説明

ファイバレーザ装置

【課題】励起光や自然放出増幅光による光学部品や光ファイバの熱損傷が抑制されたファイバレーザ装置を提供する。
【解決手段】シード光源10と、プリアンプ部20と、メインアンプ部30と、バッファ光ファイバ16と、を有する。プリアンプ部20は、第1の希土類元素が添加された第1の光ファイバ22を有し、メインアンプ部30は、第2の希土類元素および前記第1の希土類元素が添加された第2の光ファイバ32を有する。バッファ光ファイバ16は、プリアンプ部20とメインアンプ部30との間に配設され、前記第2の希土類元素が添加される。第2の光ファイバ32内の前記第2の希土類元素に蓄積されたエネルギーにより放出された自然放出増幅光と、吸収されずに残った励起光とが、バッファ光ファイバ16の前記第2の希土類元素に吸収される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ファイバレーザ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光応答装置やレーザ加工装置では、高出力のパルスレーザ光が要求される。このために、半導体レーザからのパルスシード光を、ファイバレーザ増幅器により増幅して高出力パルスレーザ光を得ることが多い。
【0003】
ファイバレーザ増幅器では、コアに添加された希土類元素が励起光を吸収し、誘導放出によりパルスシード光を増幅する。
【0004】
希土類元素に吸収されずに光ファイバを伝搬した励起光や、自然放出増幅(ASE:Amplified Spontaneous Emission)光によって、光ファイバの融着部付近や光学部品内部に熱損傷を生じることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−93235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
励起光や自然放出増幅光による光学部品や光ファイバの熱損傷が抑制されたファイバレーザ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態のファイバレーザ装置は、パルスシード光を放出可能なシード光源と、プリアンプ部と、メインアンプ部と、バッファ光ファイバと、を有する。前記プリアンプ部は、コアに第1の希土類元素が添加された第1の光ファイバを有し、第1の励起光を吸収して励起された第1の希土類元素により前記パルスシード光を増幅可能である。前記メインアンプ部は、コアに第2の希土類元素および前記第1の希土類元素が添加されたダブルクラッド構造を有する第2の光ファイバを有するメインアンプ部であって、第2の励起光を吸収して励起された前記第1および第2の希土類元素により前記プリアンプ部による増幅光をさらに増幅して外部に放出可能である。前記バッファ光ファイバは、前記プリアンプ部と前記メインアンプ部との間に配設され、コアに前記第2の希土類元素が添加されたダブルクラッド構造を有する。前記第2の光ファイバ内の前記第2の希土類元素に蓄積されたエネルギーにより放出された自然放出増幅光と、前記第2の光ファイバの前記第1および第2の希土類元素に吸収されずに残った前記第2の励起光と、が、前記バッファ光ファイバの前記第2の希土類元素に吸収されることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1(a)は第1の実施形態のファイバレーザー装置の構成図、図1(b)はA−A線に沿ったダブルクラッドファイバの模式断面図、である。
【図2】図2(a)はErの発光および吸収スペクトル、図2(b)はYbの発光および吸収スペクトル、を示すグラフ図である。
【図3】図3(a)はシード光源からのパルスシード光、図3(b)は第2の光ファイバの第1の端部を通過する光、の波形図、である。
【図4】比較例にかかるファイバレーザ装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
図1(a)は第1の実施形態のファイバレーザー装置の構成図、図1(b)はA−A線に沿ったダブルクラッドファイバの模式断面図、である。
