説明

ファクシミリ装置

【課題】ファクシミリ受信機能とカレンダー機能とを連動させることにより、ファクシミリ画像のデータ管理をより効率的に行うことが可能なファクシミリ装置を提供する。
【解決手段】本発明のファクシミリ装置は、暦情報等を含むカレンダー画像を表示部に表示するカレンダー制御部と、受信したファクシミリデータのヘッダデータや、画像内に存在する文字列の解析結果から日時に関連する日時情報を取得する日時取得部とを備えている。またカレンダー制御部は、カレンダー画像を表示する際に、日時情報に含まれる日付の位置に所定の目印画像を重畳表示する。さらにカレンダー制御部は、カレンダー画像が表示されている状態において目印画像の選択指示を受け付け、選択された目印画像に関連するファクシミリ画像を表示部に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信網に接続されて通信を行うファクシミリ装置に関するものであり、特に受信したファクシミリデータを画像データとして記録するファクシミリ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信インフラの発達により、通信に関する様々な付加サービスが普及するようになってきた。例えばファクシミリ装置においては、受信したファクシミリデータを印刷するだけではなく、画像データとしてメモリ等の記録媒体に記録可能なファクシミリ装置が普及している。
【0003】
このようなファクシミリ装置は、受信したファクシミリデータに含まれる画像データ(以下、「ファクシミリ画像」という)を、任意のタイミングで用紙に出力することが可能である。例えば、受信時には印刷を行わず、ユーザより印刷指示を受け付けた段階で印刷を行うようにすることができる。
【0004】
上記に関連して、パソコンとファクシミリとの共有バッファにファクシミリ画像を格納し、ファクシミリ画像を共有することが可能なファクシミリ装置も提案されている。また特許文献1においては、着脱自在の不揮発性メモリを用いて、ネットワークに接続されていない場合でもペーパーレスファクシミリ通信を実現することが可能なファクシミリ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−0235644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような従来のファクシミリ装置においては、受信したファクシミリ画像をメモリ等に記録することにより、印刷を行うことなく適宜閲覧することができる。しかし受信が繰り返し行われてファクシミリ画像のデータ数が増えると、その整理や管理に手間がかかるという問題があった。また、管理を行うための管理用データ、例えば受信日時情報等をその他の機能、例えばカレンダー機能等と連動させる技術については開示も示唆もなされていない。
【0007】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、ファクシミリ受信機能とカレンダー機能とを連動させることにより、ファクシミリ画像のデータ管理をより効率的に行うことが可能なファクシミリ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明のファクシミリ装置は、通信網に接続して通信を行う通信部と、画像の表示を行う表示部と、前記通信部によりファクシミリデータを受信するファクシミリ受信部と、前記表示部にカレンダー画像を表示するカレンダー制御部と、前記ファクシミリデータに含まれる情報の中から日時に関連する情報である日時情報を取得する日時取得部とを備え、前記カレンダー制御部が、前記日時情報が示す日付が前記カレンダー画像に含まれているか否かを判定し、含まれている場合に、前記カレンダー画像における該日付の位置に目印画像を重畳して表示することを特徴としている。
【0009】
この構成によると、本発明のファクシミリ装置は通信部、表示部、及び通信部によりファクシミリデータを受信するファクシミリ受信部を備えている。また、暦情報等を含むカレンダー画像を表示部に表示するカレンダー制御部と、受信したファクシミリデータのヘッダ等から日時に関連する日時情報、例えば受信日時等を取得する日時取得部とを備えている。カレンダー制御部は、カレンダー画像を表示する際に、日時情報に含まれる日付の位置に所定の目印画像、例えばファクシミリアイコン等を重畳表示する。
【0010】
また上記目的を達成するために本発明のファクシミリ装置は、前記ファクシミリデータに基づいてファクシミリ画像を生成する画像生成部と、画像の解析を行い、画像に含まれる文字列を取得する画像解析部とを備え、前記日時取得部が、前記画像解析部により前記ファクシミリ画像の解析を行い、前記解析により得られた文字列の中から前記日時情報を取得する。
