説明

ファイル管理装置及びプログラム

【課題】リンクファイル生成後にファイルの格納場所が移動された場合にも、リンクファイルを介して移動後のファイルにアクセスすることを可能とする。
【解決手段】ファイル格納領域内の何れかのファイルの格納場所が移動される度に((D)ではフォルダBからルートフォルダへ移動された文書A)、移動されたファイルをリンク先とするリンクファイルを移動前の格納場所((D)ではフォルダB)に生成し、リンク先の情報を含む管理情報をDBに登録する。また、格納場所が移動されたファイルをリンク先とするリンクファイルが既に存在する場合((D)ではフォルダA内に存在するリンクファイル)には、DBに登録された管理情報のリンク先を、移動後のファイルを指し示す情報へ更新する(例えば種別が"DOCUMENT_LINK"で場所が"/フォルダB"の情報における「リンク先」を(C)に示す"/フォルダB/文書A"から"/文書A"へ更新する)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はファイル管理装置及びファイル管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、フォルダAに格納されている文書がフォルダBへ移動されたとき、フォルダAの文書が登録されていた位置に、移動文書の特徴を表す最小限の部分情報、移動元フォルダ名(フォルダA)及び移動先を探索するために必要な移動先情報を持たせた移動先通知探索用文書を作成して登録することで、移動元の文書に対してアクセスが為されたときに、移動先通知探索用文書の内容を読み出すことによって、利用者による文書の移動先の探索を可能とする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−82828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、リンクファイル生成後にファイルの格納場所が移動された場合にも、リンクファイルを介して移動後のファイルにアクセスすることを可能とするファイル管理装置及びファイル管理プログラムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明に係るファイル管理装置は、或るファイルを指し示すリンクファイルが生成された際に、生成された前記リンクファイルと前記ファイルとを対応付ける第1情報を記憶手段に登録すると共に、ファイルが新たに格納されるか又は前記ファイルを指し示す前記リンクファイルが生成された際に、前記ファイルの格納場所を表す第2情報を記憶手段に登録する登録手段と、任意の前記リンクファイルがアクセスされた場合に、前記記憶手段に登録された前記第1情報及び前記第2情報に基づいて、アクセスされた前記リンクファイルが指し示すファイルの格納場所を判別し、判別した前記格納場所に格納された前記ファイルにアクセスするための処理を行う処理手段と、前記記憶手段に登録されている前記第1情報によって前記リンクファイルと対応付けられた前記ファイルの格納場所が移動された場合に、格納場所が移動された前記ファイルの格納場所を表す前記第2情報を、前記ファイルの移動後の格納場所を表すように更新する更新手段と、を含んで構成されている。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、任意のファイルの格納場所が移動される度に、格納場所が移動された前記ファイルを指し示すリンクファイルを、前記ファイルの移動前の格納場所に生成する生成手段を更に備えている。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記登録手段は、前記第1情報として、生成された前記リンクファイルの格納場所を表すリンク格納場所情報を含む情報を前記記憶手段に登録し、特定のファイルの移動履歴の出力が指示された場合に、前記特定のファイルを指し示す全てのリンクファイルについて、対応する前記第1情報に含まれる前記リンク格納場所情報を前記記憶手段から各々読み出し、読み出した前記リンク格納場所情報が表す格納場所を前記特定のファイルの格納場所の移動履歴として出力する移動履歴出力手段を更に備えている。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1項記載の発明において、前記記憶手段に情報が登録されている個々の前記リンクファイル毎に、アクセスされた回数又はアクセスされた頻度又はリンクファイルが生成されてからの経過時間を管理し、前記記憶手段に情報が登録されている前記リンクファイルの数が予め設定された値を超えた場合に、個々の前記リンクファイル毎に管理している前記アクセスされた回数又は前記アクセスされた頻度又は前記リンクファイルが生成されてからの経過時間に基づいて、個々の前記リンクファイルの中から削除対象のリンクファイルを選択し、選択した削除対象のリンクファイルを削除すると共に、削除したリンクファイルに対応する情報も前記記憶手段から削除する削除手段を更に備えている。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項1〜請求項4の何れか1項記載の発明において、前記登録手段は、前記第1情報及び前記第2情報の少なくとも一方として、前記ファイルの名称を含む情報を前記記憶手段に登録し、前記更新手段は、任意のファイルの名称が変更され、名称が変更された前記ファイルの変更前の名称を含む前記第1情報及び前記第2情報の少なくとも一方が前記記憶手段に登録されている場合に、前記第1情報及び前記第2情報の少なくとも一方に含まれる前記ファイルの変更前の名称を、前記ファイルの変更後の名称へ変更する。
【0010】
請求項6記載の発明は、請求項1〜請求項5の何れか1項記載の発明において、前記更新手段は、前記リンクファイルと対応付ける前記第1情報が前記記憶手段に登録されている前記ファイルが削除された場合に、対応するファイルが削除されたことを表す削除済情報を前記第1情報に付加し、前記処理手段は、アクセスされたリンクファイルに対応する前記第1情報に前記削除済情報が付加されている場合には、アクセスされた前記リンクファイルが指し示すファイルが削除されたことを通知する処理を行う。
【0011】
請求項7記載の発明は、請求項1〜請求項6の何れか1項記載の発明において、前記更新手段は、前記格納場所としてのフォルダが当該フォルダに格納されている前記ファイルと一体に圧縮され、圧縮された前記フォルダに格納されている前記ファイルが、前記リンクファイルと対応付ける前記第1情報が前記記憶手段に登録されている前記ファイルである場合に、前記第1情報を、前記リンクファイルを圧縮された前記フォルダと対応付ける情報へ更新し、前記処理手段は、アクセスされたリンクファイルに対応する前記第1情報が、アクセスされた前記リンクファイルを圧縮された前記フォルダと対応付ける情報である場合に、アクセスされた前記リンクファイルが指し示すファイルが圧縮されていることを通知する処理を行う。
【0012】
請求項8記載の発明は、請求項1〜請求項6の何れか1項記載の発明において、前記更新手段は、前記格納場所としてのフォルダが当該フォルダに格納されている前記ファイルと一体に圧縮され、圧縮されたフォルダに格納されている前記ファイルが、前記リンクファイルと対応付ける前記第1情報が前記記憶手段に登録されている前記ファイルである場合に、対応するファイルが圧縮されていることを表す圧縮中情報を前記第1情報に付加し、前記処理手段は、アクセスされたリンクファイルに対応する前記第1情報に前記圧縮中情報が付加されている場合には、アクセスされた前記リンクファイルが指し示すファイルが圧縮されていることを通知する処理を行う。
【0013】
請求項9記載の発明は、請求項1〜請求項8の何れか1項記載の発明において、前記登録手段は、或るファイルを指し示すリンクファイルが生成された際に、前記第2情報を前記第1情報と対応付けて前記記憶手段に登録し、前記更新手段は、前記記憶手段に登録されている前記第1情報によって前記リンクファイルと対応付けられた前記ファイルの格納場所が移動された場合に、前記第1情報と対応付けて前記記憶手段に登録されている前記第2情報を、格納場所が移動された前記ファイルの移動後の格納場所を表す情報へ更新する。
【0014】
請求項10記載の発明は、請求項1〜請求項8の何れか1項記載の発明において、自ファイルを指し示すリンクファイルが生成された個々のファイルには、当該個々のファイルを一意に識別するためのファイル識別子が各々付与され、個々のファイルが格納された個々の格納場所には、当該個々の格納場所を識別するための格納場所識別子が各々付与されており、前記登録手段は、ファイルが新たに格納された際に、新たに格納された前記ファイルの格納場所を表す第2情報として、新たに格納された前記ファイルに付与された前記ファイル識別子と、前記ファイルの格納場所に付与された前記格納場所識別子と、を対応付ける情報を記憶手段に登録すると共に、或るファイルを指し示すリンクファイルが生成された際に、生成された前記リンクファイルと前記ファイルとを対応付ける第1情報と、前記ファイルに付与された前記ファイル識別子と、を対応付けて前記記憶手段に登録し、前記更新手段は、前記記憶手段に登録されている前記第1情報によって前記リンクファイルと対応付けられた前記ファイルの格納場所が移動された場合に、前記第2の情報を、格納場所が移動された前記ファイルに付与されたファイル識別子と、前記ファイルの移動後の格納場所に付与された前記格納場所識別子と、を対応付ける情報へ更新する。
【0015】
請求項11記載の発明は、請求項1〜請求項10の何れか1項記載の発明において、前記処理手段は、判別した前記格納場所に格納された前記ファイルにアクセスするための処理として、判別した前記格納場所を通知する処理又は前記ファイルを開く処理を行う。
【0016】
