説明

ファクシミリ装置

【課題】電力供給の不足が発生すると予測される状況下であっても、ファクシミリ送信の処理時間を短縮し、可能な限り相手先への画像データの送信を実現することのできるファクシミリ装置を提供する。
【解決手段】送信側ファクシミリ装置のメイン制御部11は、読取部15に原稿読込みをさせる。メイン制御部11は、読み込んだ原稿のデータ量から送信を終えるまでの処理時間を算出する。処理終了までの時間と現在の時間から停電時間までの時間との差を求める。停電までに原稿の送信処理が終了できるかを判断する。ある一定時間以上であれば、送信可能と判断する。停電までに送信が可能であれば、ファクシミリ通信を行う。停電までに送信が不可能であれば、処理モードの変更を行い、停電までに送信処理を終了できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、停電のような電力供給が停止すると予測される状況下であっても、可能な限り相手先への画像データの送信を実現することのできるファクシミリ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は複写機への電力供給は、突発的な停電が発生する場合を除けば、安定して行なわれることが前提であり、ノートPC等バッテリーを備えた携帯型端末のように、バッテリー残量が少なくなる、或いは間もなく停電が発生する時間帯となる、といった場合への配慮は、複写機においては特段考える必要は無かった。
【0003】
ところが、昨今の電力供給事情を鑑みると、従来までの「安定した供給が行なわれる(補償される)」という前提は崩れ、電力供給停止による停電や緊急停止等での不具合に遭遇しないよう、限られた供給電力の中で複写機等の画像形成装置を管理、制御を行なうことが求められるようになってきた。特にFAX通信の場合、停電により送信が途切れてしまう可能性のある場合や、緊急を要する場合であっても相手先へのFAX送信が確実に行なえるよう、考慮する必要がある。
【0004】
特許文献1には、FAX通信手順のフェーズ1の中で独自の手順を実行することによりフェーズ2以降の手順のいくつかを省略するなどして、交信時間を短縮する技術(短縮手順)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−244719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の技術では、交信時間は短縮できるものの、独自手順であるため、特定の機器同士に限られる。加えて、電力供給不足により停電などが発生すると予測される状況下で、緊急にFAX送信を行ないたい場合については何ら考慮されていない。
【0007】
本発明は、電力供給の不足が発生すると予測される状況下であっても、ファクシミリ送信の処理時間を短縮し、可能な限り相手先への画像データの送信を実現することのできるファクシミリ装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、原稿を読み取り、そのデータを公衆回線を介して指定された相手先へ送信を行なうファクシミリ装置において、
原稿を読み込んで画像データとする読取部と、電力供給が不足となる電力不足時間を含む電力供給情報を取得する情報取得部と、前記電力供給情報に基づいて、電力不足時間までに前記画像データの送信処理を終了できるか否かを判断し、送信処理が終了できなければ、送信処理を終了できる処理モードに切り替える制御部と、を備えたことを特徴とする。
ここで、電力供給情報は、停電を含むものです。
【0009】
ここで、前記処理モードは、
送信原稿の読み取り解像度を下げること、
読み取られた送信原稿の送信解像度を下げること、
読み取られた送信原稿を設定されている圧縮率よりも高い圧縮率で圧縮すること、
読み取られた送信原稿をページ集約すること、
のいずれかであってよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電力供給に関する電力供給情報を取得すると、その電力供給情報に基づき、電力不足となる時間までに送信処理を終えるように、処理モードを切り替えるので、送信が途切れることなく、可能な限り相手先への画像データの送信を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態に係るファクシミリ装置によって構築された通信システムの構成図である。
【図2】本実施形態に係るファクシミリ装置の構成を示すブロック図である。
【図3】ファクシミリ装置の発呼側装置と被呼側装置との間におけるファクシミリ通信手順を示すシーケンス図である。
