説明

ピッキングシステム

【課題】ピッキング及び仕分け作業における待ち時間を低減し、作業効率を向上することができるピッキングシステムを提供する。
【解決手段】注文情報別に物品を仕分けるピッキングシステム10であって、同一品種ごとに複数の物品を保管する保管部210と、複数の注文情報を一括して保管部210からピッキングされた物品が収納される複数の第一収納容器を搬送する搬送部300と、第一収納容器に収納された物品を注文情報別に第二収納容器に仕分ける仕分部400と、第一収納容器を配置することができる搬送部300の空き容量、及び第二収納容器を配置することができる仕分部400の空き容量の少なくとも一方を取得する取得部120と、第一収納容器にピッキングされる物品の品種及び数量の情報を含むピッキング情報の品種及び数量を、空き容量に応じた品種及び数量に変化させてピッキング情報を送信するピッキング情報送信部110とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の品種の物品の中から、出荷する注文情報別に物品を仕分けるピッキングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、出荷先ごとに定められた品種及び数量の物品の注文を出荷先別に仕分けるピッキングシステムとして、トータルピッキング方式によるピッキングシステムがある。このトータルピッキング方式は、複数の出荷先の注文を品種ごとに合計して、物品が保管された保管部から、品種ごとに合計された数の物品をピッキングする方式である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このトータルピッキング方式によれば、保管部には同一品種ごとに物品が保管されているため、複数の出荷先の注文を同一品種ごとにまとめてピッキングすることができ、効率的にピッキングができる。そして、同一品種ごとにまとめてピッキングされた物品が出荷先別に仕分けられ、出荷される。
【特許文献1】特開2007−39181号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来のトータルピッキング方式によるピッキングシステムでは、ピッキング及び仕分け作業における待ち時間が生じ、作業効率が低下するという問題がある。
【0005】
すなわち、従来のトータルピッキング方式によるピッキングシステムでは、複数の出荷先の注文をまとめてピッキングされた物品が、複数の出荷先別に仕分けられる。しかし、出荷先別に仕分けるためのスペースに空きが無いと、ピッキングされた物品が収納された容器が滞留又は溢れて、当該容器の置き場がなくなる。このため、この仕分け作業が全て完了しないと、次の複数の出荷先に対する仕分け作業を開始することができない。つまり、次の複数の出荷先に対するピッキングを開始することができず、ピッキング及び仕分け作業の開始を待つための待ち時間が生ずる。
【0006】
このため、従来のトータルピッキング方式によるピッキングシステムでは、ピッキング及び仕分け作業における待ち時間が生じ、作業効率が低下するという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、ピッキング及び仕分け作業における待ち時間を低減し、作業効率を向上することができるピッキングシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係るピッキングシステムは、複数の品種の物品の中から、出荷する注文情報別に物品を仕分けるピッキングシステムであって、同一品種ごとに複数の物品を保管する保管部と、複数の前記注文情報を一括して前記保管部からピッキングされた物品が収納される複数の第一収納容器を搬送する搬送部と、前記搬送される第一収納容器に収納された物品を、前記注文情報別に第二収納容器に仕分ける仕分部と、前記搬送部に前記第一収納容器を配置することができる前記搬送部の空き容量、及び前記仕分部に前記第二収納容器を配置することができる前記仕分部の空き容量の少なくとも一方を取得する取得部と、前記保管部から前記第一収納容器にピッキングされる物品の品種及び数量の情報を含むピッキング情報の前記品種及び数量を、前記取得された空き容量に応じた品種及び数量に変化させて、前記ピッキング情報を送信するピッキング情報送信部とを備える。
【0009】
