説明

フィデューシャルマーカの配置

【課題】次の段階からなる2つあるいはそれ以上のフィデューシャルマーカ(3)の予期する位置(5)を決定する方法:ワークピース(2)に関して、原点からの軌跡(4)の角度変位に関して非反復の様式で変化する原点からの半径をもつ軌跡を決める段階;そして予期する位置が決まった軌跡に沿った点に実質的にワークピースに関して場所付けられるようにそれぞれのフィデューシャルマーカの2つあるいはそれ以上の予期する位置を選択する段階。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は目的物にフィデューシャルマーカ(Fiducial Marker)の配置の方法に関する。特に、本発明の実施態様は医療患者のようなワークピース上のフィデューシャルマーカの配置に関する。
【0002】
ワークピースが作動されるとき、いかなる作業がワークピースの正しい部位で実施されているか確認するために画像でワークピースの実際の位置を登録することは時には必要である。例えば、ワークピースの内部構造の画像は、作業が特に見えないワークピースの内部構造の部分で実施されるとき案内役として要求されそして使用される。
【0003】
このような例では、ワークピースの画像を取得するために使用される参照の枠はワークピース上あるいは中に器具を向けることが関心のある箇所(ワークピースの内部構造の部分のような)で作動するために可能なように参照のその時点の枠と一致されねばならない。器具は最初に取得されたワークピースの画像を利用し方向づけるけれども、しかしながら、ワークピースのその時の方向づけは最初の画像が取得されたときワークピースの方向づけと通常異なるので、この方法で器具を方向づけることは困難である。さらに、画像の形式はこのような作業の助けにならない。例えば、ワークピースの画像のスライスはその時の方向でワークピースを描くけれども、しかし、画像のスライス上に基づく器具の方向づけは容易な手順でない。
【0004】
一般的に、ワークピースの実際の位置でワークピースの画像を登録するために、ワークピースの画像およびワークピースのその時の観察の両方で可視できるワークピースの特徴を利用することが必要である。
【0005】
例えば、ワークピースの内部構造のX線画像は登録を達成するためにX線画像でまた可視できるワークピースの外部の特徴を参照して説明されなければならない。しかしながら、実際の特徴と画像の一致は特徴が空間で一致するときですら可能である特徴の種々の異なる方向のため困難である。
【0006】
同様に、ロボットがワークピースに作動するとき、ワークピースの正確な方向および場所に対してロボットの参照の空間的な枠内で決定されることが必要である。もしワークピースの場所および方向がロボットの参照の枠内で決まらないならば、それなら、例えば、ロボットは仕事を完成するために作業の器具をワークピースと正確に一直線にできない。
【0007】
ロボットがワークピースの仕事を完成するために利用されるある状況で、ロボットは正確に知られた寸法および形のワークピース上で操作するためプログラムされる。ワークピースはロボットに関して予め決められた場所でロボットに提供され、そしてかくしてワークピースはロボットの参照の空間枠内に決められる。例えば、自動モーター車装置ラインは、例えば、ロボットに対して既知の場所でモーター車を配置するための配列を含む。モーター車の寸法および形は基準でありそしてこの情報はロボット内にプログラムされる。それ故、ロボットは車に対して一連の仕事を実行する。
【0008】
他方、もしワークピースがロボットに対して予め決められた場所にないか、あるいはワークピースが既知の寸法でないならば(あるいは両方)、それからワークピースの正確な場所、方向および寸法に対して、ワークロボットがワークピース上にいかなる仕事をもする前にロボットの参照の枠内で決定されることが必要である。
【0009】
