説明

ファイル編集装置及びファイル編集プログラム

【課題】機密情報を含むデータと機密情報を含まないデータがあるファイルから機密情報を含まないデータのみを所定のファイル形式で抽出するファイル編集装置を提供する。
【解決手段】ファイル編集装置は、利用者の操作に基づいて指定された個所に、機密情報を含むテーブルと機密情報を含まないテーブルとを有するデータベースファイルのコピーであるコピーデータベースファイルを生成する。そして、ファイル編集装置は、コピーデータベースファイル内における機密情報を含むテーブルからデータを削除する。これにより、ファイル編集装置は、機密情報を含まないコピーデータベースファイルを生成できる。従って、コピーデータベースファイルを利用者に操作させることにより、機密情報が漏洩してしまうことを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイルを編集する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、機密情報を含むデータ(例えば、顧客情報)と機密情報を含まないデータ(例えば店舗情報)とが混在しているデータベースを運用するシステムが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
このようなシステムにおいて、データベース内のデータを所定のファイル形式で抽出した後、当該抽出したデータを編集して、そのデータをデータベースに適用するという利用形態がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−227926号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、抽出したデータのファイルの編集をある利用者に依頼した場合、仮に機密情報以外のデータの編集を依頼した場合であっても、ファイル自体に機密情報を含んでいるため、機密情報を知られるおそれがあり、セキュリティ上問題がある。
【0006】
本発明が解決しようとする課題としては、上記のものが例として挙げられる。本発明の目的は、機密情報を含むデータと機密情報を含まないデータがあるファイルから機密情報を含まないデータのみを所定のファイル形式で抽出するファイル編集装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、ファイル編集装置であって、機密情報を含む機密テーブル及び機密情報を含まない公開テーブルを有するデータベースを記憶するデータベース記憶手段と、前記データベースを構成するデータベースファイルのコピーであるコピーデータベースファイルを所定の記憶領域に生成するファイル生成手段と、前記コピーデータベースファイルから前記機密情報を削除する機密情報削除手段と、利用者の入力に応じて、前記コピーデータベースファイル中の機密情報でない情報を編集する編集手段と、前記コピーデータベースファイルの取り込み要求に応じて、前記編集手段による編集後のコピーデータベースファイルに対して、前記機密情報を入力するデータ入力手段と、前記コピーデータベースファイルを前記データベースファイルに上書きするファイル適用手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項6に記載の発明は、コンピュータによって実行されるファイル編集プログラムであって、機密情報を含む機密テーブル及び機密情報を含まない公開テーブルを有するデータベースを記憶するデータベース記憶手段と、前記データベースを構成するデータベースファイルのコピーであるコピーデータベースファイルを所定の記憶領域に生成するファイル生成手段と、前記コピーデータベースファイルから前記機密情報を削除する機密情報削除手段と、利用者の入力に応じて、前記コピーデータベースファイル中の機密情報でない情報を編集する編集手段と、前記コピーデータベースファイルの取り込み要求に応じて、前記編集手段による編集後のコピーデータベースファイルに対して、前記機密情報を入力するデータ入力手段と、前記コピーデータベースファイルを前記データベースファイルに上書きするファイル適用手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ファイル編集装置のブロック図である。
【図2】エクスポート画面を示す模式図である。
【図3】インポート画面を示す模式図である。
【図4】エクスポートファイルを保存するフォルダ構成を示す概念図である。
【図5】エクスポートファイル元のフォルダ構成を示す概念図である。
【図6】商品テーブルに関するデータ構造を模式的に示す図である。