これによれば、搬送部又は仕分部の空き容量に応じたピッキング情報が送信される。つまり、空き容量が少なくても、ピッキングされる物品の量を少なくすることで、ピッキング作業を開始することができる。例えば、空き容量が少なければ、ピッキングされる物品の量が少なくなるようにピッキング情報が送信される。これにより、先の仕分け作業が完了するのを待つことなくピッキング作業を行うことができるため、ピッキング作業の待ち時間が低減される。また、多くの物品がピッキングされて搬送部に配置されていれば、先の仕分け作業が完了してから、すぐに次の仕分け作業を開始することができる。このように、ピッキング及び仕分け作業における待ち時間を低減し、作業効率を向上することができる。
【0010】
また、前記仕分部は、所定の個数の前記第二収納容器が配置可能な配置部を備え、前記取得部は、仕分けが完了し前記配置部から出荷された前記第二収納容器の個数であり、前記所定の個数よりも少ない仕分完了個数を前記仕分部の空き容量として取得する仕分完了個数取得部を備え、前記ピッキング情報送信部は、前記ピッキング情報の前記品種及び数量を、前記取得された前記仕分部の空き容量に応じた品種及び数量に変化させて、前記ピッキング情報を送信してもよい。
【0011】
これによれば、仕分部に配置されている全ての第二収納容器の仕分けが完了するのを待つことなく、ピッキング作業を行うことができる。従来では、例えば、仕分部に100個の第二収納容器が配置できる場合、100個全ての第二収納容器の仕分けが完了し、100個分の第二収納容器の空きが発生するまで、作業者にピッキング作業の開始を待たせていた。しかし、これによれば、例えば、50個の第二収納容器の仕分けが完了し、50個分の第二収納容器の空きが発生するとピッキング作業を開始することができるため、ピッキング及び仕分け作業の待ち時間が低減される。したがって、作業効率を向上することができる。
【0012】
また、前記搬送部は、前記第一収納容器を搬送途中で保持する中間倉庫を備え、前記取得部は、前記中間倉庫の空き容量を前記搬送部の空き容量として取得する空き容量取得部を備え、前記ピッキング情報送信部は、前記ピッキング情報の前記品種及び数量を、前記取得された空き容量に応じた品種及び数量に変化させて、前記ピッキング情報を送信してもよい。
【0013】
これによれば、搬送部は中間倉庫を備えており、中間倉庫の空き容量に応じたピッキング情報が送信される。このため、多くの物品をピッキングして、多くの第一収納容器を中間倉庫に配置しておくことができる。そして、仕分部で先の仕分け作業が完了すると、すぐに第一収納容器を中間倉庫から仕分部に搬送することができる。また、中間倉庫の空き容量の情報だけを取得することで、搬送部の空き容量を容易に把握することができる。このように、空き容量を容易に把握しつつ、ピッキング及び仕分け作業における待ち時間を低減し、作業効率を向上することができる。
【0014】
また、前記第二収納容器が配置される配置部を備える前記仕分部を複数備えるとともに、前記搬送部は、前記第一収納容器を搬送途中で保持し、それぞれの前記仕分部へ前記第一収納容器を搬送することができるように配置される中間倉庫を複数備え、前記取得部は、前記複数の仕分部それぞれについて、仕分けが完了し前記配置部から出荷された前記第二収納容器の個数である仕分完了個数を前記仕分部の空き容量として取得する仕分完了個数取得部と、前記複数の中間倉庫それぞれについて、前記中間倉庫の空き容量を前記搬送部の空き容量として取得する空き容量取得部とを備え、前記ピッキングシステムは、さらに、前記取得された複数の仕分部それぞれについての仕分完了個数のうちいずれか1つの仕分部の仕分完了個数が所定の値以上になった場合に、前記複数の中間倉庫に配置された前記第一収納容器の、前記仕分完了個数が前記所定の値以上になった仕分部への搬送開始の情報を送信する搬送情報送信部を備え、前記ピッキング情報送信部は、前記ピッキング情報の前記品種及び数量を、前記取得される中間倉庫の空き容量に応じた品種及び数量に変化させて、前記ピッキング情報を送信してもよい。
【0015】
これによれば、複数の中間倉庫は、どの仕分部へも物品を搬送することができるため、仕分けが完了した仕分部に順次物品を搬送することができる。このため、全ての中間倉庫に配置された第一収納容器を当該仕分部に搬送することができ、物品を円滑に搬送することができる。このように、さらに、物品を円滑に搬送することによって、ピッキング及び仕分け作業における待ち時間を低減し、作業効率を向上することができる。
【0016】