【0011】
この構成によると、本発明のファクシミリ装置は、ファクシミリデータに基づいてファクシミリ画像を生成する画像生成部を備えている。また、画像の解析を行うことにより、画像内に存在する文字列画像からテキストデータ(=文字列)を取得する画像解析部を備えている。日時取得部は、この画像解析部を用いて、受信したファクシミリ画像の解析を行う。そしてファクシミリ画像に日時を示す文字列が含まれている場合に、その文字列を日時情報として取得する。
【0012】
また上記目的を達成するために本発明のファクシミリ装置は、日時取得部が、前記ファクシミリデータ及び前記ファクシミリ画像のいずれから前記日時情報を取得するかの指示を受け付け、前記指示に基づいて前記日時情報を取得する対象を決定する。
【0013】
この構成によると、日時取得部は、ファクシミリデータ及びファクシミリ画像のいずれから日時情報を取得するかの指示を事前に受け付け、設定情報として保持する。そしてファクシミリデータが受信された場合に、日時情報を取得する対象を設定情報に基づいて決定する。
【0014】
また上記目的を達成するために本発明のファクシミリ装置は、前記ファクシミリ装置に対する操作入力を受け付ける操作部を備え、前記カレンダー制御部が、前記表示部に前記カレンダー画像及び前記目印画像を表示して前記目印画像の選択指示を受け付け、選択された前記目印画像に関連するファクシミリ画像を前記表示部に表示する。
【0015】
この構成によると、本発明のファクシミリ装置は、ファクシミリ装置に対する操作入力を受け付ける操作部を備えている。カレンダー制御部は、カレンダー画像が表示された画面(以下、「カレンダー画面」という)において上述の目印画像が操作部により選択された場合に、目印画像に関連するファクシミリ画像を表示部に表示する。
【0016】
また上記目的を達成するために本発明のファクシミリ装置は、前記ファクシミリ画像を記録する記録部と、画像の印刷を行う印刷部とを備え、前記カレンダー制御部が、前記日時情報が示す日付が到来した場合に前記ファクシミリ画像を印刷するように前記印刷部を制御し、関連する前記日時情報に含まれる日付が全て到来したファクシミリ画像を前記記録部から消去する。
【0017】
この構成によると、本発明のファクシミリ装置は、ファクシミリ画像を記録する記録部と、画像の印刷を行う印刷部とを備えている。またカレンダー制御部は、日時情報が示す日付が到来した場合に、該当するファクシミリ画像を印刷部により印刷する。さらにカレンダー制御部は、関連する日時情報に含まれる日付が全て到来したファクシミリ画像を記録部から消去する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の構成によれば、受信したファクシミリデータに関係する日時を示す目印画像をカレンダー画像に重畳して表示する。従ってユーザは、カレンダー画面において、受信したファクシミリに関連する日付、例えば受信日時等を容易に確認することができる。これにより例えば、受信日時に基づいたファクシミリデータの管理等を容易に行うことができる。
【0019】
また本発明の構成によれば、ファクシミリ画像に日付を示す文字列が含まれている場合に、カレンダー画像上の該当する日付の位置に目印画像を重畳する。このためユーザは、ファクシミリデータのヘッダ等に含まれる管理情報だけではなく、ファクシミリデータ本文に含まれる日付に基づいて、ファクシミリデータの管理を行うことができる。
【0020】
また本発明の構成によれば、ファクシミリデータが受信された場合に、日時情報を取得する対象を予め定められた設定情報に基づいて決定する。このため、ユーザの運用形態にあわせて、ファクシミリ本文に含まれる文字列から日時情報を取得するか否かを切り替えることができる。
【0021】
また本発明の構成によれば、カレンダー画面において日時情報を示す目印画像が選択された場合に、選択された目印画像の日時情報に関連付けられているファクシミリ画像を表示部に表示する。このためユーザは、カレンダー画面を利用して、ファクシミリ画像の内容を容易に確認することができる。
【0022】
また本発明の構成によれば、ファクシミリ画像に関連する日時が到来した場合に、ファクシミリ画像の印刷及び消去を行う。このため、ファクシミリ画像がメモリ等の記録媒体を圧迫し、記録不可となるのを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係るファクシミリ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るカレンダー登録処理の処理フローを示すフロー図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るカレンダー画面を示す画面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るファクシミリ表示画面を示す画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に本実施例装置について詳細に説明する。尚、本願発明はファクシミリ装置に関するものであるが、ファクシミリ機能を有するコピー装置等にも本実施例を適用することが可能である。
