説明

ピッキング設備

【課題】本発明は、作業が無い作業者を無くし、さらに連続ピッキング作業を可能としたピッキング設備を提供することを目的とする。
【解決手段】複数の品目の物品2が収納され、複数の店舗から注文された品目の物品2がピッキングされる複数のピッキングゾーン12,13と、物品2を搬送する物品搬送装置1と、各ゾーン12,13毎に設けられ、ゾーン12,13においてピッキングされて投入された物品2を順に物品搬送装置1へ払い出す物品投入コンベヤ装置17と、各物品投入コンベヤ装置17よりそれぞれ物品搬送装置1へ払い出された物品2を、物品搬送装置1より前記店舗毎に仕分ける仕分けシュート5が備えられ、各ゾーン12,13における物品2のピッキングおよび物品投入コンベヤ装置17への投入は、予め設定された店舗の順に各ゾーン12,13で独立して連続実行される構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピッキング対象の物品を、仕分け先からの注文に応じてピッキングするピッキング設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の上記ピッキング設備の一例が、例えば特許文献1に開示されている。
この特許文献1に開示のピッキング設備(システム)は、出荷頻度(高頻度および低頻度)の異なる物品(アイテム)をそれぞれ保管してピッキングするエリア(高頻度保管棚を有する高頻度エリア、及び低頻度保管棚を有する低頻度エリア)を有する複数のゾーン(例えば、ゾーン1、ゾーン2、ゾーン3)と、出荷先毎の複数の物品収納容器(集品箱)を搬送するメインコンベヤとを備え、メインコンベヤは、各出荷先からの注文データに基づいて、物品収納容器を複数のゾーンのうち所定のゾーンを選択的にバイパスさせピッキング作業が実行されるように構成されている。
【0003】
また前記各ゾーン1〜3の高頻度保管棚に、それぞれ例えば同一の高頻度物品A,B,Cが格納され、各物品A,B,C毎にそれぞれ作業者が配置されている。またゾーン1の低頻度保管棚に、例えば低頻度物品P,Qが格納され、これら低頻度物品P,Qに一人の作業者が配置され、またゾーン2の低頻度保管棚に例えば低頻度物品R,Sが格納され、これら低頻度物品R,Sに一人の作業者が配置され、さらにゾーン3の低頻度保管棚3に例えば低頻度物品T,Uが格納され、これら低頻度物品T,Uに一人の作業者が配置されている。このように各ゾーン1〜3には、4人の作業者が配置されている。そして、これら作業者は、保管棚に指示されたピッキング情報に基づいて高頻度物品A〜C及び低頻度物品P,QまたはR,SまたはT,Uをそれぞれピッキングし、順次所定の物品収納容器内に投入し、ピッキング作業を終了する。
【特許文献1】特開2005−247554号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のピッキング設備では、各ゾーンにおいて複数の作業者がピッキング作業を実行しているが、高頻度物品をピッキングする作業者と低頻度物品をピッキングする作業者の作業量に不均等が生じやすく、作業が無い作業者が発生し、作業者の負担にアンバランスが生じるという問題があった。また物品収納容器が搬送されてくる毎にピッキング作業を実行する方法であるため、連続してピッキング作業を行うことができないという課題があった。
【0005】
そこで、本発明は、作業が無い作業者を無くし、作業者全体の負担のバランスを取ることができ、さらに連続ピッキング作業を可能としたピッキング設備を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、複数の品目の物品が収納され、複数の仕分け先から要求された品目の物品がピッキングされる複数のピッキングゾーンと、前記物品を搬送する主搬送経路と、前記各ピッキングゾーン毎に設けられ、前記ピッキングゾーンにおいてピッキングされた物品の投入部、前記投入部へ投入された物品を順送りし蓄積する複数のストレージ部、および前記ストレージ部から搬出された物品を前記主搬送経路へ投入する取出部から構成され、前記取出部より物品を前記主搬送経路へ投入すると、あるいは取出部に物品が存在しないときに、前記投入部に投入された物品を複数のストレージ部を順送りし、前記取出部まで搬送する投入経路と、前記各投入経路よりそれぞれ前記主搬送経路へ投入された物品を、前記主搬送経路より前記仕分け先毎に仕分ける複数の分岐経路が備えられ、前記各ピッキングゾーンにおける前記物品のピッキング、および前記投入経路の投入部への投入はそれぞれ、予め設定されたピッキング作業順に各ピッキングゾーンで独立して連続実行されることを特徴とするものである。
【0007】
上記構成によれば、各ピッキングゾーンでは、物品のピッキング作業がピッキング作業順、例えば仕分け先順に、他のピッキングゾーンとは独立して連続実行され、ピッキングされた物品は、投入経路の投入部へ投入され、複数のストレージ部を介して取出部まで搬送される。そして、取出部まで搬送された物品は、取出部より主搬送経路へ投入され、主搬送経路により搬送される。そして、主搬送経路より搬送された物品は、仕分け先毎の分岐経路へ分岐される。
【0008】
このように、仕分け先順に、各ピッキングゾーンにおいてピッキング作業が実行されるが、特定の仕分け先から要求された物品が無いピッキングゾーンが存在する。この要求物品が無いピッキングゾーンでは、他のピッキングゾーンでは前記特定の仕分け先から要求された物品がピッキングされているとき、次の仕分け先のピッキング作業が実行される。したがって、特定の仕分け先から要求された物品が無いピッキングゾーンでも連続ピッキング作業が実行され、仕分け先が異なる物品が主搬送経路の前後に混在することになるが、分岐経路で、仕分け先毎に分岐することにより、仕分け先毎に物品は分岐される。
