説明

ピリダジン化合物および農園芸用殺菌剤

【課題】イネいもち病および紋枯病に対して優れた土壌処理効果および水面施用効果を有する新規なピリダジン化合物の提供。
【解決手段】一般式(1)


で表されるピリダジン化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はピリダジン化合物およびこれを有効成分として含有することを特徴とする殺菌剤、特に農園芸用殺菌剤に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、ピリダジン化合物の類似化合物としてはいくつか報告されている。例えば、下記一般式(A)で表される化合物、下記一般式(B)で表される化合物、下記一般式(C)で表される化合物、下記一般式(D)、下記一般式(E)および下記一般式(F)で表される化合物などが知られている(特許文献1、2、3、4、5および6参照)。これらの化合物は各種植物病害に対して殺菌活性を有することが知られている。しかしながら、特にイネの重要病害である、いもち病および紋枯病に対する土壌処理および水面施用による防除効果は不十分であるために、イネいもち病および紋枯病を満足に防除できるものとはいえない。
【0003】
【化6】

(式(A)において、R、R、R、R、R、mおよびnは下記特許文献1にしたがって定義される。)
【化7】

(式(B)において、R、R、R、R、R、mおよびnは下記特許文献2にしたがって定義される。)
【化8】

(式(C)において、R、R、R、Qおよびmは下記特許文献3にしたがって定義される。)
【化9】

(式(D)において、R、R、R、Qおよびmは下記特許文献4にしたがって定義される。)
【化10】

(式(E)において、R、R、RおよびRは下記特許文献5にしたがって定義される。)
【化11】

(式(F)において、R、R、RおよびRは下記特許文献6にしたがって定義される。)
【0004】
また、特許文献7には、下記一般式(G)で表される癌治療用の医薬品が記載されており、そのかなり広い化合物の定義の範囲内に、開示例は全くないが、下記一般式(H)で表される化合物も含まれている。
【化12】

【化13】

【特許文献1】特開2006−22084号公報
【特許文献2】特開2006−45192号公報
【特許文献3】特開2007−182430号公報
【特許文献4】特開2007−254456号公報
【特許文献5】国際公開特許WO2008/009405号パンフレット
【特許文献6】国際公開特許WO2008/009406号パンフレット
【特許文献7】国際公開特許WO2006/071960号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
各種植物病害の中でもイネいもち病および紋枯病は重要病害の一つであり、これまでにも多くの殺菌剤が開発されている。しかしながら、茎葉散布による防除効果は有するものの、土壌処理および水面施用場面において十分な防除効果を示す薬剤は少ないのが現状である。また薬剤によっては耐性菌の出現により防除効果の低下しているものもあり、新規な化学構造を有する薬剤が強く望まれている。さらに、農家従事者の減少・高齢化が進む今日の情勢においては、予防・治療活性、浸透移行性、長期残効性などの特性を有した防除作業の軽減・省力化を促進する薬剤が望まれている。また農薬の本田での茎葉散布によるイネいもち病の防除は、薬剤の飛散による周辺環境への影響や使用者の安全が懸念されるため、安心して使用できる防除方法ではない。そのため、消費者はもちろん、施用場面における使用者および周辺環境の安全性を確保するために、土壌処理および水面施用場面において十分な防除効果を有する薬剤が強く求められている。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決しようとするものであって、イネいもち病および紋枯病に対して求められる優れた土壌処理効果および水面施用効果を有する新規なピリダジン化合物またはそのNオキシド体を提供することを課題とする。
さらに、新規なピリダジン化合物またはそのNオキシド体を有効成分として含有する殺菌剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、下記一般式(1)で表されるピリダジン化合物またはそのNオキシド体が種々の植物病害に対して殺菌活性を有し、特にいもち病および紋枯病に対して優れた土壌処理効果、長期残効性および水面施用効果を有することを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
したがって本願の第一の発明は、下記一般式(1)で表されるピリダジン化合物またはそのNオキシド体(以下、本発明化合物と記す。)に関するものである。
【化14】

[式中、
は、ハロゲン原子またはC1−C6アルコキシ基を示し、
は、C1−C6アルキル基、ハロC1−C4アルキル基またはC1−C4アルコキシC1−C4アルキル基を示し、
およびRは、それぞれ独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1−C4アルキル基、ハロC1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、ハロC1−C4アルコキシ基またはハロC1−C4アルキルチオ基を示し、
nは、0から4の整数を示し、nが2以上の整数である場合、各々のRは、同一または相異なっていてもよく、
Gは、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれるヘテロ原子を少なくとも1つ環構成原子として有する5員から7員の脂肪族複素環基を示し、該脂肪族複素環基は、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、ハロC1−C4アルキル基またはハロC1−C4アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよい。]
【0009】
一般式(1)において、好ましいGの例としては下記のものが挙げられる。
【化15】

[式中、Rは、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、ハロC1−C4アルキル基またはハロC1−C4アルコキシ基を示し、mは、0から5の整数を示し、mが2以上の整数である場合、各々のRは、同一または相異なっていてもよい。]
【0010】
一般式(1)において好ましい置換基の組み合わせとしては次のものである。
が、ハロゲン原子を示し、
が、C1−C6アルキル基を示し、
Gが、
【化16】

[式中、Rは、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、ハロC1−C4アルキル基またはハロC1−C4アルコキシ基を示し、mは、0から5の整数を示し、mが2以上の整数である場合、各々のRは、同一または相異なっていてもよい。]からなる群から選ばれる脂肪族複素環基である、ピリダジン化合物またはそのNオキシド体。
【0011】
また別の好ましい一般式(1)における置換基の組み合わせとしては次のものである。
が、ハロゲン原子を示し、
が、C1−C6アルキル基を示し、
Gが、
【化17】

[式中、Rは、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、ハロC1−C4アルキル基またはハロC1−C4アルコキシ基を示し、mは、0から5の整数を示し、mが2以上の整数である場合、各々のRは、同一または相異なっていてもよい。]
からなる群から選ばれる脂肪族複素環基である、ピリダジン化合物またはそのNオキシド体。
【0012】
さらに好ましい一般式(1)における置換基の組み合わせとしては次のものである。
は、フッ素原子、塩素原子または臭素原子を示し、
は、メチル基を示し、
は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、C1−C4アルキル基、ハロC1−C4アルキル基またはハロC1−C4アルコキシ基を示し、
nは、0から4の整数を示し、nが2以上の整数である場合、各々のRは、同一または相異なっていてもよく、
は、フッ素原子を示し、
Gが
【化18】

[式中、Rは、C1−C6アルキル基を示し、mは、0から5の整数を示し、mが2以上の整数である場合、各々のRは、同一または相異なっていてもよい。]
からなる群から選ばれる脂肪族複素環基である、ピリダジン化合物またはそのNオキシド体。
【0013】
好ましいピリダジン化合物としては具体的に次のものである。
(a)3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルピリダジン、
(b)3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イルピリダジン、
(c)3−クロロ−4−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−6−メチル−5−テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イルピリダジン、
(d)3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルピリダジン、
(e)3−クロロ−6−メチル−5−テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン、
(f)3−クロロ−6−メチル−4−ペンタフルオロフルオロフェニル−5−テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルピリダジン、
(g)3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−エチル−5−テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルピリダジン、
【0014】
本願の第二の発明は、本発明化合物を含有することを特徴とする殺菌剤、特に農園芸用殺菌剤に関する。
【発明の効果】
【0015】
本発明化合物を農園芸用殺菌剤として用いると次のような効果が奏される。
第1に、本発明化合物は、キュウリ灰色かび病、オオムギうどんこ病、コムギ赤さび病、イネいもち病および紋枯病などの植物病害に対し防除活性を示し、農園芸用殺菌剤として有用である。
第2に、本発明化合物は、土壌処理および水面施用した場合でも稲体内への浸透移行性を示し、イネいもち病を土壌処理および水面施用によっても防除できる。
第3に、本発明化合物は、特にイネいもち病および紋枯病に対して予防効果と治療効果を兼ね備えており、またその効果は長期残効性を示す。
第4に、本発明の農園芸用殺菌剤は、有用作物には薬害を与えることがなく、安心して使用できる。
したがって、本発明化合物を有効成分として含有する殺菌剤は、農園芸用作物の種々の病害に対して茎葉散布、土壌処理および水面施用などにより使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明化合物において、R、R、R、RおよびRについて下記に説明する。
【0017】
で示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。好ましくはフッ素原子、塩素原子および臭素原子が挙げられる。
【0018】
で示されるC1−C6アルコキシ基としては、炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖状のアルコキシ基が挙げられる。例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基およびn−ヘキシルオキシ基が挙げられる。好ましくはメトキシ基およびエトキシ基が挙げられる。
【0019】
で示されるC1−C6アルキル基としては、炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、1−メチル−1−エチルプロピル基、1,2−ジメチルブチル基、2−メチル−1−エチルプロピル基および2,2−ジメチルブチル基が挙げられる。好ましくはメチル基およびエチル基が挙げられる。
【0020】
で示されるハロC1−C4アルキル基としては、炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖状のハロアルキル基が挙げられる。例えばトリフルオロメチル基、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、2−フルオロエチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、1−フルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、1−フルオロプロピル基、3−フルオロプロピル基、2−クロロプロピル基、3−クロロプロピル基、3−ヨードプロピル基、1−フルオロブチル基、4−フルオロブチル基および1−クロロブチル基が挙げられる。好ましくはトリフルオロメチル基が挙げられる。
【0021】
で示されるC1−C4アルコキシC1−C4アルキル基としては、炭素数1〜4の直鎖状または分岐鎖状のアルコキシ基および炭素数1〜4の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。例えばメトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、イソブトキシメチル基、sec−ブトキシメチル基、tert−ブトキシメチル基、n−ペンチルオキシメチル基、イソペンチルオキシメチル基、n−ヘキシルオキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、n−プロポキシエチル基、イソプロポキシエチル基、n−ブトキシエチル基、イソブトキシエチル基、sec−ブトキシエチル基、tert−ブトキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、n−プロポキシプロピル基、イソプロポキシプロピル基およびn−ブトキシプロピル基が挙げられる。好ましくは、メトキシメチル基およびエトキシメチル基が挙げられる。
【0022】
およびRで示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。好ましくはフッ素原子、塩素原子および臭素原子が挙げられる。
【0023】
およびRで示されるC1−C4アルキル基としては、炭素数1〜4の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。好ましくはメチル基およびエチル基が挙げられる。
【0024】
およびRで示されるハロC1−C4アルキル基としては、炭素数1〜4の直鎖状または分岐鎖状のハロアルキル基が挙げられる。例えばトリフルオロメチル基、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、2−フルオロエチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、1−フルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、1−フルオロプロピル基、3−フルオロプロピル基、2−クロロプロピル基、3−クロロプロピル基、3−ヨードプロピル基、1−フルオロブチル基、4−フルオロブチル基および1−クロロブチル基が挙げられる。好ましくはトリフルオロメチル基が挙げられる。
【0025】
およびRで示されるハロC1−C4アルコキシ基としては、炭素数1〜4の直鎖状または分岐鎖状のハロアルコキシ基が挙げられる。例えばトリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、フルオロメトキシ基、クロロジフルオロメトキシ基、ブロモジフルオロメトキシ基、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基および2,2,2−トリフルオロエトキシ基が挙げられる。好ましくはトリフルオロメトキシ基が挙げられる。
【0026】
およびRで示されるハロC1−C4アルキルチオ基としては、炭素数1〜4の直鎖状または分岐鎖状のハロアルキルチオ基が挙げられる。例えばトリフルオロメチルチオ基および1,1,2,2−テトラフルオロエチルチオ基が挙げられる。好ましくはトリフルオロメチルチオ基が挙げられる。
【0027】
で示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。好ましくはフッ素原子および塩素原子が挙げられる。
【0028】
で示されるC1−C6アルキル基としては、炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、1−メチル−1−エチルプロピル基、1,2−ジメチルブチル基、2−メチル−1−エチルプロピル基および2,2−ジメチルブチル基が挙げられる。好ましくはメチル基およびエチル基が挙げられる。
【0029】
で示されるC1−C6アルコキシ基としては、炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖状のアルコキシ基が挙げられる。例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基およびn−ヘキシルオキシ基が挙げられる。好ましくはメトキシ基およびエトキシ基が挙げられる。
【0030】
で示されるハロC1−C4アルキル基としては、炭素数1〜4の直鎖状または分岐鎖状のハロアルキル基が挙げられる。例えば、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基としては、例えばトリフルオロメチル基、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、2−フルオロエチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、1−フルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、1−フルオロプロピル基、3−フルオロプロピル基、2−クロロプロピル基、3−クロロプロピル基、3−ヨードプロピル基、1−フルオロブチル基、4−フルオロブチル基および1−クロロブチル基が挙げられる。好ましくはトリフルオロメチル基が挙げられる。
【0031】
で示されるハロC1−C4アルコキシ基としては、炭素数1〜4の直鎖状または分岐鎖状のハロアルコキシ基が挙げられる。例えばトリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、フルオロメトキシ基、クロロジフルオロメトキシ基、ブロモジフルオロメトキシ基、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基および2,2,2−トリフルオロエトキシ基が挙げられる。好ましくはトリフルオロメトキシ基が挙げられる。
【0032】
Gで示される窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれるヘテロ原子を少なくとも1つ環構成原子として有する5から7員の脂肪族複素環基としては、例えばテトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフェニル基、1−オキシドテトラヒドロチオフェニル基、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオフェニル基、ピロリジニル基、1,3−ジチオラニル基、1,2−ジチオラニル基、1,3−オキサゾリジニル基、4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾリル基、4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾリル基、4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾリル基、4,5−ジヒドロイソキサゾリル基、4,5−ジヒドロイソチアゾリル基、1−オキシド−4,5−ジヒドロイソチアゾリル基、1,1−ジオキシド−4,5−ジヒドロイソチアゾリル基、2−オキソテトラヒドロフリル基、2−オキソピロリジニル基、2−オキソ−1,3−オキサゾリジニル基、2−オキソ−1,3−チアゾリジニル基、2−オキソ−イミダゾリジニル基、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−オキサゾリル基、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾリル基、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾリル基、ピペリジニル基、テトラヒドロ−2H−ピラニル基、テトラヒドロ−2H−チオピラニル基、1−オキシドテトラヒドロ−2H−チオピラニル基、1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラニル基、1,3−ジオキサニル基、1,3−ジチアニル基、1,4−ジオキサニル基、モルホリニル基、ピペラジニル基、5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジニル基、5,6−ジヒドロ−4H−1,3−チアジニル基、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニル基、2−オキソピペリジニル基、2−オキソテトラヒドロ−2H−ピラニル基、オキセパニル基、チエパニル基、1−オキシドチエパニル基、1,1−ジオキシドチエパニル基、アゼパニル基、2−オキソオキセパニル基、2−オキソアゼパニル基、2−オキソ−1,3−ジアゼパニル基、2−オキソ−1,3−オキサゼパニル基、2−オキソ−2,5,6,7−テトラヒドロオキセピニル基、6−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキシル基、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプチル基が挙げられる。
【0033】
より具体的には次に示すような脂肪族複素環が挙げられる。
【化19】