請求項12記載の発明は、請求項1〜請求項11の何れか1項記載の発明において、前記登録手段は、電子メールの本文内のリンクが指し示すファイルの保存が指示された場合に、予め設定された格納場所に前記電子メールを保存し、前記指示に従って保存された前記ファイルと保存した前記電子メールとを対応付ける第1情報を記憶手段に登録すると共に、保存した前記電子メールの格納場所を表す第2情報を記憶手段に登録し、前記処理手段は、前記電子メールと対応付ける前記第1情報が前記記憶手段に登録されている前記ファイルがアクセスされた場合に、前記記憶手段に登録された前記第1情報及び前記第2情報に基づいて、アクセスされた前記ファイルと対応付けられた前記電子メールの格納場所を判別し、判別した前記格納場所を通知する処理を行う。
【0017】
請求項13記載の発明に係るファイル管理プログラムは、コンピュータを、或るファイルを指し示すリンクファイルが生成された際に、生成された前記リンクファイルと前記ファイルとを対応付ける第1情報を記憶手段に登録すると共に、ファイルが新たに格納されるか又は前記ファイルを指し示す前記リンクファイルが生成された際に、前記ファイルの格納場所を表す第2情報を記憶手段に登録する登録手段、任意の前記リンクファイルがアクセスされた場合に、前記記憶手段に登録された前記第1情報及び前記第2情報に基づいて、アクセスされた前記リンクファイルが指し示すファイルの格納場所を判別し、判別した前記格納場所を通知する処理及び判別した前記格納場所に格納された前記ファイルにアクセスするための処理の少なくとも一方を行う処理手段、及び、前記記憶手段に登録されている前記第1情報によって前記リンクファイルと対応付けられた前記ファイルの格納場所が移動された場合に、格納場所が移動された前記ファイルの格納場所を表す前記第2情報を、前記ファイルの移動後の格納場所を表すように更新する更新手段として機能させる。
【発明の効果】
【0018】
請求項1,9〜11,13記載の発明は、リンクファイル生成後にファイルの格納場所が移動された場合にも、リンクファイルを介して移動後のファイルにアクセスすることが可能になる、という効果を有する。
【0019】
請求項2記載の発明は、ファイルの格納場所が複数回移動された場合にも、前記ファイルが格納されていた任意の格納場所からリンクファイルを介して移動後のファイルにアクセスすることが可能になる、という効果を有する。
【0020】
請求項3記載の発明は、格納場所が複数回移動されたファイルの移動履歴を確認することが可能になる、という効果を有する。
【0021】
請求項4記載の発明は、リンクファイルの数が必要以上に増大することを抑制できる、という効果を有する。
【0022】
請求項5記載の発明は、対応するリンクファイルが生成されたファイルの名称が変更された場合にも、リンクファイルを介して名称変更後のファイルにアクセスすることが可能になる、という効果を有する。
【0023】
請求項6記載の発明は、対応するリンクファイルが生成されたファイルが削除された場合にも、前記ファイルが削除されたことを利用者に認識させることができる、という効果を有する。
【0024】
請求項7,8記載の発明は、対応するリンクファイルが生成されたファイルがフォルダと一体に圧縮された場合にも、前記ファイルが圧縮されていることを利用者に認識させることができる、という効果を有する。、という効果を有する。
【0025】
請求項12記載の発明は、電子メールの本文内のリンクによって指し示され、かつ保存されたファイルがアクセスされた場合に、対応する電子メールの格納場所を利用者に認識させることができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1実施形態で説明した情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態に係るファイル新規保存時処理を示すフローチャートである。
【図3】第1実施形態に係るファイル移動時処理を示すフローチャートである。
【図4】第1実施形態に係るファイル名称変更時処理を示すフローチャートである。
【図5】第1実施形態に係るファイル削除時処理を示すフローチャートである。
【図6】第1実施形態に係るフォルダ圧縮時処理を示すフローチャートである。
【図7】第1実施形態に係るリンク選択時処理を示すフローチャートである。
【図8】ファイルの状態及びファイル管理DBの内容の一例を示す概略図である。
【図9】ファイルの状態及びファイル管理DBの内容の一例を示す概略図である。
【図10】第2実施形態で説明した情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図11】第2実施形態において、ファイル管理プログラムによって実現されるファイル新規保存時処理を示すフローチャートである。
【図12】第2実施形態において、メールアプリケーションによって実現されるファイル新規保存時処理を示すフローチャートである。
【図13】第2実施形態に係るファイル移動時処理を示すフローチャートである。
【図14】第2実施形態に係るファイル名称変更時処理を示すフローチャートである。
【図15】第2実施形態に係るファイル削除時処理を示すフローチャートである。
【図16】第2実施形態に係るフォルダ圧縮時処理を示すフローチャートである。
【図17】第2実施形態に係るリンク選択時処理を示すフローチャートである。
【図18】第2実施形態に係るファイル選択時処理を示すフローチャートである。
【図19】第2実施形態に係るリンクファイル管理処理を示すフローチャートである。
【図20】ファイルの状態及びファイル管理DBの内容の一例を示す概略図である。
【図21】ファイルの状態及びファイル管理DBの内容の一例を示す概略図である。
【図22】ファイルの状態及びファイル管理DBの内容の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
【0028】
〔第1実施形態〕
図1には、本第1実施形態に係る情報処理装置10が示されている。情報処理装置10は、例えばパーソナル・コンピュータ(PC)等から成り、CPU10A、ROMやRAMを含むメモリ10B、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等を含む不揮発性の記憶部10C、通信インタフェース(I/F)部10Dを備えている。情報処理装置10には、表示手段の一例であるディスプレイ12、入力手段の一例であるキーボード14及びマウス16が各々接続されており、通信I/F部10Dを介して図示しない通信網(例えばインターネット、或いはイントラネット等)に接続されている。
【0029】
情報処理装置10の記憶部10Cには、オペレーティング・システム(OS)のプログラム(図示省略)、各種のアプリケーションのプログラム(図示省略)及びファイル管理プログラム18が各々インストールされ、ファイル管理DB20が記憶されている。ファイル管理プログラム18は、記憶部10Cに記憶された各種ファイルの管理を行うためのプログラムであり、本発明に係るファイル管理プログラムの一例である。情報処理装置10は、CPU10Aがファイル管理プログラム18を実行することで、後述するファイル新規保存時処理、ファイル移動時処理、ファイル名称変更時処理、ファイル削除時処理、フォルダ圧縮時処理及びリンク選択時処理の各処理を行い、本発明に係るファイル管理装置として機能する。また、ファイル管理DB20には、ファイル管理プログラム18によって各種ファイルを管理するための情報が登録される。
【0030】
次に本第1実施形態の作用を説明する。本第1実施形態では、情報処理装置10の記憶部10Cの記憶領域に、例として図8(A)に示すように、ルートフォルダ(名称が"/"のフォルダ)が設けられており、このルートフォルダ内が、各種のファイル(例えば文書ファイルや画像ファイル、音声ファイル等や、特定のファイルを指し示すリンクファイル(詳細は後述)等)を格納するためのファイル格納領域とされている。また、ルートフォルダ内のファイル格納領域には、情報処理装置10を利用する利用者が、所望の名称のフォルダを所望の数だけ作成可能とされている。例として図8(A)には、ルートフォルダ内に、名称が「フォルダA」のフォルダと名称が「フォルダB」のフォルダが作成された状態が示されている。ルートフォルダ内に作成された個々のフォルダ内もファイル格納領域として使用される。
【0031】
一方、ファイル管理DB20には、ファイル格納領域に存在する個々のコンテンツ(フォルダやファイル)を単位として管理情報が登録される。本第1実施形態に係るファイル管理DBは、例として図8(A)に示すように、個々のコンテンツ毎の管理情報として「場所」「種別」「リンク先」「名称」及び削除フラグの各情報を設定可能とされている。なお、「リンク先」及び削除フラグについては、コンテンツがリンクファイルの場合に設定される。また、「場所」としてはルートフォルダを起点とするファイル格納領域内のアドレスを表す情報が設定され、本第1実施形態では、「リンク先」として、リンク先のファイルの格納場所(ルートフォルダを起点とするファイルの格納場所のアドレス)とリンク先のファイルの名称を各々表す情報が設定される。
【0032】
ファイル管理プログラムは、ファイル格納領域内のコンテンツに何らかの変化(例えばコンテンツの追加や移動、名称変更、削除等)が生じる度にオペレーティング・システム(OS)によって起動され、後述する各処理を行う。例えば図8(A)は、ルートフォルダ内にフォルダA,Bが作成されることで、ルートフォルダ及びフォルダA,Bの管理情報がファイル管理DB20に各々登録された状態を示している。なお、フォルダA,Bの管理情報のうち、「場所」の"/"はフォルダA,Bがルートフォルダ内に存在していることを表している。以下、CPU10Aがファイル管理プログラムを実行することで、情報処理装置10によって実現される処理について、順に説明する。
【0033】