【0009】
またどのピッキングゾーンでも、連続ピッキング作業が実行されることにより、作業が無い作業者が無くなり、作業者全体の負担のバランスが取られる。また各ピッキングゾーン間での連携なしにピッキング作業が各ピッキングゾーンで独自に実行されることにより、各ピッキングゾーンで発生した遅滞が他のピッキングゾーンに影響を与えることが防止される。
【0010】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記ピッキングゾーンは、殆どの前記仕分け先から要求がある出荷頻度の高い高頻度の品目の物品が収納され、ピッキングされる高頻度ピッキングゾーンと、各高頻度ピッキングゾーンでピッキングされる物品より出荷頻度が低い低頻度の品目の物品が、高頻度との頻度差に基づいて高頻度ピッキングゾーンの品目のN(2以上の整数)倍収納され、ピッキングされる低頻度ピッキングゾーンから構成され、前記各ピッキングゾーンは、一人の作業者により前記ピッキングの作業が実行されることを特徴とするものである。
【0011】
上記構成によれば、各高頻度ピッキングゾーンと低頻度ピッキングゾーンでは、一人の作業者によりピッキング作業が実行される。このとき、低頻度ピッキングゾーンの物品の品目は、高頻度との頻度差に基づいて高頻度ピッキングゾーンのN倍とされていることにより、各ピッキングゾーンでのピッキング量は均等となり、ピッキング作業は連続して実行され、作業者全体の負担のバランスが取られる。
【0012】
また請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明であって、前記主搬送経路へ前記物品を収納する物品収納容器を投入する投入手段を備え、前記仕分け先毎に、仕分け先に割り付けられた前記分岐経路への物品の仕分けより以前に、前記投入手段により前記主搬送経路へ投入された前記物品収納容器が仕分けられることを特徴とするものである。
【0013】
上記構成によれば、主搬送経路に投入手段により投入された物品収納容器が、物品の仕分け以前に、仕分け先毎に分岐経路に仕分けられ、分岐経路の経路の終端に物品収納容器が搬送される。そして物品収納容器に続いて、物品が仕分け先毎に分岐経路に仕分けられる。よって、先に仕分けられた物品収納容器に後に仕分けられた物品を収納することにより、仕分け先の要求による物品が収納された物品収納容器が形成される。
【0014】
また請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明であって、前記仕分け先毎に、前記物品収納容器に続き前記分岐経路への前記物品の仕分けが終了すると、新たに前記投入手段により次の仕分け先用の物品収納容器が前記主搬送経路へ投入されることを特徴とするものである。
【0015】
上記構成によれば、分岐経路において物品収納容器に続いて物品の仕分けが終了すると、この分岐経路には次の仕分け先が設定され、投入手段により次の仕分け先用の物品収納容器が主搬送経路へ投入され前記分岐経路へ仕分けられる。この次の仕分け先用の物品収納容器が分岐経路へ仕分けられるまでは、次の仕分け先向けにピッキングされ主搬送経路へ投入された物品は、仕分けられることはない。
【0016】
また請求項5に記載の発明は、請求項3または請求項4に記載の発明であって、前記物品収納容器のサイズが、各仕分け先から要求された物品の容積に基づいて選択され、この選択されたサイズの物品収納容器が前記投入手段により前記主搬送経路に投入されることを特徴とするものである。
【0017】
上記構成によれば、仕分け先別に要求された物品の容積に合った物品収納容器のサイズが選択され、仕分け先により要求された物品が、サイズに合わせた物品収納容器に投入される。
【0018】
また請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の発明であって、前記主搬送経路は、周回経路を形成し、前記分岐経路へ仕分けられなかった物品は、前記周回経路を周回することを特徴とするものである。
【0019】
上記構成によれば、分岐経路に仕分け先が未だ割り付けられてない状態で主搬送経路へ投入された物品は周回経路を周回し、または分岐経路に仕分け先が割り付けられてはいるが仕分け先用の物品収納容器が未だ分岐経路へ仕分けられていない状態のとき、主搬送経路へ投入された物品は周回経路を周回し、戻ってから仕分けが実行される。
【発明の効果】
【0020】
本発明のピッキング設備は、各ピッキングゾーンにおける物品のピッキング、および投入経路への投入がピッキング作業順に各ピッキングゾーンで独立して連続実行されることにより、各ピッキングゾーンでの連続ピッキング作業を実現でき、よって作業が無い作業者が無くなり、作業者全体の負担のバランスを取ることができ、また各ピッキングゾーンで発生した遅滞が他のピッキングゾーンに影響を与えることを防止できる、という効果を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態におけるピッキング設備の構成図である。