また、本発明は、このようなピッキングシステムとして実現できるだけでなく、そのシステムを構成する処理部をステップとする方法として実現したりすることができる。さらに、本発明は、それらステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したり、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体として実現したり、そのプログラムを示す情報、データ又は信号として実現したりすることもできる。そして、それらプログラム、情報、データ及び信号は、インターネット等の通信ネットワークを介して配信してもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、トータルピッキング方式によるピッキングシステムにおいて、ピッキング及び仕分け作業における待ち時間を低減し、作業効率を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態におけるピッキングシステム10の構成を示す図である。
【0019】
ピッキングシステム10は、注文情報別に物品を仕分けるシステムである。ここで、注文情報とは、複数の品種の物品の中から出荷するように定められた物品の品種及び数量の情報である。同図に示すように、ピッキングシステム10は、コントローラ100、ピッキング部200、搬送部300及び3台の仕分部400を備えている。
【0020】
コントローラ100は、ピッキング部200、搬送部300及び仕分部400を制御し、ピッキング及び仕分け作業における待ち時間を低減し、作業効率を向上させる装置である。
【0021】
ピッキング部200では、物品のピッキングが行われる。ピッキング部200は、保管部210とピッキング情報管理端末220とを備えている。
【0022】
保管部210は、同一品種ごとに複数の物品を保管する棚である。例えば、同図に示すように、保管部210は、品種aの物品を保管する棚Aや、品種bの物品を保管する棚Bなどを備えている。
【0023】
ピッキング情報管理端末220は、コントローラ100からのピッキング情報を受け取る。そして、この受け取られたピッキング情報に基づき、ピッキングが行われる。ここで、ピッキング情報とは、物品が保管部210から第一収納容器にピッキングされる物品の品種及び数量の情報を含む情報である。また、第一収納容器とは、複数の注文情報を一括して保管部210からピッキングされた物品が収納される容器であり、当該物品は複数の第一収納容器に収納される。具体的には、第一収納容器は、容積が60リットルの箱状のオリコンである。なお、第一収納容器の容積は60リットルに限られず、また、第一収納容器の形状も箱状に限られず、どのような容積及び形状であってもよい。
【0024】
例えば、同図に示すように、ピッキング情報管理端末220が品種aの物品を10個、品種bの物品を5個及び品種fの物品を3個ピッキングするようにピッキング情報を受け取った場合、保管部210の棚A、棚B及び棚Fから当該品種及び数量の物品がピッキングされ、第一収納容器P1に収納される。
【0025】
搬送部300は、複数の第一収納容器を搬送する。搬送部300は、搬送コンベア310及び3台の中間倉庫320を備えている。
【0026】
搬送コンベア310は、保管部210からピッキングされた物品が収納された複数の第一収納容器を搬送する。
【0027】
3台のそれぞれの中間倉庫320は、第一収納容器を搬送途中で保持する。つまり、この3台の中間倉庫320それぞれには、複数の第一収納容器(例えば、同図に示す第一収納容器P2)が配置される。なお、ここでの中間倉庫320は、簡単な構造の倉庫でよく、搬入された第一収納容器の搬出順序を自由に決めることができないような倉庫であってもよい。つまり、中間倉庫320から第一収納容器が搬出される順序に関係なく、第一収納容器に収納された物品は仕分部400で仕分けされるため、中間倉庫320には簡単な構造の安価な倉庫を使用することができる。なお、中間倉庫320は、搬入された第一収納容器を自由に搬出できる高速バケットクレーンなどの高速仕分装置でもよい。
【0028】
3台のそれぞれの仕分部400は、搬送部300が搬送する第一収納容器に収納された物品を、注文情報別に、注文情報に結び付けられた第二収納容器に仕分ける。例えば、同図に示すように、仕分部400は、搬送部300に搬送された第一収納容器P3に収納された物品を仕分ける。
【0029】
ここで、3台の中間倉庫320は、3台のそれぞれの仕分部400へ第一収納容器を搬送することができるように配置されている。
【0030】
図2は、仕分部400が物品を仕分けることを説明する図である。
仕分部400は、所定の個数の第二収納容器(例えば、同図に示す第二収納容器Q1等)が配置可能な配置部410、420を備えている。
【0031】