ファイバレーザ装置は、シード光源10と、プリアンプ部20と、バッファ光ファイバ16と、メインアンプ部30と、を有する。本図において、●(黒丸)印は、ファイバの
融着点を示す。
【0010】
シード光源10は、発光波長がλ1のパルスシード光を放出する。シード光源10としてInGaAsPなどの材料からなる半導体レーザ素子を用いると、発光波長λ1が1.56μmの近傍とすることができる。また、半導体レーザ素子をDFB(Distributed Feed Back)構造とすると、狭い発光スペクトル線幅とすることができる。
【0011】
プリアンプ部20は、第1の希土類元素がコアに添加された第1の光ファイバ22と、第1の希土類元素を励起可能な第1の励起光を放出可能な第1の励起光源24と、を有する。第1の光ファイバ22は、シード光源10の側の第1の端部22aと、第1の端部22aとは反対の側の第2の端部22bと、を有する。第1の励起光は、通常、CW(Continuous Wave)であり、第1の希土類元素を連続的に励起している。
【0012】
なお、プリアンプ部20が第1の端部22aの側にWDM(Wavelength Division Multiplexing) カプラー26をさらに有すると、第1の励起光を第1の光ファイバ22に結合効率よく入射することができる。第1の励起光源24は、AlGaAsなどの半導体レーザ素子を用いた高出力モジュールとすることができる。なお、プリアンプ部20における励起光強度はメインアンプ部30よりも低くてよいので、第1の光ファイバ22は、シングルクラッドファイバでもよい。
【0013】
第1の光アイソレータ12は、シード光源10と、WDMカプラー26との間に設けられる。光アイソレータは、磁気光学材料からなるファラデー回転子により、特定波長の光を実質的に一方向にのみ透過する。このため、第1の光アイソレータ12は、パルスシード光の戻り光がシード光源10へ戻ることを抑制し、シード光源10は安定に動作する。また、第2の光アイソレータ14は、波長λ1近傍の光成分が第1の光ファイバ22の第2の端部22bへ入射することを抑制する。
【0014】
シード光源10、第1の光アイソレータ12、第2の光アイソレータ14、およびWDMカプラー26に用いられる光ファイバは、シングルクラッド構造のシングルモードファイバーとすることができる。また、第1の励起光は低出力でもよいので、第1の励起光源24とWDMカプラー26との間は、ファイバ径が小さいシングルモード型のシングルクラッドファイバでもよい。
【0015】
メインアンプ部30は、第1および第2の希土類元素がコアに添加された第2の光ファイバ32と、第1および第2の希土類元素を励起可能な第2の励起光を放出可能な第2の励起光源34と、を有する。第2の光ファイバ32は、プリアンプ部20の側の第1の端部32aと、第1の端部32aとは反対の側の第2の端部32bと、を有し、ダブルクラッド構造とする。第2の励起光は、通常、CWであり、第2の希土類元素を連続的に励起している。
【0016】
図1(b)のように、ダブルクラッド構造は、コア50と、コア50を囲む内部クラッド51と、内部クラッド51を囲む外部クラッド52と、を有する。パルスシード光に対して内部クラッド51がクラッドとして機能し、パルスシード光はコア50を伝搬する。また、励起光55に対して外部クラッド52がクラッドとして機能し、励起光は内部クラッド51およびコア50を伝搬する。
【0017】
メインアンプ部30がコンバイナ36などをさらに有すると、第2の励起光を第2の光ファイバ32の内部クラッドに結合効率よく入射することができる。この場合、コンバイナ36は、第2の光ファイバ32の第2の端部32bの側に設けると、出射端側での励起エネルギーを高くして高出力パルスレーザ光を放出することが容易となる。
【0018】
すなわち、第2の端部32bから入射された励起光は、第2の希土類元素に吸収されるので、伝搬するにつれて(第1の端部32aに近づくにつれて)光強度が低下する。
【0019】
このように、第2の端部32bから第2の励起光を入射することにより、第2の光ファイバ32の出力端40で最大増幅利得を得ることができる。
【0020】