図1において、1はピッキングされた物品2を搬送する主搬送経路および周回経路iを形成する物品搬送装置であり、この物品搬送装置1はベルト送出式(台車型)自動仕分装置から構成されている。すなわち、図2に示すように、周回経路i上を互いに連結された状態でA方向へ走行し、走行するA方向に対して左横方向に物品2を搬出するベルトコンベヤ装置3を上面に設けた複数の走行台車4を備え、走行台車4上のベルトコンベヤ装置3の駆動により、物品2はA方向に対して右方向に開口した仕分けベルトコンベヤ装置5に払い出すように構成されている。また各走行台車4にはそれぞれ、独自のナンバー(走行台車を特定する情報の一例)が付されている。
【0022】
仕分けベルトコンベヤ装置5はA方向に対して横方向に複数(図1では7本)、並列して設けられ、各仕分けベルトコンベヤ装置5には連続して仕分けられた物品2を搬送する傾斜付き連接ベルトコンベヤ装置6が連結され、各連接べルトコンベヤ装置6の下流端には、物品2を物品収納容器(物品2を収納する容器)22へ収納し梱包する梱包作業を行う作業者Pが配置されている。上記仕分けベルトコンベヤ装置5と連接べルトコンベヤ装置6により分岐経路が形成され、複数の分岐経路により分岐エリア7が形成されている。また各連接べルトコンベヤ装置6の下流端には、梱包が終了した物品収納容器22を、例えば出荷場へ搬出する搬出コンベヤ装置9が設けられている。また連接べルトコンベヤ装置6は、傾斜コンベヤ6aと水平コンベヤ6bとの組合せにより形成されている。
【0023】
また走行台車4の周回経路iに沿って、すなわち主搬送経路に沿って、店舗(仕分け先の一例)から注文(要求の一例)された物品2をピッキングするピッキング作業が実行されるピッキングエリア11が形成され、ピッキングエリア11は、殆どの出荷先から注文がある出荷頻度の高い高頻度の品目の物品2が複数収納された複数(図1では6ゾーン)の高頻度ピッキングゾーン12と、高頻度ピッキングゾーン12に収納された物品2より出荷頻度が低い低頻度の品目の物品2が収納された複数(図1では3ゾーン)の低頻度ピッキングゾーン13から構成されており、各ピッキングゾーン12,13は、一人の作業者Pにより所定時間内に所定数量のピッキング作業が実行可能な物品2の品目数に限定されている。また低頻度ピッキングゾーン13には、高頻度との頻度差に基づいて高頻度ピッキングゾーン12の物品2の品目のN(2以上の整数)倍の品目が収納されている。
【0024】
また各ピッキングゾーン12,13にはそれぞれ、物品2をそれぞれ収納する複数のラック(間口、物品収納部;図示せず)が設けられ、各ラックにはピッキング表示器15(図3)が設けられている。ピッキング表示器15には、ピッキングする物品2の数量を示す複数桁(例えば、2桁)のディジタル表示器15a(図3)と、ピッキングする物品2があることを表示する表示ランプと作業終了時に操作するボタンスイッチを兼ねた表示/完了ボタン15b(図3)が設けられている。
【0025】
また各ピッキングゾーン12,13毎に、これらゾーン12,13からピッキングされた物品2が投入され、走行台車4の周回経路iまで搬送される物品投入コンベヤ装置(投入経路の一例)17が設けられている。この物品投入コンベヤ装置17は、アキュムレーションコンベヤ装置から構成され、ゾーン12,13においてピッキングされた物品2の投入部、前記投入部へ投入された物品2を順送りし蓄積する複数のストレージ部、および前記ストレージ部から搬出された物品2を周回経路(主搬送経路)iへ投入する取出部を有し、前記取出部から物品2を周回経路iへ切り出すと(投入すると)、あるいは取出部に物品2が存在しないときに、投入部に投入された物品2を複数のストレージ部を順送りし、取出部まで搬送する構成とされている。また切り出した物品2と走行台車4のナンバーを関連づける(紐付けする)ために、各物品投入コンベヤ装置17の取出部には、物品2のバーコード(物品を特定する情報の一例)を読み取るバーコードリーダ18が設けられている。
【0026】
そして物品投入コンベヤ装置17は、取出部への物品2の到達を確認すると、後述する合流・分岐コントローラ32へ物品2の投入要求信号(バーコードリーダ18により検出された物品2のバーコードデータを含む)を出力し、これに応答して合流・分岐コントローラ32より投入指令信号を入力すると、取出部上の物品2を、走行台車4のベルトコンベヤ装置3上へ切り出す。合流・分岐コントローラ32は物品投入コンベヤ装置17より前記投入要求信号を入力すると、空き(物品2または物品収納容器22を載せていない)の走行台車4を探して、前記投入指令信号を物品投入コンベヤ装置17へ出力する。
【0027】
また分岐エリア7とピッキングエリア11との間には、走行台車4の周回経路iに沿って、すなわち主搬送経路に沿って、梱包箱投入エリア21が形成されている。この梱包箱投入エリア21は、標準サイズの物品収納容器22を走行台車4のベルトコンベヤ装置3へ投入する複数本(図1では2本)の標準容器投入コンベヤ装置(投入手段の一例)23と、標準サイズより容量が大きい物品収納容器22を走行台車4のベルトコンベヤ装置3へ投入する大容量容器投入コンベヤ装置(投入手段の一例)24と、標準サイズより容量が小さい物品収納容器22を走行台車4のベルトコンベヤ装置3へ投入する小容量容器投入コンベヤ装置(投入手段の一例)25から構成されている。これら物品収納容器22は、例えば、ダンボールやコンテナから構成され、各物品収納容器22には予め、容器を特定するバーコード(物品収納容器22を特定する情報の一例)が付されており、各物品収納容器22はこのバーコードにより管理され、店舗が割り当てられる。なお、容器投入コンベヤ装置23,24,25は、上記物品投入コンベヤ装置17と同様に、アキュムレーションコンベヤ装置から構成され、各サイズの物品収納容器22が取出部、複数のストレージ部に蓄積されている。また切り出した物品収納容器22と走行台車4のナンバーを関連づける(紐付けする)ために、各容量投入コンベヤ装置23,24,25の取出部には、物品収納容器22のバーコードを読み取るバーコードリーダ26が設けられている。