【化20】

【0034】
好ましくは、テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル基、テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル基またはテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル基などが挙げられる。
【0035】
本発明化合物は、1つまたはそれ以上の不斉炭素原子を有する場合がある。そのため、本発明化合物は2つ以上の立体異性体として存在している可能性がある。本発明化合物は、鏡像異性体およびジアステレオマーのような全ての立体異性体が含まれ、異性体の混合物である場合、その比率は特に制限されず任意であってよい。
【0036】
本発明化合物の具体例を表1−1〜表1−4に示す。しかしながら、本発明化合物が表1−1〜表1−4に例示された化合物のみに限定されるものではない。
表1−1〜表1−4において、それぞれ「Me」はメチル基、「Et」はエチル基、「Pr」はプロピル基、「Ph」はフェニル基を表わす。また、(R)m欄において「−」は無置換を表す。
【0037】
【化21】

【表1−1】

【0038】
【表1−2】

【0039】
【表1−3】

【0040】
【表1−4】

【0041】
[本発明化合物の製造方法]
本発明化合物は、例えば下記のように製造法スキームAに従って製造することができる。
[製造法スキームA]
【化22】

〔式中、R、R、R、Gおよびnは前記と同じ意味を示し、R11は塩素原子または臭素原子を示し、R12はアルコキシ基を示し、R13はフッ素原子を示す。〕
【0042】
本発明化合物のうち、Rが塩素原子または臭素原子である式(1a)で表される化合物は、例えば、式(2)で表される化合物をハロゲン化剤と反応させることにより製造することができる(工程1)。
本発明化合物のうち、RがC1−C6アルコキシ基である式(1b)で表される化合物は、例えば、式(1a)で表される化合物とアルコラート化合物を反応させることにより製造することができる(工程2)。
本発明化合物のうち、Rがフッ素原子である式(1c)で表される化合物は、例えば、式(1a)で表される化合物をフッ素化剤と反応させることにより製造することができる(工程3)。
【0043】
〔工程1〕
工程1は、無溶媒または不活性溶媒中で行われる。
工程1に用いられる溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンまたはジクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルムまたは四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類およびこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、トルエンなどである。
工程1に用いられるハロゲン化剤としては、例えば、オキシ塩化リン、五塩化リン、塩化チオニル、二塩化オキサリルなどの塩素化剤およびオキシ臭化リン、五臭化リン、臭化チオニルなどの臭素化剤が挙げられる。好ましくは、オキシ塩化リン、オキシ臭化リンなどである。
工程1に用いられるハロゲン化剤の量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、式(2)で表される化合物1モルに対して、通常1〜100モル、好ましくは3〜30モルの割合である。
工程1の反応温度は−5℃から反応系における還流温度の範囲であり、好ましくは20℃から120℃である。
工程1の反応時間は、反応温度や反応基質により異なるが、通常10分〜24時間の範囲内である。
反応終了後は、反応溶液中から通常の後処理により式(1a)で表される化合物を得ることができる。例えば、反応混合物を濃縮し、得られた残渣に水およびトルエン、酢酸エチル、ジエチルエーテルまたはクロロホルムなどの抽出溶媒を加えて抽出後、有機層を乾燥、濃縮することにより式(1a)で表される化合物が得られる。得られた化合物は必要ならばクロマトグラフィー、再結晶または蒸留などの操作により精製することができる。
【0044】
〔工程2〕
工程2は、無溶媒または溶媒中で行われる。
工程2に用いられる溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンまたはジクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルまたはプロピオン酸エチルなどのエステル類;ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフランまたは1,4−ジオキサンなどのエーテル類;塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムまたは四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類;メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、n−ペンチルアルコール、イソペンチルアルコールまたはn−ヘキシルアルコールなどのアルコール類;アセトンまたはメチルエチルケトンなどのケトン類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどのアミド類;ジメチルスルホキシドおよびこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、R12に対応するアルコール類およびジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフランの混合物などである。
工程2に用いられるアルコラート化合物の量は式(1a)で表される化合物1モルに対して、通常1〜100モル、好ましくは1〜20モルの割合である。
工程2の反応温度は−5℃から反応系における還流温度の範囲であり、好ましくは0℃から120℃である。
工程2の反応時間は、反応温度や反応基質により異なるが、通常10分〜48時間の範囲内である。
反応終了後は、反応溶液中から通常の後処理により式(1b)で表される化合物を得ることができる。例えば、反応混合物に水およびトルエン、酢酸エチル、ジエチルエーテルまたはクロロホルムなどの抽出溶媒を加えて抽出後、有機層を乾燥、濃縮することにより式(1b)で表される化合物が得られる。得られた化合物は必要ならばクロマトグラフィー、再結晶または蒸留などの操作により精製することができる。
【0045】
〔工程3〕
工程3は、無溶媒または溶媒中で行われる。
工程3に用いられる溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンまたはジクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフランまたは1,4−ジオキサンなどのエーテル類;塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムまたは四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどのアミド類;ジメチルスルホキシドおよびこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミドおよびこれらの混合物などである。
工程3に用いられるフッ素化剤としては、例えば、二フッ化水素テトラブチルホスホニウムなどが挙げられる。
工程3に用いられるフッ素化剤の量は式(1a)で表される化合物1モルに対して、通常1〜100モル、好ましくは1〜20モルの割合である。
工程3の反応温度は−5℃から反応系における還流温度の範囲であり、好ましくは20℃から150℃である。
工程3の反応時間は、反応温度や反応基質により異なるが、通常10分〜24時間の範囲内である。
反応終了後は、反応溶液中から通常の後処理により式(1c)で表される化合物を得ることができる。例えば、反応混合物に水およびトルエン、酢酸エチル、ジエチルエーテルまたはクロロホルムなどの抽出溶媒を加えて抽出後、有機層を乾燥、濃縮することにより式(1c)で表される化合物が得られる。得られた化合物は必要ならばクロマトグラフィー、再結晶または蒸留などの操作により精製することができる。
【0046】
製造法スキームAの工程1に用いられる式(2)で表される化合物は、例えば下記のように製造法スキームBに従って製造することができる。
〔製造法スキームB〕
【化23】

〔式中、R、R、R、Gおよびnは前記と同じ意味を示す。〕
【0047】
式(2)で表される化合物は、例えば、式(3)で表される化合物をヒドラジンと反応させることにより製造することができる(工程4)。
【0048】
〔工程4〕
工程4は、無溶媒または溶媒中で行われる。
工程4に用いられる溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンまたはジクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフランまたは1,4−ジオキサンなどのエーテル類;塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムまたは四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタンまたはシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコールまたはtert−ブチルアルコールなどの脂肪族アルコール類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどのアミド類;ジメチルスルホキシド;水またはこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフランおよびこれらの混合物などである。
工程4に用いられるヒドラジンとしては、例えば、ヒドラジン一水和物などが挙げられる。
工程4に用いられるヒドラジンの量は式(3)で表される化合物1モルに対して、通常1〜20モル、好ましくは1〜5モルの割合である。
工程4の反応温度は−5℃から反応系における還流温度の範囲であり、好ましくは20℃から120℃である。
工程4の反応時間は、反応温度や反応基質により異なるが、通常0.5時間〜24時間の範囲内である。
反応終了後は、反応溶液中から通常の後処理により式(2)で表される化合物を得ることができる。例えば、反応混合物に必要に応じてn−ヘキサン、ジイソプロピルエーテルなどの溶媒を加え、析出する固体をろ取することにより式(2)で表される化合物が得られる。また、例えば、反応混合物を濃縮することにより式(2)で表される化合物が得られる。さらに、例えば、反応混合物に水およびトルエン、酢酸エチル、ジエチルエーテルまたはクロロホルムなどの抽出溶媒を加えて抽出後、有機層を乾燥、濃縮することにより式(2)で表される化合物が得られる。得られた化合物は必要ならばクロマトグラフィー、再結晶または蒸留などの操作により精製することができる。
【0049】
製造法スキームBの工程4に用いられる式(3)で表される化合物は、例えば下記のように製造法スキームCに従って製造することができる。
〔製造法スキームC〕
【化24】

〔式中、R、R、R、Gおよびnは前記と同じ意味を示し、Xはハロゲン原子を示す。〕
【0050】
式(5)で表される化合物は、例えば、式(6)で表される化合物および式(7)で表される化合物を塩基の存在下反応させることにより製造することができる(工程5)。
式(4)で表される化合物は、例えば、式(5)で表される化合物を塩基と反応させることにより製造することができる(工程6)。
式(3)で表される化合物は、例えば、式(4)で表される化合物を酸化剤と反応させることにより製造することができる(工程7)。
【0051】
〔工程5〕
工程5は、無溶媒または溶媒中で行われる。
工程5に用いられる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンまたはジクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフランまたは1,4−ジオキサンなどのエーテル類;塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムまたは四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類;アセトンまたはメチルエチルケトンなどのケトン類;アセトニトリルまたはプロピオニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどのアミド類;ジメチルスルホキシドまたはこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、アセトニトリル、プロピオニトリル、テトラヒドロフランおよびこれらの混合物などである。
工程5に用いられる塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エンまたは1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネ−5−エンなどの有機第三級アミン類;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドまたはカリウムtert−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩類;水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物類;水素化ナトリウムまたは水素化カリウムなどの水素化アルカリ金属類を挙げることができる。好ましくはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンおよびピリジンなどが挙げられる。
工程5に用いられる塩基の量は式(6)で表される化合物または式(7)で表される化合物1モルに対して、通常1〜20モル、好ましくは1〜5モルの割合である。
工程5に用いられる式(6)で表される化合物の量は式(7)で表される化合物1モルに対して、通常は0.5モル〜2の割合である。
工程5の反応温度は−5℃から反応系における還流温度の範囲であり、好ましくは−5℃から80℃である。
工程5の反応時間は、反応温度や反応基質により異なるが、通常1時間〜48時間の範囲内である。
反応終了後は、反応溶液中から通常の後処理により式(5)で表される化合物を得ることができる。例えば、反応混合物に水およびトルエン、酢酸エチル、ジエチルエーテルまたはクロロホルムなどの抽出溶媒を加えて抽出後、有機層を乾燥、濃縮することにより式(5)で表される化合物が得られる。得られた化合物は必要ならばクロマトグラフィー、再結晶または蒸留などの操作により精製することができる。
また、反応終了後、後処理することなく反応混合物をそのまま工程6に用いることもできる。
工程5の式(6)で表される化合物は公知化合物であり公知の方法に従って製造することができる。例えば、Synthesis 1997年、第12号、P.1411−1414などに記載された方法に従って容易に製造することができる。ただしこれらの方法に限定されることはない。
また、式(6)で表される化合物の一部は市販の試薬としても入手することができる。
【0052】
〔工程6〕
工程6は、無溶媒または溶媒中で行われる。
工程6に用いられる溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンまたはジクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフランまたは1,4−ジオキサンなどのエーテル類;塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムまたは四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類;アセトンまたはメチルエチルケトンなどのケトン類;アセトニトリルまたはプロピオニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどのアミド類;ジメチルスルホキシドまたはこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、アセトニトリル、プロピオニトリル、テトラヒドロフランおよびこれらの混合物などである。
工程6に用いられる塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エンまたは1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネ−5−エンなどの有機第三級アミン類;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドまたはカリウムtert−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩類;水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物類;水素化ナトリウムまたは水素化カリウムなどの水素化アルカリ金属類を挙げることができる。好ましくは1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エンおよび1、5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネ−5−エンなどが挙げられる。
工程6に用いられる塩基の量は式(5)で表される化合物1モルに対して、通常1〜20モル、好ましくは1〜5モルの割合である。
工程6の反応温度は−5℃から反応系における還流温度の範囲であり、好ましくは−5℃から80℃である。
工程6の反応時間は、反応温度や反応基質により異なるが、通常1時間〜48時間の範囲内である。
反応終了後は、反応溶液中から通常の後処理により式(4)で表される化合物を得ることができる。例えば、反応混合物に水およびトルエン、酢酸エチル、ジエチルエーテルまたはクロロホルムなどの抽出溶媒を加えて抽出後、有機層を乾燥、濃縮することにより式(4)で表される化合物が得られる。得られた化合物は必要ならばクロマトグラフィー、再結晶または蒸留などの操作により精製することができる。
また、反応終了後、後処理することなく反応混合物をそのまま工程7に用いることもできる。
【0053】
〔工程7〕
工程7は、無溶媒または溶媒中で行われる。
工程7に用いられる溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンまたはジクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルまたはプロピオン酸エチルなどのエステル類;ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフランまたは1,4−ジオキサンなどのエーテル類;塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムまたは四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタンまたはシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;メチルアルコール、エチルアルコールまたはtert−ブチルアルコールなどの脂肪族アルコール類;アセトンまたはメチルエチルケトンなどのケトン類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどのアミド類;ジメチルスルホキシドまたはこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、アセトニトリル、プロピオニトリル、テトラヒドロフランおよびこれらの混合物などである。
工程7に用いられる酸化剤としては、例えば、空気のような酸素を含有する混合ガスまたは酸素ガスなどである。
工程7の反応温度は−5℃から反応系における還流温度の範囲であり、好ましくは0℃から50℃である。
工程7の反応時間は、反応温度や反応基質により異なるが、通常1時間〜48時間の範囲内である。
反応終了後は、反応溶液中から通常の後処理により式(3)で表される化合物を得ることができる。例えば、反応混合物に希塩酸およびトルエン、酢酸エチル、ジエチルエーテルまたはクロロホルムなどの抽出溶媒を加えて抽出後、有機層を乾燥、濃縮することにより式(3)で表される化合物が得られる。得られた化合物は必要ならばクロマトグラフィー、再結晶または蒸留などの操作により精製することができる。
【0054】
製造法スキームCの工程5に用いられる式(7)で表される化合物は、例えば下記のように製造法スキームDに従って製造することができる。
〔製造法スキームD〕
【化25】

〔式中、RおよびGは前記と同じ意味を示し、Xはハロゲン原子を示す。〕
【0055】
式(7)で表される化合物は、例えば、式(8)で表される化合物をハロゲン化剤と反応させることにより製造することができる(工程8)。
【0056】
〔工程8〕
工程8は、無溶媒または不活性溶媒中で行われる。
工程8に用いられる溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンまたはジクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフランまたは1,4−ジオキサンなどのエーテル類;塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムまたは四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタンまたはシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;メチルアルコール、エチルアルコールまたはtert−ブチルアルコールなどの脂肪族アルコール類;酢酸またはプロピオン酸などの有機酸およびこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、クロロホルム、四塩化炭素、メチルアルコールまたはエチルアルコールおよびこれらの混合物などである。
工程8に用いられるハロゲン化剤としては、例えば、臭素、塩素または塩化スルフリルなどが挙げられる。
工程8に用いられるハロゲン化剤の量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、式(8)で表される化合物1モルに対して、通常0.8〜10モル、好ましくは0.8〜3モルの割合である。
工程8の反応温度は−20℃から反応系における還流温度の範囲であり、好ましくは−10℃から80℃である。
工程8の反応時間は、反応温度や反応基質により異なるが、通常10分〜24時間の範囲内である。
工程8の反応において必ずしも触媒を使用する必要はないが、触媒の存在下に実施することができる。用いられる触媒としては、例えば臭化水素酸などが挙げられる。触媒の使用量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、通常化学量論量の0.0001〜1倍量とすればよく、好ましくは化学量論量の0.01〜1倍量程度が挙げられる。
反応終了後は、反応溶液中から通常の後処理により式(7)で表される化合物を得ることができる。例えば、反応混合物を濃縮することにより式(7)で表される化合物を得ることができる。また、例えば、反応混合物に水およびトルエン、酢酸エチル、ジエチルエーテルまたはクロロホルムなどの抽出溶媒を加えて抽出後、有機層を乾燥、濃縮することにより式(7)で表される化合物が得られる。得られた化合物は必要ならばクロマトグラフィー、再結晶または蒸留などの操作により精製することができる。
【0057】
製造法スキームDの工程8に用いられる式(8)で表される化合物は、例えば下記のように製造法スキームEに従って製造することができる。
〔製造法スキームE〕
【化26】

