説明

ファイル名作成装置およびファイル名作成プログラム

【課題】ファイルを見つけることが容易なファイル名を作成することのできるファイル名作成装置およびファイル名作成プログラムを提供する。
【解決手段】MFP100のファイル名作成装置は、原稿画像のファイル名を作成するファイル名作成装置であって、画像の保存場所の指定を受け付ける操作パネル65と、原稿画像から認識した文字列を取得するOCR処理部69とを備える。ファイル名作成装置は、保存場所の名前と取得した文字列とに基づいて、原稿画像のファイル名を作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はファイル名作成装置およびファイル名作成プログラムに関し、より特定的には、原稿から読み取った画像のファイル名を作成するファイル名作成装置およびファイル名作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真式の画像形成装置には、スキャナ機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンタとしての機能、データ通信機能、およびサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)、ファクシミリ装置、複写機、プリンタなどがある。
【0003】
近年、画像形成装置は、画像読取部を備えるスキャナ、複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはデジタル複合機などとして、オフィスや家庭などに急速に普及している。画像形成装置の中には、一連の原稿をページ毎に一枚ずつ画像読取部に供給する自動原稿送り装置(ADF:Auto Document Feeder)を備えたものがある。ADFを備えた画像形成装置は、複数枚からなる原稿を順に自動で画像読取部へ供給することができる。
【0004】
画像読取部で読み取った原稿の画像のデータ(原稿画像データ)のファイルは、画像形成装置の記憶部などに保存される。ファイルを保存した後で、ユーザがそのファイルを記憶部から探す場合、ユーザは探しているファイルか否かをファイル名から判断することが多い。このため、原稿画像のファイルを保存する際には、ファイルの内容が反映されたファイル名が付けられることが望まれる。
【0005】
原稿画像のファイル名を付ける方法として、自動的にファイル名を作成する方法と、ユーザが手動で付ける方法とが従来存在している。このうち、ユーザが手動で付ける方法には、手間がかかるという問題があった。
【0006】
自動的にファイル名を作成する方法としては、ファイルが記憶部に保存される日付や時刻、または画像形成装置の機種名などに基づいて、画像形成装置がファイル名を作成する方法がある。しかしこの方法では、ファイルの内容とは無関係なファイル名となってしまい、所望のファイルをファイル名から探すことが困難になるという問題があった。
【0007】
自動的にファイル名を作成する方法としては、上記以外の方法として、原稿画像データからOCR(Optical Character Recognition)により抽出した文字列を、ファイル名に付加する方法がある。この技術はたとえば下記特許文献1〜3に開示されている。
【0008】
下記特許文献1には、原稿読取り画像から文字を認識し、対応した文字データを出力するOCR機能を備える画像読取り装置において、原稿画像データからOCRにより抽出した文字列のファイルを保存する際に、出現頻度の高い文字列をファイル名とする技術が開示されている。
【0009】
下記特許文献2には、電子カメラにおいて、撮影した画像から文字列を抽出して、その画像のファイルの名前にその文字列を用いる技術が開示されている。
【0010】
下記特許文献3には、読取部にてセットされた原稿画像を読み取り、第2読取部にてセットされた名刺の画像を読み取り、原稿画像のファイルに対して、名刺の画像から得られた識別情報を含むファイル名を付ける技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2006−211261号公報
【特許文献2】特開2003−37770号公報
【特許文献3】特開2009−164721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、特許文献1〜3の技術には以下のような問題があった。
【0013】
たとえば、ユーザが記憶部の共有ボックス内に「座席表」というフォルダ(またはボックス)を作成し、「座席表」という文字列を含む原稿画像をスキャンして得られたファイルをこのフォルダに保存する場合を想定する。この場合、OCRによって「座席表」という文字列が抽出されて、「座席表」というファイル名が作成されると、フォルダ名とファイル名とが同一になり、ファイル名がファイルの検索の役に立たない。このように、特許文献1〜3の技術を用いて作成したファイル名は、ファイルの保存後にそのファイルを見つけることが難しくなる場合があった。
【0014】
したがって、本発明の目的は、ファイルを見つけることが容易なファイル名を作成することのできるファイル名作成装置およびファイル名作成プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一の局面に従うファイル名作成装置は、画像のファイル名を作成するファイル名作成装置であって、画像の保存場所の指定を受け付ける保存場所受付手段と、画像から認識した文字列を取得する文字列取得手段と、保存場所受付手段にて受け付けた保存場所の名前と、文字列取得手段にて取得した文字列とに基づいて、画像のファイル名を作成するファイル名作成手段とを備える。
【0016】
上記ファイル名作成装置において好ましくは、文字列取得手段にて取得した文字列のうち一の文字列が保存場所の名前と同一である場合、ファイル名作成手段は、文字列取得手段にて取得した文字列のうち一の文字列とは異なる他の文字列を含むファイル名を作成する。
【0017】
上記ファイル名作成装置において好ましくは、保存場所の名前と同一の文字列が文字列取得手段にて取得した文字列の中にある場合、ファイル名作成手段は、保存場所の名前と同一の文字列と、保存場所の名前と同一の文字列の直前または直後の文字列とを組み合わせた文字列を含むファイル名を作成する。
【0018】