【0028】
前記取出部から走行台車4のベルトコンベヤ装置3への物品収納容器22の投入は、後述する統括コントローラ35の投入指令信号に応じて各容器投入コンベヤ装置23,24,25から出力される投入要求信号(バーコードリーダ26により検出された物品収納容器22のバーコードデータを含む)が後述する合流・分岐コントローラ32へ出力され、これに応答した合流・分岐コントローラ32からの投入指令信号により実行される。合流・分岐コントローラ32は各容器投入コンベヤ装置23,24,25より前記投入要求信号を入力すると、空きの走行台車4を探して、物品収納容器22の投入を指令する投入指令信号を出力する。
【0029】
図3にピッキング設備の制御構成図を示す。
31は、各ピッキングゾーン12,13毎に設けられ各ラックに設けたピッキング表示器15を制御するピッキングコントローラ、32は物品2および物品収納容器22を走行台車4へ投入する合流制御を行い、走行台車4のベルトコンベヤ装置3を駆動して、物品2または物品収納容器22を仕分けベルトコンベヤ装置5へ仕分ける合流・分岐コントローラ(合流・分岐手段)、35はこれらコントローラ31,32を統括制御し、各容器投入コンベヤ装置23,24,25を制御する統括コントローラである。各コントローラについて説明する。
「ピッキングコントローラ31」
各ピッキングコントローラ31には、担当のゾーン12または13のラックに収納されている物品2のデータが予め設定されており、統括コントローラ35と、担当するゾーン12または13の全てのピッキング表示器15(ディジタル表示器15aおよび表示/完了ボタン15b)が接続されている。
【0030】
ピッキングコントローラ31は、まず統括コントローラ35より後述するピッキングデータ(各店舗毎に注文された物品2の品目および数量からなるデータ)を入力すると、入力した店舗順(ピッキング作業順に相当する)に、ピッキングデータを記憶する。
【0031】
またピッキングコントローラ31は、統括コントローラ35から後述するピッキング開始信号を入力すると、入力した店舗順に、ピッキングする物品2のデータによりこの物品2が収納されているラックを検索し、検索したラックのピッキング表示器15の表示/完了ボタン15bのランプを点灯し、ディジタル表示器15aにピッキングする物品の数量を表示する。そして、表示/完了ボタン15bの操作信号によりこの表示/完了ボタン15bを設けたラックにおけるピッキング作業が終了と判断し、ディジタル表示器15aおよび表示/完了ボタン15bの表示を消灯する。そして、店舗の全てのピッキング作業が終了したことを確認すると(ピッキングするラックの表示/完了ボタン15bの操作信号を全て入力したことを確認すると)、次の店舗のピッキングデータに基づいて次のピッキング表示器15への表示を行う。
【0032】
これにより入力した店舗順、かつ店舗毎に物品2がピッキングされ、ピッキングされた物品2は物品投入コンベヤ装置17の投入部へ投入される。
「合流・分岐コントローラ32」
合流・分岐コントローラ32には、各走行台車4、ピッキングエリア11の各ゾーン12,13毎の物品投入コンベヤ装置17、および梱包箱投入エリア21の各容器投入コンベヤ装置23,24,25が接続されている。また合流・分岐コントローラ32は、物品搬送装置1の各走行台車4毎に、走行台車4の走行位置とベルトコンベヤ装置3上の物品2または物品収納容器22の有無(在荷データ)からなる走行台車データ(図4)を管理している。上記走行位置は、特定の走行台車4が周回経路iの特定点(以下、原点と称す)を通過した時点からの周回経路i上の位置として求める。例えば、原点を通過した時点から、この特定の走行台車4を支持するローラの回転数をパルスエンコーダにより測定し、この測定したパルスを積算することにより、特定の走行台車4の前記原点からの走行位置を求める(走行位置は、パルス数により表される)。他の走行台車4の走行位置は、特定の走行台車4との距離(予め設定されるパルス数)で求められる。また各物品投入コンベヤ装置17の位置、梱包箱投入エリア21の各容器投入コンベヤ装置23,24,25の位置、および各仕分けベルトコンベヤ装置5の位置も、原点からのパルス数で表すことができ、これらパルス数と走行台車4のパルス数が一致したときに、走行台車4が前記位置へ到達したと判断できる。
【0033】
合流・分岐コントローラ32は、4つの機能を有している。
イ.前記ピッキングエリア11の各物品投入コンベヤ装置17より前記投入要求信号(バーコードリーダ18により検出された物品2のバーコードデータを含む)を入力すると、入力する毎に前記走行台車データにおいて近接する空きの走行台車4を検索して確保し、この空きの走行台車4が、投入要求信号を出力した物品投入コンベヤ装置17の位置へ到達すると、投入指令信号を出力し、走行台車データを更新する(物品2を投入した走行台車4に物品2のバーコードデータを記憶する)。
【0034】