図2に示すファイル新規保存時処理は、ファイル格納領域内の任意の場所に任意のファイルが新規に保存されたことを契機として、OSによってファイル管理プログラムが起動された場合に行われる処理であり、まずステップ30では、ファイル格納領域内の何れかの場所に新規保存されたファイルの名称、種別、格納場所の各情報がOSから取得される。またステップ32では、ステップ30で取得した情報をファイル管理DB20に追加登録し、ファイル新規保存時処理を終了する。
【0034】
上記のファイル新規保存時処理により、例えば図8(B)に示すように、フォルダA内に文書A及び文書Bが各々新規保存された場合、ファイル管理DB20には、新規保存された文書A,Bの管理情報として、「場所」にフォルダA内であることを表す"/フォルダA/"が設定され、「種別」に文書であることを表す"DOCUMENT"が設定された管理情報が各々登録されることになる。
【0035】
また、図3に示すファイル移動時処理は、ファイル格納領域内に既に格納されている何れかのファイルの格納場所が移動されたことを契機として、OSによってファイル管理プログラムが起動された場合に行われる処理であり、まずステップ40では、格納場所が移動されたファイルの名称、移動元の格納場所及び移動先の格納場所の各情報をOSから取得する。次のステップ42では、ステップ40で取得した情報のうち、格納場所が移動されたファイルの名称と移動元の格納場所をキーとして用いてファイル管理DB20を検索する。ステップ44では、ステップ42の検索でファイル管理DB20から抽出された管理情報(格納場所が移動されたファイルの管理情報)のうちの「場所」を、先のステップ40で取得した移動先の格納場所を表す情報へ更新する。
【0036】
またステップ46では、格納場所が移動されたファイルの移動元の格納場所に、格納場所が移動されたファイルを指し示す(格納場所が移動されたファイルをリンク先とする)リンクファイルを生成する。なお、ステップ46は請求項2に記載の生成手段による処理の一例である。またステップ48では、ステップ46で生成したリンクファイルの管理情報として、「場所」に格納場所が移動されたファイルの移動元の格納場所を表す情報を設定し、「種別」にリンクファイルであることを表す情報を設定し、「リンク先」としてリンク先のファイルの格納場所及び名称を表す情報を設定し、「名称」としてリンク先のファイルと同一の名称を設定した管理情報をファイル管理DB20に登録する。
【0037】
なお、上記のステップ48は本発明における登録手段(より詳しくは請求項3,5,9に記載の登録手段)による処理の一例であり、本第1実施形態において、リンクファイルの管理情報は本発明における第1情報(より詳しくは請求項9に記載の第1情報)の一例であり、リンクファイルの管理情報のうちの「リンク先」は本発明における第2情報(より詳しくは請求項9に記載の第2情報)の一例である。
【0038】
次のステップ50では、格納場所が移動されたファイルをリンク先とする他のリンクファイルの管理情報がファイル管理DB20に登録されているか否か探索し、該当する他のリンクファイルが有るか否か判定する。なお、ステップ50の探索は、例えばファイル管理DB20に対し、「リンク先」に格納場所が移動される前のファイルを指し示す情報が設定されている管理情報を検索することで実現される。該当する他のリンクファイルが存在しない場合には、ステップ50の判定が否定されてファイル移動時処理を終了する。
【0039】
また、該当する他のリンクファイルが存在する場合は、ステップ50の判定が肯定されてステップ52へ移行し、該当する他のリンクファイルの管理情報のうちの「リンク先」を、格納場所が移動された後のファイルを指し示す情報(リンク先のファイルの移動後の格納場所及び名称を表す情報)へ更新し、ファイル移動時処理を終了する。なお、ステップ52は本発明における更新手段(より詳しくは請求項9に記載の更新手段)による処理の一例である。
【0040】
上記のファイル移動時処理により、例えば図8(C)に示すように、フォルダA内に格納されている文書A,Bのうちの文書Aの格納場所がフォルダB内へ移動された場合、文書Aの管理情報のうちの「場所」が、フォルダA内であることを表す"/フォルダA/"から、フォルダB内であることを表す"/フォルダB/"へ変更される。また、文書Aの移動前の格納場所であるフォルダA内に、文書Aを指し示すリンクファイルが生成され、当該リンクファイルの管理情報として、「場所」にフォルダA内であることを表す"/フォルダA/"が設定され、「種別」に文書を指し示すリンクファイルであることを表す"DOCUMENT_LINK"が設定され、「リンク先」に文書Aの格納場所及び名称を表す"/フォルダB/文書A"が設定され、「名称」として"文書A"が設定された管理情報がファイル管理DB20に追加登録されることになる。
【0041】
また、図8(C)に示す状態から、例えば図8(D)に示すように、フォルダB内に格納されている文書Aの格納場所がルートフォルダ内へ更に移動された場合には、上記のファイル移動時処理が再度行われることで、文書Aの管理情報のうちの「場所」が、フォルダB内であることを表す"/フォルダB/"から、ルートフォルダ内であることを表す"/"へ変更される。また、文書Aの移動前の格納場所であるフォルダB内に、文書Aを指し示すリンクファイルが生成され、当該リンクファイルの管理情報として、「場所」にフォルダB内であることを表す"/フォルダB/"が設定され、「種別」に文書を指し示すリンクファイルであることを表す"DOCUMENT_LINK"が設定され、「リンク先」に文書Aの格納場所及び名称を表す"/文書A"が設定され、「名称」として"文書A"が設定された管理情報がファイル管理DB20に追加登録される。また、文書Aを指し示すリンクファイルはフォルダA内にも存在しているので、ファイル移動時処理(図3)のステップ50の判定が肯定され、当該リンクファイルの管理情報のうちの「リンク先」も、元の"/フォルダB/文書A"から"/文書A"へ変更されることになる。
【0042】
上記のように、ファイル格納領域内に既に格納されている何れかのファイルの格納場所が移動される度に、格納場所が移動されたファイルの移動前の格納場所に、格納場所が移動されたファイルをリンク先とするリンクファイルが生成されると共に、格納場所が移動されたファイルをリンク先とする他のリンクファイルについても、管理情報のうちの「リンク先」が、格納場所が移動されたファイルの移動後の格納場所及び名称を表す情報へ変更される。
【0043】
また、ファイル格納領域内に既に格納されている何れかのファイルの名称が変更された場合には、これを契機としてOSによってファイル管理プログラムが起動されることで、図4に示すファイル名称変更時処理が行われる。ファイル名称変更時処理では、まずステップ60において、名称が変更されたファイルの変更前/変更後の名称、格納場所の各情報がOSから取得される。次のステップ62では、ステップ60で取得した情報のうち、ファイルの変更前の名称と格納場所をキーとして用いてファイル管理DB20を検索する。ステップ64では、ステップ62の検索でファイル管理DB20から抽出された管理情報(名称が変更されたファイルの管理情報)のうちの「名称」を変更後の名称へ更新する。
【0044】
次のステップ66では、名称が変更されたファイルをリンク先とするリンクファイルの管理情報がファイル管理DB20に登録されているか否か探索し、該当するリンクファイルが有るか否か判定する。なお、ステップ66の探索は、例えば「リンク先」に名称が変更される前のファイルの格納場所及び名称を表す情報が設定されている管理情報を検索することで実現される。該当するリンクファイルが存在しない場合には、ステップ66の判定が否定されてファイル名称変更時処理を終了する。また、該当するリンクファイルが存在する場合は、ステップ66の判定が肯定されてステップ68へ移行し、該当するリンクファイルの管理情報のうちの「リンク先」を名称が変更されたファイルの格納場所及び名称を表す情報へ更新すると共に、「名称」を名称が変更されたファイルの変更後の名称へ変更し、ファイル名称変更時処理を終了する。なお、上述したステップ66,68は請求項5に記載の更新手段による処理の一例である。
【0045】
上記のファイル名称変更時処理により、例えば図8(D)に示す状態から、図9(A)に示すように、ルートフォルダ内に格納されている文書Aの名称が「文書A」から「文書C」へ変更された場合、元の文書Aの管理情報のうちの「名称」が"文書A"から"文書C"へ変更される。また、名称変更前の文書Aを指し示すリンクファイルはフォルダA,B内に各々存在しているが、これらのリンクファイルの管理情報のうち、「リンク先」はルートフォルダ内の文書Aの格納場所及び名称を表す"/文書A"からルートフォルダ内の文書Cの格納場所及び名称を表す"/文書C"へ変更され、「名称」は"文書A"から"文書C"へ変更される。
【0046】
また、ファイル格納領域内に格納されている何れかのファイルが削除された場合には、これを契機としてOSによってファイル管理プログラムが起動されることで、図5に示すファイル削除時処理が行われる。ファイル削除時処理では、まずステップ70において、削除されたファイルの名称、格納場所の各情報がOSから取得される。次のステップ72では、ステップ70で取得したファイルの名称と格納場所をキーとして用いてファイル管理DB20を検索する。ステップ74では、ステップ72の検索でファイル管理DB20から抽出された管理情報(削除されたファイルの管理情報)をファイル管理DB20から削除する。
【0047】