上記ファイル名作成装置において好ましくは、保存場所の名前を含む文字列が文字列取得手段にて取得した文字列の中にある場合において、保存場所の名前を含む文字列が保存場所の名前と同一でないときは、ファイル名作成手段は、保存場所の名前を含む文字列を含むファイル名を作成する。
【0019】
上記ファイル名作成装置において好ましくは、保存場所の名前と同一の文字列が文字列取得手段にて取得した文字列の中にある場合、ファイル名作成装置と接続された記憶装置内から保存場所の名前と同一のフォルダ名を検索する検索手段と、検索手段にて検索したフォルダ名のフォルダ内のファイル名を取得するファイル名取得手段と、ファイル名取得手段にて取得したファイル名と同一の文字列が、文字列取得手段にて取得した文字列の中にあるか否かを判別するファイル名判別手段とをさらに備え、ファイル名判別手段にて同一の文字列があると判別した場合、ファイル名作成手段は、ファイル名取得手段にて取得したファイル名と同一の文字列を含むファイル名を作成する。
【0020】
上記ファイル名作成装置において好ましくは、保存場所の名前と同一の文字列が文字列取得手段にて取得した文字列の中にある場合、互いに関連する2つの言葉の組合せに関するデータベースから、保存場所の名前に関連する言葉であるキーワードを検索する検索手段と、検索手段にて検索したキーワードと同一の文字列が、文字列取得手段にて取得した文字列の中にあるか否かを判別するキーワード判別手段とをさらに備え、キーワード判別手段にてキーワードと同一の文字列があると判別した場合、ファイル名作成手段は、検索手段にて検索したキーワードと同一の文字列を含むファイル名を作成する。
【0021】
上記ファイル名作成装置において好ましくは、ファイル名作成手段は、検索手段にて検索したキーワードと同一の文字列と、保存場所の名前とを組み合わせた文字列を含むファイル名を作成する。
【0022】
上記ファイル名作成装置において好ましくは、原稿から画像を読み取る画像読取手段をさらに備え、文字受付手段は、原稿読取手段にて読み取った画像から文字列を認識する文字列認識手段を含む。
【0023】
本発明の他の局面に従うファイル名作成プログラムは、画像のファイル名を作成するファイル名作成プログラムであって、画像の保存場所の指定を受け付ける保存場所受付ステップと、画像から認識した文字列を取得する文字列取得ステップと、保存場所受付ステップにて受け付けた保存場所の名前と、文字列取得ステップにて取得した文字列とに基づいて、画像のファイル名を作成するファイル名作成ステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ファイルを見つけることが容易なファイル名を作成することのできるファイル名作成装置およびファイル名作成プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施の形態における画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態におけるMFPの概観を示す図である。
【図3】自動原稿送り装置を含む画像読取部の構成を示す図である。
【図4】本発明の一実施の形態における第1のファイル名作成方法を説明する図である。
【図5】本発明の一実施の形態における第1のファイル名作成方法を採用した場合のMFPの画像読取動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施の形態における第2のファイル名作成方法を説明する図である。
【図7】本発明の一実施の形態における第3のファイル名作成方法を説明する図である。
【図8】本発明の一実施の形態における第2および第3のファイル名作成方法を採用した場合のMFPの画像読取動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施の形態における第4のファイル名作成方法を説明する図である。
【図10】本発明の一実施の形態における第4のファイル名作成方法を採用した場合のMFPの画像読取動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施の形態における第5のファイル名作成方法を説明する図である。
【図12】本発明の一実施の形態における第5のファイル名作成方法を採用した場合のMFPの画像読取動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施の形態におけるファイル名作成装置を搭載したサーバを含む画像読取システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0027】
本実施の形態においては、画像形成装置がファイル名作成装置を備えており、画像形成装置がサーバおよび外部端末とともに画像形成システムを構成している場合について説明する。この画像形成装置は、電子写真方式や静電記録方式などによって画像形成を行うものであり、本実施の形態においては、スキャナ機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンタとしての機能、データ通信機能、およびサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)が画像形成装置である場合について説明する。
【0028】
なお、画像形成装置は上述の場合の他、ネットワークに接続されていない状態(スタンドアロンの状態)のものであってもよいし、画像形成装置は、MFPの他、ファクシミリ装置、複写機、またはプリンタなどであってもよい。
【0029】
[画像形成システムの構成]
始めに、画像形成システムの構成について説明する。
【0030】
図1は、本発明の一実施の形態における画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【0031】
図1を参照して、本実施の形態における画像形成システムは、MFP100と、外部端末200と、サーバ300とを含んでいる。MFP100、外部端末200、およびサーバ300はネットワーク60により互いに接続されている。
【0032】
MFP100は、CPU51と、ROM53と、RAM55と、補助記憶装置57と、ネットワーク接続部59と、プリント処理部61と、画像処理部63と、操作パネル65と、画像形成部67と、OCR処理部69と、スキャナ処理部71と、スキャナ部(画像読取部)13とを備えている。