ロ.前記梱包箱投入エリア21の容器投入コンベヤ装置23または24または25より前記投入要求信号(バーコードリーダ26により検出された物品収納容器22のバーコードデータを含む)を入力すると、入力する毎に前記走行台車データにおいて近接する空きの走行台車4を検索して確保し、この空きの走行台車4が、投入要求信号を出力した容器投入コンベヤ装置23または24または25の位置へ到達すると、これら容器投入コンベヤ装置23または24または25へ投入指令を出力し、走行台車データを更新する(物品収納容器22を投入した走行台車4に物品収納容器22のバーコードデータを記憶する)。
【0035】
ハ.後述する統括コントローラ35より容器仕分けデータ(仕分けベルトコンベヤ装置5と物品収納容器22のバーコードデータからなる仕分けデータ)を入力すると、この容器仕分けデータの物品収納容器22のバーコードデータにより前記走行台車データを検索して物品収納容器22を搭載している走行台車4のナンバーを求め、このナンバーの走行台車4が、前記容器仕分けデータの仕分けベルトコンベヤ装置5位置に到達すると、走行台車4へベルトコンベヤ装置3の駆動信号を出力して物品収納容器22を仕分けベルトコンベヤ装置5へ払い出し、物品収納容器22の容器仕分け終了信号(物品収納容器22のバーコードデータを含む)を統括コントローラ35へ出力し、走行台車データを更新する(物品収納容器22を払い出した走行台車4を在荷無しとする)。
【0036】
ニ.後述する統括コントローラ35より物品仕分けデータ(仕分けベルトコンベヤ装置5と注文された複数の数量分の物品2のバーコードデータからなる仕分けデータ)を入力すると、物品仕分けデータの各物品2のバーコードデータにより前記走行台車データを検索してこの物品2を搭載しているそれぞれの走行台車4のナンバーを求め、それぞれのナンバーの走行台車4が、前記物品仕分けデータの仕分けベルトコンベヤ装置5位置に到達すると、走行台車4へベルトコンベヤ装置3の駆動信号を出力して物品2を仕分けベルトコンベヤ装置5へ払い出し、払い出した物品2の物品仕分け終了信号(物品2のバーコードデータを含む)を統括コントローラ35へ出力し、走行台車データを更新する(物品2を払い出した走行台車4を在荷無しとする)。
「統括コントローラ35」
統括コントローラ35には、ピッキングエリア11の各ピッキングコントローラ31、合流・分岐コントローラ32、梱包箱投入エリア21の容器投入コンベヤ装置23,24,25が接続されており、予め物品2を仕分けて出荷する店舗のリストが設定され、各店舗から物品2の品目および数量からなる注文データが入力される。また、統括コントローラ35にはピッキングエリア11の各ピッキングゾーン12,13に保管される物品2の品目が予め設定され、さらに各物品2の品目毎に物品2が占める容量kが予め設定されているものとする。また一例として、各高頻度ピッキングゾーン12に保管される物品2の品目を5種(6ゾーンで30種;物品[1]〜物品[30])、各低頻度ピッキングゾーン13に保管される物品2の品目を20種(3ゾーンで60種;物品[31]〜物品[90])としている。
【0037】
統括コントローラ35は、図3に示すように、全体制御部41と、後述する注文リスト(図5)を記憶する注文リスト記憶部42と、後述する店舗別収納容器−仕分けベルトコンベヤ装置リスト(図6)を記憶する店舗別収納容器−仕分けベルトコンベヤ装置リスト記憶部43と、物品収納容器制御部44と、仕分け制御部45から構成されている。各制御部41,44,45について説明する。
*全体制御部41
全体制御部41は、ピッキング作業開始前に実行する3つの機能を有している。
【0038】
イ.各店舗から物品2の品目および数量からなる注文データが入力されると、入力された注文データにしたがって各ゾーン12,13毎に、図5に示すように、各店舗と注文された物品2の品目および数量からなる注文リストを形成して注文リスト記憶部42へ記憶し、前記注文リストの各ゾーン12,13毎に各店舗と注文された物品2の品目および数量からなるピッキングデータを形成する。
【0039】
ロ.形成した注文リストから、店舗毎に、式(1)に示すように、注文された物品2の容量kiに数量miを乗算して物品2毎の容積を演算し、注文された全物品2の容積を加算して、各店舗から注文された品目数nの物品2が占める容積Kを演算する。
【0040】
K=k×m+k×m+…+k×m …(1)
そして各店舗の容積Kにより、各店舗に割り当てる物品収納容器22を、標準容器とするか、大容量容器とするか、小容量容器とするかを判断し、判断した結果を、図6に示すように店舗別収納容器−仕分けベルトコンベヤ装置リストのデータとして店舗別収納容器−仕分けベルトコンベヤ装置リスト記憶部43へ記憶する。店舗別収納容器−仕分けベルトコンベヤ装置リストは、店舗別に、判断された物品収納容器22のサイズ、仕分ける仕分けベルトコンベヤ装置5のナンバー、仕分ける物品収納容器22のバーコードデータから形成される。
【0041】
ハ.ピッキング作業開始に伴い、各ゾーン12,13のピッキングコントローラ31へ前記ピッキングデータおよびピッキング開始信号を出力し、各ピッキングコントローラ31、物品収納容器制御部44、および仕分け制御部45へピッキング開始信号を出力する。
*物品収納容器制御部44
物品収納容器制御部44は、全体制御部41よりピッキング開始信号を入力すると、各仕分けベルトコンベヤ装置5に店舗を割り当て、店舗別収納容器−仕分けベルトコンベヤ装置リスト記憶部43に記憶し、続いてこれら仕分けベルトコンベヤ装置5へ割り当てた店舗に必要な物品収納容器22の容器サイズを、店舗別収納容器−仕分けベルトコンベヤ装置リスト記憶部43により確認する。そして確認した容器サイズに該当する物品収納容器22を搬送する容器投入コンベヤ装置23または24または25へ、周回経路iへ物品収納容器22を投入する投入指令を出力する。