仕分部400は、搬送部300に搬送された第一収納容器P3に収納された物品を、第二収納容器に仕分ける。例えば、第二収納容器Q1に対応する注文情報で品種aの物品が要求されている場合、同図に示すように、第一収納容器P3に収納されていた品種aの物品が、第二収納容器Q1に仕分けられる。同様に、第二収納容器Q2に対応する注文情報で品種bの物品が要求されている場合、品種bの物品が、第二収納容器Q2に仕分けられる。
【0032】
そして、仕分けが完了した第二収納容器は、出荷のために搬出される。例えば、同図に示すように、第二収納容器Q3への仕分けが完了した場合、第二収納容器Q3が搬出される。
【0033】
図3は、本発明の実施の形態におけるコントローラ100の機能構成を示すブロック図である。
【0034】
コントローラ100は、ピッキング情報送信部110、取得部120、搬送情報送信部130、データ記憶部150、入力部160、及び表示部170を備えている。このコントローラ100は、パーソナルコンピュータ等の汎用のコンピュータシステムが実行することによって実現される。
【0035】
取得部120は、搬送部300に第一収納容器を配置することができる搬送部300の空き容量、及び仕分部400に第二収納容器を配置することができる仕分部400の空き容量の少なくとも一方を取得する。ここで、取得部120は、空き容量取得部121及び仕分完了個数取得部122を備えている。
【0036】
空き容量取得部121は、中間倉庫320の空き容量を搬送部300の空き容量として取得する。つまり、空き容量取得部121は、3台の中間倉庫320それぞれについて、空き容量を取得する。具体的には、空き容量取得部121は、3台の中間倉庫320のそれぞれから、中間倉庫320の空き容量を取得する。
【0037】
仕分完了個数取得部122は、仕分けが完了し配置部410、420から出荷された第二収納容器の個数である仕分完了個数を仕分部400の空き容量として取得する。つまり、仕分完了個数取得部122は、3台の仕分部400のそれぞれから、仕分完了個数を取得する。ここで、仕分完了個数は、配置部410、420に第二収納容器を配置することができる所定の個数よりも少ない個数である。
【0038】
ピッキング情報送信部110は、ピッキング情報に含まれる情報である品種及び数量を、取得部120が取得した空き容量に応じた品種及び数量に変化させて、当該ピッキング情報をピッキング情報管理端末220に送信する。つまり、ピッキング情報送信部110は、ピッキング情報の品種及び数量を、中間倉庫320の空き容量及び仕分部400の空き容量である仕分完了個数の少なくとも一方に応じた品種及び数量に変化させて、当該ピッキング情報を送信する。
【0039】
搬送情報送信部130は、仕分完了個数取得部122が取得した3台の仕分部400それぞれについての仕分完了個数のうち、いずれか1つの仕分部の仕分完了個数が所定の値である仕分完了個数閾値以上になった場合に、3台の中間倉庫320に配置された第一収納容器の、仕分完了個数が仕分完了個数閾値以上になった仕分部400への搬送開始の情報を搬送部300に送信する。
【0040】
データ記憶部150は、ピッキングシステムが仕分けを行うために設定されるデータである設定データ151等を記憶するハードディスク等である。
【0041】
図4は、設定データ151の一例を示す図である。
設定データ151は、設定項目及び設定データから構成されている。設定項目は、設定されるデータの項目であり、例えば、「仕分完了個数閾値」や「注文情報」などである。設定データは、設定項目ごとのデータである。
【0042】
図3に戻り、入力部160はキーボードやマウス等であり、表示部170はCRT(Cathode-Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等であり、これらは、コントローラ100とオペレータとが対話する等のために用いられる。ここでは、入力部160に設定データ151の設定データが入力され、表示部170に当該設定データが表示される。
【0043】
なお、ピッキングシステム10は、コントローラ100と、ピッキング部200、搬送部300及び仕分部400との通信等に用いられるLAN(Local Area Network)アダプタ等の通信I/F(インターフェース)部(図示せず)も備えている。
【0044】
図5は、本発明の実施の形態におけるピッキングシステム10の動作の一例を示すフローチャートである。
【0045】
まず、仕分部400の配置部410、420に配置されている全ての第二収納容器に対して、仕分けが開始される(S102)。