【実施例】
【0025】
以下に本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、ここで示す実施形態は一例であり、本発明はここに示す実施形態に限定されるものではない。
【0026】
図2は、本発明の一実施形態に係るファクシミリ装置1が含まれる通信システムの構成を示すブロック図である。本システムは少なくとも、ファクシミリ装置1、交換機51、PSTN網52(=Public Switched Telephone Network:公衆電話交換網)、及び加入者電話機53を含むように構成されている。
【0027】
ファクシミリ装置1は、PSTN網52に接続されることにより、PSTN網52に接続されたその他のファクシミリ装置(不図示)とファクシミリ通信を行うことが可能である。また、加入者電話機53との間での音声通話を行うための通話機能を備えることも可能である。なお、ファクシミリ装置1の内部構造の詳細については後述する。
【0028】
交換機51は、電話回線を相互接続し電話網を構成するため電気通信事業者が提供する装置である。近年は制御信号や通話信号をデジタル信号で処理し中継交換するデジタル交換機や、制御回路にマイクロプロセッサ等の電子回路を利用した電子交換機等が多く用いられている。
【0029】
PSTN網52は、一般の加入者電話回線ネットワークである。末端にファクシミリ装置を接続し、回線交換方式で通信相手に接続して音声通話を行うのに用いられる。加入者電話機53は、電話加入者がPSTN網52を用いて他の加入者電話機と音声通話を行うための通信装置である。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態に係るファクシミリ装置1の内部を示すブロック図である。ファクシミリ装置1は少なくとも、制御部11、ROM12、表示部13、入力部14(=操作部)、通信部15、フラッシュメモリ16(=記録部)、信号処理部17、スピーカ18、マイク19、印刷部20、及び読取部21を含むように構成されている。
【0031】
ファクシミリ装置1は、電話装置としての音声通話機能と、ファクシミリ送受信機能の両方を備えた通信装置である。制御部11は、ファクシミリ装置1の各部を制御することにより通信制御処理(音声データの送受信、発信の実施、或いは着信の検知等)を統括制御するための中央処理装置である。
【0032】
また制御部11は、制御部11が備える演算処理装置上で所定の制御プログラムを実行することにより実現される機能部として、ファクシミリ受信部11a、画像生成部11b、画像解析部11c、日時取得部11d、及びカレンダー制御部11eを備えている。
【0033】
ファクシミリ受信部11aは、電話回線からのファクシミリ着信時に、後述する通信部15が備えるモデム装置(不図示)を用いて、交換機51から送信されてくるモデム信号を受信する。そして信号処理部17によりモデム信号の復号処理を行い、ファクシミリデータを取得し、フラッシュメモリ16に記録する。
【0034】
画像生成部11bは、ファクシミリデータの解析を行い、ファクシミリデータからファクシミリ画像の復号を行い、画像データとしてフラッシュメモリ16に記録する。なおこの際、ファクシミリデータに含まれる各種管理情報を、画像データと関連付けてフラッシュメモリ16に記録する。管理情報とは、例えばファクシミリデータのヘッダデータのように、ファクシミリ受信日時や、ファクシミリデータの発信者番号等を含む情報である。
【0035】
画像解析部11cは、画像データの解析を行い、画像データの中に存在する文字列を取得する。具体的には例えば、OCR(Optical Character Reader)ソフトウェア等を用いて文字列の取得を行う。取得された文字列は次の日時取得部11dに与えられる。
【0036】
日時取得部11dは、上記で取得された管理情報の解析を行い、管理情報の中に日時に関連する情報、例えば受信日時等が存在するか否かを判定する。また上記で取得された文字列に対して文字列解析を行い、文字列の中に日時を示す文字列が存在するか否かを判定する。存在する場合、日時に関連する情報及び日時を示す文字列を、日時情報として取得する。そして取得した日時情報を、日時取得部11dが解析したファクシミリ画像と関連付けてフラッシュメモリ16に記録する。