ロボットの参照の枠内のワークピースの定義の追加的問題は、ワークピースがロボットのプログラムが実行されたサンプルワークピースと大きく異なっているとき起きる。さらに、ある状況では、ワークピースはワークピース上でロボットによって行われる作業の間ロボットの参照の枠内で動く。このように、ワークピースは仕事が始まったときロボットの空間枠内で決められているけれども、作業が終了に近づく時間まで、ワークピースはロボットの参照の枠内で最早正確に決められない。
【0010】
これらの問題を克服するためにフィデューシャルマーカは発展してきた。
【0011】
フィデューシャルマーカを使用して、フィデューシャルマーカを含むワークピースの画像を取得しそして、例えば、計算機断層放射線写真(CT)、磁気共鳴(MR)および超音波画像のような方法を使用してワークピースの内部走査とワークピースの画像とを一致することが可能である。
【0012】
これらのマーカはワークピースの外側に貼り付けるかあるいは少なくともマーカの部分がワークピースの外側から見えるかあるいは他の方法で検知できるようにワークピース内に埋め込まれる。ある例ではフィデューシャルマーカを含む枠がワークピースに貼り付けられる。枠はワークピースに接触するかあるいはワークピース中に埋め込まれる多数のピンを使用してワークピースに確保される。枠の使用は多数のフィデューシャルマーカをワークピースと接触する少数の実際の点を使用してワークピースに関して確実に固定される場所に位置付けられる。このように、ワークピースに対する潜在的損害は減らされる。さらに、実際のワークピースからマーカを離したりマーカを再び貼り付けることは要求なしに枠上のフィデューシャルマーカの場所を調整するため可能である。
【0013】
大多数の例でフィデューシャルマーカ(あるいは枠)はロボットがその作業あるいは一連の作業を実行したあと、あるいは画像が適切である目的に対してワークピースと一致したあと取り外される。
【0014】
フィデューシャルマーカの使用の実施例は医療手術の前に患者の脳の医療走査あるいは簡単な診断目的にある。代わりに、フィデューシャルマーカはこれらが動いたりあるいは緩んだりしないことを確かめるため患者の頭蓋骨に埋め込まれる。明らかなように、患者の頭蓋骨内へのフィデューシャルマーカの埋め込みは患者にとって不愉快である。通常、埋め込まれたフィデューシャルマーカは、貼り付けられたマーカの移動あるいは紛失が埋め込まれたフィデューシャルマーカの有害な影響より重大で顕著な問題を引き起こす状況においてのみ実際的である。上述のように、枠の使用は多数の個々の埋め込まれたフィデューシャルマーカに対する要求なく患者に関してマーカの確かな配置を確保するので望ましい。
【0015】
埋め込まれそして貼り付けられたフィデューシャルマーカの両方に関連する問題は実施例の方法で以下に記述される。
【0016】
患者の脳から脳腫瘍を切除する外科手術に先立って(あるいは、例えば、パーキンソン病の治療あるいはテンカンの研究のため患者の脳に電極を挿入する)、例えば、CT X線走査、MR画像走査、あるいは超音波走査を使用して多数の画像を取得することが必要である。脳のこれらの画像は外科医に脳腫瘍の場所(あるいは関心のある他の箇所)そして引き続く手術の間、切除される必要のある部分(あるいは電極が設置されなければならない部分)を特定させる。
【0017】
実際の手術の実施で、外科医は患者の健康な頭蓋骨および組織をできるだけ損傷を少なくし、一方脳腫瘍をできるだけ多く切除されることを確かめること(あるいは電極が正確な位置に設置されること)をなお理想として望んでいる。
【0018】
それ故、患者の頭の外部の観察で脳の走査画像を一致するためのシステムの提供をすることが必要である。これを達成するためにフィデューシャルマーカが患者の頭蓋骨上に配置される。ロボットはフィデューシャルマーカを含む患者の頭蓋骨の多数の外部画像(例えば2つ)を取得するために使用されそして患者の頭の方向を事前に取得された脳の画像と一致するため使用され、かくして通常決められた参照の枠に関して患者の頭を登録する。
【0019】