【0042】
最初は、仕分けベルトコンベヤ装置5の数が7本なので、各仕分けベルトコンベヤ装置5を最初の7つの店舗にそれぞれ割り当て、仕分け制御部45より後述する仕分け終了信号(店舗情報を含む)を確認すると、この信号を確認した店舗に割り当てられた仕分けベルトコンベヤ装置5へ新たに次の店舗を割り当て、店舗別収納容器−仕分けベルトコンベヤ装置リスト記憶部43に記憶し、同じく仕分けベルトコンベヤ装置5へ割り当てた店舗に必要な物品収納容器22の容器サイズを、店舗別収納容器−仕分けベルトコンベヤ装置リスト記憶部43より確認して、確認した容器サイズの物品収納容器22を投入する容器投入コンベヤ装置23または24または25へ、周回経路iへ物品収納容器22を投入する投入指令を出力する。
【0043】
そして各容器投入コンベヤ装置23または24または25から、投入指令に応じて投入した物品収納容器22のバーコードデータを入力すると、これを店舗別収納容器−仕分けベルトコンベヤ装置リスト記憶部43へ記憶する。これにより、仕分けベルトコンベヤ装置5のナンバーと物品収納容器22のバーコードデータが関連付けられる。
*仕分け制御部45
仕分け制御部45は、全体制御部41よりピッキング開始信号が入力されると、図5の注文リスト記憶部42に記憶された注文リストと、図6の店舗別収納容器−仕分けベルトコンベヤ装置リスト記憶部43に記憶された店舗別収納容器−仕分けベルトコンベヤ装置リストにしたがって、仕分けベルトコンベヤ装置5が割り当てられ物品収納容器22のバーコードデータが記憶された店舗毎に、仕分けベルトコンベヤ装置5と物品収納容器22のバーコードデータと注文された数量分の物品2のバーコードデータからなる仕分けデータ(図7)を形成する。
【0044】
そして、各店舗毎に以下の動作を実行する。
仕分けデータが形成されると、仕分けデータのうち仕分けベルトコンベヤ装置5と物品収納容器22のバーコードデータからなる容器仕分けデータを形成し、この容器仕分けデータを合流・分岐コントローラ32へ出力する。
【0045】
合流・分岐コントローラ32から物品収納容器22の容器仕分け終了信号(仕分けした物品収納容器22のバーコードデータを含む)を入力すると、仕分けデータのうち仕分けベルトコンベヤ装置5と注文された数量分の物品2のバーコードデータからなる物品仕分けデータを形成し、この物品仕分けデータを合流・分岐コントローラ32へ出力する。
【0046】
合流・分岐コントローラ32から出力した物品2の物品仕分け終了信号(仕分けした物品2のバーコードデータを含む)を入力すると、入力する毎に仕分けが終了した物品2をチェックし、全てのチェックが終了すると、この店舗への仕分けは終了したと判断し、仕分け終了信号(店舗情報を含む)を物品収納容器制御部44へ出力する。
【0047】
上記ピッキング設備の構成による作用を説明する。
統括コントローラ35は、各店舗から物品2の品目および数量からなる注文データが入力されると、注文リストを形成し、続いてこの注文リストに基づいて、各ゾーン12,13毎のピッキングデータを形成し、各ゾーン12,13のピッキングコントローラ31へそれぞれ出力する。
【0048】
これにより、各ピッキングゾーン12,13においてピッキングデータに基づいて予め設定された店舗の順(ピッキング作業順)に物品2がピッキングされ、物品投入コンベヤ装置17へ投入される。
【0049】
このとき、各ピッキングゾーン12,13では、物品2のピッキング作業は店舗順に、他のゾーン12,13の影響を受けずに(作業者が他の作業者の影響を受けずに)、各ピッキングゾーンで独立して連続実行される。また予め設定された店舗順に各ピッキングゾーン12,13においてピッキング作業が実行されるが、特定の店舗から注文(要求)された物品2が無いピッキングゾーンが存在することから、この注文物品2が無いピッキングゾーン12,13では、他のピッキングゾーン12,13では前記特定の店舗から注文された物品2がピッキングされているとき、次の店舗のピッキング作業が実行される。したがって、特定の店舗から注文された物品2が無いピッキングゾーン12,13でも連続ピッキング作業が実行され、作業が無い作業者が無くなり、作業者全体の負担のバランスを取られる。また各ピッキングゾーン12,13間での連携なしにピッキング作業が各ピッキングゾーン12,13で独自に実行されることにより、各ピッキングゾーン12,13で発生した遅滞が他のピッキングゾーン12,13に影響を与えることが防止される。また各高頻度ピッキングゾーン12と低頻度ピッキングゾーン13ではそれぞれ、一人の作業者によりピッキング作業が実行されるが、低頻度ピッキングゾーン13の物品2の品目は、高頻度との頻度差に基づいて高頻度ピッキングゾーン12のN倍とされていることにより、各ピッキングゾーン12,13でのピッキング量は均等となり、ピッキング作業は連続して実行され、作業者全体の負担のバランスが取られる。
【0050】
前記物品投入コンベヤ装置17へ投入された物品2は、物品投入コンベヤ装置17の取出部まで搬送され、物品搬送装置1の走行台車4へ投入され、搬送される。そして、走行台車4により搬送された物品は、仕分け先の店舗が割り当てられた仕分けベルトコンベヤ装置(分岐経路)5へ分岐される。なお、仕分け先の店舗が異なる物品2が物品搬送装置(主搬送経路)1の前後に混在することになるが、仕分けベルトコンベヤ装置(分岐経路)5で、店舗毎に仕分けられることにより、店舗毎に物品2は仕分けられる。
【0051】