【図4】送信側ファクシミリ装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】停電情報受信による処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係るファクシミリ装置によって構築された通信システムの構成図である。
このシステムは、ファクシミリ装置10a,10bと、停電情報が予め登録されている外部装置(サーバ)50とから構成される。ファクシミリ装置10aは、データ送信側(発呼側)の装置であり、ファクシミリ装置10bは、データ受信側(被呼側)の装置である。ファクシミリ装置10a,10bは、電話回線(一般公衆電話回線)に接続されており、ファクシミリ画像データの送受信が可能となっている。また、外部装置50は、インターネット等のネットワーク60を介してファクシミリ装置10bに接続されている。
【0014】
受信側ファクシミリ装置10bは、ある時間帯に停電により電源供給が絶たれるとする。この場合、受信側ファクシミリ装置10bは、あらかじめ停電情報を取得する。停電情報とは、何時から何時までの間停電となるかを示す停電時間を含む停電に関する情報である。この停電情報を取得する場合は、2種類の方法がある。まず、ユーザが停電情報をファクシミリ装置10bに直接入力する方法である。もう一つは、外部装置(配信サーバ等)50に停電情報が記憶されており、外部装置50がネットワーク60を介して受信側ファクシミリ装置10bに停電情報を送る方法である。
【0015】
停電情報は、受信側ファクシミリ装置10bから送信側ファクシミリ装置10aに送られる。送信側ファクシミリ装置10aは、通常は受信側ファクシミリ装置10bに向けてファクシミリ送信を行うが、通知された停電情報により、停電時間が迫っている場合には、送信データ量を減少させる処理モードに切り換えて、停電時間までに送信が終るように自動的に処理を行う。
【0016】
停電情報は、電力供給が遮断される時間を含む情報であるが、これに限らず、電力供給が不足して装置が機能しなくなる可能性のある場合に、その不足する時間を含む情報でもよい。これらを電力供給情報とするが、以下の実施例では電力供給情報は停電情報として説明する。
また、図1では、受信側ファクシミリ装置10bが設置されている地区の停電を想定している。しかし、送信側ファクシミリ装置10aが設置されている地区の停電の場合もあり、その場合は送信側ファクシミリ装置10aに停電情報が入力されることになる。
以下の実施例は、図1と同様に、受信側ファクシミリ装置10bが設置されている地区の停電する場合についての例である。
【0017】
図2は、本実施形態に係るファクシミリ装置の構成を示すブロック図である。ファクシミリ装置10a,10bは共通の構成である。
【0018】
このファクシミリ装置10は、データ(画像データ)を記録媒体に印刷するプリンタ/コピーや、電話回線を利用した通常のファクシミリとしての機能を有する。
【0019】
このファクシミリ装置10は、メイン制御部11、パネル制御部12、制御用メモリ13、制御用バッファ14、読取部15、記録部16、画像記憶部17、符号/復号化制御部18、LAN(Local Area Network)制御部19、モデム20、網制御部(NCU:Network Control Unit)21を備えて構成されている。以下、各部について説明する。
【0020】
メイン制御部11は、CPU(Central Processing Unit)などを備えて構成され、ファクシミリ装置10の全体を統括的に制御する。
【0021】
パネル制御部12では、原稿の読み込み、相手先入力などの指示が行われ、対応した画面が表示される。パネル制御部12は、図示しない表示装置及び操作部を備えている。表示装置は、液晶表示装置(LCD)又はCRTディスプレイ等の表示装置であり、動作状態や送信先などを表示する。操作部は、操作するために必要なキー(入力装置)を備えている。本実施形態のパネル制御部12は、表示装置及び操作部を一体としたタッチパネルである。本実施形態ではパネル制御部12のタッチパネルから、相手先の設定を行う。設定された相手先情報は、制御用メモリ13に格納される。
【0022】
制御用メモリ13は、ROMなどの不揮発性のメモリや、バックアップされた揮発性のメモリなどから成り、各種制御プログラムや相手先情報(送信先の電話番号、短縮番号等)が格納されているとともに、これらの制御プログラムを実行するのに必要なシステムデータや各種データが記憶されている。制御用バッファ14は、RAM等から成り、制御プログラムを動作させる上で必要なデータを格納する。画像記憶部17は、符号化された画像データもしくはフォーマット変換後のデータを記憶するとともに、後述する読取部15から読込んだデータ、またはファクシミリ受信したデータ、復号化後のデータなどを記憶する。
【0023】