次のステップ76では、削除されたファイルをリンク先とするリンクファイルの管理情報がファイル管理DB20に登録されているか否か探索し、該当するリンクファイルが有るか否か判定する。なお、ステップ76の探索は、「リンク先」に削除されたファイルの格納場所及び名称を表す情報が設定されている管理情報を検索することで行うことができる。該当するリンクファイルが存在しない場合には、ステップ76の判定が否定されてファイル削除時処理を終了する。また、該当するリンクファイルが存在する場合はステップ76の判定が肯定されてステップ78へ移行し、該当するリンクファイルの管理情報にリンク先のファイルが削除されたことを意味する削除フラグを付加し、ファイル削除時処理を終了する。
【0048】
上記のファイル削除時処理により、例えば図8(D)に示す状態から、図9(B)に示すように、ルートフォルダ内に格納されている文書Aが削除された場合、文書Aの管理情報がファイル管理DB20から削除される。また、文書Aを指し示すリンクファイルはフォルダA,B内に各々存在しているが、これらのリンクファイルの管理情報はファイル管理DB20から削除されることなく、削除フラグが各々付加される。
【0049】
また、ファイル格納領域内に存在する何れかのフォルダが、当該フォルダに格納されているファイルと一体に圧縮された場合には、これを契機としてOSによってファイル管理プログラムが起動されることで、図6に示すフォルダ圧縮時処理が行われる。図6に示すフォルダ圧縮時処理は、請求項7に記載の更新手段による処理の一例であり、まずステップ80では、圧縮されたフォルダの名称、場所の各情報がOSから取得される。次のステップ82では、圧縮されたフォルダに格納されていたファイルの管理情報(「場所」として圧縮されたフォルダが設定され、「種別」が"FOLDER"でも"xxx_LINK"でもない管理情報)を検索し、該当する管理情報を、圧縮されたフォルダに格納されていたファイルの管理情報としてファイル管理DB20から抽出する。
【0050】
次のステップ84では、ステップ82で管理情報が抽出されたファイル(圧縮されたフォルダに格納されていたファイル)をリンク先とするリンクファイルの管理情報がファイル管理DB20に登録されているか否か探索し、該当するリンクファイルが有るか否か判定する。なお、ステップ84の探索は、「リンク先」に、圧縮されたフォルダに格納されていたファイルの格納場所及び名称を表す情報が設定されている管理情報を検索することで行うことができる。該当するリンクファイルが存在しない場合には、ステップ84の判定が否定されてフォルダ圧縮時処理を終了する。また、該当するリンクファイルが存在する場合はステップ84の判定が肯定されてステップ86へ移行し、該当するリンクファイルの管理情報のうちの「リンク先」を、圧縮されたフォルダの場所及び名称を表す情報へ変更し、フォルダ圧縮時処理を終了する。
【0051】
上記のフォルダ圧縮時処理により、例えば図8(C)に示す状態から、図9(C)に示すように、文書Aを格納するフォルダBが文書Aと一体に圧縮された場合、フォルダA内に存在している文書Aを指し示すリンクファイルの管理情報は、「リンク先」が文書Aの格納場所及び名称を表す"/フォルダB/文書A"から、フォルダBの場所及び名称を表す"/フォルダB"へ変更されることになる。
【0052】
また、ファイル格納領域内に存在する何れかのリンクファイルを選択する操作が利用者によって行われた場合、これを契機としてOSによってファイル管理プログラムが起動されることで、図7に示すリンク選択時処理が行われる。このリンク選択時処理は、本発明における処理手段(より詳しくは請求項6,7,11に記載の処理手段)による処理の一例であり、まずステップ90では、利用者によって選択されたリンクファイルの名称、格納場所の各情報がOSから取得される。次のステップ92では、ステップ90で取得したリンクファイルの名称と格納場所をキーとして用いてファイル管理DB20を検索する。
【0053】
ステップ94では、ステップ92の検索でファイル管理DB20から抽出された管理情報(利用者によって選択されたリンクファイルの管理情報)に削除フラグが付加されているか否か判定する。この判定が肯定された場合、利用者によって選択されたリンクファイルが指し示すファイルは既に削除されているので、ステップ100へ移行し、利用者によって選択されたリンクファイルの管理情報のうちの「リンク先」が表すリンク先のファイルの格納場所(削除直前の格納場所)及び名称をディスプレイ12に明示すると共に、リンク先のファイルが削除されたことを通知するメッセージをディスプレイ12に表示し、リンク選択時処理を終了する。これにより、利用者によって選択されたリンクファイルが指し示すファイルが削除されたことが利用者に認識される。
【0054】
また、ステップ94の判定が否定された場合はステップ96へ移行し、利用者によって選択されたリンクファイルのリンク先のコンテンツの管理情報を参照し、リンク先のコンテンツの管理情報のうちの「種別」が"FOLDER"か否か判定する。この判定が肯定された場合、利用者によって選択されたリンクファイルが指し示すファイルはフォルダと一体に圧縮されているので、ステップ102へ移行し、利用者によって選択されたリンクファイルの管理情報のうちの「リンク先」が表すリンク先のフォルダの場所及び名称をディスプレイ12に明示すると共に、リンクファイルが当初指し示していたファイルがフォルダと一体に圧縮されていることを通知するメッセージをディスプレイ12に表示し、リンク選択時処理を終了する。これにより、利用者によって選択されたリンクファイルが当初指し示していたファイルがフォルダと一体に圧縮されている状態であることが利用者に認識される。
【0055】
また、ステップ96の判定が否定された場合はステップ98へ移行し、利用者によって選択されたリンクファイルが指し示すファイルにアクセスし、当該ファイルを「開く」処理(リンクファイルが指し示すファイルの形式と関連付けられたアプリケーション・プログラムによって前記ファイルを開く処理)を行い、リンク選択時処理を終了する。なお、リンクファイルが指し示すファイルを開く処理に代えて、リンクファイルが指し示すファイルの格納場所をディスプレイ12に表示する等によって利用者に通知する処理を行ってもよいし、リンクファイルが指し示すファイルが格納されたフォルダを開く処理を行うようにしてもよい。
【0056】
上述したように、本第1実施形態では、ファイルの格納場所が移動される度に、格納場所が移動されたファイルを指し示すリンクファイルの管理情報のうちの「リンク先」を、前記ファイルの移動後の格納場所及び名称を表す情報に変更するので、個々のリンクファイルは、リンク先のファイルの格納場所が複数回移動されたとしても、リンク先のファイルを直接指し示す状態で維持される。また、ファイルの名称が変更された場合は、名称が変更されたファイルを指し示すリンクファイルの管理情報のうちの「リンク先」を、前記ファイルの格納場所及び変更後の名称を表す情報に変更するので、個々のリンクファイルは、リンク先のファイルの名称が変更されたとしても、リンク先のファイルを直接指し示す状態で維持される。
【0057】
〔第2実施形態〕
次に本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0058】
図10に示すように、本第2実施形態に係る情報処理装置10の記憶部10Cには、ファイル管理プログラム18等に加え、メールアプリケーション22のプログラムもインストールされてている。メールアプリケーション22のプログラムは、電子メールの送受信や、電子メールの本文内に記述されたリンクが指し示すファイルの保存が指示されると指示されたファイルをダウンロード等によって取得して保存する処理、後述するファイル新規保存時処理(図12)等を行うためのプログラムであり、情報処理装置10は、CPU10Aがメールアプリケーション22のプログラムを実行することで上記各処理を行う。
【0059】
次に本第2実施形態の作用を説明する。本第2実施形態では、ファイル格納領域に存在する個々のコンテンツ(ルートフォルダを含む各フォルダや各ファイル)に対し、個々のコンテンツを識別するための互いに異なるコンテンツ識別子が各々付与される。そして本第2実施形態に係るファイル管理DBは、例として図20(A)に示すように、個々のコンテンツ毎の管理情報として「コンテンツ識別子」「場所識別子」「種別」「リンク先識別子」「名称」、削除フラグ、圧縮フラグ、「(DBへの登録)日付」及び「(アクセス)回数」の各情報を設定可能とされている。なお、「リンク先識別子」「日付」「回数」及び削除フラグはコンテンツがリンクファイルの場合に設定され、圧縮フラグはコンテンツがフォルダ又はファイルの場合に設定される。また、本第2実施形態では、「場所識別子」及び「リンク先」として、対象となるコンテンツのコンテンツ識別子のみが設定される。
【0060】
例えば図20(A)には、第1実施形態で説明した図8(A)と同様に、ルートフォルダ内にフォルダA,Bが作成されることで、ルートフォルダ及びフォルダA,Bの管理情報がファイル管理DB20に各々登録された状態を示している。図20(A)に示すように、ルートフォルダにはコンテンツ識別子として"FOLDER_1"が、フォルダAにはコンテンツ識別子として"FOLDER_2"が、フォルダBにはコンテンツ識別子として"FOLDER_2"が各々付与されており、フォルダA,Bには場所識別子としてルートフォルダのコンテンツ識別子である"FOLDER_1"が各々設定されている。
【0061】
本第2実施形態において、ファイル格納領域内の任意の場所に任意のファイルが新規に保存された場合には、これを契機としてOSによってファイル管理プログラムが起動されることで、図11に示すファイル新規保存時処理が行われる。図11に示すファイル新規保存時処理では、まずステップ30において、ファイル格納領域内の何れかの場所に新規保存されたファイルの名称、種別、格納場所の各情報がOSから取得される。
【0062】
