ピックアップモジュール
【課題】小型、薄型化に適し、かつメインシャフトやスクリューシャフトの平行度を確保出来、剛性や強度、ピックアップ搬送精度を保つことが出来るピックアップモジュールを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のピックアップモジュールのフレーム部材は、光ディスクの載置外位置であってかつピックアップ5が最外位置に来た時に少なくともその一部の上面を覆う光ディスク載置外部を備えている。また、フレーム部材にはスピンドルモータ3が直接取り付けられ、その他の部材はスピンドルモータ3と逆方向から取り付けられる構造を有する。
【解決手段】本発明のピックアップモジュールのフレーム部材は、光ディスクの載置外位置であってかつピックアップ5が最外位置に来た時に少なくともその一部の上面を覆う光ディスク載置外部を備えている。また、フレーム部材にはスピンドルモータ3が直接取り付けられ、その他の部材はスピンドルモータ3と逆方向から取り付けられる構造を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光ディスクを再生及び記録させる光ディスク装置のピックアップモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
MO、PD、CD、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、±RW、±R等の光ディスク媒体に対して、再生及び記録する装置としてCD−ROMドライブ装置、PDドライブ装置などのタイプが存在するが、本発明書においてはこれら全体を包括する表現として光ディスク装置と呼ぶ。
【0003】
従来、光ディスク装置は、装置の小型化、薄型化が進み携帯型のパーソナルコンピュータ(以下、PCと言う)に搭載されることがある。また、近年、さらに小型化、薄型化のノートブック型のPCに搭載されることも多くなっている。
【0004】
これはコンピュータで使用するソフトウェアの大容量化、また雑誌媒体などから配布されるメディアとして安価であるCD−ROMが多く採用されていることも要因の一つとなっている。それに伴い、光ディスクドライブのコンピュータへの搭載は必然となっているのが現状である。
【0005】
上述、(特許文献1)に示されたような従来の光ディスク装置の一例を説明する。ノートブック型及び薄型デスクトップPC(ディスプレイ本体一体型含む)に用いられる全高12.7mmの光ディスクドライブの構造について説明する。従来、以下の2つの方式が提案されている。
【0006】
1つの方式としては、ユーザが自ら光ディスクを持ち、ピックアップの構成部品であるターンテーブルに直接光ディスクを取り付けた後に、ターンテーブルを含むトレイを自身の手によりドライブ筐体内部へ押し込むことで、光ディスクの再生、記録が可能状態となるドロア方式である。
【0007】
また、他の方式としては、光ディスクを装置の前面まで運び、その光ディスクを装置の前面に設けられたフロントベゼルと呼ばれるカバーに設けられたスリットに挿入し、所定の位置まで装置内部に挿入すると、装置内部に設けられたローラ等の搬入機構により光ディスクを装置の内部すなわちターンテーブルまで自動的に吸い込んでいくスロットローディングと呼ばれる方式がある(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
市場においては圧倒的にドロアタイプが優位であり、その市場の殆どを占めている状態である。このドロア方式において、トレイと、光ディスク装置とPCを接続するための基板を電気的に接続する方法として、U字型のフレキシブル基板を用いている。
【0009】
図8は従来のドロア方式のピックアップモジュールの分解斜視図である。図8において、101は光ディスクが回転可能に載置されるトレイである。102は光ディスクにレーザを照射し、反射した光を読みとることによりデータの読み込み及びデータの書き込みを行うピックアップ、103はピックアップ102を支持し、データの書き込み及び読み出しを行う際にピックアップ102を光ディスクの半径方向に対して搬送させるためのピックアップモジュール、104は光ディスクを回転させるためのスピンドルモータ、105は光ディスクを載置するためのターンテーブル、106はピックアップ102を搬送する際の駆動動力源となるモータ、107はフロントベゼル、108はトレイ101と後述のボトムカバー110を連結するレール、109は光ディスクを筐体から取り出す際にトレイ101を排出するためのプッシュ機構、110はトレイ101及び主基板113の基板を保持するボトムカバー、111は筐体への上方からの荷重等からドライブの保護を行うアッパーカバー、112はボトムカバー110に取り付けられ、レール108とトレイ101の摺動を円滑に行うための部材であるレールガイド、113はこの例においてはボトムカバー110に取り付けられる主基板、115は主基板113とトレイ101に取り付けられた光ディスクに記録された情報を読みとるためのピックアップモジュール103との電気的な接合を行うための副基板、114は副基板115と主基板113の電気的な接続を行うためのフレキシブル基板である。
【0010】
図9は図8のピックアップモジュールの拡大図であり、図10は図8のピックアップモジュールの裏面図である。図9及び図10において、130は各部品を取り付けるためのベース、116はピックアップ等を保護する保護カバー、117はモータ106に電力を伝えるためのモータフレキシブル基板、118はスクリューシャフト121と噛み合うことによりピックアップ102を搬送するラック、119はピックアップ102を支持するためのメインシャフト、120は同じくピックアップ102を支持するためのサブシャフト、121はモータ106の回転動力をラック118と噛み合うことにより水平方向への動力に変換するスクリューシャフト、122はモータ106に取り付けられ、スクリューシャフト121に動力を伝達するためのピニオン、123は同じく動力を伝達するための中間ギヤ、124はスクリューシャフト121に取り付けられ、他と同様モータ106の動力を伝達するためのシャフトギヤである。125はピックアップ102に電気信号を伝達するためのレーザフレキシブル基板である。以上搬送機構の動力の流れを詳細に説明すると、フィードフレキシブル基板126を通してモータ106に伝達された電力はモータ106の回転動力となり、ピニオン122、中間ギヤ123およびシャフトギヤ124のギヤ列を通してスクリューシャフト121に伝達される。スクリューシャフト121の円筒面にはラック118に設けられた突起と噛み合う溝が設けられており、回転動力を水平方向への動力に変換することによりピックアップ102を光ディスクの半径方向に対して往復動作させることが出来る。
【特許文献1】特表2002−511629号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
現在、例えば携帯型するノートブック型コンピュータにおいて採用されているピックアップ搬送装置は、全高が12.7mmのものが多く採用されている。最近では更に携帯性を重視した薄型・軽量のノートブック型コンピュータに全高9.5mmのものが採用され始めている。また、今後はノートブック型コンピュータの普及により一層の薄型化・軽量化が予想されるため、それに伴い、ピックアップモジュールにもさらなる薄型化・軽量化が要求されると思われる。
【0012】
しかしながらドライブの多機能化により、光学基台及びそれを支持、搬送するピックアップモジュールの大型化が進んでおり、このままピックアップモジュールの薄型化・軽量化がさらに進むと、従来の構造をそのまま用いていたのではピックアップモジュールの剛性や強度を保つことが出来なくなる。その結果、メインシャフトやスクリューシャフトの平行度を確保出来なくなり、ピックアップの搬送精度が保てなくなってしまう。
【0013】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、従来の装置と比較して厚さを薄くでき、具体的には、9.5mm厚以下の全高とすることができ、かつ剛性や強度、ピックアップ搬送精度を保つことが出来るピックアップモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係るピックアップモジュールは、上記目的を達成するために、光ディスクの載置外位置であってかつ前記ピックアップが最外位置に来た時に少なくともその一部の上面を覆う光ディスク載置外部を備えた、全ての構成部品を設置するためのフレーム部材を設けたものである。
【0015】
また、そのフレーム部材にはスピンドルモータが直接取り付けられ、その他の部材は前記スピンドルモータと逆方向から取り付けられる構造を有する。
【0016】
さらにそのフレーム部材には前記ピックアップを支持および搬送するためのシャフト部材が設置され、前記シャフト部材の両端には前記シャフト部材を保持するためのブラケットを有し、前記シャフト部材の少なくとも一方の端部近傍には、前記フレームを貫通する第一のネジ部材と、第二のネジ部材により前記ブラケットとともに前記フレームに固定される付勢部材とを有する。
【0017】
またさらに、フレーム部材にはさらに前記ピックアップがデータの読み込みおよび書き込みを行うための開口部を有する保護カバーが複数のネジ部材により取り付けられ、前記複数のネジ部材のうち少なくとも3つは前記開口部の同じ側で前記保護カバーを固定し、前記3つのネジ部材は載置可能な最大ディスクの内周部・外周部・中周部それぞれ配置され、フレキシブル基板の屈曲部が内周部に配置されたネジ部材と中周部に配置されたネジ部材との間で保護カバーの裏面に当接している。
【0018】
これらの構成により、メインシャフトやスクリューシャフトの平行度を確保出来、かつ剛性や強度、ピックアップ搬送精度を保つことが出来る。
【発明の効果】
【0019】
本発明のフレーム部材、スピンドルモータ、シャフト部材、ブラケット、ネジ部材、付勢部材、保護カバーを有するピックアップモジュールによれば、メインシャフトやスクリューシャフトの平行度を確保出来、かつ剛性や強度、ピックアップ搬送精度を保つことが出来るので、従来のものより大幅に装置の厚さを薄くすることができ、具体的には、全高9.5mm厚以下のピックアップモジュールを実現することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の請求項1のピックアップモジュールは、光ディスクに対して半径方向に移動しながらデータの読み込みおよび書き込みを行うピックアップおよびそれを搬送するためのピックアップ搬送装置を有し、そのピックアップおよびピックアップ搬送装置を含む全ての構成部品を設置するためのフレーム部材を有し、そのフレーム部材は光ディスクの載置外位置であってかつピックアップが最外位置に来た時に少なくともその上面の一部を覆う光ディスク載置外部とを備えている。
【0021】
この構成により、光ディスク載置外部の面積方向の寸法を大きく取ることで、従来のピックアップモジュールと比較して光ディスク主面に垂直な方向に薄くすることができる。また、剛性や強度、メインシャフトやスクリューシャフトの平行度を確保出来るので、ピックアップ搬送精度を保つことが出来る。
【0022】
また、ピックアップ上面の一部にはレンズを除くレンズホルダ上面の一部が含まれていてもよい。
【0023】
これによりレンズ部分は保護カバーにより遮蔽されないので、ピックアップによるデータの読み込みや書き込みを妨げることなく、剛性や強度、ピックアップ搬送精度を保つことが出来るので、従来のものより大幅に装置の厚さを薄くすることができ、かつメインシャフトやスクリューシャフトの平行度を確保出来る。
【0024】
また、フレーム部材にはスピンドルモータが直接取り付けられ、その他の部材はスピンドルモータと逆方向から取り付けられてもよい。
【0025】
これによりベースフレームに取り付けられるスピンドルモータとそれ以外の部材の組立基準面が同一となるので、これらの部材における取り付け角度のバラツキの積算が小さくなり、いわゆるシャフトあおりによる調整可能範囲が小さくて済み、ピックアップモジュール全体の薄型化を実現することが出来る。
【0026】
また、スピンドルモータはフレームのディスク載置側より取り付けられてもよい。
【0027】
これによりモータベース部材の類が不要となるので、ピックアップモジュール全体の薄型化を実現することが出来る。
【0028】
また、フレーム部材にはピックアップを支持および搬送するためのシャフト部材が配置され、シャフト部材の両端にはシャフト部材を保持するためのブラケットを有し、シャフト部材の少なくとも一方の端部近傍には、フレームを貫通する第一のネジ部材と、第二のネジ部材によりブラケットとともにフレームに固定される付勢部材とを有し、第一のネジ部材と付勢部材とが互いに対向する位置でシャフトを支持してもよい。
【0029】