〔式中、RおよびGは前記と同じ意味を示し、Xはハロゲン原子を示す。〕
【0058】
式(8)で表される化合物は、例えば、式(9)で表される化合物および式(10)で表される化合物を反応させることにより製造することができる(工程9)。
式(9)で表される化合物は、例えば、式(11)で表される化合物およびアミン化合物を反応させることにより製造することができる(工程10)。
式(11)で表される化合物は、例えば、式(12)で表される化合物およびハロゲン化剤を反応させることにより製造することができる(工程11)。
また、式(8)で表される化合物は、例えば、式(13)で表される化合物および式(10)で表される化合物を反応させることにより製造することができる(工程12)。
【0059】
〔工程9〕
工程9は、無溶媒または不活性溶媒中で行われる。
工程に用いられる溶媒としては、例えばジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフランまたは1,4−ジオキサンなどのエーテル類またはこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、ジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランおよびこれらの混合物などである。
工程9に用いられる式(10)で表される化合物としては、例えば、塩化エチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウム、ヨウ化エチルマグネシウム、塩化プロピルマグネシウム、臭化プロピルマグネシウム、塩化イソプロピルマグネシウム、臭化イソプロピルマグネシウム、塩化n−ブチルマグネシウム、臭化n−ブチルマグネシウム、塩化イソブチルマグネシウム、臭化イソブチルマグネシウム、塩化sec−ブチルマグネシウム、臭化sec−ブチルマグネシウム、塩化tert−ブチルマグネシウム、臭化tert−ブチルマグネシウム、臭化ペンチルマグネシウムなどが挙げられる。
工程9に用いられる式(10)で表される化合物の量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、式(9)で表される化合物1モルに対して、通常0.8〜5モル、好ましくは0.9〜3モルの割合である。
工程9の反応温度は−20℃から反応系における還流温度の範囲であり、好ましくは−20℃から100℃である。
工程9の反応時間は、反応温度や反応基質により異なるが、通常0.5時間〜24時間の範囲内である。
工程9の反応系内を必要に応じて窒素ガスまたはアルゴンガスなどの不活性ガスで置換して反応を行うこともできる。
反応終了後は、反応溶液中から通常の後処理により式(8)で表される化合物を得ることができる。例えば、反応混合物に水およびトルエン、酢酸エチル、ジエチルエーテルまたはクロロホルムなどの抽出溶媒を加えて抽出後、有機層を乾燥、濃縮することにより式(8)で表される化合物が得られる。得られた化合物は必要ならばクロマトグラフィー、再結晶または蒸留などの操作により精製することができる。
【0060】
〔工程10〕
工程10は、無溶媒または溶媒中で行われる。
工程10に用いられる溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンまたはジクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフランまたは1,4−ジオキサンなどのエーテル類;塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムまたは四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類;アセトンまたはメチルエチルケトンなどのケトン類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどのアミド類;ジメチルスルホキシドまたはこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、塩化メチレン、クロロホルムまたはテトラヒドロフランおよびこれらの混合物などである。
工程10に用いられるアミン化合物としては、例えば、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩などである。
工程10に用いられるアミン化合物の量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、式(11)で表される化合物1モルに対して、通常0.8〜5モル、好ましくは0.9〜3モルの割合である。
工程10の反応は通常塩基を用いて実施される。用いられる塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エンまたは1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネ−5−エンなどの有機第三級アミン類;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドまたはカリウムtert−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩類;水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物類;水素化ナトリウムまたは水素化カリウムなどの水素化アルカリ金属類を挙げることができる。好ましくはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エンおよび1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネ−5−エンなどが挙げられる。
工程10に用いられる塩基の量は式(11)で表される化合物1モルに対して、通常1〜20モル、好ましくは1〜5モルの割合である。
工程10の反応温度は−20℃から反応系における還流温度の範囲であり、好ましくは−5℃から100℃である。
工程10の反応時間は、反応温度や反応基質により異なるが、通常0.1時間〜24時間の範囲内である。
反応終了後は、反応溶液中から通常の後処理により式(9)で表される化合物を得ることができる。例えば、反応混合物に水およびトルエン、酢酸エチル、ジエチルエーテルまたはクロロホルムなどの抽出溶媒を加えて抽出後、有機層を乾燥、濃縮することにより式(9)で表される化合物が得られる。得られた化合物は必要ならばクロマトグラフィー、再結晶または蒸留などの操作により精製することができる。
【0061】
〔工程11〕
工程11は、無溶媒または溶媒中で行われる。工程11に用いられる溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンまたはジクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフランまたは1,4−ジオキサンなどのエーテル類;塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムまたは四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類またはこれらの混合物が挙げられる。好ましくはトルエン、塩化メチレン、またはクロロホルムおよびこれらの混合物などである。
工程11に用いられるハロゲン化剤としては、例えば、塩化チオニル、二塩化オキサリル、オキシ塩化リン、五塩化リンなどの塩素化剤および臭化チオニル、オキシ臭化リン、五臭化リンなどの臭素化剤が挙げられる。好ましくは、塩化チオニル、二塩化オキサリルなどである。
工程11に用いられるハロゲン化剤の量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、式(12)で表される化合物1モルに対して、通常1〜100モル、好ましくは1〜10モルの割合である。
工程11の反応温度は−20℃から反応系における還流温度の範囲であり、好ましくは−10℃から100℃である。
工程11の反応時間は、反応温度や反応基質により異なるが、通常10分〜24時間の範囲内である。
反応終了後は、反応溶液中から通常の後処理により式(11)で表される化合物を得ることができる。例えば、反応混合物を濃縮することにより式(11)で表される化合物を得ることができる。
【0062】
〔工程12〕
工程12は、無溶媒または不活性溶媒中で行われる。工程に用いられる溶媒としては、例えばジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフランまたは1,4−ジオキサンなどのエーテル類またはこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、ジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランおよびこれらの混合物などである。
工程12に用いられる式(10)で表される化合物としては、例えば、塩化エチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウム、ヨウ化エチルマグネシウム、塩化プロピルマグネシウム、臭化プロピルマグネシウム、塩化イソプロピルマグネシウム、臭化イソプロピルマグネシウム、塩化n−ブチルマグネシウム、臭化n−ブチルマグネシウム、塩化イソブチルマグネシウム、臭化イソブチルマグネシウム、塩化sec−ブチルマグネシウム、臭化sec−ブチルマグネシウム、塩化tert−ブチルマグネシウム、臭化tert−ブチルマグネシウム、臭化ペンチルマグネシウムなどが挙げられる。
工程12に用いられる式(10)で表される化合物の量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、式(13)で表される化合物1モルに対して、通常0.8〜5モル、好ましくは0.9〜3モルの割合である。
工程12の反応温度は−20℃から反応系における還流温度の範囲であり、好ましくは−20℃から100℃である。
工程12の反応時間は、反応温度や反応基質により異なるが、通常0.5時間〜24時間の範囲内である。
工程12の反応系内を必要に応じて窒素ガスまたはアルゴンガスなどの不活性ガスで置換して反応を行うこともできる。
反応終了後は、反応溶液中から通常の後処理により式(8)で表される化合物を得ることができる。例えば、反応混合物に希塩酸およびトルエン、酢酸エチル、ジエチルエーテルまたはクロロホルムなどの抽出溶媒を加えて抽出後、有機層を乾燥、濃縮することにより式(8)で表される化合物が得られる。得られた化合物は必要ならばクロマトグラフィー、再結晶または蒸留などの操作により精製することができる。
工程11に用いられる、式(12)で表される化合物は一部公知化合物であり、公知の方法に従って製造することができる。例えば、The Journal of Organic Chemistry 1950年、P.490−498、Bioscience,Biotechnology,and Biochemistry 1994年、第58巻、第4号、P.647−651、Synthesis 1986年、P.1016−1017などに記載された方法に従って容易に製造することができる。ただしこれらの方法に限定されることはない。
また、式(12)で表される化合物の一部は市販の試薬としても入手することができる。
工程12に用いられる、式(13)で表される化合物は一部公知化合物であり、公知の方法に従って製造することができる。例えば、国際公開特許WO94/14793号パンフレット、Helvetica Chimica Acta 1997年、第80巻、p.1528−1554などに記載された方法に従って容易に製造することができる。ただしこれらの方法に限定されることはない。
また、式(13)で表される化合物の一部は市販の試薬としても入手することができる。
【0063】
本発明化合物は、必要に応じて、融点、赤外線吸収スペクトル、H‐NMR、13C‐NMR、質量分析、X線構造解析などによって分析、確認、同定することができる。
本発明化合物の具体的な製造例を、下記の実施例1〜25に記載する。
【0064】
[本発明の殺菌剤]
本発明化合物は、広範囲の種類の糸状菌、例えば、ネコブカビ類(Plasmodiophoromycetes)、藻菌類(Oomycetes)、子のう(嚢)菌類(Ascomycetes)、不完全菌類(Deuteromycetes)、担子菌類(Basidiomycetes)に属する菌に対し、低薬量で防除することができ、例えば農園芸用の殺菌性組成物として有用である。
【0065】
本発明により防除することができる植物病害として具体的に挙げれば、例えば、
イネのいもち病(Pyricularia grisea)、ごま葉枯病(Cochliobolus miyabeanus)、紋枯病(Thanatephorus cucumeris)、ばか苗病(Gibberella fujikuroi)、苗立枯病(Fusarium菌、Rhizopus菌、Pythium菌、Trichoderma viride)、稲こうじ病(Claviceps virens)、
ムギ類の赤かび病(Gibberella zeae、Fusarium avenaceum、Fusarium culmorum、Monographella nivale)、雪腐病(Pythium菌、Typhula菌、Monographella nivalis、Myriosclerotinia borealis、)、裸黒穂病(Ustilago nuda)、なまぐさ黒穂病(Tilletia controversa)、眼紋病(Pseudocercosporella herpotrichoides)、葉枯病(Septoria tritici)、ふ枯病(Phaeosphaeria nodorum)、
カンキツ類の黒点病(Diaporthe citri)、小黒点病(Diaporthe medusa、Alternaria citri)、そうか病(Elsinoe fawcettii)、褐色腐敗病(Phytophthora citrophthra)、緑かび病(Penicillium digitatum)、青かび病(Penicillium italicum)、
リンゴのモニリア病(Monilinia mali)、黒星病(Venturia inaequalis)、斑点落葉病(Alternaria mali)、黒点病(Mycosphaerella pomi)、すす斑病(Gloeodes pomigena)、すす点病(Zygophiala jamaicensis)、輪紋病(Botryosphaeria berengeriana)、褐斑病(Diplocarpon mali)、赤星病(Gymnosporangium yamadae)、腐らん病(Valsa ceratosperma)
ナシの黒星病(Venturia nashicola)、赤星病(Gymnosporangium asiaticum)、輪紋病(Botryosphaeria berengeriana)、胴枯病(Phomopsis fukushii)、
モモの縮葉病(Taphrina deformans)、灰星病(Moniliniafructicola、Monilinia fructigena)、黒星病(Cladosporium carpophilum)、ホモプシス腐敗病(Phomopsis)、
オウトウの灰星病(Monilinia fructicola、Monilinia fructigena)、幼果菌核病(Monilinia kusanoi)、
ウメの黒星病(Cladosporium carpophilum)、
ブドウの黒とう病(Elsinoe ampelina)、晩腐病(Colletotrichum acutatum、Glomerella cingulata)、褐斑病(Pseudocercospora vitis)、つる割病(Phomopsis viticola)、
カキの角斑落葉病(Cercospora kaki)、円星落葉病(Mycosphaerella nawae)、
チャの輪斑病(Pestalotiopsis longiseta、Pestalotiopsis theae)、褐色円星病(Pseudocercospora ocellate、Cercospora chaae)、もち病(Exobasidium
vexans)、網もち病(Exobasidium reticulatum)、
ウリ類のつる枯病(Mycosphaerella melonis)、つる割病(Fusarium oxysporum)、黒星病(Cladosporium cucumerinum)、褐斑病(Corynespora cassiicola)、
トマトの葉かび病(Fulvia fulva)、輪紋病(Alternaria solani)、
ナスの褐紋病(Phomopsis vexans)、すすかび病(Mycovellosiella nattrassii)、
アブラナ科野菜の白さび病(Albugo macrospora)、白斑病(Cercosporella brassicae、Pseudocercosporella capsellae)、
タマネギの灰色腐敗病(Botrytis allii)、
イチゴのじゃのめ病(Mycosphaerella fragariae)、
ジャガイモの夏疫病(Alternaria solani)、
ダイズの茎疫病(Phytophthora sojae)、紫斑病(Cercospora kikuchii)、
アズキの茎疫病(Phytophthora vignae)、
ラッカセイの褐斑病(Mycoshaerella arachidis)、
テンサイの褐斑病(Cercospora beticola)、葉腐病(Thanatephorus cucumeris)、
シバのカーブラリア葉枯病(Curvularia菌)、ダラースポット病(Sclerotinia homoeocarpa)、ヘルミントスポリウム葉枯病(Cochliobolus菌)、
バラの黒星病(Diplocarpon rosae)、
キクの白さび病(Puccinia horiana)、
および各種作物のべと病(Peronospora菌、Pseudoperonospora菌、Plasmopara菌、Bremia菌)、疫病(Phytophthora菌)、うどんこ病(Erysiphe菌、Blumeria菌、Sphaerotheca菌、Podosphaerea菌、Phyllactinia菌、Uncinula菌、Oidiopsis菌)、さび病(Puccinia菌、Uromyces菌、Physopella菌)、炭疽病(Glomerella菌、Colletotrichum菌、Gloeosporium菌)、黒斑病(Alternaria菌)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、白紋羽病(Rosellinia necatrix)、紫紋羽病(Helicobasidium mompa)、白絹病(Sclerotium rolfsii)、その他各種土壌病害(Fusarium菌、Rhizoctonia菌、Pythium菌、Aphanomyces菌、Phoma菌、Verticillium菌、Plasmodiophora brassicaeなど)
などの病害を挙げることができる。
【0066】
本発明化合物は特に、本発明化合物を活性成分として含む組成物を、農園芸用殺菌剤として用いることができる。
本発明化合物を活性成分として含む農園芸用殺菌剤の組成は、活性成分として一般式(1)に表される化合物を含む以外は、通常の農園芸用殺菌剤の組成としてもよい。通常の組成とは、例えば、農薬製剤ガイド(編集:日本農薬学会施用法研究会、発行:社団法人日本植物防疫協会)に記載される。すなわち、一般式(1)で表される化合物、適当な担体、補助剤、界面活性剤、結合剤および安定剤などを配合してもよい。
【0067】
本発明化合物を含む農園芸用殺菌剤の組成物は、農薬の剤型として一般に使用されている任意の剤型に製剤化することができる。例えば、粉剤、粗粉剤、DL(ドリフトレス型)粉剤、フローダスト剤、微粒剤、細粒剤、粒剤、水和剤、顆粒水和剤、液剤、ゾル剤(フロアブル剤)、乳剤および油剤などに製剤化することができるが、これらに限定されない。
【0068】
本発明化合物の含有量は、製剤の剤型および使用方法により、適宜選択することができる。一般に好ましい含有量は、製剤全体量に対して0.1〜90重量%の範囲である。
【0069】
本発明化合物は、農薬として使用する場合には必要に応じて製剤時または散布時に、殺菌剤(殺かび剤、殺細菌剤、抗ウィルス剤、植物抵抗性誘導剤)、殺虫剤、殺ダニ剤、殺センチュウ剤、除草剤、鳥類忌避剤、生長調整剤、肥料および/または土壌改良剤等と混合、混用施用してもよい。
【0070】
本発明化合物等と混合、混用して使用できる代表例を以下に示すが、必ずしもこれらのみに限定されるものではない。
殺菌剤:
プロベナゾール(probenazole)、アシベンゾラール(acibenzolar)、チアジニル(tiadinil)、カルプロパミド(carpropamid)、ジクロシメット(diclocymet)、フェノキサニル(fenoxanil)、フサライド(phthalide)、ピロキロン(pyroquilon)、トリシクラゾール(tricyclazole)、アゾキシストロビン(azoxystrobin)、メトミノストロビン(metominostrobin)、オリザストロビン(oryzastrobin)、ブラストサイジン−S(blasticidin−S)、カスガマイシン(kasugamycin)、フェリムゾン(ferimzone)、イソプロチオラン(isoprothiolane)、イプロベンホス(iprobenfos)、ベノミル(benomyl)、チオファネート−メチル(thiophanate−methyl)、ペフラゾエート(pefurazoate)、イプコナゾール(ipconazole)、プロクロラズ(prochloraz)、トリフルミゾール(triflumizole)、フルジオキソニル(fludioxonil)、チラム(thiram)、フルトラニル(flutolanil)、メプロニル(mepronil)、チフルザミド(thifluzamide)、フラメトピル(furametpyr)、ペンシクロン(pencycuron)、ジクロメジン(diclomedine)、バリダマイシン(validamycin)、メタラキシル(metalaxyl)、ヒメキサゾール(hymexazol)、クロロタロニル(chlorothalonil)
殺虫剤:
フィプロニル(fipronil)、ジノテフラン(dinotefuran)、イミダクロプリド(imidacloprid)、クロチアニジン(clothianidin)、チアクロプリド(thiacloprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、ニテンピラム(nitenpyram)、アセタミピリド(acetamipirid)、カルボスルファン(carbosulfan)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、シラフルオフェン(silafluofen)、スピノサド(spinosad)、カルタップ(cartap)、フェンチオン(fenthion)、フェニトロチオン(fenitrothion)、ブプロフェジン(buprofezin)、エトフェンプロックス(etofenprox)、フェノブカルブ(fenobucarb)、テブフェノジド(tebfenozide)、ベンスルタップ(bensultap)、アセフェート(acephate)、エチプロール(ethiprole)、ピメトロジン(pymetrozine)、クロラントラニリプロール(chlorantraniliprole)等。
【0071】
本発明化合物を活性成分として含む農園芸用殺菌剤は、一般の農園芸用殺菌剤が使用される方法と同様の方法で使用することができる。具体的には、水和剤、液剤、乳剤、ゾル剤(フロアブル剤)、顆粒水和剤、または油剤の場合は、水で50〜10000倍に希釈して、一般に活性成分が1〜10000ppmの濃度の液になるように調製し、この希釈液を、水稲や果樹など作物形態により異なるが、農耕地10アール当たり50〜1000L、通常は、100〜600Lの範囲で植物の病害発生部位の茎葉に散布しうる。
【0072】
また、液剤、乳剤、またはゾル剤(フロアブル剤)の場合は、水で希釈することなく、または50倍以内に希釈して、微量散布剤として10アール当たり、5〜5000mLの量を、主に空中散布することもできる。空中散布は、ヘリコプターなどを用いて実施される。
【0073】
また、粉剤、粗粒剤、DL粉剤、フローダスト剤、微粒剤、細粒剤、または粒剤の場合は、10アール当たり0.3〜5kgの剤(活性成分含有量は約5〜500g)を、植物の病害発生部位の茎葉、土壌表面、土壌中、または水面に施用してもよい。
【0074】
また、水稲などの育苗箱栽培においては、粒剤などを育苗箱(標準サイズ:30cm×60cm×5cm)当り10〜100gを、フロアブルなどは希釈せずにそのままあるいは希釈して、30〜1000mLを、播種時前あるいは後、育苗期中の土壌表面に施用することができる。
【0075】
本発明化合物を農園芸用殺菌剤として製剤化する方法の具体例を実施例26〜30に示す。
次に、本発明を実施例および試験例により具体的に説明するが、これらにより本発明の範囲が限定されるものではない。
また、以下の実施例、試験例および表2−1〜表2−2で示される化合物番号は、表1−1〜表1−4で示した化合物番号と同一の番号を表す。
まず、本発明化合物を製造する方法の具体例を実施例1〜25に示す。
【実施例1】
【0076】
3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリダジン(化合物番号2)の製造
a)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した100ml4つ口フラスコ中に、テトラヒドロフラン−3−カルボン酸4.0g(34.4mmol)、ジクロロメタン84mlを入れた。5℃で二塩化オキサリル4.8g(37.9mmol)をゆっくり加えた。さらにN,N−ジメチルホルムアミド3滴を入れた。室温で2時間攪拌後、反応混合物を減圧下濃縮した。得られた残渣にクロロホルム84mlおよびN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩5.0g(51.7mmol)を加え、3℃でトリエチルアミン10.5g(103mmol)を滴下した。室温で17時間攪拌後、1規定塩酸を加え酸性とし、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:酢酸エチル=1:1)により精製することにより、N−メトキシ−N−メチルテトラヒドロフラン−3−カルボキサミド5.20g(収率95%)を得た。
【0077】
