説明

ピストン式等方圧加圧装置

【課題】ピストンを圧力容器内に挿入する際に、ピストンの下端縁のシール部と圧力容器の内壁の摩擦で焼付きが発生することがなく、しかも、その焼付き発生防止のために、ピストンの下端縁のシール部に潤滑剤を塗布することが極めて容易に行えるピストン式等方圧加圧装置を提供する。
【解決手段】加圧ピストン6により、ピストン3を圧力容1内に挿入して、圧力容器1内の圧媒16の圧縮を介して被処理物を等方圧で加圧処理するピストン式等方圧加圧装置において、ピストン3が圧力容器1内から離脱した状態で回転自在となるように構成されていると共に、ピストン3の全周の下端縁のシール部3aに、潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段17が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧シリンダ内の加圧ピストンの伸長により、ピストンを圧力容器内に挿入して、前記圧力容器内の圧縮媒体(以下、圧媒という)の圧縮を介して金属粉末やセラミックス等の被処理物を等方圧で加圧処理するピストン式等方圧加圧装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
金属粉末やセラミックス等の微細な粉末を均質且つ高密度に成形したり、食品等を殺菌、滅菌処理したり、竹や木材等を緻密化したりするために、従来から、液体等の圧媒が入れられた圧力容器内にピストンを挿入して、その圧媒の圧縮を介して圧媒内の金属粉末やセラミックス等の被処理物を等方圧で加圧処理するピストン式等方圧加圧装置が用いられている。
【0003】
このピストン式等方圧加圧装置は、ピストンが圧力容器内を摺動して圧力容器内の圧媒を加圧して圧縮する構造であるため、必然的に摺動ストロークが長くなり、ピストンの下端縁のシール部と圧力容器の内壁の摩擦で焼付きが発生することが頻繁にある。その焼付きを防止するためには、シール部に潤滑剤を塗布することが不可欠であった。
【0004】
しかしながら、被処理物を等方圧で加圧処理する毎に、ピストンの下端縁全周のシール部に潤滑剤を塗布する作業は煩雑な作業であり、また、自動塗布装置を導入するとしても複雑な構造の自動塗布装置を導入する必要があり、採用に至っていないのが現状である。
【0005】
また、このピストン式等方圧加圧装置の一例として、特許文献1に記載のピストン式等方圧加圧装置が提案されている。このピストン式等方圧加圧装置は、高圧パッキン等のメンテナンスが容易であるとともに、安全性、生産性、経済性に優れることを目的として提案されたものであり、加圧シリンダピストンを圧力容器内に挿入してその圧力容器内の流体の圧縮を介して被処理物を等方圧で加圧処理するとともに、加圧に伴う軸方向反力を担持するプレスフレームを備えているピストン式等方圧加圧装置であって、加圧シリンダピストンのピストンが、圧力容器に容器軸方向移動自在として嵌挿されている可動ピストンと、その可動ピストンを加圧する加圧ピストンより構成されており、両ピストンは接合分離自在とされている。
【0006】
一般的にピストン式等方圧加圧装置において、焼付きの発生防止のために、ピストンの端縁のシール部に潤滑剤を塗布するには、シール部を圧縮容器の開口から完全に離脱する必要がある。しかしながら、特許文献1に記載のピストン式等方圧加圧装置では、シール部に潤滑剤を塗布するためにピストンを完全に抜き取る前に、必ず圧縮容器内部の圧媒(流体)を抜き取る必要があるため、効率が非常に悪く、ピストンの上端縁のシール部に潤滑剤を塗布する作業は容易に行うことはできなかった。
【0007】
【特許文献1】特開平7−164194号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来の問題を解決せんとしてなされたもので、ピストンを圧力容器内に挿入する際に、ピストンの下端縁のシール部と圧力容器の内壁の摩擦で焼付きが発生することがなく、しかも、その焼付き発生防止のために、ピストンの下端縁のシール部に潤滑剤を塗布することが極めて容易に行えるピストン式等方圧加圧装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明は、加圧シリンダ内の加圧ピストンの伸長により、ピストンを圧力容器内に挿入して、前記圧力容器内の圧媒の圧縮を介して被処理物を等方圧で加圧処理するピストン式等方圧加圧装置において、前記ピストンが、前記圧力容器内から離脱した状態で回転自在となるように構成されていると共に、前記ピストンの全周の下端縁のシール部に、潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段が設けられていることを特徴とするピストン式等方圧加圧装置である。
