説明

ピペットチップ供給装置および検体分析装置

【課題】ピペットチップを円滑に搬送することが可能なピペットチップ供給装置を提供する。
【解決手段】このピペットチップ供給装置は、一端に装着口を有する検体吸引用のピペットチップを複数収容する収容部と、収容部から送出された前記ピペットチップを1つずつ仕分ける仕分け部と、仕分け部により仕分けられたピペットチップを、装着口を上方へ向けた状態に姿勢を変化させて移送する移送部と、仕分け部から前記移送部に送られた前記ピペットチップを検出する検出部と、を備え、検出部がピペットチップを検出すると、移送部はピペットチップの移送方向とは逆方向への移送動作を行った後に、ピペットチップの移送方向への移送動作を行う

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピペットチップ供給装置および検体分析装置に関し、特に、ピペットチップを移送する移送部を備えたピペットチップ供給装置および検体分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、検体や試薬等の液体の吸引および吐出を行うための分注ノズルを備え、汚染を防止するために分注ノズルの先端に使い捨て式のピペットチップが付け替え可能に装着される検体分析装置が知られている。このような分析装置では、一般に、分注作業を連続的に行うことができるように、ピペットチップを1つずつ分注ノズルに供給するためのピペットチップ供給装置を備えている。また、従来から種々のピペットチップ供給装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、ピペットチップが収容されたストッカーと、ストッカー内に収容されたピペットチップを順次上方に搬送するとともに、上方に搬送されたピペットチップを落下させるバケットコンベアと、バケットコンベアから落下されたピペットチップがシュートを介して誘導される漏斗状のホッパーと、ホッパーにより誘導されるピペットチップが載置され、載置されたピペットチップを搬送する搬送レールとを備えたピペットチップセット機が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2000‐19182号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1によるピペットチップ供給装置では、ピペットチップを円滑に搬送できない場合があるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本発明の1つの目的は、ピペットチップを円滑に搬送することが可能なピペットチップ供給装置および検体分析装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面によるピペットチップ供給装置は、一端に装着口を有する検体吸引用のピペットチップを複数収容する収容部と、前記収容部から送出された前記ピペットチップを1つずつ仕分ける仕分け部と、前記仕分け部により仕分けられた前記ピペットチップを、前記装着口を上方へ向けた状態に姿勢を変化させて移送する移送部と、前記仕分け部から前記移送部に送られた前記ピペットチップを検出する検出部と、を備え、前記検出部が前記ピペットチップを検出すると、前記移送部は前記ピペットチップの移送方向とは逆方向への移送動作を行った後に、前記ピペットチップの移送方向への移送動作を行う
【0008】
この第1の局面によるピペットチップ供給装置では、ピペットチップを円滑に搬送することができる。
【0009】
上記第1の局面によるピペットチップ供給装置において、好ましくは、前記移送部は前記移送部の移送終点において前記ピペットチップを落下させるよう構成され、前記移送部の前記移送終点に到達する前の待機位置において前記ピペットチップを検出する第2の検出部を備える
【0010】
上記第2検出部を備えたピペットチップ供給装置において、好ましくは、前記第2の検出部が前記ピペットチップを検出すると、前記移送部は前記待機位置において移送動作を停止するように構成されている。
【0011】
上記第1の局面によるピペットチップ供給装置において、好ましくは、前記移送部は、前記ピペットチップを保持する送りネジを有する。
【0012】
上記第1の局面によるピペットチップ供給装置において、好ましくは、前記収容部から前記仕分け部の間に、前記仕分け部に向かって下方向に傾斜するよう配置された受け部を備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態によるピペットチップ供給装置を備えた免疫分析装置の全体構成を示した平面図である。図2は、本発明の一実施形態によるピペットチップ供給装置が供給するピペットチップの正面図である。図3〜図20は、図1に示した一実施形態によるピペットチップ供給装置および免疫分析装置の構成を説明するための図である。まず、図1〜図20を参照して、本発明の一実施形態によるピペットチップ供給装置を備えた免疫分析装置の構成について説明する。
【0015】
本発明の一実施形態によるピペットチップ供給装置30を備えた免疫分析装置1は、血液などの検体を用いてB型肝炎、C型肝炎、腫瘍マーカおよび甲状腺ホルモンなど種々の項目の検査を行うための装置である。この免疫分析装置1は、図1に示すように、検体である血液の測定を行う機能を有する測定ユニット2と、測定ユニット2から出力された測定結果を分析して分析結果を得るデータ処理ユニット150とにより構成されている。測定ユニット2は、検体搬送部(サンプラ)10と、緊急検体・チップ搬送部20と、ピペットチップ供給装置30と、検体分注アーム50と、試薬設置部61および62と、キュベット供給部70と、1次反応部81および2次反応部82と、試薬分注アーム91、92、93および94と、BF分離部101およびBF分離部102と、搬送キャッチャ部110と、検出部120と、廃棄部130と、チップ脱離部140とから構成されている。なお、本実施形態による免疫分析装置1は、検体分注アーム50により吸引および吐出された血液などの検体が他の検体と混ざり合うのを抑制するために、検体の吸引および吐出を行う度に、使い捨てのピペットチップ3(図2参照)の交換を行うように構成されている。
【0016】
この免疫分析装置1の測定ユニット2では、測定対象である抗原が含まれる血液などの検体と捕捉抗体(R1試薬)、磁性粒子(R2試薬)を混和させて、抗原、捕捉抗体および磁性粒子を結合させた後に、磁性粒子をBF(Bound Free)分離部101の磁石101dに引き寄せることにより、未反応(Free)の捕捉抗体を含む溶液を除去する。そして、抗原が結合(Bound)した磁性粒子に標識抗体(R3試薬)を結合させた後に、結合(Bound)した磁性粒子、抗原および標識抗体をBF分離部102の磁石102dに引き寄せることにより、未反応(Free)の標識抗体を含むR3試薬を除去する。さらに、標識抗体との反応過程で発光する発光基質(R5試薬)を添加した後、標識抗体と発光基質との反応によって生じる発光量を測定する。このような過程を経て、標識抗体と結合する検体に含まれる抗原を定量的に測定するように構成されている。
【0017】
また、図3に示すように、測定ユニット2における各機構(各種分注アーム、ピペットチップ供給装置30など)は、測定ユニット2に設けられた制御部2aにより制御される。たとえば、制御部2aは、ピペットチップ供給装置30に設けられた各種センサ(後述する検出センサ(透過型センサ)40a〜40gなど)の信号を受信するとともに、ピペットチップ供給装置30に設けられた各種駆動源(ステッピングモータ361aおよびステッピングモータ363aなど)の駆動を制御する。また、緊急検体・チップ搬送部20も制御部2aによって制御するように構成されている。なお、各種分注アーム、各種センサおよび各種駆動源については後に詳細に説明する。
【0018】
制御部2aは、図4に示すように、CPU2bと、ROM2cと、RAM2dと、通信インタフェース2eとから主として構成されている。
【0019】
CPU2bは、ROM2cに記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM2dに読み出されたコンピュータプログラムを実行することが可能である。ROM2cは、CPU2bに実行させるためのコンピュータプログラムおよびそのコンピュータプログラムの実行に用いるデータなどを記憶している。RAM2dは、ROM2cに記憶しているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU2bの作業領域として利用される。
【0020】
通信インタフェース2eは、データ処理ユニット150(図1参照)に接続されており、検体の光学的な情報(標識抗体と発光基質との反応によって生じる発光量のデータ)をデータ処理ユニット150に送信するとともに、データ処理ユニット150の後述する制御部150aからの信号を受信するための機能を果たす。また、通信インタフェース2eは、緊急検体・チップ搬送部20(図1参照)および測定ユニット2(図1参照)の各部を駆動するためのCPU2bからの指令を送信するための機能を有する。
【0021】
検体搬送部10は、図1に示すように、検体を収容した複数の試験管4が載置されたラック5を検体分注アーム50の吸引位置1aに対応する位置まで搬送するように構成されている。この検体搬送部10は、未処理の検体を収容した試験管4が載置されたラック5をセットするためのラックセット部10aと、分注処理済みの検体を収容した試験管4が載置されたラック5を貯留するためのラック貯留部10bとを有している。そして、未処理の検体を収容した試験管4を検体分注アーム50の吸引位置1aに対応する位置まで搬送し、検体分注アーム50により試験管4内の血液などの検体の吸引が行なわれて、その試験管4を載置したラック5がラック貯留部10bに貯留されるように構成されている。
【0022】
緊急検体・チップ搬送部20は、検体搬送部10により搬送される検体に割り込んで検査する必要がある緊急検体を収容した試験管4を検体分注アーム50の装着位置1bまで搬送するように構成されている。この緊急検体・チップ搬送部20は、図1、図5および図6に示すように、X方向に延びるように設けられたスライドレール21と、スライドレール21に沿って移動可能に設けられるスライド本体22からなる直動ガイドと、スライド本体22に取り付けられる搬送ラック23と、搬送ラック23の下部に取り付けられる検出片24と、検出片24によって遮光される遮光センサ25とを含んでいる。また、搬送ラック23には、緊急の検体が収容された試験管4を載置するための試験管設置部23aと、後述するピペットチップ供給装置30から供給されるピペットチップ3(図2参照)を載置するための丸穴のチップ設置部23b(図6参照)とが設けられている。また、検出片24は、ピペットチップ供給装置30からピペットチップ3を受け取る位置に配置された場合に、遮光センサ25を遮光するように配置されている。そして、搬送ラック23は、図示しないモータからの駆動力によりスライドレール21に沿って移動することにより、緊急の検体が収容された試験管4およびピペットチップ3を検体分注アーム50の装着位置1b(図1参照)まで搬送するように構成されている。
