳細な説明
詳細は図面を参照して、図1Aから図1Cは本発明の1の最良の形態にしたがって形成されたピストン10を示す。当該ピストン10は、たとえば一般的に14で代表されるディーゼルエンジンのような、内燃エンジンのシリンダー穴12の中に配置されている。ピストン10は鋳造または鍛造されたピストン本体16を備えており、中心軸20に沿って延びる、実質的に円柱形の上部クラウン18を備える。上部クラウン20は、ピストンリングを浮動的に受け入れる、少なくとも1つの環状のリング溝22とともに形成されており、その中では最上部ピストンリング24(図中では明確化のため一部のみ表示されている)が、ピストン10を容易に往復運動させるとともに、ピストン本体16の下部から上部へのオイルの流れを抑制する役割を有する。上部クラウン18は、最上部のリング溝22から、ピストン本体16の圧縮または上面28へと上方へ延びる頂上のランド26を備えている。頂上のランド26は、基本的に中心軸20の方向に沿って延びる複数の波形30を備えている。当該波形30は、後に詳述するように、形や大きさ、深さを、たとえばエンジンの駆動出力や、エンジンオイルの消費量や排出量、実用寿命、を向上するため、意図に応じて様々な態様とすることができる。
【0011】
波形30は、頂上のランド26の外部表面32の近辺に、一様で対称な分布となるように形成されていることが好ましい。ただし一様でない配列も本発明の範囲内として考えられる。図2に示すように、波形30は、たとえば谷部36の間に等間隔に6つ配置される山部34を提供するように形成されるが、この例に限られない態様をとることができる。たとえば外部表面32の周りに正弦曲線を描くように形成されてもよいし、他の任意の態様をとってもよい。このようにして、当該波形30は滑らかな波形を描くように形成され得るが、このため頂上のランド26の外表面は、尖ったエッジや段差になった表面がない、連続する滑らかな表面とすることができる。波形30の山部34は、たとえば頂上のランドの外部表面32の外側の最大の直径を表わすものとして一般的に認識されるものであり、これに対して波形30の谷部36は、外部表面32から一定の深さ分だけ、径方向に内側に延びるものである。その深さは所望のように変更し得る。たとえば、図2に示すように、谷部の深さは約0.5mmから2.0mmの値をとりうる、そして山部34や谷部36の範囲は、頂上のランド26の外部表面32における深さである約0.0mmから、谷部36の深さである約0.5mmから2.0mmまでの範囲を取り得る。
【0012】
外郭の任意の位置における波形30の深さは、もし外郭が正弦曲線を描いていれば、図3に示すように、次の数式: 深さ=(最大深さ/2)x[(1−Cos x 山部の数 x degreesでの角度)]によって表わされる。そこでこの数式を用いて、まず頂上のランド26の外周部の角度が0度から360度である場合の基準値が決定される必要がある。このとき、正弦曲線の波形30の、外部表面32の近辺における任意の位置における深さを求めるために、あらかじめ決められた最大の深さ(たとえば0.05mm)を代入する必要がある。そして角度を所望の山部の数(たとえば6)倍した角度の余弦の値を数式に代入する必要がある。このようにして、選ばれた位置における正弦曲線の深さが求められる。
【0013】
図4に示すように、ピストン10は上記とは波形の数が異なる構成とすることもできる。たとえば5つの波形30を有する場合である。当該波形30は上述した波形と基本的に同様に、たとえば図5に示すように、頂上のランド26の外部表面32の近辺に、山部34と谷部36とが一様で対称な分布となるように形成される。したがって、応用に応じて、波形30の数は変更し得るものであり、これは、図7の表で明示される。図7では、山部の数が7つまたは8つ存在するピストンが意図される。
【0014】
図1Aに示すように、波形30は中心軸20に対して非直線状でヘリカル状の関係となるように形成しうる、そして、それぞれの波形の上端:以下上部43と呼ぶ:は、波形30の下方部:以下底部45と呼ぶ:に対して、径方向または上下方向へとシフトする。他には、図1Bに示すように、溝30が中心軸20に対して直線状でスパイラル状の関係となるように形成され得る。更には、図1Cに示すように、溝30は中心軸20に対して直線状であり中心軸20と平行になるように形成され得る。このため山部34と谷部36とは互いに平行に、一般的に垂直な方向に延びる。頂上のランド26を横切る、それぞれ上部および底部43、45の間の、径方向または上下方向への波形30の移動は、たとえば5度から30度の間であり、その中で当該ピストン10は、6つの燃料スプレースチーム39と協調するように、6つの波形を有するように構成される。それゆえに、この場合、各波形30の山部34は、上部43から底部45まで延びるように容易にシフトされる。このようにして、溝30は様々な形態の設計がなされうるというべきである。たとえば、溝30の深さは、必要であれば、頂上のランド26の軸の長さ(L)(図1)上の溝30の長さに沿った、可変の深さとなるように形成することができる。たとえば、溝30は、頂上のランド26の上面28にて最大の深さをとり得るものであり、溝30がリング溝22に向けて延びるにつれて徐々に深さが小さくなるように徐々に減るようにもなり得る。
【0015】