b)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した200ml4つ口フラスコ中に、N−メトキシ−N−メチルテトラヒドロフラン−3−カルボキサミド5.20g(32.7mmol)およびテトラヒドロフラン33mlを入れ、反応系内を窒素ガスで置換した。塩氷冷下、エチルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液36.0ml(36.0mmol)を滴下した後、室温で5時間攪拌した。氷冷下、反応混合物に1規定塩酸を加え酸性とし、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮することにより、1−(テトラヒドロフラン−3−イル)プロパン−1−オンを含む粗生成物4.0gを得た。
【0078】
c)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した100ml4つ口フラスコ中に、上記の1−(テトラヒドロフラン−3−イル)プロパン−1−オン2.0g、四塩化炭素39mlおよび臭化水素酸2滴を入れた。室温で臭素2.5g(15.6mmol)をゆっくり加え、30分攪拌した。反応混合物を冷却し、冷水を加えてクロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮することにより、2−ブロモ−1−(テトラヒドロフラン−3−イル)プロパン−1−オンを含む粗生成物3.81gを得た。
【0079】
d)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した100ml4つ口フラスコ中に、(2,6−ジフルオロフェニル)酢酸1.5g(9.19mmol)、上記で得た2−ブロモ−1−(テトラヒドロフラン−3−イル)プロパン−1−オン 3.81gおよびアセトニトリル31mlを入れた。1℃でトリエチルアミン3.7g(36.8mmol)を加え、室温で6.5時間攪拌した。反応混合物を冷却し、冷水、1規定塩酸を加え酸性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:酢酸エチル=20:1)により精製することにより、1−メチル−2−オキソ−2−(テトラヒドロフラン−3−イル)エチル (2,6−ジフルオロフェニル)アセテートを含む粗生成物2.10gを得た。
【0080】
e)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、上記で得られた1−メチル−2−オキソ−2−(テトラヒドロフラン−3−イル)エチル (2,6−ジフルオロフェニル)アセテートを含む粗生成物2.10gおよびアセトニトリル23mlを入れた。1℃で1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン2.60g(16.9mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。次いで反応混合物に酸素ガスを導入しながら15.5時間攪拌した。反応混合物に1規定塩酸を加え酸性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:酢酸エチル=3:1)により精製することにより4−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−2’,3’,4’,5’−テトラヒドロ−3,3’−ビフラン−5(2H)−オン1.05g(収率50%)を得た。
【0081】
f)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、4−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−2’,3’,4’,5’−テトラヒドロ−3,3’−ビフラン−5(2H)−オン 1.05g(3.55mmol)、1−ブタノール12mlおよびヒドラジン一水和物0.21g(4.26mmol)を入れ、90℃で2時間半、加熱還流下4時間攪拌した。反応混合物にn−へキサンを加え析出した固体を濾取した。残ったろ液は濃縮し、得られた残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:酢酸エチル=5:1)により精製した。濾取により得られた固体と合わせ4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリダジン−3(2H)−オン0.56g(収率54%)を得た。
【0082】
g)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリダジン−3(2H)−オン0.56g(1.92mmol)およびオキシ塩化りん6gを入れ加熱還流下1.5時間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し得られた残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=3:1)により精製することにより3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピリダジン0.31g(収率52%)を得た。このものの融点は127−129℃であった。
【実施例2】
【0083】
3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロチエン−3−イル)ピリダジン(化合物番号7)の製造
a)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した30ml4つ口フラスコ中に、トリメチルシリルメタンチオール6.64g(55mmol)および1,3,5−トリオキサン1.74g(19.3mmol)を入れた。5℃で塩酸ガスを導入しながら3時間攪拌した。反応混合物にn−へキサンを加え無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮することによりクロロメチルトリメチルシリルメチルチオエーテル を含む粗生成物10.61gを得た。
【0084】
b)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した200ml4つ口フラスコ中に、上記で得たクロロメチルトリメチルシリルメチルチオエーテル 10.61g(55mmol)、アセトニトリル60mlおよびエチルビニルケトン4.76g(53.4mmol)を入れ、反応系内を窒素で置換した。5℃でフッ化セシウム10.87g(71.5mmol)を加え18時間攪拌した。反応混合物に1規定塩酸を加え酸性としジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=50:1)により精製することにより1−(テトラヒドロチエン−3−イル)プロパン−1−オン5.28g(収率67%)を得た。
【0085】
c)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した100ml4つ口フラスコ中に、1−(テトラヒドロチエン−3−イル)プロパン−1−オン3.91g(27.1mmol)四塩化炭素40mlを入れた。5℃で臭素4.12g(25.7mmol)を滴下し、45分攪拌した。反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え塩基性としクロロホルムで抽出した。有機層を水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮することにより、2−ブロモ−1−(テトラヒドロチエン−3−イル)プロパン−1−オンを含む粗生成物6.84g得た。
【0086】
d)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した100ml4つ口フラスコ中に、(2,6−ジフルオロフェニル)酢酸3.09g(18.0mmol)、上記で得た2−ブロモ−1−(テトラヒドロチエン−3−イル)プロパン−1−オン6.84gおよびアセトニトリル30mlを入れた。5℃でトリエチルアミン10.38g(102.8mmol)を加え、室温で10時間攪拌した。反応混合物に3規定塩酸を加え酸性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=20:1)により精製することにより1−メチル−2−オキソ−2−(テトラヒドロチエン−3−イル)エチル (2,6−ジフルオロフェニル)アセテート4.87gを得た。
【0087】
e)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、1−メチル−2−オキソ−2−(テトラヒドロチエン−3−イル)エチル (2,6−ジフルオロフェニル)アセテート3.59gおよびアセトニトリル15mlを入れた。12℃で1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン4.67g(30.7mmol)を加え、室温で3.5時間攪拌した。次いで反応混合物に空気を導入しながら6時間攪拌した。反応混合物に1規定塩酸を加え酸性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 ヘキサン:アセトン=5:1)により精製することにより3−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル−4−(テトラヒドロチエン−3−イル)フラン−2(5H)−オン1.96g(収率50%)を得た。
【0088】
f)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した30ml4つ口フラスコ中に、3−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル−4−(テトラヒドロチエン−3−イル)フラン−2(5H)−オン0.41g(1.3mmol)、1−ブタノール10mlおよびヒドラジン一水和物0.11g(2.2mmol)を入れ、加熱還流下2時間攪拌した。反応混合物にn−へキサンを加え析出した固体を濾取することにより4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロチエン−3−イル)ピリダジン−3(2H)−オン0.21g(収率53%)を得た。
【0089】
g)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した30ml4つ口フラスコ中に、4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロチエン−3−イル)ピリダジン−3(2H)−オン0.21g(0.7mmol)およびオキシ塩化りん5gを入れ加熱還流下2時間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し得られた残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:アセトン=20:1)により精製することにより3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロチエン−3−イル)ピリダジン0.15g(収率65%)を得た。このものの融点は155−159℃であった。
【実施例3】
【0090】
3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(1−オキシドテトラヒドロチエン−3−イル)ピリダジン(化合物番号9)の製造
攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した30ml4つ口フラスコ中に、3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロチエン−3−イル)ピリダジン0.15g(0.46mmol)およびメタノール6mlを入れた。10℃で32%過酸化水素水0.054gを加え10時間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 クロロホルム:メタノール=50:1)により精製することにより3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(1−オキシドテトラヒドロチエン−3−イル)ピリダジン0.13g(収率81%)を得た。
【実施例4】
【0091】
3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−(1,1−ジオキシドテトラヒドロチエン−3−イル)−6−メチルピリダジン(化合物番号10)の製造
a)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、3−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル−4−(テトラヒドロチエン−3−イル)フラン−2(5H)−オン0.58g(1.9mmol)および酢酸10mlを入れた。室温で過酸化水素水0.5g(4.8mmol)を加え80℃で3時間攪拌した。反応混合物に水および飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え塩基性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮することにより3−(2,6−ジフルオロフェニル)―4−(1,1−ジオキシドテトラヒドロチエン−3−イル)−5−ヒドロキシ−5−メチルフラン−2(5H)−オン0.56g(収率86%)を得た。
【0092】
b)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した30ml4つ口フラスコ中に、3−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−(1,1−ジオキシドテトラヒドロチエン−3−イル)−5−ヒドロキシ−5−メチルフラン−2(5H)−オン 0.56g(1.6mmol)、1−ブタノール10mlおよびヒドラジン一水和物0.16g(3.2mmol)を入れ、加熱還流下1時間攪拌した。反応混合物にn−へキサンを加え析出した固体を濾取しすることにより4−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−(1,1−ジオキシドテトラヒドロチエン−3−イル)−6−メチルピリダジン−3(2H)−オン0.44g(収率81%)を得た。
【0093】
c)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した30ml4つ口フラスコ中に、4−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−(1,1−ジオキシドテトラヒドロチエン−3−イル)−6−メチルピリダジン−3(2H)−オン 0.44g(1.3mmol)およびオキシ塩化りん8gを入れ加熱還流下1時間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し得られた残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:アセトン=10:1)により精製することにより3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−(1,1−ジオキシドテトラヒドロチエン−3−イル)−6−メチルピリダジン0.17g(収率37%)を得た。このものの融点は193−196℃であった。
【実施例5】
【0094】
3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−(4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾール−2−イル)−6−メチルピリダジン(化合物番号19)の製造
a)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した30ml4つ口フラスコ中に、オルトプロピオン酸トリエチル7.0g(39.7mmol)、トリメチルシリルシアニド3.9g(39.7mmol)、および触媒量の塩化亜鉛を入れ、窒素雰囲気下4時間攪拌した。反応混合物を冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加えて塩基性としジエチルエーテルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮することにより、2,2−ジエトキシブタンニトリルを含む粗生成物5.56gを得た。
【0095】
b)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した100ml4つ口フラスコ中に、2−アミノエタンチオ−ル4.1g(53.1mmol)、2,2−ジエトキシブタンニトリルを含む粗生成物5.56g、酢酸アンモニウム8.9g(11.6mmol)、およびメタノール35mlを入れ窒素雰囲気下室温で15時間、さらに加熱還流下6時間攪拌した。反応混合物を濃縮し得られた残渣をジエチルエーテルおよび水酸化カリウム水溶液の混合溶液にあけ塩基性とし、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮することにより、2−(1,1−ジエトキシプロパン)−4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾ−ルを含む粗生成物6.34gを得た。
【0096】
c)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した100ml4つ口フラスコ中に、濃硫酸24mlを入れた。−2℃で2−(1,1−ジエトキシプロパン)−4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾ−ルを含む粗生成物6.34gを滴下した。30分攪拌した後、反応混合物を炭酸水素ナトリウム100gの冷却した飽和水溶液にゆっくりあけた。得られた溶液をろ過した後、ろ液をジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=5:1)により精製することにより、1−(4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾ−ル−2−イル)プロパン−1−オン2.2g(収率53%)を得た。
【0097】
d)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した100ml4つ口フラスコ中に、1−(4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾ−ル−2−イル)プロパン−1−オン2.2g(15.4mmol)、四塩化炭素51mlおよび臭化水素酸2滴を入れた。室温で臭素2.45g(15.4mmol)をゆっくり加え、1.5時間攪拌した。反応混合物を冷却し、冷水及び飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加えて塩基性としクロロホルムで抽出した。有機層無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮することにより、2−ブロモ−1−(4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾ−ル−2−イル)プロパン−1−オンを含む粗生成物2.8gを得た。
【0098】
e)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した100ml4つ口フラスコ中に、(2,6−ジフルオロフェニル)酢酸1.08g(6.31mmol)、上記で得た2−ブロモ−1−(4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾ−ル−2−イル)プロパン−1−オン2.8gおよびアセトニトリル15mlを入れた。3℃でトリエチルアミン2.6g(25.2mmol)を加え、室温で1日攪拌した。反応混合物を冷却し、冷水、1規定塩酸を加え酸性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=5:1)により精製することにより、2−(4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾ−ル−2−イル)−2−ヒドロキシ−1−メチルビニル (2,6−ジフルオロフェニル)アセテート0.72g(収率37%)を得た。
【0099】
f)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、2−(4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾ−ル−2−イル)−2−ヒドロキシ−1−メチルビニル (2,6−ジフルオロフェニル)アセテート0.71g(2.27mmol)およびアセトニトリル11mlを入れた。4℃で1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン0.83g(5.44mmol)を加え、室温で6.5時間攪拌した。反応混合物に1規定塩酸を加え酸性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮することにより3−(2,6−ジフルオロフェニル)―4−(4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾ−ル−2−イル)−5−ヒドロキシ−5−メチルフラン−2(5H)−オンを含む粗生成物0.58gを得た。
【0100】
g)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した30ml4つ口フラスコ中に、3−(2,6−ジフルオロフェニル)―4−(4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾ−ル−2−イル)−5−ヒドロキシ−5−メチルフラン−2(5H)−オンを含む粗生成物0.58g、1−ブタノール10mlおよびヒドラジン一水和物0.10g(2.05mmol)を入れ、90℃で1.5時間、加熱還流下2時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、得られた残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮することにより4−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−(4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾ−ル−2−イル)−6−メチルピリダジン−3(2H)−オン−6−メチルピリダジン−3(2H)−オンを含む粗生成物0.50gを得た。
【0101】
h)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、4−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−(4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾ−ル−2−イル)−6−メチルピリダジン−3(2H)−オン−6−メチルピリダジン−3(2H)−オンを含む粗生成物0.50gおよびオキシ塩化りん5gを入れ加熱還流下2時間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し得られた残渣に水、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え塩基性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:酢酸エチル=20:1)により精製することにより3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−(4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾール−2−イル)−6−メチルピリダジン12.7mg(収率2%)を得た。
【実施例6】
【0102】
3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)ピリダジン(化合物番号26)の製造
a)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)プロパン−1−オン1.99g(14mmol)およびメタノール15mlを入れた。−4℃で臭素2.24g(14mmol)を滴下し、4時間攪拌した。反応混合物に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層に飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え塩基性で洗浄し、次に飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮することにより、2−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)プロパン−1−オンを含む粗生成物3.09g得た。
【0103】
b)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、(2,6−ジフルオロフェニル)酢酸1.56g(9.0mmol)、上記で得た2−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)プロパン−1−オン3.09gおよびアセトニトリル15mlを入れた。10℃でトリエチルアミン5.66g(56.0mmol)を加え、室温で5時間攪拌した。反応混合物に水および1規定塩酸を加え酸性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、1−メチル−2−オキソ−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)エチル (2,6−ジフルオロフェニル)アセテートを含む粗生成物4.35gを得た。
【0104】
c)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、上記で得られた1−メチル−2−オキソ−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)エチル (2,6−ジフルオロフェニル)アセテートを含む粗生成物4.35gおよびアセトニトリル15mlを入れた。16℃で1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン3.38g(22.2mmol)を加え、室温で4.5時間攪拌した。次いで反応混合物に酸素を導入しながら5時間攪拌した。反応混合物に1規定塩酸を加え酸性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=10:1)により精製することにより3−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル―4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)フラン−2(5H)−オン1.18g(収率42%)を得た。