【0037】
具体的には例えば、受信したファクシミリデータにより得られたファクシミリ画像が、図5に示す内容であったとする。この場合、「2008年10月21日」という文字列が、日時情報として取得される。なお、日時を示す文字列か否かの判定は、例えば年月を表す「年」、「月」、「日」などの文字列と数字とが所定の規則に則って配置されているか否か等により行う。
【0038】
カレンダー制御部11eは、フラッシュメモリ16に記録されているカレンダー情報を用いて、カレンダー画像を表示部13に表示する。また、カレンダー情報に対する所定の情報の追加や内容変更等を行う。例えば、ユーザが入力したスケジュールをカレンダー情報に登録する。またカレンダー制御部11eは、日時取得部11dより与えられた日時情報に基づき、日時情報が示す日付の位置に、関連するファクシミリデータが存在することを示す目印画像を重畳してカレンダー画像を表示する。
【0039】
この結果、例えば図4のカレンダー表示画面90に示すように、日時情報が示す日付に、ファクシミリアイコン96(=目印画像)が表示される。なお、カレンダー表示画面90の詳細については後述する。
【0040】
またカレンダー制御部11eは、日時情報が示す日付が到来した場合に、その日時情報に関連付けられているファクシミリデータを印刷部20により印刷する。そして印刷したファクシミリデータを、フラッシュメモリ16より消去する。なお、一ファクシミリに対して複数のファクシミリアイコン96が表示されている場合に、ファクシミリアイコン96が表示されている全ての日付が到来した時点で、対応するファクシミリデータをフラッシュメモリ16より消去する形態でもよい。
【0041】
上記に関連して、カレンダー制御部11eによりファクシミリデータの自動消去を行う場合、予めユーザ操作によりデータ保護を行うファクシミリデータを、ファクシミリアイコン96を用いて選択可能とする形態でもよい。この場合、保護されたファクシミリデータに対応する日付が到来したとしても、データ消去を行わず、フラッシュメモリ16に記録した状態を保持する。
【0042】
表示部13は、ファクシミリ装置1が保持する各種情報、例えば着信時における発信側電話番号等や、カレンダー画面をユーザに対して表示する。表示部13は例えば、液晶パネル等の小型で消費電力の少ない表示装置を用いる。
【0043】
入力部14は、ユーザがファクシミリ装置1を用いて通信を行うための各種操作、例えば表示部13に表示されたカレンダー画面のスケジュール編集指示等を行うためのものである。入力部14は通常、数字ボタンやリダイヤルボタン等の複数の操作ボタンから構成されている。
【0044】
通信部15は、ファクシミリ装置1を電話回線に接続するための通信インタフェースである。通信部15は、通信回線に接続された交換機51と通信を行うことにより、着信処理や発信処理等を実施することが可能である。また通信部15はモデム装置(不図示)を含んでおり、交換機51から送られてくるアナログ信号を受信してデジタル信号に復調することが可能である。
【0045】
フラッシュメモリ16は、ファクシミリ装置1が保持する各種データを一時的に記録する媒体である。フラッシュメモリ16は制御部11によって各種通信制御処理が行われる際の処理データや、ユーザから受けた指示命令等を一時的に記録しておくためのバッファメモリとしての役割を持つ。また本発明では、カレンダー情報や、受信したファクシミリデータ、画像生成部11bにより生成されたファクシミリ画像等を記録する役割を持つ。
【0046】
信号処理部17は、通信部15により復調されたデジタル信号である音声信号やファクシミリ信号の復号処理を行う。復号により得られた音声はスピーカ18に与えられる。また復号により得られたファクシミリデータはファクシミリ受信部11aに与えられる。
【0047】
また信号処理部17は、マイク19より入力された音声、及び読取部21より入力された画像に所定の符号化処理を施して音声信号/ファクシミリ信号を生成し、通信部15に与える。これにより音声信号/ファクシミリ信号はアナログ信号に変調され、PSTN網52を介して接続される外部の通信装置に送信される。
【0048】
ここで、本発明の一実施形態におけるカレンダー画面90の構成を、図4の画面図を用いて説明する。
【0049】
図4は、ユーザがカレンダーにスケジュール等を登録するためのカレンダー画面90の一例である。カレンダー画面90は、日付表示領域91、スケジュール表示領域92、及び操作ボタン表示領域93を含むように構成されている。また日付表示領域91には、当日を示す当日マーク94、及びユーザ操作可能なカーソル95が含まれている。
【0050】