【図7】受注テーブルに関するデータ構造を模式的に示す図である。
【図8】エクスポート処理のフローチャートである。
【図9】インポート処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0010】
1 ファイル編集装置
2 制御部
3 表示部
4 入力部
5 記憶部
6 エクスポートファイル生成部
7 機密情報削除部
8 ロック解除部
9 パスワード設定解除部
10 パスワード設定部
11 エクスポートファイル適用部
12 バックアップ制御部
13 データベースデータ入力部
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の好適な実施形態では、ファイル編集装置は、機密情報を含む機密テーブル及び機密情報を含まない公開テーブルを有するデータベースを記憶するデータベース記憶手段と、前記データベースを構成するデータベースファイルのコピーであるコピーデータベースファイルを所定の記憶領域に生成するファイル生成手段と、前記コピーデータベースファイルから前記機密情報を削除する機密情報削除手段と、を備える。
【0012】
上記のファイル編集装置は、利用者の操作に基づいて指定された個所に、機密情報を含むテーブル(例えば、顧客情報を含む受注テーブル等)と機密情報を含まないテーブル(例えば、商品テーブル等)とを有するデータベースファイルのコピーであるコピーデータベースファイルを生成する。そして、ファイル編集装置は、コピーデータベースファイル内における機密情報を含むテーブルからデータを削除する。
【0013】
これにより、ファイル編集装置は、機密情報を含まないコピーデータベースファイルを生成できる。従って、コピーデータベースファイルを利用者に操作させることにより、機密情報が漏洩してしまうことを防止することができる。
【0014】
上記のファイル編集装置の一態様では、前記コピーデータベースファイルの取り込み要求に応じて、前記コピーデータベースファイルに対して、前記機密情報を入力するデータ入力手段と、前記コピーデータベースファイルを前記データベースファイルに上書きをするファイル適用手段と、をさらに備える。この場合、ファイル編集装置は、利用者の所定の操作により編集されたコピーデータベースファイルに対して、機密情報を含むテーブルのデータを入力する。その後に、ファイル編集装置は、当該コピーデータベースファイルをデータベースファイルに上書きする。これにより、ファイル編集装置は、編集したコピーデータベースファイルの内容をデータベースに反映することができる。
【0015】
上記のファイル編集装置の一態様では、前記ファイル生成手段は、前記データベースファイルが格納されるフォルダを含むディレクトリ構造と、前記コピーデータベースファイルが格納されるフォルダを含むディレクトリ構造とを、同一とする。これにより、ファイル編集装置は、ディレクトリ構成を変更する場合に比して、簡易にフォルダを作成することができる。
【0016】
上記のファイル編集装置の一態様では、前記データベースファイルは、所定の方法により、アクセス制限されており、前記データベースファイルに対して、アクセス許可を得るアクセス許可取得手段と、前記コピーデータベースファイルに対して、アクセス制限設定を解除するアクセス制限解除手段と、前記コピーデータベースファイルに対して、アクセス制限設定を行うアクセス制限設定手段と、をさらに備える。この場合、ファイル編集装置は、アクセス制御されているデータベースファイルのコピーデータベースファイルを生成した後、当該コピーデータベースファイルに対して、パスワード等を指定することにより、アクセス許可を得た後に、当該コピーデータベースファイルから機密情報を含むテーブルからデータを削除する。そして、コピーデータベースファイルのアクセス制御を解除する。これにより、ファイル編集装置は、利用者に対して、パスワード等の入力をさせることなくコピーデータベースファイルを編集させることができる。また、コピーデータベースファイルをデータベースファイルへ上書きする前に、コピーデータベースファイルに対してアクセス制御の設定を行う。これにより、コピーデータベースファイルをデータベースファイルに上書きしても、データベースファイルをアクセス制御するため、データベースの安全性を保つことができる。
【0017】