これによりたとえ周辺の雰囲気温度や湿度等の環境が変化しても、それらの要因によるブラケットの変形等は板ばねの付勢力で吸収され、その結果シャフト部材とフレーム部材との間の距離が一定に保たれるので、ピックアップ内のレンズホルダに設けられたレンズから出入射される光ビームが光ディスクの理想的な記録面に対し垂直に、かつピックアップが移動可能な水平方向のいずれの位置にあっても等距離で照射するよう維持することが出来、ピックアップ搬送精度を保つことが出来、光ディスクへのデータの書き込み及び光ディスクからの読み出しをより安定的に行うことが出来る。
【0030】
また、フレーム部材にはさらにピックアップがデータの読み込みおよび書き込みを行うための開口部を有する保護カバーが取り付けられ、その保護カバーには第一のネジ部材の調整孔が設けられてもよい。
【0031】
これによりピックアップモジュール単体のみならず、ピックアップモジュールがドライブ装置等の他の装置に組み込まれた後であっても、ベースフレームを貫通している第一のネジ部材をディスク載置側から調整することができるので、いわゆるシャフトあおり調整において他の装置への組み込み時に発生するピックアップモジュールの歪みを補正することが出来、光ディスクへのデータの書き込み及び光ディスクからの読み出しをさらにより安定的に行うことが出来る。
【0032】
また、ピックアップは他の電気基板と接続するためのフレキシブル基板を有し、フレーム部材にはさらにピックアップがデータの読み込みおよび書き込みを行うための開口部を有する保護カバーが複数のネジ部材により取り付けられ、複数のネジ部材のうち少なくとも3つは開口部の同じ側で保護カバーを固定し、載置可能な最大ディスクの内周部・外周部・中周部にそれぞれ配置され、フレキシブル基板の屈曲部が内周部に配置されたネジ部材と中周部に配置されたネジ部材との間で保護カバーの裏面に当接するようにしてもよい。
【0033】
これによりフレキシブル基板の屈曲部による折り曲げ反力を中周部のネジ部材よりも外周側に作用させず内周側に限定することが出来、特に光ディスク外周部における保護カバーの光ディスク記録面への接触を防止することが出来る。その結果、光ディスクへのデータの書き込み及び光ディスクからの読み出しをさらにより安定的に行うことが出来る。
【0034】
また、内周部または中周部の少なくともいずれかのネジ部材は、保護カバーのうちフレキシブル基板の屈曲部による裏面への当接部分が光ディスク載置側へ変形可能となるよう取り付けられてもよい。
【0035】
これによりフレキシブル基板の屈曲部による折り曲げ反力が軽減されるので、フレキシブル基板と保護カバーとの摩擦が軽減され、これら2つの部材の使用寿命をさらに伸ばすことが出来る。
【0036】
本発明の請求項9のピックアップモジュールは、光ディスクに対して半径方向に移動しながらデータの読み込みおよび書き込みを行うピックアップおよびそれを搬送するためのピックアップ搬送装置を有し、ピックアップおよびピックアップ搬送装置を含む全ての構成部品を設置するためのフレーム部材を有し、フレーム部材にはスピンドルモータが直接取り付けられ、その他の部材はスピンドルモータと逆方向から取り付けられている。
【0037】
この構成により、ベースフレームに取り付けられるスピンドルモータとそれ以外の部材の組立基準面が同一となるので、これらの部材における取り付け角度のバラツキの積算が小さくなり、いわゆるシャフトあおりによる調整可能範囲が小さくて済み、ピックアップモジュール全体の薄型化を実現することが出来る。
【0038】
また、スピンドルモータはフレームのディスク載置側より取り付けられてもよい。
【0039】
これによりモータベース部材の類が不要となるので、ピックアップモジュール全体の薄型化を実現することが出来る。
【0040】
また、フレーム部材は光ディスクの載置外位置であってかつピックアップが最外位置に来た時に少なくともその上面の一部を覆う光ディスク載置外部とを備えていてもよい。
【0041】
これにより光ディスク載置外部の面積方向の寸法を大きく取ることで、従来のピックアップモジュールと比較して光ディスク主面に垂直な方向に薄くすることができる。剛性や強度、ピックアップ搬送精度を保つことが出来るので、従来のものより大幅に装置の厚さを薄くすることができ、かつメインシャフトやスクリューシャフトの平行度を確保出来る。またこれにより、このピックアップモジュールを内蔵する光ディスク装置全体が薄くなる。
【0042】
また、ピックアップ上面の一部にはレンズを除くレンズホルダ上面の一部が含まれていてもよい。
【0043】
これによりレンズ部分は保護カバーにより遮蔽されないので、ピックアップによるデータの読み込みや書き込みを妨げることなく、剛性や強度、ピックアップ搬送精度を保つことが出来るので、従来のものより大幅に装置の厚さを薄くすることができ、かつメインシャフトやスクリューシャフトの平行度を確保出来る。
【0044】
また、フレーム部材にはピックアップを支持および搬送するためのシャフト部材が配置され、シャフト部材の両端にはシャフト部材を保持するためのブラケットを有し、シャフト部材の少なくとも一方の端部近傍には、フレームを貫通する第一のネジ部材と、第二のネジ部材によりブラケットとともにフレームに固定される付勢部材とを有し、第一のネジ部材と付勢部材とが互いに対向する位置でシャフトを支持してもよい。
【0045】
これによりたとえ周辺の雰囲気温度や湿度等の環境が変化しても、それらの要因によるブラケットの変形等は板ばねの付勢力で吸収され、その結果シャフト部材とフレーム部材との間の距離が一定に保たれるので、ピックアップ内のレンズホルダに設けられたレンズから出入射される光ビームが光ディスクの理想的な記録面に対し垂直に、かつピックアップが移動可能な水平方向のいずれの位置にあっても等距離で照射するよう維持することが出来、ピックアップ搬送精度を保つことが出来、光ディスクへのデータの書き込み及び光ディスクからの読み出しをより安定的に行うことが出来る。
【0046】
また、フレーム部材にはさらにピックアップがデータの読み込みおよび書き込みを行うための開口部を有する保護カバーが取り付けられ、その保護カバーには第一のネジ部材の調整孔が設けられてもよい。
【0047】
これによりピックアップモジュール単体のみならず、ピックアップモジュールがドライブ装置等の他の装置に組み込まれた後であっても、ベースフレームを貫通している第一のネジ部材をディスク載置側から調整することができるので、いわゆるシャフトあおり調整において他の装置への組み込み時に発生するピックアップモジュールの歪みを補正することが出来、光ディスクへのデータの書き込み及び光ディスクからの読み出しをさらにより安定的に行うことが出来る。
【0048】
また、ピックアップは他の電気基板と接続するためのフレキシブル基板を有し、フレーム部材にはさらにピックアップがデータの読み込みおよび書き込みを行うための開口部を有する保護カバーが複数のネジ部材により取り付けられ、複数のネジ部材のうち少なくとも3つは開口部の同じ側で保護カバーを固定し、載置可能な最大ディスクの内周部・外周部・中周部にそれぞれ配置され、フレキシブル基板の屈曲部が内周部に配置されたネジ部材と中周部に配置されたネジ部材との間で保護カバーの裏面に当接するようにしてもよい。
【0049】
これによりフレキシブル基板の屈曲部による折り曲げ反力を中周部のネジ部材よりも外周側に作用させず内周側に限定することが出来、特に光ディスク外周部における保護カバーの光ディスク記録面への接触を防止することが出来る。その結果、光ディスクへのデータの書き込み及び光ディスクからの読み出しをさらにより安定的に行うことが出来る。
【0050】
また、内周部または中周部の少なくともいずれかのネジ部材は、保護カバーのうちフレキシブル基板の屈曲部による裏面への当接部分が光ディスク載置側へ変形可能となるよう取り付けられてもよい。
【0051】
これによりフレキシブル基板の屈曲部による折り曲げ反力が軽減されるので、フレキシブル基板と保護カバーとの摩擦が軽減され、これら2つの部材の使用寿命をさらに伸ばすことが出来る。
【0052】
本発明の請求項17のピックアップモジュールは、光ディスクに対して半径方向に移動しながらデータの読み込みおよび書き込みを行うピックアップおよびそれを搬送するためのピックアップ搬送装置を有し、ピックアップおよびピックアップ搬送装置を含む全ての構成部品を設置するためのフレーム部材を有し、フレーム部材にはピックアップを支持および搬送するためのシャフト部材が配置され、シャフト部材の両端にはシャフト部材を保持するためのブラケットを有し、シャフト部材の少なくとも一方の端部近傍には、フレームを貫通する第一のネジ部材と、第二のネジ部材によりブラケットとともにフレームに固定される付勢部材とを有し、第一のネジ部材と付勢部材とが互いに対向する位置でシャフトを支持している。
【0053】
この構成により、たとえ周辺の雰囲気温度や湿度等の環境が変化しても、それらの要因によるブラケットの変形等は板ばねの付勢力で吸収され、その結果シャフト部材とフレーム部材との間の距離が一定に保たれるので、ピックアップ内のレンズホルダに設けられたレンズから出入射される光ビームが光ディスクの理想的な記録面に対し垂直に、かつピックアップが移動可能な水平方向のいずれの位置にあっても等距離で照射するよう維持することが出来、ピックアップ搬送精度を保つことが出来、光ディスクへのデータの書き込み及び光ディスクからの読み出しをより安定的に行うことが出来る。
【0054】
また、フレーム部材にはさらにピックアップがデータの読み込みおよび書き込みを行うための開口部を有する保護カバーが取り付けられ、その保護カバーには第一のネジ部材の調整孔が設けられてもよい。
【0055】
これによりピックアップモジュール単体のみならず、ピックアップモジュールがドライブ装置等の他の装置に組み込まれた後であっても、ベースフレームを貫通している第一のネジ部材をディスク載置側から調整することができるので、いわゆるシャフトあおり調整において他の装置への組み込み時に発生するピックアップモジュールの歪みを補正することが出来、光ディスクへのデータの書き込み及び光ディスクからの読み出しをさらにより安定的に行うことが出来る。
【0056】
本発明の請求項19のピックアップモジュールは、光ディスクに対して半径方向に移動しながらデータの読み込みおよび書き込みを行うピックアップおよびそれを搬送するためのピックアップ搬送装置を有し、ピックアップおよびピックアップ搬送装置を含む全ての構成部品を設置するためのフレーム部材を有し、ピックアップは他の電気基板と接続するためのフレキシブル基板を有し、フレーム部材にはさらにピックアップがデータの読み込みおよび書き込みを行うための開口部を有する保護カバーが複数のネジ部材により取り付けられ、複数のネジ部材のうち少なくとも3つは開口部の同じ側で保護カバーを固定し、載置可能な最大ディスクの内周部・外周部・中周部にそれぞれ配置され、フレキシブル基板の屈曲部が内周部に配置されたネジ部材と中周部に配置されたネジ部材との間で保護カバーの裏面に当接するようにしている。
【0057】
この構成により、フレキシブル基板の屈曲部による折り曲げ反力を中周部のネジ部材よりも外周側に作用させず内周側に限定することが出来、特に光ディスク外周部における保護カバーの光ディスク記録面への接触を防止することが出来る。その結果、光ディスクへのデータの書き込み及び光ディスクからの読み出しをさらにより安定的に行うことが出来る。
【0058】
また、内周部または中周部の少なくともいずれかのネジ部材は、保護カバーのうちフレキシブル基板の屈曲部による裏面への当接部分が光ディスク載置側へ変形可能となるよう取り付けられてもよい。
【0059】
これによりフレキシブル基板の屈曲部による折り曲げ反力が軽減されるので、フレキシブル基板と保護カバーとの摩擦が軽減され、これら2つの部材の使用寿命をさらに伸ばすことが出来る。
【0060】
本発明の請求項21の光ディスク装置は、請求項1、9、17、19のいずれかに記載のピックアップモジュールを有する。
【0061】
この構成により、光ディスク装置全体が光ディスク主面に垂直な方向に薄くなり、かつその剛性や強度が確保され、光ディスクへのデータの書き込み及び光ディスクからの読み出しが安定的に行われる。
【0062】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しつつ更に具体的に説明する。ここでの説明は本発明が実施される最良の形態であることから、本発明は当該形態に限定される物ではない。
【0063】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
【0064】
(実施の形態1)
図1は本実施の形態1におけるピックアップモジュール全体の斜視図、図2は図1のピックアップモジュール全体を裏面側から見た斜視図である。図1および図2において、1はピックアップモジュールの構成部品を取り付け及び指示する部分であるベースフレーム、2はピックアップ5やレーザフレキシブル基板9等を外乱から保護するための保護カバー、3は図示しない光ディスクを回転させるためのスピンドルモータ、4はスピンドルモータ3の一部であり光ディスクを載置する部分であるターンテーブル、5は光ディスクに対しデータを読み込み/書き込みを行うピックアップ、6はピックアップ5を光ディスクの半径方向に対し搬送するための駆動動力源であるモータ、7はピックアップ5を支持するメインシャフト、8は同じくピックアップ5を支持するサブシャフト、10は直線上の棒の側面に螺旋状に溝が設けられており、ラック11に設けられた山の部分と噛み合うことにより、ラック11が取り付けられたピックアップ5を光ディスクの半径方向に対して搬送するためのスクリューシャフト、11は前記説明のラックである。なお、5aはピックアップ5に設けられたレンズホルダで、光ディスクに対しデータを読み込み/書き込みを行うための光ビームを入出射するレンズ5bを保持する。