光学的画像案内外科手術の間、数多くのフィデューシャルマーカを含む枠は患者に(例えば、患者の頭に)確保される。患者のMRIあるいはCT X線画像の枠そしてマーカは患者内の関心のある箇所を区別するために行われる。後の外科手術の間、器具は外科手術の役割を果たすために使用される;器具は追加的なフィデューシャルマーカを含みそして/あるいは枠に取り付けられる。2つのカメラが患者、フィデューシャルマーカをともなう枠そして器具上のフィデューシャルマーカの画像(そこに何かあれば)を捉えるため走査できるように位置づけられる。患者の画像は枠上のフィデューシャルマーカ、器具上のマーカ(そこに何かあれば)そして以前に取得された画像(例えば、MRIあるいはCT X線画像)に関して器具の直接使用(手動で−外科医によって−あるいは自動で−ロボットによって)のために利用される。このように、器具は周囲の脳組織に不必要な被害なしに正しい位置に向けられる。
【0020】
もし何らかの理由でフィデューシャルマーカが移動しあるいは使用できなくなるならば、そうすれば患者の頭の外部画像を脳の内部画像と正確に一致することは不可能であることは明らかである。これは数多くの問題、例えば、手術の間に健康な脳組織を切除することになる。
【0021】
他の問題がワークピース上のフィデューシャルマーカの配列の対称性によって起きる。例えば、フィデューシャルマーカの四角の模様はロボットの参照の枠内にワークピースの4つの表面の有効な方向を生じる。ある程度で、明らかな対称的な模様はマーカの配置の間避けることができる。しかしながら、1つの観察から非対称として現れる模様は他の観察で対称性を示す。さらに、1つあるいはそれ以上のマーカが使用できなくなるならば、それで残りのマーカは対称の模様を形成する。
【0022】
本発明の目的は従来技術に関連する問題を改善することである。
【0023】
本発明の観点に従って、次の段階からなる2つあるいはそれ以上のフィデューシャルマーカの予期する位置を決定する方法を提供する:ワークピースに関して、原点からの軌跡の角度変位に関して非反復の様式で変化する原点からの半径をもつ軌跡を決める段階;そして予期する位置が決まった軌跡に沿った点に実質的にワークピースに関して場所付けられるようにそれぞれのフィデューシャルマーカの2つあるいはそれ以上の予期する位置を選択する段階。
【0024】
望ましくは、フィデューシャルマーカの予期する位置は軌跡に沿った隣接の予期する位置から何れか1つの予期する位置の角度変位が360°の互いに素でないように実質的にある。
【0025】
便利に、軌跡はフィボナッチあるいは黄金螺旋である。
【0026】
代わりに、軌跡は対数螺旋である。
【0027】
望ましくは、4つあるいはそれ以上の予期する位置はワークピースの場所が予期する位置の場所を調査することによって循環する不変性で決定されるように選択される。
【0028】
便利に、フィデューシャルマーカの予期する位置はワークピース上にある。
【0029】
優位に、予期する位置はワークピースに関して固定された場所に位置する1つあるいはそれ以上の表面上にある。
【0030】
本発明の他の観点は次の段階からなるワークピース上に2つあるいはそれ以上のフィデューシャルマーカを配置する方法を提供し、段階は:ワークピースに関して軌跡を決め、軌跡が原点から軌跡の角度変位に関して非反復の様式で変化する原点からの半径をもち;予期する位置が決まった軌跡に沿った点で実質的にワークピースに関する場所であるようにそれぞれのフィデューシャルマーカの2つあるいはそれ以上の予期する位置を選択し;そして2つあるいはそれ以上の予期する位置のそれぞれに実質的にフィデューシャルマーカを配置する。
【0031】
優位に、フィデューシャルマーカの予期する位置は軌跡に沿った隣接の予期する位置から何れか1つの予期する位置の角度変位が360°の互いに素でないように実質的にある。
【0032】
望ましくは、軌跡はフィボナッチあるいは黄金螺旋である。
【0033】
代わりに、軌跡は対数螺旋である。
【0034】
有利に、方法は2つあるいはそれ以上の予期する位置のそれぞれに実質的にワークピースにフィデューシャルマーカを確保する段階からさらになる。