【0010】
請求項2記載の発明は、前記ピストンは、前記圧力容器の上方に設けられた前記加圧ピストンの下に設けられており、前記加圧ピストンの下方への伸長に連動して前記ピストンが前記圧力容器内に挿入されることを特徴とする請求項1記載のピストン式等方圧加圧装置である。
【0011】
請求項3記載の発明は、前記圧力容器は、前記加圧ピストンの上に設けられており、前記加圧ピストンの上方への伸長に連動して前記圧力容器が上昇することにより前記圧力容器内に、その上方に設けられた前記ピストンが挿入されることを特徴とする請求項1記載のピストン式等方圧加圧装置である。
【0012】
請求項4記載の発明は、前記ピストンはその上部が、ピストンホルダ内に設けられたピストン自重支持手段で支持されており、前記ピストンホルダに付設された回転駆動機構により回転自在に構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のピストン式等方圧加圧装置である。
【0013】
請求項5記載の発明は、前記潤滑剤塗布手段は潤滑ポンプを備えた潤滑剤塗布装置であり、水平駆動機構により水平移動自在に構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のピストン式等方圧加圧装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1記載のピストン式等方圧加圧装置によると、ピストンの下端縁のシール部に潤滑剤塗布手段で必ず潤滑剤が塗布されるので、ピストンを圧力容器内に挿入する際に、ピストンの下端縁のシール部と圧力容器の内壁の摩擦で焼付きが発生することはなく、しかも、ピストンの下端縁のシール部に潤滑剤を塗布することは、潤滑剤塗布手段にて極めて容易に行うことができる。
【0015】
本発明の請求項2記載のピストン式等方圧加圧装置によると、加圧ピストンで移動させるのは、装置全体からみて比較的小型のピストンのみで済むため、装置の簡易化を図ることができる。
【0016】
本発明の請求項3記載のピストン式等方圧加圧装置によると、加圧ピストンを圧力容器の下に設けるため、装置自体の重心が低くなり、装置が大型化した場合には装置全体として安定した構造となる。
【0017】
本発明の請求項4記載のピストン式等方圧加圧装置によると、ピストンの回転を、回転駆動機構により安定性良く容易に行うことができる。
【0018】
本発明の請求項5記載のピストン式等方圧加圧装置によると、ピストンの下端縁のシール部への潤滑剤の塗布を、潤滑剤塗布装置にて自動的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて更に詳細に説明する。
【0020】
図1は本発明の一実施形態を示す縦断面図であり、図2は図1の要部拡大縦断面図である。また、図3の(a)〜(c)並びに図4の(d)〜(e)は図1のピストン式等方圧加圧装置を用いて被処理物を加圧処理する際の動作手順を示す要部拡大縦断面図である。
【0021】
図1〜図4に示す本発明の一実施形態に係るピストン式等方圧加圧装置は、加圧シリンダ5内の加圧ピストン6の伸長により、その加圧ピストン6に連動するピストン3を圧力容器1内に挿入して、その圧力容器1内に注入された圧媒16を圧縮することで、圧媒16内に入れられた金属粉末やセラミックス等の被処理物(図示せず)を等方圧で加圧処理する装置である。尚、圧媒16としては、水、油、プロピレングリコール等を用いることができる。
【0022】