【0023】
ここで、本実施形態では、ピペットチップ供給装置30は、後述するチップ補給部31に投入したピペットチップ3(図2参照)を1つずつ緊急検体・チップ搬送部20の搬送ラック23のチップ設置部23bに載置する機能を有している。また、ピペットチップ供給装置30は、ピペットチップ3の先端部3a(図2参照)が下向きになるように方向付けた状態で搬送ラック23のチップ設置部23bに供給する機能も有している。このピペットチップ供給装置30は、図7〜図9に示すように、チップ補給部31と、チップ供給機構部32と、除電ファン33と、チップ貯留部34と、排出機構部35と、仕分機構部36と、移送部37および移送部38と、2つのシュート39aおよび39bと、7つの検出センサ(透過型センサ)40a〜40gとから構成されている。
【0024】
チップ補給部31は、複数の補給用のピペットチップ3(図2参照)を収容可能に構成されている。このチップ補給部31に収容されるピペットチップ3は、複数個(たとえば、500個)が袋詰めされた状態で市販されている。そして、袋詰された状態のピペットチップ3は、市場に出回る輸送過程においてピペットチップ3が互いに擦れることに起因して、数kV(たとえば、約6kV)程度の静電気を帯びていることがある。チップ補給部31は、図8に示すように、袋から取り出した複数のピペットチップ3を投入するための投入口31aと、収容したピペットチップ3を排出する排出口31bとを含んでいる。
【0025】
チップ補給部31の排出口31bは、図10に示すように、排出口31bから落下したピペットチップ3を後述するチップ供給機構部32のドラム323に導くように構成されている。具体的には、排出口31bには、排出口31bを開閉可能に駆動するステッピングモータ31c(図3参照)が接続されている。そして、ステッピングモータ31cは、後述するドラム部321の遮光センサ322の出力によってドラム部321の内部にピペットチップ3が満たされていないと判断された場合に、チップ補給部31のピペットチップ3を排出口31bからドラム部321のドラム323に排出するよう駆動される。
【0026】
また、チップ補給部31の排出口31bの近傍の位置には、図9に示すように、チップ補給部31に収容されるピペットチップ3の有無を検出するための検出センサ(透過型センサ)40aが設けられている。
【0027】
チップ供給機構部32は、図10および図11に示すように、チップ補給部31の排出口31bから投下されたピペットチップ3を受け入れるとともに、受け入れたピペットチップ3の一部をチップ貯留部34に送出する機能を有している。このチップ供給機構部32は、シャーシ30aに対して回転可能に取り付けられるドラム部321と、ドラム部321の回転位置を検出するとともに、ドラム部321の内部にピペットチップ3が満たされているか否かを検出するための遮光センサ322とにより構成されている。また、ドラム部321は、複数のピペットチップ3を収容可能な筒体からなるドラム323と、ドラム323の外周に沿って巻き付けられるチェーン324と、チェーン324を駆動するステッピングモータ325(図3参照)と、筒体のドラム323の収容部323aを塞ぐようにシャーシ30a側とは反対側に取り付けられる蓋部326(図10参照)とを含んでいる。また、ドラム323の内側には、ドラム部321が回転した場合に、ピペットチップ3を持ち上げることが可能な複数の小分け部323bが設けられている。これら小分け部323bは、チップ貯留部34に送り出されるピペットチップ3の数が所定量(本実施形態では、3〜5本)になるような形状となっており、過剰量のピペットチップ3をチップ貯留部34に送り出さないように設けられている。したがって、除電ファン33から送風される電離した空気がチップ貯留部34のピペットチップ3にまんべんなく当たり、効果的に除電が行われるように構成されている。
【0028】
また、チップ供給機構部32には、収容されたピペットチップ3を送出するための送出部30bが設けられており、チップ供給機構部32は、小分け部323bに持ち上げられるピペットチップ3が送出部30bを介してチップ貯留部34に送り出されるように構成されている。また、ドラム部321の送出部30bの近傍には、小分け部323bから落下されるピペットチップ3を受けるためのガイド部327が設けられており、ガイド部327は、ピペットチップ3がガイド部327に沿って滑り落ちるとともに、送出部30bに導かれるように構成されている。
【0029】
また、ドラム部321のドラム323には、塩化ビニルシートにより形成された2つの窓部323cが180度間隔で設けられている。これら2つの窓部323cは、遮光センサ322によりドラム部321の内部にピペットチップ3が残っているか否かを検知可能とするために設けられている。具体的には、窓部323cがピペットチップ3により覆われている場合には、ドラム部321の内部にピペットチップ3が残っていると制御部2aが判断するとともに、窓部323cがピペットチップ3により覆われていない場合には、制御部2aは、ドラム部321の内部にピペットチップ3が残っていないと判断するように構成されている。
【0030】
ドラム部321を上記のように構成することによって、ステッピングモータ325の駆動に伴ってチェーン324およびそのチェーン324が巻き付けられるドラム323が回転する。そして、ドラム323の回転に伴ってドラム323の内側に設けられる小分け部323bも回転するのに伴って、ドラム323の収容部323a内の下部に貯留されたピペットチップ3が小分け部323bに持ち上げられて、シャーシ30aの送出部30b(図8参照)を介して後述するチップ貯留部34に送出される。なお、このとき、ドラム323の回転によりドラム323の内部に収容されたピペットチップ3が互いに擦れることに起因して、ピペットチップ3に静電気が発生する。
【0031】
チップ貯留部34は、図7および図8に示すように、仕分機構部36と、排出機構部35の受け部351と、シャーシ30aと、カバー部材34a(図9参照)とにより囲まれた領域により構成されている。このチップ貯留部34は、シャーシ30aの送出部30bから送出される所定量のピペットチップ3を貯留するように構成されている。また、受け部351は、仕分機構部36側に向かって下方向に傾斜するように配置されており、送出部30bからチップ貯留部34に送出されたピペットチップ3は、後述する仕分機構部36の切出機構部361が最下点(図8の位置)に位置している場合に、切出機構部361の斜面部362の上に載置される。また、除電ファン33は、電離した空気を受け部351の仕分機構部36側に送風するように構成されており、電離した空気がピペットチップ3にまんべんなく当たり、ピペットチップ3に帯電している帯電電荷が効果的に除電されるように構成されている。
【0032】
また、受け部351の仕分機構部36の近傍の位置には、チップ貯留部34にピペットチップ3が貯留されているか否かを検出するための検出センサ(透過型センサ)40b(図9参照)が設けられている。具体的には、検出センサ40bは、カバー部材34a(図9参照)に取り付けられており、後述する仕分機構部36の切出機構部361の移動部材361eが下側に位置する場合に、仕分機構部36の切出機構部361の移動部材361eの斜面部362上に載置されるピペットチップ3が位置しているか否かを検出するために設けられている。そして、制御部2aにより、この検出センサ40bが切出機構部361の移動部材361eの斜面部362上においてピペットチップ3が無い(検出センサ40bがオフ状態)と判断された場合には、チップ供給機構部32は、ステッピングモータ325が駆動されるとともに、ドラム323が回転されるように構成されている。すなわち、チップ貯留部34には、送出部30bを介して送出部30bからチップ供給機構部32に収容されているピペットチップ3が供給(送出)される。また、制御部2aにより、検出センサ40bが切出機構部361の移動部材361eの斜面部362上にピペットチップ3が存在する(検出センサ40bがオン状態)と判断された場合には、切出機構部361の移動部材361eは、上方に移動するように構成されている。
【0033】
ここで、本実施形態では、除電ファン33は、電離した空気(イオン風)を送風する機能を有しており、チップ貯留部34に貯留されたピペットチップ3に帯電した静電気(帯電電荷)を除去する除電動作を行うことが可能である。この除電ファン33は、図7および図8に示すように、ピペットチップ3に接触しないようにチップ貯留部34および送出部30bの上方に配置され、開閉可能に構成された蓋部331に設けられている。この蓋部331は、チップ貯留部34の内部などでピペットチップ3が詰まるなどの不具合が生じた場合に、チップ貯留部34の内部などをメンテナンス可能とし、また除電ファンの清掃作業を可能とするために開閉可能に設けられている。また、蓋部331は、送出部30b、チップ貯留部34および仕分機構部36によって形成された空間を実質的に閉塞するように構成されている。そして、蓋部331に保持された除電ファン33は、図8に示すように、送風口33aが受け部351の仕分機構部36側近傍(図8の領域F)に向くように配置されている。つまり、除電ファン33は、チップ貯留部34に位置するピペットチップ3に電離した空気を送風するとともに、仕分機構部36に位置するピペットチップ3に電離した空気を送風するように配置されている。また、除電ファン33は、ドラム323が回転し、チップ供給機構部32(ドラム323)に収容されたピペットチップ3が送出部30bからチップ貯留部34に送出される時と同期してピペットチップ3の除電動作を開始するように制御部2aにより制御されるように構成されている。
【0034】
また、排出機構部35は、図7および図8に示すように、受け部351が図8に示す第1位置Hから図8に示す第2位置I(開放位置)まで回動されるように構成されている。この排出機構部35は、図8に示すように、チップ貯留部34の一部を構成する上記した受け部351と、受け部351を駆動するための駆動源となるステッピングモータ352と、ステッピングモータ352の駆動力を受け部351に伝達するベルト353と、受け部351をシャーシ30aに保持させるための引張りコイルバネ354とにより構成されている。
【0035】
受け部351は、シャーシ30aに対して回動軸部351aを中心に回動可能に取り付けられている。また、受け部351には、その一方側がシャーシ30aに接続されている引張りコイルバネ354の他方側が接続されている。この引張りコイルバネ354は、受け部351をA1方向に付勢するように設けられている。また、ステッピングモータ352は、シャーシ30aに取り付けられている。また、ベルト353は、ステッピングモータ352によりA2方向およびB2方向に移動されるように構成されており、受け部351は、ベルト353がA2方向に移動された際に、回動軸部351aを中心にA1方向に