バッファ光ファイバ16は、プリアンプ部20と、メインアンプ部30と、の間に設けられ、第2の希土類元素がコアに添加される。バッファ光ファイバ16をシングルモード型のダブルクラッド構造とし、シングルモード型のダブルクラッド構造である第2の光ファイバ32と整合性よく融着することにより、接続損失が低減できる。
【0021】
バッファ光ファイバ16は、プリアンプ部20の側の第1の端部16aと、メインアンプ部30の側の第2の端部16bと、を有する。
【0022】
第2の光ファイバ32に添加された第1および第2の希土類元素に吸収されずに残った第2の励起光は、バッファ光ファイバ16の第2の端部16bに入射し、コアおよび内部クラッドを伝搬する。また、第2の光ファイバ32で生じたASE光もバッファ光ファイバ16の第2の端部16bに入射する。
【0023】
以下の説明において、パルスシード光の波長λ1を1.55μmであるものとする。また、第1の光ファイバ 22は、第1の希土類元素としてエルビウム(Er)を添加したシングルクラッド構造とする。また、第2の光ファイバ32は、第1の希土類元素としてEr、第2の希土類元素としてイッテルビウム(Yb)を添加したダブルクラッド構造とする。さらに、バッファ光ファイバ16は、コアに第2の希土類元素であるYbを添加したダブルクラッド構造とする。なお、パルスシード光の波長λ1、第1および第2の希土類元素の材料、などは、これらに限定されるものではない。
【0024】
プリアンプ部20は、Er添加光ファイバ増幅器(EDFA)ということができる。また、メインアンプ部30は、Er/Yb添加光ファイバ増幅器(EYDFA)と言うことができる。
【0025】
図2(a)はErの発光および吸収スペクトル、図2(b)はYbの発光および吸収スペクトル、を示すグラフ図である。
図2(a)のように、Erは、1.53μmの近傍において、発光強度の極大値と、吸収強度の極大値と、が近接している。すなわち、自己吸収が大きい。Erでは、パルスシード光の波長であるλ1を1.53μmよりも長い1.55μmの近傍とする。このため、発光強度における極大値からの低下の割合が、吸収強度における極大値からの低下の割合よりも小さくできる。この結果、実効的な増幅利得を高くしてパルスシード光を増幅することが容易となる。なお、Erは、第1の励起光の波長λ2を0.975μm。または1.44μmとすると効率よく1.55μmのパルスシード光を増幅できる。Erに蓄積されたエネルギーは、波長が1.53〜1.70μmの範囲で広がったASE光を放出可能となる。
【0026】
図2(b)のように、Ybの吸収強度は、励起光の波長λ3が0.975μm近傍であるとき極大となる。また、0.915μmにおいてもも高い吸収強度がある。Ybの発光強度は、励起光の波長λ3が1.03μmの近傍であるとき極大となる。このため、Ybは、波長が1.0〜1.1μmの範囲に広がったASE光が放出可能となる。
【0027】
1.55μm近傍の波長のパルスレーザ光を高出力化するなど高励起入力が必要な場合に、ダブルクラッドファイバを使用することがある。希土類元素はコアに添加されているが、励起光は内部クラッドを伝搬するため、コアの伝搬に比べて、励起光の吸収率が低下する。そのため、希土類元素の濃度を高くして吸収を大きくすることができる。しかし、Er元素の濃度を高くすると、自己吸収も大きくなるため、増幅効率低下が生じる。そこで、Yb元素とEr元素とを共添加し、Yb元素の濃度を高くすることで、自己吸収を抑制し、励起光の吸収を大きくすることができる。この場合、0.915μmや0.980μm近傍の波長で励起されたYbは、1.0〜1.1μm波長範囲に広がったASE光を放出すると共に、Er内にエネルギー遷移を生じる。このエネルギー遷移により生じた準位間で反転分布が形成され、波長が1.55μmのパルスシード光が効率よく増幅され、高出力パルスレーザ光が出力端40から放出される。
【0028】
なお、ErやYbの添加濃度は、例えば、2000〜20000ppmなどとすることができる。
【0029】
図3(a)はシード光源からのパルスシード光、図3(b)は第2の光ファイバの第1の端部における光パルス、の波形図である。