【0035】
望ましくは、確保は2つあるいはそれ以上の予期する位置のそれぞれに実質的にワークピース内にフィデューシャルマーカを埋め込む段階からなる。
【0036】
便利に、確保は2つあるいはそれ以上の予期する位置のそれぞれに実質的にワークピースにフィデューシャルマーカを貼り付ける段階からなる。
【0037】
有利に、方法はワークピースに関して固定された場所に位置付けされた2つあるいはそれ以上の表面にフィデューシャルマーカを確保する段階からさらになる。
【0038】
望ましくは、フィデューシャルマーカはワークピースの場所がフィデューシャルマーカの場所を調査することによって循環する不変性で決定されるような4つあるいはそれ以上の予期する位置に配置される。
【0039】
本発明の他の観点は、2つあるいはそれ以上のフィデューシャルマーカはマーカがワークピースに関して決まった軌跡に実質的に位置されるように配置されるワークピースであって、軌跡が原点から軌跡の角度変位に関して非反復の様式で変化する原点からの半径をもつことを提供する。
【0040】
望ましくは、フィデューシャルマーカの位置は軌跡に沿った隣接の予期する位置から何れか1つの位置の角度変位が360°の互いに素でないように実質的にある。
【0041】
有利に、軌跡は対数螺旋である。
【0042】
代わりに、軌跡はフィボナッチあるいは黄金螺旋である。
【0043】
便利に、マーカはワークピースに確保される。
【0044】
望ましくは、マーカはワークピース内に埋め込まれる。
【0045】
優位に、マーカはワークピースに貼り付けられる。
【0046】
便利に、4つあるいはそれ以上のフィデューシャルマーカはワークピースの場所がフィデューシャルマーカの場所を調査することによって循環する不変性で決定されるようにワークピース上に配置される。
【0047】
本発明の他の観点は上述の方法を実行するためプログラムされた計算機を提供する。
【0048】
本発明の他の観点は上述に従う計算機を操作するためのプログラムを提供する。
【0049】
本発明がさらに容易に理解されるためにその実施態様が付帯する図面を参照して実施例の方法で記述される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】多数のフィデューシャルマーカを含むワークピースを示す。
【図2】多数のフィデューシャルマーカを含む医療患者の頭を示す。
【図3】対数螺旋の近似を示す。
【0051】
先行技術に関係する問題の上述の説明から明らかなように、フィデューシャルマーカの手当たり次第の配置はワークピースの画像が三次元空間でワークピースと一致するとき、ワークピースの方向あるいは場所に曖昧さはない。このように本発明の実施態様は、もし、マーカのいくつかが使用できなくなる(例えば、これらが剥がれたり、移動したりあるいは隙間を防がれたり)ならば、ワークピースの画像は実際のワークピースのワークピースあるいは他の画像に正確になお一致するようにフィデューシャルマーカがワークピース上に配置されるべき場所を決定する方法を提供する。
【0052】
本発明は図1および図2を参照して説明される。本発明の実施態様に従って、もしワークピース2の表面1が平面(実質的に平面)ならば、そうすればフィデューシャルマーカ3は表面1に非反復パターンあるいは連続列で続く間隔で投影された数学的螺旋4上に配置される。
【0053】
マーカ3は原点から角度の一定の変化に対して半径の変化の非反復列をもつ螺旋4に沿って配置される。
【0054】
例えば、マーカ3は次の一般の極線式をもつ対数あるいは等角(式1および図3参照)螺旋4上に配置される。
r=a.e(bθ) (式1)
ここで、r=半径、a、b=常数、θ=角度
【0055】
常数“a”は比例常数および常数“b”は如何に密にそしてどの方向に螺旋がプロットされるかを決定する。原点からの点の角度変位はθによって表示されそして螺旋4の半径がワークピース2上に問題であるあるいは関心のある箇所にワークピースをとり囲むに十分になるまで無限に増加する。