図6に、本発明に係る別の形態のピストン10が示されている。滑らかで連続的に変位する形状の波形30が外部表面32近辺に形成される代わりに、波形30は、頂上のランド26の外部表面32から、互いに中心に向かう方向において間隔を保ちながら、径方向で中心に向かう方向に延びる、チャネル溝または溝を形成する構成となっている。これらの波形は、溝30とも言うが、一般的には上述のように、垂直方向に形成されるか、あるいは非直線状でらせん状の形状か、直線状でらせん状の関係となるように形成される。溝30が形成されない頂上のランド26の外部表面32の部分が、中心軸20から一定の半径(r)を有する円柱形の湾曲形状をほぼ維持している。その中で溝30は、互いに中心に向かう方向において間隔を保ちながら、径方向の中心に向かう方向に延びる。このようにして、基本的にとがっている角部またはエッジ37は、溝30と外部表面32との間で変化する位置に規定される。
【0016】
ピストン10の波形30は、山部34と谷部36とが、それが配置されるシリンダー穴12の内部において、あらかじめ決められた径方向の位置に配置されるように構成される。それに従い、山部34と谷部36とはシリンダー穴12の内部において、あらかじめ決められた方向に配置され得、それによって燃料スプレーストリーム39と所望の関係となる位置になるよう配置される。たとえば、山部34の位置は、燃料注入部ジェットノズルまたはノズル38からの燃料スプレーストリーム39の位置が、実質的に谷部36の上部または内部に燃料スプレーが向かうように、またそのようにして、隣接する山部34の間に向かうように、設計されている。もちろん、他の例として燃料スプレーストリーム39は、意図に応じて、山部34、または山部34と谷部36との両方の上に影響を与える方向を向くように形成されうる。図2に示すように、これに限られないが、偶数の山部34と谷部36とが形成される場合は、当該山部34または谷部36は、ピン穴軸40に相当するリストピン軸と位置が合うように配置され。実施の形態では、直径方向に関して向かい合う谷部36が、リストピンやピン穴軸40に中心で位置が合うように配置され、この結果軸40により二分されている。これによって、本形態の山部34は、一般的にリストピン軸40と垂直に設置されるスラスト軸42に沿うように、位置決めされる。他の例として、図4に示すように、奇数の山部34と谷部36とが形成される場合は、1つの山部34が、スラスト軸42と沿うように配置され、するとスラスト軸42上にて、山部34と位置が一致する方向と反対方向については、直径方向に関して山部34とは反対方向である谷部36が配置されている。このようにして、谷部36はスラスト軸42により二等分される。一方、リストピン軸40に沿って、直径方向に関して互いに反対方向の山部34と谷部36とが軸40に対してオフセット配置される。
【0017】
上述した図面や記載以外の、上記と同様の機能を奏する本発明の別の形態についても、本発明の請求の範囲としてここでは考慮すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面から中心軸に沿うように垂れ下がる、実質的に円柱形である外部表面を有する上部クラウンを有し、少なくとも1つの環状のリング溝が、前記リング溝から前記上面に伸びる頂上のランドを供給するために、前記外部表面に向けて径方向に延びる、ピストン本体と、また、
前記頂上のランドの外周部に形成され、前記頂上のランドの前記外部表面に向けて径方向に延びており、前記上面から前記リング溝に向けて延びている谷部を有する複数の波形とを備え、前記波形は、前記上面から前記リング溝までを、前記軸と平行でない関係となるように横切り、前記軸と平行な方向に関して、互いに実質的に重ならないように設計されている、内燃エンジン用のピストン。
【請求項2】
前記波形は前記上面の上部端から、前記リング溝の下部端まで延び、前記波形の1つの上部端は、前記波形の1つに隣接する、前記下部端と実質的に重ならない関係を有する、請求項1に記載のピストン。
【請求項3】
前記波形の前記上部端は、燃料スプレーパターンと関係するように設計されている、請求項2に記載のピストン。
【請求項4】
前記谷部は、スプレーパターンからの直接のスプレーを受けるように設計されている、請求項3に記載のピストン。
【請求項5】
前記ピストンが、1対のピン穴を備えており、前記ピン穴は、ピン穴軸と、前記ピン穴軸と関係するように配置された、前記波形の前記上部端とに互いに位置を合わせされている、請求項2に記載のピストン。
【請求項6】
前記波形は、前記外部表面に向けて外側に延びる山部を有しており、前記山部の1つは、前記ピン穴軸と実質的に垂直な方向のスラスト方向に沿うように配置される、請求項5に記載のピストン。
【請求項7】
前記谷部の1つが、前記ピン穴軸に沿う位置に合うように配置される、請求項5に記載のピストン。
【請求項8】
前記波形が、前記中心軸に関してヘリカルパターンとなるように延びる、請求項1に記載のピストン。
【請求項9】
前記波形が、前記中心軸に関してスパイラルパターンとなるように延びる、請求項1に記載のピストン。
【請求項10】
前記波形と、前記頂上のランドの前記外部表面とが、前記頂上のランドの周辺部に滑らかな正弦曲線を形成する、請求項1に記載のピストン。
【請求項11】
前記谷部は、前記上面と前記リング溝との間に変動した深さを有する、請求項1に記載のピストン。
【請求項12】
シリンダー穴を有するシリンダーブロックと、
前記シリンダー穴の中へ、あらかじめ決められたパターンを描くように燃料スプレーストリームを注入するよう設計された燃料注入部と、