カーソル95は入力部14が備える十字キー等により、上下左右に移動を行うことが可能である。カーソル95が重なっている日付のスケジュールは、スケジュール表示領域92に表示される。なおスケジュール表示領域92は、スケジュールアイコンと、スケジュールを示すテキストデータが表示可能である。
【0051】
ファクシミリに関連する日付を示すため、日付表示領域91、及びスケジュール表示領域92には、ファクシミリアイコン96が表示される。例えば図5に示すファクシミリデータが受信された場合、日付表示領域91において、受信日時である「2008年10月2日」に、ファクシミリアイコン96が表示される。また、ファクシミリ画像の内部に含まれている「2008年10月21日」にもファクシミリアイコン96が表示される。
【0052】
カーソル95がファクシミリアイコン96の存在する日付に重なっている状態で決定ボタン等が押下されると、図5に示すファクシミリ画像表示画面80が表示部13に表示される。ファクシミリ画像表示画面80は、管理情報表示領域81及びファクシミリ画像表示領域82を含むように構成されている。管理情報表示領域81にはファクシミリデータの管理情報が表示される。ファクシミリ画像表示領域82には、フラッシュメモリ16に記録されているファクシミリ画像が表示される。
【0053】
なお、図4の例では管理情報に基づいて表示されるファクシミリアイコン96と、画像解析結果に基づいて表示されるファクシミリアイコン96とを区別していないが、これらを区別し、ユーザの選択時に処理を変更する形態でもよい。例えば複数種類のファクシミリアイコン96を用意し、画像解析結果に基づいて表示されるファクシミリアイコン96が選択された場合のみ、ファクシミリ画像を表示するようにする形態でもよい。
【0054】
ここで、本発明の一実施形態に係るファクシミリ装置1のカレンダー登録処理を、図1〜図5を用いながら説明する。
【0055】
図3は、本発明の一実施形態に係るカレンダー登録処理の処理フローを示したフローチャートである。本処理は、ファクシミリ受信部11aがファクシミリ通信の着信を通信部15により検知した場合に開始される。
【0056】
本処理の開始後、ファクシミリ受信部11aはステップS110において、信号処理部17によりファクシミリデータの取得を行う。そして現在のファクシミリ受信モードが本文参照モードであるか否かを判定する。なお本文参照モードとは、ファクシミリ画像に含まれるテキストデータより日時情報を取得してカレンダーに登録するモードである。本文参照モードのON/OFFは、入力部14を用いたユーザ操作により随時変更可能である。
【0057】
本文参照モードではない場合、後述するステップS160に移行する。本文参照モードである場合、ファクシミリ受信部11aはステップS120において、ファクシミリデータを画像生成部11bに与えることにより、ファクシミリ画像の生成を行う。
【0058】
次に画像解析部11cはステップS130において、ファクシミリ画像に対して文字列解析処理を行う。そしてファクシミリ画像の内部に存在する文字列を日時取得部11dに与える。
【0059】
次に日時取得部11dはステップS140において、上記文字列に日時を示す情報が存在するか否かを判定する。存在しない場合、後述するステップS160に移行する。存在する場合、日時取得部11dはステップS150において、取得した日時情報と、解析を行ったファクシミリ画像のファイル名とを関連付けて、フラッシュメモリ16に記録する。
【0060】
次に日時取得部11dはステップS160において、ファクシミリデータに含まれる管理情報の取得を行う。そしてステップS170において、管理情報に日時に関連する情報、例えば送信側の送信日時等が存在するか否かを判定する。存在しない場合、後述するステップS190に移行する。存在する場合、日時取得部11dはステップS180において、取得した日時情報と、解析を行った管理情報とを関連付けて、フラッシュメモリ16に記録する。
【0061】
次に画像生成部11bはステップS190において、画像生成部11bにより生成したファクシミリ画像をフラッシュメモリ16に記録した後、本処理を終了する。
【0062】
以上に説明した実施形態によれば、受信したファクシミリデータに関連する日時、例えばヘッダに含まれる受信日時や、画像内に含まれる日付文字列等を用いてカレンダー画面にファクシミリアイコン96を表示するため、ユーザは受信ファクシミリに関連する日付を容易に確認することができる。また、運用形態にあわせて、ファクシミリ本文に含まれる日時を参照するか否かを切り替えることができる。
【0063】
また本実施形態によれば、カレンダー画面90においてファクシミリアイコン96が選択された場合に、選択されたファクシミリアイコン96が存在する日付に関連するファクシミリ画像を表示部13に表示する。このためユーザは、カレンダー画面90を利用して、ファクシミリ画像の内容を容易に確認することができる。また、ファクシミリ画像に関連する日付が到来した時点でファクシミリ画像の印刷及び消去を自動的に行うため、フラッシュメモリ16の容量を有効利用できる。
