説明

フィルタの洗浄装置

【課題】逆洗浄運転の間隔を短くできるフィルタの洗浄装置を提供する。
【解決手段】フィルタ111、112を有する反応タンク110と、一端がフィルタに接続されてた第一の搬送配管120と、第一の搬送配管の他端に接続された回収タンク130と、一端が回収タンクに接続された第二の搬送配管150とを備える反応システム100に用いられるフィルタの洗浄装置1であって、一端が第二の搬送配管に接続された第一の戻り配管10と、第一の戻り配管に接続された第一の逆洗浄液タンク20Aおよび第二の逆洗浄液タンク20Bと、第一の逆洗浄液タンクに供給されるろ過流体を調節可能な第一の流量調節弁22Aと、第二の逆洗浄液タンクに供給されるろ過流体を調節可能な第二の流量調節弁22Bと、両逆洗浄液タンクに収容されたろ過流体のいずれか一方を切替えて搬送する切替え部30とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタから触媒を取り除くフィルタの洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
化学反応を促進するために、様々な分野で触媒が用いられている。触媒の形状や用いられ方も多種にわたり、反応容器内で塊状の触媒が移動しないように支持される場合や、微細な粒状の触媒が反応液とともに攪拌される場合などがある。
近年、天然ガスから液体燃料を合成するための方法の一つとして、気泡塔型反応器(反応タンク)を用いた液体燃料合成システム(反応システム)が開発されている。この気泡塔型反応器内でも、粒状の触媒が用いられている。
【0003】
この液体燃料合成システムでは、天然ガスを改質して水素ガス(H)と一酸化炭素ガス(CO)とを主成分とする合成ガスを生成し、この合成ガスを原料ガスとしてフィッシャー・トロプシュ合成反応(以下、「FT合成反応」と称する。)により触媒を用いて気泡塔型反応器内で炭化水素を合成し、さらにこの炭化水素を水素化および精製することで、ナフサ(粗ガソリン)、灯油、軽油、ワックスなどの液体燃料製品を製造するGTL(Gas To Liquids:液体燃料合成)技術が用いられている。
一般的に、気泡塔型反応器内には、触媒が後段の設備に流れ出すのを防止するために、触媒をろ過するフィルタが設けられている。フィルタを使用すると時間の経過とともに触媒によりフィルタが目詰まりするため、フィルタから触媒を定期的に取り除く必要がある。このようなフィルタの洗浄装置として、たとえば、特許文献1に記載されたものが知られている。
【0004】
特許文献1では、フィルタの洗浄装置に関するいくつかの実施形態が開示されている。その一の実施形態のフィルタの洗浄装置では、反応器(反応タンク)とろ液回収ドラム(回収タンク)とが配管により接続されている。
この実施形態では、反応器からろ液回収ドラムに、反応器内のフィルタによりろ過された油(ろ過流体)を一定時間供給した後に、ろ液回収ドラム内の圧力を反応器内の圧力より高め、ろ液回収ドラムから反応器に油を供給する逆洗浄運転を行うことで、フィルタに付着した触媒を取り除いている。
しかし、この実施形態では、反応器からろ液回収ドラムに油を供給している間は、フィルタの洗浄ができないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6462098号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この問題を解決するために、特許文献1にはフィルタの洗浄装置の他の実施形態が開示されている。この他の実施形態では、フィルタの洗浄装置は、前述の一の実施形態の構成に加えて、反応器に配管により接続された逆洗ドラム(第一の逆洗浄液タンク)を備えている。この実施形態では詳しく記載されていないが、ろ液回収ドラム内の油を逆洗ドラムに供給する必要がある。このとき、ろ液回収ドラム内の油を加圧するためのポンプが必要になるか、逆洗ドラムを排圧して圧力差により油をろ液回収ドラムから逆洗ドラムに供給し、その後でろ液回収ドラム内を加圧するための装置が必要となる。
前者のポンプを備えた場合、ポンプが故障した場合には、逆洗浄運転ができなくなるためにフィルタが閉塞し、反応器内の液面が上昇して装置全体を停止させる必要性が生じる。
一方で、逆洗ドラムを排圧したり加圧したりする場合には、逆洗浄運転の間隔(タイムサイクル)が長くなり、フィルタが閉塞しやすくなる。
【0007】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、ろ過流体を昇圧するためのポンプを備えることなく、逆洗浄運転の間隔を短くすることができるフィルタの洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明のフィルタの洗浄装置は、触媒および前記触媒を用いた化学反応により生成される生成体が収容可能とされ、内部に前記触媒をろ過するフィルタを有する反応タンクと、一端が前記フィルタに接続されて前記フィルタを通過したろ過流体を搬送する第一の搬送配管と、前記第一の搬送配管の他端に接続され、前記ろ過流体を収容する回収タンクと、一端が前記回収タンクに接続され他端から前記ろ過流体を搬出する第二の搬送配管とを備える反応システムにおいて、前記フィルタに付着した前記触媒を取り除くフィルタの除去装置であって