ステップ32では新規保存されたファイルに対してコンテンツ識別子を付与する。ステップ32で付与するコンテンツ識別子は、同一種別のファイルに既に付与したコンテンツ識別子と重複しないように決定される。そしてステップ34では、ステップ30で取得した格納場所を、ファイル管理DB20に登録されている情報に基づいて、当該格納場所に付与されたコンテンツ識別子へ変換した後に、新規保存されたファイルの管理情報として、「コンテンツ識別子」にステップ32で付与したコンテンツ識別子を設定し、「場所識別子」に格納場所に対応するコンテンツ識別子を設定し、「種別」及び「名称」にステップ30で取得した種別及び名称を設定した情報をファイル管理DB20に追加登録し、ファイル新規保存時処理を終了する。
【0063】
上記のファイル新規保存時処理により、例えば図20(B)に示すように、フォルダA内に文書A及び文書Bが各々新規保存された場合、ファイル管理DB20には、新規保存された文書Aの管理情報として、「コンテンツ識別子」に"DOCUMENNT_001"が、「場所識別子」にフォルダAのコンテンツ識別子である"FOLDER_2"が、「種別」に"DOCUMENT"が、「名称」に"文書A"が設定された管理情報が登録されると共に、新規保存された文書Bの管理情報として、「コンテンツ識別子」に"DOCUMENNT_002"が、「場所識別子」にフォルダAのコンテンツ識別子である"FOLDER_2"が、「種別」に"DOCUMENT"が、「名称」に"文書B"が設定された管理情報が登録されることになる。
【0064】
なお、本第2実施形態に係るファイル管理DB20に登録される情報のうち、個々のリンクファイルの管理情報は本発明における第1情報(より詳しくは請求項10に記載の第1情報)の一例であり、個々のフォルダ及びファイルの管理情報は本発明における第2情報(より詳しくは請求項10に記載の第2情報)の一例である。
【0065】
また本第2実施形態において、利用者からの指示に従い、メールアプリケーション22が受信した電子メールの本文をディスプレイ12に表示させる処理を行っている状態で、利用者により、電子メールの本文に記述された特定のファイルを指し示すリンクを選択し、選択したリンクが指し示す特定のファイルを、ファイル格納領域内の指定した格納場所に、指定した名称で保存することを指示する操作が行われた場合には、メールアプリケーション22(のプログラムを実行している情報処理装置10)により、図12に示すファイル新規保存時処理が行われる。
【0066】
図12に示すファイル新規保存時処理は、請求項12に記載の登録手段による処理の一例であり、まずステップ110では、利用者によって選択されたリンクが指し示すファイルを、前記リンクに埋め込まれたアドレス情報が表すアドレスからダウンロードする等によって取得し、取得したファイルを、利用者から指定された名称で、利用者から指定された格納場所に保存する処理が行われる。またステップ112では、ステップ110で保存したファイルを指し示すリンクが本文に記述された電子メールを、予め設定された格納場所(例えばルートフォルダ内)に保存する。
【0067】
ステップ114では、ステップ112で保存した電子メールに対してコンテンツ識別子を付与する。そしてステップ116では、ステップ112で保存した電子メールの管理情報として、予め設定された電子メールの格納場所を、ファイル管理DB20に登録されている情報に基づいて、当該格納場所に付与されたコンテンツ識別子へ変換した後に、保存した電子メールの管理情報として、「コンテンツ識別子」にステップ114で付与したコンテンツ識別子を設定し、「場所識別子」に格納場所に対応するコンテンツ識別子を設定し、「種別」に"MAIL"を設定し、「名称」に保存した電子メールの名称を設定した情報をファイル管理DB20に追加登録する。
【0068】
またステップ118では、ステップ110で保存したファイルに対してコンテンツ識別子を付与する。そしてステップ120では、ステップ110で保存したファイルの格納場所を、ファイル管理DB20に登録されている情報に基づいて、当該格納場所に付与されたコンテンツ識別子へ変換した後に、ステップ110で保存したファイルの管理情報として、「コンテンツ識別子」にステップ118で付与したコンテンツ識別子を設定し、「場所識別子」に格納場所に対応するコンテンツ識別子を設定し、「種別」及び「名称」に保存したファイルの種別及び名称を設定し、「リンク識別子」に対応する電子メールのコンテンツ識別子を設定した情報をファイル管理DB20に追加登録し、図12に示すファイル新規保存時処理を終了する。
【0069】
上記のファイル新規保存時処理により、例えば図22に示すように、ルートフォルダ内に文書Aが格納され、フォルダA内に文書B、文書Aを指し示すリンクファイルが格納され、フォルダB内に文書Aを指し示すリンクファイルが格納されている状態で、電子メール(メールA)の本文に記述されたリンクが指し示す文書CのフォルダB内への保存が指示された場合、文書CがフォルダBに保存されると共に、対応する電子メール(メールA)が予め設定された電子メールの格納場所(図22ではルートフォルダ内)に保存される。
【0070】
そしてファイル管理DB20には、保存されたメールAの管理情報として、「コンテンツ識別子」に"MAIL_001"が、「場所識別子」にルートフォルダのコンテンツ識別子である"FOLDER_1"が、「種別」に"MAIL"が、「名称」に"メールA"が設定された管理情報が登録されると共に、保存された文書Cの管理情報として、「コンテンツ識別子」に"DOCUMENNT_005"が、「場所識別子」にフォルダBのコンテンツ識別子である"FOLDER_3"が、「種別」に"DOCUMENT"が、「リンク識別子」に対応する電子メールのコンテンツ識別子である"MAIL_001"が、「名称」に"文書C"が設定された管理情報が登録されることになる。
【0071】
また、本第2実施形態において、ファイル格納領域内に既に格納されている何れかのファイルの格納場所が移動された場合には、これを契機としてOSによってファイル管理プログラムが起動されることで、図13に示すファイル移動時処理が行われる。ファイル移動時処理では、まずステップ40において、格納場所が移動されたファイルの名称、移動元の格納場所及び移動先の格納場所の各情報がOSから取得される。
【0072】
次のステップ42では、ステップ40で取得した移動元の格納場所を、ファイル管理DB20に登録されている情報に基づいて、当該格納場所に付与されたコンテンツ識別子へ変換した後に、格納場所が移動されたファイルの名称と移動元の格納場所のコンテンツ識別子をキーとして用いてファイル管理DB20を検索する。ステップ45では、ステップ40で取得した移動先の格納場所を、ファイル管理DB20に登録されている情報に基づいて、当該格納場所に付与されたコンテンツ識別子へ変換した後に、ステップ43の検索でファイル管理DB20から抽出された管理情報(格納場所が移動されたファイルの管理情報)のうちの「場所識別子」を移動先の格納場所の識別子へ更新する。なお、ステップ40〜ステップ45は本発明における更新手段(より詳しくは請求項10に記載の更新手段)による処理の一例である。
【0073】
またステップ46では、格納場所が移動されたファイルの移動元の格納場所に、格納場所が移動されたファイルを指し示す(格納場所が移動されたファイルをリンク先とする)リンクファイルを生成する。なお、ステップ46は請求項2に記載の生成手段による処理の一例である。
【0074】
次のステップ47では、生成したリンクファイルに対してコンテンツ識別子を付与する。そしてステップ49では、ステップ46で生成したリンクファイルの管理情報として、「コンテンツ識別子」にステップ47で生成したコンテンツ識別子を設定し、「場所識別子」に格納場所が移動されたファイルの移動元の格納場所の識別子を設定し、「種別」にリンクファイルであることを表す情報を設定し、「リンク先」としてリンク先のファイルのコンテンツ識別子を設定し、「名称」としてリンク先のファイルと同一の名称を設定した管理情報をファイル管理DB20に登録し、ファイル移動時処理を終了する。なお、ステップ47,49は本発明における登録手段(より詳しくは請求項3,5,10に記載の登録手段)による処理の一例である。
【0075】
なお、本第2実施形態では、ファイル管理DB20に登録する管理情報のうちの「リンク先」に、上記のようにリンク先のファイルのコンテンツ識別子を設定しており、この情報はリンク先のファイルの格納場所が移動したとしても変更する必要はないので、第1実施形態で説明したファイル移動時処理(図3)のように、格納場所が移動されたファイルをリンク先とする他のリンクファイルの管理情報を探索し、該当するリンクファイルの管理情報のうちの「リンク先」を更新する処理は不要である。
【0076】
上記のファイル移動時処理により、例えば図20(C)に示すように、フォルダA内に格納されている文書A,Bのうちの文書Aの格納場所がフォルダB内へ移動された場合、文書Aの管理情報のうちの「場所識別子」が、フォルダAに対応する"FOLDER_2"から、フォルダBに対応する"FOLDER_3"へ変更される。また、文書Aの移動前の格納場所であるフォルダA内に、文書Aを指し示すリンクファイルが生成され、当該リンクファイルの管理情報として、「コンテンツ識別子」に当該リンクファイルのコンテンツ識別子である"DOCUMENT_003"が設定され、「場所識別子」にフォルダAに対応する"FOLDER_2"が設定され、「種別」に文書を指し示すリンクファイルであることを表す"DOCUMENT_LINK"が設定され、「リンク先」に文書Aのコンテンツ識別子である"DOCUMENT_001 "が設定され、「名称」として"文書A"が設定された管理情報がファイル管理DB20に追加登録されることになる。
【0077】