【0064】
以上、好ましい実施の形態及び実施例をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
【0065】
従って本発明は、以下の形態にも適用可能である。
上記実施形態では、カレンダー登録処理に関わる各機能部がファクシミリ装置1内部に備わっている構成を例として説明したが、これらの機能部の一部がLAN等のネットワークを介して接続された外部装置により実現される形態であってもよい。例えば、画像の解析を行う画像解析部11cが、ネットワーク上に存在する情報処理装置(ネットワークサーバ等)に存在する形態であってもよい。これにより例えば、複数のファクシミリ装置1が受信したファクシミリ画像を情報処理装置で一括して文字列解析することにより、各ファクシミリ装置1に必要とされる機能を削減できる。
【0066】
上記実施形態では、本発明のカレンダー登録処理を実施するファクシミリ装置として、電話機能を備えたファクシミリ装置1を例にあげているが、これ以外の通信装置において実施する形態でもよい。例えば、電話機能を備えないファクシミリ装置、ファクシミリ機能付き親子電話、インターネット電話、自動車電話、パソコン上で実行される通信アプリケーション等において実施する形態でもよい。
【0067】
上記実施形態では、本発明のカレンダー登録処理に関わるファクシミリ装置1の各種機能部が、マイクロプロセッサ等の演算処理装置上でプログラムを実行することにより実現されているが、各種機能部が複数の回路により実現される形態でもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 ファクシミリ装置
11a ファクシミリ受信部
11b 画像生成部
11c 画像解析部
11d 日時取得部
11d カレンダー制御部
12 ROM
13 表示部
14 入力部(操作部)
15 通信部
16 フラッシュメモリ(記録部)
20 印刷部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信網に接続して通信を行う通信部と、
画像の表示を行う表示部と、
前記通信部によりファクシミリデータを受信するファクシミリ受信部と、
前記表示部にカレンダー画像を表示するカレンダー制御部と、
前記ファクシミリデータに含まれる情報の中から日時に関連する情報である日時情報を取得する日時取得部とを備え、
前記カレンダー制御部が、前記日時情報が示す日付が前記カレンダー画像に含まれているか否かを判定し、含まれている場合に、前記カレンダー画像における該日付の位置に目印画像を重畳して表示することを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項2】
前記ファクシミリデータに基づいてファクシミリ画像を生成する画像生成部と、
画像の解析を行い、画像に含まれる文字列を取得する画像解析部とを備え、
前記日時取得部が、前記画像解析部により前記ファクシミリ画像の解析を行い、前記解析により得られた文字列の中から前記日時情報を取得する請求項1に記載のファクシミリ装置。
【請求項3】
日時取得部が、前記ファクシミリデータ及び前記ファクシミリ画像のいずれから前記日時情報を取得するかの指示を受け付け、前記指示に基づいて前記日時情報を取得する対象を決定する請求項2に記載のファクシミリ装置。
【請求項4】
前記ファクシミリ装置に対する操作入力を受け付ける操作部を備え、
前記カレンダー制御部が、前記表示部に前記カレンダー画像及び前記目印画像を表示して前記目印画像の選択指示を受け付け、選択された前記目印画像に関連するファクシミリ画像を前記表示部に表示する請求項2に記載のファクシミリ装置。
【請求項5】
前記ファクシミリ画像を記録する記録部と、
画像の印刷を行う印刷部とを備え、
前記カレンダー制御部が、前記日時情報が示す日付が到来した場合に前記ファクシミリ画像を印刷するように前記印刷部を制御し、関連する前記日時情報に含まれる日付が全て到来したファクシミリ画像を前記記録部から消去する請求項1〜請求項4のいずれかに記載のファクシミリ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−166466(P2010−166466A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−8543(P2009−8543)
【出願日】平成21年1月19日(2009.1.19)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】