パルスシード光は、周期Tsのシード光(波長λ1)のパルス列を放出する放出期間tp1と、パルス列を放出しない非放出期間tp2と、を有する。周期Tsは、例えば、50μs(繰り返し周波数が20kHzに相当)〜100μs(繰り返し周波数が10kHzに相当)の間とすることができる。なお、周期Tsは、この範囲に限定されないものとする。また、周期Tsが50μsの時、パルス幅W1は10〜100nmなどとすることができる。この場合、W1/Tsは、0.2〜2%と低い。
【0030】
図3(b)のように、パルスシード光の放出期間Tp1、第2の光ファイバ32において、バッファ光ファイバ16を通過したパルスシード光が増幅される。YbのASE光は、期間Tp1およびTp2の両方で第1の端部32aからバッファ光ファイバ16の第2の端部16bへ入射する。また、ErのASE光がバッファ光ファイバ16の第2の端部16bへ入射する。ASE光は、パルス幅W1に対して十分に長い期間、連続して放出されるのでCW光に近い。
【0031】
第2の光ファイバ32で吸収しきれなかった第2の励起光は、第2の光ファイバ32の内部クラッド内を伝搬し、第2の光ファイバ32の第1の端部32aから出射する。また、YbおよびErによるASE光は、第2の光ファイバ32の第1の端部32aから出射する。
【0032】
コアにYbが添加されたバッファ光ファイバ16は、YbのASE光、および、第2の光ファイバ32の第1の端部32aから出射した第2の励起光を十分に吸収するような長さとする。本実施形態では、バッファ光ファイバ16の第2の端部16bへ、第2の励起光およびASE光を入射し、バッファ光ファイバ16内のYbに十分に吸収させる。すなわち、第2の励起光および図3(b)に示すASE光のうち、YbのASE光についてはバッファ光ファイバ16内で減衰する。
【0033】
図4は、比較例にかかるファイバレーザ装置の構成図である。
ファイバレーザ装置は、シード光源110と、プリアンプ部120と、メインアンプ部130と、を有する。黒丸(●)印は、光ファイバの融着点を示す。
【0034】
シード光源110は、発光波長λ1が1.55μmのパルスシード光を放出する。プリアンプ部120は、Erがコアに添加された第1の光ファイバ122と、Erを励起可能な第1の励起光を放出可能な第1の励起光源124と、を有する。第1の光ファイバ122は、シード光源110の側の第1の端部122aと、第1の端部122aとは反対の側の第2の端部122bと、を有する。
【0035】
メインアンプ部130は、Ybを励起可能な第2の励起光を放出可能な第2の励起光源134と、を有する。第2の光ファイバ132は、プリアンプ部120の側の第1の端部132aと、第1の端部132aとは反対の側の第2の端部132bと、を有し、ダブルクラッド構造とする。
【0036】
第2の光アイソレータ114は、第1の光ファイバ122と、第2の光ファイバ132と、の間に設けられる。第2の光ファイバ132で発生したErのASE光は、第2の光アイソレータ114で、第1の光ファイバ122への入射を抑制することができる。
【0037】
第2の光ファイバ132の第2の端部132bからに内部クラッドに入射した第2の励起光はコアに添加されたYbに吸収されるが、未吸収成分は第1の端部132aから融着点Aへ向かって伝搬する。第2の光アイソレータ114の出力側には、シングルモード型のシングルクラッドファイバが取り付けられている。他方、第2の光ファイバ132は、シングルモード型のダブルクラッドファイバである。この場合、第2の励起光が高出力であると、通常、内部クラッド径は大きい。このため、融着点Aの断面において、ファイバの口径が不連続となる。
【0038】
第2の光ファイバ132で吸収されずに伝搬してきた第2の励起光は、内部クラッドから外部に発散して融着点Aの近傍(破線領域)を照射し局所的に発熱を生じる。第2の励起光は、通常CW光でありエネルギーが高い。このため、例えば、発散光により光ファイバの被覆などが燃焼することがある。発散光の強度が高いと、光ファイバの断線を生じることもある。
【0039】
また、YbによるASE光は、1.0〜1.1μmの波長範囲に広がった発光スペクトルを有する。ASE光は、Ybが添加されたコアから放出され、シングルモード型のシングルクラッドファイバのコア近傍へ入射し、各光ファイバを伝搬してシード光源110および第1の励起光源124に到達する。ASE光の強度が高くなると、これらの光学部品の損傷を引き起こす可能性がある。