【0056】
対数あるいは等角螺旋4への有益な近似はフィボナッチあるいは黄金螺旋を使用して達成される。これらの近似の何れかは本発明の実施態様に従って使用される。
【0057】
対数螺旋およびその近似は、角度の一定の変化に対して半径が増加しつつそして非反復の形式で増加するので、ワークピース2上のフィデューシャルマーカ3の配置の決定に適している。
【0058】
当業者は、他の方程式が角度の一定の変化に対して半径の変化の非反復列をもつ螺旋4に対して上述の与えられた基準にもまた適合することを認識している。これらの他の方程式は本発明の実施態様に従って使用される。
【0059】
上述の螺旋4の1つがワークピース2の表面1上に投影されそして一定角度間隔で螺旋4の投影線上のワークピースの表面1に貼り付けられるならば、ワークピース2の画像が実際のワークピース2(あるいはそれの他の画像)に曖昧さなく一致することを防ぐ尺度の誤りは、もしいくつかのマーカ3が利用できなくなるならば起きる。この問題は360°で互いに素でない隣接のマーカ3に対して角度の分離を選択することによって改善される。
【0060】
上述の方法に従ったワークピース2の平らな表面1にフィデューシャルマーカ3の貼り付けによって、ワークピース2の画像がワークピース2それ自身あるいはワークピース2の他の画像またはモデルに一致するとき、ワークピース2の不適切な配列(あるいは不適切な登録)を防ぐことが可能である。
【0061】
多くのワークピース2は螺旋4が投影される平な表面からならないことは明らかである。それ故、本発明は三次元形上にマーカ3を位置づけるために予期する場所を決定する方法をまた提供する。
【0062】
本発明の1つの観点に従って、上述の螺旋の1つが利用されそして予期するマーカの位置5が上述の方式でまた決定される。マーカ3の予期する位置5はそれから三次元のワークピース2上に投影され、そしてフィデューシャルマーカ3は投影された予期するマーク位置5とワークピース2の表面の間の交点に配置される。勿論、マーカ3の位置は螺旋4がワークピース2上に投影された後等しく計算できる。
【0063】
三次元ワークピース2上にマーカ3の予期する位置5を投影する上述の方法は地図を作るために利用される立体図投影と同様であると理解されるが、しかし逆である。これはもし三次元ワークピース2が球面の部分であるならばさらに明らかである。
【0064】
本発明の他の観点に従って上述の螺旋4を計算するために使用される方程式は深さの座標を含むように変換される(二次元空間に単純に操作されるよりむしろ)。かくして、螺旋4の深さは角度の関数としてまた変化する。
【0065】
理想的にマーカ3はワークピース2内の関心のある如何なる箇所をも取り囲むため非平面配列に位置づけられるべきである;例えば、医療患者においてマーカ3は脳腫瘍のような可能性のある外科手術標的を取り囲む。
【0066】
配列の画像の登録の改善された精度はもしフィデューシャルマーカ3がワークピース2内の関心のある箇所に一致する重心もつようなクラスター内に配列されるならば達成される。ある場合では、これは常に可能ではない;それ故、このようなシステムの精度のいくつかの改善はもしマーカ3のクラスターが関心のある箇所を通して切る如何なる面もマーカクラスターを通してまた切るようであれば達成される。
【0067】
例えば、視床下核はしばしば医療患者の脳の関心のある箇所である。本発明の観点に従って配置されそしてこの箇所の画像の登録あるいは配列の精度を最適化する積もりであるマーカ3のクラスターはこれらの重心が視床下核上に実質的に落ちるように配置されるべきである。
【0068】
螺旋4および予期するマーカ位置5は、例えば、光投影装置を使用して実際のワークピース2上に投影されるか、あるいは視覚的画像のワークピース上に投影される。視覚的ワークピースは異なる角度から2つあるいはそれ以上のワークピースの画像を取得しワークピース2の視覚的画像の三次元モデルを形成するための立体画像を使用することによって作られる。
【0069】