【0033】
CPU51は、MFP100全体の制御を行う。CPU51は、ROM53に記憶されたファイル名作成プログラムなどのプログラムを実行して動作する。
【0034】
ROM53は、CPU51を動作させる為のプログラムを格納している。ROM53は、MFP100の設置情報を記憶している。
【0035】
RAM55は、CPU51がプログラムを動作する為に必要なデータや画像データを一時的に記憶する。
【0036】
補助記憶装置57は、MFP100用のボックスデータを格納する領域である共有ボックス161を含んでいる。
【0037】
ネットワーク接続部(外部I/F)59は、イーサネット(登録商標)やUSBを通じて外部機器との通信を行う。またネットワーク接続部59は、WWW(World Wide Web)やネットワーク上の外部機器とでデータを送受信する際には、図示しない通信デバイスを用いる。
【0038】
プリント処理部61は、原稿画像と付加情報の印刷処理を行う。
【0039】
画像処理部63は、画像データの文字幅の調整やコントラストや配色の変換を行う。
【0040】
操作パネル65は、ユーザからMFPの操作を受け付けたり、ユーザへの各種情報の表示を行ったりするユーザインタフェースである。特に操作パネル65は、原稿画像の保存場所の選択を受け付ける。
【0041】
画像形成部67は、おおまかに、トナー像形成部、定着装置、および用紙搬送部などで構成される。画像形成部67は、たとえば電子写真方式で用紙に画像を形成する。トナー像形成部は、いわゆるタンデム方式で4色の画像を合成し、用紙(記録媒体)にカラー画像を形成可能に構成される。トナー像形成部は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各色について設けられた感光体と、感光体からトナー像が転写(1次転写)される中間転写ベルトと、中間転写ベルトから用紙に画像を転写(2次転写)する転写部などで構成される。定着装置は、加熱ローラおよび加圧ローラを有する。定着装置は、加熱ローラと加圧ローラとでトナー像が形成された用紙を挟みながら搬送し、その用紙に加熱および加圧を行なう。これにより、定着装置は、用紙に付着したトナーを溶融させて用紙に定着させ、用紙に画像を形成する。用紙搬送部は、給紙ローラ、搬送ローラ、およびそれらを駆動するモータなどで構成されている。用紙搬送部は、用紙を給紙カセットから給紙して、MFP100の筐体の内部で搬送する。また、用紙搬送部は、画像が形成された用紙をMFP100の筐体から排紙トレイなどに排出する。
【0042】
OCR処理部69は、画像から文字列を抽出(認識)する。文字列の抽出の際には、たとえば品詞毎に区切られた文字列が抽出されてもよいし、フォントやサイズが同じものが1つの文字列として抽出されてもよいし、改行や句読点によって区切られた文字列が抽出されてもよい。OCR処理部69は、抽出した文字列の中から適切な文字列をファイル名の候補としてもよい。
【0043】
スキャナ処理部71は、スキャナ部73から読み込んだ原稿の画像から画像データを作成する。
【0044】
外部端末200は、たとえばユーザが所有するPC(パーソナルコンピュータ)などであり、CPU201と、ROM203と、RAM205と、補助記憶装置207と、ネットワーク接続部209と、表示部211と、入力部213とを備えている。補助記憶装置207は共有フォルダ171を含んでいる。
【0045】
サーバ300は、たとえば検索サーバとして機能するPCであり、CPU301と、ROM303と、RAM305と、補助記憶装置307と、ネットワーク接続部309と、表示部311と、入力部313とを備えている。補助記憶装置307は、互いに関連する2つの言葉の組合せに関するデータベース350を含んでいる。
【0046】
続いてMFPにおける主にスキャナ部の構成について説明する。
【0047】
図2は、本発明の一実施の形態におけるMFPの概観を示す図である。
【0048】
図2を参照して、MFP100は、自動原稿送り装置を含むスキャナ部73と、画像処理部63と、画像形成部67と、給紙部91と、排紙部93とを備える。
【0049】
MFP100が複写機として使用される場合やスキャナとして使用される場合などには、スキャナ部73で原稿の両面の画像が同時読み取りされる。画像処理部63は、スキャナ部73で読み取った画像データなどを処理する。画像形成部67は、給紙部91から送られてきた紙に、画像処理部63で処理された画像データに基づいて画像を形成する。画像が形成された用紙は排紙部93から排紙トレイ95へ排出される。
【0050】
図3は、自動原稿送り装置を含むスキャナ部の構成を示す図である。
【0051】
自動原稿送り装置を含むスキャナ部73は大きくは、原稿搬送装置75と、読取ユニット77とで構成される。
【0052】
原稿搬送装置75は、給紙トレイ101と、給紙ローラ105と、分離ローラ107と、搬送ローラ109と、読取前ローラ111と、読取後ローラ113と、第二読取位置115と、CIS117と、反転ローラ119と、排紙ローラ121と、排出トレイ123とを含む。
【0053】
読取ユニット77は、第一読取位置131と、プラテンガラス133と、露光装置135と、ミラー137、139、および141と、レンズ143と、CCD145とを含む。
【0054】
原稿搬送装置75の給紙トレイ101には原稿MSが積載される。給紙トレイ101に積載された原稿MSは、給紙ローラ105で給紙され、分離ローラ107で他の原稿から分離される。分離ローラ107を通過した原稿MSは、搬送ローラ109および読取前ローラ111で、搬送経路R1を経て第一読取位置131へ搬送される。読取ユニット77は、第一読取位置131を通過する原稿MSの表面を露光装置135で露光し、プラテンガラス133、ミラー137、139、および141、ならびにレンズ143を通して、CCD145からRGBデータとして画像データを生成する。第一読取位置131を通過した原稿MSは第二読取位置115へ搬送され、そこで原稿MSの裏面はCIS117により読み取られ、画像データが生成される。原稿MSは、第二読取位置115を通過後、反転ローラ119、排紙ローラ121よって搬送され、排出トレイ123へ排出される。このように画像を読み取ることにより、ワンパスで(一回の通紙で)原稿MSの両面の画像を同時に読み取ることができる。