上記のファイル編集装置の一態様では、前記公開テーブルは、所定の識別子を有し、前記データ入力手段は、前記データベースの公開テーブルの識別子と同一である前記コピーデータベースの公開テーブルのデータに対して、更新処理を行う。上記識別子は、上記公開テーブル内のデータを一意に識別するための情報であり、例えば、商品テーブルにおける商品ID等が該当する。この場合、ファイル編集装置が機密情報を含まないテーブルのデータの内、運用中に変更することが有り得る情報を、コピーデータベースファイルに対して入力する。これにより、ファイル編集装置1は、コピーデータベースファイルをデータベースファイルに上書きした結果、データの整合性が失われてしまうことを防止することができる。
【0018】
上記のファイル編集装置の一態様では、前記ファイル適用手段を行う前に、前記データベースのバックアップ用データベースファイルを生成し、前記ファイル適用手段が正常に終了した場合、前記バックアップ用データベースファイルを削除するバックアップ制御手段をさらに備える。この場合、ファイル編集装置がコピーデータベースファイルをデータベースファイルに適用する前に、バックアップファイルを作成し、コピーデータベースファイルをデータベースファイルに適用した後に、当該バックアップファイルを削除する。
【0019】
これにより、コピーデータベースファイルをデータベースファイルに上書きしている最中に、停電等によりデータを消失した場合に、ファイル編集装置は、バックアップファイルを適用することにより、データの消失を防止することができる。
【0020】
本発明の他の観点では、コンピュータによって実行されるファイル編集プログラムであって、機密情報を含む機密テーブル及び機密情報を含まない公開テーブルを有するデータベースを記憶するデータベース記憶手段と、前記データベースを構成するデータベースファイルのコピーであるコピーデータベースファイルを所定の記憶領域に生成するファイル生成手段と、前記コピーデータベースファイルから前記機密情報を削除する機密情報削除手段、として前記コンピュータを機能させる。このプログラムを、コンピュータ上で実行することにより、上記のファイル編集装置を実現することができる。
【実施例】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
【0022】
[ファイル編集装置]
図1に、ファイル編集装置1のブロック図を示す。図1に示すファイル編集装置1は、表示部3、入力部4、記憶部5、エクスポートファイル生成部6、機密情報削除部7、ロック解除部8、パスワード設定解除部9及びパスワード設定部10、エクスポートファイル適用部11、バックアップ制御部12、及びデータベースデータ入力部13を有し、制御部2によって統括的に制御される。
【0023】
なお、ファイル編集装置1は、利用者が使用するパーソナルコンピュータ(以下、「PC」と呼ぶ。)や携帯電話といった装置である。
【0024】
ここで、エクスポートとは、あるファイル内のデータ(例えば、システムで運用中のデータ等)を、所定のファイル形式のファイルとして生成する機能のことをいう。また、インポートとは、エクスポートしたファイルを取り込むことをいう。
【0025】
表示部3は、操作状況等を表示する。具体的には、LCD(Liquid Crystal Display)等である。入力部4は、利用者が各種メニュー等の選択・決定を行う手段である。具体的には、キーボードやマウス等である。
【0026】
記憶部5は、各種プログラムや、データベースを構成するデータベースファイルを含む各種ファイルを記憶する。なお、データベースファイルは、パスワードにより、アクセス制御がなされている。
【0027】
エクスポートファイル生成部6は、データベースファイルを含むエクスポート対象のファイルを基にエクスポートしたファイルを所定の記憶領域へ保存する。
【0028】
機密情報削除部7は、コピーしたデータベースファイルから機密情報を含むテーブル内のデータを削除する。
【0029】
ロック解除部8は、データベースファイルに対して、パスワードを入力することにより、当該データベースファイルに対して、アクセス可能にする。
【0030】
パスワード設定解除部9は、データベースファイルのパスワード設定を解除することにより、データベースのアクセス制御を解除する。
【0031】
パスワード設定部10は、データベースファイルに対してパスワード設定を行うことにより、当該データベースファイルに対してアクセス制御する。
【0032】
エクスポートファイル適用部11は、エクスポートしたファイルをエクスポート元のファイルに対して上書きする。
【0033】
バックアップ制御部12は、エクスポートファイル適用部11によって、エクスポートしたファイルがエクスポート元のファイルに対する上書き処理前に、バックアップ用のファイルを生成し、前記上書き処理後に、前記バックアップ用のファイルを削除する。