【0105】
d)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、3−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル―4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)フラン−2(5H)−オン1.18g(3.8mmol)、1−ブタノール10mlおよびヒドラジン一水和物0.32g(6.4mmol)を入れ、加熱還流下1.5時間攪拌した。反応混合物にn−へキサンを加え析出した固体を濾取することにより4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)ピリダジン−3(2H)−オン0.60g(収率52%)を得た。
【0106】
e)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)ピリダジン−3(2H)−オン0.60g(2.0mmol)およびオキシ塩化りん10gを入れ加熱還流下2時間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し得られた残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:アセトン=50:1)により精製することにより3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)ピリダジン0.47g(収率73%)を得た。このものの融点は106−108℃であった。
【実施例7】
【0107】
3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)ピリダジン(化合物番号34)の製造
a)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した200ml4つ口フラスコ中に、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン8.40g(100mmol)、ジクロロメタン60mlおよびピリジン16.12g(204mmol)を入れた。15℃で無水トリフルオロ酢酸42.21g(201mmol)を滴下し、3時間攪拌した。反応混合物を氷水中に少しずつ注ぎ炭酸カリウムを加えpH4とし、ジクロロメタンで抽出した。有機層に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え塩基性で洗浄し、次に水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し1−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−5−イル)−2,2,2−トリフルオロエタノンを含む粗生成物19.57gを得た。
【0108】
b)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した200ml4つ口フラスコ中に、上記で得た1−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−5−イル)−2,2,2−トリフルオロエタノン4.90g、ベンゼン25mlおよび水酸化カリウム2.8gの水溶液を入れた。加熱還流下10時間攪拌した。反応混合物に1規定水酸化ナトリウムを加え塩基性で抽出した。水層に濃塩酸を加え酸性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−5−カルボン酸を含む粗生成物2.87gを得た。
【0109】
c)封管装置に3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−5−カルボン酸6.27g(49mmol)、エタノール60mlおよび10%パラジウムカーボン3.2gをいれた。封管内を水素ガスで置換し、130℃の油浴で10時間攪拌した。反応混合物をセライトでろ過し、得られたろ液を減圧下濃縮することによりテトラヒドロ−2H−ピラン−3−カルボン酸を含む粗生成物6.91gを得た。
【0110】
d)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した200ml4つ口フラスコ中に、テトラヒドロ−2H−ピラン−3−カルボン酸6.91g(53mmol)、ジクロロメタン50mlおよびN,N−ジメチルホルムアミド3滴を入れた。10℃で二塩化オキサリル10.10g(79.5mmol)を滴下した。室温で1時間攪拌後、反応混合物を減圧下濃縮した。得られた残渣にジクロロメタン50mlおよびN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩7.75g(79.5mmol)を加え、10℃でトリエチルアミン16.06g(159mmol)を滴下した。室温で5時間攪拌後、1規定塩酸を加え酸性としクロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 ヘキサン:アセトン=10:1)により精製することにより、N−メトキシ−N−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−カルボキサミド5.85g(収率64%)を得た。
【0111】
e)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した200ml4つ口フラスコ中に、N−メトキシ−N−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−カルボキサミド5.85g(33.8mmol)、ジエチルエーテル30mlおよびテトラヒドロフラン30mlを入れ、反応系内を窒素ガスで置換した。−5℃でエチルマグネシウムブロミド38.9ml(38.9mmol)を滴下した後、室温で4時間攪拌した。氷冷下、反応混合物に3規定塩酸を加え酸性とし室温で1時間攪拌した後、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮することにより、1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)プロパン−1−オンを含む粗生成物4.87g得た。
【0112】
f)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、上記の、1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)プロパン−1−オン2.43g、メタノール16mlを入れた。−5℃で臭素2.40g(15mmol)を滴下し、8時間攪拌した。反応混合物に水を加え酢酸エチルで2回抽出した。有機層に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え塩基性で洗浄し、次に飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮することにより、2−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)プロパン−1−オンを3.11g得た。
【0113】
g)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した100ml4つ口フラスコ中に、(2,6−ジフルオロフェニル)酢酸2.29g(13.3mmol)、上記で得た2−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)プロパン−1−オン3.11gおよびアセトニトリル30mlを入れた。15℃でトリエチルアミン5.66g(56.0mmol)を加え、室温で9時間攪拌した。反応混合物に1規定塩酸を加え酸性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、1−メチル−2−オキソ−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)エチル (2,6−ジフルオロフェニル)アセテートを含む粗生成物4.36gを得た。
【0114】
h)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、上記で得られた1−メチル−2−オキソ−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)エチル (2,6−ジフルオロフェニル)アセテートを含む粗生成物4.36gおよびアセトニトリル15mlを入れた。12℃で1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン4.93g(32.5mmol)を加え、室温で4時間攪拌した。次いで反応混合物に酸素ガスを導入しながら3時間攪拌した。反応混合物に3規定塩酸を加え酸性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 ヘキサン:アセトン=5:1)により精製することにより3−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル―4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)フラン−2(5H)−オン3.57g(収率87%)を得た。
【0115】
i)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、3−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル―4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)フラン−2(5H)−オン3.57g(11.5mmol)、1−ブタノール15mlおよびヒドラジン一水和物0.98g(11.6mmol)を入れ、加熱還流下2時間攪拌した。反応混合物にn−へキサンを加え析出した固体を濾取することにより4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)ピリダジン−3(2H)−オン2.18g(収率62%)を得た。
【0116】
j)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)ピリダジン−3(2H)−オン2.18g(7.1mmol)およびオキシ塩化りん24gを入れ加熱還流下1時間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し得られた残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:アセトン=20:1)により精製することにより3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)ピリダジン1.62g(収率70%)を得た。このものの融点は189−191℃であった。
【実施例8】
【0117】
3−クロロ−4−(2−クロロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン(化合物番号49)の製造
a)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に(2−クロロフェニル)酢酸1.02g(6.0mmol)、2−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)プロパン−1−オン1.66gおよびアセトニトリル15mlを入れた。10℃でトリエチルアミン1.21g(12.0mmol)を加え、室温で6時間攪拌した。次に反応混合物に1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン2.28g(15.0mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。さらに反応混合物に酸素を導入しながら4時間攪拌した。反応混合物に3規定塩酸を加え酸性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:アセトン=10:1)により精製することにより3−(2−クロロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル―4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)フラン−2(5H)−オン1.65g(収率89%)を得た。
【0118】
b)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した50ml 4つ口フラスコ中に、3−(2−クロロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル―4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)フラン−2(5H)−オン1.65g(5.3mmol)、1−ブタノール15mlおよびヒドラジン一水和物0.53g(10.06mmol)を入れ、加熱還流下2時間攪拌した。反応混合物にn−へキサンを加え析出した固体を濾取することにより4−(2−クロロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン−3(2H)−オン1.37g(収率84%)を得た。
【0119】
c)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した30ml4つ口フラスコ中に、4−(2−クロロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン−3(2H)−オン1.37g(4.5mmol)およびオキシ塩化りん25gを入れ加熱還流下2.5時間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し得られた残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:アセトン=10:1)により精製することにより3−クロロ−4−(2−クロロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン1.13g(収率78%)を得た。このものの融点は196−198℃であった。
【実施例9】
【0120】
4−(2−ブロモフェニル)−3−クロロ−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン(化合物番号50)の製造
a)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した100ml4つ口フラスコ中に、(2−ブロモフェニル)酢酸1.46g(6.8mmol)、2−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)プロパン−1−オン1.5gおよびアセトニトリル20mlを入れた。10℃でトリエチルアミン2.74g(27.1mmol)を加え、室温で2.5時間攪拌した。次に反応混合物に5℃で1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン2.52g(16.6mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。さらに反応混合物に酸素を導入しながら1.5時間攪拌した。反応混合物に1規定塩酸を加え酸性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:酢酸エチル=5:1)により精製することにより3−(2−ブロモフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル―4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)フラン−2(5H)−オン1.38g(収率57%)を得た。
【0121】
b)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した100ml4つ口フラスコ中に、3−(2−ブロモフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル―4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)フラン−2(5H)−オン1.38g(3.9mmol)、1−ブタノール15mlおよびヒドラジン一水和物0.33g(6.6mmol)を入れ、加熱還流下2.5時間攪拌した。さらにヒドラジン一水和物0.59g(11.7mmol)を加え加熱還流下9時間攪拌した。反応混合物にn−へキサンを加え析出した固体を濾取することにより4−(2−ブロモフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン−3(2H)−オン0.86g(収率63%)を得た。
【0122】
c)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した30ml4つ口フラスコ中に、4−(2−ブロモフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン−3(2H)−オン0.86g(2.46mmol)およびオキシ塩化りん15gを入れ加熱還流下1.5時間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し得られた残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:酢酸エチル=5:1)により精製することにより4−(2−ブロモフェニル)−3−クロロ−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン0.35g(収率39%)を得た。このものの融点は213−215℃であった。
【実施例10】
【0123】
3−クロロ−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリダジン(化合物番号51)の製造
a)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、[2−(トリフルオロメチル)フェニル]酢酸1.22g(6.0mmol)、2−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)プロパン−1−オン1.59gおよびアセトニトリル15mlを入れた。3℃でトリエチルアミン1.21g(12.0mmol)を加え、室温で18時間攪拌した。反応混合物を4℃に冷却し、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン2.19g(14.4mmol)を加え、室温で5.5時間攪拌した。次いで反応混合物に酸素ガスを導入しながら3.5時間攪拌した。反応混合物に1規定塩酸を加え酸性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=3:2)により精製することにより5−ヒドロキシ−5−メチル―4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−3−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]フラン−2(5H)−オン1.79g(収率87%)を得た。
【0124】
b)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、5−ヒドロキシ−5−メチル―4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−3−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]フラン−2(5H)−オン1.79g(5.23mmol)、1−ブタノール13mlおよびヒドラジン一水和物0.31g(6.28mmol)を入れ、加熱還流下4時間攪拌した。いったん室温にまで冷却し、ヒドラジン一水和物0.26g(5.23mmol)を入れ再び加熱還流下3時間攪拌した。反応混合物にn−へキサンを加え析出した固体を濾取することにより6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリダジン−3(2H)−オン1.03g(収率58%)を得た。
【0125】
c)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリダジン−3(2H)−オン0.50g(1.48mmol)およびオキシ塩化りん6gを入れ加熱還流下2時間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し得られた残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=3:2)により精製することにより3−クロロ−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリダジン0.23g(収率44%)を得た。このものの融点は190−193℃であった。
【実施例11】
【0126】
3−クロロ−4−(2,6−ジクロロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン(化合物番号57)の製造
a)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した200ml4つ口フラスコ中に、(2,6−ジクロロフェニル)酢酸4.3g(20.9mmol)、2−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)プロパン−1−オン7.8gおよびアセトニトリル53mlを入れた。5℃でトリエチルアミン8.5g(83.6mmol)を加え、室温で15時間攪拌した。反応混合物に水および1規定塩酸を加え酸性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=5:1)により精製することにより、1−メチル−2−オキソ−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エチル (2,6−ジクロロフェニル)アセテートを含む粗生成物8.6gを得た。
【0127】
b)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した200ml4つ口フラスコ中に、上記で得られた1−メチル−2−オキソ−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エチル (2,6−ジクロロフェニル)アセテートを含む粗生成物8.6gおよびアセトニトリル53mlを入れた。2℃で1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン7.7g(50.3mmol)を加え、室温で1日攪拌した。次いで反応混合物に酸素ガスを導入しながら1日攪拌した。反応混合物に1規定塩酸を加え酸性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:酢酸エチル=5:1)により精製することにより3−(2,6−ジクロロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル―4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)フラン−2(5H)−オン6.3(収率88%)を得た。
【0128】
c)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した100ml4つ口フラスコ中に、3−(2,6−ジクロロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル―4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)フラン−2(5H)−オン6.3g(18.4mmol)、1−ブタノール46mlおよびヒドラジン一水和物1.1g(22.0mmol)を入れ、加熱還流下1.5時間攪拌した。いったん温度を下げ、さらにヒドラジン一水和物0.55g(11.0mmol)を加え再び加熱還流下3.5時間攪拌した。反応混合物にn−へキサンを加え析出した固体を濾取することにより4−(2,6−ジクロロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン−3(2H)−オン4.38g(収率70%)を得た。
【0129】
d)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、4−(2,6−ジクロロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン−3(2H)−オン2.0g(5.90mmol)およびオキシ塩化りん18.1gを入れ加熱還流下7.5時間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し得られた残渣に水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え塩基性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:酢酸エチル=5:1)により精製することにより3−クロロ−4−(2,6−ジクロロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン0.37g(収率18%)を得た。このものの融点は210−215℃であった。
【実施例12】
【0130】
3−クロロ−4−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン(化合物番号58)の製造
a)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml 4つ口フラスコ中に、(2−クロロ−6−フルオロフェニル)酢酸1.32g(7.0mmol)、2−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)プロパン−1−オン2.60gおよびアセトニトリル15mlを入れた。10℃でトリエチルアミン2.83g(28.0mmol)を加え、室温で9時間攪拌した。反応混合物に水および1規定塩酸を加え酸性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、1−メチル−2−オキソ−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エチル (2−クロロ−6−フルオロフェニル)アセテートを含む粗生成物2.68gを得た。