読取部15は、原稿読取り手段としての光電変換素子(CCD;Charge Coupled Device)を利用したスキャナで、原稿を所定の解像度で読取る。そして、読取った結果、ドットイメージデータを出力する。記録部16は、電子写真方式のプリンタ装置を備え、ファクシミリ通信によって受信した原稿画像や読取部15で読取った原稿画像等のデータをハードコピー(プリントアウト)する。また、サーマル素子を利用したサーマル記録装置として構成されていてもよい。
【0024】
符号/復号化制御部18は、読込んだ原稿画像のデータの符号化や画像データ受信時の復号化を行う。すなわち、この符号/復号化制御部18は、読取部15で読取った原稿画像のデータを、算術符号化演算により符号化圧縮するとともに、符号化圧縮されている受信画像データを元のデータに復号化する。この符号/復号化制御部18は、ファクシミリ通信で一般に使用されている、MH(Modified Hufman)、MR(Modified READ)、MMR(Modified Modified READ)、及びJBIGなどの符号化方式を用いることができる。
【0025】
LAN制御部19は、インターネット経由による外部装置(サーバ)50との送受信通信を行うために、LAN(Local Area Network)と接続するためのものである。モデム20は、G3通信の送信信号を回線の伝達に適した形態に変調し、また、回線から送られてきた変調信号を復調するファクシミリモデムから構成されている。このモデム20は、網制御部(NCU:Network Control Unit)21を介して公衆電話回線と接続されている。網制御部21は、アナログの公衆電話回線網(PSTN)との回線の閉結及び開放の回線制御動作を行うハードウェアであり、必要に応じてモデム20を公衆電話回線網と接続する。つまり、この網制御部21は、G3通信プロトコルに従って画像データの送・受信及び制御信号の送・受信を行うとともに、自動発・着呼処理を行う。
【0026】
停電情報(電力供給情報)を取得する情報取得手段としては、ユーザが入力する操作パネル、外部装置50から入力されるLAN制御部19、他のファクシミリ装置から入力される網制御部21がある。
【0027】
次に、図1のファクシミリ装置10a、10b間での通信手順について説明する。
図3は、ファクシミリ装置の発呼側装置と被呼側装置との間におけるファクシミリ通信手順を示すシーケンス図である。発呼側装置と被呼側装置は、ITU−T勧告V.21に規定される手順にて通信(G3通信)を行うものとするが、これに限定されるわけではない。
【0028】
発呼側装置10aから被呼側装置10bに対してデータを送信する場合、最初に発呼側装置10aから被呼側装置10b対し、ダイヤリングが行われて通信接続し、コーリングトーン(CNG:Calling Tone)が送信される。
【0029】
被呼側装置10bがITU−T勧告のV.21の手順に従う装置であれば、被呼側装置10bは、発呼側装置10aからのコーリングトーンを検出すると、まず被呼局識別信号(CED:Called Station Identification signal)を送出し、続いて、自装置の製造メーカ情報を含む非標準機能信号(NSF:Non-Standard Facilities signal)と、自装置の電話番号を含む被呼装置識別信号(CSI:Called Subscriber Identification signal)と、伝送速度や最大受信幅などの自装置の性能情報を含むデジタル識別信号(DIS:Digital Transmit Command signal)とを送出することによって、自装置の機能を発呼側装置10aへ知らせる。
【0030】
すると、これらの信号に応答して、発呼側装置10aが、自装置の電話番号を含む送信装置識別信号(TSI:Transmitting Subscriber Identification signal)と、伝送速度や最大受信幅などの自装置の性能情報を含むデジタル命令信号(DCS:Digital Command Signal)とを送出することによって、自装置の機能を被呼側装置10bへ知らせる。自装置の製造メーカ情報を含む非標準手順信号(NSS:Non-Standard facilities Set-up)も被呼側装置へ知らせる場合がある。
【0031】
続いて、発呼側装置10aから送信されたトレーニングチェック信号(TCF:Training Check signal)を被呼側装置10bが受信すると、受信準備確認信号(CFR:Confirmation to Receive signal)が被呼側装置10bから発呼側装置10aに返信される。
【0032】