回動するように構成されているとともに、ベルト353がB2方向に移動された際に、回動軸部351aを中心にB1方向に回動するように構成されている。
【0036】
この排出機構部35は、ドラム323の収容部323aからピペットチップ3をチップ貯留部34に送出するためにドラム323が回転される前に、受け部351をB1方向に回動させるように構成されている。そして、チップ貯留部34に残っているピペットチップ3は、チップ戻し口355に排出される。このチップ戻し口355は、図10および図11に示すように、ドラム323の収容部323aとつながっており、チップ戻し口355に排出されたピペットチップ3は、収容部323aに戻される。つまり、排出機構部35は、ドラム323の収容部323aから新しいピペットチップ3をチップ貯留部34に
流入させる際に、チップ貯留部34に残っているピペットチップ3を収容部323aに戻すように制御されるように構成されている。
【0037】
仕分機構部36は、中継部材41を介して受け部351から受け入れたピペットチップ3を1つずつに仕分けるとともに、1つずつに仕分けられたピペットチップ3を移送部37に送り出すために設けられている。この仕分機構部36は、図12および図13に示すように、中継部材41を介して受け部351から受け入れたピペットチップ3を上方に持ち上げる切出機構部361と、切出機構部361により持ち上げられたピペットチップ3を受け入れるとともに後述する切出機構部363に導く斜面部362と、斜面部362から受け入れた2つ以下のピペットチップ3を上方に持ち上げる切出機構部363と、切出機構部363により持ち上げられたピペットチップ3を受け入れるとともに移送部37に送り出す斜面部364とを含んでいる。
【0038】
切出機構部361は、チップ貯留部34に少なくとも複数個貯留されているピペットチップ3から1つのピペットチップ3を仕分けするように構成されている。具体的には、切出機構部361は、図8に示すように、駆動源となるステッピングモータ361aと、ステッピングモータ361aに接続されるプーリ361bと、プーリ361bと所定の間隔を隔てて配置されるプーリ361cと、プーリ361bおよびプーリ361cに装着される駆動伝達ベルト361dと、駆動伝達ベルト361dに連結されるとともに上下方向(Z方向)に移動可能な移動部材361eとにより構成されている。これにより、ステッピ
ングモータ361aが駆動することにより、プーリ361bを介して、駆動伝達ベルト361dが駆動されるので、駆動伝達ベルト361dに連結される移動部材361eが上下方向(Z方向)に移動される。その結果、斜面部362に載置されたピペットチップ3は、移動部材361eが最下点に位置している状態(図8の状態)から最上点に位置している状態(図12の状態)に移動されることにより、移動部材363dが最下点に位置している状態(図12のC1位置の状態)の斜面部364に送り出される。
【0039】
また、切出機構部361の移動部材361eは、切出機構部363の斜面部364近傍(図12のC1位置)まで上昇した後、所定の時間(約0.3秒)間隔で少し(1ピッチ)ずつ段階的に上昇するように構成されている。このように構成することにより、移動部材361eが切出機構部361の斜面部362に2つのピペットチップ3が載った状態で上昇した場合にも、上側に位置するピペットチップ3が先に斜面部364に転がり落ちるので、2つのピペットチップ3が同時に斜面部364に転がり落ちるのを抑制することが可能である。
【0040】
また、斜面部362は、切出機構部361側から切出機構部363側に向かってピペットチップ3が転がり落ちることが可能な傾斜面により構成されている。
【0041】
また、切出機構部363は、斜面部362から受け入れたピペットチップ3を1つずつ移送部37に送り出す(移動させる)機能を有している。具体的には、切出機構部363は、駆動源となるステッピングモータ363aと、ステッピングモータ363aに接続されるプーリ363bと、プーリ363bと所定の間隔を隔てて配置される図示しないプーリと、プーリ363bおよび図示しないプーリに装着される駆動伝達ベルト363cと、駆動伝達ベルト363cに連結されるとともに上下方向(Z方向)に移動可能な移動部材363dとにより構成されている。これにより、ステッピングモータ363aが駆動することにより、プーリ363bを介して、駆動伝達ベルト363cが駆動されるので、駆動伝達ベルト363cに連結される移動部材363dを上下方向(Z方向)に移動させることが可能となる。その結果、移動部材363dの斜面部364上に載置されたピペットチップ3を、図12のC1位置から図13のC2位置まで持ち上げることが可能となる。この際、移動部材363dは、斜面部364上に2つ以下のピペットチップ3しか載置されないような幅を有するように形成されている。そして、移動部材363dは、2つのピペットチップ3が移動部材363dの斜面部364上に載った状態で上方(Z方向)に移動した場合にも、移動部材363dの上面上から2つのピペットチップ3のいずれか一方がバランスを崩して斜面部362側に落下するように傾斜するように構成されている。このため、移動部材363dの上面上に2つのピペットチップ3が載ったとしても、ピペットチップ3を1つずつ移送部37に供給することが可能となる。
【0042】
また、切出機構部363の移動部材363dは、移送部37の斜面部377近傍(図13のC2位置)まで上昇した後、所定の時間(約0.3秒)間隔で少し(1ピッチ)ずつ段階的に上昇するように構成されている。このように構成することにより、移動部材363dが切出機構部363の斜面部364に2つのピペットチップ3が載った状態で上昇した場合にも、上側に位置するピペットチップ3が先に斜面部377に転がり落ちるので、2つのピペットチップ3が同時に斜面部377に転がり落ちるのを抑制することが可能である。
【0043】
また、仕分機構部36および除電ファン33は、制御部2aにより、仕分機構部36が仕分け動作を実行する際の少なくとも一部の期間で除電動作を停止するように制御されるように構成されている。具体的には、切出機構部363の移動部材363dの斜面部364上に載置されているピペットチップ3が移送部37の斜面部377近傍(図13のC2位置)まで移動された時点から、移送部37に移動したピペットチップ3が後述する検出センサ40dに検知された時点までの期間の間、除電ファン33は、電離した空気(イオン風)を送風するのを中断するように制御部2aにより制御されるように構成されている
。これにより、除電ファン33による送風により、ピペットチップ3の体勢が不安定になるのを抑制することが可能となるので、ピペットチップ3が所望の体勢とは異なる体勢で移送部37に移動されるのを抑制することが可能となる。そして、後述する検出センサ40dがピペットチップ3を検知した際に、除電ファン33は、中断していた送風が再開されるように制御部2aにより制御されるように構成されている。
【0044】
また、斜面部364は、切出機構部363側から後述する移送部37の斜面部377側に向かってピペットチップ3が転がり落ちることが可能な傾斜面により構成されており、移送部37にピペットチップ3を供給する機能を有している。
【0045】
検出センサ(透過型センサ)40c(図9参照)は、カバー部材34a(図9参照)に取り付けられており、切出機構部363の移動部材363dが下方に(図12のC1の位置に)移動された際に、斜面部364に載置されるピペットチップ3の有無を検出するために設けられている。そして、この検出センサ40cにより、ピペットチップ3が検出されない(検出センサ40cがオフ状態である)場合には、仕分機構部36の切出機構部363が動作しないように構成されている。また、この検出センサ(透過型センサ)40cにより、ピペットチップ3が検出された(検出センサ40cがオン状態である)場合には、仕分機構部36の切出機構部363は、移動部材363dが上方に(図13のC2の位置に)移動されるように構成されている。
【0046】
移送部37は、仕分機構部36により1つずつ仕分けられ、仕分機構部36の斜面部364から転がり落ちたピペットチップ3を矢印X1方向(図14参照)に移動させるために設けられている。この移送部37は、図14に示すように、駆動源となるステッピングモータ371と、ステッピングモータ371の軸に装着されるプーリ372と、送りネジ373と、シャフト374と、送りネジ373に装着されるとともにプーリ372にベルト(図示せず)を介して接続されるプーリ375と、シャフト374に装着されるとともにプーリ375にベルト(図示せず)を介して接続されるプーリ376と、斜面部364から転がり落ちるピペットチップ3を受けるとともに、シャフト374に転がらせる斜面部377とから構成されている。また、送りネジ373は、シャーシ30aに対して回転可能に取り付けられている。送りネジ373およびシャフト374は、ピペットチップ3の胴部3b(図2参照)の直径と実質的に同じ間隔を隔てて互いに平行に延びるように配置されている。これにより、送りネジ373およびシャフト374は、ピペットチップ3の胴部3bを保持することが可能となる。この際、図15に示すように、送りネジ373およびシャフト374が保持するピペットチップ3の胴部3bは、ピペットチップ3の重心G(図2参照)より上側に位置しているので、仕分機構部36の斜面部364から転がり落ちるピペットチップ3の先端部3aが下向きに配置された状態で、送りネジ373およびシャフト374に保持される。また、送りネジ373およびシャフト374の矢印X1方向側には、平面的に見てピペットチップ3の装着部3cの直径よりも大きい間隔を有する投下部37aが設けられている。
【0047】
また、検出センサ(透過型センサ)40dは、送りネジ373およびシャフト374にピペットチップ3が保持されているか否かを検出するために設けられている。具体的には、検出センサ40dは、送りネジ373が延びる方向X方向)に向かって光を発するように配置されており、仕分機構部36により1つずつ仕分けられたピペットチップ3が移送部37に移動され、検出センサ40dがオン状態であるか否かを検知するように構成されている。また、仕分機構部36により1つずつ仕分けられたピペットチップ3が移送部37に移動され、検出センサ40dがオン状態になった場合には、制御部2aは、送りネジ373をピペットチップ3の移送方向とは逆方向(矢印X2方向)に第1の量(約10mm)移動させるように制御するように構成されている。これにより、ピペットチップ3の先端部3aが送りネジ373のネジ間に嵌り込むとともに、装着部3cが送りネジ373に係合して、送りネジ373およびシャフト374に保持させることが可能となる。
【0048】
また、本実施形態では、検出センサ(透過型センサ)40eは、図14の矢印P方向に向かって光を発するように配置されており、投下部37aに到達する前の待機位置においてピペットチップ3が位置しているか否かを検知するように構成されている。すなわち、検出センサ40eは、送りネジ373およびシャフト374により搬送されるピペットチップ3が投下部37aの手前の待機位置まで送られ、検出センサ40eがオン状態になったか否かを検知するように構成されている。