【0034】
データベースデータ入力部13は、エクスポートファイルに含まれるデータベースファイルに対して、機密情報を含むテーブルのデータを入力する。また、エクスポート元のデータベースファイルが所有する機密情報を含まないテーブルのデータにおいて、運用中に変更することが有り得る情報を、エクスポートしたデータベースファイルに対して入力する。
【0035】
以上の構成を有する本実施例においては、ファイル編集装置1がファイル編集装置として機能する。記憶部5がデータベース記憶手段として機能し、エクスポートファイル生成部6がファイル生成手段として機能し、機密情報削除部7が機密情報削除手段として機能する。データベースデータ入力部13がデータ入力手段として機能し、エクスポートファイル適用部11がファイル適用手段として機能する。ロック解除部8がアクセス許可取得手段として機能し、パスワード設定解除部9がアクセス制限解除手段として機能し、パスワード設定部10がアクセス制限設定手段として機能し、バックアップ制御部12がバックアップ制御手段として機能する。
【0036】
[エクスポートの概要]
エクスポートの概要について以下に記載する。ファイル編集装置1は、利用者がメニュー選択等を行うことにより、図2に示すエクスポート画面20を表示部3へ表示する。
【0037】
エクスポート画面20には、エクスポートファイルの保存先を指定する画面(図示せず)を呼び出す参照ボタン22、指定された保存先を表示する保存先表示領域21、エクスポートを開始する保存ボタン23を有する。
【0038】
ファイル編集装置1は、参照ボタン22が押下された後に表示するエクスポートファイル保存先指定の画面において、エクスポートファイルの保存先が指定された後に、保存ボタン23が押下されると、エクスポートを行う。
【0039】
これにより、ファイル編集装置1は、上記の保存先に、エクスポートしたデータベースファイル及び所定のファイル(例えば、設定ファイル等)を記憶する。
【0040】
なお、図4に示すエクスポートしたファイルを保存するフォルダ構成50と、図5に示すエクスポート元のファイルを保存するフォルダ構成51とが同一構成になる。これにより、フォルダのコピー処理等、簡易な処理でエクスポートファイルを保存するフォルダを作成できる。また、インポート時に、フォルダ構成が同一であることより、エクスポートファイルの検索が容易になるため、インポート処理の効率が良くなる。
【0041】
また、ファイル編集装置1は、図6に示すように、機密情報を含まない公開テーブルに対応する商品テーブル100内のデータについては、データを保持した状態で、エクスポートをしているが、図7に示すように、機密情報を含む機密テーブルに対応する受注テーブル101のデータについては、データを削除した状態でエクスポートしている。なお、商品テーブル100は、商品IDを識別子としている。
【0042】
このように、ファイル編集装置1は、エクスポートしたデータベースファイルから機密情報を削除しているため、利用者が当該エクスポートしたデータベースファイルを利用しても、機密情報を参照することはない。従って、ファイル編集装置1は、エクスポートしたデータベースファイルから機密情報が漏れることを防止できる。
【0043】
[インポートの概要]
利用者が入力部4を介して、データベースファイル等を編集した後、メニュー選択等を行うことにより、ファイル編集装置1は、図3に示すインポート画面30を表示部3へ表示する。
【0044】
インポート画面30には、インポート対象のファイル(例えば、エクスポートしたファイル等)が保存されている個所を指定する画面(図示せず)を呼び出す参照ボタン32、インポート対象のファイルが保存されている個所を表示する保存先表示領域31、インポートを開始する取り込みボタン33を有する。
【0045】
ファイル編集装置1は、参照ボタン32が押下された後に表示するインポート対象のファイルが保存されている個所を指定する画面から、インポート対象のファイルが保存されている個所が指定された後に、取り込みボタン33が押下されると、インポートを行う。これにより、データベースファイル等の編集した内容が運用しているデータベースファイルへ反映される。
【0046】
[エクスポート処理]
次に、本実施例における、エクスポート処理について、図8を参照して説明する。図8は、エクスポート処理のフローチャートである。
【0047】
エクスポート処理とは、図2のエクスポート画面20で指定された保存先に対して、エクスポートしたファイルを保存する処理である。
【0048】