また、図20(C)に示す状態から、例えば図21(A)に示すように、フォルダB内に格納されている文書Aの格納場所がルートフォルダ内へ更に移動された場合には、上記のファイル移動時処理が再度行われることで、文書Aの管理情報のうちの「場所識別子」が、フォルダBに対応する"FOLDER_3"から、ルートフォルダに対応する"FOLDER_1"へ変更される。また、文書Aの移動前の格納場所であるフォルダB内に、文書Aを指し示すリンクファイルが生成され、当該リンクファイルの管理情報として、「コンテンツ識別子」に当該リンクファイルのコンテンツ識別子である"DOCUMENT_003"が設定され、「場所識別子」にフォルダBに対応する"FOLDER_3"が設定され、「種別」に文書を指し示すリンクファイルであることを表す"DOCUMENT_LINK"が設定され、「リンク先」に文書Aのコンテンツ識別子である"DOCUMENT_001"が設定され、「名称」として"文書A"が設定された管理情報がファイル管理DB20に追加登録される。なお、フォルダA内に存在しており文書Aを指し示すリンクファイルの管理情報は変更されない。
【0078】
また、本第2実施形態において、ファイル格納領域内に既に格納されている何れかのファイルの名称が変更された場合には、これを契機としてOSによってファイル管理プログラムが起動されることで、図14に示すファイル名称変更時処理が行われる。図14に示すファイル名称変更時処理は請求項5に記載の更新手段による処理の一例であり、まずステップ60では、名称が変更されたファイルの変更前/変更後の名称、格納場所の各情報がOSから取得される。次のステップ63では、ステップ60で取得した格納場所を、ファイル管理DB20に登録されている情報に基づいて、当該格納場所に付与されたコンテンツ識別子へ変換した後に、ステップ60で取得したファイルの変更前の名称と格納場所のコンテンツ識別子をキーとして用いてファイル管理DB20を検索する。ステップ65では、ステップ63の検索でファイル管理DB20から抽出された管理情報(名称が変更されたファイルの管理情報)のうちの「名称」を変更後の名称へ更新する。
【0079】
次のステップ66では、名称が変更されたファイルをリンク先とするリンクファイルの管理情報がファイル管理DB20に登録されているか否か探索し、該当するリンクファイルが有るか否か判定する。なお、ステップ66の探索は、例えば「リンク先」にリンク先のファイルのコンテンツ識別子が設定されている管理情報を検索することで実現される。該当するリンクファイルが存在しない場合には、ステップ66の判定が否定されてファイル名称変更時処理を終了する。また、該当するリンクファイルが存在する場合は、ステップ66の判定が肯定されてステップ69へ移行し、該当するリンクファイルの管理情報のうちの「名称」を名称が変更されたファイルの変更後の名称へ変更し、ファイル名称変更時処理を終了する。
【0080】
なお、リンク先のファイルの名称はリンク先のファイルの管理情報に設定されているので、本実施形態では、リンクファイルの管理情報に「名称」を設定せずに、名称を取得する必要が生じた際にはリンク先のファイルの管理情報を参照して名称を取得するようにしてもよい。この場合、ステップ66におけるリンクファイルの管理情報の検索を省略することができる。
【0081】
また、本第2実施形態において、ファイル格納領域内に格納されている何れかのファイルが削除された場合には、これを契機としてOSによってファイル管理プログラムが起動されることで、図15に示すファイル削除時処理が行われる。このファイル削除時処理では、まずステップ70において、削除されたファイルの名称、格納場所の各情報がOSから取得される。次のステップ73では、ステップ70で取得した格納場所を、ファイル管理DB20に登録されている情報に基づいて、当該格納場所に付与されたコンテンツ識別子へ変換した後に、ステップ70で取得したファイルの名称と格納場所のコンテンツ識別子をキーとして用いてファイル管理DB20を検索する。ステップ74では、ステップ73の検索でファイル管理DB20から抽出された管理情報(削除されたファイルの管理情報)をファイル管理DB20から削除する。
【0082】
次のステップ76では、削除されたファイルをリンク先とするリンクファイルの管理情報がファイル管理DB20に登録されているか否か探索し、該当するリンクファイルが有るか否か判定する。なお、ステップ76の探索は、例えば削除されたファイルのコンテンツ識別子(ステップ74で削除した管理情報に設定されていたコンテンツ識別子)が「リンク先」として設定されている管理情報を検索することで実現される。該当するリンクファイルが存在しない場合には、ステップ76の判定が否定されてファイル削除時処理を終了する。また、該当するリンクファイルが存在する場合はステップ76の判定が肯定されてステップ78へ移行し、該当するリンクファイルの管理情報にリンク先のファイルが削除されたことを意味する削除フラグを付加し、ファイル削除時処理を終了する。なお、ステップ76,78は請求項6に記載の更新手段による処理の一例である。
【0083】
また、本第2実施形態において、ファイル格納領域内に存在する何れかのフォルダが、当該フォルダに格納されているファイルと一体に圧縮された場合には、これを契機としてOSによってファイル管理プログラムが起動されることで、図16に示すフォルダ圧縮時処理が行われる。図16に示すフォルダ圧縮時処理は、請求項8に記載の更新手段による処理の一例であり、まずステップ80では、圧縮されたフォルダの名称、場所の各情報がOSから取得される。次のステップ83では、ステップ80で取得した場所を、ファイル管理DB20に登録されている情報に基づいて、当該場所に付与されたコンテンツ識別子へ変換した後に、ステップ80で取得したフォルダの名称と場所のコンテンツ識別子をキーとして用いてファイル管理DB20を検索する。ステップ85では、ステップ83の検索でファイル管理DB20から抽出された管理情報(圧縮されたフォルダの管理情報)に圧縮フラグを付加する。
【0084】
またステップ87では、圧縮されたフォルダに格納されていたファイルの管理情報を探索する。なお、ステップ87の探索は、例えば圧縮されたフォルダのコンテンツ識別子が「場所識別子」として設定されており、「種別」が"FOLDER"でも"***_LINK"でもない管理情報を検索することで実現される。そしてステップ88では、ステップ85の検索でファイル管理DB20から抽出された管理情報(圧縮されたフォルダに格納されていたファイルの管理情報)に圧縮フラグを付加し、フォルダ圧縮時処理を終了する。
【0085】
上記のフォルダ圧縮時処理により、例えば図20(C)に示す状態から、図21(B)に示すように、文書Aを格納するフォルダBが文書Aと一体に圧縮された場合、フォルダBの管理情報及び文書Aの管理情報には各々削除フラグが付加されることになる。
【0086】
また、本第2実施形態において、ファイル格納領域内に存在する何れかのリンクファイルを選択する操作が利用者によって行われた場合、これを契機としてOSによってファイル管理プログラムが起動されることで、図17に示すリンク選択時処理が行われる。このリンク選択時処理は、本発明における処理手段(より詳しくは請求項6,8,11に記載の処理手段)による処理の一例であり、まずステップ90では、利用者によって選択されたリンクファイルの名称、格納場所の各情報がOSから取得される。
【0087】
次のステップ91では、ステップ90で取得した格納場所を、ファイル管理DB20に登録されている情報に基づいて、当該格納場所に付与されたコンテンツ識別子へ変換した後に、ステップ90で取得したリンクファイルの名称と格納場所のコンテンツ識別子をキーとして用いてファイル管理DB20を検索する。またステップ93では、ステップ91の検索でファイル管理DB20から抽出された管理情報(利用者によって選択されたリンクファイルの管理情報)の「回数」に設定されている値(リンクファイルのアクセス回数)を1だけインクリメントする。
【0088】
ステップ94では、利用者によって選択されたリンクファイルの管理情報に削除フラグが付加されているか否か判定する。この判定が肯定された場合、利用者によって選択されたリンクファイルが指し示すファイルは既に削除されているので、ステップ100へ移行し、リンク先のファイルが削除されたことを通知するメッセージをディスプレイ12に表示し、リンク選択時処理を終了する。これにより、利用者によって選択されたリンクファイルが指し示すファイルが削除されたことが利用者に認識される。
【0089】
また、ステップ94の判定が否定された場合はステップ97へ移行し、利用者によって選択されたリンクファイルの管理情報のうちの「リンク先」に設定されているコンテンツ識別子をキーにしてファイル管理DB20を検索し、当該検索によって抽出されたリンク先のファイルの管理情報に圧縮フラグが付加されているか否か判定する。この判定が肯定された場合、利用者によって選択されたリンクファイルが指し示すファイルはフォルダと一体に圧縮されているので、ステップ102へ移行し、利用者によって選択されたリンクファイルが当初指し示していたファイルがフォルダと一体に圧縮されていることを通知するメッセージをディスプレイ12に表示し、リンク選択時処理を終了する。これにより、利用者によって選択されたリンクファイルが当初指し示していたファイルがフォルダと一体に圧縮されている状態であることが利用者に認識される。
【0090】
また、ステップ97の判定が否定された場合はステップ98へ移行し、利用者によって選択されたリンクファイルが指し示すファイルにアクセスし、当該ファイルを「開く」処理(リンクファイルが指し示すファイルの形式と関連付けられたアプリケーション・プログラムによって前記ファイルを開く処理)を行い、リンク選択時処理を終了する。なお、リンクファイルが指し示すファイルを開く処理に代えて、リンクファイルが指し示すファイルの格納場所をディスプレイ12に表示する等によって利用者に通知する処理を行ってもよいし、リンクファイルが指し示すファイルが格納されたフォルダを開く処理を行うようにしてもよい。
【0091】