また統括コントローラ35は、注文リストに基づいて各店舗から注文された物品2を収納するために必要な物品収納容器22のサイズを演算し、各仕分けベルトコンベヤ装置5へ店舗を割り当て、店舗に必要な前記物品収納容器22のサイズを確認し、該当物品収納容器22を搬送する容器投入コンベヤ装置23または24または25に対して、物品収納容器22の投入指令を出力する。これに応答して容器投入コンベヤ装置23または24または25より各店舗に必要なサイズの物品収納容器22が物品搬送装置1の走行台車4へ投入され、搬送され、店舗先毎に、物品2の仕分け以前に仕分けベルトコンベヤ装置(分岐経路)5に仕分けられ、連接べルトコンベヤ装置6の終端に物品収納容器22が搬送される。物品収納容器22が仕分けられると、続いて物品2が店舗毎に仕分けベルトコンベヤ装置(分岐経路)5に仕分けられ、連接べルトコンベヤ装置6の終端へ搬送される。
【0052】
連接べルトコンベヤ装置6の下流端に配置された作業者Pは、搬送されてきた物品収納容器22に対して、続けて搬送されてきた物品2を、次の物品収納容器22が搬送されてくるまで投入して梱包し、梱包が終了すると、搬出コンベヤ装置9へ移載する。このとき、店舗別に注文された物品2の容積に合った物品収納容器22のサイズが選択されていることから、物品2が物品収納容器22よりオーバーフローすることはない。
【0053】
また1店舗分の仕分けベルトコンベヤ装置5への仕分け作業が終了すると、仕分けベルトコンベヤ装置5に新たに店舗が割り当てられ、この店舗に必要な物品収納容器22が容器投入コンベヤ装置23または24または25より走行台車4へ投入される。これにより、仕分けベルトコンベヤ装置5に次の店舗に必要な物品収納容器22が仕分けられる。なお、仕分けベルトコンベヤ装置(分岐経路)5に仕分け先の店舗が未だ割り付けられてない状態で物品搬送装置(主搬送経路)1へ投入された物品2は周回経路iを周回し、または仕分けベルトコンベヤ装置(分岐経路)5に仕分け先が割り付けられてはいるが、新たな店舗用の物品収納容器22が仕分けベルトコンベヤ装置5へ仕分けられるまでは、新たな店舗向けにピッキングされ物品搬送装置(主搬送経路)1へ投入された物品2は、仕分けられずに周回経路iを周回し、戻ってから仕分けが実行される。
【0054】
以上のように本実施の形態によれば、各ピッキングゾーン12,13における物品2のピッキング、および物品投入コンベヤ装置17への投入が予め設定された店舗順(ピッキング作業順)に各ピッキングゾーン12,13で独立して連続実行されることにより、各ピッキングゾーン12,13での連続ピッキング作業を実現でき、よって作業が無い作業者が無くなり、作業者全体の負担のバランスを取ることができ、また各ピッキングゾーン12,13で発生した遅滞が他のピッキングゾーン12,13に影響を与えること(一人の作業者の遅滞が他の作業者の作業に影響を与えること)を防止できる。
【0055】
また本実施の形態によれば、物品2の仕分け前に、物品収納容器22が仕分けベルトコンベヤ装置5へ仕分けられることにより、各仕分けベルトコンベヤ装置(分岐経路)5に、物品2の収納用に空きの物品収納容器22を予め用意しておく必要をなくすことができる。また店舗の注文データに応じた物品収納容器22のサイズが予め求められ、仕分けベルトコンベヤ装置5へ仕分けられることにより、別途、物品2がオーバーフローしたときに備えて空きの物品収納容器22を各仕分けベルトコンベヤ装置(分岐経路)5に用意しておく必要が無くすことができる。また店舗毎に、物品2の仕分け以前に、必ず物品収納容器22が予め店舗が設定された仕分けベルトコンベヤ装置5へ仕分けられることにより、店舗毎の物品2の区切りが明確となり、収納ミスを防止することができる。
【0056】
また本実施の形態によれば、ピッキングエリア11の各高頻度ピッキングゾーン12と低頻度ピッキングゾーン13ではそれぞれ、一人の作業者によりピッキング作業が実行されるが、低頻度ピッキングゾーン13の物品2の品目は、高頻度との頻度差に基づいて高頻度ピッキングゾーン12のN倍とされていることにより、各ピッキングゾーン12,13でのピッキング量を均等とすることができ、作業者全体の負担のバランスを取ることができる。
【0057】
なお、本実施の形態では、ピッキングデータを各店舗と注文された物品2の品目および数量から形成しているが、物品2の品目を重量が重い重量品と軽い軽量品に分け、各店舗のピッキングデータを、
ピッキングデータ1=店舗−重量品の物品の品目−数量、
ピッキングデータ2=同店舗−軽量品の物品の品目−数量
に2つに分離し、店舗順でかつ重量品のピッキングデータ1、軽量品のピッキングデータ2の順にピッキングコントローラ31へ出力するようにしてもよい。これにより、重量品の物品2が先にピッキングされて物品搬送装置(主搬送経路)1へ投入され、仕分けベルトコンベヤ装置(分岐経路)5へ仕分けられることにより、物品収納容器22へ物品2を収納する際に、容器の底のほうに重量品の物品2が収められ、よって軽量品の物品2が容器の底のほうに収納され、上に載せる重量品の物品2により変形したり破損することを防止できる。
【0058】
また本実施の形態では、仕分けベルトコンベヤ装置(分岐経路)5において作業者により物品収納容器22に対して物品2を収納しているが、物品収納容器22に対して物品2を自動で投入することも可能である。
【0059】
また本実施の形態では、物品収納容器22を物品2を搬送する物品搬送装置(主搬送経路)1により搬送しているが、別途に物品収納容器22を搬送する搬送経路を設けて、分岐経路の終端へ物品収納容器22を供給するようにすることも可能である。
【0060】