【0065】
本実施の形態1において、ベースフレーム1には光ディスク載置外部1aが設けられている。従来の厚みを有するピックアップモジュールであれば高さ方向に余裕があるため、ベースフレームの周囲に設けられた外枠部により、ベースフレーム自体の強度を確保することが出来た。また、レンズホルダも高さ方向の寸法により強度を確保することが出来た。しかしながら本実施の形態のように高さ方向の寸法が取れない場合、高さ方向とは垂直となる面積方向の寸法を従来よりもさらに大きく取る必要がある。そのため、レンズホルダ5aの強度を確保するためにその面積方向の寸法を従来よりも出来るだけ大きく取り、ベースフレーム1の強度を確保するために光ディスク載置外部1aが設けられている。その結果図3に示すように、レンズホルダ5aが最外位置に来た時にはその一部の上面を覆うように光ディスク載置外部1aが設けられている。
【0066】
但し、レンズホルダ5aが最外位置に来た場合であっても、ピックアップ5は光ディスク上のデータの読み込みおよび書き込みが可能でなければならない。従ってレンズホルダ5aが最外位置に来た場合に、光ディスク載置外部1aはレンズ5bを除くレンズホルダ5aの上面の一部を覆うように、かつ面積方向の寸法を出来るだけ大きく確保出来るよう設けられている。
【0067】
次に、本実施の形態1のベースフレーム1には保護カバー2が複数のネジ部材2a〜2eにより固定されている。保護カバー2はピックアップ5がデータの読み込みおよび書き込みを行うための開口部を有する。
【0068】
複数のネジ部材2a〜2eのうち少なくとも3つ、すなわち本実施の形態1におけるネジ部材2a〜2cは前記開口部の同じ側で前記保護カバー2を固定している。これら3つのネジ部材2a〜2cはそれぞれ、載置可能な最大ディスクの内周部(ネジ部材2b)・外縁部(ネジ部材2c)・中周部に配置されている。
【0069】
図4は本実施の形態1における別のピックアップモジュールを裏面側から見た斜視図である。図1〜図3に示すピックアップモジュールとの主な相違はスピンドルモータ3aのみである。すなわち、図1〜図3に示すピックアップモジュールにおいてはベースフレーム1のディスク載置側からスピンドルモータ3が取り付けられるのに対し、図4のピックアップモジュールにおけるスピンドルモータ3aはあらかじめ底面にモータベース部材が取り付けられ、そのモータベース部材をベースフレーム1に対してネジ止め等で固定することにより、ベースフレーム1のディスク載置面の裏側から取り付けられる。
【0070】
9はピックアップ5の信号を図示しない光ディスク装置に設けられた電気基板に伝達するためのレーザフレキシブル基板、14はモータ6等に電力を供給するためのモータフレキシブル基板である。レーザフレキシブル基板9の片方の端部はピックアップ5に接続されている。その屈曲部9aは、本実施の形態のピックアップモジュールが光ディスク装置に取り付けられた状態において載置可能な最大ディスクの内周部から中周部付近に来るようになっており、ピックアップ5の載置可能な最大ディスクの内周部−外周部間における移動に伴い、内周部−中周部間を移動する。すなわち、図4における載置可能な最大ディスクの内周部にあるネジ部材2bと中周部にあるネジ部材2aとの間を、レーザフレキシブル基板9の屈曲部9aは移動する。図1および図2には図示していないが、図4と同様の構成を有するレーザフレキシブル基板を図1および図2に示すピックアップモジュールも有している。
【0071】
このようなレーザフレキシブル基板を有する場合、図1〜図3における保護カバー2のネジ部材2bとネジ部材2aとの間には、レーザフレキシブル基板の屈曲部による折り曲げ反力がかかる。開口部を有する保護カバー2をベースフレーム1に固定するためには最低でもネジ部材2b〜2eの4箇所が必要であるが、もし載置可能な最大ディスクの中周部にあるネジ部材2aが無ければ、レーザフレキシブル基板の屈曲部による折り曲げ反力がネジ部材2bとネジ部材2cとの間全体に作用し、保護カバー2のネジ部材2bとネジ部材2cとの間の部分が浮き上がり、その上部に載置する光ディスクの記録面に接触し傷つける可能性がある。特に光ディスクが反りを有する場合には外周部に行くほど反りが大きく、保護カバーとの距離が近くなるので、接触や傷つきの可能性が高くなる。
【0072】
そこでネジ部材2bとネジ部材2cとの間で別のネジ部材により保護カバー2を固定すればレーザフレキシブル基板9の屈曲部9aによる折り曲げ反力で保護カバー2が光ディスク記録面に接触し傷つけるのを防ぐことが可能である。しかし、組立工数をなるべく増やさないよう少ないネジ部材の追加で保護カバー2の光ディスクへの接触防止効果を得るためには、図4に示すように、載置可能な最大ディスクの中周部でかつレーザフレキシブル基板屈曲部の移動範囲両端を内周部のネジ部材2bと共に挟み込むようにネジ部材2aを1つ追加することが最も効果的である。
【0073】
その理由は以下のとおりである。光ディスクに反りがある場合、その内周部は外周部と比較して反りの程度が小さく、ネジ部材2bとネジ部材2aとの間の部分、すなわち光ディスクの載置内周部には、保護カバー2の光ディスク載置部2fよりも上部にあるターンテーブル4があるため、光ディスクからのクリアランスを確保しやすい。つまり、保護カバー2が上部に浮き上がったとしても、光ディスク載置部の内周部は外周部と比較して光ディスクの記録面に接触しにくい。よって、ネジ部材2bとネジ部材2cとの間に載置可能な最大ディスクの中周部でかつレーザフレキシブル基板屈曲部の移動範囲両端を内周部のネジ部材2bと共に挟み込むようにネジ部材2aを1つ追加することにより、レーザフレキシブル基板9の屈曲部9aの移動範囲をネジ部材2bとネジ部材2aとの間とすることで、屈曲部9aによる折り曲げ反力をネジ部材2aよりも外周側に作用させず、載置可能な最大ディスクの中周部よりも内周側に限定することが出来、特に光ディスク外周部における保護カバー2の光ディスク記録面への接触を防止することが出来る。
【0074】
なお、内周部にあるネジ部材2bまたは中周部にあるネジ部材2aの少なくともいずれかをベースフレーム1に対して完全固定せず、保護カバー2のネジ部材2bとネジ部材2aとの間の部分がレーザフレキシブル基板9の屈曲部9aの折り曲げ反力により浮き上がる構造としてもよい。これにより、レーザフレキシブル基板9の屈曲部9aによる折り曲げ反力をネジ部材2bとネジ部材2aとの間の部分に限定できることに加え、その折り曲げ反力が軽減されるので、レーザフレキシブル基板9と保護カバー2との摩擦が軽減され、これら2つの部材の使用寿命をさらに伸ばすことが出来る。
【0075】
図5は図1のピックアップモジュール全体の分解斜視図、図6は図5のピックアップモジュールを裏面側から見た分解斜視図である。図5および図6に示すように、スピンドルモータ3はベースフレーム1に直接取り付けられ、図1および図2のような状態に一体化される。
【0076】
従来のピックアップモジュールのようにモジュールの高さ方向に余裕がある場合は、スピンドルモータ(例えば図10における104)の下部にモータベース部材(例えば図10における104a)をあらかじめネジ部材等で取り付け、そのモータベース部材をさらにベースフレーム(例えば図10における115)にネジ部材等で固定することにより、スピンドルモータのベースフレームへの取り付けを間接的に行っていた。その場合、モータベース部材が取り付けられたスピンドルモータはベースフレームに取り付けられる他の部材と同じ方向から挿入載置して取り付けることが出来、組立工数が少なくて済む、という利点がある。
【0077】
しかしながらこのような従来の構成および取り付け方法ではモータベース部材の厚みが追加されてしまうので、スピンドルモータ上にあるターンテーブルとベースフレーム上の光ディスク載置部との間の高さを押さえることが出来ない。
【0078】
それに加えて上記の構成および取り付け方法では、組立基準面が二重に存在している。すなわち、スピンドルモータの組立基準面はモータベース部材であり、その他の部材の組立基準面はベースフレームである。この場合、モータベース部材の厚みのバラツキや、スピンドルモータのモータベース部材への取り付け角度のバラツキ、モータベース部材のベースフレームへの取り付け角度のバラツキ等が積算される。ピックアップ(例えば図9における102)内のレンズホルダ(例えば図9における102a)に設けられたレンズ(例えば図9における102b)から出入射される光ビームは、スピンドルモータ上のターンテーブル(例えば図8、図9における105)に載置される図示しない光ディスクの理想的な記録面に対し垂直に、かつピックアップが移動可能な水平方向のいずれの位置にあっても等距離で照射されなければならないが、上記バラツキの積算によりそれらが保たれなくなる。これらを補正するために、ピックアップを支持・搬送するメインシャフト両端やスクリューシャフト両端のベースフレームからの取り付け高さを調整(いわゆる「シャフトあおり」)を行う。
【0079】
しかしながら、ピックアップモジュールの薄型化・軽量化がさらに進むと、上記のいわゆるシャフトあおりによる調整可能範囲が小さくなってしまい、そのため上記バラツキの積算を吸収することが出来ず、ピックアップ内のレンズホルダに設けられたレンズから出入射される光ビームが光ディスクの理想的な記録面に対し垂直に、かつピックアップが移動可能な水平方向のいずれの位置にあっても等距離で照射出来なくなってしまう。
【0080】
よって本実施の形態1では上記のモータベース部材の類は用いずに、図5に示すように、ベースフレーム1にはスピンドルモータ取付凹部1bが設けられ、そのスピンドルモータ取付凹部1bにはスピンドルモータ3が直接取り付けられ、さらにそのスピンドルモータ3とその他の部材とは互いに逆方向から取り付けられるように構成されている。それらを固定するネジ部材等はいずれもスピンドルモータ3以外の部材の取り付け方向と同じ方向から挿入される。このような構成によりモータベース部材の類が不要となるので、ピックアップモジュール全体の薄型化を実現することが出来る。また、ベースフレーム1に取り付けられるスピンドルモータ3とそれ以外の部材の組立基準面が同一となるので、これらの部材における取り付け角度のバラツキの積算が小さくなり、いわゆるシャフトあおりによる調整可能範囲が小さくて済み、ピックアップモジュール全体の薄型化を実現することが出来る。
【0081】
また、既に述べたように、ベースフレーム1に対してスピンドルモータ3以外の部材はスピンドルモータ3と逆の方向から取り付けられる。スピンドルモータ3以外の部材の中にはピックアップ5を支持および搬送するためのシャフト部材、すなわち本実施の形態1においてはメインシャフト7、サブシャフト8、スクリューシャフト10も含まれている。これらのシャフト部材には剛性を確保するために、一般には金属が用いられる。
【0082】
メインシャフト7およびスクリューシャフト10の両端はブラケット15aおよび15bによりベースフレーム1に固定され、サブシャフト8の両端はブラケット15cおよび15dによりベースフレーム1に固定されている。これらのブラケット15a〜15dには複数のボスが設けられ、ベースフレーム1上に設けられたボス孔により取り付け位置が規制されている。ブラケット15a〜15dはメインシャフト7、サブシャフト8、スクリューシャフト10のピックアップ搬送方向の位置を規制する役割を有している。また、これらのブラケット15a〜15dには金属製のメインシャフト7、サブシャフト8、スクリューシャフト10との摺動性を確保するために、一般には樹脂が用いられる。
【0083】
上記3つのシャフト部材のうち、メインシャフト7の一方の端部近傍とサブシャフト8の両方の端部近傍には、ベースフレーム1を貫通するネジ部材と、それとは別のネジ部材によりブラケットとともにベースフレーム1に固定される付勢部材とが設けられており、ベースフレーム1を貫通するネジ部材と付勢部材とが互いに対向する位置でこれらのシャフトをメインシャフト7の一方の端部近傍およびサブシャフト8の両端部近傍で支持している。なお、ピックアップ5の電気的接地を確保するために、本実施の形態1における上記ベースフレーム1を貫通するネジ部材と付勢部材には金属材が用いられる。
【0084】
図7は図2および図6におけるメインシャフト7の端部7aとその周辺部の拡大断面図である。すなわち、ブラケット15aの内部であり、メインシャフト7の端部7aを収納しているシャフト端部収納部18aにおいて、ベースフレーム1を貫通するネジ部材2kと、それとは別のネジ部材16aによりブラケット15aとともにベースフレーム1に固定される付勢部材17aとがピックアップ搬送方向と垂直方向において互いに対向する位置に設けられてメインシャフト7を支持している。
【0085】