【0049】
また、本実施形態では、送りネジ373およびシャフト374にピペットチップ3が保持されて、検出センサ40dがオン状態である場合に、ピペットチップ3が矢印X1方向に移送されて検出センサ40eがオン状態になった場合には、制御部2aは、ピペットチップ3の移送を停止させるように構成されている。また、検出センサ40dがオン状態の時、移送部37の送りネジ373がピペットチップ3の移送方向(矢印X1方向)に第2の量(約100mm)移送動作を行った後、検出センサ40eにより、投下部37aに到達する前の位置においてピペットチップ3が検出されなかった場合に、制御部2aは、移送部37の送りネジ373がピペットチップ3の移送方向と逆方向(矢印X2方向)に送りネジ373を移送動作させる逆方向移送制御と、移送方向(矢印X1方向)へ送りネジ373を移送動作させる順方向移送制御とを交互に実行するように構成されている。これにより、ピペットチップ3の先端部3aが送りネジ373のネジ間に嵌り込むとともに、装着部3cが送りネジ373に係合して、送りネジ373およびシャフト374に保持させ易くすることが可能となる。
【0050】
また、本実施形態では、逆方向移送制御と順方向移送制御とは、それぞれ、検出センサ40eによりピペットチップ3が検出されるまで第2の回数N2(15回)繰り返し実行されるように構成されている。また、制御部2aは、第2の回数N2(15回)繰り返し実行されている間のうち、第1の回数N1(4回目の時と8回目の時と)の後、仕分機構部36によりピペットチップ3を仕分ける仕分け動作が実行されるとともに、仕分けられたピペットチップ3を移送部37にさらに供給するように構成されている。これにより、ピペットチップ3の先端部3aが送りネジ373のネジ間に嵌り込まない場合にも、新しくピペットチップ3が移送部37に供給され、供給されたピペットチップ3が先に移送部37に配置されたピペットチップ3に接触されるなどするので、先に移送部37に配置されたピペットチップ3を送りネジ373およびシャフト374に保持させ易くすることが可能となる。
【0051】
また、本実施形態では、逆方向移送制御と順方向移送制御とが第2の回数N2(15回)繰り返し実行された後、投下部37aに到達する前の待機位置において検出センサ40eによりピペットチップ3が検出されなかった場合に、制御部2aは、エラー出力するように構成されている。
【0052】
シュート39aは、図8に示すように、移送部37の投下部37a(図14参照)から落下したピペットチップ3(図2参照)を移送部38に導くために設けられている。
【0053】
移送部38は、移送部37からシュート39aを介して導かれたピペットチップ3を矢印Y1方向に移動させるために設けられている。この移送部38は、駆動源となるステッピングモータ381(図3参照)と、ステッピングモータ381に接続されるプーリ382と、プーリ382と所定の間隔を隔てて配置されるプーリ383と、プーリ382およびプーリ383に装着される駆動伝達ベルト384と、プーリ383の回転とともに回転可能に設置される送りネジ385とにより構成されている。送りネジ385は、ピペットチップ3の装着部3c(図2参照)の直径よりも小さく、かつ、ピペットチップ3の胴部3b(図2参照)の直径よりも大きい直径の溝部385aを有している。そして、壁部386は、送りネジ385の溝部385aに嵌ったピペットチップ3が落下しないように送りネジ385に対して所定の間隔を隔てて平行に配置されている。これにより、送りネジ385および壁部386は、ピペットチップ3の胴部3bを保持することが可能となる。
【0054】
検出センサ(透過型センサ)40f(図9参照)は、シュート39aの最下部近傍に配置されており、移送部37からシュート39aを介して導かれたピペットチップ3が移送部38に到着したか否かを検出するために設けられている。この検出センサ40fは、シュート39aの下方の移送部38にピペットチップ3が位置している場合には、オンされるように構成されているととも、ピペットチップ3が移送部38により矢印Y1方向に移動された場合には、オフされるように構成されている。また、検出センサ(透過型センサ)40g図9参照)は、移送部38によって搬送されるピペットチップ3が後述するシュート39bに落下させる直前まで搬送されたか否かを検出するために設けられている。
【0055】
また、本実施形態では、移送部38に保持されているピペットチップ3が矢印Y1方向に移送され、検出センサ40fがオフ状態になった場合には、制御部2aは、移送動作が停止されていた移送部37の送りネジ373をピペットチップ3の移送方向(矢印X1方向)に第1の量(約10mm)移動させるように制御するように構成されている。これにより、移送部38のシュート39aの下方に位置しているピペットチップ3が移送された後に移送部37に保持されていたピペットチップ3を落下されるので、移送部38においてピペットチップ3同士が重なり合うのを抑制することが可能となる。
【0056】
また、本実施形態では、移送動作が停止されていた移送部37の送りネジ373がピペットチップ3の移送方向(矢印X1方向)に第1の量(約10mm)移動され、ピペットチップ3を投下部37aから落下させる動作を行った後、検出センサ40fがピペットチップ3を検出しない場合に、制御部2aは、移送部37の送りネジ373がピペットチップ3の移送方向(矢印X1方向)へ送りネジ373を移送動作させる順方向移送制御と、移送方向と逆方向(矢印X2方向)に送りネジ373を移送動作させる逆方向移送制御とを交互に実行するように構成されている。これにより、ピペットチップ3の先端部3aが
送りネジ373のネジ間に嵌り込みやすくなる。この結果、ピペットチップ3の装着部3cが送りネジ373に係合して、送りネジ373およびシャフト374にピペットチップ3を保持させ易くすることが期待できる。また、送りネジ373またはシャフト374に引っかかり、落下しなかったピペットチップ3を落下させることが期待できる。
【0057】
また、本実施形態では、検出センサ40fがピペットチップ3を検出しない場合において、順方向移送制御と逆方向移送制御とは、それぞれ、検出センサ40eによりピペットチップ3が検出されるまで第4の回数N4(15回)繰り返し実行されるように構成されている。また、制御部2aは、第4の回数N4(15回)繰り返し実行されている間のうち、第3の回数N3(5回目の時と10回目の時と)の後、仕分機構部36によりピペットチップ3を仕分ける仕分け動作が実行されるとともに、仕分けられたピペットチップ3を移送部37にさらに供給するように構成されている。これにより、ピペットチップ3の先端部3aが送りネジ373のネジ間に嵌り込まない場合にも、新しくピペットチップ3が移送部37に供給され、供給されたピペットチップ3が先に移送部37に配置されたピペットチップ3に接触されるなどするので、先に移送部37に配置されたピペットチップ3を送りネジ373およびシャフト374に保持させ易くすることが可能となる。
【0058】
また、本実施形態では、検出センサ40fがピペットチップ3を検出しない場合において、逆方向移送制御と順方向移送制御とが第4の回数N4(15)繰り返し実行された後、投下部37aに到達する前の位置においてピペットチップ3が検出されなかった場合に、制御部2aは、エラー出力するように構成されている。
【0059】
シュート39bは、移送部38により搬送されたピペットチップ3を上述した緊急検体・チップ搬送部20の搬送ラック23のチップ設置部23bに導くために設けられている。このシュート39bは、通過するピペットチップ3の先端部3aが傾斜した状態で滑り落ちるように形成されている。
【0060】
検体分注アーム50は、検体搬送部10により吸引位置1a(図1参照)に搬送された試験管4内の検体、または、緊急検体・チップ搬送部20により装着位置1b(図1参照)に搬送された試験管4内の検体を、後述する1次反応部81の回転テーブル部81aの保持部81bに保持されるキュベット6(図16参照)内に分注する機能を有している。
この検体分注アーム50は、図1および図17に示すように、モータ51と、モータ51に接続される駆動伝達部52と、駆動伝達部52に軸53を介して取り付けられるアーム部54とを含んでいる。駆動伝達部52は、モータ51からの駆動力によりアーム部54を、軸53を中心に回動させるとともに、上下方向(Z方向)に移動させることが可能なように構成されている。また、アーム部54の先端部には、検体の吸引および吐出を行うノズル部54aが設けられている。そして、このノズル部54aの先端54bには、緊急検体・チップ搬送部20の搬送ラック23により搬送されるピペットチップ3が装着される。
【0061】
試薬設置部61(図1参照)は、捕捉抗体を含むR1試薬が収容される試薬ビン7および標識抗体を含むR3試薬が収容される試薬ビン9を設置するための設置部61aと、設置部61aに設置される試薬ビン7内のR1試薬や試薬ビン9内のR3試薬に埃などの異物が侵入しないように設置部61aの上部に設けられる上面部61bと、上面部61bに取り付けられる開閉可能な蓋部61cとを含んでいる。また、上面部61bには、後述する試薬分注アーム91のノズル91eが挿入される溝部61dと、試薬分注アーム93のノズル93eが挿入される溝部61eとが形成されている。また、設置部61aは、設置された試薬ビン7およびをそれぞれ上面部61bの溝部61dおよび溝部61eに対応する位置に搬送するために回転可能に構成されている。
【0062】
試薬設置部62(図1参照)は、磁性粒子を含むR2試薬が収容される試薬ビン8を設置するための設置部62aと、設置部62aに設置される試薬ビン8内の試薬R2に埃などの異物が侵入しないように設置部62aの上部に設けられる上面部62bと、上面部62bに取り付けられる開閉可能な蓋部62cとを含んでいる。また、上面部62bには、後述する試薬分注アーム92のノズル92eが挿入される溝部62dが形成されている。また、設置部62aは、設置された試薬ビン8を上面部62bの溝部62dに対応する位置に搬送するために回転可能に構成されている。
【0063】
キュベット供給部70(図1参照)は、複数のキュベット6(図16参照)を1次反応部81の回転テーブル部81aの保持部81bに順次供給することが可能なように構成されている。このキュベット供給部70は、複数のキュベット6を収容可能なホッパー71と、ホッパー71の下方に設けられる2つの誘導板72と、誘導板72の下端に配置された支持台73と、供給用キャッチャ部74とを含んでいる。2つの誘導板72は、キュベット6の鍔部6a(図16参照)の直径よりも小さく、かつ、キュベット6の胴部6b(図16参)の直径よりも大きくなるような間隔を隔てて互いに平行に配置されている。ホッパー71内に供給された複数のキュベット6は、ホッパー71に振動を与えることにより、鍔部6aが2つの誘導板72の上面に係合した状態で誘導板72に沿って配列される。支持台73は、支持台73に対して回転可能に設けられた回転部73aと、回転部73aに隣接するように設けられた凹部73bとを有している。また、回転部73aの外周部分には、所定の角度(本実施形態では、120°)毎に3つの切欠部73cが形成されている。この切欠部73cは、誘導板72により誘導されたキュベット6を1つずつ収容するために設けられている。また、凹部73bは、回転部73aの切欠部73cに収容された状態で回転するキュベット6を受け取ることが可能なように構成されている。