また本実施の形態では、主搬送経路を形成する物品搬送装置1をベルト送出式(台車型)自動仕分装置により構成しているが、このようなベルト送出式(台車型)自動仕分装置に限ることはなく、物品2または物品収納容器22を搬送でき、目的の仕分けベルトコンベヤ装置(分岐経路)5へ払い出すことができる手段、例えばプッシャ型やダイバータ型の押出式自動仕分け装置、シュースライド型自動仕分け装置等であってもよい。
【0061】
また本実施の形態では、主搬送経路は1系列の経路により形成されているが、複数系列の経路により形成するようにしてもよい。このとき、例えば、物品搬送装置1を2系列設け、各系列の物品搬送装置1の走行台車4に対してそれぞれ、物品投入コンベヤ装置17より物品2を投入し、また投入コンベヤ装置23,24,25より物品収納容器22を投入し、各系列の物品搬送装置1の走行台車4よりそれぞれ分岐される分岐経路を設ける。このように主搬送経路は系列の数を増すと、作業が迅速に実行される。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施の形態におけるピッキング設備の構成図である。
【図2】同ピッキング設備の物品搬送装置を示す斜視図である。
【図3】同ピッキング設備の制御構成図である。
【図4】同ピッキング設備の走行台車データの一例を示す図である。
【図5】同ピッキング設備の注文リストの一例を示す図である。
【図6】同ピッキング設備の店舗別収納容器−仕分けベルトコンベヤ装置リストの一例を示す図である。
【図7】同ピッキング設備の仕分けデータの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0063】
1 物品搬送装置
2 物品
3 ベルトコンベヤ装置
4 走行台車
5 仕分けベルトコンベヤ装置
6 連接ベルトコンベヤ装置
7 分岐エリア
9 搬出コンベヤ装置
11 ピッキングエリア
12 高頻度ピッキングゾーン
13 低頻度ピッキングゾーン
15 ピッキング表示器
17 物品投入コンベヤ装置
18,26 バーコードリーダ
21 梱包箱投入エリア
22 物品収納容器
23 標準容器投入コンベヤ装置
24 大容量容器投入コンベヤ装置
25 小容量容器投入コンベヤ装置
31 ピッキングコントローラ
32 合流・分岐コントローラ
35 統括コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の品目の物品が収納され、複数の仕分け先から要求された品目の物品がピッキングされる複数のピッキングゾーンと、
前記物品を搬送する主搬送経路と、
前記各ピッキングゾーン毎に設けられ、前記ピッキングゾーンにおいてピッキングされた物品の投入部、前記投入部へ投入された物品を順送りし蓄積する複数のストレージ部、および前記ストレージ部から搬出された物品を前記主搬送経路へ投入する取出部から構成され、前記取出部より物品を前記主搬送経路へ投入すると、あるいは取出部に物品が存在しないときに、前記投入部に投入された物品を複数のストレージ部を順送りし、前記取出部まで搬送する投入経路と、
前記各投入経路よりそれぞれ前記主搬送経路へ投入された物品を、前記主搬送経路より前記仕分け先毎に仕分ける複数の分岐経路
が備えられ、
前記各ピッキングゾーンにおける前記物品のピッキング、および前記投入経路の投入部への投入はそれぞれ、予め設定されたピッキング作業順に各ピッキングゾーンで独立して連続実行されること
を特徴とするピッキング設備。
【請求項2】
前記ピッキングゾーンは、殆どの前記仕分け先から要求がある出荷頻度の高い高頻度の品目の物品が収納され、ピッキングされる高頻度ピッキングゾーンと、各高頻度ピッキングゾーンでピッキングされる物品より出荷頻度が低い低頻度の品目の物品が、高頻度との頻度差に基づいて高頻度ピッキングゾーンの品目のN(2以上の整数)倍収納され、ピッキングされる低頻度ピッキングゾーンから構成され、
前記各ピッキングゾーンは、一人の作業者により前記ピッキングの作業が実行されること
を特徴とする請求項1に記載のピッキング設備。
【請求項3】
前記主搬送経路へ前記物品を収納する物品収納容器を投入する投入手段を備え、
前記仕分け先毎に、仕分け先に割り付けられた前記分岐経路への物品の仕分けより以前に、前記投入手段により前記主搬送経路へ投入された前記物品収納容器が仕分けられること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のピッキング設備。
【請求項4】
前記仕分け先毎に、前記物品収納容器に続き前記分岐経路への前記物品の仕分けが終了すると、新たに前記投入手段により次の仕分け先用の物品収納容器が前記主搬送経路へ投入されること
を特徴とする請求項3に記載のピッキング設備。
【請求項5】
前記物品収納容器のサイズが、各仕分け先から要求された物品の容積に基づいて選択され、この選択されたサイズの物品収納容器が前記投入手段により前記主搬送経路に投入されること
を特徴とする請求項3または請求項4に記載のピッキング設備。
【請求項6】
前記主搬送経路は、周回経路を形成し、前記分岐経路へ仕分けられなかった物品は、前記周回経路を周回すること
を特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のピッキング設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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