【0046】
次に、ピッキング情報送信部110は、設定データ151から、仕分完了個数閾値を取得する(S104)。
【0047】
そして、ピッキング情報送信部110は、仕分完了個数閾値の個数に応じた数の注文情報に基づくピッキング情報をピッキング情報管理端末220に送信する(S106)。ここで、ピッキング情報送信部110は、設定データ151から、当該ピッキング情報を取得する。
【0048】
そして、空き容量取得部121は、中間倉庫320から、中間倉庫320の空き容量を取得する(S108)。
【0049】
次に、ピッキング情報送信部110は、中間倉庫320の空き容量に応じて、ピッキング情報を変化させて、ピッキング情報管理端末220に送信する。
【0050】
具体的には、ピッキング情報送信部110は、中間倉庫320に空き容量があるか否かを判断する(S110)。
【0051】
ピッキング情報送信部110は、中間倉庫320に空き容量があると判断した場合(S110でYES)、空き容量分の物品をピッキングするように、ピッキング情報をピッキング情報管理端末220に送信する(S112)。
【0052】
ピッキング情報送信部110は、中間倉庫320に空き容量がないと判断した場合(S110でNO)、ピッキングを停止するようにピッキング情報をピッキング情報管理端末220に送信するとともに、仕分完了個数取得部122は、3台の仕分部400のそれぞれから、仕分完了個数を取得する(S114)。
【0053】
そして、搬送情報送信部130は、仕分完了個数取得部122が取得した仕分完了個数が仕分完了個数閾値以上であるか否かを判断する(S116)。
【0054】
搬送情報送信部130が、仕分完了個数が仕分完了個数閾値より少ないと判断した場合(S116でNO)、仕分けが完了した第二収納容器に収納されている物品が出荷される(S118)。
【0055】
搬送情報送信部130は、仕分完了個数のうちいずれか1つの仕分完了個数が仕分完了個数閾値以上であると判断した場合(S116でYES)、3台の中間倉庫320に配置された第一収納容器の、仕分完了個数が仕分完了個数閾値以上になった仕分部400への搬送開始の情報を搬送部300に送信する(S120)。
【0056】
そして、搬送情報送信部130は、仕分けが完了したか否かを判断する(S122)。
搬送情報送信部130は、仕分けが完了していないと判断した場合(S122でNO)、搬送開始の情報を継続して搬送部300に送付する(S120)。
【0057】
搬送情報送信部130が、仕分けが完了したと判断した場合(S122でYES)、仕分けが完了した第二収納容器に収納されている物品が出荷される(S124)。
【0058】
次に、ピッキングシステム10が物品の仕分けを行う動作を具体的に説明する。
図6及び図7は、ピッキングシステム10の動作の一例を具体的に説明する図である。
【0059】
まず、仕分部400の配置部410、420に配置されている全ての第二収納容器に対して、仕分けが開始される(図5のS102)。ここでは、それぞれの仕分部400に、100個の第二収納容器が配置されていることとする。
【0060】
次に、ピッキング情報送信部110は、設定データ151から、仕分完了個数閾値を取得する(図5のS104)。そして、ピッキング情報送信部110は、仕分完了個数閾値の個数に応じた数の注文情報に基づくピッキング情報をピッキング情報管理端末220に送信する(図5のS106)。
【0061】
ここで、仕分完了個数閾値は、3台の中間倉庫320に保管できる第一収納容器の数から決定される。ここでは、仕分完了個数閾値は、50個に設定されていることとする。つまり、ここでのピッキング情報とは、50個の第二収納容器に対応する注文情報に基づく情報である。例えば、図6に示すように、仕分部400のA部に配置されている50個の第二収納容器に仕分けられる物品が一括してピッキングされるように、ピッキング情報管理端末220にピッキング情報が送信される。そして、この一括してピッキングされる物品が収納された複数の第一収納容器は、全て3台の中間倉庫320に保管される。
【0062】
そして、このピッキング情報管理端末220に送信されたピッキング情報に従って、作業者が保管部210から、該当する物品をピッキングし、第一収納容器に収納する。例えば、同図に示すように、ピッキング情報管理端末220に、品種aの物品を100個、品種bの物品を50個及び品種fの物品を30個ピッキングするようにピッキング情報が送信された場合、作業者が、保管部210の棚A、棚B及び棚Fから当該品種及び数量の物品をピッキングし、複数の第一収納容器P1に収納する。