【0064】
供給用キャッチャ部74(図1参照)は、凹部73bにより受け取られたキュベット6を1次反応部81の回転テーブル部81aの保持部81bに移送する機能を有している。
供給用キャッチャ部74は、モータ74aと、モータ74aに接続されるプーリ74bと、プーリ74bと所定の間隔を隔てて配置されるプーリ74cと、プーリ74bおよびプーリ74cに装着される駆動伝達ベルト74dと、プーリ74cに軸を介して取り付けられるアーム部74eと、アーム部74eを上下方向(Z方向)に移動させるための駆動部74fとを有している。また、アーム部74eの先端部には、キュベット6を挟み込んで把持するためのチャック部74gが設けられている。
【0065】
1次反応部81(図1参照)は、回転テーブル部81aの保持部81bに保持されるキュベット6を所定の期間(本実施形態では、18秒)毎に所定の角度だけ回転移送するとともに、キュベット6内の検体、R1試薬およびR2試薬を攪拌するために設けられている。この1次反応部81は、検体とR1試薬およびR2試薬とが収容されるキュベット6を回転方向に搬送するための回転テーブル部81aと、キュベット6内の検体、R1試薬およびR2試薬を攪拌するとともに、攪拌された検体、R1試薬およびR2試薬が収容されたキュベット6を後述するBF分離部101に搬送する搬送機構部81cとから構成されている。
【0066】
試薬分注アーム91(図1参照)は、試薬設置部61の設置部61aに設置される試薬ビン7内のR1試薬を吸引するとともに、その吸引したR1試薬を1次反応部81の回転テーブル部81aの保持部81bの検体が分注されたキュベット6内に分注するための機能を有している。この試薬分注アーム91は、モータ91aと、モータ91aに接続される駆動伝達部91bと、駆動伝達部91bに軸91cを介して取り付けられたアーム部91dとを含んでいる。駆動伝達部91bは、モータ91aからの駆動力によりアーム部91dを、軸91cを中心に回動させるとともに、上下方向(Z方向)に移動させることが可能なように構成されている。また、アーム部91dの先端部には、試薬ビン7内のR1試薬の吸引および吐出を行うためのノズル91eが取り付けられている。これにより、ノズル91eが試薬設置部61の上面部61bの溝部61dを介して試薬ビン7内のR1試薬を吸引した後、検体が分注されたキュベット6内に吸引されたR1試薬を分注することが可能となる。
【0067】
試薬分注アーム92(図1参照)は、試薬設置部62の設置部62aに設置される試薬ビン8内のR2試薬を1次反応部81の検体およびR1試薬が分注されたキュベット6内に分注するための機能を有している。この試薬分注アーム92は、モータ92aと、モータ92aに接続される駆動伝達部92bと、駆動伝達部92bに軸92cを介して取り付けられたアーム部92dとを含んでいる。駆動伝達部92bは、モータ92aからの駆動力によりアーム部92dを、軸92cを中心に回動させるとともに、上下方向(Z方向)に移動させることが可能なように構成されている。また、アーム部92dの先端部には、試薬ビン8内のR2試薬の吸引および吐出を行うためのノズル92eが取り付けられている。したがって、ノズル92eが試薬設置部62の上面部62bの溝部62dを介して試薬ビン8内のR2試薬を吸引した後、検体およびR1試薬が分注されたキュベット6内に吸引されたR2試薬を分注することが可能となる。
【0068】
BF(Bound Free)分離部101(図1参照)は、1次反応部81の搬送機構部81cから受け取ったキュベット6(図16参照)内の未反応のR1試薬を除去するために設けられている。このBF分離部101は、キュベット6を設置するとともに回転方向に搬送するための設置部101aと、未反応のR1試薬を吸引するための分離攪拌部101bとを含んでいる。設置部101aは、キュベット6を保持するための3つの設置孔101cと、3つの設置孔101cの側方にそれぞれ配置される磁石101dとを含んでいる。これにより、設置孔101cに設置されるキュベット6内の結合(Bound)した抗原、捕捉抗体および磁性粒子を磁石101d側に引き寄せることが可能となる。また、この引き寄せた状態でキュベット6内の検体などを分離攪拌部101bを用いて吸引することにより磁性粒子と結合しない未反応(Fre)のR1試薬を除去することが可能となる。
【0069】
搬送キャッチャ部110(図1参照)は、未反応のR1試薬などが分離されたBF分離部101の設置部101aのキュベット6(図16参照)を2次反応部82の回転テーブル部82aの保持部82bに搬送する機能を有している。搬送キャッチャ部110は、モータ110aと、モータ110aに接続されるプーリ110bと、プーリ110bと所定の間隔を隔てて配置されるプーリ110cと、プーリ110bおよびプーリ110cに装着される駆動伝達ベルト110dと、プーリ110cに軸を介して取り付けられるアーム部110eと、アーム部110eを上下方向(Z方向)に移動させるための駆動部110fとを有している。また、アーム部110eの先端部には、キュベット6を挟み込んで把持するためのチャック部110gが設けられている。
【0070】
2次反応部82(図1参照)は、1次反応部81と同様の構成を有しており、回転テーブル部82aの保持部82bに保持されるキュベット6を所定の期間(本実施形態では、18秒)毎に所定の角度だけ回転移送するとともに、キュベット6内の検体、R1試薬、R2試薬、R3試薬およびR5試薬を攪拌するために設けられている。この2次反応部82は、検体、R1試薬、R2試薬、R3試薬およびR5試薬が収容されるキュベット6を回転方向に搬送するための回転テーブル部82aと、キュベット6内の検体、R1試薬、R2試薬、R3試薬およびR5試薬を攪拌するとともに、攪拌された検体などが収容されたキュベット6を後述するBF分離部102に搬送する搬送機構部82cとから構成されている。さらに、搬送機構部82cは、BF分離部102により処理されたキュベット6を再び回転テーブル部82aの保持部82bに搬送する機能を有している。
【0071】
試薬分注アーム93(図1参照)は、試薬設置部61の設置部61aに設置される試薬ビン9内のR3試薬を吸引するとともに、その吸引されたR3試薬を2次反応部82の検体、R1試薬およびR2試薬が分注されたキュベット6内に分注するための機能を有している。この試薬分注アーム93は、モータ93aと、モータ93aに接続される駆動伝達部93bと、駆動伝達部93bに軸93cを介して取り付けられたアーム部93dとを含んでいる。駆動伝達部93bは、モータ93aからの駆動力によりアーム部93dを、軸93cを中心に回動させるとともに、上下方向(Z方向)に移動させることが可能なように構成されている。また、アーム部93dの先端部には、試薬ビン9内のR3試薬の吸引および吐出を行うためのノズル93eが取り付けられている。これにより、ノズル93eが試薬設置部61の上面部61bの溝部61eを介して試薬ビン9内のR3試薬を吸引した後、検体、R1試薬およびR2試薬が分注されたキュベット6内に吸引されたR3試薬を分注することが可能となる。
【0072】
BF分離部102(図1参照)は、BF分離部101と同様の構成を有しており、2次反応部82の搬送機構部82cから受け取ったキュベット6(図16参照)内の未反応のR3試薬を除去するために設けられている。このBF分離部102は、キュベット6を設置するとともに回転方向に搬送するための設置部102aと、未反応のR3試薬を吸引するための分離攪拌部102bとを含んでいる。設置部102aは、キュベット6を保持するための3つの設置孔102cと、3つの設置孔102cの側方にそれぞれ配置される磁石102dを含んでいる。これにより、設置孔102cに設置されるキュベット6内の結合(Bound)した磁性粒子、抗原および標識抗体を磁石102d側に引き寄せることが可能となる。また、この引き寄せた状態でキュベット6内の検体などを分離攪拌部102bを用いて吸引することにより未反応(Free)のR3試薬を除去することが可能となる。
【0073】
試薬分注アーム94(図1参照)は、免疫分析装置1の下部に設置される図示しない試薬ビン内の発光基質を含むR5試薬を2次反応部82の検体、R1試薬、R2試薬およびR3試薬が収容されたキュベット6内に分注するための機能を有している。この試薬分注アーム94は、モータ94aと、モータ94aに接続される駆動伝達部94bと、駆動伝達部94bに軸を介して取り付けられたアーム部94cとを含んでいる。駆動伝達部94bは、モータ94aからの駆動力によりアーム部94cを、軸を中心に回動させるとともに、上下方向(Z方向)に移動させることが可能なように構成されている。また、アーム部94cの先端部には、R5試薬の吸引および吐出を行うための図示しないノズルが取り付けられている。
【0074】
検出部120(図1参照)は、所定の処理が行なわれた検体の抗原に結合する標識抗体と発光基質との反応過程で生じる光を光電子増倍管(Photo Multiplier Tube)で取得することにより、その検体に含まれる抗原の量を測定するために設けられている。この検出部120は、検体、R1試薬、R2試薬、R3試薬およびR5試薬が収容されたキュベット6を設置するための設置部121と、2次反応部82の回転テーブル部82aの保持部82bに保持されるキュベット6(図16参照)を搬送するための搬送機構部122とから構成されている。
【0075】
廃棄部130(図1参照)は、検出部120により測定された測定済の検体などおよびその検体などを収容するキュベット6(図16参照)を廃棄するために設けられている。廃棄部130は、キュベット6内の検体および各種試薬を吸引するための吸引部131と、吸引部131とは所定の間隔を隔てた位置に設けられる廃棄用孔132とにより構成されている。これにより、測定済の検体などを吸引部131により吸引した後、使用済みキュベット6を廃棄用孔132を介して免疫分析装置1の下部に配置される図示しないダストボックスに廃棄することが可能となる。
【0076】
チップ脱離部140(図1参照)は、検体分注アーム50に装着されたピペットチップ3を脱離するために設けられている。このチップ脱離部140は、図18に示すように、垂直方向(Z方向)に延びるように設けられる板金141と、板金141に取り付けられる樹脂製の解除片142とを含んでいる。そして、解除片142には、ピペットチップ3の装着部3c(図19参照)の直径よりも小さく、かつ、検体分注アーム50のアーム部54の先端54b(図19参照)の直径よりも大きい直径を有する切欠部142aが形成されている。
【0077】