、一端が前記第二の搬送配管の中間部に接続され、前記ろ過流体を搬送する第一の戻り配管と、前記第一の戻り配管に接続され前記ろ過流体が供給される第一の逆洗浄液タンクおよび第二の逆洗浄液タンクと、前記第一の戻り配管から前記第一の逆洗浄液タンクに供給される前記ろ過流体の流量を調節可能な第一の流量調節弁と、前記第一の戻り配管から前記第二の逆洗浄液タンクに供給される前記ろ過流体の流量を調節可能な第二の流量調節弁と、前記第一の逆洗浄液タンクおよび前記第二の逆洗浄液タンクに接続され、前記第一の逆洗浄液タンクおよび前記第二の逆洗浄液タンクに収容された前記ろ過流体のいずれか一方を切替えて搬送する切替え部と、一端が前記切替え部に接続されて中間部に戻り側開閉弁が設けられ、他端が前記第一の搬送配管の中間部に接続された第二の戻り配管と、前記第一の搬送配管における前記第二の戻り配管の他端が接続された部分より前記第一の搬送配管の他端側に設けられた搬送側開閉弁と、を備えることを特徴としている。
【0009】
たとえば、第一の逆洗浄液タンク内にろ過流体が充分収容され、かつ、第二の逆洗浄液タンク内のろ過流体が足りなくなっていて、切替え部が第一の逆洗浄液タンクに収容されたろ過流体を搬送するように切替えられた状態で説明する。このとき、反応タンク内の圧力に対して、第一の逆洗浄液タンク内の圧力は高く、第二の逆洗浄液タンク内の圧力は低くなっている。さらに、回収タンク内の圧力に対して、反応タンク内の圧力は高く、第二の逆洗浄液タンク内の圧力は低くなっている。
戻り側開閉弁が閉状態、すなわち、第二の戻り配管にろ過流体を流さない状態になっているとともに搬送側開閉弁が開状態、すなわち、第一の搬送配管にろ過流体が流れる状態になっているろ過運転では、反応タンクと回収タンクとの圧力差により、反応タンク内で生成された生成体は、フィルタを透過したろ過流体に含まれて第一の搬送配管により搬送される。このとき、触媒はフィルタに付着していく。一方で、第一の搬送配管により搬送されたろ過流体は回収タンクに収容され、さらに、第二の搬送配管から搬出されて、製品などに使用される。
【0010】
一定時間ろ過運転した後で、搬送側開閉弁を閉状態にするとともに戻り側開閉弁を開状態にすることで、第一の逆洗浄液タンクと反応タンクとの圧力差により、第一の逆洗浄液タンク内に収容されたろ過流体が、切替え部および第二の戻り配管を通って第一の搬送配管の一端側に搬送され、フィルタを透過して反応タンク内に流れ込む逆洗浄運転が行われる。このとき、フィルタに付着していた触媒が取り除かれて反応タンク内に流れ出す。
この逆洗浄運転の直前に行われたろ過運転以降において、以下に説明する第二の逆洗浄液タンクの圧力・洗浄液補給運転を行う。すなわち、第二の逆洗浄液タンク内の圧力を回収タンク内の圧力より低くしておき(脱圧)、第二の流量調節弁を開状態にして、回収タンクと第二の逆洗浄液タンクとの圧力差により、第二の搬送配管で搬送されるろ過流体の一部を第一の戻り配管を通して第二の逆洗浄液タンクに補給する(洗浄液補給)。そして、反応タンク内の圧力より第二の逆洗浄液タンク内の圧力を高くしておき(昇圧)、一定の時間この状態で待機する。
ろ過運転、および第一の逆洗浄液タンク内のろ過流体を用いた逆洗浄運転を組にして1回以上行い、第一の逆洗浄液タンク内のろ過流体が足りなくなったときに、切替え部を第二の逆洗浄液タンクに収容されたろ過流体を搬送するように切替える。
【0011】
そして、一定時間ろ過運転した後で、搬送側開閉弁を閉状態にするとともに戻り側開閉弁を開状態にすることで、第二の逆洗浄液タンクと反応タンクとの圧力差により、第二の逆洗浄液タンク内に収容されたろ過流体によりフィルタに付着していた触媒を取り除く逆洗浄運転が行われる。
この逆洗浄運転の直前に行われたろ過運転以降において、第一の逆洗浄液タンクの圧力・洗浄液補給運転を行う。すなわち、第一の逆洗浄液タンク内の圧力を回収タンク内の圧力より低くしておき(脱圧)、第一の流量調節弁を開状態にして、第二の搬送配管により搬送されるろ過流体の一部を第一の逆洗浄液タンクに補給する(洗浄液補給)。さらに、反応タンク内の圧力より第一の逆洗浄液タンク内の圧力を高くしておき(昇圧)、一定の時間この状態で待機する。
ろ過運転、および第二の逆洗浄液タンク内のろ過流体を用いた逆洗浄運転を組にして1回以上行い、第二の逆洗浄液タンク内のろ過流体が足りなくなったときに、切替え部を第一の逆洗浄液タンクに収容されたろ過流体を搬送するように切替える。
【0012】
また、上記のフィルタの洗浄装置において、前記第二の搬送配管における前記第一の戻り配管の一端が接続された部分より前記第二の搬送配管の一端側に、前記ろ過流体を収容する緩衝タンクを備えることがより好ましい。
【0013】