いくつかの実施態様において、予期するマーカ位置5は、ワークピース2の視覚的画像の三次元モデルを使用して決定され、そして実際のフィデューシャルマーカ3の正確な配置を確かめるために使用されるワークピース2あるいは追加的な一時的フィデューシャルマーカ3(図示されない)(一時的マーカは実際のマーカ3の配置後除去される)の特徴の参照によって実際のワークピース2上の予期するマーカ位置5をそれから決定する。
【0070】
フィデューシャルマーカ3は実際のワークピース2に貼り付けられるかあるいはワークピース2に関するそれぞれのマーカ3の位置にアームのような1つあるいはそれ以上の支持構造(図示されない)によって支持される。
【0071】
事実、いくつかの実施態様において、マーカ3は上述のような螺旋4の線上の中空ドームあるいはコーンの形の外郭(図示されない)上に配置される。外郭はワークピース2(患者のような)に確保される枠に取り付けられる。外郭は関心のある特別の箇所上に位置される(そして確実に固定される)ように枠に関して移動できる。
【0072】
例えば、ワークピースは患者の頭でありそして外郭はマーカ3の重心が患者の脳の関心のある場所上に位置するように配置される。
【0073】
優位に、器具はまた枠に取り付けられる。望ましくは、器具は器具の位置を登録するために使用される追加的なフィデューシャルマーカを含む。
【0074】
外郭は互いに接続される必要のないいくつかの表面からなることは明らかである。事実、マーカは枠から延びるアーム上に配置される。代わりに、外枠およびアームの両方が利用される。
【0075】
このように、本発明の観点は上述した光学的トラック画像案内外科手術方法で利用される。
【0076】
望ましくは、ワークピース2はヒトあるいは動物の身体(例えば、医療患者)の部分である。本発明の観点は脳外科、調査、あるいは他の処置(放射線治療あるいは電極配置のような)に先行してあるいは部分として患者の頭にフィデューシャルマーカ3の位置付けへの応用に適している。
【0077】
本発明の実施態様が実際の状況に適用されるとき、決定された予期するマーカ位置5に従ってフィデューシャルマーカ3の正確な位置づけは可能でないことは明らかである。しかしながら、本発明の利点はマーカ3の実際の位置に対する近似として予期するマーカ位置5を使用することによってなお達成される。このように、実際のマーカ3は予期するマーカ位置5に近くに配置されそして本発明の利点はなお得られる。
【0078】
上述のように、本発明の観点はワークピースの2つあるいはそれ以上の画像の配列あるいは登録、あるいはロボット(図示されない)の参照の枠でワークピース2の登録の目的のために利用される。本発明の観点はマーカ3の1つあるいはそれ以上が利用できなくなるときでさえ配列あるいは登録を許す。
【0079】
例えば、上述の方法に従って、この実施例で、患者の頭であるワークピース2上に、フィデューシャルマーカ3が配置される。例えば、患者の脳の1つあるいはそれ以上の画像はMR画像のような方法を使用して取得される;1つあるいはそれ以上の画像は患者の頭上のフィデューシャルマーカ3の位置の画像を含む。例えば、MR画像は外科手術あるいはさらなる調査のための箇所を確認するために使用される。患者の頭上の同じ場所のフィデューシャルマーカ3で(望ましくはしばらくの期間は除去されない)、患者は外科手術のために準備される。この実施例で、ロボットは外科手術工程に含まれそしてロボットは患者の頭の三次元モデルを構成するために患者の頭の少なくとも2つの画像を捉える。少なくとも2つの画像は患者の頭上のフィデューシャルマーカ3の画像を含む。ロボットはそれから早くに取得された脳のMR画像で患者の頭の三次元モデルに一致し、配列しあるいは登録するために使用される。このように、患者の脳の配列された画像および頭のモデルの配列された画像を参照して患者の頭を観察することによって脳の外科手術に関心のある箇所の位置を決定することが可能である。
【0080】