サブシャフト8の両端部近傍およびその周辺部も図7と類似した構成を有している。すなわち、ブラケット15cの内部においてはベースフレーム1を貫通するネジ部材2gと、それとは別のネジ部材16cによりブラケット15cとともにベースフレーム1に固定される付勢部材17cとが、ピックアップ搬送方向と垂直方向において互いに対向する位置に設けられてサブシャフト8を支持し、ブラケット15dの内部においてはベースフレーム1を貫通するネジ部材2hと、それとは別のネジ部材16dによりブラケット15dとともにベースフレーム1に固定される付勢部材17dとが、ピックアップ搬送方向と垂直方向において互いに対向する位置に設けられてサブシャフト8を支持している。
【0086】
ブラケット15a〜15dは金属製のメインシャフト7、サブシャフト8、スクリューシャフト10との摺動性を確保するために樹脂で構成されているが、周辺の雰囲気温度や湿度等の環境が変化すると、その変形度合いは金属製のシャフト部材7、8、10やベースフレーム1よりも格段に大きい。本実施の形態1のような構成を有することにより、ブラケット15a〜15dの変形を付勢部材17a、17c、17dで吸収することが出来る。例えば図7で説明すると、ブラケット15aが変形すればシャフト端部収納部18aの孔径や付勢部材17aのネジ部材16aによる取り付け部におけるベースフレーム1からの高さや位置は変動する。
【0087】
しかしながらメインシャフト7自体はその端部7aを収納しているシャフト端部収納部18aにおいて、ネジ部材2kと付勢部材17aのメインシャフト7への当接部のみにより支持されているため、メインシャフト7とベースフレーム1との間の距離は一定に保たれ、シャフト端部収納部18aの孔径の変動には影響されない。また、付勢部材17aのネジ部材16aによる取り付け部におけるベースフレーム1からの高さや位置の変動については付勢部材17aの有する付勢力がそれらの変動を吸収するので、やはりメインシャフト7とベースフレーム1との間の距離は一定に保たれる。
【0088】
このように図7に示す構成を有することでたとえ周辺の雰囲気温度や湿度等の環境が変化してもシャフト部材とフレーム部材との間の距離が一定に保たれるので、ピックアップ内のレンズホルダに設けられたレンズから出入射される光ビームが光ディスクの理想的な記録面に対し垂直に、かつピックアップが移動可能な水平方向のいずれの位置にあっても等距離で照射するよう維持することが出来、ピックアップ搬送精度を保つことが出来、光ディスクへのデータの書き込み及び光ディスクからの読み出しをより安定的に行うことが出来る。
【0089】
また、保護カバーにはベースフレーム1を貫通しているネジ部材2g、2h、2kをディスク載置側から調整することができるように調整孔が設けられている。これにより本実施の形態1のピックアップモジュール単体のみならず、ピックアップモジュールがドライブ装置等の他の装置に組み込まれた後であっても、いわゆるシャフトあおり調整において他の装置への組み込み時に発生するピックアップモジュールの歪みを補正することが出来、光ディスクへのデータの書き込み及び光ディスクからの読み出しをさらにより安定的に行うことが出来る。ピックアップモジュールを薄型化する場合にはモジュール自体の強度が不足しがちなので、ピックアップモジュールはドライブ装置等の他の装置に組み込まれた後においても歪みを発生しやすくなる。ドライブ装置等の他の装置に組み込まれた後であってもピックアップモジュールを調整可能な構成を有することはピックアップモジュールの薄型化において特に重要である。
【0090】
なお、本実施の形態1においては図7のような構成を上記3箇所のみに用いているが、本発明は特にこれらに限定されるものではなく、例えばスクリューシャフト等にも採用しても良いし、ピックアップに関係する全てのシャフト部材の端部に採用しても良い。
【0091】
以上のように本実施の形態1によれば、上記の構成によりメインシャフトやスクリューシャフトの平行度を確保出来、剛性や強度、ピックアップ搬送精度を保つことが出来るので、従来のものより大幅に装置の厚さを薄くすることができ、具体的には、全高9.5mm厚以下のピックアップモジュールを実現することが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明のピックアップ搬送装置は、薄型化が要求される光ディスク装置等の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】実施の形態1におけるピックアップモジュール全体の斜視図
【図2】図1のピックアップモジュールを裏面側から見た斜視図
【図3】図1のピックアップモジュールにおいてレンズホルダが最外位置に来た場合の斜視図
【図4】本実施の形態1における別のピックアップモジュールを裏面側から見た斜視図
【図5】図1のピックアップモジュール全体の分解斜視図
【図6】図5のピックアップモジュールを裏面側から見た分解斜視図
【図7】図2および図6におけるメインシャフトの端部とその周辺部の拡大断面図
【図8】従来のドロア方式のピックアップモジュールの分解斜視図
【図9】図8のピックアップモジュールの拡大図
【図10】図8のピックアップモジュールの裏面図
【符号の説明】
【0094】
1 ベースフレーム
2 保護カバー
3、3a スピンドルモータ
4 ターンテーブル
5 ピックアップ
6 モータ
7 メインシャフト
8 サブシャフト
9 レーザフレキシブル基板
10 スクリューシャフト
11 ラック
14 モータフレキシブル基板
15a、15b、15c、15d ブラケット
16a、16c、16d ネジ部材
17a、17c、17d 付勢部材
18a シャフト端部収納部
【技術分野】
【0001】
この発明は、光ディスクを再生及び記録させる光ディスク装置のピックアップモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
MO、PD、CD、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、±RW、±R等の光ディスク媒体に対して、再生及び記録する装置としてCD−ROMドライブ装置、PDドライブ装置などのタイプが存在するが、本発明書においてはこれら全体を包括する表現として光ディスク装置と呼ぶ。
【0003】
従来、光ディスク装置は、装置の小型化、薄型化が進み携帯型のパーソナルコンピュータ(以下、PCと言う)に搭載されることがある。また、近年、さらに小型化、薄型化のノートブック型のPCに搭載されることも多くなっている。
【0004】
これはコンピュータで使用するソフトウェアの大容量化、また雑誌媒体などから配布されるメディアとして安価であるCD−ROMが多く採用されていることも要因の一つとなっている。それに伴い、光ディスクドライブのコンピュータへの搭載は必然となっているのが現状である。
【0005】
上述、(特許文献1)に示されたような従来の光ディスク装置の一例を説明する。ノートブック型及び薄型デスクトップPC(ディスプレイ本体一体型含む)に用いられる全高12.7mmの光ディスクドライブの構造について説明する。従来、以下の2つの方式が提案されている。
【0006】
1つの方式としては、ユーザが自ら光ディスクを持ち、ピックアップの構成部品であるターンテーブルに直接光ディスクを取り付けた後に、ターンテーブルを含むトレイを自身の手によりドライブ筐体内部へ押し込むことで、光ディスクの再生、記録が可能状態となるドロア方式である。
【0007】
また、他の方式としては、光ディスクを装置の前面まで運び、その光ディスクを装置の前面に設けられたフロントベゼルと呼ばれるカバーに設けられたスリットに挿入し、所定の位置まで装置内部に挿入すると、装置内部に設けられたローラ等の搬入機構により光ディスクを装置の内部すなわちターンテーブルまで自動的に吸い込んでいくスロットローディングと呼ばれる方式がある(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
市場においては圧倒的にドロアタイプが優位であり、その市場の殆どを占めている状態である。このドロア方式において、トレイと、光ディスク装置とPCを接続するための基板を電気的に接続する方法として、U字型のフレキシブル基板を用いている。
【0009】
図8は従来のドロア方式のピックアップモジュールの分解斜視図である。図8において、101は光ディスクが回転可能に載置されるトレイである。102は光ディスクにレーザを照射し、反射した光を読みとることによりデータの読み込み及びデータの書き込みを行うピックアップ、103はピックアップ102を支持し、データの書き込み及び読み出しを行う際にピックアップ102を光ディスクの半径方向に対して搬送させるためのピックアップモジュール、104は光ディスクを回転させるためのスピンドルモータ、105は光ディスクを載置するためのターンテーブル、106はピックアップ102を搬送する際の駆動動力源となるモータ、107はフロントベゼル、108はトレイ101と後述のボトムカバー110を連結するレール、109は光ディスクを筐体から取り出す際にトレイ101を排出するためのプッシュ機構、110はトレイ101及び主基板113の基板を保持するボトムカバー、111は筐体への上方からの荷重等からドライブの保護を行うアッパーカバー、112はボトムカバー110に取り付けられ、レール108とトレイ101の摺動を円滑に行うための部材であるレールガイド、113はこの例においてはボトムカバー110に取り付けられる主基板、115は主基板113とトレイ101に取り付けられた光ディスクに記録された情報を読みとるためのピックアップモジュール103との電気的な接合を行うための副基板、114は副基板115と主基板113の電気的な接続を行うためのフレキシブル基板である。
【0010】
図9は図8のピックアップモジュールの拡大図であり、図10は図8のピックアップモジュールの裏面図である。図9及び図10において、130は各部品を取り付けるためのベース、116はピックアップ等を保護する保護カバー、117はモータ106に電力を伝えるためのモータフレキシブル基板、118はスクリューシャフト121と噛み合うことによりピックアップ102を搬送するラック、119はピックアップ102を支持するためのメインシャフト、120は同じくピックアップ102を支持するためのサブシャフト、121はモータ106の回転動力をラック118と噛み合うことにより水平方向への動力に変換するスクリューシャフト、122はモータ106に取り付けられ、スクリューシャフト121に動力を伝達するためのピニオン、123は同じく動力を伝達するための中間ギヤ、124はスクリューシャフト121に取り付けられ、他と同様モータ106の動力を伝達するためのシャフトギヤである。125はピックアップ102に電気信号を伝達するためのレーザフレキシブル基板である。以上搬送機構の動力の流れを詳細に説明すると、フィードフレキシブル基板126を通してモータ106に伝達された電力はモータ106の回転動力となり、ピニオン122、中間ギヤ123およびシャフトギヤ124のギヤ列を通してスクリューシャフト121に伝達される。スクリューシャフト121の円筒面にはラック118に設けられた突起と噛み合う溝が設けられており、回転動力を水平方向への動力に変換することによりピックアップ102を光ディスクの半径方向に対して往復動作させることが出来る。
【特許文献1】特表2002−511629号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
現在、例えば携帯型するノートブック型コンピュータにおいて採用されているピックアップ搬送装置は、全高が12.7mmのものが多く採用されている。最近では更に携帯性を重視した薄型・軽量のノートブック型コンピュータに全高9.5mmのものが採用され始めている。また、今後はノートブック型コンピュータの普及により一層の薄型化・軽量化が予想されるため、それに伴い、ピックアップモジュールにもさらなる薄型化・軽量化が要求されると思われる。
【0012】
しかしながらドライブの多機能化により、光学基台及びそれを支持、搬送するピックアップモジュールの大型化が進んでおり、このままピックアップモジュールの薄型化・軽量化がさらに進むと、従来の構造をそのまま用いていたのではピックアップモジュールの剛性や強度を保つことが出来なくなる。その結果、メインシャフトやスクリューシャフトの平行度を確保出来なくなり、ピックアップの搬送精度が保てなくなってしまう。
【0013】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、従来の装置と比較して厚さを薄くでき、具体的には、9.5mm厚以下の全高とすることができ、かつ剛性や強度、ピックアップ搬送精度を保つことが出来るピックアップモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係るピックアップモジュールは、上記目的を達成するために、光ディスクの載置外位置であってかつ前記ピックアップが最外位置に来た時に少なくともその一部の上面を覆う光ディスク載置外部を備えた、全ての構成部品を設置するためのフレーム部材を設けたものである。
【0015】
また、そのフレーム部材にはスピンドルモータが直接取り付けられ、その他の部材は前記スピンドルモータと逆方向から取り付けられる構造を有する。