また、本第2実施形態において、ファイル格納領域内に存在する何れかのファイルを選択する操作が利用者によって行われた場合、これを契機としてOSによってファイル管理プログラムが起動されることで、図18に示すファイル選択時処理が行われる。このファイル選択時処理は請求項12に記載の処理手段による処理の一例であり、まずステップ130では、利用者によって選択されたファイルの名称、格納場所の各情報がOSから取得される。次のステップ132では、ステップ130で取得した格納場所を、ファイル管理DB20に登録されている情報に基づいて、当該格納場所に付与されたコンテンツ識別子へ変換した後に、ステップ130で取得したファイルの名称と格納場所のコンテンツ識別子をキーとして用いてファイル管理DB20を検索する。
【0092】
ステップ134では、ステップ132の検索で抽出された管理情報(利用者によって選択されたファイルの管理情報)に、「リンク先」としてコンテンツ識別子が設定されているか否か判定する。判定が否定された場合はファイル選択時処理を終了する。この場合、利用者によって選択されたファイルと関連付けられたアプリケーション・プログラムによって前記ファイルを開く処理等が行われる。
【0093】
一方、ステップ134の判定が肯定された場合、利用者によって選択されたファイルは、メールアプリケーション22によって図12に示すファイル新規保存時処理が行われることで保存されたファイル(電子メールの本文に記述された特定のファイルを指し示すリンクを選択し、選択したリンクが指し示す特定のファイルの保存を指示する操作が利用者によって行われることで保存されたファイル)と判断できる。このため、ステップ136へ移行し、ステップ132の検索で抽出された管理情報のうちの「リンク先」に設定されているコンテンツ識別子をキーとして用いてファイル管理DB20を検索し、当該検索で抽出された管理情報(利用者によって選択されたファイルと関連付けられた電子メールの管理情報)のうち、予め設定された情報(例えば電子メールの名称や格納場所等)をディスプレイ12に表示させ、ファイル選択時処理を終了する。この場合、利用者が選択したファイルと対応付けられた電子メールが存在していることや、当該電子メールの名称や格納場所等が利用者に認識される。
【0094】
また、本第2実施形態において、ファイル管理プログラムは定期的に起動されることで、図19に示すリンクファイル管理処理も定期的に実行される。このリンクファイル管理処理は、請求項4に記載の削除手段による処理の一例であり、まずステップ140では、リンクファイルの総数を設定するための変数Sが0に初期設定される。次のステップ142では、ファイル管理DB20に登録されている未処理のリンクファイルの管理情報(例えば「種別」として"***_LINK"が設定された管理情報)を探索する。ステップ144では、ステップ142の探索で該当する管理情報が抽出されたか否かに基づいて、ファイル格納領域内に未処理のリンクファイルが存在しているか否か判定する。
【0095】
ステップ144の判定が肯定された場合はステップ146へ移行し、変数Sを1だけインクリメントする。またステップ148では、ステップ142の探索で抽出されたリンクファイルの管理情報に設定されている「(登録)日時」及び「(アクセス)回数」に基づき、管理情報が抽出されたリンクファイルのアクセス頻度を演算し、演算したアクセス頻度をリンクファイルのコンテンツ識別子と対応付けてメモリ10Bに記憶させ、ステップ142に戻る。これにより、ステップ144の判定が肯定される迄、ステップ142〜ステップ148が繰り返され、ファイル管理DB20に管理情報が登録されているリンクファイルの総数が変数Sに設定されると共に、ファイル管理DB20に管理情報が登録されている個々のリンクファイルについて、アクセス頻度が各々演算されて記憶される。
【0096】
ファイル管理DB20に管理情報が登録されているリンクファイルについて上述した処理を行うと、ステップ144の判定が否定されてステップ150へ移行し、変数S(ファイル管理DB20に管理情報が登録されているリンクファイルの総数が)が予め設定された閾値Smaxよりも大きいか否か判定する。判定が否定された場合はファイル格納領域内に存在するリンクファイルの総数は閾値Smax以下であるので、リンクファイル管理処理を終了する。
【0097】
本実施形態では、ファイル格納領域内でファイルの格納場所が移動される度に、格納場所が移動されたファイルをリンク先とするリンクファイルを、格納場所が移動されたファイルの移動前の格納場所に生成するので、ファイル格納領域内に存在するリンクファイルの数は徐々に増加し、その総数が閾値Smaxよりも大きくなる可能性がある。この場合には、ステップ150の判定が肯定されてステップ152へ移行し、個々のリンクファイル毎に演算してメモリ10Bに記憶させたアクセス頻度が最小のリンクファイルを抽出する。ステップ154では、抽出したアクセス頻度が最小のリンクファイルをファイル格納領域から削除し、次のステップ156では、削除したリンクファイルの管理情報をファイル管理DB20から削除する。ステップ158では変数Sを1だけデクリメントし、ステップ150に戻る。
【0098】
これにより、ステップ150の判定が否定される迄の間、ステップ150〜ステップ158が繰り返され、ファイル格納領域内に存在するリンクファイルの総数Sが閾値Smax以下になるように、ファイル格納領域内に存在するリンクファイルが、アクセス頻度の小さい順に削除されることになる。なお、アクセス頻度の小さい順に代えて、管理情報がファイル管理DB20に登録されてからの経過時間の長い順、或いは、アクセス回数の少ない順にリンクファイルを削除するようにしてもよい。
【0099】
上述したように、本第2実施形態では、リンクファイルの管理情報のうちの「リンク先」に、リンク先のファイルに付与されたコンテンツ識別子を設定しておき、ファイルの格納場所が移動される度に、格納場所が移動されたファイルの「場所識別子」を前記ファイルの移動後の格納場所の識別子に変更するので、リンク先のファイルの格納場所が複数回移動されたとしても、ファイル管理DB20に登録されている情報に基づき、個々のリンクファイルが指し示すファイル及びその格納場所を判別できる。また、リンクファイルの管理情報のうちの「リンク先」に、リンク先のファイルに付与されたコンテンツ識別子を設定しておくことで、ファイルの格納場所が移動された場合にも、格納場所が移動されたファイルをリンク先とするリンクファイルの管理情報を検索して変更する処理が不要になる。
【0100】
なお、上記ではファイル管理DB20に記憶されたリンクファイルの管理情報を、個々のリンクファイルが選択された際に、リンク先のファイルを判別するために用いる態様を説明したが、これに限られるものではない。上述した各実施形態では、ファイル格納領域内に存在するファイルの格納場所が移動される度に、格納場所が移動されたファイルをリンク先とするリンクファイルを、格納場所が移動されたファイルの移動前の格納場所に生成し、かつリンクファイルの管理情報をファイル管理DB20に追加登録するので、或るファイルをリンク先とするリンクファイルが存在する場所は、当該リンクファイルがリンク先とするファイルが以前に格納されていた場所であることを意味している。このため、特定のファイルの移動履歴の出力が指示された場合に、特定のファイルをリンク先とする全てのリンクファイルの管理情報を検索し、当該検索によって抽出されたリンクファイルの格納場所を、特定ファイルの格納場所の移動履歴として出力するようにしてもよい。特に第2実施形態で説明したリンクファイルの「(登録)日時」は、リンク先のファイルの格納場所の移動日時に等しいので、上記の移動履歴の出力にあたり、ファイルの格納場所の移動日時として出力するようにしてもよい。なお、上記態様は請求項3記載の発明の一例である。
【0101】
また、上記ではファイルの格納場所が移動される度に、格納場所が移動されたファイルの移動前の格納場所にリンクファイルを生成する態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ファイルの格納場所が移動された場合は、移動前のファイルの格納場所にリンクファイルを生成することなく、格納場所が移動されたファイルをリンク先とするリンクファイルの管理情報の更新を行い、リンクファイルの生成及び管理情報の登録は、リンクファイルの生成が利用者から指示された場合にのみ行うようにしてもよい。本発明はこの態様も権利範囲に含むものである。
【0102】
また、上記では、利用者が、本発明に係るファイル管理装置の一例として機能する情報処理装置10を直接操作する態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、通信回線を介して複数台の端末装置と接続されたサーバ・コンピュータを本発明に係るファイル管理装置の一例として機能させ、利用者は複数台の端末装置の何れかを介して、ファイルの保存や名称変更、削除、フォルダの圧縮、リンクファイル経由でのファイルへのアクセス等の操作を行う態様にも適用可能であることは言うまでもない。
【0103】
更に、上記ではファイルの格納場所が移動されたことを契機として、格納場所が移動されたファイルの移動前の格納場所にリンクファイルを生成する処理を行う態様を説明したが、本発明におけるリンクファイルはリンク先のファイルの格納場所の移動を契機として生成されるものに限られるものではなく、利用者が所望の場所にリンクファイルを生成させる操作を行ったことを契機として生成されるものであってもよい。この場合も、ファイル管理DB20に管理情報を登録することで、リンク先のファイルの格納場所の移動を契機として生成されたリンクファイルと同様の処理を適用することができる。
【0104】
また、上記では本発明に係るファイル管理プログラムが情報処理装置10の記憶部10Cに予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、本発明に係るファイル管理プログラムは、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体に記録されている形態で提供することも可能である。