【0131】
b)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、上記で得られた1−メチル−2−オキソ−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エチル (2−クロロ−6−フルオロフェニル)アセテートを含む粗生成物2.30gおよびアセトニトリル15mlを入れた。10℃で1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン2.60g(17.08mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。次いで反応混合物に酸素を導入しながら5時間攪拌した。反応混合物に1規定塩酸を加え酸性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:酢酸エチル=5:1)により精製することにより3−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル―4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)フラン−2(5H)−オン
0.96g(収率42%)を得た。
【0132】
c)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、3−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル―4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)フラン−2(5H)−オン0.96g(2.9mmol)、1−ブタノール10mlおよびヒドラジン一水和物0.25g(4.9mmol)を入れ、加熱還流下2時間攪拌した。反応混合物にn−へキサンを加え析出した固体を濾取することにより4−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン−3(2H)−オン0.60g(収率63%)を得た。
【0133】
d)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、4−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン−3(2H)−オン0.60g(1.9mmol)およびオキシ塩化りん6gを入れ加熱還流下5時間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し得られた残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:酢酸エチル=15:1)により精製することにより3−クロロ−4−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン0.19g(収率30%)を得た。このものの融点は185−187℃であった。
【実施例13】
【0134】
4−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−フルオロ−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン(化合物番号59)の製造
攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した30ml4つ口フラスコ中に、3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン0.36g(1.1mmol)および二フッ化水素テトラブチルホスホニウム1.98g(6.6mmol)を入れ110℃で8時間攪拌した。反応混合物に水および飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え塩基性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:酢酸エチル=20:1)により精製することにより4−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−フルオロ−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン0.22g(収率63%)を得た。このものの融点は129−131℃であった。
【実施例14】
【0135】
3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン(化合物番号60)の製造
a)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した300ml4つ口フラスコ中に、メチル テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボキシレート10.08g(70mmol)、メタノール54mlおよび1規定水酸化ナトリウム84mlを入れた。室温で3.5時間攪拌後、3規定塩酸を加え酸性とし酢酸エチルで2回抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、さらにトルエンを加え共沸脱水することによりテトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸7.6g(収率84%)を得た。
【0136】
b)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した100ml4つ口フラスコ中に、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸3.90g(30mmol)、ジクロロメタン30mlおよびN,N−ジメチルホルムアミド3滴を入れた。10℃で二塩化オキサリル5.72g(45mmol)を滴下した。室温で1時間攪拌後、反応混合物を減圧下濃縮した。得られた残渣にクロロホルム30mlおよびN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩4.39g(45mmol)を加え、10℃でトリエチルアミン9.09g(90mmol)を滴下した。室温で5時間攪拌後、1規定塩酸を加え酸性としクロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:アセトン=6:1)により精製することにより、N−メトキシ−N−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボキサミド4.98g(収率96%)を得た。
【0137】
c)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した200ml4つ口フラスコ中に、N−メトキシ−N−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボキサミド4.84g(28mmol)およびテトラヒドロフラン40mlを入れ、反応系内を窒素ガスで置換した。塩氷冷下、エチルマグネシウムブロミド32.2ml(32.2mmol)を滴下した後、室温で5時間攪拌した。氷冷下、反応混合物に3規定塩酸を加え酸性とし室温で1時間攪拌した後、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮することにより、1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)プロパン−1−オンを含む粗生成物3.80g得た。
【0138】
d)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した100ml4つ口フラスコ中に、上記の1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)プロパン−1−オン2.39g、四塩化炭素30mlおよび臭化水素酸2滴を入れた。室温で臭素2.24g(14mmol)を滴下し、1時間攪拌した。反応混合物に1規定水酸化ナトリウムを加え塩基性としクロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮することにより、2−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)プロパン−1−オンを含む粗生成物3.61g得た。
【0139】
e)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に(2,6−ジフルオロフェニル)酢酸1.20g(7.0mmol)、上記で得た2−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)プロパン−1−オン3.61gおよびアセトニトリル15mlを入れた。10℃でトリエチルアミン2.83g(28.0mmol)を加え、室温で9時間攪拌した。反応混合物に水および1規定塩酸を加え酸性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、1−メチル−2−オキソ−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エチル (2,6−ジフルオロフェニル)アセテートを含む粗生成物3.20gを得た。
【0140】
f)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、上記で得られた1−メチル−2−オキソ−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エチル(2,6−ジフルオロフェニル)アセテートを含む粗生成物3.20gおよびアセトニトリル15mlを入れた。10℃で1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン2.60g(17.08mmol)を加え、室温で1.5時間攪拌した。次いで反応混合物に空気を導入しながら4時間攪拌した。反応混合物に1規定塩酸を加え酸性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:酢酸エチル=10:1)により精製することにより3−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル―4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)フラン−2(5H)−オン1.40g(収率65%)を得た。
【0141】
g)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、3−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル―4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)フラン−2(5H)−オン1.40g(4.5mmol)、1−ブタノール10mlおよびヒドラジン一水和物0.36g(7.2mmol)を入れ、加熱還流下2時間攪拌した。反応混合物にn−へキサンを加え析出した固体を濾取することにより4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン−3(2H)−オン1.03g(収率75%)を得た。
h)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した50ml 4つ口フラスコ中に、4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン−3(2H)−オン1.03g(3.4mmol)およびオキシ塩化りん7gを入れ加熱還流下1.5時間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し得られた残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:酢酸エチル=5:1)により精製することにより3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン0.75g(収率69%)を得た。このものの融点は184−186℃であった。
【実施例15】
【0142】
4−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−メトキシ−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン(化合物番号62)の製造
攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml 4つ口フラスコ中に、3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン0.3g(0.92mmol)およびメタノール5mlを入れた。室温下28%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液1.99g(10.3mmol)を滴下し、60℃から加熱還流下2日間攪拌した。反応混合物に水を加え酢酸エチルで2回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒トルエン:酢酸エチル=1:1)により精製することにより4−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−メトキシ−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン0.2g(収率69%)を得た。このものの融点は148−150℃であった。
【実施例16】
【0143】
3−ブロモ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−エチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン(化合物番号64)の製造
攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した30ml4つ口フラスコ中に、3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−エチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン 0.34g(1.0mmol)および三臭化りん5gを入れ加熱還流下5.5時間攪拌した。反応混合物に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:酢酸エチル=5:1)により精製することにより3−ブロモ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−エチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン 0.12g(収率32%)を得た。
【実施例17】
【0144】
3−クロロ−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン(化合物番号68)の製造
a)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、(2,4,6−トリフルオロフェニル)酢酸1.0g(5.26mmol)、2−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)プロパン−1−オン2.32gおよびアセトニトリル15mlを入れた。6℃でトリエチルアミン2.1g(21.0mmol)を加え、室温で9時間攪拌した。反応混合物に水および3規定塩酸を加え酸性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、1−メチル−2−オキソ−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エチル (2,4,6−トリフルオロフェニル)アセテートを含む粗生成物2.58gを得た。
【0145】
b)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、上記で得られた1−メチル−2−オキソ−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エチル (2,4,6−トリフルオロフェニル)アセテート2.58gおよびアセトニトリル15mlを入れた。10℃で1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン1.95g(12.83mmol)を加え、室温で4時間攪拌した。次いで反応混合物に酸素を導入しながら2時間攪拌した。反応混合物に3規定塩酸を加え酸性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=5:1)により精製することにより5−ヒドロキシ−5−メチル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)フラン−2(5H)−オン1.07g(収率62%)を得た。
【0146】
c)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、5−ヒドロキシ−5−メチル―4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)フラン−2(5H)−オン1.07g(3.26mmol)、1−ブタノール12mlおよびヒドラジン一水和物0.28g(5.54mmol)を入れ、加熱還流下4時間攪拌した。反応混合物に3規定塩酸を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:酢酸エチル=5:1)により精製することにより6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン−3(2H)−オン0.65g(収率61%)を得た。
【0147】
d)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン−3(2H)−オン0.65g(2mmol)およびオキシ塩化りん10gを入れ加熱還流下2時間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、得られた残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:酢酸エチル=5:1)により精製することにより3−クロロ−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン0.35g(収率51%)を得た。このものの融点は134−136℃であった。
【実施例18】
【0148】
3−クロロ−6−メチル−4−ペンタフルオロフェニル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン(化合物番号82)の製造
a)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml 4つ口フラスコ中に、ペンタフルオロフェニル酢酸1.5g(6.6mmol)、2−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)プロパン−1−オン1.31gおよびアセトニトリル20mlを入れた。10℃でトリエチルアミン2.7g(26.4mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。次いで、10℃で1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン2.17g(14.26mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。さらに反応混合物に酸素を導入しながら2時間攪拌した。反応混合物に3規定塩酸を加え酸性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:酢酸エチル=5:1)により精製することにより5−ヒドロキシ−5−メチル―3−ペンタフルオロフェニル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)フラン−2(5H)−オン0.93g(収率43%)を得た。
【0149】
b)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、5−ヒドロキシ−5−メチル―3−ペンタフルオロフェニル−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)フラン−2(5H)−オン0.93g(2.55mmol)、1−ブタノール10mlおよびヒドラジン一水和物0.22g(4.33mmol)を入れ、加熱還流下1.5時間攪拌した。反応混合物にn−へキサンを加え析出した固体を濾取することにより6−メチル−4−ペンタフルオロフェニル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン−3(2H)−オン0.49g(収率53%)を得た。
【0150】
c)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、6−メチル−4−ペンタフルオロフェニル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン−3(2H)−オン 0.49g(1.36mmol)およびオキシ塩化りん10gを入れ加熱還流下1.5時間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し得られた残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:酢酸エチル=10:1)により精製することにより3−クロロ−6−メチル−4−ペンタフルオロフェニル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン0.34g(収率67%)を得た。このものの融点は180−182℃であった。
【実施例19】
【0151】
3−クロロ−4−メシチル−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン(化合物番号83)の製造
a)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、メシチル酢酸0.71g(4mmol)、2−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)プロパン−1−オン1.77gおよびアセトニトリル10mlを入れた。10℃でトリエチルアミン1.6g(16.0mmol)を加え、室温で9時間攪拌した。反応混合物に水および1規定塩酸を加え酸性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、1−メチル−2−オキソ−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エチル メシチルアセテートを含む粗生成物1.84gを得た。
【0152】
b)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、上記で得られた1−メチル−2−オキソ−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エチル メシチルアセテートを含む粗生成物1.84gおよびアセトニトリル10mlを入れた。5℃で1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン1.48g(9.74mmol)を加え、室温で5時間攪拌した。次いで反応混合物に酸素を導入しながら8時間攪拌した。さらにヨウ化ナトリウム0.12g(0.8mmol)、炭酸カリウム0.55g(4mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド6mlを加え、80℃で14時間攪拌した。反応混合物に3規定塩酸を加え酸性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:酢酸エチル=5:1)により精製することにより5−ヒドロキシ−3−メシチル−5−メチル―4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)フラン−2(5H)−オン0.23g(収率18%)を得た。
【0153】
c)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した30ml4つ口フラスコ中に、5−ヒドロキシ−3−メシチル−5−メチル―4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)フラン−2(5H)−オン0.41g(1.3mmol)、1−ブタノール5mlおよびヒドラジン一水和物0.52g(10.34mmol)を入れ、加熱還流下14時間攪拌した。反応混合物に3規定塩酸を加え酸性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:酢酸エチル=1:1)により精製することにより6−メチル−4−メシチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン−3(2H)−オン0.29g(収率73%)を得た。
【0154】
d)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、6−メチル−4−メシチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン−3(2H)−オン0.29g(0.9mmol)およびオキシ塩化りん4gを入れ加熱還流下6時間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し得られた残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:酢酸エチル=5:1)により精製することにより3−クロロ−4−メシチル−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン30mg(収率10%)を得た。
【実施例20】
【0155】
3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−エチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン(化合物番号84)の製造