【0016】
さらにそのフレーム部材には前記ピックアップを支持および搬送するためのシャフト部材が設置され、前記シャフト部材の両端には前記シャフト部材を保持するためのブラケットを有し、前記シャフト部材の少なくとも一方の端部近傍には、前記フレームを貫通する第一のネジ部材と、第二のネジ部材により前記ブラケットとともに前記フレームに固定される付勢部材とを有する。
【0017】
またさらに、フレーム部材にはさらに前記ピックアップがデータの読み込みおよび書き込みを行うための開口部を有する保護カバーが複数のネジ部材により取り付けられ、前記複数のネジ部材のうち少なくとも3つは前記開口部の同じ側で前記保護カバーを固定し、前記3つのネジ部材は載置可能な最大ディスクの内周部・外周部・中周部それぞれ配置され、フレキシブル基板の屈曲部が内周部に配置されたネジ部材と中周部に配置されたネジ部材との間で保護カバーの裏面に当接している。
【0018】
これらの構成により、メインシャフトやスクリューシャフトの平行度を確保出来、かつ剛性や強度、ピックアップ搬送精度を保つことが出来る。
【発明の効果】
【0019】
本発明のフレーム部材、スピンドルモータ、シャフト部材、ブラケット、ネジ部材、付勢部材、保護カバーを有するピックアップモジュールによれば、メインシャフトやスクリューシャフトの平行度を確保出来、かつ剛性や強度、ピックアップ搬送精度を保つことが出来るので、従来のものより大幅に装置の厚さを薄くすることができ、具体的には、全高9.5mm厚以下のピックアップモジュールを実現することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の請求項1のピックアップモジュールは、光ディスクに対して半径方向に移動しながらデータの読み込みおよび書き込みを行うピックアップおよびそれを搬送するためのピックアップ搬送装置を有し、そのピックアップおよびピックアップ搬送装置を含む全ての構成部品を設置するためのフレーム部材を有し、そのフレーム部材は光ディスクの載置外位置であってかつピックアップが最外位置に来た時に少なくともその上面の一部を覆う光ディスク載置外部とを備えている。
【0021】
この構成により、光ディスク載置外部の面積方向の寸法を大きく取ることで、従来のピックアップモジュールと比較して光ディスク主面に垂直な方向に薄くすることができる。また、剛性や強度、メインシャフトやスクリューシャフトの平行度を確保出来るので、ピックアップ搬送精度を保つことが出来る。
【0022】
また、ピックアップ上面の一部にはレンズを除くレンズホルダ上面の一部が含まれていてもよい。
【0023】
これによりレンズ部分は保護カバーにより遮蔽されないので、ピックアップによるデータの読み込みや書き込みを妨げることなく、剛性や強度、ピックアップ搬送精度を保つことが出来るので、従来のものより大幅に装置の厚さを薄くすることができ、かつメインシャフトやスクリューシャフトの平行度を確保出来る。
【0024】
また、フレーム部材にはスピンドルモータが直接取り付けられ、その他の部材はスピンドルモータと逆方向から取り付けられてもよい。
【0025】
これによりベースフレームに取り付けられるスピンドルモータとそれ以外の部材の組立基準面が同一となるので、これらの部材における取り付け角度のバラツキの積算が小さくなり、いわゆるシャフトあおりによる調整可能範囲が小さくて済み、ピックアップモジュール全体の薄型化を実現することが出来る。
【0026】
また、スピンドルモータはフレームのディスク載置側より取り付けられてもよい。
【0027】
これによりモータベース部材の類が不要となるので、ピックアップモジュール全体の薄型化を実現することが出来る。
【0028】
また、フレーム部材にはピックアップを支持および搬送するためのシャフト部材が配置され、シャフト部材の両端にはシャフト部材を保持するためのブラケットを有し、シャフト部材の少なくとも一方の端部近傍には、フレームを貫通する第一のネジ部材と、第二のネジ部材によりブラケットとともにフレームに固定される付勢部材とを有し、第一のネジ部材と付勢部材とが互いに対向する位置でシャフトを支持してもよい。
【0029】
これによりたとえ周辺の雰囲気温度や湿度等の環境が変化しても、それらの要因によるブラケットの変形等は板ばねの付勢力で吸収され、その結果シャフト部材とフレーム部材との間の距離が一定に保たれるので、ピックアップ内のレンズホルダに設けられたレンズから出入射される光ビームが光ディスクの理想的な記録面に対し垂直に、かつピックアップが移動可能な水平方向のいずれの位置にあっても等距離で照射するよう維持することが出来、ピックアップ搬送精度を保つことが出来、光ディスクへのデータの書き込み及び光ディスクからの読み出しをより安定的に行うことが出来る。
【0030】
また、フレーム部材にはさらにピックアップがデータの読み込みおよび書き込みを行うための開口部を有する保護カバーが取り付けられ、その保護カバーには第一のネジ部材の調整孔が設けられてもよい。
【0031】
これによりピックアップモジュール単体のみならず、ピックアップモジュールがドライブ装置等の他の装置に組み込まれた後であっても、ベースフレームを貫通している第一のネジ部材をディスク載置側から調整することができるので、いわゆるシャフトあおり調整において他の装置への組み込み時に発生するピックアップモジュールの歪みを補正することが出来、光ディスクへのデータの書き込み及び光ディスクからの読み出しをさらにより安定的に行うことが出来る。
【0032】
また、ピックアップは他の電気基板と接続するためのフレキシブル基板を有し、フレーム部材にはさらにピックアップがデータの読み込みおよび書き込みを行うための開口部を有する保護カバーが複数のネジ部材により取り付けられ、複数のネジ部材のうち少なくとも3つは開口部の同じ側で保護カバーを固定し、載置可能な最大ディスクの内周部・外周部・中周部にそれぞれ配置され、フレキシブル基板の屈曲部が内周部に配置されたネジ部材と中周部に配置されたネジ部材との間で保護カバーの裏面に当接するようにしてもよい。
【0033】
これによりフレキシブル基板の屈曲部による折り曲げ反力を中周部のネジ部材よりも外周側に作用させず内周側に限定することが出来、特に光ディスク外周部における保護カバーの光ディスク記録面への接触を防止することが出来る。その結果、光ディスクへのデータの書き込み及び光ディスクからの読み出しをさらにより安定的に行うことが出来る。
【0034】
また、内周部または中周部の少なくともいずれかのネジ部材は、保護カバーのうちフレキシブル基板の屈曲部による裏面への当接部分が光ディスク載置側へ変形可能となるよう取り付けられてもよい。
【0035】
これによりフレキシブル基板の屈曲部による折り曲げ反力が軽減されるので、フレキシブル基板と保護カバーとの摩擦が軽減され、これら2つの部材の使用寿命をさらに伸ばすことが出来る。
【0036】
本発明の請求項9のピックアップモジュールは、光ディスクに対して半径方向に移動しながらデータの読み込みおよび書き込みを行うピックアップおよびそれを搬送するためのピックアップ搬送装置を有し、ピックアップおよびピックアップ搬送装置を含む全ての構成部品を設置するためのフレーム部材を有し、フレーム部材にはスピンドルモータが直接取り付けられ、その他の部材はスピンドルモータと逆方向から取り付けられている。
【0037】
この構成により、ベースフレームに取り付けられるスピンドルモータとそれ以外の部材の組立基準面が同一となるので、これらの部材における取り付け角度のバラツキの積算が小さくなり、いわゆるシャフトあおりによる調整可能範囲が小さくて済み、ピックアップモジュール全体の薄型化を実現することが出来る。
【0038】
また、スピンドルモータはフレームのディスク載置側より取り付けられてもよい。
【0039】
これによりモータベース部材の類が不要となるので、ピックアップモジュール全体の薄型化を実現することが出来る。
【0040】
また、フレーム部材は光ディスクの載置外位置であってかつピックアップが最外位置に来た時に少なくともその上面の一部を覆う光ディスク載置外部とを備えていてもよい。
【0041】
これにより光ディスク載置外部の面積方向の寸法を大きく取ることで、従来のピックアップモジュールと比較して光ディスク主面に垂直な方向に薄くすることができる。剛性や強度、ピックアップ搬送精度を保つことが出来るので、従来のものより大幅に装置の厚さを薄くすることができ、かつメインシャフトやスクリューシャフトの平行度を確保出来る。またこれにより、このピックアップモジュールを内蔵する光ディスク装置全体が薄くなる。
【0042】
また、ピックアップ上面の一部にはレンズを除くレンズホルダ上面の一部が含まれていてもよい。
【0043】
これによりレンズ部分は保護カバーにより遮蔽されないので、ピックアップによるデータの読み込みや書き込みを妨げることなく、剛性や強度、ピックアップ搬送精度を保つことが出来るので、従来のものより大幅に装置の厚さを薄くすることができ、かつメインシャフトやスクリューシャフトの平行度を確保出来る。
【0044】
また、フレーム部材にはピックアップを支持および搬送するためのシャフト部材が配置され、シャフト部材の両端にはシャフト部材を保持するためのブラケットを有し、シャフト部材の少なくとも一方の端部近傍には、フレームを貫通する第一のネジ部材と、第二のネジ部材によりブラケットとともにフレームに固定される付勢部材とを有し、第一のネジ部材と付勢部材とが互いに対向する位置でシャフトを支持してもよい。
【0045】
これによりたとえ周辺の雰囲気温度や湿度等の環境が変化しても、それらの要因によるブラケットの変形等は板ばねの付勢力で吸収され、その結果シャフト部材とフレーム部材との間の距離が一定に保たれるので、ピックアップ内のレンズホルダに設けられたレンズから出入射される光ビームが光ディスクの理想的な記録面に対し垂直に、かつピックアップが移動可能な水平方向のいずれの位置にあっても等距離で照射するよう維持することが出来、ピックアップ搬送精度を保つことが出来、光ディスクへのデータの書き込み及び光ディスクからの読み出しをより安定的に行うことが出来る。
【0046】
また、フレーム部材にはさらにピックアップがデータの読み込みおよび書き込みを行うための開口部を有する保護カバーが取り付けられ、その保護カバーには第一のネジ部材の調整孔が設けられてもよい。
【0047】
これによりピックアップモジュール単体のみならず、ピックアップモジュールがドライブ装置等の他の装置に組み込まれた後であっても、ベースフレームを貫通している第一のネジ部材をディスク載置側から調整することができるので、いわゆるシャフトあおり調整において他の装置への組み込み時に発生するピックアップモジュールの歪みを補正することが出来、光ディスクへのデータの書き込み及び光ディスクからの読み出しをさらにより安定的に行うことが出来る。
【0048】
また、ピックアップは他の電気基板と接続するためのフレキシブル基板を有し、フレーム部材にはさらにピックアップがデータの読み込みおよび書き込みを行うための開口部を有する保護カバーが複数のネジ部材により取り付けられ、複数のネジ部材のうち少なくとも3つは開口部の同じ側で保護カバーを固定し、載置可能な最大ディスクの内周部・外周部・中周部にそれぞれ配置され、フレキシブル基板の屈曲部が内周部に配置されたネジ部材と中周部に配置されたネジ部材との間で保護カバーの裏面に当接するようにしてもよい。
【0049】
これによりフレキシブル基板の屈曲部による折り曲げ反力を中周部のネジ部材よりも外周側に作用させず内周側に限定することが出来、特に光ディスク外周部における保護カバーの光ディスク記録面への接触を防止することが出来る。その結果、光ディスクへのデータの書き込み及び光ディスクからの読み出しをさらにより安定的に行うことが出来る。
【0050】
また、内周部または中周部の少なくともいずれかのネジ部材は、保護カバーのうちフレキシブル基板の屈曲部による裏面への当接部分が光ディスク載置側へ変形可能となるよう取り付けられてもよい。
【0051】
これによりフレキシブル基板の屈曲部による折り曲げ反力が軽減されるので、フレキシブル基板と保護カバーとの摩擦が軽減され、これら2つの部材の使用寿命をさらに伸ばすことが出来る。
【0052】
本発明の請求項17のピックアップモジュールは、光ディスクに対して半径方向に移動しながらデータの読み込みおよび書き込みを行うピックアップおよびそれを搬送するためのピックアップ搬送装置を有し、ピックアップおよびピックアップ搬送装置を含む全ての構成部品を設置するためのフレーム部材を有し、フレーム部材にはピックアップを支持および搬送するためのシャフト部材が配置され、シャフト部材の両端にはシャフト部材を保持するためのブラケットを有し、シャフト部材の少なくとも一方の端部近傍には、フレームを貫通する第一のネジ部材と、第二のネジ部材によりブラケットとともにフレームに固定される付勢部材とを有し、第一のネジ部材と付勢部材とが互いに対向する位置でシャフトを支持している。
【0053】