また、上記のフィルタの洗浄装置において、前記反応タンクは前記フィルタとして第一のフィルタおよび第二のフィルタを有し、前記第一の搬送配管は、一端が前記第一のフィルタに接続された第一の搬送補助配管と、一端が前記第二のフィルタに接続された第二の搬送補助配管と、前記第一の搬送補助配管の他端および前記第二の搬送補助配管の他端に自身の一端が接続され、他端が前記回収タンクに接続された搬送主配管と、を有し、前記第二の戻り配管は、一端が前記切替え部に接続された戻り主配管と、一端が前記戻り主配管の他端に接続され、他端が前記第一の搬送補助配管の中間部に接続された第一の戻り補助配管と、一端が前記戻り主配管の他端に接続され、他端が前記第二の搬送補助配管の中間部に接続された第二の戻り補助配管と、を有し、前記戻り側開閉弁として、前記第一の戻り補助配管の中間部に設けられた第一の戻り側開閉弁と、前記第二の戻り補助配管の中間部に設けられた第二の戻り側開閉弁と、を有し、前記搬送側開閉弁として、前記第一の搬送補助配管における前記第一の戻り補助配管の他端が接続された部分より前記第一の搬送補助配管の他端側に設けられた第一の搬送側開閉弁と、前記第二の搬送補助配管における前記第二の戻り補助配管の他端が接続された部分より前記第二の搬送補助配管の他端側に設けられた第二の搬送側開閉弁と、を有することがより好ましい。この場合、反応タンク内に2つのフィルタを有し、それぞれのフィルタを洗浄する時間をずらすことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明において、請求項1に記載のフィルタの洗浄装置によれば、ろ過運転、および第一の逆洗浄液タンク内のろ過流体を用いた逆洗浄運転を組にしたものを1回以上行いフィルタに付着していた触媒を取り除く間に第二の逆洗浄液タンクの圧力・洗浄液補給運転を行うことと、ろ過運転、および第二の逆洗浄液タンク内のろ過流体を用いた逆洗浄運転を組にしたものを1回以上行いフィルタに付着していた触媒を取り除く間に第一の逆洗浄液タンクの圧力・洗浄液補給運転を行うこと、を交互に繰り返す。これにより、逆洗浄液タンク内にろ過流体を供給する間にフィルタの触媒を取り除くことができなくなるのを防止し、逆洗浄運転の間隔を短くすることができる。
さらに、逆洗浄液タンク内の圧力を高くしたり低くしたりすればよいので、従来のフィルタの洗浄装置のようにポンプを備える必要がなくなる。
【0015】
請求項2に記載のフィルタの洗浄装置によれば、緩衝タンク内に充分な量のろ過流体を蓄えてからろ過流体を供給することで、第一の逆洗浄液タンクおよび第二の逆洗浄液タンク内に短時間でろ過流体を補給することができる。
請求項3に記載のフィルタの洗浄装置によれば、フィルタが閉塞するのを効果的に防止するとともに、反応タンクの液面の高さを安定させることで、生成体の製造速度(単位時間当たりの生産量)を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態のフィルタの洗浄装置が用いられた液体燃料合成システムの説明図である。
【図2】同フィルタの洗浄装置の動作を説明する図である。
【図3】同フィルタの洗浄装置のフィルタの動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施形態)
以下、本発明に係るフィルタの洗浄装置(以下、単に「洗浄装置」とも称する。)、および洗浄装置が用いられる液体燃料合成システム(反応システム)の一実施形態を、図1から図3を参照しながら説明する。この液体燃料合成システムは、FT合成反応により水素ガスと一酸化炭素ガスから炭化水素を合成するものである。
なお、以下では説明の便宜のため、フィルタが2つ備えられている場合で説明する。
また、以下において、構成が同じものは、符号の数字の部分を共通にし、数字に付する英字を「A」、「B」、‥、と異ならせて示し、同じ説明は省略すことにする。
【0018】
図1に示すように、液体燃料合成システム100は、内部に第一のフィルタ111および第二のフィルタ112を有する反応器(反応タンク)110と、反応器110に接続されフィルタ111、112を透過した後述するろ過流体を搬送する第一の搬送配管120と、搬送されたろ過流体を収容する第一の気液分離槽(回収タンク)130と、一端が第一の気液分離槽130に接続され他端からろ過流体を搬出する第二の搬送配管150とを備えている。
【0019】
反応器110は、不図示の原料供給配管を有するとともに、反応器110内に触媒を懸濁させてなるスラリーが収容されている。
原料供給配管からは、前述の水素ガスおよび一酸化炭素ガスなどが供給され、これらのガスがスラリーの底部から吹き込まれる。水素ガスおよび一酸化炭素ガスは触媒に接触することで下記の化学反応式(1)によりFT合成反応を起こし、気体や液体の炭化水素などである生成体が生成される。
2nH+nCO→−(CH−+nHO ・・・(1)
フィルタ111、112は触媒をろ過するためのものである。本実施形態では、たとえば、触媒としてCo(コバルト)触媒、フィルタ111、112として焼結金属製フィルタを用いることができる。
なお、第一のフィルタ111および第二のフィルタ112は、フィルタに相当する。
【0020】
第一の搬送配管120が搬送する前述のろ過流体とは、反応器110内のスラリーおよび生成体から触媒をろ過したものである。
第一の搬送配管120は、一端が第一のフィルタ111に接続された第一の搬送補助配管121と、一端が第二のフィルタ112に接続された第二の搬送補助配管122と、第一の搬送補助配管121の他端および第二の搬送補助配管122の他端に自身の一端が接続され、他端が第一の気液分離槽130に接続された搬送主配管123とを有している。
このように構成された第一の搬送配管120では、第一の搬送補助配管121および第二の搬送補助配管122により搬送される流体が搬送主配管123に流れ込んで合流したり、搬送主配管123により搬送される流体が第一の搬送補助配管121および第二の搬送補助配管122に分かれたりする。