【0055】
なお、原稿搬送装置75では、CIS117を使用せずに、表面を読み取り後の原稿を、反転ローラ119によって反転させて、搬送経路R2を経て再び第一読取位置131を通過させてもよい。この場合には、CCD145で原稿の裏面も読み取ることが可能になる。この場合原稿MSは、第一読取位置131で裏面の画像を読み取られた後、反転ローラ119、排紙ローラ121よって搬送され、排出トレイ123へ排出される。また、スキャナ部73は片面のみ読み取り可能なものであってもよいし、原稿搬送装置を含まなくてもよい。
【0056】
MFP100は、原稿画像をスキャナ部73にて読み取り、補助記憶装置57のボックス内に原稿画像のファイル(データ)を保存する際に、原稿画像のファイルの名前を自動的に作成する。具体的には、MFP100は、OCR処理部69にて原稿画像から文字列を抽出(取得)し、保存場所の名前と、抽出した文字列とに基づいて、抽出した特定の文字列を含む原稿画像のファイル名を作成する。本実施の形態のファイル名作成方法の具体例である5つの方法について、以下に説明する。
【0057】
[第1のファイル名作成方法]
始めに、第1のファイル名作成方法について説明する。第1のファイル名作成方法は、原稿画像から抽出した文字列が、保存場所のフォルダ名(ボックス名)と同じである場合には、抽出した文字列から別の候補を選定するものである。
【0058】
図4は、本発明の一実施の形態における第1のファイル名作成方法を説明する図である。
【0059】
図4を参照して、MFP100の補助記憶装置57内には、最上位階層に共有ボックス161が存在しており、共有ボックス161の下に「座席表」という名前のフォルダ(またはボックス)163が存在している。原稿画像MS1は、会社などにおける5Fの座席表を示している。原稿画像MS1は、「座席表」という文字列181と、「5F」という文字列182と、具体的な座席位置が示された表部分183とを含んでいる。
【0060】
読み取った原稿画像MS1のファイル165(スキャンデータ)をMFP100のボックス構造のフォルダ163内に保存する場合を想定する。この場合MFP100は、ファイル名候補である文字列181および182を原稿画像MS1から抽出する。そしてMFP100は、抽出した文字列のうちたとえば最上列の文字列と、保存場所であるフォルダ163の名前と比較する。比較の結果、最上列の文字列とフォルダ163の名前とが同一である場合には、MFP100は、抽出した文字列のうちたとえば2列目の文字列を選択し、2列目の文字列を含むファイル名を作成して、原稿画像MS1のファイル165をフォルダ163内に保存する。
【0061】
図4では、最上列の文字列181と、フォルダ163の名前とが、いずれも「座席表」である。このため、「座席表」というファイル名を作成したのでは、ファイル名がフォルダ163の名前と同一になり、ファイル名がファイルの検索の役に立たなくなる。そこでMFP100は、2列目の文字列182である「5F」というファイル名を作成して、原稿画像MS1のファイル165をフォルダ163内に保存する。その結果、フォルダ名である「座席表」以外の文字列である「5F」という文字列を付加することにより、ファイル名の情報が増加し、ユーザがファイルを探す際の手助けとなる。
【0062】
図5は、本発明の一実施の形態における第1のファイル名作成方法を採用した場合のMFPの画像読取動作を示すフローチャートである。
【0063】
図5を参照して、MFP100のCPU51は、操作パネル65を通じて原稿画像の読み取り指示および原稿画像のファイルの保存場所の指定を受け付ける(S101)。次にCPU51は、スキャナ部73を用いて原稿画像をスキャンし(S103)、スキャンして得られた原稿画像(スキャン画像)に対してOCR処理を行い、原稿画像から文字列を抽出する(S105)。
【0064】
次にCPU51は、抽出した文字列(たとえば最上列の文字列)は保存場所のフォルダ名と同一か否かを判別する(S107)。ステップS107において同一であると判別した場合(S107でYES)、CPU51は、抽出した文字列とは別の文字列をファイル名に付加し(2列目の文字列を含むファイル名を作成し)(S109)、原稿画像のファイルを保存して(S113)、処理を終了する。一方、ステップS107において同一でないと判別した場合(S107でNO)、CPU51は、抽出した文字列をファイル名に付加し(最上列の文字列を含むファイル名を作成し)(S111)、原稿画像のファイルを保存して(S113)、処理を終了する。
【0065】
なお、ステップS107において比較する文字列は、抽出された文字列の中の任意の文字列であればよい。ステップS107において比較する文字列としては、最上列の文字列の他、画像中におけるフォントが最も大きい文字列や、原稿画像中にて強調されている文字列(たとえばアンダーラインが引いてある文字列や網掛けの文字列)などであってもよい。
【0066】
ステップS109においてファイル名に付加される別の文字列は、2列目の文字列である必要はなく、原稿画像から抽出した文字列であって、ステップS107において比較した文字列とは異なる文字列であればよい。
【0067】
[第2のファイル名作成方法]
次に、第2のファイル名作成方法について説明する。第2のファイル名作成方法は、原稿画像から抽出した文字列が保存場所のフォルダ名(保存先のボックス名称)と同一だった場合、その文字列の前後の文字列をファイル名に付加するものである。
【0068】
図6は、本発明の一実施の形態における第2のファイル名作成方法を説明する図である。
【0069】
図6を参照して、MFP100の補助記憶装置57内には、最上位階層に共有ボックス161が存在しており、共有ボックス161の下に「座席表」という名前のフォルダ163が存在している。原稿画像MS1は、図4に示す原稿画像MS1と同じものであるため、その説明は繰り返さない。
【0070】
読み取った原稿画像MS1のファイル165をフォルダ163内に保存する場合、MFP100は、ファイル名候補である文字列181および182を原稿画像MS1から抽出する。そしてMFP100は、抽出した文字列と、保存場所であるフォルダ163の名前と比較する。比較の結果、抽出した文字列の中に、保存場所であるフォルダ163の名前と同一である文字列がある場合には、MFP100は、その文字列と、その文字列の直前または直後の文字列とを組み合わせた文字列を含むファイル名を作成して、原稿画像MS1のファイル165をフォルダ163内に保存する。