a)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した500ml4つ口フラスコ中に、N−メトキシ−N−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボキサミド13.7g(79mmol)およびテトラヒドロフラン100mlを入れ、反応系内を窒素ガスで置換した。塩氷冷下、n−プロピルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液90ml(91mmol)を滴下した後、室温で5時間攪拌した。氷冷下、反応混合物に3規定塩酸を加え酸性とし室温で1時間攪拌した後、ジエチルエーテルで2回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=5:1)により精製することにより1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ブタン−1−オンを7.34g(収率60%)得た。
【0156】
b)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ブタン−1−オン1.0gおよびメタノール7mlを入れた。塩氷冷下で臭素1.02g(6.4mmol)を滴下し、6時間攪拌した。さらに室温で3.5時間攪拌した。反応混合物に水を加えクロロホルムで3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮することにより、2−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ブタン−1−オンを含む粗生成物1.5g得た。
【0157】
c)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した100ml4つ口フラスコ中に、(2,6−ジフルオロフェニル)酢酸2.65g(15.44mmol)、上記で得られた2−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ブタン−1−オン3.26gおよびアセトニトリル50mlを入れた。5℃でトリエチルアミン6.24g(61.8mmol)を加え、室温で10時間攪拌した。反応混合物に水および3規定塩酸を加え酸性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、1−エチル−2−オキソ−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エチル (2,6−ジフルオロフェニル)アセテートを含む粗生成物5.06gを得た。
【0158】
d)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した100ml4つ口フラスコ中に、上記で得られた1−エチル−2−オキソ−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エチル (2,6−ジフルオロフェニル)アセテート5.06gおよびアセトニトリル40mlを入れた。10℃で1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン5.16g(33.9mmol)を加え、室温で4時間攪拌した。次いで反応混合物に酸素を導入しながら5時間攪拌した。反応混合物に3規定塩酸を加え酸性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:酢酸エチル=10:1)により精製することにより3−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−エチル―5−ヒドロキシ−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)フラン−2(5H)−オン2.58g(収率57%)を得た。
【0159】
e)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、3−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−エチル―5−ヒドロキシ−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)フラン−2(5H)−オン2.58g(8.0mmol)、1−ブタノール25mlおよびヒドラジン一水和物1.36g(27.2mmol)を入れ、加熱還流下10時間攪拌した。反応混合物にn−へキサンを加え析出した固体を濾取することにより4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−エチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン−3(2H)−オン1.8g(収率70%)を得た。
【0160】
f)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−エチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン−3(2H)−オン0.7g(2.2mmol)およびオキシ塩化りん10gを入れ加熱還流下2時間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し得られた残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:酢酸エチル=10:1)により精製することにより3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−エチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン0.64g(収率86%)を得た。このものの融点は143−144℃であった。
【実施例21】
【0161】
3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン N−オキシド(化合物番号106)の製造
a)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した30ml4つ口フラスコ中に、3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン0.32g(1.0mmol)およびジクロロメタン10mlを入れた。氷冷下m−クロロ過安息香酸0.25g(1.1mmol)を加え1時間攪拌した。さらに、m−クロロ過安息香酸0.2g(0.9mmol)を加え2.5時間攪拌した。反応混合物に水および飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え塩基性としクロロホルムで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液、水で順次洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:アセトン=20:1)により精製することにより3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリダジン N−オキシド0.30g(収率88%)を得た。このものの融点は168−173℃であった。
【実施例22】
【0162】
3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)ピリダジン(化合物番号111)の製造
a)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した1l4つ口フラスコ中に、テトラヒドロ−4H−チオピラン−4−オン10.44g(90mmol)、エチレングリコールジメチルエーテル250mlおよびトシルメチルイソシアニド19.31g(99mmol)を入れ、反応系内を窒素ガスで置換した。塩氷冷下、t−ブトキシカリウム20.16g(180mmol)、t−ブタノール100mlおよびエチレングリコールジメチルエーテル100mlの混合物を滴下した後、室温で5時間攪拌した。反応混合物に水を加えジエチルエーテルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 ヘキサン:アセトン=25:1)により精製することにより、テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−カルボニトリル8.32g(収率73%)を得た。
【0163】
b)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した200ml4つ口フラスコ中に、テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−カルボニトリル4.32g(34mmol)およびテトラヒドロフラン40mlを入れ、反応系内を窒素ガスで置換した。塩氷冷下、エチルマグネシウムブロミド37.7ml(37.4mmol)を滴下した後、室温で2時間さらに加熱還流下2時間攪拌した。氷冷下、反応混合物に3規定塩酸を加え酸性とし室温で30分攪拌した後、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 ヘキサン:アセトン=25:1)により精製することにより、1−(テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)プロパン−1−オン3.05g(収率57%)を得た。
【0164】
c)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、1−(テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)プロパン−1−オン3.05g(19.3mmol)およびメタノール19mlを入れ、反応系内を窒素ガスで置換した。−3℃に冷却し臭素3.09g(19.3mmol)を滴下した後、3時間攪拌した。反応混合物に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層に飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え塩基性で洗浄し、次に飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、2−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)プロパン−1−オン3.95gを得た。
【0165】
d)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、(2,6−ジフルオロフェニル)酢酸2.44g(14.2mmol)、上記で得た2−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)プロパン−1−オン3.95gおよびアセトニトリル20mlを入れた。10℃でトリエチルアミン5.74g(56.8mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。反応混合物に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し1−メチル−2−オキソ−2−(テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)エチル (2,6−ジフルオロフェニル)アセテートを含む粗生成物5.20gを得た。
【0166】
e)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、上記で得られた1−メチル−2−オキソ−2−(テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)エチル (2,6−ジフルオロフェニル)アセテートを含む粗生成物5.20gおよびアセトニトリル20mlを入れた。10℃で1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン5.27g(34.6mmol)を加え、室温で12時間攪拌した。次いで反応混合物に酸素ガスを導入しながら4時間攪拌した。反応混合物に3規定塩酸を加え酸性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:酢酸エチル=25:1)により精製し、得られた結晶をジイソプロピルエーテルで洗浄することにより3−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル―4−(テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)フラン−2(5H)−オン2.26g(収率49%)を得た。
【0167】
f)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、3−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル―4−(テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)フラン−2(5H)−オン2.26g(6.9mmol)、1−ブタノール10mlおよびヒドラジン一水和物0.59g(11.73mmol)を入れ、加熱還流下2時間攪拌した。反応混合物にn−へキサンを加え析出した固体を濾取しすることにより4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)ピリダジン−3(2H)−オン2.07g(収率93%)を得た。
【0168】
g)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)ピリダジン−3(2H)−オン1.03g(3.2mmol)およびオキシ塩化りん16gを入れ加熱還流下3時間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し得られた残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:アセトン=20:1)により精製することにより3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)ピリダジン0.95g(収率87%)を得た。このものの融点は159−160℃であった。
【実施例23】
【0169】
3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(1−オキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)ピリダジン(化合物番号117および118)の製造
a)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)ピリダジン0.34g(1.0mmol)およびメタノール7mlを入れた。氷水冷下32%の過酸化水素水0.13g(2.4mmol)を加え、室温で1.5時間攪拌した。さらに32%の過酸化水素水0.26g(1.2mmol)を加え、室温8時間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 クロロホルム:メタノール=50:1)により精製することにより3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(1−オキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)ピリダジン TLC上部:TLC下部=90:10体(融点は224−231℃) 0.17g(収率47%)および3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(1−オキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)ピリダジン TLC上部:TLC下部=5:95体(融点は218−220℃) 0.17g(収率47%)を得た。
【実施例24】
【0170】
3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−(1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)−6−メチルピリダジン(化合物番号119)の製造
a)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した30ml4つ口フラスコ中に、4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−(テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)ピリダジン−3(2H)−オン、酢酸および32%過酸化水素0.49g(4.6mmol)を入れ、加熱還流下2時間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し得られた残渣に飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え塩基性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をジイソプロピルエーテルで洗浄することにより4−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−(1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)−6−メチルピリダジン−3(2H)−オン0.67g(収率94%)を得た。
【0171】
b)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、4−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−(1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)−6−メチルピリダジン−3(2H)−オン0.67g(1.9mmol)およびオキシ塩化りん12gを入れ加熱還流下1.5時間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し得られた残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:酢酸エチル=5:1)により精製することにより3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−(1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)−6−メチルピリダジン0.67g(収率59%)を得た。このものの融点は230−232℃であった。
【実施例25】
【0172】
3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−(1,4−ジオキサン−2−イル)−6−メチルピリダジン(化合物番号122)の製造
a)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した200ml4つ口フラスコ中に、2,3−ジヒドロ−1,4−ジオキサン8.0g(92.9mmol)およびジエチルエーテル80mlを入れた。−8℃で塩酸ガスを導入しながら40分攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮することにより2−クロロ−1,4−ジオキサンを含む粗生成物12.0gを得た。
【0173】
b)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した500ml4つ口フラスコ中に、2−クロロ−1,4−ジオキサンを含む粗生成物12.0gおよびジクロロメタン200mlを入れた。4℃でトリメチルシリルシアニド11.1g(112mmol)を加えた。次に四塩化スズ6.05g(23.2mmol)のジクロロメタン溶液を滴下し室温で7.5時間攪拌した。反応混合物を氷水にあけジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=5:1)により精製することにより1,4−ジオキサン−2−カルボニトリル7.23g(収率69%)を得た。
【0174】
c)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した200ml4つ口フラスコ中に、1,4−ジオキサン−2−カルボニトリル2.5g(22.1mmol)およびジエチルエーテル55mlを入れ、反応系内を窒素ガスで置換した。−4℃でエチルマグネシウムブロミドのジエチルエーテル溶液8.1ml(24.3mmol)を滴下した後、室温で2時間攪拌した。氷冷下、反応混合物に3規定塩酸を加え酸性とし、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 ヘキサン:アセトン=10:1)により精製することにより、1−(1,4−ジオキサン−2−イル)プロパン−1−オン2.42g(収率75%)を得た。
【0175】
d)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、1−(1,4−ジオキサン−2−イル)プロパン−1−オン2.82g(19.6mmol)、メタノール13mlを入れた。−3℃で臭素3.28g(20.6mmol)を滴下し、6時間攪拌した。反応混合物を氷水にあけクロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮することにより、2−ブロモ−1−(1,4−ジオキサン−2−イル)プロパン−1−オンを含む粗生成物4.7gを得た。
【0176】
e)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した100ml4つ口フラスコ中に、(2,6−ジフルオロフェニル)酢酸1.98g(11.5mmol)、上記で得た2−ブロモ−1−(1,4−ジオキサン−2−イル)プロパン−1−オン4.37gおよびアセトニトリル38mlを入れた。4℃でトリエチルアミン4.7g(46.1mmol)を加え、室温で20時間攪拌した。反応混合物を4℃に冷却し、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン4.2g(27.6mmol)を加え、室温で16時間攪拌した。次いで反応混合物に酸素ガスを導入しながら室温で5時間、さらに加熱還流下3.5時間攪拌した。反応混合物に1規定塩酸を加え酸性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により精製することにより3−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−(1,4−ジオキサン−2−イル)−5−メチルフラン−2(5H)−オンおよび3−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−(1,4−ジオキサン−2−イル)−5−ヒドロキシ−5−メチルフラン−2(5H)−オンを含む粗生成物2.1gを得た。
【0177】
f)攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に3−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−(1,4−ジオキサン−2−イル)−5−メチルフラン−2(5H)−オンおよび3−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−(1,4−ジオキサン−2−イル)−5−ヒドロキシ−5−メチルフラン−2(5H)−オンを含む粗生成物2.41g、エタノール10mlおよび次亜塩素酸ナトリウム水溶液7mlを加え50℃で3時間攪拌した。反応混合物に1規定塩酸を加え酸性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮することにより、3−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−(1,4−ジオキサン−2−イル)−5−ヒドロキシ−5−メチルフラン−2(5H)−オンを含む粗生成物2.27gを得た。
【0178】
g)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、上記で得た3−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−(1,4−ジオキサン−2−イル)−5−ヒドロキシ−5−メチルフラン−2(5H)−オンを含む粗生成物2.27g、1−ブタノール18mlおよびヒドラジン一水和物0.44g(8.73mmol)を入れ、加熱還流下6間攪拌した。いったん温度を下げ、ヒドラジン一水和物0.44g(8.73mmol)を加え再び加熱還流下3時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、得られた残渣に希塩酸を加え酸性としクロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:アセトン=6:1)により精製することにより、4−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−(1,4−ジオキサン−2−イル)−6−メチルピリダジン−3(2H)−オン0.40g(収率18%)を得た。
【0179】
h)攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した50ml4つ口フラスコ中に、4−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−(1,4−ジオキサン−2−イル)−6−メチルピリダジン−3(2H)−オン0.40g(1.30mmol)およびオキシ塩化りん5gを入れ加熱還流下2時間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し得られた残渣に水、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え塩基性とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社製商品名「シリカゲル60H」、展開溶媒 トルエン:酢酸エチル=10:1)により精製することにより3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−(1,4−ジオキサン−2−イル)−6−メチルピリダジン60.7mg(収率14%)を得た。このものの融点は130−132℃であった。
【0180】
本発明化合物のいくつかについて、表2−1−1〜表2−2にそのH−NMRによる分析データを示す。
H−NMRデータは、JNM−LA300スペクトロメーター(日本電子株式会社製)により測定したものであり、δ値をppmで表示した。
【0181】
【表2−1】