【0021】
第一の気液分離槽130は、内部にろ過流体を収容可能に構成されている。
第一の気液分離槽130には、圧力調節部131Aと液面調節部141Aとが取付けられている。
圧力調節部131Aは、一端にガスボンベ132Aが取付けられ、他端が開放され出口となった圧力調節配管133Aと、圧力調節配管133Aの中央部と第一の気液分離槽130とを接続する接続配管134Aと、圧力調節配管133Aに設けられた開閉弁135A、136Aと、開閉弁135A、136Aを制御する圧力制御部137Aとを備えている。圧力調節配管133Aにおいて、圧力調節配管133Aと接続配管134Aとの接続部に対する一端側に開閉弁135Aが、他端側に開閉弁136Aがそれぞれ設けられている。
ガスボンベ132Aには、たとえば、ゲージ圧で3.6MPaGの圧縮ガスが封入されている。圧縮ガスとしては、N(窒素)ガスなどを好適に用いることができる。圧力制御部137Aは、開閉弁135A、136Aを開状態または閉状態に独立して切り替えることができる。不図示の制御部に設けられたパネルを操作することで、圧力制御部137Aを遠隔制御することができる。
このように構成された圧力調節部131Aは、開閉弁135Aを開状態、開閉弁136Aを閉状態とすることで、ガスボンベ132A内の圧縮ガスを圧力調節配管133Aおよび接続配管134Aを通して第一の気液分離槽130内に供給することができる。また、開閉弁135Aを閉状態、開閉弁136Aを開状態とすることで、第一の気液分離槽130内のガスを、接続配管134Aおよび圧力調節配管133Aを通して大気中に開放することができる。
【0022】
液面調節部141Aは、第二の搬送配管150に設けられた開閉弁142Aと、第一の気液分離槽130のろ過流体の液面の高さを検出するとともに開閉弁142Aを制御する液面制御部143Aとを備えている。開閉弁142Aを開状態にすることで、第一の気液分離槽130内のろ過流体が第二の搬送配管150を通って流れ出るようになり、開閉弁142Aを閉状態にすることで、ろ過流体が第一の気液分離槽130から流れ出ないようになる。
液面制御部143Aは公知のレベルセンサを有していて、前述のパネルから液面制御部143Aを遠隔制御することができる。
【0023】
続いて、液体燃料合成システム100に用いられる洗浄装置1について説明する。
洗浄装置1は、一端が第二の搬送配管150の中間部に接続された第一の戻り配管10と、第一の戻り配管10に接続されろ過流体が供給される第一の逆洗浄ドラム(第一の逆洗浄液タンク)20Aおよび第二の逆洗浄ドラム(第二の逆洗浄液タンク)20Bと、第一の戻り配管10に設けられた第一の流量調節弁22Aおよび第二の流量調節弁22Bと、逆洗浄ドラム20A、20Bに接続された切替え部30と、一端が切替え部30に接続された第二の戻り配管40と、第一の搬送配管120に設けられた搬送側開閉弁47A、47Bとを備えている。
【0024】
第一の戻り配管10の一端は、第二の搬送配管150における開閉弁142Aが設けられた部分より第二の搬送配管150の他端側に接続されている。
第一の戻り配管10には、流量制御部16が接続されている。流量制御部16は、第一の戻り配管10により搬送されるろ過流体の流量を検出するとともに、流量調節弁22A、22Bを制御することができる。
第一の戻り配管10の他端側は第一の分岐配管11および第二の分岐配管12の2つに分かれていて、第一の戻り配管10の一端側から搬送されたろ過流体は、第一の分岐配管11および第二の分岐配管12に分かれて搬送される。
第一の逆洗浄ドラム20Aは第一の分岐配管11の端部に接続され、第一の分岐配管11には前述の第一の流量調節弁22Aが設けられている。同様に、第二の逆洗浄ドラム20Bは第二の分岐配管12の端部に接続され、第二の分岐配管12には前述の第二の流量調節弁22Bが設けられている。
第一の流量調節弁22Aは、第一の戻り配管10から第一の分岐配管11を通して第一の逆洗浄ドラム20Aに供給されるろ過流体の流量を調節することができる。第二の流量調節弁22Bは、第一の戻り配管10から第二の分岐配管12を通して第二の逆洗浄ドラム20Bに供給されるろ過流体の流量を調節することができる。
【0025】
第一の逆洗浄ドラム20Aには、圧力調節部131Bと液面制御部143Bとが取り付けられている。液面制御部143Bは、第一の逆洗浄ドラム20Aのろ過流体の液面の高さを検出するとともに、その結果に基づいて第一の流量調節弁22Aを制御する。
第二の逆洗浄ドラム20Bには、圧力調節部131Cと液面制御部143Cとが取り付けられている。液面制御部143Cは、第二の逆洗浄ドラム20Bのろ過流体の液面の高さを検出するとともに、その結果に基づいて第二の流量調節弁22Bを制御する。
なお、この例では、逆洗浄ドラム20A、20Bに同じ圧力の圧縮ガスを供給するため、圧力調節部131B、131Cにおいて、圧力調節配管133Bの一端および圧力調節配管133Cの一端が一つのガスボンベ132Bに取付けられている。一方で、圧力調節配管133Bの他端および圧力調節配管133Cの他端が接続され、大気に開放されている。
逆洗浄ドラム20A、20B内に充分な量のろ過流体が収容されたときのろ過流体の液面の高さを「高位置H」、逆洗浄ドラム20A、20B内のろ過流体が不足したときの液面の高さを「低位置L」と称する。