【0071】
図6では、「座席表」という文字列181と、フォルダ163の名前とが、いずれも「座席表」である。したがってMFP100は、文字列181と、文字列181の直後の文字列である「5F」という文字列182とを組み合わせた「5F座席表」という文字列のファイル名を作成して、原稿画像MS1のファイル165を、このファイル名でフォルダ163内に保存する。その結果、ファイル名が「5F」という情報(この場合、座席表の場所に関する情報)を含むことにより、ユーザがファイルを探す際の手助けとなる。
【0072】
[第3のファイル名作成方法]
続いて、第3のファイル名作成方法について説明する。第3のファイル名作成方法は、原稿画像から抽出した文字列の中に保存場所のフォルダ名を含む文字列がある場合において、その文字列が保存場所のフォルダ名と同一でないときは、その文字列を含むファイル名を作成するものである。
【0073】
図7は、本発明の一実施の形態における第3のファイル名作成方法を説明する図である。
【0074】
図7を参照して、MFP100の補助記憶装置57内には、最上位階層に共有ボックス161が存在しており、共有ボックス161の下に「座席表」という名前のフォルダ163が存在している。原稿画像MS2は、会社などにおける5Fの座席表を示している。原稿画像MS2は、「5F座席表」という文字列185と、具体的な座席位置が示された表部分186および187とを含んでいる。表部分186にはA〜Hの各々の文字列(人物名)が記載されており、表部分187にはI〜Pの各々の文字列(人物名)が記載されている。
【0075】
読み取った原稿画像MS2のファイル165をフォルダ163内に保存する場合、MFP100は、ファイル名候補である文字列185およびA〜Pの文字列を原稿画像MS2から抽出する。そしてMFP100は、抽出した文字列と、保存場所であるフォルダの名前と比較する。比較の結果、抽出した文字列の中に、保存場所であるフォルダ163の名前を含んでおり、かつフォルダ163の名前と同一でない文字列がある場合には、MFP100は、その文字列を含むファイル名を作成して、原稿画像MS2のファイル165をフォルダ163内に保存する。
【0076】
図7では、「5F座席表」という文字列185と、「座席表」というフォルダ163の名前とを比較すると、文字列185はフォルダ163の名前を含んでおり、かつフォルダ163の名前とは同一でない。したがってMFP100は、文字列185である「5F座席表」というファイル名を作成して、原稿画像MS2のファイル165を、このファイル名でフォルダ163内に保存する。その結果、ファイル名が「5F」という情報を含むことにより、ユーザがファイルを探す際の手助けとなる。
【0077】
図8は、本発明の一実施の形態における第2および第3のファイル名作成方法を採用した場合のMFPの画像読取動作を示すフローチャートである。
【0078】
図8を参照して、始めにCPU51は、図5に示すステップS101〜S105と同様の処理を行う。次にCPU51は、抽出した文字列の中に保存場所のフォルダ名を含む文字列があるか否かを判別する(S201)。ステップS201において、保存場所のフォルダ名を含む文字列があると判別した場合(S201でYES)、CPU51は、保存場所のフォルダ名を含む文字列がフォルダ名と同一であるか否かを判別する(S203)。ステップS203において、フォルダ名と同一であると判別した場合(S203でYES)、CPU51は、第2のファイル名作成方法に従って、フォルダ名と同一であると判別した文字列と、その文字列の前または後(たとえば直前または直後)の文字列とを組み合わせた文字列とを組み合わせた文字列をファイル名に付加する(組み合わせた文字列を含むファイル名を作成する)(S205)。その後CPU51は、原稿画像のファイルを保存して(S211)、処理を終了する。
【0079】
ステップS201において、保存場所のフォルダ名を含む文字列が無いと判別した合(S201でNO)、CPU51は、他の任意の文字列をファイル名とし(S209)、原稿画像のファイルを保存して(S211)、処理を終了する。
【0080】
ステップS203において、フォルダ名と同一でないと判別した場合(S203でYES)、CPU51は、第3のファイル名作成方法に従って、フォルダ名を含む文字列をファイル名に付加し(フォルダ名を含む文字列を含むファイル名を作成し)(S207)、原稿画像のファイルを保存して(S211)、処理を終了する。
【0081】
[第4のファイル名作成方法]
次に第4のファイル名作成方法について説明する。上述の第1〜第3のファイル名作成方法は、MFPのボックス内のフォルダ名(MFP上に存在するテーブル)を利用して、ファイル名に付加する文字列を決定するが、第4のファイル名作成方法では、ネットワーク上の外部端末のフォルダ名(他のネットワーク上のフォルダ)を利用して、ファイル名に付加する文字列を決定する。具体的に、第4のファイル名作成方法は、原稿画像から抽出した文字列の中に保存場所のファイル名と同一の文字列がある場合において、MFPとネットワークを介して接続されている外部端末上に保存場所のフォルダ名と同一の名前のフォルダが存在するときは、そのフォルダ内のファイル名を原稿画像のファイル名の候補とするものである。
【0082】
図9は、本発明の一実施の形態における第4のファイル名作成方法を説明する図である。
【0083】
図9を参照して、MFP100の補助記憶装置57内には、最上位階層に共有ボックス161が存在しており、共有ボックス161の下に「座席表」という名前のフォルダ163が存在している。外部端末200の補助記憶装置207内には、最上位階層に共有フォルダ171が存在しており、共有フォルダ171の下に「座席表」という名前のフォルダ173が存在している。フォルダ173の下には、「1F座席表」という名前のファイル175と、「5F座席表」という名前のファイル177と、「社内座席表」という名前のファイル179とが存在している。原稿画像MS3は、会社などにおける5Fの座席表を示している。原稿画像MS3は、「5F」という文字列188と、「座席表」という文字列189と、具体的な座席位置が示された表部分190とを含んでいる。
【0084】