ファイル編集装置1は、エクスポート画面20において、利用者の入力部4の操作により参照ボタン22が押下された後、エクスポートファイルの保存先を指定する画面を表示する。
【0049】
ファイル編集装置1は、エクスポートファイルの保存先を指定する画面において、利用者の入力部4の操作によりエクスポートファイルの保存先が指定されると、指定された内容を保存先表示領域21に表示する(ステップS1)。
【0050】
エクスポートファイル生成部6は、利用者の入力部4の操作により保存ボタン23が押下されると(ステップS2)、エクスポートファイルの保存先に対して、エクスポートファイルを保存するフォルダを作成する(ステップS3)。なお、エクスポートファイルを保存するフォルダ構成は、フォルダのコピー処理等により、エクスポート元のフォルダ構成と同様にする。
【0051】
エクスポートファイル生成部6は、上記フォルダを作成した後、運用中のデータベースファイルをコピーし、当該コピーしたデータベースファイル(以下、コピーデータベースファイルとも呼ぶ)を上記フォルダに貼り付ける(ステップS4)。なお、データベースファイルは、アクセス制御されていることから、コピーデータベースファイルもアクセス制御される。
【0052】
ロック解除部8は、コピーデータベースファイルに対して、パスワードを入力することにより、当該データベースファイルに対して、アクセス可能にする。これにより、ファイル編集装置1は、当該コピーデータベースファイル内のデータに対して、編集処理(例えば、データの削除等)を行うことができる。
【0053】
そして、機密情報削除部7は、上記コピーデータベースファイル内の機密情報を有するデータ(例えば、受注テーブル101のデータ)を削除する(ステップS5)。
【0054】
パスワード設定解除部9は、上記コピーデータベースファイルに対するパスワード設定を解除する(ステップS6)。これにより、パスワードを知らない利用者が入力部4の操作により当該コピーデータベースファイルに対してアクセスすることができる。
【0055】
エクスポートファイル生成部6は、上記コピーデータベースファイル以外の所定のファイルをコピーした後、当該コピーしたファイルをエクスポート対象のフォルダに保存し(ステップS7)、エクスポート処理を終了する。
【0056】
このように、機密情報削除部7がコピーデータベースファイルから機密情報を削除する。従って、ファイル編集装置1は、利用者によるコピーデータベースファイルの利用により、機密情報が漏れることを防止できる。
【0057】
また、エクスポートファイル生成部6は、エクスポート元のフォルダ構成をコピーして、エクスポートファイルを保存するフォルダとしているため、エクスポート元のフォルダ構成と、エクスポートファイルの保存先のフォルダ構成とが同一になる。これにより、簡易にエクスポートファイルを保存するフォルダを簡易に作成できる。さらに、インポートする場合も、フォルダ構成が同一であることにより、エクスポートファイルの検索が容易になるため、簡易にインポートをすることができる。
【0058】
上記データベースファイルは、アクセス制御されている。このような状況下で、ロック解除部8は、コピーデータベースファイルに対して、パスワード入力することにより、アクセス可能にしている。これにより、機密情報削除部7がコピーデータベースファイル内の機密情報を含むデータを削除することができる。また、パスワード設定解除部9がコピーデータベースファイルに対して、アクセス制御を解除している。これにより、データベースファイルにアクセスするためのパスワードを知らない利用者でも、入力部4を介して、コピーデータベースファイルにアクセスし、コピーデータベースファイルを編集することができる。
【0059】
[インポート処理]
次に、本実施例における、インポート処理について、図9を参照して説明する。図9は、インポート処理のフローチャートである。
【0060】
インポート処理とは、エクスポートしたファイルをエクスポート元のファイルに対して適用する処理である。
【0061】
ファイル編集装置1は、図3のインポート画面において、利用者の入力部4の操作により参照ボタン32が押下された後、エクスポートファイルが保存されている個所を指定する画面を表示する。
【0062】
ファイル編集装置1は、エクスポートファイルが保存されている個所を指定する画面において、利用者の入力部4の操作によりエクスポートファイルの保存されている箇所が指定されると、指定された内容を保存先表示領域31に表示する(ステップS11)。
【0063】
利用者の入力部4の操作により取り込みボタン33が押下されると(ステップS12)、バックアップ制御部12は、バックアップファイル用のファイルを生成した後、所定の記憶領域に当該バックアップファイルを保存する(ステップS13)。