この構成により、たとえ周辺の雰囲気温度や湿度等の環境が変化しても、それらの要因によるブラケットの変形等は板ばねの付勢力で吸収され、その結果シャフト部材とフレーム部材との間の距離が一定に保たれるので、ピックアップ内のレンズホルダに設けられたレンズから出入射される光ビームが光ディスクの理想的な記録面に対し垂直に、かつピックアップが移動可能な水平方向のいずれの位置にあっても等距離で照射するよう維持することが出来、ピックアップ搬送精度を保つことが出来、光ディスクへのデータの書き込み及び光ディスクからの読み出しをより安定的に行うことが出来る。
【0054】
また、フレーム部材にはさらにピックアップがデータの読み込みおよび書き込みを行うための開口部を有する保護カバーが取り付けられ、その保護カバーには第一のネジ部材の調整孔が設けられてもよい。
【0055】
これによりピックアップモジュール単体のみならず、ピックアップモジュールがドライブ装置等の他の装置に組み込まれた後であっても、ベースフレームを貫通している第一のネジ部材をディスク載置側から調整することができるので、いわゆるシャフトあおり調整において他の装置への組み込み時に発生するピックアップモジュールの歪みを補正することが出来、光ディスクへのデータの書き込み及び光ディスクからの読み出しをさらにより安定的に行うことが出来る。
【0056】
本発明の請求項19のピックアップモジュールは、光ディスクに対して半径方向に移動しながらデータの読み込みおよび書き込みを行うピックアップおよびそれを搬送するためのピックアップ搬送装置を有し、ピックアップおよびピックアップ搬送装置を含む全ての構成部品を設置するためのフレーム部材を有し、ピックアップは他の電気基板と接続するためのフレキシブル基板を有し、フレーム部材にはさらにピックアップがデータの読み込みおよび書き込みを行うための開口部を有する保護カバーが複数のネジ部材により取り付けられ、複数のネジ部材のうち少なくとも3つは開口部の同じ側で保護カバーを固定し、載置可能な最大ディスクの内周部・外周部・中周部にそれぞれ配置され、フレキシブル基板の屈曲部が内周部に配置されたネジ部材と中周部に配置されたネジ部材との間で保護カバーの裏面に当接するようにしている。
【0057】
この構成により、フレキシブル基板の屈曲部による折り曲げ反力を中周部のネジ部材よりも外周側に作用させず内周側に限定することが出来、特に光ディスク外周部における保護カバーの光ディスク記録面への接触を防止することが出来る。その結果、光ディスクへのデータの書き込み及び光ディスクからの読み出しをさらにより安定的に行うことが出来る。
【0058】
また、内周部または中周部の少なくともいずれかのネジ部材は、保護カバーのうちフレキシブル基板の屈曲部による裏面への当接部分が光ディスク載置側へ変形可能となるよう取り付けられてもよい。
【0059】
これによりフレキシブル基板の屈曲部による折り曲げ反力が軽減されるので、フレキシブル基板と保護カバーとの摩擦が軽減され、これら2つの部材の使用寿命をさらに伸ばすことが出来る。
【0060】
本発明の請求項21の光ディスク装置は、請求項1、9、17、19のいずれかに記載のピックアップモジュールを有する。
【0061】
この構成により、光ディスク装置全体が光ディスク主面に垂直な方向に薄くなり、かつその剛性や強度が確保され、光ディスクへのデータの書き込み及び光ディスクからの読み出しが安定的に行われる。
【0062】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しつつ更に具体的に説明する。ここでの説明は本発明が実施される最良の形態であることから、本発明は当該形態に限定される物ではない。
【0063】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
【0064】
(実施の形態1)
図1は本実施の形態1におけるピックアップモジュール全体の斜視図、図2は図1のピックアップモジュール全体を裏面側から見た斜視図である。図1および図2において、1はピックアップモジュールの構成部品を取り付け及び指示する部分であるベースフレーム、2はピックアップ5やレーザフレキシブル基板9等を外乱から保護するための保護カバー、3は図示しない光ディスクを回転させるためのスピンドルモータ、4はスピンドルモータ3の一部であり光ディスクを載置する部分であるターンテーブル、5は光ディスクに対しデータを読み込み/書き込みを行うピックアップ、6はピックアップ5を光ディスクの半径方向に対し搬送するための駆動動力源であるモータ、7はピックアップ5を支持するメインシャフト、8は同じくピックアップ5を支持するサブシャフト、10は直線上の棒の側面に螺旋状に溝が設けられており、ラック11に設けられた山の部分と噛み合うことにより、ラック11が取り付けられたピックアップ5を光ディスクの半径方向に対して搬送するためのスクリューシャフト、11は前記説明のラックである。なお、5aはピックアップ5に設けられたレンズホルダで、光ディスクに対しデータを読み込み/書き込みを行うための光ビームを入出射するレンズ5bを保持する。
【0065】
本実施の形態1において、ベースフレーム1には光ディスク載置外部1aが設けられている。従来の厚みを有するピックアップモジュールであれば高さ方向に余裕があるため、ベースフレームの周囲に設けられた外枠部により、ベースフレーム自体の強度を確保することが出来た。また、レンズホルダも高さ方向の寸法により強度を確保することが出来た。しかしながら本実施の形態のように高さ方向の寸法が取れない場合、高さ方向とは垂直となる面積方向の寸法を従来よりもさらに大きく取る必要がある。そのため、レンズホルダ5aの強度を確保するためにその面積方向の寸法を従来よりも出来るだけ大きく取り、ベースフレーム1の強度を確保するために光ディスク載置外部1aが設けられている。その結果図3に示すように、レンズホルダ5aが最外位置に来た時にはその一部の上面を覆うように光ディスク載置外部1aが設けられている。
【0066】
但し、レンズホルダ5aが最外位置に来た場合であっても、ピックアップ5は光ディスク上のデータの読み込みおよび書き込みが可能でなければならない。従ってレンズホルダ5aが最外位置に来た場合に、光ディスク載置外部1aはレンズ5bを除くレンズホルダ5aの上面の一部を覆うように、かつ面積方向の寸法を出来るだけ大きく確保出来るよう設けられている。
【0067】
次に、本実施の形態1のベースフレーム1には保護カバー2が複数のネジ部材2a〜2eにより固定されている。保護カバー2はピックアップ5がデータの読み込みおよび書き込みを行うための開口部を有する。
【0068】
複数のネジ部材2a〜2eのうち少なくとも3つ、すなわち本実施の形態1におけるネジ部材2a〜2cは前記開口部の同じ側で前記保護カバー2を固定している。これら3つのネジ部材2a〜2cはそれぞれ、載置可能な最大ディスクの内周部(ネジ部材2b)・外縁部(ネジ部材2c)・中周部に配置されている。
【0069】
図4は本実施の形態1における別のピックアップモジュールを裏面側から見た斜視図である。図1〜図3に示すピックアップモジュールとの主な相違はスピンドルモータ3aのみである。すなわち、図1〜図3に示すピックアップモジュールにおいてはベースフレーム1のディスク載置側からスピンドルモータ3が取り付けられるのに対し、図4のピックアップモジュールにおけるスピンドルモータ3aはあらかじめ底面にモータベース部材が取り付けられ、そのモータベース部材をベースフレーム1に対してネジ止め等で固定することにより、ベースフレーム1のディスク載置面の裏側から取り付けられる。
【0070】
9はピックアップ5の信号を図示しない光ディスク装置に設けられた電気基板に伝達するためのレーザフレキシブル基板、14はモータ6等に電力を供給するためのモータフレキシブル基板である。レーザフレキシブル基板9の片方の端部はピックアップ5に接続されている。その屈曲部9aは、本実施の形態のピックアップモジュールが光ディスク装置に取り付けられた状態において載置可能な最大ディスクの内周部から中周部付近に来るようになっており、ピックアップ5の載置可能な最大ディスクの内周部−外周部間における移動に伴い、内周部−中周部間を移動する。すなわち、図4における載置可能な最大ディスクの内周部にあるネジ部材2bと中周部にあるネジ部材2aとの間を、レーザフレキシブル基板9の屈曲部9aは移動する。図1および図2には図示していないが、図4と同様の構成を有するレーザフレキシブル基板を図1および図2に示すピックアップモジュールも有している。
【0071】
このようなレーザフレキシブル基板を有する場合、図1〜図3における保護カバー2のネジ部材2bとネジ部材2aとの間には、レーザフレキシブル基板の屈曲部による折り曲げ反力がかかる。開口部を有する保護カバー2をベースフレーム1に固定するためには最低でもネジ部材2b〜2eの4箇所が必要であるが、もし載置可能な最大ディスクの中周部にあるネジ部材2aが無ければ、レーザフレキシブル基板の屈曲部による折り曲げ反力がネジ部材2bとネジ部材2cとの間全体に作用し、保護カバー2のネジ部材2bとネジ部材2cとの間の部分が浮き上がり、その上部に載置する光ディスクの記録面に接触し傷つける可能性がある。特に光ディスクが反りを有する場合には外周部に行くほど反りが大きく、保護カバーとの距離が近くなるので、接触や傷つきの可能性が高くなる。
【0072】
そこでネジ部材2bとネジ部材2cとの間で別のネジ部材により保護カバー2を固定すればレーザフレキシブル基板9の屈曲部9aによる折り曲げ反力で保護カバー2が光ディスク記録面に接触し傷つけるのを防ぐことが可能である。しかし、組立工数をなるべく増やさないよう少ないネジ部材の追加で保護カバー2の光ディスクへの接触防止効果を得るためには、図4に示すように、載置可能な最大ディスクの中周部でかつレーザフレキシブル基板屈曲部の移動範囲両端を内周部のネジ部材2bと共に挟み込むようにネジ部材2aを1つ追加することが最も効果的である。
【0073】
その理由は以下のとおりである。光ディスクに反りがある場合、その内周部は外周部と比較して反りの程度が小さく、ネジ部材2bとネジ部材2aとの間の部分、すなわち光ディスクの載置内周部には、保護カバー2の光ディスク載置部2fよりも上部にあるターンテーブル4があるため、光ディスクからのクリアランスを確保しやすい。つまり、保護カバー2が上部に浮き上がったとしても、光ディスク載置部の内周部は外周部と比較して光ディスクの記録面に接触しにくい。よって、ネジ部材2bとネジ部材2cとの間に載置可能な最大ディスクの中周部でかつレーザフレキシブル基板屈曲部の移動範囲両端を内周部のネジ部材2bと共に挟み込むようにネジ部材2aを1つ追加することにより、レーザフレキシブル基板9の屈曲部9aの移動範囲をネジ部材2bとネジ部材2aとの間とすることで、屈曲部9aによる折り曲げ反力をネジ部材2aよりも外周側に作用させず、載置可能な最大ディスクの中周部よりも内周側に限定することが出来、特に光ディスク外周部における保護カバー2の光ディスク記録面への接触を防止することが出来る。
【0074】
なお、内周部にあるネジ部材2bまたは中周部にあるネジ部材2aの少なくともいずれかをベースフレーム1に対して完全固定せず、保護カバー2のネジ部材2bとネジ部材2aとの間の部分がレーザフレキシブル基板9の屈曲部9aの折り曲げ反力により浮き上がる構造としてもよい。これにより、レーザフレキシブル基板9の屈曲部9aによる折り曲げ反力をネジ部材2bとネジ部材2aとの間の部分に限定できることに加え、その折り曲げ反力が軽減されるので、レーザフレキシブル基板9と保護カバー2との摩擦が軽減され、これら2つの部材の使用寿命をさらに伸ばすことが出来る。
【0075】
図5は図1のピックアップモジュール全体の分解斜視図、図6は図5のピックアップモジュールを裏面側から見た分解斜視図である。図5および図6に示すように、スピンドルモータ3はベースフレーム1に直接取り付けられ、図1および図2のような状態に一体化される。
【0076】
従来のピックアップモジュールのようにモジュールの高さ方向に余裕がある場合は、スピンドルモータ(例えば図10における104)の下部にモータベース部材(例えば図10における104a)をあらかじめネジ部材等で取り付け、そのモータベース部材をさらにベースフレーム(例えば図10における115)にネジ部材等で固定することにより、スピンドルモータのベースフレームへの取り付けを間接的に行っていた。その場合、モータベース部材が取り付けられたスピンドルモータはベースフレームに取り付けられる他の部材と同じ方向から挿入載置して取り付けることが出来、組立工数が少なくて済む、という利点がある。
【0077】
しかしながらこのような従来の構成および取り付け方法ではモータベース部材の厚みが追加されてしまうので、スピンドルモータ上にあるターンテーブルとベースフレーム上の光ディスク載置部との間の高さを押さえることが出来ない。
【0078】