読み取った原稿画像MS3をフォルダ163内に保存する場合、MFP100は、ファイル名候補である文字列188および189を原稿画像MS3から抽出する。そしてMFP100は、抽出した文字列と、保存場所であるフォルダ163の名前と比較する。比較の結果、抽出した文字列の中に、保存場所であるフォルダ163の名前と同一の文字列がある場合には、MFP100は、フォルダ163の名前を、ネットワーク60を通じて外部端末200へ送信し、フォルダ163と同じ名前のフォルダが外部端末200内に存在しているかを検索(確認)する。
【0085】
フォルダ163と同じ名前のフォルダが外部端末200内に存在していた場合、MFP100は、外部端末200内におけるフォルダ163と同じ名前のフォルダ内にある全ファイルの名前(ファイル名リスト)を取得する。そしてMFP100は、抽出した文字列と、ファイル名リストとを比較する。比較の結果、抽出した文字列の中にファイル名リスト内のファイル名と同一の文字列がある場合、MFP100は、その文字列を含むファイル名を作成して、原稿画像MS3のファイル165をフォルダ163内に保存する。
【0086】
図9では、文字列189とフォルダ163の名前とがいずれも「座席表」であるので、MFP100は、「座席表」というフォルダを外部端末200内で検索する。検索の結果、外部端末200の共有フォルダ171内には「座席表」というフォルダ173が存在しているので、MFP100は、フォルダ173内にあるファイル名リストを取得する。このファイル名リストは「1F座席表」、「5F座席表」、および「社内座席表」というファイル名で構成されている。そしてMFP100は、文字列188および189と、ファイル名リスト内のファイル名とを比較する。比較の結果、文字列188および189を合わせた「5F座席表」という文字列は、ファイル名リスト内のファイル177の名前と同一であるので、MFP100は、「5F座席表」というファイル名を作成して、原稿画像MS3のファイル165をフォルダ163内に保存する。
【0087】
図10は、本発明の一実施の形態における第4のファイル名作成方法を採用した場合のMFPの画像読取動作を示すフローチャートである。
【0088】
図10を参照して、始めにCPU51は、図5に示すステップS101〜S105と同様の処理を行う。次にCPU51は、抽出した文字列の中に保存場所のフォルダ名と同一の文字列があるか否かを判別する(S301)。
【0089】
ステップS301において、同一の文字列があると判別した場合(S301でYES)、CPU51は保存場所のフォルダ名を外部端末200へ送信する(S303)。外部端末200のCPU201は、保存場所のフォルダ名を受信すると、保存場所のフォルダ名と同一の名前のフォルダを外部端末200の補助記憶装置207内から検索し(S305)、検索結果をMFP100へ送信する(S307)。MFP100のCPU51は、検索結果を受信すると(S309)、保存場所のフォルダ名と同一のフォルダ名が検索結果の中にあるか否かを判別する(S311)。
【0090】
ステップS311において、保存場所のフォルダ名と同一のフォルダ名があると判別した場合(S311でYES)、ユーザはそのフォルダ内のファイルを印刷した原稿をMFP100で読み込んだ可能性がある。この場合CPU51は、保存場所のフォルダ名と同一のフォルダ名のフォルダ内のファイル名リストの送信を外部端末200に要求し、これを外部端末200から取得する(S313)。このとき、外部端末200のCPU201は、MFP100からの要求に従ってファイル名リストを送信する(S315)。MFP100のCPU51は、ファイル名リストを取得すると、抽出した文字列の中にファイル名リスト内のファイル名と同一の文字列があるか否かを判別する(S317)。
【0091】
ステップS317において、ファイル名リスト内のファイル名と同一の文字列があると判別した場合(S317でYES)、ユーザはそのファイルを印刷した原稿をMFP100で読み込んだものと判断する。この場合MFP100は、該当するファイル名リストのファイル名と同一の文字列をファイル名に付加し(該当するファイル名リストのファイル名と同一の文字列を含むファイル名を作成し)(S319)、原稿画像のファイルを保存して(S323)、処理を終了する。
【0092】
ステップS301において、同一の文字列が無いと判別した場合(S301でNO)、ステップS311において、保存場所のフォルダ名と同一のフォルダ名が無いと判別した場合(S311でNO)、またはステップS317において、ファイルリスト内のファイル名と同一の文字列が無いと判別した場合(S317)、CPU51は、たとえば文字の大きさが最大の文字列をファイル名に付加し(S321)、原稿画像のファイルを保存して(S323)、処理を終了する。ステップS323において付加するファイル名は、抽出した任意の文字列であってもよい。
【0093】
[第5のファイル名作成方法]
次に第5のファイル名作成方法について説明する。第5のファイル名作成方法では、ネットワーク上のサーバの検索情報(WWWの検索情報)を利用して、ファイル名に付加する文字列を決定する。具体的に、第5のファイル名作成方法は、原稿画像から抽出した文字列の中に保存場所のファイル名と同一の文字列がある場合に、検索サーバにおいて、保存場所のファイル名でWeb検索を利用して関連するキーワードを取得し、そのキーワードを原稿画像のファイル名の候補とするものである。
【0094】
図11は、本発明の一実施の形態における第5のファイル名作成方法を説明する図である。
【0095】
図11を参照して、MFP100の補助記憶装置57内には、最上位階層に共有ボックス161が存在しており、共有ボックス161の下に「座席表」という名前のフォルダ163が存在している。サーバ300の補助記憶装置307内には、互いに関連する2つの言葉の組合せに関するデータベース350が記憶されている。データベース350には、検索ワードと、検索ワードに関連する複数の関連キーワード(言葉)との組合せが集められている。原稿画像MS3は、図9に示す原稿画像MS3と同じものであるため、その説明は繰り返さない。
【0096】