圧力容器1は円筒形であって、その下部開口には下蓋2が取り付けられており、上部開口が開放した状態となっている。その上部開口から金属粉末やセラミックス等の被処理物(図示せず)を装填したり、取り出したりすることができる。また、この被処理物の装填、取り出しは、圧力容器1を水平移動させることより行えば、より効率性良く行うことが可能である。尚、この圧力容器1内には、圧媒16が上部開口近くの所定レベル16aまで注入されている。
【0023】
ピストン3は、この圧力容器1の上方に設けられた加圧ピストン6の下部にピストンホルダ7を介して取り付けられている。このピストン3は略円柱状であるが、その上部の径はそれより下方の本体部3bの径より大きな径の係止部3cとなっている。その係止部3cがピストンホルダ7で保持されることにより、ピストン3はピストンホルダ7で吊下げられた状態で、加圧ピストン6の下に設けられている。また、ピストン3の下縁部全周はシール部3aとなっている。このシール部3aが形成されていることで、圧力容器1内へのピストン3挿入時に圧縮された圧媒16がピストン3上に漏れ出ることを防止することができる。尚、ピストン3は、図1〜図4に示すように、必ずしも一体型である必要はなく、シール部3aが存在する下端部分が他の部位とは分離、締結された構造であっても良い。
【0024】
ピストンホルダ7は縦断面溝形であって、加圧ピストン6の下面に固定されており、その下面にはピストン3の下方の径よりやや大きな径の開口が形成されている。その開口をピストン3の本体部3bが挿通することで、係止部3cがピストンホルダ7に係止された状態となり、ピストン3はピストンホルダ7により吊下げられる。ピストン3はこの状態でも回転自在とすることができるが、係止部3cはピストンホルダ7内に設けられたピストン自重保持手段8で支持されており、回転時にかかる抵抗が軽減されている。
【0025】
ピストン自重保持手段8はバネ11とベアリング10で構成されている。バネ11はピストン3に巻き付けられたような状態で設けられており、ピストン3の回転時にかかる自重を反力によって支持する。また、ベアリング10はバネ11の外周側に設けられており、その上に設けられた支持具9を介してピストン3の係止部3cの外周部分を支持する。支持具9の上面はピストン3の軸芯側に向かい下向き傾斜した傾斜面となっており、その支持具9の傾斜面に載置されるピストン3の係止部3cの外周部分の下面も同方向に傾斜した傾斜面となっているため、ピストン3の係止部3cの外周部分の傾斜面を、その支持具9の傾斜面に載置することで、ピストン3の位置決め、すなわち軸芯調整を行うことができる。
【0026】
また、ピストン3は、加圧ピストン6による加圧がかからない状態では、そのピストン3の上面と加圧ピストン6の下面との間に隙間3dが形成されるようにして、ピストン自重保持手段8で支持されている。このように、ピストン3が圧力容器1内から離脱し、加圧ピストン6による加圧がかからない状態で、その上側に隙間3dが形成されるため、ピストン3を支障なく回転させることができる。
【0027】
このピストン3は、前記したように圧力容器1内から離脱した状態で回転自在に構成されている。ピストン3の係止部3cの外周にはリング状の歯車12aが環装されており、その歯車12aと噛み合わせ駆動する別の歯車12bが、ピストンホルダ7に形成されたスリットを貫通して設けられている。この歯車12bが、ピストンホルダ7に付設されたモータ等の回転駆動機構13により回転するため、歯車12aを介してピストン3を回転自在とすることができる。尚、潤滑剤塗布時以外は廻り止め(図示せず)によりピストン3の回転は阻止されている。また、ピストン3へ回転を伝達する手段は歯車方式ではなくプーリ+ベルト方式等の他の方式であっても良く、回転駆動機構13はモータではなく油圧または空圧のアクチュエータ等の他の駆動機構であっても良い。
【0028】
ピストン3の下縁部全周のシール部3aに潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段17は、ピストン3を圧力容器1から完全に上方へ抜き出した状態で、シール部3aと略同じ高さに位置するようにして設けられている。この潤滑剤塗布手段17は潤滑ポンプ14を備えた潤滑剤塗布装置17aであり、駆動シリンダ等の水平駆動機構15により水平移動自在に構成されており、シール部3aに潤滑剤を塗布する際には、シール部3aの近傍まで水平駆動機構15によって移動させられる。尚、18は潤滑剤塗布装置17a等を支持する支持フレームである。