ガスボンベ132Bには、たとえば、4.2MPaGの圧縮ガスが封入されている。
【0026】
切替え部30は、一端が第一の逆洗浄ドラム20Aに接続され、中間部に開閉弁31Aが設けられた第一の切替え配管32Aと、一端が第二の逆洗浄ドラム20Bに接続され、中間部に開閉弁31Bが設けられた第二の切替え配管32Bとを備えている。
第一の切替え配管32Aの他端と第二の切替え配管32Bの他端とは、接続されている。
開閉弁31Aには切替え制御部33Aが、開閉弁31Bには切替え制御部33Bがそれぞれ接続されていて、前述のパネルから切替え制御部33A、33Bを遠隔制御することができる。開閉弁31Aおよび開閉弁31Bの一方を開状態、他方を閉状態とすることで、第一の逆洗浄ドラム20Aおよび第二の逆洗浄ドラム20Bに収容されたろ過流体のいずれか一方を切替えて搬送することができる。
【0027】
第二の戻り配管40は、一端が第一の切替え配管32Aの他端に接続された戻り主配管41と、一端が戻り主配管41の他端に接続され、他端が第一の搬送補助配管121の中間部に接続された第一の戻り補助配管42と、一端が戻り主配管41の他端に接続され、他端が第二の搬送補助配管122の中間部に接続された第二の戻り補助配管43とを有している。
第一の戻り補助配管42の中間部には第一の戻り側開閉弁45Aが、第二の戻り補助配管43の中間部には第二の戻り側開閉弁45Bがそれぞれ設けられている。
なお、第一の戻り側開閉弁45Aおよび第二の戻り側開閉弁45Bは、戻り側開閉弁に相当する。
【0028】
第一の搬送側開閉弁47Aは、第一の搬送補助配管121における第一の戻り補助配管42の他端が接続された部分より第一の搬送補助配管121の他端側に設けられている。第二の搬送側開閉弁47Bは、第二の搬送補助配管122における第二の戻り補助配管43の他端が接続された部分より第二の搬送補助配管122の他端側に設けられている。
なお、第一の搬送側開閉弁47Aおよび第二の搬送側開閉弁47Bは、搬送側開閉弁に相当する。
【0029】
洗浄装置1は、第二の搬送配管150における第一の戻り配管10の一端が接続された部分と開閉弁142Aが設けられた部分との間に、ろ過流体を収容する第二の気液分離槽(緩衝タンク)50を備えている。
第二の気液分離槽50には、圧力調節部131Dと液面調節部141Dとが取付けられている。
ガスボンベ132Dには、たとえば、ゲージ圧で1.0MPaGの圧縮ガスが封入されている。開閉弁142Aは、第二の搬送配管150における第一の戻り配管10の一端が接続された部分より第二の搬送配管150の他端側に設けられている。
【0030】
これまで述べたように、圧力制御部137A、137B、137C、137D、液面制御部143A、143B、143C、143D、切替え制御部33A、33B、流量制御部16、戻り側開閉弁45A、45B、そして、搬送側開閉弁47A、47Bを、パネルから遠隔制御することができる。
【0031】
次に、以上のように構成された液体燃料合成システム100および洗浄装置1の動作について、具体的な圧力を示しながら説明する。なお、液体燃料合成システム100および洗浄装置1が動作する圧力は、以下で示す圧力に限られるものではない。
図2は洗浄装置1の動作を説明する図であり、図3は洗浄装置1のフィルタ111、112の動作を説明する図である。
初期条件として、第一の逆洗浄ドラム20Aは、ろ過流体の液面の高さが高位置Hで、圧縮ガスにより内部の圧力が3.7MPaGになっていて、第二の逆洗浄ドラム20Bは、液面の高さが低位置Lで、内部の圧力が3.7MPaGになっているとする。反応器110、第一の気液分離槽130、および第二の気液分離槽50の内部の圧力は、それぞれ3.2MPaG、3.1MPaG、および0.5MPaGになっている。
流量調節弁22A、22B、戻り側開閉弁45A、45Bは閉状態になっていて、開閉弁31A、31B、搬送側開閉弁47A、47B、開閉弁142A、142Dは開状態になっているものとする。
【0032】
この状態で、洗浄装置1では、製品を製造するろ過運転が行われる。
すなわち、反応器110内では、前述の化学反応式(1)によりFT合成反応が起こり、気体や液体の炭化水素などである生成体が生成される。
反応器110の3.2MPaGと第一の気液分離槽130の3.1MPaGとの圧力差により、反応器110内で生成された生成体は、フィルタ111、112を透過したろ過流体に含まれて、第一の搬送配管120により搬送される。反応器110内のスラリーや生成体がろ過されるとき、触媒はフィルタ111、112に付着していく。一方で、第一の搬送配管120により搬送されたろ過流体は第一の気液分離槽130に収容され、さらに、第二の搬送配管150から搬出されて、ナフサなどの液体燃料製品に使用される。
【0033】
そして、図2に示す時刻Tにおいて、第一の逆洗浄ドラム20Aを用いてフィルタ111に付着した触媒を取り除く逆洗浄運転が行われる。言い換えれば、時刻Tにおいて、第一の逆洗浄ドラム20Aを逆洗浄運転が行える逆洗浄可能状態にする。
すなわち、開閉弁31Bおよび第一の搬送側開閉弁47Aを閉状態にしておき、図3に示すように、第一の戻り戻り側開閉弁45Aを期間tの間開状態にすることで、第一の逆洗浄ドラム20A内のろ過流体が第一のフィルタ111を透過して反応器110内に流れ込む。第一のフィルタ111に付着していた触媒が取り除かれて反応器110内のスラリーに流れ出す。この後、第一のフィルタ111の操作は、期間tの間待機状態とし、その後、第一の搬送側開閉弁47Aを期間tの間開状態にすることで、第一のフィルタ111でろ過運転を行う。