読み取った原稿画像MS3のファイル165をフォルダ163内に保存する場合、MFP100は、ファイル名候補である文字列188および189を原稿画像MS3から抽出する。そしてMFP100は、抽出した文字列と、保存場所であるフォルダ163の名前と比較する。比較の結果、抽出した文字列の中に、保存場所であるフォルダ163の名前と同一の文字列がある場合には、MFP100は、補助記憶装置307内のデータベース350から、フォルダ163の名前を検索ワードとする関連キーワードを取得する。次にMFP100は、データベース350から取得した関連キーワードと、原稿画像MS3から抽出した文字列とを比較する。関連キーワードと同一の文字列が原稿画像MS3から抽出した文字列の中にある場合には、MFP100は、関連キーワードと同一の文字列を含むファイル名を作成して、原稿画像MS3のファイル165をフォルダ163内に保存する。
【0097】
図11では、文字列189とフォルダ163の名前とがいずれも「座席表」であるので、MFP100は、補助記憶装置307内のデータベース350から、「座席表」に関連する「1F」、「2F」、「3F」、「4F」、「5F」、「1グループ」、および「2グループ」などの関連キーワードを取得する。続いてMFP100は、これらの関連キーワードと文字列188および189とを比較する。比較の結果、「5F」という関連キーワードが、文字列188と同一であるので、MFP100は、「5F」という文字列と、「座席表」というフォルダ163の名前とを組み合わせて、「5F座席表」という文字列を含むファイル名でファイル165を保存する。
【0098】
図12は、本発明の一実施の形態における第5のファイル名作成方法を採用した場合のMFPの画像読取動作を示すフローチャートである。
【0099】
図12を参照して、始めにCPU51は、図5に示すステップS101〜S105と同様の処理を行う。次にCPU51は、抽出した文字列の中に保存場所のフォルダ名と同一の文字列があるか否かを判別する(S401)。
【0100】
ステップS401において、同一の文字列があると判別した場合(S401でYES)、CPU51は保存場所のフォルダ名をサーバ300へ送信する(S403)。サーバ300のCPU301は、保存場所のフォルダ名を受信すると(S405)、保存場所のフォルダ名の関連キーワードをデータベースから検索し(S407)、検索結果をMFP100へ送信する(S409)。MFP100のCPU51は、検索結果を受信すると(S411)、関連キーワードが存在したか否かを判別する(S413)。
【0101】
ステップS413において、関連キーワードが存在したと判別した場合(S413でYES)、CPU51は、原稿画像から抽出した文字列の中に関連キーワードと同一の文字列があるか否かを判別する(S415)。
【0102】
ステップS415において、関連キーワードと同一の文字列があると判別した場合(S415でYES)、CPU51は、関連キーワードと同一の文字列をファイル名に付加し(関連キーワードと同一の文字列を含むファイル名を作成し)(S417)、原稿画像のファイルを保存して(S419)、処理を終了する。
【0103】
ステップS401において、同一の文字列が無い場合(S401でNO)、ステップS413において、関連キーワードが存在しないと判別した場合(S413でNO)、またはステップS415において、関連キーワードと同一の文字列が無いと判別した場合(S415でNO)、CPU51は、たとえば文字の大きさが最大の文字列をファイル名に付加し(S421)、原稿画像のファイルを保存して(S419)、処理を終了する。ステップS421において付加するファイル名は、抽出した任意の文字列であってもよい。
【0104】
[実施の形態の効果]
上述の実施の形態によれば、MFPは、原稿画像から文字列を抽出し、原稿画像から抽出した文字列の中から、原稿画像のファイル名に付加する文字列を選択する。MFPは、ファイル名が保存先のボックス名とは異なるものになるように、保存先のボックス名を参考として、ファイル名に付加する文字列を判断および選択する。その結果、ファイルの内容を反映した適切なファイル名を作成することができる。また、ファイルの保存後に、ユーザは、他のファイルと間違えることなく所望のファイルを容易に見つけることができる。
【0105】
[その他]
上述の実施の形態においては、原稿画像の保存場所がMFPの補助記憶装置の共有ボックスにおける「座席表」という名前のフォルダ内である場合について示したが、原稿画像の保存場所は任意である。
【0106】
ファイル名作成装置は、上述の実施の形態に示したように画像形成装置に搭載される場合の他、図13に示すように、スキャナ部を有さないサーバなどのPCに搭載されてもよい。
【0107】
図13は、本発明の一実施の形態におけるファイル名作成装置を搭載したサーバを含む画像読取システムの構成を示すブロック図である。
【0108】
図13を参照して、この画像読取システムは、サーバ300と、たとえば複数の外部端末200とを備えている。複数の外部端末200とサーバ300とはネットワーク60により互いに接続されている。サーバ300はOCR処理部317を含んでいる。複数の外部端末200の各々はスキャナ部221を含んでいる。
【0109】
この画像読取システムにおいて、ユーザは、任意の外部端末200のスキャナ部221を用いて原稿画像を読み取り、読み取った原稿画像の保存場所として、サーバ300の補助記憶装置307の共有ボックス内のフォルダを選択する。この場合サーバ300は、外部端末200から原稿画像を取得し、OCR処理部317にて原稿画像から文字列を抽出する。そしてサーバ300は、保存場所のフォルダ名と、抽出した文字列とに基づいて原稿画像のファイル名を作成し、原稿画像のファイルを保存する。
【0110】
さらにサーバ300は、OCR処理部317にて原稿画像から文字列を抽出する代わりに、原稿画像から抽出した文字列を、外部端末200から取得してもよい。
【0111】
上述の第1〜第5のファイル名作成方法は適宜組み合わせることができる。複数のファイル名作成方法を組合せた結果、複数のファイル名が作成される場合には、操作パネルなどにファイル名の候補を表示し、どのファイル名を付けるかをユーザから受け付けてもよい。たとえば第1および第2のファイル作成方法を組合せた場合であって、抽出した文字列がフォルダ名と同一のときは、抽出した他の文字列をファイル名として付加するか、フォルダ名と同一の文字列と、その文字列の前または後の文字列とを組み合わせるかの選択を受け付けてもよい。
【0112】