データ処理ユニット150(図1参照)は、パーソナルコンピュータ(P)などからなり、CPU、ROM、RAMなどからなる制御部150a(図20参照)と、表示部150b(図1および図20参照)と、キーボード150c(図1および図20参照)とを含んでいる。また、表示部150bは、測定ユニット2から送信されたデジタル信号のデータを分析して得られた分析結果などを表示するために設けられている。
【0078】
次に、データ処理ユニット150の構成について説明する。データ処理ユニット150は、図20に示すように、制御部150aと、表示部150bと、キーボード150cとから主として構成されたコンピュータ151によって構成されている。制御部150aは、CPU151aと、ROM151bと、RAM151cと、ハードディスク151dと、読出装置151eと、入出力インタフェース151fと、通信インタフェース151gと、画像出力インタフェース151hとから主として構成されている。CPU151a、ROM151b、RAM151c、ハードディスク151d、読出装置151e、入出力インタフェース151f、通信インタフェース151g、および画像出力インタフェース151hは、バス151iによって接続されている。
【0079】
CPU151aは、ROM151bに記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM151cにロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。そして、後述するようなアプリケーションプログラム152aをCPU151aが実行することにより、コンピュータ151がデータ処理ユニット150として機能する。
【0080】
ROM151bは、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROMなどによって構成されており、CPU151aに実行されるコンピュータプログラムおよびこれに用いるデータなどが記録されている。
【0081】
RAM151cは、SRAMまたはDRAMなどによって構成されている。RAM151cは、ROM151bおよびハードディスク151dに記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU151aの作業領域として利用される。
【0082】
ハードディスク151dは、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU151aに実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびそのコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。本実施形態に係る免疫分析用のアプリケーションプログラム152aも、このハードディスク151dにインストールされている。
【0083】
読出装置151eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、またはDVD−ROMドライブなどによって構成されており、可搬型記録媒体152に記録されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体152には、免疫分析用のアプリケーションプログラム152aが格納されており、コンピュータ151がその可搬型記録媒体152からアプリケーションプログラム152aを読み出し、そのアプリケーションプログラム152aをハードディスク151dにインストールすることが可能である。
【0084】
なお、上記アプリケーションプログラム152aは、可搬型記録媒体152によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータ151と通信可能に接続された外部の機器から上記電気通信回線を通じて提供することも可能である。たとえば、上記アプリケーションプログラム152aがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにコンピュータ151がアクセスして、そのアプリケーションプログラム152aをダウンロードし、これをハードディスク151dにインストールすることも可能である。
【0085】
また、ハードディスク151dには、たとえば、米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)などのグラフィカルユーザインタフェース環境を提供するオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、本実施形態に係るアプリケーションプログラム152aは上記オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0086】
入出力インタフェース151fは、たとえば、USB、IEEE1394、RS−232Cなどのシリアルインタフェース、SCSI、IDE、IEEE1284などのパラレルインタフェース、およびD/A変換器、A/D変換器などからなるアナログインタフェースなどから構成されている。入出力インタフェース151fには、キーボード150cが接続されており、ユーザがそのキーボード150cを使用することにより、コンピュータ151にデータを入力することが可能である。
【0087】
通信インタフェース151gは、たとえば、Ethernet(登録商標)インタフェースである。コンピュータ151は、その通信インタフェース151gにより、所定の通信プロトコルを使用して測定ユニット2との間でデータの送受信が可能である。
【0088】
画像出力インタフェース151hは、LCDまたはCRTなどで構成された表示部150bに接続されており、CPU151aから与えられた画像データに応じた映像信号を表示部150bに出力するようになっている。表示部150bは、入力された映像信号にしたがって、画像(画面)を表示する。表示部150bは、装置に各種指示を行うためのボタンを表示するように構成されており、このボタンが選択されることにより、装置はそのボタンに対応する処理を行うように構成されている。この表示部150bにおいて、使用者は装置に対する測定開始または中止の指示、装置の設定、および、試薬の交換または取出しの指示などの操作を行うことができる。表示部150bは、タッチパネルにより構成されており、使用者が表示部150bに表示されたボタンを直接触れることによりボタンを選択することが可能である。また、ボタンは、マウスなど(図示せず)により移動可能なポインタにより選択することも可能に構成されている。
【0089】
また、制御部150aのハードディスク151dにインストールされた免疫分析用のアプリケーションプログラム152aは、測定ユニット2から送信された測定用試料の発光量(デジタル信号のデータ)を用いて、測定用試料の抗原または抗体の量を測定している。
【0090】
図21は、本発明の一実施形態によるピペットチップ供給装置のチップ補給部に収容されているピペットチップを移送部に供給する際の処理フローを説明するためのフローチャートである。次に、図3、図8〜図10、図14、図15および図21を参照して、ピペットチップ供給装置の移送部に対するピペットチップの供給動作について説明する。
【0091】
まず、図21に示すように、ステップS1において、制御部2a(図3参)により、検出センサ40b(図9参照)がオン状態であるか否かが判断される。具体的には、図8に示すように、チップ貯留部34にピペットチップ3が貯留されているか否か、すなわちピペットチップ3が切出機構部361の斜面部362上に載置されているか否かが判断される。そして、図21に示すように、ステップS1において、検出センサ40b(図9参照)がオン状態ではないと判断された場合には、制御部2aは、チップ貯留部34にピペットチップ3が貯留されていないと判断するとともに、ステップS2に進み、ステップS2において、受け部351をIの位置とHの位置との間で開閉させ、ステップS3に進む。その後、ステップS3において、チップ補給部31のドラム323図10参照)を180度回転させるとともに、ステップS4において、チップ補給部31のドラム323の回転動作と同時に除電ファン33の除電動作を開始し、ステップS1に戻る。また、ステップS1において、検出センサ40bがオン状態であると判断された場合には、ステップS5に進むとともに、ステップS5において、ピペットチップ3の仕分け処理が行われ、1つずつに仕分けされたピペットチップ3が移送部37に移動された後、ステップS6に進む。
【0092】
その後、ステップS6において、制御部2aにより、検出センサ40dがオン状態であるか否かが判断される。具体的には、切出機構部363の斜面部364から移送部37にピペットチップ3が移動されているか否かが判断される。そして、ステップS6において、検出センサ40dがオン状態でないと判断された場合には、ステップS5に戻る。また、ステップS6において、検出センサ40dがオン状態であると判断された場合には、ステップS7に進み、ステップS7において、送りネジ373が逆方向(矢印X2方向)(図14および図15参照)に第1の量(約10mm)分回転される。これにより、ピペットチップ3の先端部3aが送りネジ373のネジ間に嵌り込みやすくなる。この結果、ピペットチップ3の装着部3cが送りネジ373に係合して、送りネジ373およびシャフト374にピペットチップ3を保持させることが期待できる。
【0093】
その後、ステップS8において、ピペットチップ3が矢印X1方向(図14参照)に移送されるように、送りネジ373が正方向に回転され、ステップS9に進む。そして、本実施形態では、ステップS9において、制御部2aにより、検出センサ40e(図9参照)がオン状態であるか否かが判断される。具体的には、送りネジ373(図14参照)とシャフト374(図14参照)との間で保持されたピペットチップ3が投下部37a(図14参照)の近傍の待機位置に位置しているか否かが判断される。そして、ステップS9において、検出センサ40eがオン状態ではないと判断された場合には、ステップS10に進み、ステップS10において、送りネジ373が第2の量(約100m)分回転されたか否かが判断される。すなわち、送りネジ373が送りネジ373の全長(約100mm)分回転されて、ピペットチップ3が投下部37aの近傍の待機位置にまで移動されたか否かが判断される。そして、ステップS10において、送りネジ373が第2の量(約100mm)分回転されていないと判断された場合には、ステップS8に戻る。また、ステップS10において、送りネジ373が第2の量(約100mm)分回転されたと判断された場合には、ステップS11に進む。
【0094】