前記シリンダー穴の中に収納されるピストンとを備え、前記ピストンは、上面と、中心軸に沿って垂れ下がり、前記外部表面に向けて径方向に延びる少なくとも1つの環状のリング溝を含み、前記リング溝から前記上面に向けて延びる頂上のランドを供給する外部表面とを有し、前記頂上のランドは複数の波形を有し、それぞれの波形は前記頂上のランドの前記外部表面を放射状に内部へ延びる谷部と、前記谷部から径方向に外側に延びる山部とを有し、前記谷部および山部は、前記上面から前記リング溝にまで延び、前記ピストンは、さらにピン穴軸と前記ピン穴軸に実質的に垂直な方向に延びるスラスト方向とに従い互いに位置決めされた1組のピン穴を含み、さらに前記山部と谷部とが、前記燃料スプレーストリームと、前記ピン穴軸と前記スラスト方向との少なくとも1つと関連する、あらかじめ決められた方向に形成される、エンジン。
【請求項13】
前記谷部は、前記燃料スプレーストリームを直接的に受ける方向を向いている、請求項12に記載のエンジン。
【請求項14】
前記山部の1つは、前記上面において前記スラスト方向に沿った方向を向いている、請求項12に記載のエンジン。
【請求項15】
1対の直径方向に関して逆方向を向く谷部が、前記ピン穴軸に沿った方向に配置されている、請求項12に記載のエンジン。
【請求項16】
前記波形が前記上面の前記上部端から、前記リング穴の前記下部端にまで延び、前記波形の1つの上部端が、前記波形の1つに隣接する前記下部端と重ならない関係にある、請求項12に記載のエンジン。
【請求項17】
前記波形が、前記中心軸に対してヘリカルパターン状に延びる、請求項16に記載のピストン。
【請求項18】
前記波形が、前記中心軸に対してスパイラルパターン状に延びる、請求項16に記載のピストン。
【請求項19】
前記波形が、前記中心軸と実質的に平行な方向に延びる、請求項12に記載のエンジン。
【請求項20】
前記波形が、前記頂上のランドの周囲に、滑らかで段差のない表面を形成する、請求項12に記載のエンジン。
【請求項21】
前記波形は、前記中心軸と平行でない方向に延びる、請求項12に記載のエンジン。
【請求項22】
前記谷部が、前記上面と前記リング溝との間で変動した深さとなる、請求項12に記載のエンジン。
【請求項23】
燃料スプレースチームを、シリンダー穴の内部へ注入するための燃料注入部を有する内燃エンジンのシリンダー穴の内部における往復運動を行なう設計となったピストンを形成する方法であり、
上面と、中心軸に沿って、前記上面から垂れ下がる外部表面とを有するピストン本体を供給し、
径方向に外部表面へ延びており、リング溝から上面まで延びる頂上のランドを提供する環状のリング溝を形成し、
ピン穴軸と、ピン穴軸に対して実質的に垂直な方向に形成されるスラスト軸とに沿って、互いに位置を合わせ、横方向に間隔を隔てた1対のピン穴を形成し、
頂上のランドには複数の波形を形成し、前記波形は、頂上のランドの外部表面に向かい径方向に延びる谷部と、谷部から径方向に外側に延びる山部とを有し、燃料スプレーストリーム、ピン穴軸、スラスト軸の少なくとも1つと関係し、あらかじめ定められた方向に山部と谷部とが形成される、ピストンの製造方法。
【請求項24】
スプレーパターンから燃料スプレーストリームを直接受けるように設計することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
スラスト軸に沿って上面にて山部の1つを形成することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
ピン穴軸に沿う方向に、直径方向に関して反対方向の谷部を形成することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
上面に上部端と、リング溝に下部端とを有する前記波形を形成することをさらに備え、隣接する下部端と重ならないような関係となるように上部端を配置する、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
中心軸に対してヘリカルパターン状に、波形を形成することをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
中心軸に対して実質的に平行に延びる波形を形成することをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記頂上のランドの周囲に、滑らかで段差のない表面を形成することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項31】
中心軸に対して平行でない方向に延びる波形を形成することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項32】
上面とリング溝との間に、変動した深さの谷部を形成することをさらに含む、請求項23に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−530051(P2010−530051A)
【公表日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−512420(P2010−512420)
【出願日】平成20年6月16日(2008.6.16)
【国際出願番号】PCT/US2008/067085
【国際公開番号】WO2008/157471
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(599058372)フェデラル−モーグル コーポレイション (234)
【Fターム(参考)】