一方で、第二の搬送側開閉弁47Bを時刻Tから期間tの間開状態にすることで、ろ過運転を行う。この後、第二の戻り戻り側開閉弁45Bを期間tの間開状態にすることで、第一の逆洗浄ドラム20A内のろ過流体が第二のフィルタ112を透過して反応器110内に流れ込み、第二のフィルタ112に付着していた触媒を取り除く逆洗浄運転を行う。この後、第一のフィルタ111の操作は、期間tの間待機状態とする。
これまで説明したように、第一のフィルタ111に関する逆洗浄運転、待機状態およびろ過運転、そして、第二のフィルタ112に関するろ過運転、逆洗浄運転および待機状態が1サイクルとなる。この1サイクルに要する期間は、それぞれ期間tとなる。
【0034】
この1サイクルを、図2に示すように複数回繰り返す。なお、ろ過流体が第一の逆洗浄ドラム20A内から流れ出すが、圧縮ガスがガスボンベ132Bから開閉弁135Bを介して第一の逆洗浄ドラム20Aに供給されるため、第一の逆洗浄ドラム20Aの圧力は一定に保たれる。
【0035】
本実施形態では、一度に全てのフィルタ111、112を用いて洗浄することなく、第一のフィルタ111と第二のフィルタ112との逆洗浄の間隔が期間t(図3参照)となるようにずらすことで、1サイクルにおいて、フィルタ111、112を通して反応器110内に流れ込むろ過流体の単位時間当たりの流量をより一定にすることができ、製品の製造速度をほぼ一定にすることができる。なお、第一の逆洗浄ドラム20A内のろ過流体の液面の高さは、時間とともに階段状に低下する。
【0036】
一方で、図2に示すように、時刻T以降において、第二の逆洗浄ドラム20Bにろ過流体を供給する圧力・洗浄液補給運転を行う。
すなわち、圧力制御部137Cを制御して開閉弁135Cを閉状態にしたまま開閉弁136Cを開状態にすることで、第二の気液分離槽50より第二の逆洗浄ドラム20Bの内部の圧力を低く(脱圧)して、0.0MPaGにする。そして、液面制御部143Cにより第二の流量調節弁22Bを開状態にして、第二の搬送配管150により搬送されるろ過流体の一部を第一の戻り配管10を通して第二の逆洗浄ドラム20Bに補給する(洗浄液補給)。このとき、第二の流量調節弁22Bの開度を、ろ過流体の流量が予め決めておいた流量となるよう調節することが好ましい。第二の逆洗浄ドラム20Bにろ過流体が充分供給されたら、第二の流量調節弁22Bを閉状態にしておく。
さらに、圧力制御部137Cを制御して開閉弁136Cを閉状態にするとともに開閉弁135Cを開状態にしてガスボンベ132Bの圧縮ガスを第二の逆洗浄ドラム20Bに供給することで、反応器110より第二の逆洗浄ドラム20Bの内部の圧力を高く(昇圧)し、3.7MPaGにしておく。
【0037】
第一の逆洗浄ドラム20A内のろ過流体を用いた逆洗浄運転を含む1サイクルを複数回繰り返した後、図2に示す時刻Tにおいて、第二の逆洗浄ドラム20Bを用いてフィルタ111に付着した触媒を取り除く逆洗浄運転が行われる。
この逆洗浄運転は、前述の逆洗浄運転とはろ過流体を供給する逆洗浄ドラムのみが異なる。このため、詳しい説明については省略する。
一方で、時刻T以降において、第一の逆洗浄ドラム20Aにろ過流体を補給する圧力・洗浄液補給運転を行う。この圧力・洗浄液補給運転は、前述の圧力・洗浄液補給運転とはろ過流体を補給する逆洗浄ドラムのみが異なる。このため、詳しい説明については省略する。
そして、上記と同様に、第二の逆洗浄ドラム20B内のろ過流体を用いた逆洗浄運転を含む1サイクルを複数回繰り返すと、時刻Tとなる。
【0038】
これまで説明した、時刻Tからまで時刻Tまでに行われた手順を所望の回数繰り返すことで、洗浄装置1によりフィルタ111、112が閉塞するのを防止して、液体燃料合成システム100により製品が連続的に製造される。
【0039】
なお、反応器110で生成される生成体の生成流量(単位時間当たりの生成量)をFとし、フィルタ111、112から供給されるろ過流体の平均供給流量をFとすると、反応器110内におけるスラリーの液面高さを一定に保つために、フィルタ111、112全体により、(F+F)(=F)のろ過流量でろ過する必要がある。このろ過流量Fは、反応器110内と第一の気液分離槽130内との圧力差により調節する。これは、液面と圧力とのカスケード制御となる。
【0040】
反応器110の液面の高さが下がる傾向があれば、圧力調節部131Aにより圧縮ガスを第一の気液分離槽130内に供給することで、反応器110と第一の気液分離槽130との圧力差を小さくする。また、反応器110の液面の高さが上がる傾向があれば、圧力調節部131Aにより第一の気液分離槽130内の圧力を低下させることで、反応器110と第一の気液分離槽130との圧力差を大きくする。
第一の気液分離槽130内の液面の高さは、一定になるように調節されている。このため、第一の気液分離槽130から第二の気液分離槽50に供給されるろ過流体の供給量も、Fに等しくなる。
【0041】
第二の気液分離槽50から第二の搬送配管150を通して搬送されるろ過流体中の生成体を公知の方法により回収することで、ナフサなどの製品を製造することができる。