発呼側装置10aは、被呼側装置10bからCFR信号を受信後、被呼側装置10bに対して、画像のデータ(PIX)を1ページ分ずつ送信する。全ての符号化データの送信が終了すると、被呼側装置10bに手順終了信号(PPS−EOP)を送信する。全ページ分の画像のデータを受信したことを被呼側装置10bが確認すれば、メッセージ確認信号(MCF:Message Confirmation Signal)が被呼側装置10bから発呼側装置10aに返信される。
最後に、切断命令信号DCN(Disconnect signal)が発呼側装置10aから送信されて被呼側装置10bで受信されると、ファクシミリ通信が終了する。
【0033】
この様な各信号およびデータを送受するための制御は、発呼側および被呼側のファクシミリ装置のいずれにおいてもメイン制御部11によって行われる。
【0034】
ファクシミリ通信は上記手順で行われるが、図3の新規信号は、停電情報を意味し、これによって停電情報を発呼側装置10aに通知する。停電情報は、図1に示したように、被呼側装置10bにユーザが直接入力したり、あるいは外部装置50に記憶された停電情報を被呼側装置10bに取得したりする。そして、NSF/CSI/DIS信号を発呼側装置10aに通知後、新規信号として停電情報を通知する。あるいは、PPS−EOP信号が発呼側装置10aから被呼側装置10bに通知された時点で、被呼側装置10bから発呼側装置10aに新規信号として停電情報を通知する。
【0035】
しかし、通知タイミングはこれに限るものではない。たとえば、NSF信号にて停電情報を通知してもよい。この場合はNSF信号の中身にASCIIコードにて停電情報を入れて通知する。また、通知形式は、ASCIIコードに限るものではなく、別の形式でもよい。
【0036】
上記通信手順は、ITU−T勧告V.21に規定される手順であったが、ITU−T勧告V.8に規定される手順でも通信(スーパーG3通信)してもよい。たとえば、送信側と受信側のファクシミリ装置が、スーパーG3対応とする。その場合は、発呼側装置10aからCNG信号が被呼側装置10bに送信されると、被呼側装置10bはANSam信号を送信し、発呼側装置10aがANSam信号を受信することで、V.8手順が開始される。従って、停電情報はそれ以降に送信される。
【0037】
また、送受信のファクシミリ装置の片方がG3対応で、他方がスーパーG3の対応の場合もあり、そのときはV.21対応であることを示す信号を相手に送り、G3通信が行われる。この場合には、停電信号は、V.21対応であることを示す信号が送信され、G3通信が開始されてから送信される。
【0038】
図4のフローチャートを用いて送信側ファクシミリ装置の動作を説明する。
【0039】
ステップS1では、送信側ファクシミリ装置(発呼側装置)10aのメイン制御部11は、パネル制御部12より入力されたファクシミリ送信を行う相手先のファクシミリ番号をもとにモデム20及び網制御部21を介して回線に対してダイヤルを実施する。
ステップS2では、発呼側装置10aのメイン制御部11がT0タイマーをスタートさせる。
【0040】
ステップS3では、モデム20及び網制御部21を介してCNG信号を送出する。このCNG信号にて、受信側ファクシミリ装置(被呼側装置)10bは、電話の相手がファクシミリ送信してきていることが分かる。
【0041】
ステップS4では、送信側ファクシミリ装置10aのメイン制御部11が、相手機10bから次のいずれかの信号(ANSam、CED、DIS、V.21)が送信されているかどうかを判断し、送信されている場合には、ITU−T T.30の手順に従ってファクシミリ送信を行う。
【0042】
ステップS4で、相手機10bからの上記信号が検出できない場合、ステップS5にてT0時間が経過(タイムアップ)しているかどうかを判定する。ステップS5にて、タイムアップしていない場合には、ステップS3に戻り、CNG信号の送出からのステップを繰り返す。ステップS5にて、タイムアップしている場合には、ステップS6にて相手機10bが無応答として回線を切断する。
【0043】
ステップS4では、相手機10bからの信号(ANSam、CED、DIS、V.21のいずれか)を検出している場合には、ステップS7にて停電情報が受信側から送信されてきているかどうかを判断する。停電情報が送信されてきていない場合には、ステップS8にて送信側ファクシミリ装置10aのメイン制御部11は、通常のファクシミリ送信を行う。
【0044】
ステップS7にて停電情報が受信側ファクシミリ装置10bから送信されてきている場合には、ステップS9にて送信側ファクシミリ装置10aのメイン制御部11は、停電情報受信による処理を実施し、その後、ステップS8に進んでファクシミリ送信を行う。
【0045】
ステップS9による停電情報受信による処理としては、停電情報を送信側ファクシミリ装置10aの制御用メモリ13に記憶する。停電情報には、以下の情報が含まれている。