上述の実施の形態においては、抽出した文字列と保存場所のフォルダ名とを比較する場合に付いて示したが、抽出した文字列とボックス名(つまり、保存場所のフォルダの上位階層の名前)との比較をさらに行ってもよい。
【0113】
上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアにより行なっても、ハードウェア回路を用いて行なってもよい。また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。プログラムは、CPUなどのコンピュータにより実行される。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
【0114】
上述の実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0115】
51,201,301 CPU
53,203,303 ROM
55,205,305 RAM
57,207,307 補助記憶装置
59,209,309 ネットワーク接続部
60 ネットワーク
61 プリント処理部
63 画像処理部
65 操作パネル
67 画像形成部
69,317 OCR処理部
71 スキャナ処理部
73,221 スキャナ部
75 原稿搬送装置
77 読取ユニット
91 給紙部
93 排紙部
95 排紙トレイ
100 MFP
101 給紙トレイ
105 給紙ローラ
107 分離ローラ
109 搬送ローラ
111 読取前ローラ
113 読取後ローラ
115 第二読取位置
117 CIS
119 反転ローラ
121 排紙ローラ
123 排出トレイ
131 第一読取位置
133 プラテンガラス
135 露光装置
137,139,141 ミラー
143 レンズ
145 CCD
161 共有ボックス
163,173 フォルダ
165,175,177,179 ファイル
171 共有フォルダ
181,182,185,188,189 文字列
183,186,187,190 表部分
200 外部端末
211,311 表示部
213,313 入力部
300 サーバ
350 データベース
MS 原稿
MS1〜MS3 原稿画像
R1,R2 搬送経路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像のファイル名を作成するファイル名作成装置であって、
前記画像の保存場所の指定を受け付ける保存場所受付手段と、
前記画像から認識した文字列を取得する文字列取得手段と、
前記保存場所受付手段にて受け付けた保存場所の名前と、前記文字列取得手段にて取得した文字列とに基づいて、前記画像のファイル名を作成するファイル名作成手段とを備えた、ファイル名作成装置。
【請求項2】
前記文字列取得手段にて取得した文字列のうち一の文字列が前記保存場所の名前と同一である場合、前記ファイル名作成手段は、前記文字列取得手段にて取得した文字列のうち前記一の文字列とは異なる他の文字列を含むファイル名を作成する、請求項1に記載のファイル名作成装置。
【請求項3】
前記保存場所の名前と同一の文字列が前記文字列取得手段にて取得した文字列の中にある場合、前記ファイル名作成手段は、前記保存場所の名前と同一の文字列と、前記保存場所の名前と同一の文字列の直前または直後の文字列とを組み合わせた文字列を含むファイル名を作成する、請求項1または2に記載のファイル名作成装置。
【請求項4】
前記保存場所の名前を含む文字列が前記文字列取得手段にて取得した文字列の中にある場合において、前記保存場所の名前を含む文字列が前記保存場所の名前と同一でないときは、前記ファイル名作成手段は、前記保存場所の名前を含む文字列を含むファイル名を作成する、請求項1〜3のいずれかに記載のファイル名作成装置。
【請求項5】
前記保存場所の名前と同一の文字列が前記文字列取得手段にて取得した文字列の中にある場合、前記ファイル名作成装置と接続された記憶装置内から前記保存場所の名前と同一のフォルダ名を検索する検索手段と、
前記検索手段にて検索したフォルダ名のフォルダ内のファイル名を取得するファイル名取得手段と、
前記ファイル名取得手段にて取得したファイル名と同一の文字列が、前記文字列取得手段にて取得した文字列の中にあるか否かを判別するファイル名判別手段とをさらに備え、
前記ファイル名判別手段にて同一の文字列があると判別した場合、前記ファイル名作成手段は、前記ファイル名取得手段にて取得したファイル名と同一の文字列を含むファイル名を作成する、請求項1〜4のいずれかに記載のファイル名作成装置。
【請求項6】
前記保存場所の名前と同一の文字列が前記文字列取得手段にて取得した文字列の中にある場合、互いに関連する2つの言葉の組合せに関するデータベースから、前記保存場所の名前に関連する言葉であるキーワードを検索する検索手段と、
前記検索手段にて検索したキーワードと同一の文字列が、前記文字列取得手段にて取得した文字列の中にあるか否かを判別するキーワード判別手段とをさらに備え、
前記キーワード判別手段にてキーワードと同一の文字列があると判別した場合、前記ファイル名作成手段は、前記検索手段にて検索したキーワードと同一の文字列を含むファイル名を作成する、請求項1〜5のいずれかに記載のファイル名作成装置。
【請求項7】
前記ファイル名作成手段は、前記検索手段にて検索したキーワードと同一の文字列と、前記保存場所の名前とを組み合わせた文字列を含むファイル名を作成する、請求項6に記載のファイル名作成装置。
【請求項8】
原稿から前記画像を読み取る画像読取手段をさらに備え、
前記文字受付手段は、前記原稿読取手段にて読み取った画像から文字列を認識する文字列認識手段を含む、請求項1〜7のいずれかに記載のファイル名作成装置。
【請求項9】
画像のファイル名を作成するファイル名作成プログラムであって、
前記画像の保存場所の指定を受け付ける保存場所受付ステップと、
前記画像から認識した文字列を取得する文字列取得ステップと、
前記保存場所受付ステップにて受け付けた保存場所の名前と、前記文字列取得ステップにて取得した文字列とに基づいて、前記画像のファイル名を作成するファイル名作成ステップとをコンピュータに実行させる、ファイル名作成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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