その後、ステップS11において、制御部2aにより、後述する第1復帰処理を第2の回数N2(15回)実行されたか否かが判断される。そして、ステップS11において、第1復帰処理が第2の回数N2(15回)実行されていないと判断された場合には、ステップS12に進み、ステップS12において、第1復帰処理が実行された後、ステップS7に戻る。なお、ステップS12の第1復帰処理の詳細は、後述する。また、ステップS11において、第1復帰処理が第2の回数N2(15回)実行されたと判断された場合には、ステップS13に進み、ステップS13において、制御部2aにより、エラー出力が実行され、ピペットチップ供給装置30の移送部38に対するピペットチップ3の供給動作が終了する。
【0095】
また、ステップS9において、制御部2aにより、検出センサ40eがオン状態であると判断された場合には、ステップS14に進むとともに、ステップS14において、送りネジ373の回転が停止され、ステップS15に進む。すなわち、投下部37aに到達する前の待機位置において、ピペットチップ3の正方向(矢印X1方向)への移送が停止される。この待機位置は、投下部37aから矢印X2方向へ約10mm隔てた位置である。
【0096】
その後、ステップS15において、制御部2aにより、検出センサ40fがオフ状態であるか否かが判断される。すなわち、移送部38のシュート39aの下方の位置にピペットチップ3が位置しているか否かが判断される。そして、ステップS15において、検出センサ40fがオフ状態でないと判断された場合には、ステップS15の動作が繰り返される。また、検出センサ40fがオフ状態であると判断された場合には、ステップS16に進む。その後、ステップS16において、ピペットチップ3が矢印X1方向(図14参照)に移送されるように、送りネジ373が正方向に第1の量(約10mm)分回転され、ステップS17に進む。すなわち、制御部2aにより、ピペットチップ3を移送部37の投下部37aに到達する前の待機位置から投下部37aに移送させる。
【0097】
その後、ステップS17において、制御部2aにより、検出センサ40fがオフ状態であるか否かが判断される。具体的には、移送部37に保持されていたピペットチップ3が投下部37aよりシュート39aを介して移送部38に落下されずに、移送部37に位置したままであるか否かが判断される。そして、ステップS17において、検出センサ40fがオフ状態でない(オン状態)と判断された場合には、移送部38にピペットチップ3が落下されているので、ステップS1に戻る。また、ステップS17において、検出センサ40fがオフ状態であると判断された場合には、ステップS18に進む。
【0098】
そして、ステップS18において、制御部2aにより、後述する第2復帰処理を第4の回数N4(15回)実行されたか否かが判断される。そして、ステップS18において、第2復帰処理が第4の回数N4(15回)実行されていないと判断された場合には、ステップS19に進み、ステップS19において、第2復帰処理が実行された後、ステップS7に戻る。なお、ステップS19の第2復帰処理の詳細は、後述する。また、ステップS18において、第2復帰処理が第4の回数N4(15回)実行されたと判断された場合には、ステップS20に進み、ステップS20において、制御部2aにより、エラー出力が実行され、ピペットチップ供給装置30の移送部38に対するピペットチップ3の供給動作が終了する。
【0099】
図22は、図21に示すフローチャートにおいて実行される第1復帰処理の詳細を説明するためのフローチャートである。次に、図3、図14、図15および図22を参照して、ピペットチップ供給装置30におけるピペットチップ3の仕分け処理の詳細について説明する。
【0100】
第1復帰処理においては、図22に示すように、まずステップS21において、送りネジ373が逆方向(矢印X2方向)(図14および図15参照)に第1の量(約10mm)分回転され、その後、ステップS22において、送りネジ373が正方向(矢印X1方向)(図14および図15参照)に第1の量分回転され、ステップS23に進む。これにより、ピペットチップ3の先端部3aが送りネジ373のネジ間に嵌り込みやすくなる。
その結果、ピペットチップ3の装着部3cが送りネジ373に係合して、送りネジ373およびシャフト374にピペットチップ3を正常に保持させることが期待できる。また、送りネジ373またはシャフト374に引っかかり、落下しなかったピペットチップ3を落下させることが期待できる。そして、ステップS23において、制御部2a(図3参照)により、規定回数目(第1の回数N1:4回目および8回目)の第1復帰処理であるか否かが判断される。そして、ステップS23において、規定回数目の第1復帰処理であると判断された場合には、ステップS24に進むとともに、ステップS24において、ピペットチップ3の仕分け処理が行われ、1つずつに仕分けされたピペットチップ3が移送部37に移動され、第1復帰処理が終了する。また、ステップS23において、規定回数目(第1の回数N1:4回目および8回目)の第1復帰処理でないと判断された場合には、第1復帰処理が終了する。つまり、4回目および8回目の第1復帰処理では、ピペットチップ3の仕分け処理を行うことにより移送部37へ新たなピペットチップ3が供給される。これにより、装着口を上方へ向けた状態で移送部37に載置されなかったピペットチップ3に対して、新たに供給されたピペットチップ3が接触する場合があり、装着口を上方へ向けた状態で移送部に載置されるようにピペットチップ3の姿勢を変化させるような外力をピペットチップ3に作用させることができる。
【0101】
図23は、図21に示すフローチャートにおいて実行される第2復帰処理の詳細を説明するためのフローチャートである。次に、図3、図14、図15および図23を参照して、ピペットチップ供給装置30におけるピペットチップ3の仕分け処理の詳細について説明する。
【0102】
図23に示すように、ステップS31において、送りネジ373が正方向(矢印X1方向)(図14および図15参照)に第1の量(約10mm)分回転され、その後、ステップS32において、送りネジ373が逆方向(矢印X2方向)(図14および図15参照)に第1の量(約10mm)分回転され、ステップS33に進む。これにより、ピペットチップ3の先端部3aが送りネジ373のネジ間に嵌り込みやすくなる。その結果、ピペットチップ3の装着部3cが送りネジ373に係合して、送りネジ373およびシャフト374にピペットチップ3を正常に保持させることが期待できる。そして、ステップS33において、制御部2a(図3参照)により、規定回数目(第3の回数N3:5回目および10回目)の第2復帰処理であるか否かが判断される。そして、ステップS33において、規定回数目の第2復帰処理であると判断された場合には、ステップS34に進むとともに、ステップS34において、ピペットチップ3の仕分け処理が行われ、1つずつに仕分けされたピペットチップ3が移送部37に移動され、第2復帰処理が終了する。また、ステップS33において、規定回数目(第3の回数N3:5回目および10回目)の第2復帰処理でないと判断された場合には、第2復帰処理が終了する。つまり、5回目および10回目の第2復帰処理では、ピペットチップ3の仕分け処理を行うことにより移送部37へ新たなピペットチップ3が供給される。これにより、装着口を上方へ向けた状態で移送部37に載置されなかったピペットチップ3に対して、新たに供給されたピペットチップ3が接触する場合があり、装着口を上方へ向けた状態で移送部に載置されるようにピペットチップ3の姿勢を変化させるような外力をピペットチップ3に作用させることができる。
【0103】
本実施形態では、上記のように、移送されたピペットチップ3を投下部37aにおいて落下させる移送部37と、検出センサ40eにより投下部37aに到達する前の待機位置においてピペットチップ3が検出された場合に、移送動作を停止するように移送部37を制御する制御部2aとを設けることによって、移送動作が停止されている間に、先に投下部37aにおいて落下したピペットチップ3を、移送部38の送りネジ385により落下地点から矢印Y1方向に移動させることができるので、新たに移送部37の投下部37aからピペットチップ3を落下させた場合にも、ピペットチップ3同士が落下地点近傍で詰まったり、重なった状態で落下地点に載置されたりすることなく、ピペットチップ3を円滑に搬送することができる。
【0104】
本実施形態では、上記のように、制御部2aを、検出センサ40dによりピペットチップ3が検出されている状態で、移送部37がピペットチップ3の移送方向(矢印X1方向)に第2の量(約100mm)移送動作を行った後、検出センサ40eにより投下部37aに到達する前の待機位置においてピペットチップ3が検出されなかった場合に、ピペットチップ3の移送方向と逆方向(矢印X2方向)に移送部37の送りネジ373を移送動作させる逆方向移送制御と、移送方向(矢印X1方向)へ移送部37の送りネジ373を移送動作させる順方向移送制御とを交互に実行するように構成することによって、移送部37の送りネジ373に装着部3cを上方へ向けた状態で載置されずに、不安定な状態で移送部37に配置されたピペットチップ3に対して、装着部3cを上方へ向けた状態で移送部37の送りネジ373に載置されるようにピペットチップ3の姿勢を変化させるような外力をピペットチップ3に作用させることができる。
【0105】
本実施形態では、上記のように、検出センサ40eがピペットチップ3を検出していないことに起因して、ピペットチップ3の移送方向と逆方向(矢印X2方向)に移送部37の送りネジ373を移送動作させる逆方向移送制御と、移送方向(矢印X1方向)へ移送部37の送りネジ373を移送動作させる順方向移送制御とを第1の回数N1(4回および8回)繰り返した後、ピペットチップ3を仕分ける仕分け動作が実行されるとともに、仕分けられたピペットチップ3を移送部37に供給するように、仕分機構部36を、制御部2aにより制御されるように構成することによって、逆方向移送制御と順方向移送制御
とを交互に実行された結果、装着部3cを上方へ向けた状態で移送部37の送りネジ373に載置されなかったピペットチップ3に対して移送部37に新たに供給されたピペットチップ3が接触することなどにより、不安定な状態で移送部37に配置されたピペットチップ3に対して、装着部3cを上方へ向けた状態で移送部37の送りネジ373に載置されるようにピペットチップ3の姿勢を変化させるような外力をピペットチップ3に作用させることができる。
【0106】
本実施形態では、上記のように、制御部2aを、ピペットチップ3の移送方向と逆方向(矢印X2方向)に移送部37の送りネジ373を動作させる逆方向移送制御と、移送方向(矢印X1方向)へ移送部37の送りネジ373を動作させる順方向移送制御とを第2の回数(15回)繰り返した後、検出センサ40eにより待機位置においてピペットチップ3が検出されなかった場合に、エラー出力するように構成することによって、上記のようなピペットチップ3の姿勢復帰動作を繰り返し行ってもピペットチップ3の姿勢が正しい姿勢にならない場合に、使用者に異常であることを知らせることができる。
【0107】
本実施形態では、上記のように、制御部2aを、検出センサ40fによりピペットチップ3が検出されない場合に、移送動作が停止された移送部37の送りネジ373の移送動作を再開してピペットチップ3を投下部37aまで移送して落下させるように構成することによって、投下部37a下方の移送部38の落下地点において、ピペットチップ3同士が詰まったり、重なった状態で載置されたりするのを抑制することができる。