頭の三次元モデルは脳そしてモデルの画像および実質的に配列した画像の取得に先立って取得されることは明らかである。しかしながら、このような実施例において、患者の頭はロボットの参照の空間の枠内に最早登録されなくそして、かくして、ロボットの使用はロボットが参照の枠内で患者の頭の正確な位置を決定できないことに制約される(新しい画像からモデルの再構築なしに)。
【0081】
上述の配列、登録あるいは一致はワークピース上の少なくとも4つのマーカ3の長さまでなお起きる。代わりに、幾らかの数のマーカ3でも利用されそしてワークピースの1つあるいはそれ以上の特徴が視覚的フィデューシャルマーカとして利用される。正確な配列は少なくとも4つのフィデューシャルマーカ3そして視覚的フィデューシャルマーカの合計に依存する。
【0082】
本発明の利点はマーカ3が本発明の観点に従ってワークピース2上の、例えば、フィデューシャルマーカ3の位置間の対称でないようなワークピース2上の位置に配置されるので可能である−もしたとえ1つあるいはそれ以上のマーカが利用できるようになっても−。
【0083】
詳細な説明および特許請求項で使用される用語“軌道”は直線部分のない曲線(あるいは螺旋)および螺旋に近似を決める一連の実質的直線の両方(あるいは1つあるいはそれ以上の曲線および1つあるいはそれ以上の直線のいずれかの組み合わせ)を含む。
【0084】
この明細書および特許請求範囲で使用されるとき、用語“からなる(comprises)”および“からなっている(comprising)”およびその変形は明細化された特徴、段階あるいは完全体が含まれることを意味している。用語は他の特徴、段階あるいは構成要素の存在を排除することを意図されない。
【0085】
特別の形式あるいは開示された機能を実施するための手段、あるいは開示された結果を適切に、かもしれない、個別に得るための方法あるいは過程、あるいはこのような特徴の組み合わせで記載された前記明細書、次の特許請求範囲あるいは付帯する図面に開示された特徴は種々な形式で発明を実現するために利用される。
【符号の説明】
【0086】
1 表面
2 ワークピース
3 フィデューシャルマーカ
4 螺旋
5 予期される位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の段階からなる2つあるいはそれ以上のフィデューシャルマーカの予期する位置を決定する方法であって:
ワークピースに関して、原点からの軌跡の角度変位に関して非反復の様式で変化する原点からの半径をもつ軌跡を決める段階;そして
予期する位置が決まった軌跡に沿った点に実質的にワークピースに関して場所付けられるようにそれぞれのフィデューシャルマーカの2つあるいはそれ以上の予期する位置を選択する段階。
【請求項2】
フィデューシャルマーカの予期する位置は軌跡に沿った隣接の予期する位置から何れか1つの予期する位置の角度変位が360°の互いに素でないように実質的にある請求項1に従う方法。
【請求項3】
軌跡がフィボナッチあるいは黄金螺旋である請求項1あるいは請求項2のいずれか1項に従う方法。
【請求項4】
軌跡が対数螺旋である請求項1あるいは請求項2のいずれか1項に従う方法。
【請求項5】
4つあるいはそれ以上の予期する位置はワークピースの場所が予期する位置の場所を調査することによって循環する不変性で決定されるように選択される請求項1からは請求項4のいずれか1項に従う方法。
【請求項6】
フィデューシャルマーカの予期する位置がワークピース上にある請求項1からは請求項5のいずれか1項に従う方法。
【請求項7】
予期する位置がワークピースに関して固定された場所に位置する1つあるいはそれ以上の表面上にある請求項1からは請求項6のいずれか1項に従う方法。
【請求項8】
次の段階からなるワークピース上に2つあるいはそれ以上のフィデューシャルマーカを配置する方法であって:
ワークピースに関して軌跡を決め、軌跡が原点から軌跡の角度変位に関して非反復の様式で変化する原点からの半径をもつ段階;
予期する位置が決まった軌跡に沿った点で実質的にワークピースに関する場所であるようにそれぞれのフィデューシャルマーカの2つあるいはそれ以上の予期する位置を選択する段階;そして