【0063】
このように、仕分部400の空き容量が少なくても、ピッキングされる物品の量を少なくすることで、ピッキング作業を開始することができる。つまり、仕分部400に配置されている全ての第二収納容器の仕分けが完了するのを待つことなく、ピッキング作業を行うことができる。具体的には、従来のように、100個分の第二収納容器の空きが発生するまでピッキング作業の開始を待つというようなことがなく、50個分の第二収納容器の空きが発生するとピッキング作業を開始することができる。このため、ピッキング及び仕分け作業の待ち時間が低減され、作業効率を向上することができる。
【0064】
そして、空き容量取得部121は、中間倉庫320から、中間倉庫320の空き容量を取得する(図5のS108)。そして、ピッキング情報送信部110は、中間倉庫320に空き容量があるか否かを判断し(図5のS110)、中間倉庫320に空き容量があると判断した場合(図5のS110でYES)、空き容量分の物品をピッキングするように、ピッキング情報をピッキング情報管理端末220に送信する(図5のS112)。
【0065】
つまり、ここでのピッキング情報は、中間倉庫320の空き容量に応じた情報である。同図に示すように、中間倉庫320に空き容量があれば、第一収納容器P1を中間倉庫320に搬送することができるため、作業者は、継続して保管部210から物品をピッキングすることができる。このため、空き容量取得部121は、中間倉庫320の空き容量分の物品をピッキングするように、ピッキング情報をピッキング情報管理端末220に送信する。
【0066】
このように、中間倉庫320の空き容量が大きければ、ピッキングされる時期が早くなるように、又はピッキングされる物品の量が多くなるようにピッキング情報が送信される。これにより、仕分部400での仕分け作業が完了するのを待つことなく、作業者がピッキング作業を行うことができるため、ピッキング作業の待ち時間が低減される。また、早い時期に、又は多くの物品がピッキングされて中間倉庫320に配置されていれば、仕分部400での先の仕分け作業が完了してから、すぐに次の仕分け作業を開始することができる。また、中間倉庫320の空き容量の情報だけを取得すればよいため、空き容量を容易に把握することができる。このように、空き容量を容易に把握しつつ、ピッキング及び仕分け作業における待ち時間を低減し、作業効率を向上することができる。
【0067】
このようにして、図7に示すように、ピッキング作業が行われることで、第一収納容器P1が中間倉庫320に搬送され、蓄積される。ここで、中間倉庫320に蓄積されている第一収納容器を第一収納容器P2とする。そして、ピッキング情報送信部110は、中間倉庫320に空き容量がないと判断した場合(図5のS110でNO)、ピッキングを停止するようにピッキング情報をピッキング情報管理端末220に送信するとともに、仕分完了個数取得部122は、3台の仕分部400のそれぞれから、仕分完了個数を取得する(図5のS114)。
【0068】
そして、搬送情報送信部130は、仕分完了個数取得部122が取得した仕分完了個数が仕分完了個数閾値である50個以上であるか否かを判断する(図5のS116)。搬送情報送信部130が、仕分完了個数が50個より少ないと判断した場合(図5のS116でNO)、仕分けが完了した第二収納容器に収納されている物品が出荷される(図5のS118)。
【0069】
次に、搬送情報送信部130は、複数の仕分部400それぞれについての仕分完了個数のうちいずれか1つの仕分部400の仕分完了個数が50個以上であると判断した場合(図5のS116でYES)、3台の中間倉庫320に配置された第一収納容器の、仕分完了個数が50個以上になった仕分部400への搬送開始の情報を搬送部300に送信する(図5のS120)。
【0070】
例えば、同図に示すように、3台の仕分部400のうちの1つの仕分部400のA部に配置されている第二収納容器への仕分けが完了した個数が50個であった場合、3台の中間倉庫320に配置された第一収納容器P2が、当該仕分部400へ搬送されるように、搬送開始の情報が搬送部300に送信される。これにより、3台の中間倉庫320に配置された第一収納容器P2が、搬送コンベア310により当該仕分部400へ搬送される。ここでは、当該仕分部400へ搬送された第一収納容器を、第一収納容器P3として図示している。
【0071】