【0108】
本実施形態では、上記のように、制御部2aを、移送動作が停止された移送部37の送りネジ373の移送動作を再開してピペットチップ3を投下部37aまで移送して落下させる動作を行った後、検出センサ40fがピペットチップ3を検出しない場合に、ピペットチップ3の移送方向(矢印X1方向)へ移送部37の送りネジ373を移送動作させる順方向移送制御と、移送方向と逆方向(矢印X2方向)に移送部37の送りネジ373を移送動作させる逆方向移送制御とを交互に実行するように構成することによって、移送部37の送りネジ373の投下部37aにおいて落下せずに、不安定な状態で移送部37の送りネジ373に配置されたピペットチップ3に対して、装着部3cを上方へ向けた状態で移送部37の送りネジ373に載置されるようにピペットチップ3の姿勢を変化させるような外力をピペットチップ3に作用させることができる。
【0109】
また、本実施形態では、上記のように、制御部2aを、移送方向(矢印X1方向)へ移送部37の送りネジ373を動作させる順方向移送制御と、ピペットチップ3の移送方向と逆方向(矢印X2方向)に移送部37の送りネジ373を動作させる逆方向移送制御とを第4の回数(15回)繰り返した後、検出センサ40fにより移送部38にピペットチップ3が落下されたことが検出されなかった場合に、エラー出力するように構成することによって、上記のようなピペットチップ3の姿勢復帰動作を繰り返し行ってもピペットチップ3の姿勢が正しい姿勢にならない場合に、使用者に異常であることを知らせることができる。
【0110】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0111】
たとえば、上記実施形態では、使い捨てのピペットチップを1つずつ供給するピペットチップ供給装置を免疫分析装置に適用する例を示したが、本発明はこれに限らず、使い捨てのピペットチップを用いる装置であれば、免疫分析装置以外の装置、たとえば、遺伝子増幅測定装置、血液凝固測定装置、多項目血球分析装置にも適用可能である。
【0112】
また、上記実施形態では、移送部37の送りネジ373の順方向移送制御および逆方向移送制御を第1の回数である4回繰り返した後、および、8回繰り返した後、仕分機構部にピペットチップを仕分ける仕分け動作を実行させるとともに、ピペットチップが移送部37に供給されるように制御部に制御させた例を示したが、本発明はこれに限らず、移送部37の送りネジ373の順方向移送制御および逆方向移送制御を第1の回数である4回および8回以外の回数で仕分機構部にピペットチップを仕分ける仕分け動作を実行させるとともに、ピペットチップが移送部37に供給されるように制御部に制御させるようにしてもよい。
【0113】
また、上記実施形態では、移送部37の送りネジ373の順方向移送制御および逆方向移送制御を第2の回数である15回繰り返した後、検出センサ40eにより投下部においてピペットチップが検出されなかった場合に、制御部をエラー出力するように制御するように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、移送部37の送りネジ373の順方向移送制御および逆方向移送制御を15回以外の回数で繰り返した後、検出センサ40eにより投下部においてピペットチップが検出されなかった場合に、制御部をエラー出力させるように制御するように構成してもよい。
【0114】
また、上記実施形態では、移送部37の送りネジ373の順方向移送制御および逆方向移送制御を第3の回数である5回繰り返した後、および、10回繰り返した後、仕分機構部にピペットチップを仕分ける仕分け動作を実行させるとともに、ピペットチップが移送部37に供給されるように制御部に制御させた例を示したが、本発明はこれに限らず、移送部37の送りネジ373の順方向移送制御および逆方向移送制御を第1の回数である5回および10回以外の回数で仕分機構部にピペットチップを仕分ける仕分け動作を実行させるとともに、ピペットチップが移送部37に供給されるように制御部に制御させるようにしてもよい。
【0115】
また、上記実施形態では、移送部37の送りネジ373の順方向移送制御および逆方向移送制御を第4の回数である15回繰り返した後、検出センサ40fにより投下部においてピペットチップが検出されなかった場合に、制御部をエラー出力するように制御するように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、移送部37の送りネジ373の順方向移送制御および逆方向移送制御を15回以外の回数で繰り返した後、検出センサ40fにより投下部においてピペットチップが検出されなかった場合に、制御部をエラー出力させるように制御するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明の一実施形態によるピペットチップ供給装置を備えた免疫分析装置の全体構成を示した平面図である。
【図2】本発明の一実施形態によるピペットチップ供給装置が供給するピペットチップの正面図である。
【図3】図1に示した免疫分析装置の測定ユニットの構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示した免疫分析装置の測定ユニットの制御部の構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示した免疫分析装置の緊急検体搬送部を示した斜視図である。
【図6】図1に示した免疫分析装置の緊急検体搬送部を示した斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態によるピペットチップ供給装置の全体構成を示した斜視図である。
【図8】図7に示した一実施形態によるピペットチップ供給装置の全体構成を示した断面図である。
【図9】図7に示した一実施形態によるピペットチップ供給装置の全体構成を示した正面図である。
【図10】図7に示した一実施形態によるピペットチップ供給装置をチップ供給機構部側から見た斜視図である。
【図11】図7に示した一実施形態によるピペットチップ供給装置をチップ供給機構部側から見た正面図である。
【図12】図7に示した一実施形態によるピペットチップ供給装置のチップ貯留部および仕切機構部周辺の構造を説明するための図である。
【図13】図7に示した一実施形態によるピペットチップ供給装置のチップ貯留部および仕切機構部周辺の構造を説明するための図である。
【図14】図7に示した一実施形態によるピペットチップ供給装置の移送部の平面図である。
【図15】図7に示した一実施形態によるピペットチップ供給装置の移送部の側面図である。
【図16】図1に示した免疫分析装置に用いられるキュベットの正面図である。
【図17】図1に示した免疫分析装置の緊急検体搬送部および検体分注アームの側面図である。
【図18】図1に示した免疫分析装置の検体分注アームにピペットチップが装着されている状態を示した側面図である。
【図19】図1に示した免疫分析装置の検体分注アームからピペットチップが脱離された状態を示した側面図である。
【図20】図1に示した免疫分析装置のデータ処理ユニットの構成を示すブロック図である。
【図21】図1に示した免疫分析装置のピペットチップ供給装置のチップ補給部に収容されているピペットチップを移送部に供給する際の処理フローを説明するためのフローチャートである。
【図22】図21に示すフローチャートにおいて実行される第1復帰処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【図23】図21に示すフローチャートにおいて実行される第2復帰処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0117】
1 免疫分析装置(検体分析装置)
2a 制御部
3 ピペットチップ
3c 装着部(装着口)
30 ピペットチップ供給装置
30b 送出部(送出口)
32 チップ供給機構部(収容部)
36 仕分機構部(仕分け部)
37 移送部
37a 投下部(移送終点)
38 移送部(保持部)
40d 検出センサ(第2検出部)
40e 検出センサ(第1検出部)
40f 検出センサ(第3検出部)
50 検体分注アーム(分注部)
54a ノズル部
150 データ処理ユニット(分析部)
373 送りネジ(移送部)
N1 第1の回数
N2 第2の回数
N3 第3の回数
N4 第4の回数

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に装着口を有する検体吸引用のピペットチップを複数収容する収容部と、
前記収容部から送出された前記ピペットチップを1つずつ仕分ける仕分け部と、
前記仕分け部により仕分けられた前記ピペットチップを、前記装着口を上方へ向けた状態に姿勢を変化させて移送する移送部と、
前記仕分け部から前記移送部に送られた前記ピペットチップを検出する検出部と、を備え、
前記検出部が前記ピペットチップを検出すると、前記移送部は前記ピペットチップの移送方向とは逆方向への移送動作を行った後に、前記ピペットチップの移送方向への移送動作を行うことを特徴とするピペットチップ供給装置。
【請求項2】
前記移送部は前記移送部の移送終点において前記ピペットチップを落下させるよう構成され、
前記移送部の前記移送終点に到達する前の待機位置において前記ピペットチップを検出する第2の検出部を備えることを特徴とする請求項1に記載のピペットチップ供給装置。
【請求項3】
前記第2の検出部が前記ピペットチップを検出すると、前記移送部は前記待機位置において移送動作を停止することを特徴とする請求項2に記載のピペットチップ供給装置。
【請求項4】
前記移送部は、前記ピペットチップを保持する送りネジを有することを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項に記載のピペットチップ供給装置。
【請求項5】
前記収容部から前記仕分け部の間に、前記仕分け部に向かって下方向に傾斜するよう配置された受け部を備えることを特徴とする請求項1乃至4いずれか一項に記載のピペットチップ供給装置。
【請求項6】
請求項1乃至5いずれか一項に記載のピペットチップ供給装置を備えることを特徴とする検体分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−211930(P2012−211930A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−178906(P2012−178906)
【出願日】平成24年8月10日(2012.8.10)
【分割の表示】特願2007−244008(P2007−244008)の分割
【原出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】