2つあるいはそれ以上の予期する位置のそれぞれに実質的にフィデューシャルマーカを配置する段階。
【請求項9】
フィデューシャルマーカの予期する位置は軌跡に沿った隣接の予期する位置から何れか1つの予期する位置の角度変位が360°の互いに素でないように実質的にある請求項8に従う方法。
【請求項10】
軌跡がフィボナッチあるいは黄金螺旋である請求項8あるいは請求項9のいずれか1項に従う方法。
【請求項11】
軌跡が対数螺旋である請求項8あるいは請求項9のいずれか1項に従う方法。
【請求項12】
2つあるいはそれ以上の予期する位置のそれぞれに実質的にワークピースにフィデューシャルマーカを確保する段階からさらになる請求項8から請求項11のいずれか1項に従う方法。
【請求項13】
確保が2つあるいはそれ以上の予期する位置のそれぞれに実質的にワークピース内にフィデューシャルマーカを埋め込む段階からなる請求項12に従う方法。
【請求項14】
確保が2つあるいはそれ以上の予期する位置のそれぞれに実質的にワークピースにフィデューシャルマーカを貼り付ける段階からなる請求項12に従う方法。
【請求項15】
ワークピースに関して固定された場所に位置付けされた2つあるいはそれ以上の表面にフィデューシャルマーカを確保する段階からさらになる請求項8から請求項11のいずれか1項に従う方法。
【請求項16】
フィデューシャルマーカはワークピースの場所がフィデューシャルマーカの場所を調査することによって循環する不変性で決定されるような4つあるいはそれ以上の予期する位置に配置される請求項8から請求項15のいずれか1項に従う方法。
【請求項17】
2つあるいはそれ以上のフィデューシャルマーカはマーカがワークピースに関して決まった軌跡に実質的に位置されるように配置されるワークピースであって、軌跡が原点から軌跡の角度変位に関して非反復の様式で変化する原点からの半径をもつワークピース。
【請求項18】
フィデューシャルマーカの位置は軌跡に沿った隣接の予期する位置から何れか1つの位置の角度変位が360°の互いに素でないように実質的にある請求項17に従うワークピース。
【請求項19】
軌跡が対数螺旋である請求項17あるいは請求項18のいずれか1項に従うワークピース。
【請求項20】
軌跡がフィボナッチあるいは黄金螺旋である請求項17あるいは請求項18のいずれか1項に従うワークピース。
【請求項21】
マーカがワークピースに確保される請求項17から請求項20のいずれか1項に従うワークピース。
【請求項22】
マーカがワークピース内に埋め込まれる請求項21に従うワークピース。
【請求項23】
マーカがワークピースに貼り付けられる請求項21に従うワークピース。
【請求項24】
4つあるいはそれ以上のフィデューシャルマーカはワークピースの場所がフィデューシャルマーカの場所を調査することによって循環する不変性で決定されるようにワークピース上に配置される請求項17から請求項23のいずれか1項に従うワークピース。
【請求項25】
請求項1から請求項7のいずれか1項の方法を実行するためプログラムされた計算機。
【請求項26】
請求項1から請求項7のいずれか1項の方法に従う計算機を操作するためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−508110(P2010−508110A)
【公表日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535111(P2009−535111)
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【国際出願番号】PCT/GB2007/004065
【国際公開番号】WO2008/053165
【国際公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(507383666)プロサージックス リミテッド (8)
【Fターム(参考)】