【0029】
加圧ピストン6は、加圧シリンダ5内に導入される油圧等で昇降自在、すなわち下方に伸長するようにして構成されている。加圧シリンダ5は、その上に設けられたプレスフレーム4によって支持されている。プレスフレーム4は、加圧ピストン6による加圧に伴う軸方向反力を担持する。
【0030】
次に、この実施形態のピストン式等方圧加圧装置を用いて被処理物を加圧処理する際の動作手順を図3および図4に基づいて説明する。
【0031】
この実施形態のピストン式等方圧加圧装置は、加圧シリンダ5内の加圧ピストン6の伸長により、その加圧ピストン6に連動するピストン3を圧力容器1内に挿入して、その圧力容器1内に注入された圧媒16を圧縮することで、、水、油、プロピレングリコール等の圧媒16内に入れられた金属粉末やセラミックス等の被処理物(図示せず)を等方圧で加圧処理するのであるが、まず、図3(a)に示すように、ピストン3を圧力容器1から完全に上方に抜き出した待機状態とする。この待機状態で、水平移動機構15により潤滑剤塗布手段17を、シール部3aの近傍まで移動する。
【0032】
次に、図3(b)に示すように、潤滑剤塗布手段17から潤滑剤をシール部3aの表面に送り込むと同時に、回転駆動機構13を駆動させてピストン3を回転させる。ピストン3が回転することにより、潤滑剤はピストン3全周のシール部3aの表面に均等に塗布される。この時、ピストン3は係止部3cが支持具9の傾斜面に載置された状態で、その軸方向、水平方向共に拘束された状態であるため、潤滑剤塗布による横ブレは発生せず、シール部3aの表面に均等な潤滑被膜を形成することができる。尚、超高圧のシール部3aでは、通常ペースト状の固体潤滑剤が用いられる。
【0033】
潤滑剤の塗布を終えた後、図3(c)に示すように、水平移動機構15により潤滑剤塗布手段17を元の待機位置まで移動させる。尚、図3(a)と図3(c)では、水平移動機構15により潤滑剤塗布手段17を直線移動させる状態を示したが、直線移動ではなく回転移動により潤滑剤塗布手段17を水平に移動させても良い。以上が、被処理物を加圧処理する本工程の前の潤滑剤を塗布する前工程であり、本発明のポイントでもある。
【0034】
図4(d)〜(f)が被処理物を加圧処理する本工程である。まず、図4(d)に示すように、加圧ピストン6の伸長により、その加圧ピストン6に連動するピストン3を下降させる。
【0035】
更に、ピストン3を下降させると、図4(e)に示すように、ピストン3のシール部3aが、圧力容器1の上部開口に接触した状態となる。尚、この際にかかる抵抗がピストン3の自重を上回ればバネ11によりピストン3は持ち上げられて、係止部3cの外周部分の下面は支持具9の上面から離れ、軸方向、水平方向共に可動自在となる。このことによりピストン3の圧力容器1内壁に対する軸芯調整が自動的に行われる。それと同時、或いはその後に、ピストン3の上面が加圧ピストン6の下面に密着して隙間3dがなくなり、このピストン3の上面と加圧ピストン6の下面の密着部分にかかる面圧は、加圧ピストン6による加圧が進むに伴い増大していく。
【0036】
図4(f)は、ピストン3が最下方まで下降した状態であり、この状態で圧縮容器1内に発生する反力は最大となり、圧媒16内に入れられた金属粉末やセラミックス等の被処理物(図示せず)が等方圧で確実に加圧処理される。この後、ピストン3を上昇させて、図3(a)に示す待機状態に戻す。その状態で、圧縮容器1を水平移動させて(水平移動は必須要件ではない)加圧処理を終えた被処理物を取り出して工程を終了する。
【0037】
図5は本発明の異なる実施形態を示す縦断面図である。この実施形態では、加圧シリンダ5並びに加圧ピストン6は、圧力容器1の下に設けられている。ピストン3は、圧力容器1の上方に設けられており、ピストンホルダ7を介してプレスフレーム4に直接取り付けられている。
【0038】