【0040】
第2の励起光による融着点Aの熱損傷を低減するには、ペルチェ素子などを配設して強制的に発熱領域を冷却する構造とするとよい。しかしながら、冷却部の構造が大きくなり、ファイバレーザ装置が大型となる。また、ペルチェ素子の消費電力も高い。
【0041】
これに対して、図1に示す本実施形態のファイバレーザ装置には、バッファ光ファイバ16が設けられている。バッファ光ファイバ16のコアには、Ybが添加されている。このため、バッファ光ファイバ16は、第2の励起光の波長である0.915μmおよび0.975μmの吸収強度が高く、融着点Aでの光強度は十分に低減される。この場合、内部クラッドを伝搬した第2の励起光によりコア内のYbが発熱する。しかしながら、バッファ光ファイバ16の長さ方向に分散した発熱であるので、熱が局所的に集中することが抑制できる。
【0042】
他方、波長1.0〜1.1μm範囲に広がった発光スペクトルを有するASE光は、バッファ光ファイバ16のコアのYbに吸収されるので、第2の光アイソレータ14に到達するASE光の強度を低減できる。すなわち、シード光源10および第1の励起光源24に損傷を与えないレベルまで光強度を低下できる。1.0〜1.1μmの波長範囲におけるYbの吸収強度は、図2(b)のように高くはないが、バッファ光ファイバ17を長くすることにより光吸収の量を大きくすることができる。
【0043】
このようにして、融着点Aおよび光学部品の熱損傷を低減できる。このため、ペルチェ素子などを用いた冷却装置が不要となり、小型かつ低消費電力のファイバレーザ装置とすることができる。このようなファイバレーザ装置は、光応答装置、センシング装置、などに広く用いることができる。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
10 シード光源、16 バッファ光ファイバ、20 プリアンプ部、22 第1の光ファイバ、30 メインアンプ部、32 第2の光ファイバ、50 (ダブルクラッドファイバ)のコア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルスシード光を放出可能なシード光源と、
コアに第1の希土類元素が添加された第1の光ファイバを有し、第1の励起光を吸収して励起された第1の希土類元素により前記パルスシード光を増幅可能なプリアンプ部と、
コアに第2の希土類元素および前記第1の希土類元素が添加されたダブルクラッド構造を有する第2の光ファイバを有するメインアンプ部であって、第2の励起光を吸収して励起された前記第1および第2の希土類元素により前記プリアンプ部による増幅光をさらに増幅して外部に放出可能なメインアンプ部と、
前記プリアンプ部と前記メインアンプ部との間に配設され、コアに前記第2の希土類元素が添加されたダブルクラッド構造を有するバッファ光ファイバと、
を備え、
前記第2の光ファイバ内の前記第2の希土類元素に蓄積されたエネルギーにより放出された自然放出増幅光と、前記第2の光ファイバの前記第1および第2の希土類元素に吸収されずに残った前記第2の励起光と、が、前記バッファ光ファイバの前記第2の希土類元素に吸収されるファイバレーザ装置。
【請求項2】
前記第2の光ファイバは、前記バッファ光ファイバと接続された第1の端部と、前記第1の端部とは反対の側の第2の端部と、を有し、
前記第2の励起光は、前記第2の端部の側から入射される請求項1記載のファイバレーザ装置。
【請求項3】
前記第1の希土類元素は、Erであり、
前記第2の希土類元素は、Ybである請求項1または2に記載のファイバレーザ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−65713(P2013−65713A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203707(P2011−203707)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】