第二の気液分離槽50から第一の逆洗浄ドラム20Aまたは第二の逆洗浄ドラム20Bにろ過流体を搬送するときには、単位時間当たりの搬送量が一定になるように制御する。ただし、第一の逆洗浄ドラム20Aにおける液面の高さが高位置Hから低位置Lまで下がる間に、第二の逆洗浄ドラム20Bの液面の高さが低位置Lから高位置Hになるまで第二の気液分離槽50からろ過流体を供給する必要がある。よって、図2において、時刻Tから時刻Tの間で、洗浄液補給に要する時間をT、逆洗浄可能状態の時間をTとすると、第二の逆洗浄ドラム20Bへろ過流体を供給する流量Fを、(1)式より得られる値に設定する。
×(T/T) ・・(1)
【0042】
第二の気液分離槽50の液面の高さは、第二の逆洗浄ドラム20Bが脱圧、昇圧、あるいは待機している間には、ろ過流量Fより第二の気液分離槽50から搬送されるろ過流体の流量(F+F)が多くなるため、下がる傾向となる。つまり、第二の気液分離槽50の液面の高さは、ある範囲で上下することになる。
このようにして、フィルタ111、112で単位時間当たりにろ過する量、および、生成体の製造速度を一定にする運転が可能となる。
ただし、第二の気液分離槽50における液面の高さが上がり過ぎる場合には、生成体の製造速度が増加するように、液面とろ過流体の流量とのカスケード制御を行う。第二の気液分離槽50の液面が下がり過ぎる場合には、生成体の製造速度が減少するように上記カスケード制御を行う。
【0043】
前述ように、第一の気液分離槽130の液面の高さは一定になるように調節されるのに対して、第二の気液分離槽50の液面の高さはある範囲で上下することになる。したがって、第二の気液分離槽50内に、逆洗浄ドラム20A、20Bに対応した量のろ過流体を蓄えることができる。
【0044】
以上説明したように、本実施形態の洗浄装置1によれば、逆洗浄可能状態になっている第一の逆洗浄ドラム20A内のろ過流体でフィルタ111、112に付着していた触媒を取り除く間に、第二の逆洗浄ドラム20Bの圧力・洗浄液補給運転を行うことと、逆洗浄可能状態になっている第二の逆洗浄ドラム20B内のろ過流体でフィルタ111、112に付着していた触媒を取り除く間に、第一の逆洗浄ドラム20Aの圧力・洗浄液補給運転を行うこと、を交互に繰り返す。すなわち、第一の逆洗浄ドラム20Aおよび第二の逆洗浄ドラム20B内のろ過流体を交互に使用して、フィルタ111、112の洗浄を行う。
これにより、逆洗浄ドラム20A、20B内にろ過流体を供給する圧力・洗浄液補給運転の間にフィルタ111、112の触媒を取り除くことができなくなるのを防止し、逆洗浄運転間の間隔を短くすることができる。
さらに、逆洗浄ドラム20A、20B内の圧力をガスボンベ132Bにより高くしたり、大気開放して低くしたりすればよいので、従来のフィルタの洗浄装置のようにポンプを備える必要がなくなる。
【0045】
洗浄装置1は第二の気液分離槽50を備えるため、第二の気液分離槽50内に充分な量のろ過流体を蓄えてからろ過流体を供給することで、第一の逆洗浄ドラム20Aおよび第二の逆洗浄ドラム20B内に短時間でろ過流体を補給することができる。
また、液体燃料合成システム100はフィルタ111、112、搬送補助配管121、122を2つずつ備え、本実施形態の洗浄装置1は、戻り補助配管42、43、戻り側開閉弁45A、45B、搬送側開閉弁47A、47Bを2つずつ備えている。このため、各フィルタ111、112に対応した開閉弁を独立して制御することで、フィルタフィルタ111、112を洗浄する時間をずらすことができる。したがって、フィルタ111、112が閉塞するのを効果的に防止するとともに、反応器110の液面の高さを安定させることで、生成体の製造速度を安定させることができる。
【0046】
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更なども含まれる。
たとえば、前記実施形態では、フィルタとして第一のフィルタ111と第二のフィルタ112とを有し、第一の搬送配管120として第一の搬送補助配管121と第二の搬送補助配管122と搬送主配管123とを有し、第二の戻り配管40として戻り主配管41と第一の戻り補助配管42と第二の戻り補助配管43とを有し、戻り側開閉弁として第一の戻り側開閉弁45Aと第二の戻り側開閉弁45Bとを有し、搬送側開閉弁として第一の搬送側開閉弁47Aと第二の搬送側開閉弁47Bとを有するように構成した。
しかし、液体燃料合成システム100に備えられるフィルタの数、および搬送補助配管の数、洗浄装置1に備えられる戻り補助配管の数、戻り側開閉弁の数、および搬送側開閉弁の数に制限はなく、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
【0047】
前記実施形態では、液体燃料合成システム100において搬送主配管123を配さず、第一の搬送補助配管121の他端および第二の搬送補助配管122の他端を第一の気液分離槽130に直接接続するように構成してもよい。同様に、洗浄装置1において戻り主配管41を配さず、第一の戻り補助配管42の一端および第二の戻り補助配管43の一端を切替え配管32Aの他端に直接接続するように構成してもよい。