【0182】
【表2−2】

【0183】
次に、本発明化合物を農園芸用殺菌剤として製剤化する方法の具体例を実施例26〜30に示す。
【実施例26】
【0184】
粉剤
化合物番号59の化合物(2重量部)、PAP(イソプロピルリン酸エステル)(物理性改良剤)(1重量部)およびクレ−(97重量部)の混合物を、均一に粉砕混合して、活性成分を2重量%含有する粉剤を得ることができる。さらに、化合物番号59に替えて、表1−1〜表1−4に記載の各化合物を用いること以外は、同様の方法により、それぞれの粉剤を得ることができる。
【実施例27】
【0185】
水和剤
化合物番号68の化合物(20重量部)、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(3重量部)、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(5重量部)および白土(72重量部)の混合物を均一に混合し、粉砕することにより、活性成分を20重量%含有する水和剤を得ることができる。さらに、化合物番号68の化合物に替えて、表1−1〜表1−4に記載の各化合物を用いること以外は、同様の方法により、それぞれ水和剤を得ることができる。
【実施例28】
【0186】
乳剤
化合物番号34の化合物(30重量部)、メチルエチルケトン(40重量部)およびポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(30重量部)混合して溶解することにより、活性成分を30重量%含有する乳剤を得ることができる。さらに、化合物番号34の化合物に替えて、表1−1〜表1−4に記載の各化合物を用いること以外は、同様の方法により、それぞれ乳剤を得ることができる。
【実施例29】
【0187】
フロアブル剤
化合物番号60の化合物(25重量部)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(1重量部)、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム(1重量部)、カルボキシメチルセルロース(1重量部)および水(72重量部)の混合物を均一に混合することにより、活性成分を25重量%含有するゾル剤を得ることができる。さらに、化合物番号60の化合物に替えて、表1−1〜表1−4に記載の各化合物を用いること以外は、同様の方法により、それぞれのフロアブル剤を得ることができる。
【実施例30】
【0188】
粒剤
化合物番号58の化合物(5重量部)、ラウリル硫酸ナトリウム(1重量部)、リグニンスルホン酸カルシウム(5重量部)、ベントナイト(30重量部)およびクレー(59重量部)の混合物に、さらに水(15重量部)を加えて混練機で混練したのち、造粒機で造粒し、流動乾燥機で乾燥して、活性成分を5重量%含有する粒剤を得ることができる。さらに、化合物番号58 の化合物に替えて、表1−1〜表1−4に記載の各化合物を用いること以外は、同様の方法により、それぞれの粒剤を得ることができる。
【0189】
次に、本発明化合物およびそれを有効成分として含む農園芸用殺菌剤の有用性について、以下の試験例1〜9を参照して明らかにする。しかしながら、本発明の有用性は、これらの試験例によって明らかにされる有用性に限定されるものではない。
【0190】
試験例1[キュウリ灰色かび病に対する茎葉散布による防除効果試験]
温室内で直径6cmの大きさのプラスチックポットで栽培したキュウリ(品種:相模半白)の1.5葉期苗に、実施例27に準じて調製した水和剤の希釈液(100ppm)を1ポットあたり10mL散布した(茎葉散布)。薬剤処理をした翌日、あらかじめジャガイモ煎汁培地上で培養したキュウリ灰色かび病菌(Botrytis cinerea)の含菌寒天片(直径5mm)を薬剤処理したキュウリの第1葉上に接種し、20℃の温室内に入れた。接種の4日後に、病斑直径(cm)を測定し、下記の式1により防除価(%)を算出した。そして、表3に従い、防除価を評価値に換算した。本試験は、1薬液濃度当り、1区1ポットの3連制で行った。その平均の防除効果の評価値を求めた。
【0191】
【数1】

【0192】
【表3】

【0193】
また、下記の基準により、作物に対する薬害程度を調査した。
薬害程度の調査指数(6段階で評価)
5:激甚 4:甚 3:多 2:若干 1:わずか 0:なし
防除効果の評価値と薬害程度の調査指数は試験例2〜9においても適用した。
【0194】
これらの結果を表4に示す。
【0195】
【表4】

【0196】
試験例2[オオムギうどんこ病に対する茎葉散布による防除効果試験]
温室内で直径6cmの大きさのプラスチックポットで栽培した大麦(品種:あかぎ二条)の1.5葉期苗に、実施例27に準じて調製した水和剤の希釈液(100ppm)を1ポットあたり10mL散布(茎葉散布)した。薬剤処理をした翌日、あらかじめ、別の大麦葉上で形成させたオオムギうどんこ病菌(Erysiphe graminis)の分生胞子の胞子懸濁液(胞子濃度5×10個/mL)を薬剤散布したポット上に1ポットあたり5ml噴霧接種し、20℃の人工気象室内において、発病を管理した。接種の7日後に、第1葉上のオオムギうどんこ病の病斑面積歩合(%)を調査し、下記の式2により防除価(%)を算出した。そして、表3に従い、防除価を評価値に換算した。本試験は、1薬液濃度当り、1区1ポットの3連制で行った。その平均の防除効果の評価値を求めた。
【0197】
【数2】

【0198】
これらの結果を以下の表5に示す。
【0199】
【表5】

【0200】
試験例3[コムギ赤さび病に対する茎葉散布による防除効果試験]
温室内で直径6cmの大きさのプラスチックポットで栽培した小麦(品種:農林61号)の1.5葉期苗に、実施例27に準じて調製した水和剤の希釈液(100ppm)を1ポットあたり10mL散布した(茎葉散布)。薬剤処理をした翌日、あらかじめ別の小麦葉上で形成させたコムギ赤さび病菌(Puccinia recondita)の夏胞子の胞子懸濁液(胞子濃度5×10個/mL)を薬剤散布したポット上に1ポットあたり5mL噴霧接種し、20℃の人工気象室内において、発病を管理した。接種の10日後に、第1葉上の病斑数を調査し、下記の式3により防除価(%)を算出した。そして、表3に従い、防除価を評価値に換算した。本試験は、1薬液濃度当り、1区1ポットの3連制で行った。その平均の防除効果の評価値を求めた。
【0201】
【数3】

【0202】
これらの結果を以下の表6に示す。
【0203】
【表6】

【0204】
試験例4[キュウリべと病に対する茎葉散布による防除効果試験]
温室内で直径6cmの大きさのプラスチックポットで栽培したキュウリ(品種:相模半白)の1.5葉期苗に、実施例27に準じて調製した水和剤の希釈液(100ppm)を1ポットあたり10mL散布した(茎葉散布)。薬剤処理をした翌日、あらかじめ別のキュウリ葉上で形成させたキュウリべと病菌(Pseudoperonospora cubensis)の胞子懸濁液(胞子濃度5×10個/mL)を薬剤散布したポット上に1ポットあたり5mL噴霧接種し、20℃の人工気象室内において、発病を管理した。接種の5日後に、第1葉上の病斑面積歩合(%)を調査し、上記の式2により防除価(%)を算出した。そして、表3に従い、防除価を評価値に換算した。本試験は、1薬液濃度当り、1区1ポットの3連制で行った。その平均の防除効果の評価値を求めた。
これらの結果を以下の表7に示す。
【0205】
【表7】

【0206】
試験例5[イネいもち病に対する茎葉散布による防除効果試験]
温室内で直径6cmの大きさのプラスチックポットで栽培した水稲(品種:朝日)の3葉期苗(5苗/ポット)に、実施例29に準じて調製したフロアブルの希釈液(100ppm)を1ポットあたり10ml散布(茎葉散布)した。薬剤処理の翌日、あらかじめ別の水稲葉上で形成させたイネいもち病菌(Pyricularia grisea)の分生胞子の胞子懸濁液(胞子濃度2×10個/mL)を薬剤散布したポット上に1ポットあたり5mL噴霧接種し、24℃の接種箱内(相対湿度=100%)に24時間静置した後、24℃の人工気象室内において、発病を促した。接種の7日後に、第3葉のイネいもち病の病斑数を調査し、上記の式3により防除価(%)を算出した。そして、表3に従い、防除価を評価値に換算した。本試験は、1薬液濃度当り、1区1ポットの3連制で行った。その平均の防除効果の評価値を求めた。
これらの結果を以下の表8に示す。
【0207】
【表8】

【0208】
試験例6[イネ紋枯病に対する茎葉散布による防除効果試験(フロアブル剤)]
温室内で直径6cmの大きさのプラスチックポットで栽培した水稲(品種:朝日)の7葉期苗(ポット)に、実施例29に準じて調製したフロアブルの希釈液(100ppm)を1ポットあたり10ml散布(茎葉散布)した。薬剤処理の翌日、あらかじめ稲わら培地で培養したイネ紋枯病菌(Thanatephorus cucumeris)の培養物を薬剤散布したポットの株元に接種し、24℃(相対湿度=100%)の人工気象室内において、発病を促した。接種の7日後に、イネ紋枯病の病斑高(株元からの高さ)を調査し、下記の式4 により防除価(%)を算出した。そして、表3に従い、防除価を評価値に換算した。本試験は、1薬液濃度当り、1区1ポットの3連制で行った。その平均の防除効果の評価値を求めた。
【数4】

【0209】
これらの結果を以下の表9に示す。
【0210】
【表9】

【0211】
試験例7[イネいもち病に対する土壌処理による防除効果試験(フロアブル剤)]
温室内で育苗箱(標準育苗箱の1/10サイズ:12cm×15cm×高さ4cm)を用いて育苗した水稲(品種:朝日)の2.5葉期苗に、実施例29に準じて調製したフロアブルの希釈液(20000ppm)を50ml潅注した。これを直ちに水田土(湛水)を詰めたポット(1/10000アールサイズ)に5苗/ポットで移植した。温室内で4週間栽培後、あらかじめ、別の水稲葉上で形成させたイネいもち病菌(Pyricularia grisea)の分生胞子の胞子懸濁液(胞子濃度2×10個/mL)を薬剤処理した水稲に1ポットあたり5mL噴霧接種し、24℃の接種箱内(相対湿度=100%)に24時間静置した後、24℃の人工気象室内において、発病を促した。接種の7日後に、水稲の1株当りのイネいもち病の病斑数を調査し、上記の式3により防除価(%)を算出した。そして、表3に従い、防除価を評価値に換算した。本試験は、1薬液濃度当り、1区1ポットの3連制で行った。その平均の防除効果の評価値を求めた。
これらの結果を以下の表10に示す。
【0212】
【表10】

【0213】
なお、表10中の比較化合物Aおよび比較化合物Bは、特開2006−22084号公報記載の下記の化合物であり、比較化合物Cおよび比較化合物Dは国際公開特許WO2008/009406号パンフレット記載の下記の化合物である。これは、以降の表11および表12でも同様である。
【化27】

【0214】
試験例8[イネ紋枯病に対する土壌処理による防除効果試験(フロアブル剤)]
温室内で育苗箱(標準育苗箱の1/10サイズ:12cm×15cm×高さ4cm)を用いて育苗した水稲(品種:朝日)の2.5葉期苗に、実施例29に準じて調製したフロアブルの希釈液(20000ppm)を50ml潅注した。これを直ちに水田土(湛水)を詰めたポット(1/10000アールサイズ)に5苗/ポットで移植した。温室内で4週間栽培後、あらかじめ稲わら培地で培養したイネ紋枯病菌(Thanatephorus cucumeris)の培養物を薬剤散布したポットの株元に接種し、24℃(相対湿度=100%)の人工気象室内において、発病を促した。接種の7日後に、イネ紋枯病の病斑高(株元からの高さ)を調査し、上記の式4により防除価(%)を算出した。そして、表3に従い、防除価を評価値に換算した。本試験は、1薬液濃度当り、1区1ポットの3連制で行った。その平均の防除効果の評価値を求めた。
これらの結果を以下の表11に示す。
【0215】
【表11】

【0216】
試験例9[イネいもち病に対する水面施用による防除効果試験(フロアブル剤)]
温室内で水田土(湛水)を詰めたポット(1/10000アールサイズ)で栽培した水稲(品種:朝日)の5葉期苗(5苗/株、1株/ポット)に、実施例29に準じて調製したフロアブル剤の希釈液(1000ppm)1mLを田面水へ点滴処理した。温室内で1週間栽培後、あらかじめ、別の水稲葉上で形成させたイネいもち病菌(Pyricularia grisea)の分生胞子の胞子懸濁液(胞子濃度2×10個/mL)を薬剤処理した水稲に接種し、24℃の接種箱内に24時間静置した後、24℃の人工気象室内において、発病を促した。接種の7日後に、水稲の1株当りのイネいもち病の病斑数を調査し、上記の式3により防除価(%)を算出した。そして、表3に従い、防除価を評価値に換算した。本試験は、1薬液濃度当り、1区1ポットの3連制で行った。その平均の防除効果の評価値を求めた。
これらの結果を表12に示した。
【0217】
【表12】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

[式中、
は、ハロゲン原子またはC1−C6アルコキシ基を示し、
は、C1−C6アルキル基、ハロC1−C4アルキル基またはC1−C4アルコキシC1−C4アルキル基を示し、
およびRは、それぞれ独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1−C4アルキル基、ハロC1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、ハロC1−C4アルコキシ基またはハロC1−C4アルキルチオ基を示し、
nは、0から4の整数を示し、nが2以上の整数である場合、各々のRは、同一または相異なっていてもよく、
Gは、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれるヘテロ原子を少なくとも1つ環構成原子として有する5員から7員の脂肪族複素環基を示し、該脂肪族複素環基は、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、ハロC1−C4アルキル基またはハロC1−C4アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよい。]
で表されるピリダジン化合物またはそのNオキシド体。
【請求項2】
一般式(1)において、Gが、
【化2】

[式中、Rは、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、ハロC1−C4アルキル基またはハロC1−C4アルコキシ基を示し、mは、0から5の整数を示し、mが2以上の整数である場合、各々のRは、同一または相異なっていてもよい。]
からなる群から選ばれる脂肪族複素環基であることを特徴とする、請求項1に記載のピリダジン化合物またはそのNオキシド体。
【請求項3】
一般式(1)において、
が、ハロゲン原子を示し、
が、C1−C6アルキル基を示し、
Gが、
【化3】

[式中、Rは、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、ハロC1−C4アルキル基またはハロC1−C4アルコキシ基を示し、mは、0から5の整数を示し、mが2以上の整数である場合、各々のRは、同一または相異なっていてもよい。]
からなる群から選ばれる脂肪族複素環基であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のピリダジン化合物またはそのNオキシド体。
【請求項4】
一般式(1)において、
が、ハロゲン原子を示し、
が、C1−C6アルキル基を示し、
Gが、
【化4】

[式中、Rは、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、ハロC1−C4アルキル基またはハロC1−C4アルコキシ基を示し、mは、0から5の整数を示し、mが2以上の整数である場合、各々のRは、同一または相異なっていてもよい。]
からなる群から選ばれる脂肪族複素環基であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のピリダジン化合物またはそのNオキシド体。
【請求項5】
一般式(1)において、
は、フッ素原子、塩素原子または臭素原子を示し、
は、メチル基を示し、
は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、C1−C4アルキル基、ハロC1−C4アルキル基またはハロC1−C4アルコキシ基を示し、
nは、0から4の整数を示し、nが2以上の整数である場合、各々のRは、同一または相異なっていてもよく、
は、フッ素原子を示し、
Gが
【化5】

[式中、Rは、C1−C6アルキル基を示し、mは、0から5の整数を示し、mが2以上の整数である場合、各々のRは、同一または相異なっていてもよい。]
からなる群から選ばれる脂肪族複素環基であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のピリダジン化合物。
【請求項6】
次の化合物からなる群から選ばれることを特徴とする、ピリダジン化合物またはそのNオキシド体。
(a)3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルピリダジン、
(b)3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イルピリダジン、
(c)3−クロロ−4−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−6−メチル−5−テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イルピリダジン、
(d)3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチル−5−テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルピリダジン、
(e)3−クロロ−6−メチル−5−テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン、
(f)3−クロロ−6−メチル−4−ペンタフルオロフルオロフェニル−5−テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルピリダジン、
(g)3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−エチル−5−テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルピリダジン、
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のピリダジン化合物またはそのNオキシド体を有効成分として含有することを特徴とする、農園芸用殺菌剤。

【公開番号】特開2009−215258(P2009−215258A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−62599(P2008−62599)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【出願人】(000242002)北興化学工業株式会社 (182)
【Fターム(参考)】