【符号の説明】
【0105】
10 情報処理装置
10C 記憶部
12 ディスプレイ
18 ファイル管理プログラム
20 ファイル管理DB
22 メールアプリケーション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
或るファイルを指し示すリンクファイルが生成された際に、生成された前記リンクファイルと前記ファイルとを対応付ける第1情報を記憶手段に登録すると共に、ファイルが新たに格納されるか又は前記ファイルを指し示す前記リンクファイルが生成された際に、前記ファイルの格納場所を表す第2情報を記憶手段に登録する登録手段と、
任意のリンクファイルがアクセスされた場合に、前記記憶手段に登録された前記第1情報及び前記第2情報に基づいて、アクセスされた前記リンクファイルが指し示すファイルの格納場所を判別し、判別した前記格納場所に格納された前記ファイルにアクセスするための処理を行う処理手段と、
前記記憶手段に登録されている前記第1情報によって前記リンクファイルと対応付けられた前記ファイルの格納場所が移動された場合に、格納場所が移動された前記ファイルの格納場所を表す前記第2情報を、前記ファイルの移動後の格納場所を表すように更新する更新手段と、
を含むファイル管理装置。
【請求項2】
任意のファイルの格納場所が移動される度に、格納場所が移動された前記ファイルを指し示すリンクファイルを、前記ファイルの移動前の格納場所に生成する生成手段を更に備えた請求項1記載のファイル管理装置。
【請求項3】
前記登録手段は、前記第1情報として、生成された前記リンクファイルの格納場所を表すリンク格納場所情報を含む情報を前記記憶手段に登録し、
特定のファイルの移動履歴の出力が指示された場合に、前記特定のファイルを指し示す全てのリンクファイルについて、対応する前記第1情報に含まれる前記リンク格納場所情報を前記記憶手段から各々読み出し、読み出した前記リンク格納場所情報が表す格納場所を前記特定のファイルの格納場所の移動履歴として出力する移動履歴出力手段を更に備えた請求項2記載のファイル管理装置。
【請求項4】
前記記憶手段に情報が登録されている個々の前記リンクファイル毎に、アクセスされた回数又はアクセスされた頻度又はリンクファイルが生成されてからの経過時間を管理し、前記記憶手段に情報が登録されている前記リンクファイルの数が予め設定された値を超えた場合に、個々の前記リンクファイル毎に管理している前記アクセスされた回数又は前記アクセスされた頻度又は前記リンクファイルが生成されてからの経過時間に基づいて、個々の前記リンクファイルの中から削除対象のリンクファイルを選択し、選択した削除対象のリンクファイルを削除すると共に、削除したリンクファイルに対応する情報も前記記憶手段から削除する削除手段を更に備えた請求項1〜請求項3の何れか1項記載のファイル管理装置。
【請求項5】
前記登録手段は、前記第1情報及び前記第2情報の少なくとも一方として、前記ファイルの名称を含む情報を前記記憶手段に登録し、
前記更新手段は、任意のファイルの名称が変更され、名称が変更された前記ファイルの変更前の名称を含む前記第1情報及び前記第2情報の少なくとも一方が前記記憶手段に登録されている場合に、前記第1情報及び前記第2情報の少なくとも一方に含まれる前記ファイルの変更前の名称を、前記ファイルの変更後の名称へ変更する請求項1〜請求項4の何れか1項記載のファイル管理装置。
【請求項6】
前記更新手段は、前記リンクファイルと対応付ける前記第1情報が前記記憶手段に登録されている前記ファイルが削除された場合に、対応するファイルが削除されたことを表す削除済情報を前記第1情報に付加し、
前記処理手段は、アクセスされたリンクファイルに対応する前記第1情報に前記削除済情報が付加されている場合には、アクセスされた前記リンクファイルが指し示すファイルが削除されたことを通知する処理を行う請求項1〜請求項5の何れか1項記載のファイル管理装置。
【請求項7】
前記更新手段は、前記格納場所としてのフォルダが当該フォルダに格納されている前記ファイルと一体に圧縮され、圧縮された前記フォルダに格納されている前記ファイルが、前記リンクファイルと対応付ける前記第1情報が前記記憶手段に登録されている前記ファイルである場合に、前記第1情報を、前記リンクファイルを圧縮された前記フォルダと対応付ける情報へ更新し、
前記処理手段は、アクセスされたリンクファイルに対応する前記第1情報が、アクセスされた前記リンクファイルを圧縮された前記フォルダと対応付ける情報である場合に、アクセスされた前記リンクファイルが指し示すファイルが圧縮されていることを通知する処理を行う請求項1〜請求項6の何れか1項記載のファイル管理装置。
【請求項8】
前記更新手段は、前記格納場所としてのフォルダが当該フォルダに格納されている前記ファイルと一体に圧縮され、圧縮されたフォルダに格納されている前記ファイルが、前記リンクファイルと対応付ける前記第1情報が前記記憶手段に登録されている前記ファイルである場合に、対応するファイルが圧縮されていることを表す圧縮中情報を前記第1情報に付加し、
前記処理手段は、アクセスされたリンクファイルに対応する前記第1情報に前記圧縮中情報が付加されている場合には、アクセスされた前記リンクファイルが指し示すファイルが圧縮されていることを通知する処理を行う請求項1〜請求項6の何れか1項記載のファイル管理装置。
【請求項9】
前記登録手段は、或るファイルを指し示すリンクファイルが生成された際に、前記第2情報を前記第1情報と対応付けて前記記憶手段に登録し、
前記更新手段は、前記記憶手段に登録されている前記第1情報によって前記リンクファイルと対応付けられた前記ファイルの格納場所が移動された場合に、前記第1情報と対応付けて前記記憶手段に登録されている前記第2情報を、格納場所が移動された前記ファイルの移動後の格納場所を表す情報へ更新する請求項1〜請求項8の何れか1項記載のファイル管理装置。
【請求項10】
自ファイルを指し示すリンクファイルが生成された個々のファイルには、当該個々のファイルを一意に識別するためのファイル識別子が各々付与され、個々のファイルが格納された個々の格納場所には、当該個々の格納場所を識別するための格納場所識別子が各々付与されており、
前記登録手段は、ファイルが新たに格納された際に、新たに格納された前記ファイルの格納場所を表す第2情報として、新たに格納された前記ファイルに付与された前記ファイル識別子と、前記ファイルの格納場所に付与された前記格納場所識別子と、を対応付ける情報を記憶手段に登録すると共に、或るファイルを指し示すリンクファイルが生成された際に、生成された前記リンクファイルと前記ファイルとを対応付ける第1情報と、前記ファイルに付与された前記ファイル識別子と、を対応付けて前記記憶手段に登録し、
前記更新手段は、前記記憶手段に登録されている前記第1情報によって前記リンクファイルと対応付けられた前記ファイルの格納場所が移動された場合に、前記第2の情報を、格納場所が移動された前記ファイルに付与されたファイル識別子と、前記ファイルの移動後の格納場所に付与された前記格納場所識別子と、を対応付ける情報へ更新する請求項1〜請求項8の何れか1項記載のファイル管理装置。
【請求項11】
前記処理手段は、判別した前記格納場所に格納された前記ファイルにアクセスするための処理として、判別した前記格納場所を通知する処理又は前記ファイルを開く処理を行う請求項1〜請求項10の何れか1項記載のファイル管理装置。
【請求項12】
前記登録手段は、電子メールの本文内のリンクが指し示すファイルの保存が指示された場合に、予め設定された格納場所に前記電子メールを保存し、前記指示に従って保存された前記ファイルと保存した前記電子メールとを対応付ける第1情報を記憶手段に登録すると共に、保存した前記電子メールの格納場所を表す第2情報を記憶手段に登録し、
前記処理手段は、前記電子メールと対応付ける前記第1情報が前記記憶手段に登録されている前記ファイルがアクセスされた場合に、前記記憶手段に登録された前記第1情報及び前記第2情報に基づいて、アクセスされた前記ファイルと対応付けられた前記電子メールの格納場所を判別し、判別した前記格納場所を通知する処理を行う請求項1〜請求項11の何れか1項記載のファイル管理装置。
【請求項13】
コンピュータを、
或るファイルを指し示すリンクファイルが生成された際に、生成された前記リンクファイルと前記ファイルとを対応付ける第1情報を記憶手段に登録すると共に、ファイルが新たに格納されるか又は前記ファイルを指し示す前記リンクファイルが生成された際に、前記ファイルの格納場所を表す第2情報を記憶手段に登録する登録手段、
任意のリンクファイルがアクセスされた場合に、前記記憶手段に登録された前記第1情報及び前記第2情報に基づいて、アクセスされた前記リンクファイルが指し示すファイルの格納場所を判別し、判別した前記格納場所を通知する処理及び判別した前記格納場所に格納された前記ファイルにアクセスするための処理の少なくとも一方を行う処理手段、
及び、前記記憶手段に登録されている前記第1情報によって前記リンクファイルと対応付けられた前記ファイルの格納場所が移動された場合に、格納場所が移動された前記ファイルの格納場所を表す前記第2情報を、前記ファイルの移動後の格納場所を表すように更新する更新手段
として機能させるためのファイル管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−150720(P2012−150720A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−10014(P2011−10014)
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】