それに加えて上記の構成および取り付け方法では、組立基準面が二重に存在している。すなわち、スピンドルモータの組立基準面はモータベース部材であり、その他の部材の組立基準面はベースフレームである。この場合、モータベース部材の厚みのバラツキや、スピンドルモータのモータベース部材への取り付け角度のバラツキ、モータベース部材のベースフレームへの取り付け角度のバラツキ等が積算される。ピックアップ(例えば図9における102)内のレンズホルダ(例えば図9における102a)に設けられたレンズ(例えば図9における102b)から出入射される光ビームは、スピンドルモータ上のターンテーブル(例えば図8、図9における105)に載置される図示しない光ディスクの理想的な記録面に対し垂直に、かつピックアップが移動可能な水平方向のいずれの位置にあっても等距離で照射されなければならないが、上記バラツキの積算によりそれらが保たれなくなる。これらを補正するために、ピックアップを支持・搬送するメインシャフト両端やスクリューシャフト両端のベースフレームからの取り付け高さを調整(いわゆる「シャフトあおり」)を行う。
【0079】
しかしながら、ピックアップモジュールの薄型化・軽量化がさらに進むと、上記のいわゆるシャフトあおりによる調整可能範囲が小さくなってしまい、そのため上記バラツキの積算を吸収することが出来ず、ピックアップ内のレンズホルダに設けられたレンズから出入射される光ビームが光ディスクの理想的な記録面に対し垂直に、かつピックアップが移動可能な水平方向のいずれの位置にあっても等距離で照射出来なくなってしまう。
【0080】
よって本実施の形態1では上記のモータベース部材の類は用いずに、図5に示すように、ベースフレーム1にはスピンドルモータ取付凹部1bが設けられ、そのスピンドルモータ取付凹部1bにはスピンドルモータ3が直接取り付けられ、さらにそのスピンドルモータ3とその他の部材とは互いに逆方向から取り付けられるように構成されている。それらを固定するネジ部材等はいずれもスピンドルモータ3以外の部材の取り付け方向と同じ方向から挿入される。このような構成によりモータベース部材の類が不要となるので、ピックアップモジュール全体の薄型化を実現することが出来る。また、ベースフレーム1に取り付けられるスピンドルモータ3とそれ以外の部材の組立基準面が同一となるので、これらの部材における取り付け角度のバラツキの積算が小さくなり、いわゆるシャフトあおりによる調整可能範囲が小さくて済み、ピックアップモジュール全体の薄型化を実現することが出来る。
【0081】
また、既に述べたように、ベースフレーム1に対してスピンドルモータ3以外の部材はスピンドルモータ3と逆の方向から取り付けられる。スピンドルモータ3以外の部材の中にはピックアップ5を支持および搬送するためのシャフト部材、すなわち本実施の形態1においてはメインシャフト7、サブシャフト8、スクリューシャフト10も含まれている。これらのシャフト部材には剛性を確保するために、一般には金属が用いられる。
【0082】
メインシャフト7およびスクリューシャフト10の両端はブラケット15aおよび15bによりベースフレーム1に固定され、サブシャフト8の両端はブラケット15cおよび15dによりベースフレーム1に固定されている。これらのブラケット15a〜15dには複数のボスが設けられ、ベースフレーム1上に設けられたボス孔により取り付け位置が規制されている。ブラケット15a〜15dはメインシャフト7、サブシャフト8、スクリューシャフト10のピックアップ搬送方向の位置を規制する役割を有している。また、これらのブラケット15a〜15dには金属製のメインシャフト7、サブシャフト8、スクリューシャフト10との摺動性を確保するために、一般には樹脂が用いられる。
【0083】
上記3つのシャフト部材のうち、メインシャフト7の一方の端部近傍とサブシャフト8の両方の端部近傍には、ベースフレーム1を貫通するネジ部材と、それとは別のネジ部材によりブラケットとともにベースフレーム1に固定される付勢部材とが設けられており、ベースフレーム1を貫通するネジ部材と付勢部材とが互いに対向する位置でこれらのシャフトをメインシャフト7の一方の端部近傍およびサブシャフト8の両端部近傍で支持している。なお、ピックアップ5の電気的接地を確保するために、本実施の形態1における上記ベースフレーム1を貫通するネジ部材と付勢部材には金属材が用いられる。
【0084】
図7は図2および図6におけるメインシャフト7の端部7aとその周辺部の拡大断面図である。すなわち、ブラケット15aの内部であり、メインシャフト7の端部7aを収納しているシャフト端部収納部18aにおいて、ベースフレーム1を貫通するネジ部材2kと、それとは別のネジ部材16aによりブラケット15aとともにベースフレーム1に固定される付勢部材17aとがピックアップ搬送方向と垂直方向において互いに対向する位置に設けられてメインシャフト7を支持している。
【0085】
サブシャフト8の両端部近傍およびその周辺部も図7と類似した構成を有している。すなわち、ブラケット15cの内部においてはベースフレーム1を貫通するネジ部材2gと、それとは別のネジ部材16cによりブラケット15cとともにベースフレーム1に固定される付勢部材17cとが、ピックアップ搬送方向と垂直方向において互いに対向する位置に設けられてサブシャフト8を支持し、ブラケット15dの内部においてはベースフレーム1を貫通するネジ部材2hと、それとは別のネジ部材16dによりブラケット15dとともにベースフレーム1に固定される付勢部材17dとが、ピックアップ搬送方向と垂直方向において互いに対向する位置に設けられてサブシャフト8を支持している。
【0086】
ブラケット15a〜15dは金属製のメインシャフト7、サブシャフト8、スクリューシャフト10との摺動性を確保するために樹脂で構成されているが、周辺の雰囲気温度や湿度等の環境が変化すると、その変形度合いは金属製のシャフト部材7、8、10やベースフレーム1よりも格段に大きい。本実施の形態1のような構成を有することにより、ブラケット15a〜15dの変形を付勢部材17a、17c、17dで吸収することが出来る。例えば図7で説明すると、ブラケット15aが変形すればシャフト端部収納部18aの孔径や付勢部材17aのネジ部材16aによる取り付け部におけるベースフレーム1からの高さや位置は変動する。
【0087】
しかしながらメインシャフト7自体はその端部7aを収納しているシャフト端部収納部18aにおいて、ネジ部材2kと付勢部材17aのメインシャフト7への当接部のみにより支持されているため、メインシャフト7とベースフレーム1との間の距離は一定に保たれ、シャフト端部収納部18aの孔径の変動には影響されない。また、付勢部材17aのネジ部材16aによる取り付け部におけるベースフレーム1からの高さや位置の変動については付勢部材17aの有する付勢力がそれらの変動を吸収するので、やはりメインシャフト7とベースフレーム1との間の距離は一定に保たれる。
【0088】
このように図7に示す構成を有することでたとえ周辺の雰囲気温度や湿度等の環境が変化してもシャフト部材とフレーム部材との間の距離が一定に保たれるので、ピックアップ内のレンズホルダに設けられたレンズから出入射される光ビームが光ディスクの理想的な記録面に対し垂直に、かつピックアップが移動可能な水平方向のいずれの位置にあっても等距離で照射するよう維持することが出来、ピックアップ搬送精度を保つことが出来、光ディスクへのデータの書き込み及び光ディスクからの読み出しをより安定的に行うことが出来る。
【0089】
また、保護カバーにはベースフレーム1を貫通しているネジ部材2g、2h、2kをディスク載置側から調整することができるように調整孔が設けられている。これにより本実施の形態1のピックアップモジュール単体のみならず、ピックアップモジュールがドライブ装置等の他の装置に組み込まれた後であっても、いわゆるシャフトあおり調整において他の装置への組み込み時に発生するピックアップモジュールの歪みを補正することが出来、光ディスクへのデータの書き込み及び光ディスクからの読み出しをさらにより安定的に行うことが出来る。ピックアップモジュールを薄型化する場合にはモジュール自体の強度が不足しがちなので、ピックアップモジュールはドライブ装置等の他の装置に組み込まれた後においても歪みを発生しやすくなる。ドライブ装置等の他の装置に組み込まれた後であってもピックアップモジュールを調整可能な構成を有することはピックアップモジュールの薄型化において特に重要である。
【0090】
なお、本実施の形態1においては図7のような構成を上記3箇所のみに用いているが、本発明は特にこれらに限定されるものではなく、例えばスクリューシャフト等にも採用しても良いし、ピックアップに関係する全てのシャフト部材の端部に採用しても良い。
【0091】
以上のように本実施の形態1によれば、上記の構成によりメインシャフトやスクリューシャフトの平行度を確保出来、剛性や強度、ピックアップ搬送精度を保つことが出来るので、従来のものより大幅に装置の厚さを薄くすることができ、具体的には、全高9.5mm厚以下のピックアップモジュールを実現することが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明のピックアップ搬送装置は、薄型化が要求される光ディスク装置等の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】実施の形態1におけるピックアップモジュール全体の斜視図
【図2】図1のピックアップモジュールを裏面側から見た斜視図
【図3】図1のピックアップモジュールにおいてレンズホルダが最外位置に来た場合の斜視図
【図4】本実施の形態1における別のピックアップモジュールを裏面側から見た斜視図
【図5】図1のピックアップモジュール全体の分解斜視図
【図6】図5のピックアップモジュールを裏面側から見た分解斜視図
【図7】図2および図6におけるメインシャフトの端部とその周辺部の拡大断面図
【図8】従来のドロア方式のピックアップモジュールの分解斜視図
【図9】図8のピックアップモジュールの拡大図
【図10】図8のピックアップモジュールの裏面図
【符号の説明】
【0094】
1 ベースフレーム
2 保護カバー
3、3a スピンドルモータ
4 ターンテーブル
5 ピックアップ
6 モータ
7 メインシャフト
8 サブシャフト
9 レーザフレキシブル基板
10 スクリューシャフト
11 ラック
14 モータフレキシブル基板
15a、15b、15c、15d ブラケット
16a、16c、16d ネジ部材
17a、17c、17d 付勢部材
18a シャフト端部収納部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクに対して半径方向に移動しながらデータの読み込みおよび書き込みを行うピックアップおよびそれを搬送するためのピックアップ搬送装置を有し、
前記ピックアップおよびピックアップ搬送装置を含む全ての構成部品を設置するためのフレーム部材を有し、
前記フレーム部材は光ディスクの載置外位置であってかつ前記ピックアップが最外位置に来た時に少なくともその上面の一部を覆う光ディスク載置外部を備えた
ピックアップモジュール。
【請求項2】
前記ピックアップ上面の一部にはレンズを除くレンズホルダ上面の一部が含まれる
請求項1に記載のピックアップモジュール。
【請求項3】
前記フレーム部材にはスピンドルモータが直接取り付けられ、
その他の部材は前記スピンドルモータと逆方向から取り付けられる構造を有する
請求項1に記載のピックアップモジュール。
【請求項4】
前記スピンドルモータは前記フレームのディスク載置側より取り付けられる構造を有する
請求項3に記載のピックアップモジュール。
【請求項5】
前記フレーム部材には前記ピックアップを支持および搬送するためのシャフト部材が配置され、
前記シャフト部材の両端には前記シャフト部材を保持するためのブラケットを有し、
前記シャフト部材の少なくとも一方の端部近傍には、前記フレームを貫通する第一のネジ部材と、第二のネジ部材により前記ブラケットとともに前記フレームに固定される付勢部材とを有し、
前記第一のネジ部材と前記付勢部材とが互いに対向する位置で前記シャフトを支持する
請求項1に記載のピックアップモジュール。
【請求項6】
前記フレーム部材にはさらに前記ピックアップがデータの読み込みおよび書き込みを行うための開口部を有する保護カバーが取り付けられ、
前記保護カバーには前記第一のネジ部材の調整孔が設けられた
請求項5に記載のピックアップモジュール。
【請求項7】
前記ピックアップは他の電気基板と接続するためのフレキシブル基板を有し、
前記フレーム部材にはさらに前記ピックアップがデータの読み込みおよび書き込みを行うための開口部を有する保護カバーが複数のネジ部材により取り付けられ、
前記複数のネジ部材のうち少なくとも3つは前記開口部の同じ側で前記保護カバーを固定し、載置可能な最大ディスクの内周部・外周部・中周部にそれぞれ配置され、
前記フレキシブル基板の屈曲部が前記内周部に配置されたネジ部材と前記中周部に配置されたネジ部材との間で前記保護カバーの裏面に当接する
請求項1に記載のピックアップモジュール。
【請求項8】
前記内周部または中周部の少なくともいずれかのネジ部材は、前記保護カバーのうち前記フレキシブル基板の屈曲部による裏面への当接部分が光ディスク載置側へ変形可能となるよう取り付けられた
請求項7に記載のピックアップモジュール。
【請求項9】
光ディスクに対して半径方向に移動しながらデータの読み込みおよび書き込みを行うピックアップおよびそれを搬送するためのピックアップ搬送装置を有し、
前記ピックアップおよびピックアップ搬送装置を含む全ての構成部品を設置するためのフレーム部材を有し、