・停電している時間情報
停電している時間情報は、時間帯のみ、日付+時間、停電している時間などがある。
【0046】
なお、停電情報の信号受信は、どのタイミングでもよい。ここの説明では、便宜上、相手機からのファクシミリ信号(ANSam、CED、DIS、V.21)を受信した後として記載している。
【0047】
図5は、停電情報を受信した場合の送信側ファクシミリ装置10aのメイン制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【0048】
ステップS11では、送信側ファクシミリ装置10aのメイン制御部11は、読取部15に原稿読込みをさせる。ステップS12では、メイン制御部11は、読み込んだ原稿のデータ量から送信を終えるまでの処理時間を算出する。ステップS13にて、処理終了までの時間と現在の時間から停電時間までの時間との差を求める。ステップS14にて、停電までに原稿の送信処理が終了できるかを判断する。ステップS13で求めた差が、ある一定時間以上であれば、送信可能と判断する。
停電までに送信が可能であれば、ステップS8でファクシミリ通信を行う。
停電までに送信が不可能であれば、ステップS15において、処理モードの変更を行う。
【0049】
処理モードの変更とはたとえば以下のようなものがある。
(1)読取部15の原稿の読み取り解像度を下げる。
(2)読み取られた送信原稿の送信解像度を下げる。
(3)読み取られた送信原稿を設定されている圧縮率よりも高い圧縮率で圧縮する。
(4)読み取られた送信原稿をページ集約する。(数ページ分を1ページに集約する。)
いずれの処理も送信データ量を減少させることにより、処理時間を短縮するものである。
【0050】
ステップS16にて、原稿の読み取り解像度を変更する処理(解像度を下げる処理)か否かを確認する。解像度を変更する処理であれば、ステップS11に戻り、原稿を読み込み直す。この場合は、たとえば、パネル制御部12により操作パネルに「読み取り解像度を下げて原稿を読み込んでください。」と表示させ、ユーザに再度原稿読込みを行なわせる。
原稿の読み取り解像度を変更する処理でなければ、ステップS12に戻る。
【0051】
なお、どの処理モードにするかは、予め一つを設定しておいてもよい。また、ステップS12において求めた差分に応じて、処理モードを選択するようにしてもよい。
【0052】
こうして、電力供給不足により停電が発生すると予測される状況下であっても、停電のタイミングで送信が途切れてしまわないよう、送信する画像データ量を削減する等の処理を行なうことによりFAX送信の処理時間を短縮し、可能な限り相手先への画像データの送信を実現することができる。
【0053】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0054】
10 ファクシミリ装置
10a 送信側ファクシミリ装置(発呼側装置)
10b 受信側ファクシミリ装置(被呼側装置)
11 メイン制御部
12 パネル制御部
13 制御用メモリ
14 制御用バッファ
15 読取部
16 記録部
17 画像記憶部
18 復号化制御部
19 LAN制御部
20 モデム
21 網制御部
50 外部装置
60 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を読み取り、そのデータを公衆回線を介して指定された相手先へ送信を行なうファクシミリ装置において、
原稿を読み込んで画像データとする読取部と、
電力供給が不足となる電力不足時間を含む電力供給情報を取得する情報取得部と、
前記電力供給情報に基づいて、電力不足時間までに前記画像データの送信処理を終了できるか否かを判断し、送信処理が終了できなければ、送信処理を終了できる処理モードに切り替える制御部と、
を備えたことを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項2】
前記処理モードは、
送信原稿の読み取り解像度を下げることを特徴とする請求項1に記載のファクシミリ装置。
【請求項3】
前記処理モードは、
読み取られた送信原稿の送信解像度を下げることを特徴とする請求項1に記載のファクシミリ装置。
【請求項4】
前記処理モードは、
読み取られた送信原稿を設定されている圧縮率よりも高い圧縮率で圧縮することを特徴とする請求項1に記載のファクシミリ装置。
【請求項5】
前記処理モードは、
読み取られた送信原稿をページ集約することを特徴とする請求項1に記載のファクシミリ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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