また、前記実施形態では、逆洗浄ドラム20A、20B内の容量が比較的小さい場合などには、洗浄装置1に第二の気液分離槽50は備えられなくてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 洗浄装置(フィルタの洗浄装置)
10 第一の戻り配管
20A 第一の逆洗浄ドラム(第一の逆洗浄液タンク)
20B 第二の逆洗浄ドラム(第二の逆洗浄液タンク)
22A 第一の流量調節弁
22B 第二の流量調節弁
30 切替え部
40 第二の戻り配管
41 戻り主配管
42 第一の戻り補助配管
43 第二の戻り補助配管
45A 第一の戻り側開閉弁
45B 第二の戻り側開閉弁
47A 第一の搬送側開閉弁
47B 第二の搬送側開閉弁
50 第二の気液分離槽(緩衝タンク)
100 液体燃料合成システム(反応システム)
110 反応器(反応タンク)
111 第一のフィルタ
112 第二のフィルタ
120 第一の搬送配管
121 第一の搬送補助配管
122 第二の搬送補助配管
123 搬送主配管
130 第一の気液分離槽(回収タンク)
150 第二の搬送配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒および前記触媒を用いた化学反応により生成される生成体が収容可能とされ、内部に前記触媒をろ過するフィルタを有する反応タンクと、一端が前記フィルタに接続されて前記フィルタを通過したろ過流体を搬送する第一の搬送配管と、前記第一の搬送配管の他端に接続され、前記ろ過流体を収容する回収タンクと、一端が前記回収タンクに接続され他端から前記ろ過流体を搬出する第二の搬送配管とを備える反応システムにおいて、前記フィルタに付着した前記触媒を取り除くフィルタの洗浄装置であって、
一端が前記第二の搬送配管の中間部に接続され、前記ろ過流体を搬送する第一の戻り配管と、
前記第一の戻り配管に接続され前記ろ過流体が供給される第一の逆洗浄液タンクおよび第二の逆洗浄液タンクと、
前記第一の戻り配管から前記第一の逆洗浄液タンクに供給される前記ろ過流体の流量を調節可能な第一の流量調節弁と、
前記第一の戻り配管から前記第二の逆洗浄液タンクに供給される前記ろ過流体の流量を調節可能な第二の流量調節弁と、
前記第一の逆洗浄液タンクおよび前記第二の逆洗浄液タンクに接続され、前記第一の逆洗浄液タンクおよび前記第二の逆洗浄液タンクに収容された前記ろ過流体のいずれか一方を切替えて搬送する切替え部と、
一端が前記切替え部に接続されて中間部に戻り側開閉弁が設けられ、他端が前記第一の搬送配管の中間部に接続された第二の戻り配管と、
前記第一の搬送配管における前記第二の戻り配管の他端が接続された部分より前記第一の搬送配管の他端側に設けられた搬送側開閉弁と、
を備えることを特徴とするフィルタの洗浄装置。
【請求項2】
前記第二の搬送配管における前記第一の戻り配管の一端が接続された部分より前記第二の搬送配管の一端側に、前記ろ過流体を収容する緩衝タンクを備えることを特徴とする請求項1に記載のフィルタの洗浄装置。
【請求項3】
前記反応タンクは前記フィルタとして第一のフィルタおよび第二のフィルタを有し、
前記第一の搬送配管は、
一端が前記第一のフィルタに接続された第一の搬送補助配管と、
一端が前記第二のフィルタに接続された第二の搬送補助配管と、
前記第一の搬送補助配管の他端および前記第二の搬送補助配管の他端に自身の一端が接続され、他端が前記回収タンクに接続された搬送主配管と、
を有し、
前記第二の戻り配管は、
一端が前記切替え部に接続された戻り主配管と、
一端が前記戻り主配管の他端に接続され、他端が前記第一の搬送補助配管の中間部に接続された第一の戻り補助配管と、
一端が前記戻り主配管の他端に接続され、他端が前記第二の搬送補助配管の中間部に接続された第二の戻り補助配管と、
を有し、
前記戻り側開閉弁として、
前記第一の戻り補助配管の中間部に設けられた第一の戻り側開閉弁と、
前記第二の戻り補助配管の中間部に設けられた第二の戻り側開閉弁と、
を有し、
前記搬送側開閉弁として、
前記第一の搬送補助配管における前記第一の戻り補助配管の他端が接続された部分より前記第一の搬送補助配管の他端側に設けられた第一の搬送側開閉弁と、
前記第二の搬送補助配管における前記第二の戻り補助配管の他端が接続された部分より前記第二の搬送補助配管の他端側に設けられた第二の搬送側開閉弁と、
を有することを特徴とする請求項1または2に記載のフィルタの洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−34929(P2013−34929A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171811(P2011−171811)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(504117958)独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構 (101)
【出願人】(509001630)国際石油開発帝石株式会社 (57)
【出願人】(000004444)JX日鉱日石エネルギー株式会社 (1,898)
【出願人】(591090736)石油資源開発株式会社 (70)
【出願人】(000105567)コスモ石油株式会社 (443)
【出願人】(306022513)新日鉄住金エンジニアリング株式会社 (897)
【Fターム(参考)】