この実施形態では、加圧シリンダ5内の加圧ピストン6を油圧等により上方へ伸長させると、圧縮容器1が持ち上げられて上昇し、圧縮容器1の上部開口にピストン3が挿入されることで、被処理物を加圧処理する。ピストン3が圧力容器1内から離脱した状態で回転自在となるように構成されていること、ピストン3の下端縁全周のシール部3aに、潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段17が設けられていること等、その他の詳細構成は、図1〜図4に示す実施形態と同じである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態のピストン式等方圧加圧装置を示す縦断面図である。
【図2】図1の要部拡大縦断面図である。
【図3】図1のピストン式等方圧加圧装置を用いて被処理物を加圧処理する工程前の潤滑剤を塗布する前工程の動作手順を示すものであって、(a)はピストンを圧力容器から完全に抜き出した待機状態を示す要部拡大縦断面図、(b)はピストンのシール部に潤滑剤を塗布している状態を示す要部拡大縦断面図、(c)は潤滑剤の塗布を終えた後に滑剤塗布手段を元の待機位置に移動させている状態を示す要部拡大縦断面である。
【図4】図1のピストン式等方圧加圧装置を用いて被処理物を加圧処理する本工程の動作手順を示す要部拡大縦断面図であって、(d)はピストンを下降させ始めた状態を示す要部拡大縦断面図、(e)はピストンの下降によりシール部が圧力容器の上部開口に接触した状態を示す要部拡大縦断面図、(f)はピストンが最下方まで下降した状態を示す要部拡大縦断面である。
【図5】本発明の異なる実施形態のピストン式等方圧加圧装置を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1…圧力容器
2…下蓋
3…ピストン
3a…シール部
3b…本体部
3c…係止部
3d…隙間
4…プレスフレーム
5…加圧シリンダ
6…加圧ピストン
7…ピストンホルダ
8…ピストン自重保持手段
9…支持具
10…ベアリング
11…バネ
12a、12b…歯車
13…回転駆動機構
14…潤滑ポンプ
15…水平駆動機構
16…圧媒
16a…所定レベル
17…潤滑剤塗布手段
17a…潤滑剤塗布装置
18…支持フレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧シリンダ内の加圧ピストンの伸長により、ピストンを圧力容器内に挿入して、前記圧力容器内の圧媒の圧縮を介して被処理物を等方圧で加圧処理するピストン式等方圧加圧装置において、
前記ピストンが、前記圧力容器内から離脱した状態で回転自在となるように構成されていると共に、
前記ピストンの全周の下端縁のシール部に、潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段が設けられていることを特徴とするピストン式等方圧加圧装置。
【請求項2】
前記ピストンは、前記圧力容器の上方に設けられた前記加圧ピストンの下に設けられており、前記加圧ピストンの下方への伸長に連動して前記ピストンが前記圧力容器内に挿入されることを特徴とする請求項1記載のピストン式等方圧加圧装置。
【請求項3】
前記圧力容器は、前記加圧ピストンの上に設けられており、前記加圧ピストンの上方への伸長に連動して前記圧力容器が上昇することにより前記圧力容器内に、その上方に設けられた前記ピストンが挿入されることを特徴とする請求項1記載のピストン式等方圧加圧装置。
【請求項4】
前記ピストンはその上部が、ピストンホルダ内に設けられたピストン自重支持手段で支持されており、前記ピストンホルダに付設された回転駆動機構により回転自在に構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のピストン式等方圧加圧装置。
【請求項5】
前記潤滑剤塗布手段は潤滑ポンプを備えた潤滑剤塗布装置であり、水平駆動機構により水平移動自在に構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のピストン式等方圧加圧装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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