そして、仕分部400にて第二収納容器への仕分けが行われ、搬送情報送信部130は、仕分けが全て完了したか否かを判断する(図5のS122)。搬送情報送信部130は、仕分けが完了していないと判断した場合(図5のS122でNO)、搬送開始の情報を継続して搬送部300に送付する(図5のS120)。搬送情報送信部130が、仕分けが完了したと判断した場合(図5のS122でYES)、仕分けが完了した第二収納容器に収納されている物品が出荷される(図5のS124)。
【0072】
このように、仕分完了個数閾値に対応した数の注文情報ごとに、一括して仕分けが行われる。そして、例えば、一括して仕分けが行われる注文情報の数を中間倉庫320の空き容量に対応した数にすることで、中間倉庫320から仕分部400への第一収納容器の搬送が待ち時間なく行われる。また、3台の中間倉庫320は、どの仕分部400へも物品を搬送することができるため、仕分けが完了した仕分部400に順次物品を搬送することができる。このため、全ての中間倉庫320に配置された第一収納容器を当該仕分部400に搬送することができ、物品を円滑に搬送することができる。
【0073】
以上のように、本発明に係るピッキングシステム10によれば、ピッキング及び仕分け作業における待ち時間を低減し、作業効率を向上することができる。
【0074】
以上、本発明に係るピッキングシステム10について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
【0075】
つまり、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0076】
例えば、本実施の形態では、ピッキングシステム10は中間倉庫320を備え、空き容量取得部121は、中間倉庫320の空き容量を取得することとした。しかし、ピッキングシステム10は中間倉庫320を備えず、空き容量取得部121は、搬送コンベア310の空き容量を取得することにしてもよい。
【0077】
また、本実施の形態では、仕分完了個数閾値は、3台の中間倉庫320に保管できる第一収納容器の数から決定されることとした。しかし、仕分完了個数閾値は作業者が任意に決定する値でよい。例えば、仕分完了個数閾値が大きく第一収納容器が全て3台の中間倉庫320に保管できない場合は、いずれかの中間倉庫320に空きが生じた場合に、ピッキングが再開されることにしてもよい。
【0078】
また、本実施の形態では、仕分部400の仕分完了個数閾値に対応したピッキング情報に基づいて、ピッキングが行われることにした。しかし、ピッキング情報は、当該閾値よりも少ない容量、又はピッキングが行われる間に空くことが見込まれる容量を現在の閾値に加算した容量に応じて定められてもよい。
【0079】
また、本実施の形態では、中間倉庫320の空き容量に対応したピッキング情報に基づいて、ピッキングが行われることにした。しかし、ピッキング情報は、当該空き容量よりも少ない容量、又はピッキングが行われる間に空くことが見込まれる容量を現在の空き容量に加算した容量に応じて定められてもよい。また、予め定められた閾値の空き容量に対応したピッキング情報に基づいて、当該空き容量が当該閾値になるまで、ピッキング作業を待機することにしてもよい。この場合、作業者に少しの待ち時間が生ずることになるが、従来と比べると待ち時間を低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、複数の品種の物品の中から、出荷する注文情報別に物品を仕分けるピッキングシステムとして、特に、ピッキング及び仕分け作業における待ち時間を低減し、作業効率を向上することができるピッキングシステムとして、利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施の形態におけるピッキングシステムの構成を示す図である。
【図2】仕分部が物品を仕分けることを説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるコントローラの機能構成を示すブロック図である。
【図4】設定データの一例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるピッキングシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】ピッキングシステムの動作の一例を具体的に説明する図である。
【図7】ピッキングシステムの動作の一例を具体的に説明する図である。
【符号の説明】
【0082】
10 ピッキングシステム
100 コントローラ
110 ピッキング情報送信部
120 取得部
121 空き容量取得部
122 仕分完了個数取得部
130 搬送情報送信部
150 データ記憶部
151 設定データ