【0064】
データベースデータ入力部13は、データベースファイル内の機密情報を含むデータ(例えば、受注テーブル101のデータ)をコピーデータベースファイルに対して入力する(ステップS14)。これにより、コピーデータベースファイルは、機密情報を含むデータも有することになる。
【0065】
データベースデータ入力部13は、データベースファイル内の機密情報を含まないテーブルのデータにおいて、運用中に変更することが有り得る情報を、コピーデータベースファイルに対して入力する(ステップS15)。例えば、商品テーブル100の「在庫情報」は、データベースを運用している際に、変更される可能性があるので、この「在庫情報」をコピーデータベースファイルに対して入力することにより、データベースの整合性を保つことができる。具体的には、データベースファイルに含まれている商品テーブル100の識別子である商品IDに合致する商品IDが、コピーデータベースファイルに含まれる商品テーブル100に存在するか否かを判別する。存在する場合は、コピーデータベースファイルに含まれる商品テーブル100の当該商品IDを有するデータの「在庫情報」を、データベースファイルに含まれている商品テーブル100の商品IDに対応する「在庫情報」の値に更新する。
【0066】
パスワード設定部10は、コピーデータベースファイルに対してパスワード設定を行うことにより、当該コピーデータベースファイルに対してアクセス制御する。そして、エクスポートファイル適用部11は、現在運用中のデータベースファイルに対して、コピーデータベースファイルを上書きする(ステップS16)。
【0067】
さらに、エクスポートファイル適用部11は、コピーデータベースファイル以外のデータを所定のフォルダに対してコピーする(ステップS17)。
【0068】
バックアップファイル制御部12は、ステップS16及びステップS17の処理が正常終了した場合は、バックアップファイルを削除し(ステップS18)、インポート処理を終了する。
【0069】
このように、データベースデータ入力部13が、所定の方法により編集されたコピーデータベースファイルに対して、機密情報を含むテーブルのデータを入力した後に、エクスポートファイル適用部11が当該コピーデータベースファイルをデータベースファイルに上書きする。
【0070】
これにより、ファイル編集装置1は、コピーデータベースファイルに対してなされた編集内容をデータベースファイルに反映することができる。
【0071】
また、ファイル編集装置1では、データベースファイルをアクセス制御している。よって、エクスポートファイル適用部11がコピーデータベースファイルをデータベースファイルに上書きする前に、パスワード設定部10が、コピーデータベースファイルに対してパスワード設定を行うことにより、当該データベースファイルに対してアクセス制御する。
【0072】
これにより、ファイル編集装置1は、コピーデータベースファイルをデータベースファイルに上書きしても、データベースファイルをアクセス制御するため、データベースの安全性を保つことができる。
【0073】
さらに、ファイル編集装置1では、データベースデータ入力部13が、機密情報を含まないテーブルのデータの内運用中に変更することが有り得る情報を、コピーデータベースファイルに対して更新する。これにより、ファイル編集装置1は、コピーデータベースファイルをデータベースファイルに上書きした結果、データの整合性が失われてしまうことを防止することができる。
【0074】
さらに、ファイル編集装置1では、バックアップ制御部12がコピーデータベースファイルをデータベースファイルに適用する前に、バックアップファイルを作成し、コピーデータベースファイルをデータベースファイルに適用した後に、当該バックアップファイルを削除する。
【0075】
これにより、ファイル編集装置1は、コピーデータベースファイルをデータベースファイルに上書きしている最中に、停電等によりデータを消失した場合に、上記バックアップファイルを適用することにより、データの消失を防止することができる。
【0076】
[他の実施例]
本実施例では、データベースに関して、エクスポートやインポートを行う場合について述べたが、本発明はこれに限られず、所定の形式のファイル(例えば、テキスト形式のリスト等)に対してエクスポートやインポートを行っても良い。
【0077】