前記フレーム部材にはスピンドルモータが直接取り付けられ、
その他の部材は前記スピンドルモータと逆方向から取り付けられる構造を有する
ピックアップモジュール。
【請求項10】
前記スピンドルモータは前記フレームのディスク載置側より取り付けられる構造を有する
請求項9に記載のピックアップモジュール。
【請求項11】
前記フレーム部材は光ディスクの載置外位置であってかつ前記ピックアップが最外位置に来た時に少なくともその上面の一部を覆う光ディスク載置外部を備えた
請求項9に記載のピックアップモジュール。
【請求項12】
前記ピックアップ上面の一部にはレンズを除くレンズホルダ上面の一部が含まれる
請求項11に記載のピックアップモジュール。
【請求項13】
前記フレーム部材には前記ピックアップを支持および搬送するためのシャフト部材が配置され、
前記シャフト部材の両端には前記シャフト部材を保持するためのブラケットを有し、
前記シャフト部材の少なくとも一方の端部近傍には、前記フレームを貫通する第一のネジ部材と、第二のネジ部材により前記ブラケットとともに前記フレームに固定される付勢部材とを有し、
前記第一のネジ部材と前記付勢部材とが互いに対向する位置で前記シャフトを支持する
請求項9に記載のピックアップモジュール。
【請求項14】
前記フレーム部材にはさらに前記ピックアップがデータの読み込みおよび書き込みを行うための開口部を有する保護カバーが取り付けられ、
前記保護カバーには前記第一のネジ部材の調整孔が設けられた
請求項13に記載のピックアップモジュール。
【請求項15】
前記ピックアップは他の電気基板と接続するためのフレキシブル基板を有し、
前記フレーム部材にはさらに前記ピックアップがデータの読み込みおよび書き込みを行うための開口部を有する保護カバーが複数のネジ部材により取り付けられ、
前記複数のネジ部材のうち少なくとも3つは前記開口部の同じ側で前記保護カバーを固定し、載置可能な最大ディスクの内周部・外周部・中周部にそれぞれ配置され、
前記フレキシブル基板の屈曲部が前記内周部に配置されたネジ部材と前記中周部に配置されたネジ部材との間で前記保護カバーの裏面に当接する
請求項9に記載のピックアップモジュール。
【請求項16】
前記内周部または中周部の少なくともいずれかのネジ部材は、前記保護カバーのうち前記フレキシブル基板の屈曲部による裏面への当接部分が光ディスク載置側へ変形可能となるよう取り付けられた
請求項15に記載のピックアップモジュール。
【請求項17】
光ディスクに対して半径方向に移動しながらデータの読み込みおよび書き込みを行うピックアップおよびそれを搬送するためのピックアップ搬送装置を有し、
前記ピックアップおよびピックアップ搬送装置を含む全ての構成部品を設置するためのフレーム部材を有し、
前記フレーム部材には前記ピックアップを支持および搬送するためのシャフト部材が設置され、
前記シャフト部材の両端には前記シャフト部材を保持するためのブラケットを有し、
前記シャフト部材の少なくとも一方の端部近傍には、前記フレームを貫通する第一のネジ部材と、第二のネジ部材により前記ブラケットとともに前記フレームに固定される付勢部材とを有し、
前記第一のネジ部材と前記付勢部材とが互いに対向する位置で前記シャフトを支持する
ピックアップモジュール。
【請求項18】
前記フレーム部材にはさらに前記ピックアップがデータの読み込みおよび書き込みを行うための開口部を有する保護カバーが取り付けられ、
前記保護カバーには前記第一のネジ部材の調整孔が設けられた
請求項17に記載のピックアップモジュール。
【請求項19】
光ディスクに対して半径方向に移動しながらデータの読み込みおよび書き込みを行うピックアップおよびそれを搬送するためのピックアップ搬送装置を有し、
前記ピックアップおよびピックアップ搬送装置を含む全ての構成部品を設置するためのフレーム部材を有し、
前記ピックアップは他の電気基板と接続するためのフレキシブル基板を有し、
前記フレーム部材にはさらに前記ピックアップがデータの読み込みおよび書き込みを行うための開口部を有する保護カバーが複数のネジ部材により取り付けられ、
前記複数のネジ部材のうち少なくとも3つは前記開口部の同じ側で前記保護カバーを固定し、載置可能な最大ディスクの内周部・外周部・中周部にそれぞれ配置され、
前記フレキシブル基板の屈曲部が前記内周部に配置されたネジ部材と前記中周部に配置されたネジ部材との間で前記保護カバーの裏面に当接する
ピックアップモジュール。
【請求項20】
前記内周部または中周部の少なくともいずれかのネジ部材は、前記保護カバーのうち前記フレキシブル基板の屈曲部による裏面への当接部分が光ディスク載置側へ変形可能となるよう取り付けられた
請求項19に記載のピックアップモジュール。
【請求項21】
前記請求項1、9、17、19のいずれかに記載のピックアップモジュールを有する光ディスク装置。
【請求項1】
光ディスクに対して半径方向に移動しながらデータの読み込みおよび書き込みを行うピックアップおよびそれを搬送するためのピックアップ搬送装置を有し、
前記ピックアップおよびピックアップ搬送装置を含む全ての構成部品を設置するためのフレーム部材を有し、
前記フレーム部材は光ディスクの載置外位置であってかつ前記ピックアップが最外位置に来た時に少なくともその上面の一部を覆う光ディスク載置外部を備えた
ピックアップモジュール。
【請求項2】
前記ピックアップ上面の一部にはレンズを除くレンズホルダ上面の一部が含まれる
請求項1に記載のピックアップモジュール。
【請求項3】
前記フレーム部材にはスピンドルモータが直接取り付けられ、
その他の部材は前記スピンドルモータと逆方向から取り付けられる構造を有する
請求項1に記載のピックアップモジュール。
【請求項4】
前記スピンドルモータは前記フレームのディスク載置側より取り付けられる構造を有する
請求項3に記載のピックアップモジュール。
【請求項5】
前記フレーム部材には前記ピックアップを支持および搬送するためのシャフト部材が配置され、
前記シャフト部材の両端には前記シャフト部材を保持するためのブラケットを有し、
前記シャフト部材の少なくとも一方の端部近傍には、前記フレームを貫通する第一のネジ部材と、第二のネジ部材により前記ブラケットとともに前記フレームに固定される付勢部材とを有し、
前記第一のネジ部材と前記付勢部材とが互いに対向する位置で前記シャフトを支持する
請求項1に記載のピックアップモジュール。
【請求項6】
前記フレーム部材にはさらに前記ピックアップがデータの読み込みおよび書き込みを行うための開口部を有する保護カバーが取り付けられ、
前記保護カバーには前記第一のネジ部材の調整孔が設けられた
請求項5に記載のピックアップモジュール。
【請求項7】
前記ピックアップは他の電気基板と接続するためのフレキシブル基板を有し、
前記フレーム部材にはさらに前記ピックアップがデータの読み込みおよび書き込みを行うための開口部を有する保護カバーが複数のネジ部材により取り付けられ、
前記複数のネジ部材のうち少なくとも3つは前記開口部の同じ側で前記保護カバーを固定し、載置可能な最大ディスクの内周部・外周部・中周部にそれぞれ配置され、
前記フレキシブル基板の屈曲部が前記内周部に配置されたネジ部材と前記中周部に配置されたネジ部材との間で前記保護カバーの裏面に当接する
請求項1に記載のピックアップモジュール。
【請求項8】
前記内周部または中周部の少なくともいずれかのネジ部材は、前記保護カバーのうち前記フレキシブル基板の屈曲部による裏面への当接部分が光ディスク載置側へ変形可能となるよう取り付けられた
請求項7に記載のピックアップモジュール。
【請求項9】
光ディスクに対して半径方向に移動しながらデータの読み込みおよび書き込みを行うピックアップおよびそれを搬送するためのピックアップ搬送装置を有し、
前記ピックアップおよびピックアップ搬送装置を含む全ての構成部品を設置するためのフレーム部材を有し、
前記フレーム部材にはスピンドルモータが直接取り付けられ、
その他の部材は前記スピンドルモータと逆方向から取り付けられる構造を有する
ピックアップモジュール。
【請求項10】
前記スピンドルモータは前記フレームのディスク載置側より取り付けられる構造を有する
請求項9に記載のピックアップモジュール。
【請求項11】
前記フレーム部材は光ディスクの載置外位置であってかつ前記ピックアップが最外位置に来た時に少なくともその上面の一部を覆う光ディスク載置外部を備えた
請求項9に記載のピックアップモジュール。
【請求項12】
前記ピックアップ上面の一部にはレンズを除くレンズホルダ上面の一部が含まれる
請求項11に記載のピックアップモジュール。
【請求項13】
前記フレーム部材には前記ピックアップを支持および搬送するためのシャフト部材が配置され、
前記シャフト部材の両端には前記シャフト部材を保持するためのブラケットを有し、
前記シャフト部材の少なくとも一方の端部近傍には、前記フレームを貫通する第一のネジ部材と、第二のネジ部材により前記ブラケットとともに前記フレームに固定される付勢部材とを有し、
前記第一のネジ部材と前記付勢部材とが互いに対向する位置で前記シャフトを支持する
請求項9に記載のピックアップモジュール。
【請求項14】
前記フレーム部材にはさらに前記ピックアップがデータの読み込みおよび書き込みを行うための開口部を有する保護カバーが取り付けられ、
前記保護カバーには前記第一のネジ部材の調整孔が設けられた
請求項13に記載のピックアップモジュール。
【請求項15】
前記ピックアップは他の電気基板と接続するためのフレキシブル基板を有し、
前記フレーム部材にはさらに前記ピックアップがデータの読み込みおよび書き込みを行うための開口部を有する保護カバーが複数のネジ部材により取り付けられ、
前記複数のネジ部材のうち少なくとも3つは前記開口部の同じ側で前記保護カバーを固定し、載置可能な最大ディスクの内周部・外周部・中周部にそれぞれ配置され、
前記フレキシブル基板の屈曲部が前記内周部に配置されたネジ部材と前記中周部に配置されたネジ部材との間で前記保護カバーの裏面に当接する
請求項9に記載のピックアップモジュール。
【請求項16】
前記内周部または中周部の少なくともいずれかのネジ部材は、前記保護カバーのうち前記フレキシブル基板の屈曲部による裏面への当接部分が光ディスク載置側へ変形可能となるよう取り付けられた
請求項15に記載のピックアップモジュール。
【請求項17】
光ディスクに対して半径方向に移動しながらデータの読み込みおよび書き込みを行うピックアップおよびそれを搬送するためのピックアップ搬送装置を有し、
前記ピックアップおよびピックアップ搬送装置を含む全ての構成部品を設置するためのフレーム部材を有し、
前記フレーム部材には前記ピックアップを支持および搬送するためのシャフト部材が設置され、
前記シャフト部材の両端には前記シャフト部材を保持するためのブラケットを有し、
前記シャフト部材の少なくとも一方の端部近傍には、前記フレームを貫通する第一のネジ部材と、第二のネジ部材により前記ブラケットとともに前記フレームに固定される付勢部材とを有し、
前記第一のネジ部材と前記付勢部材とが互いに対向する位置で前記シャフトを支持する
ピックアップモジュール。
【請求項18】
前記フレーム部材にはさらに前記ピックアップがデータの読み込みおよび書き込みを行うための開口部を有する保護カバーが取り付けられ、
前記保護カバーには前記第一のネジ部材の調整孔が設けられた
請求項17に記載のピックアップモジュール。
【請求項19】
光ディスクに対して半径方向に移動しながらデータの読み込みおよび書き込みを行うピックアップおよびそれを搬送するためのピックアップ搬送装置を有し、
前記ピックアップおよびピックアップ搬送装置を含む全ての構成部品を設置するためのフレーム部材を有し、
前記ピックアップは他の電気基板と接続するためのフレキシブル基板を有し、
前記フレーム部材にはさらに前記ピックアップがデータの読み込みおよび書き込みを行うための開口部を有する保護カバーが複数のネジ部材により取り付けられ、
前記複数のネジ部材のうち少なくとも3つは前記開口部の同じ側で前記保護カバーを固定し、載置可能な最大ディスクの内周部・外周部・中周部にそれぞれ配置され、
前記フレキシブル基板の屈曲部が前記内周部に配置されたネジ部材と前記中周部に配置されたネジ部材との間で前記保護カバーの裏面に当接する
ピックアップモジュール。
【請求項20】
前記内周部または中周部の少なくともいずれかのネジ部材は、前記保護カバーのうち前記フレキシブル基板の屈曲部による裏面への当接部分が光ディスク載置側へ変形可能となるよう取り付けられた
請求項19に記載のピックアップモジュール。
【請求項21】
前記請求項1、9、17、19のいずれかに記載のピックアップモジュールを有する光ディスク装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2007−265560(P2007−265560A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−91199(P2006−91199)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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