160 入力部
170 表示部
200 ピッキング部
210 保管部
220 ピッキング情報管理端末
300 搬送部
310 搬送コンベア
320 中間倉庫
400 仕分部
410、420 配置部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の品種の物品の中から、出荷する注文情報別に物品を仕分けるピッキングシステムであって、
同一品種ごとに複数の物品を保管する保管部と、
複数の前記注文情報を一括して前記保管部からピッキングされた物品が収納される複数の第一収納容器を搬送する搬送部と、
前記搬送される第一収納容器に収納された物品を、前記注文情報別に第二収納容器に仕分ける仕分部と、
前記搬送部に前記第一収納容器を配置することができる前記搬送部の空き容量、及び前記仕分部に前記第二収納容器を配置することができる前記仕分部の空き容量の少なくとも一方を取得する取得部と、
前記保管部から前記第一収納容器にピッキングされる物品の品種及び数量の情報を含むピッキング情報の前記品種及び数量を、前記取得された空き容量に応じた品種及び数量に変化させて、前記ピッキング情報を送信するピッキング情報送信部と
を備えるピッキングシステム。
【請求項2】
前記仕分部は、所定の個数の前記第二収納容器が配置可能な配置部を備え、
前記取得部は、仕分けが完了し前記配置部から出荷された前記第二収納容器の個数であり、前記所定の個数よりも少ない仕分完了個数を前記仕分部の空き容量として取得する仕分完了個数取得部を備え、
前記ピッキング情報送信部は、前記ピッキング情報の前記品種及び数量を、前記取得された前記仕分部の空き容量に応じた品種及び数量に変化させて、前記ピッキング情報を送信する
請求項1に記載のピッキングシステム。
【請求項3】
前記搬送部は、前記第一収納容器を搬送途中で保持する中間倉庫を備え、
前記取得部は、前記中間倉庫の空き容量を前記搬送部の空き容量として取得する空き容量取得部を備え、
前記ピッキング情報送信部は、前記ピッキング情報の前記品種及び数量を、前記取得された空き容量に応じた品種及び数量に変化させて、前記ピッキング情報を送信する
請求項1又は請求項2に記載のピッキングシステム。
【請求項4】
前記第二収納容器が配置される配置部を備える前記仕分部を複数備えるとともに、
前記搬送部は、前記第一収納容器を搬送途中で保持し、それぞれの前記仕分部へ前記第一収納容器を搬送することができるように配置される中間倉庫を複数備え、
前記取得部は、
前記複数の仕分部それぞれについて、仕分けが完了し前記配置部から出荷された前記第二収納容器の個数である仕分完了個数を前記仕分部の空き容量として取得する仕分完了個数取得部と、
前記複数の中間倉庫それぞれについて、前記中間倉庫の空き容量を前記搬送部の空き容量として取得する空き容量取得部とを備え、
前記ピッキングシステムは、さらに、
前記取得された複数の仕分部それぞれについての仕分完了個数のうちいずれか1つの仕分部の仕分完了個数が所定の値以上になった場合に、前記複数の中間倉庫に配置された前記第一収納容器の、前記仕分完了個数が前記所定の値以上になった仕分部への搬送開始の情報を送信する搬送情報送信部を備え、
前記ピッキング情報送信部は、前記ピッキング情報の前記品種及び数量を、前記取得される中間倉庫の空き容量に応じた品種及び数量に変化させて、前記ピッキング情報を送信する
請求項1に記載のピッキングシステム。
【請求項5】
複数の品種の物品の中から、出荷する注文情報別に物品を仕分けるピッキングシステムを制御するためのプログラムであって、
同一品種ごとに複数の物品を保管する保管部と、複数の前記注文情報を一括して前記保管部からピッキングされた物品が収納される複数の第一収納容器を搬送する搬送部と、前記搬送される第一収納容器に収納された物品を前記注文情報別に第二収納容器に仕分ける仕分部とを備えた前記ピッキングシステムで、
前記搬送部に前記第一収納容器を配置することができる前記搬送部の空き容量、及び前記仕分部に前記第二収納容器を配置することができる前記仕分部の空き容量の少なくとも一方を取得する取得ステップと、
前記保管部から前記第一収納容器にピッキングされる物品の品種及び数量の情報を含むピッキング情報の前記品種及び数量を、前記取得された空き容量に応じた品種及び数量に変化させて、前記ピッキング情報を送信するピッキング情報送信ステップと
をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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