また、本実施例では、エクスポートしたコピーデータベースファイル内における、機密情報を含むテーブル(例えば、受注テーブル101)のデータを削除する場合について述べたが、本発明はこれに限られず、テーブル自体も削除しても良い。これにより、コピーデータベースファイルを利用する利用者に、機密情報を含むテーブルの構造自体を知られることを防ぐこともできる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、データベースを運用するシステムに利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機密情報を含む機密テーブル及び機密情報を含まない公開テーブルを有するデータベースを記憶するデータベース記憶手段と、
前記データベースを構成するデータベースファイルのコピーであるコピーデータベースファイルを所定の記憶領域に生成するファイル生成手段と、
前記コピーデータベースファイルから前記機密情報を削除する機密情報削除手段と、
利用者の入力に応じて、前記コピーデータベースファイル中の機密情報でない情報を編集する編集手段と、
前記コピーデータベースファイルの取り込み要求に応じて、前記編集手段による編集後のコピーデータベースファイルに対して、前記機密情報を入力するデータ入力手段と、
前記コピーデータベースファイルを前記データベースファイルに上書きするファイル適用手段と、
を備えることを特徴とするファイル編集装置。
【請求項2】
前記ファイル生成手段は、前記データベースファイルが格納されるフォルダを含むディレクトリ構造と、前記コピーデータベースファイルが格納されるフォルダを含むディレクトリ構造とを、同一とすることを特徴とする請求項1に記載のファイル編集装置。
【請求項3】
前記データベースファイルは、所定の方法により、アクセス制限されており、
前記データベースファイルに対して、アクセス許可を得るアクセス許可取得手段と、
前記コピーデータベースファイルに対して、アクセス制限設定を解除するアクセス制限解除手段と、
前記コピーデータベースファイルに対して、アクセス制限設定を行うアクセス制限設定手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のファイル編集装置。
【請求項4】
前記公開テーブルは、所定の識別子を有し、
前記データ入力手段は、前記データベースの公開テーブルの識別子と同一である前記コピーデータベースの公開テーブルのデータに対して、更新処理を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のファイル編集装置。
【請求項5】
前記ファイル適用手段が前記データベースファイルの上書きを行う前に、前記データベースのバックアップ用データベースファイルを生成し、前記ファイル適用手段が前記上書きを正常に終了した場合、前記バックアップ用データベースファイルを削除するバックアップ制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のファイル編集装置。
【請求項6】
コンピュータによって実行されるファイル編集プログラムであって、
機密情報を含む機密テーブル及び機密情報を含まない公開テーブルを有するデータベースを記憶するデータベース記憶手段と、
前記データベースを構成するデータベースファイルのコピーであるコピーデータベースファイルを所定の記憶領域に生成するファイル生成手段と、
前記コピーデータベースファイルから前記機密情報を削除する機密情報削除手段と、
利用者の入力に応じて、前記コピーデータベースファイル中の機密情報でない情報を編集する編集手段と、
前記コピーデータベースファイルの取り込み要求に応じて、前記編集手段による編集後のコピーデータベースファイルに対して、前記機密情報を入力するデータ入力手段と、
前記コピーデータベースファイルを前記データベースファイルに上書きするファイル適用手段、
として前記コンピュータを機能させることを特徴とするファイル編集プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−14736(P2012−14736A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220326(P2011−220326)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【分割の表示】特願2006−292510(P2006−292510)の分割
【原出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(595105515)インクリメント・ピー株式会社 (197)
【Fターム(参考)】